JP2023020855A - 充電コネクタ - Google Patents

充電コネクタ Download PDF

Info

Publication number
JP2023020855A
JP2023020855A JP2022030731A JP2022030731A JP2023020855A JP 2023020855 A JP2023020855 A JP 2023020855A JP 2022030731 A JP2022030731 A JP 2022030731A JP 2022030731 A JP2022030731 A JP 2022030731A JP 2023020855 A JP2023020855 A JP 2023020855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
charging connector
locking member
locking
rib
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022030731A
Other languages
English (en)
Inventor
恭平 表
Kyohei OMOTE
拓真 開本
Takuma Kaimoto
博也 片瀬
Hiroya KATASE
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to CN202280050264.0A priority Critical patent/CN117693869A/zh
Priority to PCT/JP2022/025534 priority patent/WO2023008040A1/ja
Publication of JP2023020855A publication Critical patent/JP2023020855A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】充電用コネクタにおいて、リッドを開きやすくすることができる技術を提供することを目的とする。【解決手段】充電コネクタは、ハウジングとリッド82と係止部材87とを備える。係止部材87は、前記軸部88aに支持される被支持部87aと、それぞれが前記被支持部87aから径方向外側に突出する係止部87b及び突出部87cとを有する。前記係止部材87が第1位置にある場合において、前記係止部87bは閉状態の前記リッド82に係止可能であると共に、前記突出部87cは外部充電コネクタとの挿抜方向に沿ってハウジングの筒状枠部52の先端より内側に位置する。前記係止部材87が前記第1位置から前記第2位置に回動して、前記係止部87bと前記リッド82との係止状態が解消されると共に、前記突出部87cが前記挿抜方向に沿って前記筒状枠部52の先端より外側に位置する。【選択図】図10

Description

本開示は、充電コネクタに関する。
特許文献1は、キャップの開閉構造を開示している。特許文献1に記載のキャップは、車両用充電用コネクタにおけるハウジングの開口部に設けられる。
特開2018-101547号公報
ハウジングの開口部は充電時に車外に露出する箇所であるため、キャップ及びハウジングには水かかりが生じうる。この水が凍結するなどして、キャップ及びハウジングが固着した際、何ら対策しない場合には、キャップが開きにくくなる恐れがある。
そこで、充電用コネクタにおいて、リッドを開きやすくすることができる技術を提供することを目的とする。
本開示の充電コネクタは、車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、前記外部充電コネクタが挿抜可能な筒状枠部を有するハウジングと、前記筒状枠部の先端側に開閉可能に取付けられたリッドと、軸部を介して前記筒状枠部に対して第1位置と第2位置との間で回動可能に支持された係止部材と、を備え、前記係止部材は、前記軸部に支持される被支持部と、それぞれが前記被支持部から径方向外側に突出する係止部及び突出部とを有し、前記係止部材が前記第1位置にある場合において、前記係止部は閉状態の前記リッドに係止可能であると共に、前記突出部は前記外部充電コネクタとの挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より内側に位置し、前記係止部材が前記第1位置から前記第2位置に回動して、前記係止部と前記リッドとの係止状態が解消されると共に、前記突出部が前記挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より外側に位置する、充電コネクタである。
本開示によれば、充電用コネクタにおいて、リッドが開きやすくなる。
図1は実施形態1にかかる充電コネクタ及びその組付態様を示す平面図である。 図2は実施形態1にかかる充電コネクタを示す斜視図である。 図3は実施形態1にかかる充電コネクタを示す分解斜視図である。 図4は実施形態1にかかる充電コネクタを示す正面図である。 図5は図4のV-V線に沿った断面図である。 図6は端子付き電線及びその収容位置を説明する図である。 図7は充電コネクタにおける電線経路を説明する図である。 図8はリッド及びヒンジユニットを示す図である。 図9は閉状態のリッドを示す図である。 図10は開状態のリッドを示す図である。 図11はロックユニットを示す斜視図である。 図12は図4の領域XIIの拡大図である。 図13は係止部材が第1位置と第2位置との中間位置にある様子を示す図である。 図14は変形例にかかる充電コネクタを示す背面図である。 図15はハウジングとリッドユニットとの取付態様の変形例を示す斜視図である。 図16は図15のXVI-XVI線に沿った断面図である。 図17はリッドが閉じた状態を示す図である。 図18はリッド側付勢部材の取付姿勢が逆向きとなる場合を示す図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の充電コネクタは、次の通りである。
(1)車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、前記外部充電コネクタが挿抜可能な筒状枠部を有するハウジングと、前記筒状枠部の先端側に開閉可能に取付けられたリッドと、軸部を介して前記筒状枠部に対して第1位置と第2位置との間で回動可能に支持された係止部材と、を備え、前記係止部材は、前記軸部に支持される被支持部と、それぞれが前記被支持部から径方向外側に突出する係止部及び突出部とを有し、前記係止部材が前記第1位置にある場合において、前記係止部は閉状態の前記リッドに係止可能であると共に、前記突出部は前記外部充電コネクタとの挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より内側に位置し、前記係止部材が前記第1位置から前記第2位置に回動して、前記係止部と前記リッドとの係止状態が解消されると共に、前記突出部が前記挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より外側に位置する、充電コネクタである。係止部材が第1位置から第2位置に回動する際、突出部がリッドを押し上げ可能な位置に設けられているため、凍結時などにリッド及びハウジングが固着している場合においても、リッドが開きやすくなる。また、突出部がリッドを押し上げる動作が、係止部材が第1位置から第2位置に回動する動作に組込まれるため、作業者が行う動作が増えることが抑制される。
(2)(1)の充電コネクタにおいて、前記係止部材は、前記係止部の天面に形成され、前記軸部の延在方向に沿って延びる一条の凸部をさらに有してもよい。これにより、作業者が係止部材を操作する際、凸部が引掛かりとなって滑りにくくなり、係止部材の操作が容易となる。
(3)(2)の充電コネクタにおいて、前記凸部は、前記天面のうち前記リッドから遠い側の端部に設けられていてもよい。これにより、作業者が係止部材を第1位置から第2位置に操作する際、凸部が引掛かりとなりやすい。
(4)(1)から(3)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記リッドの内面に設けられ、前記リッドが閉状態のときに前記筒状枠部の端面と接触する環状のシール部材をさらに備え、前記リッドの内面には、前記シール部材の内側に沿って延びる環状の第1リブが形成されていてもよい。これにより、リッドにリッドとは別部材であるシール部材が設けられる際、第1リブが位置決めに使用されることができる。
(5)(4)の充電コネクタにおいて、前記リッドの内面には、前記リッドの中央部から前記第1リブに向かって放射状に延びる複数の第2リブが形成されていてもよい。これにより、リッドの剛性が高められる。
(6)(5)の充電コネクタにおいて、前記リッドの内面には、前記第1リブの内側に環状の第3リブが形成されており、前記複数の第2リブは、前記第3リブを起点として前記第1リブに向けて延びていてもよい。これにより、中央部において複数の第2リブが交わることが抑制され、リッドの成形性が高まる。
(7)(1)から(6)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記係止部材は、前記被支持部の外面から前記軸部の延在方向に沿って前記ハウジングの軸受部に突出するスペーサ部をさらに有し、前記スペーサ部の周囲の位置において、前記被支持部の前記外面と前記軸受部の内面とが互いに離間しつつ対向していてもよい。これにより、係止部材とハウジングとの接触面積が小さくなり、係止部材とハウジングとが凍結などにより固着していても、作業者による係止部材の操作の弊害となることが抑制される。
(8)(1)から(7)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記リッドは、前記筒状枠部を覆うリッド本体と、前記係止部に引っ掛かる被係止部とを有し、前記被係止部は、前記リッド本体よりも外周側に突出し、前記被係止部の外面は、前記リッド本体の外面より前記筒状枠部側に低くなっていてもよい。これにより、車外方向に向かう係止部の突出寸法が小さくなる。
(9)(1)から(8)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記係止部材を回動方向に沿って前記第1位置に向けて付勢する係止部材側付勢部材をさらに備えてもよい。これにより、突出部がリッドを押し上げる動作が、作業者が係止部材側付勢部材の付勢力に抗して、係止部材を第1位置から第2位置に向けて回動させる動作に組込まれる。
(10)(1)から(9)のいずれか1つの充電コネクタにおいて、前記リッドは、リッド側軸部を介して前記ハウジングに回動可能に取付けられ、前記リッドを回動方向に沿って開状態に付勢するリッド側付勢部材をさらに備えてもよい。これにより、突出部によるリッドの押し上げ動作によってリッドとハウジングとの固着部分を剥がすきっかけが与えられると、リッド側付勢部材によって閉状態から開状態に移行することができる。
(11)(10)の充電コネクタにおいて、前記リッド側付勢部材は、ばね本体部と、前記ばね本体部から延びるばねアーム部とを含み、前記リッド及び前記ハウジングの少なくとも一方には、前記リッド側付勢部材の取付姿勢が正規姿勢とは異なる姿勢の場合に前記ばねアーム部と干渉する干渉部が設けられていてもよい。これにより、リッド側付勢部材が正規姿勢とは異なる姿勢で取付けられることが抑制される。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる充電コネクタについて説明する。
<車両について>
まず、充電コネクタが組込まれる車両について説明する。
充電コネクタが組込まれる車両は、蓄電装置及びモータを備える電動車両である。車両は、蓄電装置の電力によってモータが駆動されることによって走行する。車両は、駆動源としてモータのみを備える電気自動車であってもよいし、モータとエンジンとを備えるハイブリッド自動車であってもよい。車両における蓄電装置は、外部の電源から供給される電力によって充電される。充電コネクタは、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続されることが可能に構成される。外部充電コネクタは、外部電源から延びる充電ケーブルのコネクタである。
車両における蓄電装置の充電態様として、一般に、普通充電及び急速充電がある。急速充電は、普通充電よりも大きな電流を流すことによって、普通充電よりも短時間での充電を可能にする。普通充電は、家庭用電源又はそれと同等の外部電源が用いられることが想定される。急速充電では、例えば充電スタンドなどの専用の電源が用いられることが想定される。本開示の充電コネクタは、急速充電に対応した充電コネクタであるものとして説明される。
<車両における充電コネクタ>
図1を参照しつつ、車両における充電コネクタの組付態様について説明する。図1は実施形態1にかかる充電コネクタ10及びその組付態様を示す平面図である。
充電コネクタ10は、例えば、車両におけるボディの外面に設けられた取付部100に取付けられる。図1には、取付部100の一例が示されている。取付部100は、例えば、ボディをなすパネル102の一部が車両の内側に凹む凹状に形成される。取付部100のうち底部のパネル102には貫通孔104が形成される。
充電コネクタ10の正面側には、外部充電コネクタとの接続部分が設けられる。接続部分は、外部充電コネクタが挿し込まれて電気的に接続される部分を含む。充電コネクタ10における接続部分を含む一部は、貫通孔104を貫通してパネル102の外側に露出する。充電コネクタ10の他の一部は、パネル102よりも車両の内側に配置される。通常、取付部100には、車体側カバー106が設けられる。車体側カバー106は、ヒンジ等によって開閉可能にパネル102に取付けられる。車体側カバー106が閉じた状態で、車体側カバー106がパネル102の開口部を覆う。車体側カバー106が開いた状態で、充電コネクタ10が露出し、外部から充電コネクタ10へのアクセスが可能となる。
本開示において、図1に示されるように、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のうち、X方向が、充電コネクタ10がパネル102の貫通孔104を貫通する方向に平行な方向とされる。充電コネクタ10と外部充電コネクタとは、X方向に接続される。Z方向は、例えば、鉛直方向である。例えば、充電コネクタ10が車両の側面に設けられる場合、Y方向は車両の前後方向となる。例えば、充電コネクタ10が車両の前面又は後面に設けられる場合、Y方向は車両の幅方向となる。以下、取付状態にない部材についても、取付状態とされた場合のX方向、Y方向及びZ方向に対応する方向に準ずる説明がなされる。
<全体構成>
図1に加えて、図2から図7を参照しつつ、充電コネクタ10の全体構成について説明する。図2は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す斜視図である。図3は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す分解斜視図である。図4は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す正面図である。図5は図4のV-V線に沿った断面図である。図6は端子付き電線38及びその収容位置を説明する図である。図7は充電コネクタ10における電線30経路を説明する図である。なお、図3において電線30は省略されている。また、図6では、一部の端子付き電線38が省略されている。
充電コネクタ10は、端子20と電線30とサーミスタユニット40とハウジング50とリテーナ60と電線カバー70とリッドユニット80とグロメット90とを備える。
<端子>
端子20は、コネクタ端子21と、中継端子28とを含む。コネクタ端子21は、ハウジング50に収容される。コネクタ端子21は、相手側コネクタの端子20と接続される。コネクタ端子21の数、種類は、充電コネクタ10の規格などによって適宜設定される。本実施形態の例では、コネクタ端子21として、2つのパワー端子22、6つのシグナル端子24、1つのグランド端子26が設けられる。中継端子28は、パワー端子22と電線30との間に介在する。中継端子28は、パワー端子22と同数(ここでは2つ)設けられる。各端子20は、金属板をプレス加工(曲げ加工)して形成される。
パワー端子22は、相手側接続部23a、端子固定部23b及び突出部23cを有する。パワー端子22は、サーミスタ取付部23dをさらに有する。シグナル端子24は、相手側接続部25a、電線固定部25b及び突出部25cを有する。グランド端子26は、相手側接続部27a、電線固定部27b及び突出部27cを有する。中継端子28は、端子固定部29a及び電線固定部29bを有する。
相手側接続部23a、25a、27aは、外部充電コネクタのコネクタ端子と電気的に接続される部分である。端子固定部23b、29aには、ねじSを挿通可能な孔が形成されている。パワー端子22と中継端子28とは、端子固定部23b、29aにおいて、ねじSによって固定されることによって、電気的に接続されつつ固定される。電線固定部25b、27b、29bは、圧着部である。シグナル端子24、グランド端子26及び中継端子28は、電線固定部25b、27b、29bによって、それぞれ対応する電線30の端部に圧着される。これにより、シグナル端子24、グランド端子26及び中継端子28が、それぞれ対応する電線30と電気的に接続されつつ固定される。突出部23c、25c、27cは、各コネクタ端子21の中間部に設けられる。突出部23c、25c、27cは、リテーナ60によって押さえられる部分である。サーミスタ取付部23dは、サーミスタユニット40が取付けられる部分である。
<電線>
各電線30の一端部は、端子20に接続される。各電線30の他端部は、グロメット90から外部に延び出る。充電コネクタ10が車両に搭載された状態で、各電線30の他端部は、車両に搭載された別の機器に接続される。かかる機器は、電線30の種類などに応じて適宜設定され、例えば、バッテリ、電子制御ユニット(ECU)などが想定される。電線30の数及び種類は、コネクタ端子21の数及び種類に対応する。本実施形態の例では、電線30は、2本の電力線32、6本の信号線34、及び1本のグランド線36を含む。電力線32の一端部は、中継端子28に接続される。電力線32は、中継端子28を介してパワー端子22と接続される。信号線34の一端部は、シグナル端子24に接続される。グランド線36の一端部は、グランド端子26に接続される。サーミスタ用電線44の一端部は、サーミスタ42に接続される。
各電線30は、被覆電線である。被覆電線は、芯線31aと芯線31aを覆う被覆31bとを有する。芯線31aは、例えば、金属製の複数の素線が撚られて形成される。被覆31bは、例えば、絶縁性を有する樹脂が芯線31aの周りに押出成形されて形成される。複数の電線30として、互いに太さが異なる複数種類の電線30が用いられている。電線30の太さは、許容電流値などに応じて設定される。通常、許容電流値を大きくするには、導体断面積を大きくする必要があり、その分、電線30の太さが太くなる。また電線30の太さは、通常、電線30の曲りにくさと相関関係にあり、電線30が太くなるにつれて、電線30が曲りにくくなる。例えば、曲りやすい電線と曲りにくい電線とが同じ角度分曲げられたときに、曲りにくい電線の曲率半径は、曲りやすい電線の曲率半径よりも大きくなり、その分、大きな配置スペースが必要となる。
本例では、電力線32は、グランド線36及び信号線34よりも太い。このため、電力線32は、グランド線36及び信号線34よりも曲がりにくい。また、グランド線36は、信号線34よりも太い。このため、グランド線36は、信号線34よりも曲がりにくい。
<端子付き電線>
端子20と電線30とは、充電コネクタ10を製造する途中の段階で、圧着によって互いに電気的に接続されつつ固定されて一体化される。このように電線30と端子20とが一体化したものは、端子付き電線38と呼ばれることがある。本例では、電力線32と中継端子28とが一体化した端子付き電線38、信号線34とシグナル端子24とが一体化した端子付き電線38、グランド線36とグランド端子26とが一体化した端子付き電線38とが設けられる。
図5に示すように、端子付き電線38には、収縮チューブ39が被せられてもよい。収縮チューブ39は電線30と端子20との接続部分を覆う。これにより、電線30と端子20との接続部に水がかかること、及び、被覆31b内に水が浸入することなどが抑制される。収縮チューブ39は、例えば、端子20のうち電線30が接続される部分よりも前方の部分から、電線30のうち被覆31bがある部分までを覆う。収縮チューブ39は、加熱によって収縮する熱収縮チューブ39である。熱収縮チューブ39は、加熱される前の大径の状態で端子付き電線38に被せられる。その後、熱収縮チューブ39は、加熱されて収縮する際、接続部分の形状に応じた形状になることによって、接続部分に密着することができる。例えば、熱収縮チューブ39の内面に、ホットメルト接着剤が設けられていてもよい。これにより、ホットメルト接着剤が、熱収縮チューブ39と端子20との隙間、及び、熱収縮チューブ39と電線30との隙間を埋めることができ、収縮チューブ39による防水性が高まる。熱収縮チューブ39の内面に、ホットメルト接着剤が設けられていなくてもよい。端子付き電線38において、電線30と端子20との接続部分に収縮チューブ39が設けられずに、露出していてもよい。端子付き電線38において、電線30と端子20との接続部分に、収縮チューブ39に代えて、接着剤などの樹脂が設けられていてもよい。
<サーミスタユニット>
サーミスタユニット40は、電源回路の温度を測定する。急速充電用の充電コネクタ10において、バッテリを充電するための電源回路には大電流が流れるため、その分、電源回路の温度上昇も大きくなる。サーミスタユニット40を用いて電源回路の温度が監視されることによって、電源回路の温度が高くなりすぎることを抑制することができる。サーミスタユニット40は、サーミスタ42とサーミスタ用電線44とを有する。本例では、一対のパワー端子22のそれぞれにサーミスタ42が取付けられて、一対のパワー端子22それぞれの温度が測定される。サーミスタ用電線44の一端部は、サーミスタ42に接続される。サーミスタ用電線44の他端部は、電線30の他端部と同様にグロメット90から外部に延び出る。充電コネクタ10が車両に搭載された状態で、サーミスタ用電線44の他端部は、例えば、ECUなどに接続される。サーミスタ用電線44は、電力線32及びグランド線36よりも細い。このため、サーミスタ用電線44は、電力線32及びグランド線36よりも曲がりやすい。
<ハウジング>
ハウジング50は、コネクタ端子21を所定の位置(外部充電コネクタのコネクタ端子21と接続可能な位置)に保持する。ハウジング50は、ハウジング本体51と、車両取付部54と、電線押え部57とを含む。
ハウジング本体51にコネクタ端子21が収容される。ハウジング本体51は、筒状枠部52と複数の端子収容部53とを有する。筒状枠部52は、複数の端子収容部53の周りを囲う筒状に形成される。複数の端子収容部53のそれぞれは、対応するコネクタ端子21を収容可能な筒状に形成される。端子収容部53の中間部において、複数の端子収容部53及び筒状枠部52が平板状の連結部によってつながっている。ハウジング本体51の前方にリッドユニット80が取付けられる。ハウジング本体51の後方にリテーナ60が取付けられる。
車両取付部54は、充電コネクタ10を取付部100に取付けるための部分である。車両取付部54は、ハウジング本体51の中間部において、筒状枠部52の周囲に突出する板状に形成されている。車両取付部54は、取付部100に対して、例えばねじSなどによって取付けられる。
電線押え部57は、端子20から延びる電線30の中間部を押さえる。これにより、電線30のうち電線押え部57に押さえられている部分よりも他端部側に生じる振動が、端子20に伝わりにくくなり、端子20とハウジング本体51とが擦れることが抑制される。ハウジング本体51の後方において、筒状枠部52からY方向にブロック状のアーム56部が突出する。アーム56部のうちハウジング本体51からの突出方向に沿った先端部に電線押え部57が設けられる。電線押え部57は、3つ設けられる。3つの電線押え部57のうち2つの電線押え部57が2本の電力線32を押さえ、残りの1つの電線押え部57が1本のグランド線36を押さえる。
<リテーナ>
リテーナ60は、ハウジング50からの端子20の抜けを抑制する。リテーナ60は、端子押え部61と、壁65、66とを含む。
端子押え部61は、ハウジング50に収容されたコネクタ端子21の後方を押さえる。これにより、コネクタ端子21がハウジング50から後方に抜けることを抑制する。端子押え部61は、後方カバー部62と、複数の突出筒部63とを含む。
後方カバー部62は、筒状枠部52の後方の開口部を塞ぐ。後方カバー部62には、複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、各端子収容部53に対応する位置に形成されている。パワー端子22に対応する貫通孔を通じて、パワー端子22及び中継端子28が接触しつつねじ止めされている。中継端子28は、後方カバーの背面上に配置される。シグナル端子24及びグランド端子26に対応する貫通孔から信号線34及びグランド線36が引き出されている。
複数の突出筒部63は、後方カバー部62から前方(ハウジング50側)に向けて突出する。複数の突出筒部63は、各端子収容部53に対応する位置に形成されている。各突出筒部63は、各貫通孔と連通する。各突出筒部63の先端が、対応する端子収容部53に挿入されて、対応する突出部23c、25c、27cを後方から押える。
壁65、66は、後方カバー部62から後方に向けて突出する。壁65は、中継端子28同士を仕切る。また、壁65は、中継端子28とシグナル端子24とを仕切る。壁65は、中継端子28の位置決めもしている。中継端子28のうちパワー端子22と接続される部分は、壁65に沿うように配置される。壁66は、グロメット90の内部において端子20収容空間と排水空間とを仕切る。排水口93から排水空間に侵入した埃等が、端子20収容空間に達することが抑制される。これにより、埃等が端子20に付着することが抑制される。
ハウジング50及びリテーナ60には、係止部が設けられている。本例では、係止部として、ハウジング50に形成された係止突起とリテーナ60に形成された係止片とが設けられている。係止片が係止突起に係止することによって、ハウジング50及びリテーナ60が、互いに取付けられた状態に維持される。
<電線カバー>
電線カバー70は、電線押え部57に取付けられる。電線カバー70は電線30が電線押え部57から抜けることを抑制する。電線カバー70及び電線押え部57によって、電線30の周囲全体が覆われる。本実施形態では、2つの電線カバー70が設けられる。2つの電線カバー70のうち一方の電線カバー70は、2本の電力線32を押さえる。2つの電線カバー70のうち他方の電線カバー70は、1本のグランド線36を押さえる。
<リッドユニット>
リッドユニット80は、筒状枠部52の先端側に開閉可能に取付けられる。リッドユニット80が開くことによって、ハウジング本体51の接続口が露出する。これにより、外部充電コネクタが筒状枠部52に挿し込まれて当該充電コネクタ10と外部充電コネクタとが接続可能となる。充電後に外部充電コネクタが筒状枠部52から抜かれて、リッドユニット80が閉じることによって、ハウジング本体51の接続口がリッドユニット80によって閉鎖される。リッドユニット80は、リッド82と、ヒンジユニット84と、ロックユニット86とを有する。リッド82は、ヒンジユニット84を介してハウジング本体51に開閉可能に取り付けられる。ロックユニット86は、リッド82を閉じた状態に維持する。充電作業時に、作業者は、ロックユニット86を操作して、リッド82を開くことができる。
<グロメット>
グロメット90は、ハウジング50及びリテーナ60を覆う。グロメット90は、第1保護部91と、第2保護部94とを含む。第1保護部91は、ハウジング本体51の後端部とリテーナ60とを覆う。第2保護部94は、電線押え部57を覆う。グロメット90は、例えば、EPDMなどのエラストマ製である。
第1保護部91には、ハウジング引出口92及び排水口93が形成されている。ハウジング引出口92を通じてハウジング本体51の前端部がグロメット90の外部に延び出る。排水口93は、充電コネクタ10の内部に浸入する水を外部に排水するための開口部である。かかる水は、例えば、リッドユニット80が開いたときに、ハウジング本体51の開口部から浸入することなどが想定される。ハウジング引出口92の外面には、結束バンド98が取付けられている。グロメット90は、結束バンド98によってハウジング50に取付けられている。
第2保護部94には、電線引出口95が形成されている。電線引出口95を通じて電線30の他端部がグロメット90の外部に延び出る。1つのグロメット90に3つの電線引出口95が設けられている。3つの電線引出口95のうち2つの電線引出口95は、2つの電力線32用に設けられる。2つの電線引出口95それぞれに1本の電力線32が通されている。3つの電線引出口95のうち残りの1つの電線引出口95に、信号線34、グランド線36、サーミスタ用電線44がまとめて通されている。
<充電コネクタにおける電線の経路>
電力線32は、中継端子28と接続される一端部から他端部に向けて、グロメット90内を一直線状に延び、引出口を通じてグロメット90の外部に延び出ている。従って、電力線32の一端部は、貫通孔内に挿入されない。
2つの電力線32は、Z方向に並んでグロメット90内を延びる。2つのパワー端子22は、Y方向に並んでハウジング本体51に収容される。2つの電力線32が並ぶ方向と、2つのパワー端子22が並ぶ方向の違いは、中継端子28によって吸収されている。より詳細には、2つの中継端子28はそれぞれ板部上に配置される。2つの中継端子28のうち中継端子28Aは、引出口に近いパワー端子22に接続され、中継端子28Bは、引出口から遠いパワー端子22に接続される。中継端子28A及び中継端子28Bは、パワー端子22と接続される部分においてY方向に並び、電線30と接続される部分においてZ方向に並ぶ。中継端子28Aは、パワー端子22と接続される部分と、電力線32と接続される部分との間で、板部に沿って一直線状に延びている。中継端子28Bは、パワー端子22と接続される部分から電力線32と接続される部分に向かう途中で、板部から離れるように折り曲がっている。
信号線34の一端部は、キャビティ内に挿入される。信号線34の他端部は、貫通孔から延び出て、グロメット90内で曲がりつつ、グロメット90の引出口に向かう。複数の信号線34のうち信号線34Aは、パワー端子22よりも上方に位置するシグナル端子24と接続され、信号線34Bは、パワー端子22よりも下方に位置するシグナル端子24と接続される。信号線34Aは、貫通孔から延び出た後、一対の電力線32の間を通りつつ、信号線34Bと合流して、Y方向に延びる。
グランド線36の一端部は、キャビティ内に挿入される。グランド線36は、一端部から他端部に向けて、貫通孔から延び出て、グロメット90内で曲がりつつ、信号線34と共にグロメット90の引出口に向かう。上記のように、グランド線36は信号線34よりも曲がりにくいため、信号線34及びグランド線36がX方向からY方向に向けて曲がる部分において、信号線34の曲率半径よりもグランド線36の曲率半径が大きくなりやすい。グランド線36の他端部を電線30押さえ部及び電線カバー70によって押さえることによって、グランド線36がグロメット90内で膨らみすぎることを抑制している。
サーミスタ42は、パワー端子22と共にハウジング本体51に収容される。従って、サーミスタ用電線44の一端部もハウジング本体51に収容される。サーミスタ用電線44の他端部は、貫通孔を通じて、板部の外側に延び出て、グロメット90内で曲がりつつ、グロメット90の引出口に向かう。サーミスタ用電線44は、貫通孔のうち端子付き電線38の挿入に用いられる部分を通る。サーミスタ用電線44は、一対の電力線32の間を通りつつ、信号線34と共にY方向に延びる。
<リッド及びヒンジユニット>
図8から図10をさらに参照しつつ、リッド82及びヒンジユニット84について説明する。図8はリッド82及びヒンジユニット84を示す図である。図8はリッド82の内面から見た図である。図9は閉状態のリッド82を示す図である。図10は開状態のリッド82を示す図である。図9及び図10に示す断面は図4のXI-XI線に沿った断面に相当する。
リッド82は、筒状枠部52の先端側に開閉可能に取付けられている。リッド82は、被支持部82aと被係止部82bとリッド本体83とを有する。被支持部82aは、ハウジング50に取付けられる部分である。被係止部82bは、ロックユニット86が係止する部分である。リッド本体83は、筒状枠部52の端面を覆う部分である。被支持部82a及び被係止部82bは、リッド本体83よりも外周側に突出する。被支持部82a及び被係止部82bはリッド本体83の外縁から互いに逆向きに延びる。例えば、リッド82は、樹脂材料による金型一体成形品である。リッド82の樹脂材料は、例えば、ハウジング50の樹脂材料と同じ材料であってもよい。
リッド本体83の内面83aにはシール部材89が設けられる。シール部材89は、リッド82が閉状態のときに筒状枠部52の端面と接触する。シール部材89は、リッド82とは別に成形された部材である。シール部材89は、リッド82及びハウジング50よりも高い弾性を有する。シール部材89は、例えば、エラストマ製であってもよい。リッド82が閉状態でシール部材89がリッド本体83の内面83aと筒状枠部52の端面とに挟まれて圧縮状態となる。これにより、リッド本体83の内面83aと筒状枠部52の端面との隙間のシール性が高まる。
シール部材89は、環状に形成されている。シール部材89は、筒状枠部52の端面に対応する形状とされる。シール部材89は、リッド82に取付けられている。かかる取付け態様は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、シール部材89は、接着剤又は両面粘着テープなどによってリッド82に貼付けられていてもよい。
リッド本体83の内面83aのうちシール部材89が取付けられる面が取付面83bとされる。リッド本体83の内面83aにおいて、取付面83bの外側に外枠部83cが設けられる。外枠部83cは、シール部材89の外縁に沿って延在する。これにより、シール部材89の外縁の位置が規制される。外枠部83cは、被支持部82a及び被係止部82bによって途切れている。
リッド本体83の内面83aにおいて、取付面83bの内側に第1リブ83dが設けられる。第1リブ83dは、環状に形成されている。第1リブ83dは、シール部材89の内側に沿って延びる。リッド本体83の内面83aにおいて、取付面83bは、外枠部83c及び第1リブ83dに囲まれる凹部の底となっている。第1リブ83dは、シール部材89の内縁に対応する形状とされる。第1リブ83dは、シール部材89の内縁と同じかそれよりもわずかに小さく形成されるとよい。筒状枠部52の端面、シール部材89、及び第1リブ83dは、それぞれ半円よりも大きな円弧部分と円弧部分をつなぐ直線部分とを有する。第1リブ83dの内側に第2リブ83e及び第3リブ83fが設けられる。
第2リブ83eは、リッド82の中央部から第1リブ83dに向かって放射状に延びる。第2リブ83eは複数(図8に示す例では8つ)設けられる。複数の第2リブ83eは、中央部の周りに等間隔で設けられてもよい。
第3リブ83fは、第1リブ83dよりも小さい環状に形成されている。第3リブ83fは、円形状であってもよい。複数の第2リブ83eは、第3リブ83fを起点として第1リブ83dに向けて延びている。第2リブ83eの一端部は第3リブ83fよりリッド82の中央部に延びていない。第2リブ83eの一端部は第3リブ83fで止まっている。第2リブ83eは、第1リブ83dと第3リブ83fとをつなぐ。第2リブ83eの他端部は第1リブ83dよりリッド82の外側に延びていない。第2リブ83eの他端部は第1リブ83dで止まっている。
第3リブ83fの大きさ(直径)は、複数の第2リブ83eの一端部を互いに離間させることができる大きさであると良い。隣り合う第2リブ83eは互いに交差せずに、第3リブ83fを介してつながっている。これにより、複数の第2リブ83eの一端部がリッド82の中央部における一点(リッド82の中心)に集中することが抑制される。第3リブ83fの直径は、第2リブ83eの長さ寸法よりも短くてもよい。
図9に示すように、被係止部82bの外面82cは、リッド本体83の外面83gよりも筒状枠部52側に低くなっている。これにより、筒状枠部52の端面からのロックユニット86の突出寸法が小さくなり、パネル102と車体側カバー106との間隔を小さくできる。
また被係止部82bにはガイド部82dが設けられている。ガイド部82dは、被係止部82bの下面(筒状枠部52側の面)から上面に向けて外向きに傾斜する傾斜面である。
ヒンジユニット84は、軸部84aと付勢部材84bとを有する。軸部84aは、リッド側軸部の一例である。軸部84aは、被支持部82aを貫通する。付勢部材84bは軸部84aに支持される。リッド82は、ヒンジユニット84を介してハウジング50のリッド取付部58に取付けられる。リッド取付部58は、一対の軸受部を有する。軸部84aの一端部が一対の軸受部の一方に支持され、軸部84aの他端部が一対の軸受部の他方に支持される。被支持部82a及び付勢部材84bは、一対の軸受部の間に収容される。
リッド82は、軸部84aを介してハウジング50に回動可能に取付けられる。なお、本例では、軸部84aは、リッド取付部58に圧入されるなどして回動不能に支持され、リッド82と軸部84aとが回動可能とされる。リッド82と軸部84aとが圧入されるなどして回動不能に支持され、軸部84aがリッド取付部58に回動可能に支持されてもよい。
付勢部材84bは、リッド側付勢部材の一例である。付勢部材84bは、リッド82を回動方向に沿って開状態に付勢する。付勢部材84bは、ばねなどの弾性部材であってもよい。図8に示す例では、付勢部材84bとしてねじりコイルバネが用いられている。なお、ハウジング50に外部充電コネクタが嵌合可能な程度にリッド82が開いた状態で、規制部によって、リッド82がそれ以上開くことが規制されてもよい。例えば、被支持部82aに筒状枠部52の外周面と接触する規制部が設けられて、リッド82の開きが規制されてもよい。
またリッド82は、ダンパ85を介してハウジング50のリッド取付部58に取付けられる。ダンパ85は、付勢部材84bによるリッド82の開く勢いを規制する。ダンパ85は、被支持部82aに収容されている。被支持部82aにはダンパ収容部が設けられる。被支持部82aは一対の軸受部を有する。被支持部82aにおける一対の軸受部の一方にダンパ収容部が設けられる。ダンパ85には、軸部84aが通される。ダンパ収容部は、軸部84aの延在方向に沿って、付勢部材84bの隣に設けられる。
<ロックユニット>
図11及び図12をさらに参照しつつ、ロックユニット86について説明する。図11はロックユニット86を示す斜視図である。図12は図4の領域XIIの拡大図である。
ロックユニット86は、係止部材87と、ヒンジユニット88とを有する。係止部材87は、リッド82に係止する。係止部材87は、ヒンジユニット88を介してハウジング50に回動可能に取付けられる。係止部材87は、被支持部87aと、係止部87bと、突出部87cとを有する。
被支持部87aは、ハウジング50に取付けられる。被支持部87aは、ヒンジユニット88における軸部88aに支持される。被支持部87aは一対の軸受部を有する。各軸受部をヒンジユニット88における軸部88aが貫通する。係止部材87は、軸部88aを介して筒状枠部52に対して第1位置と第2位置との間で回動可能に支持されている。図9において、係止部材87は第1位置にある。図10において、係止部材87は第2位置にある。
係止部87bは、被支持部87aから径方向外側に突出する。図9に示すように、係止部材87が第1位置にある場合において、係止部87bは閉状態のリッド82の被係止部82bに係止可能である。図10に示すように、係止部材87が第1位置から第2位置に回動して、係止部87bとリッド82の被係止部82bとの係止状態が解消される。
係止部87bは、被支持部87aから径方向外側に突出する第1部分と、第1部分の先端から第1部分の延在方向と交差する方向に突出する第2部分とを有する。第2部分のうち軸部側を向く面が被係止部82bの上方を押さえる。
係止部87bの天面87dには、ガイド部87eと凸部87fとが設けられる。ガイド部87eは、天面87dから下面に向けて外向きに傾斜する傾斜面である。
凸部87fは、軸部88aの延在方向に沿って延びる。本例では、凸部87fは、一条のみ設けられている。凸部87fは、天面87dのうちリッド82から遠い側の端部に設けられている。凸部87fは、係止部87bの第1部分の一部が延在方向に延長している。
突出部87cは、リッド82とハウジング50とが固着していた場合に、リッド82を押す部分である。突出部87cは、被支持部87aから径方向外側に突出する。筒状枠部52の径方向において、突出部87cは、係止部87bよりも筒状枠部52側に突出する。図9に示すように、係止部材87が第1位置にある場合において、突出部87cはX方向に沿って筒状枠部52の先端より内側に位置する。図10に示すように、係止部材87が第1位置から第2位置に回動して、突出部87cがX方向に沿って筒状枠部52の先端より外側に位置する。
突出部87cは、係止部87bが被係止部82bから離れた後に、被係止部82bと接触するように構成されてもよい。例えば、係止部87bが被係止部82bからちょうど離れた位置を係止部材87の第3位置とする。第3位置は第1位置と第2位置との間にあり、係止部材87は、第3位置から第2位置へ向けてさらに回動可能とされる。突出部87cは、第3位置で被係止部82bと接触するように構成されてもよい。突出部87cは、第3位置と第2位置との間で、被係止部82bと接触するように構成されてもよい。
突出部87cのうち上面がリッド82を押す押圧面とされる。突出部87cの上面は、係止部材87が第1位置にある状態で、筒状枠部52の外側から筒状枠部52側に向かって傾斜する傾斜面であってもよい。これにより、係止部87bが被係止部82bに係止した状態で、突出部87cが被係止部82bと接触することが抑制される。突出部87cには、押圧凸部87gが設けられる。押圧凸部87gは、突出部87cの押圧面のうち中央部分に設けられる。押圧凸部87gは、押圧面の他の部分よりも厚肉かつ外側に凸となっている。これにより、突出部87cの剛性が高められている。
突出部87cは、被係止部82bのうちガイド部82dよりもリッド本体83側に接触してもよい。これにより、突出部87cが被係止部82bを押す力が、ハウジング50に固着しているリッド82を開く力として作用しやすい。
係止部材87は、スペーサ部87hをさらに有する。スペーサ部87hは、被支持部87aの外面から軸部88aの延在方向に沿ってロック取付部59の軸受部に突出する。スペーサ部87hの周囲の位置において、被支持部87aの外面とロック取付部59の軸受部の内面とが互いに離間しつつ対向している。スペーサ部87hは、係止部材87とロック取付部59との接触面積を小さくする。なお、ロック取付部59の軸受部の内面には、スペーサ部87hのような凸となる部分が設けられていない。ロック取付部59の軸受部の内面にも、スペーサ部87hのような凸となる部分が設けられていてもよい。
係止部材87は、回動規制部87iをさらに有する。回動規制部87iは、係止部材87が回動方向に沿って第2位置よりもさらに回動することを規制する。回動規制部87iは、被支持部87aから径方向外側に突出する。回動規制部87iは、突出部87cよりも車内側に突出する。第2位置において、回動規制部87iが筒状枠部52の外周面に接触することによって、係止部材87が回動方向に沿って第2位置よりもさらに回動することが規制される。
ヒンジユニット88は、軸部88aと、付勢部材88bとを有する。軸部88aは、被支持部87aを貫通する。付勢部材88bは軸部88aに支持される。係止部材87は、ヒンジユニット88を介して、ハウジング50のロック取付部59に取付けられる。ロック取付部59は、一対の軸受部を有する。軸部88aの一端部が一対の軸受部の一方に支持され、軸部88aの他端部が一対の軸受部の他方に支持される。被支持部87a及び付勢部材88bは、ロック取付部59の一対の軸受部の間に収容される。
係止部材87は、軸部88aを介してハウジング50に回動可能に取付けられる。なお、本例では、軸部88aは、ロック取付部59に圧入されるなどして回動不能に支持され、係止部材87と軸部88aとが回動可能とされる。係止部材87と軸部88aとが圧入されるなどして回動不能に支持され、軸部88aがロック取付部59に回動可能に支持されてもよい。
付勢部材88bは、係止部材側付勢部材の一例である。付勢部材88bは、係止部材87を回動方向に沿って第1位置に付勢する。付勢部材88bは、ばねなどの弾性部材であってもよい。図11に示す例では、付勢部材88bとしてねじりコイルバネが用いられている。なお、係止部87b及び突出部87cの少なくとも一方が、係止部材87を第1位置からさらに回動することを規制してもよい。例えば、係止部87bがリッド82と接触することによって、係止部材87が第1位置からさらに回動することが規制されてもよい。また例えば、突出部87cが筒状枠部52の外周面に接触することによって、係止部材87が第1位置からさらに回動することが規制されてもよい。
<開閉操作>
図13をさらに参照しつつ、リッドユニット80の開閉操作について説明する。図13は係止部材87が第1位置と第2位置との中間位置にある様子を示す図である。
<開操作>
まず閉状態にあるリッド82の開操作について説明する。作業者は、図9に示すような閉状態にあるリッド82の係止部材87を操作してリッド82を開くことができる。この際、図13に示すように、作業者は、作業者の指WFなどによって係止部材87を操作して第1位置から第2位置に向けて回動させる。リッド82と筒状枠部52とが固着していない場合、係止部材87が回動して係止部87bが被係止部82bから離れると、リッド82は付勢部材84bの付勢力によって開く。
リッド82が筒状枠部52に固着していると、何ら対策されていない場合には、係止部材87が回動して係止部87bが被係止部82bから離れてもリッド82は付勢部材84bの付勢力に抗して閉じたままとなり得る。
本開示では、突出部87cが設けられることによって、リッド82が筒状枠部52に固着していても、リッド82が開きやすい。すなわち、係止部材87が回動して係止部87bが被係止部82bから離れたときに、図13に示すように、突出部87cが固着しているリッド82を開く方向に押す。この力Fを受けて、リッド82と筒状枠部52との固着が解消され、リッド82が開くことができる。本例では、リッド82に付勢部材84bによって開方向への付勢力が与えられる。従って、突出部87cによるリッド82の押し上げ動作によってリッド82とハウジング50との固着部分を剥がすきっかけが与えられると、リッド82は付勢部材84bによって閉状態から開状態に移行することができる。
また本例では、スペーサ部87hが設けられているため、係止部材87とロック取付部59との接触面積が小さくなる。このため、水が氷るなどして、係止部材87とロック取付部59とが固着していたとしても、作業者が、係止部材87を操作するために必要な力の増加量が大きくなることが抑制される。これにより、作業者がリッド82を開きやすくなる。
<閉操作>
図10に示すような開状態にあるリッド82の閉操作について説明する。なお、図10では、係止部材87が第2位置にある。本例では、係止部材87に付勢部材88bによって第1位置への付勢力が与えられる。作業者の指WFが係止部材87から離れると、係止部材87は、付勢部材88bの付勢力によって回動する。作業者の指WFが係止部材87から離れた場合、リッド82が開状態においても、係止部材87は、第1位置に位置する。
開状態のリッド82が閉じられる際、係止部材87が第1位置にいると、係止部87bが被係止部82bの軌道上に位置する。このため、リッド82が閉じられる途中で、係止部87bが被係止部82bと干渉する。この際、リッド82及び係止部材87が干渉したときの力を、係止部材87を第2位置に回動させる力に変換する力変換部が設けられる。かかる力変換部として、被係止部82bに上記ガイド部82dが設けられると共に、係止部87bに上記ガイド部87eが設けられている。
2つのガイド部82d、87eが接触した状態で、さらにリッド82が閉じられると、ガイド部82dがガイド部87eを押す。ガイド部87eがガイド部82dと接触する面が傾斜面となっているため、ガイド部87eがガイド部82dから受ける力が、係止部材87を第2位置に向けて回動させる力に変換される。これにより、係止部材87が第2位置に向けて回動し、被係止部82bが係止部87bを通過できる。
被係止部82bが係止部87bを通過すると、リッド82が閉状態の位置となる。また、2つのガイド部82d、87eの接触状態が解消され、係止部材87が付勢部材88bの付勢力によって回動し、第1位置に位置する。これにより、係止部87bが被係止部82bに係止した状態となる。
<効果等>
以上のように構成された充電コネクタ10によると、係止部材87が第1位置から第2位置に回動する際、突出部87cがリッド82を押し上げ可能な位置に設けられているため、凍結時などにリッド82及びハウジング50が固着している場合においても、リッド82が開きやすくなる。また、突出部87cがリッド82を押し上げる動作が、係止部材87が第1位置から第2位置に回動する動作に組込まれるため、作業者が行う動作が増えることが抑制される。
また、係止部材87は、係止部87bの天面87dに形成され、軸部88aの延在方向に沿って延びる一条の凸部87fをさらに有する。これにより、作業者が係止部材87を操作する際、凸部87fが引掛かりとなって滑りにくくなり、係止部材87の操作が容易となる。
また、凸部87fは、天面87dのうちリッド82から遠い側の端部に設けられている。これにより、作業者が係止部材87を第1位置から第2位置に操作する際、凸部87fが引掛かりとなりやすい。
また、リッド82の内面83aには、シール部材89の内側に沿って延びる環状の第1リブ83dが形成されている。これにより、リッド82にリッド82とは別部材であるシール部材89が設けられる際、第1リブ83dが位置決めに使用されることができる。
また、リッド82の内面83aには、リッド82の中央部から第1リブ83dに向かって放射状に延びる複数の第2リブ83eが形成されている。これにより、リッド82の剛性が高められる。
また、リッド82の内面83aには、第1リブ83dの内側に環状の第3リブ83fが形成されており、複数の第2リブ83eは、第3リブ83fを起点として第1リブ83dに向けて延びている。これにより、中央部において複数の第2リブ83eが交わることが抑制され、リッド82の成形性が高まる。より詳細には、リッド82が金型一体成形される際、複数の第2リブ83eがリッド82の中央部において一点に集中すると、集中部分が肉厚となり、ボイド、ヒケなどが生じやすくなる。これに対して、本例では、中央部において複数の第2リブ83eが交わることが抑制されるため、局所的に肉厚となる部分が生じにくくなり、ボイド、ヒケなどが生じにくくなる。また、複数の第2リブ83eがリッド82の中央部において一点に集中すると、金型において第2リブ83e同士が交差する部分が鋭角となり、金型の耐久性が低くなる恐れがある。これに対して、本例では、複数の第2リブ83eの一端部が離間しているため、鋭角が生じにくくなり、金型の耐久性の低下が抑制される。
また第1リブ83d、第2リブ83e及び第3リブ83fのそれぞれが設けられることによって、リッド本体83が薄い場合でも、リッド本体83の反りなどの変形が抑制される。
また、スペーサ部87hの周囲の位置において、被支持部87aの外面とロック取付部59の軸受部の内面とが互いに離間しつつ対向している。これにより、係止部材87とロック取付部59との接触面積が小さくなり、係止部材87とロック取付部59とが凍結などにより固着していても、作業者による係止部材87の操作の弊害となることが抑制される。
また、被係止部82bの外面82cは、リッド本体83の外面83gより筒状枠部52側に低くなっている。これにより、車外方向に向かう係止部87bの突出寸法が小さくなる。
また、充電コネクタ10は、係止部材87を回動方向に沿って第1位置に向けて付勢する付勢部材88bをさらに備える。これにより、突出部87cがリッド82を押し上げる動作が、作業者が付勢部材88bの付勢力に抗して、係止部材87を第1位置から第2位置に向けて回動させる動作に組込まれる。
また、充電コネクタ10は、リッド82を回動方向に沿って開状態に付勢する付勢部材84bをさらに備える。これにより、突出部87cによるリッド82の押し上げ動作によってリッド82とハウジング50との固着部分を剥がすきっかけが与えられると、付勢部材84bによってリッド82が閉状態から開状態に移行することができる。
[付記]
図14は変形例にかかる充電コネクタ110を示す背面図である。なお、図14において、信号線34などの一部の部材が省略されている。また、本変形例の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
図14に示す充電コネクタ110では、シグナル端子24が8つ設けられている。また本例では、グランド端子26が省略されている。これに伴い、ハウジング150及びリテーナ160において、グランド端子26にかかる構造が省略されている。この充電コネクタ110においても、上記リッドユニット80が採用されることができる。
図15は、ハウジング50とリッドユニット80との取付態様の変形例を示す斜視図である。図16は図15のXVI-XVI線に沿った断面図である。図17は図16と同じ位置の断面図であり、リッド82が閉じた状態を示す図である。
本変形例において、リッド側付勢部材としての付勢部材84bは、ばね本体部84cと、ばね本体部84cから延びるばねアーム部84dとを含む。リッド82及びハウジング50の少なくとも一方には、付勢部材84bの取付姿勢が正規姿勢とは異なる姿勢の場合に、ばねアーム部84dと干渉する干渉部82fが設けられている。これにより、付勢部材84bが正規姿勢とは異なる姿勢で取付けられることが抑制される。
具体的には、ここでは付勢部材84bはねじりコイルばねであり、ばね本体部84cはコイルばねである。ここでは、付勢部材84bはリッド82を開状態に付勢している。従って、リッド82が閉状態のときのばね本体部84cの状態よりも、リッド82が開状態のときのばね本体部84cの状態の方が、自然状態に近い。
ばねアーム部84dは、一対設けられる。一対のばねアーム部84dは、ばね本体部84cの一端および他端からそれぞれ延びる。各ばねアーム部84dは、ばね本体部84cの端部から延びる第1延出部分84eと、第1延出部分84eの先端から第1延出部分84eと交差する方向に延びる第2延出部分84fとを含む。ここでは第1延出部分84eは、ばね本体部84cの端部から当該端部におけるコイルばねの接線方向に延びる。ここでは第2延出部分84fは、ばね本体部84cの軸方向に延びる。
一対のばねアーム部84dのうち一方のばねアーム部84d1は、ハウジング50のばね支持面58aに支持される。ばねアーム部84d1において、第2延出部分84fがばね支持面58aに支持される。一対のばねアーム部84dのうち他方のばねアーム部84d2は、リッド82のばね支持面82eに支持される。ばねアーム部84d2において、第2延出部分84fがばね支持面82eに支持される。
ここでは、一対のばねアーム部84dが対称な形状に形成されており、付勢部材84bは、ばね本体部84cの軸方向に沿った一方側から見たときと他方側から見たときとで同じ形を有する。つまり、ばねアーム部84d1の第1延出部分84eと、ばねアーム部84d2の第1延出部分84eとは、互いに同じ長さを有する。また、ばねアーム部84d1の第2延出部分84fと、ばねアーム部84d2の第2延出部分84fとは、互いに同じ長さを有する。また、ばねアーム部84d1の第2延出部分84fと、ばねアーム部84d2の第2延出部分84fとは、互いに接近する向き又は互いに離れる向き(ここでは互いに接近する向き)に延びる。ばね本体部84cに上記軸部84aが挿通される。軸部84aの一端に対して、付勢部材84bの軸方向に沿った一端及び他端のいずれが位置してもよい。つまり、ばね本体部84cに対する軸部84aの挿入向きは任意であり、一対のばねアーム部84dのいずれが軸部84aの一端に位置しても、付勢部材84bは正規姿勢をとることができる。
ばねアーム部84dは、リッド82の開閉操作にかかる外力を受ける部分である。ばねアーム部84dが受けた外力がばね本体部84cに伝わり、ばね本体部84cの弾性変形状態が変わる。ここでは、付勢部材84bの正規姿勢は、図16の矢符F1の向きに外力を受ける取付姿勢に設定されている。ねじりコイルバネである付勢部材84bにおいて、リッド82の開閉時に一対のばねアーム部84dが操作される向きが、軸回りの一方の向きF1であるときが正規姿勢であり、他方の向きF2であるときが正規姿勢と異なる姿勢である。
作業者が開状態のリッド82を閉める操作は、リッド82を押す操作である。当該操作にかかる力がリッド82のばね支持面82eから付勢部材84bに対して矢符F1の向きに作用し、ばね本体部84cが変形する。リッド82が閉状態の位置に来たときに、ロックユニット86の係止部材87がロック位置に回動することによってリッド82がロックされる。これにより、付勢部材84bが弾性復帰しようとしてリッド82を押しても、リッド82が動くことが抑制され、リッド82が閉状態において、ばね本体部84cが変形状態に維持される。
作業者が閉状態のリッド82を開ける操作は、ロックユニット86を解除する操作である。当該操作にかかる力は、付勢部材84bに及ばない。ロックユニット86の係止部材87が退避位置に回動してリッド82のロックが解除されることによって、リッド82が付勢部材84bの弾性復帰にかかる力を支えきれなくなる。これにより、付勢部材84bが弾性復帰すると共に、リッド82が開く。
ここでは、干渉部82fは、付勢部材84bの取付姿勢が、図16の矢符F2の向きに外力を受ける姿勢となることを抑制する。付勢部材84bの取付姿勢が、図16の矢符F2の向きに外力を受ける姿勢となる場合について、図15から図17に加えて、図18を参照しつつ説明する。図18は付勢部材84bの取付姿勢が逆向きとなる場合を示す図である。
付勢部材84bの取付姿勢が、図16の矢符F2の向きに外力を受ける姿勢となる場合、付勢部材84bは、正規姿勢から軸部の周りに180度回転したような姿勢となる。当該取付姿勢において一対のばねアーム部84dが支持される相手が、正規姿勢において一対のばねアーム部84dが支持される相手とは逆となる。すなわち、一対のばねアーム部84d1、84d2のうち軸部84aの一端側に位置するばねアーム部84d1がリッド82に支持され、軸部84aの他端側に位置するばねアーム部84d2がハウジング50に支持される。
ここでは干渉部82fは、リッド82に設けられている。干渉部82fは、一対のばねアーム部84d1、84d2のうち軸部84aの一端側に位置するばねアーム部84d1の第1延出部分84eと接触する位置に設けられている。干渉部82fは、リッド82のばね支持面82eと連続する面のうちばね支持面82eよりも軸部84a側からハウジング50のばね支持面58aに向けて突出するリブである。図18の線Lは、ばね支持面82eを通る軸部84aの接線Lである。例えば、干渉部82fは、当該接線Lを越えて突出する。
干渉部82fは、軸部84aの軸方向に沿って、一端側に部分的に設けられている。軸部84aの軸方向に沿った他端側には干渉部82fは設けられていない。これにより、干渉部82fは、付勢部材84bの取付姿勢が正規姿勢の場合に、軸部84aの他端側に位置するばねアーム部84d2の第1延出部分84eと接触しない。また、干渉部82fの突出量は、図17に示すように付勢部材84bが正規姿勢で取付けられ、かつリッド82が閉状態にあるとき、軸部84aの一端側のばねアーム部84d1と接触しないように設定されてもよい。被支持部82aは、軸部84aが貫通する貫通部82gを有する。貫通部82gと支持面82eを含む側部との交差部分に干渉部82fが設けられている。
図18の仮想線に示すように、付勢部材84bが正規姿勢とは逆向きに取付けられそうになると、ばねアーム部84d1が干渉部82fと接触する。これにより、作業者が付勢部材84bの取付姿勢の誤りに気付きやすくなり、付勢部材84bが正規姿勢とは異なる姿勢で取付けられることが抑制される。
さらに、図18に示すリッドの開き角度は、付勢部材84bが正規姿勢のときにリッドが最大限開いたときの開き角度と同じである。また図18の仮想線で示される付勢部材84bは、矢符F2の向きの力を受けた状態である。付勢部材84bが、仮に図18の仮想線に示す状態に取付けられた場合、ばねアーム部84d1が干渉部82fの先端縁部と接触しているため、付勢部材84bが弾性復帰しようとする力を干渉部82fが支えきれずに、付勢部材84bがリッド82を押す。これにより、ばねアーム部84dがリッドの支持面と接触するまでリッドが閉じる向きに回転し、リッドの開き角度は、図18に示す角度(正規姿勢の開き角度)よりも小さくなる。これにより、作業者が付勢部材84bの取付姿勢の誤りに気付きやすくなり、付勢部材84bが正規姿勢とは異なる姿勢で取付けられることが抑制される。
さらにここでは、干渉部82fがリッド82に突起状に設けられているため、リッド取付部58の周辺において、水等が凍って氷が生じた場合でも、リッド82の開閉操作時に突起状の干渉部82fが当該氷を砕くことができる。これにより、凍結時にもリッドユニット80が開きやすくなる。
このほかこれまで、係止部材87は、係止部87bの天面87dに凸部87fを有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、凸部87fは設けられていなくてもよい。また凸部87fが設けられる場合でも、その構成は上記したものに限られない。例えば、凸部87fが天面87dの中間部であってガイド部87eの隣に設けられていてもよい。また例えば、凸部87fは、一条ではなく複数設けられてもよい。この場合、天面87dの高さが複数の凸部によって筒状枠部52から離れる向きに段階的に高くなってもよい。
またこれまで、リッド82の内面83aに、第1リブ83d、第2リブ83e及び第3リブ83fが形成されているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。第1リブ83d、第2リブ83e及び第3リブ83fのいずれか又は全部が省略されてもよい。
またこれまで、係止部材87がスペーサ部87hを有するものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、スペーサ部87hが省略されてもよい。この場合、被支持部87aの外面は平坦面であってもよい。また例えば、スペーサ部87hに相当する部分が、ロック取付部59側に設けられてもよい。
またこれまで、被係止部82bの外面82cが、リッド本体83の外面83gより筒状枠部52側に低くなっているものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、被係止部82bの外面82cが、リッド本体83の外面83gと面一かそれより車外側に高くなっていてもよい。
またこれまで、充電コネクタ10が係止部材側付勢部材としての付勢部材88bを備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば充電コネクタ10は係止部材側付勢部材を備えていなくてもよい。
またこれまで、充電コネクタ10がリッド側付勢部材としての付勢部材84bを備えるものとして説明されたが、このことは必須の構成ではない。例えば、充電コネクタ10はリッド側付勢部材を備えていなくてもよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
10 充電コネクタ
20 端子
21 コネクタ端子
22 パワー端子
23a 相手側接続部
23b 端子固定部
23c 突出部
23d サーミスタ取付部
24 シグナル端子
25a 相手側接続部
25b 電線固定部
25c 突出部
26 グランド端子
27a 相手側接続部
27b 電線固定部
27c 突出部
28、28A、28B 中継端子
29a 端子固定部
29b 電線固定部
30 電線
31a 芯線
31b 被覆
32 電力線
34 信号線
36 グランド線
38 端子付き電線
39 収縮チューブ
40 サーミスタユニット
42 サーミスタ
44 サーミスタ用電線
50 ハウジング
51 ハウジング本体
52 筒状枠部
53 端子収容部
54 車両取付部
57 電線押え部
58 リッド取付部
58a ばね支持面
59 ロック取付部
60 リテーナ
61 端子押え部
62 後方カバー部
63 突出筒部
65、66 壁
70 電線カバー
80 リッドユニット
82 リッド
82a 被支持部
82b 被係止部
82c 被係止部の外面
82d ガイド部
82e ばね支持面
82f 干渉部
82g 貫通部
83 リッド本体
83a 内面
83b 取付面
83c 外枠部
83d 第1リブ
83e 第2リブ
83f 第3リブ
83g リッド本体の外面
84 ヒンジユニット
84a 軸部(リッド側軸部)
84b 付勢部材(リッド側付勢部材)
84c ばね本体部
84d、84d1、84d2 ばねアーム部
84e 第1延出部分
84f 第2延出部分
85 ダンパ
86 ロックユニット
87 係止部材
87a 被支持部
87b 係止部
87c 突出部
87d 天面
87e ガイド部
87f 凸部
87g 押圧凸部
87h スペーサ部
87i 回動規制部
88 ヒンジユニット
88a 軸部
88b 付勢部材(係止部材側付勢部材)
89 シール部材
90 グロメット
91 第1保護部
92 ハウジング引出口
93 排水口
94 第2保護部
95 電線引出口
98 結束バンド
100 取付部
102 パネル
104 貫通孔
106 車体側カバー
F 力
S ねじ
WF 作業者の指

Claims (11)

  1. 車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタと篏合し、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、
    前記外部充電コネクタが挿抜可能な筒状枠部を有するハウジングと、
    前記筒状枠部の先端側に開閉可能に取付けられたリッドと、
    軸部を介して前記筒状枠部に対して第1位置と第2位置との間で回動可能に支持された係止部材と、
    を備え、
    前記係止部材は、前記軸部に支持される被支持部と、それぞれが前記被支持部から径方向外側に突出する係止部及び突出部とを有し、
    前記係止部材が前記第1位置にある場合において、前記係止部は閉状態の前記リッドに係止可能であると共に、前記突出部は前記外部充電コネクタとの挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より内側に位置し、
    前記係止部材が前記第1位置から前記第2位置に回動して、前記係止部と前記リッドとの係止状態が解消されると共に、前記突出部が前記挿抜方向に沿って前記筒状枠部の先端より外側に位置する、充電コネクタ。
  2. 請求項1に記載の充電コネクタであって、
    前記係止部材は、前記係止部の天面に形成され、前記軸部の延在方向に沿って延びる一条の凸部をさらに有する、充電コネクタ。
  3. 請求項2に記載の充電コネクタであって、
    前記凸部は、前記天面のうち前記リッドから遠い側の端部に設けられている、充電コネクタ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
    前記リッドの内面に設けられ、前記リッドが閉状態のときに前記筒状枠部の端面と接触する環状のシール部材をさらに備え、
    前記リッドの内面には、前記シール部材の内側に沿って延びる環状の第1リブが形成されている、充電コネクタ。
  5. 請求項4に記載の充電コネクタであって、
    前記リッドの内面には、前記リッドの中央部から前記第1リブに向かって放射状に延びる複数の第2リブが形成されている、充電コネクタ。
  6. 請求項5に記載の充電コネクタであって、
    前記リッドの内面には、前記第1リブの内側に環状の第3リブが形成されており、
    前記複数の第2リブは、前記第3リブを起点として前記第1リブに向けて延びている、充電コネクタ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
    前記係止部材は、前記被支持部の外面から前記軸部の延在方向に沿って前記ハウジングの軸受部に突出するスペーサ部をさらに有し、
    前記スペーサ部の周囲の位置において、前記被支持部の前記外面と前記軸受部の内面とが互いに離間しつつ対向している、充電コネクタ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
    前記リッドは、前記筒状枠部を覆うリッド本体と、前記係止部に引っ掛かる被係止部とを有し、
    前記被係止部は、前記リッド本体よりも外周側に突出し、
    前記被係止部の外面は、前記リッド本体の外面より前記筒状枠部側に低くなっている、充電コネクタ。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
    前記係止部材を回動方向に沿って前記第1位置に向けて付勢する係止部材側付勢部材をさらに備える、充電コネクタ。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の充電コネクタであって、
    前記リッドは、リッド側軸部を介して前記ハウジングに回動可能に取付けられ、
    前記リッドを回動方向に沿って開状態に付勢するリッド側付勢部材をさらに備える、充電コネクタ。
  11. 請求項10に記載の充電コネクタであって、
    前記リッド側付勢部材は、ばね本体部と、前記ばね本体部から延びるばねアーム部とを含み、
    前記リッド及び前記ハウジングの少なくとも一方には、前記リッド側付勢部材の取付姿勢が正規姿勢とは異なる姿勢の場合に前記ばねアーム部と干渉する干渉部が設けられている、充電コネクタ。
JP2022030731A 2021-07-29 2022-03-01 充電コネクタ Pending JP2023020855A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202280050264.0A CN117693869A (zh) 2021-07-29 2022-06-27 充电连接器
PCT/JP2022/025534 WO2023008040A1 (ja) 2021-07-29 2022-06-27 充電コネクタ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021124359 2021-07-29
JP2021124359 2021-07-29

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023020855A true JP2023020855A (ja) 2023-02-09

Family

ID=85159242

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022030731A Pending JP2023020855A (ja) 2021-07-29 2022-03-01 充電コネクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023020855A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4360392B2 (ja) プロテクタ
EP0834944B1 (en) Covering element for connectors of battery poles
US7910832B2 (en) Line routing device
EP1133007A1 (en) A construction and a terminal cap for preventing an erroneous connection
JP5064055B2 (ja) 車両用ドアのアウトハンドル装置
WO2023008040A1 (ja) 充電コネクタ
JP2002357617A (ja) センサ装置
CN103069088A (zh) 车辆用门拉手装置
JP2023020855A (ja) 充電コネクタ
WO2023008041A1 (ja) 充電コネクタ
WO2023008027A1 (ja) 充電コネクタ
WO2006033230A1 (ja) リヤカバーの取付構造
JP2014060073A (ja) コネクタ
CN117693869A (zh) 充电连接器
WO2015012065A1 (ja) コネクタ
JP2004201424A (ja) エンジンのワイヤハーネス保持装置
CN104012191A (zh) 用于容纳电子装置的壳体
JPH09199188A (ja) ターミナルキャップ
JP2003068392A (ja) 防水コネクタ
WO2023166929A1 (ja) 電線付きコネクタ
JP5846052B2 (ja) 電気接続箱
WO2023166964A1 (ja) 電線付きコネクタ
JP5691660B2 (ja) コネクタ付きシールドケーブル
JP2005009216A (ja) 車両用ドアのアウトハンドル装置
JP4218203B2 (ja) 車両用の端子保護装置