JP2023019296A - 吸収性物品、個装吸収性物品、及び吸収性物品の製造方法 - Google Patents

吸収性物品、個装吸収性物品、及び吸収性物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薬剤ができるだけ多量に塗布されて薬剤の機能を十分に発揮させることができ、且つ吸収性物品の吸収性能も良好に維持された吸収性物品を提供する。【解決手段】透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを備えた吸収性物品であって、装着者の体液排出口に対向される体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に前後方向で隣接する端部領域を有し、前記中間領域及び前記端部領域の前記トップシートの肌側に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部が形成されており、前記中間領域において前記薬剤塗布部が点在して形成され、前記端部領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積が、前記中間領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品、個装吸収性物品、及び吸収性物品の製造方法に関する。
吸収性物品として、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、おむつ等が知られている。このような吸収性物品は、肌に直接、多くの場合、長時間触れるものであるため、使用条件や装着者の肌の状態によっては、肌に負担になることもある。そのため、近年、肌のケアを考慮した製品が検討されている。
例えば、特許文献1には、表面シートが、平面方向に分布した高密度部と低密度部とを有する不織布製シートからなり、低密度部に高密部より多い量のスキンケア剤が適用された吸収性物品が開示されている。特許文献1には、開示の構成により、表面シートの液透過性を良好に維持しつつ、多量のスキンケア剤を保持できることが記載されている。
特開2011-131044号公報
特許文献1に記載されているように、スキンケア剤のような薬剤を吸収性物品にできるだけ多量に適用したいという要求がある。その一方で、薬剤を多量に塗布しようとした場合には、薬剤が表面のシートを透過してその下に配置されている吸収体に達することがあり、薬剤の種類、量、吸収性物品の構成等によっては、吸収体の吸収性を損ねる場合がある。
本発明の一態様は、薬剤ができるだけ多量に塗布されて薬剤の機能を十分に発揮させることができ、且つ吸収性物品の吸収性能も良好に維持された吸収性物品を提供することを課題とする。
本発明の第一の態様は、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを備えた吸収性物品であって、装着者の体液排出口に対向される体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に前後方向で隣接する端部領域を有し、前記中間領域及び前記端部領域の前記トップシートの肌側に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部が形成されており、前記中間領域において前記薬剤塗布部が点在して形成され、前記端部領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積が、前記中間領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積よりも大きい。
上記第一の態様によれば、トップシートの肌側に薬剤塗布部が形成されていることで、吸収性物品の肌側で薬剤の所定機能を発揮させることができる。特に、肌に接触させること又は肌に付着させることによって機能を発揮する薬剤の場合に、薬剤の機能を高めることができる。また、中間領域及び端部領域の両方の領域に薬剤が塗布されているので、広い範囲にわって薬剤が肌と接触でき、薬剤の機能を発揮させることができる。
さらに、薬剤塗布部が中間領域で点在して形成されており、薬剤塗布部の間に薬剤が塗布されていない領域が確保されるので、中間領域におけるトップシートの透液性及び/又は吸収体の吸収性を維持できる。中間領域は前後の領域に比べて多量の体液を受け止める領域であるので、中間領域において優先的に吸収性能の向上を図ることで、吸収性物品全体の吸収性能を効果的に向上させることができる。
また、本態様では、単位面積当たりの薬剤塗布部の平面視面積を中間領域よりも端部領域で大きくすることで、端部領域においてより大きな面積で、より密に薬剤塗布部を形成できる。端部領域は中間領域に比べて肌に対して相対的に動きやすい領域であり、肌と吸収性物品との間で摩擦等が生じやすい。そのため、特に薬剤が、肌ケア剤等のように肌に接触して直接働きかける薬剤の場合、端部領域におけるより大きな面積に薬剤を塗布することができれば、端部領域において、より多くの薬剤が肌に接触でき、薬剤が肌に対して機能を効果的に発揮できる。
本発明の第二の態様では、少なくとも前記中間領域における前記トップシートに、肌側に突出する複数の凸部が形成されている。
上記第二の態様によれば、少なくとも中間領域におけるトップシートに肌側に突出する凸部があることで、装着時に中間領域における肌との接触面積を減らすことができるので、快適な装着感を得ることができる。また、薬剤の塗布を例えば塗布具の接触によって行う場合、肌側に突出する複数の凸部があることで、凸部の頂部に主として薬剤を塗布できるので、薬剤塗布部の点在を容易に得ることができる。
本発明の第三の態様では、前記中間領域及び前記端部領域に前記複数の凸部が形成されており、前記中間領域において、前記凸部に前記薬剤が塗布され、且つ前記凸部の周辺部に前記薬剤が塗布されておらず、前記端部領域において、前記凸部及び前記凸部の周辺部に前記薬剤が塗布されている。
上記第三の態様によれば、肌との距離が近く肌と接触しやすい凸部に薬剤が塗布されていることで、薬剤の機能を良好に発揮させることができる。また、凸部の周辺部に薬剤が塗布されていない構成とすることで、製造の際に塗布具等を用いて薬剤を塗布した場合に薬剤が塗布されない部分(非塗布部)の形成が容易となり、薬剤塗布部の点在(分散)をより確実に得ることができる。これにより、上述したような中間領域におけるトップシート及び/又は吸収体の吸収性能を維持できる。
一方、端部領域にも凸部が形成され、凸部及び凸部の周辺部の両方に薬剤が塗布されることで、より多量の薬剤を端部領域に含ませることができる。これにより、擦れ等が生じやすい端部領域において薬剤の機能を十分に発揮させることができ、ひいては吸収性物品における薬剤の機能を有効に発揮させることができる。
本発明の第四の態様では、前記凸部の繊維密度が、当該凸部の周辺部の繊維密度より高い。
上記第四の態様によれば、薬剤を塗布した際に、薬剤が凸部に保持されやすくなる。装着時に肌に接触しやすい凸部に薬剤が保持されることで、薬剤が肌と接触しやすくなるので、薬剤が肌に接触して直接働きかける薬剤の場合には特に、薬剤の効果をより発揮できる。
本発明の第五の態様では、前記中間領域において前記吸収体に達している前記薬剤の量が、前記端部領域において前記吸収体に達している前記薬剤の量より小さい。
上記第五の態様によれば、トップシートを透過して吸収体に達する薬剤の量が、中間領域において、より小さくなっている。そのため、中間領域における吸収体の吸収性能の維持が一層確実となる。
本発明の第六の態様では、前記薬剤が肌ケア剤を含む。
上記第六の態様によれば、吸収性物品を長時間使用した場合でも、トップシートに塗布された肌ケア剤の存在によって、快適な装着感を維持することができる。
本発明の第七の態様では、前記端部領域が、前記中間領域に前方で隣接する前方端部領域と、前記中間領域に後方で隣接する後方端部領域とを含み、前記前方端部領域及び前記後方端部領域の両方に前記薬剤が塗布されている。
上記第七の態様によれば、前方端部領域及び後方端部領域の両方において、薬剤の機能を発揮させることができる。
本発明の第八の態様は、前記端部領域が前後方向に肌側に折り畳まれた第一から第七のいずれかの態様による吸収性物品と、前記吸収性物品を個装する包装シートとを含む個装吸収性物品である。
上記第八の態様によれば、上記第一の態様で得られる効果と同様の効果を奏する個装吸収体が得られる。
本発明の第九の態様は、不透液性のバックシート、吸収体、及び透液性のトップシートを順に積層させて積層体を得て、前記積層体が、装着者の体液排出口に対向させる体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に前後方向で隣接する端部領域とを有し、
前記端部領域の肌側に薬剤を塗布し、
前記端部領域を前後方向に肌側に折り畳み、前記中間領域に接触させることによって、前記薬剤を前記中間領域に転写する、吸収性物品の製造方法である。
上記第九の態様によれば、上記第一の態様で得られる効果と同様の効果を奏する吸収性物品を得ることができる。また、本態様では、トップシートに予め薬剤を塗布しておいて吸収性物品を構成する方法とは異なり、不透液性のバックシート、吸収体、及び透液性のトップシートを含む積層体を得た後で、薬剤を塗布する。予め薬剤が塗布されたトップシートを用いる場合、トップシートの搬送、方向転換等の際に薬剤が製造装置に付着する可能性があるが、本態様によればそのような可能性を低減できる。
本発明の一態様によれば、薬剤ができるだけ多量に塗布されて薬剤の機能を十分に発揮させることができ、且つ吸収性物品の吸収性能も良好に維持された吸収性物品を提供できる。
本発明の一形態による吸収性物品の平面図である。 図1のI-I線断面図である。 図1のII部分の拡大図である。 図1のIII-III線断面を部分的に拡大した図である。 本発明の一形態による吸収性物品の製造の一例を説明する模式断面図である。 本発明の一形態による吸収性物品の製造の一例を説明する模式断面図である。 本発明の一形態による吸収性物品の製造の一例を説明する部分拡大図である。 本発明の一形態による吸収性物品の製造の一例を説明する部分拡大図である。 本発明の一形態による吸収性物品の製造の一例を説明する部分拡大図である。 本発明の一形態による個装吸収性物品を展開した状態を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳説する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
(吸収性物品の基本構造)
まず、本実施形態による吸収性物品の基本構造について、生理用ナプキンを例として説明する。図1に、本発明の一形態による吸収性物品1の平面図を示す。また、図2に、吸収性物品1のI-I線断面図を示す。
図1及び図2に示すように、吸収性物品1は、不透液性のバックシート2、吸収体4、及び透液性のトップシート3がこの順に積層された積層体8を含んでおり、全体として扁平形状となっている。吸収性物品1の装着時には、トップシート3側が肌に触れる側(肌側若しくは表側)となり、バックシート2側が下着に固定される側(下着側若しくは裏側)となる。
また、図1に示すように、吸収性物品1は、装着時に装着者の身体の前後方向に対応する前後方向D1と、この前後方向D1に直交する幅方向D2とを有する。図1に示す形態では、吸収性物品1は、平面視で、前後方向D1に延びる中心線(前後方向中心線)CLに対して略線対称の形状を有しているが、形状は線対称でなくともよい。また、吸収性物品1の形状以外の構成(吸収体の密度、材質、及び圧搾溝の大きさ、位置等を含む)も、中心線CLを対称軸として略対称であってもよいし、非対称であってもよい。
バックシート2は、少なくとも遮水性を有するシートであってよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂製のシート等であってよい。また、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布の積層シート等を用いることができる。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられることがさらに望ましい。このような遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート等を用いることができる。
トップシート3は、経血、おりもの、尿等の体液を速やかに透過させる透液性のシートとすることができる。トップシート3としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシート等が好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維、及びこれらの混紡繊維、並びに綿等の天然繊維を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、不織布の加工法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等が挙げられる。これらの加工法のうち、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む不織布を製造できる点で好ましく、サーマルボンド法は嵩高でソフトな不織布を製造できる点で好ましい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を用いることもできる。
吸収体4は、体液を吸収して保持できる材料であれば限定されないが、綿状パルプと吸水性ポリマーとを含むことが好ましい。吸水性ポリマーとしては、高吸水ポリマー粒状粉(superabsorbent polymer(SAP))、高吸水ポリマー繊維(superabsorbent fiber(SAF))、及びこれらの組合せを用いることができる。パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられる。化学パルプの原料材としては、広葉樹材、針葉樹材等が用いられるが、繊維長が長いこと等から針葉樹材が好適に使用される。
吸収体4には合成繊維を混合してもよい。合成繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、及びこれらの共重合体を使用でき、これらのうちの2種を混合して使用することもできる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維、サイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。なお、疎水性繊維を親水化剤で表面処理し、体液に対する親和性を付与したものを用いることもできる。吸収体4は、積繊又はエアレイド法によって製造されたものが好ましい。
吸収体4は、吸収体4の本体部分をクレープ紙又は不織布等からなる被包シートで包んだものであってよい。吸収体4が被包シートを備えていることで、吸収体4のよれや割れを防止でき、形状を保持できる。被包シートとしては、無着色(すなわち、白色)のクレープ紙や不織布を用いることもできるし、着色されたものを用いることもできる。着色された被包シートを用いた場合、被包シートの色は、トップシート3側からも薄い色として反映され得る。そのため、排出された体液の色を、その反映された被包シートの色に紛れさせて目立たなくすることができる。被包シートは、例えば、体液の色の補色に着色できる。例えば、経血の吸収を目的として構成された吸収性物品(生理用ナプキン等)においては、被包シートを、赤色の補色である緑色に着色できる。
吸収体4は平面視形状は、図1に示すように、略一定の幅を有する細長形状であってよいが、吸収体4の幅は前後方向D1に沿って変動していてもよい。また、図1に示す吸収体4の平面視形状は、前端及び後端で、幅方向D2の中心が前方及び後方に突出する形状となっているが、前端及び後端に突出部がなく、全体として長方形の形状であってもよい。また、吸収体4は全体として、全面にわたり均一な厚みを有してもよいが、吸収体4の厚みは均一でなくともよく、体液排出口対向領域(後述)及びその近傍の領域等を膨出させた構造としてもよい。
吸収体4の前後方向D1の両端縁においては、バックシート2の縁部とトップシート3の縁部とが、接着剤、ヒートシール等によって接合されていてよい。また、吸収性物品1の両側部、すなわち幅方向D2の両側には、表側(トップシート3側)に、前後方向D1に沿って、一対のサイドシート7、7が配置されている。
サイドシート7は、体液の浸透を防止する、或いは肌触り感を高める等の目的に応じて、適切な撥水処理又は親水処理を施した不織布素材を用いて構成されたものであってよい。サイドシート7の素材は、天然繊維、合成繊維、再生繊維等であってよい。また、サイドシート7が撥水処理されている場合、その処理には、シリコーン系、パラフィン系等の撥水剤を用いることができる。なお、吸収性物品は、サイドシート7を使用せずに、トップシート3が、吸収性物品1の幅方向D2の端部まで延在してバックシート2と接合された構成を有していてもよい。
吸収性物品1は、装着時に装着者の股間に主として対応させる中間領域Mと、中間領域Mの前後方向D1に隣接する端部領域とを有する。当該端部領域は、中間領域の前方に隣接し且つ吸収性物品1の前端までの領域である前方端部領域E1と、中間領域Mの後方に隣接し且つ吸収性物品1の後端までの領域である後方端部領域E2とを有する。中間領域Mは、体液排出口対向領域Qを含む。体液排出口対向領域Qは、装着時に装着者の膣口、尿道口等の体液排出口に対向する領域であり、その中心が、前後方向中心線CL上に位置する。図1では、体液排出口対向領域Qは、膣口に対応する領域として楕円状に描かれているが、図示の体液排出口対向領域Qの大きさ及び形状は、本形態による吸収性物品を説明するための例示にすぎない。
前方端部領域E1及び後方端部領域E2(合わせて単に端部領域Eとも呼ぶ)は、吸収性物品が包装(個別包装)される際に、前後方向D1に肌側に折り返すことができる。前方端部領域E1の折返しは、前方端部領域E1と中間領域Mとの境界線に沿った折り線L1によって、また後方端部領域E2の折返しは、後方端部領域E2と中間領域Mとの境界線に沿った折り線L2にて行うことができる。これにより、吸収性物品1を3つ折り以上に折り畳むことができる。前方端部領域E1及び後方端部領域E2はどちらを先に折り返してもよいので、折り畳んだ後の状態で、前方端部領域E1が中間領域Mと直接対向していてもよいし、後方端部領域E2が中間領域Mと直接対向していてもよい。なお、折り畳みの際には、前方端部領域E1を折り線L1にて折り返す前に前方端部領域E1内の幅方向D2に沿った別の折り線にて前方端部領域E1を折り返しておくことで、或いは後方端部領域E2を折り線L2にて折り返す前に後方端部領域E2内の幅方向D2に沿った別の折り線にて前方端部領域E2を折り返しておくことで、四つ折り以上の構成を得ることができる。
吸収性物品1の厚みは、好ましくは0.3~30mm、より好ましくは1.0~15mmであってよい。また、吸収性物品1の前後方向D1の長さ(全長)は、110~450mmであり、より好ましくは130~290mmであってよい。
また、吸収性物品1には、肌側から非肌側へと窪む圧搾溝CGが形成されていてよい。圧搾溝CGを設けることにより、吸収性物品1を装着時に好ましい所定の形状に変形することを促したり、排出された体液の拡散、浸透、吸収をコントロールしたりすることができる。
(薬剤塗布部)
本発明の一実施形態による吸収性物品1は、肌側の面に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部Aが設けられている。薬剤塗布部Aは、吸収性物品1において薬剤が存在する部分であればよい。すなわち、薬剤塗布部Aは、吸収性物品1の露出面上に配置された薬剤の存在部分を含み得るし、吸収性物品1内に浸透・拡散した薬剤の存在部分も含み得る。
本形態で用いられる薬剤は、肌ケア剤、消臭剤、温感剤、冷感剤等であってよく、肌に接触又は付着することによって機能を発揮する薬剤が好ましく、肌ケア剤が特に好ましい。肌ケア剤の作用は、肌に接触又は付着して肌に直接働きかけるものであり、保湿作用、pH調整作用、保油作用、抗菌作用等を含む。塗布される肌ケア剤は、流動性があるもの、例えば液体であることが好ましい。また、肌ケア剤は、揮発性であっても不揮発性であってもよいが、不揮発性のものが好ましい。
肌ケア剤としては、例えば、グリセリンを主成分としたものが挙げられる。さらに、その他の多価アルコール、ビタミン類、動植物性油脂、植物抽出エキス、脂肪酸エステル系化合物、石油系炭化水素、アルキルエトキシレート、ポリシロキサン、グリコサミノグリカン等の多糖類等が挙げられる。これらの薬剤は、1種、又は2種類以上を混合して使用できる。
本形態では、薬剤塗布部Aは、トップシート3の肌面(表面)に設けられている。そのため、薬剤を肌に接触若しくは付着させることが容易になる。よって、上述の肌ケア剤のような、肌に直接接触させること又は肌に付着させることによって機能を発揮する薬剤を用いた場合には特に、薬剤の機能を効果的に発揮させることができる。また、薬剤塗布部Aは、中間領域Mにも端部領域E(前方端部領域E1及び/又は後方端部領域E2)にも形成されていてよい。そして、薬剤塗布部Aは、中間領域M及び端部領域Eのそれぞれにおいて、肌側に露出するトップシート3の全体にわたって形成されていてよい。これにより、薬剤の機能を吸収性物品1の広い範囲にわたって発揮させることができる。薬剤が肌ケア剤であれば、肌ケアの作用が広範にわたって発揮される。
さらに、薬剤塗布部Aは、中間領域Mにおいて点在して形成されている。別の言い方をすると、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aは、離間した複数の小部分の集合体から形成されていてよい(図3を参照して後に詳述)。これにより、薬剤塗布部A間に薬剤が塗布されていない領域(非塗布領域)を形成することができるので、中間領域Mの吸収性能を維持でき、より具体的にはトップシート3の透液性及び/又は吸収体の吸収性能を維持できる。装着時には通常、体液は中間領域Mでまず受け止められ、その後、端部領域Eへと拡散していく。よって、薬剤が、塗布により吸収性を低下させ得るものであっても、本形態により、中間領域Mの吸収性能が低下することなく、薬剤を備えた吸収性物品1を構成することができる。
薬剤塗布部Aは、端部領域Eでは点在していてもされていなくともよいが、端部領域Eにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積は、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積よりも大きい。そのため、端部領域Eにおいて薬剤をより密に、より多量に塗布することができる。端部領域E、特に後方端部領域E2は、装着時に装着者の肌に対して動くことが多く、装着者の肌に接触して摩擦を生じやすい。そのため、端部領域Eに薬剤をより多面積にわたり塗布することで、肌ケア剤のような薬剤の機能を、端部領域Eで効果的に発揮させることができる。薬剤が肌ケア剤であれば、摩擦が生じやすい領域で肌ケアの作用を発揮させることができる。一方、中間領域Mでの薬剤の量を比較的小さくすることで、吸収性物品1の吸収性能を確保することができる。
なお、端部領域Eにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積(S)に対する、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積(S)の比の値(S/S)は、0.3~0.7であってよい。
中間領域Mに設けられる薬剤の単位面積当たりの量(目付)は、好ましくは0.3~6.4g/m、より好ましくは0.6~4.0g/mであってよい。端部領域Eに設けられる薬剤の単位面積当たりの量(目付)は、好ましくは1.0~8.0g/m、より好ましくは2.0~5.0g/mであってよい。上記値は、いずれも領域全体としての値であってよい。また、薬剤が肌ケア剤である場合、上記範囲の量で薬剤を塗布することによって、良好な肌ケア作用を奏し、且つ吸収性物品1が本来有する吸収性能も妨げない。さらに、端部領域Eにおける薬剤の目付(G)に対する、中間領域Mにおける薬剤の目付(G)の比の値(G/G)は、0.3~0.8であってよい。
図4に示す例(後に詳述)では、端部領域Eでは、薬剤はトップシート3の全体に浸透しており、厚み方向ではトップシート3の直下の吸収体4まで浸透している。すなわち、薬剤塗布部Aは、吸収体4まで達している。一方、中間領域Mでは、薬剤はトップシート3のみに浸透していて、その下の吸収体4までには達していない。これにより、薬剤塗布部Aによって肌ケア作用等の薬剤が所定の機能を発揮しつつ、中間領域Mにおける吸収体4の吸収性能が維持できる。
なお、薬剤塗布部Aは、吸収性物品1の肌側に形成されていればよい。よって、薬剤塗布部Aは、吸収性物品1の肌側のトップシート3以外の場所、例えばサイドシート7の肌側の面に設けられていてもよい。但し、薬剤塗布部Aは、装着時に装着者の肌に接触する領域において、装着者の肌に接触しない領域より多く設けられていることが好ましい。また、薬剤塗布部Aは、装着時に装着者の肌に接触する領域に設けられていて、且つ装着者の肌に接触しない領域には設けられていないことがより好ましい。よって、吸収性物品1がウィングを有する場合、薬剤塗布部Aはウィングに形成されていないこと、すなわちサイドシートのうちウィングを構成する部分に形成されていないことが好ましい。
(トップシートにおける凸部)
図3に、図1の部分IIの拡大図、すなわち中間領域Mの部分拡大図を示す。また、図4には、図1のIII-III線断面の部分図を示す。図4では、左側に中間領域Mの断面の一部を、また右側に端部領域E(後方端部領域E2)の一部を示す。
図3及び図4に示すように、中間領域Mには、肌側に突出する複数の凸部31、31、…が、互いに離間して点在して形成されている。複数の凸部31、31、…は、トップシート3に形成されている。このような複数の凸部31、31、…は、例えば、少なくとも一方のローラの表面に複数の突出部を有する一対のローラの間にトップシート3を挟み、トップシート3に圧力を掛ける凸部形成加工をすることによって得ることができる。
図3及び図4に示すように、各凸部31は、その周辺の周辺部32によって取り囲まれている。周辺部32は、平坦な部分であり、トップシート3の直下の吸収体4に接着されていてよく、接着部と呼んでもよい。一方、凸部31は、吸収体4とは接着されておらず、吸収体4と離間している。すなわち、凸部31と吸収体4との間には空間が形成されている。このように、少なくとも中間領域Mに凸部31、31、…が形成されていることで、装着時に装着者の肌と吸収性物品1の表面との接触面積を減らすことができる。そのため、蒸れを防止でき、快適な装着感を得ることができる。
さらに、図3及び図4に示すように、中間領域Mでは、凸部31、31、…に、より具体的には凸部31、31、…の頂部に薬剤が塗布されており、薬剤塗布部Aが形成されている。図3及び図4においては、薬剤塗布部Aは、グレーで着色された(微細ドットが付された)部分である。このように、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aを凸部31、31、…に、すなわち肌に近い場所に形成することで、薬剤が肌に接触又は付着しやすくなる。よって、薬剤が、肌ケア剤のような肌に接触又は付着して機能を発揮するものの場合には特に、薬剤の機能を有効に発揮させることができる。また、凸部31、31、…があることで、薬剤を例えば塗布具を擦過することによって塗布する場合に、凸部31、31、…の少なくとも頂部に薬剤を付着させ、それ以外の部分に付着させないようにすることは容易である。つまり、薬剤塗布部Aの点在を容易に形成することができる。
このように、中間領域Mにおいては、薬剤塗布部Aは、凸部31、31…に形成されているが、凸部31、31…の周辺部32には形成されていない、すなわち周辺部32が薬剤の非塗布部となることが好ましい。図3に示すように、平面視では、凸部31、31、…が島部分とするならば、海部分となる周辺部32に薬剤がないことで、その部分の吸収性物品1の性質が維持される。薬剤によっては吸収体4の本来の吸収機能を低めるものもあるが、本形態によれば、吸収体4と接触している周辺部32が非塗布部となっている、すなわち薬剤塗布部Aが、トップシート3のうち吸収体4と接触している部分に塗布されていないので、薬剤は吸収体4へと移行しにくい。そのため、中間領域Mに薬剤が塗布されていても、吸収体4の吸収性能を良好に維持することができる。
凸部31、31、…のピッチp(図3)は、2~10mmであってよい。ピッチpは、一の凸部の平面視の中心と、当該一の凸部に最も近い隣接する凸部の平面視の中心との距離であってよい。よって、中間領域Mにおいて点在する薬剤塗布部A、A、…のピッチpも、2~10mmであってよい。凸部31、31、…及び薬剤塗布部A、A、…のピッチpを上記範囲とすることで、中間領域Mにおける薬剤の機能を発揮しつつ、吸収性能を維持するという両作用のバランスを取ることができる。また、凸部31、31、…の上面視での直径は、3.0~10mmであってよい。当該範囲の直径を有することで、快適な装着感が得られ、また凸部31、31、…に薬剤を塗布しやすくなり、点在する薬剤塗布部Aを容易に形成することができる。
また、図4に示すように、凸部31、31、…の高さhは、2~8mmであってよい。高さhは、トップシート3の表面から凸部31、31、…の頂部の最高位置までの高さとすることができる。凸部31、31、…の高さhを上記範囲とすることで、快適な装着感が得られ、また薬剤の機能も発揮しやすい構成とすることができる。
図4に示す例では、中間領域Mだけでなく、端部領域E(後方端部領域E2)のトップシート3にも、複数の凸部31、31、…が形成されている。端部領域Eにおける複数の凸部31、31、…の構成(サイズ、配置等)は、中間領域Mにおける凸部31、31、…と同じであってもよいし異なっていてもよいが、同じであると、全体的に均一に凸部形成加工されたトップシート3を使用できるので好ましい。
また、図1及び図4に示す例では、端部領域E(後方端部領域E2)のトップシート3が露出している部分に全体にわたり連続して薬剤が塗布されている。しかしながら、端部領域Eにおける単位面積当たりの薬剤塗布部Aの平面視面積が、中間領域Mにおける単位面積当たりの薬剤塗布部の平面視面積より大きくなっているのであれば、端部領域Eに局所的に薬剤塗布部Aが形成されていてもよい。また、端部領域Eにおいて、凸部31、31、…が形成されている場合、凸部31、31、…に薬剤塗布部Aが形成されていてよい。そして、その場合、凸部31、31、…の周辺部32に薬剤塗布部Aが形成されていない構成としてもよい。
なお、図4には、端部領域Eのうち後方端部領域E2のみを示しているが、前方端部領域E1も後方端部領域E2と同様の構成を有していてよい。また、前方端部領域E1と後方端部領域E2とでは、同様の構成(凸部の有無、凸部がある場合には凸部のサイズ、配置、薬剤塗布部の単位面積当たりの平面視面積、薬剤塗布部の目付等)を有していてもよいし、異なる構成を有していてよい。
また、上述のようにトップシート3は不織布からなっていることが好ましが、その場合、少なくとも中間領域Mにおいて、好ましくは中間領域M及び端部領域Eの両方において、トップシート3に形成された凸部31、31、…の繊維密度が、周辺部32の繊維密度よりも高いことが好ましい。周囲に比べて繊維密度の高い凸部31、31、…を形成するためには、一対のロールを用いる方法を例として説明したように、吸収体4に積層する前のトップシート3に型押しする凸部形成加工を行うことができる。すなわち、凸部31、31、…を圧搾により形成することで、凸部31、31、…と周辺部32との繊維密度の違いを形成することができる。凸部31、31、…の繊維密度を高くすることで、凸部31、31、…が、毛細管現象により薬剤を保持しやすくなる。上述のように、凸部31、31、…は、肌との距離が近く、肌に接触しやすい部分なので、凸部31、31、…で薬剤が保持されやすくなることで、装着時に薬剤を肌に接触又は付着させることができ、好ましい。
また、トップシート3の繊維密度は、凸部31、31、…の頂部において最も高くなっていると好ましい。これにより、特に凸部31、31、…のうち、最も肌と接触しやすい部分において薬剤を保持することができるので、薬剤の肌への作用を効果的に向上させることができる。
(吸収性物品の製造方法)
本発明の一実施形態は、吸収性物品1の製造方法であってよい。本形態による製造方法は、バックシート2、吸収体4、及びトップシート3を順に積層させて積層体8を得て、積層体8の端部領域Eの肌側に薬剤を塗布し、端部領域Eを前後方向D1に肌側に折り畳み、端部領域Eを中間領域Mに接触させることによって、薬剤を中間領域Mに転写する、というものである。
従来、他の構成要素と組み合わせる前のトップシート3に薬剤を塗布しておいて、その薬剤付きのトップシート3を、バックシート2、吸収体4、及びその他の構成要素と組み合わせることによって、吸収性物品1を形成する方法がある。しかしながら、薬剤付きのトップシート3が、搬送、方向転換、折り、切断、積層等の工程に供されると、様々な加工装置との接触機会が生じるので、加工装置と接触する度に薬剤が加工装置に付着し、装置の機能を妨げる可能性がある。これに対し、本形態では、例えばバックシート2、吸収体4、及びトップシート3を含む積層体8を形成した後に、場合によっては、所定の形状に切り出され、周囲が接合され、中央部にトップシート3からバックシート2に向かって凹む圧搾溝を形成した後の、製造の最終段階で、トップシート3に薬剤を塗布する。そのため、吸収性物品1の製造中に薬剤が加工装置に付着する可能性を低減できる。
図5に、吸収性物品1の製造方法の一例を模式的に示す。図5(a)は、吸収性物品1を前後方向中心線CLに沿って切った断面(図1のII-III線断面)の概略図である。図5(a)に示すように、まず、少なくともバックシート2、吸収体4、及びトップシート3を含む積層体8を準備しておく。この際、薬剤を備えていない吸収性物品1aを準備しておいてよい。
積層体8に薬剤を塗布する。薬剤の塗布方法は特に限定されず、接触式であっても、非接触式であってもよい。具体例としては、スプレー、刷毛、ブラシ、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、インクジェット印刷等が挙げられる。このうち、塗布時の薬剤の飛散を防ぐという観点から、接触式の塗布方法が好ましい。
図5(a)の例では、スプレーにより薬剤を塗布している。図5(a)に示すように、薬剤は、端部領域E(図示の例では前方端部領域E1及び後方端部領域E2)に塗布され、中間領域Mには塗布されていない。薬剤の塗布工程が完了したら、図5(b)に示すように端部領域Eを中間領域Mに対向させるように、前後方向D1に肌側に折り畳む。図5(b)に示す例では、後方端部領域E2を折り線L2にて折り畳み、その後、前方端部領域E1を折り線L1にて折り畳む。図5(c)に、後方端部領域E2及び前方端部領域E1が折り畳まれ、三つ折りされた後の状態を示す。
図5(c)に示すように、最初に折り畳まれた後方端部領域E2の肌側の面が中間領域Mの肌側の面に接触することによって、後方端部領域E2に塗布されていた薬剤の一部が中間領域Mに転写される。これにより、中間領域Mにも薬剤が塗布された状態が形成される。また、前方端部領域E1の肌側の面が中間領域Mの肌側の面に接触することによって、前方端部領域E1に塗布されていた薬剤の一部も中間領域Mに転写される。
その後、折り畳まれた吸収性物品1を前後方向D1に展開すると、中間領域M及び端部領域Eのそれぞれに薬剤が塗布され、薬剤塗布部Aを備えた吸収性物品1が得られる(図5(d))。中間領域Mにおける単位面積当たりの薬剤の量は、端部領域Eにおける単位面積当たりの薬剤の量より小さくなっている。
なお、端部領域Eから中間領域Mへの薬剤の転写の際には、薬剤は中間領域Mの全面にわたって転写されなくともよいし、全面にわたって転写するようにしてもよい。中間領域Mに転写される薬剤の範囲は、端部領域Eへの薬剤の塗布範囲、及び折り線L1、L2の位置を調整することによって、調整することができる。さらに、薬剤は、吸収性物品1の非肌側に転写されないように調整することが好ましい。例えば、最初に薬剤を塗布する際に、端部領域Eにおける薬剤の塗布範囲を、折り畳んだ際に中間領域Mに接触する範囲に留めるように調整することができる。
図6に、吸収性物品1の非肌側に薬剤が転写されないように調整された製造例を模式的に示す。図6(a)~(d)はそれぞれ図5(a)~(d)に対応する図であるが、図6に示す例においては、折り線L1、L2の位置調整により、図5に示す例に比べて、前方端部領域E1及び後方端部領域E2の前後方向長さがそれぞれ短くなっている。さらに、前方端部領域E1のうち、折り畳まれた際に後方端部領域E2の外側に重ねられる部分を避けて、薬剤が塗布されている。
なお、図5及び図6の例ではいずれも、三つ折りした後に前方端部領域E1の前端と後方端部領域E2の後端とが重なっているが、前方端部領域E1と後方端部領域E2とが重ならないように折り線L1、L2の位置を調整することもできる。これにより、最初の薬剤塗布工程(図5(a)及び図6(a))での薬剤の塗布範囲に関わらず、吸収性物品1の非肌側に付着する薬剤の量を低減できる、若しくは非肌側に薬剤が付着しないようにすることができる。
さらに、図7~図9を参照して、薬剤の転写についてより詳細に説明する。図7に、端部領域Eへの薬剤の塗布が完了した状態の吸収性物品の断面の部分拡大図(図7の部分拡大図)を示す。図7は、図4と同様に、左側には中間領域Mを、右側には後方端部領域E1を示す。図7に示す例では、端部領域E(後方端部領域E1)のトップシート3の肌側の面に薬剤が、凸部31、31、…にも周辺部32にも塗布されている(薬剤塗布部Aが形成されている)。
その後、端部領域Eを中間領域Mに対向するよう、前後方向D1に肌側に折り畳む。図8に、端部領域Eが折り畳まれ、端部領域Eのトップシート3と中間領域Mのトップシート3とが接触した状態を示す。図8に示すように、中間領域Mには凸部31、31、…が形成されているので、端部領域Eが折り返された時には、中間領域Mのトップシートは、凸部31、31、…で端部領域Eのトップシート3の一部と接触する。すなわち、中間領域Mと端部領域Eと接触部分とは点在する。そして、接触部分で薬剤の転写が起こるため、端部領域Eに塗布された薬剤の一部が中間領域Mに、点状に(散在して)転写され得る。
なお、中間領域Mに直接薬剤を塗布した場合、薬剤塗布工程でトップシート3の肌側から圧力が掛かり、薬剤が厚み方向に浸透しやすくなる。これに対し、本形態では、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aが転写によって形成されるので、中間領域Mに過度の圧力が掛かることを防止でき、中間領域Mにおいて薬剤の厚み方向での浸透が促進され、例えば薬剤が吸収体4にまで達してしまうことを防止できる。
その後、端部領域E(前方端部領域E1及び後方端部領域E1)を前後方向に展開する。図9に、展開後の吸収性物品1を示す。図9に示すように、端部領域Eにでは凸部31、31、…にも周辺部32にも形成されている一方、中間領域Mでは、凸部31、31、…、より具体的には凸部31、31、…の頂部に薬剤塗布部Aが形成されている。よって、中間領域Mでは薬剤塗布部Aが点在して形成され、且つ端部領域Eにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積が、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aの単位面積当たりの平面視面積より大きい構成を得ることができる。このように、中間領域Mにおける凸部31、31、…があることで、中間領域Mにおける薬剤塗布部Aの点在を容易に形成できる。
なお、本発明の一実施形態は、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、トップシートとバックシートとの間に配置された吸収体とを備えた吸収性物品であって、体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に隣接する端部領域とを有し、端部領域の肌側に薬剤を塗布し、端部領域を前後方向に肌側に折り畳み、中間領域に接触させることによって、薬剤を中間領域に転写することによって得られる吸収性物品であってよい。
(個装吸収性物品)
また、本発明の一実施形態は、上述のようにして得られた吸収性物品1と、当該吸収性物品1を個装する包装シートとを含む個装吸収性物品であってよい。図10に、個装吸収性物品100を前後方向に展開した状態の平面図を示す。図10に示すように、個装吸収性物品100を作製するには、吸収性物品1が包装シート10上に、吸収性物品1のバックシート2が包装シート10に対向するように重ねられた後、折り線L1、L2にて折り畳むことができる。その後、幅方向D2の両縁部をシールし、さらに止着テープ50で止めてもよい。
なお、以上の説明では、吸収性物品1はウィングを備えていないものであるが、本形態による吸収性物品は、中間領域Mから両側方に突出する(幅方向D2の外側に突出する)、一対のウィングを備えていてもよい。但し、その場合には、ウィングは裏側(バックシート2側)に折り返されることが好ましい。これにより、端部領域Eに薬剤を塗布した後、端部領域Eを折り返すことで中間領域Mに接触させ、薬剤を端部領域Eから中間領域Mに転写することによる上述の製造方法によって、薬剤塗布部Aが肌側の面に適切に形成された吸収性物品1を得ることができる。
また、吸収性物品1の具体的な形態を、生理用ナプキンを例として説明したが、本形態は、パンティライナー、失禁パッド等であってもよい。但し、薬剤が肌ケア剤であり且つ多量の経血が排出された場合には吸収体の吸収能が低下しやすいことから、本形態のような中間領域Mと端部領域Eとで薬剤の塗布状態を異ならせる形態は、生理用ナプキンとして特に好適に使用できる。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。また、上記実施形態は、特許請求の範囲に記載された範囲内において、様々な変更、修正、置換、付加、削除、及び組合せ等が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
1 吸収性物品
2 バックシート
3 トップシート
4 吸収体
7 サイドシート
8 積層体
31 凸部
31a 凸部の頂部
32 周辺部(平坦部若しくは接合部)
CG 圧搾溝
10 包装シート
50 止着テープ
100 個装吸収性物品
A 薬剤塗布部
CL 前後方向中心線
D1 第1方向
D2 第2方向
E 端部領域
E1 前方端部領域
E2 後方端部領域
L1 第1折り線
L2 第2折り線
M 中間領域
Q 体液排出口対向領域

Claims (9)

  1. 透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体とを備えた吸収性物品であって、
    装着者の体液排出口に対向される体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に前後方向で隣接する端部領域を有し、
    前記中間領域及び前記端部領域の前記トップシートの肌側に薬剤が塗布されてなる薬剤塗布部が形成されており、
    前記中間領域において前記薬剤塗布部が点在して形成され、
    前記端部領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積が、前記中間領域における単位面積当たりの前記薬剤塗布部の平面視面積よりも大きい、吸収性物品。
  2. 少なくとも前記中間領域における前記トップシートに、肌側に突出する複数の凸部が形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記中間領域及び前記端部領域に前記複数の凸部が形成されており、
    前記中間領域において、前記凸部に前記薬剤が塗布され、且つ前記凸部の周辺部に前記薬剤が塗布されておらず、
    前記端部領域において、前記凸部及び前記凸部の周辺部に前記薬剤が塗布されている、請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記凸部の繊維密度が、当該凸部の周辺部の繊維密度より高い、請求項2又は3に記載の吸収性物品。
  5. 前記中間領域において前記吸収体に達している前記薬剤の量が、前記端部領域において前記吸収体に達している前記薬剤の量より小さい、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記薬剤が肌ケア剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記端部領域が、前記中間領域に前方で隣接する前方端部領域と、前記中間領域に後方で隣接する後方端部領域とを含み、
    前記前方端部領域及び前記後方端部領域の両方に前記薬剤が塗布されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記端部領域が前後方向に肌側に折り畳まれた、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性物品と、
    前記吸収性物品を個装する包装シートとを含む、個装吸収性物品。
  9. 不透液性のバックシート、吸収体、及び透液性のトップシートを順に積層させて積層体を得て、前記積層体が、装着者の体液排出口に対向させる体液排出口対向領域を含む中間領域と、前記中間領域に前後方向で隣接する端部領域とを有し、
    前記端部領域の肌側に薬剤を塗布し、
    前記端部領域を前後方向に肌側に折り畳み、前記中間領域に接触させることによって、前記薬剤を前記中間領域に転写する、吸収性物品の製造方法。
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