JP2023019421A - 非水電解質2次電池を備えた電源装置 - Google Patents

非水電解質2次電池を備えた電源装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023019421000001
【課題】過放電状態の組電池の通常状態への復帰方法における利便性の向上
【解決手段】2次電池セルを直列接続してなる組電池と、前記2次電池セルの端子電圧を計測するセル電圧計測回路と、前記各2次電池セルの蓄電電力を制御するセル電圧バランス回路と、前記組電池の充電開始を指示する充電指示手段と、前記組電池の充電動作を制御する制御部と、前記組電池の過放電状態からの復帰のための充電制御を指示する充電復帰指示手段と、前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を停止する指示を行う充電停止指示手段と、を有し、各2次電池セルの端子電圧に基づいて前記組電池の劣化状態を演算して表示部に前記組電池の劣化状態を表示するようにした、ことを特徴とする電源装置。
【選択図】図12

Description

本発明は、リチウムイオン2次電池を含む非水電解質2次電池を備えた電源装置に関する。
2次電池は予め蓄えた電力を電気負荷に供給するために使用される。必要な時に必要な電力量を電気負荷に供給するためには、2次電池に事前に所定量の電力を蓄えておくことが必要である。また常に所定量の電力を2次電池に蓄えておくことは、2次電池の劣化を防止する観点からも望ましい。
従来は2次電池として鉛2次電池が広く使用されていた。鉛2次電池は現在も広く使用されているが、単位体積当たりの電力蓄電量が少なく、2次電池の体積が大きくなる課題がある。このため単位体積当たりの電力蓄電量がより大きい、リチウムイオン2次電池などの非水電解質2次電池の使用が急激に増加している。非水電解質2次電池は小容量で大電力を蓄電できる優れた特徴を有する反面、内部短絡等を生じると発火する危険性を有している。このため過充電や過放電の状態は避けなければならない。
非水電解質2次電池を使用する場合に、充電制御の精度を高めると共に常時充電可能な状態を保つことで、過充電や過放電状態になるのを避けることができる。しかし非水電解質2次電池を使用しない状態で長く放置すると、制御精度の向上に関係なく、2次電池に蓄えられている電力量が徐々に低下し、やがては蓄電量が所定値以下の値となる過放電状態が生じる。一旦過放電状態となった2次電池を正常な状態と同じように充電することは大変危険である。その理由の1は、過放電の状態で放置されたことにより、放置期間中に2次電池に異常状態が生じた可能性があるからである。理由の2は、2次電池に異常状態が生じたことが原因となって、過放電状態になった可能性があるからである。このため一般の非水電解質2次電池では、過放電状態になると安全性を確保する必要から、廃棄される。しかし特許文献等で、過放電状態にある2次電池を充電して正常状態に戻し、再び使用することが提案されている。この提案のように過放電状態にある2次電池を充電して正常状態に戻し、再び使用する場合には、非水電解質2次電池に異常が生じていないかを正確に診断し、そのうえで復帰のための充電を行うことが重要である。
特許第4360083号公報(特許文献1)には、鉛蓄電池が過放電状態になった場合に、鉛蓄電池の診断を行い、鉛蓄電池が正常状態であることを確認したうえで過放電状態における充電動作を行い、正常状態に戻すことが記載されている。鉛蓄電池は水系電解質2次電池に分類され、異常状態の2次電池に充電電流を供給しても発火する恐れはない。この観点では、鉛蓄電池のような水系電解質2次電池とリチウムイオン2次電池のような非水電解質2次電池とは、全く別のものとして対応しなければならない。
特開平7-298504号公報(特許文献2)には、2次電池が過放電状態になった場合に、2次電池が不良状態すなわち内部短絡を生じていないかどうかを診断し、不良状態の場合は充電を行わない。2次電池が不良でない場合に、先ずパルス状の電流を加え過放電を脱するための充電動作を行う、内容が記載されている。
特開平11-113178号公報(特許文献3)には、小型電子機器用のリチウムイオン2次電池が過放電状態になった場合に、復帰できない状態にすることが本特許文献3の段落〔0021〕から段落〔0023〕に記載されている。過放電状態となった小型電子機器用のリチウムイオン2次電池を復帰したい場合には、ユーザが過放電状態のリチウムイオン2次電池をサービスセンタ等に持ち込み、サービスマンが用意した2次電池復帰装置に前記過放電状態となった小型電子機器用のリチウムイオン2次電池をセットし、前記過放電状態のリチウムイオン2次電池を通常の状態に復帰させることが、本特許文献の段落〔0024〕から段落〔0025〕に記載されている。
特許第4360083号公報 特開平7-298504号公報 特開平11-113178号公報
リチウムイオン2次電池で代表される非水電解質2次電池では、ユーザの使用状態において、過放電状態から通常の状態に自動的に戻る方式は、安全性の観点から好ましくない。この観点では特許文献3に記載のごとく、過放電状態になった場合には一旦ユーザが使用できない状態にすることが好ましい。その上で専門的な知識を有する人、たとえばサービスマンが状況を確認した上で、ユーザが使用できる正常状態に復帰させることが好ましい。
過放電状態の非水電解質2次電池をユーザが使用可能な状態に復帰させる条件に付いて特許文献3には何も述べられていない。考えられる過放電からの復帰条件は、基本的には、過放電状態の対象となる非水電解質二次電池が正常であること。しかしこれからの世の中は、大量の非水電解質二次電池が生産されて出回る。さらに今後出回る多くの非水電解質二次電池は、特許文献3が対象としている小型の2次電池ではない。2次電池自身が複数の2次電池セルを直列接続した大型の2次電池である。このような大型の2次電池は、例えば車両の駆動用電源として使用される。また車両以外でも、夜間工事の照明装置や工事用の機器を動作させるための電力を供給する2次電池セルを直列接続した大型の2次電池である。このような2次電池セルを複数、さらにはそれ以上の数の2次電池セルを直列に接続した2次電池である。このような2次電池を以下組電池と記す。
これらの組電池に関して、例えば夜間工事の間隔が空いたために組電池を備えた電源装置が放置された状態となり、過放電状態になってしまった。あるいは業務用車両の使用間隔が空いたために、組電池を備えた電源装置が過放電状態になってしまった。などの場合に、サービスマンに依頼して、組電池に不良が見つからない場合に過放電状態から通常状態に復帰してもらえばそれで良いのか。今後の状況を考えるとそれだけでは不十分である。
今後大量に世の中ら出てくる非水電解質二次電池セルを有する組電池に関して、ユーザは例えば、組電池の効率はどうなのか、劣化が進んで効率が低下しているのではないか。組電池はもう新しくした方か良いのではないか。あるいはこのまま使用すると、今後再び過放電状態に陥るのでは、その頻度が性能劣化の原因で大幅に増えるのではないか。このように今後は実際の事業活動に即して過放電からの復帰を行うかどうかを判断することが必要となり、そのための情報提供が求められるようになる。
本発明の目的は、非水電解質2次電池の過放電状態において、異常発生の有無、すなわち不良の有無に加え、劣化状態の情報を合わせて得ることが可能となる非水電解質2次電池の電源装置を提供することである。
〔第1の発明〕
前記課題を解決する第1の発明は非水電解質2次電池を備えた電源装置であって、
非水電解質2次電池セルを複数個直列接続してなる組電池と、
前記組電池の前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧をそれぞれ計測するセル電圧計測回路と、
前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧がそれぞれ近い値となるように前記各非水電解質2次電池セルの蓄電電力を制御するセル電圧バランス回路と、
前記組電池の通常状態における前記組電池の充電動作の開始を指示する充電指示手段と、
前記組電池の充電動作および電気負荷への前記組電池から電力供給動作を制御する制御部と、
前記組電池に対する過放電状態からの復帰のための充電制御を前記制御部に指示する充電復帰指示手段と、
前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を停止する指示を行う充電停止指示手段と、
表示部と、を有し、
前記制御部は、前記セル電圧計測回路の計測結果に基づき、前記非水電解質2次電池セルの内の少なくとも一つの非水電解質2次電池セルの端子電圧の値が過放電検知電圧より低くなったことにより、前記組電池が過放電状態であると判断すると、前記組電池への充電動作および前記電気負荷への電力供給動作さらに前記セル電圧バランス回路の動作を停止し、
前記制御部は、前記充電復帰指示手段の前記指示に基づいて、前記組電池を構成する前記各非水電解質2次電池セルの診断を行い、前記非水電解質2次電池セルにおいて内部短絡による不良が検出された場合には前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を停止し、一方前記不良が検知されない場合には前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を実行し、
さらに前記制御部は、前記セル電圧バランス回路の動作を停止した状態における、前記組電池を構成する前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧に基づいて前記組電池の劣化状態を演算して前記表示部に前記組電池の前記劣化状態を表示し、
さらに前記制御部は、前記充電停止指示手段からの指示が入力されると、前記充電復帰指示手段の指示に基づく、前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御の前記実行を停止する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第1の発明の効果〕
非水電解質2次電池では過放電状態において内部短絡等による異常が発生している可能性があり、過放電状態からの復帰のための充電動作を停止しているのが実態である。従って、もし過放電状態から復帰させる場合には、しっかりとした診断が絶対に必要となる。しかし実際に非水電解質2次電池を正常状態に復帰させるかどうかは、異常状態の有無だけで判断されるべきではない。さらに効率等の実態に即した情報を入手可能とし、この情報に基づいて判断が行えるようにすべきである。
非水電解質2次電池セルを直列接続してなる組電池は、今後より大型化すると思われる。このような複数個の非水電解質2次電池セルを有する組電池では、セル電圧バランス回路を用いて各2次電池セルの端子電圧の差をできるだけ小さくすることが重要となる。その理由は、各2次電池セルの端子電圧に差が生じると、例えば、2次電池セルの内の端子電圧が最大の電圧値が対象となって過充電回避制御が行われ、組電池の充電量は最大端子電圧により決められる。この場合、最小端子電圧の充電量は最大端子電圧の充電量より少なくなる。従って、電気負荷へ供給可能な電力量は、2次電池セルの内の端子電圧が最小の2次電池セルの蓄電量により制約される。セル電圧バランス回路により前記2次電池セルの端子電圧を均一化することにより、前記組電池を構成する各2次電池セルに蓄えられる電力が均一化する。このようなことからセル電圧バランス回路による各2次電池セルの端子電圧の均一化の制御が行われる。本発明では、このセル電圧バランス回路による制御は、前記組電池の充電時や電気負荷への電力供給時だけでなく、電源装置が利用されていない、電源装置の放置状態においても継続される。その方が効率向上の観点で優れている。
しかし本発明の方法は、前記組電池を構成する各2次電池セルの特性が劣化により変化してくると、各2次電池セルにおける端子電圧の差が大きくなり、各2次電池セルの端子電圧の均一化のために消費される消費電力が増大し、効率が低下する。また上述したように各2次電池セルの蓄電量に差異が生じ易くなる。本発明では、各蓄電池セルが直列に接続されているので、2次電池セルの中の少ない蓄電量が大きく影響して、組電池の全体の蓄電量が定まることになる。また最も端子電圧が低い2次電池セルにより過放電状態が定まることになる。一般的な傾向として、前記組電池が新しい状態では前記組電池を構成する各2次電池セルの特性のばらつきが少なく、前記組電池が劣化してくるにしたがって特性のばらつきが大きくなり、端子電圧の差が大きくなる傾向となる。
本発明では、過放電状態において、組電池を構成する2次電池セルに内部短絡などの異常がある場合には発火等の危険性があるため、過放電状態から復帰させるための充電制御は停止し、一方前記2次電池セルに内部短絡などの異常が生じていない場合に、過放電状態からの復帰のための充電を可能とする。しかし2次電池セルに使用できないほどの不良が生じていない場合、全て、過放電状態から通常使用が可能な状態に復帰させるのが良いとは言い切れない。上述のとおり、2次電池セルの特性の違いが大きくなると、効率が低下する。さらにまた過放電状態に陥り易くなる。今までよりも短い放置期間で過放電状態に陥りことになる。従って第1の発明では、2次電池セルに使用できないほどの異常、すなわち不良が生じていない場合であっても、前記セルバランス回路の動作を停止した状態での各2次電池セルの端子電圧に基づき劣化状態を求め、表示部に表示する。それを参考として劣化が激しいので過放電状態からの復帰を止めるとの判断を可能とした。前記復帰を止める場合には、充電停止指示手段の操作により、過放電状態からの復帰を停止することが可能となる。
さらに本発明では、過放電状態に至る前の、電源装置が通常に動作している状態では、セル電圧バランス回路を動作させて前記組電池を構成する前記各2次電池セルの端子電圧を均一化するようにしている。このような状態だと前記2次電池セル間の特性のバラツキの拡大が検知し難い。しかし本発明では、過放電状態において前記セル電圧バランス回路の動作を停止する。このため前記2次電池セル間の特性のバラツキの拡大が検知し易くなり、劣化検知の精度を向上できる。このため信頼性の高い劣過情報に基づいて、過放電状態からの復帰を停止するかどうかの判断が可能となる。
〔第2の発明〕
前記課題を解決する第2の発明は第1の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
前記非水電解質2次電池を備えた電源装置は、蓋を有するケース本体を備え、
前記充電指示手段は前記蓋を有する前記ケース本体の表側に設けられ、
前記充電復帰指示手段は前記蓋を有する前記ケース本体の内側に設けられている、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第2の発明の効果〕
前記組電池を構成する2次電池セルの一つが過放電状態の場合に、ユーザ自身が過放電状態から正常な状態への復帰の充電を行うことは、安全性の面で好ましくない。従ってユーザが復帰動作を行うための前記充電復帰指示手段に触れられないように、前記充電復帰指示手段を、蓋を有するケース本体の内部に設けるようにした。ユーザが自分で過放電状態からの復帰ができないとなると、過放電状態の組電池を有する電源装置は、専門の技術者がいるセンタ等に持ち込まれることになる。このためユーザではなくサービスマンなどの専門家が過放電状態の組電池の復帰を担当することになる。このことにより安全性が維持できる。また第1の発明に記載の前記表示部に表示した前記組電池の劣化状態を基に、過放電状態から復帰させるべきかどうかについて相談することができる。
〔第3の発明〕
前記課題を解決する第3の発明は第1の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
前記制御部は、前記組電池が前記通常状態にある場合の前記組電池への充電制御を行う通常制御部と前記組電池が過放電状態にある場合の前記組電池への充電制御を行う復帰制御部とを有し、
さらに前記非水電解質2次電池を備えた電源装置は蓋を有するケース本体を有し、
前記蓋を有する前記ケース本体には、外部接続端子が設けられ、
前記蓋を有する前記ケース本体の内部に、前記組電池と前記セル電圧計測回路と前記セル電圧バランス回路と前記通常制御部とが設けられ、
前記蓋を有する前記ケース本体とは別体に設けられた復帰操作部に前記復帰制御部と前記表示部と前記充電復帰指示手段と前記充電停止指示手段が設けられていて、
前記通常制御部と前記復帰制御部とは前記外部接続端子を介して接続されることにより互いにそれぞれの動作に必要な情報を転送しあう、ことを特徴とする、非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第3の発明の効果〕
第3の発明では、前記復帰操作部を、ユーザではなくサービスマン等の技術者が有しており、ユーザからの依頼に基づき、前記前記復帰操作部を、前記蓋を有するケース本体に設けられた前記外部接続端子に接続することにより、過放電状態からの復帰が可能となる。このようにすることにより、過放電状態からの復帰がユーザ自身ではなく、技術的な対応が可能な技術者によって確実に行われることとなる。
〔第4の発明〕
前記課題を解決する第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明の内の一の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
前記制御部は、過放電状態にある前記組電池へ供給するための充電電流の値を基に、過放電状態から通常動作状態へ戻るまでの復帰時間を演算により求め、演算で求めた前記復帰時間を基に前記表示部に復帰予定時間情報を表示する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第5の発明〕
前記課題を解決する第5の発明は第1の発明乃至第3の発明の内の一の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置、において、
前記制御部は、過放電状態にある前記組電池への充電電流の値を基に過放電状態から前記通常状態に復帰しさらに前記組電池が基準充電状態に至るまでの充電完了時間を演算により求め、前記充電完了時間を前記表示部に表示する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第4の発明および第5の発明の効果〕
本願発明では、過放電状態にある前記組電池への充電電流値を、前記組電池の安全を維持する観点から非常に小さい電流値に設定する。このためユーザの感覚らかすると想像を超える長い時間を要することになる。従って過放電からの復帰に要する時間、あるいは過放電からの復帰に要する時間とその後の基準充電状態に至るまでの時間を演算により求め、前記表示部に予め表示することが望ましい。このことによりユーザは完了予定時間を予めしることができ、安心して復帰のために時間を費やすことができる。
過放電状態から通常状態への復帰の後、さらに基準充電状態までの充電を続けて行っても良い。ここで最終的にどこまで充電するかは、充電対象の組電池の用途によって異なる。例えば大工道具等に電力を供給する組電池であれば満充電にしても問題ない。しかし例えは車両用の組電池の場合には、満充電になると回生制動を行えなくなる。従って車両用の組電池の場合には例えば充電率の50%程度あるいは70%程度を最終目標の基準充電状態とすることが必要となる。
〔第6の発明〕
前記課題を解決する第6の発明は第1の発明乃至第5の発明の内の一の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
過放電状態にある前記組電池を前記通常状態に復帰させるために前記組電池に供給する充電電流値は、10分の1のCレートから100分の1のCレートである、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第6の発明の効果〕
上述のとおり、過放電状態においては発火等を避けるために非常に慎重に充電動作を行うことが必要である。このため通常状態での充電電流に比べて非常に小さい値で充電を開始することが望ましい。初期の動作で大事なことは、異常状態を、言い換えると不良状態を正確に診断することである。この場合は大きな電流を流さなくても診断が可能である。また前記組電池を構成する前記2次電池セルの端子電圧のバラツキを検出することである。この場合も大きな充電電流を必要としない。課題となるのは、過放電状態から通常状態への復帰時間が長くなることである。しかしこの課題は前記第5の発明で解決できる。
〔第7の発明〕
前記課題を解決する第7の発明は、第6の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、前記組電池を構成する電圧と他の端子電圧との差が大きいAの場合に対して、前記2次電池セルの各端子電圧の内の最低端子電圧と他の端子電圧との差が小さいBの場合の方が、過放電状態での充電電流が大きい値となる、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置、である。
〔第7の発明の効果〕
前記組電池を構成する前記2次電池セルの端子電圧の変動幅が大きい場合には、危険性がより増大する。従って前記組電池を構成する前記2次電池セルの平均端子電圧と、最も低い端子電圧の値と前記平均電圧との差の違いにおいて、前記違いが大きい場合にはより小さい電流で慎重に充電することが好ましい。
本発明によれば、非水電解質2次電池の過放電状態において、異常発生の有無、すなわち不良の有無に加え、組電池の劣化状態が分かる情報が合わせて出力される非水電解質2次電池の電源装置を得ることができる。
本発明が適用された電源装置の実施例1を説明する回路図である。 実施例1の回路部品の配置関係を説明する説明図である。 本発明が適用された電源装置の実施例2を説明する回路図である。 実施例2の回路部品の配置関係を説明する説明図である。 組電池の異常状態を検出する方法を説明するフローチャートである。 通常使用動作の制御を行うための状態記憶部の説明図である。 動作停止の制御を行うための状態記憶部の説明図である。 セル電圧バランス回路を動作させるための状態記憶部の説明図である。 セル電圧バランス回路の動作を停止させるための状態記憶部の説明図である。 電源装置の放置状態における過放電状態の発生を説明する説明図である。 異常状態でのユーザ操作の対応を説明する説明図である。 過放電状態から通常状態への復帰制御を説明する説明図である。 復帰制御を実行する場合の状態記憶部の内容を説明する説明図である。 過放電状態での組電池への充電電流の設定を説明する説明図である。 充電電流の供給に伴う2次電池セル間の電圧差の変化と充電電流設定値との関係を説明する説明図である。 2次電池セルのバラツキと劣化との関係を説明する説明図である。 充電量に対する蓄電量の変化と劣化との関係を説明する説明図である。 実施例1や実施例2で、通信装置15や送受信装置16の機能を使用した場合の動作内容を説明する説明図である。
以下の実施例において、同一符号が付された構成についてはその作用効果が同じであり、重複した説明を省略する場合がある。
1.非水電解質2次電池を備えた電源装置100の基本構成の説明
1.1 実施例1における電源装置100の説明
図1は本発明が適用された実施例1の回路図である。電源装置100は、マイクロコンピュータ等を備えて制御を担う制御部105と、制御部105からバスライン102介して送られる制御指令に基づいて動作する駆動部本体110と、を有している。電源装置100は電力を蓄えるための組電池30を有しており、組電池30は多数のリチウムイオンからなる2次電池セルL1からLNを備えている。リチウムイオンの2次電池は非水電解質を使用しており、水系電解質と異なり、発火の恐れがある。以下で説明する実施例は何れもリチウムイオン2次電池セルを代表例として説明するが、非水電解質を使用した2次電池においては同様の効果がある。また上述したとおり、組電池30は蓄える電力量が多く、複数乃至多数の非水電解質2次電池をセルとして直列接続して構成している。
電源装置100には組電池30を充電するための電力を供給する電源10が、電源コネクタ12を介して接続される。また組電池30の蓄電電力は通常制御部130の指令により閉じる負荷スイッチSW2や負荷スイッチSW4、および負荷コネクタ18を介して電気負荷20に供給される。駆動部本体110に設けられている組電池30は上述のとおり直列に接続された非水電解質2次電池セルL1、非水電解質2次電池セルL2、・・・非水電解質2次電池セルLN-1、非水電解質2次電池セルLNによって構成されている。これら各非水電解質2次電池セルの電圧がセル電圧計測回路40で計測され、計測値がバスライン102を介して通常制御部130や復帰制御部140へ送信される。組電池30が過充電状態や過放電状態となっていない正常な状態(以下通常状態と記す。)では、組電池30の蓄電状態の制御や組電池30からの電力の電気負荷20への供給は、通常制御部130によって行われる。
詳細な制御の説明は以下で行うのでここでは省略するが、組電池30が通常状態では、通常制御部130により過放電状態が生じないように電源10からの電力が通常充電回路200により充電電流として、通常充電スイッチSW6を介して、組電池30に供給される。組電池30が充電状態にある場合には、通常充電回路200から充填電流が供給されていることを表すための充電表示202が点灯する。従ってユーザが電源10を電源コネクタ12に接続し、充電指示手段PW2を操作すると電源10からの電圧が通常充電回路200に印加される。この電圧印加の情報が通常充電回路200からバスライン102を介して通常制御部130へ伝達される。組電池30の充電状態が予定している基準蓄電状態に達していない場合には、通常制御部130からの指令により通常充電回路200から充電電流が通常充電スイッチSW6を介して組電池30に供給される。上述のとおり、充電表示202が点灯し、ユーザが充電表示202の点灯を確認することにより、組電池30が充電状態にあることが把握できる。またユーザへの簡易な連絡は簡易表示部128で行われる。ここで簡易な連絡とは、前記基準蓄電状態に対する現在の充電達成率や前記基準蓄電状態になるまでに要する予測充電時間である。
組電池30の蓄電量が前記基準蓄電状態に達すると、セル電圧計測回路40の計測結果に基づき、通常制御部130が組電池30の蓄電量の基準蓄電状態への到達を検知し、通常充電スイッチSW6を開放すると共に、通常充電回路200の動作を停止する。充電表示202が消灯し、簡易表示部128には充電率100%を表す表示がなされ、ユーザは充電の完了を知ることができる。外部接続端子14は、電源装置100と外部の制御装置とを接続し、組電池30の詳細特性や履歴を調べるための接続端子であり、接続された外部機器と記憶装置150や通常制御部130、復帰制御部140、表示部160とが、外部機器とバスライン102を介して接続される。例えばサービスマンが送受信機を外部接続端子14に接続することにより、管理センタと電源装置100とを繋ぐことができる。建設機械や大型の車両を管理センタに持ち込むことは作業的にたいへんであり、このような手間をなくして、診断や過放電状態からの復帰等を実行することができる。従って必要に応じ管理センタから過放電の復帰のための操作を行うことができる。例えば流通用運搬手段として使用されている車両の電源が過放電になった場合に、鉛電池であれば簡単に復帰させて再使用させることが可能であったが、非水系電池では上述のとおり、発火の危険性が常に存在する。そのような場合にユーザが外部接続端子14に通信装置を接続することにより、その場にサービスマンがいなくても前記管理センタから復帰のための指示や組電池30の不良の診断等を行うことができる。従って安全基準に従った過放電からの復帰動作を行うことができる。
図1で、復帰充電回路250や充電表示252、復帰充電スイッチSW8、充電復帰指示手段PW4、充電停止指示手段PW6は、組電池30が過放電状態にある場合に、組電池30を過放電状態から通常状態に復帰させるための回路構成である。さらに復帰制御部140や表示部160も、組電池30を過放電状態から通常状態に復帰させるための回路構成である。これらの動作は以下で詳細に説明する。
1.2 実施例1に記載の電源装置100の回路部品の配置関係の説明
図2は電源装置100に設けられた回路部品の配置関係を説明する説明図である。蓋62を備えたケース本体60に非水電解質2次電池であるリチウムイオンの2次電池セルL1から2次電池セルLNが配置されており、図示しない配線によりこれらが直列に接続されている。これらの2次電池セルL1から2次電池セルLNの上部に回路基板70が配置されている。この回路基板70には通常制御部130や復帰制御部140、記憶装置150、表示部160、充電復帰指示手段PW4、通常充電スイッチSW6、充電表示252が設けられている。ケース本体60の内部にさらにセル電圧計測回路40やセル電圧バランス回路50、通常充電回路200、復帰充電回路250、負荷スイッチSW2、負荷スイッチSW4、通常充電スイッチSW6、復帰充電スイッチSW8、およびこれらを電気的に接続する配線やバスライン102が配置されているが、図示を省略している。蓋62を有するケース本体60の表側には充電表示202や負荷スイッチSW2が配置されている。図では蓋62に充電表示202や負荷スイッチSW2が設けられているが、ケース本体60の表側に設けても良い。通常制御部130と復帰制御部140とをここに配置しているがこれは一例である。通常制御部130と復帰制御部140とをそれぞれ独立したマイクロコンピュータで構成した場合にはこのようになるが、共通に使用されるマイクロコンピュータを動作させるプログラムが通常制御部130や復帰制御部140であっても良い。この場合は、通常制御部130や復帰制御部140は共通のプログラム格納用のメモリの中に設けられたそれぞれのプログラム格納領域となる。
図1に記載の電源コネクタ12や負荷コネクタ18、外部接続端子14、は取り扱いを容易にするためにケース本体60の表側に設けられている。外部接続端子14は汚れや腐食を避けるためにキャップ17で覆われている。上述のように、キャップ17を外して図1に記載のように通信装置15を繋ぐことにより、管理センタから電源装置100の組電池30の状況を把握して、診断や過放電状態からの復帰の操作を行うことができる。それだけではなく、外部接続端子14にパーソナルコンピュータを接続することにより、高度な診断や過放電状態からのより迅速なあるいはより安全性の高い復帰が可能となる。
1.3 実施例2の説明
図1と図2に記載の回路構成および回路部品に示す実施例1について上述した。この実施例1では、ユーザが有する電源装置100の制御部105に、過放電からの復帰のための復帰制御機能が含まれている。図3に示す実施例2では、外部接続端子14を介して、復帰操作部145が制御部105と接続され、組電池30の過放電状態からの復帰を担う。復帰制御部140は独立した復帰操作部145に設けられている。復帰操作部145には、復帰制御部140だけでなく表示部160や負荷スイッチSW4、充電停止指示手段PW6も設けられている。さらに復帰操作装置146には送受信装置16が設けられている。
図4は、図3に記載の実施例2の回路部品等の配置関係を説明する説明図である。組電池30あるいはその他の同じ参照符号で示す回路部品の動作や配置は、実施例1と共通するので説明を省略する。実施例1と異なる部分は、図3で説明した通り、復帰操作部145が外部接続端子14を介して制御部105と接続される点である。なお図1に記載の通常充電回路200と復帰充電回路250は組電池30の異なる状態において動作する充電回路である。しかし組電池30に充電電流を供給するとの基本機能は同じであり、回路内容は同じである。従って図1においては、考え方が理解しやすいように通常充電回路200と復帰充電回路250とは別回路のように記載したが、これらは同じ回路であっても全くかまわない。通常制御部130や復帰制御部140で制御されることにより、通常充電回路200と復帰充電回路250とが機能の観点において分かれている。
このような観点から、通常充電回路200と復帰充電回路250とに分けて機能の違いが理解しやすいように記載していたものを、図3では両方の機能に対応できる構成として充電回路210を記載している。もちろん図1においても、通常充電回路200と復帰充電回路250とを同じ回路で構成してもかまわない。図3のように充電回路210として共用できる。この場合、充電回路210が通常制御部130により制御されている状態では充電回路210は通常充電回路200として動作する。また充電回路210が復帰制御部140によって制御されている状態では、充電回路210は復帰充電回路250として動作する。
充電スイッチSW7も充電回路210に関する前記説明と同じである。充電スイッチSW7が通常制御部130によって制御されている状態では充電スイッチSW7は通常充電スイッチSW6として動作し、充電スイッチSW7が復帰制御部140によって制御されている状態では充電スイッチSW7は復帰充電スイッチSW8として動作する。
1.4 復帰操作部145の新たな機能の説明
復帰操作部145には送受信装置16が設けられている。これは制御部105や復帰操作部145をセンタと繋ぐ働きをする。図3に記載の実施例2では、ユーザが持つ装置には、組電池30が過放電状態である場合に、組電池30を通常状態に復帰させる機能である復帰制御部140が、設けられていない。組電池30を過放電状態から通常状態に復帰する場合には、サービスマン等の過放電状態からの復帰を担う技術者に復帰を依頼することになる。逆にサービスマンの立場から見ると、復帰を依頼される電源装置は一種類である必要が無い。同じ系列の電源装置100であれば、全て復帰操作を行えるようにすることがより最適である。さらに同じ系列だけでなく、可能な限り多くの種類の電源装置100に関して過放電からの復帰操作ができれば、よりサービス向上につながる。
しかし復帰作業の対象が増えることにより、組電池30の過放電状態からの復帰のための組電池30の良否診断の内容、言い換えると診断のために予め印加する診断用電流の印加条件やその結果に基づく良否の判定の条件、劣化の判断条件が対象とする製品に対応して異なってくる。復帰制御部140に設けられているメモリにはこれらの条件が入りきらない。また対象とする製品の状況が変わることによる上述の条件の更新が必要となる。従って送受信装置16を設けることにより、センタからの対象製品に特化した最新の情報を得ることが可能となる。これにより過放電状態からの復帰対象製品の種類を大幅に増やすことができ、安全性や診断精度が大きく向上する。
2.実施例1および実施例2の動作の説明
2.1 通常動作
ユーザが電源装置100を使用している状態である通常状態での組電池30の充電動作を、図5を用いて説明する。この動作は実施例1および実施例2に共通である。
記憶装置150の状態記憶部152には電源装置100の現在の状態が記憶されており、ユーザが電源装置100を使用して問題なく動作している状態を想定しているので、状態記憶部152には図6の状態が記憶されている。すなわち電源装置100は動作停止状態や復帰状態にあるのではなく、通常状態にフラグがセットされた状態である。この状態はユーザが電源装置100を使用している状態であり、ユーザの指示に従って電気負荷20に組電池30から電力が供給される状態であり、ユーザの指示に従って組電池30への充電が行われる状態である。ユーザが図1や図3に記載の電源装置100に電源コネクタ12を介して電源10を接続し、充電指示手段PW2を操作すると通常充電回路200や充電回路210に電源電圧が供給される。通常制御部130の動作を行うマイクロコンピュータが前記電源電圧の供給を検知すると、図5に記載の通常動作S300の実行を開始し、ユーザによるステップS302の操作に基づき前記電源電圧の検知により、実行がステップS302からステップS303に遷移する。ステップS303では、前記マイクロコンピュータはセル電圧計測回路40を動作させて、セル電圧計測回路40から組電池30を構成する各2次電池セルL1からLNの端子電圧をすべて取り込む。各2次電池セルL1からLNが通常の動作状態にある場合には、例えば端子電圧が3.4ボルトから3.8ボルトであると仮定する。端子電圧が過充電判断電圧を超えていないかをステップS304で検査する。この過充電判断電圧は例えば4.2ボルトである。もし過充電判断電圧を超える端子電圧の2次電池セルが検出されると、安全性を維持するためにステップS306へ実行が移る。
ステップS306では図1や図3に記載の状態記憶部152の記憶内容が、図6に記載の内容から図7に記載の内容に変更される。図7の内容は、動作停止状態のフラグがセットされた状態で、通常状態のフラグがリセットされた状態である。この変更により、電源装置100はステップS307で、動作状態が大きく変えられる。すなわち組電池30の充放電動作である通常充電回路200や充電回路210による充電動作が、完全に停止状態となり、実行停止となる。さらに組電池30から負荷スイッチSW2や負荷スイッチSW4、および負荷コネクタ18を介して電気負荷20へ供給される電力供給が停止される。さらにセル電圧バランス回路50による2次電池セル間の端子電圧をできるだけ均一化するための動作が停止される。また図1や図3に記載の表示部160や簡易表示部128に異常状態を表す表示が行われる。すなわちステップS308の動作状態となり、電源装置100は動作停止状態となる。
通常は、組電池30は過充電状態にはならないように制御されている。しかし過充電状態が検知されたことはどこかに不良状態が発生したこととなる。この不良原因を突き止め、不良状態が是正されるまで電源装置100は動作させてはいけない。大変危険な状態である。
2.2 実施例1および実施例2における過放電状態の検知とその対応
ステップS304で過充電が検知されなかった場合は、ステップS304からステップS310へ実行が移る。ステップS310では、組電池30を構成する2次電池セルL1からLNの内に過放電状態の2次電池セルが存在しないかを判断する。具体的にはステップS303で計測した各2次電池セルの端子電圧が、過放電検知電圧以下になっている2次電池セルの有無を調べる。過放電検知電圧とは例えば端子電圧が2.0ボルトであり、これ以下の場合に過放電状態と判断する。もし過放電状態の2次電池セルが存在していると、過放電状態と判断して前記マイクロコンピュータである通常制御部130の実行がステップS324へ移る。ステップS324では、図1や図3に記載の状態記憶部152の内容を図6の内容から図7の内容に書き換える。すなわち通常状態のフラグがリセットされ、動作停止状態のフラグがセットされる。さらに図8に記載の内容から図9に記載の内容に変更される。すなわちバランス動作実行のフラグがリセットされ、バランス動作停止のフラグがセットされる。さらにステップS325で、過放電状態の2次電池セルを特定する名称、例えば2次電池セルL1からLNのように2次電池セルを特定するための名称を記憶装置150に書き込む。この2次電池セルを特定する情報は過放電の履歴として記憶し続ける。
状態記憶部152の記憶内容が図7に書き換えられることにより、ステップS326に記載の色々な動作が停止状態となる。具体的には次の機能が停止および動作禁止となる。組電池30への充電回路210や通常充電回路200による充電動作の停止。また組電池30から負荷スイッチSW2や負荷スイッチSW4や負荷コネクタ18を介して電気負荷20へ電力を供給することの停止。セル電圧バランス回路50による、組電池30を構成する各2次電池セル間の端子電圧の均一化の動作の停止。負荷スイッチSW2による充電の指示に対する応答の停止。セル電圧計測回路40の計測結果に基づく、組電池30を構成する各2次電池セルの不良の有無を診断する診断の停止。さらにステップS326において、組電池30に不良すなわち異常が発生していることを図1や図3に記載の表示部160や簡易表示部128に表示する。ただ表示部160の表示はユーザにはわからない。しかし表示部160の表示内容は履歴として記載を省略しているが表示部160内部メモリに残されるので、後にサービスマンが履歴を検索したときに、表示部160の表示履歴が出力される。また過放電状態となった2次電池セルも履歴として出力される。ステップS327で動作停止状態が表示部160に一時的に表示されると共に、履歴として表示部160の内部メモリに記憶され、長く維持される。ステップS328で電源装置100は動作停止状態となる。図1や図3に記載の充電状態を表す充電表示202が消灯状態となる。
ユーザは組電池30を充電する目的で電源10を電源装置100に接続し、さらに充電指示手段PW2を操作して充電しようとしているのに、充電表示202が点灯しないので、ユーザは電源装置100が異常な状態であり動作しないことを察知することができる。また簡易表示部128を設ける場合には、この簡易表示部128で一時的に異常状態にあることを伝えることができる。
2.3 通常充電動作の説明
2.3.1 実施例1および実施例2における基本動作の説明
ステップS304やステップS310で組電池30の過充電や過放電の診断を行い、もし過充電や過放電の診察結果が出ると、その対応を最優先で行う。組電池30が過充電や過放電の異常状態に陥っていない、正常状態すなわち通常の状態では、通常制御部130の実行がステップS311へ移る。状態記憶部152の記憶内容が図6に記載の内容かどうかをチェックする。本来この状態では、状態記憶部152の記憶内容は図6に記載の内容である通常状態のフラグがセットされているべきである。もしそうでなければステップS312で図6の内容に修正される。もし組電池30を修理したり取り換えたりした場合には、状態記憶部152の記憶内容が異なっている場合があるが、この場合はステップS312で修正される。さらに次のステップS313で、状態記憶部152に図8の内容が書き込まれる。すなわちバランス動作実行のフラグがセットされる。今までも状態記憶部152の記憶内容が図8の内容であれば、セル電圧バランス回路50の動作が継続されているが、もし図9の状態であれば、セル電圧バランス回路50の動作が停止しているので、動作を継続する内容となるようにフラグがセットされる。このことにより、通常動作状態であるユーザがこの製品を使用している状態では、セル電圧バランス回路50の動作が継続される。
ステップS314で予定した充電量である満充電に到達したかどうかを検知する。この検知はステップS303の計測による端子電圧の計測結果に基づいて行う。ここで予定した充電量である満充電とは、この製品に対応して定めた最大充電量である。組電池30が有する特性から定まる最大充電量ではない。組電池30の特性では最大この電力量まで充電が可能との最大充電量が存在するが、この特性上の最大充電量まで100%充電してしまうと、それ以上の充電は不可能となる。例えば製品が照明装置の電源であれば、特性上で定まる最大充電量まで100%充電して問題は生じない。しかし、回転機を負荷とする電源として使用する場合、特性上で定まる最大充電量まで充電してしまうと、回転機による回生制動の制御が困難となる。このため回転速度の制御ができなくなる。従って使用する負荷が何であるかにより、充電目標を決めることが必要である。この明細書では、満充電とは、特性上の最大充電電力を指すのではなく、負荷に対応して予め定めた充電目標のことである。
ステップS314で予定した充電量である満充電になるとステップS316が実行され、図1や図3に記載の簡易表示部128や表示部160に充電完了の表示が行われ、充電中を表す充電表示202が消灯状態となるように通常制御部130により制御される。ステップS318では、充電中も動作していた、セル電圧バランス回路50の動作が継続される。すなわち図8の内容が維持される。そしてステップS320で充電動作が終了する。一方ステップS314で充電動作が終わっていないと判断されると、ステップS330で充電表示202が点灯され或いは点灯状態が維持される。ステップS314で充電動作が終了か、終わっていないかの判断はステップS303で取り込まれた端子電圧が、満充電を示す電圧に達したかどうかで判断する。
ステップS332で通常充電回路200や充電回路210の動作が継続され、さらに通常充電スイッチSW6や充電スイッチSW7の閉状態が維持される。またステップS334で充電の進み具合が、ステップS303の端子電圧の計測結果から推定されて、簡易表示部128に表示される。さらに充電完了までの推定時間が演算されて簡易表示部128に表示される。このようにして通常制御部130の動作が再びステップS303に遷移する。
2.3.2 実施例1あるいは実施例2においてリレーを使用することによる効果
図1に記載の通常充電スイッチSW6や復帰充電スイッチSW8、図3に記載の充電スイッチSW7として、ダイオードを使用しても良い。しかし本発明の実施例1や実施例2では、リレーを使用している。先ず図1に記載の通常充電スイッチSW6や復帰充電スイッチSW8、図3に記載の充電スイッチSW7として、ダイオードを使用した場合について説明する。図1で、通常充電回路200から組電池30へ充電電流を供給する場合に、通常充電回路200の出力電圧が組電池30の端子電圧より低い状態では、通常充電スイッチSW6として用いたダイオードは逆バイアスとなり、通常充電スイッチSW6として用いたダイオードにより回路が遮断状態となる。通常充電回路200の出力電圧が組電池30の端子電圧より高くなると、通常充電スイッチSW6として用いたダイオードは順方向のバイアス状態となり、通常充電回路200から通常充電スイッチSW6を介して組電池30へ充電電流が供給される。
復帰充電スイッチSW8や図3に記載の充電スイッチSW7も同様であり、復帰充電回路250や充電回路210の出力電圧が、組電池30の端子電圧より高くなると通常充電スイッチSW6や充電スイッチSW7として用いたダイオードが、逆バイアスから順方向バイアスに変わり、復帰充電回路250や充電回路210から充電電流がダイオードを介して供給される。通常充電スイッチSW6や復帰充電スイッチSW8や充電スイッチSW7として、ダイオードを使用すれば非常に制御が簡単になり、大きなメリットがある。
しかしデメリットも大きい。ダイオードを使用した場合に制御が簡単になる一方、順方向の電流に対してダイオードの内部抵抗が影響を及ぼし、複雑な特性の電圧降下がダイオードにより引き起こされる。対象としている組電池30は1列の2次電池セルの直列回路で示したが、実際の製品ではより複数な回路構成の場合が多く、前記直列接続された2次電池セルがさらに並列接続されている。従って大きな電流が通常充電スイッチSW6や充電スイッチSW7を介して流れる。組電池30への充電電流が小さい場合は、ダイオードの電圧降下を無視できる。しかし充電電流が大きくなるとダイオードの電圧降下を無視できなくなる。さらにダイオードの電圧降下は電流値により変化する。このため、通常充電回路200や充電回路210、復帰充電回路250から診断のための電流値を供給しようとした場合に、正確な電流値の供給が難しくなる。また診断のために正確な波高値のパルス電圧を供給しようとした場合に、制御精度が低下する。
通常充電スイッチSW6や充電スイッチSW7や復帰充電スイッチSW8として、ダイオードではなく、リレーを使用すると、通常充電回路200や復帰充電回路250、充電回路210の電圧供給準備ができた状態で通常充電スイッチSW6や復帰充電スイッチSW8や充電スイッチSW7を閉状態に制御することで充電電流が供給可能となる。またリレーは閉状態において抵抗値が非常に小さく、電圧降下を無視することができる。このため組電池30へ大きな電流を供給する場合、あるいは所定の波高値の電圧を高精度で印加する場合に、リレーの使用は大きな効果をもたらす。
2.4 実施例1および実施例2において電源装置100を放置状態にした場合の過放電状態発生の説明
2.4.1 過放電状態の検知と対応
図10は、電源装置100が充電のための操作が行われないまま、長期間放置された状態を説明する説明図である。電源装置100は短い周期で図1や図3に示す電源10に接続され、組電池30の蓄電量を所定の範囲内に維持されることが望ましい。しかしうっかりして長期間放置されることが生じる。
電源装置100を使用していない状態、言い換えると電気負荷20へ電力を供給していない状態においても、図10に記載のフローチャートの実行が通常制御部130によって行われている。ステップS402で、状態記憶部152に図8に記載の内容が記憶されている。もし記憶されていない場合にはステップS402で通常制御部130により記憶動作が実行される。図8の状態は、バランス動作実行のフラグがセットされ、バランス動作停止のフラグがリセットされた状態である。バランス動作実行のフラグのセットにより、セル電圧バランス回路50の動作の実行が、通常制御部130によって継続されている。組電池30を構成する各2次電池セルにおいて、蓄電量の差が生じないように、あるいは蓄電量の差が少なくなるように、セル電圧バランス回路50が動作し続けている。しかし充電動作が行われないで放置されている期間が長くなると、組電池30を構成する各2次電池セルの蓄電量が次第に減少し、やがて組電池30を構成する2次電池セルの一部が、過放電状態となる。
ステップS404で、セル電圧計測回路40により組電池30を構成する各2次電池セルL1から2次電池セルLNの電圧が計測され、ステップS406でセル電圧計測回路40の計測結果に基づき、2次電池セルL1から2次電池セルLNのそれぞれについて過放電状態かどうかの診断が行われる。具体的な診断方法としては、計測した前記2次電池セルL1から2次電池セルLNの各端子電圧が、過放電状態を判断するための過放電検知電圧VODより低くなっていないかを調べる。過放電検知電圧VODより低い端子電圧の2次電池セルが存在しない場合には、過放電状態の2次電池セルが存在しないとして、通常制御部130の実行が、ステップS406から再びステップS402へ移る。この動作を繰り返す。
ステップ406で、過放電検知電圧VODより低い端子電圧の2次電池セルが検出されると、組電池30は前記検出された2次電池セルについて過放電状態であると判断する。そして通常制御部130の実行がステップS406からステップS324へ移る。ステップS324は図5において既に説明したとおりである。すなわち状態記憶部152に記憶されている通常状態のフラグがリセットされ、動作停止状態のフラグがセットされ、図6の状態から図7の状態となる。また状態記憶部152に記憶されているバランス動作実行のフラグがリセットされ、バランス動作停止のフラグがセットされ、図8の状態から図9の状態となる。ステップS325において、過放電が検知された2次電池セル名を履歴として記憶装置150に記憶して残す。過放電となった2次電池セルは後で確認可能となる。
ステップS324の動作に基づき、ステップS326の内容が実行される。図7のフラグ状態により、図1に記載の通常充電回路200は動作を停止し、さらに通常充電スイッチSW6が開放状態となり、特別な許可がないと閉じない状態となる。また図3に記載の回路では、充電回路210の動作が停止し、充電スイッチSW7が開放状態となり、特別な許可がないと閉じない状態となる。さらに負荷スイッチSW2や負荷スイッチSW4が開放状態となり、閉じない状態となる。さらに図7のフラグのセット状態により、図1や図3において、ユーザの行う充電指示手段PW2の操作に対して、通常制御部130は応答しない。すなわち通常制御部130は充電指示手段PW2の操作を検知してもこれに対応する組電池30への充電動作を実行しない。さらにステップS402からステップS406の診断動作も停止する。またセル電圧バランス回路50に基づく、2次電池セルL1から2次電池セルLN間で行われている蓄電量の均一化動作の制御を停止する。ステップS328でユーザに対応した動作を停止した状態を維持する。この後ステップS342で示すように、ユーザが充電指示手段PW2の操作を行っても、ステップS344で記載の如く、電源装置100は応答しない。
2.4.2 図10に記載のステップS342からステップS344の詳細説明
図11にステップS342からステップS344の詳細動作を記載する。ステップS328の動作停止状態において、ステップS342でユーザが充電指示手段PW2を操作すると、通常制御部130はステップS362を実行し、状態記憶部152の記憶内容を確認する。状態記憶部152の記憶内容が図7に示す動作停止状態にフラグがセットされた状態であると、ステップS364から通常制御部130の実行がステップS328へ移り、動作停止状態を継続する。結果的に図10で記載のステップS344の状態となる。本来は通常制御部130の実行が全てステップS364からステップS328へ移るはずである。図11の開始がステップS328ではなくステップS400であった場合には、ステップS362による状態記憶部152の内容確認において、図7の状態ではなく、図6の状態がありうる、この場合には図5のステップS311へ実行が移る。そしてステップS311からステップS313へ実行が移り、既に説明した図5の動作を、通常制御部130が実行する。
2.4.3 図5や図10、図11に記載のフローチャート記載の実施例の効果
図5や図10に記載のフローチャートのステップS324からステップS328の説明、あるいは図11に記載のステップS342からステップS328の説明、の如く、組電池30を構成する2次電池セルの内の1つのセルであっても、過放電状態になると、ユーザの操作では組電池30への充電ができなくなるように通常制御部130が動作する。もちろん組電池30から電気負荷20への電力供給も停止される。さらに加えて通常制御部130は、セル電圧バランス回路50の動作をも停止する。このようにすることで、組電池30の安全性が維持される。
組電池30を構成する2次電池セルの内の一部のセルが過放電になった場合に、内部短絡等の異常が生じたために2次電池セルが過放電になったのか、2次電池セルは全て正常であるが長期間充電されないままに放置されたので過放電状態になったのか、検査しないと判別できない。もし2次電池セルに内部短絡等が生じている場合に、発火する恐れがある。このため過放電状態の2次電池セルを充電することは大変危険である。また過放電状態の2次電池セルに対して、セル電圧バランス回路50により他の2次電池セルの電力を供給することも非常に危険である。従って上述の実施例では、組電池30への充電動作やセル電圧バランス回路50の動作が停止される。このことにより高い安全性を維持できる。
2.5 実施例1および実施例2においての過放電状態からの復帰制御の説明
2.5.1 過放電状態からの復帰のための操作の説明
図1や図3に記載の充電復帰指示手段PW4は、組電池30を構成する2次電池セルの一部または全部が過放電状態にある場合の、過放電状態から通常状態への復帰を指示する操作スイッチである。また充電停止指示手段PW6は過放電からの復帰操作を行った後に、復帰操作を停止する場合に使用するスイッチである。充電復帰指示手段PW4と充電停止指示手段PW6とを同じ操作スイッチとし、2回操作すると復帰動作を中止するようにしても良い。誤操作が生じにくい方が良く、この実施例では別々に設けている。
上述したように、過放電からの復帰には危険性が伴うので、ユーザ自身が復帰操作を行えないようにしている。例えば図1と図2記載の実施例1では、蓋62を有するケース本体60の内部に充電復帰指示手段PW4や充電停止指示手段PW6およびこれらの指示手段に伴う復帰動作中の表示を行う表示部160を配置している。従って技術者が蓋62を開けることにより、過放電状態からの復帰が可能となる。また図3や図4に記載の実施例では、電源装置100の外部接続端子14に復帰操作装置146を接続することにより、過放電からの復帰動作が可能となる。復帰操作装置146は通常使用しない装置で、サービスマン等がユーザの依頼に基づいて、復帰操作部145を持参し、電源装置100の外部接続端子14に接続する。このような方法をとることで、安全性が維持される。
また図3や図4に記載の実施例2では、復帰操作部145を異なる機種にも共用して使用できるので、サービスマン等は幅広くユーザの依頼に対応できる。また図1や図2に記載の実施例1であっても、外部接続端子14に通信装置15を接続することにより、サービスセンタから遠隔操作で過放電からの復帰を可能にすることができる。例えば離島や山頂などの遠隔の地における電源装置100を復帰する場合にサービスマンがいなくても対応でき、便利である。
2.5.2 過放電状態からの復帰のための動作の説明
2.5.2.1 異常診断の説明
図12に記載のフローチャートは、復帰制御部140による過放電からの復帰動作を示す。図5や図10に記載のステップS328の状態において、図12に記載のステップS451で充電復帰指示手段PW4の操作が行われると、ステップS452で状態記憶部152の記憶状態を図13の状態に変更される。図13の状態は、復帰状態の欄にフラグがセットされ、通常状態や動作停止状態の欄は何れもフラグがリセットされる。次にステップS453からステップS455で、2次電池セルL1から2次電池セルLNに対して異常診断を行う。まずステップS453でセル電圧計測回路40を動作させて組電池30を構成する2次電池セルL1から2次電池セルLNの端子電圧を計測する。次に実施例1においては復帰充電回路250から復帰充電スイッチSW8を介して組電池30に診断用パルス電圧を印加する。この場合の電流値は非常に小さい値とする。また実施例2では充電回路210から充電スイッチSW7を介して組電池30に診断用パルス電圧を印加する。この場合も同様電流値は非常に小さい値とする。
同時にステップS454で、組電池30への前記パルス電圧の供給に対する2次電池セルL1から2次電池セルLNの各々の端子電圧の波形を、セル電圧計測回路40により、検知する。この検出した端子電圧の波形を基にステップS455で、各セルについて、異常の有無を診断する。もし内部短絡が生じていると、前記セルの端子間の電圧変化が小さい。このように組電池30の両端にパルス波形を加えた場合の各2次電池セルの端子電圧の変化を基に、異常診断を行う。ここで異常診断とは2次電池セルの内部にマイクロショートが発生していないかどうかの診断である。内部マイクロショートなどの異常が検出されない場合には、以下で説明する過放電からの復帰のための充電が行われるが、所定時間経過がステップS562で計測されて、再びステップS453からステップS456が実行され、繰り返し診断が行われる。このようにして安全性が確保され維持される。
もしマイクロショートなどの異常が検知されると、発火等の恐れがあるので、復帰制御部140の実行はステップS456からステップS472へ移る。ステップS472では、異常が検知された2次電池セルが記憶装置150に登録される。さらにステップS474で異常状態の2次電池セル名が表示部160に表示される。表示部160は内部にメモリを有しているので、表示された異常状態の2次電池セル名は後で表示部160から読み出すことができる。もちろん記憶装置150へステップS472で記憶したので、記憶装置150からも読み出すことができる。
組電池30を再利用する目的から、組電池30を構成する2次電池セルを個々に分けるようにして分解し、再度組電池30を作り直すなどの場合に、2次電池セルの再利用時に異常が発生しているセルを取り除くことが必要となる。表示部160が有する記憶装置に異常な2次電池セルを記憶しておくことで、再利用時にそのデータが利用できる。
2.5.2.2 異常セルの安全確保の説明
異常の診断結果が出た2次電池セルについて、ステップS476からステップS478により、蓄えられている電荷を抜く作業を行う。異常が生じている2次電池セルに電荷が残っていると発火する恐れがある。従ってステップS475で異常が検知された2次電池セルの端子電圧を計測し、ステップS476で異常発生セルに電荷が残っているかどうかを診断する。電荷が残っている場合には、ステップS476から復帰制御部140の実行がステップS478へ移り、セル電圧バランス回路50を用いて異常2次電池セルの電荷を放電する。このことにより、異常セルの内部短絡電流を低減でき、発火を防止できる。ステップS478の後再びステップS475が実行され、異常2次電池セルの電荷が所定量以下になった時点でステップS476からステップS480へ実行が移り、動作が停止される。
ステップS453で組電池30を構成する各2次電池セルの端子電圧が計測される。次に参考として各2次電池セルの端子電圧がステップS457で表示部160に表示される。この表示により、組電池30を構成する2次電池セルの端子電圧のバラツキ、さらには電気的な特性のバラツキが判断できる。バラツキが大きいことは好ましくないことであり、組電池30の全体的な効率も低下する。
2.5.2.3 過放電状態からの復帰完了の判断
以下に説明するステップS512からステップS534で過放電からの復帰のための充電電流値が設定され、復帰充電回路250や充電回路210から組電池30に充電電流が供給され、組電池30を構成する各2次電池セルに電荷が蓄えられることで、やがて過放電状態から通常状態に復帰する。これらについて以下で説明するが、ステップS460で計測された2次電池セルの端子電圧から、過放電状態からの復帰完了の判断を行う。組電池30を構成する各2次電池セルの過放電状態が完全に終了すると、ステップS462において、状態記憶部152の内容が書き換えられる。すなわち図13の内容から図6の内容に書き換えられる。これにより、図9の状態から図8の状態に書き換えられる。セル電圧バランス回路50が動作可能状態となり、セル電圧バランス回路50の動作が再開される。
この結果ユーザが図1や図3に記載の充電指示手段PW2を操作することにより、ユーザによる電源装置100の充電が可能となり、また組電池30から電気負荷20への電力の供給が可能となる。さらにセル電圧バランス回路50が動作を開始し、組電池30を構成する2次電池セル間の蓄電量の均一化が図られる。図5に記載の動作が通常制御部130により実行される。
2.5.2.4 過放電状態での充電電流の設定
ステップS512からステップS534までの手順で、過放電状態にある組電池30への充電電流が設定される。上述のとおり、安全を維持しながら充電電流を供給することが必要であり、ステップS520において組電池30へ供給する電流値が設定される。電流値は図14と図15に記載の2つの観点から決められる。
図14は組電池30を構成する2次電池セルのバラツキの差が大きい場合に組電池30への充電電流値を小さくし、逆に差が小さい場合に組電池30への充電電流値を大きくすることを示している。過放電状態では、セル電圧バランス回路50の動作を停止しているので、2次電池セルの特性に差があると端子電圧の差としてあらわれる。グラフ1は組電池30を構成する2次電池セルの内の最低電圧と最高電圧との差、あるいは2次電池セルの内の最低電圧と2次電池セル全体の平均電圧との差を表している。グラフ2は組電池30へ供給する充電電流の大きさを表している。グラフ1の値が大きい状態では、各2次電池セルの端子電圧のバラツキが大きいとしてグラフ2の値である充電電流値を小さく設定する。逆にグラフ1の値が小さい状態は、バラツキが小さいとして充電電量であるグラフ2の値を大きくする。各2次電池セルの端子電圧はステップS453で所定周期毎に計測される。従って新しい計測結果に基づいて、図14の関係を求め、組電池30への充電電流値を変えていくことが好ましい。
具体的な決め方としては、グラフ1の値をパラメータとして、組電池30への充電電流であるグラフ2の数値との関係をテーブル状態に配置し、グラフ1の値をステップS453の計測値から求め、この求めた値に従って上記テーブル状態に配置された値をテーブル検索で求めるようにすればよい。合わせて補完方法を用いるようにすれば演算精度がさらに向上する。
また図14の要素に加え、図15の要素を考慮して、組電池30の充電電流を設定することが望ましい。図15の要素は、組電池30へ充電電流を供給した場合に2次電池セルの内の最低端子電圧と最大端子電圧との差が急激に増大する場合には、充電電流値を下げる内容である。組電池30への電流値の供給に従って増大する2次電池セルの端子電圧の差は、グラフ3に比べグラフ4の方が増大している。グラフ3の場合は、充電電流を増大して良いが、グラフ4の場合は、充電電流を少なくすることが望ましい。すなわち長い時間を掛けて、少しずつ充電電流を供給し、過放電状態から通常状態へ移して行くことが好ましい。
図15は見方を変えると、供給した充電電流に対して端子電圧の上昇が少ない2次電池セルが存在する場合は、グラフ4に示す傾向となる。この場合は充電電流を小さくすることが望ましい。端子電圧の上昇が少ない場合に、マイクロショートが発生している場合がある。しかし初期の状態では、ステップS453からステップS456で、微小のマイクロショートを検知しきれない場合がある。徐々に充電を行うことで、もし内部にマイクロショートが発生している場合は、検知可能となる。ステップS520の前記内容に基づいてステップS530で充電電流値を設定することが好ましい。電流値の設定方法として、復帰充電回路250や充電回路210からパルス状の電流値を供給し、パルスの波高値を上下させて、電流値を設定しても良い。他の方法としてパルス状の電流値の値は大きく変化させないで、パルス間隔を調整して電流値を調整しても良い。しかし過放電状態において大きな電流を供給することは安全上好ましくないので、波高値の小さいパルス電流で組電池30を充電することとし、パルス間隔を調整して電流値を調整することが最も好ましい。上述したように過放電状態における電流値は小さい方が安全であり、ステップS534に記載のように、組電池30への電流値を単位Cで表した場合、1/10から1/100の範囲が好ましい。
2.5.2.5 過放電状態から復帰までの時間の表示
上述したとおり、非水電解質2次電池においては、過放電状態から通常状態への復帰は時間を掛けてゆっくり行うことが好ましい。しかしこの復帰動作はユーザではなくサービスマン等が行うことになる。従ってユーザに対して過放電状態から復帰までにどの程度の時間が掛かるかを知らせる必要性が出てくる。ステップS520からステップS534で設定された組電池30への充電電流値を基に、ステップS536で復帰までの時間を計算して、この計算結果に基づいて復帰時間を求め、復帰情報として表示部160に表示する。なお、ステップS520からステップS534で設定された電流値は、図12に記載のフローチャートを繰り返し実行するに伴い徐々に変化していく。従ってステップS536において新たな電流値に基づいて、復帰にかかる時間を演算し、表示部160の表示を最新の情報に基づいて書き換えることが好ましい。
2.5.2.6 組電池30の劣化度の表示と復帰中止の実行
組電池30を構成する2次電池セルL1から2次電池セルLNにおいて特性のバラツキが大きくなると、組電池30全体の効率が低下する。さらにそれだけでなく、電池としての蓄電能力も低下する。すなわち直列接続された2次電池セルの内の最も蓄電能力の低下した2次電池セルに引きずられる状態で組電池30の全体の能力が定まる傾向となる。このため各2次電池セルにおいて、マイクロショートなどの異常が生じていなくても、使用を止めた方が良い場合がある。このような観点での判断が可能となるように、ステップS538で特性のバラツキの大きさを基に劣化度を演算で求め、表示部160に出力する。
図16は劣化度を説明するグラフである。グラフ1は図14のグラフ1と同じであり、端子電圧の最も高い2次電池セルの端子電圧と最も低い端子電圧との差、あるいは2次電池セルの端子電圧の全体に於いての平均値と最も低い端子電圧との差を表している。その差が大きい場合は劣化が進んでいると判断する。劣化度をグラフ6であらわしている。上述のとおり、ステップS453での計測値に基づく劣化度が表示部160に表示されるのでサービスマンやユーザがそれを見て、過放電からの復帰操作を行うかどうかを判断できる。また劣化度が大きくなると、効率が非常に悪くなる。さらに製品寿命が短くなる。また過放電に陥りやすくなる。このようなことから、ステップS542で劣化度の判断を行う。劣化度が基準値より大きい場合に、ステップS544で表示部160に表示する形の警告を出す。劣化度の表示やステップS544の警告を基に、現製品に見切りをつけ、過放電からの復帰を中止することも重要な選択肢である。図16をパラメータとして、劣化度を表すグラフ6のデータからテーブル検索による演算方法で、劣化度を求めるように手も良い。
ステップS552からステップS558は、過放電状態からの復帰を中止するための復帰制御部140の実行手順を示す。劣化度が大きい場合に、過放電状態から復帰させる効果が薄れるため、ユーザ等の意思で過放電からの復帰制御を中止することができる。充電停止指示手段PW6の操作が行われると、復帰制御部140の実行がステップS552からステップS554へ移り、本当に過放電からの復帰を停止しても良いのかどうかの再確認がステップS554で行われる。もう一度過放電状態からの復帰をやめるとの入力を充電停止指示手段PW6から行うと、ステップS554からステップS556へ実行が移り、ステップS558で過放電からの復帰動作が停止する。状態記憶部152に記憶されている図13の内容が図7の状態にステップS558において変更になる。過放電状態からの復帰作業が行われる場合には、ステップS562で時間が計測され、所定時間周期でステップS453が再実行される。このようにしてステップS460で過放電状態から通常状態への復帰が終了するまで、上記動作が実行される。充電状態の変化に基づいて絶えずステップS453で各2次電池セルの端子電圧等が計測され、最新の情報に基づいて異常診断や充電電流の設定が行われる。また劣化度の検知もステップS538で、図16や図17に記載の観点に基づいて繰り返し演算される。高い安全性が得られるだけでなく、安全性に基づく充電電流の設定が繰り返し行われる。安全性を確保できる上での大きな電流値が充電電流として設定されることになり、結果として安全が重視されたうえでの最短時間での復帰が実現できる。
図18は、図1に記載の実施例1で通信装置15の機能を利用した場合、あるいは図3に記載の実施例2において、送受信装置16を使用した場合の動作状態を説明するフローチャートである。電源装置100からの通信先がサービスセンタ等の技術サポートセンタ600であるとして説明する。ステップS702で電源装置100から技術サポートセンタ600へ過放電復帰動作開始の通知が送信される。この送信に対してステップS602で対象製品名の報告が要求させる。ステップS704で、電源装置100から、電源装置100の製品名として例えば製造番号等を報告する。合わせて組電池30の製造番号等を組電池30の名称として送付しても良い。これらの情報から技術サポートセンタ600において、対象の電源装置100や組電池30を特定できる。
電源装置100や組電池30の製造番号から技術サポートセンタ600はステップS604で、色々な判断条件等を電源装置100や復帰操作部145へ連絡する。連絡内容としては例えば、過放電状態の判断条件、過放電からの復帰状態へ戻ったことを判断する判断条件、マイクロショートなどの異常状態の有無の検知に係る判断条件、劣化状態を求めるための判断条件、過放電状態での充電電流を演算するためのデータ、などである。なおここで演算とは、数学的な計算だけでなく、例えば2次電池セルの端子電圧のバラツキと劣化度とのテーブルから検索により劣化度を求めるなどのテーブル検索の手法も含まれる。このように技術サポートセンタ600から、電源装置100に対応したおよび組電池30に対応した色々な条件や演算データを送ることにより、図1や図3に記載の復帰制御部140が、上記ステップS604により送られてきた条件や演算データを基に、復帰動作を実行し、演算によりステップS712での充電電流値の設定やステップS536、ステップS538の演算を行う。
ステップS708で過放電状態かどうかについての診断を、2次電池セルL1から2次電池セルLNについてそれぞれ行う。具体的には図5に記載のステップS303やステップS310、あるいは図10に記載のステップS404やステップS406で説明したとおりである。その結果として過放電となっている2次電池セルが特定され、そのセルの名称がステップS606で技術サポートセンタ600に記憶され保持される。さらにステップS455で診断が実行され、その結果がステップS606で技術サポートセンタ600に記憶される。ステップS455の診断内容は図12のステップS455において説明したとおりである。もしステップS455で異常が検知されると、組電池30の過放電状態からの復帰が極めて危険であり不可能である。従って図12のステップS472からステップS480が実行され、復帰動作が停止される。
ステップS456で異常が検知されない場合にステップS460において、過放電状態から通常状態への復帰が終了したかどうかが検知される。これは、この後説明するステップで、組電池30に充電電流が供給され、このような手順を繰り返すことにより、やがて過放電状態から通常状態に復帰することになるからである。なおこのステップS460は図12のステップS460で説明したとおりである。もし過放電状態から通常状態への復帰が終了していれば、図18に記載の動作が終了し、ステップS606で技術サポートセンタ600に復帰完了が報告され記憶される。さらにこれに続き図12で説明したようにステップS462が実行されるが、記載を省略している。
ステップS460で、過放電状態から通常状態への復帰が終了していない場合には、ステップS712に復帰制御部140の実行が移り、図12で説明のステップS520からステップS534が実行される。これにより、組電池30への充電電流が設定される。このステップS712は、過放電状態が終了するまで繰り返し実行され、さらに図12のステップS520からステップS534で説明したごとく、ステップS453で組電池30を構成する2次電池セルの最新の端子電圧が繰り返し検出され、最新の検出結果に基づいて充電電流が設定される。このため安全上において最新の注意が払われる。また安全性が確保されれば充電電流を増やすことも行われる。従って安全性が確保された状態での最短の条件で過放電状態からの復帰が可能となる。図18では、ステップS708に図12に記載のステップS453からステップS456が含まれているとして、記載や説明を省略している。
充電電流が最新の状態に基づいて、図14や図15に基づくテータによるテーブル検索の手法により演算され、設定される。これは図12におけるステップS520における演算と同じである。この演算結果に基づいて、図12に記載のステップS530やステップS534に従って、ステップS712の演算が行われ、組電池30への充電電流が制御される。この充電電流に基づいて、ステップS536で繰り返し過放電状態からの復帰の終了時間が演算される。このステップS536は図12のステップS536で説明したとおりである。次にステップS538が実行される。このステップS538は図12においてステップS538からステップS544で説明したとおりである。この劣化状態は表示部160に表示される。この表示に基づいて、過放電状態からの復帰中止の判断が可能となる。従って図18では説明を省略しているが、図12のステップS552からステップS558の動作が実行される。すなわち過放電状態からの復帰中止の指示があると、図18のステップS552で過放電からの復帰動作が中止される。図18において、ステップS708からステップS552の結果がステップS606により、技術サポートセンタ600にも記憶される。この記憶内容は、組電池30の使用済みの2次電池セルを再利用して新たな組電池30を作る場合に、組み合わせの2次電池セルのグループを作るときに利用される。さらにまた、前回の過放電状態からの復帰時に対して、劣化の大きく変化した2次電池セルを抽出することが可能となり、このデータが寿命予測や安全性の予測に使用できる。
図18のステップS552の実行後、例えば図12のステップS562のように所定時間の経過を待って再びステップS708が実行される。このようにしてステップS460で過放電から通常状態への復帰が完了するまで、上述の復帰動作が継続される。
10・・・電源、12・・・電源コネクタ、14・・・外部接続端子、16・・・送受信装置、17・・・キャップ、18・・・負荷コネクタ、20・・・電気負荷、30・・・組電池、40・・・セル電圧計測回路、50・・・セル電圧バランス回路、60・・・ケース本体、62・・・蓋、70・・・回路基板、100・・・電源装置、102・・・バスライン、105・・・制御部、110・・・駆動部本体、128・・・簡易表示部、130・・・通常制御部、・・・140・・・復帰制御部、145・・・復帰操作部、146・・・復帰操作装置、147・・・蓋、150・・・記憶装置、152・・・状態記憶部、160・・・表示部、200・・・通常充電回路、202・・・充電表示、210・・・充電回路、復帰250・・・充電回路、252・・・充電表示、PW2・・・充電指示手段、SW4・・・負荷スイッチ、PW4・・・充電復帰指示手段、PW6・・・充電停止指示手段、SW8・・・復帰充電スイッチ。

Claims (7)

  1. 非水電解質2次電池を備えた電源装置であって、
    非水電解質2次電池セルを複数個直列接続してなる組電池と、
    前記組電池の前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧をそれぞれ計測するセル電圧計測回路と、
    前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧がそれぞれ近い値となるように前記各非水電解質2次電池セルの蓄電電力を制御するセル電圧バランス回路と、
    前記組電池の通常状態における前記組電池の充電動作の開始を指示する充電指示手段と、
    前記組電池の充電動作および電気負荷への前記組電池からの電力供給動作を制御する制御部と、
    前記組電池に対する過放電状態からの復帰のための充電制御を前記制御部に指示する充電復帰指示手段と、
    前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を停止する指示を行う充電停止指示手段と、
    表示部と、を有し、
    前記制御部は、前記セル電圧計測回路の計測結果に基づき、前記非水電解質2次電池セルの内の少なくとも一つの非水電解質2次電池セルの端子電圧の値が過放電検知電圧より低くなったことにより、前記組電池が過放電状態であると判断すると、前記組電池への充電動作および前記電気負荷への電力供給動作さらに前記セル電圧バランス回路の動作を停止し、
    前記制御部は、前記充電復帰指示手段の前記指示に基づいて、前記組電池を構成する前記各非水電解質2次電池セルの診断を行い、前記非水電解質2次電池セルにおいて内部短絡による不良が検出された場合には前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を停止し、一方前記不良が検知されない場合には前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御を実行し、
    さらに前記制御部は、前記セル電圧バランス回路の動作を停止した状態における、前記組電池を構成する前記各非水電解質2次電池セルの端子電圧に基づいて前記組電池の劣化状態を演算して前記表示部に前記組電池の前記劣化状態を表示し、
    さらに前記制御部は、前記充電停止指示手段からの指示が入力されると、前記充電復帰指示手段の指示に基づく、前記組電池に対する前記過放電状態からの復帰のための充電制御の前記実行を停止する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  2. 請求項1に記載の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
    前記非水電解質2次電池を備えた電源装置は、蓋を有するケース本体を備え、
    前記充電指示手段は前記蓋を有する前記ケース本体の表側に設けられ、
    前記充電復帰指示手段は前記蓋を有する前記ケース本体の内側に設けられている、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  3. 請求項1に記載の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
    前記制御部は、前記組電池が前記通常状態にある場合の前記組電池への充電制御を行う通常制御部と前記組電池が過放電状態にある場合の前記組電池への充電制御を行う復帰制御部とを有し、
    さらに前記非水電解質2次電池を備えた電源装置は蓋を有するケース本体を有し、
    前記蓋を有する前記ケース本体には、外部接続端子が設けられ、
    前記蓋を有する前記ケース本体の内部に、前記組電池と前記セル電圧計測回路と前記セル電圧バランス回路と前記通常制御部とが設けられ、
    前記蓋を有する前記ケース本体とは別体に設けられた復帰操作部に前記復帰制御部と前記表示部と前記充電復帰指示手段と前記充電停止指示手段が設けられていて、
    前記通常制御部と前記復帰制御部とは前記外部接続端子を介して接続されることにより互いにそれぞれの動作に必要な情報を転送しあう、ことを特徴とする、非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の内の一に記載の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
    前記制御部は、過放電状態にある前記組電池へ供給するための充電電流の値を基に、過放電状態から通常動作状態へ戻るまでの復帰時間を演算により求め、演算で求めた前記復帰時間を基に前記表示部に復帰予定時間情報を表示する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の内の一に記載の非水電解質2次電池を備えた電源装置、において、
    前記制御部は、過放電状態にある前記組電池への充電電流の値を基に過放電状態から前記通常状態に復帰しさらに前記組電池が基準充電状態に至るまでの充電完了時間を演算により求め、前記充電完了時間を前記表示部に表示する、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の発明の内の一の発明の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
    過放電状態にある前記組電池を前記通常状態に復帰させるために前記組電池に供給する充電電流値は、10分の1のCレートから100分の1のCレートである、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
  7. 請求項6に記載の非水電解質2次電池を備えた電源装置において、
    前記組電池を構成する電圧と他の端子電圧との差が大きいAの場合に対して、前記2次電池セルの各端子電圧の内の最低端子電圧と他の端子電圧との差が小さいBの場合の方が、過放電状態での充電電流が大きい値となる、ことを特徴とする非水電解質2次電池を備えた電源装置。
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