JP2023015014A - 空気調和装置、および制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】人に応じた空調制御を行う空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置は、対象人物(H)が過去に置かれた環境情報、または対象人物(H)の生体情報を示す第1情報を取得する情報取得部(101)と、第1情報における対象人物(H)の習慣的な行動パターンを把握する制御部(100)とを備え、情報取得部(101)により取得された第1情報と、把握された前記行動パターンとに基づいて、温熱環境に関する指標である第1指標の目標値を設定する。【選択図】図4

Description

本開示は、空気調和装置、および制御システムに関するものである。
特許文献1には、室内を空調する空気調和装置において、在室者に与える熱ストレスの負荷を抑えつつ、室内空間を快適な温熱環境となるように空調を制御する空気調和装置が開示されている。
特開2020-41755号公報
室内における空調の強さや着衣量には個人差がある。例えば、年間を通して弱めの空調で、夏季は薄着で過ごし、冬季は厚着で過ごす人や、年間を通して強めの空調で、夏季及び冬季ともに平均的な着衣量で過ごす人がいる。このように、室内空間の熱的快適性について人によって感じ方が異なるため、在室者に応じて空調を行うことが好ましい。しかし、特許文献1に記載の空気調和装置では、人(在室者)ごとに空調を行うことができない。本開示は、人に応じた空調制御を行う空気調和装置を提供することである。
第1の態様は、対象人物(H)が過去に置かれた環境情報、または前記対象人物(H)の生体情報を示す第1情報を取得する情報取得部(101)と、前記第1情報における前記対象人物(H)の習慣的な行動パターンを把握する制御部(100)とを備え、前記制御部(100)は、前記情報取得部(101)により取得された前記第1情報と、把握された前記行動パターンとに基づいて、温熱環境に関する指標である第1指標の目標値を設定することを特徴とする空気調和装置である。
第1の態様では、制御部(100)は、第1情報と該対象人物(H)の行動パターンとに基づいて、第1指標が目標値となるように空調を制御する。行動パターンは対象人物(H)によって異なる。このことにより、空気調和装置は、対象人物(H)に応じた空調制御を行うことができる。また、第1情報が、体験温度である外気温度である場合、外気温度は季節によって変化するため、季節ごとに対象人物(H)に応じた空調制御を行うことができる。
第2の態様は、第1の態様において、
前記制御部(100)は、前記対象人物(H)からの申告、前記対象人物(H)による前記空気調和装置の操作情報、前記対象空間(S)の環境情報、前記対象空間(S)のカメラ映像から推定される前記対象人物(H)の行動、または、前記対象空間(S)のカメラ映像から推定される前記対象人物(H)の着衣量、または、前記対象空間(S)内の前記対象人物(H)の音声に基づいて、前記行動パターンを把握する。
第2の態様では、制御部(100)は、対象人物(H)からの申告(入力)により行動パターンを把握できる。また、制御部(100)は、空気調和装置の操作情報や、環境情報、カメラ映像等に基づいて対象人物(H)の行動パターンを把握できる。このことで、申告(入力)の手間を省くことができる。
第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記第1指標の目標値は、複数に分類される行動パターンのうち1の行動パターンに当てはまる対象人物群が熱的に中立と感じる温熱環境にある。
第3の態様では、同一の行動パターンに分類される複数の対象人物(H)が、熱的に中立と感じる温熱環境に基づいて、第1指標と目標値を設定できる。熱的に中立と感じる温熱環境は、例えば、対象人物(H)が、暑くも寒くもないと感じる対象空間(S)を指す。温熱環境は、対象空間(S)内の内気温度、内気湿度、気流(風速)、輻射温度などを含む。
第4の態様は、第1または第2の態様において、
前記制御部(100)は、個人を認識する個人認識部(102)と、認識された個人ごとの行動パターンを蓄積する記憶部(101)とを備え、前記対象人物(H)の過去の行動パターンに基づいて前記第1指標の目標値を設定する。
第4の態様では、個人ごとに行動パターンを特定できる。このことにより各個人に合わせた第1指標の目標値を設定できる。蓄積された個人の行動パターンを使用するため、予め複数に分類された行動パターンに振り分けられる場合よりも、より個人に適した第1指標の目標値を設定できる。
第5の態様は、第1~第4のいずれか1つの態様において、
前記第1指標は、前記対象空間(S)内の温度、人体エクセルギー収支に関する指標、予測温冷感申告(PMV)、または温熱環境に基づく指標である。
第5の態様では、第1指標を、対象空間(S)内の温度、人体エクセルギー収支に関する指標、予測温冷感申告(PMV)、または温熱環境に基づく指標とすることができる。
第6の態様は、第5の態様において、
前記人体エクセルギー収支に関する指標は、人体エクセルギー消費速さを示す。
第6の態様では、第1指標を人体エクセルギー消費速さにすることができる。
第7の態様は、第6の態様において、
前記第1指標が、人体エクセルギー消費速さである場合、前記制御部(100)は、前記目標値を満たすように、前記対象空間(S)の温度、湿度、風速、または輻射温度を制御する
第7の態様では、温度、湿度、風速、または輻射温度を調節することで、人体エクセルギー消費速さを目標値にすることができる。目標値が対象人物(H)の最も快適に感じる値であれば、温度、湿度、風速、または輻射温度を調節するだけで、対象人物(H)に応じて対象空間を快適にすることができる。
第8の態様は、第7の態様において、
前記制御部(100)は、前記空気調和装置の暖房運転時において、前記対象空間(S)の設定温度を所定値Taより高く設定する前記対象人物(H)に対しては、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vaより低く設定する。
第8の態様では、例えば所定値Taが平均的な設定温度である場合、暖房運転において空調を比較的強めに設定する人に適した人体エクセルギー消費速さになるように対象空間の空調を制御できる。
第9の態様は、第7の態様において、前記制御部(100)は、前記空気調和装置の暖房運転時において、前記対象空間(S)の設定温度を所定値Taより低く設定する前記対象人物(H)に対しては、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vaより高く設定する。
第9の態様では、例えば所定値Taが平均的な設定温度である場合、暖房運転において空調を比較的弱めに設定する人に適した人体エクセルギー消費速さになるように対象空間の空調を制御できる。
第10の態様は、第7の態様において、
前記制御部(100)は、前記空気調和装置の冷房運転時に着衣量が所定値Caより低い前記対象人物(H)に対しては、冷房運転時に、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vbより低く設定する。
第10の態様では、対象人物(H)の着衣量に基づいて、人体エクセルギー消費速さの目標値が設定される。このことで対象人物(H)に応じて、人体エクセルギー消費速さを制御できる。
第11の態様は、第1~第9のいずれか1つの態様の制御部(100)を備えた空気調和装置の制御システムである。
図1は、実施形態に係る空気調和装置の概略の構成図である。 図2は、実施形態に係る空気調和装置の概略の配管系統図である。 図3は、実施形態に係る空気調和装置のブロック図である。 図4は、実施形態に係る空気調和装置の制御が備えるグラフデータの例を示す図である。 図5は、実施形態に係る空気調和装置のエクセルギー制御運転のフローチャートである。 図6は、実施形態の変形例5に係る空気調和装置の第1制御装置のブロック図である。 図7は、研究成果に関し、外気温度と人体エクセルギー消費速さの関係を表すグラフである。 図8は、研究成果に関し、関東の住宅における寒暑感「どちらでもない」時の各週の空気温度と着衣量の平均値±標準偏差を表すグラフである。 図9は、研究成果に関し、環境変化への適応行動パターンを示す表である。 図10は、研究成果に関し、「暑くも寒くもない」申告時の条件における外気温と人体エクセルギー消費速さの関係を表すグラフである。 図11は、研究成果に関し、室内温度と人体エクセルギー消費速さと濡れ率の関係を表すグラフである。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解の容易のために必要に応じて寸法、比、または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
《実施形態》
(1)空気調和装置の全体構成
本開示の空気調和装置(10)は、対象空間である室内空間(S)の空調を行う。室内空間(S)には人(H)が存在する。人(H)は、本開示の対象人物(H)である。本例の空気調和装置(10)は、室内空気の温度を調節する機能を有する。
図1および図2に示すように、空気調和装置(10)は、熱源ユニット(20)と利用ユニット(30)とを有する。熱源ユニット(20)および利用ユニット(30)は、2本の連絡配管(液連絡配管(11)およびガス連絡配管(12))を介して互いに接続される。これにより、空気調和装置(10)では、冷媒回路(R)が構成される。冷媒回路(R)には、冷媒が充填される。冷媒回路(R)は、冷媒が循環することで冷凍サイクルを行う。
(1-1)熱源ユニット
熱源ユニット(20)は、室外空間(O)に配置される室外ユニットである。熱源ユニット(20)は、熱源ファン(21)を有する。熱源ユニット(20)は、冷媒回路(R)に接続される要素として、圧縮機(22)、熱源熱交換器(23)、切換機構(24)、および膨張機構(25)を有する。
圧縮機(22)は、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機(22)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(22)は、揺動ピストン式などの回転式圧縮機である。圧縮機(22)は、インバータ式である。圧縮機(22)の第1モータ(M1)は、インバータ装置のよって回転数(運転周波数)が調節される。
熱源熱交換器(23)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。熱源熱交換器(23)は、その内部を流れる冷媒と室外空気とを熱交換させる室外熱交換器である。
熱源ファン(21)は、熱源熱交換器(23)の近傍に配置される。本例の熱源ファン(21)は、プロペラファンである。熱源ファン(21)は、熱源熱交換器(23)を通過する空気を搬送する。
切換機構(24)は、冷房サイクルである第1冷凍サイクルと、暖房サイクルである第2冷凍サイクルとを切り換えるように、冷媒回路(R)の流路を変更する。切換機構(24)は、四方切換弁である。切換機構(24)は、第1ポート(P1)、第2ポート(P2)、第3ポート(P3)、および第4ポート(P4)を有する。切換機構(24)の第1ポート(P1)は、圧縮機(22)の吐出部と繋がる。切換機構(24)の第2ポート(P2)は、圧縮機(82)の吸入部と繋がる。切換機構(24)の第3ポート(P3)は、ガス連絡配管(12)を介して利用熱交換器(33)のガス側端部と繋がる。切換機構(24)の第4ポート(P4)は、熱源熱交換器(23)のガス側端部と繋がる。
切換機構(24)は、第1状態と第2状態とに切り換わる。第1状態(図2の実線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通し且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通する。第2状態(図2の破線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通し、第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通する。
膨張機構(25)は、一端が熱源熱交換器(23)の液側端部と繋がり、他端が液連絡配管(11)を介して利用熱交換器(33)の液側端部と繋がる。膨張機構(25)は、膨張弁である。膨張機構(25)は、その開度が調節可能な電子膨張弁である。
(1-2)利用ユニット
利用ユニット(30)は室内空間(S)の壁面に設置される。言い換えると、利用ユニット(30)は、壁掛け式の室内空調機である。利用ユニット(30)は、ケーシング(31)と、利用ファン(32)とを有する。利用ユニット(30)は、冷媒回路(R)に接続される要素として、利用熱交換器(33)を有する。
ケーシング(31)は、利用ファン(32)および利用熱交換器(33)を収容する。ケーシング(31)は、吸込口(30a)と吹出口(30b)とを有する。ケーシング(31)の内部には、吸込口(30a)から吹出口(30b)に亘って空気通路(30c)が形成される。
利用熱交換器(33)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。利用熱交換器(33)は、その内部を流れる空気と冷媒とを熱交換させる空気熱交換器である。
利用ファン(32)は、クロスフローファンである。利用ファン(32)の第2モータ(M2)の回転数は可変である。言い換えると、利用ファン(32)の風量は可変である。利用ファン(32)は、空気通路(30c)において利用熱交換器(33)の上流側に配置される。利用ファン(32)は、利用熱交換器(33)を通過する空気を搬送する。
(1-3)センサ
図2および図3に示すように、空気調和装置(10)は、複数のセンサを有する。本例の空気調和装置(10)は、外気温度センサ(41)、外気湿度センサ(42)、内気温度センサ(43)を有する。外気温度センサ(41)および外気湿度センサ(42)は、室外空間(O)に配置される。外気温度センサ(41)は、室外空気の温度を検出する。
外気湿度センサ(42)は、室外空気の湿度(厳密には相対湿度)を検出する。内気温度センサ(43)は、室内空間(S)に配置される。内気温度センサ(43)は、室内空気の温度を検出する。
空気調和装置(10)は、冷媒回路(R)の高圧圧力、低圧圧力、凝縮温度、蒸発温度などを検出する各種の冷媒センサ(図示省略)を有する。
(1-4)リモートコントローラ
図1~図3に示すように、空気調和装置(10)は、リモートコントローラ(35)を有する。リモートコントローラ(35)には、人(H)の操作に基づいて所定の情報が入力される。具体的に、リモートコントローラ(35)は、操作部(36)を有する。
操作部(36)は、所定の情報を入力するための機能部である。所定の情報には、人(H)が空気調和装置(10)に対する各種の指示や、行動パターンなどが含まれる。本例のリモートコントローラ(35)は、人(H)の操作に基づいて複数種類の行動パターンから1つを選択できるように構成されている。行動パターンの詳細は、(3)において説明する。
操作部(36)は、スイッチ、ボタン、またはタッチパネルを含む。人が操作部(36)を操作することで空気調和装置(10)の運転が選択されたり、行動パターンが選択されたりする。空気調和装置(10)の運転は、冷房運転と暖房運転とを含む。人が操作部(36)を操作することで設定温度を変更できる。設定温度は、室内空間(S)の目標温度である。
(1-5)制御部
空気調和装置(10)は、制御部(100)を有する。図2および図3に示すように、制御部(100)は、第1制御装置(C1)と、第2制御装置(C2)と、第3制御装置(C3)とを含む。第1制御装置(C1)は、熱源ユニット(20)に設けられる。第2制御装置(C2)は、利用ユニット(30)に設けられる。第3制御装置(C3)は、リモートコントローラ(35)に設けられる。
第1制御装置(C1)と第2制御装置(C2)とは、第1通信線(W1)によって互いに接続される。第1通信線(W1)は有線または無線である。第2制御装置(C2)と第3制御装置(C3)とは、第2通信線(W2)によって互いに接続される。第2通信線(W2)は有線または無線である。
第1制御装置(C1)、第2制御装置(C2)、第3制御装置(C3)のそれぞれは、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
第1制御装置(C1)は、圧縮機(22)、熱源ファン(21)、切換機構(24)、および膨張機構(25)を制御する。第1制御装置(C1)は、圧縮機(22)の第1モータ(M1)の回転数を調節する。第2制御装置(C2)は、利用ファン(32)を制御する。第2制御装置(C2)は、利用ファン(32)の第2モータ(M2)の回転数を調節する。
制御部(100)は、外気温度における人(H)の習慣的な行動パターンを把握する。具体的に、リモートコントローラ(35)の第3制御装置(C3)には、複数種類の行動パターンが記憶されている。人(H)からの申告(操作)に基づいて、1の行動パターンが選択されると、リモートコントローラ(35)は、その情報を第1制御装置(C1)に送信する。このように、第1制御装置(C1)は、人(H)が選択した行動パターンを把握する。
制御部(100)は、記憶部(101)を有する。本例の記憶部(101)は、第1制御装置(C1)に設けられるが、第2制御装置(C2)や第3制御装置(C3)に設けられてもよい。記憶部(101)は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などを含む。
記憶部(101)は、外気温度センサ(41)で検出した外気温度と、外気湿度センサ(42)で検出した外気湿度とを適宜記憶する。記憶部(101)は、本開示の情報取得部(101)である。記憶部(101)は、第1情報を取得する。本実施形態の第1情報は、人(H)が過去に置かれた環境情報である体験温度である。体験温度は、本実施形態では外気温度である。本例において、「過去に置かれた」とは、例えば過去のある一定の期間をいう。「過去に置かれた」は過去から現在までのある一定期間であってもよい。このように、記憶部(101)は、所定期間における外気温度を履歴データとして記憶する。記憶部(101)は、外気温度を所定間隔(例えば30分)毎に記憶する。記憶部(101)は、外気温度と同様に外気湿度を履歴データとして記憶してもよい。この場合、記憶部(101)は、外気湿度を所定間隔(例えば30分)毎に記憶する。
記憶部(101)は、人体エクセルギー消費速さVと、それに関連する指標とを関連付けたデータを記憶する。人体エクセルギー消費速さVは、本開示の第1指標である。人体エクセルギー消費速さVは、室内空間(S)の温熱環境に関する指標である。
(2)人体エクセルギー収支について
空気調和装置(10)は、人体エクセルギー消費速さを考慮した空調を行う。人体エクセルギー消費速さは、以下のエクセルギー収支に関する式に含まれる。
[人体エクセルギー消費速さ]=[人体エクセルギー入力]-[人体エクセルギー蓄積]-[人体エクセルギー出力]。
人体エクセルギー消費速さは、人体の体表面1mあたりのエクセルギーの消費の速さを表す指標である。人体エクセルギー入力は、人体の体表面1mあたりのエクセルギーの発生の速さを表す指標である。人体エクセルギー蓄積は、人体の体表面1mあたりのエクセルギーの蓄積の速さを表す指標である。人体のエクセルギー出力は、人体の体表面1mあたりのエクセルギーの放出の速さを表す指標である。これらの指標の単位は、W/mである。人体エクセルギー入力、人体エクセルギー蓄積、及び人体エクセルギー出力のそれぞれは、本開示の人体エクセルギー収支に関する指標である。人体エクセルギー収支に関する指標は、人体エクセルギー消費速さを示す。本例では、上記式に示すように、これら3つの人体エクセルギー収支に関する指標に基づいて、人体エクセルギー消費速さが求まる。
人体エクセルギー消費速さは、体内で消費されるエクセルギーである。人体エクセルギー消費速さは、人体の内部と外部との温度差による熱拡散、人体と着衣との間の温度差による熱拡散、および人体と着衣との間の水蒸気圧力差による汗と空気との相互拡散に起因する。
人体エクセルギー入力は、主として、代謝によって発生するエクセルギー、吸気によるエクセルギー、代謝水によるエクセルギー、および着衣が吸収する放射熱によるエクセルギーから構成される。代謝によって発生するエクセルギーは、飲食によって人体に取り込まれたグルコース中に蓄えられたエクセルギーが細胞活動のために消費された結果、体内で発生したエクセルギーである。吸気によるエクセルギーとは、吸気の熱の拡散、および吸気に含まれる水蒸気の拡散などによって発生するエクセルギーである。代謝水によるエクセルギーとは、代謝水の熱の拡散、および代謝水の体外への拡散などによって発生するエクセルギーである。代謝水とは、代謝によって生じる水であり、例えば体内のグルコースの燃焼によって発生する水である。
人体エクセルギー蓄積とは、周囲の環境に応じて体内に蓄積されるエクセルギーである。周囲の環境の温度が高いほど、人体エクセルギー蓄積は増加する傾向にある。
人体エクセルギー出力とは、体内から体外に放出されるエクセルギーである。人体エクセルギー出力は、主として、吸気によるエクセルギー、汗の蒸発後に発生する湿り空気の拡散によって発生するエクセルギー、着衣が放出する放射熱によるエクセルギー、および着衣が放出する対流熱によるエクセルギーから構成される。吸気によるエクセルギーとは、吸気の熱の拡散、および吸気に含まれる水蒸気などの拡散によって発生するエクセルギーである。
人体エクセルギー消費速さは、人体の血管の拡張収縮の度合いと相関関係がある。人体エクセルギー消費速さが低いほど、人体の血管の拡張収縮の度合いが小さく、人体にかかる熱ストレス負荷が小さくなる。つまり、人体エクセルギー消費速さは、人体の熱ストレス負荷を表す指標となる。
人体エクセルギー消費速さは、寒い環境および暑い環境によって高くなり、寒くも暑くもない環境において低くなる傾向にある。人体エクセルギー消費速さが最小となる環境とは、1)人体の内部と外部との温度差による熱拡散、2)人体と着衣との間の温度差による熱拡散、および3)人体と着衣との間の水蒸気圧力差による汗と空気との相互拡散のうち、特に3)の項目の比率が小さい環境である。人体エクセルギー消費速さが最小となる環境は、人体にかかる熱ストレス負荷が最も小さい環境といえる。
(3)行動パターン
行動パターンは、外気温度に基づいて人(H)が行動する室内空間(S)における行動様式を含む。行動パターンは、複数種類に分類される。具体的に、表1に示すように、本例では5種類の行動パターンが設定される。これらの行動パターン(第1~第5行動パターン)は、リモートコントローラ(35)に記憶される。本例の各行動パターンには、室内空間(S)の内気温度と着衣量とが設定される。
人(H)は、リモートコントローラ(35)を操作して、自分の行動パターンに関する情報を申告する。例えば、着衣量については、リモートコントローラ(35)の入力画面に現れる「夏の着衣量は?」の問いに対して、人(H)は「A:薄着、B:普通、C:厚着」の中から選択する。同様に、「冬の着衣量は?」の問いに対して、人(H)は「A:薄着、B:普通、C:厚着」の中から選択する。また、内気温度については、リモートコントローラ(35)の入力画面に現れる「夏の空調は?」の問いに対して、人(H)は「A:弱め、B:普通、C:強め」の中から選択する。同様に「冬の空調は?」の問いに対して、人(H)は「A:弱め、B:普通、C:強め」の中から選択する。
リモートコントローラ(35)に入力されたこれらの情報に基づいて、制御部(100)は、人(H)がどの行動パターンに該当するか把握する。また、人(H)は、第1~第5行動パターンから自分に当てはまる行動パターンを直接選択(申告)してもよい。
Figure 2023015014000002
第1行動パターンは、一年を平均的に過ごす人を対象とする。第1行動パターンでは、室温は平均値(TAVE.(℃))、及び着衣量は平均値(CAVE.(clo))である。ここで、「平均値」は、例えば実験で得られたデータや過去から継続して蓄積されたデータに基づいて、求められる。
第2行動パターンは、一年中平均より薄着で過ごす人を対象とする。第2行動パターンでは、空気温度は、TAVE.(℃)、及び着衣量はC(clo)(C<CAVE.)である。
第3行動パターンは、一年を弱めの空調で、かつ、着衣を大きく変えて過ごす人を対象とする。第3行動パターンでは、空気温度は「弱めの空調」とし、着衣量は「大きく変える」とする。「弱めの空調」は、例えば、春夏など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも高い場合、室内温度をT(℃)(T>TAVE.)とし、秋冬など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも低い場合、室内温度をT(℃)(T<TAVE.)とする。着衣量を「大きく変える」は、例えば、春夏など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも高い場合、着衣量はC(clo)とし、秋冬など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも低い場合、着衣量はC(clo)(C>CAVE.)とする。
第4行動パターンは、一年を弱めの空調で、かつ、着衣を平均程度に変えて過ごす人を対象とする。第4行動パターンでは、室内温度は「弱めの空調」とし、着衣量はCAVE.(clo)とする。
第5行動パターンは、一年を強めの空調で、かつ、着衣を平均程度に変えて過ごす人を対象とする。第5行動パターンでは、室内温度は「強めの空調」とし、着衣量はCAVE.(clo)とする。「強めの空調」は、例えば、春夏など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも高い場合、室内温度をT(℃)とし、秋冬など週の外気最高気温の平均が室内温度よりも低い場合、室内温度をT(℃)とする。
(4)運転動作
空気調和装置(10)は、通常の冷房運転、通常の暖房運転、およびエクセルギー制御運転を行う。
(4-1)冷房運転
冷房運転中の空気調和装置(10)は、熱源熱交換器(23)が放熱器として機能し、利用熱交換器(33)が蒸発器として機能する冷凍サイクル(冷房サイクル)を行う。具体的には、圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、熱源熱交換器(23)で放熱し、膨張機構(25)で減圧される。膨張機構(25)で減圧された冷媒は、利用熱交換器(33)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
利用ユニット(30)では、利用ファン(32)が運転状態となる。室内空間(S)の空気は、吸込口(30a)から空気通路(30c)に吸い込まれる。空気通路(30c)の空気は、利用熱交換器(33)によって冷却された後、吹出口(30b)から室内空間(S)へ供給される。
(4-2)暖房運転
暖房運転中の空気調和装置(10)は、利用熱交換器(33)が放熱器として機能し、熱源熱交換器(23)が蒸発器として機能する冷凍サイクル(暖房サイクル)を行う。具体的には、圧縮機(22)で圧縮された冷媒は、利用熱交換器(33)で放熱し、膨張機構(25)で減圧される。膨張機構(25)で減圧された冷媒は、熱源熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
利用ユニット(30)では、利用ファン(32)が運転状態となる。室内空間(S)の空気は、吸込口(30a)から空気通路(30c)に吸い込まれる。空気通路(30c)の空気は、利用熱交換器(33)によって加熱された後、吹出口(30b)から室内空間(S)へ供給される。
(4-3)エクセルギー制御運転
エクセルギー制御運転では、制御部(100)は、外気温度センサ(41)により取得された外気温度と、人(H)に選択された行動パターンとに基づいて、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを設定する。エクセルギー制御運転では、人体エクセルギー消費速さVが、目標値Vとなるように室内空間(S)の空調を制御する。本例では、外気温度は、ある一定期間(例えば30日間)における平均外気温度を示す。
具体的に、エクセルギー制御運転では、制御部(100)は、図4に示すグラフデータに基づいて空調を制御する。このグラフデータには、外気温度と人(H)が快適に感じるときの人体エクセルギー消費速さVとの関係が行動パターンごとに示されている。
「快適に感じる」とは、温熱環境(内気温度、内気湿度、気流、風速など)が、複数に分類される行動パターン(本例では第1~第5行動パターン)のうち1の行動パターンに該当する複数の人(H)が、熱的に中立である感じる環境にある場合をいう。なお、「熱的に中立」は、人(H)暑くも寒くも感じない温熱環境をいう。「1の行動パターンに該当する複数の人(H)」は、本開示の対象人物群である。
具体的に説明すると、例えば、第3行動パターンを選択した人が熱的に中立であると感じる温熱環境の範囲は、第3行動パターンを選択した複数の人(H)にとって快適に感じる。これは同じ外気温度でも、異なる行動パターンに該当する人(H)の熱的中立に感じる温熱環境は異なることを意味している。従って、行動パターンごとに人(H)が快適に感じるときのエクセルギー消費速さVの目標値VG1~VG5が設定される。
目標値VG1は、第1行動パターンにおける人体エクセルギー消費速さVの目標値である。目標値VG2は、第2行動パターンにおける人体エクセルギー消費速さVの目標値である。目標値VG3は、第3行動パターンにおける人体エクセルギー消費速さVの目標値である。目標値VG4は、第4行動パターンにおける人体エクセルギー消費速さVの目標値である。目標値VG5は、第5行動パターンにおける人体エクセルギー消費速さVの目標値である。以下は、目標値VG1、VG2、VG3、VG4及びVG5を総称して目標値Vと呼ぶ場合がある。
制御部(100)は、このグラフデータに基づいて、選択された行動パターンと外気温度とから、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを満たすように空調を制御する。
人体エクセルギー消費速さVは、上述したエクセルギー収支に関する式に基づいて求められる。具体的に、人体エクセルギー消費速さVは、室外空間(O)の外気温度および外気湿度、人(H)が存在する室内空間(S)の内気温度および内気湿度、人(H)が存在する室内空間(S)の壁面温度(輻射温度)、空気調和装置(10)から人(H)に供給される気流の流速、人(H)の着衣量、及び人(H)の活動量をパラメータとして得られる。
本例のエクセルギー制御運転では、これらのパラメータのうち内気温度を第1パラメータとする。制御部(100)は、内気温度を調節することで、人体エクセルギー消費速さVを目標値Vにする。具体的に、制御部(100)は、目標値Vを満たす内気温度を目標内気温度として設定する。言い換えると、室内空間(S)の内気温度が目標内気温度となるように空調することで、人体エクセルギー消費速さVが目標値Vとなる。
なお、図4のグラフデータは、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vは、各外気温度において特定の値を示しているが、特定の値である必要はなく所定の範囲内にある値であればよい。
エクセルギー制御運転は、暖房運転に対応する暖房エクセルギー動作と、冷房運転に対応する冷房エクセルギー動作とを含む。ここでは、例えば冬季に実行される暖房エクセルギー制御運転の例について、図5を用いて説明する。
エクセルギー制御運転が実行されると、ステップS11において、外気温度センサ(41)は室外空間(O)の外気温度を取得する。記憶部(101)は外気温度センサ(41)が取得した外気温度を履歴データとして適宜記憶する。
ステップS12において、制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された履歴データに基づき外気温度の平均値(平均外気温度Ta)を算出する。制御部(100)は、所定時間前から現在までの所定期間ΔTにおいて取得した複数の外気温度の平均値を算出する。本例では、所定期間ΔTが例えば1ヶ月(約30日)に設定される。複数の外気温度は、所定時間t1毎に取得され、記憶部(101)に記憶される。所定時間t1は例えば30分に設定される。このように、比較的長い期間における過去から現在までの外気温度を取得することで、人の季節順応を考慮して、室内空間(S)を空調できる。
ステップS13において、制御部(100)は、第1~第5行動パターンのうち、どの行動パターンが入力されたかを判定する。
ステップS14において、制御部(100)は、グラフデータに基づいて、S12で算出した外気温度、及びS13で判定された行動パターンから、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを求める。
ステップS15において、制御部(100)は、外気湿度センサ(42)が検出した室外空気の外気湿度を取得する。ここで取得される外気湿度は、ステップS11~S12で取得される外気温度と同様に、所定期間ΔT(例えば1ヶ月(約30日))における外気温度の平均値であってもよい。
ステップS16において、制御部(100)は、室内空間(S)の人(H)の着衣量を取得する。ここで、着衣量(単位clo)は、予め制御部(100)に記憶された設定値であってもよい。この場合、制御部(100)には、空気調和装置(10)が運転される季節や時期毎の着衣量を設定するのが好ましい。例えば寒い時期であれば、着衣量が比較的大きくなり、暑い時期であれば、着衣量が比較的小さくなる。人(H)が、リモートコントローラ(35)に着衣量を直接入力してよい。この場合、制御部(100)は、現在の人(H)の着衣量をより正確に取得することができる。
ここで、外気温度として、ステップS12で取得した平均外気温度Taを、外気湿度としては、ステップS15で取得した外気湿度を用いる。
本例では、内気湿度としては、予め制御部(100)に記憶された設定値(例えば相対湿度50%)を用いる。この場合、制御部(100)には、空気調和装置(10)が運転される季節や時期毎の内気湿度を設定するのが好ましい。利用ユニット(30)に、内気湿度を検出する内気湿度センサを設け、現在の内気湿度を直接取得してもよい。
室内空間(S)の壁面温度としては、内気温度と同じ温度を用いる。言い換えると、壁面温度は、目標内気温度と同じ温度とみなされる。
風速として、予め制御部(100)に記憶された設定値(例えば0.1m/s)を用いる。風速は、現在の利用ファン(32)の風量(回転数)に応じた設定値とするのがよい。制御部(100)は、現在の利用ファン(32)の風量に対応する設定値を読み込み、この設定値を、前記関係を求めるためのパラメータとする。現在の風速を風速計などによって取得してもよい。
着衣量は、上述したように予め制御部(100)に記憶された設定値(寒い時期であれば例えば0.94clo)を用いる。
人(H)の活動量は、予め制御部(100)に記憶された設定値(例えば1.1met)を用いる。
ステップST17において、制御部(100)は、ステップS14において得られたVを満たす目標内気温度を求める。
ステップS18において、制御部(100)は、室内空間(S)の内気温度がステップS17で求めた目標内気温度となるように空調を制御する。具体的に、制御部(100)は、内気温度センサ(43)が検出する内気温度が目標温度に近づくように、空気調和装置(10)の空調能力を調節する。暖房エクセルギー制御運転であれば、制御部(100)は、圧縮機(22)の回転数を調節することにより、利用熱交換器(33)の高圧圧力(凝縮圧力、あるいは凝縮温度)を調節する。その結果、室内空間(S)の内気温度が、最適内気温度に収束する。
ステップS18の後、ステップS19において所定時間が経過すると、再びステップS11に移行し、同様の処理が実行される。ここで、ステップS19の所定時間は例えば30分に設定される。
(4)特徴
(4-1)特徴1
本実施例の空気調和装置(10)の制御部(100)は、人(H)が過去に置かれた環境の気温である外気温度(第1情報)と、該外気温度における人(H)の習慣的な行動パターンとに基づいて、人体エクセルギー消費速さ(第1指標)が目標値となるように設定する。
上述したように、室内空間(S)において季節ごとの行動パターンは人によって異なる。本例の人体エクセルギー消費速さVの目標値Vは、行動パターンごとに設定されている。このことにより、各人(H)の行動パターンに基づいて、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを設定することで、在室者(人(H))に応じた空調制御を実現できる。
加えて、制御部(100)は、年間を通した外気温度と、人が快適に感じるときのエクセルギー消費速さVとの関係を示すグラフデータを有する。外気温度(厳密には、ある一定期間における平均の外気温度)は、季節によって異なるため、制御部(100)は、グラフデータに基づいて、人の季節順応を考慮した人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを求めることができる。このように、人体エクセルギー消費速さを指標にすることで、環境から与えられる人(H)への熱ストレスを考慮した空調制御を行うことができる。さらに、人(H)の血流の増減など生理量を計測せずに熱ストレスを推定できる。
(4-2)特徴2
本実施形態の空気調和装置(10)の制御部(100)は、人(H)からの申告に基づいて、行動パターンを把握する。このことにより、人(H)は、自己に最適な行動パターンを選択できる。
(4-3)特徴3
人体エクセルギー消費速さVの目標値Vは、5種類の行動パターンのうち1の行動パターンに当てはまる複数の人(H)が熱的に中立と感じる温熱環境にある。熱的に中立と感じる温熱環境とは、上述したように人が快適に感じる温熱環境をいう。従って、目標値Vは、行動パターンごとに人(H)が快適に感じる温熱環境となるように設定される値となる。このことにより、行動パターンに応じて目標値Vを設定すれば、行動パターンに応じて室内空間(S)を快適にできる。
(4-4)特徴4
制御部(100)は、人体エクセルギー消費速さVの目標値Vを満たすように、室内空間(S)の内気温度を制御する。内気温度を制御するだけで目標値Vを満たすことができるため、室内空間(S)を比較的簡便に快適にできる。
(5)変形例
上記実施形態においては、以下のような変形例の構成としてもよい。なお、以下では、原則として上記実施形態と異なる点について説明する。
(5-1)行動パターンの把握の変形例1
本例の記憶部(101)は、人(H)による空気調和装置(10)の操作情報を記憶する。操作情報は、空気調和装置(10)の運転履歴や内気温度の設定履歴などの過去の情報を含む。記憶部(101)は、過去から現在までの一定期間の操作情報を記憶する。
本例の制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された操作情報に基づいて、適切な行動パターンを把握する。例えば、記憶部(101)に記憶された操作情報のうち、人(H)により設定された内気温度が、一年を通して平均的な温度であれば、制御部(100)は、上記実施形態の第1行動パターン又は第2行動パターンを選択する。また、記憶部(101)に記憶された操作情報のうち、人(H)により設定された内気温度が、夏季は平均的な設定温度より低く、冬季は平均的な設定温度よりも高ければ、制御部(100)は、上記実施形態の第5行動パターンを選択する。
このように本例では、人(H)が申告しなくても制御部(100)がその人に合った行動パターンを選択するため、人(H)の操作により申告する手間が省ける。また、制御部(100)は、過去から一定期間の設定温度に基づいて行動パターンを選択するため、その人(H)に最適な行動パターンを選択できる結果、各人(H)に最適な人体エクセルギー消費速さとなる空調制御を実現できる。
(5-2)行動パターンの把握の変形例2
本例の記憶部(101)は、室内空間(S)の環境情報を記憶する。室内空間(S)の環境情報には、室内空間(S)の温熱環境の情報が含まれる。具体的には、室内空間(S)の環境情報は、室内空間(S)の内気温度、内気湿度、気流(風速)、または輻射温度(壁面温度)を含む。記憶部(101)は、過去から現在までの一定期間の室内空間(S)の環境情報を記憶する。
本例の制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された室内空間(S)の環境情報に基づいて、行動パターンを把握する。例えば、夏季の内気温度が、平均的な夏季の設定温度と略同じで、かつ、冬季の内気温度が、平均的な冬季の設定温度と略同じである場合は、制御部(100)は、上記実施形態の第1行動パターンまたは第2行動パターンを選択する。夏季の内気温度が、平均的な夏季の設定温度よりも低く、冬季の内気温度が平均的な冬季の設定温度よりも高い場合は、制御部(100)は、上記実施形態の第5行動パターンを選択する。
このように、本例においても人(H)が申告することなく制御部(100)はその人(H)に合った行動パターンを選択するため、申告の手間を省くことができる。また、制御部(100)は、過去から一定期間の室内空間(S)の環境情報に基づいて行動パターンを選択するため、その人(H)に最適な行動パターンを選択できる結果、各人(H)に最適な人体エクセルギー消費速さとなる空調制御を実現できる。
(5-3)行動パターンの把握の変形例3
本例の室内空間(S)にはカメラ(図示省略)が設置される。カメラは、室内空間(S)を撮影する。具体的に、カメラは、室内空間(S)の人(H)の着衣量を撮影する。本例の制御部(100)は、室内空間(S)のカメラ映像から推定される人(H)の着衣量に基づいて、行動パターンを把握する。
撮影された映像データは、制御部(100)に送信される。記憶部(101)は、制御部(100)に送信される映像データを記憶する。記憶部(101)は、過去から現在までの一定期間の映像データを記憶する。
制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された映像データに基づいて、室内空間(S)の人(H)の着衣量を認識する。ここで、「着衣量を認識する」とは、単に人(H)の着衣量だけでなく、服の種類(セーター、Tシャツなど)の認識や、服を脱ぎ着するなどの着衣量の調整行為なども含む。また、「着衣量を認識する」には、就寝時の掛布団の量や種類の判別も含んでもよい。制御部(100)は、映像データに基づいて認識した人(H)の着衣量に基づいて、実施形態に記載のような第1~第5行動パターンから適切な行動パターンを選択する。本例と上記変形例1または2を組み合わせると、設定内気温度及び着衣量を考慮して行動パターンを選択できるため、より人(H)に適した行動パターンを選択できる。
(5-4)行動パターンの把握の変形例4
(5-4-1)行動パターンの把握の変形例4-1
本例の室内空間(S)には、上記変形例3と同様にカメラ(図示省略)が設置される。具体的に、カメラは、室内空間(S)の人(H)の行動を撮影する。本例の制御部(100)は、カメラ映像から推定される人(H)の行動に基づいて行動パターンを把握する。
撮影された映像データは、制御部(100)に送信される。記憶部(101)は、制御部(100)に送信される映像データを記憶する。記憶部(101)は、過去から現在までの一定期間の映像データを記憶する。
制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された映像データに基づいて、室内空間(S)の人(H)の行動を認識する。具体的に、制御部(100)は、映像データから人(H)がどのような行動をとっているか認識する。この行動には、例えば「うちわをあおぐ」、「窓を開ける」、「冷たいものを飲む」、「温かいものを飲む」、「眉根を寄せる」、「汗を拭く」などの行為が含まれる。
例えば、記憶部(101)に記憶された映像データにおいて、人(H)がうちわをあおいでいる回数が比較的多かったとする。制御部(100)は、その人(H)を「うちわをあおぐ」という行動パターンに分類する。制御部(100)は、この行動パターンに基づいてエクセルギー制御運転を行う。「うちわをあおぐ」行動パターンでは、例えば人体エクセルギー消費速さの目標値Vを満たすように、気流(風速)と内気温度を調節する。これにより、人(H)は快適な環境下でうちわをあおぐことができる。制御部(100)は、人(H)がどの程度の強さでうちわをあおいでいるかを認識してもよい。これにより、制御部(100)は、うちわをあおぐ強さの程度に基づいて、風速や内気温度を調節できる。その結果、うちわをあおぐことが好きな人(H)にとって、うちわをあおぐ負担を減らすことができ、ひいては長時間うちわをあおぎ続けることができる。
また、例えば記憶部(101)に記憶された映像データにおいて、人(H)が窓を開けている回数が比較的多かったとする。制御部(100)は、その人(H)を「窓を開ける」という行動パターンに分類する。制御部(100)は、この行動パターンに基づいてエクセルギー制御運転を行う。「窓を開ける」行動パターンでは、例えば人体エクセルギー消費速さの目標値Vを満たすように、気流(風速)、内気湿度及び内気温度を調節する。これにより、人(H)に合わせて適度に窓を開放できる。制御部(100)は、人(H)が窓をどの程度開放しているかを認識してもよい。この「窓を開ける」行動パターンでは、空気調和装置(10)の運転が停止しているときの温熱環境の情報を取得してもよい。この場合、空気調和装置(10)とは別に設定される室内温度センサなどのセンサにより温熱環境の情報が取得される。
また、例えば記憶部(101)に記憶された映像データにおいて、人(H)が冷たいものを飲んでいる回数が比較的多かったとする。制御部(100)は、その人(H)を「冷たいものを飲む」という行動パターンに分類する。制御部(100)は、この行動パターンに基づいてエクセルギー制御運転を行う。「冷たいものを飲む」行動パターンでは、例えば人体エクセルギー消費速さの目標値Vを満たすように、内気湿度や内気温度を調節する。これにより、人(H)は、飲む水の量を適度に調節できる。
このように、本例では、予め設定された複数の行動パターンから選択するのではなく、映像データに基づいて人の行動パターンが把握されるため、その人(H)にとって最適な人体エクセルギー消費速さとなる空調制御を行うことができる。
(5-4-2)行動パターンの把握の変形例4-2
本例の室内空間(S)には、マイク(図示省略)が設置される。具体的に、マイクは、室内空間(S)の人(H)の音声を録音する。本例の制御部(100)は、音声から推定される人(H)の行動に基づいて行動パターンを把握する。
録音された音声データは、制御部(100)に送信される。記憶部(101)は、制御部(100)に送信される音声データを記憶する。記憶部(101)は、過去から現在までの一定期間の音声データを記憶する。
制御部(100)は、記憶部(101)に記憶された音声データに基づいて、室内空間(S)の人(H)の行動を認識する。具体的に、制御部(100)は、音声データから人(H)がどんな音声を発しているかや、会話内容などを認識する。例えば、制御部(100)は、温熱環境、温熱環境の変化、または温熱環境の調節に対する快適度または不快度を示す会話内容、および乳幼児の泣き声などを認識する。
このように、本例では、予め設定された複数の行動パターンから選択するのではなく、音声データに基づいて人の行動パターンが把握されるため、その人(H)にとって最適な人体エクセルギー消費速さとなる空調制御を行うことができる。
(5-4-3)行動パターンの把握の変形例4-3
本例では、上記変形例4-1及び4-2において、人(H)の行動、または人(H)の音声を、人体エクセルギー消費速さを求めるためのパラメータとして新に追加してもよい。例えば、第1~第5行動パターンの「内気温度」及び「着衣量」に加えて、「うちわをあおぐ」、「窓を開ける」、「水を飲む」、「会話内容」及び「泣き声」の少なくとも1つを項目として加えてもよい。パラメータの種類が増えることで、行動パターンの類型を増やすことができる。その結果、より細かく人体エクセルギー消費速さを制御でき、各人(H)に最適な温熱環境を実現できる。
(5-5)行動パターンの把握の変形例5
図6に示すように、本例の制御部(100)は、個人認識部(102)を備える。個人認識部(102)は、カメラから送信された映像データから個人の顔を認識する装置であってもよいし、指紋認証やIDカードなど個人情報を読み取る読取装置であってもよい。本例の記憶部(101)は、個人認識部(102)で認識された個人ごとの行動パターンのデータを蓄積する。
本例の制御部(100)は、記憶部(101)に蓄積された個人(H)の過去の行動パターンに基づいて、人体消費エクセルギー消費速さの目標値Vを設定する。具体的に、「過去の行動パターン」は、過去から現在までの一定期間における個人の記憶部(101)が記憶した行動パターンである。行動パターンは、変形例4に記載のカメラによる映像データやマイクによる音声データに基づいて特定されてもよいし、変形例1~3のように空気調和装置(10)の操作情報や、室内空間(S)の温熱情報(温熱環境)に基づくものであってもよい。
記憶部(101)は、個人の行動パターンとその行動パターンをとったときの温熱環境を示す温熱情報を記憶している。このように記憶部(101)には、個人の行動パターンと温熱情報との関係が構築されたテーブルまたはグラフデータが構築される。
制御部(100)は、このように構築されたテーブルまたはグラフデータに基づいて、人体エクセルギー消費速さを制御する。テーブルまたはグラフデータは日々更新されていくため、よりその人(H)に適したテーブルまたはグラフデータが生成される。このことで、その人(H)に最適な人体エクセルギー消費速さを制御できる。
加えて、本例の制御部(100)は、個人を特定し、該個人の行動パターンを認識することによりオーダーメード的に各人(H)に合わせた人体エクセルギー消費速さの制御を実現できる。
(5-6)第1指標の変形例
本開示の第1指標は、室内空間(S)の内気温度であってもよい。空気調和装置(10)は、行動パターンに応じて、在室者(人(H))が快適さを感じる内気温度となるように空調を制御してもよい。
本開示の第1指標は、人体エクセルギー収支に関する指標であってもよい。この場合、第1指標は、人体エクセルギー入力、人体エクセルギー蓄積、及び人体エクセルギー出力のいずれかであってもよし、これらから2つ以上を組み合わせてもよい。
本開示の第1指標は、PMVであってもよい。PMV(Predicted Mean Vote、予測温冷感申告)は、室温、輻射温度、相対湿度及び風速の4つの環境側の要素と、着衣量及び活動量の2つの人体側の要素とからなる合計6つの要素から算出される。PMVは、人の温冷感に関する快適性の度合いを表すパラメータである。PMVは、-3から+3までの範囲を取り得る。PMVは、-3(かなり寒い)、-2(寒い)、-1(やや寒い)、0(中立)、+1(やや暑い)、+2(暑い)及び+3(かなり暑い)の7段階の快適性で判定される。一般的に、人が快適と感じているときのPMVは、-0.5~+0.5である。
本開示の第1指標は、温熱環境に基づく指標であってもよい。温熱環境に基づく指標は、例えば、PPD、SET*、またはWBGTを含む。
PPD(Predicted Percentage оf Dissatisfied、予測不快者率)は、その温熱環境における不満足または不快さを感じる人の割合を示す。PPDは、例えば、暑い、または寒い状態である室内空間(S)にいる複数の人のうち何割が不満足かを示すのに用いられる。
SET*(Standard New Effective Temperature、標準新有効温度)は、内気温度、輻射温度、内気湿度、気流、着衣量、及び活動量を考慮して求められる、室内空間の快適範囲を示す指標である。上記PMVと異なる点は、SET*は、PMVに新有効温度ET*を取り入れた値である。ET*(Effective Temperature、新有効温度)は、内気温度を壁面温度と同じとし、気流を静穏気流とし、及び内気湿度を50%としたときの内気温度で表す指標である。なお、着衣量が0.6cloかつ椅座安静時の快適な温度範囲は、22.2~22.6℃ET*とされる。第1指標は、ET*であってもよい。
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature、湿球黒球温度)は、暑さ指数とも呼ばれる。WBGTは、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射(輻射)などの熱環境、及び気温の3つを取り入れた指標である。
(5-7)第1指標の目標値の変形例
本開示の第1指標の目標値は、室内空間(S)にいる対象人物(H)が感じる快適性の度合いに基づかなくてもよい。第1指標の目標値は、室内空間(S)にいる人(H)が感じる快適さおよび熱ストレス負荷の度合いに基づいて設定されてもよいし、人(H)により任意に設定されてもよい。
(5-8)第1パラメータの変形例
本開示の第1指標が、人体エクセルギー消費速さVである場合、第1パラメータは、室内空間(S)の内気湿度(相対湿度)、風速、または輻射温度であってもよい。また、第1パラメータは、1種類に限らず、2種類以上を組み合わせてもよい。
(6)制御部の変形例
本開示の制御部(100)は、空気調和装置(10)に設けられる。しかし、制御部(100)は、空気調和装置(10)とは異なる部分に設けられる制御システムであってよい。制御部(100)は、空気調和装置(10)とネットワークを介して接続されるサーバ装置に設けられてもよい。制御部(100)は、例えば人(H)が所有する端末装置に設けられてもよい。端末装置は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレットなどを含む。
(7)第1情報の変形例
本開示の第1情報は、人(H)の生体情報であってもよい。具体的に、人(H)の生体情報は、体温(深部体温を含む)、皮膚温度、鼓膜温度、直腸温度、腋窩温度、舌下温度、または表面温度(着衣を含む)、心拍数、血流量、血圧、自律神経指標、発汗量、または震えであってもよい。これらの生体情報は適宜所定のセンサにより測定される。
これらの生体情報も上記実施形態と同様に過去に置かれた情報である。すなわち、記憶部(101)は、過去のある一定の期間、または、過去から現在までのある一定期間の人(H)の生体情報を取得する。
(8)その他の実施形態
上記実施形態及び上記変形例については、以下のような構成としてもよい。
制御部(100)は、人体エクセルギー消費速さVを制御するのに、第1~第5行動パターンに基づかなくてもよい。第1~第5行動パターンでは、内気温度として空調の強さと、着衣量との関係で行動パターンを分類したが、それに限定されない。以下に例を挙げて説明する。
例えば、暖房運転時の室内空間(S)の設定温度を所定値Taより高く設定する人(H)に対して、制御部(100)は、暖房運転時の人体エクセルギー消費速さの目標値Vを所定値Vaより低く設定してもよい。所定値Taは、例えば暖房運転時の平均設定温度である。所定値Taは、これまでに蓄積された空気調和装置(10)の運転履歴などに基づいて求められる。所定値Vaは、任意に定められるものであって、複数種類の行動パターンの各外気温度(体験温度)における目標値Vの平均値であってもよい。この目標値Vは、冷房運転時の設定温度も考慮して決定されてもよい。
また、例えば、暖房運転時の室内空間(S)の設定温度を所定値Taより低く設定する人(H)に対しては、制御部(100)は、暖房運転時の人体エクセルギー消費速さの目標値Vを所定値Vaより高く設定してもよい。この目標値Vは、冷房運転時の設定温度も考慮して決定されてもよい。
また、例えば、冷房運転時に着衣量が所定値CAVE.より低い人(H)に対しては、冷房運転時に、制御部(100)は、人体エクセルギー消費速さの目標値Vより低く設定してもよい。この場合、暖房運転時の着衣量も考慮して目標値Vを求めてもよい。CAVE.は、本開示の所定値Caである。
実施形態の人(H)は1人に限られない。人(H)は2人以上であってもよい。また、人(H)は、室内空間(S)にいる人であればよく、個人が特定されなくてもよい。
上記実施形態の外気温度(体験温度)は、人(H)の位置を示す位置情報を取得し、複数の計測地点のうち人(H)の位置情報が示す位置に最も近い計測地点で計測された気温としてもよい。このような気温の計測は、所定の気象サーバから通信により取得されてもよい。
上記実施形態の体験温度は、環境の気温であればよい。環境は室内空間(S)であってもよい。この場合、体験温度は、室内空間(S)の内気温度となる。
本開示の情報取得部(101)は、外気温度センサ(41)であってもよい。
上記実施形態の体験温度は、人(H)が携帯する温度センサ(図示省略)から取得されてもよい。この場合、例えば1週間、所定の時間間隔で温度を取得する。人(H)が温度センサを持ち歩くことで室外及び室内問わず人(H)に暴露された温度を取得できる。
本開示の対象人物(H)が過去に置かれた環境情報(第1情報)は、湿度、風速、輻射温度、PMV、WBGT、SET*、不快指数、またはPPDであってもよい。この場合、記憶部(101)は、湿度、風速、輻射温度、PMV、WBGT、SET*、不快指数、またはPPDを取得する。第1情報の湿度、風速、及び輻射温度は、室内空間(S)のものであってもよいし、室外のものであってもよいし、人(H)がいる地点のものであってもよい。人(H)がいる地点のものとは、例えば人(H)の位置を示す位置情報を取得し、複数の計測地点のうち人(H)の位置情報が示す位置に最も近い計測地点で計測されたものである。なお、不快指数は、温度と湿度とに基づいて表される。
本開示の対象人物(H)が過去に置かれた環境情報(第1情報)は、人(H)による温熱環境に対する申告であってもよい。温熱環境は、室内空間(S)、室外、または人(H)のいる位置のものも含む。
本開示の対象人物(H)が過去に置かれた環境情報(第1情報)は、空気調和装置(10)の設定温度、設定湿度、設定風速、または設定輻射温度であってもよい。設定温度、設定湿度、設定風速、または設定輻射温度は、人(H)の操作に基づいて設定されるものであってもよい。
人(H)の行動パターンを把握するのは、第1制御装置(C1)、第2制御装置(C2)または第3制御装置(C3)のいずれかであってよい。
制御部(100)は、季節ごとに異なる種類のグラフデータを有していてもよい。より季節に順応した人体消費エクセルギー消費速さVの目標値Vを得ることができる。例えば春と秋は外気温度が近いが、春用のグラフデータと、秋用のグラフデータとを使い分けることで、行動パターンに応じたより快適な室内空間(S)を提供できる。
第1指標の目標値は、所定の幅をもった目標範囲であってもよい。
行動パターンは、本開示の第1情報に基づいて人(H)が行動する室内空間(S)における行動様式であればよい。例えば、行動パターンは、温熱環境に基づいて人(H)が行動する室内空間(S)における行動様式であってもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
<本開示に関係する研究成果>
本開示に関連する研究成果を以下に述べる。
1.はじめに
前報、前々報では、外気温度変動に対する順応に合わせて環境制御する必要性を検討するために、適応モデルを適用して室内温湿度条件を設定した場合と、従来の標準的な温湿度条件を設定した場合について、主観的寒暑感と生理データの違いを考察した。その結果、適応モデルに基づいた温湿度条件の方が快適であることを確認した。また、生理データのひとつである血流量を用いて、寒暑感を判別するモデルを考案した。
本連報では、人に優しい空間を提供すること、すなわち熱ストレスの少ない環境の提供を目標にしている。ここで熱ストレスとは、暑熱または寒冷環境において人体の体温調節のためにかかるストレスのことを指す。本研究では、新たな空調制御方法を開発したいと考えて、人体エクセルギー収支理論と適応モデルを組み合わせて季節順応を考慮した熱ストレス評価方法を導き出したいと考えている。
外気温度の季節変化が快適性に与える影響は適応モデルで表現できるが、さらに人体への熱ストレスも考慮に入れるためには別途検討が必要となる。そこで、本稿では、外気温度の季節変動が快適温度や着衣量に及ぼす影響を考慮して、人体エクセルギー収支を計算し、特に人体エクセルギー消費速さの季節変化について検討を行った結果を報告する。
2.適応モデル理論
人には季節順応という性質があるので、環境温度が瞬間的には同じであっても夏季と冬季では温熱知覚が異なる。人に優しい環境制御を行うためには、この知見を取り入れることが不可欠である。環境温度の変化により変動する人間の中立温度(暑くも寒くもなく、快適と知覚する温度値)を定式化したものとして、適応モデルがASHRAEやCENで提案されている。適応モデルによると、人間の中立温度は過去1週間の体験温度の履歴によって決められている。
このような順応、つまり、中立温度の変化は、人間の基礎代謝量が季節変動する特性などにより生じると筆者らは考えている。適応モデルでは人間の生理的および行動的な適応を現場測定の結果を反映させることで捉えてはいるものの、人間の生理状態や、温熱環境が人体に与える熱ストレスなどのメカニズムとの対応関係は不明である。
3.人体エクセルギー収支理論
3.1.人体エクセルギー収支の概要
これまでの環境制御についての検討は、人体の熱エネルギーバランスに基づいていたが、これに加えて、人体エクセルギー収支も考慮すると、人に優しい環境制御の方法が新たに見いだせる可能性がある。
人体エクセルギー収支理論は、対流・放射・蒸発に関わる消費を計算することのできるモデルである5)。中間計算として血流量や濡れ率などを計算している。なお、このモデルにより算出される人体エクセルギー消費速さは次式で表せ、温熱環境由来のストレス(疲労感)に対応する可能性があると考えた。
[人体エクセルギー消費速さ]
=[代謝で発生する温エクセルギー]
+[吸気の温(冷)・湿(乾)エクセルギー]
+[代謝水(肺)の温・湿エクセルギー]
+[代謝水(皮膚)と乾き空気の温(冷)・湿(乾)エクセルギー]
+[着衣が吸収する温(冷)放射エクセルギー]
-[温エクセルギーの蓄積]
-[呼気の温・湿エクセルギー]
-[汗水蒸発後にできる湿り空気の熱・分離エクセルギー]
-[着衣から出る温(冷)放射エクセルギー]
-[着衣から対流で出ていく温(冷)エクセルギー]。
人体エクセルギー収支理論では、対流・放射・蒸発といった異なる形態の熱・湿気移動を、拡散能力を示す量(エクセルギー)で統一的に表現することができる。放射・対流・蒸発の熱移動の割合が異なっても、エネルギーの出入りと蓄積の収支が同じになる条件は多数あるが、エクセルギー収支の場合には消費に違いが現れる。
人体のエクセルギー収支を導くためには外気温が必要となるので、エネルギー収支とは異なって季節の違いが現れうる。したがって、外気温を変数としてまとめられている適応モデルの快適温度と対応関係を調べるのは重要だと考えられる。
3.2.様々な外気温度における人体エクセルギー収支
人体エクセルギー消費速さが外気温に応じてどのようになるかを図7に示す。この図は、空気温度と壁面温度は等しく25℃、相対湿度50%、風速0.1m/s、着衣量1clo、活動量1.1met、外気湿度50%としている。室内環境が同じ場合でも、外気温度が違うと、エクセルギー消費速さが異なっており、屋外環境状態に対する拡散の起き方の大小が反映されていることがわかる。しかし、人体エクセルギー収支には、人の熱環境経験(過去の外気温度履歴)が含まれているわけではない。そこで本論では、人体エクセルギー収支理論に適応モデルのデータを融合させることで、人体エクセルギー消費速さがどのように変化するかを考察する。
4.季節順応と人体エクセルギー消費速さ
4.1.季節順応に応じた人体エクセルギー消費速さ
計算条件として、関東の住宅を調査対象とした環境測定及び主観申告のデータを用いて、寒暑感申告が「どちらでもない(暑くも寒くもない)」(n=7,333)だった際の、各週の平均室内空気温度と標準偏差、平均着衣量と標準偏差を用いた。各値を図8に示す。輻射温度は空気温度と等しいとし、相対湿度、風速、活動量はそれぞれ、50%、0.1m/s、1.1metで固定とした。外気温湿度については、前述の調査データと同時期・同地域の気象庁の公開データを用いた。外気温度の変動に応じた室内空気温度と着衣量の調整方法には個人差があると考え、図9に示すように5種類の適応行動パターンを仮定して、人体エクセルギー収支計算の入力条件とした。各パターンの詳細について以下に説明する。
平均パターンは、常に平均的な環境変化への適応行動を行うと想定し、空気温度、着衣量共に図8の平均値を用いた。Aパターンは、暑がりの人を想定した。一年中、空気温度は平均的だが常に薄着であると仮定し、空気温度は平均値を用い、着衣量は平均値-標準偏差を用いた。Bパターンは、冷暖房はあまり使わずに服装を大きく変える人を想定した。空気温度は、冷房期は平均値+標準偏差、暖房期は平均値-標準偏差とし、弱めの冷暖房を表現した(以下、弱めの空調条件と記載する)。ここで、週の最高外気温度の平均>空気温度の場合を冷房期、週の最高外気温度の平均≦空気温度の場合を暖房期としている(以下同じ)。一方、着衣量は、冷房期は平均値-標準偏差、暖房期は平均値+標準偏差とした。Cパターンは、冷暖房はあまり使わずに、服装は平均的に変える人を想定した。空気温度はBと同じ弱めの空調条件を用い、着衣量は平均値を用いた。Dパターンは、冷暖房を積極的に用い、服装は平均的に変える人を想定した。空気温度は、B,Cとは逆に、冷房期は平均値-標準偏差、暖房期は平均値+標準偏差とし、強めの冷暖房を表現した。着衣量は平均値を用いた。以上の値を用いて計算した人体エクセルギー収支速さと外気温の関係を図10に示す。
まず全体を見ると、寒暑感申告としては「どちらでもない」であっても、外気温度が高くなる夏季は人体エクセルギー消費速さが低く、外気温度が低くなる冬季は人体エクセルギー消費速さが高くなっている。これは、外気温度が低いほど、人体から熱が出ていきやすくなっていることを表しており、冬季には人体から熱が逃げやすい環境になっていることがわかる。いずれのパターンにおいても、外気温度が20℃付近の場合に人体エクセルギー消費速さが一年を通して最小だった。これは5月または10月前後の中間期に対応しており、その時期には冷暖房を行わずに快適に過ごせることと一致している。さらに、人体エクセルギー消費速さのばらつきは冬季に大きく、夏季に小さくなっている。これは、環境条件や着衣条件によるものである。空気温度や着衣量の標準偏差は、冬季が夏季よりもばらつきが大きい傾向にあるため、表1のように平均値と標準偏差を用いて各パターンの入力値を設定した際に、入力値の乖離が冬季のほうが大きいことが計算結果に反映され、同じ外気温度においても人体エクセルギー消費速さがばらついたと考えられる。冬季が夏季よりも環境条件のばらつきが大きい理由としては、夏季に比べて冬季は、こたつ、ひざ掛け、電気行火など、空気温湿度などの入力値に反映されない環境調節方法が多いことが挙げられる。
次に、個人の環境調節を模擬したパターンA,B,C,Dの計算結果について考察する。4パターンの中で、BとCが特に夏季と冬季で人体エクセルギー消費速さに差が生じている。これは、冬季の人体エクセルギー消費速さが高くなっているためである。BとCの共通点としては、夏季も冬季も弱めの空調で、夏季は温度が高め、冬季は温度が低めな空間を模擬している。つまり、特に冬季において、着衣を大幅に変えて快適な状態を保っている場合でも、人体エクセルギー消費速さとしては高くなっており、AやDのような、環境制御を積極的に行っている場合よりも身体に熱ストレスがかかっている状態となる。したがって、着衣のみで温度調節を行うよりも、ある程度の環境制御も同時に行うことで、より身体へのストレスを減らすことができると考えられる。
4.2.季節順応を考慮した最適な設定温度の推定
4.1の結果は、人体エクセルギー消費速さの目標値は一定ではなく、外気温度の履歴、その人の着衣量等、環境条件によって適切な値があることを示している。そこで、本節では、空気温度、壁面温度以外の環境条件、活動量、着衣量が与えられている場合に、壁面温度を空気温度と同じとした時の、人体エクセルギー消費速さを用いた空気温度の設定の仕方を述べる。以下に、具体的な環境条件を仮定して設定空気温度を定める方法を記載する。
冬季の環境を想定し、外気温度5.5℃、外気相対湿度45%、室内相対湿度50%、風速0.1m/s、着衣量0.94clo、活動量1.1metにおける、室内温度と人体エクセルギー消費速さならびに濡れ率の関係を図11に示す。なお、空気温度と壁面温度は同一とし、2つを総称して室内温度と表記することとする。人体エクセルギー消費速さは、室内温度14~21℃では急激に2.6w/m2程度まで下降し、21℃で急激な下降が止まり、山なりにカーブをしながら少しずつ下降している。最適な室内温度とは、人体エクセルギー消費速さの変曲点となる21℃付近である。
最適な室内温度を変曲点付近とする理由を述べる。変曲点が現れるのは、不感蒸泄を超えた発汗が現れるためと考えられる。実際に、図11に示した濡れ率は、人体エクセルギー消費速さの変曲点と同じ21℃で、不感蒸泄を示す0.06から上昇しており、汗をかきはじめたことを示している。冬季で発汗をする実環境を考えると、例えば、暖房をつけたが空気温度が高くなり過ぎて汗ばんでいるという状態が例として挙げられ、このような状態は明らかに不快である。また、人体エクセルギー消費速さは放熱量に比例しているため、常に放熱している人体はある一定以上である必要がある。特に室内温度28℃以上において、発汗しているにも関わらず人体エクセルギー消費速さは降下しており、これは発汗しても汗が蒸発せずに放熱ができていないことを示している。この状態が続くと、身体に蓄熱し続け、コア温度が上がり、やがて熱中症になる。以上のことから、冬期において、着座状態で在宅し、リラックスしたい時の環境としては、発汗をしていない21℃以下が適切であると考えられる。
次に、図11の21℃以下では、人体エクセルギー消費速さが、温度が低いほどに極端に高くなっている。人体エクセルギー消費速さは人体の恒常的な放熱のため一定以上である必要はあるが、高過ぎると放熱し過ぎて身体にあるべき熱も失われる、つまり、身体に熱ストレスがかかっており、体感としても寒くて不快となる。以上のことから、今回想定した環境においては、人体エクセルギー消費速さが高過ぎない、室内温度20~21℃が最適であると考えられる。
以上のように、室内温度以外の環境を定めることで、その環境における、人への熱ストレスが少ない室内温度を導出することができる。次節では、上記の計算方法を用いたシステムについて説明する。
5.人体エクセルギー収支に基づく空調機制御の一案
5.1.概要
前報、前々報で述べた通り、本システムでは人に優しい環境制御システムを目指している。今回は、4.2節で述べた人への熱ストレスが少ない室内温度の導出方法を用いて、設定温度を定める機能を持ったシステムについて説明する。
本システムを用いることによって、その人の状態や季節に沿って、身体に対して負担の少ない温度設定を自動で行うことができる。
5.2.システム構成
最適な室内温度を導出するためには、現在の外気温湿度、室内湿度、風速、着衣量、活動量が必要となる。本システムの主な使用シーンは在宅着座リラックスの状態であり、風速は0.1m/s、活動量は1.1metとおいて良いと考えられる。ただし、春季から秋季においては扇風機の運転状況データを取得することで、風速の設定値を変化させる可能性も考えられる。外気温湿度は、室外機に備わった温湿度センサより取得し、室内湿度は室内機に備わった温湿度センサより取得する。着衣量は、夏季、中間期、冬季でそれぞれ固定とする。ただし、着衣量については人が直接入力することも可能とする。本システムは、以上を備え、4節で述べた計算方法を用いて導出した室内温度を環境に与える空調制御システムである。
以上に説明したように、本開示は、空気調和装置、および制御システムについて有用である。
S 室内空間(対象空間)
H 人(対象人物(H))
100 制御部
101 記憶部(情報取得部)

Claims (11)

  1. 対象人物(H)が過去に置かれた環境情報、または前記対象人物(H)の生体情報を示す第1情報を取得する情報取得部(101)と、
    前記第1情報における前記対象人物(H)の習慣的な行動パターンを把握する制御部(100)とを備える空気調和装置であって、
    前記制御部(100)は、
    前記情報取得部(101)により取得された前記第1情報と、把握された前記行動パターンとに基づいて、温熱環境に関する指標である第1指標の目標値を設定する
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記制御部(100)は、前記対象人物(H)からの申告、前記対象人物(H)による前記空気調和装置の操作情報、対象空間(S)の環境情報、対象空間(S)のカメラ映像から推定される前記対象人物(H)の行動、前記対象空間(S)のカメラ映像から推定される前記対象人物(H)の着衣量、または、前記対象空間(S)内の前記対象人物(H)の音声に基づいて、前記行動パターンを把握する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記第1指標の目標値は、複数に分類される行動パターンのうち1の行動パターンに当てはまる対象人物群が熱的に中立と感じる温熱環境にある
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 前記制御部(100)は、個人を認識する個人認識部(102)と、認識された個人ごとの行動パターンを蓄積する記憶部(101)とを備え、
    前記対象人物(H)の過去の行動パターンに基づいて前記第1指標の目標値を設定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  5. 前記第1指標は、対象空間(S)内の温度、人体エクセルギー収支に関する指標、予測温冷感申告(PMV)、または温熱環境に基づく指標である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置。
  6. 前記人体エクセルギー収支に関する指標は、人体エクセルギー消費速さを示す
    ことを特徴とする請求項5に記載の空気調和装置。
  7. 前記第1指標が、人体エクセルギー消費速さである場合、前記制御部(100)は、前記目標値を満たすように、前記対象空間(S)の温度、湿度、風速、または輻射温度を制御する
    ことを特徴とする請求項6に記載の空気調和装置。
  8. 前記制御部(100)は、
    前記空気調和装置の暖房運転時において、前記対象空間(S)の設定温度を所定値Taより高く設定する前記対象人物(H)に対しては、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vaより低く設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置。
  9. 前記制御部(100)は、
    前記空気調和装置の暖房運転時において、前記対象空間(S)の設定温度を所定値Taより低く設定する前記対象人物(H)に対しては、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vaより高く設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置。
  10. 前記制御部(100)は、
    前記空気調和装置の冷房運転時に着衣量が所定値Caより低い前記対象人物(H)に対しては、冷房運転時に、人体エクセルギー消費速さの前記目標値を所定値Vbより低く設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置。
  11. 請求項1または2に記載の制御部(100)を備えた空気調和装置の制御システム。
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