JP2023019404A - アスベスト等の有害物質を含有する廃棄物の無害化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アスベストなどの有害物質を含有する廃棄物を効率的に溶融無害化処理することが可能な方法を提供する。【解決手段】有害物質含有廃棄物を粉砕する粉砕工程と、前記廃棄物を乾燥する乾燥工程と、前記粉砕工程と前記乾燥工程を経た粉砕乾燥物にレーザ光を照射して溶融する溶融工程とを有し、前記溶融工程において、複数のレーザ光を前記粉砕乾燥物に照射して前記粉砕乾燥物を溶融する。【選択図】図1
Description
本発明はアスベスト等の有害物質を含有する廃棄物の無害化処理方法に関するものである。
アスベストは、耐熱性、耐薬品性及び絶縁性等、工業的に優れた特性を持つため、広く産業分野で利用されてきたが、微細な繊維状結晶の集合体であるアスベストは、アスベスト含有物質を回収、処理する過程で、容易に細かくなって飛散し、飛散したアスベストを人が吸引すると、肺細胞に刺さり、石綿肺、肺ガン、中皮腫などの悪性疾患を引き起こすため、現在は原則としてアスベストの使用は禁止されている。
しかし、かつて多量のアスベストが建築資材として使用されており、含アスベスト建築資材を用いた建造物の解体で生じる廃棄物処理が大きな問題となっている。現在、アスベスト含有廃棄物の大半は有害産業廃棄物として最終処分場に埋め立てられているが近年の環境意識の高まりを受けて今後新たな処分場を確保するには困難が予想される。また、震災などの災害によるがれき処理は現在は一般廃棄物として処理されるがアスベスト飛散が今後問題視される可能性がある。
これまで種々のアスベストの無害化処理技術が提案されている。例えば特許文献1では、特定の多孔質シリカによってアスベスト含有物を被覆し、被覆体を加熱処理して脱水反応によりアスベストを分解し、これに伴う水蒸気を多孔質シリカの細孔から放散する技術が提案されている。また特許文献2では、アスベストにレーザ光を照射してアスベストを溶融させて無害化する技術が提案されている。
特許文献1の提案技術では、多孔質シリカ溶液にアスベスト含有物を浸潤させ、その後に加熱して分解処理するので、無害化処理に時間がかかり大量のアスベスト含有廃棄物を迅速に処理することは難しいと考えられる。またアスベストを脱水反応によって他の物質に変化させてもアスベストの繊維形状がそのまま残ることがあり必ずしも無害化されたとはいえない。そしてまた特許文献2の提案技術は建築物の設置現場における無害化処理を主目的としており、廃棄されたアスベスト含有物の処理は主対象とはされていない。
そこで本発明の目的は、アスベストなどの有害物質を含有する廃棄物を効率的に溶融無害化処理することが可能な方法を提供することにある。
前記目的を達成する本発明に係る無害化処理方法は、アスベストなどの有害物質を含有する廃棄物(以下、単に「廃棄物」と記すことがある。)を無害化処理する方法であって、前記廃棄物を粉砕する粉砕工程と、前記廃棄物を乾燥する乾燥工程と、前記粉砕工程と前記乾燥工程を経た粉砕乾燥物にレーザ光を照射して溶融する溶融工程とを有し、前記溶融工程において、複数のレーザ光を前記粉砕乾燥物に照射して前記粉砕乾燥物を溶融することを特徴とする。
前記構成の無害化処理方法において、前記溶融工程では、前記粉砕乾燥物を移動させて、移動中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融するのが好ましい。
また前記構成の無害化処理方法において、前記溶融工程では、透光性を有する管または筒状に形成された空気流の内側で前記粉砕乾燥物を移動させて移動中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融するのが好ましい。
また前記構成の無害化処理方法において、前記溶融工程では、前記粉砕乾燥物を自重落下させて、落下途中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融するのが好ましい。
また前記構成の無害化処理方法において、前記複数のレーザ光が、前記粉砕乾燥物の移動路の中心軸を中心とする仮想円筒上の複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される構成としてもよい。
ここで、前記複数のレーザ光が、前記仮想円筒上の周方向に所定距離隔てた複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される構成としてもよい。また前記複数のレーザ光が、前記粉砕乾燥物の移動方向に所定間隔の複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される構成としてもよい。
また前記構成の無害化処理方法において、前記溶融工程で溶融した溶融物を所定形状に成形する第1成形工程をさらに設けてもよい。
また前記構成の無害化処理方法において、前記溶融工程の前工程として前記粉砕乾燥物を所定形状に成形する第2成形工程を設けてもよい。前記第2成形工程では、前記粉砕乾燥物を棒状または板状に成形するのが好ましい。
本発明の無害化処理方法によれば、アスベストなどの有害物質を含有する廃棄物を効率的に溶融無害化処理することが可能となる。また無害化処理後の溶融物(スラグ)は路盤材などとして再利用することも可能となる。
(第1実施形態)
本発明に係る廃棄物の無害化処理方法では、例えばアスベストを含有する廃棄物の場合にはアスベストの溶融温度(約1500℃)以上に廃棄物を加熱して溶解して無害化する。図1に本発明に係る無害化処理方法の一例を示す概説工程図を示す。様々な形状の廃棄物91は粉砕装置1によって粉砕されて所望の大きさの粉砕物92とされる。そして粉砕物92は乾燥装置2に投入されて乾燥されて粉砕乾燥物93とされる。その後粉砕乾燥物93は溶融炉3に投入され、複数のレーザ光61の照射によって溶融される。その後、溶融炉3から排出される溶融物は、必要により、第1成形装置4によって板状や棒状、粉粒状などの形状の成形品95とされて再利用される。以下、本発明の廃棄物の無害化処理方法の各工程について順に説明する。
本発明に係る廃棄物の無害化処理方法では、例えばアスベストを含有する廃棄物の場合にはアスベストの溶融温度(約1500℃)以上に廃棄物を加熱して溶解して無害化する。図1に本発明に係る無害化処理方法の一例を示す概説工程図を示す。様々な形状の廃棄物91は粉砕装置1によって粉砕されて所望の大きさの粉砕物92とされる。そして粉砕物92は乾燥装置2に投入されて乾燥されて粉砕乾燥物93とされる。その後粉砕乾燥物93は溶融炉3に投入され、複数のレーザ光61の照射によって溶融される。その後、溶融炉3から排出される溶融物は、必要により、第1成形装置4によって板状や棒状、粉粒状などの形状の成形品95とされて再利用される。以下、本発明の廃棄物の無害化処理方法の各工程について順に説明する。
(粉砕工程)
廃棄物91の多くは、建築物の解体等で発生した廃材や災害によるがれきなどであり、大きい物では長辺が数mにもなるものがある。後述の溶融工程においてレーザ光照射によって効率的且つ確実に廃棄物91を溶融させるためには、廃棄物91はある程度の大きさまで小さくしておく必要がある。
廃棄物91の多くは、建築物の解体等で発生した廃材や災害によるがれきなどであり、大きい物では長辺が数mにもなるものがある。後述の溶融工程においてレーザ光照射によって効率的且つ確実に廃棄物91を溶融させるためには、廃棄物91はある程度の大きさまで小さくしておく必要がある。
粉砕装置1としては従来公知の粉砕装置を用いることができる。例えば、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、コーンクラッシャー、ロールクラッシャー、ダブルロールクラッシャー、ジャイレトリークラッシャー、インパクトクラッシャー、カッターミルなどの粉砕装置が使用できる。また必要により、廃棄物91が所望の大きさとなるまで粉砕を多段階に分けて行ってもよい。粉砕物92の最終的な大きさとしては数十mm程度であるのが好ましい。なお、廃棄物91の粉砕処理は、アスベストが装置の周囲に飛散しないように外部から遮蔽された空間で行うのが望ましい。粉砕装置は連続式およびバッチ式のいずれでもよいが、処理量を高める観点からは連続式のものが望ましい。
(乾燥工程)
廃棄物91の多くは通常幾ばくかの水分を含んでいる。水分を含んだ廃棄物91を、後述の溶融工程においてレーザ光61を照射して加熱すると水蒸気爆発を起こす虞がある。このため、廃棄物91は溶融工程の前に乾燥させる必要がある。なお、乾燥工程は、溶融工程の前であればよく、粉砕工程の前であってもよいし後であってもよいが、乾燥効率の観点からは粉砕工程において廃棄物91を小さく粉砕した後に乾燥するのが望ましい。
廃棄物91の多くは通常幾ばくかの水分を含んでいる。水分を含んだ廃棄物91を、後述の溶融工程においてレーザ光61を照射して加熱すると水蒸気爆発を起こす虞がある。このため、廃棄物91は溶融工程の前に乾燥させる必要がある。なお、乾燥工程は、溶融工程の前であればよく、粉砕工程の前であってもよいし後であってもよいが、乾燥効率の観点からは粉砕工程において廃棄物91を小さく粉砕した後に乾燥するのが望ましい。
乾燥装置2としては従来公知のものを用いることができる。例えば、トンネル乾燥器、バンド乾燥器、竪型乾燥器、ロータリー乾燥器などが挙げられる。乾燥装置は連続式およびバッチ式のいずれでもよいが、処理量を高める観点からは連続式のものが望ましい。また、後工程である溶融工程では溶融炉3内は例えば1500℃以上に加熱されるので、この溶融炉3の熱を乾燥装置2に利用して廃棄物91の乾燥を行うのが効率的である。
(溶融工程)
溶融工程では、前記粉砕工程と前記乾燥工程を経た粉砕乾燥物93に複数のレーザ光61を照射して粉砕乾燥物93を溶融させてアスベストなどの有害物質の無害化を図る。粉砕工程および乾燥工程を経た粉砕乾燥物93は溶融炉3に投入され、溶融炉3内において複数のレーザ光61の照射によって加熱され溶融する。レーザ光照射による粉砕乾燥物93の加熱温度は有害物質の溶融温度(アスベストの場合:約1500℃)以上である。
溶融工程では、前記粉砕工程と前記乾燥工程を経た粉砕乾燥物93に複数のレーザ光61を照射して粉砕乾燥物93を溶融させてアスベストなどの有害物質の無害化を図る。粉砕工程および乾燥工程を経た粉砕乾燥物93は溶融炉3に投入され、溶融炉3内において複数のレーザ光61の照射によって加熱され溶融する。レーザ光照射による粉砕乾燥物93の加熱温度は有害物質の溶融温度(アスベストの場合:約1500℃)以上である。
レーザ出力装置6a,6b(以下、総称して「レーザ出力装置6」と記すことがある。)は溶融炉3の外周に複数設置される。レーザ出力装置6a,6bのレーザ出射口に対向する溶融炉3の位置には耐熱性を有する透光性の光学窓31が設置されている。光学窓31によって粉砕乾燥物93の照射されるレーザ光61のスポットの形状及び大きさが制御される。例えば図2(a)に示す光学窓31aは、レーザ光61の入射面および出射面が平行平面であり、光学窓31aの入射面から入射したレーザ光61は平行光のまま出射面から出射して粉砕乾燥物93に照射する。同図(b)の光学窓31bはレーザ光61の入射面および出射面が外方に向かって凸面であり、光学窓31bの入射面から入射したレーザ光61は集束されて出射面から出射して所定のスポット径に絞られて粉砕乾燥物93に照射する。レーザ光61の集束の程度を制御することによって粉砕乾燥物93への照射スポットの大きさを制御できる。同図(c)の光学窓31cはレーザ光61の入射面および出射面が内方に向かって凸面であり、光学窓31cの入射面から入射したレーザ光61は発散されて出射面から出射し所定のスポット径に拡大されて粉砕乾燥物93に照射する。レーザ光61の発散の程度を制御することによって粉砕乾燥物93への照射スポットの大きさを制御できる。
上方から自重落下する粉砕乾燥物93にレーザ光61が的確に照射するように、また加熱溶融した粉砕乾燥物が溶融炉3内に飛散しないように、溶融炉3内に中心軸が上下方向となるようにガラス管などの透光性の管32(図1に図示)を設けて、この管32の内部を粉砕乾燥物93が落下するようにしてもよい。また透光性の管32に換えて例えばエアーカーテンなどの筒状に形成された空気流の中に粉砕乾燥物93を落下させてもよい。
本発明では複数のレーザ光61を粉砕乾燥物93に照射することが重要である。既存のレーザ出力装置では現状では最大出力エネルギーは100kW程度である。一方、今後発生する廃棄物及びこれまでに埋め立て処理された廃棄物を加熱溶融して無害化処理するには少なくとも4万トン/年(4.6トン/時間)程度の処理量を確保する必要があり、このような処理量を達成するのに必要な総エネルギーはおおよそ5000kWである。そうすると、単純計算でも100kW出力のレーザ出力装置6が50基必要となる。
複数基のレーザ出力装置6を溶融炉3に対してどのように配置するかについては、粉砕乾燥物93にレーザ光61が照射できれば特に限定はないが、粉砕乾燥物93を効率的に加熱溶融させる観点からは、レーザ出力装置6は粉砕乾燥物93の落下路の中心軸Oを中心とする仮想円筒VC上に設置するのが好ましい。例えば図3に示すような粉砕乾燥物93の落下路(ガラス管32)の中心軸Oを中心とする仮想円筒VCの周方向に所定間隔(図3では90度)でレーザ出力装置6a~6d設置する。また図4に示すように、粉砕乾燥物93の落下方向(上下方向)に所定間隔で複数個のレーザ出力装置6a~6fを設置する。もちろん周方向および落下方向にそれぞれに所定間隔で設けてもよい。
またレーザ光61のすべてが粉砕乾燥物93に照射する可能性は必ずしも高くなく、レーザ光61の一部は粉砕乾燥物93に照射せず通過することがある。そこで、図5に示すように、溶融炉3の内周壁またはその近傍に粉砕乾燥物93に照射せず通過したレーザ光61を反射させる凹面鏡などの反射部材33a,33b,33c(総称して「反射部材33」と記すことがある。)を設けて、反射したレーザ光61が粉砕乾燥物93に再び向かうようにしてもよい。このような反射を複数回行わせて粉砕乾燥物93へのレーザ光61の照射効率を高めてもよい。また、一連の反射部材33の最後に光吸収部材34を設けてレーザ光61のエネルギーを熱エネルギーに変換し、得られた熱を前記乾燥工程で用いるようにしてもよい。
本発明で使用する溶融炉3としては、例えば有害物質がアスベストの場合にはアスベストの溶融温度(約1500℃)に耐えられるものであれば特に限定はなく従来公知の溶融炉を用いることができる。また、現在休止しているあるいは有効使用されていない既存の溶鉱炉をレーザ照射可能に改変して本発明の溶融炉として活用してもよい。
図1に示すように、溶融炉3内で発生する灰などの粉塵は溶融炉3に付設した飛灰回収装置5によって回収される。溶融炉3内で発生した灰には、アスベストなどの有害物質の外、亜鉛,鉛,銅,カドミウムなどの重金属が含まれている可能性があるため、回収された飛灰はセメントやキレート剤で固定化処理された後に埋立処分される。
(第1成形工程)
溶融炉3から排出される溶融物(スラグ)において、アスベストなどの有害物質は溶融によって無害化されている。このスラグはセメント原料や再生骨材、路盤材、透水性ブロックなどの土木資材の原料として再利用される。またスラグは溶融化によって高密度・高比重となり放射線遮蔽性が向上するので放射線遮蔽材としても利用できる。第1成形装置4によって溶融物は再利用に際して使用しやすい形態、例えば粉粒状、棒状、板状などの成形品95とされる。溶融物の成形は空気中や水中で冷却固化した後であってもよいし、冷却固化する前であってもよい。第1成形装置4としては従来公知のものが使用でき、例えば、シート成形装置やプレス成形装置、粉砕装置などが使用できる。
溶融炉3から排出される溶融物(スラグ)において、アスベストなどの有害物質は溶融によって無害化されている。このスラグはセメント原料や再生骨材、路盤材、透水性ブロックなどの土木資材の原料として再利用される。またスラグは溶融化によって高密度・高比重となり放射線遮蔽性が向上するので放射線遮蔽材としても利用できる。第1成形装置4によって溶融物は再利用に際して使用しやすい形態、例えば粉粒状、棒状、板状などの成形品95とされる。溶融物の成形は空気中や水中で冷却固化した後であってもよいし、冷却固化する前であってもよい。第1成形装置4としては従来公知のものが使用でき、例えば、シート成形装置やプレス成形装置、粉砕装置などが使用できる。
(第2実施形態)
図6に、本発明に係る無害化処理方法の第2実施形態の概説工程図を示す。第2実施形態に係る無害化処理方法では、乾燥工程と溶融工程の間に粉砕乾燥物93を所定形状に成形する第2成形工程を設けた点が第1実施形態の無害化処理方法と異なり、それ以外は第1実施形態の無害化処理方法と同じである。以下、第1実施形態の無害化処理方法と同じ工程についてはその説明を省略し、主として第1実施形態の無害化処理方法と異なる工程について説明する。
図6に、本発明に係る無害化処理方法の第2実施形態の概説工程図を示す。第2実施形態に係る無害化処理方法では、乾燥工程と溶融工程の間に粉砕乾燥物93を所定形状に成形する第2成形工程を設けた点が第1実施形態の無害化処理方法と異なり、それ以外は第1実施形態の無害化処理方法と同じである。以下、第1実施形態の無害化処理方法と同じ工程についてはその説明を省略し、主として第1実施形態の無害化処理方法と異なる工程について説明する。
(第2成形工程)
乾燥装置2から排出された粉砕乾燥物93は第2成形装置7に投入される。第2成形装置7は一対の成形押し出しロール71a,71bを備える。粉砕乾燥物93は成形押し出しロール71a,71bによって所定の厚みを有する板状の成形体94とされ、溶融炉3の上方から下方に向かって溶融炉3内に連続一体で供給される。成形体94は溶融炉3内において複数のレーザ光61の照射によって加熱され溶融する。レーザ光照射による成形体94の加熱温度は有害物質の溶融温度(アスベストの場合:約1500℃)以上である。
乾燥装置2から排出された粉砕乾燥物93は第2成形装置7に投入される。第2成形装置7は一対の成形押し出しロール71a,71bを備える。粉砕乾燥物93は成形押し出しロール71a,71bによって所定の厚みを有する板状の成形体94とされ、溶融炉3の上方から下方に向かって溶融炉3内に連続一体で供給される。成形体94は溶融炉3内において複数のレーザ光61の照射によって加熱され溶融する。レーザ光照射による成形体94の加熱温度は有害物質の溶融温度(アスベストの場合:約1500℃)以上である。
溶融した成形体94は、粒状などの溶融物(スラグ)となって溶融炉3内を落下し排出される。排出された溶融物は、第1実施形態と同様に、第1成形装置4によって所定形状の成形品95とされ土木資材などの原料として再利用される。
成形体94の形状は、第2成形装置7の排出部から溶融炉3のレーザ光61の照射領域まで連続一体の形状であるのがよく、板状の外、棒状などであってもよい。
本実施形態の無害化処理方法では、成形体94を溶融炉3に連続一体で供給するので、成形押し出しロール71a,71bによる成形体94の供給量(供給速度)とレーザ出力装置6の出力とを最適に制御することが可能となる。またレーザ光61は成形体94に確実に照射可能となる。
レーザ出力装置6の溶融炉3に対する設置位置や照射方法などは第1実施形態の例示が本実施形態でも採用可能である。
(その他)
以上説明した実施形態では粉砕乾燥物93を重力落下あるいは板状の成形体94を連続一体に供給して、その途中において粉砕乾燥物93または成形体94に複数のレーザ光61を照射して加熱溶融していたが、コンベアや空気流などの搬送手段によって粉砕乾燥物93または成形体94を搬送移動させ、搬送移動の途中でレーザ光61の照射を行ってもよい。
以上説明した実施形態では粉砕乾燥物93を重力落下あるいは板状の成形体94を連続一体に供給して、その途中において粉砕乾燥物93または成形体94に複数のレーザ光61を照射して加熱溶融していたが、コンベアや空気流などの搬送手段によって粉砕乾燥物93または成形体94を搬送移動させ、搬送移動の途中でレーザ光61の照射を行ってもよい。
本発明の無害化処理方法によれば、アスベストなどの有害物質を含有する廃棄物を効率的に溶融無害化処理することができ、また無害化処理後の溶融物(スラグ)は路盤材などとして再利用することもできる。
1 粉砕装置
2 乾燥装置
3 溶融炉
4 第1成形装置
5 飛灰回収装置
6,6a,6b,・・・,6f レーザ出力装置
7 第2成形装置
30 溶融炉本体
31,31a,31b,31c 光学窓
32 ガラス管
33 反射部材
34 光吸収部材
61 レーザ光
91 廃棄物(有害物質含有廃棄物)
92 粉砕物
93 粉砕乾燥物
94 成形体
95 成形品
O 中心軸
VC 仮想円筒
2 乾燥装置
3 溶融炉
4 第1成形装置
5 飛灰回収装置
6,6a,6b,・・・,6f レーザ出力装置
7 第2成形装置
30 溶融炉本体
31,31a,31b,31c 光学窓
32 ガラス管
33 反射部材
34 光吸収部材
61 レーザ光
91 廃棄物(有害物質含有廃棄物)
92 粉砕物
93 粉砕乾燥物
94 成形体
95 成形品
O 中心軸
VC 仮想円筒
Claims (10)
- アスベスト等の有害物質を含有する廃棄物の無害化処理方法であって、
前記廃棄物を粉砕する粉砕工程と、
前記廃棄物を乾燥する乾燥工程と、
前記粉砕工程と前記乾燥工程を経た粉砕乾燥物にレーザ光を照射して溶融する溶融工程と、
を有し、
前記溶融工程において、複数のレーザ光を前記粉砕乾燥物に照射して前記粉砕乾燥物を溶融することを特徴とする有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。 - 前記溶融工程では、前記粉砕乾燥物を移動させて、移動中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融する請求項1記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記溶融工程では、透光性を有する管または筒状に形成された空気流の内側で前記粉砕乾燥物を移動させて移動中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融する請求項2記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記溶融工程では、前記粉砕乾燥物を自重落下させて、落下途中の前記粉砕乾燥物に複数のレーザ光を照射して前記粉砕乾燥物を溶融する請求項2又は3記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記複数のレーザ光が、前記粉砕乾燥物の移動路の中心軸を中心とする仮想円筒上の複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される請求項2~4のいずれかに記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記複数のレーザ光が、前記仮想円筒上の周方向に所定距離隔てた複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される請求項5に記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記複数のレーザ光が、前記粉砕乾燥物の移動方向に所定距離隔てた複数箇所から前記粉砕乾燥物に照射される請求項5又は6に記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記溶融工程で溶融した溶融物を所定形状に成形する第1成形工程をさらに有する請求項1~7のいずれかに記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記溶融工程の前工程として前記粉砕乾燥物を所定形状に成形する第2成形工程をさらに有する請求項1~8のいずれかに記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
- 前記第2成形工程では、前記粉砕乾燥物を棒状または板状に成形する請求項9記載の有害物質含有廃棄物の無害化処理方法。
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