JP2023015822A - コネクター装置、回路基板、回路基板ユニット、および電子機器 - Google Patents

コネクター装置、回路基板、回路基板ユニット、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】不要輻射ノイズを低減可能なコネクター装置を提供する。【解決手段】コネクター装置は、ハウジングと、相手側コネクター装置が有する第1相手側接続子に電気的に接続される第1接続部をそれぞれ有する複数の第1接続子と、相手側コネクター装置が有する第2相手側接続子に電気的に接続される第2接続部をそれぞれ有する複数の第2接続子と、相手側コネクター装置が有する相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド部材と、を備える。複数の第1接続子の各第1接続部は、ハウジングから第1面に沿って露出して並んで配置され、複数の第2接続子の各第2接続部は、ハウジングから第1面と異なる第2面に沿って露出して並んで配置され、グランド部材は、複数の第1接続子と複数の第2接続子との間に配置され、かつ、コネクター装置と相手側コネクター装置とが接続される接続方向に沿って配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、コネクター装置、回路基板、回路基板ユニット、および電子機器に関する。
例えば、特許文献1に記載されているような回路基板同士を接続する電気コネクターが知られている。
特開2001-273949号公報
上記のような電気コネクターにおいては、一方の回路基板から他方の回路基板へと高周波信号などの信号が流れる場合に、不要輻射ノイズ(電磁ノイズ)が生じやすく、不要輻射ノイズを抑制できることが求められていた。これに対して、例えば、電気コネクターを覆うシールド板を設けて、不要輻射ノイズを抑制する対策が知られている。シールド板によって不要輻射ノイズを抑制するためには、シールド板を回路基板に設けられたグランドに接続する必要がある。しかしながら、電気コネクターが邪魔で、シールド板とグランドとの接続領域を十分に確保することが難しく、シールド板を設けても不要輻射ノイズを十分に抑制することができない問題があった。
本発明のコネクター装置の一つの態様は、相手側コネクター装置に電気的に接続されるコネクター装置であって、ハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第1相手側接続子に電気的に接続される第1接続部をそれぞれ有する複数の第1接続子と、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第2相手側接続子に電気的に接続される第2接続部をそれぞれ有する複数の第2接続子と、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド部材と、を備える。前記複数の第1接続子の各第1接続部は、前記ハウジングから第1面に沿って露出して並んで配置され、前記複数の第2接続子の各第2接続部は、前記ハウジングから前記第1面と異なる第2面に沿って露出して並んで配置され、前記グランド部材は、前記複数の第1接続子と前記複数の第2接続子との間に配置され、かつ、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置とが接続される接続方向に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明の回路基板の一つの態様は、上記のコネクター装置と、前記コネクター装置が配置された回路基板本体と、を備えることを特徴とする。
本発明の回路基板ユニットの一つの態様は、第1グランド層を有する第1回路基板本体と、第2グランド層を有する第2回路基板本体と、前記第1回路基板本体と前記第2回路基板本体とを接続し、前記第1回路基板本体と前記第2回路基板本体との間で信号伝送を中継するコネクター構造と、を備え、前記コネクター構造は、前記第1回路基板本体に配置されたコネクター装置と、前記第2回路基板本体に配置され前記コネクター装置と接続される相手側コネクター装置と、を有する。前記コネクター装置は、ハウジングと、前記ハウジングに保持され、第1接続部をそれぞれ有する複数の第1接続子と、前記ハウジングに保持され、第2接続部をそれぞれ有する複数の第2接続子と、前記ハウジングに保持されたグランド部材と、を有する。前記複数の第1接続子の各第1接続部は、前記ハウジングから第1面に沿って露出して並んで配置され、前記複数の第2接続子の各第2接続部は、前記ハウジングから前記第1面と異なる第2面に沿って露出して並んで配置されている。前記相手側コネクター装置は、相手側ハウジングと、前記相手側ハウジングに保持され、前記第1接続部に電気的に接続される第1相手側接続部をそれぞれ有する複数の第1相手側接続子と、前記相手側ハウジングに保持され、前記第2接続部に電気的に接続される第2相手側接続部をそれぞれ有する複数の第2相手側接続子と、前記相手側ハウジングに保持され、前記グランド部材に電気的に接続される相手側グランド部材と、を有する。前記複数の第1相手側接続子の各第1相手側接続部は、前記ハウジングから第3面に沿って露出して並んで配置され、前記複数の第2相手側接続子の各第2相手側接続部は、前記ハウジングから前記第3面と異なる第4面に沿って露出して並んで配置され、前記グランド部材は、前記第1グランド層に電気的に接続され、前記複数の第1接続子と前記複数の第2接続子との間に配置され、かつ、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置とが接続される接続方向に沿って配置され、前記相手側グランド部材は、前記第2グランド層に電気的に接続され、前記複数の第1相手側接続子と前記複数の第2相手側接続子との間に配置され、かつ、前記接続方向に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明の電子機器の一つの態様は、上記の回路基板を備えることを特徴とする。
本発明の電子機器の一つの態様は、上記の回路基板ユニットを備えることを特徴とする。
第1実施形態における電子機器(プロジェクター)を示す概略構成図である。 第1実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 第1実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図であって、第1回路基板と第2回路基板との接続が解除されている状態を示す図である。 第1実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図であって、図3におけるIV-IV断面図である。 第1実施形態における第1回路基板の一部を示す斜視図である。 第1実施形態における第2回路基板の一部を示す斜視図である。 第2実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 第3実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 第4実施形態における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 比較例1における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 比較例2における回路基板ユニットの一部を示す断面図である。 比較例2における回路基板ユニットの一部を第2水平方向一方側から見た図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態では、電子機器としてプロジェクターを例に挙げて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター(電子機器)1を示す概略構成図である。
本実施形態のプロジェクター1は、スクリーンSCR上にカラー画像を投射する投射型画像表示装置である。図1に示すように、プロジェクター1は、光源装置2と、均一照明光学系40と、色分離光学系3と、光変調装置4Rと、光変調装置4Gと、光変調装置4Bと、合成光学系5と、投射光学装置6と、制御装置50と、を備えている。光源装置2は、照明光WLを均一照明光学系40に向けて射出する。
均一照明光学系40は、インテグレーター光学系31と、偏光変換素子32と、重畳光学系33と、を備えている。インテグレーター光学系31は、第1レンズアレイ31aと、第2レンズアレイ31bと、を備えている。均一照明光学系40は、光源装置2から射出された照明光WLの強度分布を、被照明領域である光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bのそれぞれにおいて均一化する。均一照明光学系40から射出された照明光WLは、色分離光学系3へ入射する。
色分離光学系3は、白色の照明光WLを赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。色分離光学系3は、第1ダイクロイックミラー7aと、第2ダイクロイックミラー7bと、第1反射ミラー8aと、第2反射ミラー8bと、第3反射ミラー8cと、第1リレーレンズ9aと、第2リレーレンズ9bと、を備えている。
第1ダイクロイックミラー7aは、光源装置2からの照明光WLを赤色光LRと、その他の光(緑色光LGおよび青色光LB)とに分離する。第1ダイクロイックミラー7aは、分離された赤色光LRを透過させると共に、その他の光(緑色光LGおよび青色光LB)を反射する。一方、第2ダイクロイックミラー7bは、その他の光を緑色光LGと青色光LBとに分離する。第2ダイクロイックミラー7bは、分離された緑色光LGを反射し、青色光LBを透過させる。
第1反射ミラー8aは、赤色光LRの光路中に配置され、第1ダイクロイックミラー7aを透過した赤色光LRを光変調装置4Rに向けて反射する。一方、第2反射ミラー8bおよび第3反射ミラー8cは、青色光LBの光路中に配置され、第2ダイクロイックミラー7bを透過した青色光LBを光変調装置4Bに向けて反射する。また、緑色光LGは、第2ダイクロイックミラー7bによって光変調装置4Gに向けて反射される。
第1リレーレンズ9aおよび第2リレーレンズ9bは、青色光LBの光路中における第2ダイクロイックミラー7bの光射出側に配置されている。第1リレーレンズ9aおよび第2リレーレンズ9bは、青色光LBの光路長が赤色光LRの光路長および緑色光LGの光路長よりも長いことに起因した青色光LBの照明分布の違いを修正する。
光変調装置4Rは、赤色光LRを画像情報に応じて変調し、赤色光LRに対応した画像光を形成する。光変調装置4Gは、緑色光LGを画像情報に応じて変調し、緑色光LGに対応した画像光を形成する。光変調装置4Bは、青色光LBを画像情報に応じて変調し、青色光LBに対応した画像光を形成する。
光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bには、例えば透過型の液晶パネルが用いられている。また、液晶パネルの入射側および射出側には、偏光板(図示せず)がそれぞれ配置され、特定の方向の直線偏光のみを通過させる構成となっている。
光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bの入射側には、それぞれフィールドレンズ10R、フィールドレンズ10G、フィールドレンズ10Bが配置されている。フィールドレンズ10R、フィールドレンズ10G、およびフィールドレンズ10Bは、それぞれの光変調装置4R、光変調装置4G、光変調装置4Bに入射する赤色光LR、緑色光LG、青色光LBの主光線を平行化する。
合成光学系5は、光変調装置4R、光変調装置4G、および光変調装置4Bから射出された画像光が入射することにより、赤色光LR,緑色光LG,青色光LBに対応した画像光を合成し、合成された画像光を投射光学装置6に向けて射出する。合成光学系5には、例えばクロスダイクロイックプリズムが用いられる。
投射光学装置6は、複数の投射レンズから構成されている。投射光学装置6は、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向けて拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上に画像が表示される。
次に、制御装置50について説明する。
図2は、制御装置50における回路基板ユニット60の一部を示す断面図である。図3は、回路基板ユニット60の一部を示す断面図であって、第1回路基板61と第2回路基板62との接続が解除されている状態を示す図である。図4は、回路基板ユニット60の一部を示す断面図であって、図3におけるIV-IV断面図である。図5は、第1回路基板61の一部を示す斜視図である。図6は、第2回路基板62の一部を示す斜視図である。
各図には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸と平行な方向を「第1水平方向(配列方向)X」と呼び、Y軸と平行な方向を「第2水平方向Y」と呼び、Z軸と平行な方向を「上下方向(接続方向)Z」と呼ぶ。第1水平方向Xと第2水平方向Yと上下方向Zとは、互いに直交する方向である。上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。第1水平方向XのうちX軸の矢印が向く側(+X側)を「第1水平方向一方側」と呼び、第1水平方向XのうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を「第1水平方向他方側」と呼ぶ。第2水平方向YのうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「第2水平方向一方側」と呼び、第2水平方向YのうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「第2水平方向他方側」と呼ぶ。
なお、上下方向Z、第1水平方向X、および第2水平方向Yは、単に各部の相対位置関係等を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示す配置関係等と異なっていてもよい。
制御装置50は、光源装置2を含むプロジェクター1の各部を制御するメインボードである。図2から図4に示すように、制御装置50は、回路基板ユニット60を有する。回路基板ユニット60は、第1回路基板(回路基板)61と、第2回路基板(回路基板)62と、を有する。第1回路基板61と第2回路基板62とは、コネクター構造90を介して互いに電気的に接続されている。第1回路基板61と第2回路基板62とは、上下方向Zに接続されている。第2回路基板62は、第1回路基板61の上側に位置する。
第1回路基板61は、第1回路基板本体63と、第1回路基板本体63に配置されたコネクター装置70と、を有する。第2回路基板62は、第2回路基板本体64と、第2回路基板本体64に配置された相手側コネクター装置80と、を有する。コネクター装置70と相手側コネクター装置80とによって、第1回路基板本体63と第2回路基板本体64とを接続するコネクター構造90が構成されている。コネクター構造90は、コネクター装置70および第1回路基板本体63と第2回路基板本体64との間で信号伝送を中継する。コネクター構造90は、コネクター装置70と、相手側コネクター装置80と、を有する。
コネクター装置70は、第1回路基板本体63の上面に取り付けられている。相手側コネクター装置80は、第2回路基板本体64の下面に取り付けられている。コネクター装置70と相手側コネクター装置80とは、上下方向Zに接続されている。つまり、本実施形態においてコネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向は、上下方向Zである。
図2に示すように、第1回路基板本体63および第2回路基板本体64は、板面が上下方向Zを向く板状である。本実施形態において第1回路基板本体63および第2回路基板本体64は、銅箔からなる配線パターンが設けられたプリント回路基板である。第1回路基板本体63と第2回路基板本体64とは、同種の構造を有する基板であり、互いに上下方向Zに反転して配置されている。以下の説明において、上下方向Zに反転している点を除いて第1回路基板本体63と同様の構成については、第2回路基板本体64についての説明を一部省略する場合がある。
第1回路基板本体63は、絶縁層63aと、第1グランド層63bと、絶縁層63cと、配線層63dと、レジスト層63fと、を有する。絶縁層63aと第1グランド層63bと絶縁層63cと配線層63dとレジスト層63fとは、下側から上側にこの順に積層されている。絶縁層63aの下面は、第1回路基板本体63の下面を構成している。レジスト層63fの上面は、第1回路基板本体63の上面を構成している。第1回路基板本体63の上面は、電子素子などが取り付けられる実装面である。第1グランド層63bは、電位が回路基板ユニット60における基準電位となる層である。第1グランド層63bは、例えば、銅箔からなるベタパターンによって構成されている。第1グランド層63bは、リファレンスプレーンとも呼ばれる。
配線層63dは、銅箔からなる複数の配線パターンによって構成されている。配線層63dは、グランドパッド部63eと、複数の配線パッド部63gと、を有する。配線層63dの上面は、グランドパッド部63eおよび複数の配線パッド部63gを除いて、レジスト層63fによって覆われている。グランドパッド部63eと複数の配線パッド部63gとは、第1回路基板本体63の上側に露出している。本実施形態において複数の配線パッド部63gは、グランドパッド部63eを第2水平方向Yに挟む一対の配線パッド部63gを含む。図示は省略するが、当該一対の配線パッド部63gは、第1水平方向Xに間隔を空けて複数対設けられている。
図4に示すように、グランドパッド部63eは、第1水平方向Xに延びている。グランドパッド部63eは、スルーホール63hを介して、第1グランド層63bと電気的に接続されている。スルーホール63hは、絶縁層63aと第1グランド層63bと絶縁層63cとを上下方向Zに貫通している。スルーホール63hの上端部は、グランドパッド部63eの下面に接続されている。スルーホール63hの内周面には、銅箔が設けられている。スルーホール63hの内周面に設けられた銅箔によって、第1グランド層63bとグランドパッド部63eとが電気的に接続されている。スルーホール63hは、複数設けられている。複数のスルーホール63hは、第1水平方向Xに沿って並んで配置される複数のスルーホール63hを含む。また、図2および図3に示すように、複数のスルーホール63hは、第2水平方向Yに沿って並んで配置される複数のスルーホール63hを含む。
第2回路基板本体64は、絶縁層64aと、第2グランド層64bと、絶縁層64cと、配線層64dと、レジスト層64fと、を有する。絶縁層64aと第2グランド層64bと絶縁層64cと配線層64dとレジスト層64fとは、上側から下側にこの順に積層されている。絶縁層64aの上面は、第2回路基板本体64の上面を構成している。レジスト層64fの下面は、第2回路基板本体64の下面を構成している。第2回路基板本体64の下面は、電子素子などが取り付けられる実装面である。第2グランド層64bは、電位が回路基板ユニット60における基準電位となる層である。第2グランド層64bは、例えば、銅箔からなるベタパターンによって構成されている。第2グランド層64bは、リファレンスプレーンとも呼ばれる。配線層64dは、グランドパッド部64eと、複数の配線パッド部64gと、を有する。グランドパッド部64eは、複数のスルーホール64hを介して、第2グランド層64bと電気的に接続されている。
本実施形態においてコネクター装置70はオス型のコネクターであり、相手側コネクター装置80はメス型のコネクターである。コネクター装置70と相手側コネクター装置80とは、上下方向Zに嵌合されて互いに電気的に接続されている。つまり、本実施形態においてコネクター装置70と相手側コネクター装置80との嵌合方向は、上下方向Zである。
コネクター装置70は、ハウジング73と、複数の第1接続子71と、複数の第2接続子72と、グランド部材74と、を有する。ハウジング73は、複数の第1接続子71、複数の第2接続子72、およびグランド部材74を保持する樹脂製の部材である。ハウジング73は、例えば、複数の第1接続子71、複数の第2接続子72、およびグランド部材74をインサート部材とするインサート成形により作られている。図5に示すように、ハウジング73は、上側に開口する略直方体箱状である。ハウジング73は、下側の壁部を構成する底壁部73aと、底壁部73aの外周縁部から上側に突出する周壁部73bと、周壁部73bの内側において底壁部73aから上側に突出する凸部73cと、を有する。周壁部73bは、第1水平方向Xに長い長方形枠状である。凸部73cは、第1水平方向Xに延びる直方体状である。凸部73cの外周面は、全周に亘って周壁部73bの内周面から離れて配置されている。図2および図3に示すように、ハウジング73は、第1回路基板本体63の上面から上側に隙間を介して離れて配置されている。
複数の第1接続子71は、ハウジング73に保持されている。各第1接続子71の一部は、ハウジング73に埋め込まれている。図5に示すように、第1接続子71は、金属製で細長の板状部材である。複数の第1接続子71は、第1水平方向Xに沿って間隔を空けて並んで配置されている。第1接続子71は、第1延伸部71aと、第2延伸部71bと、第3延伸部71cと、パッド接続部71dと、を有する。
第1延伸部71aは、上下方向Zに延びている。第1延伸部71aの下端部は、底壁部73aに埋め込まれている。第1延伸部71aのうち下端部よりも上側の部分は、後述する第1相手側接続部81eに電気的に接続される第1接続部71eである。第1接続部71eは、底壁部73aから上側に突出し、ハウジング73から露出している。第1接続部71eは、周壁部73bの内側のうち凸部73cに対して第2水平方向一方側(+Y側)に位置する。第1接続部71eの上端部は、周壁部73bの上端部および凸部73cの上端部よりも下側に位置する。第1接続部71eは、凸部73cの側面のうち第2水平方向一方側に位置する側面(第1面)73dに接触している。すなわち、複数の第1接続子71の各第1接続部71eは、側面73dに沿ってハウジング73から露出している。側面73dは、第2水平方向一方側を向き、第2水平方向Yと直交する平坦面である。本実施形態において側面73dは、「第1面」に相当する。複数の第1接続子71の各第1接続部71eは、側面73dに沿って第1水平方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。
第2延伸部71bは、第1延伸部71aの下端部から第2水平方向一方側(+Y側)に延びている。第2延伸部71bの第2水平方向一方側の端部は、ハウジング73の側面から第2水平方向一方側に突出し、ハウジング73から露出している。第2延伸部71bのうち第2水平方向一方側の端部を除いた部分は、底壁部73aに埋め込まれている。
第3延伸部71cは、第2延伸部71bの第2水平方向一方側(+Y側)の端部から下側かつ斜め第2水平方向一方側向きに延びている。図2および図3に示すように、第3延伸部71cの下端部は、ハウジング73よりも下側に位置する。パッド接続部71dは、第3延伸部71cの下端部から第2水平方向一方側に延びている。パッド接続部71dは、複数の配線パッド部63gうちグランドパッド部63eよりも第2水平方向一方側に位置する配線パッド部63gの1つに電気的に接続されている。これにより、第1接続子71は、第1回路基板本体63に電気的に接続されている。パッド接続部71dは、例えば、はんだ付けにより配線パッド部63gに接続されている。
複数の第2接続子72は、ハウジング73に保持されている。各第2接続子72の一部は、ハウジング73に埋め込まれている。図5に示すように、第2接続子72は、金属製で細長の板状部材である。複数の第2接続子72は、第1水平方向Xに沿って間隔を空けて並んで配置されている。各第2接続子72は、各第1接続子71との間で凸部73cを第2水平方向Yに挟む位置にそれぞれ配置されている。第2接続子72は、第1接続子71と同様の形状を有する部材である。第1接続子71と第2接続子72とは、凸部73cを挟んで第2水平方向Yに互いに対称に配置されている。
図2および図3に示すように、第2接続子72は、第1延伸部72aと、第2延伸部72bと、第3延伸部72cと、パッド接続部72dと、を有する。第2接続子72の各部は、第1接続子71において同様の名称を有する各部のそれぞれと、第2水平方向Yに対称である点を除いて同様の形状である。
第1延伸部72aのうち下端部よりも上側の部分は、後述する第2相手側接続部82eに電気的に接続される第2接続部72eである。第2接続部72eは、底壁部73aから上側に突出し、ハウジング73から露出している。第2接続部72eは、周壁部73bの内側のうち凸部73cに対して第2水平方向他方側(-Y側)に位置する。第2接続部72eの上端部は、周壁部73bの上端部および凸部73cの上端部よりも下側に位置する。第2接続部72eの上端部は、上下方向Zにおいて第1接続部71eの上端部と同じ位置に配置されている。
第2接続部72eは、凸部73cの側面のうち第2水平方向他方側(-Y側)に位置する側面(第2面)73eに接触している。すなわち、複数の第2接続子72の各第2接続部72eは、側面73eに沿ってハウジング73から露出している。側面73eは、第2水平方向他方側を向き、第2水平方向Yと直交する平坦面である。本実施形態において側面73eは、第1面である側面73dと異なる「第2面」に相当する。図5に示すように、複数の第2接続子72の第2接続部72eは、側面73eに沿って第1水平方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。つまり、本実施形態において、複数の第1接続部71eの配列方向と複数の第2接続部72eの配列方向とは、互いに同じ第1水平方向Xである。本実施形態において各第2接続部72eは、各第1接続部71eとの間で凸部73cを第2水平方向Yに挟む位置にそれぞれ配置されている。
図2および図3に示すように、パッド接続部72dは、複数の配線パッド部63gうちグランドパッド部63eよりも第2水平方向他方側(-Y側)に位置する配線パッド部63gの1つに電気的に接続されている。これにより、第2接続子72は、第1回路基板本体63に電気的に接続されている。パッド接続部72dは、例えば、はんだ付けにより配線パッド部63gに接続されている。
グランド部材74は、ハウジング73に保持されている。本実施形態においてグランド部材74は、凸部73cに保持されている。グランド部材74の一部は、ハウジング73に埋め込まれている。グランド部材74は、金属製である。本実施形態においてグランド部材74は、板状の部材である。グランド部材74は、第2水平方向Yにおいて複数の第1接続子71と複数の第2接続子72との間に配置され、かつ、コネクター装置70と相手側コネクター装置80との接続方向、すなわち上下方向Zに沿って配置されている。グランド部材74は、上下方向Zに延びている。グランド部材74は、第1回路基板本体63から上側に延びて、第1接続子71、第2接続子72、およびハウジング73よりも上側に突出している。
図4に示すように、グランド部材74は、第1水平方向X、すなわち第1接続部71eおよび第2接続部72eの配列方向に沿って延びている。グランド部材74の第1水平方向一方側(+X側)の端部は、複数の第1接続子71および複数の第2接続子72よりも第1水平方向一方側に位置する。グランド部材74の第1水平方向他方側(-X側)の端部は、複数の第1接続子71および複数の第2接続子72よりも第1水平方向他方側に位置する。このように、グランド部材74は、第1水平方向Xにおいて両端にそれぞれ設けられた第1接続子71と第1水平方向Xにおいて両端にそれぞれ設けられた第2接続子72とのうちいずれの接続子に対して、第1水平方向Xにおいて外側まで設けられている。なお、グランド部材74は、第1水平方向一方側(+X側)の端部に設けられた第1接続子71、第1水平方向他方側(-X側)の端部に設けられた第1接続子71、第1水平方向一方側(+X側)の端部に設けられた第2接続子72、および第1水平方向他方側(-X側)の端部に設けられた第2接続子72の4つの接続子のうち少なくとも1つに対して、第1水平方向Xにおいて外側まで設けられていればよい。
グランド部材74は、本体部74aと、本体部74aに繋がる基板接続部74bと、を有する。本体部74aは、板面が第2水平方向Yを向き、第1水平方向Xに長い長方形板状である。図2および図3に示すように、本体部74aは、底壁部73aと凸部73cとを上下方向Zに貫通している。本体部74aの上下方向Zの両端部は、ハウジング73から上下方向Zに突出している。本体部74aの上端部は、後述する相手側グランド部材84に電気的に接続されるグランド接続部74cである。グランド接続部74cは、凸部73cの上面から上側に突出し、ハウジング73から露出している。グランド接続部74cは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向、すなわち上下方向Zにおいてハウジング73から上側に突出している。
本体部74aは、第2水平方向Yにおいて第1接続子71の第1延伸部71aと第2接続子72の第1延伸部72aとの間に位置する。本実施形態において第1延伸部71aは、第1接続子71のうちで最もグランド部材74に近い部分である。本実施形態において第1延伸部72aは、第2接続子72のうちで最もグランド部材74に近い部分である。本体部74aと第1延伸部71aとの間の第2水平方向Yに沿う距離、および本体部74aと第1延伸部72aとの間の第2水平方向Yに沿う距離は、例えば、300μm以下である。第2水平方向Yにおける本体部74aと第1延伸部71aとの間、および第2水平方向Yにおける本体部74aと第1延伸部72aとの間には、凸部73cの一部を構成する樹脂が介在する。
基板接続部74bは、本体部74aの下端部に繋がっている。基板接続部74bは、ハウジング73よりも下側に突出している。つまり、基板接続部74bは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)においてハウジング73から突出している。基板接続部74bの全体は、ハウジング73の外部に位置する。
図5に示すように、基板接続部74bは、第1水平方向Xに延びている。基板接続部74bは、板面が上下方向Zを向き、第1水平方向Xに長い長方形板状である。基板接続部74bは、第2水平方向Yにおいて、本体部74aから突出している。本実施形態において第2水平方向Yは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)に交差する方向であって、かつ、複数の第1接続部71eの配列方向(第1水平方向X)および複数の第2接続部72eの配列方向(第1水平方向X)と異なる方向である。本実施形態において基板接続部74bは、第2水平方向Yの両側に向けて本体部74aから突出している。
図2および図3に示すように、基板接続部74bは、グランドパッド部63eに上側から電気的に接続されている。これにより、基板接続部74bは、コネクター装置70が取り付けられる第1回路基板本体63に電気的に接続されている。基板接続部74bは、例えば、はんだ付けによってグランドパッド部63eに接続されている。基板接続部74bは、グランドパッド部63eおよびスルーホール63hを介して、第1グランド層63bに電気的に接続されている。これにより、グランド部材74は、グランドパッド部63eおよびスルーホール63hを介して、第1グランド層63bに電気的に接続されている。
相手側コネクター装置80は、相手側ハウジング83と、複数の第1相手側接続子81と、複数の第2相手側接続子82と、相手側グランド部材84と、を有する。相手側ハウジング83は、複数の第1相手側接続子81、複数の第2相手側接続子82、および相手側グランド部材84を保持する樹脂製の部材である。相手側ハウジング83は、例えば、複数の第1相手側接続子81、複数の第2相手側接続子82、および相手側グランド部材84をインサート部材とするインサート成形により作られている。
図6に示すように、相手側ハウジング83は、下側に開口する略直方体箱状である。相手側ハウジング83は、上側の壁部を構成する天壁部83aと、天壁部83aの中央部から下側に突出する周壁部83bと、を有する。周壁部83bは、第1水平方向Xに長い長方形枠状である。周壁部83bの外周縁部は、天壁部83aの外周縁部よりも内側に離れて位置する。天壁部83aと周壁部83bとによって、上側に窪む凹部83fが形成されている。凹部83fは、下側に開口している。図2および図3に示すように、相手側ハウジング83は、第2回路基板本体64の下面から下側に隙間を介して離れて配置されている。
図2に示すように、相手側ハウジング83は、ハウジング73と上下方向Zに嵌合されている。本実施形態では、相手側ハウジング83の周壁部83bが、ハウジング73の周壁部73bの内側に上側から嵌合されている。周壁部83bの下側の端部は、ハウジング73の底壁部73aの上側に隙間を介して対向して配置されている。相手側ハウジング83の天壁部83aのうち周壁部83bよりも外側に位置する部分は、ハウジング73の周壁部73bの上端部に接触している。相手側ハウジング83の周壁部83bの内側、すなわち凹部83fの内部には、凸部73cが挿入されている。凸部73cの上端部は、凹部83fの底部から下側に離れて位置する。
複数の第1相手側接続子81は、相手側ハウジング83に保持されている。各第1相手側接続子81の一部は、相手側ハウジング83に埋め込まれている。図6に示すように、第1相手側接続子81は、金属製で細長の板状部材である。複数の第1相手側接続子81は、第1水平方向Xに沿って間隔を空けて並んで配置されている。第1相手側接続子81は、第1接続子71とほぼ同様の形状を有する部材である。第1相手側接続子81は、第1接続子71に対して上下方向Zに反転した姿勢で配置されている。第1相手側接続子81は、第1延伸部81aと、第2延伸部81bと、第3延伸部81cと、パッド接続部81dと、を有する。
第1延伸部81aは、上下方向Zに延びている。第1延伸部81aの上端部は、天壁部83aに埋め込まれている。第1延伸部81aのうち上端部よりも下側の部分は、第1接続部71eに電気的に接続される第1相手側接続部81eである。第1相手側接続部81eは、天壁部83aから下側に突出し、相手側ハウジング83から露出している。第1相手側接続部81eは、周壁部83bの内側、すなわち凹部83f内に位置する。第1相手側接続部81eの下端部は、周壁部83bの下端部よりも上側に位置する。第1相手側接続部81eは、周壁部83bの内側面、すなわち凹部83fの内側面のうち第2水平方向一方側(+Y側)に位置する内側面(第3面)83dに接触している。すなわち、複数の第1相手側接続子81の各第1相手側接続部81eは、内側面83dに沿って相手側ハウジング83から露出している。内側面83dは、第2水平方向他方側(-Y側)を向き、第2水平方向Yと直交する平坦面である。本実施形態において内側面83dは、「第3面」に相当する。
複数の第1相手側接続子81の第1相手側接続部81eは、内側面83dに沿って第1水平方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。図2に示すように、ハウジング73と相手側ハウジング83とが嵌合された状態において、第1相手側接続部81eの下側部分は、コネクター装置70における第1接続部71eの上側部分に第2水平方向一方側(+Y側)から接触している。これにより、第1接続子71と第1相手側接続子81とが電気的に接続されている。
第2延伸部81bは、第1延伸部81aの上端部から第2水平方向一方側(+Y側)に延びている。第2延伸部81bの第2水平方向一方側の端部は、相手側ハウジング83の側面から第2水平方向一方側に突出し、相手側ハウジング83から露出している。第2延伸部81bのうち第2水平方向一方側の端部を除いた部分は、天壁部83aに埋め込まれている。
第3延伸部81cは、第2延伸部81bの第2水平方向一方側(+Y側)の端部から上側かつ斜め第2水平方向一方側向きに延びている。第3延伸部81cの上端部は、相手側ハウジング83よりも上側に位置する。パッド接続部81dは、第3延伸部81cの上端部から第2水平方向一方側に延びている。パッド接続部81dは、複数の配線パッド部64gうちグランドパッド部64eよりも第2水平方向一方側に位置する配線パッド部64gの1つに電気的に接続されている。これにより、第1相手側接続子81は、第2回路基板本体64に電気的に接続されている。パッド接続部81dは、例えば、はんだ付けにより配線パッド部64gに接続されている。
複数の第2相手側接続子82は、相手側ハウジング83に保持されている。各第2相手側接続子82の一部は、相手側ハウジング83に埋め込まれている。図6に示すように、第2相手側接続子82は、金属製で細長の板状部材である。複数の第2相手側接続子82は、第1水平方向Xに沿って間隔を空けて並んで配置されている。各第2相手側接続子82は、各第1相手側接続子81に対して第2水平方向他方側(-Y側)に間隔を空けて対向する位置にそれぞれ配置されている。第2相手側接続子82は、第1相手側接続子81と同様の形状を有する部材である。第1相手側接続子81と第2相手側接続子82とは、第2水平方向Yに互いに対称に配置されている。
図2および図3に示すように、第2相手側接続子82は、第1延伸部82aと、第2延伸部82bと、第3延伸部82cと、パッド接続部82dと、を有する。第2相手側接続子82の各部は、第1相手側接続子81において同様の名称を有する各部のそれぞれと、第2水平方向Yに対称である点を除いて同様の形状である。
第1延伸部82aのうち上端部よりも下側の部分は、第2接続部72eに電気的に接続される第2相手側接続部82eである。第2相手側接続部82eは、天壁部83aから下側に突出し、相手側ハウジング83から露出している。第2相手側接続部82eは、周壁部83bの内側、すなわち凹部83fの内側に位置する。第2相手側接続部82eの下端部は、周壁部83bの下端部よりも上側に位置する。第2相手側接続部82eの下端部は、上下方向Zにおいて第1相手側接続部81eの下端部と同じ位置に配置されている。
第2相手側接続部82eは、周壁部83bの内側面、すなわち凹部83fの内側面のうち第2水平方向他方側(-Y側)に位置する内側面(第4面)83eに接触している。すなわち、複数の第2相手側接続子82の各第2相手側接続部82eは、内側面83eに沿って相手側ハウジング83から露出している。内側面83eは、第2水平方向一方側(+Y側)を向き、第2水平方向Yと直交する平坦面である。本実施形態において内側面83eは、第3面である内側面83eと異なる「第4面」に相当する。
図6に示すように、複数の第2相手側接続子82の第2相手側接続部82eは、内側面83eに沿って第1水平方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。つまり、本実施形態において、複数の第1相手側接続部81eの配列方向と複数の第2相手側接続部82eの配列方向とは、互いに同じ第1水平方向Xである。本実施形態において各第2相手側接続部82eは、周壁部83bの内部、すなわち凹部83fの内部において各第1相手側接続部81eと第2水平方向Yに対向する位置にそれぞれ配置されている。図2に示すように、ハウジング73と相手側ハウジング83とが嵌合された状態において、第2相手側接続部82eの下側部分は、コネクター装置70における第2接続部72eの上側部分に第2水平方向他方側(-Y側)から接触している。これにより、第2接続子72と第2相手側接続子82とが電気的に接続されている。
パッド接続部82dは、複数の配線パッド部64gうちグランドパッド部64eよりも第2水平方向他方側(-Y側)に位置する配線パッド部64gの1つに電気的に接続されている。これにより、第2相手側接続子82は、第2回路基板本体64に電気的に接続されている。パッド接続部82dは、例えば、はんだ付けにより配線パッド部64gに接続されている。
相手側グランド部材84は、相手側ハウジング83に保持されている。本実施形態において相手側グランド部材84は、天壁部83aのうち周壁部83bよりも内側に位置する部分に保持されている。言い換えれば、相手側グランド部材84は、凹部83fの底部に保持されている。相手側グランド部材84の一部は、相手側ハウジング83に埋め込まれている。相手側グランド部材84は、金属製である。本実施形態において相手側グランド部材84は、板状の部材である。相手側グランド部材84は、第2水平方向Yにおいて複数の第1相手側接続子81と複数の第2相手側接続子82との間に配置され、かつ、コネクター装置70と相手側コネクター装置80との接続方向、すなわち上下方向Zに沿って配置されている。相手側グランド部材84は、上下方向Zに延びている。相手側グランド部材84は、第2回路基板本体64から下側に延びて、天壁部83aを貫通し、凹部83f内に突出している。
図4に示すように、相手側グランド部材84は、第1水平方向X、すなわち第1相手側接続部81eおよび第2相手側接続部82eの配列方向に沿って延びている。相手側グランド部材84の第1水平方向一方側(+X側)の端部は、複数の第1相手側接続子81および複数の第2相手側接続子82よりも第1水平方向一方側に位置する。相手側グランド部材84の第1水平方向他方側(-X側)の端部は、複数の第1相手側接続子81および複数の第2相手側接続子82よりも第1水平方向他方側に位置する。このように、相手側グランド部材84は、第1水平方向Xにおいて両端にそれぞれ設けられた第1相手側接続子81と第1水平方向Xにおいて両端にそれぞれ設けられた第2相手側接続子82とのうちいずれの接続子に対して、第1水平方向Xにおいて外側まで設けられている。なお、相手側グランド部材84も同様に、第1水平方向一方側(+X側)の端部と第1水平方向他方側(-X側)の端部とに設けられた2つの第1接続子71、および、第1水平方向一方側(+X側)の端部と第1水平方向他方側(-X側)の端部とに設けられた2つ第2接続子72の4つの接続子のうち少なくとも1つに対して、第1水平方向Xにおいて外側まで設けられていればよい。
相手側グランド部材84は、相手側本体部84aと、相手側本体部84aに繋がる相手側基板接続部84bと、相手側グランド接続部84cと、を有する。相手側本体部84aは、板面が第2水平方向Yを向き、第1水平方向Xに長い長方形板状である。図2および図3に示すように、相手側本体部84aの上端部は、相手側ハウジング83から上側に突出している。相手側本体部84aの下端部は、グランド部材74のグランド接続部74cに電気的に接続される相手側グランド接続部84cである。相手側グランド接続部84cは、天壁部83aから下側に突出し、相手側ハウジング83から露出している。相手側グランド接続部84cは、周壁部83bの内側、すなわち凹部83fの内部に露出している。相手側グランド接続部84cは、凹部83fの底部から下側に突出している。すなわち、相手側グランド接続部84cは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向において相手側ハウジング83から下側に突出している。相手側グランド接続部84cは、第1相手側接続子81の下端部および第2相手側接続子82の下端部よりも上側、つまり凹部83f内の奥側(+Z側)に位置する。
相手側本体部84aの下側部分は、第2水平方向Yにおいて第1相手側接続子81の第1延伸部81aと第2相手側接続子82の第1延伸部82aとの間に位置する。本実施形態において第1延伸部81aは、第1相手側接続子81のうちで最も相手側グランド部材84に近い部分である。本実施形態において第1延伸部82aは、第2相手側接続子82のうちで最も相手側グランド部材84に近い部分である。相手側本体部84aと第1延伸部81aとの間の第2水平方向Yに沿う距離、および相手側本体部84aと第1延伸部82aとの間の第2水平方向Yに沿う距離は、例えば、300μm以下である。第2水平方向Yにおける相手側本体部84aと第1延伸部81aとの間、および第2水平方向Yにおける相手側本体部84aと第1延伸部82aとの間には、天壁部83aの一部を構成する樹脂、または空隙が介在する。
相手側基板接続部84bは、相手側本体部84aの上端部に繋がっている。相手側基板接続部84bは、相手側ハウジング83よりも上側に突出している。つまり、相手側基板接続部84bは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)において相手側ハウジング83から突出している。相手側基板接続部84bの全体は、相手側ハウジング83の外部に位置する。
図6に示すように、相手側基板接続部84bは、第1水平方向Xに延びている。相手側基板接続部84bは、板面が上下方向Zを向き、第1水平方向Xに長い長方形板状である。相手側基板接続部84bは、第2水平方向Yにおいて、相手側本体部84aから突出している。本実施形態において第2水平方向Yは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)に交差する方向であって、かつ、複数の第1相手側接続部81eの配列方向(第1水平方向X)および複数の第2相手側接続部82eの配列方向(第1水平方向X)と異なる方向である。本実施形態において相手側基板接続部84bは、第2水平方向Yの両側に向けて相手側本体部84aから突出している。
図2および図3に示すように、相手側基板接続部84bは、グランドパッド部64eに下側から電気的に接続されている。これにより、相手側基板接続部84bは、相手側コネクター装置80が取り付けられる第2回路基板本体64に電気的に接続されている。相手側基板接続部84bは、例えば、はんだ付けによってグランドパッド部64eに接続されている。相手側基板接続部84bは、グランドパッド部64eおよびスルーホール64hを介して、第2グランド層64bに電気的に接続されている。これにより、相手側グランド部材84は、グランドパッド部64eおよびスルーホール64hを介して、第2グランド層64bに電気的に接続されている。
次に、本実施形態の効果について、比較例1および比較例2と比較しつつ説明する。図10は、比較例1における回路基板ユニット560の一部を示す断面図である。図11は、比較例2における回路基板ユニット660の一部を示す断面図である。図12は、比較例2における回路基板ユニット660の一部を第2水平方向一方側(+Y側)から見た図である。比較例1,2について、上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図10に示すように、比較例1の回路基板ユニット560は、第1回路基板561と、第2回路基板562と、を有する。第1回路基板561は、第1回路基板本体563と、コネクター装置570と、を有する。第2回路基板562は、第2回路基板本体564と、相手側コネクター装置580と、を有する。第1回路基板本体563は、グランドパッド部63eが設けられていない点を除いて、上述した第1回路基板本体63と同様の構成である。第2回路基板本体564は、グランドパッド部64eが設けられていない点を除いて、上述した第2回路基板本体64と同様の構成である。コネクター装置570は、グランド部材74が設けられていない点を除いて、上述したコネクター装置70と同様の構成である。相手側コネクター装置580は、相手側グランド部材84が設けられていない点を除いて、上述した相手側コネクター装置80と同様の構成である。
比較例1において、例えば、第1回路基板本体563の配線層63dを流れる高周波信号などの電流が、第1接続子71および第1相手側接続子81を介して、第2回路基板本体64へと流れる場合について考える。配線層63dは、第1回路基板本体563上において、第1グランド層63bに沿って配置されている。そのため、配線層63dに電流が流れると、第1グランド層63bがリターンパスとなって第1グランド層63bに配線層63dを流れる電流とは逆向きのリターン電流(戻り電流)が流れる。これにより、配線層63dを流れる電流によって生じる電磁界と第1グランド層63bを流れるリターン電流によって生じる電磁界とが打ち消し合い、配線層63dを流れる電流に起因した不要輻射ノイズNが生じることを抑制できる。言い換えれば、配線層63dを流れる電流と第1グランド層63bを流れるリターン電流とのエネルギーが釣り合い、余分なエネルギーが生じにくいため、当該余分なエネルギーが不要輻射ノイズNとして放出されることが抑制される。
配線層63dを流れる電流は、配線パッド部63gから第1接続子71へと流れる。第1接続子71へと流れた電流は、パッド接続部71dから、第3延伸部71c、第2延伸部71b、および第1延伸部71aをこの順に流れて、第1接続子71に接続された第1相手側接続子81へと流れる。第3延伸部71c、第2延伸部71b、および第1延伸部71aは、第1回路基板本体563から上側に離れている。そのため、第1接続子71に流れた電流は、第1回路基板本体563の第1グランド層63bから離れることになる。これにより、第1接続子71に電流が流れても、第1グランド層63bにはリターン電流が流れなくなる。つまり、比較例1では、配線層63dから第1接続子71へと流れた電流に対してリターンパスが設けられておらず、第1接続子71に流れる電流に対応するリターン電流が流れない。したがって、第1接続子71を流れる電流によって生じる電磁界が打ち消されず、第1接続子71を流れる電流に起因した不要輻射ノイズNが放出される。言い換えれば、第1接続子71を流れる電流がリターン電流に対して大きくなり、リターン電流として戻れないエネルギーが不要輻射ノイズNとして放出される。
第1相手側接続子81へと流れた電流は、第1延伸部81aから、第2延伸部81b、第3延伸部81c、およびパッド接続部81dをこの順に流れて、第1相手側接続子81に接続された第2回路基板本体564の配線層64dへと流れる。第1相手側接続子81も第1接続子71と同様に第2回路基板本体564の第2グランド層64bから離れて配置されているため、上述したのと同様にして、第1相手側接続子81を流れる電流に起因した不要輻射ノイズNが放出される。第2回路基板本体564の配線層64dを流れる電流に起因する不要輻射ノイズNついては、上述した第1回路基板本体563の配線層63dを流れる電流に起因した不要輻射ノイズNと同様に、放出されることが抑制される。
以上のように、比較例1の回路基板ユニット560では、コネクター装置570および相手側コネクター装置580においてリターンパスを構成するグランド層が分断されており、各回路基板間の間でリターン電流が流れない。そのため、第1接続子71および第1相手側接続子81を流れる電流に起因して不要輻射ノイズNが放出される。また、第1接続子71および第1相手側接続子81と同様に、第2接続子72および第2相手側接続子82を流れる電流に起因した不要輻射ノイズNも放出される。
また、第1接続子71および第1相手側接続子81へと流れる電流に対して第1グランド層63bのようなリファレンスプレーンが設けられないと、第1接続子71の特性インピーダンスおよび第1相手側接続子81の特性インピーダンスが、第1回路基板本体563の第1グランド層63bの特性インピーダンスおよび第2回路基板本体564の第2グランド層64bの特性インピーダンスに対して変化する。そのため、第1接続子71の特性インピーダンスおよび第1相手側接続子81の特性インピーダンスの設計が困難になる。これにより、第1接続子71および第1相手側接続子81を介して流れる高周波信号などの信号の品質が悪くなる恐れもある。これは、第2接続子72および第2相手側接続子82に対しても同様である。
上述したような比較例1の回路基板ユニット560に対して、従来では比較例2の回路基板ユニット660のような構成を採用することで、不要輻射ノイズNの低減が試みられていた。図11および図12に示すように、比較例2の回路基板ユニット660は、第1回路基板661と、第2回路基板662と、を有する。第1回路基板661は、第1回路基板本体663と、コネクター装置670と、を有する。第2回路基板662は、第2回路基板本体664と、相手側コネクター装置680と、を有する。第1回路基板本体663は、後述する接続脚部677bが電気的に接続される図示しないパッド部が設けられている点を除いて、比較例1の第1回路基板本体563と同様の構成である。第2回路基板本体664は、後述する相手側接続脚部687bが電気的に接続される図示しないパッド部が設けられている点を除いて、比較例1の第2回路基板本体564と同様の構成である。図12では、第1回路基板661と第2回路基板662との接続が解除された状態を示している。
コネクター装置670は、コネクター装置本体670aと、シールド部材677と、を有する。コネクター装置本体670aは、比較例1のコネクター装置570と同様の構成である。シールド部材677は、コネクター装置本体670aを囲む金属製の部材である。図12に示すように、シールド部材677は、シールド部材本体677aと、複数の接続脚部677bと、を有する。シールド部材本体677aは、コネクター装置本体670aを囲む長方形枠状である。シールド部材本体677aは、第1回路基板本体663から上側に離れて配置されている。複数の接続脚部677bは、シールド部材本体677aから下側に延びている。複数の接続脚部677bの下端部は、第1回路基板本体663に設けられている図示しないパッド部に電気的に接続されている。当該パッド部は、第1グランド層63bに電気的に接続されている。接続脚部677bが当該パッド部に接続されていることで、シールド部材677は、第1グランド層63bに電気的に接続されている。接続脚部677bの数は、第1接続子71の数および第2接続子72の数よりも少ない。
相手側コネクター装置680は、相手側コネクター装置本体680aと、相手側シールド部材687と、を有する。相手側コネクター装置本体680aは、比較例1の相手側コネクター装置580と同様の構成である。相手側シールド部材687は、相手側コネクター装置本体680aを囲む金属製の部材である。相手側シールド部材687は、相手側シールド部材本体687aと、複数の相手側接続脚部687bと、を有する。相手側シールド部材本体687aは、相手側コネクター装置本体680aを囲む長方形枠状である。相手側シールド部材本体687aは、第2回路基板本体664から下側に離れて配置されている。図11に示すように、相手側シールド部材本体687aの下端部は、シールド部材本体677aの上端部に電気的に接続されている。これにより、シールド部材677と相手側シールド部材687とが電気的に接続されている。
図12に示すように、複数の相手側接続脚部687bは、相手側シールド部材本体687aから上側に延びている。複数の相手側接続脚部687bの上端部は、第2回路基板本体664に設けられている図示しないパッド部に電気的に接続されている。当該パッド部は、第2グランド層64bに電気的に接続されている。相手側接続脚部687bが当該パッド部に接続されていることで、相手側シールド部材687は、第2グランド層64bに電気的に接続されている。相手側接続脚部687bの数は、第1相手側接続子81の数および第2相手側接続子82の数よりも少ない。
比較例2では、シールド部材677と相手側シールド部材687とを介して、第1回路基板本体663の第1グランド層63bと第2回路基板本体664の第2グランド層64bとが電気的に接続されている。そのため、シールド部材677と相手側シールド部材687とによって、第1回路基板本体663と第2回路基板本体664との間で電流が流れることが可能な経路が作られる。
ここで、シールド部材677と第1回路基板本体663との接続は、コネクター装置670の周囲において、コネクター装置本体670aのうち第1回路基板本体663に接続される各接続子を避けつつ行う必要がある。そのため、コネクター装置本体670aの各接続子が邪魔で、配置できる接続脚部677bの数を、各接続子の数に対して十分に多くすることができない。また、相手側シールド部材687と第2回路基板本体664との接続は、相手側コネクター装置680の周囲において、相手側コネクター装置本体680aのうち第2回路基板本体664に接続される各接続子を避けつつ行う必要がある。そのため、相手側コネクター装置本体680aの各接続子が邪魔で、配置できる相手側接続脚部687bの数を、各接続子の数に対して十分に多くすることができない。これらにより、シールド部材677および相手側シールド部材687によって電流が流れる経路が作られるものの、当該経路だけでは、各接続子を流れる電流に対応するリターン電流を好適に流せるだけのリターンパスを確保することができない。
また、シールド部材677によってコネクター装置本体670aを外側から囲む構成のため、シールド部材677を第1接続子71および第2接続子72に対して十分に近づけて配置することができない。また、相手側シールド部材687によって相手側コネクター装置本体680aを外側から囲む構成のため、相手側シールド部材687を第1相手側接続子81および第2相手側接続子82に対して十分に近づけて配置することができない。これらにより、シールド部材677および相手側シールド部材687には、各接続子に流れる電流に対応するリターン電流が流れにくい。
以上により、比較例2のようにシールド部材677および相手側シールド部材687を設けても、第1接続子71、第2接続子72、第1相手側接続子81、および第2相手側接続子82を流れる高周波信号などの電流に対して、リターン電流を十分に大きくできない。したがって、各接続子を流れる電流に起因する不要輻射ノイズNを十分に抑制できない。また、シールド部材677の構造および相手側シールド部材687の構造が複雑化しやすく、回路基板ユニット660の製造コストが増大しやすい。また、比較例1と同様に、各接続子の特性インピーダンスの設計が困難となり、各接続子を流れる信号の品質が悪くなる恐れもある。
以上の問題に対して、本実施形態によれば、コネクター装置70は、ハウジング73と、ハウジング73に保持され、相手側コネクター装置80が有する第1相手側接続子81に電気的に接続される第1接続部71eをそれぞれ有する複数の第1接続子71と、ハウジング73に保持され、相手側コネクター装置80が有する第2相手側接続子82に電気的に接続される第2接続部72eをそれぞれ有する複数の第2接続子72と、ハウジング73に保持され、相手側コネクター装置80が有する相手側グランド部材84に電気的に接続されるグランド部材74と、を備える。複数の第1接続子71の各第1接続部71eは、ハウジング73から側面(第1面)73dに沿って露出して並んで配置されている。複数の第2接続子72の各第2接続部72eは、ハウジング73から側面(第1面)73dと異なる側面(第2面)73eに沿って露出して並んで配置されている。グランド部材74は、複数の第1接続子71と複数の第2接続子72との間に配置され、かつ、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)に沿って配置されている。
そのため、グランド部材74と相手側グランド部材84とが電気的に接続されることで、グランド部材74と相手側グランド部材84とによって、第1回路基板本体63と第2回路基板本体64との間にリターン電流が流れるリターンパスを設けることができる。グランド部材74は第1接続子71と第2接続子72との間に配置されているため、本実施形態のようにグランド部材74をハウジング73から下側に突出させて第1回路基板本体63と接続することができる。つまり、コネクター装置70の周囲において第1接続子71および第2接続子72を避けてグランド部材74を第1回路基板本体63に接続する必要がなく、グランド部材74を第1回路基板本体63に接続する際に第1接続子71および第2接続子72が邪魔になることがない。これにより、グランド部材74と第1回路基板本体63とが接続される領域を、第1接続子71の数および第2接続子72の数に応じて好適に大きくすることができる。具体的に本実施形態では、スルーホール63hを十分に設けることができるため、各接続子の数に応じて、グランド部材74と第1グランド層63bとを十分に電気的に接続することができ、リターンパスを十分に確保できる。
また、グランド部材74が複数の第1接続子71と複数の第2接続子72との間に配置されているため、グランド部材74と第1接続子71との間の距離、およびグランド部材74と第2接続子72との間の距離を小さくしやすい。これにより、第1接続子71に流れる電流および第2接続子72に流れる電流に対応するリターン電流をグランド部材74に流しやすくできる。例えば、グランド部材74と第1接続子71との間の距離、およびグランド部材74と第2接続子72との間の距離をそれぞれ300μm以下とすることで、第1接続子71に流れる電流および第2接続子72に流れる電流に対応するリターン電流をグランド部材74に好適に流しやすい。したがって、グランド部材74および相手側グランド部材84によって十分に設けられたリターンパスに、十分な量のリターン電流を流すことができる。そのため、グランド部材74および相手側グランド部材84に流れるリターン電流によって生じる電磁界で、各接続子に流れる電流によって生じる電磁界を好適に打ち消すことができる。これにより、各接続子に流れる電流に起因する不要輻射ノイズNが生じることを好適に抑制できる。言い換えれば、各接続子を流れる電流とリターン電流とのエネルギーが釣り合い、余分なエネルギーが生じにくいため、当該余分なエネルギーに起因する不要輻射ノイズNを好適に抑制できる。
上記のような構造は、グランド部材74および相手側グランド部材84によって、第1回路基板本体63に設けられた第1グランド層63b、および第2回路基板本体64に設けられた第2グランド層64bのように信号の伝達経路に沿ったグランド層を、各接続子に対して設けることができる構造である。信号の伝達経路に沿ってグランド層が設けられている構造は、マイクロストリップ構造とも呼ばれる。つまり、本実施形態の構造は、第1回路基板本体63との第2回路基板本体64との間における信号の伝達を、マイクロストリプ構造を好適に維持したままで行うことができる構造である。
また、グランド部材74および相手側グランド部材84によって、第1グランド層63bおよび第2グランド層64bのようなリファレンスプレーンを、各接続子に対して設けることができる。そのため、各接続子が各回路基板本体から離れても、グランド部材74および相手側グランド部材84によって、各回路基板本体から離れた各接続子に対してリファレンスプレーンを設けることができる。これにより、各接続子の特性インピーダンスが各回路基板に設けられた各配線層の特性インピーダンスに対して変化することを抑制できる。したがって、各接続子の特性インピーダンスの設計を容易にでき、各接続子に流れる信号の品質が悪くなることを抑制できる。
また、グランド部材74および相手側グランド部材84を設ける構造は、比較例2のシールド部材677および相手側シールド部材687のようにコネクター装置70および相手側コネクター装置80を外側から囲む構造よりも、比較的簡単な構造としやすい。具体的には、例えば、複数の第1接続子71と複数の第2接続子72との間、および複数の第1相手側接続子81と複数の第2相手側接続子82との間に、それぞれ金属製の板状部材を配置することで、グランド部材74と相手側グランド部材84とを設けることができる。これにより、比較例2のような構造に比べて、コネクター装置70の構造および相手側コネクター装置80の構造が複雑化することを抑制できる。したがって、回路基板ユニット60の製造コストが増大することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、複数の第1接続部71eの配列方向と複数の第2接続部72eの配列方向とは、互いに同じ方向(第1水平方向X)である。グランド部材74は、配列方向に沿って延びている。そのため、グランド部材74を、複数の第1接続子71および複数の第2接続子72に沿って好適に配置できる。これにより、複数の第1接続子71を流れる電流に対応するリターン電流、および複数の第2接続子72に流れる電流に対応するリターン電流をグランド部材74に好適に流すことができる。したがって、各接続子に流れる電流に起因する不要輻射ノイズNをより低減できる。また、複数の第1接続子71の特性インピーダンス設計、および複数の第2接続子72の特性インピーダンス設計をより容易にできる。
また、本実施形態によれば、グランド部材74は、各接続部の配列方向(第1水平方向X)において両端にそれぞれ設けられた第1接続子71と各接続部の配列方向(第1水平方向X)において両端にそれぞれ設けられた第2接続子72とのうち少なくとも1つに対して、当該配列方向において外側まで設けられている。そのため、当該配列方向の端に設けられた接続子の少なくとも1つから当該配列方向の外側に生じる電磁界を、グランド部材74に流れるリターン電流によって生じる電磁界で好適に打ち消すことができる。これにより、不要輻射ノイズNをより低減できる。本実施形態では、グランド部材74が当該配列方向の端に設けられた接続子のいずれよりも、当該配列方向の外側に突出している。そのため、不要輻射ノイズNをより好適に低減できる。
また、本実施形態によれば、グランド部材74は、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)においてハウジング73から突出し相手側グランド部材84に電気的に接続されるグランド接続部74cを有する。そのため、グランド接続部74cを相手側グランド部材84に電気的に接続しやすい。
また、本実施形態によれば、グランド部材74は、コネクター装置70が取り付けられる第1回路基板本体63に電気的に接続される基板接続部74bを有する。基板接続部74bは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)においてハウジング73から突出している。そのため、グランド部材74を第1回路基板本体63の第1グランド層63bに容易に接続することができる。
また、本実施形態によれば、グランド部材74は、基板接続部74bが繋がる本体部74aを有する。基板接続部74bは、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが接続される接続方向(上下方向Z)に交差する方向であって、かつ、複数の第1接続部71eの配列方向(第1水平方向X)および複数の第2接続部72eの配列方向(第1水平方向X)と異なる方向(第2水平方向Y)において、本体部74aから突出している。そのため、基板接続部74bを好適に大きくしやすく、基板接続部74bを第1回路基板本体63に対して安定して接続しやすい。また、基板接続部74bと第1回路基板本体63とが接続される領域を大きくしやすく、リターン電流が流れるリターンパスをより好適に確保しやすい。具体的に、本実施形態では、基板接続部74bと第1グランド層63bとを電気的に接続するスルーホール63hの数を多くしやすく、基板接続部74bと第1グランド層63bとの接続箇所を多くできる。これにより、リターン電流が流れるリターンパスをより好適に確保できる。
なお、相手側コネクター装置80のうちコネクター装置70と同様の構造を有する部分によっても、上述したコネクター装置70について説明した効果と同様の効果を得られる。
<第2実施形態>
図7は、本実施形態の回路基板ユニット260の一部を示す断面図である。以下の説明において上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図7に示すように、本実施形態の回路基板ユニット260において、コネクター装置270のグランド部材274は、グランド接続部(挟持部)274cを有する。グランド接続部274cは、相手側グランド部材284の一部を挟む挟持部である。より詳細には、グランド接続部274cは、相手側グランド接続部284cを第2水平方向Yに挟む。本実施形態において第2水平方向Yは、挟持方向である。グランド接続部274cは、第1水平方向Xに見て、上側に開口する略U字形状である。図7に示すように、ハウジング73と相手側ハウジング83とが嵌合された状態において、グランド接続部274cの内側に、上側から相手側グランド接続部284cが嵌合されている。グランド接続部274cと相手側グランド接続部284cとは、互いに接触して電気的に接続される。これにより、相手側グランド部材284は、グランド部材274に電気的に接続される。
相手側コネクター装置280の第1相手側接続子281において第1延伸部281aは、第1相手側接続部81eから相手側グランド部材284に近づく向きに屈曲する屈曲部281fを有する。本実施形態において屈曲部281fは、第1相手側接続部81eの上端部から上側かつ斜め第2水平方向他方側(-Y側)に延びている。第1延伸部281aのうち屈曲部281fよりも上側に位置する部分281gは、屈曲部281fの上端部から上側に直線状に延びて第2延伸部81bの第2水平方向他方側の端部に繋がっている。屈曲部281fは、天壁部83aに埋め込まれている。部分281gと相手側グランド部材284との間の第2水平方向Yに沿う距離は、コネクター装置270の第1接続子71における第1延伸部71aとグランド部材274との間の第2水平方向Yに沿う距離と同じである。
相手側コネクター装置280の第2相手側接続子282において第1延伸部282aは、第2相手側接続部82eから相手側グランド部材284に近づく向きに屈曲する屈曲部282fを有する。本実施形態において屈曲部282fは、第2相手側接続部82eの上端部から上側かつ斜め第2水平方向一方側(+Y側)に延びている。第1延伸部282aのうち屈曲部282fよりも上側に位置する部分282gは、屈曲部282fの上端部から上側に直線状に延びて第2延伸部82bの第2水平方向一方側の端部に繋がっている。屈曲部282fは、天壁部83aに埋め込まれている。部分282gと相手側グランド部材284との間の第2水平方向Yに沿う距離は、コネクター装置270の第2接続子72における第1延伸部72aとグランド部材274との間の第2水平方向Yに沿う距離と同じである。
コネクター装置270のその他の構成は、第1実施形態のコネクター装置70のその他の構成と同様である。相手側コネクター装置280のその他の構成は、第1実施形態の相手側コネクター装置80のその他の構成と同様である。回路基板ユニット260のその他構成は、第1実施形態の回路基板ユニット60のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、第1相手側接続子281は、第1相手側接続部81eから相手側グランド部材284に近づく向きに屈曲する屈曲部281fを有する。そのため、第1相手側接続部81eが第1接続部71eに対して、相手側グランド部材284から遠い側(+Y側)に接続される構成であっても、屈曲部281fによって第1相手側接続子281の一部を相手側グランド部材284に近づけることができる。これにより、例えば、本実施形態のように、相手側グランド部材284と第1相手側接続子281の部分281gとの間の距離を、グランド部材274と第1接続子71の第1延伸部71aとの間の距離と同じにできる。したがって、第1接続子71とグランド部材274との間の距離と、第1相手側接続子281と相手側グランド部材284との間の距離とを同様にしやすい。そのため、第1接続子71の特性インピーダンスおよび第1相手側接続子281の特性インピーダンスを最適化しやすい。これは、第2接続子72と第2相手側接続子282とについても同様である。
また、本実施形態によれば、グランド部材274は、相手側グランド部材284の一部を挟む挟持部としてグランド接続部274cを有する。そのため、グランド部材274と相手側グランド部材284とを安定して電気的に接続しやすい。
なお、本実施形態において説明した屈曲部を有する構造は、コネクター装置に設けられてもよい。つまり、第1接続子は、第1接続部からグランド部材に近づく向きに屈曲する屈曲部を有してもよい。この場合についても、上述した屈曲部を有する構造による効果と同様の効果を得られる。
また、グランド部材274の構造と相手側グランド部材284の構造とは、互いに逆になっていてもよい。つまり、挟持部は、相手側グランド部材284に設けられる構成としてもよい。
<第3実施形態>
図8は、本実施形態の回路基板ユニット360の一部を示す断面図である。以下の説明において上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
回路基板ユニット360においてコネクター装置370のグランド部材374は、本体部374aと、グランド接続部(挟持部)374cと、を有する。本体部374aは、板面が第2水平方向Yを向く長方形板状である。グランド接続部374cは、相手側グランド部材384の一部を挟む挟持部である。本実施形態においてグランド接続部374cは、複数の第1挟持部374hと、複数の第2挟持部374iと、を有する。複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとは、本体部374aの上端部に繋がっている。本実施形態において複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iは、板面が第2水平方向Yを向く長方形板状である。複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとは、コネクター装置370と相手側コネクター装置380とが接続される接続方向(上下方向Z)および挟持部としてのグランド接続部374cが相手側グランド部材384を挟む挟持方向(第2水平方向Y)の両方と交差する第1水平方向Xに沿って交互に配置されている。すなわち、複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iは、複数の第1接続部71e、複数の第2接続部72e、複数の第1相手側接続部81e、および複数の第2相手側接続部82eのうち、少なくとも1つの配列方向に沿って配置され、かつ、第2水平方向Yから見て当該配列方向において互いにずれて配置されている。複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iは、第2水平方向Yから見て、互いの一部が重なるように構成されてもよいし、互いの一部が重ならないように構成されてもよい。
複数の第1挟持部374hは、本体部374aよりも第2水平方向一方側(+Y側)に位置する。複数の第2挟持部374iは、本体部374aよりも第2水平方向他方側(-Y側)に位置する。つまり、複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとは、第2水平方向Yに離れて配置されている。第2水平方向Yにおいて複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとの間に、相手側グランド部材384の相手側本体部384aの下端部に設けられた相手側グランド接続部384cが上側から挿し込まれることで、グランド部材374と相手側グランド部材384とが電気的に接続される。第1挟持部374hと第2挟持部374iとの間の第2水平方向Yに沿う距離は、相手側グランド接続部384cの第2水平方向Yに沿う寸法に応じて設計されている。
複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iは、例えば、切れ込みなどにより本体部374aの上端部を第1水平方向Xに分割し、分割した各部分をそれぞれ互い違いに第2水平方向Yに折り曲げていくことで作られている。
コネクター装置370のその他の構成は、第1実施形態のコネクター装置70のその他の構成と同様である。相手側コネクター装置380のその他の構成は、第1実施形態の相手側コネクター装置80のその他の構成と同様である。回路基板ユニット360のその他構成は、第1実施形態の回路基板ユニット60のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、挟持部としてのグランド接続部374cは、コネクター装置370と相手側コネクター装置380とが接続される接続方向および挟持部としてのグランド接続部374cが相手側グランド部材384を挟む挟持方向の両方と交差する方向に沿って交互に配置された複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとを有する。複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとは、挟持方向(第2水平方向Y)に離れて配置されている。そのため、複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとによって、相手側グランド部材384を安定して挟むことができる。また、上述したように本体部374aの上端部を分割して複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとを作ることが可能であり、部品点数を少なくしつつ、複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとを設けることができる。
なお、複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iの少なくとも一部には、相手側グランド部材384に向かって突出する突起が設けられてもよい。この場合、複数の第1挟持部374hと複数の第2挟持部374iとをより好適に相手側グランド部材384に接触させることができる。当該突起は、相手側グランド部材384に設けられてもよい。
また、複数の第1挟持部374hおよび複数の第2挟持部374iは、相手側グランド部材384に設けられてもよい。この場合、例えば、グランド接続部374cの形状は、図8に示す相手側グランド接続部384cと同様の形状にできる。
なお、本実施形態においてグランド部材374は、少なくとも1つの第1挟持部と少なくとも1つの第2挟持部とを有していればよい。例えば、グランド部材は、1つの第1挟持部および1つの第2挟持部を有し、第1挟持部は、第1水平方向Xにおいて、グランド接続部における第1水平方向一方側(+X側)の端部から第1水平方向他方側(-X側)に向かって中間位置まで延び、第2挟持部は、第1水平方向Xにおいて、当該中間位置からグランド接続部における第1水平方向他方側(-X側)の端部まで延びる構成としてもよい。更に、例えば、グランド部材は、2つの第1挟持部および1つの第2挟持部を有し、2つの第1挟持部および1つの第2挟持部は、第1水平方向Xに沿って交互に配置されている構成としてもよい。
<第4実施形態>
図9は、本実施形態の回路基板ユニット460の一部を示す断面図である。以下の説明において上述した実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
回路基板ユニット460においてコネクター装置470のグランド部材474は、第1部材475と、第1部材475とは別体の第2部材476と、を有する。第1部材475と第2部材476とは、第2水平方向Yに重ね合わされてグランド部材474を構成している。第2部材476は、第1部材475の第2水平方向他方側(-Y側)に位置する。
第1部材475は、第1部材本体475aと、第1挟持部475cと、を有する。第2部材476は、第2部材本体476aと、第2挟持部476cと、を有する。第1部材本体475aおよび第2部材本体476aは、板面が第2水平方向Yを向く長方形板状である。第1部材本体475aと第2部材本体476aとは、第2水平方向Yに重ね合わされて、グランド部材474の本体部474aを構成している。
第1挟持部475cと第2挟持部476cとによって、グランド部材474のグランド接続部(挟持部)474cが構成されている。グランド接続部474cは、相手側グランド部材484の一部を挟む挟持部である。第1挟持部475cは、第1部材本体475aの上端部に設けられている。第2挟持部476cは、第2部材本体476aの上端部に設けられている。第1挟持部475cは、第1部材本体475aよりも第2水平方向一方側(+Y側)に位置する。第2挟持部476cは、第2部材本体476aよりも第2水平方向他方側(-Y側)に位置する。第1挟持部475cと第2挟持部476cとは、挟持部としてのグランド接続部474cが相手側グランド部材484を挟む挟持方向(第2水平方向Y)に離れて配置されている。第1挟持部475cは、例えば、第1部材本体475aの上端部が第2水平方向一方側に折り曲げられて構成されている。第2挟持部476cは、例えば、第2部材本体476aの上端部が第2水平方向他方側に折り曲げられて構成されている。
第2水平方向Yにおいて第1挟持部475cと第2挟持部476cとの間に、相手側グランド部材484における相手側本体部484aの下端部に設けられた相手側グランド接続部484cが上側から挿し込まれることで、グランド部材474と相手側グランド部材484とが電気的に接続される。第1挟持部475cと第2挟持部476cとの間の第2水平方向Yに沿う距離は、相手側グランド接続部484cの第2水平方向Yに沿う寸法に応じて設計されている。本実施形態において相手側グランド部材484の形状は、第3実施形態の相手側グランド部材384の形状と同様である。
コネクター装置470のその他の構成は、第1実施形態のコネクター装置70のその他の構成と同様である。相手側コネクター装置480のその他の構成は、第1実施形態の相手側コネクター装置80のその他の構成と同様である。回路基板ユニット460のその他構成は、第1実施形態の回路基板ユニット60のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、挟持部としてのグランド接続部474cは、挟持部としてのグランド接続部474cが相手側グランド部材484を挟む挟持方向(第2水平方向Y)に離れて配置された第1挟持部475cと第2挟持部476cとを有する。グランド部材474は、第1挟持部475cを有する第1部材475と、第1部材475とは別体であり第2挟持部476cを有する第2部材476と、を有する。このように、2つの部材を用いてグランド部材474を構成し、各部材に第1挟持部475cと第2挟持部476cとをそれぞれ設けることで、相手側グランド部材484を挟む挟持部を容易に作ることができる。
なお、第1挟持部475cおよび第2挟持部476cの少なくとも一方には、相手側グランド部材484に向かって突出する突起が設けられてもよい。この場合、第1挟持部475cと第2挟持部476cとをより好適に相手側グランド部材484に接触させることができる。当該突起は、相手側グランド部材484に設けられてもよい。
また、グランド部材474の構造と相手側グランド部材484の構造とは、互いに逆になっていてもよい。つまり、相手側グランド部材484が、第1挟持部を有する第1部材と、第2挟持部を有する第2部材とによって構成されてもよい。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限られず、以下の構成および方法を採用することもできる。グランド部材は、複数の第1接続子と複数の第2接続子との間に配置されているならば、どのように配置されていてもよいし、どのような形状であってもよい。これは、相手側グランド部材についても同様である。グランド部材と相手側グランド部材とが接続される部分の形状は、どのような形状であってもよい。グランド部材は、複数設けられてもよい。相手側グランド部材は、複数設けられてもよい。
また、上記の第1実施形態のコネクター構造90において、コネクター装置70と相手側コネクター装置80とが互いに嵌合された際に、グランド部材74のグランド接続部74cにおける上下方向上側(+Z側)の端部と、相手側グランド部材84の相手側グランド接続部84cにおける上下方向下側(-Z側)の端部とが互いに接触する構造としたが、これに限らない。例えば、グランド接続部における第2水平方向一方側(+Y側)の端部と、相手側グランド接続部における第2水平方向他方側(-Y側)の端部とが、互いに接触して電気的に接続される構造としてもよい。
第1接続子の形状、第2接続子の形状、第1相手側接続子の形状、および第2相手側接続子の形状は、特に限定されない。例えば、上記の第1実施形態においてコネクター装置70が保持する第1接続子71の第1延伸部71aおよび第2接続子72の第1延伸部72aは、第1水平方向Xから見て直線状に構成されているが、第1接続子および第2接続子の各第1延伸部は、屈曲または湾曲していてもよい。この場合、例えば、各第1延伸部の一部はハウジングの内部に配置され、各第1延伸部における第1接続部および第2接続部はハウジングから露出する構成としてもよい。同様に、相手側コネクター装置が保持する第1相手側接続子の第1延伸部および第2相手側接続子の第1延伸部は、屈曲または湾曲していてもよい。
また、第1接続子の数、第2接続子の数、第1相手側接続子の数、および第2相手側接続子の数は、特に限定されない。複数の第1接続子の第1接続部が並ぶ配列方向と、複数の第2接続子の第2接続部が並ぶ配列方向とは、互いに異なっていてもよい。複数の第1相手側接続子の第1相手側接続部が並ぶ配列方向と、複数の第2相手側接続子の第2相手側接続部が並ぶ配列方向とは、互いに異なっていてもよい。
また、上記の第1実施形態において、グランド部材74のグランド接続部74cおよび相手側グランド部材84の相手側グランド接続部84cは、第1水平方向Xから見て柱状の形状としたが、グランド接続部74cおよび相手側グランド接続部84cのうち一方は、上記の第2実施形態から第4実施形態における挟持部であってもよい。
本発明のコネクター装置は、相手側コネクター装置に電気的に接続されるコネクター装置であって、ハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第1相手側接続子に電気的に接続される第1接続部を有する第1接続子と、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド部材と、を備え、前記ハウジングは、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置との接続方向に突出する凸部を有し、前記グランド部材は、前記凸部に保持され、前記第1接続部は、前記接続方向と交差する方向において前記凸部の一方側に配置されている構成であってもよい。この構成においても、上述した実施形態と同様に、不要輻射ノイズを抑制できる。この構成における凸部は、例えば、上述した実施形態の凸部73cである。この構成の場合、第2接続子は、設けられてなくてもよい。
また、本発明のコネクター装置は、相手側コネクター装置に電気的に接続されるコネクター装置であって、ハウジングと、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第1相手側接続子に電気的に接続される第1接続部を有する第1接続子と、前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド部材と、を備え、前記ハウジングは、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置との接続方向に窪む凹部を有し、前記グランド部材は、前記凹部の底部に保持され、前記第1接続部は、前記凹部の内側面に沿って配置されている構成であってもよい。この構成における凹部は、例えば、上述した実施形態の凹部83fである。この構成の場合、第2接続子は、設けられてなくてもよい。
上述した説明において「コネクター装置」として説明した構成は、いずれも「相手側コネクター装置」の構成としても採用できる。また、上述した説明において「相手側コネクター装置」として説明した構成は、いずれも「コネクター装置」の構成としても採用できる。また、コネクター装置がメス型のコネクターで、相手側コネクター装置がオス型のコネクターであってもよい。
また、上記の第1実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の第1実施形態において、3つの光変調装置4R,4G,4Bを用いたプロジェクター1の例を挙げたが、本発明は、1つの光変調装置のみを用いたプロジェクター、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、回路基板が搭載される電子機器および回路基板ユニットが搭載される電子機器は、プロジェクターに限られず、他の電子機器であってもよい。
また、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
1…プロジェクター(電子機器)、60,260,360,460…回路基板ユニット、61…第1回路基板(回路基板)、62…第2回路基板(回路基板)、63…第1回路基板本体(回路基板本体)、63b…第1グランド層、64…第2回路基板本体、64b…第2グランド層、70,270,370,470…コネクター装置、71…第1接続子、71e…第1接続部、72…第2接続子、72e…第2接続部、73…ハウジング、73d…側面(第1面)、73e…側面(第2面)、74,274,374,474…グランド部材、74a,374a,474a…本体部、74b…基板接続部、74c,274c,374c,474c…グランド接続部、80,280,380,480…相手側コネクター装置、81,281…第1相手側接続子、81e…第1相手側接続部、82,282…第2相手側接続子、82e…第2相手側接続部、83…相手側ハウジング、83d…内側面(第3面)、83e…内側面(第4面)、84,284,384,484…相手側グランド部材、90…コネクター構造、274c,374c,474c…グランド接続部(挟持部)、281f,282f…屈曲部、374h,475c…第1挟持部、374i,476c…第2挟持部、475…第1部材、476…第2部材、X…第1水平方向(配列方向)、Y…第2水平方向(挟持方向)、Z…上下方向(接続方向)

Claims (20)

  1. 相手側コネクター装置に電気的に接続されるコネクター装置であって、
    ハウジングと、
    前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第1相手側接続子に電気的に接続される第1接続部をそれぞれ有する複数の第1接続子と、
    前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する第2相手側接続子に電気的に接続される第2接続部をそれぞれ有する複数の第2接続子と、
    前記ハウジングに保持され、前記相手側コネクター装置が有する相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド部材と、
    を備え、
    前記複数の第1接続子の各第1接続部は、前記ハウジングから第1面に沿って露出して並んで配置され、
    前記複数の第2接続子の各第2接続部は、前記ハウジングから前記第1面と異なる第2面に沿って露出して並んで配置され、
    前記グランド部材は、前記複数の第1接続子と前記複数の第2接続子との間に配置され、かつ、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置とが接続される接続方向に沿って配置されていることを特徴とするコネクター装置。
  2. 前記複数の第1接続部の配列方向と前記複数の第2接続部の配列方向とは、互いに同じ方向であり、
    前記グランド部材は、前記配列方向に沿って延びている、請求項1に記載のコネクター装置。
  3. 前記グランド部材は、前記配列方向において両端にそれぞれ設けられた前記第1接続子と前記配列方向において両端にそれぞれ設けられた前記第2接続子とのうち少なくとも1つに対して、前記配列方向において外側まで設けられている、請求項2に記載のコネクター装置。
  4. 前記グランド部材は、前記接続方向において前記ハウジングから突出し前記相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド接続部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクター装置。
  5. 前記グランド部材は、前記コネクター装置が取り付けられる回路基板本体に電気的に接続される基板接続部を有し、
    前記基板接続部は、前記接続方向において前記ハウジングから突出している、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクター装置。
  6. 前記グランド部材は、前記基板接続部が繋がる本体部を有し、
    前記基板接続部は、前記接続方向に交差する方向であって、かつ、前記複数の第1接続部の配列方向および前記複数の第2接続部の配列方向と異なる方向において、前記本体部から突出している、請求項5に記載のコネクター装置。
  7. 前記第1接続子は、前記第1接続部から前記グランド部材に近づく向きに屈曲する屈曲部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクター装置。
  8. 前記グランド部材は、前記相手側グランド部材の一部を挟む挟持部を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクター装置。
  9. 前記挟持部は、前記接続方向および前記挟持部が前記相手側グランド部材を挟む挟持方向の両方と交差する方向に沿って配置された第1挟持部と第2挟持部とを有し、
    前記第1挟持部と前記第2挟持部とは、前記挟持方向に離れて配置されている、請求項8に記載のコネクター装置。
  10. 前記挟持部は、前記挟持部が前記相手側グランド部材を挟む挟持方向に離れて配置された第1挟持部と第2挟持部とを有し、
    前記グランド部材は、
    前記第1挟持部を有する第1部材と、
    前記第1部材とは別体であり、前記第2挟持部を有する第2部材と、
    を有する、請求項8に記載のコネクター装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクター装置と、
    前記コネクター装置が配置された回路基板本体と、
    を備えることを特徴とする回路基板。
  12. 第1グランド層を有する第1回路基板本体と、
    第2グランド層を有する第2回路基板本体と、
    前記第1回路基板本体と前記第2回路基板本体とを接続し、前記第1回路基板本体と前記第2回路基板本体との間で信号伝送を中継するコネクター構造と、
    を備え、
    前記コネクター構造は、前記第1回路基板本体に配置されたコネクター装置と、前記第2回路基板本体に配置され前記コネクター装置と接続される相手側コネクター装置と、を有し、
    前記コネクター装置は、
    ハウジングと、
    前記ハウジングに保持され、第1接続部をそれぞれ有する複数の第1接続子と、
    前記ハウジングに保持され、第2接続部をそれぞれ有する複数の第2接続子と、
    前記ハウジングに保持されたグランド部材と、
    を有し、
    前記複数の第1接続子の各第1接続部は、前記ハウジングから第1面に沿って露出して並んで配置され、
    前記複数の第2接続子の各第2接続部は、前記ハウジングから前記第1面と異なる第2面に沿って露出して並んで配置され、
    前記相手側コネクター装置は、
    相手側ハウジングと、
    前記相手側ハウジングに保持され、前記第1接続部に電気的に接続される第1相手側接続部をそれぞれ有する複数の第1相手側接続子と、
    前記相手側ハウジングに保持され、前記第2接続部に電気的に接続される第2相手側接続部をそれぞれ有する複数の第2相手側接続子と、
    前記相手側ハウジングに保持され、前記グランド部材に電気的に接続される相手側グランド部材と、
    を有し、
    前記複数の第1相手側接続子の各第1相手側接続部は、前記ハウジングから第3面に沿って露出して並んで配置され、
    前記複数の第2相手側接続子の各第2相手側接続部は、前記ハウジングから前記第3面と異なる第4面に沿って露出して並んで配置され、
    前記グランド部材は、前記第1グランド層に電気的に接続され、前記複数の第1接続子と前記複数の第2接続子との間に配置され、かつ、前記コネクター装置と前記相手側コネクター装置とが接続される接続方向に沿って配置され、
    前記相手側グランド部材は、前記第2グランド層に電気的に接続され、前記複数の第1相手側接続子と前記複数の第2相手側接続子との間に配置され、かつ、前記接続方向に沿って配置されていることを特徴とする回路基板ユニット。
  13. 前記複数の第1接続部の配列方向と前記複数の第2接続部の配列方向とは、互いに同じ方向であり、
    前記グランド部材は、前記配列方向に沿って延びている、請求項12に記載の回路基板ユニット。
  14. 前記グランド部材は、前記配列方向において両端にそれぞれ設けられた前記第1接続子と前記配列方向において両端にそれぞれ設けられた前記第2接続子とのうち少なくとも1つに対して、前記配列方向において外側まで設けられている、請求項13に記載の回路基板ユニット。
  15. 前記グランド部材は、前記接続方向において前記ハウジングから突出し前記相手側グランド部材に電気的に接続されるグランド接続部を有する、請求項12から14のいずれか一項に記載の回路基板ユニット。
  16. 前記グランド部材は、前記第1グランド層に電気的に接続される基板接続部を有し、
    前記基板接続部は、前記接続方向において前記ハウジングから突出している、請求項12から15のいずれか一項に記載の回路基板ユニット。
  17. 前記グランド部材は、前記基板接続部が繋がる本体部を有し、
    前記基板接続部は、前記接続方向に交差する方向であって、かつ、前記複数の第1接続部の配列方向および前記複数の第2接続部の配列方向と異なる方向において、前記本体部から突出している、請求項16に記載の回路基板ユニット。
  18. 前記第1接続子は、前記第1接続部から前記グランド部材に近づく向きに屈曲する屈曲部を有する、請求項12から17のいずれか一項に記載の回路基板ユニット。
  19. 請求項11に記載の回路基板を備えることを特徴とする電子機器。
  20. 請求項12から18のいずれか一項に記載の回路基板ユニットを備えることを特徴とする電子機器。
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