JP2023007354A - 成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、成形体の製造方法に関する。
抄造法のように大量の水を用いることなく、古紙を再生して緩衝材等の成形体を製造する方法として、古紙を解繊して綿状物としたものに、霧状の水分を加え、さらに粉状あるいは粒状の糊材を加えて、成形体を製造する、成形体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる成形体の製造方法は、抄造法に比べて少量の水を使用するだけで成形体を製造できるため、脱水、乾燥等に費やすエネルギーや時間を節約できる、という利点がある。
しかしながら、上記の成形体の製造方法においては、繊維に糊材を単に混ぜただけでは、繊維同士の強固な結合を得ることができず、得られる成形体の強度を十分に確保することができない場合がある。特に、繊維と糊材との混合物に少量の水分を付与して成形体を製造する場合、成形条件によっては、成形体の中に、繊維同士の結合が強い領域と弱い領域とが生じる場合があり、結合が弱い領域を起点として成形体が破損し、成形体の強度が低下してしまうという課題がある。
成形体の製造方法は、繊維と、澱粉と、を含む混合物を堆積させる堆積工程と、堆積された前記混合物に水を付与する加湿工程と、水を付与された前記混合物を加熱、および加圧することで成形体を得る成形工程と、を含み、前記澱粉の糊化温度は、60℃以下である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
1.成形体の製造方法
以下、成形体の製造方法の各工程について説明するが、その前に、成形体の製造方法で用いる原材料について、説明する。
以下、成形体の製造方法の各工程について説明するが、その前に、成形体の製造方法で用いる原材料について、説明する。
1.1.原材料
成形体の製造方法は、原材料として、繊維と、該繊維を結合する結合材料である澱粉とを使用する。
成形体の製造方法は、原材料として、繊維と、該繊維を結合する結合材料である澱粉とを使用する。
1.1.1.繊維
繊維は、成形体の製造方法を用いて製造される成形体の主成分であり、成形体の形状の保持に大きく寄与するとともに、成形体の強度等の特性に大きな影響を与える成分である。
繊維は、成形体の製造方法を用いて製造される成形体の主成分であり、成形体の形状の保持に大きく寄与するとともに、成形体の強度等の特性に大きな影響を与える成分である。
繊維としては、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、成形工程での加熱によっても、繊維状態を維持できるものであるのが好ましい。
繊維は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン等の合成樹脂で構成された合成繊維であってもよいが、天然由来の繊維、すなわち、バイオマス由来繊維であるのが好ましく、セルロース繊維であるのがより好ましい。
これにより、環境問題や埋蔵資源の節約等に、より好適に対応することができる。
特に、繊維がセルロース繊維である場合には、以下のような効果も得られる。
すなわち、セルロース繊維は、植物由来の豊富な天然素材であり、繊維としてセルロース繊維を用いることにより、環境問題や埋蔵資源の節約等にさらに好適に対応することができるとともに、成形体の安定供給、コスト低減等の観点からも好ましい。また、セルロース繊維は、各種繊維の中でも、理論上の強度が特に高いものであり、成形体の強度のさらなる向上の観点からも有利である。
セルロース繊維は、通常、主としてセルロースで構成されたものであるが、セルロース以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ヘミセルロース、リグニン等が挙げられる。
繊維は、水酸基、カルボニル基、アミノ基のうちの少なくとも1つの化学構造を含む物質で構成されていることが好ましい。
これにより、繊維と、繊維を結合する結合材料である澱粉との間で、水素結合を形成しやすくなり、繊維と澱粉との結合強度をより優れたものとすることができる。このため、成形体全体としての強度、例えば、シート状の成形体の引張強度等をより優れたものとすることができる。
また、セルロース繊維としては、漂白等の処理が施されたものを用いてもよい。
また、繊維は、紫外線照射処理、オゾン処理、プラズマ処理等の処理が施されたものであってもよい。これにより、繊維の親水性を高めることができ、結合材料である澱粉との親和性を高めることができる。より具体的には、これらの処理により、繊維の表面に水酸基等の官能基を導入することができ、澱粉との間で、より効率よく水素結合を形成することができるようになる。
繊維の平均長さは、特に限定されないが、0.1mm以上50.0mm以下であるのが好ましく、0.2mm以上5.0mm以下であるのがより好ましく、0.3mm以上3.0mm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、製造される成形体の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。
繊維の平均太さは、特に限定されないが、0.005mm以上0.500mm以下であるのが好ましく、0.010mm以上0.050mm以下であるのがより好ましい。
これにより、製造される成形体の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。また、成形体の表面に不本意な凹凸が生じることをより効果的に防止することができる。
繊維の平均アスペクト比、すなわち、平均太さに対する平均長さは、特に限定されないが、10以上1000以下であるのが好ましく、15以上500以下であるのがより好ましい。
これにより、製造される成形体の形状の安定性、強度等をより優れたものとすることができる。また、製造される成形体の表面に不本意な凹凸が生じることをより効果的に防止することができる。
1.1.2.澱粉
澱粉は、繊維同士を結合する結合材料として使用する。澱粉は、複数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した高分子材料である。澱粉は、アミロース、アミロペクチンの少なくとも一方を含む。澱粉は、バイオマス由来の原料であるため、結合材料として澱粉を使用することにより、環境問題や埋蔵資源の節約等に好適に対応することができる。
澱粉は、繊維同士を結合する結合材料として使用する。澱粉は、複数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した高分子材料である。澱粉は、アミロース、アミロペクチンの少なくとも一方を含む。澱粉は、バイオマス由来の原料であるため、結合材料として澱粉を使用することにより、環境問題や埋蔵資源の節約等に好適に対応することができる。
澱粉の糊化温度は60℃以下であり、55℃以下であるのが好ましく、52℃以下であるのがより好ましい。澱粉の糊化温度が上記範囲内であることにより、結合材料である澱粉の吸水性が高くなり、付与した水を速やかに吸収することができる。これにより、比較的低温でも好適に澱粉のα化が進行し、優れた結合性を発揮することができる。すなわち、十分な強度を有する成形体を製造することができる。
また、澱粉の糊化温度は、30℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましい。これにより、成形体の製造装置の内部において、不本意な澱粉の糊化を抑えることができる。詳細には、澱粉の糊化温度が上記範囲内であることにより、澱粉が常温環境下で水分を過剰に吸収するのを抑制できる。これにより、成形体の製造装置の結合材を供給する流路で、澱粉が糊化することを抑制する。この結果、結合材を安定に供給することが可能となり、繊維と澱粉とを均一に混合することができる。結果、強度に優れる成形体を製造するができる。また、生産性に優れる。
澱粉の原料となる天然の澱粉としては、例えば、各種植物由来のものを用いることができる。より具体的には、例えば、トウモロコシ、小麦、米等の穀類、ソラマメ、緑豆、小豆等の豆類、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ等のイモ類、ワラビ、葛等の野草類、サゴヤシ等のヤシ類を由来とするものを用いることができる。
澱粉の重量平均分子量は、50000以上400000以下であるのが好ましく、70000以上300000以下であるのがより好ましく、80000以上200000以下であるのがさらに好ましい。
これにより、澱粉の吸水効率をより優れたものにすることができ、さらに十分な強度を有する成形体を製造することができる。より具体的には、付与する水が少量の場合でも、加熱によるα化が好適に進行し、成形体の生産性を優れたものとすることができる。さらに、製造される成形体の強度を優れたものとすることができる。また、重量平均分子量が上記範囲内の値である澱粉は、水分付与による不本意な変性が生じにくい。
重量平均分子量が上記範囲内の澱粉は、通常の澱粉に比べて分子量が小さいものである。このように重量平均分子量が所定範囲の値となるように制御された澱粉は、例えば、以下のようにして好適に得ることができる。天然の澱粉を水に懸濁させた後、硫酸、塩酸、あるいは次亜塩素酸ナトリウムを澱粉が糊化しない条件下で作用させることにより、重量平均分子量が所定範囲の値となるように制御された澱粉を得ることができる。または、天然の澱粉を直接、あるいはごく少量の塩酸などの揮発酸を水で希釈して加えて、よく混和、熟成、低温で乾燥した後、120℃~180℃に加熱することにより、重量平均分子量が所定範囲の値となるように制御された澱粉を得ることができる。または、例えば、天然の澱粉を水とともに加熱した糊液を酸または酵素で加水分解するという処理を施すことにより、重量平均分子量が所定範囲の値となるように制御された澱粉を好適に得ることができる。
澱粉の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定から求めることができる。後述する実施例で示す重量平均分子量も、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定から求められた値である。
澱粉は、図1に示すように、澱粉粒子C2であることが好ましく、該澱粉粒子C2は、無機粒子C3と一体になって、以下に述べる複合粒子C1を形成していることが好ましい。
結合材C10は、澱粉を含む澱粉粒子C2と無機粒子C3とを含み、結合材C10は、澱粉粒子C2と無機粒子C3とが一体となった複合粒子C1を含む。
なお、本発明では、無機粒子C3のうち少なくとも一部が澱粉粒子C2の表面に付着し、または無機粒子C3のうち少なくとも一部が澱粉粒子C2の内部に含まれて複合粒子C1を形成している状態を「澱粉粒子C2と無機粒子C3とが一体となった複合粒子C1」という。すなわち、結合材C10の中に、複合粒子C1を形成していない澱粉粒子C2、および無機粒子C3が含まれることを排するものではない。
図1の構成では、結合材C10に含まれる複合粒子C1は、無機粒子C3が澱粉粒子C2の表面に付着している。
これにより、無機粒子C3同士の間に斥力が働き、複合粒子C1同士の凝集が生じにくくなる。なお、無機粒子C3の配置は、例えば、各種電子顕微鏡等で確認可能である。
複合粒子C1は、平均粒径が1.0μm以上30.0μm以下の澱粉粒子C2を含むのが好ましく、3.0μm以上20.0μm以下の澱粉粒子C2を含むのがより好ましく、5.0μm以上15.0μm以下の澱粉粒子C2を含むのがさらに好ましい。
これにより、成形体を製造するとき、結合材C10に含まれる澱粉粒子C2への水分付与が円滑に進行し、得られる成形体の強度、信頼性をより優れたものにすることができる。特に、澱粉粒子C2が、平均粒径が30.0μm以下の粒子であると、澱粉粒子C2の比表面積、すなわち澱粉粒子C2の体積に対する表面積の割合が大きくなり、澱粉粒子C2の吸水効率が優れたものになる。このため、水分付与量が少ない場合であっても、十分な強度を有する成形体を製造することができる。
複合粒子C1は、無機粒子C3を含む。
無機粒子C3の平均粒径は、1.0nm以上20.0nm以下であるのが好ましく、3.0nm以上18.0nm以下であるのがより好ましく、5.0nm以上10.0nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、無機粒子C3が澱粉粒子C2の表面に付着した複合粒子C1の表面に過剰な凹凸が生じることを好適に抑制する。このため、繊維に結合材C10を混合するとき、複合粒子C1の流動性をより優れたものとすることができ、繊維に複合粒子C1をより均一に混合することができる。また、澱粉粒子C2の表面により好適に無機粒子C3を付着させることができ、無機粒子C3が澱粉粒子C2の表面から不本意に脱落したり、澱粉粒子C2内部に不本意に埋没したりすることを防止することができる。また、無機粒子C3の平均粒径が1.0nm以上20.0nm以下であることにより、無機粒子C3同士の間に斥力が働き、複合粒子C1同士の凝集を抑制し、複合粒子C1の分散性がより向上する。
結合材C10中には、澱粉粒子C2に付着していない無機粒子C3、言い換えると、複合粒子C1を構成しない無機粒子C3が含まれていてもよいが、結合材C10中に含まれる無機粒子C3に占める複合粒子C1を構成する無機粒子C3の割合は、50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのがさらに好ましい。これにより、複合粒子C1同士の凝集を抑制し、複合粒子C1の分散性がより向上する。
無機粒子C3は、主として無機材料で構成されたものであればよい。また、無機粒子C3は、各部位で、実質的に均一な組成を有するものであってもよいし、組成の異なる部位を有していてもよい。
無機粒子C3の構成材料としては、例えば、各種金属材料、各種金属化合物、各種ガラス材料、各種炭素材料等が挙げられる。
金属材料としては、例えば、Fe、Al、Cu、Ag、Ni等の単体金属やこれらのうちの少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
金属化合物としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられ、より具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。
ガラス材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。
炭素材料としては、例えば、ダイヤモンド、炭素繊維、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン等が挙げられる。
中でも、無機粒子C3の構成材料としては、シリカが好ましい。言い換えると、無機粒子C3は、シリカを含む材料で構成されたものであるのが好ましい。
これにより、複合粒子C1の分散性がより向上する。この結果、結合材C10の保存時や、成形体の製造過程における結合材C10の搬送時等に、結合材C10が不本意に凝集することを効果的に抑制できる。
無機粒子C3は、主として無機材料で構成されたものであればよく、無機材料に加えて、有機材料を含んでいてもよい。
ただし、無機粒子C3の母粒子中に占める無機材料の含有率は、90質量%以上であるのが好ましく、92質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
1.2.成形体の製造方法
成形体の製造方法は、繊維と澱粉とを含む混合物を堆積させる堆積工程と、堆積された混合物を加湿する加湿工程と、加湿された混合物を加熱、および加圧することで成形体を得る成形工程とを含む。そして、該澱粉の糊化温度は60℃以下である。
成形体の製造方法は、繊維と澱粉とを含む混合物を堆積させる堆積工程と、堆積された混合物を加湿する加湿工程と、加湿された混合物を加熱、および加圧することで成形体を得る成形工程とを含む。そして、該澱粉の糊化温度は60℃以下である。
これにより、強固、かつ成形体全体にわたって均一に繊維同士を結合させることが可能になり、十分な強度を有する成形体を製造することができる。詳しくは、加湿した繊維と澱粉とを含む混合物を、加熱、および加圧して成形体を得るにあたり、澱粉は、繊維同士を結合する結合材料として機能する。このとき、60℃以下で糊化する澱粉を結合材料として使用することにより、比較的低い温度で加熱した場合でも、繊維同士を結合させることができる。この結果、過剰な加熱による繊維の劣化を抑えつつ、十分な強度を有する成形体を製造することができる。さらに、60℃以下で糊化する澱粉を結合材料として使用することにより、成形体の前駆体である繊維と澱粉との混合物を均一に加熱することが難しい場合であっても、温度が高い部分は過加熱による繊維へのダメージを抑えながら、温度が低い部分は糊化温度まで昇温して澱粉を糊化させ、繊維同士を強固に、かつ成形体全体にわたって繊維同士を均一に結合させることにより、強度に優れる成形体を製造することが可能になる。
1.2.1.堆積工程
堆積工程では、繊維、および澱粉を含む結合材C10を含む混合物を空気中で堆積させる。
堆積工程では、繊維、および澱粉を含む結合材C10を含む混合物を空気中で堆積させる。
本工程での繊維と結合材C10との混合比率は、特に制限されないが、混合物中における結合材C10の含有量は、1質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、2質量%以上45質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以上40質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、最終的に得られる成形体中における繊維の含有率を十分に高いものとしつつ、当該成形体の強度をより優れたものとすることができる。また、成形体の製造過程における結合材C10の搬送をより円滑に行うことができる。
本工程で、結合材C10と混合される繊維は、例えば、後述する加湿工程、すなわち、混合物に対する加湿処理を行う工程に先立ち、予め加湿処理が施されたものであってもよい。また、繊維は、結合材C10との混合から、この混合により得られる混合物の堆積までの間に、加湿されるものであってもよい。
上記のような場合、本工程に供される繊維中における含水率は、0.1質量%以上12.0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上10.0質量%以下であるのがより好ましく、0.3質量%以上9.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、例えば、本工程前において繊維が静電気の悪影響を受けること、例えば、繊維が成形体の製造装置の壁面等に静電気で付着すること等を効果的に防止することができ、また、繊維と結合材C10とをより均一に混合することができる。
1.2.2.加湿工程
加湿工程では、堆積工程で堆積した混合物、すなわち、繊維および結合材C10を含む混合物を加湿する。
加湿工程では、堆積工程で堆積した混合物、すなわち、繊維および結合材C10を含む混合物を加湿する。
これにより、後述する成形工程で、繊維と結合材C10との結合強度、および結合材C10を介した繊維同士の結合強度を優れたものとすることができ、最終的に得られる成形体の強度を十分に優れたものとすることができる。また、成形工程での成形を比較的穏やかな条件で好適に行うことができる。
混合物を加湿する方法は、特に限定されないが、混合物に対して非接触で行うのが好ましく、例えば、混合物を高湿度雰囲気下に置く方法、混合物を高湿度空間を通過させる方法、混合物に水を含む液体のミストを吹きかける方法、混合物を水を含む液体のミストが浮遊する空間を通過させる方法等が挙げられ、これらから選択される1種、または2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、混合物の加湿は、例えば、気化式、超音波式等の各種加湿器等を用いて行うことができる。混合物の加湿は、例えば、成形体を製造する過程において、複数の段階で行ってもよい。なお、水を含む液体中には、例えば、防腐剤、防カビ剤、殺虫剤等が含まれていてもよい。
加湿工程における水の付与量は、混合物の総質量に対し12質量%以上40質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上40質量%以下であるのがより好ましく、20質量%以上30質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、従来の抄造法と比べて、顕著に少ない水分で、成形体を製造することができる。すなわち、付与した水分を加熱して乾燥するのに必要な電力等のエネルギー量を抑制しつつ、強度に優れたシートを製造することができる。
1.2.3.成形工程
成形工程では、加湿工程で加湿された混合物を加熱、および加圧する。これにより、成形体が得られる。なお、成形工程は、加湿工程と同時進行的に行ってもよい。
成形工程では、加湿工程で加湿された混合物を加熱、および加圧する。これにより、成形体が得られる。なお、成形工程は、加湿工程と同時進行的に行ってもよい。
成形工程における混合物の加熱温度は、特に限定されないが、60℃以上200℃以下であるのが好ましく、70℃以上150℃以下であるのがより好ましく、80℃以上120℃以下であるのがさらに好ましい。本実施形態においては、糊化温度が60℃以下の澱粉を結合材C10として使用していることから、比較的低い加熱温度でも繊維同士を強固、かつ均一に結合することができる。この結果、繊維の劣化を抑えながら、十分な強度を有する成形体を製造することが可能になる。
本工程は、例えば、ヒートプレス、ヒートローラー等を用いて行うことができる。
これにより、繊維や結合材C10の構成成分の不本意な劣化、変性等を効果的に防止しつつ、繊維の表面で結合材C10をより好適に濡れ広がらせることができる。その結果、製造される成形体の強度、信頼性をより優れたものとすることができる。また、省エネルギーの観点からも好ましい。また、結合材C10に含まれる澱粉のα化を好適に進行させることができる。
成形体がシート状の成形体の場合には、図2に示すように、一対のヒートローラー204を用いて、混合物の加熱、および加圧を行うのが好ましい。
これにより、シート状の成形体を製造する場合に、繊維と結合材C10との混合物を、均一に加熱し、加圧することができる。このため、成形体において、繊維同士を強固、かつ均一に結合させることができ、強度に優れる成形体を製造することができる。
また、成形工程における、混合物の加熱、および加圧は、一対のヒートローラー204により、同時に行うことが好ましい。これにより、混合物を加圧するための加圧ローラーと、混合物を加熱するためのヒートローラー204とを別個に設ける必要がなく、一対のヒートローラー204のみによって、混合物に対する加熱、および加圧を同時に行うことができる。この結果、成形体の製造装置を全体として小型化することができる。また、成形体の製造装置の小型化、および、得られる成形体の強度の観点から、ヒートローラー204により混合物を加圧し、加熱する前に、当該ヒートローラーが混合物に与える圧力よりも大きい圧力を混合物に与えず、当該ヒートローラーにより混合物を加熱する温度よりも高い温度で混合物を加熱しないことが好ましい。
また、一対のヒートローラー204によって混合物を加熱し、加圧する場合の、ヒートローラー204の表面温度は、70℃以上140℃以下であることが好ましく、80℃以上130℃以下であることがより好ましく、90℃以上120℃以下であることがさらに好ましい。本実施形態においては、糊化温度が60℃以下の澱粉を結合材C10として使用していることから、比較的低い加熱温度でも繊維同士を強固、かつ均一に結合することができる。この結果、繊維の劣化を抑えながら、十分な強度を有する成形体を製造することが可能になる。
成形工程では、0.1MPa以上100.0MPa以下の加圧力で混合物を加圧するのが好ましく、0.2MPa以上10.0MPa以下の加圧力で混合物を加圧するのがより好ましく、0.3MPa以上8.0MPa以下での加圧力で混合物を加圧するのがさらに好ましい。
これにより、加圧による繊維の劣化を抑制しつつ、繊維の表面で結合材C10をより好適に濡れ広がらせることができる。その結果、製造される成形体の強度をより優れたものとすることができる。
以上説明した成形体の製造方法は、例えば、以下に述べる成形体の製造装置を用いて好適に実施することができる。
1.2.4.成形体の製造装置
次に、成形体の製造装置について説明する。
次に、成形体の製造装置について説明する。
図2は、本実施形態の成形体の製造方法の実施に好適な、製造装置の構成を示す概略説明図である。なお、以下では、説明の都合上、図2中の上側を「上」、または「上方」、下側を「下」、または「下方」と言い、左側を「左」、または「上流側」、右側を「右」、または「下流側」と言うことがある。
以下の説明では、成形体の製造装置の一例として、成形体としてシートを製造するシート製造装置100の例を挙げて説明する。
図2に示すように、成形体の製造装置であるシート製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、ほぐし部18と、第2ウェブ形成部19と、シート形成部20と、切断部21と、ストック部22とを備えている。また、シート製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234とを備えている。
シート製造装置100が備える各部の動作は、図示しない制御部によって制御されている。
以下、シート製造装置100が備える各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12にシート状材料M1を供給する原料供給工程を行う部分である。このシート状材料M1としては、セルロース繊維等の繊維を含むシート状材料である。
粗砕部12は、原料供給部11から供給されたシート状材料M1を空気中等の気中で粗砕する粗砕工程を行う部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、ホッパー122とを有している。
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間でシート状材料M1を粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
ホッパー122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、ホッパー122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
また、ホッパー122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、ホッパー122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含む図示しないフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってホッパー122等に付着するのを制御することができる。
ホッパー122は、流路である管241を介して、解繊部13に接続されている。ホッパー122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
解繊部13は、粗砕片M2を空気中等の気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行う部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転するローターと、ローターの外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、ローターとライナーとの間に挟まれて解繊される。
また、解繊部13は、ローターの回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ、すなわち、気流を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行う部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも大きい第2選別物M4-2とに選別される。第1選別物M4-1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっている。第2選別物M4-2は、例えば解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸周りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。
第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続されている流路である管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち上流側が管241と接続されている。管243を通過した第2選別物M4-2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
また、ドラム部141からの第1選別物M4-1は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する分離部である第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4-1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行う部分である。第1ウェブ形成部15は、分離ベルトであるメッシュベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153とを有している。
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4-1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4-1は、下流側に搬送される。
第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさになっている。これにより、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
また、第1選別物M4-1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、原料供給部11から粗砕部12にシート状材料M1を供給した際に、シート状材料M1とともに混入することがある。この塵や埃は、メッシュベルト151の目開きよりも小さい。これにより、塵や埃は、メッシュベルト151を通過して、さらに下方に落下する。
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
吸引部153は、流路である管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
回収部27には、流路である管245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4-1を加湿することができ、よって、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この水分調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行う部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161に第1ウェブM5が巻き込まれることにより、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と前述した結合材C10とを混合する混合工程を行う部分である。この混合部17は、結合材供給部171と、流路である管172と、ブロアー173とを有している。
管172は、細分部16のハウジング部162と、ほぐし部18のハウジング部182とを接続しており、細分体M6と結合材C10との混合物M7が通過する流路である。
管172の途中には、結合材供給部171が接続されている。結合材供給部171は、スクリューフィーダー174を有している。このスクリューフィーダー174が回転駆動することにより、結合材C10を管172に供給することができる。管172に供給された結合材C10は、細分体M6と混合されて混合物M7となる。
なお、結合材供給部171からは、結合材C10とともに、例えば、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集や結合材C10の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤等が含まれていてもよい。
また、管172の途中には、結合材供給部171よりも下流側にブロアー173が設置されている。ブロアー173は、ほぐし部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と結合材C10とを攪拌することができる。これにより、混合物M7は、細分体M6と結合材C10とが均一に分散した状態で、ほぐし部18に流入することができる。また、混合物M7中の細分体M6は、管172を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
ほぐし部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐす、ほぐし工程を行う部分である。ほぐし部18は、ドラム部181と、ドラム部181を収容するハウジング部182とを有する。
ドラム部181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸周りに回転する篩である。このドラム部181には、混合物M7が流入してくる。そして、ドラム部181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム部181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされることになる。
ハウジング部182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、加湿部231と同様の気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング部182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング部182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
ドラム部181でほぐされた混合物M7は、空気中に分散しつつ落下して、ドラム部181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7から第2ウェブM8を形成する第2ウェブ形成工程を行う部分である。本実施形態での第2ウェブ形成工程は、繊維と結合材C10とを含む混合物を空気中で堆積させる堆積工程である。第2ウェブ形成部19は、分離ベルトであるメッシュベルト191と、張架ローラー192と、吸引部193とを有している。
メッシュベルト191は、無端ベルトであり、混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが抑制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引することができる。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
吸引部193には、流路である管246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
ほぐし部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、前述した加湿工程を行う部位である。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この水分調整により、最終的に得られる成形体としてのシートSにおける繊維と結合材C10との結合力を好適なものとすることができる。
また、加湿により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
第2ウェブ形成部19の下流側には、シート形成部20が配置されている。シート形成部20は、第2ウェブM8からシートSを形成する成形工程であるシート形成工程を行う部分である。このシート形成部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、これらの間で第2ウェブM8を加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
加熱部202は、一対のヒートローラー204を有する。第2ウェブM8を、一対のヒートローラー204の間を通過させることにより、第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。一対のヒートローラー204を使った加熱、および加圧により、第2ウェブM8内では、結合材C10が溶融し、溶融した結合材C10を介して繊維同士が結合する。これにより、成形体としてのシートSが形成される。第2ウェブM8を一対のヒートローラー204で加熱することにより、第2ウェブM8を均一に加熱、加圧することができ、強度に優れるシートSを製造することができる。
ヒートローラー204の表面温度は、70℃以上140℃以下であることが好ましい。これにより、比較的低い加熱温度で、繊維同士を強固、かつ均一に決着することができる。この結果、繊維の劣化を抑えながら、十分な強度を有する成形体を製造することが可能になる。
ヒートローラー204は、0.1MPa以上100.0MPa以下の加圧力で第2ウェブM8を加圧するのが好ましく、0.2MPa以上10.0MPa以下の加圧力で第2ウェブM8を加圧するのがより好ましく、0.3MPa以上8.0MPa以下での加圧力で第2ウェブM8を加圧するのがさらに好ましい。
これにより、繊維の表面で結合材C10をより好適に濡れ広がらせることができる。その結果、製造される成形体の強度をより優れたものとすることができる。
なお、一対のヒートローラー204のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
シート形成部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行う部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートを切断するものである。
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の大きさの成形体としてのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
1.3.成形体
次に、成形体について説明する。
次に、成形体について説明する。
成形体は、上記した成形体の製造方法を用いて製造されたものである。これにより、強度に優れた成形体を提供することができる。
成形体が含む繊維、澱粉を含む結合材C10は、それぞれ上記したのと同様の条件を満たすものであるのが好ましい。
成形体の形状は、特に限定されず、例えば、シート状、ブロック状、球状、三次元立体形状等、いかなるものであってもよいが、本実施形態にかかる成形体は、シート状をなすものであるのが好ましい。なお、ここでいうシート状とは、厚さが30μm以上30mm以下、密度が0.05g/cm3以上1.50g/cm3以下となるように形成された成形体を指すものとする。
これにより、例えば、成形体を記録媒体等として好適に用いることができる。また、上記したような装置を用いることにより、より効率よく製造することができる。
本発明にかかる成形体がシート状の記録媒体である場合、その厚さは、30μm以上30mm以下であるのが好ましい。
これにより、成形体を記録媒体としてより好適に用いることができる。また、上記したような装置を用いることにより、より効率よく製造することができる。
シート状の記録媒体である場合、その密度は、0.6g/cm3以上0.9g/cm3以下であるのが好ましい。これにより、成形体を記録媒体としてより好適に用いることができる。
成形体は、少なくとも一部が上記した成形体の製造方法を適用して製造されたものであればよく、さらに、他の部位を有していてもよい。また、成形体の製造方法で述べた工程の後に、後工程が施されたものであってもよい。
成形体の用途は、特に限定されず、例えば、記録媒体、液体吸収体、緩衝剤、防音材、等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、結合材C10が、澱粉粒子C2の表面に無機粒子C3が付着した複合粒子C1を含むものである場合について中心的に説明したが、結合材C10は、澱粉を含むものであれば、前述したような複合粒子C1を含まないものであってもよい。また、澱粉は、澱粉粒子C2である形態について中心的に説明したが、澱粉を含むものであれば、澱粉粒子C2として含まないものであってもよい。
さらに、シート製造装置100を構成する各部は、同様の機能を発揮しうる任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
2.実施例
次に、本発明の実施例について説明する。
次に、本発明の実施例について説明する。
2.1.結合材の調製
2.1.1.原料澱粉1~5の調製
重量平均分子量130万の澱粉(日澱化学株式会社製、G-800)を水に懸濁したのち、硫酸を澱粉が糊化しない条件下で作用させ、よく混和させて、12時間攪拌した。50℃で24時間乾燥させ、含水率を10質量%以下にしたのち、120~180℃で加熱することにより、ペースト状の澱粉を得た。その後、ペースト状の澱粉を水洗し、凍結乾燥させた後、粗粉砕することで、重量平均分子量が10万の原料澱粉1を得た。原料澱粉1の糊化温度は51℃であった。また、重量平均分子量が130万の澱粉(日澱化学株式会社製、G-800)に対して、処理条件(硫酸の濃度、攪拌時間)を変更したこと以外は、原料澱粉1を製造したときと同様に処理して、原料澱粉2(糊化温度 42℃)、原料澱粉3(糊化温度 57℃)、原料澱粉4(糊化温度 34℃)、原料澱粉5(糊化温度 68℃)、を得た。
2.1.1.原料澱粉1~5の調製
重量平均分子量130万の澱粉(日澱化学株式会社製、G-800)を水に懸濁したのち、硫酸を澱粉が糊化しない条件下で作用させ、よく混和させて、12時間攪拌した。50℃で24時間乾燥させ、含水率を10質量%以下にしたのち、120~180℃で加熱することにより、ペースト状の澱粉を得た。その後、ペースト状の澱粉を水洗し、凍結乾燥させた後、粗粉砕することで、重量平均分子量が10万の原料澱粉1を得た。原料澱粉1の糊化温度は51℃であった。また、重量平均分子量が130万の澱粉(日澱化学株式会社製、G-800)に対して、処理条件(硫酸の濃度、攪拌時間)を変更したこと以外は、原料澱粉1を製造したときと同様に処理して、原料澱粉2(糊化温度 42℃)、原料澱粉3(糊化温度 57℃)、原料澱粉4(糊化温度 34℃)、原料澱粉5(糊化温度 68℃)、を得た。
各原料澱粉の糊化温度の測定には、リガク社の示差走査熱量計 Thermo plus EVO DSC8231を用いた。具体的には、質量比にて、原料澱粉が1、イオン交換水が2の割合で混合した溶液を、耐圧アルミパンに封入して測定試料とした。次に、上記装置へ測定試料をセットして、毎分10℃の昇温速度で示差熱量測定を行った。各々得られたDSC曲線において、ベースラインに対して曲線が吸熱側にシフトし始めた温度を糊化温度として読み取った。
2.1.2.澱粉粒子1-1~1-3、2-1、3-1、4-1、5-1の調製
原料澱粉1を、流動層式対向型ジェットミル(カウンタジェットミル AFG-R、ホソカワミクロン社製)を用いて、処理圧力4barで粉砕し、澱粉粒子C2として、平均粒径が10μmの澱粉粒子1-1を得た。また、原料澱粉2~5に対して、原料澱粉1に対して行った処理と同じ処理を行い、澱粉粒子2-1、3-1、4-1、5-1をそれぞれ得た。さらに、原料澱粉1に対して、粉砕時の処理圧力を変更した以外は澱粉粒子1を製造したときと同様に処理して、平均粒径が4μmの澱粉粒子1-2(処理圧力6bar)、平均粒径20μmの澱粉粒子1-3(処理圧力2bar)を得た。
原料澱粉1を、流動層式対向型ジェットミル(カウンタジェットミル AFG-R、ホソカワミクロン社製)を用いて、処理圧力4barで粉砕し、澱粉粒子C2として、平均粒径が10μmの澱粉粒子1-1を得た。また、原料澱粉2~5に対して、原料澱粉1に対して行った処理と同じ処理を行い、澱粉粒子2-1、3-1、4-1、5-1をそれぞれ得た。さらに、原料澱粉1に対して、粉砕時の処理圧力を変更した以外は澱粉粒子1を製造したときと同様に処理して、平均粒径が4μmの澱粉粒子1-2(処理圧力6bar)、平均粒径20μmの澱粉粒子1-3(処理圧力2bar)を得た。
2.1.3.複合粒子の調製
(調製例1)
澱粉粒子1-1:99質量部と、無機粒子C3としてのフュームドシリカ(トクヤマ社製、HM-30S):1質量部とを、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製FMミキサー FM 20C/I)に充填し、周波数60Hzで10分間混合処理を行った。その後、目開き30μmの篩で篩処理を行い、澱粉粒子C2と無機粒子C3としてのフュームドシリカとが一体となった複合粒子C1を含む、調製例1の結合材C10を調製した。
(調製例1)
澱粉粒子1-1:99質量部と、無機粒子C3としてのフュームドシリカ(トクヤマ社製、HM-30S):1質量部とを、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製FMミキサー FM 20C/I)に充填し、周波数60Hzで10分間混合処理を行った。その後、目開き30μmの篩で篩処理を行い、澱粉粒子C2と無機粒子C3としてのフュームドシリカとが一体となった複合粒子C1を含む、調製例1の結合材C10を調製した。
(調製例2~7)
澱粉粒子C2、無機粒子C3を表1に示すような構成となるようにしたこと以外は、調製例1と同様にして調製例2~7の結合材C10を調製した。
澱粉粒子C2、無機粒子C3を表1に示すような構成となるようにしたこと以外は、調製例1と同様にして調製例2~7の結合材C10を調製した。
2.1.4.成形体としてのシートの製造
(実施例1)
本実施例では、上記調製例1の結合材C10を用いて、成形体としてのシートを製造した。
(実施例1)
本実施例では、上記調製例1の結合材C10を用いて、成形体としてのシートを製造した。
シート製造装置100(セイコーエプソン社製 PaperLab(登録商標) A-8000)を、フォーミング後加圧前のシートを加湿できるように改造した改造機を準備し、繊維源として、市販のコピー用紙(富士ゼロックス社製、GR70-W)に、インクジェットプリンターでビジネス文書を印刷したものを、シート状材料M1として使用した。
次に、シート製造装置100の原料供給部11に、上記シート状材料M1を供給するとともに、結合材供給部171に上記結合材の調製例1で製造した結合材を供給して、シート製造装置100の運転を行い、粗砕工程、解繊工程、選別工程、第1ウェブ形成工程、分断工程と、混合工程、ほぐし工程、堆積工程である第2ウェブ形成工程、加湿工程、成形工程であるシート形成工程、切断工程の処理を施し、成形体としてのA4サイズのシートを製造した。得られたシートの坪量は、90g/m2であった。
このとき、最終的に得られる成形体としてのシートが、原料として、繊維:90質量部に対して、結合材を10質量部含むものとなるように調整した。また、成形工程で加熱、加圧を行う際の条件は、ヒートローラー204の温度を110℃、加圧力を70MPa、加熱加圧時間を15秒間とした。
(実施例2~10・比較例1)
結合材C10として表2に示すものを用い、成形条件を表2に示す条件で成形体を製造したこと以外は、上記実施例1と同様にして、成形体としてのA4サイズのシートを製造した。
結合材C10として表2に示すものを用い、成形条件を表2に示す条件で成形体を製造したこと以外は、上記実施例1と同様にして、成形体としてのA4サイズのシートを製造した。
2.2.評価
2.2.1.成形体の強度
上記各実施例、および比較例で製造した成形体としてのシートから、100mm×20mmの短冊を切り出し、当該短冊の長手方向について破断強度を測定した。破断強度の測定には、島津製作所社製のオートグラフAGS-1Nを使用し、20mm/secの引張速度で破断強度を測定し、そこから比引裂強度を算出し、以下の基準に従い評価した。比引裂強度が大きいほど、強度に優れていると言える。
2.2.1.成形体の強度
上記各実施例、および比較例で製造した成形体としてのシートから、100mm×20mmの短冊を切り出し、当該短冊の長手方向について破断強度を測定した。破断強度の測定には、島津製作所社製のオートグラフAGS-1Nを使用し、20mm/secの引張速度で破断強度を測定し、そこから比引裂強度を算出し、以下の基準に従い評価した。比引裂強度が大きいほど、強度に優れていると言える。
A:比引裂強度が25Nm/g以上である。
B:比引裂強度が20Nm/g以上25Nm/g未満である。
C:比引裂強度が15Nm/g以上20Nm/g未満である。
D:比引裂強度が10Nm/g以上15Nm/g未満である。
E:比引裂強度が10Nm/g未満である。
結果を表2に示す。
B:比引裂強度が20Nm/g以上25Nm/g未満である。
C:比引裂強度が15Nm/g以上20Nm/g未満である。
D:比引裂強度が10Nm/g以上15Nm/g未満である。
E:比引裂強度が10Nm/g未満である。
結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明にかかる成形体の製造方法により成形体を製造した実施例1~10は、得られた成形体の比引裂強度がD以上の評価であり、優れた結果が得られた。これに対し、比較例1は、糊化温度が本発明で規定する範囲外の澱粉を使用するものであるが、満足のいく結果は得られなかった。
なお、実施例10は、同じ成形条件でシートを製造した実施例1等と比較して、得られた成形体の強度が小さい。これは、実施例10で使用した調製例6の結合材は、実施例1等で使用する調製例1の結合材より吸水性が高いため、成形体の製造装置の結合材を供給する流路で澱粉の糊化が起こり、結合材の搬送性が低下したことが原因と考える。
C10…結合材、C1…複合粒子、C2…澱粉粒子、C3…無機粒子、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…ヒートローラー。
Claims (7)
- 繊維と、澱粉と、を含む混合物を堆積させる堆積工程と、
堆積された前記混合物に水を付与する加湿工程と、
水を付与された前記混合物を加熱、および加圧することで成形体を得る成形工程と、を含み、
前記澱粉の糊化温度は、60℃以下である、成形体の製造方法。 - 前記成形工程における前記混合物の加熱温度は、60℃以上200℃以下である、請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 前記成形工程は、一対のヒートローラーによって前記混合物の加熱、および加圧を行う、請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
- 前記成形工程は、0.2MPa以上10.0MPa以下の加圧力で前記混合物を加圧する、請求項2または3に記載の成形体の製造方法。
- 前記澱粉の糊化温度が、30℃以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
- 前記加湿工程における水の付与量は、前記混合物の総質量に対して12質量%以上40質量%以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
- 前記澱粉は、平均粒径が1.0μm以上30.0μm以下の粒子である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の成形体の製造方法。
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