図1は、本発明の遊技機1の正面図であり、図2は、遊技機1の斜視図であり、図3は、遊技機1の裏面図であり、図4は、遊技機1が有する遊技盤20の概略構成図であり、図5は、遊技機1の電気的な構成を示すブロック図である。本実施例では、始動口に遊技球が入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始し、当該特別図柄が所定の大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技を開始する、いわゆるセブン機タイプ(第1種タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例について説明する。
[遊技機1の外観構成]
本実施例の遊技機1は、図1に示すように、前面枠(ガラス枠)3に嵌め込まれたガラス板(透明板)4を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤20と、遊技球を貯留する上受け皿11および下受け皿12と、上受け皿11に貯留されている遊技球を遊技盤20へ発射するための発射ハンドル13と、を備える。本実施例の遊技機1は、プリペイドカードに対応したCR機であり、当該遊技機1の左側には、プリペイドカードの読み書きを行なうためのCRユニット50が設けられている。
前面枠3は、内枠5に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として内枠5に対して開閉可能となっている。また、内枠5は、外枠2に嵌め込まれており、左側の上下に設けられたヒンジを支点として外枠2に対して開閉可能となっている。前面枠3と内枠5は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。一方、外枠2は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、遊技ホールの島設備の島枠に固定される。
前面枠3内には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に対して注意喚起するための警告音を鳴らしたりするスピーカ14(図5参照)が設けられている。また、前面枠3内には、遊技状態に応じて発光する装飾用の発光素子としてのLED15(図5参照)が、遊技盤20の周囲を囲むように複数個配列されている。
また、前面枠3の右側(右辺部)には、図1および図2に示すように、前方(遊技者側)に突出する突出部40(サイドパネル)が設けられている。突出部40は、本実施例では、遊技機1で遊技をしている遊技者の側面を島設備の島端から見た際に遊技者の体の一部が被るように前方に突出する。突出部40の右側面には、遊技機1に関する各種遊技情報を表示する遊技情報表示部41が設けられている。遊技情報表示部41は、LED表示装置や7セグメント表示装置により構成され、当該表示装置の表示態様によって、後述する各種遊技情報を報知する。なお、遊技情報表示部41は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置として構成されてもよい。
上受け皿11には、賞球や貸球が払い出され、下受け皿12には、上受け皿11から溢れた球が払い出される。上受け皿11の上部には、CRユニット50に挿入されたプリペイドカードの残高等を表示する精算表示装置52が配設され、当該精算表示装置52の両脇の一方には、遊技球の貸し出しを指示する球貸ボタン53が設けられ、両脇の他方には、CRユニット50に挿入されているプリペイドカードの精算(返却)を指示する精算ボタン54が設けられている。また、上受け皿11の手前には、遊技者の操作に応じて各種演出を行なうための演出ボタン16が配設されている。
遊技機1の内枠5の裏側には、図3に示すように、球タンク77とタンクレール78と払出装置72とが設けられている。払出装置72は、遊技盤20に設けられる各入賞口に遊技球が入球すると、予め定められた数の遊技球を、賞球として、球タンク77からタンクレール78を介して上受け皿11に払い出す。また、払出装置72は、球貸ボタン53が操作されると、貸球を上受け皿11に払い出す。
発射ハンドル13は、下受け皿12の右方に設けられており、遊技者により時計回りに回動操作されると、図示しない発射装置が有する発射モータ83(図5参照)が作動し、発射ハンドル13の回動操作量に応じた発射威力で遊技球を1球ずつ遊技盤20へ向けて打ち出す。
[遊技盤20の構成]
遊技盤20は、図4に示すように、外レール21aと内レール21bとによって囲まれる遊技領域21が形成されている。この遊技盤20は、遊技領域21の略中央部に設けられた演出表示装置37と、演出表示装置37の周囲に配置されたワープ入口やワープ樋,ステージ等を含むセンター役物38と、センター役物38の右方に配置された普通図柄作動ゲート22と、センター役物38の下方に配置された常時開放の第1始動口23と、普通図柄作動ゲート22の下方に配置された開閉式の第2始動口24と、遊技領域21の右下部に配置された大入賞口25と、遊技領域21の左下部に配置された常時開放の普通入賞口27と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口29と、を備える。また、遊技盤20には、遊技領域21を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする多数の釘21cが植設されている。
第2始動口24は、普通電動役物として構成される可変式の入球口であり、左右一対の開閉羽根(開閉部材)24bと、開閉羽根24bを作動させる第2始動口ソレノイド24c(図5参照)と、を備える。この第2始動口24は、通常は、開閉羽根24bが直立して遊技球の入球が困難な閉鎖状態とされており、普通図柄が当り図柄で停止表示されて当り遊技(普通図柄当り遊技)が実行されるときに、第2始動口ソレノイド24cによって開閉羽根24bが左右に開くことにより、遊技球の入球が容易な開放状態とされる。第2始動口24には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための第2始動口スイッチ24aが取り付けられている。第2始動口24は、第2始動口スイッチ24aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される。
大入賞口25は、特別電動役物として構成される可変式の入球口であり、開閉板(開閉部材)25bと、開閉板25bを作動させる大入賞口ソレノイド25c(図5参照)と、を備える。この大入賞口25は、通常は、開閉板25bによって塞がれて遊技球の入球が不能な閉鎖状態とされており、特別図柄が大当り図柄で停止表示されて大当り遊技が実行されるときに、大入賞口ソレノイド25cによって開閉板25bが手前に開くことにより、遊技球の入球が可能な開放状態とされる。大入賞口25には、遊技球の入球を検知してその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ25aが取り付けられている。大入賞口25は、大入賞口スイッチ25aが遊技球の入球を規定数カウントするか、規定数カウントする前に予め定められた最大開放時間が経過すると閉鎖される(ラウンド遊技)。大当り遊技は、上記ラウンド遊技を予め定められた所定回数繰り返すことにより行なう。
第1始動口23は、遊技者が遊技球を遊技領域21の左側領域(第1遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる左打ち)することにより遊技球を入球させることができる。一方、第2始動口24および大入賞口25は、左打ちによって遊技球を入球させることは不可能であり、遊技球を遊技領域21の右側領域(第2遊技領域)に流下させるように発射ハンドル13を回動操作(いわゆる右打ち)することにより遊技球を入球させることができる。もっとも、第2始動口24および大入賞口25は、可変式の入賞口であるから、それぞれ、普通図柄が当選した場合,特別図柄が大当りで当選した場合に開放されてはじめて遊技球が入球可能となる。
遊技盤20の右下部には、第1特別図柄表示装置(第1特図表示装置)31と、第2特別図柄表示装置(第2特図表示装置)32と、第1特別図柄保留数表示装置(第1特図保留数表示装置)33と、第2特別図柄保留数表示装置(第2特図保留数表示装置)34と、普通図柄表示装置(普図表示装置)35と、普通図柄保留数表示装置(普図保留数表示装置)36と、が配置されている。
第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、本実施例では、7セグメント表示装置として構成されており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数種類の表示態様を表現する。第1特図表示装置31および第2特図表示装置32は、始動口への遊技球の入球に基づいて表示態様を順次切り替えることにより特別図柄の変動表示を開始し、所定の変動時間が経過したときに予め定められた複数の停止表示態様のいずれかで停止表示することにより特別図柄を停止表示する。そして、特別図柄が所定の停止表示態様(大当り図柄)で停止表示されると、大当り遊技が実行される。第1特図表示装置31は、第1始動口23への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第1始動口入球用の表示装置であり、第2特図表示装置32は、第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄を変動表示する第2始動口入球用の表示装置である。なお、第1特図表示装置31により表示される特別図柄を第1特別図柄(第1特図)とも呼び、第2特図表示装置32により表示される特別図柄を第2特別図柄(第2特図)とも呼ぶ。
なお、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第1始動口23に遊技球が入球した場合、第1特別図柄の変動表示を所定数(実施例では4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第1特別図柄の変動表示を順次開始する。第1特別図柄の保留数は、第1特図保留数表示装置33に表示される。また、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中に第2始動口24に遊技球が入球した場合も、第2特別図柄の変動表示を所定数(例えば、4回)まで保留し、現在の変動表示が終了した後に、保留している第2特別図柄の変動表示を順次開始する。第2特別図柄の保留数は、第2特図保留数表示装置34に表示される。
普図表示装置35は、本実施例では、複数の表示部を有するLED表示装置として構成されている。普図表示装置35は、普通図柄作動ゲート22に設けられたゲートスイッチ22aが遊技球を検知したことに基づいて、複数の表示部のそれぞれについて点灯と消灯とを繰り返すことにより普通図柄を変動表示し、所定の変動時間が経過すると、複数の表示部のそれぞれについて点灯あるいは消灯することにより普通図柄を停止表示する。そして、複数の表示部のうち特定の表示部が点灯している場合が当り図柄となり、それ以外の場合が外れ図柄となる。普通図柄が当り図柄で停止表示されると、第2始動口24が開放される。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート22を通過したときには、普通図柄の変動表示を所定数(例えば、4個)まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留している普通図柄の変動表示を順次開始する。普通図柄の保留数は、普図保留数表示装置36に表示される。
演出表示装置37は、液晶ディスプレイ等により構成される画像表示装置であり、表示画面上で特別図柄に対応する演出図柄(疑似図柄)371L,371C,371Rの表示の他、リーチ演出や大当りを予告する予告演出、演出ボタン16の操作を伴う演出であるボタン演出等の様々な演出表示を行なう。図6は、演出表示装置37の演出表示の一例を示す説明図である。図示するように、演出表示装置37の表示画面の中央部には、数字や英字、文字、記号、キャラクタ等(図の例では、数字)からなる左,中,右の3つの演出図柄371L,371C,371Rが表示される。3つの演出図柄371L,371C,371Rは、始動口(第1始動口23または第2始動口24)に遊技球が入球すると、上から下へスクロールするように変動表示され、所定の変動時間が経過すると、左,右,中の順に停止表示される。右の演出図柄371Rが停止表示されたときに当該右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致しなかったときには、外れ(リーチ無し外れ)となる。一方、右の演出図柄371Rが左の演出図柄371Lと一致したときには、リーチとなり、リーチ演出に移行する。そして、当該リーチ演出を経て中の演出図柄371Cが停止表示されたときに当該中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致しなかったときには、外れとなり(リーチ外れ)、中の演出図柄371Cが左右の演出図柄371L,371Rと一致したときには、大当りとなる。また、リーチ状態から停止表示される中の演出図柄371Cが特定の図柄であったときには、時短当りとなる。なお、演出表示装置37には、演出図柄371L,371C,371Rの変動表示に伴って、例えば大当りの可能性(信頼度)を示唆するキャラクタ図柄373も表示される。
また、演出表示装置37の表示画面の隅部(下部)には、図6に示すように、第1および第2保留図柄372a,372bも表示される。第1保留図柄372aは、第1特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第1保留図柄372aは、特別図柄の変動表示中等に第1始動口23に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第1特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。また、第2保留図柄372bは、第2特別図柄の保留記憶に対応する図柄である。第2保留図柄372bは、特別図柄の変動表示中等に第2始動口24に遊技球が入球する毎に右側から順に1つずつ追加表示され、第2特別図柄の変動表示が開始される毎に始動入球時とは逆側から1つずつ消去される。
[制御回路の構成]
また、遊技機1は、図5に示すように、その制御回路として、主制御装置60と、払出制御装置70と、発射制御装置80と、サブ統合制御装置90と、演出表示制御装置91と、電源基板95(図2参照)と、を備える。主制御装置60は、CPU60aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU60aの他に、処理プログラムやテーブルを記憶するROM60b,処理プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM60c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。なお、図示しないが、払出制御装置70や発射制御装置80も同様に、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPUの他に、ROM,RAM,入出力ポート,通信ポートなどを備える。また、遊技機1には外部接続端子板65が設けられており、外部接続端子板65により遊技状態や遊技結果を示す信号がホールコンピュータ100(図5参照)へ送信される。
主制御装置60は、遊技の基本的な進行を司るものである。図5に示すように、主制御装置60には、前面枠3の開放を検知する前面枠開放スイッチ3aや、内枠5の開放を検知する内枠開放スイッチ5a等からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力される。また、主制御装置60には、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過を検知するゲートスイッチ22aや、第1始動口23への遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ23a、第2始動口24への遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ24a、大入賞口25への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ25a、普通入賞口27への遊技球の入球を検知する普通入賞口スイッチ27a等からの検知信号が遊技盤中継端子板61を介して入力される。更に、主制御装置60には、確率設定スイッチ98やRAMクリアスイッチ99からの操作信号が直接に入力される。一方、主制御装置60からは、第2始動口ソレノイド24cや大入賞口ソレノイド25c等への駆動信号が遊技盤中継端子板61を介して出力される。また、主制御装置60からは、第1特図表示装置31や第2特図表示装置32、第1特図保留数表示装置33、第2特図保留数表示装置34、普図表示装置35、普図保留数表示装置36等への表示信号が図柄表示装置中継端子板62を介して出力される。更に、主制御装置60からは、ホールコンピュータ100への信号が裏配線中継端子板64および外部接続端子板65を介して出力される。
確率設定スイッチ98は、遊技機1の裏側の主制御装置60に設けられ、RAMクリアスイッチ99は、電源基板95に設けられている。確率設定スイッチ98は特別図柄の大当り確率を設定するためのスイッチであり、RAMクリアスイッチ99はRAMクリアを実行するためのスイッチである。また、本実施例のRAMクリアスイッチ99は、大当り確率の設定値の選択にも用いられる。すなわち、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99は、特別図柄の大当り確率としてそれぞれ異なる大当り確率が割り当てられた6つの設定値(設定1~6)のいずれかを選択してセットするために用いられる。遊技ホールの管理者は、所定の鍵を確率設定スイッチ98に挿入して回転させると共にRAMクリアスイッチ99を押下した状態で電源を投入する。すると、遊技機1は、設定値の変更が可能な状態となる。遊技機1がこの状態になると、管理者は、RAMクリアスイッチ99を押下することにより、設定1~6の中から所望の設定値を選択することができる。本実施例では、遊技機1は、RAMクリアスイッチ99が押下される度に、第1特図表示装置31に現在選択されている設定値に対応する「1」~「6」の数字を順番に表示する。このため、管理者は、第1特図表示装置31に表示される数字が所望の設定値に対応する数字となるようにRAMクリアスイッチ99の押下を繰り返すことにより、所望の設定値を選択することができる。RAMクリアスイッチ99の操作によって選択された設定値は、管理者が確率設定スイッチ98に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻すことにより確定され、特別図柄の大当り確率としてセットされる。管理者は、こうした操作を行なうことにより、遊技機1ごとに、設定1~6のいずれかをセットすることができる。なお、本実施例では、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99を用いて設定値の選択およびセットを行なう構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、回転つまみ等、外部から操作できるものであれば、他の如何なる操作手段を用いて設定値の選択やセットを行なう構成であってもよく、設定値を選択するための専用のスイッチを設ける構成であってもよい。また、遊技機1は、現在選択されている設定値に関する情報を第1特図表示装置31に表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、他の表示装置に表示してもよいし、音声により報知してもよい。例えば、設定値を表示可能な表示装置を遊技機1の裏側の主制御装置60に設けてもよく、その表示装置を設定値の表示専用の装置としてもよい。また、設定値は設定1~6の6つに限られず、複数の設定値のうちから選択可能なものであれば幾つであっても構わない。
払出制御装置70は、賞球や貸球の払い出しに関する制御を司るものである。この払出制御装置70には、上受け皿11に払い出す遊技球を貯留するための球タンク77の球切れを検知する球切れスイッチ76からの検知信号が裏配線中継端子板64を介して入力され、上受け皿11に払い出される遊技球を検知する払出スイッチ74からの検知信号が払出中継端子板71および裏配線中継端子板64を介して入力され、下受け皿12の満杯を検知する満杯スイッチ75からの検知信号が直接に入力される。一方、払出制御装置70からは、払出モータ73への駆動信号が裏配線中継端子板64および払出中継端子板71を介して出力される。払出制御装置70は、主制御装置60と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置60から送信されるコマンドに従って払出モータ73を駆動して賞球の払い出しを行なう。払出制御装置70は、球切れスイッチ76および満杯スイッチ75のいずれかから検知信号を入力すると、その検知の状況が解消して検知信号を入力しなくなるまで、払出モータ73を駆動停止し、賞球の払出動作を中断する。
また、払出制御装置70は、CRユニット端子板51を介してCRユニット50と通信可能に構成されている。CRユニット端子板51は精算表示装置52と双方向通信が可能に構成されており、払出制御装置70には、精算表示装置52に設けられた球貸スイッチ53aや精算スイッチ54aからの検知信号がCRユニット端子板51を介して入力される。なお、球貸スイッチ53aは、球貸ボタン53の操作を検知して検知信号を出力するものであり、精算スイッチ54aは、精算ボタン54の操作を検知して検知信号を出力するものである。払出制御装置70は、球貸コマンドを入力すると、払出モータ73を駆動して貸球の払い出しを行なう。また、払出制御装置70は、発射制御装置80とも双方向通信が可能に構成され、満杯スイッチ75から検知信号を入力する等の所定の発射停止条件が成立したときに、発射制御装置80に対して発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置80は、遊技領域21への遊技球の発射に関する制御を司るものである。この発射制御装置80には、発射ハンドル13の回動操作に応じて出力される回動量信号や、発射停止ボタンの操作を検知する発射停止スイッチ81からの発射停止信号、遊技者が発射ハンドル13に触れていることを検知するタッチスイッチ82からのタッチ信号等が入力される。一方、発射制御装置80からは、発射モータ83への駆動信号が出力される。発射制御装置80は、回動量信号に基づく発射強度で遊技球が遊技領域21へ発射されるよう発射モータ83を制御する。なお、発射制御装置80は、タッチ信号を入力していないときや発射停止コマンドを入力しているときには、発射ハンドル13の操作に拘わらず発射モータ83の駆動を停止し、遊技球を発射させない。
サブ統合制御装置90は、遊技の演出に関する制御を司るものである。サブ統合制御装置90は、CPU90aを中心としたマイクロプロセッサとして構成され、CPU90aの他に、ROM90b,RAM90c,入出力ポート,通信ポートなどを備える。このサブ統合制御装置90は、演出中継端子板63を介して主制御装置60から一方向通信により各種コマンドを受信可能となっており、受信したコマンドに応じた演出制御を行なう。サブ統合制御装置90には、演出ボタン16の操作(押下)を検知する演出ボタンスイッチ16aからの検知信号が入力される。一方、サブ統合制御装置90からは、スピーカ14への音声信号やLED15への点灯信号、遊技情報表示部41への表示信号が出力される。また、サブ統合制御装置90からは、演出表示制御装置91への演出表示制御用のコマンドが一方向通信により出力される。演出表示制御装置91は、サブ統合制御装置90からの演出表示制御用のコマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出画像が演出表示装置37に表示されるよう当該演出表示装置37の表示制御を行なう。
電源基板95は、外部のAC電源からの交流電圧を直流電圧に変換する直流電源であり、電源スイッチ95aの操作によって遊技機1の各部に電力を供給する。電源基板95は電源スイッチ95aがオフされて遊技機1の電源が落とされた状態であってもAC電源からの電力を主制御装置60のRAM60c等に供給しており、RAM60c内のデータはAC電源からの電力により保持される。また、電源基板95は、コンデンサ等により構成される補助電源を備え、AC電源から供給される電力を補助電源に蓄電する。これにより、AC電源からの電力の供給が遮断される停電時に、補助電源からの電力が主制御装置60のRAM60c等に供給され、主制御装置60のRAM60c内のデータ等が一定時間に亘って保持される。このように、主制御装置60には、電源スイッチ95aがオフされたり停電したりしてもAC電源や補助電源からの電力によりRAM60cの記憶を保持するバックアップ機能を有する。一方、サブ統合制御装置90には、こうしたバックアップ機能を有していないため、電源スイッチ95aがオフされたり停電したりすると、RAM90cの記憶はクリアされる。
[遊技機1の遊技の概要]
次に、こうして構成された遊技機1における遊技の概要について説明する。図7は、遊技機1の仕様を説明する説明図である。本実施例の遊技機1では、特別図柄の大当り確率は、遊技状態と設定値とによって異なる。すなわち、図7(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態である場合、設定1の大当り確率は、1/320であり、設定2の大当り確率は、1/310であり、設定3の大当り確率は、1/300であり、設定4の大当り確率は、1/290であり、設定5の大当り確率は、1/280であり、設定6の大当り確率は、1/270である。一方、遊技状態が確変遊技状態である場合、設定1の大当り確率は、1/64であり、設定2の大当り確率は、1/62であり、設定3の大当り確率は、1/60であり、設定4の大当り確率は、1/58であり、設定5の大当り確率は、1/56であり、設定6の大当り確率は、1/54である。特別図柄が大当りとなると、4ラウンドの大当り遊技(規定数が10個で最大開放時間が30秒間のラウンド遊技が4回繰り返される大当り遊技)または10ラウンドの大当り遊技(上記ラウンド遊技が10回繰り返される大当り遊技)が実行される。
また、図7(b)に示すように、普通図柄の当り確率は、遊技状態によって異なり、遊技状態が通常遊技状態である場合とb時短状態である場合とc時短状態である場合は、1/3であり、遊技状態がa時短状態である場合は、1/1.1である。普通図柄で当りが発生すると、第2始動口24(普通電動役物)が開放する普通図柄当り遊技(普図当り遊技)が実行される。遊技状態が通常遊技状態であるときに普通図柄で当りが発生した場合、規定数が10個で最大開放時間が0.1秒間の普図当り遊技が実行され、遊技状態がa時短状態、b時短状態またはc時短状態であるときに普通図柄で当りが発生した場合、規定数が10個で最大開放時間が5.8秒間の普図当り遊技が実行される。a時短状態、b時短状態およびc時短状態は、いずれも第2始動口24への遊技球の入球が容易になる遊技状態(容易状態)であり、それぞれ発生条件が異なる。
こうした仕様の遊技機1において、左打ち(第1遊技領域への遊技球の発射)により第1始動口23に遊技球が入球すると、第1特別図柄の変動表示が開始される。そして、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、大当りとなり、大入賞口25が開放される大当り遊技が実行される。大入賞口25は、左打ちでは遊技球の入球が不可能であり、右打ち(第2遊技領域への遊技球の発射)することにより遊技球の入球が可能となる。したがって、大当り遊技が実行されると、遊技者は右打ちすることにより大当り遊技が消化されることになる。なお、特別図柄の当り図柄に、大入賞口25の開放時間が大当り遊技よりも短い小当り遊技が実行される小当り図柄を含めてもよい。
特別図柄の大当り図柄には、通常大当り図柄と確変大当り図柄とが含まれ、特別図柄が通常大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技終了後の遊技状態としてa時短状態が発生する。通常大当り図柄で大当り遊技が実行された場合、a時短状態は、特別図柄の変動表示が所定回数(100回)実行されるまで継続する。一方、特別図柄が確変大当り図柄で停止表示されると、大当り遊技終了後の遊技状態としてa時短状態に加えて確変遊技状態が発生する。本実施例では、確変大当り図柄の選択割合は65%である。確変大当り図柄で大当り遊技が実行された場合、確変遊技状態およびa時短状態は、特別図柄の変動表示が所定回数(10000回)実行されるまで、すなわち実質的には次に大当りが発生するまで継続する。したがって、確変遊技状態およびa時短状態では、遊技者は、右打ちすることにより、持ち球の減りを抑制しつつ大当りを有利に発生させることができ、短時間で多くの出玉を獲得できるチャンスとなる。
また、大当りが発生することなく、特別図柄の変動表示が予定回数(900回)実行されると(特別図柄の変動回数を計数する後述する変動カウンタが規定値に達すると)、遊技状態としてb時短状態が発生する。大当り確率は1/320~1/270であり、b時短状態は特別図柄の変動表示が所定回数(1000回)実行されるまで継続するから、b時短状態が発生すると、殆どの場合でb時短状態中に大当りを発生させることができる。本実施例では、大当り確率は、設定1~6によって異なり、b時短状態の発生条件である予定回数は設定1~6に拘わらず一定回数(900回)であるため、設定値が低いほど(大当り確率が低いほど)、予定回数に到達する確率(予定回数まで大当りを引けない確率)が高くなる。
さらに、特別図柄が大当り図柄とは異なる時短図柄(特定図柄)で停止表示されると、遊技状態としてc時短状態が発生する。c時短状態は特別図柄の変動回数がb時短状態よりも少ない回数(20回)実行されるまで継続する。
このように、a時短状態、b時短状態およびc時短状態とは、発生条件が互いに異なり、a時短状態は大当り遊技の終了後に発生する時短遊技状態であり、b時短状態は大当りが発生することなく特別図柄の変動回数が予定回数(900回)実行されたことに基づいて発生する時短遊技状態であり、c時短状態は特別図柄が時短図柄で停止表示されたことに基づいて発生する時短遊技状態である。また、a時短状態、b時短状態およびc時短状態は、終了条件も互いに異なっており、特別図柄の変動回数がそれぞれ100回(低確率時),1000回,20回実行されると、終了する。
さらに、a時短状態、b時短状態およびc時短状態は、いずれも、普通図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短縮される時短機能と、普通図柄が当選したときの第2始動口24の開放時間が通常遊技状態よりも延長される開放延長機能とを作動させる遊技状態である。ただし、a時短状態は、普通図柄の当選確率が通常遊技状態よりも高くなる普図確変機能を作動させるが、b時短状態やc時短状態は、大当りを介さずに時短遊技状態が発生するため、普図確変機能を作動させないようになっている。この場合、a時短状態とb時短状態やc時短状態とは、互いに異なる遊技状態となり、普図確変機能が作動するa時短状態の方がb時短状態やc時短状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。勿論、a時短状態も、b時短状態やc時短状態に合わせて普図確変機能を作動させずに時短遊技状態として同一の状態とすることも考えられる。この場合、仮にa時短状態とb時短状態とc時短状態とのうち2つが重なる状況が生じても、時短遊技状態を変化させる必要がなくなる。
[主制御処理]
次に、遊技機1の動作、特に主制御装置60の動作について更に詳細に説明する。図8は、主制御装置60のCPU60aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、遊技機1の電源スイッチ95aが操作されたときに実行される。主制御処理は、遊技機1の電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S10)、乱数更新処理(S20)と、入賞確認処理(S30)と、始動入賞処理(S40)と、普通図柄遊技処理(S50)と、普通図柄当り遊技処理(S60)と、特別図柄遊技処理(S70)と、大当り遊技処理(S80)と、を繰り返し実行することにより行なわれる。なお、本実施例では、S20~S80の処理に要する時間は約2msecであり、これらの処理は、約2msecの間隔で繰り返し実行される。主制御装置60は、主制御処理の実行により、各種コマンドを担当する制御装置に送信してコマンドに応じた処理を実行させることで、遊技機1の全体の遊技を進行させている。
[電源投入処理]
図9は、電源投入処理の一例を示すフローチャートである。S10の電源投入処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、セキュリティチェックが完了した後、RAM60cへのデータの読み出しや書き込みを可能とするアクセス許可を設定する(S100)。続いて、バックアップフラグがOFFであるか否か(S102)、RAMクリア信号がOFFであるか否か(S104)、をそれぞれ判定する。バックアップフラグは、RAM60cの記憶内容が正常であるか否かを示すフラグである。バックアップフラグは、例えばチェックサム処理によりRAM60cの記憶内容が正常であるか否かが判定され、正常であると判定されるとONされ、正常でないと判定されるとOFFされる。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ99が操作された状態で電源が投入されるとONされ、RAMクリアスイッチ99が操作されない状態で電源が投入されるとOFFされる。
バックアップフラグがOFFであると判定するか、バックアップフラグはONであるがRAMクリア信号がONであると判定すると、初期状態から起動する。即ち、CPU60aは、RAM60cの遊技情報を記憶する遊技情報記憶領域をクリアして初期化すると共に初期状態から遊技を開始する初期化処理を行ない(S106)、払出制御装置70とサブ統合制御装置90とにそれぞれ対応する初期コマンドを送信して(S108)、電源投入処理を終了する。なお、上述したように、確率設定スイッチ98およびRAMクリアスイッチ99が操作されながら電源投入されていれば、RAMクリア信号がONとなり、CPU60aは、初期化処理に伴い、設定1~6の中から確率設定スイッチ98によりセット(選択)された一の設定値をRAM60cの設定値記憶領域に記憶し、当該設定値を有効化する。設定値記憶領域は、初期化処理によってはクリアされない。なお、サブ統合制御装置90に送信される初期コマンドには、設定値が含まれる。
一方、S102,S104でバックアップフラグがONで且つRAMクリア信号がOFFであると判定すると、電源遮断直前の状態から起動する。即ち、CPU60aは、まず、RAM60cの遊技情報記憶領域に記憶保持されている電源遮断直前の遊技情報を読み出す(S110)。電源遮断直前の遊技情報は、電源遮断直前に進行していた遊技の状態を示す情報である。そして、読み出した遊技情報にしたがって遊技を再開する電源復帰処理を行なうと共に(S112)、払出制御装置70とサブ統合制御装置90とにそれぞれ対応する復帰コマンドを送信して(S114)、電源投入処理を終了する。なお、サブ統合制御装置90に送信される復帰コマンドには、設定値が含まれる。電源投入処理を終了すると、主制御処理に戻って次の乱数更新処理(S20)に進む。
本実施例の遊技機1では、主制御装置60は、上述したように、RAM60cの記憶を保持するバックアップ機能を備えており、電源投入時においてRAM60cに遊技情報が正常に記憶されており且つRAMクリアされていなければ、電源遮断前の遊技状態で復帰することができる。一方、サブ統合制御装置90は、こうしたバックアップ機能を備えていないため、電源投入時に遊技機1の遊技状態を認識することができない。そこで、本実施例では、電源投入時処理において復帰時に記憶されている遊技情報に応じて主制御装置60からサブ統合制御装置90へ初期コマンドと復帰コマンドとを選択的に送信することで、サブ統合制御装置90は、受信したコマンドに基づいて遊技機1の電源投入直後の遊技状態を判別するものとした。
[乱数更新処理]
S20の乱数更新処理は、各種判定用乱数を更新する処理である。判定用乱数としては、例えば、始動口(第1始動口23または第2始動口24)への遊技球の入球に基づいて行なわれる大当り判定(当否判定)に用いる大当り判定用乱数(特別図柄当否判定用乱数)や、始動口への遊技球の入球に基づいて行なわれる時短判定に用いる時短判定用乱数、大当り判定の結果が大当りであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる大当り図柄の決定に用いる大当り図柄決定用乱数、時短判定の結果が時短有り(当り)であった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる時短図柄の決定に用いる時短図柄決定用乱数、大当り判定および時短判定の結果がいずれも外れであった場合に特図表示装置(第1特図表示装置31または第2特図表示装置32)に停止表示させる外れ図柄の決定に用いる外れ図柄決定用乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)の決定に用いる変動パターン決定用乱数、普通図柄作動ゲート22への遊技球の通過に基づいて行なわれる当否判定に用いる普通図柄当否判定用乱数などを挙げることができる。乱数更新処理を終了すると、主制御処理に戻って次の入賞確認処理(S30)に進む。
[入賞確認処理]
S30の入賞確認処理は、各種センサ(第1始動口スイッチ23aや第2始動口スイッチ24a、ゲートスイッチ22a、大入賞口スイッチ25a、普通入賞口スイッチ27aなど)の状態を検知してRAM60cの所定の状態記憶領域に保存する。また、賞球に関わるスイッチ(ゲートスイッチ22aを除く上記入賞口スイッチ)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM60cの所定の賞球情報記憶領域に保存する。そして、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御装置70に送信して入賞確認処理を終了する。払出制御装置70は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ73を駆動して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出スイッチ74により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御装置60から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。入賞確認処理を終了すると、主制御処理に戻って次の始動入賞処理(S40)に進む。
[始動入賞処理]
図10は、始動入賞処理の一例を示すフローチャートである。S40の始動入賞処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、第1始動口スイッチ23aからの検知信号を入力して第1始動口23に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口23に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新し(S204)、第1特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や時短判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、時短図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第1特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第1特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S208)、S210の処理に進む。第1特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に第1保留図柄372aを表示させるための第1特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S200で第1始動口23に遊技球が入球していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S204~S208の処理をスキップして次のS210の処理に進む。
次に、第2始動口スイッチ24aからの検知信号を入力して第2始動口24に遊技球が入球したか否かを判定する(S210)。第2始動口24に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数(第2特図保留数)がその上限数(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S212)。第2特別図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新し(S214)、第2特別図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S216)。ここで、S216で取得される判定用乱数としては、上述した大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数、外れ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数など第2特別図柄の変動遊技の進行に関する情報を挙げることができる。そして、第2特別図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S218)、S220の処理に進む。第2特別図柄保留数指示コマンドには、演出表示装置37に第2保留図柄372bを表示させるための第2特別図柄の保留数に関する情報が含まれる。なお、S210で第2始動口24に遊技球が入球していないと判定したり、S212で第2特別図柄の保留数が上限数に達していると判定したりすると、S214~S218の処理をスキップして次のS220の処理に進む。
次に、ゲートスイッチ22aからの検知信号を入力して普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したか否かを判定する(S220)。普通図柄作動ゲート22を遊技球が通過したと判定すると、現在の普通図柄の保留数がその上限数(例えば、値4)よりも少ないか否かを判定する(S222)。普通図柄の保留数が上限数よりも少ないと判定したときには、普通図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新する(S224)。次に、普通図柄の判定用乱数を取得してRAM60cの所定の判定用乱数記憶領域に格納する(S226)。なお、普通図柄の判定用乱数としては、上述した普通図柄当否判定用乱数などの普通図柄の変動遊技の進行に関する情報を例示することができる。そして、普通図柄保留数指示コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S228)、始動入賞処理を終了する。S220で普通図柄作動ゲート22に遊技球が通過していないと判定したり、S222で普通図柄の保留数が上限値に達していると判定したりすると、S224~S228の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理を終了すると、主制御処理に戻って次の普通図柄遊技処理(S50)に進む。
[普通図柄遊技処理]
図11は、普通図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S50の普通図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)が値1であるか否かを判定する(ステップS300)。普図当りフラグは、普通図柄当り遊技中であるか否かを示すフラグである。普図当りフラグが値1であると判定すると、普通図柄当り遊技中であると判断し、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理が終了すると、次のS60の普通図柄当り遊技処理に進む。一方、普図当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、普通図柄当り遊技中でないと判断し、普通図柄が変動表示中であるか否か(S302)、普通図柄の確定図柄の表示時間中であるか否か(S304)、をそれぞれ判定する。普通図柄が変動表示中でなく、その確定図柄の表示時間中でもないと判定すると、普通図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S306)。普通図柄の保留数が値0よりも多くない、すなわち値0であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている普通図柄判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S308)、普通図柄の変動表示を行なうための普通図柄変動表示関連処理を実行して(S310)、普通図柄遊技処理を終了する。以下、S310の普通図柄変動表示関連処理の詳細について図12のフローチャートを用いて説明する。
普通図柄変動表示関連処理では、a時短フラグが値0であるか否かを判定する(S350)。a時短フラグは、a時短状態中であるか否かを示すフラグであり、当該a時短状態は、大当りが発生したことを契機に発生する。なお、後述するb時短フラグは、b時短状態中であるか否かを示すフラグであり、後述するc時短フラグは、c時短状態中であるか否かを示すフラグである。a時短フラグが値0である、すなわち現在の遊技状態がa時短状態でないと判定すると、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて低確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう(S352)。一方、a時短フラグが値1である、すなわち現在の遊技状態がa時短状態であると判定すると、取得した普通図柄当否判定用乱数に基づいて高確率用普通図柄当り判定テーブルを用いて当否判定を行なう(S354)。普通図柄の当否判定は、普通図柄当否判定用乱数と普通図柄当り判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致したときには当りと判定し、一致しなかったときには外れと判定する。高確率用普通図柄当り判定テーブルは、低確率用普通図柄当り判定テーブルに比して、多くの当り値が定められている。これにより、普通図柄の当り確率は、a時短状態の場合に高確率とされ、a時短状態でない場合に低確率とされる。このため、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合の他、b時短状態やc時短状態の場合にも、普通図柄の当り確率は低確率とされる。当否判定の結果、当りと判定すると(S356の「YES」)、普通図柄の確定図柄に当り図柄を決定し(S358)、普通図柄の変動表示を開始してから当り図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(当り変動パターン)を決定する(S362)。また、当否判定の結果、外れと判定すると(S356の「NO」)、普通図柄の確定図柄に外れ図柄を決定し(S360)、普通図柄の変動表示を開始してから外れ図柄で確定表示するまでの普通図柄の変動時間(外れ変動パターン)を決定する(S362)。普通図柄の変動時間は、いずれのタイプの時短遊技状態(a時短状態、b時短状態、c時短状態)であっても、通常遊技状態よりも短い時間が設定される。こうして普通図柄の確定図柄と変動時間(変動パターン)とを決定すると、普通図柄の変動表示を開始し(S364)、普通図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に普図保留数表示装置36の表示を更新し(S366)、普通図柄の変動開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S368)、普通図柄遊技処理を終了する。
図11の普通図柄遊技処理に戻って、普通図柄の変動表示を開始すると、次に普通図柄遊技処理が実行されたときに、主制御装置60のCPU60aは、S302で普通図柄が変動表示中であると判定するため、次に、S362またはS364で決定した普通図柄の変動時間が経過(決定した変動パターンによる変動が終了)したか否かを判定する(S312)。普通図柄の変動時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了し、普通図柄の変動時間が経過したと判定すると、変動表示中の普通図柄の確定図柄を表示する確定図柄表示処理を行なう(S314)。そして、確定図柄表示時間(例えば0.5秒)が経過したか否かを判定する(S316)。確定図柄表示時間が経過していないと判定すると、普通図柄遊技処理を一旦終了する。普通図柄の確定図柄が表示された後に、普通図柄遊技処理が実行されると、S304で確定図柄の表示時間中であると判定するため、再びS316で確定図柄表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄表示時間が経過したと判定すると、確定図柄の表示を終了して(S318)、普通図柄の確定図柄が当り図柄であるか否かを判定する(S320)。
普通図柄の確定図柄が当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の確定図柄が当り図柄であると判定すると、普通図柄当りフラグ(普図当りフラグ)に値1を設定して(S322)、普通図柄遊技処理を終了する。普通図柄遊技処理を終了すると、次のS60の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
図13は、普通図柄当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S60の普通図柄当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、普図当りフラグが値1であるか否かを判定する(S400)。普図当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、普通図柄当り遊技中でないと判断し、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、普図当りフラグが値1であると判定すると、普通図柄当り遊技中であると判断し、第2始動口24が開放中であるか否かを判定する(S402)。第2始動口24が開放中でないと判定すると、開放待ち時間が経過したか否かを判定する(S404)。開放待ち時間が経過していないと判定すると、普通図柄当り遊技処理を終了する。一方、開放待ち時間が経過したと判定すると、第2始動口24の開放パターン(最大開放時間)を決定すると共に(S406)、決定した開放パターンで第2始動口24が開放するよう第2始動口ソレノイド24cを制御して(S408)、普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。第2始動口24の開放パターンは、遊技状態によって異なる。本実施例では、遊技状態が通常遊技状態である場合には、最大0.1秒間、1回開放される開放パターンが設定され、遊技状態が時短遊技状態(a時短状態、b時短状態またはc時短状態)である場合には、最大5.8秒間、1回開放される開放パターンが設定される。
第2始動口24を開放すると、次に普通図柄当り遊技処理を実行したときに、S402で第2始動口24が開放中であると判定するため、第2始動口スイッチ24aからの検知信号に基づいて第2始動口24に遊技球が規定数(例えば10個)入球したか否か(S410)、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間がS406で決定した最大開放時間に達したか否か(S412)、をそれぞれ判定する。第2始動口24に遊技球が規定数入球しておらず、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が決定した最大開放時間に達してもいないと判定すると、第2始動口24の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、第2始動口24に遊技球が規定数入球したと判定したり、第2始動口24の開放を開始してからの経過時間が決定した最大開放時間に達したと判定すると、第2始動口24を閉鎖する(S414)。そして、普通図柄当り遊技を終了させるために、普図当りフラグに値0を設定して(S416)、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、次に、S70の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
図14および図15は、特別図柄遊技処理の一例を示すフローチャートである。S70の特別図柄遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1であるか否かを判定する(S500)。大当りフラグが値1であると判定すると、大当り遊技中であると判断し、特別図柄遊技処理を終了する。なお、特別遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次の大当り遊技処理(S80)に進む。一方、大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技中でないと判断し、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが、変動表示中であるか否か(S502)、確定図柄表示中であるか否か(S504)、をそれぞれ判定する。第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中ではなくその確定図柄が表示中でもないと判定すると、第2特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S506)。第2特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第2特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S508)、第2特別図柄の変動表示を行なうための第2特別図柄変動表示関連処理を実行して(S510)、特別図柄遊技処理を終了する。
一方、第2特別図柄の保留数が値0であると判定すると、第1特別図柄の保留数が値0よりも多いか否かを判定する(S512)。第1特別図柄の保留数が値0よりも多いと判定すると、判定用乱数記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用乱数のうち最も古いものを読み出し(S514)、第1特別図柄の変動表示を行なうための第1特別図柄変動表示関連処理を実行して(S516)、特別図柄遊技処理を終了する。S512で第1特別図柄の保留数が値0であると判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。S506~S516では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0よりも多いときには第2特別図柄の変動表示(保留の消化)が優先して実行される(特図2優先変動)。勿論、これに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示(保留の消化)を優先して行なうものとしてもよいし(特図1優先変動)、特別図柄の変動表示を始動口(第1始動口23,第2始動口24)への遊技球の入球順に行なうものとしてもよいし(入球順変動)、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して行なうものとしてもよい(同時変動)。以下、S510の第2特別図柄変動表示関連処理およびS516の第1特別図柄変動表示関連処理の詳細について説明する。図16は、第1特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートであり、図17は、第2特別図柄変動表示関連処理の一例を示すフローチャートである。
図16の第1特別図柄変動表示関連処理では、まず、確変フラグが値0であるか否かを判定する(S600)。確変フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを示すフラグであり、当該確変遊技状態は、確変大当りを契機に発生する。確変フラグが値0であると判定すると、現在の遊技状態は確変遊技状態でないと判断し、低確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行なう(S602)。一方、確変フラグが値0でなく値1であると判定すると、現在の遊技状態は確変遊技状態であると判断し、高確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行なう(S604)。大当り判定は、大当り判定用乱数と大当り判定テーブル(低確率用大当り判定テーブル,高確率用大当り判定テーブル)に含まれる当り値とを比較することにより行ない、大当り判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには大当りと判定し、いずれの当り値とも一致しなかったときには外れと判定する。低確率用大当り判定テーブルおよび高確率用大当り判定テーブルには、設定1~6のうち設定値が高いほど多くの当り値が含まれ、高確率用大当り判定テーブルには、低確率用大当り判定テーブルよりも多くの当り値が含まれている。このため、大当り確率は、設定値が高いほど高くなり、確変遊技状態の方が通常遊技状態よりも高くなる。
次に、大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを判定する(S606)。大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると、S514で取得した大当り図柄決定用乱数に基づいて第1特別図柄の確定図柄として大当り図柄を決定する(S608)。この処理は、大当り図柄決定用乱数を用いて、大当り遊技の内容(ラウンド数)や大当り遊技終了後の遊技状態(通常遊技状態,確変遊技状態)が異なる複数の大当り図柄(例えば、4R通常大当り図柄や10R通常大当り図柄、10R確変大当り図柄など)の中から一の図柄を選択することにより行なう。なお、決定した大当り図柄は、RAM60cに記憶され、大当り遊技終了時まで保存される。大当り図柄を決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した大当り図柄で停止表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(大当り変動パターン)を決定する(S610)。
一方、S606で、大当り判定処理の結果が大当りでないと判定すると、S514で取得した時短判定用乱数に基づいて時短判定処理を行なう(S612)。時短判定処理は、取得した時短判定用乱数と時短判定テーブルに含まれる当り値とを比較することにより行ない、時短判定用乱数がいずれかの当り値と一致したときには時短有り(当り)と判定し、いずれの当り値とも一致しなかったときには時短無し(外れ)と判定する。なお、時短判定用乱数に代えて大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なってもよい。大当り判定用乱数を用いて時短判定を行なう場合、時短判定の当り値は、大当り判定の当り値以外の値に定められる。時短判定処理を行なうと、時短判定処理の結果が時短有りであるか否かを判定する(S614)。
時短判定処理の結果が時短有りであると判定すると、第1特別図柄の確定図柄として時短図柄を決定する(S616)。時短図柄の決定は、予め定められた一の時短図柄を決定することにより行なうものとしてもよいし、時短回数がそれぞれ異なる複数の時短図柄の中から時短図柄決定用乱数に基づいて一の時短図柄を選択することにより行なうものとしてもよい。時短図柄を決定すると、時短フラグ(a時短フラグ,b時短フラグ,c時短フラグ)および確変フラグのいずれもが値0であるか否かを判定する(S618)。この判定は、現在の遊技状態が時短遊技状態でも確変遊技状態でもない、即ち通常遊技状態であるか否かを判定するものである。時短フラグおよび確変フラグのいずれもが値0であると判定すると、現在の遊技状態は通常遊技状態であると判断し、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した時短図柄で停止表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(時短変動パターン)を決定する(S620)。
一方、S614で時短判定処理の結果が時短有りでなく時短無しであると判定、即ち大当りでも時短当りでもないと判定すると、第1特別図柄の確定図柄として外れ図柄を決定し(S622)、第1特別図柄の変動表示を開始してから決定した外れ図柄で停止表示するまでの第1特別図柄の変動表示時間(外れ変動パターン)を決定する(S624)。また、S618で時短フラグ(a時短フラグ,b時短フラグ,c時短フラグ)および確変フラグの少なくともいずれかが値1である(現在の遊技状態が時短遊技状態であるか確変遊技状態である)と判定すると、外れ変動パターンを決定する(S624)。即ち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合や確変遊技状態である場合、時短判定処理で時短有りの判定がされて時短図柄を決定しても、時短有りを無効として外れ変動パターンを決定するのである。
図16の第1特別図柄変動表示関連処理に戻って、こうして変動パターンを決定すると、第1特別図柄の変動表示を開始し(S626)、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第1特図保留数表示装置33の表示を更新する(S628)。なお、第1特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアし、残存する保留に係る判定用乱数をシフトするシフト処理を行なう。そして、第1特別図柄変動開始コマンド(第1特図変動指示コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S630)、第1特別図柄変動表示関連処理を終了する。第1特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出表示制御装置91に制御コマンドを送信する。なお、第1特図変動指示コマンドには、当否判定の結果や第1特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(大当り図柄、時短図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図17の第2特別図柄変動表示関連処理では、まず、確変フラグが値0であるか否かを判定し(S600b)、確変フラグが値0であると判定すると、低確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行ない(S602b)、確変フラグが値0でなく値1であると判定すると、高確率用大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行なう(S604b)。
次に、大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを判定する(S606b)。大当り判定処理の結果が大当りであると判定すると、S508で取得した大当り図柄決定用乱数に基づいて第2特別図柄の確定図柄として大当り図柄を決定し(S608b)、第2特別図柄の変動パターンとして大当り変動パターンを決定する(S610b)。一方、大当り判定処理の結果が外れであると判定すると、S508で取得した外れ図柄決定用乱数に基づいて第2特別図柄の確定図柄として外れ図柄を決定し(S622b)、第2特別図柄の変動パターンとして外れ変動パターンを決定する(S624b)。第2特別図柄には、時短図柄は含まれない。
こうして第2特別図柄の確定図柄と変動パターンとを決定すると、第2特別図柄の変動表示を開始し(S626b)、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントすると共に第2特図保留数表示装置34の表示を更新する(S628b)。なお、第2特別図柄の保留数の更新に伴って今回消化する保留に係る判定用乱数をクリアし、残存する保留に係る判定用乱数をシフトするシフト処理を行なう。そして、第2特別図柄変動開始コマンド(第2特図変動指示コマンド)をサブ統合制御装置90に送信して(S630b)、第2特別図柄変動表示関連処理を終了する。第2特図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出が開始されるように演出表示制御装置91に制御コマンドを送信する。なお、第2特図変動指示コマンドには、当否判定の結果や第2特別図柄の変動パターン(変動時間)、確定図柄(大当り図柄または外れ図柄)などが含まれる。
図14および図15の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S502で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御装置60のCPU60aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S518)。変動時間はS610、S620、S624、S610bまたはS624bで決定した特別図柄の変動パターンに応じて設定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、決定した変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行なうことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置90に送信すると共に(S520)、変動表示中の特別図柄の確定図柄を表示する(S522)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、演出表示装置37で図柄変動演出を終了するように演出表示制御装置91に制御コマンドを送信する。そして、確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定する(S524)。ここで、確定図柄の表示時間は、本実施例では0.5秒に設定される。確定図柄の表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S504で確定図柄が表示中と判定するため、再びS524で確定図柄の表示時間が経過したか否かを判定し、確定図柄の表示時間が経過していると判定すると、確定図柄の表示を終了し(S526)、確定図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S528)。
S528で大当り図柄と判定すると、大当りを発生させるために、条件装置の作動を開始すると共に(S530)、役物連続作動装置の作動を開始し(S532)、大当りフラグに値1を設定する(S534)。大当り遊技中には確変機能や時短機能を停止させるために、確変フラグとa時短フラグとb時短フラグとc時短フラグとを値0にクリアする(S536~S542)。そして、変動カウンタをクリアし(S544)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S546)、特別図柄遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、大当りフラグの値や確変フラグの値、a時短フラグの値、b時短フラグの値、c時短フラグの値、変動カウンタの値が含まれる。特別図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS80の大当り遊技処理に進む。
一方、S528で大当り図柄でなく外れ図柄であると判定すると、確変フラグ終了処理(S548)とa時短フラグ終了処理(S550)とb時短フラグ設定処理(S552)とc時短フラグ設定処理(S554)とを実行する。そして、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S546)、特別図柄遊技処理を終了する。以下、確変フラグ終了処理とa時短フラグ終了処理とb時短フラグ設定処理とc時短フラグ設定処理とを順に説明する。
図18は、確変フラグ終了処理の一例を示すフローチャートである。確変フラグ終了処理では、確変フラグが値1(確変遊技状態)であるか否かを判定する(S700)。確変フラグが値1でなく値0であると判定すると、確変フラグ終了処理を終了する。一方、確変フラグが値1であると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S702)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S704)。確変カウンタは、確変遊技状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、確変カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた値が設定される。本実施例では、大当り図柄が確変大当り図柄である場合(確変大当り)を契機に、値10000が設定される。したがって、確変大当りを引くと、実質的に次に大当りを引くまで確変遊技状態が維持される。確変カウンタが値0でないと判定すると、確変遊技状態を維持したまま確変フラグ終了処理を終了する。一方、確変カウンタが値0であると判定すると、確変遊技状態を終了させるために、確変フラグを値0として(S706)、確変フラグ終了処理を終了する。
図19は、a時短フラグ終了処理の一例を示すフローチャートである。a時短フラグ終了処理では、a時短フラグが値1(a時短状態中)であるか否かを判定する(S710)。a時短フラグが値1でなく値0であると判定すると、a時短フラグ終了処理を終了する。一方、a時短フラグが値1であると判定すると、a時短カウンタを値1だけデクリメントして(S712)、a時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S714)。a時短カウンタは、a時短状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、a時短カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた初期値が設定される。本実施例では、大当り図柄が通常大当り図柄である場合には値100が設定され、確変大当り図柄である場合には値10000が設定される。したがって、確変大当りを引くと、実質的に次の大当りを引くまでa時短状態が維持される。a時短カウンタが値0でないと判定すると、a時短状態を維持したままa時短フラグ終了処理を終了する。一方、a時短カウンタが値0であると判定すると、a時短状態を終了させるために、a時短フラグを値0として(S716)、a時短フラグ終了処理を終了する。
図20は、b時短フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。b時短フラグ設定処理では、確変フラグが値0であるか否かを判定する(S720)。確変フラグが値0でなく値1(確変遊技状態中)であると判定すると、b時短フラグ設定処理を終了する。このため、確変遊技状態中にb時短状態が発生することはない。一方、確変フラグが値0であると判定すると、b時短フラグが値0であるか否かを判定する(S722)。b時短フラグが値0であると判定すると、変動カウンタを値1だけデクリメントし(S724)、変動カウンタが値0であるか否かを判定する(S726)。変動カウンタは、予定回数到達までの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、変動カウンタには、大当り遊技の終了に際して予め定められた初期値(値900)が設定される。変動カウンタが値0でないと判定すると、b時短フラグ設定処理を終了する。一方、変動カウンタが値0であると判定すると、b時短状態を発生させるために、b時短フラグを値1とすると共に(S728)、b時短カウンタを設定し(S730)、b時短開始コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S732)、b時短フラグ設定処理を終了する。b時短カウンタは、b時短状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、b時短カウンタには、予め定められた初期値(値1000)が設定される。大当り確率は1/320~1/270であるから、b時短状態が発生すると、殆どの場合で大当りを引くことができる。b時短状態が発生した後、b時短フラグ設定処理が実行されると、S722において、b時短フラグが値1(b時短状態中)であると判定されるため、b時短カウンタを値1だけデクリメントして(S734)、b時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S736)。b時短カウンタが値0でないと判定すると、b時短状態を維持したままb時短フラグ設定処理を終了する。一方、b時短カウンタが値0であると判定すると、b時短状態を終了させるために、b時短フラグを値0とし(S738)、b時短終了コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S739)、b時短フラグ設定処理を終了する。すなわち、大当りを引くことができないままb時短カウンタが値0になると、b時短状態が終了し、通常遊技状態へ移行する。本実施例では、通常遊技状態への移行に際して、変動カウンタは初期化されないため、b時短状態で大当りを引くことができないまま通常遊技状態へ移行すると、そこから更に特別図柄の変動回数が予定回数に達しても、b時短状態を発生させない。勿論、b時短状態から通常遊技状態へ移行した後、変動カウンタを初期化し、更に特別図柄の変動回数が予定回数に達すると、b時短状態を発生させてもよい。
本実施例では、変動カウンタは、a時短状態中(a時短フラグが値1)であっても確変遊技状態中(確変フラグが値1)でなければカウントされる。しかし、a時短状態中はカウントされないものとしてもよい。また、b時短状態中に大当りを引くことができないままb時短カウンタが値0になって通常遊技状態に戻ったときに変動カウンタを初期化するタイプのパチンコ機で、予定回数(例えば900回)よりもb時短状態の時短回数(例えば450回)の方が少ない場合においては、変動カウンタは、b時短状態中もカウントされてもよい。また、確変遊技状態の確変回数が比較的少ない回数(例えば50回や100回)のパチンコ機(いわゆるST機)においては、変動カウンタは、確変遊技状態中もカウントされてもよい。
図21は、c時短フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。c時短フラグ設定処理では、特別図柄の確定図柄が時短図柄であるか否かを判定する(S740)。確定図柄が時短図柄であると判定すると、確変フラグが値0であるか否か(S742)、a時短フラグが値0であるか否か(S744)、b時短フラグが値0であるか否か(S746)、c時短フラグが値0であるか否か(S748)、をそれぞれ判定する。すなわち現在の遊技状態が確変遊技状態でも時短遊技状態でもなく通常遊技状態であるか否かを判定する。確変フラグ、a時短フラグ、b時短フラグおよびc時短フラグのいずれかが値1であると判定すると、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか時短遊技状態であると判断し、c時短フラグ設定処理を終了する。このため、特別図柄の確定図柄が時短図柄であっても、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか時短遊技状態であれば、時短当りは無効とされる。一方、確変フラグ、a時短フラグ、b時短フラグおよびc時短フラグのいずれもが値0であると判定すると、c時短状態を発生させるために、c時短フラグに値1を設定すると共に(S750)、c時短カウンタを設定して(S752)、c時短フラグ設定処理を終了する。c時短カウンタは、c時短状態が終了するまでの特別図柄の残り変動回数を示すものであり、c時短カウンタには、予め定められた初期値(値20)が設定される。S740において、特別図柄の確定図柄が時短図柄でなく外れ図柄であると判定すると、c時短フラグが値1(c時短状態中)であるか否かを判定する(S754)。c時短フラグが値1でなく値0であると判定すると、c時短フラグ設定処理を終了する。一方、c時短フラグが値1であると判定すると、c時短カウンタを値1だけデクリメントして(S756)、c時短カウンタが値0であるか否かを判定する(S758)。c時短カウンタが値0でないと判定すると、c時短状態を維持したままc時短フラグ設定処理を終了する。一方、c時短カウンタが値0であると判定すると、c時短状態を終了させるために、c時短フラグを値0として(S760)、c時短フラグ設定処理を終了する。
[大当り遊技処理]
図22および図23は、大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。S80の大当り遊技処理では、主制御装置60のCPU60aは、まず、大当りフラグが値1(大当り遊技中)であるか否かを判定する(S800)。大当りフラグが値1でなく値0であると判定すると、大当り遊技処理を終了する。一方、大当りフラグが値1であると判定すると、大入賞口25が開放中であるか否か(S802)、大当り遊技開始演出中であるか否か(S804)、大当り遊技終了演出中であるか否か(S806)、開放間インターバル中であるか否か(S808)、をそれぞれ判定する。S802~S808のいずれも否定的な判定がなされると、大当り遊技開始演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S810)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技開始演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は、大当り遊技開始演出を開始する。大当り遊技開始演出が開始されると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S804で大当り遊技開始演出中であると判定されるため、大当り遊技開始演出時間が経過したか否を判定する(S812)。大当り遊技開始演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技開始演出時間が経過したと判定すると、大入賞口ソレノイド25cの駆動により大入賞口25を開放すると共に(S814)、ラウンド遊技演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S816)、大当り遊技処理を終了する。
大入賞口25を開放すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S802で大入賞口25が開放中であると判定されるため、大入賞口スイッチ25aからの検知信号に基づいて大入賞口25への遊技球の入球数が規定数(実施例では10個)に達したか否か(S818)、大入賞口25を開放してからの経過時間(開放時間)が最大開放時間(実施例では30秒)に達したか否か(S820)、をそれぞれ判定する。大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達しておらず、大入賞口25の開放時間が最大開放時間にも達していないと判定すると、大入賞口25の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口25への遊技球の入球数が規定数に達したと判定したり、当該入球数が規定数に達していなくても大入賞口25の開放時間が最大開放時間に達したと判定したりすると、大入賞口25を閉鎖し(S822)、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かを判定する(S824)。大当り遊技のラウンド数は、大当り図柄(「4R通常大当り図柄」や「10R通常大当り図柄」、「10R確変大当り図柄」)によって設定されるため、今回のラウンド遊技が最終ラウンドであるか否かの判定は、ラウンド遊技の繰り返し回数が大当り図柄に応じて定まる回数に達しているか否かを判定することにより行なわれる。今回のラウンド遊技が最終ラウンドでないと判定すると、開放間インターバルを発生させて(S826)、大当り遊技処理を終了する。主制御装置60は、開放間インターバルの発生に伴い、開放間インターバル発生コマンドをサブ統合制御装置90へ送信する。開放間インターバルが発生すると、次に大当り遊技処理が実行されたときに、S808で開放間インターバル中であると判定されるため、開放間インターバル時間(例えば、2秒)が経過したか否かを判定する(S828)。開放間インターバル時間が経過していないと判定すると、大入賞口25を閉鎖したまま大当り遊技処理を一旦終了し、開放間インターバル時間が経過したと判定すると、再度、大入賞口25を開放すると共に(S814)、ラウンド遊技演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S816)、大当り遊技処理を終了する。
こうして開放間インターバルを挟んで大入賞口25を開閉するラウンド遊技を繰り返した後、S824で今回のラウンド遊技が最終ラウンドであると判定すると、大当り遊技終了演出コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S830)、大当り遊技処理を終了する。大当り遊技終了演出コマンドを受信したサブ統合制御装置90は大当り遊技終了演出を開始する。大当り遊技終了演出が開始されると、次に大当り遊技処理が開始されたときに、S806で大当り遊技終了演出中であると判定されるため、大当り遊技終了演出時間が経過したか否かを判定する(S832)。大当り遊技終了演出時間が経過していないと判定すると、大当り遊技処理を一旦終了し、大当り遊技終了演出時間が経過したと判定すると、役物連続作動装置の作動を停止すると共に(S834)、条件装置の作動を停止する(S836)。続いて、今回の大当り図柄が確変大当り図柄であるか否かを判定する(S838)。大当り図柄が確変大当り図柄であると判定すると、確変遊技状態とa時短状態とを発生させるために、確変フラグに値1を設定すると共に(S840)、確変カウンタに値10000を設定し(S842)、a時短フラグに値1を設定すると共に(S844)、a時短カウンタに値10000を設定する(S846)。一方、大当り図柄が確変大当り図柄でなく通常大当り図柄であると判定すると、a時短状態を発生させるために、a時短フラグに値1を設定すると共に(S848)、a時短カウンタに値100を設定し(S850)、変動カウンタに値900を設定する(S852)。そして、大当り遊技を終了させるために大当りフラグに値0を設定し(S854)、遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置90に送信して(S856)、大当り遊技処理を終了する。なお、遊技状態指定コマンドには、確変フラグの値やa時短フラグの値、a時短カウンタの値、変動カウンタの値、大当りフラグの値などが含まれる。
次に、主制御装置60から各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90で実行される各種処理について説明する。サブ統合制御装置90が主制御装置60から受信するコマンドとしては、上述したように、初期コマンドや復帰コマンド、特図変動指示コマンド(第1特図変動指示コマンド,第2特図変動指示コマンド)、図柄停止コマンド、遊技状態指定コマンド、大当り遊技開始演出コマンド、ラウンド遊技演出コマンド、開放間インターバル発生コマンド、大当り遊技終了演出コマンドなどがある。各種コマンドを受信したサブ統合制御装置90の処理として、特別図柄の変動表示に伴って演出図柄を変動表示する図柄変動演出処理や、大当りの発生に伴って大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出処理、遊技情報表示部41に各種遊技情報を報知する遊技情報報知処理などがあり、これらの処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。以下、遊技情報報知処理の詳細について説明する。なお、図柄変動演出処理と大当り遊技演出処理については本発明の要旨をなさないから説明を省略する。
[遊技情報報知処理]
図24は、サブ統合制御装置90のCPU90aにより実行される遊技情報報知処理の一例を示すフローチャートである。遊技情報報知処理では、サブ統合制御装置90のCPU90aは、まず、主制御装置60から送信される初期コマンドおよび復帰コマンドのいずれかを受信したか否かを判定する(S900)。初期コマンドおよび復帰コマンドのいずれも受信していないと判定すると、S904に進み、初期コマンドおよび復帰コマンドのいずれかを受信したと判定すると、当該受信したコマンドに含まれる設定値に基づいて設定値を示唆する設定値示唆報知を行なって(S902)、遊技情報報知処理を終了する。設定値示唆報知は、例えば、設定値が所定値(例えば値4)以上である場合と所定値未満である場合とでそれぞれ異なる表示態様(例えば遊技情報表示部41のLEDの色や点灯するLEDの数)で表示を行なったり、設定値によって選択確率がそれぞれ異なる複数の表示態様の中から抽選により選択した表示態様で表示を行なうことにより実行することができる。なお、設定示唆に代えて、初期コマンドの受信によりRAMクリアが行なわれた旨(予定回数到達までの特別図柄の残り変動回数がクリアされる)や設定変更が行なわれた旨を報知するようにしてもよい。これにより、遊技客は、報知内容を、開店時において遊技する遊技機1を選択する際の選択材料として役立てることができる。
次に、遊技機1を遊技している遊技者がいない旨の遊技者無報知を行なっている最中(遊技者無報知中)であるか否かを判定する(S904)。遊技者無報知中であると判定すると、第1始動口23または第2始動口24への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示が開始される際に主制御装置60から送信される変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S906)。変動開始コマンドを受信していないと判定すると、遊技情報報知処理を終了し、変動開始コマンドを受信したと判定すると、遊技機1を遊技している遊技者がいる旨の遊技者有報知を行なって、遊技情報報知処理を終了する。S904で遊技者無報知中でなく遊技者有報知中であると判定すると、S910に進む。
次に、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S910)。特別図柄が変動表示中であると判定すると、S916に進む。一方、特別図柄が変動表示中でないと判定すると、図柄停止コマンドを受信して特別図柄が確定表示されてから所定時間(例えば数十秒)が経過したか否かを判定する(S912)。特別図柄が確定表示されてから所定時間が経過していないと判定すると、S916に進む。一方、特別図柄が確定表示されてから所定時間が経過したと判定すると、遊技機1を遊技している遊技者がいない旨の遊技者無報知を行なって(S914)、遊技情報報知処理を終了する。
遊技者有報知および遊技者無報知は、遊技情報表示部41(LED表示装置)にそれぞれ異なる表示態様で表示を行なうことにより実行することができる。例えば、LEDを青色で発光することで遊技者有報知を行ない、LEDを赤色で発光することで遊技者無報知を行なうようにすることができる。これにより、遊技客は、報知内容を見ることで、その遊技機1が空いているか否かを確認することができる。なお、遊技者無報知として、経過時間に応じて報知内容(表示態様)を変更してもよい。遊技機1では、ゴミのようなものが置かれていたり、上受け皿11に遊技球が数球残っていたりする場合があり、この場合、その遊技機1を占有している者がいるか否かが不明である。このような場合でも、店員や遊技客は、報知内容からその遊技機1でどのくらい遊技が行なわれていないかが分かり、占有者がいるか否かを判断したり、遊技機1を離れている時間を把握したりすることができる。
なお、遊技している遊技者がいるか否かの判定は、発射ハンドル13に設けられたタッチスイッチ82や図示しない人感センサといったセンサによる検知の有無に基づいて行なわれてもよい。すなわち、遊技者無報知中にセンサによる検知が有れば、遊技者有報知を行ない、遊技者有報知中にセンサによる検知が無くなりその状態が所定時間継続すると、遊技者無報知を行なってもよい。また、特別図柄が確定表示されてから所定時間(例えば30秒)が経過すると、演出表示装置37にデモ画像を表示してデモ演出を行なう遊技機1においては、遊技者有報知中にデモ演出が開始されると、遊技者無報知を行なうようにしてもよい。
次に、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S916)。遊技状態指定コマンドを受信していないと判定すると、遊技情報報知処理を終了する。一方、遊技状態指定コマンドを受信したと判定すると、遊技状態指定コマンドに含まれる大当りフラグの値に基づいて大当りが発生したか否かを判定する(S918)。大当りが発生していないと判定すると、遊技状態指定コマンドに含まれる確変フラグの値とa時短フラグの値とb時短フラグの値とc時短フラグの値とに基づいて現在の遊技状態を判定すると共に判定した遊技状態を報知する(S920)。遊技状態の報知は、遊技情報表示部41に文字を表示することにより行なう他、遊技状態毎にそれぞれ色等の表示態様を異ならせることにより行なうこともできる。
そして、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(S922)。現在の遊技状態が通常遊技状態でないと判定すると、遊技情報報知処理を終了し、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判定すると、b時短状態が発生する予定回数に到達するまでの特別図柄の残り変動回数を遊技情報表示部41に表示して(S924)、遊技情報報知処理を終了する。なお、予定回数到達までの残り変動回数は、遊技状態指定コマンドに含まれる変動カウンタの値に基づいて判定することができる。なお、予定回数到達までの特別図柄の残り変動回数に代えて、大当り遊技終了後からの特別図柄の累積変動回数を報知するようにしてもよい。残り変動回数等の報知は、遊技情報表示部41(7セグメント表示装置)に回数に応じた数値を表示することにより行なうことができる他、回数に応じて色等の表示態様を異ならせることにより大凡の回数を報知することもできる。
ここで、予定回数到達までの残り変動回数や設定示唆等の一部の遊技情報については、遊技者が遊技していないときに限り報知するようにしてもよい。これにより、遊技をしていない者は、報知内容からその遊技機1で遊技を行なうかを判断することができる。勿論、予定回数到達までの残り変動回数や設定示唆等の一部の遊技情報についても、他の遊技情報と同様に遊技者が遊技しているか否かに拘わらず報知するようにしてもよい。この場合、遊技をしている遊技者には、遊技をしていない者と同様の遊技情報または遊技者に有利な遊技情報を与えるようにしてもよい。例えば予定回数到達までの残り変動回数について、遊技していない者に対しては大凡の回数を報知し、遊技者に対しては有利な情報として明確な回数を報知してもよい。大当りの連荘数等についても同様にしてもよい。これにより、遊技者に不利にならないようにすることができる。また、遊技者有無によって予定回数到達までの残り変動回数や設定示唆等の表示態様(報知態様)を変化させてもよい。こうすれば、報知内容を確認した上で、遊技者が遊技を止めるのを待つか、直ぐに遊技を行なえるのかを把握することができる。この場合、遊技者有無の報知を省略することができる。
S918で大当りが発生したと判定すると、更に、今回発生した大当りが確変遊技状態中または時短遊技状態(a時短状態、b時短状態またはc時短状態)中に発生した大当りであるか否かを判定する(S926)。この判定は、いわゆる大当りの連荘を判定するものであり、例えば、大当りが発生した直前にS920で行なわれた遊技状態の判定の結果に基づいて行なうことができる。本実施例では、時短遊技状態中に発生した大当りも連荘に含めるものとしたが、時短遊技状態中に発生した大当りは連荘に含めないものとしてもよい。今回発生した大当りが確変遊技状態中でも時短遊技状態中でもなく通常遊技状態中に発生した大当りであると判定すると、大当りの連荘数を値1に初期化すると共に(S928)、当該連荘数を報知して(S932)、遊技情報報知処理を終了する。一方、今回発生した大当りが確変遊技状態中か時短遊技状態中に発生した大当りであると判定すると、大当りの連荘数を値1だけインクリメントすると共に(S930)、当該連荘数を報知して(S932)、遊技情報報知処理を終了する。なお、連荘数の他、当日の累積大当り回数や、連荘中の出玉数、当日の累積出玉数等を報知するようにしてもよい。連荘数等の報知は、遊技情報表示部41(7セグメント表示装置)に連荘数に応じた数値を表示することにより行なうことができる他、連荘数等に応じて色等の表示態様を異ならせることにより大凡の回数を報知することもできる。
図25は、遊技情報表示部41に表示される遊技情報の一例を示す説明図である。図示するように、表示される遊技情報には、遊技機1を遊技している遊技者がいるか否かの遊技者有無や、現在の遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態または確変遊技状態)、大当りの連荘回数、予定回数到達まで(b時短状態が発生するまで)の特別図柄の残り変動回数、設定示唆等が含まれる。上述したように、突出部40は遊技機1の筐体(前面枠5)から前方に突出しているため、図26に示すように、島設備200に並ぶ複数台の遊技機1を島端から見た場合、各遊技機1の突出部40を一見することができる。これにより、遊技客は、島端からどの遊技機1が連荘しているか確変遊技状態に入っているか等を確認することができる。また、大当りの連荘、確変遊技状態等の発生を遊技客にアピールすることができる。従来の遊技機1では遊技機1の正面に行かなければ当該遊技機1の遊技情報を確認することは困難であり、遊技者の後ろを他の客がうろつくため、遊技者に煩わしく感じさせることがあるが、本実施例の遊技機1では、遊技情報を確認するために遊技機1の正面まで行く必要がない。
また、図26に示すように、島設備200は、各遊技機1の上方に位置するように報知用ランプ210を備え、報知用ランプ210の点灯によって遊技者による店員の呼び出しや遊技機1の異常の発生を報知するようにしてもよいが、これらの報知を、遊技情報表示部41にて行なうようにしてもよい。店員を呼び出すための呼び出しボタンは、報知用ランプ210に設けられてもよいし、遊技機1に設けられてもよい。遊技情報表示部41が設けられる突出部40は、前方に突出しているため、報知があったことを店員に気づかせやすくすることができる。但し、遊技客が呼び出しの報知と遊技情報の報知とを明確に区別できるようにするために、両者で報知方法を異ならせること(例えば、表示色を異ならせる等)が望ましい。同様に、異常の報知とその他の遊技情報の報知とを明確に区別できるようにするために、両者で報知方法を異ならせること(例えば、表示色を異ならせる等)が望ましい。なお、呼び出しの報知と異常の報知は、それぞれ同じ態様で行なわれてもよいし、異なる態様で行なわれてもよい。また、異常の報知は、異常の種類毎に異なる態様で行なわれてもよい。このようにすることで、遊技機1がどのような状態にあるのかを店員に分かり易くすることができる。
以上説明した本実施例の遊技機1では、前面枠3に前方に突出した突出部40を有し、当該突出部40の側面には、遊技情報を報知する遊技情報表示部41が設けられる。これにより、遊技者以外の遊技客は、遊技機に近づかなくても突出部40に設けられた遊技情報表示部41の報知内容を確認することで、その遊技機1の遊技情報を確認することができ、遊技機1を選択するための情報として役立てることができる。
実施例では、前面枠5(筐体)の右側(右辺部)において前方に突出するように突出部40を設けると共に当該突出部40の右側面に遊技情報表示部41(報知部)を設けるものとしたが、前面枠5の左側(左辺部)において前方に突出するように突出部を設けると共に当該突出部の左側面に報知部を設けてもよい。また、前面枠5の左右両側にそれぞれ前方に突出するように突出部を設け、右側に設けた突出部の右側面と左側に設けた突出部の左側面とにそれぞれ報知部を設けてもよい。但し、前面枠5の左側は、前面枠5を開くときに回動する回動支点となり、前面枠5の左側に突出部が設けられると、前面枠5を開いた際に左隣の台や球貸し機に接触するおそれがあるため、突出部は、前面枠5の右側に設けられるのが望ましい。
実施例では、前面枠5(筐体)の右側(右辺部)に設けられた突出部40の右側面、すなわち突出部40の外側面に遊技情報を表示するものとしたが、突出部40の内側面や演出表示装置37、遊技盤面等にも遊技情報を表示するようにしてもよい。この場合、突出部40の外側面に表示される遊技情報は、主として遊技をしていない者に与える遊技情報となり、突出部40の内側面や演出表示装置37、遊技盤面等に表示する遊技情報は、主としてその遊技機1を遊技している遊技者に与える遊技情報となる。そして、突出部40の内側面や演出表示装置37、遊技盤面等には、突出部40の外側面に表示させる遊技情報と同様の情報またはそれよりも有利な情報を表示するようにしてもよい。例えば予定回数到達までの残り変動回数について、突出部40の外側面には、大凡の回数を表示し、突出部40の内側面や演出表示装置37、遊技盤面等には有利な情報として明確な回数を表示してもよい。大当りの連荘数等についても同様にしてもよい。
実施例では、前面枠5の右辺部に突出部を設けるものとしたが、図27の変形例の遊技機1Bに示すように、前面枠5(筐体)の上部において前方かつ上方に突出するように突出部40Bを設け、当該突出部40Bの一方または両方の側面に遊技情報表示部41Bを設けるものとしてもよい。また、図28の変形例の遊技機1Cに示すように、前面枠5の上部において上方に突出するように突出部40Cを設け、当該突出部40Cの一方または両方の側面に遊技情報表示部41Cを設けるものとしてもよい。突出部40B,40Cが上方に突出している場合には、基本的には、突出部40B,40Cの側面が人によって遮られることがないため、遊技者以外の遊技客が遊技情報を視認し易くすることができる。
実施例では、突出部の側面に遊技情報表示部41を設けるものとしたが、突出部の正面にも報知部を設けて、当該報知部に遊技情報を表示するようにしてもよい。これにより、遊技機1から離れた位置にいる客にも遊技機1の近くにいる客にも遊技機1に関する有用な情報を提供することができる。
実施例では、本発明をいわゆるセブン機タイプの遊技機に適用して説明したが、これに限定されるものではなく、小当り遊技中に開放する大入賞口の内部に特定領域を備え、小当り遊技中に大入賞口に遊技球が入球し、入球した遊技球が当該特定領域を通過すると、大当り遊技に発展するいわゆる1種2種混合機に適用してもよい。
実施例では、本発明をパチンコ機(弾球式遊技機)に適用して説明したが、スロットマシンなどの回胴式遊技機に適用されてもよい。
実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を賞球や貸球として上受け皿11に払い出す構成としたが、いわゆる封入式のパチンコ機であってもよい。封入式のパチンコ機は、内部に封入した遊技球を循環させることにより遊技を行なうものである。また、実施例や変形例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機に適用されてもよい。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを制限するものであり、枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)から主制御装置へは特定情報(遊技の性能に影響を与える情報や、遊技の結果に影響を及ぼす虞のある情報)以外を送信可能とし、枠制御装置はCRユニットと接続され、枠制御装置を介してのみ外部と通信可能に構成されたものである。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、前面枠5が「筐体」に相当し、突出部40が「突出部」に相当し、遊技情報表示部41が「報知部」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。