JP2023019693A - 車両の制動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動制御装置に何らかの異常が発生している場合であっても、制動力の要求値に従って車両の制動力を調整できるようにすること。【解決手段】制動制御装置50が正常に機能していると診断される場合、指令部70fは駆動部60a,60bに制動力の指令値を送信し、指令部70rは駆動部60c,60dに制動力の指令値を送信する。そして、駆動部60a,60bは指令部70fが送信した指令値に応じて制動機構30a,30bを駆動させ、駆動部60c,60dは指令部70rが送信した指令値に応じて制動機構30c,30dを駆動させる。一方、制動制御装置50が正常に機能していないと診断される場合、指令部70f,70rの少なくとも一方は、制動制御装置50が正常に機能していないことに伴う制動要求に対する車両10の制動力の不足を補うバックアップ制御を実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の制動制御装置に関する。
特許文献1には、車両に設けられている4つの車輪に付与する制動力を個別に調整するブレーキ装置の一例が記載されている。このブレーキ装置は、4つの車輪に対してそれぞれ対応する4つのブレーキアクチュエータと、4つのブレーキアクチュエータにそれぞれ対応する4つのアクチュエータ制御装置と、を備えている。さらに、ブレーキ装置は、制動力の指令値を導出するシステム制御装置を備えている。システム制御装置は、2つのコンピュータを有している。このようなシステム制御装置からアクチュエータ制御装置に制動力の指令値が送信されると、当該アクチュエータ制御装置は、受信した指令値を基に、自身に対応するブレーキアクチュエータを駆動させる。
上記ブレーキ装置を搭載する車両の走行時に、システム制御装置及び各アクチュエータ制御装置のうち、一部の制御装置に故障が発生することがある。この場合には、故障の発生していないアクチュエータ制御装置が、自身に対応するブレーキアクチュエータを駆動させることによって車輪に制動力を付与する。これにより、一部の制御装置に故障が発生する場合において、車両を停止させて乗員の安全を確保できる。
特表2010-534590号公報
近年、システム制御装置が複数のコンピュータを有するような冗長構成のブレーキ装置では、上記のように一部の制御装置で異常が発生しても、運転者の意図に沿って車両の制動力を調整できるようにすることが望まれている。しかしながら、特許文献1に記載のブレーキ装置では、一部の制御装置で異常が発生した場合には運転者の意図に沿って車両の制動力を調整できないおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する車両の制動制御装置は、第1車輪に制動力を付与する第1制動機構及び第2車輪に制動力を付与する第2制動機構を備える車両に適用される車両の制動制御装置であって、前記第1車輪に付与する制動力の指令値である第1指令値に応じて前記第1制動機構を駆動させることにより、前記第1車輪に制動力を付与する第1駆動部と、前記第2車輪に付与する制動力の指令値である第2指令値に応じて前記第2制動機構を駆動させることにより、前記第2車輪に制動力を付与する第2駆動部と、前記車両に対する制動力の要求である制動要求に基づいて前記第1指令値及び前記第2指令値を導出し、前記第1指令値を前記第1駆動部に送信可能であり、且つ前記第2指令値を前記第2駆動部に送信可能である第1指令部と、前記制動要求に基づいて前記第1指令値及び前記第2指令値を導出し、前記第1指令値を前記第1駆動部に送信可能であり、且つ前記第2指令値を前記第2駆動部に送信可能である第2指令部と、前記制動制御装置が正常に機能しているか否かを診断する診断部と、を備え、前記制動制御装置が正常に機能していると前記診断部が診断している場合、前記第1指令部は、前記第1駆動部に前記第1指令値を送信し、前記第1駆動部は、前記第1指令部が送信した前記第1指令値に応じて前記第1制動機構を駆動させ、前記第2指令部は、前記第2駆動部に前記第2指令値を送信し、前記第2駆動部は、前記第2指令部が送信した前記第2指令値に応じて前記第2制動機構を駆動させるようになっており、前記制動制御装置が正常に機能していないと前記診断部が診断している場合、前記第1指令部及び前記第2指令部の少なくとも一方は、前記制動制御装置が正常に機能していないことに伴う前記制動要求に対する前記車両の制動力の不足を補うバックアップ制御を実施する。
制動制御装置に何らかの異常が発生した場合、制動力の要求値に応じた制動力を車両に発生させることができないおそれがある。この点、上記構成では、制動制御装置が正常に機能していないと診断されている場合、バックアップ制御が実施される。これにより、制動制御装置が正常に機能していないことに起因する制動力の不足を抑制できる。したがって、上記構成によれば、制動制御装置に何らかの異常が発生している場合でも、制動力の要求値に従った車両の制動力の調整が可能となる。
図1は、実施形態の制動制御装置を備える車両の模式図である。 図2は、第1指令部及び第2指令部と第1駆動部及び第2駆動部との間の通信経路を示す模式図である。 図3は、診断結果のパターンと指令値の送信態様との関係を示す表である。 図4は、診断結果のパターンを分類する際に実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、制動制御装置に何らかの異常が発生している状況下において、制動要求がある場合に実行される一連の処理の流れを示すフローチャートである。
以下、車両の制動制御装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<車両>
図1には、制動制御装置50を備える車両10が図示されている。車両10は、制動制御装置50に加え、4つの車輪20(20a~20d)と、4つの制動機構30(30a~30d)と、制動操作部材40と、ストロークセンサ41と、を備えている。
<制動機構30>
制動機構30は、対応する車輪20に制動力を付与する。4つの制動機構30のうち、制動機構30aは右前輪20aに対応しており、制動機構30bは左前輪20bに対応している。また、制動機構30cは右後輪20cに対応しており、制動機構30dは左後輪20dに対応している。
図1に示すように、制動機構30は、車輪20と一体回転する回転体31と、車輪20と一体回転しない摩擦材32と、摩擦材32を駆動する電動モータ33と、を有している。摩擦材32は、電動モータ33の駆動により、回転体31に接近する方向に変位したり回転体31から離れる方向に変位したりする。摩擦材32を回転体31に接近させることにより、車輪20に制動力が付与される。そして、電動モータ33の駆動により、摩擦材32を回転体31に押し付ける力が増大すると、車輪20に付与される制動力が大きくなる。制動機構30は、例えば、電動ブレーキ(EMB:Electro Mechanical Brake)である。本実施形態において、制動機構30は、ディスクブレーキであるが、他の実施形態において、制動機構30は、ドラムブレーキであってもよい。
<制動操作部材40>
図1に示すように、制動操作部材40は、運転者が車両10に対して制動を要求する際に操作される部材である。制動操作部材40は、例えば、ブレーキペダルである。ストロークセンサ41は、運転者による制動操作部材40の操作量を検出する。ストロークセンサ41は、検出した操作量を示す検出信号を制動制御装置50に出力する。
なお、ストロークセンサ41の代わりに、運転者から制動操作部材40に入力される操作力を検出する操作力センサを設け、操作力センサの検出信号を制動制御装置50に入力させてもよい。もちろん、ストロークセンサ41及び操作力センサの双方の検出信号を制動制御装置50に入力させてもよい。
<制動制御装置50>
図1に示すように、制動制御装置50は、制動機構30と同数の駆動部60(60a~60d)と、2つの指令部70(70f,70r)と、を備える。制動制御装置50において、4つの駆動部60と2つの指令部70とは、CPUに相当している。なお、指令部70は、専用設計されたハードウェア回路であってもよい。
駆動部60は、対応する制動機構30を制御する。すなわち、4つの駆動部60aのうちの駆動部60aは、4つの制動機構30のうちの制動機構30aを制御する。また、駆動部60bが制動機構30bを制御し、駆動部60cが制動機構30cを制御し、駆動部60dが制動機構30dを制御する。駆動部60は、対応する制動機構30の近くに配置されている。そして、互いに対応する駆動部60と制動機構30とにより、ユニット化されているとよい。例えば、駆動部60aは、制動機構30aとユニット化されているとよい。
駆動部60は、車輪20に付与する制動力の大きさを示す指令値に応じて、対応する制動機構30を駆動させる。これにより、4つの車輪20に付与される制動力がそれぞれ調整される。例えば、駆動部60aは、右前輪20aに付与する制動力の指令値に応じて、右前輪用の制動機構30aを駆動させる。これにより、右前輪20aに付与される制動力が調整される。
2つの指令部70は、指令用制御ユニット100に実装されている。指令用制御ユニット100は、例えば、ECUである。図1に示すように、指令用制御ユニット100は、4つの駆動部60がそれぞれ設けられる4つの制動機構30とは別のユニットである。指令用制御ユニット100内において、2つの指令部70は、互いに通信可能に接続されている。
2つの指令部70のうち、指令部70fは、4つの駆動部60と通信線を介して接続されている。また、指令部70rは、4つの駆動部60と通信線を介して接続されている。例えば、指令部70fと駆動部60とを接続する通信線及び指令部70rと駆動部60とを接続する通信線は、一部が共用となっている。他の実施形態において、両通信線は、完全に独立していてもよい。前者の場合、2つの指令部70と通信を行うために必要な各駆動部60の入出力ポートは1つとなり、後者の場合、2つの指令部70と通信を行うために必要な各駆動部60の入出力ポートは2つとなる。
指令部70fは、制動要求がある場合、車両10の制動力の要求値として要求制動力を導出する。例えば、運転者が制動操作部材40の操作を通じて制動力の発生を要求している場合、指令部70fは、ストロークセンサ41から出力される検出信号に基づいて要求制動力を導出する。また、他の制御装置から車両10の減速が要求された場合、指令部70fは、制動要求があると判断し、要求されている減速度に応じた制動力を要求制動力として導出する。続いて、指令部70fは、要求制動力に基づき、4つの車輪20に付与する制動力の指令値を導出する。指令部70fは、4つの車輪20に付与する制動力の指令値をそれぞれ4つの駆動部60に送信可能である。
4つの車輪20に付与する制動力の指令値は、要求制動力を4つの車輪20に分配した制動力である。4つの車輪20に対する指令値は、同じ値になることもあれば、異なる値になることもある。指令部70fは、車両10の状況及び路面の状況などを考慮した上で、4つの車輪20に対する指令値を導出することが好ましい。なお、ABS制御の実施中などには、4つの車輪20に付与する制動力の指令値を合計した値が要求制動力と異なる値になってもよい。
指令部70fは、4つの駆動部60が正常に機能しているか否かを診断する診断部80f(80)を有する。診断部80fは、4つの駆動部60との信号の送受信を通じて4つの駆動部60が正常に機能しているか否かを診断する。
駆動部60が正常に機能しているか否かの診断手法の一例を説明する。ここでは、駆動部60aが正常に機能しているか否かの診断を診断部80fが行う場合を例として説明する。
診断部80fは、駆動部60aに確認信号を送信する。駆動部60aが正常である場合、駆動部60aは、受信した確認信号に対する応答信号を診断部80fに送信する。このように駆動部60aに送信した確認信号に対する返答である応答信号を診断部80fが受信した場合、診断部80fは、駆動部60aが正常に機能していると診断する。一方、駆動部60aに送信した確認信号に対する返答である応答信号を診断部80fが受信できない場合、診断部80fは、駆動部60aが正常に機能していないと診断する。
駆動部60aからの応答信号を診断部80fが受信できない原因としては、例えば、以下のようなケースがある。
・駆動部60aの故障などのように駆動部60aに異常が発生している場合。
・診断部80fを備える指令部70fと駆動部60aとを接続する通信線が断線している場合。
・通信線で送受信される信号にノイズが重畳した場合。
診断部80fから駆動部60aに送信された確認信号にノイズが重畳した場合、駆動部60aは、受信した信号を確認信号と認識できず、応答信号を診断部80fに送信しないことがある。また、駆動部60aが診断部80fに送信した応答信号にノイズが重畳した場合、診断部80fは、受信した信号を応答信号と認識できないことがある。
なお、診断部80fは、駆動部60aと同様に、他の駆動部60b~60dとの間でも信号の送受信を通じて、他の駆動部60b~60dが正常に機能しているか否かを診断する。
指令部70rは、指令部70fと同様に、制動要求がある場合、要求制動力を導出する。続いて、指令部70rは、要求制動力に基づき、4つの車輪20に付与する制動力の指令値を導出する。指令部70rは、4つの車輪20に付与する制動力の指令値をそれぞれ4つの駆動部60に送信可能である。指令部70rは、指令部70fと同様に、4つの駆動部60が正常に機能しているか否かを診断する診断部80r(80)を有する。診断部80rは、4つの駆動部60との信号の送受信を通じて4つの駆動部60が正常に機能しているか否かを診断する。指令部70f,70rは、互いに情報を送受信することにより、互いの診断部80f,80rの診断結果を共有する。
指令部70fが導出する要求制動力は、指令部70rが導出する要求制動力と同じ値である。さらに、2つの指令部70f,70rは、どちらも、4つの駆動部60a~60dに指令値を送信できる。したがって、2つの指令部70f,70rのうち、一方の指令部が、4つの駆動部60a~60dの何れかの駆動部に制動力の指令値を送信できなくなる場合でも、他方の指令部が当該駆動部に制動力の指令値を送信できる。この点で、本実施形態の制動制御装置50は、異常の発生に対して、冗長構成を採用しているといえる。
なお、制動制御装置50が正常に機能している状況下において、制動要求がある場合、2つの指令部70f,70rによる制動力の指令値の送信態様は以下のようになる。指令部70fは、前輪20a,20bに対応する駆動部60a,60bに制動力の指令値を送信し、後輪20c,20dに対応する駆動部60c,60dに制動力の指令値を送信しない。一方、指令部70rは、後輪20c,20dに対応する駆動部60c,60dに制動力の指令値を送信し、前輪20a,20bに対応する駆動部60a,60bに制動力の指令値を送信しない。こうした点で、指令部70fは、主に前輪20a,20bに制動力の指令値を送信するためのCPUであり、指令部70rは、主に後輪20c,20dに制動力の指令値を送信するためのCPUである。言い換えれば、指令部70fは、バックアップ的に後輪20c,20dに制動力の指令値を送信することができるCPUであり、指令部70rは、バックアップ的に前輪20a,20bに制動力の指令値を送信することができるCPUである。本実施形態では、2つの診断部80f,80rの診断結果に基づいて分類される制動制御装置50の異常の内容に基づいて、2つの指令部70f,70rによる制動力の指令値の送信態様が変化する。
<診断部80による診断結果とバックアップ制御との関係>
次に、図2及び図3を参照して、診断部80の診断結果と指令部70の制動力の指令値の送信態様との関係について説明する。図2及び図3では、説明理解の容易のために、2つの指令部70(71,72)と2つの駆動部60(61,62)とに着目する。
図2において、第1指令部71は、2つの指令部70f,70rのうちの一方に相当し、第2指令部72は、2つの指令部70f,70rのうちの他方に相当する。第1指令部71が指令部70fに相当する場合、第1駆動部61は、右前輪20a又は左前輪20bに対応する駆動部に相当し、第2駆動部62は、右後輪20c又は左後輪20dに対応する駆動部に相当する。上記の場合、第1駆動部61に対応する車輪20と制動機構30とがそれぞれ「第1車輪」と「第1制動機構」に相当し、第2駆動部62に対応する車輪20と制動機構30とがそれぞれ「第2車輪」と「第2制動機構」とに相当する。
診断部80による診断結果のパターンとしては、図3に示す8つのパターンがある。
第1のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61が正常に機能していると診断されるとともに、第2診断部82によって、第2駆動部62が正常に機能していると診断される場合である。診断結果のパターンが第1のパターンである場合、第1指令部71は、第1車輪に付与する制動力の指令値である第1指令値を第1駆動部61に送信する。また、第2指令部72は、第2車輪に付与する制動力の指令値である第2指令値を第2駆動部62に送信する。一方、第1指令部71は、第2指令値を第2駆動部62に送信しない。同様に、第2指令部72は、第1指令値を第1駆動部61に送信しない。
そして、第1駆動部61は、第1指令部71が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。第2駆動部62は、第2指令部72が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。なお、第1のパターンにおいて、第1診断部81による第2駆動部62の診断結果及び第2診断部82による第1駆動部61の診断結果は、第1指令部71及び第2指令部72の指令値の送信態様に影響を与えない。
第2のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61及び第2駆動部62が何れも正常に機能していると診断されるとともに、第2診断部82によって、第2駆動部62が正常に機能していないと診断される場合である。診断結果のパターンが第2のパターンである場合、第2駆動部62自体は正常であるにも拘わらず、第2指令部72と第2駆動部62との間の通信に異常が発生していると推測できる。診断結果のパターンが第2のパターンである場合、第1指令部71は、第1指令値を第1駆動部61に送信し、第2指令値を第2駆動部62に送信する。一方、第2指令部72は、第1指令値を第1駆動部61に送信しない。同様に、第2指令部72は、第2指令値を第2駆動部62に送信しない。
そして、第1駆動部61は、第1指令部71が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。第2駆動部62は、第1指令部71が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。なお、第2のパターンにおいて、第2診断部82による第1駆動部61の診断結果は、第1指令部71及び第2指令部72の指令値の送信態様に影響を与えない。
第3のパターンは、第1診断部81によって第1駆動部61が正常に機能していると診断されるとともに、第1診断部81及び第2診断部82の何れによっても第2駆動部62が正常に機能していないと診断される場合である。診断結果のパターンが第3のパターンである場合、第2駆動部62に異常が発生していると推測できる。診断結果のパターンが第3のパターンである場合、第1指令部71は、第2指令値の大きさに応じて第1指令値を増大させる。言い換えれば、第1指令部71は、第2指令値の大きさに応じて、第1指令値を増大補正する。この場合における第1指令値の増大補正量は、第1指令部71が導出した第2指令値と同じ大きさであってもよいし、当該第2指令値と所定割合との積としてもよい。なお、所定割合は、1未満の正の値であることが好ましい。そして、第1指令部71は、第1駆動部61に補正後の第1指令値を送信する。この場合、第1指令部71は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。また、第2指令部72は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。同様に、第2指令部72は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。
そして、第1駆動部61は、第1指令部71が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。この場合、第1車輪には、第1車輪に分配される制動力に加え、第2車輪に分配されるはずの制動力が付与される。一方、第2駆動部62には第2指令値が送信されないため、第2制動機構が駆動されない。その結果、第2車輪には制動力が付与されない。なお、第3のパターンにおいて、第2診断部82による第1駆動部61の診断結果は、第1指令部71及び第2指令部72の指令値の送信態様に影響を与えない。
第4のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61が正常に機能していないと診断され、第2駆動部62が正常に機能していると診断される場合である。また、第4のパターンは、第2診断部82によって、第1駆動部61が正常に機能していると診断され、第2駆動部62が正常に機能していないと診断される場合である。診断結果のパターンが第4のパターンである場合、第1駆動部61自体は正常であるにも拘わらず、第1指令部71と第1駆動部61との間の通信に異常が発生していると推測できる。また、第2駆動部62自体は正常であるにも拘わらず、第2指令部72と第2駆動部62との間の通信に異常が発生していると推測できる。診断結果のパターンが第4のパターンである場合、第1指令部71は、第2駆動部62に第2指令値を送信し、第2指令部72は、第1駆動部61に第1指令値を送信する。一方、第1指令部71は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。同様に、第2指令部72は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。
そして、第1駆動部61は、第2指令部72が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。第2駆動部62は、第1指令部71が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。
第5のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61が正常に機能していないと診断され、第2駆動部62が正常に機能していると診断される場合である。また、第5のパターンは、第2診断部82によって、第1駆動部61及び第2駆動部62の何れもが正常に機能していないと診断される場合である。診断結果のパターンが第5のパターンである場合、第1駆動部61に異常が発生していると予測できる。また、第2駆動部62自体は正常であるにも拘わらず、第2指令部72と第2駆動部62との間の通信に異常が発生しているとも予測できる。診断結果のパターンが第5のパターンである場合、第1指令部71は、第1指令値の大きさに応じて第2指令値を増大させる。言い換えれば、第1指令部71は、第1指令値の大きさに応じて、第2指令値を増大補正する。この場合における第2指令値の増大補正量は、第1指令部71が導出した第1指令値と同じ大きさであってもよいし、当該第1指令値と所定割合との積としてもよい。なお、所定割合は、1未満の正の値であることが好ましい。そして、第1指令部71は、第2駆動部62に補正後の第2指令値を送信する。この場合、第1指令部71は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。また、第2指令部72は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。同様に、第2指令部72は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。
そして、第2駆動部62は、第1指令部71が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。この場合、第2車輪には、第2車輪に分配される制動力に加え、第1車輪に分配されるはずの制動力が付与される。一方、第1駆動部61には第1指令値が送信されないため、第1制動機構が駆動されない。その結果、第1車輪には制動力が付与されない。
第6のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61が正常に機能していないと診断されるとともに、第2診断部82によって、第1駆動部61及び第2駆動部62が何れも正常に機能していると診断される場合である。診断結果のパターンが第6のパターンである場合、第1指令部71は、第1指令値を第1駆動部61に送信しない。同様に、第1指令部71は、第2指令値を第2駆動部62に送信しない。一方、第2指令部72は、第1指令値を第1駆動部61に送信し、第2指令値を第2駆動部62に送信する。
そして、第1駆動部61は、第2指令部72が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。また、第2駆動部62は、第2指令部72が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。
第7のパターンは、第1診断部81及び第2診断部82の何れによっても第1駆動部61が正常に機能していないと診断されるとともに、第2診断部82によって第2駆動部62が正常に機能していると診断される場合である。診断結果のパターンが第7のパターンである場合、第2指令部72は、第1指令値の大きさに応じて第2指令値を増大させる。そして、第2指令部72は、第2駆動部62に補正後の第2指令値を送信する。この場合、第2指令部72は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。また、第1指令部71は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。同様に、第1指令部71は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。
そして、第2駆動部62は、第2指令部72が送信した第2指令値に応じて第2制動機構を駆動させる。この場合、第2車輪には、第2車輪に分配される制動力に加え、第1車輪に分配されるはずの制動力が付与される。一方、第1駆動部61には第1指令値が送信されないため、第1制動機構が駆動されない。その結果、第1車輪には制動力が付与されない。
第8のパターンは、第1診断部81によって、第1駆動部61及び第2駆動部62の何れもが正常に機能していないと診断される場合である。また、第2診断部82によって、第1駆動部61が正常に機能していると診断され、第2駆動部62が正常に機能していないと診断される場合である。診断結果のパターンが第8のパターンである場合、第2指令部72は、第2指令値の大きさに応じて第1指令値を増大させる。そして、第2指令部72は、第1駆動部61に補正後の第1指令値を送信する。この場合、第2指令部72は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。また、第1指令部71は、第1駆動部61に第1指令値を送信しない。同様に、第1指令部71は、第2駆動部62に第2指令値を送信しない。
そして、第1駆動部61は、第2指令部72が送信した第1指令値に応じて第1制動機構を駆動させる。この場合、第1車輪には、第1車輪に分配される制動力に加え、第2車輪に分配されるはずの制動力が付与される。一方、第2駆動部62には第2指令値が送信されないため、第2制動機構が駆動されない。その結果、第2車輪には制動力が付与されない。
以上説明したように、診断結果のパターンが、第1のパターンでない場合は、制動制御装置50が正常に機能していないと判断できる。このような場合、第1指令部71及び第2指令部72は、制動制御装置50が正常に機能していないことに伴う要求制動力の不足を補う。以降の説明では、このように要求制動力の不足を補うために第1指令部71及び第2指令部72の少なくとも一方が実施する処理を「バックアップ制御」という。
<診断結果のパターンを分類する際の処理の流れ>
図4を参照して、制動制御装置50に制動要求が入力されていない場合に所定の制御サイクル毎に第1指令部71が実行する処理の流れについて説明する。当該の一連の処理と同様の処理は、第2指令部72でも実行される。図4を用いた説明において、2つの指令部70f,70rのうち、一方の指令部が第1指令部71に相当し、他方の指令部が第2指令部72に相当する。
一連の処理において、はじめのステップS11では、第1指令部71は、駆動部60が正常に機能しているか否かの診断を駆動部60毎に行う。その後、ステップS12において、第1指令部71は、第2指令部72と通信することにより、第2指令部72の第2診断部82による4つの駆動部60の診断結果を取得する。
なお、第2指令部72でも、駆動部60が正常に機能しているか否かの診断を駆動部60毎に行っている。そして、第2指令部72は、第1指令部71と通信することにより、第1指令部71の第1診断部81による4つの駆動部60の診断結果を取得する。
ステップS13において、第1指令部71は、第1診断部81の診断結果及び第2診断部82の診断結果に基づいて、診断結果のパターンを分類する。例えば、第1指令部71は、図3に示すような表を参照して、診断結果のパターンを分類する。そして、診断結果のパターンが第1のパターンである場合、第1指令部71の第1診断部81は、制動制御装置50が正常に機能していると判断できる。一方、診断結果のパターンが第1のパターン以外の他のパターンである場合、第1指令部71の第1診断部81は、制動制御装置50が正常に機能していないと判断できる。その後、第1指令部71は、一連の処理を一旦終了する。
なお、第2指令部72の第2診断部82でも、第1診断部81と同様に、診断結果のパターンを分類している。第2診断部82による分類の結果は、第1診断部81による分類の結果と同じである。
<バックアップ制御を実施する場合の処理の流れ>
図5を参照して、制動制御装置50に制動要求があったときに、第1指令部71が実行する処理の流れについて説明する。図5に示す一連の処理は、制動制御装置50に何らかの異常が発生している状況下において、制動要求があったときに開始される処理である。当該の一連の処理と同様の処理は、第2指令部72でも実行される。図5を用いた説明において、2つの指令部70f,70rのうち、一方の指令部が第1指令部71に相当し、他方の指令部が第2指令部72に相当する。
一連の処理において、はじめのステップS21では、第1指令部71は、要求制動力を導出する。続いて、ステップS22において、第1指令部71は、要求制動力に基づいて4つの車輪20に付与する制動力の指令値を導出する。すなわち、第1指令部71は、第1指令値及び第2指令値を導出する。ここでは、第1指令部71は、制動制御装置50が正常に機能していることを前提に各指令値を導出する。
そして、ステップS23において、第1指令部71は、バックアップ制御を実施する。第1指令部71は、図4に示した一連の処理の実行を通じて分類した診断結果のパターンに応じたバックアップ制御を実施する。例えば、診断結果のパターンが第2のパターンである場合、第1指令部71は、第1指令値を第1駆動部61に送信し、第2指令値を第2駆動部62に送信する。また、診断結果のパターンが第5のパターンである場合、第1指令部71は、第1指令値の大きさに応じて第2指令値を増大補正し、増大補正後の第2指令値を第2駆動部62に送信する。
このようにバックアップ制御を実施すると、第1指令部71は、処理をステップS24に移行する。ステップS24において、第1指令部71は、要求制動力が0(零)であるか否かを判定する。すなわち、第1指令部71は、制動要求がなくなったか否かを判定する。要求制動力が0(零)よりも大きい場合(S24:NO)、制動要求が未だあると判断できるため、第1指令部71は、処理をステップS21に移行する。一方、要求制動力が0(零)である場合(S24:YES)、制動要求がなくなったと判断できるため、第1指令部71は、一連の処理を終了する。
<本実施形態における作用及び効果>
制動制御装置50が正常に機能していない場合、要求制動力と同じ大きさの制動力を車両10に付与できなくなるおそれがある。この点、制動制御装置50は、制動制御装置50が正常に機能していないと診断される場合、バックアップ制御を実施する。
例えば、指令部70fと駆動部60aとの間の通信に異常が生じると、指令部70fは駆動部60aに制動力の指令値を送信できなくなることにより、右前輪20aに制動力が付与されなくなる。この場合には、バックアップ制御として、指令部70rから駆動部60aに制動力の指令値が送信される。したがって、駆動部60aは、指令部70rが送信した指令値に基づき、制動機構30aを駆動できる。そのため、指令部70fと駆動部60aとの間の通信に異常が発生した場合であっても、右前輪20aに制動力を付与できる。
また、駆動部60aに異常が生じると、駆動部60aは、指令部70fが送信した指令値を受信できても、制動機構30aを駆動させることができなくなる。この場合には、バックアップ制御として、駆動部60aへの指令値の送信を停止した上で、駆動部60a以外の他の駆動部、例えば駆動部60cに送信する指令値が増大される。詳しくは、駆動部60aへの指令値の大きさに応じて駆動部60cへの指令値が増大補正される。そして、増大補正された指令値が駆動部60cに送信される。すると、増大補正された指令値に応じて制動機構30cが駆動される。その結果、右後輪20cに付与する制動力が増大される。したがって、右前輪20aに制動力を付与できなくても、実際の車両10の制動力と、要求制動力との間に乖離が生じることを抑制できる。
以上より、制動制御装置50が正常に機能していない場合、バックアップ制御を実施することにより、制動制御装置50が正常に機能していないことに起因する制動力の不足を抑制できる。したがって、制動制御装置50に何らかの異常が発生している場合でも、制動要求の意図に沿った車両10の制動力の調整が可能となる。
なお、本実施形態では、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(1)制動制御装置50において、駆動部60が正常に機能しているか否かを診断する診断部80は、指令用制御ユニット100に設けられる。このため、受信した制動力の指令値に従って制動機構30を制御するだけの簡易なCPUで、駆動部60を実現できる。
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上述したように指令部70fは駆動部60a,60bに対して確認信号を送信している。駆動部60a,60bが確認信号を受信できている場合、指令部70fが正常に機能していると判断できる。一方、駆動部60a,60bが確認信号を受信できていない場合、指令部70fが正常に機能していないと判断できる。そこで、駆動部60a,60bは、確認信号を受信できているか否かによって指令部70fが正常に機能しているか否かを診断するようにしてもよい。そして、指令部70fが正常に機能していないと駆動部60a,60bが診断した場合、駆動部60a,60bは、指令部70rに対して指令値の送信を要求し、指令部70rが送信した指令値に応じて制動機構30a,30bを駆動させるようにしてもよい。これにより、指令部70fに異常が発生した場合であっても、制動機構30a,30bを駆動させることができる。この場合、「診断部」の機能の一部を、駆動部60a,60bが有しているといえる。なお、駆動部60a,60bが指令部70fからの確認信号を受信できている場合、駆動部60a,60bは指令部70rからの指令値を受け付けないようにしてもよい。これによれば、指令部70rに異常が発生し、駆動部60a,60bに異常な指令値を送ったとしても、駆動部60a,60bは、正常である指令部70fの指令値に応じて制動機構30a,30bを駆動できる。
・上述したように指令部70rは駆動部60c,60dに対して確認信号を送信している。駆動部60c,60dが確認信号を受信できている場合、指令部70rが正常に機能していると判断できる。一方、駆動部60c,60dが確認信号を受信できていない場合、指令部70rが正常に機能していないと判断できる。そこで、駆動部60c,60dは、確認信号を受信できているか否かによって指令部70rが正常に機能しているか否かを診断するようにしてもよい。そして、指令部70rが正常に機能していないと駆動部60c,60dが診断した場合、駆動部60c,60dは、指令部70fに対して指令値の送信を要求し、指令部70fが送信した指令値に応じて制動機構30c,30dを駆動させるようにしてもよい。これにより、指令部70rに異常が発生した場合であっても、制動機構30c,30dを駆動させることができる。この場合、「診断部」の機能の一部を、駆動部60c,60dが有しているといえる。なお、駆動部60c,60dが指令部70rからの確認信号を受信できている場合、駆動部60c,60dは指令部70fからの指令値を受け付けないようにしてもよい。これによれば、指令部70fに異常が発生し、駆動部60c,60dに異常な指令値を送ったとしても、駆動部60c,60dは、正常である指令部70rの指令値に応じて制動機構30c,30dを駆動できる。
・診断部80は、指令部70とは別の制御ユニットに実装してもよい。また、指令部70fと指令部70rとは別の制御ユニットに実装してもよい。さらに、指令部70f,70rと駆動部60a~60dは、同じ制御ユニットに実装してもよい。
・図2及び図3を参照して説明したように、2つの駆動部60と2つの指令部70との関係を考えたとき、1つの診断結果のパターンに対して取り得るバックアップ制御は1種類である。これに対し、2つの指令部70と4つの駆動部60との関係を考えたとき、1つの診断結果のパターンに対して取り得るバックアップ制御は複数種類ある。以下、一例として、2つの診断部80によって、右前輪20aに対応する駆動部60aが正常に機能していないと診断される場合に、指令部70f及び指令部70rが実施できるバックアップ制御について簡単に説明する。
第1に、指令部70rは、バックアップ制御として、駆動部60aに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60cに対する制動力の指令値を増大させる。この場合、右前輪20aに付与されるはずの制動力は、右後輪20cに付与される。
第2に、指令部70rは、バックアップ制御として、駆動部60aに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60c,60dに対する制動力の指令値を増大させる。この場合、右前輪20aに付与されるはずの制動力は、右後輪20c及び左後輪20dに分配されて付与される。
第3に、指令部70fは、バックアップ制御として、駆動部60aに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60bに対する制動力の指令値を増大させる。さらに、指令部70rは、バックアップ制御として、駆動部60aに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60c,60dに対する制動力の指令値を増大させる。この場合、右前輪20aに付与されるはずの制動力は、左前輪20b、右後輪20c及び左後輪20dに分配されて付与される。
第4に、指令部70rは、バックアップ制御として、駆動部60aに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60cに対する制動力の指令値を増大させる。さらに、指令部70rは、バックアップ制御として、駆動部60bに対する制動力の指令値の大きさに応じて、駆動部60dに対する制動力の指令値を増大させる。この場合、右前輪20aに付与されるはずの制動力は、右後輪20cに付与され、左前輪20bに付与されるはずの制動力は、左後輪20dに付与される。このように、バックアップ制御では、正常に機能していないと診断された駆動部60aと対となる駆動部60bによる制動機構30bの駆動を制限してもよい。
・上記実施形態において、第1指令部71及び第2指令部72は、診断結果のパターンに基づき、制動力の指令値の送信態様を決定する。その後、第1指令部71及び第2指令部72は、制動力の指令値の送信先となる駆動部60を変更することなく、要求制動力の変動に応じて、送信する制動力の指令値の大きさを変更する。これに対し、第1指令部71及び第2指令部72は、要求制動力の変動に応じて送信する制動力の指令値の大きさを変更させる際にも、診断結果のパターンが変化するか否かの判定を行ってもよい。そして、第1指令部71及び第2指令部72は、診断結果のパターンが変化する場合には、指令値の送信態様を変更してもよい。言い換えれば、第1指令部71及び第2指令部72は、図4及び図5に示すフローチャートにおいて、ステップS11~S13の処理を、ステップS22及びステップS23の間で実施してもよい。
・第1指令部71は、第2指令部72から第2指令部72による駆動部60の診断結果を受信できない場合、第2指令部72に異常が発生していると判定してもよい。この場合、第1指令部71は、図3に示す第2のパターン又は第5のパターンと同様に、バックアップ制御を実施することが好ましい。
・制動機構30は、液圧が高くなるほど摩擦材32を回転体31に強く押し付けるホイールシリンダを備えてもよい。この場合、電動モータ33は、ホイールシリンダの液圧を調整することにより、摩擦材32を回転体31に押し付ける力を調整してもよい。
・診断部80は、駆動部60、指令部70及び通信線の異常を検知する異常検知センサを有してもよい。この場合、診断部80は、異常検知センサの検出結果に基づいて、駆動部60、指令部70及び通信線が正常に機能しているか否かを診断してもよい。
・車両10において、車輪20の数は4輪でなくてもよい。例えば、車輪20の数は、2輪であってもよいし、6輪であってもよい。
・駆動部60は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。例えば、上記各実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、ハードウェア処理する専用のハードウェア回路を備えてもよい。専用のハードウェア回路としては、例えば、ASICを挙げることができる。ASICとは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記である。すなわち、駆動部60は、以下の(a)~(c)のいずれかの構成であればよい。
(a)上記処理の全てを、プログラムに従って実行する処理装置と、プログラムを記憶するROMなどのプログラム格納装置とを備えている。
(b)上記処理の一部をプログラムに従って実行する処理装置及びプログラム格納装置と、残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
(c)上記処理の全てを実行する専用のハードウェア回路を備えている。ここで、処理装置及びプログラム格納装置を備えたソフトウェア実行装置、及び、専用のハードウェア回路は複数であってもよい。
・指令部70は、(a)~(c)の何れかの構成であればよい。
10…車両
20(20a~20d)…車輪
30(30a~30d)…制動機構
50…制動制御装置
60(60a~60d)…駆動部
61…第1駆動部
62…第2駆動部
70(70f,70r)…指令部
71…第1指令部
72…第2指令部
80(80f,80r)…診断部
81…第1診断部
82…第2診断部
100…指令用制御ユニット

Claims (5)

  1. 第1車輪に制動力を付与する第1制動機構及び第2車輪に制動力を付与する第2制動機構を備える車両に適用される車両の制動制御装置であって、
    前記第1車輪に付与する制動力の指令値である第1指令値に応じて前記第1制動機構を駆動させることにより、前記第1車輪に制動力を付与する第1駆動部と、
    前記第2車輪に付与する制動力の指令値である第2指令値に応じて前記第2制動機構を駆動させることにより、前記第2車輪に制動力を付与する第2駆動部と、
    前記車両に対する制動力の要求である制動要求に基づいて前記第1指令値及び前記第2指令値を導出し、前記第1指令値を前記第1駆動部に送信可能であり、且つ前記第2指令値を前記第2駆動部に送信可能である第1指令部と、
    前記制動要求に基づいて前記第1指令値及び前記第2指令値を導出し、前記第1指令値を前記第1駆動部に送信可能であり、且つ前記第2指令値を前記第2駆動部に送信可能である第2指令部と、
    前記制動制御装置が正常に機能しているか否かを診断する診断部と、を備え、
    前記制動制御装置が正常に機能していると前記診断部が診断している場合、
    前記第1指令部は、前記第1駆動部に前記第1指令値を送信し、
    前記第1駆動部は、前記第1指令部が送信した前記第1指令値に応じて前記第1制動機構を駆動させ、
    前記第2指令部は、前記第2駆動部に前記第2指令値を送信し、
    前記第2駆動部は、前記第2指令部が送信した前記第2指令値に応じて前記第2制動機構を駆動させるようになっており、
    前記制動制御装置が正常に機能していないと前記診断部が診断している場合、
    前記第1指令部及び前記第2指令部の少なくとも一方は、前記制動制御装置が正常に機能していないことに伴う前記制動要求に対する前記車両の制動力の不足を補うバックアップ制御を実施する
    車両の制動制御装置。
  2. 前記第2指令部は、前記第1駆動部が正常に機能していないと前記診断部が診断している場合、前記バックアップ制御として、前記第1指令値の大きさに応じて増大させた前記第2指令値を前記第2駆動部に送信する
    請求項1に記載の車両の制動制御装置。
  3. 前記診断部は、
    前記第1指令部に設けられ、前記第1駆動部が正常に機能しているか否かを診断し、前記第2駆動部が正常に機能しているか否かを診断する第1診断部と、
    前記第2指令部に設けられ、前記第1駆動部が正常に機能しているか否かを診断し、前記第2駆動部が正常に機能しているか否かを診断する第2診断部と、を備え、
    前記第1駆動部が正常に機能していると前記第1診断部が診断している場合、前記第2指令部は、前記第1駆動部に前記第1指令値を送信せず、
    前記第1駆動部が正常に機能していないと前記第1診断部が診断し、前記第1駆動部が正常に機能していると前記第2診断部が診断している場合、前記第2指令部は、前記バックアップ制御として、前記第1駆動部に前記第1指令値を送信する
    請求項1又は請求項2に記載の車両の制動制御装置。
  4. 前記第1指令部が正常に機能していると前記診断部が診断している場合、
    前記第1駆動部は、前記第2指令部が送信した前記第1指令値を受け付けず、前記第1指令部が送信した前記第1指令値に応じて前記第1制動機構を駆動させる
    請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
  5. 前記第1指令部及び前記第2指令部は、指令用制御ユニットに実装されており、
    前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、前記指令用制御ユニットとは異なるユニットに実装されている
    請求項1~請求項4のうち何れか一項に記載の車両の制動制御装置。
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