JP2023006257A - 印刷物並びにその評価方法及び選別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを未然に防止するのに有用な印刷物の評価方法を提供する。【解決手段】印刷が施される表面を有する被印刷物と、前記表面上に設けられたインキ層と、前記インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物の評価方法であって、2つの前記印刷物を、前記ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、前記滑り角が12度以上である印刷物を良とする、印刷物の評価方法。【選択図】図4
Description
本開示は印刷物並びにその評価方法及び選別方法に関する。
パッケージに使用される印刷物において、印刷面の表面には透明ニスを塗布して、最表面に透明保護層を形成する場合がある。環境への負荷を低減することへの意識の高まりから、近年、透明ニスとして水性ニス組成物を使用することが検討されている。例えば、特許文献1には、スチレン-アクリル系共重合体と多糖類とを含有する水性ニス組成物が開示されている。
上記パッケージの一態様として、例えば、レトルト食品の二次包装体が挙げられる。レトルト食品等の内容物を二次包装体に収容した梱包物は、例えば、次のような工程により製造される。
(1)被印刷物の表面に印刷を施した後に、ニス層を形成することにより、印刷物を作製する。
(2)得られた印刷物を所定の形状に打ち抜いたブランクを作製する(図3参照)。
(3)ブランクに折り罫線をつけるとともに折りたたんで糊付ける工程(サック貼り)を経て組立前の包装体(以下、「ブランクス品」という。)を作製する(図4参照)。
(4)上記ブランクス品を組み立てた後に、内部に内容物を収容して梱包物を作製する(図5参照)。
(1)被印刷物の表面に印刷を施した後に、ニス層を形成することにより、印刷物を作製する。
(2)得られた印刷物を所定の形状に打ち抜いたブランクを作製する(図3参照)。
(3)ブランクに折り罫線をつけるとともに折りたたんで糊付ける工程(サック貼り)を経て組立前の包装体(以下、「ブランクス品」という。)を作製する(図4参照)。
(4)上記ブランクス品を組み立てた後に、内部に内容物を収容して梱包物を作製する(図5参照)。
上記(3)工程においては、連続的にブランクス品を作製すると共に、作製されたブランクス品を積み重ねていき、ある程度の高さまで積層されたところで、次の工程にまとめて搬送する。搬送の際に積層物が崩れると、崩れたブランクス品を回収したり、向きを整えたりという追加の作業が発生することにより、作業効率が低下する。水性ニスを使用して優れた光沢を有する印刷物を作製すべく、本発明者らが試作を繰り返したところ、この問題が顕著となることが判明した。
本開示は、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを未然に防止するのに有用な印刷物の評価方法及び選別方法を提供する。また、本開示は、水性ニスを使用してニス層が形成された印刷物であってブランクス品の積層物の取り扱い性に優れ且つ優れた光沢を有する印刷物を提供する。
本開示の一側面は印刷物の評価方法に関する。すなわち、本開示の一側面は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物の評価方法であって、2つの印刷物を、ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良とする、印刷物の評価方法に関する。滑り角が12度以上の印刷物は、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを十分に抑制できる。なお、印刷物の滑り角は20度以下が好ましい。滑り角が20度以下の印刷物は、内容物を収容して梱包物を作製する工程での製造ラインでの詰まり等が低減され易いと考えられる。
本開示の一側面は印刷物の選別方法に関する。すなわち、本開示の一側面は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物の選別方法であって、2つの印刷物を、ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良として選別する、印刷物の選別方法に関する。この選別方法では、例えば、複数の印刷物の中から、滑り角が12度以上である印刷物を良として選別する。この選別方法によれば、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを十分に抑制できる印刷物を選別できる。なお、選別する印刷物の滑り角は20度以下が好ましい。滑り角が20度以下の印刷物は、内容物を収容して梱包物を作製する工程での製造ラインでの詰まり等が低減され易いと考えられる。
本開示は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物であって、ニス層が、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスの乾燥物を含み、2つの当該印刷物を、ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せて測定される滑り角が12度以上20度以下である、印刷物に関する。
滑り角が12度以上の印刷物は、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを十分に抑制できる。滑り角が20度以下の印刷物は、内容物を収容して梱包物を作製する工程での製造ラインでの詰まり等が低減され易いと考えられる。ニス層がエマルジョン型水性ニスの乾燥物を含むことで、優れた光沢を実現し得る。
上記印刷物においては、ニス層が、インキ層よりも厚く形成されていてもよい。これにより印刷物のより優れた光沢を実現し得る。優れた光沢性の観点から、ニス層の厚さは2.5μm以上であることが好ましく、インキ層の厚さは1.5μm以下であることが好ましい。
本開示によれば、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを未然に防止するのに有用な印刷物の評価方法及び選別方法が提供される。また、本開示によれば、水性ニスを使用してニス層が形成された印刷物であってブランクス品の積層物の取り扱い性に優れ且つ優れた光沢を有する印刷物が提供される。
以下、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[印刷物]
図1は、本実施形態に係る印刷物を模式的に示す断面図である。この図に示す印刷物10は、印刷が施される表面1aを有する被印刷物1と、表面1a上に設けられたインキ層3と、インキ層3を覆うように設けられたニス層5とを備える。インキ層3及びニス層5はロール方式で形成することが好ましい。なお、ロール方式の代わりにチャンバー方式でこれらの層を形成してもよい。
図1は、本実施形態に係る印刷物を模式的に示す断面図である。この図に示す印刷物10は、印刷が施される表面1aを有する被印刷物1と、表面1a上に設けられたインキ層3と、インキ層3を覆うように設けられたニス層5とを備える。インキ層3及びニス層5はロール方式で形成することが好ましい。なお、ロール方式の代わりにチャンバー方式でこれらの層を形成してもよい。
印刷物10は、2つの印刷物10を、ニス層5の表面5a同士が接するように重ねて当該2つの印刷物10の上に1000gのスレッドを載せて測定される滑り角が12度以上20度以下である。この滑り角は15度以上20度以下、あるいは16度以上20度以下であってもよい。滑り角が12度以上であると、ブランクス品の積層物の取り扱い性に優れる。他方、滑り角が20度以下であると、内容物を収容して梱包物を作製する工程での製造ラインでの詰まり等が生じ難いと考えられる。この滑り角は、摩擦角測定機を使用して測定される値を意味する。測定機として、例えば、AB-502摩擦角測定機(テスター産業株式会社製)が挙げられる。
滑り角は、例えば、ニス層5の成分を調整すること(例えば、後述の水性ニスにおける樹脂の組み合わせ及びその比率を調整すること)、及びニス層5の厚みを調整することにより調節できる。
被印刷物1は、例えば、紙である。紙の具体例として、上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、模造紙及びクラフト紙が挙げられる。紙の単位面積あたりの質量は、例えば、20~500g/m2又は25~400g/m2の範囲であればよい。被印刷物1は、例えば、紙と樹脂材料とを含む複合材料で構成されていてもよい。
インキ層3は、例えば、インキを使用してオフセット印刷法によって形成することができる。インキ層3の厚さ(図1における厚さT3)は、印刷物の光沢性が向上する観点から、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1.3μm以下であり、更に好ましくは1.1μm以下である。インキ層3の厚さが1.5μm以下であることで、インキ層3の表面の凹凸がニス層5の表面平滑性に影響を与えることを十分に抑制できる。このため、ニス層5に対して熱プレス加工が実施されなくても、ニス層5の表面を十分に平滑にすることができる。インキ層3の厚さの下限は、例えば、0.5μmである。コンクタイプ(高濃度タイプ)のインキを使用することで、インキ層3の厚さが0.5~1.5μmの範囲であっても、鮮明なインキ層3を形成できる。インキ層3の厚さも、光学顕微鏡を使用し、光の干渉現象を利用した干渉分光法によって求めることができる。インキとして、例えば、植物油インキ等の油性インキを使用することができる。植物油インキの代わりにバイオマスインキを用いてもよい。バイオマスインキは、着色剤と、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物とを含み、ポリオール及びイソシアネート化合物の少なくとも一方がバイオマス由来成分を含むインキである。
ニス層5は、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスの乾燥物を含む。組み合わせられた樹脂同士は、例えば、化学的に結合していてもよく、別々の樹脂として水性ニスに含まれていてもよい。樹脂の組み合わせに制限はないが、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂から選ばれる少なくとも2種の組み合わせであってもよい。ニス層5は、例えば、上記エマルジョン型水性ニスを使用してオフセット印刷法によって形成された層であることができる。
ニス層5は、インキ層3よりも厚く形成されていてもよい。これにより印刷物の光沢性が向上する。ニス層5の厚さ(図1における厚さT5)は、印刷物の光沢性が更に向上する観点から、好ましくは2.5μm以上であり、より好ましくは2.7μm以上であり、更に好ましくは2.9μm以上である。ニス層5の厚さが2.5μm以上であることで、インキ層3の表面の凹凸がニス層5の表面平滑性に影響を与えることを十分に抑制できる。このため、ニス層5に対して熱プレス加工が実施されなくても、ニス層5の表面を十分に平滑にすることができる。ニス層5の厚さの上限は、例えば、5.0μmである。ニス層5の厚さが5.0μm以下であることで、ニス層5を形成する工程における速乾性と、ニス層5の表面5aの平滑性とを高水準に両立できる傾向にある。ニス層5の厚さは光学顕微鏡を使用し、光の干渉現象を利用した干渉分光法によって求めることができる。
インキ層3の厚さT3に対するニス層5の厚さT5の比(T5/T3)は、好ましくは5/3~5/2であり、5/3~2/1又は2/1~5/2であってもよい。T5/T3の値がこの範囲内であることで、インキ層3の表面の凹凸がニス層5の表面平滑性に影響を与えることを十分に抑制できる。
ニス層5の表面5aは十分に平滑であり且つ優れた光沢を有する。表面5aの光沢度は好ましくは60以上であり、より好ましくは65以上であり、更に好ましくは70以上である。光沢度の上限は、例えば、85である。ここでいう光沢度は、JIS Z8741-1997に記載の方法に準拠し、60度入射角で測定される値を意味する。表面5aの光沢度は、表面5aの平滑度の他に、ニス層5の成分を調整(例えば、固形分比率を増やすこと)によってもある程度調節することができる。
上記実施形態においては、被印刷物1の表面1aの全体を覆うようにインキ層3が形成された態様を例示したが、インキ層3は表面1a上に部分的に形成されていてもよい。図2に示す印刷物20は、被印刷物1と、表面1a上に部分的に形成された複数の層13aによって構成されるインキ層13と、インキ層13及び表面1aを覆うように設けられたニス層15とを備える。この態様において、ニス層15の厚さ(図2における厚さT15)は、インキ層13の厚さ(図2における厚さT13)よりも厚く形成されている。なお、ここでいうニス層15の厚さ(T15)は、図2に示すとおり、インキ層13の表面13bからニス層15の表面15aまでの距離を意味する。
[梱包物の製造方法]
図3~5を参照しながら、レトルト食品を収容する二次包装体を例に挙げて、梱包物の製造方法について説明する。まず、上記印刷物を所定の形状に打ち抜き、ブランク100Aを作製する(図3参照)。続いて、ブランク100Aに折り罫線をつけるとともに、罫線110a及び罫線120aの部分で折りたたみ、面101と面102とを糊付けることにより、レトルト食品用のブランクス品100Bを作製する(図4参照)。
図3~5を参照しながら、レトルト食品を収容する二次包装体を例に挙げて、梱包物の製造方法について説明する。まず、上記印刷物を所定の形状に打ち抜き、ブランク100Aを作製する(図3参照)。続いて、ブランク100Aに折り罫線をつけるとともに、罫線110a及び罫線120aの部分で折りたたみ、面101と面102とを糊付けることにより、レトルト食品用のブランクス品100Bを作製する(図4参照)。
ブランクス品100Bは、ある程度の高さになるまで積み重ねて保管した後(図6(a)参照)、次の工程にまとめて搬送する(図6(b)参照)。印刷物10,20から製造されたブランクス品によれば、この積層物の取り扱い性に優れる。平面視において、ブランクス品100Bは略矩形状であり、そのサイズは、例えば、以下のとおりである。
・縦の長さ:16~24cm(図4における長さL11)
・横の長さ:13~17cm(図4における長さL12)
・縦の長さ:16~24cm(図4における長さL11)
・横の長さ:13~17cm(図4における長さL12)
ブランクス品100Bを箱状に組み立てると共に、内部にレトルト食品(パウチ品)を収容することにより、梱包物100Cを作製する(図5参照)。梱包物100Cは略矩形状であり、そのサイズは、例えば、以下のとおりである。
・縦の長さ:14~18cm(図5における長さL1)
・横の長さ:12~14cm(図5における長さL2)
・厚さ:1~3cm(図5における長さL3)
・縦の長さ:14~18cm(図5における長さL1)
・横の長さ:12~14cm(図5における長さL2)
・厚さ:1~3cm(図5における長さL3)
梱包する内容物は、他の食品、たばこ、洗剤であってもよい。ブランクス品の形状及びサイズは、梱包する内容物によって適宜変更できる。内容物が、たばこ又は洗剤である場合、ブランクス品の形状は略矩形であり、そのサイズは、例えば、以下のとおりである。
(たばこ用のブランクス品のサイズ)
・縦の長さ:8~12cm
・横の長さ:6~10cm
(洗剤用のブランクス品のサイズ)
・縦の長さ:20~30cm
・横の長さ:10~15cm
(たばこ用のブランクス品のサイズ)
・縦の長さ:8~12cm
・横の長さ:6~10cm
(洗剤用のブランクス品のサイズ)
・縦の長さ:20~30cm
・横の長さ:10~15cm
[印刷物の評価方法]
本実施形態に係る印刷物の評価方法は、ブランクス品の積層物の取り扱い性の良否を評価するためのものである。評価対象は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物である。この評価方法では、評価対象の印刷物から2つの試料を準備し、2つの試料のニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの試料の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良とする。この方法により良とされる印刷物は、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを十分に抑制することができる。
本実施形態に係る印刷物の評価方法は、ブランクス品の積層物の取り扱い性の良否を評価するためのものである。評価対象は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物である。この評価方法では、評価対象の印刷物から2つの試料を準備し、2つの試料のニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの試料の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良とする。この方法により良とされる印刷物は、ブランクス品の積層物を取り扱う工程において、積層物が崩れることを十分に抑制することができる。
[印刷物の選別方法]
本実施形態に係る印刷物の選別方法は、例えば、種々の条件で試作した複数の印刷物から、そのブランクス品の積層物の取り扱い性に優れる印刷物を選定するためのものである。対象は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物である。この選別方法では、選別対象の印刷物から2つの試料を準備し、2つの試料のニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの試料の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良として選別する。この方法によれば、ブランクス品の積層物が崩れることを十分に抑制できる印刷物の製造条件を特定することができる。
本実施形態に係る印刷物の選別方法は、例えば、種々の条件で試作した複数の印刷物から、そのブランクス品の積層物の取り扱い性に優れる印刷物を選定するためのものである。対象は、印刷が施される表面を有する被印刷物と、表面上に設けられたインキ層と、インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物である。この選別方法では、選別対象の印刷物から2つの試料を準備し、2つの試料のニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの試料の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、滑り角が12度以上である印刷物を良として選別する。この方法によれば、ブランクス品の積層物が崩れることを十分に抑制できる印刷物の製造条件を特定することができる。
上記実施形態に係る印刷物10,20は、上述のとおり、滑り角が12度以上であるため、良と評価されるものである。この評価方法及び選別方法に供する印刷物のニス層は水性ニスを用いたものでなくてもよい。
以下、実施例により本開示を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
印刷物を作製するため、以下の材料を準備した。
(1)被印刷物
・コートボール紙(レンゴー株式会社製、310g/m2)
(2)インキ
・油性インキ:TOYO KING(登録商標)NEXシリーズ(東洋インキ株式会社製)
(3)ニス
・水性ニスA:シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを組み合わせたエマルジョン型水性ニス
・水性ニスB:シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを組み合わせたエマルジョン型水性ニス
・水性ニスC:アクリル系樹脂を含有するw/o型水性ニス
・UV硬化ハイグロスニス:FD リオクリアEX(東洋インキ株式会社製)
(1)被印刷物
・コートボール紙(レンゴー株式会社製、310g/m2)
(2)インキ
・油性インキ:TOYO KING(登録商標)NEXシリーズ(東洋インキ株式会社製)
(3)ニス
・水性ニスA:シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを組み合わせたエマルジョン型水性ニス
・水性ニスB:シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂とを組み合わせたエマルジョン型水性ニス
・水性ニスC:アクリル系樹脂を含有するw/o型水性ニス
・UV硬化ハイグロスニス:FD リオクリアEX(東洋インキ株式会社製)
<試料1~6>
ロール方式で、コートボール紙の表面上にインキ層及びニス層を順次形成した。ニス層に使用した材料及びニス層の厚さを表1に示すとおりとした。また、インキ層の厚さは、1.0μmであった。
ロール方式で、コートボール紙の表面上にインキ層及びニス層を順次形成した。ニス層に使用した材料及びニス層の厚さを表1に示すとおりとした。また、インキ層の厚さは、1.0μmであった。
<評価>
試料1~6について以下の評価を行った。結果は表1に示す。
(1)滑り角
各試料を、2つずつ準備し、これらの試料を、ニス層の表面同士が接するように重ね、その上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定した。測定にはAB-502摩擦角測定機(テスター産業株式会社製)を使用した。
(2)光沢度の測定
各試料について、株式会社堀場製作所製の光沢計(商品名:ハンディ光沢計)を使用して光沢度を60度入射角で測定した。測定は10回繰り返して平均値を算出した。
(3)ブランクス品の取り扱い性
印刷物に糊付けをして組み立て前の状態にする工程(サック貼り)を行ったあとのブランクス品を面同士が接する方向に80枚積み重ねた。続いて、上面と下面を手で押さえながら持ち上げ(図6(a)を参照)、90度回転させて左右から把持するような状態にして運搬をした(図6(b)を参照)。そのときに積み重ねられたブランクス品の取り扱い性を評価した。崩れが生じなかったものを「A」、崩れが発生したものを「B」として評価した。
(4)ライン上での詰まり難さ
印刷物を組み立て、内部に150gの内容物を充填したパウチを梱包して梱包物を得た。各梱包物を20度に傾けた長さ0.5mのポリカーボネート板の上端に置き、下端に到達するまでの挙動を確認した。スムーズに下端まで到達したものを「A」、途中で引っ掛かって止まりそうになりながらも下端まで到達したものを「B」、梱包物がほとんど移動せず、下端まで到達できなかったものを「C」として評価した。
試料1~6について以下の評価を行った。結果は表1に示す。
(1)滑り角
各試料を、2つずつ準備し、これらの試料を、ニス層の表面同士が接するように重ね、その上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定した。測定にはAB-502摩擦角測定機(テスター産業株式会社製)を使用した。
(2)光沢度の測定
各試料について、株式会社堀場製作所製の光沢計(商品名:ハンディ光沢計)を使用して光沢度を60度入射角で測定した。測定は10回繰り返して平均値を算出した。
(3)ブランクス品の取り扱い性
印刷物に糊付けをして組み立て前の状態にする工程(サック貼り)を行ったあとのブランクス品を面同士が接する方向に80枚積み重ねた。続いて、上面と下面を手で押さえながら持ち上げ(図6(a)を参照)、90度回転させて左右から把持するような状態にして運搬をした(図6(b)を参照)。そのときに積み重ねられたブランクス品の取り扱い性を評価した。崩れが生じなかったものを「A」、崩れが発生したものを「B」として評価した。
(4)ライン上での詰まり難さ
印刷物を組み立て、内部に150gの内容物を充填したパウチを梱包して梱包物を得た。各梱包物を20度に傾けた長さ0.5mのポリカーボネート板の上端に置き、下端に到達するまでの挙動を確認した。スムーズに下端まで到達したものを「A」、途中で引っ掛かって止まりそうになりながらも下端まで到達したものを「B」、梱包物がほとんど移動せず、下端まで到達できなかったものを「C」として評価した。
滑り角が12度以上である試料1~5は、ブランクス品の積層物の崩れが生じず、この積層物の取り扱い性に優れていた。水性ニスを使用し且つ滑り角が12度以上20度以下である試料1,2は、ブランクス品の積層物の取り扱い性が良好であり且つライン上での詰まりも防止することができた。なお、ニス層の厚さが2.5μmである試料1は、試料2(ニス層の厚さ:1.5μm)と比較して光沢度が高かった。
1…被印刷物、1a…表面、3,13…インキ層、13a…層、13b…表面、5,15…ニス層、5a,15a…表面、10,20…印刷物、100A…ブランク、100B…ブランクス品、100C…梱包物、110a,120a…罫線、101,102…面。
Claims (6)
- 印刷が施される表面を有する被印刷物と、前記表面上に設けられたインキ層と、前記インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物の評価方法であって、
2つの前記印刷物を、前記ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、前記滑り角が12度以上である印刷物を良とする、印刷物の評価方法。 - 印刷が施される表面を有する被印刷物と、前記表面上に設けられたインキ層と、前記インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物の選別方法であって、
2つの前記印刷物を、前記ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せた状態で滑り角を測定し、前記滑り角が12度以上である印刷物を良として選別する、印刷物の選別方法。 - 印刷が施される表面を有する被印刷物と、前記表面上に設けられたインキ層と、前記インキ層を覆うように設けられたニス層とを備える印刷物であって、
前記ニス層が、異なる樹脂を組み合わせたエマルジョン型水性ニスの乾燥物を含み、
2つの当該印刷物を、前記ニス層の表面同士が接するように重ねて当該2つの印刷物の上に1000gのスレッドを載せて測定される滑り角が12度以上20度以下である、印刷物。 - 前記ニス層が、前記インキ層よりも厚く形成されている、請求項3に記載の印刷物。
- 前記ニス層の厚さが2.5μm以上である、請求項3又は4に記載の印刷物。
- 前記インキ層の厚さが1.5μm以下である、請求項3~5のいずれか一項に記載の印刷物。
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