JP2023018220A - ロケット打ち上げ方法、ロケット打ち上げ制御装置、軌道投入方法、衛星コンステレーション維持方法、デブリ除去方法、ロケット回収方法、回収型ロケット、ロケット発射場、ロケット再利用システム、ロケット、衛星コンステレーション、および、地上設備 - Google Patents

ロケット打ち上げ方法、ロケット打ち上げ制御装置、軌道投入方法、衛星コンステレーション維持方法、デブリ除去方法、ロケット回収方法、回収型ロケット、ロケット発射場、ロケット再利用システム、ロケット、衛星コンステレーション、および、地上設備 Download PDF

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Abstract

【課題】ロケット打ち上げ時において、ロケットと衛星コンステレーションを構成する衛星との衝突回避を効果的に実施することを目的とする。【解決手段】ロケット打ち上げ方法では、緯度30度から50度に整備されたロケット発射場201からロケット202を打ち上げる方法である。コンピュータにより、ロケット202が、軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群411の軌道高度を通過する際に、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かうロケット202における速度ベクトルが、メガコンステレーション衛星群411の軌道速度と同じであって、かつ、メガコンステレーション衛星群411を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、ロケット202の打ち上げを制御する。【選択図】図14

Description

本開示は、ロケット打ち上げ方法、ロケット打ち上げ制御装置、軌道投入方法、衛星コンステレーション維持方法、デブリ除去方法、ロケット回収方法、回収型ロケット、ロケット発射場、ロケット再利用システム、ロケット、衛星コンステレーション、および、地上設備に関する。
近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーション、所謂メガコンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった衛星、あるいは、ロケットの残骸といったスペースデブリが増加している。
このような宇宙空間における衛星およびスペースデブリといった宇宙物体の急激な増加に伴い、宇宙交通管制(STM)では、宇宙物体の衝突を回避するための国際的なルール作りの必要性が高まっている。
近年、メガコンステレーションを運用するメガコンステレーション事業者が登場している。同一のメガコンステレーション事業者により、天空網羅的に衛星を配備する計画がある。
軌道高度約336km:軌道傾斜角42度、約2500機
軌道高度約341km:軌道傾斜角48度、約2500機
軌道高度約346km:軌道傾斜角53度、約2500機
軌道高度約550km:軌道傾斜角53度、約1600機
軌道高度約1150km:軌道傾斜角53度、約1600機
さらに、別のメガコンステレーション事業者が、合計3236機の衛星を以下のように配備する計画を発表している。軌道傾斜角は39度から56度である。
軌道高度約590km:784機
軌道高度約610km:1296機
軌道高度約630km:1156機
また、例えば、北緯42度の日本の北海道大樹町にロケット発射場整備の構想が存在する。
特許文献1には、同一の円軌道に複数の衛星から成る衛星コンステレーションを形成する技術が開示されている。
特開2017-114159号公報
上述のように、緯度42度、48度、あるいは53度といった場所の上空はメガコンステレーションを構成する衛星が密集する緯度帯となる。このため、ロケット打ち上げ事業者が、ロケットを打ち上げる際、衛星との衝突を回避するのは極めて難しいという課題がある。
しかしながら、特許文献1には、このような衝突を回避するための方策については記載されていない。
本開示は、ロケット打ち上げ時において、ロケットと衛星コンステレーションを構成する衛星との衝突回避を効果的に実施することを目的とする。
本開示に係るロケット打ち上げ方法は、
緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットのロケット打ち上げ方法であって、
コンピュータにより、前記ロケットが、100機以上の衛星から構成されるメガコンステレーション衛星群であって、軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群の軌道高度を通過する際に、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かう前記ロケットにおける速度ベクトルが、前記メガコンステレーション衛星群の軌道速度と同じであって、かつ、前記メガコンステレーション衛星群を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、前記ロケットの打ち上げを制御する。
本開示に係るロケット打ち上げ制御方法によれば、ロケット打ち上げ時において、ロケットと衛星コンステレーションを構成する衛星との衝突回避を効果的に実施することができるという効果がある。
複数衛星が連携して地球の全球に亘り通信サービスを実現する例。 単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例。 極域近傍で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 極域以外で交差する複数の軌道面を有する衛星コンステレーションの例。 衛星コンステレーション形成システムの構成図。 衛星コンステレーション形成システムの衛星の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの地上設備の構成図。 衛星コンステレーション形成システムの機能構成例。 北緯42度近傍における衛星コンステレーションの例。 実施の形態1に係るロケット打ち上げ制御装置の構成図。 実施の形態1に係る衛星軌道予報情報の例を示す図。 実施の形態1に係るロケット打ち上げのイメージ図。 実施の形態1に係るロケット打ち上げ方法を示す模式図。 実施の形態1に係るロケット打ち上げ例を示す図。 実施の形態1に係るロケット打ち上げ方法において、軌道傾斜角50度の傾斜軌道を通過する例を示す図。 実施の形態1に係るロケット打ち上げ方法において、複数の傾斜軌道を通過する例を示す図。 実施の形態1に係る軌道投入方法を示す図。 実施の形態1に係る軌道投入方法における一例を示す図。 実施の形態1に係るデブリ除去衛星の構成例を示す図。 実施の形態1に係るロケット回収方法の例1を示す図。 実施の形態1に係るロケット回収方法の例2を示す図。 実施の形態1に係る衛星コンステレーション形成方式の一例を示す図。 実施の形態1に係る衛星による隣接軌道面の追い越しの一例を示す図。
以下、本開示の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。また、以下の図面では各構成の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向あるいは位置が示されている場合がある。それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、あるいは部品といった構成の配置および向きを限定するものではない。
実施の形態1.
以下の実施の形態の前提となる衛星コンステレーションの例について説明する。
図1は、地上に対し、複数衛星が連携して地球70の全球に亘り通信サービスを実現する例を示す図である。
図1は、全球に亘り通信サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。
同一軌道面を同一高度で飛行している複数の衛星の各衛星では、地上に対する通信サービス範囲が後続衛星の通信サービス範囲とオーバーラップしている。よって、このような複数の衛星によれば、地上の特定地点に対して、同一軌道面上の複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら通信サービスを提供することができる。また、隣接軌道面を設けることにより、隣接軌道間の地上に対する通信サービスを面的に網羅することが可能となる。同様に、地球の周りに多数の軌道面を概ね均等配置すれば、全球に亘り地上に対する通信サービスが可能となる。
図2は、単一軌道面の複数衛星が地球観測サービスを実現する例を示す図である。
図2は、地球観測サービスを実現する衛星コンステレーション20を示している。図2の衛星コンステレーション20は、光学センサあるいは合成開口レーダといった電波センサである地球観測装置を具備した衛星が同一軌道面を同一高度で飛行する。このように、地上の撮像範囲が時間遅れで後続衛星がオーバーラップする衛星群300では、地上の特定地点に対して軌道上複数の衛星が時分割的に交互に交代しながら地上画像を撮像することにより地球観測サービスを提供する。
このように、衛星コンステレーション20は、各軌道面の複数の衛星からなる衛星群300により構成される。衛星コンステレーション20では、衛星群300が連携してサービスを提供する。衛星コンステレーション20とは、具体的には、図1に示すような通信事業サービス会社、あるいは、図2に示すような観測事業サービス会社による1つの衛星群から成る衛星コンステレーションを指す。
図3は、極域近傍で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。
図4は、極域以外で交差する複数の軌道面21を有する衛星コンステレーション20の例である。
図3の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度であり、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図4の衛星コンステレーション20では、複数の軌道面の各軌道面21の軌道傾斜角が約90度ではなく、かつ、複数の軌道面の各軌道面21が互いに異なる面に存在する。
図3の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域近傍の地点で交差する。また、図4の衛星コンステレーション20では、任意の2つの軌道面が極域以外の地点で交差する。図3では、極域近傍において、衛星30の衝突が発生する可能性がある。また、図4に示すように、軌道傾斜角が90度よりも傾斜している複数の軌道面の交点は軌道傾斜角に応じて極域から離れていく。また、軌道面の組合せによって赤道近傍を含む多様な位置で軌道面が交差する可能性がある。このため、衛星30の衝突が発生する可能性のある場所が多様化する。衛星30は人工衛星ともいう。
特に、近年、数百から数千機に及ぶ大規模衛星コンステレーションの構築が始まり、軌道上における衛星の衝突のリスクが高まっている。また、故障により制御不能となった人工衛星、あるいは、ロケットの残骸といったデブリが増加している。大規模衛星コンステレーションは、メガコンステレーションともいう。このようなデブリはスペースデブリともいう。
このように、宇宙空間におけるデブリ増加、および、メガコンステレーションを始めとする衛星数の急激な増加に伴い、STMの必要性が高まっている。STMは、Space Traffic Managementの略語である。
ここで、図5から図8を用いて衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成システム600における衛星30と地上設備700の一例について説明する。例えば、衛星コンステレーション形成システム600は、メガコンステレーション事業者、LEOコンステレーション事業者、あるいはその他の衛星事業者のような衛星コンステレーション事業を行う事業者により運用される。
図5は、衛星コンステレーション形成システム600の構成図である。
衛星コンステレーション形成システム600は、コンピュータを備える。図5では、1つのコンピュータの構成を示しているが、実際には、衛星コンステレーション20を構成する複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々にコンピュータが備えられる。そして、複数の衛星の各衛星30、および、衛星30と通信する地上設備700の各々に備えられたコンピュータが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。以下において、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現するコンピュータの構成の一例について説明する。
衛星コンステレーション形成システム600は、衛星30と地上設備700を備える。衛星30は、地上設備700の通信装置950と通信する衛星通信装置32を備える。図5では、衛星30が備える構成のうち衛星通信装置32を図示している。
衛星コンステレーション形成システム600は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。衛星コンステレーション形成システム600のハードウェアについては、図10において後述するロケット打ち上げ制御装置100のハードウェアと同様である。
衛星コンステレーション形成システム600は、機能要素として、衛星コンステレーション形成部11を備える。衛星コンステレーション形成部11の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
衛星コンステレーション形成部11は、衛星30と通信しながら衛星コンステレーション20の形成を制御する。
図6は、衛星コンステレーション形成システム600の衛星30の構成図である。
衛星30は、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35とを備える。その他、各種の機能を実現する構成要素を備えるが、図6では、衛星制御装置31と衛星通信装置32と推進装置33と姿勢制御装置34と電源装置35について説明する。
衛星制御装置31は、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御するコンピュータであり、処理回路を備える。具体的には、衛星制御装置31は、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置33と姿勢制御装置34とを制御する。
衛星通信装置32は、地上設備700と通信する装置である。具体的には、衛星通信装置32は、自衛星に関する各種データを地上設備700へ送信する。また、衛星通信装置32は、地上設備700から送信される各種コマンドを受信する。
推進装置33は、衛星30に推進力を与える装置であり、衛星30の速度を変化させる。具体的には、推進装置33は電気推進機である。具体的には、推進装置33は、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
姿勢制御装置34は、衛星30の姿勢と衛星30の角速度と視線方向(Line Of Sight)といった姿勢要素を制御するための装置である。姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置34は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置34は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサといった装置である。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロといった装置である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上設備700からの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
電源装置35は、太陽電池、バッテリおよび電力制御装置といった機器を備え、衛星30に搭載される各機器に電力を供給する。
衛星制御装置31に備わる処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
図7は、衛星コンステレーション形成システム600が備える地上設備700の構成図である。
地上設備700は、全ての軌道面の多数衛星をプログラム制御する。地上設備700は、地上装置の例である。地上装置は、地上アンテナ装置、地上アンテナ装置に接続された通信装置、あるいは電子計算機といった地上局と、地上局にネットワークで接続されたサーバあるいは端末としての地上設備から構成される。また、地上装置には航空機、自走車両、あるいは移動端末といった移動体に搭載された通信装置を含んでも良い。
地上設備700は、各衛星30と通信することによって衛星コンステレーション20を形成する。地上設備700は、ロケット打ち上げ制御装置100に備えられる。地上設備700は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。地上設備700のハードウェアについては、図10において後述するロケット打ち上げ制御装置100のハードウェアと同様である。
地上設備700は、機能要素として、軌道制御コマンド生成部510と、解析予測部520を備える。軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520の機能は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより実現される。
通信装置950は、衛星コンステレーション20を構成する衛星群300の各衛星30を追跡管制する信号を送受信する。また、通信装置950は、軌道制御コマンド55を各衛星30に送信する。
解析予測部520は、衛星30の軌道を解析予測する。
軌道制御コマンド生成部510は、衛星30に送信する軌道制御コマンド55を生成する。
軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の機能を実現する。すなわち、軌道制御コマンド生成部510および解析予測部520は、衛星コンステレーション形成部11の例である。
図8は、衛星コンステレーション形成システム600の機能構成例を示す図である。
衛星30は、さらに、衛星コンステレーション20を形成する衛星コンステレーション形成部11bを備える。そして、複数の衛星の各衛星30の衛星コンステレーション形成部11bと、地上設備700の各々に備えられた衛星コンステレーション形成部11とが連携して、衛星コンステレーション形成システム600の機能を実現する。なお、衛星30の衛星コンステレーション形成部11bは、衛星制御装置31に備えられていてもよい。
図9は、北緯42度近傍における衛星コンステレーションの例を表す図である。
北緯42度の日本の北海道大樹町に新規のロケット発射場を整備する構想が存在する。しかし、図9に示すように、北緯42度、48度、あるいは53度近傍の上空はメガコンステレーションを構成する衛星が密集する緯度帯である。このため、ロケット打ち上げ事業者が、ロケットを打ち上げる際、衛星との衝突を回避するのは極めて難しい状況である。
***構成の説明***
図10は、本実施の形態に係るロケット打ち上げ制御装置100の構成図である。
ロケット打ち上げ制御システム500は、ロケット打ち上げ制御装置100を備える。
本実施の形態に係るロケット打ち上げ制御装置100は、ロケットがロケット発射場上空を飛行する衛星コンステレーション20の衛星30と衝突することなく打ち上げられるように、ロケットの打ち上げを制御する。
ロケット打ち上げ制御装置100は、管理事業装置40と通信する。ロケット打ち上げ制御装置100は、例えば、地上設備700に搭載されている。また、ロケット打ち上げ制御装置100は、衛星コンステレーション形成システム600に搭載されていてもよい。あるいは、ロケット打ち上げ制御装置100は、ロケット打ち上げ事業装置46といった管理事業装置40の少なくともいずれかに搭載されていてもよい。あるいは、ロケット打ち上げ制御装置100は、軌道解析サービス事業者といったその他の事業者の装置に搭載されていてもよい。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を提供する。管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体60に関する情報を収集する事業者のコンピュータである。
管理事業装置40には、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、および、衛星事業装置43といった装置が含まれる。管理事業装置40には、さらに、軌道遷移事業装置44、デブリ回収事業装置45、ロケット打ち上げ事業装置46、およびSSA事業装置47といった装置が含まれる。LEOは、Low Earth Orbitの略語である。
メガコンステレーション事業装置41は、例えば、100機以上の衛星から構成されるメガコンステレーションの事業を行うメガコンステレーション事業者のコンピュータである。
LEOコンステレーション事業装置42は、低軌道コンステレーション、すなわちLEOコンステレーション事業を行うLEOコンステレーション事業者のコンピュータである。
衛星事業装置43は、1機から数機の衛星を扱う衛星事業者のコンピュータである。
軌道遷移事業装置44は、衛星のロケット打ち上げ制御を行う軌道遷移事業者のコンピュータである。
デブリ回収事業装置45は、デブリを回収する事業を行うデブリ回収事業者のコンピュータである。デブリ回収事業装置45は、デブリ除去事業装置ともいう。
ロケット打ち上げ事業装置46は、ロケット打ち上げ事業を行うロケット打ち上げ事業者のコンピュータである。
SSA事業装置47は、SSA事業、すなわち、宇宙状況監視事業を行うSSA事業者のコンピュータである。
管理事業装置40は、人工衛星、あるいは、デブリといった宇宙物体に関する情報を収集し、収集した情報をロケット打ち上げ制御装置100に提供する装置であれば、その他の装置でもよい。また、ロケット打ち上げ制御装置100が、SSAの公開サーバ上に搭載される場合は、ロケット打ち上げ制御装置100がSSAの公開サーバとして機能する構成でもよい。
なお、管理事業装置40からロケット打ち上げ制御装置100に提供される情報については、後で詳しく説明する。
ロケット打ち上げ制御装置100は、プロセッサ910を備えるとともに、メモリ921、補助記憶装置922、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といった他のハードウェアを備える。プロセッサ910は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
ロケット打ち上げ制御装置100は、機能要素として、制御部110と記憶部130を備える。記憶部130には、衛星軌道予報情報51が記憶されている。
制御部110の機能は、ソフトウェアにより実現される。記憶部130は、メモリ921に備えられる。あるいは、記憶部130は、補助記憶装置922に備えられていてもよい。また、記憶部130は、メモリ921と補助記憶装置922に分けられて備えられてもよい。
プロセッサ910は、ロケット打ち上げ制御プログラムを実行する装置である。ロケット打ち上げ制御プログラムは、制御部110の機能を実現するプログラムである。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
メモリ921は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ921の具体例は、SRAM(Static Random Access Memory)、あるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
補助記憶装置922は、データを保管する記憶装置である。補助記憶装置922の具体例は、HDDである。また、補助記憶装置922は、SD(登録商標)メモリカード、CF、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVDといった可搬の記憶媒体であってもよい。なお、HDDは、Hard Disk Driveの略語である。SD(登録商標)は、Secure Digitalの略語である。CFは、CompactFlash(登録商標)の略語である。DVDは、Digital Versatile Diskの略語である。
入力インタフェース930は、マウス、キーボード、あるいはタッチパネルといった入力装置と接続されるポートである。入力インタフェース930は、具体的には、USB(Universal Serial Bus)端子である。なお、入力インタフェース930は、LAN(Local Area Network)と接続されるポートであってもよい。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタを有する。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。ロケット打ち上げ制御装置100は、通信装置950を介して、管理事業装置40との通信を行う。
ロケット打ち上げ制御プログラムは、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。メモリ921には、ロケット打ち上げ制御プログラムだけでなく、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ910は、OSを実行しながら、ロケット打ち上げ制御プログラムを実行する。ロケット打ち上げ制御プログラムおよびOSは、補助記憶装置922に記憶されていてもよい。補助記憶装置922に記憶されているロケット打ち上げ制御プログラムおよびOSは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910によって実行される。なお、ロケット打ち上げ制御プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
ロケット打ち上げ制御装置100は、プロセッサ910を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、プロセッサ910と同じように、プログラムを実行する装置である。
プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ921、補助記憶装置922、または、プロセッサ910内のレジスタあるいはキャッシュメモリに記憶される。
ロケット打ち上げ制御システムの各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えてもよい。また、制御処理の「処理」を「プログラム」、「プログラムプロダクト」または「プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体」に読み替えてもよい。
ロケット打ち上げ制御プログラムは、ロケット打ち上げ制御システムの各部の「部」を「処理」、「手順」、「手段」、「段階」あるいは「工程」に読み替えた各処理、各手順、各手段、各段階あるいは各工程を、コンピュータに実行させる。また、ロケット打ち上げ方法は、ロケット打ち上げ制御装置100がロケット打ち上げ制御プログラムを実行することにより行われる方法である。
ロケット打ち上げ制御プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、各プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図11は、本実施の形態に係る衛星軌道予報情報51の例を示す図である。
ロケット打ち上げ制御装置100は、宇宙物体60の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報51を記憶部130に記憶する。ロケット打ち上げ制御装置100は、例えば、複数の宇宙物体60を管理する管理事業者により利用される管理事業装置40から、複数の宇宙物体60の各々の軌道の予報値を取得し、衛星軌道予報情報51として記憶してもよい。あるいは、ロケット打ち上げ制御装置100は、複数の宇宙物体60の各々の軌道の予報値が設定された衛星軌道予報情報51を管理事業者から取得し、記憶部130に記憶してもよい。
管理事業者は、衛星コンステレーション、各種の衛星、ロケット、およびデブリといった宇宙を飛行する宇宙物体60を管理する事業者である。また、上述したように、各管理事業者により利用される管理事業装置40は、メガコンステレーション事業装置41、LEOコンステレーション事業装置42、衛星事業装置43、および、その他の事業装置といったコンピュータである。
衛星軌道予報情報51には、例えば、宇宙物体ID(Identifier)511、予報元期512、予報軌道要素513、および予報誤差514といった情報が設定される。
宇宙物体ID511は、宇宙物体60を識別する識別子である。図11では、宇宙物体ID511として、衛星IDとデブリIDが設定されている。宇宙物体は、具体的には、宇宙空間に打ち上げられるロケット、人工衛星、宇宙基地、デブリ回収衛星、惑星探査宇宙機、ミッション終了後にデブリ化した衛星あるいはロケットといった物体である。
予報元期512は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている元期である。
予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道を特定する軌道要素である。予報軌道要素513は、複数の宇宙物体の各々の軌道について予報されている軌道要素である。図11では、予報軌道要素513として、ケプラー軌道6要素が設定されている。
予報誤差514は、複数の宇宙物体の各々の軌道において予報される誤差である。予報誤差514には、進行方向誤差、直交方向誤差が設定されている。予報誤差514には、実績値が内包する誤差量が明示的に示される。
なお、本実施の形態に係る衛星軌道予報情報51では、宇宙物体60について、予報元期512と予報軌道要素513が設定されている。予報元期512と予報軌道要素513により、宇宙物体60の近未来における時刻と位置座標を求めることができる。例えば、宇宙物体60についての近未来の時刻と位置座標が、衛星軌道予報情報51に設定されていてもよい。
このように、衛星軌道予報情報51には、元期と軌道要素、あるいは、時刻と位置座標を含む宇宙物体の軌道情報が具備され、宇宙物体60の近未来の予報値が明示的に示されている。
なお、衛星軌道予報情報51は、宇宙物体60の近未来の予報値が明示的に示されている情報であれば、図11の構成以外の構成でも構わない。
また、ロケット打ち上げ制御装置100は、宇宙物体60の軌道の実績値が設定された衛星軌道実績情報を備えていてもよい。衛星軌道実績情報の構成も衛星軌道予報情報と同様である。
***動作の説明***
メガコンステレーションを運用するメガコンステレーション事業者が登場している。同一のメガコンステレーション事業者により、以下のように天空網羅的に衛星を配備する計画がある。
軌道高度約336km:軌道傾斜角42度、約2500機
軌道高度約341km:軌道傾斜角48度、約2500機
軌道高度約346km:軌道傾斜角53度、約2500機
軌道高度約550km:軌道傾斜角53度、約1600機
軌道高度約1150km:軌道傾斜角53度、約1600機
さらに、別のメガコンステレーション事業者が、合計3236機の衛星を以下のように配備する計画を発表している。軌道傾斜角は39度から56度である。
軌道高度約590km:784機
軌道高度約610km:1296機
軌道高度約630km:1156機
また、例えば、北緯42度の日本の北海道大樹町にロケット発射場整備の構想が存在する。
図12は、本実施の形態に係るロケット打ち上げ例を示す図である。
図13は、本実施の形態に係るロケット打ち上げのイメージ図である。
図9で説明したように、北緯42度の日本の北海道大樹町におけるロケット発射場整備の構想が存在する。
仮に、北緯42度のロケット発射場201からロケット202を打ち上げた場合に、緯度42度、48度、53度といった上空は、メガコンステレーションを構成する衛星が密集する緯度帯となっている。このため、ロケット事業者側が打ち上げ時に衝突を回避するのは極めて難しい状況となっている。
ロケット202は、ロケット打ち上げ制御装置100からの制御により、ロケット発射場201から発射される。ロケット打ち上げ制御装置100は、例えば、地上設備700に搭載されている。
本実施の形態に係るロケット打ち上げ制御装置100は、ロケット202がロケット発射場201上空を飛行する衛星コンステレーション20の衛星30と衝突することなく打ち上げられるように、ロケット202の打ち上げを制御する。
***ロケット打ち上げのバリエーション***
以下に、本実施の形態に係るロケット打ち上げのバリエーションについて説明する。
<ロケット打ち上げ方法>
図14は、本実施の形態に係るロケット打ち上げ方法を示す模式図である。
本実施の形態に係るロケットの打ち上げ方法は、例えば、ロケット打ち上げ制御装置100の制御部110の制御により実現される。あるいは、管理事業装置40に搭載されたコンピュータの制御により実現されてもよい。
図13では、地上設備700にロケット打ち上げ制御装置100が搭載され、ロケット202の打ち上げを制御する構成を示している。しかし、ロケット打ち上げ制御装置100が別の場所の地上設備700に搭載されており、ネットワークを介して、ロケット202の打ち上げを制御してもよい。
ロケット202は、例えば、緯度30度から緯度50度に整備されたロケット発射場201から打ち上げられる。
ロケット打ち上げ制御装置100の制御部110は、ロケット202が軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群411の軌道高度を通過する際の、ロケットにおける速度ベクトルを制御する。具体的には、制御部110は、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かうロケット202における速度ベクトルが、メガコンステレーション衛星群411の軌道速度と同じであって、かつ、メガコンステレーション衛星群411を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、ロケット202の打ち上げを制御する。
その際、地上設備700は、ロケット202の追跡管制信号の授受をする。
図14における3つの軌道面は軌道傾斜角と軌道高度が同じで、法線ベクトルが経度方向に離角している状況を示している。したがって、各軌道面において衛星が最北端を通過する際の軌道高度は同等となる。同時に3つの軌道面の衛星が最北端を通過するか否かは同期運用の有無に依存するので、ロケット打ち上げ時にはそれぞれの軌道面毎に、通過タイミングをずらし、全ての軌道面で通過タイミングがずれていることが必要十分となる。
緯度30度から緯度50度に整備されたロケット発射場201の具体例として、北海道大樹町がある。このようなロケット発射場201からロケットを打ち上げる場合、傾斜軌道衛星が密集して飛行する領域を通過して安全にロケットを打ち上げる必要がある。
本実施の形態に係るロケット打ち上げ制御装置100では、安全にロケットを打ち上げるための手段を提供する。ロケット打ち上げ制御装置100では、傾斜軌道面の最北端の衛星が西から東に向かって飛翔する領域において、ロケットが同様に西から東に飛行し、近傍を飛翔する複数衛星との相対速度差を小さくして、衛星と衛星の間隙を抜けて高度を追い抜くことにより、密集高度を通過するように制御する。
ロケット打ち上げにより人工衛星を軌道投入する場合、地球の自転を利用して人工衛星の高度を維持する速度を得るのが合理的である。このため、傾斜軌道衛星が軌道面の最北端を通過する場合は西から東に向かって飛翔することになる。西方に打ち上げられる特殊な衛星も存在はするが、メガコンステレーション衛星群411は南北端を西から東に飛翔することになる。
定常運用する衛星の軌道速度は軌道高度に依存して決定し、軌道面の最北端における速度ベクトルは必ず西から東に向かうので、軌道傾斜角と軌道高度が公表されているメガコンステレーションの衛星群の軌道面最北端通過時の緯度と軌道速度はロケット打ち上げ事業者にとっても把握可能である。
そこでロケット打ち上げにおいて、メガコンステレーション衛星群411が飛翔する緯度帯を、西から東に向く速度ベクトル成分が前記衛星群の軌道速度と同じになるように通過すれば、相対的な速度差は衛星群の進行方向と直交する成分のみとなる。
言い換えると、ロケットがメガコンステレーション衛星群411の軌道面を通過するときは、ロケットの速度ベクトルの東西方向成分の大きさが衛星群の軌道速度と同じとする。ロケット通過時においては、最終的にロケットが到達する高度に応じて、高度方向の速度成分が残っている。
衛星は進行方向に対して数km/秒の高速で飛翔するので、進行方向を横切る際に、数km/秒の速度差があると、衝突するリスクが高く、安全に通過できる時間タイミングも極めて限定される。しかし、進行方向の速度差がなければ、同一軌道面を飛翔する衛星群と通過タイミングをずらして、衛星と衛星の間を通過させることは容易である。
同様に隣接軌道を通過する衛星との速度差も小さいので、隣接軌道の衛星と衛星の間を衝突せずに通過することも容易である。
なお種子島からの打ち上げにおいても、本実施の形態と同様の手段により飛行安全を確保することが可能である。
図15は、本実施の形態に係るロケット打ち上げ方法において、軌道傾斜角50度の傾斜軌道を通過する例を示す図である。
図15では、北緯約40度の北海道のロケット発射場を想定して、軌道傾斜角50度の傾斜軌道を通過する例を示している。傾斜軌道上で数珠つなぎ状に隊列飛行する衛星群の間隙を縫って打ち上げることにより飛行安全を確保する。
図16は、本実施の形態に係るロケット打ち上げ方法において、複数の傾斜軌道を通過する例を示す図である。
メガコンステレーション衛星群では、公称軌道高度が同一で、複数の軌道面を飛翔する衛星群が、軌道面の法線ベクトルの相対角度を経度方向ずらして多数配置されている。そして、複数の軌道面は、相対的に東から西に回転している。このため、ロケット打ち上げ時は全ての軌道面の衛星の間隙を縫って飛行安全を確保して打ち上げることになる。
<軌道投入方法>
本実施の形態に係る軌道投入方法は、例えば、ロケット打ち上げ制御装置100の制御部110の制御により実現される。あるいは、管理事業装置40に搭載されたコンピュータの制御により実現されてもよい。
図17は、本実施の形態に係る軌道投入方法を示す図である。
図17では、傾斜軌道を飛翔する衛星の軌道投入方法を示している。
衛星は、緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットにより打ち上げられる。衛星は、軌道傾斜角が40度から60度の傾斜軌道の北端、ないし南端に、西から東方向に向かって投入される。
緯度30度から50度に整備されたロケット発射場からロケットを打ち上げて、軌道傾斜角40度から60度(軌道傾斜角の定義如何で140度から120度と同義)に軌道投入する場合は、次の通りである。軌道面最北端ないし最南端で衛星群が西から東に飛翔する領域において、ロケットを衛星群の飛翔する軌道高度まで到達する速度に加速させれば、西から東に飛翔する衛星とほぼ同じ速度になる。よって、衛星と衛星の間隙に軌道投入するのも容易であり、飛行安全が確保できるという効果がある。
このような軌道投入方法では、ロケット発射場の上空に当該軌道面が回ってきた時間帯にロケットを発射すれば、容易に当該軌道面で所望の軌道高度に到達可能である。また、それより低い高度で衛星をロケットから分離すれば、概ね当該軌道面近傍を飛翔する軌道に投入されるので、安全に隊列飛行に加わることが可能である。
また、ロケット発射場からロケット分離までの距離が最短にできるので、低コスト化でできる。
同一軌道面で多数衛星が飛翔する場合において、故障した衛星と同じ配置で代替衛星を投入する必要がなければ、同一軌道面の衛星群の軌道高度を調整して、代替衛星を安全に投入する隙間をあける措置も可能である。
図18は、本実施の形態に係る軌道投入方法における一例を示す図である。
図18では、本実施の形態に係る軌道投入方法において、特定の軌道位置に衛星を軌道投入する軌道投入方法を示している。
例えば、同一軌道面の衛星同士で衛星間通信を実施している場合には、故障した衛星の元居た配列と同じ軌道位置に代替衛星を軌道投入する必要がある。
図18に示す軌道投入方法では、ロケット発射場の上空に当該軌道面が回ってきた時間帯にロケットを発射すれば、容易に当該軌道面で所望の軌道高度に到達可能である。また、それより低い高度で衛星をロケットから分離すれば、概ね当該軌道面近傍を飛翔する軌道に投入されるので、安全に隊列飛行に加わることが可能である。
低軌道周回衛星は90分程度で地球を1周するので、最大45分のロケット打ち上げタイミングの余裕があれば、最適な位置への軌道投入が可能である。
ロケット発射から当該軌道高度に到達するまでの時間と、衛星が隊列飛行に加わるまでに要する時間を考慮した上で、適切な打ち上げタイミングを選ぶことにより、当該軌道面の特定の軌道位置に軌道投入することが可能である。このように、低コストで、短期間に適切な軌道投入が可能になるという効果がある。
<衛星コンステレーション維持方法>
本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持方法は、例えば、ロケット打ち上げ制御装置100の制御部110の制御により実現される。あるいは、管理事業装置40に搭載されたコンピュータの制御により実現されてもよい。
本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持方法は、10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、衛星故障あるいは寿命完遂に伴い後継機を軌道投入する方法である。本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持方法では、上述の軌道投入方法で後継機を軌道投入する。
メガコンステレーション衛星群を最初に整備する際は、同一軌道面を飛翔する全ての衛星を大型ロケットにより一括して打ち上げることができる。しかし、その中の衛星が故障して、代替衛星を打ち上げる場合には、欠落した軌道面に代替衛星だけを打ち上げる必要がある。このため、小型ロケットに代替衛星を搭載して、当該軌道面に個別に軌道投入するのが合理的である。
また設計寿命を全うした後に、PMD(Post Mission Disposal)して軌道離脱した衛星の後継機を軌道投入する場合がある。この場合も、衛星コンステレーションを維持するためには、複数の軌道面において衛星がPMDした順番に代替機を軌道投入する必要がある。これは、同時打ち上げした衛星の実際の軌道上寿命にはばらつきがあるので、個別に軌道投入するのが合理的であるためである。
多数機衛星同時打ち上げの場合は、同一軌道面へ軌道投入する衛星が全て完成してから打ち上げる必要があるため、打ち上げまでの待ち時間がある。また、複数軌道面で衛星がPMDした場合は軌道面の数相当の打ち上げ回数が必要となるため、初期整備段階ほどコスト低減効果がなく、むしろ代替機を整備する待ち時間が無駄になるという課題がある。
そこで、代替機を小型ロケットにより個別打ち上げして軌道投入するのが合理的となる。
小型ロケットを個体ロケットとして予め作りおいて、何時でも打ち上げられる準備をしておけば、必要なタイミングで代替機の軌道投入が可能となる。
このように、本実施の形態に係る衛星コンステレーション維持方法によれば、低コストで待ち時間なくメガコンステレーションの維持が可能となる。
ロケット202は、上述したロケット打ち上げ方法、または、軌道投入方法を実行する。
また、ロケット発射場201は、上述したロケット打ち上げ方法、または、軌道投入方法を実行する。
また、衛星コンステレーション20は、上述した軌道投入方法、または、衛星コンステレーション維持方法を実行する。
ロケット打ち上げ方法では、コンステレーションの軌道高度を通過して、更に高高度にロケットを打ち上げる場合の方法である。
また、軌道投入方法は、コンステレーションに新規衛星を軌道投入する方法である。
いずれの方法においても、東西方向に西から東方向に向かう速度成分はコンステレーションと同じにするのが安全である。ロケット打ち上げ方法では、高度方向の速度ベクトルがあるのに対して、軌道投入方法では高度方向の速度ベクトルはおおよそゼロになる。なお軌道投入方法では、衛星のロケットからの分離は軌道到達前に実施するので、ロケットは当該軌道高度までは到達せずに、分離後の衛星が推進装置を稼働して正規の位置まで遷移することになる。
<デブリ除去方法の例1>
本実施の形態に係るデブリ除去方法は、例えば、デブリ回収事業装置45に搭載されたロケット打ち上げ制御装置100の制御部110の制御により実現される。あるいは、その他の管理事業装置40に搭載されたコンピュータの制御により実現されてもよい。
本実施の形態に係るデブリ除去方法の例1は、10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、故障により軌道離脱(PMD)ができない衛星を能動的にデブリ除去(ADR)する方法である。ADRは、Active Debris Removalの略語である。
本実施の形態に係るデブリ除去方法の例1では、上述した軌道投入方法で、デブリを除去するためのデブリ除去衛星を軌道投入する。
図19は、本実施の形態に係るデブリ除去衛星301の構成例を示す図である。
デブリ除去衛星301は、図6の衛星30の構成に加え、デブリを捕獲する捕獲装置36を備える。デブリ除去衛星301は、制御コマンドにより、デブリを捕獲し、大気圏突入までのデオービット過程において、宇宙物体との衝突リスクの高い領域を回避して降下する軌道降下時能動的制御運用を行う。軌道降下時能動的制御運用は、アクティブデオービット運用ともいう。
推進装置の故障などにより自律的なPMDができない衛星がメガコンステレーションの軌道に滞留し続けると、他衛星との衝突リスクが発生するため、能動的に軌道離脱させるADRが必要となる。故障衛星を捕獲する手段を具備したデブリ除去衛星301によりADRを実施する場合に、上述した軌道投入方法でデブリ除去衛星301を軌道投入すれば、飛行安全を確保しながら故障衛星に接近して捕獲できるという効果がある。
<ロケット回収方法の例1>
本実施の形態に係るロケット回収方法は、例えば、デブリ回収事業装置45に搭載されたロケット打ち上げ制御装置100の制御部110の制御により実現される。また、その他の管理事業装置40に搭載されたコンピュータの制御により実現されてもよい。
図20は、本実施の形態に係るロケット回収方法の例1を示す図である。
本実施の形態に係るロケット回収方法は、緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットを回収する方法である。本実施の形態に係るロケット回収方法では、ロケットは、衛星分離後に軌道降下し、ロケット発射場とは異なる安全な領域で回収される。
ロケットに大気圏突入における摩擦熱耐性を確保する対策を施し、衛星を打ち上げて分離した後に、軌道降下させてロケットを回収する。ロケットが落下傘を具備してもよいし、着陸直前に推進装置を噴射して着地速度を減速してもよい。
例えば北海道のロケット発射場から傾斜軌道に軌道投入した後のロケットは太平洋に落下させることが合理的である。
<ロケット回収方法の例2>
図21は、本実施の形態に係るロケット回収方法の例2を示す図である。
図21の細線の軌道は、ロケットが周回する軌道を表している。
ロケットにおける軌道投入後の再噴射機能具備など、大気圏突入対策が十分確保できれば、傾斜軌道近傍を滞留した後に、複数周回後に進行方向に対して逆噴射することにより減速して、所望の領域に軌道降下させることも可能となる。
ロケット回収方法の例1および例2では、ロケットは、大気圏内減速装置を具備し、ロケット回収方法により回収される回収型ロケット202aである。
回収型ロケット202aは、大気による摩擦熱に耐えるための耐熱セラミック材料あるいは塗料の選択、落下傘の具備、推進装置の噴射といった、大気圏通過時と着陸時の耐性を具備して実現される。
<ロケット発射場201>
ロケット発射場201は、上述したロケット打ち上げ方法、または、軌道投入方法を実行するロケットを打ち上げるロケット発射場であって、上述した衛星コンステレーション維持方法を実現するためにレンタルされてもよい。
北海道のロケット発射場を想定して、メガコンステレーション事業者ないしロケット打ち上げ事業者にロケット発射場をレンタルしてもよい。これにより、ロケット打ち上げ時のメガコンステレーション衛星群との衝突回避のための飛行安全確保をメガコンステレーション事業者ないしロケット打ち上げ事業者が担当することが可能となり合理的である。
<ロケット再利用システム>
ロケット再利用システムは、回収型ロケット202aを複数回打ち上げるロケット再利用サイクルにより回収型ロケット202aを再利用するシステム(方式あるいは方法)である。
ロケット再利用システムは、再利用ロケット輸送手段を具備する。再利用ロケット輸送手段は、再利用するロケットを搬送する手段である。
ロケット再利用システムでは、ロケット発射場201から回収型ロケット202aを発射し、前記ロケット回収方法により回収型ロケット202aを回収する。そして、ロケット再利用システムでは、回収型ロケット202aを再利用ロケット輸送手段によりロケット発射場201まで搬送する。そして、ロケット再利用システムでは、再び回収型ロケット202aを打ち上げる。
北海道のロケット発射場を想定して、メガコンステレーション事業者ないしロケット打ち上げ事業者にロケット発射場をレンタルする。これにより、ロケット打ち上げ時のメガコンステレーション衛星群との衝突回避のための飛行安全確保をメガコンステレーション事業者ないしロケット打ち上げ事業者が担当することが可能となり合理的である。
回収型ロケット202aを太平洋上の台船に着陸させて回収し、損傷個所の修理といったリハービッシュをロケット工場で実施した後に、再び北海道に輸送し、複数回の打ち上げをするロケット再利用システムを構築できる。
<デブリ除去方法の例2>
本実施の形態に係るデブリ除去方法の例2は、10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、故障により軌道離脱(PMD)ができない衛星を能動的にデブリ除去(ADR)する方法である。
デブリ除去方法の例2では、軌道投入方法を実行するロケットが、故障した衛星を捕獲するデブリ除去手段である捕獲装置と軌道制御装置を具備する。そして、デブリ除去方法の例2では、後継機が軌道投入された後に、ロケットが、故障した衛星を捕獲し、逆噴射して軌道離脱する。
ロケットの備える捕獲装置は、例えば、衛星が備える捕獲装置と同様である。
ロケットの備える軌道制御装置は、例えば、衛星が備える衛星制御装置と同様である。軌道制御装置は、ロケットが備える推進装置と姿勢制御装置とを制御する衛星制御装置であり、地上設備700から送信される各種コマンドにしたがって、推進装置と姿勢制御装置を制御する。
デブリ除去方法の例2において、ロケットは、デブリ除去手段を具備し、ロケット打ち上げ作業完了後にデブリを捕獲し、逆噴射して軌道離脱する。
衛星分離後に動作可能となる捕獲装置をロケットに具備すれば、デブリ除去衛星に依存しないデブリ除去が可能となる。
以下では、本実施の形態に係るロケット打ち上げ方法に利用できる衛星30bによる隣接軌道面の追い越しの例について説明する。
図22は、衛星コンステレーション形成方式の一例を示す図である。
図22では、2つの軌道面21a,21bの軌道高度が互いに異なり、かつ、各軌道面21a,21bにおける交点近傍点Pcにおいて、衛星30a,30bの衛星通過タイミングがずれている状態を示している。衛星コンステレーション形成部11は、衛星通過タイミングがずれている状態を維持しながら、2つの軌道面21a,21bの軌道高度を徐々に一致させる。
法線のなす角度が異なる軌道面で同一高度の衛星群を飛行させると、交点において衝突するリスクがある。また、多数の衛星群をそれぞれの軌道面に整備した後に、追加衛星を軌道投入する場合に、衝突リスクが高い。
そこで、予め同数の衛星をほぼ均等配置で隊列飛行させ、徐々に軌道高度を近づける。徐々に軌道高度を近づけることにより、近傍高度の衛星群はほぼ対地速度が等しくなる。よって、予め位相をずらして隊列飛行する衛星群同士は、衝突することなく軌道高度を変更することができる。
また、衛星コンステレーション形成部11は、各軌道面における交点近傍点Pcにおいて衛星通過タイミングがずれている状態から、衛星通過タイミングがずれている状態を維持しながら、2つの軌道面の一方の軌道面の軌道高度に他方の軌道面の軌道高度を追い越させる。衛星コンステレーション形成部11は、各軌道面21の交点近傍点Pcから次の交点近傍点Pcまでの間に、一方の軌道面の衛星に他方の軌道面の軌道高度を追い越させる。
図23は、衛星30bによる隣接軌道面の追い越しを示す図である。
図23では、軌道面21bの衛星30bが、軌道面21aを追い越す様子を示している。軌道面21bの衛星30bは、交点近傍点Pc1から、次の交点近傍点Pc2までの間Rで、軌道面21aを追い越す。
法線のなす角度が異なる複数の軌道面において、衛星高度の追い越しを変更する場合に、2軌道面の交点近傍2点において衝突するリスクがある。この2点以外には衝突するリスクがないので、交点近傍点を通過後から次の交点近傍点までの間に軌道高度の追い越しをすれば、衝突なく軌道高度を変更できる。
なお、本実施の形態では、制御部110は、ロケット202が軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群411の軌道高度を通過する際の、ロケットにおける速度ベクトルを制御する。具体的には、制御部110は、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かうロケット202における速度ベクトルが、メガコンステレーション衛星群411の軌道速度と同じであって、かつ、メガコンステレーション衛星群411を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、ロケット202の打ち上げを制御する。
***他の構成***
本実施の形態では、制御部110の機能がソフトウェアで実現される。変形例として、制御部110の機能がハードウェアで実現されてもよい。
ロケット打ち上げ制御装置100は、プロセッサ910に替えて電子回路を備える。
電子回路は、制御部110の機能を実現する専用の電子回路である。
電子回路は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
制御部110の機能は、1つの電子回路で実現されてもよいし、複数の電子回路に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、制御部110の一部の機能が電子回路で実現され、残りの機能がソフトウェアで実現されてもよい。
プロセッサと電子回路の各々は、プロセッシングサーキットリとも呼ばれる。つまり、ロケット打ち上げ制御装置100において、制御部110の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
以上の実施の形態1では、ロケット打ち上げ制御装置の各部を独立した機能ブロックとして説明した。しかし、ロケット打ち上げ制御装置の構成は、上述した実施の形態のような構成でなくてもよい。ロケット打ち上げ制御装置の機能ブロックは、上述した実施の形態で説明した機能を実現することができれば、どのような構成でもよい。また、ロケット打ち上げ制御装置は、1つの装置でも、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
また、実施の形態1のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これらの実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1を部分的に自由に組み合わせてもよい。あるいは、実施の形態1において、構成要素をどのように変形してもよい。つまり、実施の形態1において、構成要素の追加および省略をしてもよい。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示の範囲、本開示の適用物の範囲、および本開示の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。
20 衛星コンステレーション、21,21a,21b 軌道面、30,30a,30b 衛星、301 デブリ除去衛星、31 衛星制御装置、32 衛星通信装置、33 推進装置、34 姿勢制御装置、35 電源装置、36 捕獲装置、40 管理事業装置、41 メガコンステレーション事業装置、411 メガコンステレーション衛星群、42 LEOコンステレーション事業装置、43 衛星事業装置、44 軌道遷移事業装置、45 デブリ回収事業装置、46 ロケット打ち上げ事業装置、47 SSA事業装置、51 衛星軌道予報情報、511 宇宙物体ID、512 予報元期、513 予報軌道要素、514 予報誤差、60 宇宙物体、70 地球、100 ロケット打ち上げ制御装置、110 制御部、130 記憶部、55 軌道制御コマンド、201 ロケット発射場、202 ロケット、202a 回収型ロケット、600 衛星コンステレーション形成システム、11,11b 衛星コンステレーション形成部、300 衛星群、700 地上設備、500 ロケット打ち上げ制御システム、510 軌道制御コマンド生成部、520 解析予測部、910 プロセッサ、921 メモリ、922 補助記憶装置、930 入力インタフェース、940 出力インタフェース、941 表示機器、950 通信装置。

Claims (16)

  1. 緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットのロケット打ち上げ方法であって、
    前記ロケットが、100機以上の衛星から構成されるメガコンステレーション衛星群であって、軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群の軌道高度を通過する際に、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かう前記ロケットにおける速度ベクトルが、前記メガコンステレーション衛星群の軌道速度と同じであって、かつ、前記メガコンステレーション衛星群を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、前記ロケットの打ち上げを制御するロケット打ち上げ方法。
  2. 緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットの打ち上げを制御するロケット打ち上げ制御装置であって、
    前記ロケットが、100機以上の衛星から構成されるメガコンステレーション衛星群であって、軌道傾斜角40度から60度を飛翔するメガコンステレーション衛星群の軌道高度を通過する際に、緯度40度から60度を東西方向に西から東方向に向かう前記ロケットにおける速度ベクトルが、前記メガコンステレーション衛星群の軌道速度と同じであって、かつ、前記メガコンステレーション衛星群を構成する衛星の通過タイミングをずらして通過するように、前記ロケットの打ち上げを制御する制御部を備えたロケット打ち上げ制御装置。
  3. 傾斜軌道を飛翔する衛星の軌道投入方法であって、
    緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットで打ち上げられ、
    軌道傾斜角が40度から60度の傾斜軌道の北端、ないし南端に、西から東方向に向かって衛星を投入する軌道投入方法。
  4. 前記傾斜軌道の軌道面の特定の軌道位置に衛星を軌道投入する請求項3記載の軌道投入方法。
  5. 10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、衛星故障あるいは寿命完遂に伴い後継機を軌道投入する衛星コンステレーション維持方法であって、
    請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法で後継機を軌道投入する衛星コンステレーション維持方法。
  6. 10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、故障により軌道離脱ができない衛星を能動的にデブリ除去するデブリ除去方法であって、
    請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法でデブリを除去するためのデブリ除去衛星を軌道投入するデブリ除去方法。
  7. 緯度30度から50度に整備されたロケット発射場から打ち上げられるロケットであって、衛星分離後に軌道降下したロケットを、前記ロケット発射場とは異なる領域で回収するロケット回収方法。
  8. 大気圏内減速装置を具備し、
    請求項7に記載のロケット回収方法により回収される回収型ロケット。
  9. 請求項1に記載のロケット打ち上げ方法、または、請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法を実行するロケットを打ち上げるロケット発射場であって、
    請求項5記載の衛星コンステレーション維持方法を実現するためにレンタルされるロケット発射場。
  10. 再利用ロケット輸送手段を具備し、請求項8に記載の回収型ロケットを複数回打ち上げるロケット再利用サイクルにより、前記回収型ロケットを再利用するロケット再利用システムであって、
    請求項9に記載のロケット発射場から前記回収型ロケットを発射し、
    請求項7に記載のロケット回収方法により回収し、
    前記再利用ロケット輸送手段により前記ロケット発射場まで搬送し、再び前記回収型ロケットを打ち上げるロケット再利用システム。
  11. 10機以上の衛星により構成される衛星コンステレーションにおいて、初期衛星群整備後に、故障により軌道離脱ができない衛星を能動的にデブリ除去するデブリ除去方法であって、
    請求項4記載の軌道投入方法を実行するロケットが、
    故障した衛星を捕獲するデブリ除去手段と軌道制御装置を具備し、
    後継機が軌道投入された後に、故障した衛星を捕獲し、逆噴射して軌道離脱するデブリ除去方法。
  12. デブリ除去手段を具備し、ロケット打ち上げ作業完了後に、デブリを捕獲し、逆噴射して軌道離脱するロケット。
  13. 請求項1に記載のロケット打ち上げ方法、または、請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法を実行するロケット。
  14. 請求項1に記載のロケット打ち上げ方法、または、請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法を実行するロケット発射場。
  15. 請求項3または請求項4に記載の軌道投入方法、または、請求項5に記載の衛星コンステレーション維持方法を実行する衛星コンステレーション。
  16. 請求項12または請求項13に記載のロケットの追跡管制信号の授受をする地上設備。
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