JP2023008817A - プローブカード - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物との接触をより確実に行うことができるプローブカードを提供する。【解決手段】プローブカード10は、可撓性を有し、第1の主面1aに複数のバンプ12が配置された可撓性フィルム1と、可撓性フィルム1に配置され、少なくとも1つのバンプ12に接続された複数の配線11と、可撓性フィルム1の第1の主面1aとは反対側の主面である第2の主面1b側に設けられた弾性部材2とを備える。可撓性フィルム1は、複数のバンプ12同士を結ぶ線分を分断する切り込みが入れられた切込領域MAと、切込領域MA以外の主領域PAとを有する。弾性部材2は、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに少なくとも可撓性フィルム1の切込領域MAと重なる位置に設けられており、かつ、可撓性フィルム1の主領域PAに接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、プローブカードに関する。
半導体素子等の電気特性を検査するために用いられるプローブカードが知られている。
特許文献1には、可撓性フィルムの一方の面に配線と電気検査用バンプが配置され、他方の面に弾性部材が当接し、さらに弾性部材の他の面に剛体が当接した構成のプローブカードが開示されている。このプローブカードによれば、検査対象の半導体素子に設けられている電極や電気検査用バンプに高さ方向のばらつきが存在する場合でも、そのような高さ方向のばらつきを弾性部材が吸収して、半導体素子と電気検査用バンプとの間で安定したコンタクトを実現することができるとされている。
特開2011-99805号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプローブカードでは、検査対象の半導体素子に設けられている電極や電気検査用バンプに高さ方向のばらつきが存在する場合に、複数の電気検査用バンプのうちの1つが半導体素子の1つの電極と当接することにより、その周囲に存在する電気検査用バンプと半導体素子の電極との間でコンタクトが得られなくなる可能性がある。
図14は、特許文献1に記載のプローブカード100の電気検査用バンプ110a~110cと、ステージ220上の半導体素子200の電極210a~210cとを当接させる様子を模式的に示す側面図である。上述したように、特許文献1に記載のプローブカード100は、一方の面に電気検査用バンプ110a~110cが配置された可撓性フィルム120と、弾性部材130と、剛体140とを備える。図14に示す例では、プローブカード100に設けられている複数の電気検査用バンプ110a~110cのうち、中央の電気検査用バンプ110bが他の電気検査用バンプ110a,110cと比べて、高さが高いものとする。
半導体素子200の検査時に、プローブカード100と半導体素子200とを相対的に近づけて、プローブカード100の電気検査用バンプ110a~110cと、半導体素子200の電極210a~210cとを当接させる。このとき、図14に示すように、高さの高い中央の電気検査用バンプ110bと、半導体素子200の中央の電極210bとが最初に当接することによって、当接した位置とその周辺の位置において、可撓性フィルム120および弾性部材130が凹む。これにより、中央の電気検査用バンプ110bの周辺に位置し、電気検査用バンプ110bよりも高さが低い電気検査用バンプ110aと半導体素子200の電極210aとの間、および、電気検査用バンプ110cと半導体素子200の電極210cとの間での接触が行えず、検査を行うことができなくなる可能性がある。
また、かろうじて電気検査用バンプ110a~110cと、半導体素子200の電極210a~210cとがそれぞれ接触したとしても、接触の位置や荷重にばらつきがあるため、検査における電気特性の測定結果が安定し難い。特に、高周波測定を行う場合には、接触の位置や荷重の影響が大きいため、安定した測定結果を得られる可能性が低くなる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、検査対象物との接触をより確実に行うことができるプローブカードを提供することを目的とする。
本発明のプローブカードは、
可撓性を有し、第1の主面に複数のバンプが配置された可撓性フィルムと、
前記可撓性フィルムに配置され、少なくとも1つの前記バンプに接続された複数の配線と、
前記可撓性フィルムの前記第1の主面とは反対側の主面である第2の主面側に設けられた弾性部材と、
を備え、
前記可撓性フィルムは、複数の前記バンプ同士を結ぶ線分を分断する切り込みが入れられた切込領域と、前記切込領域以外の主領域とを有し、
前記弾性部材は、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに少なくとも前記可撓性フィルムの前記切込領域と重なる位置に設けられており、かつ、前記可撓性フィルムの前記主領域に接続されていることを特徴とする。
本発明のプローブカードによれば、可撓性フィルムは、複数のバンプ同士を結ぶ線分を分断する切り込みが入れられていることにより、検査対象物の検査時に、バンプと検査対象物との電極が当接し、当接したバンプの位置において可撓性フィルムおよび弾性部材が凹んだ場合でも、隣接するバンプに荷重が伝わることを抑制することができる。これにより、バンプと、検査対象物の電極との間の接触をより確実に行うことができ、より安定した検査結果を得ることができる。
(a)は、第1の実施形態におけるプローブカードの構成を模式的に示す上面図、(b)は、(a)の部分拡大図、(c)は、(b)のIC-IC線に沿った断面図である。 可撓性フィルムの第1の主面上に配置されている配線とバンプ付近を拡大した上面図である。 第1の実施形態におけるプローブカードを用いて、検査対象物の電気特性を検査する様子を模式的に示す断面図である。 (a)は、第2の実施形態におけるプローブカードにおいて、切り込みが入れられた弾性部材を模式的に示す上面図であり、(b)は、(a)のIVB-IVB線に沿った断面図である。 第3の実施形態におけるプローブカードの要部の断面図である。 (a)は、第4の実施形態におけるプローブカードの構成を模式的に示す側面図であり、(b)は、第4の実施形態におけるプローブカードを用いて検査対象物の検査を行う様子を模式的に示す側面図である。 第5の実施形態におけるプローブカードの要部の構成を模式的に示す部分拡大図である。 (a)は、可撓性フィルムの第2の主面のうちの主領域にもグランド導体を設けた場合の第5の実施形態におけるプローブカードの部分断面図であり、(b)は、可撓性フィルムの第2の主面側に設けられたグランド導体の配置位置を示す部分平面図である。 第5の実施形態におけるプローブカードの要部の別の構成例を模式的に示す部分拡大図である。 第5の実施形態におけるプローブカードの製造方法を説明するための図であって、(a)は、可撓性フィルムの第1の主面に導体を積層し、パターニングによって、主領域における配線とグランド導体とを離間するため領域の導体を除去し、導体の上に複数のバンプを形成した状態を模式的に示す上面図であり、(b)は、可撓性フィルムおよび導体に切り込みが入れられることにより、導体が複数の配線とグランド導体に分けられた状態を模式的に示す上面図である。 (a)は、パターニングによって導体の一部を除去する際、切込領域に向かうにつれて、配線とグランド導体とを離間する距離が徐々に短くなるようにした場合において、可撓性フィルムおよび導体に切り込みが入れられた状態を模式的に示す上面図の部分拡大図であり、(b)は、(a)に示す部分拡大図に対して、パターニングによって導体の一部を除去した領域の一部にまで切り込みが入り込んだ状態を模式的に示す部分拡大図である。 切り込みが入れられることによって露出した可撓性フィルムと配線の断面が可撓性フィルムと直交する面に対して平行ではなく、傾いていることを示す断面図である。 (a)は、導体に切り込みを入れることによって、複数の配線とグランド導体とを形成したときの構成を模式的に示す断面図であり、(b)は、パターニングによって第1の主面に複数の配線とグランド導体とを形成した構成を模式的に示す断面図であり、(c)は、パターニングによって第1の主面に配線とグランド導体とを形成するとともに、第2の主面の全体にグランド導体を配置した可撓性フィルムに対して切り込みを入れたときの構成を模式的に示す断面図である。 特許文献1に記載のプローブカードを用いて検査対象物の電気特性を検査する様子を模式的に示す側面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴を具体的に説明する。
<第1の実施形態>
図1(a)は、第1の実施形態におけるプローブカード10の構成を模式的に示す上面図、(b)は、図1(a)の部分拡大図、(c)は、図1(b)のIC-IC線に沿った断面図である。本実施形態におけるプローブカード10は、全体としてシート状の形状を有する。
第1の実施形態におけるプローブカード10は、可撓性フィルム1と、弾性部材2と、複数の配線11とを備える。本実施形態におけるプローブカード10は、コネクタ3をさらに備える。
可撓性フィルム1は、折り曲げたり撓ませることが可能な可撓性を有するフィルムであって、第1の主面1aに複数のバンプ12が配置されている。可撓性フィルム1は、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、または、液晶ポリマーなどからなる。可撓性フィルム1の厚みは、例えば、25μm以上200μm以下である。
配線11は、可撓性フィルム1に配置され、少なくとも1つのバンプ12に接続されている。より詳しくは、複数の配線11のそれぞれは、可撓性フィルム1と密着しており、一端がバンプ12と接続され、他端はコネクタ3と接続されている。本実施形態では、図1(a)に示すように、可撓性フィルム1の一端側および他端側にそれぞれ設けられているコネクタ3から、中央に配置されているバンプ12に向かって延伸する態様で配線11が配置されている。特に、図1(b)に示すように、可撓性フィルム1の一端側に設けられているコネクタ3からバンプ12に向かう配線11と、可撓性フィルム1の他端側に設けられているコネクタ3からバンプ12に向かう配線11は、バンプ12と接続されている位置において互いに対向している。本実施形態では、バンプ12と接続されている位置において互いに対向している配線11の組が複数存在する。配線11は、例えば、信号を伝送するための信号線である。
配線11の材料は、導電性を有する材料であれば特に制約はなく、例えばCuを用いることが可能である。配線11は、例えば、箔材を熱圧着、印刷、スパッタ等のドライ成膜等によって形成することができる。また、配線11の表面にめっきを施すようにしてもよい。めっきは、例えば、1層目がNiめっきで2層目がAuめっきの2層構造とすることができる。配線11の幅は、例えば、50μm以上200μm以下であり、厚みは、例えば、12.5μm以上50μm以下である。隣接する配線11の最小間隔は、例えば、0.02μmである。配線11は、可撓性フィルム1の折り曲げや撓みなどの形状変化に追従する可撓性を有する。
なお、図1(a)~(c)では、複数の配線11が可撓性フィルム1の第1の主面1aに配置されている構成を示しているが、少なくとも一部の配線11の全部または一部が可撓性フィルム1の内部に配置されていてもよい。
プローブカード10は、図示しないグランド導体を備えていてもよい。例えば、グランド導体は、可撓性フィルム1の第1の主面1a、および、第1の主面1aとは反対側の主面である第2の主面1bに配置することが可能である。その場合、第1の主面1aと第2の主面1bにそれぞれ配置されているグランド導体は、図示しないビアを介して互いに電気的に接続することが可能である。
バンプ12は、検査対象物の検査時に、検査対象物の電極と当接する部位であり、検査対象物に設けられている複数の電極の位置と対応した位置に、複数設けられている。検査対象物は、例えば、半導体素子、高周波フィルタ、または、高周波伝送線路等である。バンプ12の材料は、導電性を有する材料であれば特に制約はなく、例えば、Cu、Cuを主成分として含む合金、Ni、または、Niを主成分として含む合金などを用いることが可能である。バンプ12の表面にめっきを施すようにしてもよい。バンプ12の硬さは、例えば、検査対象物の電極の硬さと同等か、または、電極よりも硬い。
本実施形態におけるバンプ12は、円柱状の形状を有する。可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときのバンプ12の直径は、例えば、50μm以上200μm以下であり、高さは、例えば、50μm以上200μm以下である。ただし、バンプ12の形状が円柱状に限定されることはなく、四角柱、四角錐、または、円錐などの形状でもよいし、直径の異なる2つの円柱を中心軸が一致するように重ねた形状であってもよい。
図1(b)に示すように、可撓性フィルム1は、複数のバンプ12同士を結ぶ線分を分断する切り込み20が入れられた切込領域MAと、切込領域MA以外の主領域PAとを有する。切込領域MAには、後述する可撓性フィルム1の帯部1Xが含まれる。本実施形態において、切込領域MAは、可撓性フィルム1の中央部に位置する。可撓性フィルム1に、複数のバンプ12同士を結ぶ線分を分断する切り込み20が入れられていることによって、可撓性フィルム1の平面方向において、複数のバンプ12がそれぞれ独立して可動し得る。
本実施形態では、図1(b)および図2に示すように、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1には、バンプ12と接続されている側の配線11の端部を囲うように、配線11の端部の3辺に沿って、切り込み20が入れられている。すなわち、配線11の延伸方向と直交する幅方向において隣接する配線11の間だけでなく、配線11の延伸方向において対向する配線11の間にも切り込み20が入れられている。バンプ12と接続されている側の配線11の端部を囲うように、配線11の端部の3辺に沿って可撓性フィルム1に切り込み20が入れられていることにより、図2に示すように、3辺が切り込み20で囲まれ、帯状の形状を有する可撓性フィルム1の帯部1Xが構成される。可撓性フィルム1の帯部1Xはそれぞれ、主領域PAと接続されている位置を支点として他の可撓性フィルム1の帯部1Xから独立して可動し得るため、可撓性フィルム1の帯部1Xの上に配置されているバンプ12も他のバンプ12から独立して可動し得る。
配線11の延伸方向における切り込み20の長さL1(図1(b)参照)は、例えば、0.4mm以上1.5mm以下であり、切り込み20の幅L2(図2参照)は、例えば、0.01mm以上0.05mm以下である。また、配線11の幅方向において、配線11の端部と切り込み20の端部との距離L3(図2参照)は、例えば、0mm以上0.04mm以下である。
コネクタ3は、検査対象物の電気特性を検査する際、外部回路と接続するためのものであり、一端が少なくとも1つのバンプ12と接続されている配線11の他端と接続されている。プローブカード10がコネクタ3を備えることにより、プローブカード10と外部回路との接続が容易になる。
弾性部材2は、可撓性フィルム1の第2の主面1b側であって、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに少なくとも可撓性フィルム1の切込領域MAと重なる位置に設けられており、かつ、可撓性フィルム1の第2の主面1b側において主領域PAと接続されている。弾性部材2と可撓性フィルム1の主領域PAとを接続する方法に特に制約はなく、例えば、接着剤を介した接着により接続する。弾性部材2は、可撓性フィルム1の切込領域MAとは接続されておらず、互いに摺動可能に当接している。本実施形態では、可撓性フィルム1の第1の主面1aに複数配置されているバンプ12の中心位置と、弾性部材2の中心位置とが一致するように、複数のバンプ12および弾性部材2が配置されている。
弾性部材2の材料に特に制約はなく、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコンゴムなどのゴムからなる。可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときの弾性部材2のサイズは、少なくとも可撓性フィルム1の切込領域MAより大きく、例えば、可撓性フィルム1のサイズと同じである。ただし、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときの弾性部材2のサイズは、可撓性フィルム1のサイズより大きくてもよいし、小さくてもよい。
可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向の寸法である弾性部材2の厚みに特に制約はないが、検査対象物がバンプ12と当接した際に、バンプ12および可撓性フィルム1を支持し得る厚さである必要がある。また、弾性部材2は、検査対象物の電極やバンプ12に高さ方向のばらつきが存在していても、そのようなばらつきを吸収できる0.1mm~1mm以上の厚みがあることが好ましい。弾性部材2のばね定数は、例えば、80gf/mm以上400gf/mm以下である。弾性部材2の圧縮永久ひずみは、10%以下であることが好ましい。弾性部材2の圧縮永久ひずみが10%以下であることにより、プローブカード10を繰り返し使用することが可能となる。
本実施形態におけるプローブカード10では、可撓性フィルム1に、複数のバンプ12同士を結ぶ線分を分断する切り込み20が入れられることによって、1つのバンプ12に荷重が加わっても、周囲のバンプ12に荷重の影響が及ぶことを抑制することができる。これにより、検査対象物の電気特性を検査するため、プローブカード10の任意のバンプ12が検査対象物の電極と当接した際、当接したバンプ12に隣接する他のバンプ12に加わる荷重の影響を抑制することができる。また、弾性部材2は、可撓性フィルム1の切込領域MAに接続されておらず、主領域PAに接続されているため、弾性部材2が切込領域MA内で荷重の影響を受けたとしても、隣接するバンプ12に荷重が伝わることを抑制することができる。また、弾性部材2が可撓性フィルム1の主領域PAに接続されていることにより、可撓性フィルム1と弾性部材2との間の位置ずれを抑制することができる。
図3は、本実施形態におけるプローブカード10を用いて、ステージ32上の検査対象物30の電気特性を検査する様子を模式的に示す断面図である。図3に示す例では、プローブカード10の複数のバンプ12a~12cのうち、中央のバンプ12bは、他のバンプ12a,12bと比べて高さが高いものとする。なお、検査対象物30の電気特性の検査とは、検査対象物30の電極31a~31cに電流を流して通電等を確認するための検査である。検査する電気特性の種類に特に制約はない。
検査対象物30の電気特性を検査する際、プローブカード10の複数のバンプ12a~12cと、検査対象物30の複数の電極31a~31cとがそれぞれ当接するように、プローブカード10と検査対象物30とを相対的に近づける。これにより、最初に、高さが最も高い中央のバンプ12bが検査対象物30の対応する電極31bと当接する。このとき、可撓性フィルム1のうち、中央のバンプ12が配置されている部分が弾性部材2に向かって押し込まれるが、可撓性フィルム1に切り込み20が入れられているため、中央のバンプ12が配置されている可撓性フィルム1の帯部1Xが弾性部材2に向かって押し込まれる。これにより、中央のバンプ12bと隣接する他のバンプ12a,12cに荷重が加わることを抑制することができるので、中央のバンプ12bと隣接するバンプ12aと検査対象物30の対応する電極31aとの間、および、バンプ12cと検査対象物30の対応する電極31cとの間が非接触となることを抑制することができる。これにより、検査対象物30の電気特性の検査を確実に行うことができる。
プローブカード10の複数のバンプ12の高さが等しい条件において、1つのバンプ12が検査対象物の1つの電極と当接したときに、周囲のバンプ12に及ぶ荷重の影響を調べる実験を発明者が行ったところ、検査対象物の電極と当接したバンプ12の変位が20μmの場合に、隣接するバンプ12の変位は10μmであった。一方、切り込みが入れられていない可撓性フィルムを用いて同じ実験を行ったところ、隣接するバンプの変位は17μmであった。
すなわち、可撓性フィルム1に切り込み20が入れられた本実施形態におけるプローブカード10を用いることにより、バンプ12が検査対象物の電極と当接したときに隣接するバンプ12に及ぶ荷重の影響を85%(17/20×100)から50%(10/20×100)まで低減させることができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態におけるプローブカード10Aでは、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、弾性部材2は、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と対応した位置に切り込みを有する。なお、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と対応した位置とは、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と同じ位置か、または、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置に近い位置を意味する。
図4(a)は、第2の実施形態におけるプローブカード10Aの弾性部材2であって、図1(b)に示す領域と同じ位置における領域の上面図であり、(b)は、(a)のIVB-IVB線に沿った断面図である。図4(a)のIVB-IVB線に沿った切断位置は、切り込み40が入れられている位置である。ここでは、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と同じ位置に、切り込み40が入れられている例を挙げて説明する。ただし、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と、弾性部材2に切り込み40が入れられている位置とが完全に一致している必要はない。
弾性部材2の切り込み40の幅は、可撓性フィルム1の切り込み20の幅L2と同じでもよいし、異なっていてもよい。一例として、弾性部材2の切り込み40の幅は、可撓性フィルム1の切り込み20の幅L2と同じであって、例えば、0.01mm以上0.05mm以下である。また、弾性部材2の切り込み40の長さは、可撓性フィルム1の切り込み20の長さL1と同じでもよいし、異なっていてもよい。一例として、弾性部材2の切り込み40の長さは、0.4mm以上1.5mm以下である。
弾性部材2の切り込み40の深さは、弾性部材2の厚みと同じでもよいし、弾性部材2の厚みよりも浅くてもよい。本実施形態では、図4(b)に示すように、弾性部材2の切り込み40の深さV1は、弾性部材2の厚みV2よりも浅い。例えば、弾性部材2の厚みV2が0.5mmで、切り込み40の深さV1は0.2mmである。
弾性部材2が可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と対応した位置に切り込み40を有することにより、複数のバンプ12はそれぞれ、他のバンプ12からの荷重の影響がより及びにくくなる。すなわち、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の帯部1Xと重なる位置における弾性部材2の帯部2Xはそれぞれ、他の弾性部材2の帯部2Xから独立して可動し得るため、弾性部材2の帯部2Xと重なる位置に配置されているバンプ12もそれぞれ、他のバンプ12からより独立して可動することが可能となり、他のバンプ12からの荷重の影響がより及びにくくなる。
発明者が行った実験では、弾性部材2に切り込み40が入れられた本実施形態におけるプローブカード10Aを用いることにより、弾性部材2に切り込み40が設けられていない第1の実施形態におけるプローブカード10と比べて、検査対象物の電極がバンプ12と当接した際、隣接するバンプ12に加わる荷重の影響がさらに20%低減されたことを確認できた。すなわち、本実施形態におけるプローブカード10Aのように、弾性部材2は、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の切り込み20が入れられている位置と対応した位置に切り込み40を有することが好ましい。
<第3の実施形態>
図5は、第3の実施形態におけるプローブカード10Bの要部の断面図である。図5の断面図の切断位置は、図1(c)の断面図の切断位置と同じであり、図5は、図1(c)と同じ領域の断面を示している。
第3の実施形態におけるプローブカード10Bは、可撓性フィルム1の第2の主面1b側において、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の主領域PAの少なくとも一部と重なる位置に設けられた固定部材4をさらに備える。固定部材4は、可撓性フィルム1と接続されていることが好ましい。固定部材4と可撓性フィルム1とを接続する方法に特に制約はなく、例えば、接着剤を介した接着により接続する。
本実施形態において、固定部材4は、弾性部材2を取り囲む枠状の形状を有する。固定部材4は、金属、樹脂、セラミクスなど、少なくとも可撓性フィルム1よりも剛性の高い材料からなる。プローブカード10Bが固定部材4を備えることにより、プローブカード10Bの強度を向上させることができる。また、固定部材4が枠状の形状を有することにより、プローブカード10Bの強度をより向上させることができる。
また、第3の実施形態におけるプローブカード10Bによれば、可撓性フィルム1の第2の主面1b側において、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の主領域PAの少なくとも一部と重なる位置に設けられた固定部材4をさらに備えることにより、可撓性フィルム1の主領域PAが固定部材4によってより強固に固定される。これにより、検査対象物の電極がバンプ12と当接した際、可撓性フィルム1の主領域PAを介して隣接するバンプ12に加わる荷重の影響をさらに抑制することが可能となり、バンプ12と半導体素子の電極との接触をより確実に行うことができる。
発明者が行った実験では、第3の実施形態におけるプローブカード10Bを用いた場合、検査対象物の電極がバンプ12と当接した際、当接したバンプ12の変位が20μmの場合に、隣接するバンプ12の変位は3μmであった。すなわち、第1の実施形態におけるプローブカード10を用いた場合に隣接するバンプ12に及ぶ荷重の影響は50%であったが、第3の実施形態におけるプローブカード10Bを用いることにより、15%まで低減させることができる。
したがって、本実施形態におけるプローブカード10Bのように、可撓性フィルム1の第2の主面1b側において、可撓性フィルム1の第1の主面1aと直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の主領域PAの少なくとも一部と重なる位置に設けられた固定部材4をさらに備えることが好ましい。
<第4の実施形態>
第3の実施形態におけるプローブカード10Bでは、可撓性フィルム1の第2の主面1b側に固定部材4が設けられている。
これに対して、第4の実施形態におけるプローブカード10Cは、可撓性フィルム1の少なくとも切込領域MAを第2の主面1b側から付勢するためのプッシャ5をさらに備え、固定部材4は、プッシャ5の一部である(図6参照)。プッシャ5は、検査対象物の検査時に、バンプ12と検査対象物の電極とが当接するように、可撓性フィルム1を検査対象物に押し当てるために用いられる。
図6(a)は、第4の実施形態におけるプローブカード10Cの構成を模式的に示す側面図である。プッシャ5は、可撓性フィルム1を検査対象物に押し当てるためのものであれば、どのような形状および構造でもよい。プッシャ5の先端であって、可撓性フィルム1と当接する部分には、可撓性フィルム1の第2の主面1b側に設けられている弾性部材2が挿入される凹部50が設けられている。
検査対象物の検査時に、プッシャ5は、バンプ12と検査対象物30の電極とが当接するように、検査対象物に対してプローブカード10Cを押し当てる。コネクタ3は、外部回路の、例えば外部コネクタと接続されて固定されているため、可撓性フィルム1は、図6(b)に示すように撓む。なお、図6(a),(b)では、非常に小さいバンプ12は省略している。
図6(b)に示すように、プローブカード10Cの弾性部材2は、プッシャ5の凹部50に挿入され、プッシャ5の先端部分が固定部材4を構成する。すなわち、プッシャ5の先端部分であって、可撓性フィルム1の第2の主面1bと当接し、弾性部材2を取り囲む部位が固定部材4を構成する。
本実施形態におけるプローブカード10Cも第3の実施形態におけるプローブカード10Bと同様、固定部材4を備えることにより、検査対象物30の電極がバンプ12と当接した際、可撓性フィルム1の主領域PAを介して隣接するバンプ12に加わる荷重の影響をさらに抑制することが可能となり、バンプ12と検査対象物30の電極との接触をより確実に行うことができる。
<第5の実施形態>
図7は、第5の実施形態におけるプローブカード10Dの要部の構成を模式的に示す部分拡大図である。図7に示す部分拡大図では、切込領域MAとその周辺領域を示している。
第5の実施形態におけるプローブカード10Dは、可撓性フィルム1の第1の主面1aに配置されたグランド導体13をさらに備える。グランド導体13は、配線11と離間しており、互いに電気的に絶縁されている。後述するように、切込領域MAと主領域PAにおける配線11とグランド導体13の形成方法が異なることから、切込領域MAにおける配線11とグランド導体13との最小離間距離L4は、主領域PAにおける配線11とグランド導体13との最小離間距離L5よりも短い。例えば、切込領域MAにおける配線11とグランド導体13との最小離間距離L4は、主領域PAにおける配線11とグランド導体13との最小離間距離L5よりも20μm以上短い。
本実施形態におけるグランド導体13は、配線11と同じ材料からなる。複数の配線11とグランド導体13は、可撓性フィルム1の同じ面、より詳しくは、第1の主面1aに設けられており、いわゆるコプレーナ配線構造を構成している。
グランド導体13は、複数の配線11のうちの少なくとも1つの幅方向の両側に設けられていることが好ましい。図7に示す例では、4つの全ての配線11の幅方向の両側にグランド導体13が設けられている。配線11の延伸方向と直交する幅方向の両側にグランド導体13が設けられていることにより、配線11に対するノイズの影響を低減することができる。
図7に示す例では、6つのバンプ12のうち、4つのバンプ12が配線11と電気的に接続されており、残りの2つのバンプ12は、グランド導体13と電気的に接続されている。ただし、グランド導体13と電気的に接続されるバンプ12は、省略することが可能である。
図2に、第1の実施形態におけるプローブカード10の切り込み20の幅L2および配線11の端部と切り込み20の端部との距離L3を示しているが、本実施形態におけるプローブカード10Dの切り込み20の幅L2は、例えば、0.01mm以上0.05mm以下である。また、配線11の幅方向において、配線11の端部と切り込み20の端部との距離L3は、例えば、0mm以上10μm以下である。
可撓性フィルム1の切込領域MAの特性インピーダンスは、主領域PAの特性インピーダンスと一致しているか、または近い値であることが好ましい。例えば、切込領域MAにおける配線11の幅や、切り込み20の幅L2を調整することによって、切込領域MAの特性インピーダンスを主領域PAの特性インピーダンスに近づけることが可能である。一例として、可撓性フィルム1の主領域PAの特性インピーダンスが50Ωであり、配線11とグランド導体13がCuからなり、可撓性フィルム1の厚みが50μm、比誘電率が3.3の場合に、切込領域MAにおける配線11の幅を155μm程度、切り込み20の幅L2を25μm程度とすることにより、切込領域MAの特性インピーダンスを主領域PAの特性インピーダンスに略一致させることができる。
グランド導体13は、可撓性フィルム1の第1の主面1aだけでなく、第2の主面1bのうちの一部の領域にも設けることが可能である。その場合、グランド導体13は、第2の主面1bのうち、可撓性フィルム1と直交する方向において切込領域MAにおける配線11と重なる領域には設けられていないことが好ましい。
図8(a)は、可撓性フィルム1の第2の主面1bのうちの主領域PAにもグランド導体13を設けたプローブカード10Dの部分断面図であり、図8(b)は、可撓性フィルム1の第2の主面1b側に設けられたグランド導体13の配置位置を示す部分平面図である。図8(a)、(b)に示す例では、可撓性フィルム1の第2の主面1bのうち、主領域PAにグランド導体13が設けられており、切込領域MAにはグランド導体13が設けられていない。したがって、第2の主面1bのうち、可撓性フィルム1と直交する方向において切込領域MAにおける配線11と重なる領域には、グランド導体13は設けられていない。
可撓性フィルム1の第2の主面1bのうちの主領域PAにもグランド導体13を設けることにより、配線11が第1の主面1aに設けられているグランド導体13と、第2の主面1bに設けられているグランド導体13に囲まれるので、配線11に対するノイズの影響をさらに低減することができる。
可撓性フィルム1の第1の主面1aに設けられているグランド導体13と、第2の主面1bに設けられているグランド導体13とは、図示しないビアを介して互いに電気的に接続されていることが好ましい。第1の主面1aに設けられているグランド導体13と、第2の主面1bに設けられているグランド導体13とがビアを介して互いに電気的に接続されていることにより、グランドをより安定化させることができ、配線11に対するノイズの影響をさらに低減することができる。
ここで、グランド導体13は、可撓性フィルム1と比べると剛性が高いため、可撓性フィルム1と直交する方向において切込領域MAにおける配線11と重なる領域にグランド導体13を設けると、上述した可撓性フィルム1の帯部1Xが独立して動きにくくなる可能性がある。しかしながら、可撓性フィルム1の第2の主面1bのうち、可撓性フィルム1と直交する方向において切込領域MAにおける配線11と重なる領域にグランド導体13を設けないことにより、可撓性フィルム1の帯部1Xが独立して可動しやすくなる。
図9は、第5の実施形態におけるプローブカード10Dの要部の別の構成例を模式的に示す部分拡大図である。図9に示す例では、バンプ12が13個設けられており、そのうちの4つが配線11と電気的に接続され、残りの9つは、グランド導体13と電気的に接続されている。
第5の実施形態におけるプローブカード10Dの製造方法について説明する。
はじめに、可撓性フィルム1の第1の主面1aに、複数の配線11およびグランド導体13を形成するための導体14を積層し、パターニングによって、主領域PAにおける配線11とグランド導体13とを離間するため領域の導体14を除去する(図10(a)参照)。図10(a)において、斜線のハッチングを施した領域は、導体14が除去されて、可撓性フィルム1の第1の主面1aが見えている領域である。また、導体14の上に、複数のバンプ12を形成する。
なお、パターニングによって導体14の一部を除去する領域の形状が図10(a)に示す形状に限定されることはない。例えば、切込領域MAに向かうにつれて、配線11とグランド導体13とを離間する距離が徐々に短くなるようにしてもよいし、導体14が除去された領域の端部が、切込領域MAに向かって凸状である円弧状となっていてもよい。また、後に切込領域MAとなる領域であっても、配線11とグランド導体13とが隣り合う位置でなければ、導体14の一部を除去してもよい。
上述したように、可撓性フィルム1の第2の主面1bの一部の領域にも導体(グランド導体13)を設けてもよい。
続いて、複数のバンプ12同士を結ぶ線分を分断する態様で、可撓性フィルム1および導体14に切り込みを入れる。これにより、図10(b)に示すように、導体14が複数の配線11とグランド導体13に分けられる。なお、図10(b)に示す上面図において、可撓性フィルム1に入れられた切り込み20と、導体14に入れられた切り込みは、同じ位置にある。すなわち、可撓性フィルム1と直交する方向に見たときに、可撓性フィルム1の切り込み20に沿って、配線11とグランド導体13とが離間している。
図11(a)は、パターニングによって導体14の一部を除去する際、切込領域MAに向かうにつれて、配線11とグランド導体13とを離間する距離が徐々に短くなるようにした場合において、可撓性フィルム1および導体14に切り込みが入れられた状態を模式的に示す上面図の部分拡大図である。図11(a)に示す部分拡大図は、図7の右下に示す部分拡大図と同じ領域を示している。
切り込みを入れる方法は任意であり、例えば、切断刃による切断、ドリルを用いた切断、レーザによる切断などの方法により行うことが可能である。レーザによって切断する場合の条件は、例えば、周波数200kHz、エネルギー量27μJ、スキャン回数40回、加工速度500mm/secとすることができる。なお、加工精度の都合などにより、前述のパターニングによって導体14の一部を除去した領域の一部にまで、切り込み20が入り込むことがある。図11(b)は、図11(a)に示す部分拡大図に対して、パターニングによって導体14の一部を除去した領域の一部にまで切り込み20が入り込んだ状態を模式的に示す部分拡大図である。
上述したように、可撓性フィルム1の主領域PAにおける配線11とグランド導体13は、パターニングによって形成されるが、切込領域MAにおける配線11とグランド導体13は、導体14に切り込みを入れることによって形成される。切り込みを入れることによって配線11とグランド導体13とを形成する方法では、パターニングによって形成する方法と比べて、容易かつ精度良く、配線11とグランド導体13との離間距離を短くすることができる。
切り込みが入れられることによって露出した可撓性フィルム1と配線11の断面は、図12に示すように、可撓性フィルム1と直交する面に対して平行ではなく、傾いていてもよい。切り込みが入れられることによって露出したグランド導体13の断面も同様に、可撓性フィルム1と直交する面に対して平行ではなく、傾いていてもよい。
最後に、可撓性フィルム1の第2の主面1b側に弾性部材2を配置する。上述した工程により、第5の実施形態におけるプローブカード10Dが製造される。
ここで、従来から一般的に行われているパターニングで複数の配線11とグランド導体13とを形成する方法(図13(b)参照)では、上述した導体14の切り込みによって複数の配線11とグランド導体13とを形成する方法と比べて、配線11とグランド導体13との離間距離を短くすることが困難である。このため、複数のバンプ12同士の間隔が狭い場合に、パターニングで複数の配線11とグランド導体13とを形成して、主領域PAと切込領域MAのインピーダンス整合を図ろうとすると、精度の関係上困難になる。
また、パターニングによって第1の主面1aに配線11とグランド導体13とを形成するとともに、第2の主面1bの全体にグランド導体を配置した可撓性フィルム1に対して切り込みを入れた場合、第2の主面1bに配置したグランド導体13が切り込みによって分断されてしまう(図13(c)参照)。この場合、切り込みを挟んで隣接するグランド導体13の電位に差異が生じて容量結合が起こり、不要な共振が発生する可能性がある。特に、配線11で高周波信号を伝送する場合には、伝送線路としての特性が悪化する場合がある。
しかしながら、上述したように、1つの導体14に切り込みを入れることによって、複数の配線11とグランド導体13とを形成する方法によれば、複数のバンプ12同士の間隔が狭い場合でも、容易に、複数の配線11とグランド導体13とを精度良く形成することができる(図13(a)参照)。また、可撓性フィルム1の第2の主面1bにグランド導体13を配置しないことにより、上述したグランド導体13の分断による伝送線路の特性の悪化を回避することができる。可撓性フィルム1の第2の主面1bのうち、可撓性フィルム1と直交する方向において切込領域MAにおける配線11と重なる領域にグランド導体13を設けない場合も同様に、上述したグランド導体13の分断による伝送線路の特性の悪化を回避することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。例えば、各実施形態における特徴的な構成は、適宜組み合わせることができる。
第5の実施形態におけるプローブカード10Dでは、導体14に切り込みを入れることによって、複数の配線11とグランド導体13とを形成したが、例えば、導体14に切り込みを入れることによって、複数の配線11と別の配線とを形成することもできるし、複数の配線11と端子とを形成することもできる。
本出願におけるプローブカードは、以下の通りである。
<1>.可撓性を有し、第1の主面に複数のバンプが配置された可撓性フィルムと、
前記可撓性フィルムに配置され、少なくとも1つの前記バンプに接続された複数の配線と、
前記可撓性フィルムの前記第1の主面とは反対側の主面である第2の主面側に設けられた弾性部材と、
を備え、
前記可撓性フィルムは、複数の前記バンプ同士を結ぶ線分を分断する切り込みが入れられた切込領域と、前記切込領域以外の主領域とを有し、
前記弾性部材は、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに少なくとも前記可撓性フィルムの前記切込領域と重なる位置に設けられており、かつ、前記可撓性フィルムの前記主領域に接続されていることを特徴とするプローブカード。
<2>.前記弾性部材は、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに、前記可撓性フィルムの前記切り込みが入れられている位置と対応した位置に切り込みを有することを特徴とする<1>に記載のプローブカード。
<3>.前記弾性部材の前記切り込みの深さは、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向における前記弾性部材の厚みよりも浅いことを特徴とする<2>に記載のプローブカード。
<4>.前記可撓性フィルムの前記第2の主面側において、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに前記可撓性フィルムの前記主領域の少なくとも一部と重なる位置に配置される固定部材をさらに備えることを特徴とする<1>~<3>のいずれか一つに記載のプローブカード。
<5>.前記固定部材は、前記弾性部材を取り囲む枠状の形状を有することを特徴とする<4>に記載のプローブカード。
<6>.前記可撓性フィルムの少なくとも前記切込領域を前記第2の主面側から付勢するためのプッシャをさらに備え、
前記固定部材は、前記プッシャの一部であることを特徴とする<4>または<5>に記載のプローブカード。
<7>.前記可撓性フィルムの前記第1の主面に配置されたグランド導体をさらに備え、
前記切込領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離は、前記主領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離よりも短いことを特徴とする<1>~<6>のいずれか一つに記載のプローブカード。
<8>.前記切込領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離は、前記主領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離よりも20μm以上短いことを特徴とする<7>に記載のプローブカード。
<9>.前記グランド導体は、複数の前記配線のうちの少なくとも1つの幅方向の両側に設けられていることを特徴とする<7>または<8>に記載のプローブカード。
<10>.前記グランド導体は、前記可撓性フィルムの前記第2の主面のうちの少なくとも一部の領域にも設けられているが、前記可撓性フィルムと直交する方向において前記切込領域における前記配線と重なる領域には設けられていないことを特徴とする<7>~<9>のいずれか一つに記載のプローブカード。
<11>.一端が少なくとも1つの前記バンプと接続されている前記配線の他端と接続されたコネクタをさらに備えることを特徴とする<1>~<10>のいずれか一つに記載のプローブカード。
1 可撓性フィルム
1a 可撓性フィルムの第1の主面
1b 可撓性フィルムの第2の主面
1X 可撓性フィルムの帯部
2 弾性部材
2X 弾性部材の帯部
3 コネクタ
4 固定部材
5 プッシャ
10,10A,10B,10C、10D プローブカード
11 配線
12,12a,12b,12c バンプ
13 グランド導体
14 導体
20 可撓性フィルムの切り込み
30 検査対象物
31a,31b,31c 電極
40 弾性部材の切り込み
50 プッシャの凹部
MA 切込領域
PA 主領域

Claims (11)

  1. 可撓性を有し、第1の主面に複数のバンプが配置された可撓性フィルムと、
    前記可撓性フィルムに配置され、少なくとも1つの前記バンプに接続された複数の配線と、
    前記可撓性フィルムの前記第1の主面とは反対側の主面である第2の主面側に設けられた弾性部材と、
    を備え、
    前記可撓性フィルムは、複数の前記バンプ同士を結ぶ線分を分断する切り込みが入れられた切込領域と、前記切込領域以外の主領域とを有し、
    前記弾性部材は、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに少なくとも前記可撓性フィルムの前記切込領域と重なる位置に設けられており、かつ、前記可撓性フィルムの前記主領域に接続されていることを特徴とするプローブカード。
  2. 前記弾性部材は、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに、前記可撓性フィルムの前記切り込みが入れられている位置と対応した位置に切り込みを有することを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
  3. 前記弾性部材の前記切り込みの深さは、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向における前記弾性部材の厚みよりも浅いことを特徴とする請求項2に記載のプローブカード。
  4. 前記可撓性フィルムの前記第2の主面側において、前記可撓性フィルムの前記第1の主面と直交する方向に見たときに前記可撓性フィルムの前記主領域の少なくとも一部と重なる位置に配置される固定部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
  5. 前記固定部材は、前記弾性部材を取り囲む枠状の形状を有することを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
  6. 前記可撓性フィルムの少なくとも前記切込領域を前記第2の主面側から付勢するためのプッシャをさらに備え、
    前記固定部材は、前記プッシャの一部であることを特徴とする請求項4に記載のプローブカード。
  7. 前記可撓性フィルムの前記第1の主面に配置されたグランド導体をさらに備え、
    前記切込領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離は、前記主領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
  8. 前記切込領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離は、前記主領域における前記配線と前記グランド導体との最小離間距離よりも20μm以上短いことを特徴とする請求項7に記載のプローブカード。
  9. 前記グランド導体は、複数の前記配線のうちの少なくとも1つの幅方向の両側に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のプローブカード。
  10. 前記グランド導体は、前記可撓性フィルムの前記第2の主面のうちの少なくとも一部の領域にも設けられているが、前記可撓性フィルムと直交する方向において前記切込領域における前記配線と重なる領域には設けられていないことを特徴とする請求項7に記載のプローブカード。
  11. 一端が少なくとも1つの前記バンプと接続されている前記配線の他端と接続されたコネクタをさらに備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のプローブカード。
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