JP2023009476A - 発光装置 - Google Patents

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元太郎 田中
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Abstract

【課題】高い光束の光を発する発光装置を提供する。【解決手段】380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子20と、発光素子20の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材30と、を備えた発光装置100であり、波長変換部材30が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体31と、セラミックス複合体31の光の出射側に配置され、セラミックス複合体31の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜32と、を含み、透光性薄膜32の物理膜厚が、82nm以上140nm以下の範囲内の単一層であり、透光性薄膜32が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなる、発光装置100である。【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)と、LEDやLDの発光素子から発せられた光の波長を変換する蛍光体を含む波長変換部材を備えた発光装置が知られている。このような発光装置は、例えば車載用、一般照明用、液晶表示装置のバックライト、プロジェクターなどの光源に用いられている。
例えば、特許文献1には、バルク状の結晶から成る蛍光体を有し、ヒートシンクを介して蛍光体の熱を排熱する発光デバイスが開示されている。特許文献1には、バルク状の結晶の蛍光体の励起光の入射面に、励起光の反射を防止する反射防止層が形成されていることが開示されている。
特開2014-186882号公報
無機蛍光体と無機酸化物を含むセラミックス複合体を用いた発光装置は、さらに高い光束の光を発する発光装置が求められている。
そこで、本発明の一態様は、高い光束の光を発する発光装置を提供することを目的とする。
第1態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜の物理膜厚が、82nm以上140nm以下の範囲内の単一層であり、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなる、発光装置である。
第2態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなる単一層であり、前記透光性薄膜の下記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する前記透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、下記式(2)から導き出されるL値が0.82以上1.41以下の範囲内である、発光装置である。
=無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)(nm)÷(4×透光性薄膜の屈折率) (1)
L=透光性薄膜の物理膜厚L(nm)÷L (2)
第3態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜の物理膜厚が、250nm以上330nm以下の範囲内の単一層であり、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる、発光装置である。
第4態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層であり、前記透光性薄膜の前記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する前記透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、前記式(2)から導き出されるL値が2.5以上3.5以下の範囲である、発光装置である。
第5態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなり、下記式(3)に基づき算出される透過率差T1が0%以上25%以下の範囲内であること、下記式(4)に基づき算出される第2透過率差T2がマイナス3%以上10%以下の範囲内であること、のうち少なくとも1つを満たす光を発する、発光装置である。
T1=TC-60-TP-60-(TC-0-TP-0) (3)
T2=TC-30-TP-30-(TC-0-TP-0) (4)
(前記式(3)中、TC-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。前記式(4)中、TC-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。前記式(3)及び前記式(4)中、TC-0は、指向角度0度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面から透過光の透過率であり、TP-0は、指向角度0度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。ここで、指向角度0度とは、発光面に垂直な角度であり、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス60度及びマイナス60度の角度であり、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス30度及びマイナス30度の角度である。)
第6態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる第1層と、アルミニウム、ニオブ、タンタル、チタン及びジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物からなる第2層の少なくとも2層を含み、2層以上であるときは、第1層と第2層とが交互に積層されてなり、下記式(5)に基づき算出される第3透過率差T3が、0%以上20%以下の範囲内であること、を満たす光を発する、発光装置である。
T3=TC-45-TP-45-(TC-0-TP-0) (5)
(前記式(5)中、TC-45は、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-45は、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。前記式(5)中、TC-0は、指向角度0度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率であり、TP-0は、指向角度0度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。ここで、指向角度0度とは、発光面に垂直な角度であり、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス45度及びマイナス45度の角度である。)
第7態様は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層であり、CIE1931色度図における色度座標において、指向角度0度における前記発光装置の発光色のx座標xと、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス60度及びマイナス60度の角度である、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度における前記発光装置の発光色のx座標の平均値であるx座標x60との差分Δxの絶対値が0.012以下である、発光装置である。
本発明の一態様によれば、高い光束の光を発する発光装置を提供することができる。
図1は、発光装置の概略平面図である。 図2は、発光装置の概略断面図である。 図3は、波長変換部材の一部を拡大して模式的に表したイメージ図である。 図4は、発光装置の指向角度を示すイメージ図である。 図5は、透光性薄膜を備えた発光装置について、その指向角度0度並びに指向角度プラス60度又は指向角度マイナス60度について、透光性薄膜を透過する光の波長に対する透過率の関係をそれぞれ示す図である。 図6は、波長変換部材の一部を拡大して模式的に表したイメージ図である。 図7、透光性薄膜の物理膜厚と相対光束の関係を示すグラフである。 図8は、実施例A-4に係る発光装置の発光及び比較例a’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図9は、実施例B-6に係る発光装置の発光及び比較例b’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図10は、実施例C-8に係る発光装置の発光及び比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図11は、実施例D-2に係る発光装置の発光及び比較例d’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図12は、実施例C-6に係る発光装置の発光及び比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図13は、実施例C-7に係る発光装置の発光及び比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図14は、実施例C-9に係る発光装置の発光及び比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図15は、実施例C-11に係る発光装置の発光及び比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。 図16は、比較例c’-1に係る発光装置の発光及び比較例c’-4に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。
以下、発光装置を実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係は、JIS Z8110に従う。
発光装置
発光装置は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備え、波長変換部材は、無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、セラミックス複合体の光の出射側に配置され、セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する透光性薄膜と、を含む。以下に発光装置の一例について説明する。
図1は、発光装置の一例を示し、発光装置100の概略平面図であり、図2は、図1に示す発光装置100のII-II’線の概略断面図である。発光装置100は、LED又はLDからなる発光素子20と、発光素子20からの光により励起されて発光するセラミックス複合体31と、セラミックス複合体31の光の出射側に配置された透光性薄膜32と、を含む波長変換部材30とを備える。発光素子20は、基板10上に導電部材60であるバンプを介してフリップチップ実装されている。波長変換部材30は、接着層40を介して発光素子20の発光面上にセラミックス複合体31が設けられている。セラミックス複合体31は、発光素子20側から光が入射する入射面31aとなり、透光性薄膜32側が光の出射面31bとなる。透光性薄膜32は、セラミックス複合体31の出射側に配置されている。発光素子20及び波長変換部材30は、その側面が光を反射する被覆部材50によって覆われている。発光素子20は、基板10上に形成された配線及び導電部材60を介して、発光装置100の外部からの電力の供給を受けて、発光装置100を発光させることができる。発光装置100は、発光素子20を過大な電圧の印加による破壊から防ぐための保護素子等の半導体素子70を含んでいてもよい。被覆部材50は、例えば半導体素子70を覆うように設けられる。被覆部材50は、樹脂51と、着色剤、蛍光体及びフィラーからなる群から選択される少なくとも1種の添加材52を含んでいてもよい。以下、発光装置に用いる各部材について説明する。なお、詳細は、例えば特開2014-112635号公報の開示を参照することもできる。
発光素子
発光素子は、例えば、窒化物半導体を用いた半導体発光素子である、LEDチップ又はLDチップを用いることができる。
発光素子は、好ましくは380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、より好ましくは390nm以上495nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、さらに好ましくは400nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、特に好ましくは420nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。発光素子は、p電極及びn電極が設けられている。発光素子のp電極及びn電極は、発光素子の同じ側の面に形成されていてもよく、異なる側の面に設けられていてもよい。発光素子は、フリップチップ実装されていてもよい。
波長変換部材
セラミックス複合体
セラミックス複合体は、無機蛍光体と、無機酸化物とを含む。
無機蛍光体は、380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子からの光により、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する蛍光を発する。
無機蛍光体
無機蛍光体は、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する蛍光を発するものであればよく、希土類アルミン酸塩蛍光体、ケイ酸塩蛍光体及びβサイアロン蛍光体からなる群から少なくとも1種の蛍光体を含むことが好ましく、希土類アルミン酸塩蛍光体を含むことがより好ましい。
希土類アルミン酸塩蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有することが好ましい。
(Ln 1-aCe(AlGa12 (I)
(前記式(I)中、Lnは、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種の第1希土類元素であり、a、b及びcは、0<a≦0.22、0≦b≦0.4、0<c≦1.1、0.9≦b+c≦1.1を満たす数である。)
希土類アルミン酸塩蛍光体に含まれる第1希土類元素Lnは、Y、Lu、Gd及びTbからなる群から選択される2種以上の元素を含んでいてもよい。第1希土類元素Lnは、Y、Lu及びGdからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。第1希土類元素Lnは、Y及びGdであってもよく、Y及びLuであってもよい。希土類アルミン酸塩蛍光体中に、2種以上の第1希土類元素Lnを含み、第1希土類元素LnがY及びGdの場合、希土類アルミン酸塩蛍光体の組成中、Y及びGdのモル比(Y:Gd)は99.5:0.5から70:30の範囲であることが好ましく、99:1から80:20の範囲内であってもよく、99:1から90:10の範囲内であってもよい。
ケイ酸塩蛍光体は、下記式(II)で表される組成を有することが好ましい。
CaEuMgSiCl (II)
(式(II)中、d、e、f、g及びhは、それぞれ、7.0≦d≦7.94、0.01≦e≦1.0、7.70≦d+e≦7.95、0.9≦f≦1.1、15.6≦g≦16.1、1.90<h≦2.00を満たす数である。)
βサイアロン蛍光体は、下記式(III)で表される組成を有することが好ましい。
Si6-zAl8-z:Eu (0<z≦4.2) (III)
無機酸化物
無機酸化物は、少なくともAlを含み、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の第2希土類元素Lnを含んでいてもよい。セラミックス複合体を構成する原料となる無機酸化物は、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ルテチウム(Lu)が挙げられる。Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の第2希土類元素Lnと、第2希土類元素Ln以外の他の元素を含む複合酸化物であってもよい。複合酸化物としては、例えばイットリウムアルミニウムペロブスカイト(YAlO:YAP)や、イットリウムアルミニウムガーネット(YAl12:YAG)が挙げられる。
セラミックス複合体中の無機蛍光体の含有量は、セラミックス複合体の全体量に対して、例えば5質量%以上98質量%以下の範囲内でもよく、10質量%以上95質量%以下の範囲内でもよい。セラミックス複合体に含まれる無機蛍光体の含有量は、目的とする発光ピーク波長を有する光が得られればよい。
セラミックス複合体の厚さは、50μm以上500μm以下の範囲内であってもよく、60μm以上450μm以下の範囲内であってもよく、70μm以上400μm以下の範囲内であってもよい。波長変換部材として用いるセラミックス複合体の大きさは、発光素子の光の取り出し面を全て覆う大きさであればよい。
セラミックス複合体の屈折率r1は1.76以上1.85以下の範囲内であることが好ましく、1.77以上1.83以下の範囲内であってもよい。セラミックス複合体の屈折率r1がこれらの範囲内であれば、セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する透光性薄膜を光の出射側に配置することで、波長変換部材における反射を低減し、発光装置の光束を高くすることができる。セラミックス複合体に含まれる無機蛍光体が希土類アルミン酸塩蛍光体である場合、セラミックス複合体の屈折率r1を1.76以上1.85以下の範囲内とすることができる。
セラミックス複合体の屈折率r1は、セラミックス複合体中の無機蛍光体の含有量及び無機蛍光体の屈折率と、セラミックス複合体中の無機酸化物の含有量及び無機酸化物の屈折率の和によって算出することができる。具体的には、下記式(6)に基づき求めることができる。セラミックス複合体中に2種以上の無機酸化物を含む場合には、各無機酸化物の含有量と、その無機酸化物の屈折率からセラミックス複合体の屈折率を求めることができる。
Figure 2023009476000002
セラミックス複合体中の無機蛍光体の体積割合の含有量は、下記式(7)及び(8)に基づいて求めることができる。セラミックス複合体中の無機酸化物の体積割合の含有量は、下記式(9)基づき求めることができる。
Figure 2023009476000003
Figure 2023009476000004
Figure 2023009476000005
セラミックス複合体の製造方法
セラミックス複合体は、無機蛍光体及び無機酸化物を混合した原料混合物を、金型プレス及び/又は冷間等方圧加圧(CIP)等のプレス成形法によって成形し、得られた成形体を一次焼成して焼結体を得て、焼結体を必要に応じて熱間等方圧加圧(HIP)等の二次焼成して製造することができる。二次焼成後にアニール処理を行ってもよい。成形体を一次焼成する温度は、1550℃以上2000℃以下の範囲内であればよい。焼結体を二次焼成する温度は、1500℃以上2000℃以下の範囲内であればよい。アニール処理の温度は、一次焼成及び二次焼成の焼成温度よりも低い温度であり、1000℃以上1500℃以下の範囲内であればよい。セラミックス複合体の製造方法の詳細は、特願2020-113289号の開示を参照することができる。
透光性薄膜
透光性薄膜は、セラミックス複合体の光の出射側に配置され、セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する。
第1態様の発光装置は、物理膜厚Lが82nm以上140nm以下の範囲内の単一層である透光性薄膜を含む波長変換部材を備える。波長変換部材が、セラミックス複合体の光の出射側に、物理膜厚Lが82nm以上140nm以下の範囲内の単一層である透光性薄膜を備えていると、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面における光の反射が、透光性薄膜と空気の界面における光の反射で打ち消され、各界面における反射が減るので、高い光束の光が発光装置から発せられる。透光性薄膜の物理膜厚Lは、83nm以上130nm以下の範囲内でもよく、84nm以上125nm以下の範囲内でもよく、85nm以上123nm以下の範囲内でもよい。第1態様の発光装置は、後述するL値が0.82以上1.41以下の範囲内である透光性薄膜を備えていてもよい。
透光性薄膜は、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなるものである。フッ化物は、MgF、CaF、SrF、AlF、NaAlF、NaAl14、LiF、NaF及びKFが挙げられる。フッ化物は、MgF、CaF、SrF、AlF、NaAlF、NaAl14、NaF及びLiFからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。透光性薄膜は、二酸化ケイ素(SiO)からなるものであってもよい。
発光装置から出射する光の反射について、図3に基づき説明する。図3は、発光装置の波長変換部材の一部を拡大して模式的に表したイメージ図である。波長変換部材30は、セラミックス複合体31と、透光性薄膜32と、を含む。発光装置から出射する光は、セラミックス複合体31と透光性薄膜32の第1界面If1で第1反射し、第1周期を有する正弦波の第1反射波Rw1になる。また、発光装置から出射する光は、透光性薄膜32と空気Aの第2界面If2で第2反射し、第2周期を有する正弦波の第2反射波Rw2になる。透光性薄膜32の屈折率r2は、セラミックス複合体31の屈折率r1よりも小さいので、第2反射波Rw2の位相は、第1反射波Rw1の位相と逆転する。逆位相となる第1反射波Rw1と、第2反射波Rw2と、が合成されると、第1反射波Rw1と第2反射Rw2が互いに打ち消し合うため、波長変換部材30内での反射が低減され、より高い光束を有する光を発光装置から出射することができる。図3において、zは光軸を表す。
第2態様の発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層の透光性薄膜を含む波長変換部材を備え、透光性薄膜の下記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する、透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、下記式(2)から導き出されるL値が、0.82以上1.41以下の範囲内である。第2態様の発光装置は、物理膜厚Lが82nm以上140nm以下のフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層である透光性薄膜を備えていてもよい。透明な薄膜の膜厚は、一般的に光学膜厚を指す(小檜山光信著、「光学の基礎理論-フレネル係数、特性マトリクス-」、株式会社オプトロニクス社出版、平成23年2月25日、増補改訂版第1刷の21頁を参照。)。本明細書において、透光性薄膜の光学膜厚Lは、下記式(1)から導き出される値をいい、透光性薄膜の物理膜厚Lは、透光性薄膜の断面SEM写真等から測定された厚さをいう。
=無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)(nm)÷(4×透光性薄膜の屈折率) (1)
L=透光性薄膜の物理膜厚L(nm)÷L (2)
透光性薄膜の光学膜厚Lは、透光性薄膜から出射される光の波長である、無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)を、透光性薄膜と空気の第2界面で反射される第2反射波Rw2の変位(波の高さ)が最も高く(又は低く)なる位相を考慮した数値である4と、透光性薄膜の屈折率の積で除した値(nm)である。前記式(1)において、透光性薄膜の屈折率は、透光性薄膜を構成する原料の屈折率とする。例えば、透光性薄膜がフッ化マグネシウムからなる場合には、透光性薄膜の屈折率は、フッ化マグネシウムの屈折率1.38を用いる。また、例えば、透光性薄膜が二酸化ケイ素からなる場合には、透光性薄膜の屈折率は、二酸化ケイ素の屈折率1.47を用いる。
前記式(2)から導き出されるL値は、透光性薄膜の物理膜厚L(nm)と、前記式(1)から導き出される透光性薄膜の光学膜厚L(nm)の比(L/L)である。前記式(2)から導き出されるL値が1.0に近づくと、図3に示すように、透光性薄膜と空気の界面で発生する第2反射波Rw2と、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面で発生する第1反射波Rw1が逆位相となる位相に近づき、第1反射波Rw1と第2反射波Rw2が互いに打ち消し合う効果が大きくなり、波長変換部材内の反射が低減され、より高い光束の光を発光装置から出射することができる。発光装置に備えられる透光性薄膜は、高い光束の光を出射するために、L値が0.82以上1.41以下の範囲内であることが好ましく、0.82以上1.4以下の範囲内であることがより好ましく、0.85以上1.3以下の範囲内であることがさらに好ましく、0.9以上1.2以下の範囲内であることがよりさらに好ましい。
第3態様の発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層である、物理膜厚Lが250nm以上330nm以下の範囲内の透光性薄膜を含む波長変換部材を備える。波長変換部材が、セラミックス複合体の光の出射側に、物理膜厚Lが250nm以上330nm以下の範囲内の単一層である透光性薄膜を備えていると、指向角度による色度の変化を低減し、配向色度特性を良くすることができる。本明細書において、発光装置を法線方向からみた場合、すなわち、発光装置の発光面である波長変換部材の発光面から垂直な方向から見た場合は、指向角度0度という。指向角度0度の方向は、発光装置の光軸と平行な方向である。指向角度0度から発光装置の発光面と水平方向に傾斜する角度を指向角度θ度とする。また、指向角度ごとの発光色の色度を「配向色度」という場合がある。色度は、CIE(国際照明委員会:Commission intaernationale de l’Eclairage)1931色度図上の色度座標におけるx座標の値(「x値」と記載する場合もある)、y座標の値(「y値」と記載する場合もある)をいう。また、指向角度ごとの配向色度の差を「配向色度特性」という場合がある。指向角度0度のCIE色度図上の色度座標(x、y)と表し、指向角度プラスθ度及び指向角度マイナスθ度の変化による発光色のx座標の平均値及びy座標の平均値を配向色度座標(xθ、yθ)と表す場合がある。プラスθ度及びマイナスθ度は、具体的には、プラス30度及びマイナス30度、プラス45度及びマイナス45度、又は、プラス60度及びマイナス60度のいずれかである。「配向色度特性が良い」とは、指向角度0度におけるx座標xと指向角度θ度における配光色度座標xθとの差分Δx(絶対値)(以下、「配向色度の差分Δx」と記載する場合もある。)の値が小さく、指向角度が変化しても色度の変化が小さいことをいう。「配向色度特性が良い」場合には、指向角度0度におけるy座標yと指向角度θ度における配向色度座標yθとの差分Δy(絶対値)(以下、「配向色度の差分Δy」と記載する場もある。)の値も小さいことが好ましい。「配向色度特性が良くない」とは、指向角度の変化による発光色の配向色度の差分Δxの値が大きく、指向角度が変化すると色度の変化が生じていることをいう。透光性薄膜の物理膜厚Lは、配向色度特性を良くするために、250nm以上330nm以下の範囲内でもよく、250nm以上320nm以下の範囲内でもよく、260nm以上320nm以下の範囲内でもよい。第3態様の発光装置は、後述するL値が2.5以上3.5以下の範囲内である透光性薄膜を備えていてもよい。
図4は、発光装置100に対する指向角度を示すイメージ図である。発光装置100は、発光装置100を法線方向から見た場合、すなわち、光軸zと平行な方向である指向角度0度(図4中、θ=0°)から見た場合は、発光装置の発光面から発光素子の発光ピーク波長が存在する380nm以上500nm以下の範囲内の光が出射されやすい傾向がある。一方、発光装置100は、発光装置の発光面と水平方向に傾斜する角度が大きくなるほど、すなわち指向角度が指向角度プラス90度(図4中、θ=+90°)又は指向角度マイナス90度(図4中、θ=-90°)に近づくほど、無機蛍光体の発光ピーク波長が存在する510nm以上570nm以下の範囲内の光が出射されやすくなる傾向がある。ここで指向角度プラスθ度(+θ°)は、指向角度0度(0°)を中心として発光装置の発光面と水平方向にθ角度傾斜した角度であり、指向角度マイナスθ度(-θ°)は、指向角度プラスθ度(+θ°)の指向角度0度を中心とした直線上の反対側に、発光装置の発光面と水平方向にθ角度傾斜した角度である。
発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層の透光性薄膜を含む波長変換部材を備えており、透光性薄膜が特定の条件を満たすと、光軸zと平行な方向である指向角度0度(図4中、θ=0°)方向では、無機蛍光体の発光(例えば、発光ピーク波長が550nm付近の発光)の透過率が、発光素子の発光(例えば、発光ピーク波長が450nm付近の発光)より高くなる。波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合と比べて、波長変換部材の透過率が高くなり、波長変換部材に含まれる無機蛍光体の発光は、より透光性薄膜を透過しやすくなる。さらに、波長変換部材が透光性薄膜を含む場合の無機蛍光体の発光は、指向角度0度(図4中、θ=0°)方向で、波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合の無機蛍光体の発光と比べて出射されやすい傾向がある。
図5は、波長変換部材が、特定の透光性薄膜を含む場合の透過率を示す図である。図5に示すように指向角度0度(0°)であり、波長変換部材が特定の透光性薄膜を含む場合は、波長470nmを超えると、指向角度プラス60度(+60°)又は指向角度マイナス60度(-60°)の場合よりも、透光性薄膜を備えた波長変換部材の透過率が高くなり、無機蛍光体の発光が出射されやすい。図5中の「0°」は、指向角度0度(0°)を意味する。図5中の「60°」は、指向角度プラス60度又は指向角度マイナス60度(+60°又は-60°)を意味する。透過率は、後述する透過率と同様に測定することができる。図5において、波長変換部材の光の出射側に、物理膜厚が300nmのフッ化マグネシウムからなる透光性薄膜を備える場合を示した。また、セラミックス複合体は、例えば後述するセラミックス複合体Aを用いることができる。なお、図5は、物理膜厚が250nm以上330nm以下の範囲内の透光性薄膜を備えた波長変換部材の例示である。透光性薄膜の物理膜厚は図5において例示した300nmに限定されず、250nm以上330nm以下の範囲内に限定されない。
前述のとおり、指向角度0度(図4中、θ=0°)付近の指向角度においては、波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合には、発光ピーク波長が380nm以上500nm以下の範囲内である発光素子の光が出射されやすくなる傾向がある。
透光性薄膜を含む波長変換部材を備えた発光装置は、指向角度0度において、出射されやすい発光ピーク波長が380nm以上500nm以下の範囲内である発光素子の発光と、透光性薄膜によって透過されやすくなった発光ピーク波長が510nm以上570nm以下の範囲の無機蛍光体の発光と、が混色されるため、指向角度0度に近い領域においても発光素子からの発光のみが強くなって、大きな色度の変化が生じることなく、発光素子からの発光と、無機蛍光体からの発光のバランスが保たれ、配向色度特性がよくなる。
次に、光軸zと平行な方向である指向角度0度(図4中、θ=0°)から発光装置の発光面と水平方向に傾斜する角度、すなわち指向角度が変化した場合について説明する。
光軸zと平行な方向である指向角度0度から発光装置の発光面と水平方向に傾斜する角度、例えば指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度(図4中、x軸又はy軸上のθ=+60°、x軸又はy軸上の-60°)方向では、無機蛍光体の発光(例えば、発光ピーク波長が550nm付近の発光)の透過率が、発光素子の発光(例えば、発光ピーク波長が450nm付近の発光)より低くなる。すなわち、波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合と比べて、波長変換部材が透光性薄膜を含む場合は、指向角度プラス60度方向及び指向角度マイナス60度方向で、波長変換部材に含まれる無機蛍光体の発光は、より透光性薄膜を透過し難くなる。さらに、波長変換部材が透光性薄膜を含む場合の無機蛍光体の発光は、指向角度プラス60度方向及び指向角度マイナス60度方向で、波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合の無機蛍光体の発光と比べて出射され難い傾向がある。
図5に示すように、指向角度プラス60度又は指向角度マイナス60度(+60°又は-60°)であり、波長変換部材が特定の条件を満たす透光性薄膜を備える場合は、波長470nmを超えると、指向角度0度(0°)の場合よりも、透光性薄膜を備えた波長変換部材の透過率が低くなり、無機蛍光体の発光が出射され難い。
前述のとおり、指向角度0°から水平方向に傾斜する角度が大きくなると、例えば、0度からプラス90度又はマイナス90度(図4中、θ=0°からx軸上又はy軸上のθ=+90°、θ=0°からx軸上又はy軸上の-90°)方向に指向角度が変化すると、波長変換部材が透光性薄膜を含まない場合には、510nm以上570nm以下の範囲内である無機蛍光体の発光が出射されやすくなる傾向がある。
透光性薄膜を含む波長変換部材を備えた発光装置は、0度からプラス90度又はマイナス90度まで指向角度が変化した場合、例えばプラス60度又はマイナス60度に指向角度が変化した場合、発光ピーク波長が380nm以上500nm以下の範囲内である発光素子の光と、透光性薄膜によって透過され難くなった510nm以上570nm以下の範囲内である無機蛍光体の発光と、が混色されるため、0度からプラス60度又はマイナス60度に指向角度が変化した場合であっても、無機蛍光体からの発光のみが強くなって、大きな色度の変化が生じることなく、発光素子からの発光と、無機蛍光体からの発光のバランスが保たれ、配向色度特性がよくなる。
このように、指向角度0度方向と、指向角度プラス60度方向又は指向角度マイナス60度方向とで、無機蛍光体の発光と、発光素子の発光との混色の程度が、ある条件の下で同程度となり、指向角度が変化しても色度の変化が小さくなると考えられる。
第4態様の発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層の透光性薄膜を含む波長変換部材を備え、透光性薄膜の前記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する、透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、前記式(2)から導き出されるL値が、2.5以上3.5以下の範囲内である。第4態様の発光装置は、物理膜厚Lが250m以上330m以下のフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層である透光性薄膜を備えていてもよい。発光装置は、前記式(2)から導き出されるL値が、2.5以上3.5以下の範囲内である透光性薄膜を備えていると、指向角度が変化しても色度の変化が小さく、配向色度特性を改善することができる。発光装置に備えられる透光性薄膜は、配向色度特性を改善するために、L値が2.5以上3.5以下の範囲内であることが好ましく、2.5以上3.4以下の範囲内であることがより好ましく、2.5以上3.2以下の範囲内であることがさらに好ましい。
図6は、発光装置の波長変換部材の一部を拡大して模式的に表したイメージ図である。図3及び図6は、拡大の縮尺が同一ではない場合がある。前記式(2)から導き出される550nmに対するL値が3.0に近づくと、380nm以上500nm以下の範囲内の光に対して透光性薄膜32と空気Aの界面If2で発生する第2反射波Rw2と、セラミックス複合体31と透光性薄膜32の界面If1で発生する第1反射波Rw1の位相がずれることによって、波長変換部材30内で反射する光が、透光性薄膜32のL値が1.0に近づく場合よりも多くなり、透光性薄膜32を備えていない場合よりも透過する光が低減される。発光装置が、前記式(2)から導き出されるL値が2.5以上3.5以下の範囲内である透光性薄膜を備えていると、発光装置から出射する光の一部が反射によって低減されるため、指向角度0度においては、発光装置から出射されやすい380nm以上500nm以下の範囲内の光の出射が低減される。また、前記式(2)から導き出されるL値が2.5以上3.5以下の範囲内である透光性薄膜を備え、発光装置から出射される光の指向角度が、指向角度プラス90度又は指向角度マイナス90度に近づくと、発光装置から出射されやすい510nm以上570nm以下の範囲内の光の出射が低減される。発光装置は、L値が2.5以上3.5以下の範囲内である透光性薄膜を備えていると、指向角度0度において出射されやすい380nm以上500nm以下の光の出射が低減され、指向角度がプラス90度又はマイナス90度に近づくと出射されやすい510nm以上570nm以下の出射が低減されるため、指向角度の変化による色ムラを低減することができ、配向色度特性を改善することができる。
第5態様の発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる透光性薄膜を含む波長変換部材を備え、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度プラス60度又は指向角度マイナス60度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差から、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度0度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差を減じた、下記式(3)に基づき算出される第1透過率差T1が、0%以上25%以下の範囲内であること、を満たす光を発することが好ましい。発光装置は、後述する式(4)に基づき算出される第2透過率差T2が、マイナス3%以上10%以下の範囲内であること、を満たす光を発してもよい。フッ化物又は二酸化ケイ素からなる透光性薄膜は、単一層であることが好ましい。
T1=TC-60-TP-60-(TC-0-TP-0) (3)
(式(3)中、TC-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。TP-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。TC-0は、指向角度0度の発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。TP-0は、指向角度0度の無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。指向角度0度とは、発光面に垂直な角度であり、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としてプラス60度及びマイナス60度の角度である。)
波長変換部材の透過光の透過率は、波長変換部材に入射する光の強度Iに対する波長変換部材を透過した光の強度Iの割合をいい、下記式(10)により算出することができる。
透過率(%)=I÷I×100 (10)
ここで、Iは、波長変換部材に入射する発光素子の光の強度であり、Iは、波長変換部材を透過した透過光の強度である。
波長変換部材の発光面からの透過光の強度は、透過光の波長及び指向角度によって異なる。指向角度プラス60度又は指向角度マイナス60度の発光素子の発光ピーク波長と無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面の透過光の透過率の差から、指向角度0度の発光素子の発光ピーク波長と無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差を減じた、第1透過率差T1が0%以上25%以下の範囲内の光を発光装置から発することができれば、指向角度が変化しても指向角度の変化による配向色度の変化が小さく、発光装置の発光の配向色度特性を改善することができる。
発光装置の発光は、前述のとおり、指向角度0度において発光素子の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなる傾向があり、指向角度がプラス90度又はマイナス90度に近づくほど無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなる傾向がある。
発光装置が第1透過率差T1の値が0%以上25%以下の範囲内であることを満たす光を発することができれば、指向角度0度に近い角度で無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度0度に近い角度で大きくなる傾向のある発光素子の発光ピーク波長の光の透過率とのバランスが保たれ、発光装置の発光の配向色度特性が良くなる。
発光装置の発光は、第1透過率差T1が3%以上22%以下の範囲内であることを満たしてもよく、5%以上20%以下の範囲内であることを満たしてもよく、8%以上15%以下の範囲内であることを満たすことが好ましく、10%以上14%以下の範囲内であることを満たすことがより好ましく、11%以上14%以下の範囲内であることを満たすことがさらに好ましく、12.5%以上13.5%以下の範囲内であることを満たすことが特に好ましい。発光装置から発せられる光が、第1透過率差T1が、8%以上15%以下の範囲内であることを満たしていれば、配向色度の差分Δxが小さく、指向角度と配向色度の差分Δxの関係を表すグラフにおいて、指向角度が大きくなってもより水平な直線に近い曲線形状となり、配向色度特性を良くすることができる。
発光装置の発光の第1透過率差T1の値が0%未満又は25%を超えると、指向角度0度に近い角度で、発光素子の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度0度に近い角度で大きくなる傾向のある発光素子の発光ピーク波長の光の透過率がさらに増える。第1透過率差T1が0%未満又は25%を超える発光装置の発光は、色度の変化が大きくなり、配向色度特性が良くない。また、第1透過率差T1の値が0%未満又は25%を超える発光装置の発光は、指向角度がプラス60度又はマイナス60度に近い角度で、無機蛍光体の発光ピーク波長の透過光の透過率が大きくなり、指向角度が大きい角度で大きくなる傾向のある無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率がさらに増えて、色度の変化が生じ、配向色度特性が良くない。
第5態様の発光装置は、フッ化物又は二酸化ケイ素からなる透光性薄膜を含む波長変換部材を備え、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度がプラス30度又はマイナス30度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差から、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度0度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差を減じた、下記式(4)に基づき算出される第2透過率差T2が、マイナス3%以上10%以下の範囲内であること、を満たす光を発することが好ましい。発光装置は、前記式(3)に基づき算出される第1透過率差T1が、0%以上25%以下の範囲内であること、を満たす光を発してもよい。フッ化物又は二酸化ケイ素からなる透光性薄膜は、単一層であることが好ましい。
T2=TC-30-TP-30-(TC-0-TP-0) (4)
(式(4)中、TC-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。TC-0、TP-0は、指向角度0度は、前記式(3)と同義であり、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としてプラス30度及びマイナス30度の角度である。)
発光装置の発光は、第2透過率差T2がマイナス3%以上10%以下の範囲内を満たしていれば、指向角度が変化しても指向角度の変化による色度の変化が小さく、配向色度特性を改善することができる。発光装置の発光の第2透過率差T2は、マイナス2%以上8%以下の範囲内を満たしてもよく、マイナス1.5%以上5%以下の範囲内を満たしてもよい。発光装置の発光の第2透過率差T2は、マイナス1.2%以上4.5%以下の範囲内を満たすことが好ましい。
発光装置の発光の第2透過率差T2がマイナス3%以上10%以下の範囲内を満たしていれば、指向角度0度に近い角度で無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度0度に近い角度で大きくなる傾向のある発光素子の発光ピーク波長の光の透過率とのバランスが保たれ、発光装置の発光の配向色度特性が良くなる。また、発光装置の発光の第2透過率差T2の値がマイナス3%以上10%以下の範囲内を満たしていれば、指向角度がプラス30度又はマイナス30度に近い角度で発光素子の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度が大きくなると、大きくなる傾向のある無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率とのバランスが保たれ、発光装置の発光の配向色度特性が良くなる。
透光性薄膜が単一層である場合、透光性薄膜の屈折率r2は1.32以上1.48以下の範囲内であることが好ましく、1.33以上1.47以下の範囲内でもよい。透光性薄膜の屈折率r2が1.32以上1.48以下の範囲内であれば、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面で発生する第1反射波を、逆位相となる透光性薄膜と空気の界面で発生する第2反射波で打ち消して、波長変換部材における反射を低減し、高い光束の光を発光装置から発することができる。
透光性薄膜が単一層である場合、セラミックス複合体の屈折率r1と透光性薄膜の屈折率r2の屈折率比(r1/r2)は1.18以上1.41以下の範囲内であることが好ましく、1.20以上1.40以下の範囲内でもよく、1.25以上1.35以下の範囲内でもよく、1.28以上1.32以下の範囲内でもよい。セラミックス複合体の屈折率r1と透光性薄膜の屈折率r2の屈折率比(r1/r2)が1.18以上1.41以下の範囲内であれば、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面における反射を、透光性薄膜と空気の界面における反射で打ち消して、波長変換部材における反射を低減し、高い光束の光を発光装置から出射することができる。
透光性薄膜は、単一層ではなく、第1層と第2層の少なくとも2層を含む、多層膜であってもよい。透光性薄膜が多層膜である場合、例えば、市販の光学多層膜を使用することができる。
透光性薄膜が多層膜である場合には、透光性薄膜は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び第13族金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素をフッ化物又は二酸化ケイ素かなる第1層と、アルミニウム、ニオブ、タンタル、チタン及びジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物からなる第2層の少なくとも2層を含み、2層以上であるときは、第1層と第2層が交互に積層された多層膜である。第1層の屈折率と、第2層の屈折率は、それぞれ異なる。フッ化物は、単一層である透光性薄膜と同様のフッ化物を用いることができる。
第6態様の発光装置は、透光性薄膜が、少なくとも第1層と第2層とを含む多層膜であり、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度がプラス45度又はマイナス45度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差から、無機蛍光体の発光ピーク波長及び発光素子の発光ピーク波長における指向角度0度の波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の差を減じた、下記式(5)に基づき算出される第3透過率差T3が、0%以上20%以下の範囲内であること、を満たす光を発することが好ましい。発光装置は、前述の式(3)に基づき算出される第1透過率差T1が、0%以上25%以下の範囲内であること、を満たす光を発してもよい。
T3=TC-45-TP-45-(TC-0-TP-0) (5)
(式(5)中、TC-45は、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-45は、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。TC-0、TP-0、指向角度0度は、前記式(3)と同義であり、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としてプラス45度及びマイナス45度の角度である。)
透光性薄膜が、少なくとも第1層と第2層を含む多層膜である場合、第3透過率T3が0%以上20%以下の範囲内を満たす光を発光装置から発することができると、指向角度0度に近い角度で無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度0度に近い角度で大きくなる傾向のある発光素子の発光ピーク波長の光の透過率とのバランスが保たれ、配向色度特性が良くなる。また、透光性薄膜が多層膜である場合においても、第3透過率T3が0%以上20%以下の範囲内を満たす光を発光装置から発することができると、指向角度が変化しても発光素子の発光ピーク波長の光の透過率が大きくなり、指向角度が大きくなると、大きくなる傾向のある無機蛍光体の発光ピーク波長の光の透過率とのバランスが保たれ、配向色度特性が良くなる。
透光性薄膜が、少なくとも第1層と第2層を含む多層膜である場合、発光装置は、第1透過率T1が0%以上25%以下の範囲内であることを、満たす光を発することが好ましい。
透光性薄膜の製造方法
透光性薄膜が単一層である場合、透光性薄膜は、化学蒸着法又は物理蒸着法により製造することができる。物理蒸着法は、電子ビーム蒸着法、抵抗加熱蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等が挙げられる。透光性薄膜は、原料となるフッ化物又は二酸化ケイ素を真空雰囲気中、25℃以上400℃以下の範囲内でセラミックス複合体の発光面に、抵抗加熱蒸着により形成することが好ましい。
透光性薄膜が多層膜である場合は、第1層となる原料と第2層となる原料を、この順序で、真空雰囲気中、25℃以上400℃以下の範囲内でセラミックス複合体の発光面に電子ビーム(EB)加熱蒸着により形成してもよい。
次に、発光装置を構成する、発光素子及び波長変換部材以外の部材について説明する。
基板
基板は、絶縁性材料であって、発光素子からの光や外光を透過し難い材料からなることが好ましい。基板の材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂等の樹脂を上げることができる。セラミックスは耐熱性が高いため、基板の材料として好ましい。
接着層
発光素子と波長変換部材の間には、接着層が介在し、発光素子と波長変換部材とを固着する。接着層を構成する接着剤は、発光素子と波長変換部材を光学的に連結できる材料からなることが好ましい。接着層を構成する材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
半導体素子
発光装置に必要に応じて設けられる半導体素子は、例えば発光素子を制御するためのトランジスタや、過大な電圧印加による発光素子の破壊や性能劣化を抑制するための保護素子が挙げられる。保護素子としてはツェナーダイオード(Zener Diode)やコンデンサーが挙げられる。
被覆部材
被覆部材の材料としては、絶縁性材料を用いることが好ましい。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。被覆部材には、必要に応じて着色剤、蛍光体及びフィラーからなる群から選択される少なくとも1種の添加材が含まれていてもよい。
導電部材
導電部材としては、バンプを用いることができ、バンプの材料としては、Auあるいはその合金、他の導電部材として、共晶ハンダ(Au-Sn)、Pb-Sn、鉛フリーハンダ等を用いることができる。
発光装置の発光色は、CIE1931色度図における色度座標において、指向角度0度における発光装置の発光色のx座標xと、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度における発光装置の発光色のx座標の平均値であるx座標x60の差分Δx(以下、「配向色度の差分Δx」とも記載する。)の絶対値が0.012以下である。発光装置の発光色の配向色度の差分Δxの絶対値が0.012以下であれば、指向角度が変化しても、発光装置の発光色の色度の変化が小さく、配向色度特性を良くすることができる。発光装置の発光色の指向角度0度のx座標xと指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の平均値のx座標x60の差分Δxの絶対値は、より好ましくは0.011以下であり、さらに好ましくは0.010以下であり、よりさらに好ましくは0.009以下であり、0であってもよく、0.001以上であってもよい。
発光装置の発光色は、CIE1931色度図における色度座標において、指向角度0度における発光装置の発光色のy座標yと、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度における発光装置の発光色のy座標の平均値であるy座標y60の差分Δy(以下、「配向色度の差分Δy」とも記載する。)の絶対値は0.032以下であることが好ましく、0.031以下であってもよく、0.030以下であってもよく、0.029以下であってもよく、0であってもよく、0.001以上であってもよい。発光装置の発光色の配向色度の差分Δyの絶対値が0.030以下であれば、指向角度が変化しても、発光装置の発光色の色度の変化が小さく、配向色度特性を良くすることができる。
発光装置の製造方法
発光装置の製造方法の一例を説明する。なお、詳細は、例えば特開2014-112635号公報、又は、特開2017-117912号公報の開示を参照することもできる。発光装置の製造方法は、発光素子の配置工程、必要に応じて半導体素子の配置工程、セラミックス複合体を含む波長変換部材の形成工程、発光素子と波長変換部材の接着工程、被覆部材の形成工程を含むことが好ましい。
発光素子の配置工程
発光素子の配置工程において、基板上に発光素子を配置し、実装する。発光素子と半導体素子とは、例えば、基板上にフリップチップ実装される。
発光素子と波長変換部材の接着工程
発光素子と波長変換部材の接着工程において、波長変換部材を発光素子の発光面に対向させて、発光素子上に波長変換部材を接着層により接合する。
被覆部材の形成工程
被覆部材の形成工程において、発光面を除く、発光素子、及び波長変換部材の側面が、被覆部材用組成物で覆われ、発光面を除く発光素子及び波長変換部材の側面に被覆部材が形成される。この被覆部材は、発光素子から出射された光を反射させるためのものであり、波長変換部材の発光面を覆うことなく側面を覆い、かつ半導体素子を埋設するように形成される。
以上のようにして、図1及び図2に示す発光装置を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
セラミックス複合体Aの製造
無機蛍光体として、(Y0.866Gd0.13Ce0.04Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を準備した。
無機酸化物として、酸化アルミニウムの純度が99質量%の酸化アルミニウム(Al)粒子を準備した。
希土類アルミン酸塩蛍光体を30質量%と、酸化アルミニウム粒子を70質量%と、を混合して原料混合物を得た。
原料混合物を金型に充填し、5MPa(51kgf/cm)の圧力で、直径65mm、厚さ15mmの円筒形状の成形体を形成した。得られた成形体を、包装容器に入れて真空包装し、冷間静水等方圧加圧装置(株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)製)を用いて176MPaでCIPを行い、成形体を得た。
得られた成形体を、焼成炉(丸祥電気株式会社製)を用いて、大気雰囲気(0.101MPa、酸素濃度20体積%)で、1650℃の温度で一次焼成し、第1焼結体を得た。
得られた第1焼結体を、熱間等方圧加圧(HIP)装置(株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)製)を用いて、圧力媒体に窒素ガスを用いて窒素ガス雰囲気(99.99体積%以上)のもとで、1650℃の温度、195MPaの圧力で、2時間、HIPによる二次焼成を行い、第2焼結体を得た。この第2焼結体を、ワイヤーソーを用いて、所定の形状及び大きさに切断し、その切断面の表面を平面研削機で研磨し、厚さが180μmの板状のセラミックス複合体Aを得た。セラミックス複合体Aの屈折率r1は、1.78であった。セラミックス複合体Aの屈折率r1は、セラミックス複合体中の希土類アルミン酸塩蛍光体の屈折率1.82、含有量30質量%及び真密度4.77g/cmと、酸化アルミニウムの屈折率1.77、含有量70質量%及び真密度3.98g/cmとから、前記式(6)に基づいて求めることができる。
セラミックス複合体Bの製造
無機蛍光体として、(Y0.828Gd0.17Ce0.002Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を準備した。
無機酸化物として、イットリウムアルミニウムペロブスカイト(YAlO:YAP)粒子を準備し、希土類アルミン酸塩蛍光体を95質量%と、YAP粒子を5質量%と、を混合した原料混合物を用いたこと以外は、セラミックス複合体Aと同様にして、厚さが180μmの板状のセラミックス複合体Bを得た。セラミックス複合体Bの屈折率r1は、1.83であった。セラミックス複合体Bの屈折率r1は、セラミックス複合体中の希土類アルミン酸塩蛍光体の屈折率1.82、含有量95質量%及び真密度4.82g/cmと、YAPの屈折率1.93、含有量5質量%及び真密度5.55g/cmとから、前記式(6)に基づいて求めることができる。
セラミックス複合体Cの製造
無機蛍光体として、(Y0.92Gd0.07Ce0.01Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を準備した。
セラミックス複合体Aに用いた希土類アルミン酸塩蛍光体を11.5質量%と、セラミックス複合体Aに用いた酸化アルミニウム粒子を88.5質量%と、を混合した原料混合物を用いたこと以外は、セラミックス複合体Aと同様にして、厚さが180μmの板状のセラミックス複合体Cを得た。セラミックス複合体Cの屈折率r1は、1.77であった。セラミックス複合体Cの屈折率r1は、セラミックス複合体中の希土類アルミン酸塩蛍光体の屈折率1.82、含有量11.5質量%及び真密度4.69g/cmと、酸化アルミニウムの屈折率1.76、含有量88.5質量%及び真密度3.98g/cmとから、前記式(6)に基づいて求めることができる。
実施例A-1からA-3の発光装置
波長変換部材の製造
蒸着装置内に、セラミックス複合体Aと、蒸着材料としてフッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Aの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Aに、物理膜厚が102nm、111nm、120nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を、抵抗加熱蒸着法により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材A-1からA-3を得た。透光性薄膜の物理膜厚は、後述する方法で測定した。透光性薄膜の屈折率r2は、MgFの屈折率1.38である。セラミックス複合体Aの屈折率r1と、透光性薄膜の屈折率比r1/r2は1.33であった。
発光装置の製造
得られた各波長変換部材A-1からA-3を用いて、図1及び図2に示す発光装置100を以下のようにして発光装置を作製した。発光素子20及び半導体素子70を実装基板10に載置した。具体的には、サファイア基板上に窒化物半導体が積層されて形成された、厚みが約0.11mmで、平面形状が約1.0mm四方の略正方形であり、発光ピーク波長が450nmである発光素子20を、半導体成長基板であるサファイア基板側が光出射面となるように、発光素子2及び半導体素子7を一列に配置して、Auからなる導電部材60を用いて、実装基板10に形成させた導電パターンにフリップチップ実装した。
次に、発光素子20の上面に、接着剤40としてシリコーン樹脂を配置して、実施例及び比較例の各セラミックス複合体を板状に形成した波長変換部材30と発光素子20のサファイア基板の上面とを接着させた。
次に、発光素子20及び波長変換部材30の側面に沿って被覆部材50を配置するとともに、半導体素子70を被覆部材50の中に完全に埋没させた。被覆部材50に含まれる樹脂51は、ジメチルシリコーン樹脂を使用し、光反射性材料52として平均粒径が0.28μmの酸化チタン粒子を、樹脂51に対して60質量%含有させた。このような工程により、図1及び図2に示される発光装置100を作製した。得られた発光装置は、前述の第1態様、第2態様又は第8態様の発光装置である。
比較例a’-1の発光装置
透光性薄膜を形成していないセラミックス複合体A(MgF膜の物理膜厚0nm)を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして、比較例a’-1の発光装置を作製した。
比較例a’-2の発光装置
セラミックス複合体Aに、実施例A-1と同様にして、物理膜厚が200nmの透光性薄膜(MgF膜)を形成した波長変換部材a’-2を得た。透光性薄膜(MgF膜)の物理膜厚が200nmの波長変換部材a’-2を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして、比較例a’-2の発光装置を作製した。
実施例B-1からB-5の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Bと、蒸着材料としてフッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Bの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Bに物理膜厚が85nm、88nm、103nm、113nm、122nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材B-1からB-5を得た。透光性薄膜の物理膜厚は、後述する方法で測定した。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして実施例B-1からB-5の発光装置を作製した。透光性薄膜の屈折率r2は、MgFの屈折率1.38である。セラミックス複合体Bの屈折率r1と、透光性薄膜の屈折率比r1/r2は1.33であった。
比較例b’-1の発光装置
透光性薄膜を形成していないセラミックス複合体B(MgF膜の物理膜厚0nm)を用いたこと以外は、実施例B-1と同様にして、比較例b’-1の発光装置を作製した。
比較例b’-2の発光装置
セラミックス複合体Bに、実施例B-1と同様にして、物理膜厚が205nmの透光性薄膜(MgF膜)を形成した波長変換部材b’-2を得た。透光性薄膜(MgF膜)の物理膜厚が205nmの波長変換部材b’-2を用いたこと以外は、実施例B-1と同様にして、比較例b’-2の発光装置を作製した。
実施例C-1からC-5の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Cと、フッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Bの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Cに物理膜厚が83nm、90nm、100nm、115nm、123nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材B-1からB-5を得た。透光性薄膜の物理膜厚は、後述する方法で測定した。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして実施例B-1からB-5の発光装置を作製した。透光性薄膜の屈折率r2は、MgFの屈折率1.38である。セラミックス複合体Cの屈折率r1と、透光性薄膜の屈折率比r1/r2は1.28であった。
比較例c’-1の発光装置
透光性薄膜を形成していないセラミックス複合体C(MgF膜の物理膜厚0nm)を用いたこと以外は、実施例C-1と同様にして、比較例c’-1の発光装置を作製した。
比較例c’-2の発光装置
セラミックス複合体Cに、実施例C-1と同様にして、物理膜厚が148nmの透光性薄膜(MgF膜)を形成した波長変換部材c’-2を得た。透光性薄膜(MgF膜)の物理膜厚が148nmの波長変換部材c’-2を用いたこと以外は、実施例C-1と同様にして、比較例c’-2の発光装置を作製した。
実施例及び比較例で用いた各波長変換部材の透光性薄膜と、実施例及び比較例の各発光装置を以下のように評価した。各発光装置は、350mAの定電流を流して測定した。結果を表1から表3に示す。
波長変換部材の透光性薄膜の物理膜厚
透光性薄膜の物理膜厚Lは、各波長変換部材の断面SEM写真から透光性薄膜の膜厚を測定した。透光性薄膜の物理膜厚は、波長変換部材の断面SEM写真の3箇所を測定し、その算術平均値を、透光性薄膜の物理膜厚とした。
L値
下記式(1)から透光性薄膜の光学膜厚L(nm)を算出した。セラミックス複合体AからCに用いた希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長は550nmであり、透光性薄膜の屈折率は、透光性薄膜がMgFからなるMgF膜である場合には、MgFの屈折率1.38とした。また、透光性薄膜がSiOからなるSiO膜である場合には、SiOの屈折率1.47とした。さらに、実施例及び比較例で用いた各波長変換部材の物理膜厚Lと光学膜厚Lから下記式(2)基づき、L値を求めた。
=無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)(nm)÷(4×透光性薄膜の屈折率) (1)
L=透光性薄膜の物理膜厚L(nm)÷L (2)
色度座標(x、y)
実施例及び比較例の各発光装置について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、CIE1931色度図における色度座標(x、y)を求めた。各発光装置の発光色の色度座標(x、y)は、指向角度0度における色度座標(x、y)を意味する。
相対光束
実施例及び比較例の各発光装置について、積分球を使用した分光測光装置(PMA-11、浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、全光束を測定した。実施例A-1からA-3及び比較例a’-1からa’-2の発光装置は、透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例a’-1の発光装置から出射される光の全光束を100%として、各発光装置の全光束を相対値で表した。実施例B-1からB-5及び比較例b’-1からb’-2の発光装置は、透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例b’-1の発光装置から出射される光の全光束を100%として、各発光装置の全光束を相対値で表した。実施例C-1からC-5及び比較例c’-1からc’-2の発光装置は、透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1の発光装置から出射される光の全光束を100%として、各発光装置の全光束を相対値(相対光束(%)として表した。
配向色度座標(xθ、yθ
マルチ分光測定器(PMA-11、浜松ホトニクス株式会社製)と接続された拡散板に対して光軸方向(垂直な方向)に100mm離れている回転台上に、受光面積が100mmの円形のアパーチュアを有する拡散板に対して発光面が対向するように発光装置を配置し、発光装置に350mAの定電流を通電し、光軸と平行な指向角度0度の発光色の色度座標(x、y)を測定した。次いで、回転台を左右に光軸から60度となるように回転し、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の平均値のx座標x60と、指向角度60度及び指向角度マイナス60度の平均値のy座標y60を、配向色度座標(x60、y60)として測定した。配向色度座標(x60、y60)は、回転台を左右に動かして指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の2つの値の平均値をいう。CIE1931色度図における色度座標において、指向角度0度における発光装置の発光色のx座標xと、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度における発光装置の発光色の平均値であるx座標x60の差分Δx(配向色度の差分Δx)の絶対値を測定した。配向色度座標(xθ、yθ)は、指向角度プラスθ度及び指向角度マイナスθ度の平均値の配向色度座標(xθ、yθ)をいう。
Figure 2023009476000006
Figure 2023009476000007
Figure 2023009476000008
実施例A-1からA-3に係る発光装置、実施例B-1からB-5に係る発光装置、実施例C-1からC-5に係る発光装置は、透光性薄膜の物理膜厚が82nm以上140nmの単一層であり、いずれも比較例a’-1に係る発光装置、比較例b’-1に係る発光装置、比較例c’-1に係る発光装置よりも相対光束が高くなった。
実施例A-1からA-3に係る発光装置、実施例B-1からB-5に係る発光装置、実施例C-1からC-5に係る発光装置は、透光性薄膜のL値が0.82以上1.41以下の範囲内であり、いずれも透光性薄膜を備えていない比較例a’-1に係る発光装置、比較例b’-1に係る発光装置、比較例c’-1に係る発光装置よりも相対光束が高くなった。実施例に係る発光装置は、透光性薄膜と空気の界面で発生する第2反射波と、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面で発生する第1反射波が逆位相となる位相に近づき、第1反射波と第2反射波が互いに打ち消し合う効果が大きくなって、波長変換部材内の反射が低減され、より高い光束の光を発光装置から出射することができたと考えられる。
実施例A-1からA-3に係る発光装置は、配向色度の差分Δxの絶対値が0.012以下であり、指向角度が変化しても、発光装置の発光色の色度の変化が小さく、配向色度特性を良くすることができた。
比較例a’-2に係る発光装置、比較例b’-2に係る発光装置、比較例c’-2に係る発光装置は、いずれも透光性薄膜の物理膜厚が140nmを超えており、L値が1.41を超えていた。比較例a’-2に係る発光装置、比較例b’-2に係る発光装置、比較例c’-2に係る発光装置は、透光性薄膜と空気の界面で発生する第2反射波と、セラミックス複合体と透光性薄膜の界面で発生する第1反射波の位相がずれて、第1反射波と第2反射波が互いに打ち消し合う効果が小さくなり、波長変換部材内に光が反射して、透光性薄膜を備えていない比較例a’-1に係る発光装置、比較例b’-1に係る発光装置、比較例c’-1に係る発光装置よりも相対光束が低くなったと考えられる。
図7は、実施例A-1からA-3、比較例a’-1からa’-2、実施例B-1からB-5、比較例b’-1からb’-2、実施例C-1からC-5、比較例c’-1からc’-2に係る各発光装置の透光性薄膜の物理膜厚と相対光束の関係を示す図である。
図7に示すように、透光性薄膜の物理膜厚が82nm以上140nm以下の範囲内であると、相対光束が高い光が発光装置から出射されていることが分かる。
実施例A-4の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Aと、フッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Aの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Aに物理膜厚が299nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材A-4を得た。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして実施例A-4の発光装置を作製した。得られた発光装置は、前述の第3態様から第8態様のいずれかの態様の発光装置である。
実施例B-6の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Bと、フッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Bの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Bに物理膜厚が304nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材B-6を得た。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例B-1と同様にして実施例B-6の発光装置を作製した。
実施例C-6からC-11の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Cと、フッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Cの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Cに物理膜厚が254nm、284nm、293nm、303nm、314nm、325nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材C-6からC-11を得た。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例C-1と同様にして実施例C-6からC-11の発光装置を作製した。
比較例c’-3及びc’-4の発光装置
蒸着装置内に、セラミックス複合体Cと、フッ化マグネシウムを配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Cの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Cに物理膜厚が203nm、353nmとなる透光性薄膜(MgF膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材c’-3及びc’-4を得た。これらの波長変換部材を用いたこと以外は、実施例C-1と同様にして比較例c’-3及びc’-4の発光装置を作製した。
実施例D-1からD-4の発光装置
セラミックス複合体Dの製造
無機蛍光体として、(Y0.92Gd0.07Ce0.01Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を準備した。
セラミックス複合体Aに用いた希土類アルミン酸塩蛍光体を10質量%と、セラミックス複合体Aに用いた酸化アルミニウム粒子を90質量%と、を混合した原料混合物を用いたこと以外は、セラミックス複合体Aと同様にして、厚さが180μmの板状のセラミックス複合体Dを得た。セラミックス複合体Dの屈折率r1は、1.76であった。セラミックス複合体Dの屈折率r1は、セラミックス複合体中の希土類アルミン酸塩蛍光体の屈折率1.82、含有量10質量%及び真密度4.69g/cmと、酸化アルミニウムの屈折率1.76、含有量90質量%及び真密度3.98g/cmとから、前記式(6)に基づいて求めることができる。
波長変換部材の製造
蒸着装置内に、セラミックス複合体Dと、二酸化ケイ素を配置し、蒸着装置内の圧力を1.0×10-4Paまで減圧した状態で、セラミックス複合体Dの光の出射側となる発光面に、マイクロヒーターを用いて、成膜時の温度を300℃としたセラミックス複合体Dに物理膜厚が251nm、279nm、297nm、319nmとなる透光性薄膜(SiO膜)を抵抗加熱蒸着により形成し、各物理膜厚を有する波長変換部材D-1からD-4を得た。透光性薄膜の屈折率r2は、SiOの屈折率1.47である。セラミックス複合体Dの屈折率r1と、透光性薄膜の屈折率比r1/r2は1.19であった。
発光装置の製造
得られた各波長変換部材D-1からD-4を用いたこと以外は、実施例A-1と同様にして実施例D-1からD-4の発光装置を作製した。
比較例d’-1の発光装置
透光性薄膜を形成していないセラミックス複合体D(SiO膜の物理膜厚0nm)を用いたこと以外は、実施例D-1と同様にして、比較例d’-1の発光装置を作製した。
比較例d’-2からd’-4の発光装置
セラミックス複合体Dに、実施例D-1と同様にして、物理膜厚が195nm、237nm、347nmの透光性薄膜(SiO膜)を形成した波長変換部材d’-2、d’-3、d’-4を得た。これらの波長変換部材d’-2、d’-3、d’-4を用いたこと以外は、実施例D-1と同様にして、比較例d’-2からd’-4の各発光装置を作製した。
前述と同様にして、実施例及び比較例の各発光装置の波長変換部材の透光性薄膜の物理膜厚、L値、色度座標(x、y)、相対光束、配向色度の差分Δxの絶対値を測定した。結果を表4及び表5に示す。各発光装置の発光色の色度座標(x、y)は、指向角度0度における色度座標(x、y)を意味する。
Figure 2023009476000009
Figure 2023009476000010
実施例A-4、実施例B-6、実施例C-6からC-11、実施例D-1からD-4に係る各発光装置は、透光性薄膜の物理膜厚が250nm以上330nmの単一層であり、各発光装置の発光は、いずれも配向色度の差分Δxの絶対値が0.012以下であり、指向角度の変化による配向色度の差分Δxが小さく、指向角度による色度の変化を低減でき、配向色度特性が良かった。
実施例A-4、実施例B-6、実施例C-6からC-11、実施例D-1からD-4に係る各発光装置は、透光性薄膜のL値が2.5以上3.5以下の範囲内であり、各発光装置の発光は、いずれも配向色度の差分Δxの絶対値が0.012以下であり、指向角度の変化による配向色度の差分Δxが小さく、指向角度による色度の変化を低減でき、配向色度特性が良かった。
比較例c’-3、比較例d’-1からd’-3に係る各発光装置は、いずれも透光性薄膜の物理膜厚が250nm未満であり、L値が2.5未満であった。また、比較例c’-4、比較例d’-4に係る各発光装置は、いずれも透光性薄膜の物理膜厚が340nmを超えており、L値が3.5を超えていた。比較例c’-3からc’-4、比較例d’-1からd’-4に係る各発光装置の発光は、いずれも配向色度の差分Δxの絶対値が0.012を超えており、指向角度の変化による発光色の配向色度の差分Δxが大きく、指向角度による色度の変化が生じ、配向色度特性が良くなかった。
図8は、透光性薄膜の物理膜厚が299nmである実施例A-4に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例a’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度座標の差分Δxの関係を示すグラフである。図9は、透光性薄膜の物理膜厚が304nmである実施例B-6に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例b’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度座標の差分Δxの関係を示すグラフである。図10は、透光性薄膜の物理膜厚が293nmである実施例C-8に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度座標の差分Δxの関係を示すグラフである。図11は、透光性薄膜の物理膜厚が279nmである実施例D-2に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例d’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。図8から11に示すように、実施例に係る発光装置の発光は、0度からプラス60度又はマイナス60度に指向角度が変化しても、指向角度の変化による発光色の配向色度の差分Δxの変化が小さく、指向角度と配向色度の差分Δxの関係を表すグラフにおいて、指向角度が大きくなってもより水平な直線に近い曲線形状となり、配向色度特性が良くなった。
透過率
透光性薄膜の物理膜厚が254nmである実施例C-6に係る発光装置、透光性薄膜の物理膜厚が284nmである実施例C-7に係る発光装置、透光性薄膜の物理膜厚が303nmである実施例C-9に係る発光装置、透光性薄膜の物理膜厚が325nmである実施例C-11に係る発光装置、透光性薄膜の物理膜厚が353nmである比較例c’-4に係る発光装置について、薄膜計算ソフト(Essential Macleod、Thin Film Center Inc.製)を用いて、指向角度が、0度、プラス30度及びマイナス30度、プラス45度及びマイナス45度、プラス60度及びマイナス60度において、発光素子の発光ピーク波長(450nm)における透過率TC-0、TC-30、TC-45、TC-60と、希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長(550nm)における透過率TP-0、TP-30、TP-60を求めた。さらに下記式(3)から(5)から第1透過率差T1、第2透過率差T2、第3透過率差T3を求めた。実施例及び比較例の各発光装置の指向角度0度のx座標xと、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の平均値であるx座標x60との差分Δxとともに、結果を表6に示す。
T1=TC-60-TP-60-(TC-0-TP-0) (3)
T2=TC-30-TP-30-(TC-0-TP-0) (4)
T3=TC-45-TP-45-(TC-0-TP-0) (5)
C-60:指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の発光素子の発光ピーク波長450nmの透過率の平均値。
P-60:指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長550nmの透過率の平均値。
C-30:指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の発光素子の発光ピーク波長450nmの透過率の平均値。
P-30:指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長550nmの透過率の平均値。
C-45:指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の発光素子の発光ピーク波長450nmの透過率の平均値。
P-45:指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長550nmの透過率の平均値。
C-0:指向角度0度の発光素子の発光ピーク波長450nmの透過率。
P-0:指向角度0度の希土類アルミン酸塩蛍光体の発光ピーク波長550nmの透過率。
Figure 2023009476000011
実施例C-6、C-7、C-9、C-11に係る各発光装置は、第1透過率差T1が0%以上25%以下の範囲内であること、第2透過率差T2がマイナス3%以上10%以下の範囲内であること、第3透過率差T3が0%以上20%以下の範囲内であることを満たす光を発した。実施例C-6、C-7、C-9、C-11に係る各発光装置の発光は、配向色度の差分Δxの絶対値が0.012以下であり、配向色度の差分Δxが小さく、指向角度による色度の変化が小さく、配向色度特性が良かった。
比較例c’-4に係る発光装置は、第1透過率差T1が0%未満であり、第2透過率差T2がマイナス3%未満であり、第3透過率差T3が0%未満である光を発した。比較例c’-4に係る発光装置の発光は、配向色度の差分Δxの絶対値が0.012を超えており、配向色度特性が良くなかった。
図12は、透光性薄膜の物理膜厚が254nmである実施例C-6に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。図13は、透光性薄膜の物理膜厚が284nmである実施例C-7に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。図14は、透光性薄膜の物理膜厚が303nmである実施例C-9に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。図15は、透光性薄膜の物理膜厚が325nmである実施例C-11に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。図16は、透光性薄膜の物理膜厚が0nmである比較例c’-1に係る発光装置の発光及び透光性薄膜の物理膜厚が353nmである比較例c’-4に係る発光装置の発光の指向角度と配向色度の差分Δxの関係を示すグラフである。
図12から15に示すように、実施例に係る各発光装置の発光は、0度からプラス60度又はマイナス60度に指向角度が変化しても、配向色度の差分Δxの変化が小さくなった。図13から図15に示すように、第1透過率差が8%以上15%以下の実施例C-7に係る発光装置の発光、実施例C-9に係る発光装置の発光、実施利絵C-11に係る発光装置の発光は、配向色度の差分Δxが小さく、指向角度と配向色度の差分Δxの関係を表すグラフにおいて、指向角度が大きくなってもより水平な直線に近い曲線形状となり、配向色度特性が良くなった。
図16に示すように、比較例に係る発光装置の発光は、0度からプラス60度又はマイナス60度に指向角度が変化すると、配向色度の差分Δxの変化が大きくなり、配向色度特性が良くなかった。
本開示に係る発光装置は、車載用光源や一般照明用の照明装置、液晶表示装置のバックライト、プロジェクター用光源として利用することができる。
10:基板、20:発光素子、30:波長変換部材、31:セラミックス複合体、32:透光性薄膜、40:接着層、50:被覆部材、60:導電部材、70:半導体素子、100:発光装置、A:空気。

Claims (15)

  1. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜の物理膜厚が、82nm以上140nm以下の範囲内の単一層であり、前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなる、発光装置。
  2. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物からなる単一層であり、
    前記透光性薄膜の下記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する前記透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、下記式(2)から導き出されるL値が0.82以上1.41以下の範囲内である、発光装置。
    =無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)(nm)÷(4×透光性薄膜の屈折率) (1)
    L=透光性薄膜の物理膜厚L(nm)÷L (2)
  3. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜の物理膜厚が、250nm以上330nm以下の範囲内の単一層であり、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる、発光装置。
  4. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層であり、
    前記透光性薄膜の下記式(1)から導き出される光学膜厚Lに対する前記透光性薄膜の物理膜厚Lの比である、下記式(2)から導き出されるL値が2.5以上3.5以下の範囲である、発光装置。
    =無機蛍光体の発光ピーク波長(λ)(nm)÷(4×透光性薄膜の屈折率) (1)
    L=透光性薄膜の物理膜厚L(nm)÷L (2)
  5. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなり、
    下記式(3)に基づき算出される透過率差T1が0%以上25%以下の範囲内であること、下記式(4)に基づき算出される第2透過率差T2がマイナス3%以上10%以下の範囲内であること、のうち少なくとも1つを満たす光を発する、発光装置。
    T1=TC-60-TP-60-(TC-0-TP-0) (3)
    T2=TC-30-TP-30-(TC-0-TP-0) (4)
    (前記式(3)中、TC-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-60は、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。前記式(4)中、TC-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面の透過光の透過率の平均値であり、TP-30は、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面の透過光の透過率の平均値である。前記式(3)及び前記式(4)中、TC-0は、指向角度0度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率であり、TP-0は、指向角度0度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。ここで、指向角度0度とは、発光面に垂直な角度であり、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス60度及びマイナス60度の角度であり、指向角度プラス30度及び指向角度マイナス30度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス30度及びマイナス30度の角度である。)
  6. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる第1層と、アルミニウム、ニオブ、タンタル、チタン及びジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含む酸化物からなる第2層の少なくとも2層を含み、2層以上であるときは、第1層と第2層とが交互に積層されてなり、
    下記式(5)に基づき算出される第3透過率差T3が、0%以上20%以下の範囲内であることを満たす光を発する、発光装置。
    T3=TC-45-TP-45-(TC-0-TP-0) (5)
    (前記式(5)中、TC-45は、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値であり、TP-45は、指向角度プラス45度及びマイナス45度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率の平均値である。前記式(5)中、TC-0は、指向角度0度の前記発光素子の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率であり、TP-0は、指向角度0度の前記無機蛍光体の発光ピーク波長における波長変換部材の発光面からの透過光の透過率である。ここで、指向角度0度とは、発光面に垂直な角度であり、指向角度プラス45度及び指向角度マイナス45度とは、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス45度及びマイナス45度の角度である。)
  7. 380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置される、発光面を有する波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    前記波長変換部材が、510nm以上570nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する無機蛍光体と、無機酸化物と、を含むセラミックス複合体と、
    前記セラミックス複合体の光の出射側に配置され、前記セラミックス複合体の屈折率よりも小さい屈折率を有する、透光性薄膜と、を含み、
    前記透光性薄膜が、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素及び第13族の金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物又は二酸化ケイ素からなる単一層であり、
    CIE1931色度図における色度座標において、指向角度0度における前記発光装置の発光色のx座標xと、発光面に垂直な角度から発光面に向けて指向角度0度を中心としたプラス60度及びマイナス60度の角度である、指向角度プラス60度及び指向角度マイナス60度における前記発光装置の発光色のx座標の平均値であるx座標x60との差分Δxの絶対値が0.012以下である、発光装置。
  8. 前記透光性薄膜が単一層である、請求項5に記載の発光装置。
  9. 前記フッ化物が、MgF、CaF、SrF、AlF、NaAlF、NaAlF1、NaF及びLiFからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記無機蛍光体が希土類アルミン酸塩蛍光体である、請求項1から9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記セラミックス複合体の屈折率r1が1.76以上1.85以下の範囲内である、請求項10に記載の発光装置。
  12. 前記透光性薄膜の屈折率r2が1.32以上1.48以下の範囲内である、請求項1から5及び7から11のいずれか1項に記載の発光装置。
  13. 前記セラミックス複合体の屈折率r1と前記透光性薄膜の屈折率r2の屈折率比((r1/r2)が1.18以上1.41以下の範囲内である、請求項11又は12に記載の発光装置。
  14. 前記希土類アルミン酸塩蛍光体が、下記式(I)で表される組成を有する、請求項10に記載の発光装置。
    (Ln 1-aCe(AlGa12 (I)
    (前記式(I)中、Lnは、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、a、b及びcは、0<a≦0.22、0≦b≦0.4、0<c≦1.1、0.9≦b+c≦1.1を満たす。)
  15. 前記無機酸化物が、少なくともAlを含み、Y、Gd、Tb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素Lnを含んでいてもよい酸化物を含む、請求項1から14のいずれか1項に記載の発光装置。
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