JP2023012985A - 基板検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】検査対象基板に大きな電気的ストレスを加えることなく検査する。【解決手段】各プローブ23に接続されて基部21に配設された各接続用電極24、および各電極24に対して接触可能に基部31に配設されて測定部に接続される複数の接続用電極34を有する電極部と、各電極34と測定部との間に配設されて各電極34上の電荷を基準電位に放出する除電部(スイッチ42および抵抗43)とを備え、電極部は、各電極24,34が伸縮可能構造に形成されると共に、上側テストフィクスチャ2が下側テストフィクスチャ3に対して離間させられている状態において、各電極24,34が非接触状態となり、基部21が基部31に対して接近させられたときに各プローブ23が検査対象基板Xに対して接触するのに先立って各電極24,34が接触し、かつ基部21が基部31に対してさらに接近させられたときに各プローブ23の検査対象基板Xに対して接触する。【選択図】図2
Description
本発明は、基板保持部およびプローブユニットの少なくとも一方を他方に対して移動機構によって相対的に移動させることで基板保持部によって保持されている検査対象基板にプローブユニットの各プローブを接触させて電気的に検査する基板検査装置に関するものである。
例えば、下記の特許文献には、複数の上部プローブピン(以下、「上部プローブ」ともいう)がプレス板に植設されたユニット(以下、「上部ユニット」ともいう)と、複数の下部プローブピン(以下、「下部プローブ」ともいう)がピンボードに植設されたユニット(以下、「下部ユニット」ともいう)とを備えたフィクスチャが開示されている。このフィクスチャは、上部ユニットおよび下部ユニットの間に被検査プリント基板(以下、「検査対象基板」ともいう)を配置した状態で上部ユニットのプレス板と下部ユニットのピンボードとを相対的に接近させることにより、各上部プローブを検査対象基板の一面(上面)に接触させ、かつ各下部プローブを検査対象基板の他面(下面)に接触させることが可能に構成されている。
この場合、下部ユニットは、検査対象基板を位置決めするガイドピンがピンボードに植設され、かつ各下部プローブやガイドピンを挿通可能な小孔が形成された下部位置決めベースプレート(以下、「下部ベースプレート」ともいう)がピンボードに対して接離可能に配設されると共に、ピンボードおよび下部ベースプレートの間に配設された下部基板押えばね(以下、「下部ばね」ともいう)によって下部ベースプレートがピンボードに対して離間方向に付勢されている。また、上部ユニットは、下部ユニットに対して上部ユニットを位置決めする位置決めピンがプレス板に植設され、かつ各上部プローブや位置決めピンを挿通可能な小孔が形成された上部位置決めベースプレート(以下、「上部ベースプレート」ともいう)がプレス板に対して接離可能に配設されると共に、プレス板および上部ベースプレートの間に配設された上部基板押えばね(以下、「上部ばね」ともいう)によって上部ベースプレートがプレス板に対して離間方向に付勢されている。
このフィクスチャを用いた検査対象基板の検査に際しては、下部ユニットのガイドピンによって検査対象基板を支持させた状態において、下部ユニットのピンボードに向けて上部ユニットのプレス板を下降させる。この際には、最初に、上部ベースプレートが検査対象基板に当接し、次いで、検査対象基板が上部ベースプレートによって押圧されながらプレス板と共に下降させられて下部ベースプレートに当接する。この状態においてプレス板がさらに下降させられたときには、上部ばねの縮長に伴って上部ベースプレートの各小孔を挿通させたれた各上部プローブの先端部が検査対象基板の上面にそれぞれ接触させられると共に、下部ばねの縮長に伴って下部ベースプレートの各小孔を挿通させたれた各下部プローブの先端部が検査対象基板の下面にそれぞれ接触させられる。これにより、各上部プローブおよび各下部プローブを介して検査対象基板を電気的に検査することが可能となる。
ところが、上記の特許文献に開示されているフィクスチャを使用した検査対象基板の検査については、以下のような問題点が存在する。具体的には、この種のフィクスチャでは、上記特許文献の従来技術にも明示されているように、検査対象基板に規定された各プローブポイント(プローブ接触位置)に応じて各プローブが植設されている。したがって、この種のフィクスチャを使用した検査に際しては、規定されるプローブ接触位置が相違する基板を検査するときに、その基板に規定されたプローブ接触位置に応じて複数のプローブが植設されたフィクスチャを検査装置に取り付ける必要がある。
この場合、この種のフィクスチャの取り付けに際しては、検査装置に既に取り付けられている他のフィクスチャにおける各プローブと検査装置の測定部とを接続している接続用ケーブルを取り外す作業、他のフィクスチャにおける上部ユニットおよび下部ユニットを検査装置からそれぞれ取り外す作業、新たに取り付けるべきフィクスチャの上部ユニットおよび下部ユニットを検査装置にそれぞれ固定する作業、および固定した両ユニットの各プローブを接続用ケーブルによって測定部にそれぞれ接続する作業を行う必要がある。このため、複数種類の基板を検査する者にとっては、このフィクスチャの交換作業が煩雑となっている。
また、上部ユニットおよび下部ユニットをそれぞれ接続用ケーブルによって測定部に接続する構成では、移動機構による移動に際して接続用ケーブルに対して大きなストレスが加わることのないように、十分な長さの接続用ケーブルを採用する必要がある。また、検査装置の構成部品、検査対象基板および作業者の手や工具などの引っ掛かりを防止すべく、平ケーブルや多芯ケーブルを接続用ケーブルとして採用したり、複数の細線を一体的に束ねた接続用ケーブルを採用したりする必要がある。このため、長尺の接続用ケーブルにおいて複数の接続線(芯線)が密集した状態となることから、各接続線間の浮遊容量がやや大きくなっている現状がある。
一方、出願人は、一例として、各上部プローブを測定部に接続するための接続用ケーブルを用いずに、下部ユニットを介して各上部プローブを測定部に接続することが可能なフィクスチャを開発した。出願人が開発したフィクスチャでは、各上部プローブに接続された複数の電極(以下、「上部電極」ともいう)を上部ユニットにおける下部ユニットとの対向面に配設すると共に、下部ユニットにおける上部ユニットとの対向面における各上部電極の接触が可能な位置に複数の電極(以下、「下部電極」ともいう)を配設し、各下部電極および各下部プローブを接続用ケーブルによって測定部に接続することで、上部プローブが、上部電極、下部電極および接続用ケーブルを介して測定部に接続される構成が採用されている。これにより、上部電極を測定部に接続するための長尺の接続用ケーブルが不要となって各接続線間の浮遊容量が存在しない状態となり、上部ユニットの脱着に際して、接続用ケーブルの取り付けや取り外しの作業が不要となる分だけフィクスチャの交換作業を簡略化することが可能になる。
この場合、出願人が開発した上記のフィクスチャでは、下部ユニットに対して上部ユニットを離間させた状態(両ユニット間への検査対象基板の搬入時や、両ユニット間からの検査対象基板の搬出時、および検査対象基板の検査を実施していないときなど)において上部電極および下部電極が非接触となるように各電極が配設されている。また、このフィクスチャでは、上部ユニットおよび下部ユニットの間に検査対象基板を配置した状態において下部ユニットに向けて上部ユニットを下降させたときに、各上部プローブが検査対象基板に接触し、上部ユニットがさらに下降させられることで各上部電極が各下部電極プローブに接触すると共に、各下部プローブが検査対象基板に接触させられる。これにより、上記特許文献に開示のフィクスチャを使用した検査時と同様に、各上部プローブおよび各下部プローブを介して検査対象基板を電気的に検査することが可能となる。
しかしながら、出願人が開発したフィクスチャには、以下のような課題が存在する。具体的には、出願人が開発したフィクスチャでは、下部ユニットに対して上部電極を離間させた状態において、上部電極が下部電極に対して非接触となるように検査装置に取り付けられる構成が採用されている。この場合、上部ユニットには、非常に多くの上部プローブが近接配置されている。このため、上部電極や、上部プローブと上部電極とを接続する接続用配線の数も非常に多くなっており、上部ユニットの大形化を回避するために、これら多数の上部電極が近接配置され、かつ多数の接続用配線が近接配置された状態となっている。このため、各上部プローブの間、各接続用配線の間、および各上部電極の間にある程度大きな浮遊容量が存在した状態となっており、下部ユニットに対して上部ユニットを離間させた状態(上部電極が下部電極に対して非接触の状態)において、周囲の電子機器等から発せられた電荷が各浮遊容量に蓄積された状態となることがある。
ここで、上部ユニット内の各浮遊容量に電荷が蓄積された状態では、下部ユニットに対して上部ユニットを下降させたときに、各上部電極が各下部電極に対して接触するのに先立って各上部プローブが検査対象基板に接触させられたときに、各浮遊容量に蓄積されている電荷が各上部プローブを介して検査対象基板に放出されることとなる。このため、各浮遊容量に蓄積されている電荷が大きいときには、検査対象基板(検査対象基板に配設された各種の素子や回路)に対して大きな電気的ストレスを加えることとなる。このため、この点を改善するのが好ましい。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、検査対象基板に対して大きな電気的ストレスを加えることなくこれを検査し得る基板検査装置を提供することを主目的とする。
本発明に係る基板検査装置では、検査対象基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記検査対象基板にそれぞれ接触させられる複数のプローブを有するプローブユニットと、前記プローブユニットおよび前記基板保持部の少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる移動機構と、前記各プローブを介して前記検査対象基板についての予め規定された被測定量を測定する測定部と、前記移動機構による前記少なくとも一方の前記他方に対する相対的な接離動、および前記測定部による前記被測定量の測定を制御すると共に、測定された当該被測定量に基づいて前記検査対象基板を検査する処理部とを備えた基板検査装置であって、前記各プローブにそれぞれ接続されて前記プローブユニットの第1の基部に配設された複数の第1の電極、および当該各第1の電極に対して接触可能に前記基板保持部の第2の基部に配設されて前記測定部に接続される複数の第2の電極を有する電極部と、前記各第2の電極と前記測定部との間に配設されて当該各第2の電極上の電荷を基準電位に放出する除電部とを備え、前記電極部は、前記各第1の電極および前記各第2の電極の少なくとも一方の電極が伸長方向に常時付勢された伸縮可能構造に形成されると共に、前記移動機構によって前記少なくとも一方が前記他方に対して相対的に離間させられている状態において、前記各第1の電極と前記各第2の電極とが非接触状態となり、当該移動機構によって前記第1の基部が前記第2の基部に対して相対的に接近させられたときに前記各プローブが前記検査対象基板に対して接触するのに先立って前記各第1の電極が前記各第2の電極に対して相対的に接触し、かつ当該移動機構によって当該第1の基部が当該第2の基部に対して相対的にさらに接近させられたときに前記少なくとも一方の電極が縮長させられて当該各プローブの当該検査対象基板に対する接触を許容するように構成されている。
したがって、この基板検査装置によれば、出願人が開発した従来の基板検査装置と同様にして、プローブを測定部に接続するための長尺の接続用ケーブルが不要となり、この長尺の接続用ケーブルにおける各接続線間の浮遊容量が存在しない状態とすることができると共に、プローブユニットの脱着に際して、接続用ケーブルの取り付けや取り外しの作業が不要となる分だけ交換作業を簡略化することが可能になる。また、検査対象基板を保持している基板保持部に対してプローブユニットを相対的に接近させたときに、各プローブが検査対象基板に対して接触するのに先立って各第1の電極が各第2の電極に対して接触するため、各プローブの間、各第1の電極の間、および各プローブと各第1の電極とを接続している各接続用配線の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が各第2の電極および除電部を介して基準電位に放出されて第1の電極上の電荷が除電される。これにより、上記の電荷がプローブを介して検査対象基板に放出されて検査対象基板に対して大きな電気的ストレスを加えることなく、これを好適に検査することができる。
また、本発明に係る基板検査装置では、検査対象基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部によって保持された前記検査対象基板にそれぞれ接触させられる複数のプローブを有するプローブユニットと、前記プローブユニットおよび前記基板保持部の少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる第1の移動機構と、前記各プローブを介して前記検査対象基板についての予め規定された被測定量を測定する測定部と、前記第1の移動機構による前記少なくとも一方の前記他方に対する相対的な接離動、および前記測定部による前記被測定量の測定を制御すると共に、測定された当該被測定量に基づいて前記検査対象基板を検査する処理部とを備えた基板検査装置であって、前記各プローブにそれぞれ接続された複数の第1の電極を有する第1の電極ユニット、および当該各第1の電極に対して接触可能に配設されて前記測定部に接続される複数の第2の電極を有する第2の電極ユニットと、前記第1の電極ユニットおよび前記第2の電極ユニットの少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる第2の移動機構と、前記各第2の電極と前記測定部との間に配設されて当該各第2の電極上の電荷を基準電位に放出する除電部とを備え、前記処理部は、前記第1の移動機構によって前記少なくとも一方を前記他方に対して相対的に接近させて前記各プローブを前記検査対象基板に対して接触させるのに先立ち、前記第2の移動機構を制御して前記少なくとも一方を前記他方に対して相対的に接近させて前記各第1の電極と前記各第2の電極とをそれぞれ接触させる。
したがって、この基板検査装置によれば、出願人が開発した従来の基板検査装置と同様にして、プローブを測定部に接続するための長尺の接続用ケーブルが不要となり、この長尺の接続用ケーブルにおける各接続線間の浮遊容量が存在しない状態とすることができる。また、第1の移動機構によって各プローブが検査対象基板に対して接触させられるのに先立って第2の移動機構によって第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの少なくとも一方が他方に対して相対的に接近させられて各第1の電極が各第2の電極に対して接触するため、各プローブの間、各第1の電極の間、および各プローブと各第1の電極とを接続している各接続用配線の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が各第2の電極および除電部を介して基準電位に放出さて第1の電極上の電荷が除電される。これにより、上記の電荷がプローブを介して検査対象基板に放出されて検査対象基板に対して大きな電気的ストレスを加えることなく、これを好適に検査することができる。
また、本発明に係る基板検査装置では、前記各第2の電極のうちの指定された当該第2の電極を前記除電部および前記測定部に対して選択的に接続するスキャナを備え、前記除電部は、スイッチ回路と抵抗素子との直列回路を備えると共に当該直列回路の一端が前記スキャナによって選択された前記第2の電極に接続されると共に当該直列回路の他端が前記基準電位に接続されて構成され、前記処理部は、前記各第1の電極と前記各第2の電極とが互いに接した状態においてすべての前記第2の電極が前記除電部にそれぞれ接続されるように前記スキャナを制御すると共に前記スイッチ回路をオン状態に制御し、かつ前記測定部によって前記被測定量が測定されるときに、前記スイッチ回路をオフ状態に制御すると共に当該被測定量を測定すべき前記プローブに接続されている前記各第2の電極だけが当該測定部にそれぞれ接続されるように前記スキャナを制御する。
したがって、この基板検査装置によれば、各プローブの間、各第1の電極の間、および各プローブと各第1の電極とを接続している各接続用配線の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷を確実に基準電位に放出することができると共に、各プローブを使用した被測定量の測定に際して基準電位の影響が及ぶ事態を好適に回避することができる。
本発明に係る基板検査装置によれば、各プローブが検査対象基板に接触するのに先立って各第1の電極上の電荷が除電部によって基準電位に放出されて除電されるため、検査対象基板に対して大きな電気的ストレスを加えることなく、各プローブを介してこれを好適に検査することができる。
以下、本発明に係る基板検査装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す基板検査装置1は、「基板検査装置」の一例であって、上側テストフィクスチャ2、下側テストフィクスチャ3、移動機構4、スキャナ5、測定部6、操作部7、表示部8、処理部9および記憶部10を備え、検査対象基板Xについての「予め規定された被測定量(電流値、電圧値および抵抗値など)」を測定して検査対象基板Xの良否を検査可能に構成されている。この場合、検査対象基板Xは、「検査対象基板」の一例であって、その良否を電気的に検査するためのプローブ接触位置が一面Fa(上面)および他面Fb(下面)にそれぞれ規定されている。
上側テストフィクスチャ2は、「プローブユニット」の一例であって、図2~5に示すように、基部21、押圧用ピン22,22・・、プローブ23,23・・、接続用電極24,24・・および接続用配線25,25・・を備えている。基部21は、「第1の基部」の一例であって、上記の各構成要素22~25を規定位置に位置決めするための支持体としての機能を有すると共に、上側テストフィクスチャ2を移動機構4に取り付けるための取付け部材の機能を備えている。押圧用ピン22は、後述するように移動機構4によって基部21が下側テストフィクスチャ3に向けて移動させられたとき(基部21が下側テストフィクスチャ3に対して接近させられたとき)に下側テストフィクスチャ3によって支持されている(保持されている)検査対象基板Xを押圧して基部21と共に移動させるための部材であって、基部21に植設されている。
プローブ23は、「プローブ」に相当し、一例として、内蔵の付勢部材によって伸長方向に常時付勢された伸縮型のピン状プローブで構成されると共に、検査対象基板Xの一面Faに規定された各プローブポイントの位置に応じて各プローブポイントに対してそれぞれ接触可能に基部21に植設されている。接続用電極24は、「第1の電極」の一例であって、一例として、内蔵の付勢部材によって伸長方向に常時付勢された伸縮型のピン状電極(「伸長方向に常時付勢された伸縮可能構造」の一例)で構成されて基部21に植設されている。この接続用電極24は、接続用配線25を介してプローブ23に接続されている。接続用配線25は、プローブ23および接続用電極24を相互に電気的に接続するための配線であって、一例として、絶縁被覆されたシールド線で構成されている。
下側テストフィクスチャ3は、「基板保持部」の機能を備えたプローブユニットであって、基部31、支持用ピン32,32・・、プローブ33,33・・、接続用電極34,34・・、接続用配線35a,35a・・および接続用配線35b,35b・・を備えている。基部31は、「第2の基部」の一例であって、上記の各構成要素32~34,35a,35bを規定位置に位置決めするための支持体としての機能を有すると共に、下側テストフィクスチャ3を基板検査装置1の規定位置に固定するための固定部材の機能を備えている。支持用ピン32は、検査対象基板Xを支持するための「支持部材」としての機能を有すると共に、下側テストフィクスチャ3に対して検査対象基板Xを位置決めするための「位置決め部材」としての機能を有する部材であって、一例として、内蔵の付勢部材によって伸長方向に常時付勢された伸縮型のピン状部材で構成されて基部31に植設されている。
プローブ33は、一例として、上側テストフィクスチャ2の各プローブ23と同様に内蔵の付勢部材によって伸長方向に常時付勢された伸縮型のピン状プローブで構成されると共に、検査対象基板Xの他面Fbに規定された各プローブポイントの位置に応じて各プローブポイントに対してそれぞれ接触可能に基部31に植設されている。接続用電極34は、「第2の電極」に相当し、一例として、上側テストフィクスチャ2の接続用電極24と同様に内蔵の付勢部材によって伸長方向に常時付勢された伸縮型のピン状電極(「伸長方向に常時付勢された伸縮可能構造」の一例)で構成されて後述するように接続用電極24に対して接触可能に基部31に植設されている。この接続用電極34は、下側テストフィクスチャ3を基板検査装置1に取り付けたときに接続用配線35aを介してスキャナ5に接続され、スキャナ5を介して測定部6に接続される。
接続用配線35aは、接続用電極34をスキャナ5に対して電気的に接続するための配線であって、一例として、絶縁被覆されたシールド線で構成されている。接続用配線35bは、プローブ33をスキャナ5に対して電気的に接続するための配線であって、一例として、絶縁被覆されたシールド線で構成されている。なお、図2~5では、基板検査装置1の構成に関する理解を容易とするために接続用配線35a,35bをスキャナ5に対して直接接続した状態を図示しているが、接続用電極34に接続された接続用配線35aおよびプローブ33に接続された接続用配線35bとスキャナ5との間に接続用コネクタを介して信号ケーブルを介在させることもできる。また、本例の基板検査装置1では、上側テストフィクスチャ2の接続用電極24と下側テストフィクスチャ3の接続用電極34とが相俟って「電極部」が構成されている。
移動機構4は、「移動機構」の一例であって、本例の基板検査装置1では、一例として、固定的に設置された下側テストフィクスチャ3に対して移動機構4が処理部9の制御下で上側テストフィクスチャ2を下降または上昇させることにより、下側テストフィクスチャ3に対して上側テストフィクスチャ2を接近または離間させる(接離動させる)構成が採用されている(「プローブユニットおよび基板保持部の少なくとも一方」が上側テストフィクスチャ2で「プローブユニットおよび基板保持部の他方」が下側テストフィクスチャ3の構成の例)。
スキャナ5は、スイッチ41a,41a・・,41b,41b・・、スイッチ42および抵抗43を備えている。スイッチ41aは、各々に接続されている接続用配線35aをスイッチ42および測定部6に接続することにより、接続用配線25および接続用電極24,34を介して接続用配線35aに接続された状態のプローブ23をスイッチ42および測定部6に接続する。スイッチ41bは、各々に接続されている接続用配線35bをスイッチ42および測定部6に接続することにより、接続用配線35bに接続されているプローブ33をスイッチ42および測定部6に接続する。なお、本例の基板検査装置1では、スイッチ41a,41a・・,41b,41b・・が「スキャナ」に相当する。以下、スイッチ41a,41bを区別しないときには「スイッチ41」ともいう。
スイッチ42は、「スイッチ回路」の一例であって、「抵抗素子」の一例である抵抗43と相俟って「スイッチ回路と抵抗素子との直列回路」を構成すると共に、スイッチ41によって接続された接続用配線35a,35bを抵抗43を介して基準電位(接地電位)に接続する。この場合、本例の基板検査装置1(スキャナ5)では、上記のスイッチ42および抵抗43が相俟って「各第2の電極と測定部との間に配設されて各第2の電極上の電荷を基準電位に放出する除電部」が構成されている。
測定部6は、「測定部」の一例であって、後述するように、処理部9の制御に従い、スキャナ5によって接続されたプローブ23,33を介して検査対象基板Xについての「予め規定された被測定量」を測定し、その測定値を処理部9に出力する。操作部7は、基板検査装置1の動作条件(検査対象基板Xの検査条件)の設定や、検査の開始/停止を指示する複数の操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部9に出力する。表示部8は、基板検査装置1の動作条件(検査条件)の設定画面や、検査対象基板Xの検査処理の進行状態や検査結果を示す検査画面などを処理部9の制御に従って表示する。
処理部9は、基板検査装置1を総括的に制御する。具体的には、処理部9は、「処理部」の一例であって、移動機構4による上側テストフィクスチャ2の下側テストフィクスチャ3に対する接離動や、スキャナ5におけるスイッチ41,42の接続切替え、および測定部6による「被測定量」の測定などを制御する。また、処理部9は、測定部6によって測定された「被測定量」および検査用基準値に基づいて検査対象基板Xの良否を検査する。記憶部10は、処理部9の動作プログラム、検査用基準値および測定部6による「被測定量」の測定結果や、処理部9による検査対象基板Xの検査結果などを記憶する。
この場合、図2に示すように、本例の基板検査装置1では、下側テストフィクスチャ3を規定位置に固定し、かつ上側テストフィクスチャ2を移動機構4に固定して移動機構4によって下側テストフィクスチャ3から離間させた位置に移動させた状態(「移動機構によってプローブユニットが基板保持部に対して相対的に離間させられている状態」の一例:以下、単に「離間状態」ともいう)において、各接続用電極24の先端部と各接続用電極34の先端部との離間距離が、各プローブ23の先端部と各プローブ33の先端部との離間距離よりも短く、かつ両離間距離の差が検査対象基板Xの厚みよりも大きくなるように上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3が構成されている。
次に、基板検査装置1による検査対象基板Xの検査時の動作について添付図面を参照して説明する。なお、実際には、基板検査装置1による検査位置(上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3の間)に検査対象基板Xを搬入したり、検査を完了した検査対象基板Xを予め規定された搬出位置に搬出したりする基板搬送機構が使用されることもあるが、「基板検査装置」についての理解を容易とするために、基板検査装置1以外の機器に関する図示および説明を省略する。
この基板検査装置1による検査対象基板Xの検査に際しては、検査対象基板Xに対応して各プローブ23,33が植設された上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3を用意して基板検査装置1に装着する。なお、用意した上側テストフィクスチャ2や下側テストフィクスチャ3の装着時に、他の「検査対象基板」に対応した他の上側テストフィクスチャ2や下側テストフィクスチャ3が装着されているときには、以下に説明する装着作業とは逆の手順でそれらを予め取り外す。
一方、検査対象基板Xに対応する上側テストフィクスチャ2や下側テストフィクスチャ3の装着時には、一例として、最初に、押圧用ピン22、プローブ23および接続用電極24が植設されている面を下向きにして上側テストフィクスチャ2の基部21を移動機構4に固定する。次いで、支持用ピン32、プローブ33および接続用電極34が植設されている面を上向きにして下側テストフィクスチャ3の基部31を規定位置に固定する。これにより、上側テストフィクスチャ2の接続用電極24における先端部と下側テストフィクスチャ3の接続用電極34における先端部とが互いに離間して対向した状態(「各第1の電極と各第2の電極とが非接触状態」の一例)で上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3の固定が完了する。続いて、下側テストフィクスチャ3の接続用配線35a,35bをスキャナ5に接続する。以上により、上側テストフィクスチャ2や下側テストフィクスチャ3の装着作業が完了する。
続いて、検査対象基板Xの検査を開始する。具体的には、上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3の間に検査対象基板Xを搬入し、図2に破線で示すように、下側テストフィクスチャ3における支持用ピン32の上に一面Faを上向きにして(一面Faを上側テストフィクスチャ2に対向させるようにして)検査対象基板Xを載置する。この際に、本例の基板検査装置1(下側テストフィクスチャ3)では、支持用ピン32の上に検査対象基板Xを載置した状態において各プローブ33の先端部と検査対象基板Xの他面Fbとの間に隙間が生じるように支持用ピン32やプローブ33の長さ(基部31からの突出長)が規定されている。したがって、検査対象基板Xに対して各プローブ33が非接触の状態で支持用ピン32のみによって検査対象基板Xが支持された状態となる。
次いで、処理部9が、操作部7の操作、または、搬送機構等から出力される信号に基づいて検査対象基板Xのセットが完了したと判別したときに、図3に示すように、スキャナ5のすべてのスイッチ41をオン状態に制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御する。これにより、すべての接続用配線35a,35bが抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、スイッチ41,42がオン状態に制御される以前に、各接続用電極34の間および各接続用配線35aの間や、各プローブ33の間および各接続用配線35bの間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、処理部9は、移動機構4を制御して上側テストフィクスチャ2(基部21)を下降させる(基部21を下側テストフィクスチャ3の基部31に接近させる)。この際には、同図に示すように、各プローブ23や押圧用ピン22が検査対象基板Xの一面Faに対して非接触の状態で、各接続用電極24の先端部(下端部)が各接続用電極34の先端部(上端部)に接した状態(「移動機構によって第1の基部が第2の基部に対して相対的に接近させられたときに各プローブが検査対象基板に対して接触するのに先立って各第1の電極が各第2の電極に対して相対的に接触し」との状態の一例)となる。
この際には、上側テストフィクスチャ2の各プローブ23、各接続用配線25および各接続用電極24が、各接続用電極34、各接続用配線35a、各スイッチ41、スイッチ42および抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、各接続用電極24が各接続用電極34に接した状態となる以前に、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷(各接続用電極24上の電荷)が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、移動機構4によって基部21がさらに下降させられたときには、各接続用電極24,34が互いに接した状態でそれぞれ縮長させられると共に、図4に示すように、上側テストフィクスチャ2の各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接触する(「移動機構によって第1の基部が第2の基部に対して相対的にさらに接近させられたときに各第1の電極および各第2の電極の少なくとも一方が縮長させられて各プローブの検査対象基板に対する接触を許容する」との状態の一例)。この際に、プローブ33が一面Faに接触するのに先立って上記の各浮遊容量が除電されているため、一面Faに接したプローブ23を介して検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスが加わる事態(浮遊容量に蓄積されていた電荷が検査対象基板Xに流入する事態)が回避される。
続いて、移動機構4によって基部21がさらに下降させられたときには、各接続用電極24,34が互いに接した状態でそれぞれ縮長させられ、かつ各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接した状態でそれぞれ縮長させられると共に、上側テストフィクスチャ2の押圧用ピン22が検査対象基板Xの一面Faに接触する。この状態で基部21がさらに下降させられたときには、各プローブ23が縮長させられることなく検査対象基板Xの一面Faに接触した状態が維持され、かつ各接続用電極24,34が互いに接した状態でそれぞれ縮長させられて、押圧用ピン22によって一面Faを下向きに押圧された検査対象基板Xが基部21(押圧用ピン22)と共に下降させられる。
これにより、図5に示すように、下側テストフィクスチャ3の支持用ピン32が縮長させられると共に、各プローブ33が検査対象基板Xの他面Fbに接触させられる。この後、処理部9は、各プローブ33が十分に縮長されて検査対象基板Xの他面Fbに十分な押圧力で押しつけられた状態となるまで基部21が下降させられたときに、移動機構4による基部21(上側テストフィクスチャ2)の下降を停止させる。
この後、処理部9は、スキャナ5のスイッチ42をオフ状態に制御すると共に、「被測定量」を測定すべきプローブ23,33に接続されているスイッチ41だけをオン状態に制御し、かつ他のスイッチ41をオフ状態に制御して測定部6による「被測定量」の測定を実行させる処理を繰り返し実行する。また、処理部9は、測定された「被測定量」および記憶部10に記憶されている検査用基準値に基づき、検査対象基板Xの良否を判定する。さらに、処理部9は、測定すべきすべての「被測定量」の測定が完了したときに、移動機構4を制御して上側テストフィクスチャ2(基部21)を上昇させる(基部21を下側テストフィクスチャ3の基部31から離間させる)。この後、検査を完了した検査対象基板Xを上側テストフィクスチャ2および下側テストフィクスチャ3の間から搬出することにより、1枚の検査対象基板Xについての検査処理が完了する。
このように、この基板検査装置1では、上側テストフィクスチャ2、下側テストフィクスチャ3、移動機構4、測定部6および処理部9を備えると共に、各プローブ23にそれぞれ接続されて上側テストフィクスチャ2の基部21に配設された複数の接続用電極24、および各接続用電極24に対して接触可能に下側テストフィクスチャ3の基部31に配設されて測定部6に接続される複数の接続用電極34を有する「電極部」と、各接続用電極34と測定部6との間に配設されて各接続用電極24上の電荷を基準電位に放出する「除電部(本例ではスイッチ42および抵抗43)」とを備え、「電極部」が、各接続用電極24および各接続用電極34の少なくとも一方(本例では、双方)が伸長方向に常時付勢された伸縮可能構造に形成されると共に、移動機構4によって上側テストフィクスチャ2が下側テストフィクスチャ3に対して相対的に離間させられている状態において、各接続用電極24と各接続用電極34とが非接触状態となり、移動機構4によって基部21が基部31に対して相対的に接近させられたときに各プローブ23が検査対象基板Xに対して接触するのに先立って各接続用電極24が各接続用電極34に対して相対的に接触し、かつ移動機構4によって基部21が基部31に対して相対的にさらに接近させられたときに各接続用電極24および各接続用電極34の少なくとも一方(本例では、双方)が縮長させられて各プローブ23の検査対象基板Xに対する接触を許容するように構成されている。
したがって、この基板検査装置1によれば、出願人が開発した従来の基板検査装置と同様にして、プローブ23を測定部6に接続するための「長尺の接続用ケーブル」が不要となり、この「長尺の接続用ケーブル」における各接続線間の浮遊容量が存在しない状態とすることができると共に、上側テストフィクスチャ2の脱着に際して、「接続用ケーブル」の取り付けや取り外しの作業が不要となる分だけ交換作業を簡略化することが可能になる。また、検査対象基板Xを保持(支持)している下側テストフィクスチャ3に対して上側テストフィクスチャ2を接近させたときに、各プローブ23が検査対象基板Xに対して接触するのに先立って各接続用電極24が各接続用電極34に対して接触するため、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が各接続用電極34、各接続用配線35a、スイッチ41および「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」を介して基準電位に放出されて接続用電極24上の電荷が除電される。これにより、上記の電荷がプローブ23を介して検査対象基板Xに放出されて検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスを加えることなく、これを好適に検査することができる。
また、この基板検査装置1では、各接続用電極34のうちから処理部9によって指定された接続用電極34を「除電部」および測定部6に対して選択的に接続するスキャナ5を備え、「除電部」が、スイッチ42と抵抗43との「直列回路」を備えると共に「直列回路の一」端がスキャナ5によって選択された接続用電極34に接続されると共に「直列回路」の他端が基準電位に接続されるように構成され、処理部9が、各接続用電極24と各接続用電極34とが互いに接した状態において各接続用電極34が「除電部」にそれぞれ接続されるようにスキャナ5(スイッチ41)を制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御し、測定部6によって「被測定量」を測定するときに、スイッチ42をオフ状態に制御すると共に「被測定量」を測定すべきプローブ23に接続されている各接続用電極34だけが測定部6にそれぞれ接続されるようにスキャナ5を制御する。
したがって、この基板検査装置1によれば、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷を確実に基準電位に放出することができると共に、各プローブ23を使用した「被測定量」の測定に際して基準電位の影響が及ぶ事態を好適に回避することができる。
次に、「基板検査装置」の他の実施の形態について説明する。なお、図6に示す基板検査装置1Aにおいて上記の基板検査装置1と同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図6に示す基板検査装置1Aは、「基板検査装置」の他の一例であって、基板検査装置1における上側テストフィクスチャ2に代えて上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bを備えると共に、基板検査装置1における移動機構4に代えて移動機構4a,4bを備えている。
上側テストフィクスチャ2aは、「プローブユニット」の他の一例であって、図7に示すように、各押圧用ピン22および各プローブ23を備えている。電極ユニット2bは、「第1の電極ユニット」の一例であって、接続用配線25を介して上側テストフィクスチャ2aのプローブ23に接続された複数の接続用電極24を備えている。つまり、この基板検査装置1Aでは、基板検査装置1における上側テストフィクスチャ2について、押圧用ピン22やプローブ23が植設された部位(上側テストフィクスチャ2a)、および接続用電極24が植設された部位(電極ユニット2b)の2つに分割して上側テストフィクスチャ2aの各プローブ23と電極ユニット2bの各接続用電極24とを接続用配線25によって相互に接続した構成となっている。
移動機構4aは、「第1の移動機構」の一例であって、本例の基板検査装置1Aでは、一例として、固定的に設置された下側テストフィクスチャ3に対して移動機構4aが処理部9の制御下で上側テストフィクスチャ2aを下降または上昇させることにより、下側テストフィクスチャ3に対して上側テストフィクスチャ2aを接近または離間させる(接離動させる)構成が採用されている(「プローブユニットおよび基板保持部の少なくとも一方」が上側テストフィクスチャ2aで「プローブユニットおよび基板保持部の他方」が下側テストフィクスチャ3の構成の例)。
移動機構4bは、「第2の移動機構」の一例であって、本例の基板検査装置1Aでは、一例として、固定的に設置された下側テストフィクスチャ3に対して移動機構4bが処理部9の制御下で電極ユニット2bを下降または上昇させることにより、下側テストフィクスチャ3に対して電極ユニット2bを接近または離間させる(接離動させる)構成が採用されている(「第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの少なくとも一方」が電極ユニット2bで「第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの他方」が下側テストフィクスチャ3の構成の例)。なお、この基板検査装置1Aでは、下側テストフィクスチャ3における各接続用電極34の配設部位が「第2の電極ユニット」に相当する(「基板保持部」および「第2の電極ユニット」を一体的に構成した例)。
この基板検査装置1Aによる検査対象基板Xの検査に際しては、検査対象基板Xに対応して各プローブ23,33が植設された上側テストフィクスチャ2aおよび下側テストフィクスチャ3と、下側テストフィクスチャ3の接続用電極34に対応して接続用電極24が植設された電極ユニット2bとを用意して基板検査装置1Aに装着する。なお、用意した上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2bおよび下側テストフィクスチャ3の装着時に、他の「検査対象基板」に対応した他の上側テストフィクスチャ2a,電極ユニット2bおよび下側テストフィクスチャ3が装着されているときには、以下に説明する装着作業とは逆の手順でそれらを予め取り外す。
一方、上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2bおよび下側テストフィクスチャ3の装着時には、一例として、最初に、押圧用ピン22およびプローブ23が植設されている面を下向きにして上側テストフィクスチャ2aを移動機構4aに固定すると共に、接続用電極24が植設されている面を下向きにして電極ユニット2bを移動機構4bに固定する。次いで、支持用ピン32、プローブ33および接続用電極34が植設されている面を上向きにして下側テストフィクスチャ3の基部31を規定位置に固定する。これにより、電極ユニット2bの接続用電極24における先端部と下側テストフィクスチャ3の接続用電極34における先端部とが互いに離間して対向した状態(「各第1の電極と各第2の電極とが非接触状態」の一例)で、上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2bおよび下側テストフィクスチャ3の固定が完了する。続いて、下側テストフィクスチャ3の接続用配線35a,35bをスキャナ5に接続する。以上により、上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bや下側テストフィクスチャ3の装着作業が完了する。
続いて、検査対象基板Xの検査を開始する。具体的には、上側テストフィクスチャ2aと下側テストフィクスチャ3との間に検査対象基板Xを搬入し、下側テストフィクスチャ3における支持用ピン32の上に一面Faを上向きにして(一面Faを上側テストフィクスチャ2aに対向させるようにして)検査対象基板Xを載置する。この際には、検査対象基板Xに対して各プローブ33が非接触の状態で支持用ピン32のみによって検査対象基板Xが支持された状態となる。
次いで、処理部9が、操作部7の操作、または、搬送機構等から出力される信号に基づいて検査対象基板Xのセットが完了したと判別したときに、スキャナ5のすべてのスイッチ41をオン状態に制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御する。これにより、すべての接続用配線35a,35bが抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、スイッチ41,42がオン状態に制御される以前に、各接続用電極34の間および各接続用配線35aの間や、各プローブ33の間および各接続用配線35bの間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、処理部9は、移動機構4aを制御して上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3から離間させた状態を維持させつつ、移動機構4bを制御して電極ユニット2bを下降させる(電極ユニット2bを下側テストフィクスチャ3に接近させる)。この際には、各接続用電極24の先端部(下端部)が各接続用電極34の先端部(上端部)に接した状態となる(「第1の移動機構によってプローブユニットを基板保持部に対して相対的に接近させて各プローブを検査対象基板に対して接触させるのに先立ち、第2の移動機構を制御して第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの少なくとも一方(本例では、第1の電極ユニット)を他方(本例では、第2の電極ユニット)に対して相対的に接近させて各第1の電極と各第2の電極とをそれぞれ接触させる」との処理の一例)。
この際には、各プローブ23、各接続用配線25および各接続用電極24が、各接続用電極34、各接続用配線35a、各スイッチ41、スイッチ42および抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、各接続用電極24が各接続用電極34に接した状態となる以前に、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷(各接続用電極24上の電荷)が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、処理部9は、移動機構4aを制御して上側テストフィクスチャ2aを下降させる(上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3に接近させる)。この際には、上側テストフィクスチャ2aの各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接触する。この際に、プローブ33が一面Faに接触するのに先立って上記の各浮遊容量が除電されているため、一面Faに接したプローブ23を介して検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスが加わる事態(浮遊容量に蓄積されていた電荷が検査対象基板Xに流入する事態)が回避される。
続いて、移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aがさらに下降させられたときには、各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接した状態でそれぞれ縮長させられると共に、上側テストフィクスチャ2aの押圧用ピン22が検査対象基板Xの一面Faに接触する。この状態で上側テストフィクスチャ2aがさらに下降させられたときには、各プローブ23が縮長させられることなく検査対象基板Xの一面Faに接触した状態が維持されて、押圧用ピン22によって一面Faを下向きに押圧された検査対象基板Xが基部21(押圧用ピン22)と共に下降させられる。
これにより、下側テストフィクスチャ3の支持用ピン32が縮長させられると共に、各プローブ33が検査対象基板Xの他面Fbに接触させられる。この後、処理部9は、各プローブ33が十分に縮長されて検査対象基板Xの他面Fbに十分な押圧力で押しつけられた状態となるまで上側テストフィクスチャ2aが下降させられたときに、移動機構4aによる上側テストフィクスチャ2aの下降を停止させる。
この後、処理部9は、スキャナ5のスイッチ42をオフ状態に制御すると共に、「被測定量」を測定すべきプローブ23,33に接続されているスイッチ41だけをオン状態に制御し、かつ他のスイッチ41をオフ状態に制御して測定部6による「被測定量」の測定を実行させる処理を繰り返し実行する。また、処理部9は、測定された「被測定量」および記憶部10に記憶されている検査用基準値に基づき、検査対象基板Xの良否を判定する。さらに、処理部9は、測定すべきすべての「被測定量」の測定が完了したときに、移動機構4aを制御して上側テストフィクスチャ2aを上昇させ、かつ移動機構4bを制御して電極ユニット2bを上昇させる(上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bを下側テストフィクスチャ3から離間させる)。この後、検査を完了した検査対象基板Xを上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bと下側テストフィクスチャ3との間から搬出することにより、1枚の検査対象基板Xについての検査処理が完了する。
このように、この基板検査装置1Aでは、上側テストフィクスチャ2a、下側テストフィクスチャ3、移動機構4a、測定部6および処理部9を備えると共に、各プローブ23にそれぞれ接続された複数の接続用電極24を有する電極ユニット2b、および各接続用電極24に対して接触可能に配設されて測定部6に接続される複数の接続用電極34を有する「第2の電極ユニット(本例では、下側テストフィクスチャ3における各接続用電極34の植設部位)」と、電極ユニット2bおよび「第2の電極ユニット(下側テストフィクスチャ3)」の少なくとも一方(本例では、電極ユニット2b)を他方(下側テストフィクスチャ3)に対して相対的に接離動させる移動機構4bと、各接続用電極34と測定部6との間に配設されて各接続用電極24上の電荷を基準電位に放出する「除電部(本例ではスイッチ42および抵抗43)」とを備え、処理部9が、移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3に対して相対的に接近させて各プローブ23を検査対象基板Xに対して接触させるのに先立ち、移動機構4bを制御して電極ユニット2bを「第2の電極ユニット(下側テストフィクスチャ3)」に対して相対的に接近させて各接続用電極24と各接続用電極34とをそれぞれ接触させる。
したがって、この基板検査装置1Aによれば、出願人が開発した従来の基板検査装置と同様にして、プローブ23を測定部6に接続するための「長尺の接続用ケーブル」が不要となり、この「長尺の接続用ケーブル」における各接続線間の浮遊容量が存在しない状態とすることができる。また、移動機構4aによって各プローブ23が検査対象基板Xに対して接触させられるのに先立って移動機構4bによって電極ユニット2bが下側テストフィクスチャ3に接近させられて各接続用電極24が各接続用電極34に対して接触するため、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が各接続用電極34および各接続用配線35a、スイッチ41および「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」を介して基準電位に放出さて接続用電極24上の電荷が除電される。これにより、上記の電荷がプローブ23を介して検査対象基板Xに放出されて検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスを加えることなく、これを好適に検査することができる。
また、この基板検査装置1Aでは、各接続用電極34のうちから処理部9によって指定された接続用電極34を「除電部」および測定部6に対して選択的に接続するスキャナ5を備え、「除電部」が、スイッチ42と抵抗43との「直列回路」を備えると共に「直列回路の一」端がスキャナ5によって選択された接続用電極34に接続されると共に「直列回路」の他端が基準電位に接続されるように構成され、処理部9が、各接続用電極24と各接続用電極34とが互いに接した状態において各接続用電極34が「除電部」にそれぞれ接続されるようにスキャナ5(スイッチ41)を制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御し、測定部6によって「被測定量」を測定するときに、スイッチ42をオフ状態に制御すると共に「被測定量」を測定すべきプローブ23に接続されている各接続用電極34だけが測定部6にそれぞれ接続されるようにスキャナ5を制御する。
したがって、この基板検査装置1Aによれば、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷を確実に基準電位に放出することができると共に、各プローブ23を使用した「被測定量」の測定に際して基準電位の影響が及ぶ事態を好適に回避することができる。
一方、図8に示す基板検査装置1Bは、「基板検査装置」のさらに他の一例であって、基板検査装置1Aにおける下側テストフィクスチャ3に代えて下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bを備えると共に、基板検査装置1Aにおける移動機構4bに代えて移動機構4cを備えている。なお、同図に示す基板検査装置1Bにおいて上記の基板検査装置1,1Aと同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
下側テストフィクスチャ3aは、「基板保持部」の他の一例であって、図9に示すように、各支持用ピン32、各プローブ33および各接続用配線35bを備えている。電極ユニット3bは、「第2の電極ユニット」の一例であって、各接続用電極34および各接続用配線35aを備えている。つまり、この基板検査装置1Bでは、基板検査装置1,1Aにおける下側テストフィクスチャ3について、支持用ピン32やプローブ33が植設された部位(下側テストフィクスチャ3a)、および接続用電極34が植設された部位(電極ユニット3b)の2つに分割した構成となっている。
移動機構4cは、「第2の移動機構」の一例であって、本例の基板検査装置1Bでは、一例として、固定的に設置された電極ユニット2bに対して移動機構4cが処理部9の制御下で電極ユニット3bを上昇または下降させることにより、電極ユニット2bに対して電極ユニット3bを接近または離間させる(接離動させる)構成が採用されている(「第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの少なくとも一方」が電極ユニット3bで「第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの他方」が電極ユニット2bの構成の例)。なお、この基板検査装置1Bでは、電極ユニット2bが規定位置に固定されている。
この基板検査装置1Bによる検査対象基板Xの検査に際しては、検査対象基板Xに対応して各プローブ23,33が植設された上側テストフィクスチャ2aおよび下側テストフィクスチャ3aと、互いに接触可能に接続用電極24,34が配設された電極ユニット2b,3bとを用意して基板検査装置1Bに装着する。なお、用意した上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2b、下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bの装着時に、他の「検査対象基板」に対応した他の上側テストフィクスチャ2a,電極ユニット2b、下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bが装着されているときには、以下に説明する装着作業とは逆の手順でそれらを予め取り外す。
一方、上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2b、下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bの装着時には、一例として、最初に、押圧用ピン22およびプローブ23が植設されている面を下向きにして上側テストフィクスチャ2aを移動機構4aに固定すると共に、接続用電極24が植設されている面を下向きにして電極ユニット2bを規定位置に固定する。次いで、支持用ピン32およびプローブ33が植設されている面を上向きにして下側テストフィクスチャ3aを規定位置に固定すると共に、接続用電極34が植設されている面を上向きにして電極ユニット3bを移動機構4cに固定する。これにより、電極ユニット2bの接続用電極24における先端部と電極ユニット3bの接続用電極34における先端部とが互いに離間して対向した状態(「各第1の電極と各第2の電極とが非接触状態」の一例)で、上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2b、下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bの固定が完了する。続いて、電極ユニット3bの接続用配線35aおよび下側テストフィクスチャ3aの接続用配線35bをスキャナ5に接続する。以上により、上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bや下側テストフィクスチャ3aおよび電極ユニット3bの装着作業が完了する。
続いて、検査対象基板Xの検査を開始する。具体的には、上側テストフィクスチャ2aと下側テストフィクスチャ3aとの間に検査対象基板Xを搬入し、下側テストフィクスチャ3aにおける支持用ピン32の上に一面Faを上向きにして(一面Faを上側テストフィクスチャ2aに対向させるようにして)検査対象基板Xを載置する。この際には、検査対象基板Xに対して各プローブ33が非接触の状態で支持用ピン32のみによって検査対象基板Xが支持された状態となる。
次いで、処理部9が、操作部7の操作、または、搬送機構等から出力される信号に基づいて検査対象基板Xのセットが完了したと判別したときに、スキャナ5のすべてのスイッチ41をオン状態に制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御する。これにより、すべての接続用配線35a,35bが抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、スイッチ41,42がオン状態に制御される以前に、各接続用電極34の間および各接続用配線35aの間や、各プローブ33の間および各接続用配線35bの間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、処理部9は、移動機構4aに上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3aから離間させた状態を維持させつつ、移動機構4cを制御して電極ユニット3bを上昇させる(電極ユニット3bを電極ユニット2bに接近させる)。この際には、各接続用電極34の先端部(上端部)が各接続用電極24の先端部(下端部)に接した状態となる(「第1の移動機構によってプローブユニットを基板保持部に対して相対的に接近させて各プローブを検査対象基板に対して接触させるのに先立ち、第2の移動機構を制御して第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットの少なくとも一方(本例では、第2の電極ユニット)を他方(本例では、第1の電極ユニット)に対して相対的に接近させて各第1の電極と各第2の電極とをそれぞれ接触させる」との処理の他の一例)。
この際には、各プローブ23、各接続用配線25および各接続用電極24が、各接続用電極34、各接続用配線35a、各スイッチ41、スイッチ42および抵抗43を介して基準電位に接続された状態となる。したがって、各接続用電極24が各接続用電極34に接した状態となる以前に、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷(各接続用電極24上の電荷)が「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」によって基準電位に放出されて除電された状態となる。
次いで、処理部9は、移動機構4aを制御して上側テストフィクスチャ2aを下降させる(上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3aに接近させる)。この際には、上側テストフィクスチャ2aの各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接触する。この際に、プローブ33が一面Faに接触するのに先立って上記の各浮遊容量が除電されているため、一面Faに接したプローブ23を介して検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスが加わる事態(浮遊容量に蓄積されていた電荷が検査対象基板Xに流入する事態)が回避される。
続いて、移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aがさらに下降させられたときには、各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接した状態でそれぞれ縮長させられると共に、上側テストフィクスチャ2aの押圧用ピン22が検査対象基板Xの一面Faに接触する。この状態で上側テストフィクスチャ2aがさらに下降させられたときには、各プローブ23が縮長させられることなく検査対象基板Xの一面Faに接触した状態が維持されて、押圧用ピン22によって一面Faを下向きに押圧された検査対象基板Xが基部21(押圧用ピン22)と共に下降させられる。
これにより、下側テストフィクスチャ3aの支持用ピン32が縮長させられると共に、各プローブ33が検査対象基板Xの他面Fbに接触させられる。この後、処理部9は、各プローブ33が十分に縮長されて検査対象基板Xの他面Fbに十分な押圧力で押しつけられた状態となるまで上側テストフィクスチャ2aが下降させられたときに、移動機構4aによる上側テストフィクスチャ2aの下降を停止させる。
この後、処理部9は、スキャナ5のスイッチ42をオフ状態に制御すると共に、「被測定量」を測定すべきプローブ23,33に接続されているスイッチ41だけをオン状態に制御し、かつ他のスイッチ41をオフ状態に制御して測定部6による「被測定量」の測定を実行させる処理を繰り返し実行する。また、処理部9は、測定された「被測定量」および記憶部10に記憶されている検査用基準値に基づき、検査対象基板Xの良否を判定する。さらに、処理部9は、測定すべきすべての「被測定量」の測定が完了したときに、移動機構4aを制御して上側テストフィクスチャ2aを上昇させ、かつ移動機構4cを制御して電極ユニット2bを上昇させる(上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bを下側テストフィクスチャ3aから離間させる)。この後、検査を完了した検査対象基板Xを上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bと下側テストフィクスチャ3aとの間から搬出することにより、1枚の検査対象基板Xについての検査処理が完了する。
このように、この基板検査装置1Bでは、上側テストフィクスチャ2a、電極ユニット2b、下側テストフィクスチャ3a、移動機構4a、測定部6および処理部9を備えると共に、各接続用電極24に対して接触可能に配設されて測定部6に接続される複数の接続用電極34を有する電極ユニット3bと、電極ユニット2b,3bの少なくとも一方(本例では、電極ユニット3b)を他方(電極ユニット2b)に対して相対的に接離動させる移動機構4cと、各接続用電極34と測定部6との間に配設されて各接続用電極24上の電荷を基準電位に放出する「除電部(本例ではスイッチ42および抵抗43)」とを備え、処理部9が、移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3aに対して相対的に接近させて各プローブ23を検査対象基板Xに対して接触させるのに先立ち、移動機構4cを制御して電極ユニット3bを電極ユニット2bに対して相対的に接近させて各接続用電極24と各接続用電極34とをそれぞれ接触させる。
したがって、この基板検査装置1Bによれば、出願人が開発した従来の基板検査装置と同様にして、プローブ23を測定部6に接続するための「長尺の接続用ケーブル」が不要となり、この「長尺の接続用ケーブル」における各接続線間の浮遊容量が存在しない状態とすることができる。また、移動機構4aによって各プローブ23が検査対象基板Xに対して接触させられるのに先立って移動機構4cによって電極ユニット3bが電極ユニット2bに接近させられて各接続用電極34が各接続用電極24に対して接触するため、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷が各接続用電極34および各接続用配線35a、スイッチ41および「除電部(本例では、スイッチ42および抵抗43)」を介して基準電位に放出さて接続用電極24上の電荷が除電される。これにより、上記の電荷がプローブ23を介して検査対象基板Xに放出されて検査対象基板Xに対して大きな電気的ストレスを加えることなく、これを好適に検査することができる。
また、この基板検査装置1Bでは、各接続用電極34のうちから処理部9によって指定された接続用電極34を「除電部」および測定部6に対して選択的に接続するスキャナ5を備え、「除電部」が、スイッチ42と抵抗43との「直列回路」を備えると共に「直列回路の一」端がスキャナ5によって選択された接続用電極34に接続されると共に「直列回路」の他端が基準電位に接続されるように構成され、処理部9が、各接続用電極24と各接続用電極34とが互いに接した状態において各接続用電極34が「除電部」にそれぞれ接続されるようにスキャナ5(スイッチ41)を制御すると共に、スイッチ42をオン状態に制御し、測定部6によって「被測定量」を測定するときに、スイッチ42をオフ状態に制御すると共に「被測定量」を測定すべきプローブ23に接続されている各接続用電極34だけが測定部6にそれぞれ接続されるようにスキャナ5を制御する。
したがって、この基板検査装置1Bによれば、各プローブ23の間、各接続用配線25の間、および各接続用電極24の間の各浮遊容量に電荷が蓄積されていたとしても、これらの電荷を確実に基準電位に放出することができると共に、各プローブ23を使用した「被測定量」の測定に際して基準電位の影響が及ぶ事態を好適に回避することができる。
なお、「基板検査装置」の構成は、上記の基板検査装置1,1A,1Bの構成の例に限定されない。例えば、基板検査装置1において、移動機構4によって上側テストフィクスチャ2を下側テストフィクスチャ3に接近させる前に各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させる例について説明したが、移動機構4によって上側テストフィクスチャ2を下側テストフィクスチャ3に接近させて各接続用電極24が各接続用電極34に接してから各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接する状態となる前までの間の任意のタイミングで各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させることもできる。
また、基板検査装置1Aにおいて、移動機構4bによって電極ユニット2bを下側テストフィクスチャ3に接近させる前に各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させる例について説明したが、移動機構4bによって電極ユニット2bを下側テストフィクスチャ3に接近させて各接続用電極24が各接続用電極34に接してから移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3に接近させて各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接する状態となる前までの間の任意のタイミングで各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させることもできる。
同様にして、基板検査装置1Bにおいて、移動機構4cによって電極ユニット3bを電極ユニット2bに接近させる前に各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させる例について説明したが、移動機構4cによって電極ユニット3bを電極ユニット2bに接近させて各接続用電極34が各接続用電極24に接してから移動機構4aによって上側テストフィクスチャ2aを下側テストフィクスチャ3aに接近させて各プローブ23が検査対象基板Xの一面Faに接する状態となる前までの間の任意のタイミングで各スイッチ41およびスイッチ42をオン状態に制御して各接続用配線35aを基準電位に接続させることもできる。
また、スイッチ42および抵抗43が相俟って「除電部」を構成する例について説明したが、「除電部」の構成はこれに限定されない。具体的には、「スイッチ回路」については、電子的スイッチや機械的スイッチで構成することができる。また、「抵抗素子」については、抵抗を用いても良いし、トランジスタや一方向性素子であるダイオードなどを用いることができる。さらに、「スイッチ回路と抵抗素子との直列回路」を1つまたは複数の半導体素子で一体的に構成することができる。また、「測定部」による「被測定量」の測定に影響を与えず、かつ「第2電極」に蓄積された電荷を「基準電位」に放出できる抵抗値を有して常に「基準電位」に接続されている「抵抗」だけで構成する(「スイッチ回路」を備えずに「除電部」を構成する)こともできる。
また、上側テストフィクスチャ2に向けて下側テストフィクスチャ3を移動させる「移動機構」を基板検査装置1の構成に加えたり、上側テストフィクスチャ2aおよび電極ユニット2bに向けて下側テストフィクスチャ3を移動させる「移動機構」を基板検査装置1Aの構成に加えたり、電極ユニット3bに向けて電極ユニット2bを移動させる「移動機構」や、上側テストフィクスチャ2aに向けて下側テストフィクスチャ3aを移動させる「移動機構」を基板検査装置1Bの構成に加えたりすることもできる。さらに、規定位置に固定された「プローブユニット」に対して「基板保持部」を接離動させる構成を採用することもできる。
また、上側テストフィクスチャ2,2aにおける押圧用ピン22のような「検査対象基板を押圧するための部材」をプローブ23とは別個に移動させる構成や、下側テストフィクスチャ3,3aにおける支持用ピン32のような「検査対象基板を保持(支持)するための部材」をプローブ33とは別個に移動させる構成を採用することもできる。加えて、「プローブユニット」に配設された「プローブ」に相当するプローブ23とは別個に「基板保持部」に相当する下側テストフィクスチャ3,3aにプローブ33を配設した構成を例に挙げて説明したが、このプローブ33が存在しない構成を採用することもできる。
1,1A,1B 基板検査装置
2,2a 上側テストフィクスチャ
2b,3b 電極ユニット
3,3a 下側テストフィクスチャ
4,4a~4c 移動機構
5 スキャナ
6 測定部
7 操作部
8 表示部
9 処理部
10 記憶部
21,31 基部
22 押圧用ピン
23,33 プローブ
24,34 接続用電極
25,35a,35b 接続用配線
32 支持用ピン32
41,42 スイッチ
43 抵抗
Fa 一面
Fb 他面
X 検査対象基板
2,2a 上側テストフィクスチャ
2b,3b 電極ユニット
3,3a 下側テストフィクスチャ
4,4a~4c 移動機構
5 スキャナ
6 測定部
7 操作部
8 表示部
9 処理部
10 記憶部
21,31 基部
22 押圧用ピン
23,33 プローブ
24,34 接続用電極
25,35a,35b 接続用配線
32 支持用ピン32
41,42 スイッチ
43 抵抗
Fa 一面
Fb 他面
X 検査対象基板
Claims (3)
- 検査対象基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記検査対象基板にそれぞれ接触させられる複数のプローブを有するプローブユニットと、
前記プローブユニットおよび前記基板保持部の少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる移動機構と、
前記各プローブを介して前記検査対象基板についての予め規定された被測定量を測定する測定部と、
前記移動機構による前記少なくとも一方の前記他方に対する相対的な接離動、および前記測定部による前記被測定量の測定を制御すると共に、測定された当該被測定量に基づいて前記検査対象基板を検査する処理部とを備えた基板検査装置であって、
前記各プローブにそれぞれ接続されて前記プローブユニットの第1の基部に配設された複数の第1の電極、および当該各第1の電極に対して接触可能に前記基板保持部の第2の基部に配設されて前記測定部に接続される複数の第2の電極を有する電極部と、
前記各第2の電極と前記測定部との間に配設されて当該各第2の電極上の電荷を基準電位に放出する除電部とを備え、
前記電極部は、前記各第1の電極および前記各第2の電極の少なくとも一方の電極が伸長方向に常時付勢された伸縮可能構造に形成されると共に、前記移動機構によって前記少なくとも一方が前記他方に対して相対的に離間させられている状態において、前記各第1の電極と前記各第2の電極とが非接触状態となり、当該移動機構によって前記第1の基部が前記第2の基部に対して相対的に接近させられたときに前記各プローブが前記検査対象基板に対して接触するのに先立って前記各第1の電極が前記各第2の電極に対して相対的に接触し、かつ当該移動機構によって当該第1の基部が当該第2の基部に対して相対的にさらに接近させられたときに前記少なくとも一方の電極が縮長させられて当該各プローブの当該検査対象基板に対する接触を許容するように構成されている基板検査装置。 - 検査対象基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部によって保持された前記検査対象基板にそれぞれ接触させられる複数のプローブを有するプローブユニットと、
前記プローブユニットおよび前記基板保持部の少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる第1の移動機構と、
前記各プローブを介して前記検査対象基板についての予め規定された被測定量を測定する測定部と、
前記第1の移動機構による前記少なくとも一方の前記他方に対する相対的な接離動、および前記測定部による前記被測定量の測定を制御すると共に、測定された当該被測定量に基づいて前記検査対象基板を検査する処理部とを備えた基板検査装置であって、
前記各プローブにそれぞれ接続された複数の第1の電極を有する第1の電極ユニット、および当該各第1の電極に対して接触可能に配設されて前記測定部に接続される複数の第2の電極を有する第2の電極ユニットと、
前記第1の電極ユニットおよび前記第2の電極ユニットの少なくとも一方を他方に対して相対的に接離動させる第2の移動機構と、
前記各第2の電極と前記測定部との間に配設されて当該各第2の電極上の電荷を基準電位に放出する除電部とを備え、
前記処理部は、前記第1の移動機構によって前記少なくとも一方を前記他方に対して相対的に接近させて前記各プローブを前記検査対象基板に対して接触させるのに先立ち、前記第2の移動機構を制御して前記少なくとも一方を前記他方に対して相対的に接近させて前記各第1の電極と前記各第2の電極とをそれぞれ接触させる基板検査装置。 - 前記各第2の電極のうちの指定された当該第2の電極を前記除電部および前記測定部に対して選択的に接続するスキャナを備え、
前記除電部は、スイッチ回路と抵抗素子との直列回路を備えると共に当該直列回路の一端が前記スキャナによって選択された前記第2の電極に接続されると共に当該直列回路の他端が前記基準電位に接続されて構成され、
前記処理部は、前記各第1の電極と前記各第2の電極とが互いに接した状態においてすべての前記第2の電極が前記除電部にそれぞれ接続されるように前記スキャナを制御すると共に前記スイッチ回路をオン状態に制御し、かつ前記測定部によって前記被測定量が測定されるときに、前記スイッチ回路をオフ状態に制御すると共に当該被測定量を測定すべき前記プローブに接続されている前記各第2の電極だけが当該測定部にそれぞれ接続されるように前記スキャナを制御する請求項1または2記載の基板検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021116810A JP2023012985A (ja) | 2021-07-15 | 2021-07-15 | 基板検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021116810A JP2023012985A (ja) | 2021-07-15 | 2021-07-15 | 基板検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023012985A true JP2023012985A (ja) | 2023-01-26 |
Family
ID=85129823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021116810A Pending JP2023012985A (ja) | 2021-07-15 | 2021-07-15 | 基板検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023012985A (ja) |
-
2021
- 2021-07-15 JP JP2021116810A patent/JP2023012985A/ja active Pending
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