JP2023007417A - 携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法、及び調整されたプレートの組を備える携行型時計 - Google Patents

携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法、及び調整されたプレートの組を備える携行型時計 Download PDF

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Abstract

Figure 2023007417000001
【課題】 機械的衝撃に耐えるように携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする。
【解決手段】 本発明は、携行型時計(1)のプレートの組(4、5)に対して周波数調整をする方法に関する。プレートどうしは、間に空間が形成されるように上下に携行型時計の表盤を形成するように配置される。プレートの組に対する機械的衝撃を発生させ、各プレートの振動周波数を検査する。プレートのうちの少なくとも1つに対して、他のプレートと振動周波数が異なる場合に、少なくとも第1の固有振動モードにしたがってプレートを調整して各プレートにて同じ振動周波数が得られるようにして、機械的衝撃に起因するプレートどうしの接触を避ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)のプレートの組に対して周波数調整をする方法に関する。前記プレートは、好ましくは、携行型時計の表盤プレートである。前記プレートは、ストライク(打撃)又は音楽機能付きの携行型時計の音響放射膜としても用いることができる。
本発明は、さらに、前記調整方法にしたがって調整されたプレートの組を備える携行型時計に関する。
携行型時計が、その表盤として、重なり合ったプレートを備える場合、その携行型時計に対する機械的衝撃を避けるために細心の注意を払う必要がある。このような機械的衝撃は、重なり合ったプレートどうしを接触させて、壊れやすい材料によって作られた1つのプレートを破損させたりひび割れを発生させたりすることがある。一般的には、このようなプレートどうしは、機械的衝撃に起因して互いに接触することを避けるために十分に離間するように配置される。しかし、伝統的な携行型時計のケース内に取り付ける場合、プレートの間隔を十分に離すことは適切ではない。様々なコンポーネントをマウントするために多くの空間が必要であるからである。
音(旋律)や音楽を発生させるために携行型時計にストライク機構が設けられていることもある。このために、通常、携行型時計ケース内に、ストライク機能付き携行型時計のゴング又は音楽機能付き携行型時計のピンバレルが配置される。このようなゴング又はピンバレルのタングの振動が、様々な外側部品に伝達される。このような外側部品は、例えば、携行型時計に美的外観を与えるために装飾が施された、携行型時計ケースのケースミドル部、ベゼル、風防、ケース裏部、又は重なり合ったプレートによって構成している表盤である。
音楽機能付き又はストライク機能付きの携行型時計の場合、音響的性能は、外側部品の複雑な振動/音響変換に基づいており、不十分である。ストライク又は音楽機能付きの携行型時計のユーザーが知覚する音のレベルを改善させて大きくするために、外側部品の材料、形状及び限界条件を考慮に入れる必要がある。これらの外側部品の構成は、携行型時計の美的外観と動作上の制約にも依存し、これらは適応の可能性を制限してしまうことがある。
ストライク又は音楽機能付きの携行型時計の音の周波数成分は、0.5~5kHzの周波数範囲内、さらには0.5~10kHzの周波数範囲内、において豊かでなければならない。しかし、伝統的な外側部品は、この周波数帯において効果的な放射をしない。したがって、ストライク機構の振動音響的性能を向上させるために、1つ又は複数の膜が携行型時計ケース内に配置され、例えば、間に空間があるように上下に重ねる。これらの膜は、携行型時計のケース内において発生する1つ又は複数の音が効率的に放射するような寸法構成を有する。膜が共鳴して振動するために、発生する音の周波数は膜の固有振動モードの近くでなければならない。しかし、典型的にはこのような膜の周波数調整に対して、特に対策がされていない。具体的には、主に携行型時計が機械的衝撃を受けているときや音又は音楽を発生させているときに前記膜が互いに接触しないようにする対策をしていない。
音響膜の構成に関する制約は、一般的には、衝撃や大きな外圧に対する携行型時計の気密性と機械的強度を確実にするための機械的構成のルールとは対照的である。
欧州特許出願EP1795978A2は、ストライクデバイスを備える携行型時計について記載している。このストライクデバイスには、2つのベル形の膜がある。これらの2つのベル形の膜は、中央の支持ロッドによって同軸にて上下に配置されるようにして携行型時計のケースに保持されている。2つのベルと携行型時計ケースのケース裏部の間に別の薄い膜がある。これは、携行型時計ケースのケースミドル部と穴が形成されたケース裏部の間に応力がかかるように取り付けられている。他方の膜の半径方向の応力調整に応じて、この膜の音響放射周波数を調整することができる。しかし、他の2つのベル形の膜は、ストライクデバイスが発生させる音のレベルを改善させるようには構成していない。このことは課題である。また、携行型時計が受ける可能性のある機械的衝撃に耐える能力を向上させるために周波数調整を試みている周波数調整方法はない。
欧州特許出願EP3009894A1は、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計のための音響放射膜の構成について記載している。この構成には、第2の膜に重なり合って配置される第1の膜がある。2つの膜の周部のエッジは、携行型時計のケース内に膜を保持するように意図されている。第1の音響放射膜は、第1の周波数帯の周波数を効率的に放射するように構成しており、第2の音響放射膜は、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の周波数を効率的に放射するように構成している。また、第1及び第2の膜の周部のエッジの間にスペーサーリングが配置されて、音響空洞を形成する。ゴングやタングの活性化に起因して又は主に機械的衝撃に起因して膜どうしが接触しないように膜の周波数調整を実行することはなされていない。
このような状況で、本発明は、携行型時計に対する機械的衝撃に耐えるように、特に携行型時計の表盤を形成する、携行型時計のプレートの組、に対して周波数調整をする方法を提供することによって、前記の従来技術の課題を解決することを目的とする。この携行型時計は、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計であることができる。
このために、本発明は、独立請求項1の特徴を有する、携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法に関する。
従属請求項2~10に、携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法の特定のステップが定められている。
この携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法の1つの利点は、少なくとも2つの表盤形成プレートを調整して、機械的衝撃に耐える能力が改善されることである。好ましくは、各表盤形成プレートは、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計の音を放射する膜としても機能する。各プレートは、特に、例えば第1の固有振動モードを制御することによって、周波数調整される。このように、比較的短い所定の距離離間して配置される2つのプレートは、携行型時計に対する機械的衝撃に起因して互いに接触しないように調整される。1つのプレートがサファイアのような壊れやすい材料によって作られているプレートの組に対して周波数調整を実行する結果、2つのプレートが機械的衝撃の際に互いに接触しないように同相で振動することができる。また、ストライク又は音楽機能付き携行型時計が発生させる音又は音楽の音響放射を改善するために用いることもできる。
好ましいことに、第1の表盤プレートは、金属材料によって作られており、第2の表盤プレートは、硬く壊れやすく脆い材料であるサファイアによって作られている。携行型時計内において、このサファイアプレートは0.4mm以下の厚みであることができる。
好ましいことに、前記サファイアプレートは、新しい審美的基準を与えるように第2の表盤として機能することができ、また、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計の場合に、第1の表盤プレートと連係して振動及び放射用の膜として機能することができる。
このような状況で、本発明は、さらに、独立請求項11に記載の特徴を有する、前記調整方法にしたがって調整されたプレートの組を備える携行型時計に関する。
図面を参照しながら以下の説明を読むことによって、この携行型時計の表盤形成プレートの組に対して周波数調整をする方法の目的、利点及び特徴が一層明確になる。
互いに離間している表盤形成プレートの組を備える、携行型時計、例えば、ストライク式又は音楽用の携行型時計、の断面図である。本発明にしたがって、これらのプレートに対して機械的衝撃に耐える能力を向上させるように周波数調整が行われる。 本発明に係る表盤形成プレートの組の少なくとも1つのプレートの第1の固有モードの変形を示している断面図である。 図3a及び3bはそれぞれ、本発明に係るプレートの組の周波数調整の前と後における、機械的衝撃に起因して又はストライク又は音楽の間に、振動する表盤形成プレートの組のグラフを示している。 本発明に係る、振動周波数を判断するためのデジタルモデルと、携行型時計のプレートの組の周波数調整を示している。
以下の説明において、携行型時計、例えば、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計、のよく知られた部分についてはすべて簡潔にしか説明しない。携行型時計とプレートの組が受けることがある機械的衝撃に耐える能力を向上させるために携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法にのみ言及する。
図1は、この実施形態における表盤形成プレートの組4、5を備える携行型時計1の断面を概略的に示している。携行型時計1は、さらに、ケースミドル部2によって構成しているケースを備え、このケースは、上側において風防3によって閉じられ、底側においてケース裏部8によって閉じられる。ケース裏部8と表盤形成プレートの組4、5の間に、計時器用ムーブメント7がある。計時器用ムーブメント7に時間表示針6が接続しており、この時間表示針6が表盤形成プレートの組4、5から突き出て、この表盤形成プレートの組の表盤5の上にて時間を表示する。
当然、前記プレートの組を携行型時計ケース内の他の場所に配置することもでき、必ずしも表盤形成プレートの組として用いないことを理解する必要がある。前記プレートの組は、例えば、携行型時計ケースのケースミドル部2の一部又は携行型時計ケースのケース裏部8の一部を形成する、あるいは携行型時計ケースの他の場所に配置される、離間した2つのプレートであることができる。
表盤形成プレートの組4、5には、例えば金属材料によって作られた、第1の表盤プレート4と、この第1の表盤プレート4の上に、例えばサファイアや他の壊れやすい材料によって作られた、硬くて壊れやすい材料によって作られた第2のプレート5がある。好ましくは、第2のプレート5は実質的に光透過性であり、これによって、第2のプレート5の底面において、又はさらには第1のプレート4の上面においても、審美的なインレイやインデックスを見ることができる。
2つのプレート4、5は、所定の距離離間するように取り付けられる。例えば、2つのプレート4、5の間の間隙の距離が1mm以下であることができる。好ましくは、プレート4、5の間の間隙の距離は、携行型時計ケース1内の空間を無駄にしないように、1mmよりもはるかに小さいことができ、例えば0.1mmであることができる。しかし、離間するプレート4、5は、機械的衝撃を受けたときに互いに接触しないように構成していなければならない。このような状況で、以下に説明するように、プレート4、5の両方の少なくとも第1の固有振動モードに振動周波数を一致させることができるように周波数調整方法を実行する。
なお、機械的衝撃を受けたときに、携行型時計1の外側部品及びムーブメントを構成している要素は、大きな加速を経験する。このような加速によって、表盤形成プレートの組4、5が変形して、針6のような近隣の部品と接触してしまう可能性がある。特定の本発明の構成の場合、審美的な基準のために表盤プレート4から離間してサファイアプレート5が付加されることがあり、機械的衝撃を受けたときにこのサファイアプレート5が表盤プレート4と接触してしまうことがある。外側部品が落とされる高さに応じて、プレートの組の第1の表盤プレート4が第2のサファイアプレート5と接触してしまうことがあり、壊れやすい材料であるためにこの第2のサファイアプレート5が破損してしまうことがある。携行型時計が機械的衝撃に耐える能力を有することを確実にするために、プレートの組4、5を含む携行型時計を構成しているすべての要素が正しい寸法構成を有する必要がある。しかし、携行型時計の審美性によって、機械的衝撃を受けたときにに良好な機械的強度を確実にする構成とは相容れないことがあるような制約が発生してしまう。
サファイアは壊れやすい材料であるため、この種の材料に対する直接的な衝撃を与えることは避けることが好ましい。プレートの組4、5を備える携行型時計1が2つのプレート4、5の間の接触を避けるためには以下のようないくつかの選択肢がある。
- 第1の表盤プレート4の剛性を大きくして、変形しないようにする。第1の表盤プレート4は、装飾され、多くの場合に高貴であり非常に密度が高い材料を用いて作られる美的要素である。したがって、第1の表盤プレート4は、変形することを防ぐために相当に大きい厚みを有する必要がある。しかし、このことによって、外側部品の全体的な厚みが大きくなってしまい、このことは望ましくない。
- 第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5の間の間隙を大きくする。第1の表盤プレート4は、機械的衝撃によって変形しても、同様に振動する可能性がある他の第2のプレート5と接触しない可能性がある。しかし、第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5の間の間隙の距離が大きくなると、外側部品の厚み及び携行型時計の美的外観に直接影響を与えてしまう。また、表盤が読みにくくなってしまう可能性がある。
- 設計によって固定された2つの要素の間の間隙を大きくせずに、第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5の固有周波数を調整して、第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5が同相で振動し互いにぶつからないようにする。
なお、本発明は、主に、上の最後の項目に基づいている。このようにして、外側部品が衝撃を受けたときの第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5のダイナミクスを予測するためのデジタルモデルが開発された。第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5は、以下に説明する図4に示しているように錘ーばね式のショックアブソーバーシステムによって表される(第1の表盤プレート4と第2のサファイアプレート5の第1の固有モードの変形をモデル化する)。2つの錘は、この構成によって設けられる遊びの分、離間する(図4)。
図3a及び3bはそれぞれ、周波数調整操作の前と後においてプレート組のプレートに対して周波数調整をする方法に関するグラフを示している。図3aは、周波数調整前の状態を示しており、図3bは、周波数調整後の状態を示している。第1のプレートの振動は実線で示しており、第2のプレートの振動は点線で示している。
この周波数調整方法において、試験装置が発生させた機械的衝撃を受けた後に各プレート4、5の振動が検査され、2つのプレートの間に所定の空間があるようにこの試験装置上に1つ又は複数のプレート4、5が上下に重なるように配置される。各プレートの振動に応じて、図3aに示している場合のように1つのプレートが他のプレートと接触するかどうかを確認することができる。時間T=0において機械的衝撃が発生する。この機械的衝撃の後に、各プレート4、5が、プレートの寸法構成、プレートの形及びプレートを構成している材料に応じた周波数にて振動又は発振する。第1の金属プレートが1kHzをわずかに超える周波数にて振動しており、第2のサファイアプレートが第1のプレートの振動周波数よりも高い、例えば2kHz、よりもわずかに高い、周波数にて振動しており、これら両方のプレートの振動が時間とともに減衰していることがわかる。このような振動の違いによって、第2のプレートが第1のプレートと直接接触し(図3aの暗い部分)、その後で点で示している一点接触を通して接触することがわかる。このような一点接触は、壊れやすい材料によって作られた第2のプレートに破損箇所を発生させてしまうことがある。試験装置によって各プレートの振動の周波数分析を行うことによって、各プレート又は少なくともプレートの1つに対する補正手段を設けて、2つの振動プレートを同相で振動させることができる。このシナリオにおいて、プレートどうしが実質的に同じ周波数にて振動するようになると、図3bに示すように、これらのプレートどうしが互いに接触することなく、少なくとも第1の固有振動モードに従う同相になる。
プレートが互いに接触するような図3aに示している当該方法のこのステップの後に、前記プレートのうちの少なくとも1つを構成する必要がある。プレートのうちの少なくとも1つは、他のプレートの少なくとも第1の固有振動モードの振動周波数において振動するように構成又は適応させる必要がある。したがって、プレート4、5が機械的衝撃を受けた後に、具体的には少なくとも第1の固有振動モードにて、振動周波数が一致している2つのプレートは、互いに接触しない。これによって、図3bに示すように、壊れやすい材料によって作られた第2のプレート5を保護することができる。
前記プレートの振動周波数どうしを一致させるために、プレートのうちの少なくとも1つに対して、所定の位置、例えばそのプレートの中心、に錘を付加する操作を行って、他の振動プレートと同相の変形を行うようにすることができる。第2のプレートの中央に入れ込むことによって、前記錘を付加することができる。プレート上の異なる箇所に複数の小さな慣性ブロックを付加することも考えられる。
また、プレートの組又はプレートのうちの少なくとも1つの剛性又は限界条件を変えて、機械的衝撃を受けたときに各プレートが他のプレートと互いに接触することを避けることもできる。当然、錘を付加したり剛性を変えたりする代わりに、両方のプレートにて等しい少なくとも第1の振動モードを得るまで、レーザーを用いて材料を局所的に削ったり除去したりして振動周波数を変える操作をプレートの1つに対して行うこともできる。これによって、機械的衝撃を受けても2つのプレートが互いに接触しないことを確実にしつつ、2つのプレートを所定の短い距離(例えば0.1mm)離間することができる。
なお、プレート4、5の両方の構成に対して、試験装置において実装されるデジタルモデル(図4)が開発され、これは、プレートの1つの周波数調整のための周波数を一致させる手段を決めることができる。当然、各プレートの振動周波数を検査して、当該方法の最後において両方のプレートが同相で振動するように、プレートのうちの少なくとも1つを構成するように段階的に管理するいくつかの順次的なステップを行うことが考えられる。
サファイアプレートの中央において付加される錘をケースバイケースで調整するために、表盤の固有周波数とサファイアプレートの固有周波数の特性を把握する必要がある(固有周波数がこれらのコンポーネントの製造誤差に依存するため)。
この方法の周波数調整のための周波数試験装置については、これ以上詳しく説明しない。このような装置のコンポーネントは他の分野において既に知られているからである。
上において説明したように、表盤形成プレートの組は、ストライク又は音楽機能付き携行型時計の音響放射膜としても機能することができ、それらのプレートが互いに接触することなく同相で振動するように前記プレート又は膜の調整が行われる。
例として、図2は、第1の表盤プレート4の少なくとも第1の固有モードの変形の断面のみを示している。当然、プレートの組4、5の第1の固有モード、又はより高い固有モードの変形も反映されている可能性がある。
当業者であれば、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく、ここでの説明から、携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法のいくつかの代替的実施形態について考えることができる。
1 携行型時計
2 ケースミドル部
3 風防
4 第1のプレート
5 第2のプレート
7 ムーブメント
8 ケース裏部

Claims (11)

  1. 携行型時計(1)のプレートの組(4、5)に対して周波数調整をする方法であって、
    前記プレートどうしは、間に空間が形成されるように上下に配置され、前記プレートの組に対する機械的衝撃を発生させ、各プレートの振動周波数を検査し、
    前記プレートの組は、前記携行型時計(1)の表盤を形成し、
    前記プレートの組には、少なくとも第1の表盤プレート(4)と第2のプレート(5)があり、
    前記第2のプレート(5)は、前記第1のプレート(4)の上にあり、かつ、前記第1のプレート(4)から離れて配置され、
    前記プレートのうちの少なくとも1つに対して、他のプレートと振動周波数が異なる場合に、少なくとも第1の固有振動モードにしたがって前記プレートを調整して各プレートにて同じ振動周波数が得られるように振動周波数マッチング操作を行い、
    これによって、機械的衝撃に起因する前記プレートどうしの接触を避ける
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記第2のプレートは、サファイアのような壊れやすく脆い材料によって作られており、
    前記プレートの組(4、5)を前記プレートの組(4、5)に機械的衝撃を発生させる試験装置にて試験し、
    各プレートの振動周波数を判断し、
    前記プレートの1つに対して振動周波数マッチング操作を行って、2つのプレートを同じ振動周波数に調整して同相になるようにし、
    これによって、将来的な機械的衝撃に起因する前記プレートの間の接触を避ける
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のプレート(4)と前記第2のプレート(5)の間の間隔は、0.1mm以下であり、
    前記第2のプレート(5)の振動周波数を金属材料によって作られている前記第1のプレート(4)の少なくとも第1の固有振動モードと一致させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記プレートに対する機械的衝撃に起因する少なくとも1つの第1の固有振動モードと同じ振動周波数が得られるまで、周波数を判断し一致させる操作を複数回行う
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 1つのプレートの振動周波数が他のプレートの振動周波数よりも大きいときに、前記1つのプレートの振動周波数が前記他のプレートの振動周波数と同相になるように前記1つのプレートの振動周波数を前記他のプレートの振動周波数と一致させるように前記1つのプレートに錘を付加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2のプレートの中央に錘を入れ込む
    ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 1つのプレートの振動周波数が他のプレートの振動周波数と同相になるように一致させるように、前記プレートの組又は前記プレートのうちの少なくとも1つの剛性又は限界条件を変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 1つのプレートの振動周波数が他のプレートの振動周波数と同相になるように一致させるように、レーザーを用いて材料を局所的に削り又は除去して、2つのプレートの少なくとも第1の固有振動モードにおける同じ振動周波数を得る
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記試験装置において発展されたデジタルモデルを、各試験ごとに周波数を一致させる操作を行って、前記プレートの組(4、5)の周波数調整に用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 携行型時計の表盤を形成する2つの前記プレート(4、5)に対して、ストライク又は音楽機能付きの携行型時計の音を放射する膜として、周波数を一致させる操作を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  11. 携行型時計の表盤を形成し請求項1に記載の方法にしたがって周波数調整されたプレートの組(4、5)を備える
    ことを特徴とする携行型時計(1)。
JP2022085803A 2021-06-29 2022-05-26 携行型時計のプレートの組に対して周波数調整をする方法、及び調整されたプレートの組を備える携行型時計 Active JP7337999B2 (ja)

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