JP2023011963A - 電気機器 - Google Patents

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保治 内田
Yasuji Uchida
貴洋 浅野
Takahiro Asano
年清 河村
Toshikiyo Kawamura
和晃 西村
Kazuaki Nishimura
泉 藤田
Izumi Fujita
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Abstract

【課題】接合スペースが広くないような場合であっても、第1導電線と第2導電線との接合部の接触面積を十分確保しつつ第1導電線と第2導電線とを電気的及び機械的に接続することができる電気機器を提供する。【解決手段】電気機器は、第1導電線70と、第1導電線70に接合された第2導電線80と、を備え、第1導電線70は、当該第1導電線70の一部を変形させることにより形成された、第2導電線80を挟み込む挟み込み部71を有し、第1導電線70と第2導電線80とは、挟み込み部71において電気的及び機械的に接続されている。【選択図】図3

Description

本開示は、電動機等の電気機器に関し、特に、電気機器における配線同士の電気接続構造に関する。
電動機は、電気掃除機等の家庭用電気機器分野をはじめとして、自動車等の電装分野にも広く用いられている。例えば、二輪自動車又は四輪自動車等の自動車には、ESC(Electronic Stability Control)又はエアサスペンション等に電動機が用いられている。また、自動車のラジエータ等の冷却ファンを駆動するために電動機が用いられている。
電動機としては、ブラシを用いる整流子電動機、及び、ブラシを用いないブラシレス電動機が知られている。
このうち、整流子電動機は、固定子と、回転子と、回転子の回転軸に取り付けられた整流子と、整流子に摺接するブラシとを備える(特許文献1)。
特開2013-135493号公報
電動機等の電気機器では、部品同士を電気的に接続するために配線が用いられる。配線としては、基板にプリント形成されたプリント配線、又は、銅線等の導電線が知られている。
部品同士を導電線によって電気的に接続する場合、1本の導電線によって部品同士を電気的に接続することもあるが、2本の導電線のうちの1本に機能を持たせたり、異なる線種の2本の導電線を用いたりするために、2本の導電線をつなぎ合わせて部品同士を電気的に接続することもある。
例えば、電動機では、電源端子とブラシとを電気的に接続するために、2本の導電線を用いることがある。具体的には、電源端子側の丸線からなる第1導電線の一方の端部と、ブラシに接続された編組線からなる第2導電線の一方の端部とを接合することで、第1導電線と第2導電線とを電気的及び機械的に接続することがある。
2本の導電線を接合する方法としては、2本の導電線の端部同士を重ね合わせて2本の導電線に大電流を流して抵抗溶接により接合する方法、又は、インサート端子等の接続端子を別途用いて接続端子と2本の導電線とを半田接続したりスポット溶接したりして接合する方法等が知られている。
しかしながら、このような従来の接合方法では、接合時又は接合後にスペースが必要となり、2本の導電線の接合部周辺に広い接合スペースが必要となる。特に、電動機の場合、電動機の外径が100mm以下になると、電動機内の空スペースが少なくなるため、従来の接合方法では2本の導電線を接合することが難しくなる。
また、従来の接合方法では、2本の導電線の接合部の接触面積を十分確保することができない場合がある。2本の導電線の接合部の接触面積が小さくなると、接合部の電気抵抗が高くなったり、接合強度が低下して断線したりするおそれがある。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、接合スペースが広くないような場合であっても、第1導電線と第2導電線との接合部の接触面積を十分確保しつつ第1導電線と第2導電線とを電気的及び機械的に接続することができる電気機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る電気機器の一態様は、第1導電線と、前記第1導電線に接合された第2導電線と、を備え、前記第1導電線は、当該第1導電線の一部を変形させることにより形成された、前記第2導電線を挟み込む挟み込み部を有し、前記第1導電線と前記第2導電線とは、前記挟み込み部において電気的及び機械的に接続されている。
本開示によれば、接合スペースが広くないような場合であっても、第1導電線と第2導電線との接合部の接触面積を十分確保しつつ第1導電線と第2導電線とを電気的及び機械的に接続することができる。
実施の形態に係る電動機を模式的に示す断面図である。 実施の形態に係る電動機において、第2ブラケットと第2ブラケットに配置された部品及び配線とを示す平面図である。 実施の形態に係る電動機において、第1導電線と第2導電線との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大斜視図である。 図3のIVA-IVA線における断面図である。 図3のIVB-IVB線における断面図である。 図3のIVC-IVC線における断面図である。 第1導電線と第2導電線とを接合する接合方法の一例を説明するための図である。 第1導電線と第2ブラケットとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。 変形例1に係る電動機において、第2ブラケットと第2ブラケットに配置された部品及び配線とを示す平面図である。 変形例2に係る電動機において、第2ブラケットと第2ブラケットに配置された部品及び配線とを示す平面図である。 変形例3に係る電動機において、第2ブラケットと第2ブラケットに配置された部品及び配線とを示す平面図である。 変形例1に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例2に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例2に係る第1導電線と第2導電線との他の接合状態を示す図である。 変形例3に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例4に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例5に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例6に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例7に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例8に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例9に係る第1導電線と第2導電線との接合状態を示す図である。 変形例10に係る電動機において、第1導電線と第2導電線との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。 図20AのXXB-XXB線における断面図である。 変形例10に係る電動機において、第1導電線と第1ブラケットとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。 変形例11に係る電動機において、第1導電線と第2導電線との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。 図22AのXXIIB-XXIIB線における断面図である。 変形例11に係る電動機において、第1導電線と第1ブラケットとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。 変形例12に係る電動機において、第1導電線と第2導電線との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。 図22AのXXIIB-XXIIB線における断面図である。 変形例12に係る電動機において、第1導電線と第1ブラケットとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、電気機器の一例として、実施の形態に係る電動機1について説明する。まず、図1及び図2を用いて、実施の形態に係る電動機1の構成について説明する。図1は、実施の形態に係る電動機1を模式的に示す断面図である。図2は、同電動機1において、第1ブラケット41と第1ブラケット41に配置された部品及び配線とを示す平面図である。なお、図1において、各部品は模式的に示されており、図示されていない部分も存在する。例えば、第1ブラケット41にはブラシ箱62が設けられているが、図1には、ブラシ箱62は図示されていない。また、図2において、矢印は、電流の流れを示している。
図1に示すように、電動機1は、固定子10(ステータ)と、固定子10の磁力により回転する回転子20(ロータ)と、回転子20が有する回転軸21を支持する第1軸受け31及び第2軸受け32と、第1軸受け31を保持する第1ブラケット41と、第2軸受け32を保持する第2ブラケット42とを備える。
また、電動機1は、ブラシ付き電動機である。したがって、電動機1は、さらに、回転子20の回転軸21に取り付けられた整流子50と、整流子50に摺接するブラシ60とを備える。
本実施の形態における電動機1は、直流により駆動する直流電動機(DCモータ)であり、固定子10として磁石11が用いられているとともに、回転子20としてコイル23を有する電機子が用いられている。また、本実施の形態における電動機1は、例えば自動車のESCまたはエアサスペンション等に用いられる。また、電動機1は小型モータであり、電動機1の外径(直径)は、100mm以下である。本実施の形態において、電動機1の外径は、φ76mmである。
固定子10は、回転子20に作用する磁力を発生する。固定子10は、電機子である回転子20とともに磁気回路を構成している。固定子10は、複数の磁極を有する。具体的には、固定子10は、エアギャップを介して、回転子20の外周面に沿ってN極とS極とが交互に存在するように構成されている。本実施の形態において、固定子10は、トルクを発生するための磁束を作る界磁であり、例えば複数の磁石11(マグネット)からなる界磁石によって構成されている。各磁石11は、例えばS極及びN極を有する永久磁石である。
固定子10を構成する複数の磁石11は、周方向においてN極とS極とが交互に均等に存在するように配置されている。したがって、本実施の形態において、固定子10(磁石11)が発生する主磁束の向きは、回転軸21が含む軸心Cが延伸する方向と直交する方向である。複数の磁石11は、回転子20を囲むようにして周方向において等間隔で配置されており、回転子20が有するコア22の径方向において、外周側に位置している。具体的には、N極及びS極が着磁された複数の磁石11は、N極の磁極中心とS極の磁極中心とが周方向において等間隔となるように配置されている。
一例として、複数の磁石11の各々は、上面視において厚さが略一定の円弧形状であり、第1ブラケット41に固定されている。例えば、各磁石11は、第1ブラケット41の内周面に接着固定されている。
回転子20は、固定子10に作用する磁力を発生する。本実施の形態において、回転子20が発生する主磁束の向きは、回転軸21が含む軸心Cが延伸する方向と直交する方向である。回転子20は、固定子10の磁力によって回転軸21の軸心Cを中心として回転する。
回転子20は、固定子10とエアギャップを介して配置されている。具体的には、回転子20の表面と固定子10の表面との間には微小なエアギャップが存在する。本実施の形態において、回転子20は、インナーロータであり、固定子10の内側に配置されている。具体的には、回転子20は、固定子10を構成する複数の磁石11に囲まれている。
回転子20は、回転軸21を有する。本実施の形態における回転子20は、電機子であり、さらに、コア22とコイル23とを有する。
回転軸21は、回転子20が回転する際の中心となるシャフトである。回転軸21は、軸心C方向である長手方向に延伸している。回転軸21は、例えば金属棒であり、回転子20に固定されている。具体的には、回転軸21は、回転子20の両側に延在するように回転子20が有するコア22の中心を貫いた状態で、コア22に固定されている。回転軸21は、コア22に形成された中心孔に圧入したり、焼き嵌めしたりすることでコア22に固定されている。
回転軸21の第1部位21aは、コア22の一方から突出しており、第1軸受け31に支持されている。本実施の形態において、回転軸21の第1部位21aは、回転軸21の出力側の部位(出力軸)である。具体的には、回転軸21の第1部位21aは、第1軸受け31から突出している。第1軸受け31から突出した回転軸21の先端部(出力側の端部)である第1部位21aには、電動機1によって駆動される負荷が取り付けられる。
一方、回転軸21の第2部位21bは、第2軸受け32に支持されている。本実施の形態において、回転軸21の第2部位21bは、回転軸21の反出力側の部位(反出力軸)である。
一例として、第1軸受け31及び第2軸受け32は、回転軸21を回転自在に支持するベアリングである。このように、回転軸21は、回転自在な状態で第1軸受け31と第2軸受け32とに保持されている。なお、第1軸受け31は、第1ブラケット41に固定されており、第2軸受け32は、第2ブラケット42に固定されている。
回転子20のコア22は、回転するロータコア(回転子鉄心)である。また、コア22は、コイル23が巻回された電機子コアである。コア22は、例えば、所定形状に形成された複数の打ち抜き電磁鋼板が回転軸21の軸心Cの方向に積層された積層体である。なお、コア22は、電磁鋼板の積層体に限るものではなく、磁性材料によって構成されたバルク体であってもよい。コア22の外周面と固定子10の各磁石11の内面との間には微小なエアギャップが存在する。
なお、コア22は、複数のティースを有する。複数のティースは、回転軸21の軸心Cと直交する方向(ラジアル方向)に放射状に延在している。また、複数のティースは、回転軸21の回転方向に亘って等間隔に存在している。
回転子20のコイル23は、コア22に巻回された巻線コイルである。コイル23は、例えば、芯線となる導線と、導線を被膜する絶縁膜とを有する電線である。コイル23は、複数のティースの各々に巻回された主コイル(本巻線)を有する。主コイルは、ティースに複数回巻回されている。本実施の形態において、主コイルは、集中巻きである。具体的には、主コイルは、インシュレータを介して各ティースに集中巻きで巻き回された集中巻コイルである。
コイル23は、整流子50と電気的に接続されている。具体的には、コイル23は、整流子50が有する整流子片51と電気的に接続される。整流子50を介してコイル23に電流が流れることで、回転子20は、固定子10に作用させる磁力を発生させる。なお、コイル23は、主コイル以外に、整流子片51の相互間を結線して電気的に接続する渡り線を含む。
第1ブラケット41は、第1軸受け31を保持している。具体的には、第1軸受け31は、第1ブラケット41に設けられた凹部に固定されている。本実施の形態において、第1ブラケット41は、蓋体であり、第2ブラケット42の開口部を覆っている。また、詳細は後述するが、第1ブラケット41は、ブラシ60及び配線等も保持している。
本実施の形態において、第1ブラケット41は、樹脂材料によって構成されている。具体的には、第1ブラケット41は、絶縁性の樹脂材料を用いて一体に成形されている。一例として、第1ブラケット41は、ABS樹脂又はPBT樹脂等によって構成されている。なお、第1ブラケット41は、樹脂材料に限るものではなく、第2ブラケット42と同様に、金属材料によって構成されていてもよい。
第2ブラケット42は、第2軸受け32を保持している。具体的には、第2軸受け32は、第2ブラケット42に設けられた凹部に固定されている。本実施の形態において、第2ブラケット42は、固定子10及び回転子20を収納する筐体(ケース)である。具体的には、第2ブラケット42は、開口部及び底部を有する略有底円筒状のフレームである。一例として、第2ブラケット42は、アルミニウムまたは鉄系材料等の金属材料によって構成されているが、樹脂材料によって構成されていてもよい。なお、第2ブラケット42は、固定子10の一部であってもよい。
本実施の形態における電動機1は、第1ブラケット41と第2ブラケット42とで筐体が構成されている。具体的には、第1ブラケット41と第2ブラケット42とは、電動機1の外郭をなす外郭筐体を構成している。そして、この外郭筐体の中に固定子10と回転子20とが配置されている。
整流子50は、回転軸21に取り付けられている。したがって、整流子50は、回転軸21とともに回転する。本実施の形態において、整流子50は、回転軸21の第1部位21a側に取り付けられている。
整流子50は、複数の整流子片51とモールド樹脂52とを有する。複数の整流子片51の各々は、回転軸21の軸心Cの方向に延伸した整流子片である。複数の整流子片51は、回転軸21を囲むように円環状に等間隔で配列されている。各整流子片51は、例えば銅等の金属材料によって構成された導電端子であり、回転子20に巻き回されたコイル23と電気的に接続されている。複数の整流子片51は、回転軸21の回転方向に互いに絶縁分離されており、また、表面が露出するようにモールド樹脂52に埋め込まれている。
整流子50には、ブラシ60が接触している。具体的には、ブラシ60は、整流子50が有する複数の整流子片51の各々と接触している。ブラシ60は、回転子20が有するコイル23に電力を供給するための給電ブラシである。ブラシ60が整流子片51に接触することで、電源端子を介してブラシ60に供給される電機子電流が、整流子片51を介してコイル23に流れる。
一例として、ブラシ60は、カーボンによって構成された導電性のカーボンブラシである。具体的には、ブラシ60は、銅等の金属を含むカーボンブラシである。また、ブラシ60は、長尺状の棒状部材である。本実施の形態において、ブラシ60は、長尺状の略直方体である。このようなブラシ60は、例えば、黒鉛粉と銅紛とバインダー樹脂と硬化剤とを混錬した混錬物を粉砕して略直方体に圧縮成形して焼成することで作製することができる。
図2に示すように、ブラシ60は、ブラシバネ61からの押圧力を受けて、整流子50と常に摺接するように取り付けられている。つまり、ブラシ60は、ブラシバネ61によって整流子50に押し付けられている。これにより、ブラシ60の長手方向の前端部が整流子片51に接している。
ブラシバネ61は、バネ弾性力(バネ復元力)によってブラシ60に押圧(バネ圧)を付与し、ブラシ60を整流子50に向けて付勢している。ブラシバネ61は、ブラシ60の後端部に接している。ブラシ60は、ブラシバネ61からの押圧力を受けて整流子50(整流子片51)に摺接するとともに整流子50との摩耗により回転軸21の軸心Cに向かう方向(径方向)に移動可能に配置されている。本実施の形態において、ブラシバネ61は、ねじりトーションバネである。ブラシバネ61は、第1ブラケット41に保持されている。
ブラシ60は、ブラシ箱62に保持されている。ブラシ箱62は、ブラシ60を保持するブラシホルダである。本実施の形態において、ブラシ箱62は、ブラシ60が収納されるブラシ収納部を有する。具体的には、ブラシ箱62は、四角筒状に形成されている。ブラシ箱62に収納されたブラシ60は、ブラシバネ61によって押し付けられることでブラシ箱62内を摺動する。具体的には、ブラシバネ61に押し付けられたブラシ60は、整流子片51との摩擦によりブラシ60の前端部が摩耗するにつれて、ブラシ箱62内を整流子50に向かって移動する。ブラシ箱62は、絶縁性の樹脂材料によって構成されている。本実施の形態において、ブラシ箱62は、第1ブラケット41の一部であり、第1ブラケット41と一体に成形されている。
ブラシ60は、回転軸21の軸心Cの方向から見たときに、その長手方向が回転軸21の軸心Cと直交する方向(つまり回転軸21の回転の径方向)となるように配置されている。本実施の形態において、ブラシ60は、4つ設けられている。したがって、ブラシバネ61及びブラシ箱62も4つ設けられている。なお、図1に示すように、断面視において、各ブラシ60は、回転軸21の軸心Cと傾斜する姿勢で配置されているが、これに限らない。例えば、各ブラシ60は、回転軸21と直交する姿勢で配置されていてもよい。
図1に示すように、4つのブラシ60は、2つの第1ブラシ60aと2つの第2ブラシ60bとによって構成されている。1つの第1ブラシ60aと1つの第2ブラシ60bは、一対のブラシ60として構成される。つまり、本実施の形態では、第1ブラシ60a及び第2ブラシ60bの一対のブラシ60が2組設けられている。
第1ブラシ60aと第2ブラシ60bとは、整流子50を挟持するように対向して配置される。つまり、第1ブラシ60aと第2ブラシ60bとは、回転軸21の軸心Cを中心に線対称に配置されている。
第1ブラシ60a及び第2ブラシ60bは、直流電源に接続されている。本実施の形態において、第1ブラシ60aは、直流電源の正極側(陽極側)と電気的に接続された正極側ブラシであり、第2ブラシ60bは、直流電源の負極側(陰極側)と電気的に接続された負極側ブラシである。したがって、第1ブラシ60aは、直流電源の正極側に接続された第1電源端子101と電気的に接続されている。また、第2ブラシ60bは、直流電源の負極側に接続された第2電源端子102と電気的に接続されている。
第1電源端子101及び第2電源端子102は、電源から電力を給電するための給電端子である。具体的には、第1電源端子101は、直流電源の正極側に接続される正極側給電端子であり、第2電源端子102は、直流電源の負極側に接続される負極側給電端子である。第1電源端子101及び第2電源端子102は、第1ブラケット41に固定されている。
各ブラシ60は、第1導電線70、第2導電線80及び渡り線90を介して第1電源端子101又は第2電源端子102と電気的に接続されている。したがって、ブラシ60が整流子片51に接することで、第1導電線70、第2導電線80及び渡り線90を介して直流電源からブラシ60に供給される電流(電機子電流)が整流子片51を介して回転子20の各コイル23に流れる。
具体的には、各ブラシ60には、第2導電線80が接続されている。つまり、2本の第1ブラシ60aの各々と2本の第2ブラシ60bの各々とには、1本の第2導電線80が接続されている。したがって、本実施の形態では、4本の第2導電線80が用いられている。そして、正極側ブラシである第1ブラシ60aに接続された2つの第2導電線80は、1本の第1導電線70に接続されている。同様に、負極側ブラシである第2ブラシ60bに接続された2つの第2導電線80は、1本の第1導電線70に接続されている。したがって、本実施の形態では、2本の第1導電線70が用いられている。
第1導電線70と第2導電線80とは電気的及び機械的に接続されている。具体的には、第1導電線70の一方の端部である第1端部70aと第2導電線80の一方の端部である第1端部80aとが接合されている。なお、第1導電線70と第2導電線80との接合部(電気接続構造)の詳細については、後述する。
また、第1導電線70の第2端部70bは、渡り線90に接続されている。具体的には、各第1ブラシ60aに接続された2つの第2導電線80に接合された第1導電線70は、正極側の第1電源端子101に接続された渡り線90と電気的及び機械的に接続されている。同様に、各第2ブラシ60bに接続された2つの第2導電線80に接合された第1導電線70は、負極側の第2電源端子102に接続された渡り線90と電気的及び機械的に接続されている。渡り線90は、例えば、銅等によって構成された丸線であるが、これに限らない。なお、第2導電線80の他方の端部である第2端部は、ブラシ60に接続されている。
第1導電線70と第2導電線80とは、同種の導電線であってもよいし、異種の導電線であってもよい。本実施の形態において、第1導電線70と第2導電線80とは、異種の導電線である。具体的には、第1導電線70は、単線であり、第2導電線80は、編組線である。より具体的には、第1導電線70は、銅によって構成された銅丸線であり、第2導電線80は、複数の銅線によって構成された銅編組線からなるピグテール線である。なお、本実施の形態において、第1導電線70は、チョークコイル線である。
図2の矢印で示されるように、本実施の形態における電動機1では、第1電源端子101に入力された電流は、渡り線90及び第1導電線70を介して2本の第2導電線80によって分流されて2つの第1ブラシ60aに給電される。第1ブラシ60aに到達した電流は、整流子片51及びコイル23を介して2つの第2ブラシ60bへと流れる。2つの第2ブラシ60bに到達した電流は、それぞれに接続された第2導電線80を流れて第1導電線70で合流し、第1導電線70及び渡り線90を介して第2電源端子102に到達する。
以上のように構成される電動機1では、このようにブラシ60に供給される電流が電機子電流(駆動電流)として回転子20のコイル23に流れることで、回転子20(コイル23)に磁束が発生する。そして、この回転子20に生じた磁束と固定子10から生じる磁束との相互作用によって生成された磁気力が回転子20を回転させるトルクとなる。このとき、整流子片51とブラシ60とが接する際の位置関係によって電流が流れる方向が切り替えられる。このように、電流が流れる方向が切り替えられることで、固定子10と回転子20との間に発生する磁力の反発力と吸引力とで一定方向の回転力が生成され、回転子20が回転軸21を中心として回転する。
次に、第1導電線70と第2導電線80との接合部分の詳細構造について、図2を参照しつつ、図3及び図4A~図4Cを用いて説明する。図3は、実施の形態に係る電動機1において、第1導電線70と第2導電線80との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大斜視図である。図4Aは、図3のIVA-IVA線における断面図であり、図4Bは、図3のIVB-IVB線における断面図であり、図4Cは、図3のIVC-IVC線における断面図である。
図3、図4A及び図4Cに示すように、第1導電線70は、第2導電線80を挟み込む挟み込み部71を有する。本実施の形態において、挟み込み部71は、第2導電線80の第1端部80aを包み込むようにして挟み込んでいる。そして、第1導電線70と第2導電線80とは、この挟み込み部71において電気的及び機械的に接続されている。
また、挟み込み部71は、第1導電線70の一部を変形させることにより形成されている。つまり、挟み込み部71は、第1導電線70の一部を利用して形成されている。具体的には、挟み込み部71は、丸線である第1導電線70の第1端部70aをプレス成形することで形成されている。したがって、挟み込み部71は、第1導電線70の第1端部70aに形成されている。
このように、第1導電線70の一部を変形させて形成された挟み込み部71によって第2導電線80を挟み込んで第1導電線70と第2導電線80とを接合することによって、接合スペースが狭くても第1導電線70と第2導電線80とを容易に接合することができるとともに、第1導電線70と第2導電線80との接合部の接触面積を十分確保することができる。
なお、本実施の形態では、1本の第1導電線70に2本の第2導電線80が接合されるので、挟み込み部71は、1本の第1導電線70に2つ形成されている。具体的には、2つの挟み込み部71は、第1導電線70の第1端部70aにおいて、第1導電線70の長手方向に沿って並ぶように形成されている。そして、2本の第2導電線80は、第2導電線80の第1端部80a同士が対向し、かつ、第1導電線70の第1端部70aを中心に第2導電線80の他方の端部である第2端部が反対側に位置するように、2つの挟み込み部71の各々に接合されている。
また、本実施の形態において、第1導電線70と第2導電線80とは、挟み込み部71において溶接により接合されている。具体的には、第1導電線70の挟み込み部71に挟み込まれた第2導電線80と第1導電線70とは、レーザ溶接によって接合されている。
これにより、第1導電線70と第2導電線80とを上側から接合することができる。つまり、第1導電線70と第2導電線80とを接合する際に第1導電線70及び第2導電線80の下側(裏側)に接合用の治具を配置する必要がない。したがって、第1導電線70と第2導電線80とを接合する際の接合スペースが狭くても、第1導電線70と第2導電線80とを容易に接合することができる。挟み込み部71は第1ブラケット41から離間しており、レーザ溶接の熱が第1ブラケット41に伝導して第1ブラケット41が変形することを抑制することができる。
また、本実施の形態において、第1導電線70の長手方向に直交する断面における挟み込み部71の形状は、図4Aに示すように、U字状である。具体的には、挟み込み部71の全体形状は、断面形状がU字状で第1導電線70の長手方向に延在する略U字管形状である。
このように挟み込み部71の断面形状をU字状にすることで、挟み込み部71によって第2導電線80を大きく包み込むことができる。これにより、第1導電線70と第2導電線80との接合部の接触面積を容易に大きくすることができる。
なお、第1導電線70の長手方向における挟み込み部71の長さは、第1導電線70の線径以上であるとよい。これにより、第1導電線70と第2導電線80との接合強度を容易に確保することができる。
また、本実施の形態において、第1導電線70の挟み込み部71は、第1導電線70の長手方向に直交する断面において、第1導電線70の長手方向に直交する方向に関する第2導電線80の長さの半分以上を挟んでいる。
この構成により、第1導電線70と第2導電線80との接触面積を容易に大きくすることができるとともに、第1導電線70と第2導電線80との接合強度を向上させることができる。なお、第2導電線80が挟み込み部71により挟み込まれる部分は、第2導電線80の半分を下回っていてもよい。
また、本実施の形態では、1本の第1導電線70に2本の第2導電線80が接合されている。したがって、図3及び図4Cに示すように、第1導電線70の第1端部70aには、第1導電線70の長手方向に沿って2つの挟み込み部71が形成されている。
さらに、図3に示すように、第1導電線70は、第2導電線80と挟み込み部71とをかしめることで固定するかしめ部71aを有する。かしめ部71aは、挟み込み部71の少なくとも一部を変形することにより形成される。具体的には、かしめ部71aは、挟み込み部71の一部を内側に窪ませるように挟み込み部71の一部を塑性変形することにより形成されている。本実施の形態において、かしめ部71aは、挟み込み部71の周方向に沿って溝状に延在するように左右一対で形成された凹部であるが、これに限るものではない。例えば、かしめ部71aは、1つ又は複数のドット状に形成された凹部であってもよい。
このように、挟み込み部71にかしめ部71aを形成することで、第2導電線80を挟み込み部71に配置したときに第2導電線80を第1導電線70に仮固定することができる。これにより、第1導電線70と第2導電線80との接合作業を容易に行うことができる。また、挟み込み部71にかしめ部71aを形成することで、第2導電線80と挟み込み部71とがかしめられて接合するので、第1導電線70と第2導電線80との接合部の接合強度を向上させることもできる。
また、図3、図4B及び図4Cに示すように、第1導電線70は、第1導電線70を第1ブラケット41に固定するための固定部72を有する。つまり、第1ブラケット41は、第1導電線70が固定される基台として機能する。
固定部72は、第1導電線70の一部を変形させることにより形成されている。つまり、固定部72は、挟み込み部71と同様に、第1導電線70の一部を利用して形成されている。具体的には、固定部72は、丸線である第1導電線70の第1端部70aをプレス成形することで形成されている。したがって、固定部72は、第1導電線70の第1端部70aに形成されている。
このように、第1導電線70に固定部72を設けることで、第1導電線70が固定される基台である第1ブラケット41に第1導電線70を容易に固定することができる。また、第1導電線70を第1ブラケット41に固定することで、耐振動性に優れた電気接続構造を実現することができる。
また、本実施の形態において、固定部72は、第1導電線70の一部が平坦な板状に変形された平坦部である。そして、第1導電線70と第1ブラケット41とは、第1ブラケット41の一部が固定部72に係止することで固定されている。具体的には、平坦部である固定部72には、貫通孔72aが設けられており、第1導電線70と第1ブラケット41とは、第1ブラケット41の一部が貫通孔72aに貫通して固定部72に係止することで固定されている。
より具体的には、第1ブラケット41には係止部41aが設けられており、この係止部41aの貫通孔72aから突出した部分の一部が第1導電線70の固定部72の表面に係止している。一例として、係止部41aの貫通孔72aから突出した部分は、半球状である。第1導電線70と第1ブラケット41との具体的な固定方法は後述するが、係止部41aは、第1ブラケット41の一部を熱かしめによって変形させることにより形成することができる。
このように、固定部72を平坦な平坦部にして固定部72に形成された貫通孔72aに第1ブラケット41の一部を貫通させることで、第1ブラケット41と第1導電線70との位置合わせを容易に行うことができるとともに、第1ブラケット41の一部を第1導電線70の固定部72に係止させることで、第1導電線70を第1ブラケット41に容易に固定することができる。したがって、狭い作業スペースであっても、第1導電線70と第1ブラケット41とを簡単かつ確実に固定することができる。
また、本実施の形態において、固定部72は、2つの挟み込み部71の間に形成されている。つまり、第1導電線70の第1端部70aには、第1導電線70の長手方向にそって、一方の挟み込み部71、固定部72及び他方の挟み込み部71の順で形成されている。
このように、2つの挟み込み部71の間に固定部72を形成することで、固定部72を中心にして、2本の第2導電線80を線対称の位置に配置することができる。これにより、作業性に優れ且つ接合信頼性の高い電気接続構造を実現することができる。
なお、第1導電線70の線径と第2導電線80の線径とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施の形態において、第1導電線70の線径は、第2導電線80の線径と同じである。一例として、第1導電線70及び第2導電線80の各々の線径は、φ1.3mmである。この場合、第1導電線70の挟み込み部71及び固定部72は、φ1.3mmの第1導電線70の第1端部70aをプレス成形することで形成することができる。また、第1導電線70の線径と第2導電線80の線径とが異なる場合は、第1導電線70の線径は、第2導電線80の線径以上であるとよい。これにより、図4Aに示すように、断面において、第2導電線80の半分以上を挟み込み部71で容易に挟み込むことができる。
上記のように、本実施の形態における第1導電線70は、チョークコイル線である。したがって、図2に示すように、第1導電線70は、当該第1導電線70の一部がコイル状に形成されたコイル部73を有する。
第1導電線70としてチョークコイル線を用いることで、第1ブラシ60aと第1電源端子101との間の電流経路及び第2ブラシ60bと第2電源端子102との間の電流経路にチョークコイル線が挿入される。
このように、第1ブラシ60aと第1電源端子101との間の電流経路に流れる電流に含まれるノイズを除去することができるとともに、第2ブラシ60bと第2電源端子102との間の電流経路に流れる電流に含まれるノイズを除去することができる。
次に、第1導電線70と第2導電線80とを接合する際の接合方法について、図5を用いて説明する。図5は、第1導電線70と第2導電線80とを接合する接合方法の一例を説明するための図である。
まず、図5の(a)に示すように、丸線からなる第1導電線70を用意する。なお、本実施の形態では、コイル部73を有する第1導電線70を用いた。
次に、図5の(b)に示すように、第1導電線70の第1端部70aにプレス加工を施すことで、第1導電線70の第1端部70aに断面U字状の挟み込み部71と平坦部である固定部72とをプレス成形により形成する。なお、本実施の形態では、第1導電線70の第1端部70aには、2つの挟み込み部71と1つの固定部72とを形成した。
次に、図5の(c)に示すように、第2導電線80を用意する。本実施の形態では、1本の第1導電線70に2本の第2導電線80を接合するので、2本の第2導電線80を用意した。
次に、図5の(d)に示すように、第2導電線80を第1導電線70の挟み込み部71に配置する。本実施の形態では、第1導電線70の固定部72を中心に2本の第2導電線80の第1端部80a同士が対向するようにして、第2導電線80の第1端部80aの各々を第1導電線70の2つの挟み込み部71の各々に配置した。その後、第2導電線80と第1導電線70の挟み込み部71とをかしめる。これにより、挟み込み部71にかしめ部71aが形成され、挟み込み部71と第2導電線80とを仮固定することができる。
次に、図5の(e)に示すように、第1導電線70と第2導電線80とを溶接により接合する。具体的には、第1導電線70の挟み込み部71に配置された第2導電線80の第1端部80aに向けてレーザ光を照射することで、第2導電線80の第1端部80aと第1導電線70の挟み込み部71とをレーザ溶接により接合する。これにより、第1導電線70と第2導電線80とを電気的及び機械的に接続することができる。
第1導電線70を単線にすることにより、挟み込み部71や固定部72の形状を所望のものに成形しやすく、また、第1導電線70を編組線にしたものに比べて強度を高くすることができる。
第2導電線80を編組線にすることにより、可動部であるブラシの動きに追随させやすく、ブラシの動きを阻害しない。また、第2導電線80を単線にすることにより、第2導電線80を所望の形状に成形しやすく、また、挟み込み部71との接合に際して挟み込み部71に対する第1端部80aの相対位置を維持しやすい。
次に、第1導電線70と第1ブラケット41とを固定する際の固定方法について、図6を用いて説明する。図6は、第1導電線70と第1ブラケット41とを固定する固定方法の一例を説明するための図である。
まず、図6の(a)に示すように、第1導電線70をプレス成形することで第1導電線70に固定部72を形成し、さらに、パンチング加工を施すことで固定部72にパンチ穴として貫通孔72aを形成する。また、第1ブラケット41の一部に棒状の突起41a1を予め形成しておく。本実施の形態において、突起41a1は、樹脂製の第1ブラケット41と一体に成形されている。したがって、突起41a1は、樹脂棒である。また、突起41a1の長さは、第1導電線70の固定部72の厚さよりも長くしている。
そして、図6の(b)に示すように、第1ブラケット41の突起41a1に第1導電線70の貫通孔72aを挿通させて第1導電線70を第1ブラケット41に配置する。このとき、突起41a1の先端部は、貫通孔72aから突き出る。このように、第1ブラケット41の突起41a1に第1導電線70の貫通孔72aを挿通することで、第1導電線70の動きを規制して第1導電線70の位置合わせをすることができる。
その後、図6の(c)に示すように、熱かしめ治具200を用いて第1導電線70の貫通孔72aから突き出た突起41a1に熱かしめを施すことで突起41a1を変形させて係止部41aを形成する。
本実施の形態において、突起41a1は樹脂棒であるので、熱かしめによって突起41a1が溶融して変形する。具体的には、突起41a1は、第1導電線70の貫通孔72aから突き出した部分が溶融して平面視において貫通孔72aよりも大径となるように固定部72の表面に広がるように塑性変形する。これにより、貫通孔72aから突出した突起41a1の先端部は、熱かしめ治具200の形状に倣って半球状の係止部41aとなって第1導電線70の固定部72に溶着し、係止部41aの顎部が第1導電線70の固定部72に係止する。
このようにして、第1導電線70と第1ブラケット41とを固定することができる。
なお、図5に示される第1導電線70及び第2導電線80の接合と、図6に示される第1導電線70及び第1ブラケット41の固定とは、どちらを先に行ってもよいが、本実施の形態では、第1導電線70及び第2導電線80を第1ブラケット41に配置して第1導電線70と第2導電線80とを接合した後に、第1導電線70と第1ブラケット41とを固定した。
以上、本実施の形態に係る電動機1によれば、第1導電線70は、当該第1導電線70の一部を変形させることにより形成された挟み込み部71を有しており、第1導電線70と第2導電線80とは、挟み込み部71において電気的及び機械的に接続されている。
このように、第1導電線70の一部を変形して形成された挟み込み部71に第2導電線80を配置して第1導電線70と第2導電線80とを接合することで、第1導電線70と第2導電線80とを接合する際の接合スペースが広くなくても、第1導電線70と第2導電線80との接合部の接触面積を十分確保しつつ第1導電線70と第2導電線80とを電気的及び機械的に確実に接続することができる。例えば、図2に示すように、上記実施形態の挟み込み部71や固定部72を用いて、チョークコイル線のコイル部73と第1ブラケット41の内周壁に挟まれた狭い領域に第1導電線70と第2導電線80とを接合することができる。これにより、第1導電線70と第2導電線80との接合部において、電気抵抗が高くなったり接合強度が低下して断線したりすることを抑制することができる。したがって、第1導電線70と第2導電線80との接合の信頼性が高い電気接続構造を実現することができるので、信頼性が高い電動機1を実現することができる。
(変形例)
以上、本開示に係る電動機1等の電気機器について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態における電動機1では、4つのブラシ60として、一対の第1ブラシ60a及び第2ブラシ60bを2組用いたが、これに限らない。例えば、図7に示される電動機2のように、ブラシ60は、一対の第1ブラシ60a及び第2ブラシ60bのみの2つであってもよい。この場合、1本の第1導電線70Xには1本の第2導電線80が接続されるので、第1導電線70Xに形成される挟み込み部71は、1つであってもよい。
また、上記実施の形態における電動機1では、第1導電線70としてコイル部73を有するチョークコイル線を用いたが、これに限らない。例えば、図8に示される電動機3のように、第1導電線70Yは、コイル部73を有さない電線であってもよい。この場合、第1導電線70Yは、短絡線となる。なお、コイル部を有さない第1導電線70Yは、短絡線に限るものではなく、コイル部73以外の機能部を有する電線であってもよい。
あるいは、図7に示される電動機2と図8に示される電動機3とを組み合わせたような電動機であってもよい。具体的には、図9に示される電動機4のように、ブラシ60が一対の第1ブラシ60a及び第2ブラシ60bのみの2つであり、第1導電線70Zがコイル部73を有さない電線であってもよい。この場合、第1導電線70Zに形成される挟み込み部71は、図9に示すように、1つであってもよい。
また、上記実施の形態における電動機1では、第1導電線70の挟み込み部71は、挟み込み部71の底部が第1導電線70の上部に一致するように第1導電線70に形成されていたが、これに限らない。例えば、図10に示される第1導電線70Aのように、挟み込み部71は、その底部が第1導電線70Aの下部に一致するように第1導電線70Aに形成されていてもよい。これにより、第1導電線70Aの挟み込み部71に第2導電線80を配置したときに、第2導電線80と第1導電線70Aとの重なり部分の厚み(高さ)を上記実施の形態の第1導電線70と比べて低くすることができる。この結果、第1導電線70Aと第2導電線80とをより省スペースで接合することができるとともに、第1導電線70Aにおける挟み込み部71の根元部71bと第2導電線80との強度を向上させることができる。したがって、第1導電線70Aと第2導電線80との接合の信頼性を向上させることができる。
なお、図10に示されるように、第1導電線70Aをプレス成形して挟み込み部71を形成する際、挟み込み部71の根元部71bにRを付けて根元部71bを湾曲状に形成するとよい。これにより、第1導電線70Aと第2導電線80とが断線することを抑制できるので、第1導電線70Aと第2導電線80との接合の信頼性を一層向上させることができる。なお、挟み込み部71の根元部71bにRを付けることは、他の形態にも適用することができる。
また、上記実施の形態における電動機1では、第1導電線70の第2端部70bと第2導電線80の第2端部(他方の端部)とが逆向きとなるように第1導電線70と第2導電線80とを引き出して、第1導電線70の第1端部70aと第2導電線80の第1端部80aとを接合したが、これに限らない。例えば、図11に示されるように、第1導電線70Bの第2端部70b(不図示)と第2導電線80の端部とが同じ向きとなるように第1導電線70Bと第2導電線80とを引き出して、第1導電線70Bの第1端部70aと第2導電線80の第1端部80aとを接合してもよい。これにより、第1導電線70Bと第2導電線80とが干渉することを抑制することができる。
なお、上記実施の形態において、第1導電線70には固定部72が設けられていたが、図11に示される第1導電線70Bのように、固定部72は、設けられていなくてもよい。このことが、他の形態にも適用することができる。また、図11に示すように、第1導電線70Bと第2導電線80とを同じ方向に引き出す場合であっても、第1導電線70Bの一部に固定部72を設けてもよい。
また、上記実施の形態において、第1導電線70と第2導電線80とは互いの端部同士が接合されていたが、これに限らない。例えば、図12に示されるように、第1導電線70Bの第1端部70aと第2導電線80の端部以外の箇所とが接合されていてもよい。また、図13に示される第1導電線70Cのように、挟み込み部71を第1導電線70Cの端部以外の箇所に設けて、第1導電線70Cの端部以外の箇所と第2導電線80の第1端部80aとを接合してもよい。このように、第1導電線及び第2導電線の一方が、端部以外の箇所において第1導電線及び第2導電線の他方と接合することで、第1導電線と第2導電線とが干渉することを抑制することができる。
また、上記実施の形態における電動機1では、第1導電線70の挟み込み部71の断面形状は、U字状であったが、これに限らない。例えば、第1導電線70の挟み込み部71の断面形状は、V字状、コの字状、円弧状、多角形の外形を有する形状、又は、これらの一つに類似する形状であってもよい。この場合も、断面U字状の場合と同等の接触強度を得ることができる。さらに、上記実施の形態における電動機1では、第1導電線70の挟み込み部71の内面と第2導電線80の表面との間には隙間が存在しておらず、挟み込み部71の内面全部が第2導電線80の表面と密着していたが、これに限らない。例えば、第1導電線70の断面において、第1導電線70の挟み込み部71の内面と第2導電線80の表面との間の一部に隙間が存在していて、挟み込み部71の内面全部が第2導電線80の表面と密着していなくてもよい。
具体的には、図14に示すように、第1導電線70Dの挟み込み部71Dの断面形状は、V字状を有する形状であってもよい。この場合、第1導電線70Dの挟み込み部71Dの底部と第2導電線80との間に隙間が存在する。
また、上記実施の形態における電動機1において、第1導電線70の挟み込み部71の断面形状は、挟み込み部71と第2導電線80とをかしめる前及びかしめた後のいずれにおいてもU字状であったが、これに限らない。例えば、図15に示される第1導電線70Eのように、挟み込み部71Eの断面形状は、挟み込み部71Eと第2導電線80とをかしめる前がV字状で、挟み込み部71Eと第2導電線80とをかしめた後がU字状であってもよい。この場合、図16に示される第1導電線70Fのように、挟み込み部71Fと第2導電線80との間に隙間が存在していてもよい。
また、上記実施の形態における電動機1において、第1導電線70の挟み込み部71は、第2導電線80を部分的に囲っており、第2導電線80の全周を囲っていなかったが、これに限らない。例えば、図17に示される第1導電線70Gのように、第1導電線70Gの長手方向に直交する断面において、挟み込み部71Gは、第2導電線80の全周を囲っていてもよい。この場合、図17に示すように、かしめる前は挟み込み部71Gを長目のU字状に形成しておいて、挟み込み部71Gと第2導電線80とをかしめることで、第2導電線80の全周を挟み込み部71Gで囲っていてもよい。このように第2導電線80の全周を挟み込み部71Gで囲むことで、第1導電線70Gと第2導電線80との接合部の接触面積をさらに大きくすることができる。
また、図18に示される第1導電線70Hのように、挟み込み部71Hの両端の内面の各々に、内側に突出する凸部71cを形成してもよい。これにより、第2導電線80と挟み込み部71Hとをかしめるときに第2導電線80と挟み込み部71Hとを容易にかしめることができる。この場合、図19に示される第1導電線70Iのように、挟み込み部71Iと第2導電線80との間に隙間が存在していてもよい。
また、上記実施の形態において、第1導電線70と第2導電線80とは、レーザ溶接によって接合されていたが、これに限らない。接合スペースを確保することができれば、第1導電線70と第2導電線80とは、レーザ溶接以外の溶接によって接合されていてもよいし、半田によって接合されていてもよい。また、レーザ溶接などの溶接による溶接が施されておらず、かしめ部71aのみで第1導電線70と第2導電線80とを接合してもよい。この場合、かしめ部71aは挟み込み部71と第2導電線80を仮固定ではなく本固定することとなる。
また、かしめ部71aは挟み込み部71の少なくとも一部を変形させることにより形成すればよく、挟み込み部71の全部を変形させることにより形成してもよい。
また、上記実施の形態において、基台となる第1ブラケット41と第1導電線70とは、第1導電線70の固定部72に設けられた貫通孔72aに第1ブラケット41の一部を貫通させて係止させることで固定されていたが、これに限らない。
例えば、図20A及び図20Bに示される第1導電線70Jのように、平坦部である固定部72Jに貫通孔72aを設けることなく、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとを固定してもよい。図20Aは、変形例10に係る電動機1Jにおいて、第1導電線70Jと第2導電線80との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。また、図20Bは、図20AのXXB-XXB線における断面図である。
図20A及び図20Bに示すように、本変形例における電動機1Jでは、第1導電線70Jの固定部72J(平坦部)の厚み方向と直交する方向(つまり、平坦部である板状の固定部72Jの幅方向)において第1ブラケット41Jの一部が固定部72Jを挟んで固定部72Jに係止することで、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとが固定されている。具体的には、第1ブラケット41Jに一対の係止部41aが設けられており、この一対の係止部41aの先端部が第1導電線70Jの固定部72Jの表面に係止している。一例として、一対の係止部41aの各々の先端部(固定部72から突出した部分)は、半円柱状である。本変形例において、一対の係止部41aは、上に向かって突出するように形成された一対の突起であり、第1導電線70Jの固定部72Jは、一対の係止部41aの側部によって挟み込まれている。
ここで、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとの固定方法について、図21を用いて説明する。図21は、変形例10に係る電動機1Jにおいて、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。
まず、上記実施の形態における第1導電線70の固定部72と同様に、第1導電線70Jの一部をプレス成形することで予め第1導電線70Jに板状の固定部72J(平坦部)を形成しておく。この場合、本変形例では、固定部72Jに貫通孔を設けないので、本変形例における固定部72Jの厚さは、図4Bに示される上記実施の形態における第2導電線80の固定部72の厚さよりも厚くてもよい。これにより、第1導電線70Jの抵抗が高くなることを抑制することができる。また、第1ブラケット41Jの一部に棒状の一対の突起41a1を予め形成しておく。一対の突起41a1は、樹脂製の第1ブラケット41Jと一体に成形される。一対の突起41a1の長さは、第1導電線70Jの固定部72Jの厚さよりも長くしている。また、一対の突起41a1の間隔は、固定部72Jの幅とほぼ同じである。
そして、図21の(a)に示すように、第1ブラケット41Jの一対の突起41a1の間に第1導電線70Jの固定部72Jを挿入することで第1導電線70Jを第1ブラケット41Jに配置する。このとき、一対の突起41a1の先端部は、第1導電線70Jの固定部72Jから突き出る。このように、一対の突起41a1の間に第1導電線70Jの固定部72Jを挿入することで、第1導電線70Jの動きが規制されて第1導電線70Jの位置合わせをすることができる。
その後、図21の(b)~(d)に示すように、熱かしめ治具200Jを用いて一対の突起41a1に熱かしめを施すことで、一対の突起41a1の各々の先端部を変形させて係止部41aを形成する。本変形例でも一対の突起41a1は樹脂棒であるので、熱かしめを施すことで一対の突起41a1の先端部が溶融変形して係止部41aが形成される。このとき、一対の突起41a1の先端部は、熱かしめ治具200Jの凹部の形状に倣って一対の突起41a1が互いに近づく方向に固定部72Jの表面に沿って広がって変形する。つまり、一対の突起41a1の先端部は、固定部72Jの内側に寄るようにして広がっている。これにより、一対の突起41a1の先端部は、半円柱状の係止部41aとなって第1導電線70Jの固定部72Jに溶着し、係止部41aの顎部が第1導電線70Jの固定部72Jに係止する。このようにして、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとを固定することができる。
このように、本変形例によれば、第1導電線70Jの固定部72Jを一対の係止部41aで挟み込むことで第1ブラケット41Jと第1導電線70Jとの位置合わせを容易に行うことができる。また、第1ブラケット41Jの係止部41aを第1導電線70Jの固定部72Jに係止させることで第1導電線70Jを第1ブラケット41Jに容易に固定することができる。したがって、狭い作業スペースであっても、第1導電線70Jと第1ブラケット41Jとを簡単かつ確実に固定することができる。
また、図22A及び図22Bに示される第1導電線70Kのように、平坦部である固定部72Kに切り欠き状の凹部72bを設けて、この凹部72bの部分で一対の係止部41aで第1導電線70Kの固定部72Kを挟み込んでもよい。図22Aは、変形例11に係る電動機1Kにおいて、第1導電線70Kと第2導電線80との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。また、図22Bは、図22AのXXIIB-XXIIB線における断面図である。
図22A及び図22Bに示すように、本変形例における電動機1Kでは、図20A及び図20Bにおける変形例10と同様に、第1導電線70Kの固定部72K(平坦部)の厚み方向と直交する方向(固定部72Kの幅方向)において第1ブラケット41Kの一部が固定部72Kを挟んで固定部72Kに係止することで、第1導電線70Kと第1ブラケット41Kとが固定されている。具体的には、本変形例においても、第1ブラケット41Kには一対の係止部41aが設けられている。また、一対の係止部41aは、上に向かって突出するように形成された一対の突起であり、第1導電線70Kの固定部72Kは、一対の係止部41aの側部によって挟み込まれている。
本変形例における電動機1Kが上記変形例10における電動機1Jと異なる点は、本変形例における第1導電線70Kにおいては、固定部72K(平坦部)に凹部72bが形成されている点である。凹部72bは、第1ブラケット41Kの係止部41aのうち第1導電線70Kの固定部72Kを挟む部分が嵌まるように形成されている。また、凹部72bは、第1導電線70Kの固定部72K(平坦部)の厚み方向と直交する方向(つまり固定部72Kの幅方向)の両方の側部を切り欠くように一対で形成されている。つまり、固定部72Kの幅方向の両サイドの各々に凹部72bが形成されている。また、本変形例において、一対の凹部72bの各々の平面視形状は、半円形である。したがって、第1ブラケット41Kの係止部41aのうち固定部72Kの凹部72bと嵌まり合う部分の断面形状は、円形になっている。
ここで、本変形例における第1導電線70Kと第1ブラケット41Kとの固定方法について、図23を用いて説明する。図23は、変形例11に係る電動機1Kにおいて、第1導電線70Kと第1ブラケット41Kとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。
まず、上記変形例10における第1導電線70Jの固定部72Jと同様に、第1導電線70Kの一部をプレス成形することで予め第1導電線70Kに板状の固定部72K(平坦部)を形成しておく。このとき、本変形例では、固定部72Kに一対の凹部72bを形成する。また、第1ブラケット41Kの一部に棒状の一対の突起41a1を予め形成しておく。一対の突起41a1は、樹脂製の第1ブラケット41Kと一体に成形される。一対の突起41a1の長さは、第1導電線70Kの固定部72Kの厚さよりも長くしている。また、一対の突起41a1の間隔は、一対の凹部72bが形成された部分の固定部72Kの幅とほぼ同じである。
そして、図23の(a)に示すように、第1ブラケット41Kの一対の突起41a1の間に第1導電線70Kの固定部72Kを挿入することで第1導電線70Kを第1ブラケット41Kに配置する。具体的には、第1ブラケット41Kの一対の突起41a1に固定部72Kの一対の凹部72bが嵌まり合うように第1導電線70Kを配置する。このとき、一対の突起41a1の先端部は、第1導電線70Kの固定部72Kから突き出る。このように、一対の突起41a1の間に第1導電線70Kの固定部72Kを挿入することで、第1導電線70Kの動きが規制されて第1導電線70Kの位置合わせをすることができる。特に、本変形例では、固定部72Kに設けられた凹部72bと突起41a1とが嵌まり合うようなっているので、一対の突起41a1の並び方向に対して第1導電線70Kの位置規制を行うことができるだけではなく、一対の突起41a1の並び方向と直交する方向に対しても第1導電線70Kの位置規制を行うことができる。
その後、図23の(b)に示すように、熱かしめ治具200Kを用いて一対の突起41a1に熱かしめを施すことで、一対の突起41a1の各々の先端部を変形させて係止部41aを形成する。本変形例でも一対の突起41a1は樹脂棒であるので、熱かしめを施すことで一対の突起41a1の先端部が溶融変形して係止部41aが形成される。このとき、変形例10と同様に、一対の突起41a1の先端部は、熱かしめ治具200Kの凹部の形状に倣って一対の突起41a1が互いに近づく方向に固定部72Kの表面に沿って広がって変形する。これにより、一対の突起41a1の先端部は、半球状の係止部41aとなり、係止部41aの顎部が第1導電線70Kの固定部72Kに係止する。このようにして、第1導電線70Kと第1ブラケット41Kとを固定することができる。
このように、本変形例でも、第1導電線70Kの固定部72Kを一対の係止部41aで挟み込むことで第1ブラケット41Kと第1導電線70Kとの位置合わせを容易に行うことができるとともに、第1ブラケット41Kの係止部41aを第1導電線70Kの固定部72Kに係止させることで第1導電線70Kを第1ブラケット41Kに容易に固定することができる。したがって、狭い作業スペースであっても、第1導電線70Kと第1ブラケット41Kとを簡単かつ確実に固定することができる。
なお、本変形例において、凹部72bの平面視形状は、半円形としたが、これに限らない。凹部72bの平面視形状は、矩形状等の多角形であってもよいし、その他の任意の形状であってもよい。この場合、第1ブラケット41Kに形成しておく突起41a1の形状は、凹部72bに嵌まる形状あればよい。具体的には、第1ブラケット41Kの突起41a1の凹部72bに対応する部分の外面形状は、凹部72bの内面形状と同じになっていればよい。
また、変形例11において、係止部41aは、第1ブラケット41Kの一部を熱かしめすることで形成したが、これに限らない。例えば、図24A及び図24Bに示される電動機1Lのように、係止部41aは、第1ブラケット41Kの一部を折り曲げることで形成されていてもよい。図24Aは、変形例12に係る電動機1Lにおいて、第1導電線70Lと第2導電線80との接合部分及びその周辺の構造を示す拡大平面図である。また、図24Bは、図24AのXXIVB-XXIV線における断面図である。
図24A及び図24Bに示すように、本変形例における電動機1Lでも、図22A及び図22Bにおける変形例11と同様に、第1導電線70Lの固定部72L(平坦部)の厚み方向と直交する方向(固定部72Lの幅方向)において第1ブラケット41Lの一部が固定部72Lを挟んで固定部72Lに係止することで、第1導電線70Lと第1ブラケット41Lとが固定されている。具体的には、本変形例においても、第1ブラケット41Lには一対の係止部41bが設けられているとともに平坦部である固定部72Lに一対の凹部72bが設けられている。また、一対の係止部41bは、上に向かって突出するように形成された一対の突起であり、一対の係止部41bが固定部72Lの一対の凹部72bの凹部72bに嵌まり合うことで、固定部72Lが一対の係止部41bの側部によって挟み込まれている。
本変形例における電動機1Lと上記変形例11における電動機1Kとが異なる点は、第1ブラケット41Kの係止部41aが熱かしめによる溶融変形により形成されたものではなく、熱を加えて折り曲げる加工によって形成されたものである点である。本変形例において、一対の係止部41bは、断面形状が矩形状の突起の先端部に熱を加えながら折り曲げることで第1導電線70Lの固定部72L(平坦部)の表面に係止する構造になっている。
ここで、本変形例における第1導電線70Lと第1ブラケット41Lとの固定方法について、図25を用いて説明する。図25は、変形例12に係る電動機1Lにおいて、第1導電線70Lと第1ブラケット41Lとを固定する固定方法の一例を説明するための図である。
まず、上記変形例11における第1導電線70Kの固定部72Kと同様に、第1導電線70Lの一部をプレス成形することで予め第1導電線70Lに板状の固定部72L(平坦部)を形成しておく。このとき、本変形例でも、固定部72Lに一対の凹部72bを形成しておく。また、第1ブラケット41Lの一部に板状の一対の突起41b1を予め形成しておく。一対の突起41b1は、樹脂製の第1ブラケット41Lと一体に成形される。一対の突起41b1の長さは、第1導電線70Lの固定部72Lの厚さよりも長くしている。また、本変形例でも、一対の突起41b1の間隔は、一対の凹部72bが形成された部分の固定部72Lの幅とほぼ同じである。
そして、図25の(a)に示すように、第1ブラケット41Lの一対の突起41b1の間に第1導電線70Lの固定部72Lを挿入することで第1導電線70Lを第1ブラケット41Lに配置する。具体的には、第1ブラケット41Lの一対の突起41b1に固定部72Lの一対の凹部72bが嵌まり合うように第1導電線70Lを配置する。このとき、一対の突起41b1の先端部は、第1導電線70Lの固定部72Lから突き出る。このように、本変形例でも、一対の突起41b1と固定部72Lの凹部72bとを嵌め合わせているので、一対の突起41b1の並び方向に対して第1導電線70Lの位置規制を行うことができるとともに、一対の突起41b1の並び方向と直交する方向に対しても第1導電線70Lの位置規制を行うことができる。
その後、図25の(b)に示すように、一対の突起41b1の各々の先端部を一対の突起41b1が近づく方向に熱を加えながら折り曲げて塑性変形させることで係止部41bを形成する。具体的には、一対の突起41b1の先端部は、固定部72Lの内側に寄るようにして傾けられて第1導電線70Lの固定部72Lに溶着している。これにより、一対の突起41b1の先端部は、折り曲げられた係止部41bとなり、係止部41bの先端部が第1導電線70Lの固定部72Lに係止する。このようにして、第1導電線70Lと第1ブラケット41Lとを固定することができる。
このように、本変形例でも、第1導電線70Lの固定部72Lを一対の係止部41bで挟み込むことで第1ブラケット41Lと第1導電線70Lとの位置合わせを容易に行うことができるとともに、第1ブラケット41Lの係止部41bを第1導電線70Lの固定部72Lに係止させることで第1導電線70Lを第1ブラケット41Lに容易に固定することができる。したがって、狭い作業スペースであっても、第1導電線70Lと第1ブラケット41Lとを簡単かつ確実に固定することができる。
なお、本変形例において、第1ブラケット41Lに形成した折り曲げ前の突起41b1は、断面形状が矩形の板形状としたが、これに限らない。折り曲げ前の突起41b1は、断面形状が円形の円柱状等であってもよい。この場合、第1導電線70Lの固定部72Lの凹部72bの形状は、突起41b1が嵌まる形状あればよい。具体的には、凹部72bの内面形状は、突起41b1の外面形状と同じになっていればよい。
また、上記実施の形態において、固定子10は、磁石によって構成されていたが、これに限らない。例えば、固定子10は、固定子巻線(コイル)と固定子コアとによって構成されていてもよい。
また、上記実施の形態において、電動機1は、自動車に搭載される場合について説明したが、これに限らない。例えば、電動機1は、電気掃除機等の家庭用電気機器に搭載されていてもよい。
また、上記実施の形態では、第1導電線70と第2導電線80との電気接続構造を有する電気機器の一例として電動機を例示したが、これに限らない。例えば、第1導電線70と第2導電線80との電気接続構造を有する電気機器は、電動機以外の電気機器であってもよい。この場合、第1導電線70と第2導電線80との電気接続構造は、電気掃除機等の電動機を有する電気機器における電動機以外の箇所に用いられていてもよいし、ディスプレイ等の電動機を有さない電気機器に用いられていてもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
さらに、本開示に係る第1導電線と第2導電線とを接合する技術は、第1導電線と第2導電線とが接合される電気接続構造を有するものであれば、種々の構造物、システム及び設備等、電気機器以外のあらゆるものに適用することができる。
本開示の技術は、自動車等の電装分野及び家庭用電気機器分野に用いられる電動機をはじめとして、種々の電気機器に広く利用することができる。
1、2、3、4、1J、1K、1L 電動機
10 固定子
11 磁石
20 回転子
21 回転軸
21a 第1部位
21b 第2部位
22 コア
23 コイル
31 第1軸受け
32 第2軸受け
41、41J、41K、41L 第1ブラケット
41a、41b 係止部
41a1、41b1 突起
42 第2ブラケット
50 整流子
51 整流子片
52 モールド樹脂
60 ブラシ
60a 第1ブラシ
60b 第2ブラシ
61 ブラシバネ
62 ブラシ箱
70、70A、70B、70C、70D、70E、70F、70G、70H、70I、70J、70K、70L、70X、70Y、70Z 第1導電線
70a、80a 第1端部
70b 第2端部
71、71D、71E、71F、71G、71H、71I 挟み込み部
71a かしめ部
71b 根元部
71c 凸部
72、72J、72K、72L 固定部
72a 貫通孔
72b 凹部
73 コイル部
80 第2導電線
90 渡り線
101 第1電源端子
102 第2電源端子
200、200J、200K 熱かしめ治具

Claims (17)

  1. 第1導電線と、
    前記第1導電線に接合された第2導電線と、を備え、
    前記第1導電線は、当該第1導電線の一部を変形させることにより形成された、前記第2導電線を挟み込む挟み込み部を有し、
    前記第1導電線と前記第2導電線とは、前記挟み込み部において電気的及び機械的に接続されている、
    電気機器。
  2. 前記第1導電線の長手方向に直交する断面において、前記挟み込み部の形状は、U字状、V字状、コの字状、円弧状、多角形の外形を有する形状、又は、これら一つに類似する形状である、
    請求項1に記載の電気機器。
  3. 前記第1導電線の長手方向に直交する断面において、前記挟み込み部は、前記第2導電線の半分以上を挟んでいる、
    請求項1又は2に記載の電気機器。
  4. 前記第1導電線の線径は、前記第2導電線の線径以上である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電気機器。
  5. 前記第1導電線の長手方向に直交する断面において、前記挟み込み部は、前記第2導電線の全周を囲っている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電気機器。
  6. 前記第1導電線と前記第2導電線とは、前記挟み込み部において溶接により接合されている、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の電気機器。
  7. 前記第1導電線は、前記挟み込み部の少なくとも一部を変形させることにより形成され、前記第2導電線と前記挟み込み部とをかしめることで固定するかしめ部を有する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の電気機器。
  8. 前記第1導電線が固定される基台を有し、
    前記第1導電線は、当該第1導電線の一部を変形させることにより形成された、前記第1導電線を前記基台に固定するための固定部を有する、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電気機器。
  9. 前記固定部は、当該第1導電線の一部が平坦な板状に変形された平坦部であり、
    前記第1導電線と前記基台とは、前記基台の一部が前記固定部に係止することで固定されている、
    請求項8に記載の電気機器。
  10. 前記平坦部には、貫通孔が設けられており、
    前記第1導電線と前記基台とは、前記基台の一部が前記貫通孔に貫通して前記平坦部に係止することで固定されている、
    請求項9に記載の電気機器。
  11. 前記第1導電線と前記基台とは、前記平坦部の厚み方向と直交する方向において前記基台の一部が前記平坦部を挟んで前記平坦部に係止することで固定されている、
    請求項9に記載の電気機器。
  12. 前記平坦部には、前記基台の一部のうち前記平坦部を挟む部分が嵌まる切り欠き状の凹部が形成されている、
    請求項11に記載の電気機器。
  13. 前記第1導電線は、当該第1導電線の一部がコイル状に形成されたコイル部を有する、
    請求項1~12のいずれか1項に記載の電気機器。
  14. 前記電気機器は、電動機である、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の電気機器。
  15. 前記電動機は、
    回転軸を有する回転子と、
    前記回転軸に取り付けられた整流子と、
    前記整流子に接するブラシとを備え、
    前記第2導電線は、前記ブラシに接続されている、
    請求項14に記載の電気機器。
  16. 前記第1導電線は、単線である、
    請求項15に記載の電気機器。
  17. 前記電動機の外径は、100mm以下である、
    請求項14~16のいずれか1項に記載の電気機器。
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