JP2023020765A - 外周側壁に延設部を備える医用ハニカム構造体、医用材料成形型、医用組織再建膜 - Google Patents

外周側壁に延設部を備える医用ハニカム構造体、医用材料成形型、医用組織再建膜 Download PDF

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Abstract

【課題】(1)組織再建術の際に、組織欠損部から医用組織再建材が移動されにくいこと、(2)生体内に埋入した際に、該材料が周囲組織と強固に結合すること、(3)組織欠損部における欠損組織再建率が大きいことなどを満たし、組織再建術に用いられる医用ハニカム構造体や医用ハニカム構造体などを製造する際に有用な医用材料成形型、医用ハニカム構造体などを組織欠損部に固定する医用組織再建膜を提供する。【解決手段】一方向に延びる、一つ又は複数の、略角柱の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を、少なくとも一つ備える医用ハニカム構造体などを提供する。【選択図】図7

Description

本発明は、医療分野又は医療に関係する分野で、骨などの組織再建術式や、再生医療のスキャッフォールドなどに用いられる医用ハニカム構造体、医用材料成形型、および医用組織再建膜に関する。
臨床においては、欠損した組織を医用組織再建材で再建する場合がある。欠損した組織の種類や大きさなどによって所要性質は異なるが、欠損した組織の再建に用いる医用組織再建材は、下記(1)~(6)の多くの要求を満たすこと、又は/及び、高い水準で満たすことが望ましい場合がある。
(1)組織再建術の際に、組織欠損部から医用組織再建材が移動されにくいこと。
(2)生体内に埋入した際に、該材料が周囲組織と強固に結合すること。
(3)組織欠損部における欠損組織再建率が大きいこと。
(4)簡便に組織欠損部を再建できること。
(5)安価であること。
(6)欠損組織に置換されること。
(1)は、医用材料の固定に関するものである。施術中に組織再建部から逸脱や移動しやすい医用材料は施術が困難である。さらに、施術後に該医用組織再建材が組織欠損部から逸脱したり移動したりすれば予後不良となる。
(2)は、組織再建術を施術した後の医用材料と欠損組織との結合に関する。術後に、該材料が欠損組織と速やかに結合できなければ、該材料は埋入部位から逸脱したり移動したりして予後不良となる場合がある。
(3)は、再建される組織の再建率に関する。例えば、骨再建術において、骨欠損部が骨組織ではなく結合性組織によって再建される場合があるが、骨欠損部が骨組織で再建される比率が高い方が好ましい。
(4)は、組織再建術の施術の難度に関わる。簡便な術式で組織欠損部位を再建できれば組織再建術の成功率が高くなり、手術時間も短縮できる。
(5)は、医療費低減の社会的要求を満たすために必要である。
(6)は、組織再建術において、より高度な組織再生術に関する要求である。医用組織再建材の吸収と新組織形成に基づく組織への置換は、基本的には材料組成に依存するが、組織置換される生体吸収性材料の場合、置換速度は材料の構造にも依存する。
(1)~(6)のすべての要求を高度に満たす医用組織再建材が理想的であるが、これらの要求の多くを満たす医用組織再建材、これらの要求の一部を高い水準で満たす医用組織再建材も有用である。
特許文献1では、隔壁部材に凹部又は孔部が形成されているハニカム構造体が提案されている。隔壁部材の凹部又は孔部によって、前記(2)の要求を一定程度満たすと考えられるが、前記(1)、(3)~(6)の要求を十分に満たすことができない。
特許文献2では、ハニカム構造体を貫通孔方法に平行な面で切断し、板状基材部の表面に複数の溝を備える生体組織補填材が提案されている。しかしながら、骨内部の海綿骨に溝側を圧接して挿入させて用いることを目的としているため、該生体組織補填材には貫通孔が備えられておらず、ハニカム構造体でも連通構造体でもない。海綿骨に溝側を圧接するため、(1)、(2)を一定程度満たすと考えられるが、(3)~(6)を満たさない。
特許文献3では、ハニカム構造体の外周側壁を除去し、外周側部に、貫通孔溝及び貫通孔入口を備えた医療用ハニカム構造体が提案されている。該ハニカム構造体は、(1)~(3)を一定程度満たすと考えられるが、(4)~(6)を満たさない。特に、外周側壁の除去工程が必要であり、(5)に関して課題がある。
特開2004-298407号公報 特開2004-298545号公報 国際公開第2018/074429号パンフレット
上述したように、従来、欠損した組織の再建に用いる医用材料で、前記(1)~(6)の多くの要求を満たす、及び/又は、高度に満たすものは存在しなかった。
本発明は、前記のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、医用材料に望まれる前記(1)~(6)の多くの要求を満たす、及び/又は、高度に満たす医用ハニカム構造体、及び、その関連材を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定構造の医用ハニカム構造体が、前記(1)~(6)の多くの要求を満たす、又は/及び、高い水準で満たす医用材料であること、また、特定構造の医用材料成形型が、前記医用ハニカム構造体などの製造に有用な医用成形型であること、さらに、特定構造の医用組織再建膜が前記医用ハニカム構造体などを内包するなどに有用であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。(以下、下記[1]~[11]の発明を、本発明[1]~[11]ということがある。)
[1]
一方向に延びる、一つ又は複数の、角柱状の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点の少なくとも一つに、該外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を備えることを特徴とする医用ハニカム構造体。
[2]
貫通孔が六角柱状の貫通孔であることを特徴とする[1]記載の医用ハニカム構造体。
[3]
貫通孔の貫通方向に垂直な面における貫通孔面積と同じ面積の円の直径が、0.1mm以上1.0mm以下である貫通孔を少なくとも一つ備えることを特徴とする[1]又は[2]記載の医用ハニカム構造体。
[4]
貫通孔の貫通方向の最大長さを、貫通孔の貫通方向に垂直な面における最大長さで除したアスペクト比が0.3以上3以下であり、かつ、見かけ体積が1×10-7以下であることを特徴とする[1]~[3]のいずれか記載の医用ハニカム構造体。
[5]
下記(A)の群から選ばれる化合物、又は、下記(B)の群から選ばれる化合物の重合体、あるいは共重合体、の少なくとも一つを含むことを特徴とする[1]~[4]のいずれか記載の医用ハニカム構造体。
(A)リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルシウム含有ガラス、リン含有ガラス、コラーゲン、キトサン
(B)乳酸、グリコール酸、ポリ乳酸、カプロラクトン、グリセロールセバシン酸、ヒドロキシ酪酸、ジオキサノン
[6]
少なくともマスクとダイスを備えた成形型であって、前記マスクの開口部が、円ではなく、かつ、遠心方向に凹部を備えることを特徴とする医用材料成形型。
[7]
医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜であって、少なくとも、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備え、
前記細胞遊走部は、面積が2×10-9以上、かつ、2×10-5以下の複数の開口部を備え、かつ、開口率が0.2以上であり、
前記細胞遮断部は、開口部が備えられておらず、かつ、20℃で幅3mmの細胞遮断部に200gを負荷した場合にひずみが0.05以上である、又は、細胞遮断部の70%以上の開口部の面積が、細胞遊走部の開口部の平均面積の70%以下であることを特徴とする医用組織再建膜。
[8]
体内組織に固定するための構造を備えることを特徴とする[7]記載の医用組織再建膜。
[9]
多重構造部を備え、該多重構造部の範囲内に導入口を備えることを特徴とする医用組織再建膜。
[10]
前記導入口、及び/又は、多重構造部の位置を示す標識を備えることを特徴とする[9]の医用組織再建膜。
[11]
体内組織に固定するための構造を備えることを特徴とする[9]又は[10]記載の医用組織再建膜。
本発明の医用ハニカム構造体は、前記(1)~(6)の多くの要求を満たす、及び/又は、高い水準で満たし、医療分野又は医療に関係する分野、特に医療における組織再建術での利用が可能となる。また、本発明の医用材料成形型は、前記医用ハニカム構造体などの製造に有用である。さらに、本発明の医用組織再建膜は、本発明の医用ハニカム構造体などの医用組織再建材による組織再建を補助できる。
本発明の医用ハニカム構造体の貫通孔の貫通方向に垂直な断面図(例)である。 本発明の医用材料成形型の模式図(例)である。 本発明の医用組織再建膜の模式図(例)である。 本発明の多重構造部と導入口を備える医用組織再建膜の模式図(例)である。 本発明の医用組織再建膜の多重構造部と導入口の構造と機能を説明する模式図(例)である。 本発明の医用炭酸カルシウムハニカム構造体(a,c)、および本発明の範囲を外れる炭酸カルシウムハニカム構造体(b,d)の電子顕微鏡写真(SEM写真)である 本発明の医用炭酸アパタイトハニカム構造体(a,c)、および本発明の範囲を外れる炭酸アパタイトハニカム構造体(b,d)のSEM写真である
以下、本発明について説明する。
<1-1 本発明の基本条件:医用組織再建材>
本発明は、医用材料であり、より詳しくは医用組織再建材に関わる。医用材料とは、臨床や細胞培養などの医療関連分野で用いられる材料であるため、他の材料とは所要性質が異なる。医用組織再建材は、臨床あるいは細胞培養などで医療に関わる組織を直接再建する材料である。
<1-2 本発明の基本条件:角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体>
本発明でいう角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体とは、一方向に延びる、一つ又は複数の、角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造を有する医用材料である。本発明の複数の角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体は、多角形状の中空柱を隙間なく並べた構造体と捉えることもできる。なお、一方向に延びる一つの角柱状の貫通孔を備えた構造体は、一方向に延びる一つの角柱状の貫通孔を備えた連通構造体と捉えることもできるが、本発明においては、簡単のため、一方向に延びる一つの角柱状の貫通孔を備えた連通構造体も一方向に延びる一つの角柱状の貫通孔を備えたハニカム構造体と定義する。
本発明において、ハニカム構造体の貫通孔は角柱状と円柱状(頂点がないもの)に区分されるものとする。すなわち、円柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体以外は角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体である。換言すれば、貫通孔の貫通方向(以下、貫通孔方向という)に垂直な面において、貫通孔が頂点(角部)を備えるハニカム構造体は、角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体である。なお、貫通孔の頂点の数は、1であっても(例えば、雫形状)、2であっても、3以上であってもよく、3、4又は6が好ましく、4又は6がより好ましく、6が特に好ましい。すなわち、六角柱状が特に好ましく、正六角柱状が最も好ましい。
本発明のハニカム構造体の必須要件の一つは、角柱状の貫通孔を備えることである。したがって、円柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体は、本発明の範囲から外れているハニカム構造体である。
なお、本発明において、貫通孔は一方向に延びる必要があるが、屈曲していてもよい。貫通孔が屈曲している場合には、貫通孔両末端を結ぶ方向を貫通孔方向という。
また、本発明の医用ハニカム構造体は、延設部を除く全体形状として把握される概形が角柱状であり、角柱状の構造体とは、上記貫通孔同様、円柱状の構造体と区別されるものであり、貫通孔方向に垂直な面において、外周側壁が頂点(角部)を備えると把握されるものは、角柱状の構造体である。なお、外周壁の頂点の数は、1であっても(例えば、雫形状)、2であっても、3以上であってもよく、3、4、6又は18が好ましく、4、6又は18がより好ましく、6又は18が特に好ましい。なお、貫通孔方向に垂直な面における延設部を除く構造体の形状(外形)は、貫通孔の形状と同様の形状であってもよいし(図1a)、異なる形状であってもよい(図1c)。
<1-3 本発明の基本条件:外周側壁頂点部位の延設部>
本発明の医用ハニカム構造体は、外周側壁遠心面頂点の少なくとも一つに、外周側壁遠心面の頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を備える。この頂点に設けられる延設部としては、通常、頂点に沿って貫通孔方向に延びる1本の柱状部位であり、柱状部位の一部が欠損していてもよい。すなわち、頂点に沿って、間欠的に連続する柱状部位であってもよい。柱状部位の形状としては、円柱状であっても、角柱状であってもよいが、角柱状が好ましく、四角柱状が特に好ましい。
図1を用いて本発明の医用ハニカム構造体(10,20,30,40)を説明する。図1a)~c)は、略正六角形の、図1d)は略正方形の、図1a)、b)は一つの、図1c)、d)は複数の貫通孔を備える、該ハニカム構造体の貫通孔方向に垂直な断面図である。以下、ハニカム構造体(10,20,30,40)の説明においては、基本的に貫通孔方向に垂直な断面図における位置関係で説明を行う。また、特記する場合以外は、該ハニカム構造体が両端部に備えるハニカム開口部ではなく、該ハニカム開口部以外の部位で説明を行う。
いずれのハニカム構造体(10,20,30,40)も、貫通孔(11,21,31,41)、外周側壁(12,22,32,42)を備える。複数の貫通孔を備えるハニカム構造体(30,40)の場合は、隔壁(38,48)も備える。右下方向の斜線で示す隔壁(38,48)は、左下方向の斜線で示す外周側壁(12,22,32,42)とともに、貫通孔を区分する壁であるが、ハニカム構造体の外周側面の壁を外周側壁(12,22,32,42)とし、それ以外の壁を隔壁(38,48)として区分する。また、外周側壁(12,22,32,42)の遠心面を外周側壁遠心面(13,23,33,43)、外周側壁(12,22,32,42)の近心面を外周側壁近心面(14,24,34,44)と言う。外周側面遠心面(13,23,33,43)は、組織再建術を施術する際に、医用ハニカム構造体の遠心側面の組織と接触する。一方、隔壁(38,48)は、組織再建術を施術する際に、医用ハニカム構造体の遠心側面の組織とは接触しない。
角柱状の貫通孔を備えるハニカム構造体(10,20,30,40)は、外周側壁遠心面(13,23,33,43)の頂点部位に外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)を備える。
なお、本発明において、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)とは、貫通孔方向に垂直な断面図において、外周側壁(12,22,32,42)を介して延設部(16,26,36,46)と対峙する外周側壁近心面の略角柱の頂点と、該略角柱の頂点を備える貫通孔の中央点を結ぶ直線と、延設部(16,26,36,46)の外周面と外周側壁外周面(13,23,33,43)の交点と、隣り合う外周側壁外周面(13,23,33,43)の頂点、あるいは隣り合う延設部(16,26,36,46)の外周面と外周側壁外周面(13,23,33,43)との交点とを結ぶ直線との交点と定義する。
本発明の、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)の少なくとも一つに、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)から遠心方向に延設される一つの延設部(16,26,36,46)を備えるハニカム構造体(10,20,30,40)は、ハニカム構造体の外周部に一様に備えられていた外周側壁が欠損し、隔壁が延設部に変化したとも捉えることができるが、外周側壁の捉え方の相違に起因する表現の相違である。本発明においては、外周側壁は最外周に一様に備えられる壁である必要はなく、外周側壁の遠心方向に延設部を備える場合も、外周側壁と定義する。
ハニカム構造体(10,20,30,40)は、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)の少なくとも一つに、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)から遠心方向に延設される一つの延設部(16,26,36,46)を備える。ここで、一つの外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)に備えることができる延設部(16,26,36,46)は一つであることが必要条件である。一つの外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)に、複数の延設部を備えるハニカム構造体は、本発明の範囲から外れるハニカム構造体である。
また、延設部(16,26,36,46)は、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)から遠心方向に延設される。延設部(16,26,36,46)は幅を備えるため、延設部(16,26,36,46)に被覆される外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)は、組織とは接触しない。換言すれば、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)を被覆せず、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)と接する部位に延設部(16,26,36,46)を備え、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)が組織と接触する構造しか備えていないハニカム構造体は、本発明の範囲を外れるハニカム構造体である。
延設部(16,26,36,46)を備えるハニカム構造体(10,20,30,40)は、延設部(16,26,36,46)の間に形成される溝(17,27,37,47)を備える。このことによって、前記(1)~(3)の要求を満たす水準が高くなる。なお、溝の深さは、図1において、aで示す。
本発明の条件の一つは、外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)の少なくとも一つに外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)から遠心方向に延設される一つの延設部(16,26,36,46)を備えることであるが、延設部(16,26,36,46)を複数の頂点に備えることが好ましく、全ての外周側壁遠心面凸頂点に備えることがより好ましく、全ての外周側壁遠心面頂点(凸頂点及び凹頂点)に備えることがさらに好ましい。
隣り合う外周側壁遠心面頂点(15,25,35,45)が延設部(16,26,36,46)を備えると、溝(17,27,37,47)の深さaの平均が深くなる。また、延設部(16,26,36,46)の数が多くなると溝の数が多くなる。このことによって、前記(1)~(3)の要求を満たす水準がより高くなり、ハニカム構造体が組織と置換する組成である場合には、前記(6)の要求を満たす水準もより高くなる。なお、一つの医用ハニカム構造体が異なる深さの溝を備える場合には、深い溝の深さを溝の深さaとする。
<1-4 本発明の好ましい条件:外周側壁>
本発明において、外周側壁(12,22,32,42)および隔壁(38,48)の形状や厚さは特に制限されないが、外周側壁遠心面(13,23,33,43)と外周側壁近心面(14,24,34,44)は、略平行であることが好ましい。医用ハニカム構造体は、押出によって製造されることが多いため、外周側壁遠心面(13,23,33,43)と外周側壁近心面(14,24,34,44)は湾曲する場合がある。そのため、貫通孔方向に垂直な面において、隣り合う外周側壁遠心面頂点を結ぶ直線と、対峙する外周側壁内心面の隣り合う頂点を結ぶ線の関係を用いて、貫通孔方向に垂直な外周側壁遠心面(13,23,33,43)と外周側壁近心面(14,24,34,44)が平行であるか否かの判断に用いる。ここで略平行とは、両者が平行、又は、両者がなす角が20°以下であることをいう。該角は15°以下が好ましく、10°以下がより好ましく、5°以下がさらに好ましい。両者が平行であることが理想的である。換言すれば、外周側壁の厚さは略同一であることが理想的である。このことによって、前記(1)、(3)の要求が高度に満たされ、組織置換される組成である場合には、前記(6)の要求も高度に満たされる。
また、外周側壁(12,22,32,42)の厚さに関しては、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔(11,21,31,41)の面積と同じ面積の円の直径を、外周側壁の平均厚さで除した値が0.5以上20以下であることが好ましく、1以上15以下であることがより好ましく、1.5以上8以下であることがさらに好ましい。このことによって、前記(3)の要求が高度に満たされ、組織置換される組成である場合には、前記(6)の要求も高度に満たされる。
<1-5 本発明の好ましい条件:特定の延設部>
延設部(16,26,36,46)を備えるハニカム構造体は、前記(1)、(2)、(4)の要求を満たすが、延設部の高さが高いほど満たす水準が高くなる。一方で、延設部の高さが高いと構造が不安定になる。そのため、下記(I)~(IV)の少なくとも一つの要件を満たす延設部を備える該ハニカム構造体が好ましい。
なお、延設部の長さは、図1にbで示す。すなわち、延設部(16,26,36,46)の高さは、貫通孔方向に垂直な面において、延設部(16,26,36,46)が、外周側面遠心面13と接する二点の中央点から、該二点を結ぶ線分に垂直方向の延設部(16,26,36,46)の高さである。
(I)延設部の平均高さを、外周側壁の平均厚さで除した値が0.1以上3以下である。
(II)延設部の平均高さを、延設部が外周側壁を介して対峙する貫通孔の、貫通孔方向に垂直な面における面積と同じ面積の円の平均直径で除した値が0.1以上3以下である。
(III)延設部の平均高さを、延設部の平均幅で除した値が0.3以上5以下である。
(IV)延設部が接する外周側壁の多角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さを延設部の平均高さで除した平均値が、1以上15以下である。
前記(I)の要件は、延設部(16,26,36,46)の高さ(図1のb)と、外周側壁(12,22,32,42)の平均厚さ(図1のc)との関係である。先に述べたように外周側壁(12,22,32,42)と延設部(16,26,36,46)は別の要素であるため、図1に示すように外周側壁(12,22,32,42)の厚さは、延設部(16,26,36,46)を含まない厚さである。
延設部(16,26,36,46)の高さbを、外周側壁(12,22,32,42)の厚さcで除した値が0.1以上3以下となる延設部(16,26,36,46)を備える医用ハニカム構造体が好ましい。該値が0.1未満の場合も有用であるが、効果が限定的である。該値は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましい。一方、延設部(16,26,36,46)の高さが高くなりすぎると、延設部(16,26,36,46)が破損しやすくなる。そのために、該値は3.5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。
前記(II)の要件は、延設部の高さbと、貫通孔の大きさとの関係である。ここで、貫通孔の大きさは、外周側壁を介して延設部(16,26,36,46)が対峙する貫通孔の、貫通孔方向に垂直な面における面積と同じ面積の円の直径とする。延設部の高さbを該円の直径で除した値が0.1以上3以下であることが好ましく、0.2以上2.0以下であることがより好ましい
前記(III)の要件は、延設部の高さbと、延設部の平均幅(図1のd)との関係である。延設部の機械的強度などの関係から、延設部の高さbを、延設部の平均幅dで除した値が0.3以上5以下であることが好ましく、0.4以上4以下であることがより好ましく、0.5以上3以下であることがさらに好ましい。
前記(IV)の要件は、延設部の高さbと、延設部が接する辺の長さとの関係である。ここで、延設部の幅は、図1にeで示す。前記(1)~(3)、(6)の観点から、延設部(16,26,36,46)が接する外周側壁遠心面(13,23,33,43)の多角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さを延設部の高さbで除した値が、1以上15以下であることが好ましく、1.5以上10以下であることがより好ましく、2以上5以下であることがさらに好ましい。
<2 特定の角柱状形状>
本発明の条件の一つは、ハニカム構造体が角柱状の貫通孔を備えることである。隔壁(38,48)の厚さを略同一とすれば、三角柱状、四角柱状、六角柱状が製造に好ましい。また、正多角柱状がより好ましい。一方、組織は、貫通孔(11,21,31,41)の外周部である外周側壁(12,22,32,42)と隔壁(38,48)に伝導されるため、当該面積を貫通孔の体積で除した値が大きいほど、前記(3)の要求を満たす水準が高くなる。
これらの理由から、六角柱状の貫通孔を備える医用ハニカム構造体が好ましい。
同様の理由で、六角柱状と比較して、正六角柱状の貫通孔を備える医用ハニカム構造体がより好ましい。
<3 特定の貫通孔の大きさ>
前記本発明[3]の医用ハニカム構造体は、前記(1)~(3)、(6)の要求を高度にみたす場合がある。
組織は、一定の大きさ以上の貫通孔を伝導しやすく、また、貫通孔(11,21,31,41)の周囲の壁に沿って伝導する。そのため、貫通孔の大きさは、前記(3)の要求を高度に満たす要件となる場合がある。また、組成が組織置換される場合には、前記(6)を高度に満たす要件となる場合がある。
これらの観点から、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔面積と同じ面積の円の直径が0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、該直径が0.15mm以上0.7mm以下であることがより好ましく、該直径が0.2mm以上0.5mm以下であることがさらに好ましい。
<4 特定のハニカムアスペクト比と見かけ体積>
本発明において、医用ハニカム構造体の貫通孔方向の最大長さを、医用ハニカム構造体の貫通孔方向に垂直な面における最大長さで除した値をアスペクト比と定義する。
前記本発明[4]の医用ハニカム構造体は、特に前記(4)の要求を高度に満たす。さらに、組織欠損部での充填密度が高くなるため、前記(3)の要求も高度に満たす。ハニカム構造体同士が延設部で固定されやすくなるため、前記(1)の要求も高度に満たすが、前記(III)の要件も満足する医用ハニカム構造体の場合は、延設部(16,26,36,46)と外周側壁(12,22,32,42)から形成される溝(17,27,37,47)によるハニカム同士の固定が強固になるため、前記(1)の要求を満たす水準が特に高い。また、比表面積が大きいため、組成が生体吸収性材料である場合には、前記(6)の要求を満たす水準が高くなる。
見かけ体積は、充填密度の関係から、1×10-7以下が好ましく、2×10-8以下がより好ましく、5×10-9以下がさらに好ましい。アスペクト比は、充填密度の関係から、0.3以上3以下が好ましく、0.4以上2.5以下がより好ましく、0.5以上2以下がさらに好ましい。
なお、本発明で言う見かけ体積とは、医用ハニカム構造体の外周に覆われた体積と定義する。ここで、該体積は、溝(17,27,37,47)の体積を含む。また、貫通孔(11,21,31,41)および溝(17,27,37,47)の体積は、貫通孔両端部に蓋をするような仮想平面と貫通孔(11,21,31,41)および溝(17,27,37,47)に囲まれた体積である。
<5 医用ハニカム構造体の好ましい組成>
本発明の医用ハニカム構造体の組成は、特に制限されないが、前記本発明[5]の医用ハニカム構造体は、組織親和性等の観点から好ましい。医用ハニカム構造体を骨組織再建術に用いる場合には、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルシウム含有ガラス、リン含有ガラスは、優れた骨伝導性を示すため、より好ましい。リン酸カルシウムの中でもアパタイトとリン酸三カルシウムは優れた骨伝導性を示すためさらに好ましい。アパタイトの中でも炭酸アパタイトは特に優れた骨伝導性を示すため、特に好ましい。
また、炭酸アパタイト、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムは生体吸収性を示すため、組織再生を目指す場合には、特に好ましい。
生体吸収性材料であるコラーゲン、キトサン及び前記(B)乳酸、グリコール酸、ポリ乳酸、カプロラクトン、グリセロールセバシン酸、ヒドロキシ酪酸、ジオキサノンの群から選ばれる化合物の重合体、あるいは共重合体、の少なくとも一つを組成とする高分子材料も、生体吸収性を示し、前記(6)の要求を満たすことから、本発明の医用ハニカム構造体に含まれる組成として特に好ましい。
炭酸アパタイトとコラーゲンとを組成とする複合材料は、組織伝導性と柔軟性を合わせ持つことから特に好ましい場合がある。
なお、本発明の炭酸アパタイトとは、国際公開2018/074429号パンフレットに記載されているような、リン酸カルシウム系アパタイトのアパタイト構造に炭酸基を含むアパタイトである。アパタイトのリン酸基、及び/又は、水酸基の一部、又は、全部が炭酸基に置換しているアパタイトを言う。本発明においては、炭酸基含有量が0.1質量%以上のアパタイトを炭酸アパタイトと定義するが、炭酸基含有量が多い方が、破骨細胞吸による吸収活性などが大きくなるため、炭酸基含有量は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。成人骨のアパタイト構造中の炭酸基の含有量が6~9質量%であることから、6質量%以上がさらに好ましく、8質量%以上が特に好ましい。
<6 マスク開口部の遠心方向に凹部を備える医用材料成形型>
ハニカム構造体などの製造に用いられる一般的な成形型については、特開平7-24817号公報や特開平11-320526号公報などで提案されている。一般的にハニカム構造体製造用の成形型はダイスとマスクから構成されている。原料はダイス方向からマスク方向に押出される。ダイスには原料供給口とコマが備えられている。ダイスのコマの間で溝を形成する場合もあるが、ダイスにマスクを固定すると、コマとマスクの間で新たな溝が形成される場合もある。異なる原料供給穴を通った原料が溝で結着することによってハニカム構造体などが成形される。
前記本発明[1]~[5]の医用ハニカム構造体などの製造に有用である前記本発明[6]の医用材料成形型を、原料が押し出される方向から医用材料成形型を見た図2を用いて説明する。図2a)の金型は、一方向に延びる、一つの、略角柱の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を、少なくとも一つ備える医用ハニカム構造体の製造に有用であり、図2b)の金型は、一方向に延びる、複数の、略角柱の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を、少なくとも一つ備える医用ハニカム構造体の製造に有用である。
該医用材料成形型は、ダイスにマスク(51,61)を固定しており、ダイスには凸部であるコマ(52,62)と、原料供給穴(53,63)が備えられている。図2において、コマ(52,62)は左下方向の斜線で示す。原料供給穴(53,63)は、網点で囲まれた白抜きの円の部分であり、図2a)の例では一部がマスク(51)によって覆われている。図2b)のように複数のコマを備えるダイスの場合、コマの間に溝64を備える。
前記本発明[6]の医用材料成形型の構成要素の一つであるマスク(51,61)をダイスに固定すると図2a)の場合には、溝54が形成され、図2b)の場合には、コマの間に形成されていた溝64に加えて、新しい溝64が形成される。溝64は、マスク(51,61)とコマ(52,62)、あるいは隣り合うコマ(62)同士に挟まれる部位であり、白抜きの部位と網点の部分を合わせた部位である。
マスクの開口部が、円ではなく、かつ、遠心方向に凹部を備えることによって、押出された医用材料に、凸部が形成される。円の開口部は遠心方向に凹部を備えるとも捉えることができるが、円の開口部のみを備えるマスクは、本発明の範囲を外れる医用材料成形型である。
マスクの開口部に凹部が少なくとも1つ備えられている必要があるが、医用材料に形成される凸部が増大するため、複数の凹部を備えることが好ましい。
<7-1 医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜>
見かけ体積が小さい前記本発明[4]の医用ハニカム構造体などは、前記(1)~(5)の要求を高度に満たす医用組織再建材であり、組成によっては前記(6)の要求も高度に満たすが、ブロック体と比較すると組織欠損部から移動しやすい。また、外側性組織再建術への適用は困難である。その場合には、前記本発明[7]が有用である。
図3を用いて前記本発明[7]を説明する。袋状の医用組織再建膜(70,80)は、少なくとも、細胞遊走部(71,81)と細胞遮断部(72,82)の二種の異なる形状面を備える袋状の医用組織再建膜である。細胞遊走部(71,81)は、面積が2×10-9以上、かつ、2×10-5以下の複数の開口部を備え、かつ、開口率が0.2以上である。
細胞遊走部(71,81)の開口部は、袋状の医用組織再建膜の内部と外部組織との連通部であり、所望組織の細胞が遊走できる。外部組織から遊走した細胞が、開口部を通り、袋状の医用組織再建膜(70,80)に内包される医用組織再建材に接着、増殖、分化して所望の組織が形成される。細胞が遊走するために、細胞遊走部(71,81)の開口部の個々の開口面積は2×10-9以上である必要がある。細胞遊走部(71,81)における開口部の面積の合計を、細胞遊走部(71,81)の面積で除した開口率は0.2以上である必要があるが、効率的な細胞遊走の観点から、該値は0.3以上が好ましく、0.4以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましい。
細胞遊走部(71,81)における開口部は、細胞の遊走のために備えられており、有効な開口部を備えるメッシュなどを細胞遊走部としてもよく、開口部を備えていない袋にパンチングなどで開口部を備えさせてもよい。
一方、細胞遮断部(72,82)は、袋状の医用組織再建膜(70,80)の内部に細胞が遊走することを遮断する部位である。例えば、骨組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜(70,80)を、細胞遊走部(71,81)が骨表面に接するように設置した場合、骨表面から骨芽細胞などが細胞遊走部(71,81)の開口部を通って骨組織再建材に遊走する。一方で、袋状の医用組織再建膜(70,80)の骨表面と接していない部位は、筋組織や結合組織などに接する。そのため、骨組織以外の組織由来の細胞も袋状の医用組織再建膜(70,80)内部に遊走する。骨組織以外の組織由来の細胞が骨組織再建材に接着すると骨形成が阻害される。したがって、骨組織以外の組織由来の細胞が、袋状の医用組織再建膜(70,80)の内部に遊走することを遮断する細胞遮断部(72,82)が所望組織の再建に有用である。
なお、細胞遮断部(72,82)の目的は、細胞遊走の遮断であるが、体液や酸素などが医用組織再建膜(70,80)の外部から内部に浸透できることが好ましい場合もある。この場合、細胞遮断部(72,82)には、開口部を備えながら細胞の遊走を遮断する機能が求められる。細胞は開口部が小さくなると遊走しにくくなる。したがって、細胞遮断部(72,82)が開口部を備える場合、細胞遮断部(72,82)の70%以上の開口部の面積が、細胞遊走部(71,81)の開口部の平均面積の70%以下である必要がある。細胞遮断部(72,82)の70%以上の開口部の面積を制御することによって細胞の遊走を概ね制御できるが、該値は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。該値が100%であることは理想的である。また、細胞遮断部(72,82)における開口部の面積は、細胞遊走部(71,81)における開口部の平均面積の70%以下である必要があるが、該値は50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましい。
袋状の医用組織再建膜(70,80)が比較的小さい場合などは、細胞遊走部(71,81)から十分な体液や酸素などが袋状の医用組織再建膜(70,80)内部に供給される場合がある。この場合には、細胞遮断部(72,82)には開口部が必要ない。一方で、袋状の医用組織再建膜(70,80)を組織再建部に密着させるには細胞遮断部(72,82)にも弾性が必要である。弾性の指標としては、ひずみを用いる。開口部を備えない細胞遮断部(72,82)の場合には、20℃で、幅3mmの細胞遮断部(72,82)に、200gを負荷した場合のひずみが0.02以上であることが必要である。該ひずみは0.04以上であることが好ましく、0.06以上であることがより好ましく、0.08以上であることがさらに好ましい。なお、幅3mmの細胞遮断部が確保できない場合には幅を小さくして試験を行い、必要なひずみは反比例計算する。
袋状の医用組織再建膜(70,80)は、医用組織再建材を内包させて臨床応用する。医用組織再建材を術中に袋状の医用組織再建膜(70)に内包させる場合には、導入口(73)を備える必要がある。例えば、見かけ体積が小さい医用ハニカム構造体などの医用組織再建材を、必要なだけ導入口(73)から袋状の医用組織再建膜(70)に内包させ、導入口(73)を封鎖した後に、組織再建部に細胞遊走部(71)が接するように設置する。また、組織再建部に細胞遊走部(71)が接するように袋状の医用組織再建膜(70)を設置し、導入口(73)から該袋状の医用組織再建膜(70)に医用組織再建材を内包させ、導入口(73)を封鎖してもよい。この術式で、例えば、既存骨から該膜の細胞遊走部(71)の開口部を通して該構造体表面および貫通孔内部に骨が伝導され、所望の骨厚さなどに再建する、外側性組織再建術(垂直的骨造成、水平的骨造成、サドルグラフトなど)が施術できる。
一方、あらかじめ、袋状の医用組織再建膜(70,80)に医用組織再建材を内包すると、医用組織再建材の量的調整は不可能であるが、術式が簡便になる。この場合は、導入口(73)を備える必要がない。
医用組織再建材を内包させる導入口を備え、術中に医用組織再建材を導入するか、あらかじめ医用組織再建材を内包した袋状の医用組織再建膜とするかは任意の選択事項である。
<7―2 医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜:細胞遊走部の比率>
袋状の医用組織再建膜(70,80)において、細胞遊走部(71,81)の機能は、所望の細胞を袋状の医用組織再建膜(70,80)内部に遊走させることであり、細胞遮断部(72,82)の機能は、所望の細胞以外の細胞が医用組織再建膜(70,80)内部に遊走することを遮断することである。したがって、細胞遊走部(71,81)を再建する組織と接触させ、細胞遮断部(72,82)を所望の組織以外の組織と接触させることが基本術式となる。垂直的骨造成などの場合は、所望の組織である骨が一方向に存在するため、図3a)に示すように、袋状の医用組織再建膜70は、細胞遊走部71を1ヵ所備えればよい。一方、離断骨を再建する場合には、骨離断部が2か所に存在する。したがって、そのような場合には、図3b)に示すように、細胞遊走部81を2ヵ所備える袋状の医用組織再建膜80が好ましい。この観点から、袋状の医用組織再建膜(70,80)は、細胞遊走部(71,81)を少なくとも1か所備える必要があるが、複数備えることに対する制限はない。
また、細胞遊走部(71,81)の機能は、所望の細胞を袋状の医用組織再建膜(70,80)内部に遊走させることであるため、細胞遊走部(71,81)の面積も特に制限されない。しかしながら、内側性組織欠損の場合は、外側性組織欠損と比較して組織再建材の流出が限定的であり、袋状の医用組織再建膜(70,80)の有用性も限定的となる。内側性組織欠損の場合は、必要な細胞遊走部(71,81)の面積を袋状の医用組織再建膜(70,80)の面積で除した比が高くなるが、外側性組織欠損の再建に袋状の医用組織再建膜(70,80)を用いる場合は該比が比較的小さくなり、該比が0.7以下で機能する。好ましい該比は0.7以下であるが、細胞遮断部(72,82)を十分に確保するという観点から0.6以下であることがより好ましい場合がある。
<7―3 医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜:材質>
袋状の医用組織再建膜(70,80)の材質は、特に制限されないが、生体吸収性の観点から、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ラクチド、ジオキサンの重合体及びこれらを含む共重合体やMg合金が好ましい場合がある。また、組織親和性の観点からナイロン、ポリエチレン、ポリプロプレン、ポリスチレン、シリコーン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、チタン、チタン合金、ステンレス、Co-Cr、Ni-Cr合金などが好ましい場合がある。
<7-4 医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜:内包する組織再建材>
医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜(70,80)は、細胞遊走部(71,81)を通して既存組織から医用組織再建材に組織伝導する。したがって、袋状の医用組織再建膜(70,80)と医用組織再建材とが組織再建術の予後を決める。
内包する組織再建材の組成に制限はないが、骨組織を再建する場合は、骨伝導性を示す組織再建材が好ましく、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルシウム含有ガラス、リン酸含有ガラスが骨伝導性を示す組織再建材として例示される。
本発明におけるリン酸カルシウムとは、リン酸とカルシウムの塩であり、オルソリン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、縮合リン酸カルシウムなどを例示することができる。比較的優れた骨伝導性と組織親和性を示すことからリン酸カルシウムの中でもオルソリン酸カルシウムが好ましい。本発明におけるオルソリン酸カルシウムとは、オルソリン酸とカルシウムの塩をいい、例えば、リン酸四カルシウム、水酸アパタイト及び炭酸アパタイトを含めたアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウムなどを例示することができる。
また、リン酸カルシウムの中でも、アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸八カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
さらに、アパタイトの中でも、骨組成と同じ炭酸アパタイトが高い骨伝導性を示すだけでなく新しい骨に置換されるため特に好ましい。
<8 固定用構造を備える袋状の医用組織再建膜>
医用組織再建材を内包する医用組織再建膜(70,80)を、細胞遊走部(71,81)が組織欠損部に面するように固定すると、組織形成が行われる。例えば、既存骨から該膜の細胞遊走部(71,81)の開口部を通して該医用組織再建材表面に骨が伝導されるが、骨伝導の観点から既存骨と該医用組織再建材は可能な限り密着させる必要がある。組織は、医用組織再建材表面のみを伝導し、医用組織再建材間に間隙があると組織伝導が極端に悪くなる。また、医用組織再建材が動揺する場合も組織伝導が極端に悪くなる。
この観点から、前記本発明[8]の医用組織再建膜(70,80)は好ましい場合がある。固定用構造としては、穴、糸、シートなどが例示される。穴は、ネジなどを用いて医用組織再建膜を組織に固定する際に有用である。また、糸、又は、シートを備える医用組織再建膜は、糸、又は、シートによって該膜を組織に固定できる。単独の固定用構造を備えてもよく、複数の固定用構造を備えてもよい。
<9 多重構造部に導入口を備える医用組織再建膜>
前記、袋状の医用組織再建膜(70,80)は、医用組織再建材を内包させ、細胞遊走部(71,81)を組織欠損部と接触させて用いる。あらかじめ、袋状の医用組織再建膜(70,80)に医用組織再建材を内包すると、術式は簡便であるが、医用組織再建材の量的調整は不可能である。一方、組織欠損部に細胞遊走部(71,81)が接するように袋状の医用組織再建膜(70,80)を設置し、導入口(73,83)から該袋状の医用組織再建膜(70,80)に、必要な量の医用組織再建材を内包させ、導入口(73,83)を封鎖すると医用組織再建材の量的調整が容易であるが、導入口(73,83)の封鎖が煩雑である。
この問題は、シート状の医用組織再建膜を用いて組織再建を行う場合にも同様である。組織再建部に医用組織再建材を盛り上げ、その表面をシート状の医用組織再建膜で覆い、固定することによって、組織再建部から医用組織再建材へ組織伝導させ、組織再建を行うことができる。しかしながら、シート状の医用組織再建膜による被覆術式や固定の際に医用組織再建材が移動したり、必要な医用組織再建材の目測が困難であったりする場合がある。
この問題は、前記本発明[9]によって解決される場合がある。すなわち、医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜、又は、医用組織再建材を固定するシート状の医用組織再建膜であって、該袋状の医用組織再建膜、又は、該シート状の医用組織再建膜に、多重構造部を備え、該多重構造部の範囲内に導入口を備える医用組織再建膜によって該問題が解決される場合がある。なお、前記本発明[9]の医用組織再建膜の形状は、袋状又はシート状が好ましいが、これらに制限されない。
また、医用組織再建膜を構成する膜自体の穴の有無および穴の形状は制限されず、穴がなくてもよく、穴を備えるメッシュでも、パンチングされた膜でもよい。
図4及び図5を用いて、前記本発明[9]を説明する。図4a)は袋状医用組織再建膜、図4b)は略シート状医用組織再建膜の模式図(一例)である。該袋状医用組織再建膜90、又は、略シート状医用組織再建膜100を構成する膜(91,101)は、特に制限されず、前記本発明[7]で示した細胞遊走部(71,81)と細胞遮断部(72,82)とを備えてもよいが、膜(91,101)に、多重構造部(92,102)を備えることが必須条件である。ここで多重構造部(92,102)とは膜(91,101)が多重構造である部位をいう。多重構造が必要条件であるが、一般的には二重構造で十分な機能を担う。
さらに、多重構造部(92,102)の範囲内に導入口(93,103)を備えることも必須である。なお、多重構造部の範囲内とは、多重構造部に接する場合を含むと定義する。
導入口(93,103)の形態は特に制限されず、円形、楕円形、角形、線形などが例示される。
多重構造部(92,102)と、多重構造部(92,102)の範囲内に導入口(93,103)を備えることによって、袋状医用組織再建膜90の中に簡便に医用組織再建材を内包させたり、シート状医用組織再建膜100と組織再建部の間に簡便に医用組織再建材を固定したりすることが可能になる。
図5を用い、多重構造部(92,102)と導入口(93,103)の機能について、説明を行う。
図5a)、c)、e)は、前記本発明[9]の医用組織再建膜(90,100)において多重構造部(92,102)と導入口(93,103)を備える部位の模式図(例)である。なお、図5は機能を説明するための模式図(例)であり、本発明は図5の模式図(例)に制限されない。図5では機能を説明するために、複数の膜(91,101)を固定するとしているが、織り時や成膜時に多重構造部が備えられるように織ったり、成膜したりしてもよい。
また、図5b)、d)、f)は、それぞれ、図5a)、c)、e)を構成する要素を示したものである。図5において、色が濃い部分が多重構造部(92(102)であり、図5a)、c)、e)の点線部は、構成要素である両者の膜が固定されている部位、図5b)、d)、f)の点線部は、構成要素である両者の膜を固定する部位を示す。
まず、図5a)の例について説明する。図5b)の左側が該医用組織再建膜の外側の膜、右側が該医用組織再建膜の内側の膜である。膜の設置は逆としてもよいが、ここでは、図5b)の左側の構成要素を該医用組織再建膜の外側の膜として用いる場合について説明する。なお、シート状の医用組織再建膜の場合は、内側、外側の区分がないが、便宜上、組織再建部に面する面を内側として説明する。
図5a)に示すように、両者を点線部で固定することによって、医用組織再建膜は多重構造部(92,102)を備える。図5a)の場合は、二枚の該膜を用いているため、二重構造部となる。図5b)の左の該膜は、導入口(93,103)を備えるため、該多重構造部の範囲内に導入口を備える。
導入口(93,103)から医用組織再建材を、袋状医用組織再建膜の中(シート状医用組織再建膜と組織欠損部の間)に導入させると、該医用組織再建材の導入に伴い、袋状医用組織再建膜(シート状医用組織再建膜)が膨らみ、図5b)の右に示した医用組織再建膜が、図5b)の左に示した医用組織再建膜に密着する。その結果、導入口(93,103)は、実質的に封鎖される。
次に、図5c)の例について説明する。図5d)の左側の膜の右凸部が内側に設置される医用組織再建膜であり、図5c)に示すように、両者を点線部で固定することによって、多重構造部(92,102)と、多重構造部の範囲内に(多重構造部に接して)導入口(93,103)が儲けられる。
導入口(93,103)から医用組織再建材を、袋状医用組織再建膜の中(シート状医用組織再建膜と組織欠損部の間)に導入させると、該医用組織再建材の導入に伴い、袋状医用組織再建膜(シート状医用組織再建膜)が膨らみ、図5d)の左の膜の右凸部が、図5d)の左に示した医用組織再建膜に密着するため、導入口(93,103)は実質的に封鎖される。
次に、図5e)の例について説明する。図5f)の左側及び右側の膜の凸部が内側に設置される医用組織再建膜であり、図5e)に示すように、両者を点線部で固定することによって、多重構造部(92,102)と、多重構造部の範囲内に(多重構造部に接して)導入口(93,103)が儲けられる。
導入口(93,103)から医用組織再建材を、袋状医用組織再建膜の中(シート状医用組織再建膜と組織欠損部の間)に導入させると、該医用組織再建材の導入に伴い、袋状医用組織再建膜(シート状医用組織再建膜)が膨らみ、該医用組織再建材の導入を止めると、図5f)の左側及び右側の膜の凸部がなす導入口が、互いに密着するため、導入口(93,103)は実質的に封鎖される。
図5a)、c)、e)を用いて説明したように、前記本発明[9]は、逆止弁構造を備えることを特徴とする医用組織再建膜と捉えることもできる。
<10 導入口、及び/又は、多重構造部の位置を示す標識>
前記導入口から医用組織再建材を導入するが、出血を伴うこともある術中に該導入口、及び/又は、該多重構造部の正確な位置情報を把握することは困難である場合がある。導入口、及び/又は、多重構造部の位置情報を正確に把握するには、前記本発明[10]が有用である。
標識としては、視覚、又は、触覚の少なくとも一方によって認識できるものであればよく、その形態は制限されない。線標識、面標識、矢印標識が例示されるが、標識の種類は制限されない。視覚によって認識できる標識を設ける場合、その形成方法は制限されないが、生体に無害で組織形成を阻害しない色素によって描かれたものが好ましい。生体に無害で組織形成を阻害しない色素としては、例えば、天然色素、食用色素などの分解性色素が挙げられ、例えば、アントシアニンなどのフラボノイド系、β-カロテンなどのカロテノイド系の色素が例示される。
術中に出血した場合には、視覚によって認識する標識では該位置情報を把握することが困難となる場合がある。そのような場合には、触覚によって認識できる標識が好ましい場合がある。触覚によって認識できる標識としては、突起や窪みが例示される。
導入口と多重構造部の位置を区分するために、別の線標識の色と面標識の色を用いるなど、それぞれ、別の標識を備えることが好ましい場合もある。
図5を用いて、標識を説明する。図5a)の場合、導入口(93,103)の周囲には、導入口(93,103)を明示する線状の標識(94,104)が備えられている。また、多重構造部(92,102)にも、面状の標識(94,104)が備えられている。
線状の標識によって導入口(93,103)が明示されているため、シリンジなどで医用組織再建材を医用組織再建膜内部に導入しやすくなる。また、面状の標識によって多重構造部(92,102)が明示されているため、シリンジなどをどこまで注入すべきかがわかりやすくなる。
<11 固定用構造を備える袋状の医用組織再建膜>
多重構造部を備え、該多重構造部の範囲内に導入口を備える医用組織再建膜を、組織欠損部に固定すると、組織形成が行われる。前記本発明[8]の医用組織再建袋が好ましい理由と同じ理由で、前記本発明[11]の医用組織再建膜は、好ましい場合がある。固定用構造としては、穴、糸、シートなどが例示されることも同じである。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
なお、原料としては炭酸カルシウムとポリマーの混合物である熱可塑系バインダーの混合物を用い、押出成形機としては、株式会社東洋精機製作所製ラボプラストミルを用い、ハニカム成形型を通してハニカム構造体を製造した。以下、炭酸カルシウムと熱可塑系バインダーの混合物を原料、押し出されたハニカム構造体をバインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体と記す。
組成はBRUKER製D8 ADVANCE型粉末X線回折装置を用い、出力は40kV、40mA、X線源はCuKα(λ=0.15418nm)の条件で分析した。また、炭酸アパタイトが形成されたと思われる試料については、日本分光製、6200型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、炭酸アパタイトであることを確認した。
ハニカム構造体の構造は、日立ハイテク製、S3400N型走査型電子顕微鏡あるいはオリンパス製、MVX10型実体顕微鏡で解析した。
炭酸カルシウムのリン酸化は、80℃の1 mol/L Na2HPO4水溶液に7日間浸漬して行った。一般的に、炭酸カルシウムをリン酸化するとアパタイト構造中に3~13質量%の炭酸基を含む炭酸アパタイトが製造される。本実施例で製造された炭酸アパタイトの炭酸基含有量は全て8~13質量%の範囲の中であったため、炭酸基含有量は個別に記載しない。
なお、加熱脱脂工程によって大きさが若干小さくなるが、形態は相似であり、本質的な変化は認められなかった。また、リン酸化によって、組成は変わるが、マクロ形態は保持された。
簡便に組織欠損部を再建できることについては、内径5mm、高さ5mmの円筒柱にハニカム構造体を充填する際の容易さで確認した。組織欠損部から組織再建材である医用ハニカム構造体の移動されにくさについては、アスペクト比が0.7以上1.3以下のハニカム構造体を前記円筒柱に振動を付与して充填した後に、該円筒柱を上方に除去し、ハニカム構造体集積物がなす高さを測定し、該高さを円柱型の高さ(5mm)で除した値をハニカム構造体保持率として定量化した。
ハニカム構造体の組織反応はウサギ頭蓋骨に形成した骨欠損部よびウサギ尺骨離断部の再建術によって評価した。再建術を施術してから4週後にハニカム構造体を周囲組織と一塊に摘出し、常法通りに脱灰組織切片を作成、ヘマトキシーエオジン染色(HE染色)して病理組織学的解析を行った。
[実施例1]
図2a)及びb)に示す、マスクの開口部が遠心方向に凹部を備える医用材料成形型(ハニカム成形型)を用いて、押出成形を行い、一方向に延びる複数の、略正六角柱の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を、外周側壁凸部頂点の全てに備えるバインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体、及び、一方向に延びる、一つの略正六角柱状貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を、外周側壁凸部頂点の全てに備えるバインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体を製造した。
次に、該構造体を、様々なアスペクト比となるように貫通孔方向に略垂直に切断した後に、加熱脱脂すると、該バインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体のマクロ形態を保持した医用炭酸カルシウムハニカム構造体が製造された。
図6a)c)には、本実施例で製造したアスペクト比が0.7以上1.3以下である医用炭酸カルシウムハニカム構造体のSEM像(一例)を示す。いずれも、外周側壁遠心面と外周側壁近心面は平行、又は、両者がなす角が5°以下であった。
一方向に延びる複数の、及び、一つの、略正六角柱の貫通孔を備える医用炭酸カルシウムハニカム構造体の、延設部の平均高さは、それぞれ、0.07mm±0.01mm、及び、0.08+0.01mmであり、外周側壁の平均厚さは、それぞれ、0.12±0.03mm、及び、0.13±0.02mm、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔面積と同じ面積の円の平均直径は、それぞれ、0.25±0.02mm、0.27±0.02mmであり、延設部の平均幅は0.12±0.02mm、及び、0.14±0.02mmであり、延設部が接する外周側壁の六角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さは、それぞれ、0.15±0.02mm、及び、0.16±0.03mmであり、見かけ体積は、それぞれ、1.38±0.06×10-9、及び、0.31±0.03×10-9、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔の面積と同じ面積の円の直径を外周側壁の平均厚さで除した値は、それぞれ、2.15、及び、2.00、延設部の平均高さを、外周側壁の平均厚さで除した値は、0.59、及び、0.58、延設部の平均高さを、該凸部が外周側壁を介して対峙する貫通孔の、貫通孔方向に垂直な面における面積と同じ面積の円の平均直径で除した値は、いずれも0.28、延設部の平均高さを、延設部の平均幅で除した値はいずれも0.57,延設部が接する外周側壁の多角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さを延設部の高さで除した平均値は、いずれも2.14、ハニカム構造体保持率は0.72±0.04および0.82±0.04であった。
いずれも、顆粒状であるため骨欠損部を模倣した円筒柱への充填は容易であり、形態形成が必要なブロック状人工骨と比較して、前記(4)の要求を高度に満たすことが確認された。
また、一方向に延びる複数の、及び、一つの、略正六角柱の貫通孔を備える医用炭酸カルシウムハニカム構造体のハニカム構造体保持率の比較から、見かけ体積が小さい方が、ハニカム構造体保持率が高くなり、前記(1)の要求を高度に満たすことが確認された。さらに、外周側壁を削除するなどの加工が不要であるため、前記(5)の要求を高度に満たすことが確認された。
[比較例1]
図2a)のダイスと図2a)のマスクと異なり、マスクの開口部が正六角形であり、遠心方向に凹部を備えないマスクとを固定した医用材料成形型を用いて押出成形を行い、一方向に延びる複数の、略正六角柱の貫通孔を備えるが、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される延設部を、一つも備えないバインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体を製造した。また、図2b)のダイスと図2b)のマスクに類似するものの、開口部が六角形を並べた形状であり、該六角形の頂点部に凹部を備えないマスクとを固定した医用材料成形型を用いて押出成形を行い、一方向に延びる、一つの略正六角柱状貫通孔を備えるが、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される延設部を、一つも備えないバインダー含有炭酸カルシウムハニカム構造体を製造した。
次に、該構造体を、アスペクト比が0.7以上1.3以下となるように、貫通孔方向に略垂直に切断した後に、加熱脱脂して、炭酸カルシウムハニカム構造体を製造した。
図6b)d)には、本比較例で製造した炭酸カルシウムハニカム構造体のSEM像(一例)を示す。該炭酸カルシウムハニカム構造体は、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される延設部を、一つも備えないため、本発明の範囲を外れる材料である。
いずれも、外周側壁遠心面と外周側壁近心面は平行、又は、両者がなす角が5°以下であった。図2a)及びb)のダイスを用いたため、外周側壁に延設部が備えられていない以外は実施例1の炭酸カルシウムハニカム構造体と類似した構造であった。アスペクト比は0.7以上1.3以下であった。
ハニカム構造体のハニカム構造体保持率は0.64±0.06および0.76±0.05であり、実施例1と比較して有意(p<0.01)に小さい。両者の比較から、実施例1の医用ハニカム構造体は、本比較例と比較して、組織欠損部から移動されにくく、前記(1)の要求を高度に満たすことがわかった。
[実施例2]
実施例1で製造した医用炭酸カルシウムハニカム構造体をリン酸化して、医用炭酸アパタイトハニカム構造体を製造した。
図7a)c)には、本実施例で製造したアスペクト比が0.7以上1.3以下である医用炭酸アパタイトハニカム構造体のSEM像(一例)を示す。いずれも、外周側壁遠心面と外周側壁近心面は平行、又は、両者がなす角が5°以下であった。
一方向に延びる複数の、及び、一つの、略正六角柱の貫通孔を備える医用炭酸アパタイトハニカム構造体の、延設部の平均高さは、それぞれ、0.07mm±0.01mm、及び、0.08+0.01mmであり、外周側壁の平均厚さは、それぞれ、0.10±0.02mm、及び、0.12±0.02mm、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔面積と同じ面積の円の平均直径は、それぞれ、0.24±0.02mm、0.26±0.02mmであり、延設部の平均幅は0.12±0.02mm、及び、0.14±0.01mmであり、延設部が接する外周側壁の六角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さは、それぞれ、0.15±0.02mm、及び、0.14±0.03mmであり、見かけ体積は、それぞれ、1.33±0.18×10-9、及び、0.29±0.06×10-9、貫通孔方向に垂直な面における貫通孔の面積と同じ面積の円の直径を外周側壁の平均厚さで除した値は、それぞれ、2.49、及び、2.20、延設部の平均高さを、外周側壁の平均厚さで除した値は、それぞれ、0.70、及び、0.65、延設部の平均高さを、該凸部が外周側壁を介して対峙する貫通孔の、貫通孔に垂直な面における面積と同じ面積の円の平均直径で除した値は、それぞれ、0.28、及び、0.30、延設部の平均高さを、延設部の平均幅で除した値は、それぞれ、0.54、及び、0.57、延設部が接する外周側壁の多角柱の辺の内、長さが短くない辺の長さを延設部の高さで除した平均値は、それぞれ、2.26、及び、2.090、ハニカム構造体保持率は0.70±0.06および0.79±0.04であった。
いずれも、顆粒状であるため骨欠損部を模倣した円筒柱への充填は容易であり、形態形成が必要なブロック状人工骨と比較して、前記(4)の要求を高度に満たすことが確認された。
また、一方向に延びる複数の、及び、一つの、略正六角柱の貫通孔を備える医用炭酸アパタイトハニカム構造体のハニカム構造体保持率の比較から、見かけ体積が小さい方が、ハニカム構造体保持率が高くなり、前記(1)の要求を高度に満たすことが確認された。さらに、外周側壁を削除するなどの加工が不要であるため、前記(5)の要求を高度に満たすことが確認された。
ウサギ骨欠損部への再建術式はいずれも容易であり、前記(4)の要求を高度に満たすことが実験動物でも確認された。図7a)で示す医用炭酸アパタイトハニカム構造体と図7c)で示す医用炭酸アパタイトハニカム構造体とを比較した場合、見かけ体積が小さい図7c)で示す医用炭酸アパタイトハニカム構造体の方がよりスムーズに骨欠損部に補填できた。
術後4週目の病理組織像から、いずれも医用炭酸アパタイトハニカム構造体周囲に骨が形成されており、該顆粒が周囲組織と強固に結合していることから、前記(2)の要求を満たすことがわかった。また、組織欠損部内は十分な量の骨組織で再建されていたことから前記(3)の要求を満たすことがわかった。破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞が認められ、医用炭酸アパタイトハニカム構造体が欠損組織に置換されることが確認された。すなわち、本実施例の医用炭酸アパタイトハニカム構造体は、前記(1)~(6)の全て要求を満たすことがわかった。
[比較例2]
比較例1で製造した炭酸カルシウムハニカム構造体をリン酸化して、炭酸アパタイトハニカム構造体を製造した。
図7b)d)には、本比較例で製造した炭酸カルシウムハニカム構造体のSEM像(一例)を示す。該炭酸カルシウムハニカム構造体は、外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される延設部を、一つも備えないため、本発明の範囲を外れる材料である。
いずれも、外周側壁遠心面と外周側壁近心面は平行、又は、両者がなす角が5°以下であった。炭酸アパタイトハニカム構造体の形態は比較例1で製造した炭酸カルシウムハニカム構造体とほぼ同じ構造であった。アスペクト比は0.7以上1.3以下であった。
炭酸アパタイトハニカム構造体のハニカム構造体保持率は0.54±0.07および0.64±0.07であり、実施例2と比較して有意に小さい。両者の比較から、実施例2の医用炭酸アパタイトハニカム構造体は、本比較例と比較して、組織欠損部から移動されにくく、前記(1)の要求を高度に満たすことがわかった。
ウサギ骨欠損部への再建術式において、術後4週目の病理組織像から、いずれも炭酸アパタイトハニカム構造体周囲に骨が形成されており、該構造体が周囲組織と結合していることがわかった。しかしながら、骨形成量は実施例2と比較すると小さく、該構造体と周囲組織との結合力も小さいことがわかった。組織欠損部内は骨組織で再建されていたが、骨形成量は実施例2と比較すると小さく、実施例2の医用炭酸アパタイトハニカム構造体の方が骨欠損部における骨再建率が大きいことがわかった。すなわち、本比較例と実施例2との比較から実施例2の医用炭酸アパタイトハニカム構造体の方が少なくとも前記(1)~(3)の要求を高度に満たすことがわかった。
[実施例3]
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製バイクリルメッシュ(グリコール酸/乳酸ポリエステル製)のニットタイプメッシュとウーブンタイプメッシュを融着し、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備える医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造した。
細胞遊走部であるニットタイプメッシュの開口部の面積は、略1.1×10-7、開口率は略0.42である。一方、細胞遮断部であるウーブンタイプメッシュの開口部は、実体顕微鏡観察では認められなかったが、水を通すため、開口部を備えることが確認された。したがって、個々の開口部の開口部面積は0に近いと認められる。すなわち、細胞遮断部の100%の開口部の面積が、細胞遊走部の開口部の平均面積の10%以下である。
製造した医用組織再建膜(医用組織再建袋)に、体積が略1.4×10-11~1.1×10-10の炭酸アパタイト顆粒(ジーシー社製サイトランスグラニュールSサイズ)を医用組織再建材として導入口から内包させ、吸収性縫合糸で導入口を封鎖した。
該炭酸アパタイト内包医用組織再建膜を用いてウサギ頭蓋骨の骨再建術を施術した。4週後のHE染色像から、医用組織再建膜(医用組織再建袋)に含まれる医用組織再建材のほぼ全ての周囲に骨形成が認められた。
すなわち、既存骨から細胞遊走部を通して骨組織が医用組織再建材に伝導していること、細胞遮断部が軟組織からの細胞の遊走を遮断していることが確認された。
[実施例4]
実施例3で用いたニットタイプメッシュと株式会社ジーシー社製ジーシーメンブレン(乳酸/グリコール酸共重合体)とを融着し、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備える組織再建膜(組織再建袋)を製造した。なお、ジーシーメンブレンは開口部を備えない。厚さは0.26mmであり、20℃で幅3mm幅としたジーシーメンブレンに200gを負荷した場合に、10mm長さのジーシーメンブレンが11mmに伸びた。すなわち、ひずみは0.1であった。
実施例3と同じ医用組織再建材を導入口から内包させ、吸収性縫合糸で導入口を封鎖し、該組織再建膜(組織再建袋)を用いて、実施例3と同じ骨再建術を施術した。
4週後のHE染色像から、医用組織再建膜(医用組織再建袋)に含まれる医用組織再建材のほぼ全ての周囲に骨形成が認められた。
すなわち、既存骨から細胞遊走部を通して骨組織が医用組織再建材に伝導していること、細胞遮断部が軟組織からの細胞の遊走を遮断していることが確認された。
[比較例3]
実施例3で用いたニットタイプメッシュのみを用いて細胞遊走部のみを備える組織再建膜(組織再建袋)を製造した。実施例3と同じ医用組織再建材を導入口から内包させ、吸収性縫合糸で導入口を封鎖し、該組織再建膜(組織再建袋)を用いて、実施例3と同じ骨再建術を施術した。
4週後のHE染色像から、骨欠損部と接する組織再建膜(組織再建袋)に含まれる医用組織再建材の近傍には骨形成が認められた。骨欠損部から離れた医用組織再建材の近傍にも一部の骨形成が認められたが、多くの結合性組織も認められた。
本比較例と実施例3および実施例4の比較から、医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜においては、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備える医用組織再建膜の方が細胞遊走部のみを備える医用組織再建膜より有用であることがわかった。
[実施例5]
実施例3で用いたニットタイプメッシュとウーブンタイプメッシュを融着し、図3b)に示す筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造し、実施例3と同じ医用組織再建材を導入口から内包させ、吸収性縫合糸で導入口を封鎖した。ニットタイプメッシュを用いた細胞遊走部の直径は5mmであり、ウーブンタイプメッシュを用いた細胞遮断部の長さは10mmである。また、筒の両端に吸収性縫合糸を取り付けた。
ウサギ尺骨を10mm離断させ、骨端部に穴を開けた。医用組織再建材を内包した医用組織再建膜(医用組織再建袋)を、該膜取り付けてある吸収性縫合糸を骨端部の穴に通し、細胞遊走部が骨面と接するように固定した。
4週後のHE染色像から、医用組織再建膜(医用組織再建袋)に含まれる医用組織再建材の特に骨面と接している部位に骨形成が認められた。顕著な結合性組織は認められなかった。
すなわち、既存骨から細胞遊走部を通して骨組織が医用組織再建材に伝導していること、細胞遮断部が軟組織からの細胞の遊走を遮断していることが確認された。
[比較例4]
筒の両端に吸収性縫合糸を取り付けてない以外は実施例5と同じ医用組織再建材を内包する筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造した。
実施例5と同じ骨離断部に固定しようとしたが、該膜を組織に固定するための構造が備えられていないため固定が困難であった。
本比較例と実施例5の比較から、医用組織再建膜を組織に固定するための構造が有用であることが確認された。
[比較例5]
ニットタイプメッシュのみを用いて筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造し、実施例3と同じ医用組織再建材を導入口から内包させ、吸収性縫合糸で導入口を封鎖した。筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)のサイズ、筒の両端への吸収性縫合糸の取り付け、ウサギ尺骨離断再建術は実施例5と同じである。
4週後のHE染色像から、医用組織再建膜(医用組織再建袋)に内包される医用組織再建材表面に骨形成が認められた。一方、医用組織再建材の間に結合性組織も認められた。
本比較例と実施例5の比較から、医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜においては、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備える医用組織再建膜の方が細胞遊走部のみを備える医用組織再建膜より有用であることがわかった。
[実施例6]
細胞遮断部に図4a)あるいは図5a)で示す多重部と導入口を備える以外は、実施例5と構造が同じである筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造した。多重部と導入口は、細胞遮断部に導入口を開け、ウーブンタイプメッシュを導入口の内側に図5a)のように固定して両者を該膜に備えさせた。
シリンジを用いて実施例3と同じ医用組織再建材を導入口から該袋内部に導入すると、該袋が膨らみ、導入口が多重部で密着することによって導入口は実質的に封鎖された。操作は容易であり、術中に医用組織再建材を調製できること、該袋のふくらみを調整することによって細胞遊走部を容易に組織再建部に密着させることができることがわかった。
一方、多重部及び導入口の位置が認識困難な場合があった。
[実施例7]
多重部を構成するウーブンタイプメッシュを赤染色で標識を付与し、導入口周囲に青染色で標識を付与した以外は、実施例6と同じ方法で筒状(袋状)医用組織再建膜(医用組織再建袋)を製造した。
標識によって、多重部および導入口が極めて明確に判別できるようになった。そのため、該袋への医用組織再建材の導入が極めて容易であった。それ以外は実施例6と同じであった。
10,20,30,40 本発明の医用ハニカム構造体(一例)
11,21,31,41 貫通孔
12,22,32,42 外周側壁
13,23,33,43 外周側面遠心面
14,24,34,44 外周側面近心面
15,25,35,45 外周側壁遠心面頂点
16,26,36,46 延設部
17,27,37,47 溝
38,48 隔壁
50,60 本発明の医用材料成形型(一例)
51,61 マスク
52,62 コマ
53,63 原料供給穴
54,64 溝
70,80 本発明の医用組織再建膜(袋状の一例)
71,81 細胞遊走部
72,82 細胞遮断部
73 導入口
90,100 本発明の医用組織再建膜(一例)
91,101 膜
92,102 多重構造部
93,103 導入口
94,104 標識

Claims (11)

  1. 一方向に延びる、一つ又は複数の、角柱状の貫通孔を備え、かつ、外周側壁遠心面頂点の少なくとも一つに、該外周側壁遠心面頂点から遠心方向に延設される一つの延設部を備えることを特徴とする医用ハニカム構造体。
  2. 貫通孔が六角柱状の貫通孔であることを特徴とする請求項1記載の医用ハニカム構造体。
  3. 貫通孔の貫通方向に垂直な面における貫通孔面積と同じ面積の円の直径が、0.1mm以上1.0mm以下である貫通孔を少なくとも一つ備えることを特徴とする請求項1又は2記載の医用ハニカム構造体。
  4. 貫通孔の貫通方向の最大長さを、貫通孔の貫通方向に垂直な面における最大長さで除したアスペクト比が0.3以上3以下であり、かつ、見かけ体積が1×10-7以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の医用ハニカム構造体。
  5. 下記(A)の群から選ばれる化合物、又は、下記(B)の群から選ばれる化合物の重合体、あるいは共重合体、の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の医用ハニカム構造体。
    (A)リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、カルシウム含有ガラス、リン含有ガラス、コラーゲン、キトサン
    (B)乳酸、グリコール酸、ポリ乳酸、カプロラクトン、グリセロールセバシン酸、ヒドロキシ酪酸、ジオキサノン
  6. 少なくともマスクとダイスを備えた成形型であって、前記マスクの開口部が、円ではなく、かつ、遠心方向に凹部を備えることを特徴とする医用材料成形型。
  7. 医用組織再建材を内包する袋状の医用組織再建膜であって、少なくとも、細胞遊走部と細胞遮断部の二種の部位を備え、
    前記細胞遊走部は、面積が2×10-9以上、かつ、2×10-5以下の複数の開口部を備え、かつ、開口率が0.2以上であり、
    前記細胞遮断部は、開口部が備えられておらず、かつ、20℃で幅3mmの細胞遮断部に200gを負荷した場合にひずみが0.05以上である、又は、細胞遮断部の70%以上の開口部の面積が、細胞遊走部の開口部の平均面積の70%以下であることを特徴とする医用組織再建膜。
  8. 体内組織に固定するための構造を備えることを特徴とする請求項7記載の医用組織再建膜。
  9. 多重構造部を備え、該多重構造部の範囲内に導入口を備えることを特徴とする医用組織再建膜。
  10. 前記導入口、及び/又は、多重構造部の位置を示す標識を備えることを特徴とする請求項9の医用組織再建膜。
  11. 体内組織に固定するための構造を備えることを特徴とする請求項9又は10記載の医用組織再建膜。

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