JP2023009517A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】消弧装置の収納空間を抑制することができ、小型化が可能な回路遮断器を提供すること。【解決手段】固定接点21を備えた固定接触子2と、可動接点31を備え、その動作により接点の開閉が可能な可動接触子3と、貫通する孔である中空部を有し、前記中空部の一方の開口から流入した気体が前記中空部を通過して他方の開口から流出するように可動接触子に設けられる電極カバー4とを備え、可動接触子43が接点を開く動作によって、前記中空部を気体が吹き抜けることが可能な回路遮断器とする。【選択図】図5
Description
本発明は、回路遮断器に関するものである。
通電状態の回路遮断器において、ハンドルの開閉操作や過電流などにより可動接点と固定接点が開放されると、接点間の電位差によってその間に存在する気体が絶縁破壊されて電流が流れ、アークが発生する。このアークは火災の原因となり得るため、できるだけ速やかに消弧させることが望ましい。特に直流電流の場合は、交流電流のように電圧や電流がゼロになって自然にアークが消弧されることがないので、何らかの消弧手段を設けることが求められる。このため、従来、アークを速やかに消弧させるために回路遮断器内に消弧装置や磁石を設けることが知られている。
特許文献1には、複数の消弧板を備えた消弧装置と、アークを消弧装置側に引き寄せる金属磁性体が設けられた配線用遮断器が記載されている。また、特許文献2には、ケースで保護された永久磁石を配置し、磁力によりアークを湾曲させて消弧させる直流開閉器が記載されている。
これら従来の消弧装置や磁石を用いる消弧方法は、アークの距離を延ばすことにより抵抗値を増大させ電流を通りにくくして消弧するものである。このようにアークの距離を延ばすという観点からの消弧方法では、消弧装置を配置するためのスペースが必要になったり、熱による磁力低下を防ぐための磁石の被覆構造が複雑になったりする問題があった。
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、消弧装置の収納空間を抑制して小型化することができる回路遮断器を提供することである。
上記課題を解決するため、固定接点を備えた固定接触子と、可動接点を備え、その動作により接点の開閉が可能な可動接触子と、貫通する孔である中空部を有し、前記中空部の一方の開口から流入した気体が前記中空部を通過して他方の開口から流出するように可動接触子に設けられる電極カバーとを備え、可動接触子が接点を開く動作によって、前記中空部を気体が吹き抜けることが可能な回路遮断器とする。
また、前記中空部の他方の開口が固定接点に対向する位置にあり、他方の開口の面積が一方の開口の面積より小さい構成とすることが好ましい。
また、接点が閉じた状態において、前記電極カバーが固定接点の少なくとも一部を覆うことが可能である構成とすることが好ましい。
また、前記電極カバーは、アーク熱によって熱せられることにより消弧性ガスを発生させることが可能である構成とすることが好ましい。
また、接点を開閉させる可動接触子の動作が回動動作であって、可動接触子に設けられた前記電極カバーは、前記中空部を形成する内壁の少なくとも一部が可動接触子に対して傾斜しており、前記傾斜の角度が可動接触子の回動軸に近い側と遠い側とで異なる構成とすることが好ましい。
本発明では、消弧装置の収納空間を抑制して小型化することができる回路遮断器を提供することが可能となる。
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図3に示されていることから理解されるように、本実施形態の回路遮断器1は、固定接点21を備えた固定接触子2と、可動接点31を備えた可動接触子3とを備え、可動接触子3の動作によって接点を開閉させることが可能である。可動接触子3には電極カバー4が設けられており、実施形態の電極カバー4は貫通する孔である中空部42を有している。この「貫通する孔」とは、孔の一方の開口から流入した気体が孔を通過して他方の開口から流出することが可能な孔を指す。図4に示されていることから理解されるように、実施形態の電極カバー4は、中空部42の開口の少なくとも一部は閉塞されない状態で可動接触子3に取り付けられている。したがって、図5に示されていることから理解されるように、接点を開くために可動接触子3が固定接点21から離れる動作をすることに伴い、中空部42を空気が吹き抜けて、固定接点21側に向かう空気の流れFiを発生させることができる。
ところで、接点を開くと接点間にアークAが発生するが、中空部42を吹き抜けた空気の流れFiは、アークAに対してその太さを細くする向きで当たるので、アークAの断面積を小さくすることができる。なお、本明細書においてアークAの断面積とは、アークAの延びる方向に垂直な断面の面積のことを指す。アークAの断面積が小さくなることによって抵抗値が大きくなり、電流が流れにくくなってアークAを消弧させることができる。このように、従来の消弧装置に代わり電極カバー4の作用によってアークAを消弧させることができるので、消弧装置の収納空間を抑制することができ、小型化が可能な回路遮断器を提供することが可能となる。
次に、電極カバー4について詳細に説明する。図1乃至図5に示す実施形態の電極カバー4は筒状の構造であり、側壁部41の内側に中空部42が形成されている。この例では、中空部42の開口は、電極カバー4の先端側と基端側とに設けられている。図3及び図4に示されていることから理解されるように、この実施形態の電極カバー4は、基端側開口部421が可動接触子3に対向し、先端側開口部422が固定接点21に対向する向きで、可動接点31が中空部42に収まる位置で可動接触子3に取り付けられている。このとき、基端側開口部421及び先端側開口部422は可動接触子3に取り付けられた状態において開口が閉塞されない程度の大きさで形成されているため、可動接点31の周囲において、中空部42が貫通して空気が吹き抜けることが可能な構造となっている。
図5に示されていることから理解されるように、接点を開くために可動接触子3が固定接点21から離れる方向に動くと、可動接点31と固定接点21との間にアークAが発生する。この実施形態では、このときに電極カバー4の内側を通る空気の流れFiは可動接点31側から固定接点21側へ向かう。このように、アークAの周囲に、アークAの断面積が広がることを抑制する空気の流れが形成されることによって、アークAに電流が流れにくくなりアークAを消弧させることが可能となる。
また、この実施形態では、先端側開口部422の面積が基端側開口部421の面積より小さく形成されていて、中空部42の断面積が空気の流れる方向に向かって小さくなっていく先細りの形状となっている。このような構成とすると、中空部42を吹き抜ける空気の流れFiが、側壁部41の内壁の傾斜にガイドされてアークAに吹き付けるような向きになり、アークAの断面積をさらに小さくすることができる。また、空気の入口側より出口側が細くなることにより、空気の流れFiの速度がより速くなる。空気の流れFiの流速が速くなると、圧力が低下して周りの空気を巻き込みやすくなるため、より効率よくアークを消弧させることができる。なお、この実施形態では、側壁部41の外壁も基端側から先端側に向かって先細りとなる形状を有している。
また、図6に示されていることから理解されるように、接点が閉じた状態において、電極カバー4が固定接点21の少なくとも一部を覆うことが可能であることが好ましい。このような構造であれば、電極カバー4の先端部が、接点開極時に発生するアークAの周囲を覆い、アークAの断面積が大きくなることを規制することができる。さらに、電極カバー4が固定接点21まで覆うことが可能となっていると、接点が離間してアークAが発生し始める時点からアークAに空気を当てることができるので、より早期にアークAの面積を小さくしやすくなる。これにより、消弧性能を向上させることが可能となる。
また、電極カバー4は、アーク熱によって熱せられることにより消弧性ガスを発生可能な構成とすることが好ましい。実施形態の電極カバー4は、アーク熱により熱分解されて消弧性ガスを発生させることが可能な樹脂材料によって形成されている。電極カバー4は、消弧性ガスを発生可能なものであれば、樹脂材料に限らず他の材料で形成されていてもよい。このような構成とすれば、電極カバー4から発生した消弧性ガスを、空気の流れFiによってアークAに吹き付けることができ、より効果的にアークAを消弧させることが可能となる。
また、接点を開閉する可動接触子3の動作が回動動作である回路遮断器1の場合は、電極カバー4は、可動接触子3に設けられた状態において中空部42を形成する内壁の少なくとも一部が可動接触子3に対して傾斜しており、前記傾斜の角度が可動接触子3の回動軸に近い側と遠い側とで異なっていることが好ましい。図7に示されている例では、可動接触子3の先端側に可動接点31が設けられ、その反対の基端側に図示しない回動軸が設けられている。この例において接点が開く際には、軸支された可動接触子3が回動する。この回動動作に伴って中空部42に引き込まれる空気は、前記回動軸から遠い側の空気の流れFi1と、前記回動軸に近い側の空気の流れFi2とで風量に差が生じるおそれがある。例えば、前記回動軸に近い側の空気の流れFi2の風量が減少するような場合は、電極カバー4の側壁部41のうち、前記回動軸に近い方の半円を形成する部分の内壁の傾斜を大きくすれば、空気の流れFi2の流れ込む空間が広がって風量の減少を抑制することができる。これにより、アークAの全周において風量のばらつきを抑制して十分な量の空気を当てやすくなり、消弧性能の向上に寄与することが可能となる。
なお、側壁部41の外壁の傾斜は、内壁の傾斜と平行となるように形成しても良いし、内壁の傾斜角度と異なる角度で傾斜するものであっても良い。図7に示す例の側壁部41の外壁は、内壁と同様に、回動軸に近い方の半円を形成する部分の傾斜が大きい。
なお、上記した側壁部41の傾斜角度を異ならせる電極カバー4は、前記回動軸から遠い側と近い側とで分割可能な構成とすることもできる。図8に示す例のように、電極カバー4の側壁部41が分割可能な構成であれば、一方の側壁部41と他方の側壁部41の傾斜角度を異ならせることが容易となり好ましい。
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、図9に示されていることから理解されるように、貫通する孔である中空部42を有する電極カバー4の、先端側開口部422の開口面積を基端側開口部421の開口面積より大きく形成して末広がりの形状とすることもできる。この実施形態では、側壁部41の外壁も内壁と同様に先端側が基端側より大きくなるように形成されている。なお、接点を閉じた状態で電極カバー4が固定接点21を覆う形状としてもよい。
回路遮断器1に図9に示す例の電極カバー4を設けた場合、図10に示されていることから理解されるように、接点を開く方向に可動接触子3が動作すると、電極カバー4の外側では、固定接点21側に向かう空気の流れFo1が発生し、空気の流れFo1は電極カバー4の外側から中空部42に向かって巻き込まれる空気の流れFo2となる。この例のように、側壁部41の外壁が末広がりの形状となっていると、空気の流れFo1が側壁部41の外壁の傾斜に沿って外側に広がるように進み、電極カバー4の先端側に到達した空気の流れFo2が電極カバー4の内部に巻き込まれやすくなる。電極カバー4の内側に巻き込まれた空気の流れFo2がアークAに当たり、アークAの断面積を小さくすることによってアークAを消弧することが可能となる。
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、実施形態の電極カバー4の内壁及び外壁はともに円錐台形状であるが、内壁または外壁の一方または両方を角錐台形状とした截頭錐体形状としてもよい。
1 回路遮断器
2 固定接触子
21 固定接点
3 可動接触子
31 可動接点
4 電極カバー
42 中空部
2 固定接触子
21 固定接点
3 可動接触子
31 可動接点
4 電極カバー
42 中空部
Claims (5)
- 固定接点を備えた固定接触子と、
可動接点を備え、その動作により接点の開閉が可能な可動接触子と、
貫通する孔である中空部を有し、前記中空部の一方の開口から流入した気体が前記中空部を通過して他方の開口から流出するように可動接触子に設けられる電極カバーとを備え、
可動接触子が接点を開く動作によって、前記中空部を気体が吹き抜けることが可能な回路遮断器。 - 前記中空部の他方の開口が固定接点に対向する位置にあり、
他方の開口の面積が一方の開口の面積より小さい請求項1に記載の回路遮断器。 - 接点が閉じた状態において、前記電極カバーが固定接点の少なくとも一部を覆うことが可能である請求項1または2に記載の回路遮断器。
- 前記電極カバーは、アーク熱によって熱せられることにより消弧性ガスを発生させることが可能である請求項1乃至3のいずれかに記載の回路遮断器。
- 接点を開閉させる可動接触子の動作が回動動作であって、
可動接触子に設けられた前記電極カバーは、前記中空部を形成する内壁の少なくとも一部が可動接触子に対して傾斜しており、前記傾斜の角度が可動接触子の回動軸に近い側と遠い側とで異なる請求項1乃至4のいずれかに記載の回路遮断器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021112879A JP2023009517A (ja) | 2021-07-07 | 2021-07-07 | 回路遮断器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021112879A JP2023009517A (ja) | 2021-07-07 | 2021-07-07 | 回路遮断器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023009517A true JP2023009517A (ja) | 2023-01-20 |
Family
ID=85118452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021112879A Pending JP2023009517A (ja) | 2021-07-07 | 2021-07-07 | 回路遮断器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023009517A (ja) |
-
2021
- 2021-07-07 JP JP2021112879A patent/JP2023009517A/ja active Pending
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