JP2023014657A - 鉄心の製造方法、鉄心 - Google Patents

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豊信 山田
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Abstract

【課題】鉄損の増加やスパッタの付着および占積率の低下を防止することができる鉄心の製造方法、鉄心を提供する。【解決手段】鉄心の製造方法は、内側に窪んだ凹部5aが外周部に形成されている薄板状の鉄心片2を積層して積層体3を形成する工程と、積層体3の外周面に積層方向に延びて形成される溝部5に、紫外線硬化性樹脂6を当該溝部5からはみ出さない範囲で注入する工程と、注入した紫外線硬化性樹脂6に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂6を硬化させる工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、薄板状の鉄心片を積層して形成された鉄心の製造方法、鉄心に関する。
従来、薄板状の鉄心片を積層して形成される鉄心が知られている。このような鉄心は、例えば特許文献1のように積層した鉄心片を溶接にて固定したり、かしめにより固定したり、鉄心片の表面に接着剤を塗布したものを積層したりすることにより製造されている。
特開2017-221085号公報
しかしながら、溶接やかしめにより製造された鉄心は、溶接時やかしめ時に生じた応力が鉄心に残留することによって、鉄心片を積層しただけの状態と比べて鉄損が多くなるという問題がある。また、溶接時には、いわゆるスパッタが発生することがあり、そのスパッタが鉄心の表面に付着すると除去する必要がある。また、鉄心片間に接着剤を塗布する場合には占積率が低下するという問題があり、その問題は、高性能化のために鉄心材を薄くするほど顕著となる。
そこで、鉄損の増加やスパッタの付着および占積率の低下を防止することができる鉄心の製造方法、鉄心を提供する。
実施形態の鉄心の製造方法は、内側に窪んだ凹部が外周部に形成されている薄板状の鉄心片を積層して積層体を形成する工程と、積層体の外周面に積層方向に延びて形成される溝部に、紫外線硬化性樹脂を当該溝部からはみ出さない範囲で注入する工程と、注入した紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂を硬化させる工程とを含む。
実施形態による固定子鉄心を模式的に示す図 鉄心片の構成を模式的に示す図 溝部の形状の一例を模式的に示す図 製造工程の流れを示す図 紫外線硬化性樹脂を注入する態様を模式的に示す図 紫外線硬化性樹脂を硬化させる態様を模式的に示す図 溝部の他の構成例を模式的に示す図 鉄心片の他の積層態様を模式的に示す図 他の製造態様を模式的に示す図その1 他の製造態様を模式的に示す図その2
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態で想定している鉄心である固定子鉄心1は、薄板状の鉄心片2を積層することにより形成されている。鉄心片2は、周知のように電磁鋼板をプレスにより環状に打ち抜くこと等により形成されている。本実施形態では、鉄心片2を形成する電磁鋼板として、シリコン含有量が比較的高く、且つ、高周波特性を向上させるために板厚が比較的薄い鋼板を想定している。また、電磁鋼板は、周知のようにその表面が絶縁皮膜によって覆われている。
そして、所定枚数の鉄心片2を積層した3つのブロック2A~2Cを、互いに周方向にずらして積層するいわゆる回し積みにより積層することで、複数の鉄心片2が厚み方向に積層された積層体3が形成される。
この積層体3は、その外周面に、径方向外側に広がっている複数の耳部4が設けられている。本実施形態では、耳部4は、固定子鉄心1の外周面に概ね120°間隔で均等に3箇所設けられている。この耳部4には積層方向に貫通している貫通孔4aが形成されており、その貫通孔4aは、固定子鉄心1を図示しない筐体などに取り付けるために利用される。
また、積層体3は、その外周面に、鉄心片2の積層方向に延びる複数の溝部5が形成されており、その溝部5には、詳細は後述するが、各鉄心片2を固定するための紫外線硬化性樹脂6が設けられている。この溝部5は、積層体3の周方向において耳部4からずれた位置であって、外周面に概ね60°間隔で均等に6箇所形成されている。ただし、ブロック2の数や耳部4の数あるいは溝部5の数は一例であり、これに限定されるものではない。
また、溝部5は、鉄心片2を積層することによって形成される。具体的には、鉄心片2は、図2に示すようにその外周部に耳部4および貫通孔4aと内周側に窪んだ凹部5aとが形成された状態であって、その内周部に巻き線を収容するための収容部7となる複数のスリット7aと、そのスリット7aに繋がっていて回転子を収容する中空部8となる孔部8aが形成された状態で打ち抜かれている。そして、この鉄心片2を板厚方向に積層することにより、図1に示すように凹部5aが積層方向に並んで溝部5を形成するとともに、収容部7および中空部8が形成される。
この凹部5aは、図3に積層方向から視た平面視にて示すように、鉄心片2の外周から内周側に向かって傾斜している2つの曲線状の部位と、それらの中央の平坦な部位とが滑らかにつながった形状に形成されている。このとき、凹部5aは、その中央の部位が積層体3の外周を示す仮想線(CL)から概ね1.3mm程度となる深さであって、その周方向への幅が概ね10mm程度に形成されている。ただし、ここで示した凹部5aの形状や深さや幅は一例である。
紫外線硬化性樹脂6は、紫外線を照射することによって硬化する樹脂材料であり、溝部5に注入あるいは充填される状態ではある程度の粘性を有している。この紫外線硬化性樹脂6としては、例えば100℃程度の耐熱性を有するものであって、概ね数秒程度の紫外線の照射で硬化が完了するものを採用することができる。
そして、紫外線硬化性樹脂6は、溝部5内に、仮想線(CL)よりも内周側の範囲に収まる量が注入されている。つまり、紫外線硬化性樹脂6は、単に溝部5の表面に塗布されているのではなく、溝部5からはみ出ない範囲、換言すると、積層体3の外周面に広がらない状態で、ある程度の厚みを有する状態に設けられている。なお、紫外線硬化性樹脂6は、必要となる耐熱性、耐久性を確保できるものであればよく、例えば接着性を有しているいわゆる接着剤として利用されるものを用いることもできる。
次に上記した構成の作用について説明する。
前述のように、固定子鉄心1のような鉄心は、溶接やかしめにより固定されると、鉄心片2が積層された状態の積層体3と比べると、溶接時やかしめ時に生じた応力が残留することによって鉄損が多くなることがある。また、溶接時にはいわゆるスパッタが発生することがあり、そのスパッタが鉄心の表面に付着すると除去する必要がある。
また、鉄心片2間に接着剤を塗布して固定する場合には、占積率が低下するという問題があり、その問題は、例えば高周波特性を向上させるなどの高性能化のために鉄心材を薄くするほど顕著となる。なお、占積率は、所定の高さ(L0)に形成される固定子鉄心1において、その容積に対する鉄心片2の容積と考えればよい。
そこで、本実施形態では、以下に示す製造方法により鉄損の増加やスパッタの付着および占積率の低下を同時に抑制している。
具体的には、図4に示すように、固定子鉄心1の製造工程では鉄心片2を打ち抜く打ち抜き工程が行われる(S1)。この打ち抜き工程では、例えば電磁鋼板をプレス機で打ち抜くことによって概ね円環状且つ薄板状の鉄心片2が形成される。このとき、鉄心片2には、図3に示したように耳部4、積層された状態で溝部5となる凹部5a、積層された状態で収容部7を形成するスリット7a、回転子を収容する中空部8がその外周側に形成される。
続いて、この鉄心片2を所定枚数のブロック単位で積層する積層工程が行われ(S2)、そのブロックを回し積みする回し積み工程が行われる(S3)。このとき、図示は省略するが、プレス機は、打ち抜いた鉄心片2がそのまま下方に落下して打ち抜いた順で鉄心片2を積層する構造となっている。そのため、ステップS2では、所定枚数が打ち抜かれた時点で、つまりは、所定枚数の鉄心片2が積層された時点で、1つのブロックとして取り出されている。
そして、取り出されたブロックは、ステップS3において、最初に取り出したブロック2Aに対して次に取り出したブロック2Bを周方向に120°回転させて積層し、その次に取り出したブロック2Cをブロック2Bに対して周方向に120°回転させて積層することで回し積みされて積層体3が形成される。
これにより、電磁鋼板の長手方向あるいは短手方向の板厚にばらつきがあったとしても、回し積みすることによってそのばらつきが吸収される。つまり、積層体3は、その周方向における高さが概ね均等になる。なお、図示は省略するが、回し積みする際には、ブロック2A~2Cが同心となるように、また、後述する加圧を可能とするために、鉄心片2の中心を出すための治具が設けられている加圧機にそれぞれのブロック2A~2Cを積層している。
続いて、バリつぶし加圧工程が行われる(S4)。鉄心片2は、上記したようにプレス機により打ち抜かれているため、その切断部にバリが生じていることがある。そのため、ステップS4において積層体3に対して比較的強い圧力を積層方向に加えることにより、鉄心片2に生じた可能性のあるバリを物理的につぶしている。
その後、バリつぶし加圧時よりも相対的に小さい圧力を積層体3の積層方向に加える注入時加圧工程が行われる(S5)。この工程では、図5に示すように、積層体3の高さ(L1)は、固定子鉄心1に要求される所定の高さ(L0)よりも大きくなる程度の圧力が加えられる。換言すると、注入時加圧工程では、積層体3を所定の高さ(L0)にするときよりも相対的に小さい圧力が加えられる。
そして、その圧力を維持したまま、溝部5に紫外線硬化性樹脂6が注入する注入工程が行われる(S6)。この注入工程では、例えばディスペンサー10を溝部5に沿って移動させながら紫外線硬化性樹脂6が注入される。このとき、紫外線硬化性樹脂6は、各溝部5にそれぞれ注入される。
また、注入工程では、上記したように相対的に小さい圧力が加えられていることから、各鉄心片2の間に溝部5の表面から内周側にごく浅い範囲(ΔW)で若干の隙間が生じることが想定される。そのため、紫外線硬化性樹脂6を注入した際に、その隙間に紫外線硬化性樹脂6が染み込むことが想定される。
紫外線硬化性樹脂6の注入が完了すると、相対的に大きい圧力を加える硬化時加圧工程が行われる(S7)。この硬化時加圧工程では、図6に示すように積層体3を所定の高さ(L0)にするための圧力が加えられる。そして、その状態で、紫外線を照射する照射装置11を、紫外線硬化性樹脂6が注入されている溝部5に沿って移動させることにより、紫外線硬化性樹脂6を硬化する(S8)。
このとき、隙間に紫外線硬化性樹脂6が染み込んでいる場合には、鉄心片2の間に若干の隙間が存在していることから、また、紫外線であればその隙間に入り込むことができることから、鉄心片2の間に染み込んだ紫外線硬化性樹脂6を硬化させることができると考えられる。
そして、複数の溝部5のうち硬化していない箇所がある場合には(S9:NO)、ステップS8に移行して紫外線硬化性樹脂6を硬化させる一方、全ての箇所を硬化した場合には(S9:YES)、加圧を解除して(S10)、鉄心を加圧機から取り出して(S11)、次工程へ搬送する。
この次工程では、固定子鉄心1の検査や巻線の挿入およびフレームへの組付け等の作業が行われる。そして、発明者らは、幾つかの種類の紫外線硬化性樹脂6を用いて試験を行い、フレームに組付けるまでの工程において、紫外線硬化性樹脂6により固定子鉄心1を固定できることを確認した。
そして、固定子鉄心1は最終的には耳部4を利用してフレームに取付けられることから、フレームに取付けるまでその形状を維持することができれば問題ないと考えられる。換言すると、紫外線硬化性樹脂6により固定子鉄心1を固定する手法は、固定子鉄心1の製造工程において固定子鉄心1をフレームに取り付けるまでの仮固定用方法および仮固定部材として十分に機能することが確認された。
以上説明した実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
鉄心の製造方法は、内側に窪んだ凹部5aが外周部に形成されている薄板状の鉄心片2を積層して積層体3を形成する工程と、積層体3の外周面に積層方向に延びて形成される溝部5に、紫外線硬化性樹脂6を当該溝部5からはみ出さない範囲で注入する工程と、注入した紫外線硬化性樹脂6に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂6を硬化させる工程とを含んでいる。
このように紫外線硬化性樹脂6を硬化させて各鉄心片2を固定することにより、製造時に鉄心片2が溶接時のような高温にさらされることがなくなり、熱変形しないことから端面の波打ち変形による鉄心の直角度の狂いを抑制でき、また、入熱による残留応力で鉄損が悪化することを防止できる。
また、スパッタが鉄心の表面に付着することが無いため、スパッタを除去する作業が不要となり、生産効率を向上させることができる。さらに、数秒程度で硬化する紫外線硬化性樹脂6を用いることで、作業に要する時間が過度に増加することを抑制できる。
また、各鉄心片2を溝部5で固定していることから、鉄心片2の表面に接着剤を塗布して積層する構成と比べて、占積率が低下することを抑制できる。また、高性能化のために鉄心材を薄くした場合であっても、占積率が大きく低下することを抑制できる。
このように、鉄心の製造方法では複数の効果が同時に得られることにより、鉄損の増加やスパッタの付着および占積率の低下を防止することができる。
また、鉄心の製造方法では、積層体3に積層方向への圧力を加えつつ、溝部5への紫外線硬化性樹脂6の注入と注入した紫外線硬化性樹脂6への紫外線の照射とを行う。これにより、製造される固定子鉄心1を所望の高さに設定することができる。
また、鉄心の製造方法では、紫外線硬化性樹脂6を注入する際に加える圧力を、当該紫外線硬化性樹脂6に紫外線を照射する際に加える圧力よりも小さくする。これにより、溝部5の表面から若干の範囲において鉄心片2の間に隙間が形成されることが想定され、その隙間に紫外線硬化性樹脂6が染み込み、染み込んだ紫外線硬化性樹脂6を硬化させることによって鉄心片2がより強固に固定されることを期待できる。
また、紫外線硬化性樹脂6による固定は鉄心片2の性質や材質に因らないため、例えば0.2mm以下の薄板材の鉄心片2にも対応することができる。これにより、構成のかを図ることができる。
また、実施形態の鉄心は、内側に窪んだ凹部5aが外周部に形成されている複数の薄板状の鉄心片2を積層した積層体3と、積層体3の外周面に積層方向に延びて形成されている溝部5に注入され、当該積層体3を形成している複数の鉄心片2を互いに固定している紫外線硬化性樹脂6とを備える。このような構成の鉄心によっても、鉄損の増加やスパッタの付着および占積率の低下を抑制することができなど、上記した製造方法と同様の効果を得ることができる。
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各実施形態に示した構成や構造を任意に変形あるいは組み合わせることができる。
実施形態では平面視における中央が平坦になっている溝部5を例示したが、例えば図7に他の形状例その1として示すように、平坦な部位を有しておらず、全体的に曲面になっている溝部5を設ける構成とすることができる。この場合、溝部5の表面に沿って紫外線硬化性樹脂6が溜まることにより、溝部5の周方向における広い範囲が紫外線硬化性樹脂6により固定され、各鉄心片2をより強固に固定することができる。
また、他の形状例その2として示すように、溝部5を曲面ではなく直線の組み合わせで形成することができる。この場合、溝部5の径方向外側における周方向への幅を、内周径方向内側における周方向への幅よりも狭くすることができる。より平易に言えば、溝部5の開口を内部の空間よりも狭くすることができる。
この場合、紫外線硬化性樹脂6は硬化する前には粘性体であることから溝部5に注入することが可能であり、また、紫外線は開口から照射することが可能であるため、鉄心片2を固定することができる。そして、溝部5の内部よりも開口が狭いことから、紫外線硬化性樹脂6が外側に剥がれ落ちることが防止される。
また、このような形状の溝部5は、かしめにより積層体3を固定する際に用いられることがある。そのため、かしめにより固定していた従来の鉄心の形状や製造装置を流用しつつ、紫外線硬化性樹脂6による固定の手法を取り入れることができる。
また、他の形状例その3として示すように、溝部5の中央が盛り上がっていて、平面視においてω字状の溝部5を形成することができる。このような形状の溝部5は、溶接により積層体3を固定する際に用いられることがある。そのため、溶接により固定していた従来の鉄心の形状や製造装置を流用しつつ、紫外線硬化性樹脂6による固定の手法を取り入れることができる。
また、実施形態では同一形状の鉄心片2を積層する構成を例示したが、凹部5aの形状が異なる鉄心片2を積層して積層体3を形成する構成とすることができる。例えば、図8に他の積層例その1として示すように、凹部5aの形状が異なる鉄心片2を積層し、溝部5の表面に径方向への段差を有する形状に形成する構成とすることができる。
そして、これらの段差を覆う状態に紫外線硬化性樹脂6を注入および硬化することにより、段差がいわゆるアンカー効果を発生させて各鉄心片2をより強固に固定することができる。このとき、最も外側の鉄心片2に径方向外側への突出量が大きいものと採用することにより、鉄心片2の溝部5側の端面だけでなく、鉄心片2の側面においても紫外線硬化性樹脂6で固定されるため、鉄心片2が剥離するおそれを低減することができる。
また、他の積層例その2として示すように、凹部5aの形状が異なる鉄心片2を複数枚積層したものを積層する構成とすることができる。このような構成によっても、溝部5の表面に径方向への段差が形成され、その段差を覆う状態に紫外線硬化性樹脂6を注入および硬化することにより、段差がいわゆるアンカー効果を発生させて各鉄心片2をより強固に固定することができる。
また、他の積層例その3として示すように、周方向における凹部5aの幅が異なるもの、または、凹部5aの形状が径方向および周方向の双方に対して異なるものを交互に、あるいは、所定枚数ごとに積層し、溝部5の表面に周方向や径方向への段差を有する形状に形成する構成とすることができる。
例えば実施形態で説明した凹部5aが形成されている鉄心片2と、他の形状例その1で説明した凹部5aが形成されている鉄心片2とを積層することができる。あるいは、実施形態で説明した凹部5aや他の形状例で説明した凹部5aのうち3種類以上の異なる形状の凹部5aが形成されている鉄心片2を交互に、あるいは、所定枚数ごとに積層する構成とすることができる。
このような構成によっても、それの段差を覆う状態に紫外線硬化性樹脂6を注入および硬化することによって、段差がいわゆるアンカー効果を発生させて各鉄心片2をより強固に固定することができる。
また、実施形態では紫外線硬化性樹脂6の注入と硬化とを個別に行う手順を例示したが、例えば図9に他の製造態様その1として示すように、ディスペンサー10と照射装置11とを同じ溝部5に対して連動して動作させ、紫外線硬化性樹脂6を注入しながら硬化させる構成とすることができる。
また、図10に他の製造態様その2として示すように、例えば対角に位置する溝部5に対して同時に紫外線硬化性樹脂6の注入を行い、ディスペンサー10および照射装置11を図示周方向に移動させて注入された紫外線硬化性樹脂6を硬化しつつ隣の溝部5に紫外線硬化性樹脂6を注入し、その後、ディスペンサー10および照射装置11をさらに図示周方向に移動させるといった構成とすることができる。
あるいは、図10に他の製造態様その2として示すように、対角の2箇所の溝部5に対して図9にて示したように紫外線硬化性樹脂6を注入しながら硬化させ、その後、ディスペンサー10および照射装置11を図示周方向に移動させて次の2箇所の溝部5に対して紫外線硬化性樹脂6の注入と硬化とを行う構成とすることができる。
これらにより、紫外線硬化性樹脂6の注入と硬化とを効率的に行うことができ、作業効率を大きく改善することができる。
この場合、ディスペンサー10と照射装置11はロボットにより移動させる構成とすることができる。また、図9および図10に示した製造態様を採用する場合には、図4に示した注入時加圧は行わず、バリつぶし加工の後に硬化時加圧を行い、その状態で紫外線硬化性樹脂6の注入と硬化とを行えばよい。
固定子鉄心1の表面にワニス処理を施したり、溝部5に設けられた紫外線硬化性樹脂6の表面に飛散を抑制するための処理を施したりする構成とすることができる。また、耳部4を備えていない固定子鉄心1の製造に適用することができる。
また、実施形態では固定子鉄心1の製造を例として説明したが、鉄心の製造方法は回転子鉄心の製造に適用することができる。その場合、回転子鉄心の内周側つまりはシャフトが挿入される側で紫外線硬化性樹脂6の注入と硬化とを行うことで、回転時に紫外線硬化性樹脂6が飛散するおそれを低減することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は固定子鉄心、2は鉄心片、3は積層体、5は溝部、5aは凹部、6は紫外線硬化性樹脂を示す。

Claims (6)

  1. 内側に窪んだ凹部が外周部に形成されている薄板状の鉄心片を積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体の外周面に積層方向に延びて形成される溝部に、紫外線硬化性樹脂を当該溝部からはみ出さない範囲で注入する工程と、
    注入した前記紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む鉄心の製造方法。
  2. 前記積層体に積層方向への圧力を加えつつ、前記溝部への前記紫外線硬化性樹脂の注入と注入した前記紫外線硬化性樹脂への紫外線の照射とを行う請求項1記載の鉄心の製造方法。
  3. 前記紫外線硬化性樹脂を注入する際に加える圧力を、当該紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射する際に加える圧力よりも小さくする請求項2記載の鉄心の製造方法。
  4. 前記凹部の形状が異なる前記鉄心片を積層して前記積層体とする請求項1から3のいずれか一項記載の鉄心の製造方法。
  5. 前記凹部が複数設けられている前記鉄心片を積層し、
    前記積層体に形成される2箇所以上の前記溝部に対して同時に、前記紫外線硬化性樹脂の注入と当該紫外線硬化性樹脂への紫外線の照射とを行う請求項1から4のいずれか一項記載の鉄心の製造方法。
  6. 内側に窪んだ凹部が外周部に形成されている複数の薄板状の鉄心片を積層した積層体と、
    前記積層体の外周面に積層方向に延びて形成されている溝部に注入され、当該積層体を形成している複数の前記鉄心片を互いに固定している紫外線硬化性樹脂と、を備える鉄心。
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