JP2023014772A - 読取装置及び記録装置 - Google Patents

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Masaaki Ishihara
康人 椿本
Yasuto Tsubakimoto
亮 高野
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Abstract

【課題】原稿圧板の開閉操作による読取装置の破損を抑制可能な技術を提供する。【解決手段】読取装置は、装置本体が備える原稿台を開閉すべく回動軸301、302で回動する原稿圧板3と、装置本体に設けられ回動軸301、302と係合して原稿圧板3を回動可能に支持する一対の支持部201、202と、装置本体において一対の支持部201、202の間に配置される複数のストッパリブ401、405、410~500と、原稿圧板3が開位置にあるときに複数のストッパリブと当接する当接部303と、を備える。複数のストッパリブは、一対の支持部201、202の一方と対向する第1のリブ405と、一対の支持部201、202のいずれとも対向しない第2のリブ460~500とを備え、原稿圧板3が開位置に回動する際に、第2のリブ460~500は第1のリブ405より当接部303に先に当接する。【選択図】図11

Description

本発明は、原稿から画像を読み取る読取装置及びそれを備えた記録装置に関する。
原稿に記録された画像(画や文書など)を読み取るスキャナ装置や複合機能プリンタに備えられるスキャナ部などに代表される読取装置として、原稿を原稿台に載置して原稿に記録された内容を読み取る方式の装置がある。かかる読取装置では、外光の影響による読取画像の画質低下を防ぐため、あるいは、製本された原稿などのように原稿台に密着させることが容易でない原稿を原稿台に押圧して密着させるために、原稿の上から蓋をする原稿圧板と呼ばれるものを備えたものがある。原稿圧板は、原稿台に対し、原稿台を機外に対して露出する開位置と、遮蔽する閉位置と、に移動する開閉動作が可能となるように組付けられる。より具体的には、原稿圧板は、原稿台が設けられた装置本体に対して回動ヒンジを介して取り付けられるとともに、装置本体に設けられた回動ストッパにより、原稿圧板を開いた際に回動範囲が規制されるように構成されたものがある。これら回動ヒンジと回動ストッパにより装置本体に組付けられた原稿圧板は、ユーザが開閉を操作し、原稿を載置する際には自立することが可能になっている。
ユーザが原稿圧板の開操作を行う際に、例えば、勢いよく原稿圧板を開くことで原稿圧板が回動ストッパに衝突したり、回動ストッパに当接した状態からさらに開くようにユーザが原稿圧板を押圧することで、回動ストッパを変形させる力が加わる場合がある。さらに、上記の様な操作を大きな力で行ったり、大きな力でなくとも繰り返したりした際には、回動ヒンジや回動ストッパなどに破損が発生する懸念がある。
本発明は、原稿圧板の開閉操作による読取装置の破損を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の読取装置は、
原稿を載置する原稿台を有する装置本体と、
前記原稿台に対し、前記原稿台を開放する開位置と、前記原稿台を閉鎖する閉位置と、に回動軸で回動する原稿圧板と、
前記装置本体に設けられ、前記回動軸と係合して前記原稿圧板を回動可能に支持する一対の支持部と、
前記装置本体において前記一対の支持部の間に配置され、前記原稿圧板の回動を規制する複数のストッパリブと、
前記原稿圧板の前記回動軸の軸方向に沿う第一の辺部に設けられ、前記原稿圧板が前記開位置にあるときに前記複数のストッパリブと当接する当接部と、
を備える読取装置であって、
前記複数のストッパリブは、前記一対の支持部の一方と対向する第1のリブと、前記一対の支持部のいずれとも対向しない第2のリブとを備え、
前記原稿圧板が前記開位置に回動する際に、前記2のリブは前記第1のリブより前記当接部に先に当接することを特徴とする。
本発明によれば、原稿圧板の開閉操作による読取装置の破損を抑制することができる。
実施例1における読取装置の斜視図 実施例1における読取装置の印字機構部分の説明図 実施例1における読取装置のスキャナユニットの説明図 実施例1における読取装置の斜視図 実施例1における読取装置の開閉機構部模式図 ストッパリブ群の詳細図 ストッパリブ、および原稿圧板の断面図 ストッパリブ、および原稿圧板の断面図 実施例1におけるストッパリブ群の構成説明模式的断面図 比較例1の読取装置のストッパリブ群の模式的断面図 実施例1におけるストッパリブ群、および当接部の模式図 比較例1の読取装置のストッパリブ群、および当接部の模式図 実施例2におけるストッパリブ群、および当接部の模式図 実施例2におけるストッパリブ群、および当接部の模式図 ストッパリブ、当接リブに支持部、回動軸を投影した模式図 ストッパリブ、当接リブに支持部、回動軸を投影した模式図 ストッパリブ、当接リブに支持部、回動軸を投影した模式図 原稿圧板の斜視図、および当接リブと回動軸を拡大した詳細図 当接リブと回動軸を拡大した模式図 実施例1と比較例2の重心位置の違いを示す模式図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
<全体構成>
本発明の実施例に係る読取装置の全体構成についてまず、図1、図2、図3を用いて説明する。本実施例に係る読取装置は、記録媒体に画像を記録する記録装置に備えられる。記録装置は、読取装置が原稿から読み取った画像を、記録媒体に記録することが可能に構成される。本実施例では、読取装置が備えられる記録装置として、記録用の液体(代表的にはインク)を記録媒体に向けて吐出する液体吐出方式(インクジェット方式)を用いた記録装置を例示する。なお、記録装置の記録方式は特定の方式に限定されない。
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本例では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
各図に示す矢印方向において、装置幅方向をX方向、装置奥行方向をY方向、装置高さ方向をZ方向と称する。また、それぞれの方向において、図の矢印に示すように、X方向では左と右、Y方向では手前/前面(正面)/先端と奥/背面/後端、Z方向では上と下などと称する場合がある。これら各方向は記録装置の設置面を基準として定められる。例えば、記録装置が、通常想定される設置状態として水平面に設置された場合には、高さ方
向であるZ方向は鉛直方向と一致し、X、Y方向は水平方向と一致することになる。また、X、Y、Zの各方向には、それぞれ+方向と-方向の2種類の方向が含まれ、それらを区別して説明する場合がある。
図1は、本実施例に係る読取装置を備えた記録装置を示した斜視図である。図1に示すように、本実施例における記録装置1は、装置本体10の上部に、読取装置として、原稿を読み取るスキャナユニット2が備えられ、そのスキャナユニット2の上に、原稿圧板3が配置されている。詳細は後述するが、原稿圧板3は、スキャナユニット2の原稿台を機外(外部)に対して開放、露出する開位置と、閉鎖、遮蔽する閉位置と、に移動可能(開閉可能)なように、スキャナユニット2に取り付けられている。図1(a)は、原稿圧板3が閉位置、図1(b)は、原稿圧板3が開位置を取っている状態をそれぞれ示している。
図2は、本実施例に係る読取装置を備えた記録装置における記録機構(印字機構)部分の構成を示す模式的断面図である。図2に示すように、印字機構部6は、記録装置1の装置本体10の下筐体601に装着されている。印字機構部6は、開閉式の給紙トレイ603を備える。給紙トレイ603は、概略、略矩形の板状部材であり、X方向に延びる回転軸周りに回動可能に下筐体601に設けられている。給紙トレイ603は、下筐体601内部を機外に対して露出するとともにシート材602を積載可能な姿勢となる開位置と、下筐体601内部を閉じる閉位置と、に移動する開閉動作が可能に構成されている。給紙トレイ603は、使用時において記録媒体としてのシート材602が載置、積載される積載面を有するとともに、積載面の裏側に、非使用時において下筐体601の外装の一部を形成する外装面を有する。給紙トレイ603は、開位置において、積載面が-Y方向の延びかつ+Z方向に向く姿勢となり(図2)、シート材602を積載可能な状態となる。給紙トレイ603は、閉位置においては、積載面が+Y方向に下筐体601内部を向き、外装面が下筐体601の外装面の一部として-Y方向に向く姿勢となる(図1)。
給紙トレイ603に積載された複数枚のシート材602は、給送手段及び搬送路604により、最上位の1枚が分離されて搬送手段(搬送ローラ)605へ給送される。シート材602は、給送手段及び搬送路604により、給紙トレイ603から+Y方向、+Z方向、-Y方向へと順次進む、略横倒しU字状の搬送経路を辿り、搬送手段(搬送ローラ)605まで給送される。搬送手段605まで給送されたシート材602は、搬送手段605及びこれと同期駆動される排紙手段(排紙ローラ)606により、画像記録部607を通じて-Y方向へ搬送される。
搬送手段605と排紙手段606の間に設けられた画像記録部607には、記録ヘッド608およびインクタンク609を搭載してシート材602に沿って往復移動するキャリッジ610が備えられている。また、画像記録部607と重力方向(Z方向)で対向する位置には、画像記録時のシート材602を案内支持するためのプラテン612が配置されている。記録ヘッド608は、印字を行う際に必要となるインクが収容されているインクタンク609から、記録情報に基づいてプラテン612上のシート材602に吐出して画像記録を行う。記録されたシート材602は、排紙手段606を通じて装置本体外に設けられた排紙トレイ613上へ排出される。
図3は、スキャナユニット2を、印字機構部6の給紙方向(+Y方向)に見た模式的断面図である。なお、図3において印字機構部6の具体的な構成の図示は省略している。印字機構部6の上にはフラットベッド型の読取装置として、スキャナユニット2が配置されている。スキャナユニット2には、原稿を載置するための原稿台ガラス204が設けられ、原稿圧板3がスキャナユニット2に対して開閉可能に設けられている。なお、本実施例のスキャナユニット2には、オートドキュメントフィーダにより自動搬送読み取りが行え
るよう、スキャナユニット2上に搬送部291、原稿圧板3上に開閉式の原稿給紙トレイ391、原稿排紙部392も合わせて設けられている。
原稿給紙トレイ391は、矢印D2の方向に開閉可能に原稿圧板3に回動支持されており、自動搬送読み取りを行う原稿を載置可能にする原稿載置位置(a)と、折りたたむ収納位置(b)と、を取ることができる。原稿圧板3は、原稿給紙トレイ391とともにスキャナユニット2に対して開閉する構成となっている。そのため、原稿給紙トレイ391が収納位置(a)を取った際の原稿圧板3の重心位置は、原稿圧板3のX方向中央部付近ではなく、原稿給紙トレイ391側に偏った二点鎖線P上にある。
スキャナユニット2は、原稿台ガラス204に載置された原稿や自動搬送読み取りの搬送部291で搬送された原稿の画像を、読取部としてのラインセンサ292によって読み取り、読み取った画像のデータを記録装置1内部の記憶装置(不図示)へ送信する。記録装置1は、不図示のホストコンピューターやスキャナユニット2より受信した画像データに基づいて印字機構部6によって印字(画像の記録)を行う。なお、記録装置1は、受信した画像データを、記録装置1に接続された不図示の外部装置に保管することも可能である。
なお、本発明が適用可能な読取装置としては、フラットベッド型のスキャナユニット2において、原稿圧板3を備えたものであればよく、自動搬送読み取りの有無については任意である。
図1~図5を用いて、原稿圧板3の開閉機構について説明する。図4は、スキャナユニット2と原稿圧板3の開閉機構部付近の構成を説明する図であり、スキャナユニット2から原稿圧板3を取り外した状態で示している。図5は、図1(b)と同様、原稿圧板3が開位置に位置している状態の記録装置1を、側面(X方向)から見た模式図である。
図4に示すように、スキャナユニット2は、読取装置の装置本体として、原稿を載置するための透明な原稿台204と、原稿台204に対して原稿圧板3を開閉可能に回動支持するための支持部201、202と、を備える。スキャナユニット2はさらに、原稿圧板3を開位置の姿勢で停止、維持させるべく原稿圧板3に当接可能に構成された規制部としてのストッパリブ群4を、スキャナユニット2の二つの支持部201、202の間に複数備える。ストッパリブ群4(4A、4B)は、支持部201、202が設けられた部品に対して一体的に成形する形で配置されている。
原稿圧板3は、原稿台204を覆う略矩形の覆い部30の第1の辺部31に当接リブ303を備える。第1の辺部31は、略矩形の覆い部30の四辺のうち回動中心軸線RXの近傍において回動中心軸線RXに沿った方向(第1の方向)に延びる辺をなす。原稿圧板3は、覆い部30における第1の辺部31と対向する第2の辺部32(図5、図18等参照)側が、回動中心軸線RXに対して大きく変位するように、スキャナユニット2に対して回動する。第1の辺部31には当接リブ303が設けられる。当接リブ303は、第1の辺部31から回動中心軸線RXに沿った方向と交差する方向(第2の方向)に突出し、かつ第1の辺部31に沿って延びるように設けられている。また、回動中心軸線RXに沿った方向における第1の辺部31の両端部には、回動中心軸線RXに沿った方向における当接リブ303の両端部をそれぞれ固定する一対の固定部311、312が設けられる。この一対の固定部311、312には、それぞれ回動中心軸線RXに沿った方向における外向きの方向に突出する一対の回動軸301、302が設けられる。一対の回動軸301、302は、一対の支持部201、202と各々係合して原稿圧板3の回動中心となる。支持部201、202は、それぞれ回動中心軸線RXに沿った方向に凹み、かつ回動中心軸線RXと交差する方向(第3の方向)に延びる長穴形状を有している。したがって、支
持部201、202に対する回動軸301、302の係合位置の変化に合わせて、回動中心軸線RXの位置も変化する。原稿圧板3が開位置にあるときに、当接リブ303がスキャナユニット2のストッパリブ群4と当接することで、原稿圧板3は、開位置で停止した状態で保持される。当接リブ303は、X方向において、回動軸301、302の間に配置されている。
原稿を読み取る際において、ユーザは、先ず原稿圧板3を開いて開位置とし、原稿101を原稿台204の上に載置し、原稿台204との間で、原稿101を挟むように原稿圧板3を閉位置に移動する。原稿101を載置、除去、交換する際において、ユーザは、原稿圧板3を、支持部201、202および回動軸301、302で構成するX方向の回動中心周りに回動させ、閉位置から開位置にまで移動させることで、原稿台204を露出させる。この際に、原稿圧板3に設けられた当接リブ303がスキャナユニット2に設けられたストッパリブ群4と当接することで、原稿圧板3を開位置よりも開く方向に移動できないように、原稿圧板3の回動動作を阻止、規制する。
図5に示すように、開位置において、原稿圧板3の重心Pは、Y方向において支持部201、202よりも+Y方向に位置している。すなわち、原稿圧板3が開位置にあるとき、水平方向(Y方向)において、覆い部30の第2の辺部32が、回動中心軸線RXに対して原稿台204とは反対側に位置し、したがって、重心Pが、回動中心軸線RXに対して原稿台204とは反対側に位置する。このため、重力が矢印の方向に働き、原稿圧板3には支持部201を中心に時計周りに回転する力(閉位置へ向かう回転方向とは逆方向に回転させる力)がかかる。よってユーザが原稿圧板3から手を放しても、重力で開こうとする原稿圧板3をストッパリブ群4と当接リブ303によって支持する形で、原稿圧板3が自立する。なお、原稿圧板3の姿勢(傾き)が、重心Pが指示部201、202に対して-Y方向に位置する姿勢の場合には、閉位置へ向かう回転方向に原稿圧板3を回転させる力がかかる。
<実施例1のストッパリブ構成>
図6は、原稿圧板3の回動を規制する規制部としてのストッパリブ群4の詳細構成を示す斜視図である。ストッパリブ群4は、複数のストッパリブのうち最端部に配置されるストッパリブ401、405と、それらの間に配置される10本ストッパリブ410、420、430、440、450、460、470、480、490、500と、を含む。ここで、ストッパリブ401が本発明の第1のリブに、ストッパリブ405が本発明の第3のリブに、それぞれ対応する。また、ストッパリブ410~500のうち、ストッパリブ460、470、480、490が、本発明の第2のリブに対応する。
各ストッパリブ401、405、410~500は、一対の支持部201、202の間を、回動軸301、302の延びる軸方向(回動中心軸線RX)であるX方向(第1の方向)に所定の間隔を空けて並ぶように配置されている。また、各ストッパリブ401、405、410~500は、それぞれ、上記軸方向と交差する方向である略+Y方向に突出するとともにZ方向の延びる突出形状を有し、その先端部は、略-Y方向に凹む凹状に構成されている。
各ストッパリブ401、405、410~500は、複数のストッパリブ群として二つのストッパリブ群4A、4Bにまとめられており、同一群に含まれるストッパリブの根元側は、隣接するストッパリブとの間をX方向に延びる支えリブによって連結されている。すなわち、ストッパリブ群4Aに含まれるストッパリブ450、460、470、480、490、500、405は、支えリブ455によって連結され、支えリブ455から略+Y方向に突出する一体的なストッパリブ群4Aを構成している。また、ストッパリブ群4Bに含まれるストッパリブ401、410、420、430、440は、支えリブ44
5によって連結され、支えリブ445から略+Y方向に突出する一体的なストッパリブ群4Bを構成している。
なお、支えリブ455は、X方向におけるストッパリブ470とストッパリブ480との間の領域に、略-Y方向に凹むように形成された切欠き部456が設けられている。この切欠き部456は、後述する、ストッパリブ群4Aと当接リブ303との当接の際に、ストッパリブ470とストッパリブ480との間の部分を起点とした支えリブ455の凹状の湾曲変形を促すための肉抜き部として機能する。なお、切欠き部456は任意の構成であり、切欠き部456を設けずとも同様の変形が可能であれば、切欠き部456は設けなくてもよい。
また、ストッパリブ401、440、450、405にはそれぞれ、原稿圧板3が開位置にあるときに当接リブ303を略Z方向に支えるための下支え部403、444、454、404が設けられている。これら下支え部403、444、454、404が設けられるストッパリブ401、440、450、405は、各ストッパリブ群においてX方向の両端に配置されたストッパリブである。
図7、図8は、ストッパリブ群4と原稿圧板3の当接リブ303との当接時の様子を説明する模式的断面図であり、ストッパリブ群4のうちストッパリブ410と当接リブ303との当接の様子を代表的に示している。図7、図8は、それぞれ-X方向(ストッパリブ401からストッパリブ405に向かう方向)に見た模式的断面図であり、図7は、原稿圧板3が閉位置に位置している状態、図8は、原稿圧板3が開位置に位置している状態を示している。以下では、ストッパリブ群4の当接リブ303との被当接部(当接点)について、ストッパリブ群4のうちストッパリブ410を例として説明する。
ストッパリブ410は、略-Y方向に凹んだ凹状の先端部に、当接リブ303との被当接部411を有する。被当接部411は、図8に示すように原稿圧板3が開位置に位置するときに、当接リブ303上の被当接部331が当接し、係合することで、原稿圧板3の回動を停止させる。図8に示すように、ストッパリブが支えリブから突出する方向(第4の方向)と、原稿圧板3が開位置にあるときにおける当接リブの突出する方向(第2の方向)と、は互いに略対向し、ストッパリブ先端の凹状部は当接リブの突出方向に凹むような構成となる。
図9(a)、図9(b)、図9(c)は、それぞれ、ストッパリブ群4を-X方向(ストッパリブ401からストッパリブ405に向かう方向)に見た模式的断面図であり、断面を取る箇所がそれぞれ異なっている。図9(a)は、ストッパリブ410を、図9(b)は、ストッパリブ490を、図9(c)は、ストッパリブ470を、それぞれ示している。図9(d)は、図9(a)~図9(c)においてストッパリブ群4を矢印Dの方向から見た断面を模式的に示した図である。
図9(d)に示すように、ストッパリブ410と同様、ストッパリブ401、405、420~500もそれぞれ、当接リブ303との被当接部402、406、411、421、431、441、451、461、471、481、491、501を有する。図9(d)に示すように、X方向に被当接部402と被当接部406を結ぶ仮想線である直線L1に対し、ストッパリブ群4(a)の一部のストッパリブ460、470、480、490が突出している。これらストッパリブ460、470、480、490は、他のストッパリブ401、405、410、420、430、440、450、500に対し、図9(a)、図9(b)、図9(c)に示すように、+Y方向及び-Z方向に高さが高くなるように突出する。具体的には、ストッパリブ460、470、480、490は、略横倒しU字状の凹状先端部のうち上方側(+Z方向側)の傾斜した傾斜先端部446の高さ
(Z方向)が、他のストッパリブよりも下方(-Z方向)に位置するように構成される。また、これらストッパリブ460、470、480、490は、ストッパリブ群4(a)において、それぞれの被当接部461、471、481、491の高さが、ストッパリブ群4(a)の両端から中央に向かって高くなるように、段階的に高くなっている。このストッパリブ群4(a)の中で一番高いストッパリブは、ストッパリブ470、ストッパリブ480である。なお、リブ高さの変化の付け方は、上記構成に限定されるものでなく、ストッパリブ間で当接リブ303との当接タイミングに差がつき、端部のストッパリブへの荷重を相対的に低減することができるものであれば、他の構成であってもよい。
原稿圧板3の重心Pは、直線L1に対し、X方向における直線L1のストッパリブ470とストッパリブ480の間の位置において、直線L1と直交する1点鎖線で示した線上に位置している。すなわち、ストッパリブ470とストッパリブ480は、直線L1の方向において重心Pを挟むように対で設けられている。また、ストッパリブ470、480の外側に位置するストッパリブ460、490は、突出高さがストッパリブ470、480の次に高いリブとなり、さらにその外側のストッパリブ450、500は、突出高さがそのさらに次に高いストッパリブとなっている。すなわち、ストッパリブ470、480を頂点に、X方向の外側に向かってリブ高さが徐々になだらかに低くなるように、リブ高さに段差を設けている。直線L1に対するストッパリブの突出量を等号、不等号で示すと次のような関係になる。
401=410=420=430=440=450<460<470=480>490>500=405
<ストッパリブの構成(比較例1)>
比較例1に係る読取装置について説明する。比較例に係る読取装置の全体構成について、本発明の実施例に係る読取装置と同様である。比較例に係る読取装置の各構成に付す符号は、本実施例に係る読取装置の各構成に付した符号の末尾にaを付したものとする。
図10を用いて、比較例1におけるストッパリブ群の構成について説明する。図10は、図9(d)と同様の断面図であって、比較例1の読取装置のストッパリブ群4aを示す模式的断面図である。比較例1のストッパリブの構成では、各々のストッパリブの高さを違えることなく、ストッパリブ410a~480aまで全て同じ突出量となっている。
<ストッパリブと当接リブの係合動作の説明>
図15、図16、図17は、本実施例に係る読取装置1における、支持部201側から支持部202に向かって、ストッパリブ群4Bの内、ストッパリブ430、440を見た模式断面に、支持部202、回動軸302を破線で投影した模式図である。複数のストッパリブのうちこれらストッパリブ430、440を代表例として、各ストッパリブ群の各ストッパリブ、支持部202、回動軸302、被当接部の説明を行う。
図15(a)、図15(b)、図15(c)、図16(a)、図16(b)の順で、原稿圧板3が閉位置(図15(a))から開位置(図16(b))まで回動する際の、各部の位置関係を連続的に示している。各図において破線で示した支持部202と回動軸302は、常に互いに係合しており、長丸穴形状をした支持部202に対して、回動軸302は、略X方向に延びる回転軸周りの回転と±Z方向の移動が可能になっている。各図において実線で示しているストッパリブ430、440のうちストッパリブ440には当接リブ303を略Z方向に支える下支え部444が設けられている。ストッパリブ401、450、405にも、ストッパリブ440の下支え部444と同様の下支え部が設けられている。
図15(a)に示す閉位置にある状態において、原稿圧板3は、原稿台204に載置された不図示の原稿と当接して支えられている。そのため、当接リブ303は、ストッパリブ群4とは接触せず、回動軸302は±Y方向に支持部202と当接しているのみとなっている。
また、図17は、回動軸302が支持部202aの長穴形状に沿って+Z方向に移動する前後の原稿圧板3の位置変動を示す模式的断面図である。図17(a)は、回動軸302が支持部202に対して-Z方向側に位置している状態、図17(b)は、回動軸302が支持部202に対して、図17(a)に示す位置よりも+Z方向側に移動したときの状態、をそれぞれ示している。前述のように、支持部202は長丸穴形状であるため、支持部202に係合する回動軸302をもつ原稿圧板3は、長穴の範囲内で±Z方向の移動が可能である。したがって、ユーザは、原稿台204に載置した原稿の厚みに対応して、原稿圧板3を±Z方向に移動させることが可能になっている。
さて、原稿圧板3を開く際には、ユーザは、例えば図15上では原稿圧板3を時計回りに回転させるように原稿圧板3を開き始める。そうすると、原稿圧板3は、原稿台204との当接を解消すると同時に、図15(b)に示すように、当接リブ303の先端部333が下支え部444と当接して原稿圧板3を+Z方向に支える。このまま開動作を継続すると、図15(c)に示すように、原稿圧板3は、当接リブ303の先端部333が下支え部444に当接したままスライドするように移動し、回動軸302は支持部202との係合状態を保ったまま時計回りの回転と±Z方向のスライドを行う。
ユーザがさらに開動作を継続すると、図16(a)に示すように、当接リブ303の背面部344が下支え部444に面で接触する。次に、図16(b)に示すように、当接リブ303の背面部344と下支え部444とが略点接触するようになり、当接部333がリブ430の被当接部431と当接して、原稿圧板3の回動が停止、規制される。
図16(b)に示す状態において、原稿圧板3は開状態となる。図16(b)に示すように、原稿圧板3は、当接リブ303が、下支え部440から矢印440Dの方向、ストッパリブ430から矢印430Dの方向にそれぞれ支えられ、回動軸302が、支持部202から矢印202Dの方向に支えられる。原稿圧板3は、図16(b)の状態からさらに時計回りに回転しようとする力と、上記の3方向の合力が釣り合うことで、スキャナユニット2に対して停止、自立している。なお、図16(b)上の矢印は、力の大きさではなく、力の方向のみを示している。
<原稿圧板およびストッパリブ群の変形>
図18、図19を用いて、原稿圧板3およびストッパリブ群4の変形について説明する。図18(a)は、開位置に位置する原稿圧板3の斜視図である。さらに、原稿圧板3の一部分3Aを拡大した図を図18(b)に示す。図19(a)、図19(b)は、原稿圧板3における図18(b)に示した構成部分を模式的に示したものである。
スキャナユニット2に対して原稿圧板3を回動軸301、302で支持し、図19(a)において、矢印の2点で当接リブ303を-Z方向に向けて押圧した場合、図19(b)の様に変形する。これは両持ち梁を二点で押圧した場合の一般的な弾性体の変形と同様である。
さて、この変形は、図19(b)に破線で示したような剛体の棒B1を押し当てて-Z方向に押圧した場合も同様で、「直線的な形状の物体」を押し当てて押圧しても、押圧された部材の変形によって、最終的には押圧した物体の両端部でのみ当接し、押圧することになる。よって、前述のような「直線的な形状の物体」の長さが長い場合、押圧する位置
はその分外側に移動し、外側の部分を変形させようとする。またこの際、かける力が変わらない場合、支持された回動軸から押圧する位置までの距離が小さくなるため、押圧した点での変形量が小さくなる。
ここで、前述のような「直線的な形状の物体」ではなく、ストッパリブ群4で押圧した場合、すなわち、ストッパリブ群4で原稿圧板3の回転を止める動作を行った場合のストッパリブ群4の変形について説明する。前述のように、当接リブ303の押圧位置が外側になればなるほど、当接リブ303の変形量は少なくなるが、押圧するストッパリブ側が受ける力の総和は変わらない。そのため、一番外側のストッパリブにその力が集中すると、再端部の2本のストッパリブ401、405で力を受けることになり、これらストッパリブ401、405の変形が大きくなる。
また、図16(b)に示したような、矢印202Dの方向の力は、支持部202から回動軸302にかかる力であるが、その反力として支持部202にかかる矢印202Dの方向とは反対の方向の力は、変形が大きいストッパリブが近くなるほど、大きくなる。すなわち、支持部201、202との距離が一番近いストッパリブであるストッパリブ401、405の変形が一番大きくなるときに、支持部201、202にかかる力が大きくなり、破壊が発生しやすくなる。
<本実施例の操作時の挙動の説明>
図11、図20を用いて、本実施例に係る読取装置1の挙動について説明する。図11は、ストッパリブ群4、当接リブ303を模式的に示した図である。図11(a)は、原稿圧板3の開操作時においてストッパリブ470、480が当接リブ303に当接した時点における様子を示す模式図である。図11(b)は、さらなる原稿圧板3の開操作によって、全てのストッパリブが当接リブ303に当接した状態におけるストッパリブ群4と当接リブ303の当接の様子を示す模式図である。
ユーザが原稿圧板3を開いて開位置に移動させると、原稿圧板3の当接リブ303は、ストッパリブ群4の各ストッパリブ上の被当接部(当接点)411~511に、対応する当接部(当接点)331~340で当接する。この際に、図11(a)に示すように、突出量の多いストッパリブ470、480の被当接部471、481が最初に当接リブ303に当接し、原稿圧板3の回動動作に対抗して反力を発生させる。この反力によって当接リブ303のうちストッパリブ471、481と当接する部分は、図11(b)に示すように、凹状に湾曲し、ストッパリブ470、480は、突出量が減る方向に変形する。具体的には、ストッパリブ470、480を含むストッパリブ群4Bの各ストッパリブを連結する支えリブ455が、ストッパリブ470、480の間の部分が最も凹むように凹状に湾曲する。
このように、ストッパリブ470、480と当接リブ303の当接部337、338が当接から逃げる方向に変形することで、原稿圧板3はさらに回動することが可能になる。そして、次に突出量の多いストッパリブ460、490が、当接リブ303の当接部336、339と当接し、ストッパリブ470、480が当接したときと同様に反力を発生させ、変形する。さらに、ストッパリブ460、490が逃げるように変形したことで、原稿圧板3はさらに回動することが可能になり、その隣に位置し、次に突出量の多いストッパリブ450、500が当接部335、340と当接する。すなわち、第2のリブであるストッパリブ460~490の被当接部は、第1のリブであるストッパリブ405、第3のリブであるストッパリブ401を含む、その他のストッパリブの被当接部よりも、原稿圧板3の開動作時における当接リブ303の移動経路において上流側に位置する。そして、複数備えられる第2のリブであるストッパリブ460~490のうち、回転軸301、302の軸方向において原稿圧板3の重心の位置に近いストッパリブほど、先に当接リブ
303に当接することになる。このように、順次当接、変形を行うストッパリブが広がって行き、最終的に各ストッパリブ群4と当接リブ303が発生させた反力の総和が、原稿圧板3の自重や、ユーザの操作力と釣り合ったときに、原稿圧板3は回動を停止する。この停止状態においては、ユーザは原稿を載置、除去、交換するために原稿圧板3から手を離すことが可能になり、両手で原稿の操作を行うことができる。ユーザの手を離れた原稿圧板3は、自重による回動方向のモーメントがストッパリブ群4による反力と釣り合うことで、自立する。
図9(b)に示したように、本実施例において、原稿圧板3の重心は、点Pの位置にあり、仮想線L1上に投影するとストッパリブ470、480の間にある。図20(a)に示すように、重心のあるPの位置が、X方向において、S1で示した、突出量が大きくストッパリブ470、480の様に積極的に原稿圧板3の当接リブ303に当接する2本のストッパリブの間に位置している。かかる構成により、原稿圧板3は、図20(a)に示すように、スキャナユニット2に対して傾くことなくストッパリブ群4に支持される。仮に、図20(b)に示す比較例2の記録装置1cのように、突出量が大きく積極的に原稿圧板3cの当接リブに当接する2本のストッパリブが、S2で示すように、重心Pに対してX方向に離れた位置にある場合は、重心部分を積極的に支持することができない。よって、原稿圧板3cにおける重心に近いX方向端部分が、Qで示した開く方向に、また、原稿圧板3cの全体がスキャナユニット2bに対してRで示した方向に傾くことになる。
上記の様に構成することで、本実施例においては、原稿圧板3をストッパリブ群4によって支持する際に、中央側にあるリブ群410~500が当接リブ303と当接した後に、最端部にあるストッパリブ401、405が当接リブ303と当接することになる。このように、最端部にあるストッパリブ401、405は、中央側にあるストッパリブ410~500が原稿圧板3の回転力を打ち消した後に当接するため、発生させる反力は中央側のストッパリブよりも小さくなっている。すなわち、ストッパリブ401、405の変形量は、中央側のストッパリブ群の変形量よりも小さくなる。最端部のストッパリブ401、405の変形量が小さくなるため、ストッパリブ401、405と、支持部201、202との相対的な位置の変動が小さく抑えられることになる。よって、ストッパリブ401、405と、これに当接する当接リブ303の当接部341、345と、の間、及び、支持部201、202と、これに係合している回動軸301、302と、の間における相対的な位置の変動、すなわち変形量も小さく抑えられる。さらに、ストッパリブ401、405と当接部341、345との間で変形を発生させる力の反力、すなわち、支持部201、202と回動軸301、302との間において回動中心が受ける反力が小さくなるため、回動中心の破壊の発生が抑制される。
<比較例の挙動>
図10、図12を用いて、比較例1のストッパ構成による挙動を説明する。図12は、ストッパリブ群4a及び当接リブ303aを模式的に示した図である。ユーザが原稿圧板3aを開いて開位置に移動させると、原稿圧板3aの当接リブ303aは、ストッパリブ群4aの各ストッパリブの各被当接部402a、411a~481a、406aに対し、対応する当接部341a、331a~338a、345aで当接する。この際に、当接リブ303aが、図12(b)に示すように変形するため、優先して当接部341a、345aが被当接部402a、406aと当接し、ストッパリブ401a、405aが変形した後、中央側のストッパリブと当接することになる。このため、ストッパリブ群4aにおいて一番変形量が大きくなるのはX方向の両端に位置するストッパリブ401a、405aとなる。最端部のストッパリブ401a、405aの変形量が大きくなっているため、ストッパリブ401a、405aと、支持部201a、202aとの相対的な位置の変動も一番大きくなる。よって、ストッパリブ401a、405aと当接リブ303aの当接部341a、345aとの間、及び、支持部201a、202aと回動軸301a、30
2aと、の間における相対的な位置の変動、すなわち変形量が大きくなる。ストッパリブ401a、405aと当接部341a、345aとの間で変形を発生させる力の反力、すなわち、持部201、202と回動軸301、302との間において回動中心が受ける反力が、本実施例に係る読取装置と比して大きくなる。そのため、比較例1のストッパ構成は、回動中心の破壊に対する懸念が本実施例の第1形態に対して高い。
(実施例2)
図13、図14を参照して、本発明の実施例2に係る読取装置について説明する。以下の説明においては、実施例2において実施例1と共通する事項に関する説明は省略する。以下で特に説明しない実施例2の構成は、実施例1の構成と同様である。実施例2に係る読取装置の全体の構成については、実施例1に係る読取装置1と同様である。実施例に係る読取装置の各構成に付す符号は、実施例1に係る読取装置1の各構成に付した符号の末尾にbを付したものとする。
図13を用いて、実施例2におけるストッパリブ群4bの構成について説明する。図13は、ストッパリブ群4b及び当接リブ303bを模式的に示した図である。スキャナユニット2bに設けられるストッパリブ群4bは、ストッパリブ401b、405b、410b~480bで構成される。これらのストッパリブは、各々弾性部材403b、407b、412b~482bを介してスキャナユニット2bに取り付けられている。すなわち、ストッパリブ401b、405b、410b~480bは、X方向に延びる直線L1bに対する突出量を変動させることが可能であり、原稿圧板3bの当接リブ303bと当接した際の当接リブ303bから受ける押圧力によって押圧方向に移動する。ストッパリブ401b、405b、410b~480bは、当接リブ303bと当接していない状態において、支えリブ445bからの各被当接部の高さが略同じである。原稿圧板3bの当接リブ303bは、各ストッパリブ401b、405b、410b~480bの被当接部(当接点)402b、406b、411b~481bに対し、対応する当接部(当接点)341b、345b、331b~338bで当接する。このとき、当接リブ303bは、各ストッパリブ401b、405b、410b~480bに取り付けられた弾性部材403b、407b、412b~482bによって反力を受ける。弾性部材403b、407b、412b~482bは、ステンレスやピアノ線などのばね材で作成された圧縮ばね等で構成され、ストッパリブ群4bや原稿圧板3bの当接リブ303bはプラスチックや金属などで構成されることが望ましい。ただし、圧縮や変形等の変位量に対する反力の変動が、上記弾性部材403b、407b、412b~482bの方が小さくなるよう構成されていればよく、材料等は特定のものに限定されない。
<実施例2の挙動>
図14を用いて、実施例2に係る読取装置の挙動について説明する。ユーザが原稿圧板3bを開いて開位置に移動させると、原稿圧板3bの当接リブ303bは、各ストッパリブの被当接部402b、406b、411b~481bに対し、対応する当接部341b、345b、331b~338bで当接する。この際に、当接リブ303bが、図14(a)に実線で示したように初期変形するため、優先して被当接部402b、406bと当接しようとする。端部のストッパリブのみで当接しているため、保持力が弱く、原稿圧板3bはさらに開方向に回転しようとする。この形のまま原稿圧板3bの回転が進んで当接リブ303bが押し込まれると、図14(b)に示すように、ストッパリブ410b~480bが、弾性部材412b~482bをそれぞれ圧縮変形させ、それぞれ当接部331b~338bに当接する。すなわち、第1のリブであるストッパリブ401b、405bを支持する第1の弾性部材である弾性部材403b、407bの変形量が、第2のリブである他のストッパリブ410b~480bを支持する第2の弾性部材である弾性部材412b、422b、432b、442b、452b、462b、472b、482bの変形量よりも大きくなる。すると、前述したように、弾性部材403b、407b、412b
~482bは変形量に対する反力の変動が小さいため、当接リブ303bの変形に対して、各ストッパリブ401b、405b、410b~480bが受ける反力の差異も小さくなる。その結果、当接リブ303bの変形に対して各ストッパリブ401b、405b、410b~480bが受ける反力が、端部ストッパリブ401b、405bに集中せず、全体的に押しなべた反力を受ける。
以上の理由から、各ストッパリブ401b、405b、410b~480bにかかる力が、互いに近い値になるため、図14(c)に示すように、各弾性部材403b、407b、412b~482bの変形量(第2の方向の圧縮量)が同等に近くなる。したがって、これに伴い、当接リブ303bの湾曲も小さくなる。なお、両端に近いストッパリブの弾性部材ほど変形量が大きくなる関係は、程度は小さくなるが維持される。また、これにより、ストッパリブ401b、405b、410b~480b全体で力を受けて原稿圧板3bの回転力と釣り合い、原稿圧板3bが停止することになる。
すなわち、実施例1と同様に、比較例の読取装置と比べて、原稿圧板3bを支持した状態での端部ストッパリブ401b、405b、を支持する弾性体403b、407bの変形量が小さくなる。このため、ストッパリブ401b、405bと、支持部201b、202bとの相対的な位置の変動が小さく抑えられることになる。よって、ストッパリブ401b、405bと、これに当接する当接部341b、345bと、の間、及び、支持部201b、202bと、これに係合している回動軸301b、302bと、の間における相対的な位置の変動、すなわち変形量も小さく抑えられる。さらに、ストッパリブ401b、405bと当接部341b、345bとの間で変形を発生させる力の反力、すなわち、支持部201b、202vと回動軸301b、302bとの間において回動中心が受ける反力が小さくなる。よって、回動中心の破壊の発生が抑制される。
以上説明した、各実施例に係る読取装置によれば、原稿圧板を開方向の回動を規制する回動ストッパの破壊を抑制することができ、それにより、操作可能回数を伸ばすことができる。すなわち、開閉操作の操作力に対する耐性、破壊に対する耐性を備え、装置寿命の長い読取装置を提供することが可能になる。
上記各実施例で、本発明を読取装置に適用した場合を例示したものとなっているが、カバー部材を開放・閉鎖可能で、複数のストッパリブで回動角度を抑制する構成を備えた装置であれば、本発明は適用可能である。
実施例1では、原稿圧板3の重心Pの位置の回転軸線方向における偏りに合わせて、第1のリブ及び第2のリブからなる構成を重心Pに近い一方の側にのみ配置したが、かかる構成に限定されない。例えば、重心Pが回転軸方向において中央に位置するような場合には、第1のリブ及び第2のリブからなる構成を軸方向の他方の側にも配置してよい。また、第2のリブを軸方向に重心を挟んで対で配置したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、重心に対応した位置に第2のリブを配置してもよい。
また、リブの高さについても、支えリブを起点とした位置からの高さで高低差をつけているが、被当接部の位置(高さ)に所望の差が形成される、すなわち、当接リブ303との当接タイミングに所望の差が形成される構成であれば、支えリブやストッパリブの具体的な構成は上記実施例の構成に限定されない。
さらに、実施例2では、各ストッパリブの支えリブからの高さや、弾性部材の構成(引張ばねの長さや弾性力の強さ等)を略同一に構成しているが、それらは異なっていてもよい。すなわち、回転軸301b、302bに近い第1のリブとしてのストッパリブ401b、405bで受ける原稿圧板3bからの荷重を、第2のリブとしての他のストッパリブ
410b~480bとの間において相対的に弱めことができればよい。かかる動作が可能であれば、各ストッパリブの高さや弾性部材の長さや弾性力の強弱などは適宜設定してよい。
2…スキャナユニット、201…支持部、202…支持部、204…原稿台、3…原稿圧板、301…回動軸、302…回動軸、303…当接リブ、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340…当接部、4…ストッパリブ群、401…端部ストッパリブ、402…被当接部、405…端部ストッパリブ、406…被当接部、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500…ストッパリブ、411、421、431、441、451、461、471、481、491、501…被当接部

Claims (15)

  1. 原稿を載置する原稿台を有する装置本体と、
    前記原稿台に対し、前記原稿台を開放する開位置と、前記原稿台を閉鎖する閉位置と、に回動軸で回動する原稿圧板と、
    前記装置本体に設けられ、前記回動軸と係合して前記原稿圧板を回動可能に支持する一対の支持部と、
    前記装置本体において前記一対の支持部の間に配置され、前記原稿圧板の回動を規制する複数のストッパリブと、
    前記原稿圧板の前記回動軸の軸方向に沿う第一の辺部に設けられ、前記原稿圧板が前記開位置にあるときに前記複数のストッパリブと当接する当接部と、
    を備える読取装置であって、
    前記複数のストッパリブは、前記一対の支持部の一方と対向する第1のリブと、前記一対の支持部のいずれとも対向しない第2のリブとを備え、
    前記原稿圧板が前記開位置に回動する際に、前記2のリブは前記第1のリブより前記当接部に先に当接することを特徴とする読取装置。
  2. 前記第2のリブは、前記回転軸の軸方向において、前記第1のリブよりも前記原稿圧板の重心の位置に近いことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
  3. 前記複数のストッパリブは、前記一対の支持部の間において、前記回転軸の軸方向に並ぶように配置されるとともに、前記第2のリブを複数備え、
    複数の前記第2のリブは、前記回転軸の軸方向において前記原稿圧板の重心の位置に近いほど、先に前記当接部に当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の読取装置。
  4. 前記原稿圧板の重心は、前記回転軸の軸方向において、前記一対の支持部の一方に近い側に位置していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の読取装置。
  5. 前記複数のストッパリブは、前記一対の支持部の他方と対向する第3のリブを備え、
    前記原稿圧板が前記開位置に回動する際に、前記2のリブは前記第3のリブより前記当接部に先に当接することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の読取装置。
  6. 前記第2のリブは、前記複数のストッパリブに前記当接部が当接していない状態において、前記回転軸の軸方向に見たときに、前記第2のリブにおいて前記当接部が当接する被当接部の位置が、前記第1のリブの前記被当接部の位置よりも、前記原稿圧板が前記閉位置から前記開位置へ移動する際の前記当接部の移動経路において上流側に位置していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の読取装置。
  7. 前記一対の支持部との間を前記回転軸の軸方向に沿って延びるように設けられ、少なくとも、前記第1のリブと前記第2のリブとの間をつなぐように前記第1のリブと前記第2のリブと一体的に設けられる支えリブをさらに備え、
    前記第1のリブと前記第2のリブは、前記支えリブから前記回転軸の軸方向と交差する方向に突出し、その先端が前記当接部と当接することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の読取装置。
  8. 前記第2のリブは、前記回転軸の軸方向と交差する方向における前記支えリブから前記先端までの高さが、前記第1のリブの前記高さよりも高いことを特徴とする請求項7に記載の読取装置。
  9. 前記第2のリブは、前記回転軸の軸方向において、前記原稿圧板の重心の位置を挟むよ
    うに対で設けられ、
    前記支えリブは、前記複数のストッパリブに前記当接部が当接している状態において、対の前記第2のリブの間をつなぐ部分が、前記当接部が前記第2のリブに対して当接する方向に凹むように湾曲変形することを特徴とする請求項7又は8に記載の読取装置。
  10. 前記支えリブは、対の前記第2のリブの間をつなぐ部分に切欠き部を有することを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の読取装置。
  11. 原稿を載置する原稿台を有する装置本体と、
    前記原稿台に対し、前記原稿台を開放する開位置と、前記原稿台を閉鎖する閉位置と、に回動軸で回動する原稿圧板と、
    前記装置本体に設けられ、前記回動軸と係合して前記原稿圧板を回動可能に支持する一対の支持部と、
    前記装置本体において前記一対の支持部の間に配置され、前記原稿圧板の回動を規制する複数のストッパリブと、
    前記原稿圧板の前記回動軸の軸方向に沿う第一の辺部に設けられ、前記原稿圧板が前記開位置にあるときに前記複数のストッパリブと当接する当接部と、
    を備える読取装置であって、
    前記複数のストッパリブは、それぞれのリブが、弾性部材を介して前記装置本体に連結されていることを特徴とする読取装置。
  12. 前記複数のストッパリブは、第1の弾性部材を介して前記装置本体に連結され、前記一対の支持部と対向する一対の第1のリブと、第2の弾性部材を介して前記装置本体に連結され、前記一対の支持部のいずれとも対向しない第2のリブとを備え、
    前記原稿圧板が前記閉位置に回動する際に、前記第1の弾性部材の変形量が前記第2の弾性部材の変形量よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の読取装置。
  13. 前記第1のリブと前記第2のリブは、前記複数のストッパリブに前記当接部が当接していない状態において、前記回転軸の軸方向に見たときに、前記第1のリブにおいて前記当接部が当接する被当接部の位置と、前記第2のリブにおいて前記当接部が当接する被当接部の位置とが、略同じ位置であることを特徴とする請求項11又は12に記載の読取装置。
  14. 前記原稿圧板が前記開位置にあるとき、前記原稿圧板の重心は、水平方向において、前記回動軸に対して前記原稿台とは反対側に位置することを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の読取装置。
  15. 原稿から画像を読み取る読取部と、
    記録媒体に画像を記録する記録部と、
    を備える記録装置において、
    前記読取部が請求項1~14のいずれか1項に記載の読取装置であることを特徴とする記録装置。
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