JP2023017618A - 打撃工具 - Google Patents

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Kiyonobu Yoshikane
英暉 辻
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Abstract

【課題】自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具につき、部材の配置構成および動作性の合理化に資する構築技術を提供する。【解決手段】自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具100であって、第2ハウジング120は、一対のハンドル130とともに、弾性体を介して、第1ハウジング110に対して相対移動可能に構成され、第2ハウジング120の第1ハウジング110に対する相対移動動作を検知機構290が検知した場合に、コントローラ260は、モータ210を、第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態に切り替える。【選択図】 図10

Description

本開示は、自重によって垂下した状態で、下方に向かって打撃作業を行う態様を常態とする、いわゆる大型ハンマと称呼される打撃工具に関する。
打撃工具として、いわゆるモータで駆動される大型ハンマの構成が、例えば特開2017-113863号公報(特許文献1)等に開示されている。
特許文献1では、作業者の押圧動作の有無に応じて駆動モータの回転数を低速から高速へと切り替える技術が採用された大型ハンマの構成が開示されている。
大型ハンマは、大重量、大寸法かつ大出力であるがゆえ、部材の配置構成や動作性の合理化を図る要請が高い。
とりわけ、近年のESG(ないしSDGs)を重視した技術開発の一環として、環境負荷低減・高効率性や人間工学的設計の訴求が強く求められており、大型ハンマの開発もその例外ではない。
この点、大型ハンマの高効率性を追求するべく、実際に打撃作業を行う場合と、打撃作業に向けて機材をアイドリング状態で待機させる場合に、出力特性を変えてエネルギー効率を高める提案が知られている。一方、大型ハンマの高効率化においては、その出力の増大を図る必要があるが、そうするとトレードオフとして発生する強い振動への確実な対策が必要である。したがって、出力特性の向上と、出力増大に伴う振動増大への対策を併せて実現するべく、一層の合理化要求が強く存する。
特開2017-113863号公報
本発明の目的は、上記に鑑み、自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具につき、部材の配置構成および動作性の合理化に資する構築技術を提供することにある。
上記課題を解決するべく、本開示の一態様(態様1)によれば、
先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具が構成される。
この打撃工具は、前記先端工具を前記第1方向に駆動する駆動機構と、前記駆動機構を駆動するモータ出力軸が設けられたモータと、前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体と、を有する。
そして前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、前記一対のハンドルは、前記第2ハウジングに設けられ、前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に連接される。
この打撃工具は、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して押圧されない状態として定義される無負荷駆動状態において、前記モータを所定の第1速度で駆動するコントローラと、作業者が前記ハンドルを押圧操作して打撃作業を開始する場合に、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する相対移動動作を検知するための検知機構を更に有する。
そして前記コントローラは、前記検知機構の検知に基づき、前記モータを、前記第1速度での駆動状態から、前記第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態へと切り替えるよう構成されている。
当該打撃工具は、典型的には、自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具、すなわち大型ハンマに好適に適用される。
大型ハンマは、近年、出力を増大させて高効率化を図る要請が強いが、その場合、トレードオフとして発生する強い振動への確実な対策が必要である。
さらに大型ハンマにおいては、高効率性を追求するべく、実際に打撃作業を行う場合と、打撃作業に向けて機材をアイドリング状態で待機させる場合に、出力特性を変えてエネルギー効率を高める要請があるが、上記強い振動への対策と、エネルギー効率向上に同時的に対処することが合理的である。
このため、前記打撃工具では、打撃作業の際に振動が発生し易い第1ハウジングと、振動の伝達を抑制すべき第2ハウジングの間に弾性体を介在配置する。そして第2ハウジングを、一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対し相対移動可能とすることで、一対のハンドルに振動が伝達されることを抑制する構成(すなわち防振ハンドル構成)を採用している。
さらに前記打撃工具では、無負荷駆動状態において、前記モータを所定の第1速度で駆動する一方、作業者が前記ハンドルを押圧操作して打撃作業を開始する場合には、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する相対移動動作を検知し、
前記第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態へと切り替える構成が採用されている。すなわち、打撃作業が実際に開始されていない状態(無負荷駆動状態)では、相対的に低い第1速度でモータを駆動することで、省エネルギー化を図りつつ、続く通常の打撃作業に対する良好な応答特性を確保する構成である。すなわち検知機構により作業者による押圧を検知した場合には、負荷駆動状態(通常の打撃作業を遂行する状態)に対応して、相対的に高速の第2速度での駆動状態へと切り替えることで、打撃作業の効率化が図られる。
無負荷駆動状態は、「前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して押圧されない状態」として定義される。これは打撃作業を開始する前の状態、あるいは第2ハウジングの自重以外の力が、第1ハウジングないし弾性体に作用しない状態として定義することも可能である。
なお、高効率性を重視する見地に立脚し、前記第1速度については、無負荷駆動状態における省エネルギー効果を最大化するべく、速度ゼロ、すなわち静止状態とすることも含まれる。
本発明によれば、自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具につき、部材の配置構成および作業性の向上に資する構築技術が提供されることとなった。
本実施形態に係る打撃工具の全体構成を示す正面側(作業者側)斜視図である。 本実施形態に係る打撃工具の全体構成を示す背面側斜視図である。 本実施形態に係る打撃工具の平面図である。 本実施形態に係る打撃工具の正面断面図である。 本実施形態に係る打撃工具の側面(右側面)断面図である。 本実施形態に係る打撃工具の側面(右側面)拡大断面図である。 本実施形態に係る打撃工具の上部構図の構成を示す正面拡大断面図である。 本実施形態に係る打撃工具の第1摺動ガイド部材の構成を示す平面部分断面図である。 本実施形態に係る打撃工具の第2摺動ガイド部材の構成を示す平面部分断面図である。 ヘッドケースを取外した状態での打撃工具の上方側内部構造を示す正面右側の斜視図である。 ヘッドケースを取外した状態での打撃工具の上方側内部構造を示す正面左側の斜視図である。 コントローラケースの構成を示す上面側斜視図である。 コントローラケースの構成を示す底面側斜視図である。 ダクトカバーの構成を示す斜視図である。 ダクトカバーの構成を、被着部材であるモータ側から視た斜視図である。 ダクト部材の取付構成を示す左側面部分断面図である。 ダクト部材の取付構成を示す左側面部分断面図である。 検知機構の構成を示す斜視図である。 無負荷駆動状態における検知機構の構成を示す右側面部分断面図である。 無負荷駆動状態から負荷駆動状に切り替わる際の検知機構の動作態様を示す右側面断面図である。
上記した構成に関しては、以下の例示的態様を適宜に採用できる。また複数の例示的態様を組み合わせて上記構成に適宜に用いることもできる。
(態様2)
前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記第1ハウジングの上方側に前記第2ハウジングが連接状に配置され、前記検知機構は、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの間に介在配置されることができる。
第1ハウジングの「上方側」については、第2ハウジングの全ての構成要素が第1ハウジングの上方に位置する必要はなく、あくまで第1ハウジングの上部側に第2ハウジングが連接されれば足りる趣旨である。
(態様3)
前記弾性体を第1弾性体と定義した場合に、当該第1弾性体とは別に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に介在配置された初動用弾性体としての第2弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して所定の初動距離内にて相対移動する場合には、前記第2弾性体の付勢力が作用する一方、前記第1弾性体については付勢力非作用状態に置かれるように構成することができる。
これにより、第1ハウジングおよび第2ハウジングの相対移動動作の初動時には、第2弾性体の付勢力のみが作用することとなり、当該第2弾性体の付勢力を利用しながら初動検知を行うとともに、打撃作業が本格化する場合には、第1ハウジング及び第2ハウジングの間に、第1弾性体の付勢力をしっかりと作用させる等、防振を主体とする第1弾性体および初動検知を主体とする第2弾性体それぞれの特質・役割を区分でき、作業性をより向上することができる。
(態様4)
前記第2弾性体は、前記第2ハウジングおよび前記第2ハウジングに保持される部材の自重に相当する弾性力を有するように構成することができる。
第2ハウジングに保持される部材としては、打撃作業遂行のための各種機能部材や、バッテリ等が含まれる。
上記のように、第2弾性体を初動検知用に用いる場合、当該第2弾性体の付勢力につき、第2ハウジングおよびその保持部材の自重相当分を支持できる程度に設定することで、打撃作業開始時における、作業者による第2ハウジング要押圧力を極力低減することができる。これにより、防振ハンドル構成を有する打撃工具の作業性が一層向上することになる。
(態様5)
前記検知機構は、前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記第2ハウジングの相対移動動作に連動して、前記上方側および前記下方側に移動可能な可動部材と、前記可動部材の位置を検出するセンサとを有し、前記可動部材および前記センサは、アセンブリ体として前記第2ハウジングに取付けられることができる。
第1ハウジングと第2ハウジングの間に介在配置される検知機構を、アセンブリ体として一体的に第2ハウジングに設けることで、当該検知機構の組付け誤差等に起因する動作不良を未然に防止することが可能とされる。
(態様6)
前記検知機構は、前記可動部材を常時に前記第1方向下方側に付勢する可動部材付勢弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して近接状に相対移動する場合に、前記第2ハウジングに当接した前記可動部材が、当該第2ハウジングによって、前記可動部材付勢弾性体の付勢力に抗して前記第1方向上方側に押圧移動し、前記センサに位置検出されるよう構成することができる。
検知機構における可動部材を、既存部材である第2ハウジングに作動させることで、部材構成の一層の合理化が図られる。
(態様7)
前記モータを冷却するためのダクト部材を設け、前記モータにつきモータハウジングに収容される構成とし、前記ダクト部材は、前記モータハウジングに連接されたダクトカバーに接続され、前記ダクト部材から前記モータハウジング内に冷却風が供給される構成とし、前記可動部材は、前記ダクトカバーによって前記第1方向上方側に押圧移動される構成とすることができる。
モータ冷却用の部材であるダクトカバーを、検知機構における可動部材の作動要素に用いることで、部材構成の一層音合理化が図られる。
(態様8)
前記無負荷駆動状態において、前記可動部材と前記ダクトカバーの間に所定のクリアランスを設けることができる。これにより組付け誤差等に起因する部材の動作不良を未然に防止することができる。
(態様9)
前記コントローラを保持するコントローラケースを設け、前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記コントローラケースは、前記モータの上方側において前記第2ハウジングに設けられる構成とし、前記検知機構を前記コントローラケースで保持する構成とすることができる。これにより、打撃工具の配置構成の一層の合理化が図られる。
(態様10)
前記弾性体を第1弾性体と定義した場合に、当該第1弾性体とは別に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に介在配置された初動用弾性体としての第2弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して所定の初動距離だけ相対移動する場合には、前記第2弾性体の付勢力が作用する一方、前記第1弾性体については付勢力非作用状態に置かれるように構成されるとともに、前記第2弾性体については、前記コントローラケースと前記第1ハウジングの間に介在配置される構成としてもよい。
上記と同様に、防振を主体とする第1弾性体および初動検知を主体とする第2弾性体とを区分した上で、打撃工具の配置構成の一層の合理化が図られることになる。
以下、図1~図20を参照して、本実施形態に係る打撃工具100について説明する。
図1、図2、図3に、打撃工具100の全体構成が正面斜視図、背面斜視図、平面図としてそれぞれ示される。
また図4、5に打撃工具100の正面断面図、側面断面図がそれぞれ示され、図6に打撃工具100の側面の一部拡大断面図、図7に、打撃工具100の上部構図の正面拡大断面図が示される。
なお本実施形態では、便宜上、作業者に向かう側を打撃工具100の正面としている。
本実施形態においては、説明の便宜上、打撃工具100の長軸方向(長尺方向とも称呼:図1において紙面上下方向)を第1方向D1と定義する。
また、長軸方向と交差する幅方向(左右方向とも称呼:図1において紙面左右方向)を第2方向D2と定義する。
また、当該第1方向D1および第2方向D2に直交する方向である打撃工具100の厚さ方向を第3方向D3と定義する。
更に第1方向D1に関し、図1における紙面の下に向かう方向をD1D、紙面の上に向かう方向をD1Uと定義する。
(全体構成)
図1~図6に示すように、打撃工具100は、外観視において、概括的に、第1ハウジング110、第2ハウジング120を有する。
第2ハウジング120は、第1方向D1に関し、第1ハウジング110の上方側に連接され、当該第1ハウジング110と相対移動可能とされている。
(第1ハウジング110の構成)
第1ハウジング110は、長尺状に形成されて、上方側駆動機構収容部111および下方側駆動機構収容部112、先端領域113を有する。
また上方側駆動機構収容部111、下方側駆動機構収容部112の第2方向D2側部分には側方領域114が形成される。
上方側駆動機構収容部111、下方側駆動機構収容部112、先端領域113は、第1方向D1に関して、この順で上方側から下方側に連接状に配置されている。
上方側駆動機構収容部111は、主として、モータ210および運動変換機構170を収容する。下方側駆動機構収容部112は、主として、打撃機構180を収容する。運動変換機構170および打撃機構180は「駆動機構」に対応する構成例である。
モータ210、運動変換機構170および打撃機構180の詳細は後述する。
先端領域113には、ツールホルダ240およびリテーナ250が設けられる。
ツールホルダ240は、打撃作業に供されるツール装着部材であり、リテーナ250はツールホルダ240に装着された先端工具の抜け止め部材として機能する。
なお図面においては、便宜上、先端工具の図示は割愛されている。
(第2ハウジング120の構成)
第2ハウジング120は、第1方向D1において、第1ハウジング110の上方側に連接状に設けられている。第2ハウジング120は、ヘッドケース121、ハンドル取付部122、バッテリ装着部123を有する。
ヘッドケース121は、第2ハウジング120の外郭を構成するとともに、主として、コントローラ260、コントローラケース270を収容する(図10、図11等を併せて参照)。またヘッドケース121の第1方向上方D1Uにおける天面部には、冷却風吸気口127が設けられている。
ハンドル取付部122は第2方向D2について対状に、かつ、ヘッドケース121に一体状に連接されるとともに、後述するハンドル130が取付けられる。
バッテリ装着部123は、第2方向D2について対状に設けられ、ハンドル取付部122の第1方向下方D1D側にそれぞれ連接されるとともに、後述するバッテリ150がそれぞれ装着される。
バッテリ装着部123は、第1ハウジング110の側方領域114であって、第2ハウジング120の、ハンドル取付部122の第1方向D1に関する直下領域130Aに配置されるように構成される。
またバッテリ装着部123は、バッテリ装着時のスライドガイド124および給電端子125を有する(図4参照)。
また各バッテリ装着部123は、当該バッテリ装着部123に装着された状態のバッテリ150の外郭を外力から保護するためのバッテリプロテクタ128を有する。
ヘッドケース121、ハンドル取付部122およびバッテリプロテクタ128を含むバッテリ装着部123は、連接状に一体化されて第2ハウジング120を形成するとともに、第1方向D1に関し、第1ハウジング110に対して一体状に相対移動可能に構成されている。なお第2ハウジング120の、第1ハウジング110に対する相対移動の詳細構成については後述する。
(ハンドル130の構成)
ハンドル130は、第1ハウジング110から第2方向D2へとそれぞれ突出状に延在する、一対の第1ハンドル部131、第2ハンドル部141を有する。
典型的には、第1ハンドル部131は作業者の右手での把持、第2ハンドル部141は作業者の左手での把持にそれぞれ供される。
図3に詳しく示すように、第1ハンドル部131は、第1ハンドル基部132、第1ハンドル把持部133、自由端部領域134を有する。第1ハンドル把持部133にトリガ135が設けられている。トリガ135は、常時にオフ位置に付勢されるとともに、第1ハンドル部131を把持しつつ手動押圧操作することで、当該オフ位置への付勢力に抗しつつオン位置へと移動可能とされる。図1~図4では、オフ位置に置かれた状態(初期状態)のトリガ135が示されている。
トリガ135は、作業者による押圧操作が解除された場合、オフ位置への付勢力により当該初期状態に復帰する。図4に示すように、トリガ135は、ハンドル取付部122内に設けられた電気スイッチ136に連接されており、トリガ135がオン位置に移動することで電気スイッチ136がオン状態とされ、後述するコントローラ260にオン信号が送られる。
第2ハンドル部141は、第2ハンドル基部142、第2ハンドル把持部143、自由端部領域144を有する。
(バッテリ150の構成)
図1~図3に示すように、バッテリ150は、バッテリ前面部151、バッテリ上面部152、バッテリ底面部153、バッテリ後面部154を有する概ね矩形立法体状とされ、複数の電池による組電池を収容したパッケージ体として構成される。
またバッテリ上面部152の、バッテリ後面部154への近接領域には、ロック解除部155が設けられる。ロック解除部155は、バッテリ150を第2ハウジング120から取り外す際に手動操作される。
バッテリ150は、図3に示すように、バッテリ装着方向156へとスライド動作することで第2ハウジング120のバッテリ装着部123に装着される。これによりバッテリ150は、バッテリ装着部123におけるスライドガイド124に係合した状態で、給電端子125と電気的に接続され、打撃工具100に対して給電可能状態に置かれる。
バッテリ装着方向156は、第1方向D1および第2方向D2にそれぞれ交差(直交)するとともに、第3方向D3に沿った方向として定義される。
一方、バッテリ150は、ロック解除部155を手動操作しつつ、バッテリ装着方向156と反対方向にスライド動作することで、第2ハウジング120から取外される。換言すれば、バッテリ装着方向156および取外し方向(バッテリ装着方向156と反対の方向)は、第1方向D1および第2方向D2に対して交差状(直交)とされる。
上記したバッテリプロテクタ128は、バッテリ150がバッテリ装着部123に装着された状態で、バッテリ前面部151、バッテリ上面部152、バッテリ底面部153(およびバッテリ側面部の一部)を覆い、バッテリ150を外力から保護する。
換言すれば、バッテリプロテクタ128は、バッテリ前面部151,バッテリ上面部152、バッテリ底面部153の全部または一部を覆うカバー部材としての構成を有する。
また図4に示すように、バッテリプロテクタ128の下面(第1方向下方D1D)には先端領域113ないし先端工具の端部を照射するLEDライト129が設けられている。LEDライト129は、打撃作業の遂行補佐を行う機能部材の一つである。
本実施形態では、バッテリ装着部123に装着されたバッテリ150が、バッテリプロテクタ128とともに、図4に示すように、第1ハンドル部131および第2ハンドル部141の各自由端部領域134、144と、第1ハウジング110の先端領域113を結ぶ仮想線HLの内側(仮想線HLよりも打撃工具100に近接する側)に配置されるように構成されている。
これにより、バッテリ装着部123に装着されたバッテリ150およびバッテリプロテクタ128が、打撃作業の妨げとなることが回避される。また万が一、打撃工具100が転倒した場合に、バッテリ150(およびバッテリプロテクタ128)は、接地線として想定される仮想線HLの内側に配置されることで、転倒時の衝撃を回避することができ、外力からの保護性がより向上する。
(モータ210の構成)
図5,図6に示すように、モータ210は、ステータ211、ロータ212、ロータ212に一体状に連接された出力軸213および、出力軸213に一体状に連接された冷却ファン214を主体として構成される。冷却ファン214として、本実施形態では遠心式のファンが採用されている。
モータ210の各要素は、モータハウジング215内に収容されるとともに、第1ハウジング110内に配置される。
出力軸213は、第3方向D3において作業者と反対側において、上記した運動変換機構170の第1中間軸171と、所定の減速比にて回転伝達可能に連接され、モータ210からの回転出力が出力軸213から第1中間軸171を経由して運動変換機構170に伝達される。
また本実施形態では、モータ210として、比較的小型サイズでありながら相対的に大出力を得るために、ブラシレスモータが採用されている。ブラシレスモータの構造自体は周知技術に属するため、その詳細な説明について、本明細書では省略している。
出力軸213は、第1方向D1および第2方向D2に対して交差する一方、第3方向D3に沿って延在するように配置されている。換言すれば、モータ210の中で最も大寸法となり易い出力軸213が、打撃工具100の厚さ方向である第3方向D3を向いて延在するよう配置することで、第3方向D3にモータ210の大寸法を割り当て、代わりに、打撃工具100の幅方向である第2方向D2沿いに他の機能部材配置用のスペースを大きく確保している。
具体的には、特に図1,図4に示されるように、第1ハウジング110、第2方向D2における側方領域114のスペースを確保し易くなる。本実施形態では、この側方領域114に確保された拡張スペースSを利用し、第2ハウジング120の一部として、上記のバッテリ装着部123が設けられており、当該バッテリ装着部123にバッテリ150が装着された場合であっても、あるいはバッテリプロテクタ128が配置されていても、作業の妨げとならないようにスペース効率を最適化している。
(運動変換機構170の構成)
図5,図6に示すように、運動変換機構170は、第1中間軸171、第2中間軸172、クランク機構173、シリンダ174、ピストン175、空気室176および制振機構177を主体として構成される。
第1中間軸171は、上記の通り、モータ210の出力軸213と回転伝達可能に連接され、更に第1中間軸171は、所定の減速比にて第2中間軸172と回転伝達可能に連接される。
第2中間軸172は、クランク機構173と一体連結されるとともに、制振機構177を駆動可能に連接される。
クランク機構173は、第2中間軸172の第3方向D3周りの回転運動を、第1方向D1への直線運動に変換して、ピストン175を第1方向D1に直線状に往復動作させる。ピストン175の直線運動によってシリンダ174内の空気室176に圧力変動が生じる構成とされている。
制振機構177は、シリンダ174の外周に沿って、第1方向D1に直線状に往復動作されるカウンタウェイト178を有する。カウンタウェイト178は、以下に述べる打撃機構180による打撃動作に対向して作動し、打撃作業時に打撃工具100に生じる振動を抑制する部材である。
(打撃機構180の構成)
図5、図6に示すように、打撃機構180は、ストライカ181、インパクトボルト182を主体として構成される。上記の通り、シリンダ174内の空気室176に圧力変動が生じると、同じくシリンダ174内に、空気室176を挟んでピストン175と対向して配置されたストライカ181が第1方向D1に直線運動し、インパクトボルト182を第1方向D1に直線運動させる。
これによりインパクトボルト182が、ツールホルダ240内に装着された先端工具(便宜上、図示を省略)を直線運動させ、当該先端工具によって第1方向D1への打撃作業が遂行される。
なお、第1方向D1における先端工具の抜け止めはリテーナ250によって行われる。
リテーナ250は、図5において回転中心251周りに回転することで、先端工具の抜け止め位置(図5に対応)および解除位置の間で移動可能とされる。
(第1摺動ガイド部材190の構成)
上記した通り、第1ハウジング110および第2ハウジング120は、第1方向D1に関して相対移動が可能に構成されている。
そして本実施形態では、図7~図9に示すように、当該相対移動動作の円滑化のために、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200が設けられている。
第1摺動ガイド部材190は、第1方向D1に関し、ハンドル130の近接位置(ハンドル130と略同等の高さ位置)に設けられる。第1摺動ガイド部材190は、第1ハウジング110側の構成要素であるパイプ状部材191、第2ハウジング120側の構成要素である二股部材192を有する。二股部材192は、文字通り二股状に分岐した対状部分を有する部材であって、フォーク状部材ないし分岐部材とも称呼される(forked memberないしbifurcated member)
パイプ状部材191は、金属製であって、断面円形状に形成されるとともに、その長軸が第1方向D1を向くように第1ハウジング110に固定状に配置される。
二股部材192は、樹脂製であって、第2ハウジング120のハンドル取付部122に対して、ハンドル130と一体化されて固定される。二股部材192は、二股部分がパイプ状部材191の外周面に沿った状態で、当該パイプ状部材191に遊嵌状に配置され、当該パイプ状部材191に対し、第1方向D1へと摺動状に相対移動可能に構成されている。
本実施形態では、第1摺動ガイド部材190は、第1方向D1周りに複数配置(図8に示すように、対向状かつ対状に2つ配置)されている。
(第2摺動ガイド部材200の構成)
第2摺動ガイド部材200は、上記した第1摺動ガイド部材190よりも第1方向下方D1D側に配置される。具体的には、第1方向D1に関し、バッテリ150の近接位置(バッテリ150と略同等の高さ位置)に設けられる。
第2摺動ガイド部材200は、凸状部材201、凹状部材202、摺動ガイド203を有する。
凸状部材201は、樹脂製で、第1ハウジング110側に固定状に設けられ、図9に示すように第2方向D2外方に向かって突出する構成とされる。
凹状部材202は、樹脂製で、第2ハウジング120側に設けられて、図9に示すように、第1方向D1に相対摺動可能な状態で凸状部材201と嵌合する。
摺動ガイド203は、薄板状の板金を曲折して形成されており、図9に示すように、第1ハウジング110に溶着固定されるとともに、凸状部材201と凹状部材202の間に介在配置されて、凸状部材201と凹状部材202の相対摺動動作を、剛性補強しつつガイドする。
更に本実施形態では、第2摺動ガイド部材200は、第1方向D1周りに複数配置される(図9に示すように、対向状かつ対状に2つ配置される)。
第2摺動ガイド部材200には、緩衝部材205が設けられている。緩衝部材205は、第2ハウジング120側の緩衝部材当接座126と当接可能とされている。
緩衝部材当接座126は、断面がクサビ状とされ、第2ハウジング120のバッテリ装着部123に一体状に形成されている。
緩衝部材205は、ゴム・ウレタン・スポンジ等の弾性体で形成され、第1ハウジング110に固定状に取付けられる。具体的には、緩衝部材205は、図9に示すように凸状部材201の裏面側に設けられる。
緩衝部材205は、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに近接する方向に相対移動する場合に、第2ハウジング120側の緩衝部材当接座126によって圧縮される。そして、当該圧縮によって第1ハウジング110と第2ハウジング120の間の相対移動動作が緩衝される。
本実施形態に係る打撃工具100は、さらにストッパ204を有する。
ストッパ204は、図7に示すように、第2ハウジング120側の二股部材192を受けることで、第1方向D1に関し、第1ハウジング110と第2ハウジング120間の相対移動の最大距離(すなわち可動ストローク距離)を規定する。
(複数の摺動ガイド部材配置)
本実施形態では、第1方向D1に関し、第1摺動ガイド部材190がハンドル近接側摺動ガイド部材を構成し、第2摺動ガイド部材200がハンドル離間側摺動ガイド部材を構成する。第1ハウジング110および第2ハウジング120の相対移動動作を、第1方向D1において複数の摺動ガイド部材でサポートすることで、動作の安定性を確保する構成である。
また図8,図9に示すように、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200が、それぞれ第1方向D1周りに複数配置されることで、更に第1ハウジング110および第2ハウジング120の相対移動動作の安定性が確保される構成である。
(防振構造)
図4、図7に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120は、第1弾性体161および第2弾性体162が介在配置されることで、第1方向D1において、付勢力が作用した状態で、互いに(近接・離間の)相対移動をすることが可能に構成されている。
本実施形態における第1弾性体161および第2弾性体162では、それぞれ金属製のコイルスプリングが用いられている。他に、例えばリーフ・スプリング、ゴム、軟質性樹脂、アクチュエータ等を用いることも可能である。
第1弾性体161は、ハンドル130よりも第1方向下方D1D側において、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在配置される。本実施形態では、第1弾性体161は一対のペア構造として構成される。
第1弾性体161の下端部は、図7に示すように、上方側駆動機構収容部111に設けられた第1弾性体取付座120Aに取付けられる。
一方、第1弾性体161の上端部は、押圧座120Cが取付けられつつ、自由端状態に置かれる。
押圧座120Cは、図7における正面視では、L字状断面を有するとともに、当該L字状断面の底部が、第1弾性体171の上端部に嵌合される。一方、L字状断面の上端部は、第1ハウジング110側の二股部材192に対向状に配置される。
押圧座120Cの上端部と、第1摺動ガイド部材190の二股部材192とは、打撃作業が開始される前(初期状態)においては、所定のクリアランス190CLだけ離間した状態で対向配置される。本実施形態では、当該クリアランス190CLは2ミリメートル(2mm)に設定されている。
そして第1ハウジング110が第1方向下方D1Dに相対移動して第2ハウジング120に近接した場合、まず二股部材192が、パイプ状部材191に沿ってクリアランス190CLに相当する距離だけ下降し、第1弾性体161の押圧座120Cの上端部に当接する。
更に第1ハウジング110が第1方向下方D1Dに相対移動することで、二股部材192が、押圧座120Cを介して第1弾性体161を圧縮する。これにより、圧縮に応じて発生する第2弾性体162の付勢力が、第1ハウジング110および第2ハウジング120の間に作用することとなる。
本実施形態における第1弾性体161は、第1方向D1に関し、ハンドル近接側摺動ガイド部材である第1摺動ガイド部材190と、ハンドル離間側摺動ガイド部材である第2摺動ガイド部材200の間に配置されている。このため、いわゆる両端支持状態で付勢力を作用させることができ、付勢力の、第1方向D1以外の成分による悪影響(相対移動時の傾倒力の発生等)が回避される。
また第1弾性体161は、第1摺動ガイド部材190の第1方向D1直下領域に配置されており、ハンドル130に対する防振作用の向上が図られている。
一方、本実施形態における第2弾性体162は、ハンドル130よりも第1方向上方D1U側において、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在配置される。
本実施形態では、第2弾性体162は一対のペア構造として構成される(図10等を併せて参照)。
各第2弾性体162の一方側(第1方向上方D1U側)の端部は、コントローラケース270の第2弾性体取付部278(第2ハウジング120側)に取付けられる。なおコントローラケース270の詳細な構造は、併せて図12、図13に示される。一方、各第2弾性体162の他方側の端部(第1方向下方D1D側)は、第2弾性体取付座120B(第1ハウジング110側)に取付けられる。
かくして、第2弾性体162が、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在配置される。
そして、作業者がハンドル130を把持した状態で、第1方向下方D1Dに押圧操作した場合、ハンドル130と一体化された第2ハウジング120が、第2弾性体162の付勢力に抗した状態で、第1方向下方D1Dに相対移動して第1ハウジング110に近接する構成とされる。
第1弾性体161および第2弾性体162は、
「第1弾性体161の弾性係数>第2弾性体162の弾性係数」
となるように設定されている。
具体的には、第1弾性体161(本実施形態ではコイルスプリング)は、打撃作業時に第1ハウジング110側に生じる振動が、第2ハウジング120側に伝達されることを効果的に抑制可能な程度、すなわち打撃工具100の防振ハウジング構造を十分に担保可能に、相対的に大きな弾性係数となるように定められる。
一方、第2弾性体162は、
(1) 打撃作業が行われない場合に、第2ハウジング120と、当該第2ハウジングに装着される各機能部材およびバッテリ150の重量に相当する程度、換言すれば第2ハウジング120側の重量物を、第1ハウジング110から離間した状態で保持できれば足りる程度であって、
かつ、
(2) 打撃作業を開始する場合には、作業者がハンドル130を第1方向下方D1Dに押圧して、第2ハウジング120を第1ハウジング110側に相対移動することが可能な程度、換言すれば、手動で容易に第2ハウジング120を第1ハウジング110側に押圧可能な程度、の弾性定数となるように定められる。
(ヘッドケース121を取外した状態での第1ハウジング110の内部構成)
図1に示すヘッドケース121を取り外した状態での、打撃工具100の上方側内部構成が、図10および図11に示される。
図10は、ヘッドケース121を取外した状態での打撃工具100の上方側内部構造を正面右側視にて示す。一方、図11は、ヘッドケース121を取外した状態での打撃工具100の上方側内部構造を正面左側視にて示す。
第1方向上方D1U側において、第1ハウジング110に連接された第2ハウジング120は、コントローラ260、当該コントローラ260を保持するコントローラケース270、主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290を保持する。
コントローラ260は上記したモータ210の駆動制御を主として行う部材である。コントローラ260は、制御基板を収容するとともに上面に放熱フィン261が形成された組立体、すなわち制御基板アセンブリ体として構成される。また制御基板は、主としてCPU、メモリ等を有する。
主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290は、いずれも打撃工具100による打撃作業遂行の補佐を行うための機能部材280を構成する。
第2ハウジング120は、上記各部材を保持した状態で、第1ハウジング110に対し、第2弾性体162を介在させた状態で連接される。第2弾性体162の付勢力は、第1方向D1に関して第1ハウジング110および第2ハウジング120の双方に作用する。
一方、第1ハウジング110は、その第1方向上方D1U側上端部において、モータ210が収容されたモータハウジング215を保持する。モータハウジング215にはダクトカバー220が連接される。ダクトカバー220は、図6にも示されるが、モータ210の出力軸213の両端部のうち、冷却ファン214とは対向する側の端部領域において、モータハウジング215に連接される。
また図11に示すように、ダクトカバー220とコントローラケース270の間には、ダクト部材230が連接される。
以下、各部材の詳細な構成について順に説明する。
(コントローラケース270の構成)
コントローラケース270の詳細な構成が、図12、図13に示される。このうち図12は、コントローラケース270上面側斜視図であり、図13は、コントローラケース270の底面側斜視図である。
コントローラケース270は、コントローラ260の保持部として機能する枠体構造のフレーム271を主体として構成され、当該フレーム271に、ダクト部材取付部272、ヘッドケース取付部273、検知機構取付部274、主電源スイッチ取付部275、通信ユニット取付部276、ワイヤハーネス挿通開口277、第2弾性体取付部278が一体状に成形されている。
また特に図示しないものの、コントローラ260を、バッテリ150、モータ210、電気スイッチ136等と電気的に接続するためのリード線(電線)が、ワイヤハーネス挿通開口277に挿通・保持される。リード線は、単線(単一)、ないしは複数を結束した状態、いずれも採用可能である。
(ダクトカバー220の構成)
ダクトカバー220の詳細な構造が、斜視図として図14、図15に示される。
図14は、ダクトカバー220の正面側斜視図であり、図15は、ダクトカバー220を、被着部材であるモータ210側から視た斜視図である。
ダクトカバー220は、内部空間221、モータ取付座222、フランジ223、冷却風誘導路224、ダクト部材取付部225を有する。上記したコントローラ260を冷却した冷却風は、ダクトカバー220のダクト部材取付部225,冷却風誘導路224、内部空間221を通じて、モータ210へと送られるように構成される(図11を併せて参照)。
このように構成されるダクトカバー220は、モータ取付座222を利用して、モータハウジング215に螺着される(図10、図11を併せて参照)。
図6に示すように、ダクトカバー220は、第3方向D3に関し、モータ210の出力軸213における、冷却ファン214が取付けられる側の端部とは反対の端部側(作業者側)において、モータハウジング215に取付けられる。従って、出力軸213とともに冷却ファン214が回転すると、冷却風は、当該冷却ファン214の軸流作用により、図15に示すダクトカバー220内のダクト部材取付部225,冷却風誘導路224,内部空間221を経由してモータハウジング215に送られ、更に出力軸213に沿って第3方向D3へとモータハウジング215内を移流する。これによりモータハウジング215に収容されたモータ210が冷却されるよう構成される。
(ダクト部材230の構成)
図11、図16、図17に示すようにダクト部材230の詳細が示される。
このうち図16は、図11におけるダクトホース231の第1端部232の中心軸を通るように第1方向D1に切った左側面の第2方向断面視、図17は、図11におけるダクトホース231の第2端部233の中心軸を通るように第1方向D1に切った左側面の第2方向断面視である。
ダクト部材230は、コントローラ260を冷却した冷却風を、モータハウジング215に供給するための部材であり、ダクトホース231を主体として構成される。
ダクトホース231は、第1端部232がコントローラケース270のダクト部材取付部272に接続され(図12,図13も併せて参照)、第2端部233がダクトカバー220のダクト部材取付部225に接続される。
これにより、ダクト部材230は、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に介在状に配置されることになる。
図16に示すように、ダクトホース231の第1端部232は、コントローラケース270のダクト部材取付部272に直接的かつ嵌合状に取付けられる。換言すれば、第1端部232は、別にアダプタ等の補助機器を介することなく(アダプタ非介在状に)、ダクト部材取付部272にダイレクト嵌合される。
また図17に示すように、ダクトホース231の第2端部233は、モータ210に連接されたダクトカバー220のダクト部材取付部225に直接的かつ嵌合状に取付けられる。換言すれば、第2端部233は、別にアダプタ等の補助機器を介することなく(アダプタ非介在状に)、ダクト部材取付部225にダイレクト嵌合される。
本実施形態におけるダクトホース231は、所定の初期状態から伸張された場合に、当該初期状態へと復帰するように、収縮側へと付勢力が作用する部材によって構成されている。本実施形態では、蛇腹構造のホースを採用している。
そして本実施形態では、初期状態から所定量だけ伸張された状態のダクトホース231が、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に連接状に配置される。従って、ダクトホース231は、初期状態へ復帰するように収縮側へと付勢力が常時に作用した状態に置かれる。
これより、ダクトホース231は常時に収縮しようとするので、打撃工具100内で無駄に弛むことがなく、第1ハウジング110と第2ハウジング120が相対移動する場合であっても、他部材と擦れて摩耗することを回避可能な構造が得られる。
具体的には、防振構造の採用により、ダクトホース231による第1ハウジング110と第2ハウジング120間の連接距離は、初期状態よりも短縮化される。この場合、仮にダクトホース231に収縮側への付勢力が生じないと、当該ダクトホース231には、連接距離の短縮化に起因して不要の弛みが発生し、当該弛みが他部材との擦れ等の原因となってしまう。本実施形態では、所定の初期状態へと復帰するように収縮側に付勢力が作用するダクトホース231を採用することで、かかる問題が未然に防止されることになる。
また図11に示すように、ダクトホース231の第1端部232、すなわち第1方向上方D1U側である、コントローラケース270側の端部断面は、第2方向D2および第3方向D3で形成される面とされる。換言すれば、ダクトホース231の上端側の中心軸が第1方向D1に沿う構成である。
一方、ダクトホース231の第2端部233,すなわち第1方向下方D1D側である、ダクトカバー220側の端部断面は、第1方向D1および第2方向D2で形成される面とされる。換言すれば、ダクトホース231の下端側の中心軸が第3方向D3に沿う構成である。
この結果、第1端部232および第2端部233の各断面が、互いに交差状となるように構成される。すなわち、第1端部232の中心軸が第1方向に沿い、第2端部233の中心軸が第2方向D2に沿うことで、互いの中心軸が交差状(略直交状)とされる。この構成は、特に第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに相対移動する防振構造において、相対的に距離が変わる部材間にダクトホース231を連接配置する場合に、ダクトホース231の捩れや不要のテンション付加を回避する観点で有利とされる。
またダクトホース231の第1端部232は、モータ210の冷却ファン214(図4、図5等も併せて参照)の近接上部領域に位置するよう構成される。
更に図16等に示すように、ヘッドケース121においては、少なくとも、コントローラケース270のダクト部材取付部272と対向する側の端部に対応するように、冷却風吸気口127Aが設けられている。冷却風吸気口127Aから、対向側端部に位置するダクト部材取付部272に取付けられたダクトホース231の第1端部232に至るまで、冷却風が長く流動することで、コントローラ260の冷却効果が向上するための構成である。なお、本実施形態では、ダクト部材取付部272と対向する側の端部のみならず、ヘッドケース121の天面の中央部にも冷却風吸気口127が形成されており、冷却風の吸入効率向上が図られている。
また図11に示すように、ダクトホース231は、モータハウジング215に設けられたダクト部ガイドリブ116によって、概ね央部の湾曲形状が保持された状態に置かれる。
(機能部材280の構成)
本実施形態では、図3,図10、図11に示すように、打撃工具100による打撃作業遂行の補佐を行う各種の機能部材280の一例として、主電源スイッチ281、通信ユニット282、検知機構290が設けられている。
主電源スイッチ281は、打撃工具100を通電状態に置くための起動スイッチである。作業者が、主電源スイッチ281を手動で投入することにより、バッテリ150からの給電を介し、コントローラ260による打撃工具100の駆動制御が開始される。
主電源スイッチ281は、作業者が手動でオン位置に投入すると、基本的には、更に手動でオフ位置への復帰操作がなされるまで、当該オン位置が維持される。
但し、本実施形態では、省エネ等の観点で、オン位置投入後に無操作状態が60秒間継続すると、自動的にオフ位置への復帰がなされる設定とされている。
また主電源スイッチ281がオン状態に投入されると、作動ランプ点灯によって、投入状態が作業者に視認できるように報知される。
通信ユニット282は、打撃工具100とともに打撃作業に供されるアタッチメント部材(補機)に駆動制御信号を送るための部材である。
アタッチメント部材としては、本実施形態では集塵装置が用いられている。
また通信手法として、Wifi、ブルーツース等が使用される。
(検知機構290の構成)
更に上記機能部材280の構成要素の一つである検知機構290の構成について説明する。
図18、図19に検知機構290の基本構成が示される。
検知機構290は、アセンブリ体基部291、磁性体が設けられた可動部材292、可動部材付勢弾性体293および磁気式のセンサ294を有する。
検知機構290は、コントローラケース270の検知機構取付部274(図12,図13も併せて参照)に取付けられる。
また検知機構290は、便宜上図示しないワイヤハーネスによってコントローラ260に接続される(図10等参照)。
可動部材292は、アセンブリ体基部291に保持された状態で、第1方向D1に移動可能とされる。可動部材付勢弾性体293は、可動部材292とアセンブリ体基部291の間に介在配置されるとともに、可動部材292に対し、第1方向下方D1D側への付勢力を常時に作用させる。
可動部材292の下端部は、図19に示すように、ダクトカバー220の上端部に臨むとともに、打撃作業が遂行される前の初期状態では、所定のクリアランス290CLが形成されるように構成されている。本実施形態では、当該クリアランス290CLは1mm(ミリメートル)に設定されている。
本実施形態では、当該初期状態において、センサ294が、可動部材292の磁気を検知した状態が維持される。換言すればセンサ294が可動部材292側の磁気を検知している状態につき、コントローラ260は、検知機構290が初期状態にあると判断する。
一方、図20に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに近接するように相対移動する場合、当該相対移動に伴ってクリアランス290CLがなくなり、可動部材292の下端部とダクトカバー220の上端部が当接した状態に置かれる。
この状態から、更に第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに近接するように相対移動する場合、可動部材付勢弾性体293の付勢力に抗しつつ、ダクトカバー220が可動部材292を第1方向上方D1Uへと押し上げる構成とされる。可動部材292が第1方向上方D1Uへ移動動作することで、センサ294において磁気の検出が解除され(磁気を検出しなくなり)、コントローラ260は、検知機構290を通じて打撃工具100の押圧検知を行う。
すなわち検知機構290は、いわゆるプッシュドライブセンサとしての役割を果たす。
本実施形態では、当該押圧検知により、打撃工具100の無負荷駆動状態から負荷駆動状態へ切り替えられるが、その詳細な動作態様については後述する。
(本実施形態に係る打撃工具100の動作態様)
以下、本実施形態に係る打撃工具100の動作態様について説明する。
本実施形態に係る打撃工具100は、いわゆる大型ハンマとして構成され、打撃工具100自体の自重によって垂下した状態で、下方に向かって打撃作業を行う作業態様を常態としている。
なお、ここでいう「垂下」ないし「下方」は、第1方向下方D1Dに完全一致する方向のみならず、それ以外の方向成分を含むことができる。
(モータ210の通電:ソフトノーロードスタート)
作業者が、打撃工具100を用いて打撃作業を行う場合、まずハンドル130を手で把持し、打撃工具100が自重で垂下した状態(ツールホルダ240が第1方向下方D1Dに向いた状態)に置くとともに、主電源スイッチ281を手動で投入する。
更に作業者は、ハンドル130を把持した状態で、トリガ135を手動投入する。コントローラ260は、主電源スイッチ281の投入およびトリガ135の投入に基づき、モータ210を、所定の第1速度(第1回転速度)R1にて回転駆動する。
第1速度R1の具体的な設定値としては、例えば、その後の通常駆動運転(負荷駆動状態)への円滑移行に備えつつも、消費電力を相応に低減できるようなアイドリング設定に従って定められる。そして、この第1速度R1は、相対的に低速域に設定されることで、制振機構177を介して打撃工具100に発生する振動を極力低減するように構成される。この点については後述する。
主電源スイッチ281とトリガ135の双方の投入をモータ210の通電駆動条件とするのは、打撃工具100の誤作動防止を徹底するためである。また誤作動防止を徹底する観点で、主電源スイッチ281投入前にトリガ135を投入しても通電駆動されない設定とされている。
本実施形態では、上記のように、モータ210にブラシレスモータが採用されており、主電源スイッチ281およびトリガ135の投入を受けて、コントローラ260は、いわゆるPWM制御によってモータ210の駆動制御を行う。
(打撃工具100の無負荷駆動状態の定義づけ)
本実施形態においては、モータ210が駆動された状態で、かつ、第2ハウジング120が第1ハウジング110に対して押圧操作されていない状態を「無負荷駆動状態」と定義づける。
この「無負荷駆動状態」は、以下の状態としても定義づけ可能である。すなわち
(1)打撃作業開始前の初期状態。
(2)先端工具に、自重を除く負荷が作用してない状態、すなわち先端工具が加工作業対象に対して(自重を除いて)意図的に押し付けられておらず、「無負荷」で駆動される状態。
あるいは、
(3)作業者がハンドル130を押圧操作していない状態、すなわち第1ハウジング110と第2ハウジング120との間で相対移動動作が行われていない状態、あるいは第1弾性体161および第2弾性体162がいずれも圧縮されていない状態。
なお、当該無負荷駆動状態は、「ノーロード駆動状態」等とも称呼される。
(運動変換機構170の動作)
モータ210が回転駆動されると、図5、図6に示すように、モータ210の出力軸213の第3方向D3周りの回転出力は、第1中間軸171、第2中間軸172へと伝達され、クランク機構173によって第1方向D1への直線運動に変換され、これによってピストン175がシリンダ174内で第1方向D1へと直線運動する。同様に、カウンタウェイト178を主体とする制振機構177がシリンダ174外周において第1方向D1へと異なる位相で直線運動を行う。
打撃工具100が無負荷駆動状態に置かれている場合、図5、図6に示すインパクトボルト182は、当該図5、図6に示す位置から、自重によってツールホルダ240の第1方向下方D1Dの先端側へと移動し、併せてストライカ181も、自重によってシリンダ174の第1方向下方D1Dの先端側へと、インパクトボルト182に連接するように移動する。換言すれば、無負荷駆動状態においては、インパクトボルト182およびストライカ181は、各々の自重で第1方向下方D1D側に垂下した状態に置かれる。
この場合、ストライカ181がシリンダ174内の最前方側に位置する関係で、シリンダ174内の空気室176は、図6に示すシリンダ174の通気孔174Aを通じて外部に開放された状態となり、ピストン175が駆動されているにも拘わらず、空気室176内には圧力変動が生じず、ストライカ181は作動されないことになる。なお図6は、便宜上、これとは逆に、空気室176が、通気孔174Aを通じて外部開放されていない状態、(後述する)負荷駆動状態の構成を示している。
この場合、上記したように、コントローラ260は、モータ210を、所定の第1速度R1にて回転駆動しているが、第1速度R1は、相対的に低速域に設定されているため、制振機構177の駆動速度も相対的に低速域となり、制振機構177を介して打撃工具100に発生する無駄な振動は最小限に抑えられている。
本実施形態では、この状態に関し、無負荷駆動状態において相対的に低速である第1速度R1でモータ210を駆動する態様について「ソフトノーロードスタート」と定義付ける。
ソフトノーロードスタートは、制振機構177による振動発生を極小化した状態で、モータ210を低速回転しておき、続く通常の打撃作業に対する応答特性を向上させるための作動態様である。
なお、本実施形態では、R1を相対的に低速域の所定値としているが、R1をゼロに設定することも可能である。換言すれば、無負荷駆動状態ではモータ210を回転駆動しない設定を選択することもできる。この場合、無負荷駆動状態から駆動状態への立ち上がり特性に代えて、無負荷駆動状態における省エネルギー効果および振動抑制を重視した設定となる。
打撃工具100が無負荷駆動状態に置かれている場合、以下の特質が掲げられる。
(1) 図7に示す第1弾性体161は非圧縮状態、すなわち付勢力非作用状態に置かれる。そして、第1摺動ガイド部材190の二股部材192と押圧座120Cの間には、クリアランス190CL(本実施形態では2mm)が確保される。
(2) 図7に示す第2弾性体162は非圧縮状態、すなわち付勢力非作用状態に置かれる。
(3) 図19に示す検知機構290においては、可動部材292とダクトカバー220の間にはクリアランス290CL(本実施形態では1mm)が確保される。
(打撃工具100の動作態様2:無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切り替え)
上記した無負荷駆動状態における打撃工具100につき、作業者がハンドル130を第1方向下方D1Dに押圧することで、ハンドル130と一体状とされた第2ハウジング120は、第1方向下方D1D側の第1ハウジング110に近接する。すると第2ハウジング120の構成部材であるコントローラケース270も併せて第1方向下方D1D側に移動することで、図7に示す第2弾性体取付部278を介して、第2弾性体162が圧縮される。圧縮状態に置かれた第2弾性体162は、第1ハウジング110および第2ハウジング120の双方に付勢力を作用させる。
一方、第1弾性体161は、図7に示すクリアランス190CL(2mm)が存するため、第2ハウジング120側の二股部材192が、第1弾性体161側である押圧座120Cに到達せず、第1弾性体161は非圧縮状態、すなわち付勢力非作用状態に置かれる。換言すれば、クリアランス190CLは、第1弾性体161が付勢力非作用状態に置かれ、第2弾性体162のみが付勢力を作用させるための「初動距離」を定義づける。
一方、図19に示す検知機構290においては、第2ハウジング120が、第1方向下方D1D側に移動すると、検知機構290全体が、ダクトカバー220との間のクリアランス290CL(1mm)分だけ第1方向下方D1Dに移動して、可動部材292の下端部がダクトカバー220に当接する。
更に第2ハウジング120が、第1方向下方D1D側に移動すると、可動部材292は、(相対的に近接しようとする)ダクトカバー220に押されて、可動部材付勢弾性体293の付勢力に抗しつつ、第1方向上方D1U側へと移動する。
可動部材292が第1方向上方D1Uに移動することで、センサ294による磁気の検出が解除される。これに基づき、コントローラ260は、検知機構290を通じて、第2ハウジング120の第1ハウジング110への押圧を検知し、これにより無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切替がなされる。
(打撃工具100の負荷駆動状態の定義づけ)
本実施形態においては、モータ210が駆動された状態で、かつ、第2ハウジング120が第1ハウジング110に対して押圧操作された状態を「負荷駆動状態」と定義づける。
この「負荷駆動状態」は、
(1) 先端工具に、打撃工具100の自重以外に負荷が作用する状態、すなわち先端工具が加工作業対象に対して押し付けられ、(自重以外の)「負荷」が作用しながら駆動される状態であり、
(2) 第1弾性体161および第2弾性体162の双方が圧縮された状態、あるいは、少なくとも第2弾性体162が圧縮されて検知機構290による押圧検知がなされた状態、等としても定義づけ可能である。
また負荷駆動状態は、「ロード駆動状態」とも称呼される。
負荷駆動状態において、コントローラ260は、モータ210を、第1速度R1よりも高速域に設定された所定の第2速度(第2回転速度)R2にて回転駆動する。第2速度R2は、打撃作業の通常駆動速度としても定義づけられる。
すなわち本実施形態においては、検知機構290による検知に基づいて、モータ210の回転速度が増大し(あるいは静止状態から通常回転状態に切り替えられ)、無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切り替えがなされる。
換言すれば、検知機構290による検知によって、上記したソフトノーロードが解除(キャンセル)され、通常の駆動パターンへの切り替えが行われる構成とされている。
第2速度R2の具体的な設定値としては、例えば、大型ハンマである打撃工具100の通常駆動運転(負荷駆動状態)での要求出力、消費電力量などのパラメータを総合的に判断して設定する。
第1速度R1から第2速度R2への切り替えは、直ちに切り替える態様、ある程度の切り替え時間を設定して逐次的に増大させていく態様、多段式に増大させていく態様、あるいはそれらの組合わせ等から適宜に設定することができる。
本実施形態では、押圧検知に基づき、直ちに第1速度R1から第2速度R2に切り替える態様が採用されている。
(負荷駆動状態における運動変換機構170・打撃機構180の動作態様)
負荷駆動状態にてモータ210が第2速度R2で回転駆動される場合、運動変換機構170の動作態様は、速度が異なる以外は、無負荷駆動状態にてモータ210が第1速度R1で低速回転駆動される場合と実質同等である。すなわち図5、図6に示すように、モータ210の出力軸213の第3方向D3周りの回転出力は、第1中間軸171、第2中間軸172へと伝達され、クランク機構173によって第1方向D1への直線運動に変換され、これによってピストン175がシリンダ174内で第1方向D1へと直線運動する。同様に、カウンタウェイト178を主体とする制振機構177がシリンダ174外周において第1方向D1へと直線運動を行う。
打撃工具100が負荷駆動状態に置かれている場合、通気孔174Aは、図6に示す状態、すなわち空気室176に臨まない状態に置かれ、空気室176は、ピストン175およびストライカ181の間で気密状態が維持される。
従って、負荷駆動状態では、シリンダ174内でのピストン175の直線運動に起因する空気室176内の圧力変動により、打撃機構180において、ストライカ181が直線運動し、インパクトボルト182を駆動させる。これにより(図示しない)先端工具が打撃作業を遂行することになる。当該作業態様はハンマモードと定義される。
この場合、上記したように、コントローラ260は、モータ210を、所定の第2速度R2にて回転駆動しているが、第2速度R2は、相対的に高速側に設定されているため、効率的な打撃作業を遂行することが可能である。
また制振機構177も、第1速度R1よりも高速の第2速度R2に対応して高速駆動されるため、負荷駆動状態で第1ハウジング110側に発生する相対的に大きな振動に対する制振効果が高く維持されることになる。換言すれば、打撃作業に応じてしっかりと振動を抑制できるため、良好な作業環境が提供されることになる。
(防振ハンドルの作用)
負荷駆動状態においては、作業者がハンドル130を把持し、第1方向下方D1Dへと押圧した状態で打撃作業が遂行されるが、打撃機構180や、先端工具による打撃作業に起因して第1ハウジング110側に振動が発生する状況が想定される。
この場合、当該振動に起因して第1ハウジング110と第2ハウジング120の間で相対移動動作が生じ、図7に示す第1弾性体161が、第1ハウジング110と第2ハウジング120間で付勢力を作用させることで、当該振動が第1ハウジング110側から第2ハウジング120側へと伝達されることが極力抑制される。上記の通り、第2ハウジング120には、作業者が把持するハンドル130、モータ210を駆動制御するコントローラ260、コントローラケース270に配置された各種の機能部材280、バッテリ装着部123、および当該バッテリ装着部123に装着されたバッテリ150が、一体状に配置されている。そして、かかる第2ハウジング120に対する第1ハウジング110からの振動伝達抑制により、作業者の負担が軽減され、また精密機材であるコントローラ260、機能部材280およびバッテリ装着部123の保護が徹底される。
本実施形態では、第1弾性体161の可動ストロークは10mm(10ミリメートル)に設定されている。そして仮に可動ストローク全体を使うような強い振動が入力した場合には、上記した緩衝部材205およびストッパ204が働き、第1ハウジング110と第2ハウジング120とが底当たりするような悪影響を抑制する(図7参照)。
なお負荷駆動状態において防振機能が働いている場合、正確には、
(1) 第1弾性体161が付勢力を作用させ、
(2) 作業者の押圧によって圧縮されている第2弾性体162も付勢力を
作用させ、
(3) 作業者の押圧によって圧縮されている可動部材付勢弾性体293
(図20等参照)も付勢力を作用させており、
これら(1)(2)(3)の付勢力それぞれが、第1ハウジング110および第2ハウジング120間に作用していることになる。
しかし上記したように、第2弾性体162の弾性定数は相対的に小さく設定されており、更に可動部材付勢弾性体293の弾性定数は、可動部材292に初期位置(図19参照)復帰用の付勢力を与えられれば十分な程度に、極小値に設定されている。従って、本実施形態における防振機能については、強い弾性力を働かせることが可能な第1弾性体161が主体的役割を果たす。
例えば、単一の弾性体を使って、無負荷駆動状態から負荷駆動状態への切替のための押圧検知と、第1ハウジング110および第2ハウジング120間の防振の機能を併用する場合、弾性定数を大きくすると、防振には有効だが、作業者の必要押圧力設定が高くなり過ぎてしまう。逆に、弾性定数を小さくすると、作業者の必要押圧力設定は最適化できるが、防振効果が低下してしまう。
本実施形態では、ソフトノーロード解除のための「初動用」の弾性体(すなわち第2弾性体162)と、防振のための弾性体(すなわち第1弾性体161)をそれぞれ別個に設けて、それぞれの用途に最適化しているため、このような問題が生じない。
(第1摺動ガイド部材190,第2摺動ガイド部材200の作用)
本実施形態に係る打撃工具100では、
(1)図7に示すように、第1ハウジング110と第2ハウジング120の相対移動を、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200を用いて、第1方向D1の複数個所において摺動ガイドすることで、安定的な作動が確保される。
(2)図7に示すように、防振機構の主体的役割を果たす第1弾性体161が、第1方向D1について、第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200の間に配置されることで、安定的な防振作用が発揮される。
(3)図8、図9に示すように、第1摺動ガイド部材190、第2摺動ガイド部材200ともに、第1方向D1周りに複数個配置することで、更に安定的な作動が確保される。
(4)第1摺動ガイド部材190、第2摺動ガイド部材200の各構成要素につき、剛性に優れた金属製のパイプ状部材191や板金製の摺動ガイド203を用いる一方、かかる高剛性部材と対をなす側の部材(二股部材192等)には樹脂材を用いることで、強度と軽量化の両立が図られている。
(5)第1摺動ガイド部材190および第2摺動ガイド部材200によって、単に摺動ガイドを行うのみならず、ストッパ204が、相対移動の最大可動距離を規定し、更に、当該最大可動距離未満の所定距離だけ相対移動した状態から、最大可動距離に至るまで、緩衝部材205が相対移動動作を継続的に緩衝することで、合理的な防振構造が構築される。
なお、ストッパ204および緩衝部材205は、第1摺動ガイド190および第2摺動ガイド200の少なくとも一方に配置する態様、第1摺動ガイド190および第2摺動ガイド200とは別に(独立して)配置する態様のいずれも可能である。
(バッテリの装着性等に関する特質)
上記のように、本実施形態に係る打撃工具100では、図4~図7等に示すように、モータ210の中で最も大寸法となり易い出力軸213が、打撃工具100の厚さ方向である第3方向D3を向いて延在するよう配置されている。そして、第3方向D3沿いにモータ210の大寸法部分を割り当て、代わりに、打撃工具100の幅方向である第2方向D2沿いの、他の機能部材配置用に形成される空間を、拡張スペースSとして大きく確保している。すなわち図1、図4に示すように、第1ハウジング110の、第2方向D2における側方領域114に、他の機能部材用のスペースを相対的に大きく確保している。
本実施形態では、これにより、比較的大重量であるバッテリ150を、第2方向D2に関して、極力、打撃工具100の重心(第1方向D1に沿った中心軸に位置)に近接させることが可能となり、打撃工具100に無用な偶力が発生することを大きく抑制することができる。
併せて、バッテリ装着方向156を第3方向D3に沿うように設定しているので(図3参照)、バッテリ150をバッテリ装着部123に装着する場合に、拡張スペースSを利用して、大きな空間で装着作業できるため、作業性が向上する。
またバッテリ装着方向156を第3方向D3に沿うように設定することで、打撃作業時に振動が発生しやすい第1方向D1と、バッテリ装着方向156を交差させることができ、振動によってバッテリ150に不測の外力が作用して、不意に離脱してしまう等の不具合を未然に防止できる。
更に図1等に示すように、一対のバッテリ装着部123をハンドル130の直下領域130Aにそれぞれ設定することで、作業者は、一方の手でハンドル130を把持した状態で、他方の手を使って対向する側のバッテリ150を装着し、次にハンドル130の持ち手を入れ替えて、他方の手でハンドル130を把持した状態で、対向する側のバッテリ150を装着するといったように、ハンドル130の把持とバッテリ150の装着の連携性が向上する。
(検知機構290における検知確実性等に関する特質)
本実施形態では、図10~図13,図18~図20等に示すように、検知機構290につき、アセンブリ体として、第2ハウジング120側の構成部材であるコントローラケース270に、検知機構取付部274を介して、一体状に取付けられる構成が採用されている。
検知機構290は、第1ハウジング110と第2ハウジング120の相対移動動作を検知するための部材である。従って、一般的には、その構成要素を第1ハウジング110と第2ハウジング120の双方に配分して設けるのが普通であるが、本実施形態では、これを第2ハウジング120側に配分するとともに、第1ハウジング110の既存の構成部材であるダクトカバー220に、可動部材292の作動媒体としての機能を持たせている。
従って、検知機構290の各部材をアセンブリ体として第1ハウジング110側に一体状に配置できるため、各部材の組付け誤差等に起因する動作不良、ひいては検知不確実のリスクを抑制することが可能である。
また、図19、図20に示すように、可動部材292の作動媒体であるダクトカバー220との間にクリアランス290CLを形成することで、第1ハウジング110と第2ハウジング120との組付け誤差等についても吸収して、動作不良ひいては検知不確実のリスクを抑制することができる。
また、上記の通り、当該検知機構290は、ソフトノーロードを解除して負荷駆動状態に切替えるための機構を構成するが、打撃作業中に、作業者の把持姿勢等の変化や、打撃工具100の向き(第1方向D1に対する傾斜角度)を変える等の偶発的事情により、押圧力が一時的に減少するような場合がある。
このような場合に、押圧力の減少を理由に、その都度、負荷駆動状態からソフトノーロードへと切替えるのは却って不便であるため、本実施形態では、負荷駆動状態において押圧力が低下した場合であっても、一定時間が経過するまでは(例えば1秒)ソフトノーロードへと切替えず、負荷駆動状態を維持するように設定されている。これにより、更に打撃作業時の利便性が向上している。
更に、例えばモータの負荷電流の変化等に基づいて押圧を検知し、ソフトノーロードを解除して負荷駆動状態に切替えるような態様も一般的に考えられるが、とりわけ大出力を特徴とする大型ハンマの場合、例えば打撃作業対象の材質や種類に応じて、負荷電流がバラついてしまい、正確に押圧を検知できない可能性も懸念される。本実施形態では、可動部材付勢弾性体293によって付勢された可動部材292という機械式検知機構を用いて押圧検知を行う構成を採用するため、検知の確実性が担保される。
(コントローラケース270の特質)
本実施形態に係る打撃工具100では、図7、図10、図11等に示すように、モータ駆動制御のためのコントローラ260は、コントローラケース270に保持されている。
本実施形態に係るコントローラケース270については、例えば以下の特徴が掲げられる。
(1) コントローラ260のみならず、各種の機能部材280を併せて保持する構成として、装置構成および組立が合理化・容易化され、全体構成のコンパクト化に資する。
(2)フレーム271を主体とし、軽量で高剛性構造とされる。
(3) 防振側である第2ハウジング120に配置されることで、第1ハウジング110で生じる振動に対して免震構造とされる。
(4) モータ210の直上領域に配置されることで、当該モータ210に対するワイヤハーネス(配線)の取り回しが容易である。
(5) 打撃工具100の第1方向D1における中心線上に配置されることで、第2方向(幅方向)D2、第3方向(厚さ方向)D3のいずれについても、対称的にワイヤハーネス(配線)を配することができ、設計・組立の容易化が図れる。
(6) 上記したように本実施形態では、モータ210として大出力を維持しながら小型化し易いブラシレスモータを採用し、その出力軸213が第3方向D3に沿って延在し、側方領域114に拡張スペースSを形成したが、モータ210の直上領域にコントローラケース270を配置することで、当該拡張スペースSをワイヤハーネスの配置等に利用し易く、効率性の高い内部空間利用が可能とされる。
(モータ・コントローラ等の冷却性に関する特質)
本実施形態に係る打撃工具100においては、要冷却部材への冷却風供給ルートとして、上記の通り、モータ210の冷却ファン214の軸流作用を介して、「冷却風吸気口127から吸気」―「ヘッドケース121の内部を流通」―「コントローラ260を冷却」―「ダクトホース231の第1端部232」―「ダクトホース231内」―「ダクトホース231の第2端部233」―「ダクトカバー220」―「モータハウジング215内部」と経由し、コントローラ260、モータ210の順で冷却を行う。
更にモータ210を冷却した冷却風は、第1ハウジング110内の「上方側駆動機構収容部111」―「下方側駆動機構収容部112」を経由し、運動変換機構170および打撃機構180(の一部)を冷却した上で、打撃工具100の外部に排出される。なお、モータ210より下流側の冷却風通路等については、便宜上、詳細な図示を省略している。
更に、本実施形態に係る打撃工具100では、構成要素の冷却性に関する特質として、例えば以下の点が掲げられる。
(1) ダクトホース231につき、所定の初期状態から伸張された場合に、当該初期状態へと復帰するように、収縮側へと付勢力が作用する部材を用い、初期状態から所定量だけ伸張された状態で、第1ハウジング110と第2ハウジング120の間に連接状に配置している。これによりダクトホース231は、初期状態へ復帰するように収縮側へと付勢力が常時に作用した状態に置かれる。従って、第1ハウジング110と第2ハウジング120とが相対移動した場合であっても、ダクトホース231が弛んで他部材と接触して摩耗することがなく、また過度のテンションや捩れ等が生じにくく、互いに相対移動する部材間で効果的に冷却風を移送することができる。
(2) 図11、図16、図17に示すように、第1端部232および第2端部233の各断面が、互いに交差状とされる。これにより、上記(1)と同様に、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに相対移動する場合にダクトホース231の捩れや不要のテンション付加を回避し易くなる。
(3) 図16に示すように、ダクトホース231の第1端部232、第2端部233は、コントローラケース270のダクト部材取付部272、ダクトカバーのダクト部材取付部225にそれぞれ直接的に嵌合状に取付けられる。すなわち、アダプタ非介在構造を採用することで、装置構成の簡素化が図られることになる。
(4) 図16に示すように、ダクトホース231の第1端部232が、モータ210の冷却ファン214の近接上部領域に位置するため、ダクトホース231を無駄に長くせず、かつ、短すぎて不要のテンションが付与されてしまうといった不具合を回避し易くなる。
(5)図16に示すように、少なくとも、コントローラケース270のダクト部材取付部272と対向側の端部に対応して冷却風吸気口127Aが設けられている。更に本実施形態では、ヘッドケース121の上面全体に渡って冷却風吸気口127が設けられている。これにより、打撃工具100に吸入される冷却風がコントローラ260を全体に渡って冷却することができるため、冷却効率を向上することができる。
(6) 図11に示すように、ダクトホース231は、モータハウジング215のダクト部ガイドリブ116によって、概ね央部の湾曲形状が保持された状態に置かれる。これにより、第1ハウジング110と第2ハウジング120が互いに相対移動する場合であっても、ダクトホース231の取付形状(概ねエル字状)を維持し、ダクトホース231の捩れや不要のテンション付加を回避し易くなる。
以上、本実施形態によれば、自重によって下方を向いた状態で打撃作業を行う作業態様を常態とする打撃工具100とおいて、部材の配置構成および動作性の合理化に資する構築技術が提供されることとなった。
100:打撃工具
110:第1ハウジング(本体部)
111:上方側駆動機構収容部
112:下方側駆動機構収容部
113:先端領域
114:側方領域
115:モータハウジング
116:ダクト部ガイドリブ
120:第2ハウジング(本体部)
120A:第1弾性体取付座
120B:第2弾性体取付座
120C:押圧座
121:ヘッドケース
122:ハンドル取付部
123:バッテリ装着部
124:スライドガイド
125:給電端子
126:緩衝部材当接座
127:冷却風吸気口
128:バッテリプロテクタ
129;LEDライト
130:ハンドル
131:第1ハンドル部(ハンドルR)
132:第1ハンドル基部
133:第1ハンドル把持部
134:自由端部領域
135:トリガ
136:電気スイッチ
141;第2ハンドル(ハンドルL)
142:第2ハンドル基部
143:第2ハンドル把持部
144:自由端部領域
130A:ハンドル直下領域
150:バッテリ
151:バッテリ前面部
152:バッテリ上面部
153:バッテリ底面部
154:バッテリ後面部
155:ロック解除部
156:バッテリ装着方向
161:第1弾性体
162:第2弾性体
170:運動変換機構
171:第1中間軸
172:第2中間軸
173:クランク機構
174:シリンダ
174A:通気孔
175:ピストン
176:空気室
177:制振機構
178:カウンタウェイト
180:打撃機構
181:ストライカ
182:インパクトボルト
190:第1摺動ガイド部材(ハンドル近接側摺動ガイド部材)
191:パイプ状部材(第1ハウジング側構成要素)
192:二股部材(第2ハウジング側構成要素)
190CL:クリアランス
200:第2摺動ガイド部材(ハンドル離間側摺動ガイド部材)
201:凸状部材
202:凹状部材
203:板金製摺動ガイド
204:ストッパ
205:緩衝部材
210:モータ
211:ステータ
212:ロータ
213:出力軸
214:冷却ファン
215:モータハウジング
220:ダクトカバー
221:内部空間
222:モータ取付座
223:フランジ
224:冷却風誘導路
225:ダクト部材取付部
230:ダクト部材
231:ダクトホース
232:第1端部
233:第2端部
240:ツールホルダ
250:リテーナ
260:コントローラ
261:放熱フィン
270:コントローラケース
271:フレーム
272:ダクト部材取付部
273:ヘッドケース取付部
274:検知機構取付部
275:主電源スイッチ取付部
276:通信ユニット取付部
277:ワイヤハーネス挿通開口
278:第2弾性体取付部
280 :機能部材
281:主電源スイッチ
282:通信ユニット
290:検知機構
291:アセンブリ体基部
292:可動部材
293:可動部材付勢弾性体
294:センサ
290CL:クリアランス
D1:第1方向(長軸方向)
D1D:第1方向下方
D1U:第1方向上方
D2:第2方向(幅方向)
D3:第3方向(厚さ方向)
AX:長軸
HL:仮想線
MS:初動距離
S :拡張スペース

Claims (10)

  1. 先端領域にツールホルダを備えた長尺状の本体部と、前記本体部の長軸方向を第1方向と定義するとともに当該第1方向と交差する幅方向を第2方向と定義した場合に、前記第2方向に延在する一対のハンドルとを有し、作業者が左右の手で前記一対のハンドルをそれぞれ把持するとともに自重によって垂下された状態で、前記ツールホルダに取外し自在に装着された先端工具を介して打撃作業が遂行される打撃工具であって、
    前記先端工具を前記第1方向に駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を駆動するモータ出力軸が設けられたモータと、
    前記本体部の構成部材である第1ハウジングおよび第2ハウジングと、
    前記第1ハウジングおよび第2ハウジングの間に介在配置される弾性体と、を有し、
    前記駆動機構および前記モータは前記第1ハウジングに設けられ、
    前記一対のハンドルは、前記第2ハウジングに設けられ、
    前記第2ハウジングは、前記一対のハンドルとともに、前記弾性体を介して、前記第1ハウジングに対して相対移動可能に構成され、
    前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して押圧されない状態として定義される無負荷駆動状態において、前記モータを所定の第1速度で駆動するコントローラと、
    作業者が前記ハンドルを押圧操作して打撃作業を開始する場合に、前記第2ハウジングの前記第1ハウジングに対する相対移動動作を検知するための検知機構を更に有し、
    前記コントローラは、前記検知機構の検知に基づき、前記モータを、前記第1速度での駆動状態から、前記第1速度よりも高速の第2速度での駆動状態へと切り替えるよう構成されていることを特徴とする打撃工具。
  2. 請求項1に記載の打撃工具であって、
    前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記第1ハウジングの上方側に前記第2ハウジングが連接状に配置され、前記検知機構は、前記第1ハウジングおよび前記第2ハウジングの間に介在配置されることを特徴とする打撃工具。
  3. 請求項1または2に記載の打撃工具であって、前記弾性体を第1弾性体と定義した場合に、当該第1弾性体とは別に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に介在配置された初動用弾性体としての第2弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して所定の初動距離内にて相対移動する場合には、前記第2弾性体の付勢力が作用する一方、前記第1弾性体については付勢力非作用状態に置かれるように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  4. 請求項3に記載の打撃工具であって、前記第2弾性体は、前記第2ハウジングおよび前記ハウジングに保持される部材の自重に相当する弾性力を有するように構成されていることを特徴とする打撃工具。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記検知機構は、前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記第2ハウジングの相対移動動作に連動して、前記上方側および前記下方側に移動可能な可動部材と、前記可動部材の位置を検出するセンサとを有し、前記可動部材および前記センサは、アセンブリ体として前記第2ハウジングに取付けられていることを特徴とする打撃工具。
  6. 請求項5に記載の打撃工具であって、前記検知機構は、前記可動部材を常時に前記第1方向下方側に付勢する可動部材付勢弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して近接状に相対移動する場合に、前記第2ハウジングに当接した前記可動部材が、当該第2ハウジングによって、前記可動部材付勢弾性体の付勢力に抗して前記第1方向上方側に押圧移動し、前記センサに位置検出されるよう構成されていることを特徴とする打撃工具。
  7. 請求項6に記載の打撃工具であって、前記モータを冷却するためのダクト部材を有し、前記モータはモータハウジングに収容されるとともに、前記ダクト部材は、前記モータハウジングに連接されたダクトカバーに接続され、前記ダクト部材から前記モータハウジング内に冷却風が供給される構成とされ、
    前記可動部材は、前記ダクトカバーによって前記第1方向上方側に押圧移動されることを特徴とする打撃工具。
  8. 請求項7に記載の打撃工具であって、前記無負荷駆動状態においては、前記可動部材と前記ダクトカバーの間には所定のクリアランスが設けられていることを特徴とする打撃工具。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の打撃工具であって、前記コントローラを保持するコントローラケースを有し、
    前記第1方向につき、前記ハンドルから前記ツールホルダへと向かう方向を下方、前記ツールホルダから前記ハンドルへと向かう方向を上方と定義した場合に、前記コントローラケースは、前記モータの上方側において前記第2ハウジングに設けられ、
    前記検知機構は前記コントローラケースに保持されることを特徴とする打撃工具。
  10. 請求項9に記載の打撃工具であって、前記弾性体を第1弾性体と定義した場合に、当該第1弾性体とは別に、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングの間に介在配置された初動用弾性体としての第2弾性体を有し、前記第2ハウジングが前記第1ハウジングに対して所定の初動距離だけ相対移動する場合には、前記第2弾性体の付勢力が作用する一方、前記第1弾性体については付勢力非作用状態に置かれるように構成されるとともに、前記第2弾性体は、前記コントローラケースと前記第1ハウジングの間に介在配置されることを特徴とする打撃工具。
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