JP2023012342A - 密封装置 - Google Patents

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昌道 稀代
Masamichi Kidai
裕大 菅野
Yuta Sugano
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Abstract

【課題】部品点数を低減しつつ安定したシール性を確保する。【解決手段】孔Hを有するハウジング110と孔Hに挿入される挿入部材120との間に形成される環状の隙間を密閉する密封装置10であって、孔Hの内周面111に沿う環状の補強環20と、補強環20に固定され、弾性材料で構成される環状のシール部材30と、を備え、シール部材30は、補強環20に固定されるとともに孔Hの内周面に密着した状態でハウジング110に固定される固定部31と、挿入部材120の外周面121に接触する環状のリップ部32と、を有し、リップ部32の内周面FCには、リップ部32の内周面FCの周方向での全域にわたり挿入部材120の外周面121に向けて突出する複数の突起32aが設けられる。【選択図】図1

Description

本開示は、密封装置に関する。
従来、孔を有するハウジングと当該孔に挿入される挿入部材との間の環状の隙間を密封する密封装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の密封装置は、シリンダーヘッドカバーの開口の内周面に取り付けられる環状の取付部と、インジェクションパイプの外周面に密着する環状のシールリップと、を有し、これらがゴム状弾性体により一体で構成される。この密封装置では、取付部に環状の金具が埋設されるとともに、シールリップにガータスプリングが埋設される。
特開2015-152042号公報
ガータスプリング等のスプリングを有しなくても安定したシール性を有する密封装置の実現が望まれる。特許文献1に記載の密封装置では、シールリップの表面がインジェクションパイプの外周面に接触し得る範囲の全域にわたり平滑面である。このため、仮にガータスプリングを省略すると、シリンダーヘッドカバーに対するインジェクションパイプの偏心が生じた場合、シールリップとインジェクションパイプの外周面との接触圧力の周方向での分布に大きな偏りが生じてしまう。この結果、シリンダーヘッドカバーとインジェクションパイプとの間の密封性を低下させる可能性がある。
以上の事情を考慮して、本開示は、部品点数を低減しつつ安定したシール性を確保することができる密封装置の提供を目的とする。
以上の課題を解決するために、本開示の一態様に係る密封装置は、孔を有するハウジングと前記孔に挿入される挿入部材との間に形成される環状の隙間を密閉する密封装置であって、前記孔の内周面に沿う環状の補強環と、前記補強環に固定され、弾性材料で構成される環状のシール部材と、を備え、前記シール部材は、前記補強環に固定されるとともに前記孔の内周面に密着した状態で前記ハウジングに固定される固定部と、前記挿入部材の外周面に接触する環状のリップ部と、を有し、前記リップ部の内周面には、前記リップ部の内周面の周方向での全域にわたり前記挿入部材の外周面に向けて突出する複数の突起が設けられる。
本開示では、部品点数を低減しつつ安定したシール性を有する密封装置を提供することができる。
第1実施形態に係る密封装置の使用例を示す断面図である。 第1実施形態に係る密封装置のリップ部の断面図である。 複数の突起を有するリップ部と挿入部材の外周面との偏心受け側における接触圧力の分布を示す図である。 複数の突起を有するリップ部と挿入部材の外周面との偏心逃げ側における接触圧力の分布を示す図である。 複数の突起を有しないリップ部と挿入部材の外周面との偏心受け側における接触圧力の分布を示す図である。 複数の突起を有しないリップ部と挿入部材の外周面との偏心逃げ側における接触圧力の分布を示す図である。 第2実施形態に係る密封装置のリップ部の断面図である。 第3実施形態に係る密封装置のリップ部の断面図である。 第4実施形態に係る密封装置のリップ部の断面図である。 変形例に係る密封装置の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る密封装置10の使用例を示す断面図である。密封装置10は、孔Hを有するハウジング110と孔Hに挿入される挿入部材120との間に形成される環状の隙間を密封する。密封装置10は、例えば、内燃機関のインジェクションパイプシールまたはプラグチューブシールに好適に用いられる。なお、密封装置10は、インジェクションパイプシールおよびプラグチューブシールの用途に限定されず、例えば、自動車、産業機械または建設機械等の機械に設けられる各種接続構造に用いてもよい。
ハウジング110は、孔Hを有する構造体である。ハウジング110は、例えば、内燃機関のシリンダーヘッドカバーであり、鉄、ステンレス鋼またはアルミニウム合金等の金属材料で構成される。孔Hは、軸線AX1まわりに沿う内周面111で囲まれる空間である。
なお、ハウジング110の形状は、孔Hを有する形状であればよく、図1に示す例に限定されず、任意である。
挿入部材120は、軸線AX2まわりに沿う外周面121を有する棒状の部材である。挿入部材120は、例えば、インジェクションパイプまたはプラグチューブであり、鉄、ステンレス鋼またはアルミニウム合金等の金属材料で構成される。外周面121は、前述のハウジング110の孔Hの内周面111よりも小径である。このため、外周面121と内周面111との間には、環状の隙間が形成される。
なお、図1では、説明の便宜上、挿入部材120が二点鎖線で示される。挿入部材120は、典型的には管体(中空の部材)であるが、これに限定されず、中実の部材であってもよい。また、挿入部材120の形状は、図1に示す例に限定されず、任意である。
図1では、軸線AX1および軸線AX2が互いに一致する状態が示される。なお、軸線AX1および軸線AX2は、互いに一致しなくてもよく、軸線AX1および軸線AX2の一方が他方に対して傾斜してもよい。また、軸線AX1および軸線AX2は、ハウジング110に対する挿入部材120の姿勢の変化に伴って変化してもよい。ただし、軸線AX1および軸線AX2の一方が他方に対して傾斜する場合、その傾斜の角度は、10°以下であり、好ましくは、5°以下である。
以下では、軸線AX1に沿う方向が「軸方向」と称され、軸線AX1に対して直交する方向が「径方向」と称され、軸線AX1まわりの方向が「周方向」と称される。また、軸線AX1に沿ってハウジング110の内側から外側に向かう方向が「X1方向」と称され、X1方向とは反対の方向が「X2方向」と称される。なお、概略的には、軸線AX1および軸線AX2が互いに一致するので、軸線AX2に沿う方向を「軸方向」としてもよいし、軸線AX2に対して直交する方向を「径方向」としてもよいし、軸線AX2まわりの方向を「周方向」としてもよい。
密封装置10は、ハウジング110の孔Hの内周面111と挿入部材120の外周面121との間に形成される環状の隙間を密封する構造体である。図1に示すように、密封装置10は、補強環20とシール部材30とを有する。
補強環20は、軸線AX1まわりに沿ってシール部材30を補強する環状の部材である。補強環20は、ハウジング110の孔Hの内周面111に沿って配置される。ここで、補強環20の外径は、孔Hの内径よりも小さい。補強環20の内径は、挿入部材120の外径よりも大きい。
補強環20は、必要な剛性等を確保する観点から、シール部材30を構成する材料よりも高いヤング率の材料で構成される。具体的には、補強環20は、例えば、樹脂材料または金属材料で構成される。
補強環20を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。当該樹脂材料には、必要に応じて、例えば、ガラス繊維、有機繊維、金属繊維、カーボン繊維または鉱物繊維等の繊維基材が含まれてもよいし、アルミナ等の金属酸化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、または窒化ホウ素等の窒化物で構成される粒子状のフィラーが含まれてもよい。補強環20が樹脂材料で構成される場合、例えば、射出成形により補強環20が製造される。
補強環20を構成する金属材料としては、例えばステンレス鋼またはSPCC(冷間圧延鋼)等が挙げられる。補強環20が金属材料で構成される場合、例えば、プレス加工または鍛造等により補強環20が製造される。
補強環20は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、L字状をなす。すなわち、補強環20は、第1部分21と第2部分22とを有する。第1部分21は、ハウジング110の孔Hの内周面111に沿う筒状をなす。第2部分22は、第1部分21の軸方向での一端から径方向での内側に向けて突出する板状をなす。図1に示す例では、第2部分22は、第1部分21のX2方向での端に接続されており、軸線AX1に直交する方向に広がる。
シール部材30は、補強環20に固定され、ハウジング110の孔Hの内周面111と挿入部材120の外周面121とのそれぞれに密着する環状の弾性部材である。ここで、シール部材30は、内周面111に対して補強環20とともに圧入により固定される。また、シール部材30の内側には、挿入部材120が挿入される。
シール部材30は、弾性材料で構成される。当該弾性材料としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H-NBR)、アクリルゴム(ACM)またはフッ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等のゴム材料またはエラストマー材料が挙げられる。シール部材30は、例えば、補強環20をインサート品とするインサート成形により形成される。当該インサート成形により、補強環20に加硫接着により接合された状態のシール部材30が得られる。なお、シール部材30の一部または全部がPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene:四フッ化エチレン樹脂)等のフッ素系樹脂等の樹脂材料で構成されてもよい。
シール部材30は、固定部31とリップ部32と連結部33とを有する。これらは、前述の弾性材料で一体に構成される。
固定部31は、シール部材30のうち、ハウジング110の孔Hの内周面111に固定される環状の部分である。固定部31は、補強環20に対して加硫接着等により接合される。図1に示す例では、固定部31は、補強環20を包含する。すなわち、固定部31には、補強環20が埋設される。なお、固定部31は、補強環20の全体を覆う態様に限定されず、補強環20の一部を露出させる態様でもよい。
固定部31は、所定の締め代をもってハウジング110の孔Hに挿入される。ここで、固定部31の外径は、固定部31が孔Hに挿入されない状態(自然状態)でハウジング110の孔Hの内径よりも若干大きい。固定部31の厚さは、ハウジング110の孔Hの内径と挿入部材120の外径との差に応じて、前述の締め代を考慮して決められる。固定部31は、孔Hに挿入されることにより、孔Hの内周面111と補強環20との間で弾性変形する。これにより、固定部31は、孔Hの内周面111に密着した状態でハウジング110に固定される。
図1に示す例では、固定部31の外周面には、その全周にわたり湾曲面31aが設けられる。湾曲面31aは、軸線AX1または軸線AX2を含む平面で切断した横断面でみて、凸湾曲した形状をなす。このため、軸線AX1および軸線AX2の一方が他方に対して傾斜するように固定部31の姿勢が変化しても、その変化が所定範囲内であれば、固定部31と内周面111との安定した密着性が確保される。
リップ部32は、シール部材30のうち、挿入部材120の外周面121に接触する環状の部分である。図1に示す例では、リップ部32の先端が基端よりも径方向での内側に位置するよう、リップ部32がX1方向に向けて縮径した形状をなす。
ここで、リップ部32の先端の内径は、挿入部材120の外径よりも小さい。このため、リップ部32は、挿入部材120の外周面121に全周にわたり密着する。また、軸線AX1または軸線AX2を含む平面で切断した横断面でみて、リップ部32の延びる方向と軸方向とのなす角度は、挿入部材120の外周面121とリップ部32の内周面FCとの好適な接触状態を実現する観点から、鋭角であり、好ましくは、1°以上10°以下である。
リップ部32の内周面FCには、軸方向に並ぶ複数の突起32aが設けられる。各突起32aは、内周面FCの全周にわたり設けられる。なお、突起32aについては、後に図2に基づいて詳述する。
連結部33は、シール部材30のうち、固定部31とリップ部32とを全周にわたり連結する膜状の部分である。連結部33は、固定部31から径方向での内側に向けて延びており、連結部33の径方向での内側の端には、リップ部32が接続される。図1に示す例では、連結部33は、固定部31およびリップ部32のそれぞれのX2方向での端に接続される。また、連結部33の径方向での内側の端が外側の端よりもX1方向に位置するよう、連結部33は、軸線AX1または軸線AX2を含む平面で切断した横断面でみて、径方向に対して傾斜する方向に延びる。
ここで、軸線AX1または軸線AX2を含む平面で切断した横断面でみて、連結部33の延びる方向と径方向とのなす角度は、挿入部材120の偏心に伴って連結部33を好適に変形させる観点から、鋭角であり、好ましくは、1°以上10°以下である。また、連結部33の厚さは、図1に示す例では、リップ部32の厚さと同程度であるが、特に限定されず、任意である。
図2は、第1実施形態に係る密封装置10のリップ部32の断面図である。図2では、図1に示すリップ部32の断面の一部が拡大して示される。前述のように、リップ部32の内周面FCには、複数の突起32aが設けられる。ここで、各突起32aは、リップ部32の内周面FCの先端32bよりもX2方向に位置する。図2に示す例では、先端32bは、リップ部32の先端面と内周面FCとにより周方向での全域にわたり形成される角または縁である。なお、先端32bを内周面FCに設けられる「突起」として捉えてもよい。
複数の突起32aは、軸方向に並ぶ。図2に示す例では、複数の突起32aは、軸方向に等間隔に並ぶ。また、突起32aの数は、3つである。なお、複数の突起32aの間隔は、等間隔でなくてもよい。また、突起32aの数は、2つまたは4つ以上でもよい。
各突起32aの横断面形状は、先端に向けて幅の縮小する形状である。図2に示す例では、各突起32aの横断面形状は、三角形である。ここで、突起32aの先端が幅方向での中心よりもリップ部32の先端32bの近くに位置する。したがって、各突起32aの横断面において先端を挟む2つの辺のうち、先端32bに近いほうの辺の長さが、先端32bに遠いほうの辺の長さよりも短い。なお、当該2つの辺の長さの比は、任意である。
複数の突起32aのそれぞれの高さhは、複数の突起32aのうちの隣り合う2つの突起32aの中心間距離Lよりも小さい。また、複数の突起32aのそれぞれの高さhは、複数の突起32aのそれぞれの幅Wよりも小さい。図2に示す例では、幅Wが中心間距離Lに等しい。なお、高さhは、幅W以上であってもよいし、中心間距離L以上であってもよい。また、幅Wは、中心間距離Lよりも小さくてもよい。
以上のリップ部32では、前述のように先端32bが挿入部材120に向かうようにリップ部32が軸方向に対して傾斜する方向に延びる。このため、挿入部材120の偏心が生じていない場合、先端32bが挿入部材120の外周面121に全周にわたり接触する。ここで、先端32bは、軸方向で局所的に外周面121に接触する。なお、挿入部材120の偏心が生じていない場合、先端32bのほか、複数の突起32aのうちの少なくとも1つの突起32aが挿入部材120の外周面121に全周にわたり接触してもよい。
図3は、複数の突起32aを有するリップ部32と挿入部材120の外周面121との偏心受け側における接触圧力の分布を示す図である。図4は、複数の突起32aを有するリップ部32と挿入部材120の外周面121との偏心逃げ側における接触圧力の分布を示す図である。図5は、複数の突起32aを有しないリップ部と挿入部材120の外周面121との偏心受け側における接触圧力の分布を示す図である。図6は、複数の突起32aを有しないリップ部と挿入部材120の外周面121との偏心逃げ側における接触圧力の分布を示す図である。なお、図3から図6中、横軸「位置」は、リップ部の基端から先端に向けて延びる方向での位置であり、縦軸「接触圧力」は、リップ部と外周面121との接触圧力である。また、「偏心受け側」とは、挿入部材120の偏心に伴って挿入部材120が近づく側であり、「偏心逃げ側」とは、挿入部材120の偏心に伴って挿入部材120が遠ざかる側である。
挿入部材120の偏心が生じた場合でも、先端32bが挿入部材120の外周面121に全周にわたり接触する。ここで、リップ部32のうち、挿入部材120の偏心に伴って挿入部材120が近づく側の部分では、先端32bのほか、複数の突起32aのうちの少なくとも1つの突起32aが挿入部材120の外周面121に接触する。当該少なくとも1つの突起32aは、複数の突起32aのうち最も先端32bに近い突起32aを含む。このため、外周面121に対する先端32bによる軸方向での局所的な接触状態が維持される。また、当該少なくとも1つの突起32aのそれぞれも、軸方向で局所的に外周面121に接触する。この結果、例えば、図3に示すように、複数の突起32aを有する構成の偏心受け側では、接触圧力の複数のピークが得られる。図3に示す例では、当該ピークの数が4つである。
一方、リップ部32のうち、挿入部材120の偏心に伴って挿入部材120が遠ざかる側の部分では、少なくとも先端32bが挿入部材120の外周面121に接触する。この結果、例えば、図4に示すように、複数の突起32aを有する構成の偏心逃げ側では、偏心受け側よりもピークの数が少ないものの、接触圧力の複数のピークが得られる。図4に示す例では、当該ピークの数が2つである。
なお、挿入部材120の偏心が生じた場合、先端32bのほか、複数の突起32aのうちの少なくとも1つの突起32aが挿入部材120の外周面121に全周にわたり接触してもよい。
これに対し、複数の突起32aを有しない構成の偏心受け側では、例えば、図5に示すように、接触圧力の複数のピークが得られない。ここで、図5に示す接触圧力は、図3に示す接触圧力よりも小さい。また、複数の突起32aを有しない構成の偏心逃げ側では、例えば、図6に示すように、接触圧力のピークが得られるものの、当該ビークの数が1つである。また、当該ピークでの接触圧力は、図4に示すピークの接触圧力よりも小さい。
以上のように、密封装置10は、孔Hを有するハウジング110と孔Hに挿入される挿入部材120との間に形成される環状の隙間を密閉する。ここで、前述のように、密封装置10は、孔Hの内周面111に沿う環状の補強環20と、補強環20に固定され、弾性材料で構成される環状のシール部材30と、を備える。シール部材30は、補強環20に固定されるとともに孔Hの内周面111に密着した状態でハウジング110に固定される固定部31と、挿入部材120の外周面121に接触する環状のリップ部32と、を有する。
そのうえで、リップ部32の内周面FCには、リップ部32の内周面FCの周方向での全域にわたり挿入部材120の外周面121に向けて突出する複数の突起32aが設けられる。このため、挿入部材120の偏心が生じた場合、リップ部32の内周面FCを平滑面とした構成に比べて、挿入部材120の外周面121に対するリップ部32の接触圧力の低下を低減することができる。このように、密封装置10は、リップ部32を挿入部材120の外周面121に押し付けるスプリングを用いずに部品点数を低減しても、安定したシール性を有する。
本実施形態では、前述のように、複数の突起32aのそれぞれは、横断面でみて先端に向けて幅の減少する形状をなす。このため、挿入部材120の偏心が生じた場合、突起32aの横断面の幅を一定とした構成に比べて、挿入部材120の外周面121に対するリップ部32の接触圧力の変動を低減することができる。
また、前述のように、複数の突起32aのそれぞれについて、横断面でみて突起32aの先端の位置が突起32aの幅方向での中心よりもリップ部32の先端に近い。このため、密封装置10を組み付ける際、横断面でみて突起32aの幅方向での中心の位置が突起32aの先端よりもリップ部32の先端の近い構成に比べて、リップ部32の内側に挿入部材120を容易に挿入することができる。
さらに、前述のように、複数の突起32aのそれぞれの高さをhとし、複数の突起32aのうちの隣り合う2つの突起32aの中心間距離をLとした場合、h<Lの関係を満たす。このため、突起32aの幅Wが高さhよりも大きくなるので、幅Wが中心間距離Lよりも小さくても、挿入部材120から受ける力による突起32aの形状の変化幅を小さくすることができる。この結果、密封装置10を組み付ける際、突起32aの不本意な変形を低減することができる。
2.第2実施形態
以下、本開示の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態に係る密封装置10Aのリップ部32Aの断面図である。密封装置10Aは、リップ部32に代えてリップ部32Aを有する以外は、前述の第1実施形態の密封装置10と同様に構成される。リップ部32Aは、複数の突起32aに代えて複数の突起32cを有する以外は、リップ部32と同様に構成される。
複数の突起32cは、軸方向に並ぶ。図7に示す例では、複数の突起32cは、軸方向に等間隔に並ぶ。また、突起32cの数は、4つである。なお、複数の突起32cの間隔は、等間隔でなくてもよい。また、突起32cの数は、2つ以上であればよく、4つに限定されない。
各突起32cの横断面形状は、各突起32cの先端面が凸湾曲するように、先端に向けて幅の縮小する形状である。図7に示す例では、各突起32cの横断面形状は、半円形である。また、複数の突起32cのうち最もリップ部32Aの先端に近い突起32cの表面は、リップ部32Aの先端面と連続的に接続する。なお、各突起32cの横断面形状は、半円形に限定されず、例えば、楕円または長円を長軸または短軸に沿って二等分した形状でもよい。
複数の突起32cのそれぞれの高さhは、複数の突起32cのうちの隣り合う2つの突起32cの中心間距離Lよりも小さい。また、複数の突起32cのそれぞれの高さhは、複数の突起32cのそれぞれの幅Wよりも小さい。図7に示す例では、幅Wが中心間距離Lよりも小さい。なお、高さhは、幅W以上であってもよいし、中心間距離L以上であってもよい。また、幅Wは、中心間距離Lに等しくてもよい。
以上の第2実施形態によっても、リップ部32Aを挿入部材120の外周面121に押し付けるスプリングを用いずに部品点数を低減しても、安定したシール性を確保することができる。また、本実施形態では、前述のように、複数の突起32cのそれぞれの先端面は、横断面でみて凸湾曲した形状をなす。このため、挿入部材120の偏心が生じた場合、突起32cの先端面が横断面でみて角張った形状をなす構成に比べて、挿入部材120の外周面121に対するリップ部32Aの接触圧力の変動を低減することができる。
3.第3実施形態
以下、本開示の第3実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図8は、第3実施形態に係る密封装置10Bのリップ部32Bの断面図である。密封装置10Bは、リップ部32に代えてリップ部32Bを有する以外は、前述の第1実施形態の密封装置10と同様に構成される。リップ部32Bは、複数の突起32aに代えて複数の突起32dを有する以外は、リップ部32と同様に構成される。
複数の突起32dは、軸方向に並ぶ。図8に示す例では、複数の突起32dは、軸方向に等間隔に並ぶ。また、突起32dの数は、4つである。なお、複数の突起32dの間隔は、等間隔でなくてもよい。また、突起32dの数は、2つ以上であればよく、4つに限定されない。
各突起32dの横断面形状は、各突起32dの先端面が凸湾曲するように、先端に向けて幅の縮小する形状である。図8に示す例では、各突起32dの横断面形状は、突起32dの先端が幅方向での中心よりもリップ部32Bの先端の近くに位置する形状である。また、複数の突起32dのうち最もリップ部32Bの先端に近い突起32dの表面は、リップ部32Bの先端面と連続的に接続する。
ここで、突起32dの横断面でみて、リップ部32Bの延びる方向に直交して突起32dの先端を通る直線で突起32dを2つの部分に区分した場合、当該2つの部分のうち、リップ部32Bの先端に近いほうの部分の幅Aは、リップ部32Bの先端に遠いほうの部分の幅Bよりも小さい。幅Aおよび幅Bの比(A/B)は、特に限定されず、任意である。
複数の突起32dのそれぞれの高さhは、複数の突起32dのうちの隣り合う2つの突起32dの中心間距離Lよりも小さい。また、複数の突起32dのそれぞれの高さhは、複数の突起32dのそれぞれの幅Wよりも小さい。図8に示す例では、幅Wが中心間距離Lに等しい。なお、高さhは、幅W以上であってもよいし、中心間距離L以上であってもよい。また、幅Wは、中心間距離Lよりも小さくてもよい。
以上の第3実施形態によっても、リップ部32Bを挿入部材120の外周面121に押し付けるスプリングを用いずに部品点数を低減しても、安定したシール性を確保することができる。
4.第4実施形態
以下、本開示の第4実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が前述の実施形態と同様である要素については、前述の実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図9は、第4実施形態に係る密封装置10Cのリップ部32Cの断面図である。密封装置10Cは、リップ部32に代えてリップ部32Cを有する以外は、前述の第1実施形態の密封装置10と同様に構成される。リップ部32Cは、複数の突起32aに代えて複数の突起32eを有する以外は、リップ部32と同様に構成される。
複数の突起32eは、軸方向に並ぶ。図9に示す例では、複数の突起32eは、軸方向に等間隔に並ぶ。また、突起32eの数は、6つである。なお、複数の突起32eの間隔は、等間隔でなくてもよい。また、突起32eの数は、2つ以上であればよく、6つに限定されない。
各突起32eの横断面形状は、各突起32eの先端面が凸湾曲するように、先端に向けて幅の縮小する形状である。図9に示す例では、各突起32eの横断面形状は、楕円または長円を短軸に沿って二等分したような形状である。また、複数の突起32eのうち最もリップ部32Cの先端に近い突起32eの表面は、リップ部32Cの先端面と連続的に接続する。
複数の突起32eのそれぞれの高さhは、複数の突起32eのうちの隣り合う2つの突起32eの中心間距離Lよりも大きい。また、複数の突起32eのそれぞれの高さhは、複数の突起32eのそれぞれの幅Wよりも大きい。図9に示す例では、幅Wが中心間距離Lよりも小さい。なお、幅Wは、中心間距離Lに等しくてもよい。
以上の第4実施形態によっても、リップ部32Cを挿入部材120の外周面121に押し付けるスプリングを用いずに部品点数を低減しても、安定したシール性を確保することができる。また、本実施形態では、複数の突起32eのそれぞれの高さをhとし、複数の突起32eのうちの隣り合う2つの突起32eの中心間距離をLとし、複数の突起32eのそれぞれの幅をWとした場合、h>Lの関係を満たすとともにh>Wの関係を満たす。このため、突起32eの高さhが幅Wよりも大きくても、挿入部材120から受ける力による突起32eの形状の変化を隣り合う突起32eにより制限することができる。この結果、密封装置を組み付ける際、突起32eの不本意な変形を低減することができる。
5.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
5-1.変形例1
前述の各形態では、シール部の内周面に設けられる複数の突起の横断面形状が互いに同じである構成が例示されるが、この構成に限定されず、シール部の内周面に設けられる複数の突起の横断面形状が互いに異なってもよい。例えば、複数の突起の横断面形状は、前述の第1実施形態から第4実施形態の突起の断面形状のうちの2以上を組み合わせてもよい。また、複数の突起の高さが互いに異なってもよいし、複数の突起の幅が互いに異なってもよい。
5-2.変形例2
前述の各形態では、シール部の内周面に設けられる複数の突起が等間隔で配置される構成が例示されるが、この構成に限定されず、シール部の内周面に設けられる複数の突起は等間隔で配置されなくてもよい。
5-3.変形例3
シール部の内周面に設けられる複数の突起のそれぞれは、周方向での全域にわたり一定の高さでなくともよく、互いに高さの異なる複数の部分を有してもよい。ただし、この場合、突起が挿入部材の外周面に全域にわたり密着するように、突起の高さが周方向に沿って連続的に変化することが好ましい。
5-4.変形例4
シール部の内周面に設けられる複数の突起のそれぞれは、周方向での全域にわたり一定の幅でなくともよく、互いに幅の異なる複数の部分を有してもよい。
5-5.変形例5
シール部の内周面に設けられる突起の数は、2以上であればよく、前述の形態に限定されず、任意である。
5-6.変形例6
前述の各形態では、シール部の内周面に設けられる突起が周方向に平行に延びる構成が例示されるが、この構成に限定されず、例えば、突起が周方向に対して傾斜した方向に延びてもよいし、突起が蛇行して周方向に沿って延びてもよい。
図10は、変形例に係る密封装置10Dの断面図である。密封装置10Dは、シール部材30に代えてシール部材30Dを有する以外は、前述の第1実施形態のシール部材30と同様に構成される。シール部材30Dは、リップ部32に代えてリップ部32Dを有する以外は、シール部材30と同様に構成される。リップ部32Dは、複数の突起32aに代えて複数の突起32fを有する以外は、リップ部32と同様に構成される。各突起32fは、蛇行して周方向に沿って延びる。図10に示す例では、径方向にみて各突起32fが波形をなす。なお、径方向にみた各突起32fの形状は、図10に示す例に限定されず、例えば、折れ線状でもよい。
10…密封装置、10A…密封装置、10B…密封装置、10C…密封装置、20…補強環、21…第1部分、22…第2部分、30…シール部材、31…固定部、31a…湾曲面、32…リップ部、32A…リップ部、32B…リップ部、32C…リップ部、32a…突起、32b…先端、32c…突起、32d…突起、32e…突起、33…連結部、110…ハウジング、111…内周面、120…挿入部材、121…外周面、AX1…軸線、AX2…軸線、FC…内周面、H…孔、L…中心間距離、h…高さ、W…幅。

Claims (6)

  1. 孔を有するハウジングと前記孔に挿入される挿入部材との間に形成される環状の隙間を密閉する密封装置であって、
    前記孔の内周面に沿う環状の補強環と、
    前記補強環に固定され、弾性材料で構成される環状のシール部材と、を備え、
    前記シール部材は、
    前記補強環に固定されるとともに前記孔の内周面に密着した状態で前記ハウジングに固定される固定部と、
    前記挿入部材の外周面に接触する環状のリップ部と、を有し、
    前記リップ部の内周面には、前記リップ部の内周面の周方向での全域にわたり前記挿入部材の外周面に向けて突出する複数の突起が設けられる、
    密封装置。
  2. 前記複数の突起のそれぞれは、横断面でみて先端に向けて幅の減少する形状をなす、
    請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記複数の突起のそれぞれについて、横断面でみて突起の先端の位置が突起の幅方向での中心よりも前記リップ部の先端に近い、
    請求項1または2に記載の密封装置。
  4. 前記複数の突起のそれぞれの先端面は、横断面でみて凸湾曲した形状をなす、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の密封装置。
  5. 前記複数の突起のそれぞれの高さをhとし、前記複数の突起のうちの隣り合う2つの突起の中心間距離をLとした場合、
    h<Lの関係を満たす、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
  6. 前記複数の突起のそれぞれの高さをhとし、前記複数の突起のうちの隣り合う2つの突起の中心間距離をLとし、前記複数の突起のそれぞれの幅をWとした場合、
    h>Lの関係を満たすとともにh>Wの関係を満たす、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
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