JP2023004528A - 電動機および燃料ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の回転子が軸方向に移動した場合でも整流子がブラシホルダに接触しないような構造とし、整流子の破損を防止し、また摺動摩擦による摩耗粉によってブラシと整流子の間の通電が阻害されないようにすることを目的とする。【解決手段】電動機は、シャフト、シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、回転子巻線に接続された円板状の整流子と、を有する回転子、整流子に対向して軸方向に設けられたブラシ、ブラシを整流子に押し付けるブラシホルダ、シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、シャフトを軸方向に支持するスラスト軸受け、を備え、ブラシホルダと整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、シャフトとスラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きいことを特徴とするものである。燃料ポンプは上記の電動機を備えたものである。【選択図】図1

Description

本願は、電動機および燃料ポンプに関するものである。
四輪自動車、二輪自動車などの自動車の燃料タンク内には燃料ポンプが設置されている。燃料ポンプは電動機によって駆動される。燃料ポンプは、ポンプ室とこれを駆動する電動機とから構成されている。
電動機はシャフトが貫通した回転子を有し、回転子の軸方向の一方側に回転軸に垂直な平板形状の整流子が備えられている。この整流子に対して、押圧接触するブラシによって電流が供給される。ブラシと整流子を介して回転子の回転子コイルに通電されて、電動機が回転する。ブラシは、回転子の整流子に向かって軸方向に弾性部材によって押し付けられる。そのため、回転子と接触し回転子の回転に応じて摺動する。
燃料ポンプは燃料(例えばガソリンなどの炭化水素燃料)中に浸漬された状態で運転されるため、燃料に対する耐腐食性が要求される。そこで、整流子のブラシと摺動する整流子の接触部材に焼結炭素(カーボン)を用いて、燃料に対する耐腐食性を確保する。同時に、焼結炭素を用いることで整流子とブラシの摩耗を減少させて寿命を延長することができる。
このような電動機の構造において、ブラシを整流子に対して摺動自在に保持するブラシホルダは、整流子と軸方向に対向して配置されている。燃料ポンプは、搭載車両から振動などによる衝撃荷重を受けて、回転子が軸方向(ブラシホルダ側)に移動する場合がある。この場合、整流子のカーボン製の接触部材とブラシホルダが衝突する。衝突の結果、整流子の焼結炭素製の接触部材が破損する可能性がある。
その対策としてブラシホルダまたは回転子に突起物を設けることが提案されている。突起物が回転子の軸方向の移動を規制する。その結果、整流子の接触部材がブラシホルダに衝突することが予防できる。そのため、衝突の衝撃で整流子の焼結炭素製の接触部材が破損する事が回避できる(例えば特許文献1)。
特開平9-182381号公報
特許文献1に開示された技術によれば、燃料ポンプを駆動する電動機に対して車両からの振動などによって衝撃荷重がかかる。この荷重によって回転子が移動し、ブラシホルダの突起部が回転子と接触、または回転子の突起部がブラシホルダと接触することとなる。このとき、回転子は回転しているので突起部での摺動摩擦抵抗により回転子の回転数が低下しポンプ効率の低下が発生する。また、摺動摩擦により突起部が摩耗し、その摩耗粉がブラシと整流子の接触部材の間にかみ込まれる恐れがある。摩耗粉がかみ込まれると、ブラシと整流子の間の通電が阻害され電動機が停止し、燃料をエンジンに供給できなくなる事態が考えられる。
本願は、前述のような実情に鑑みてなされたものである。回転子が軸方向(ブラシホルダ側)に移動した場合でも整流子がブラシホルダに接触しないような構造とすることにより、整流子の破損を防止し、また回転子とブラシホルダの摺動摩擦による摩耗粉によってブラシと整流子の間の通電が阻害されないようにした電動機を提供することを目的とする。
また、本願は、回転子が軸方向(ブラシホルダ側)に移動した場合でも整流子がブラシホルダに接触しないような構造とすることにより、整流子の破損を防止し、また回転子とブラシホルダの摺動摩擦による摩耗粉によってブラシと整流子の間の通電が阻害されないようにした電動機を備え信頼性を向上した燃料ポンプを提供することを目的とする。
本願に係る電動機は、
シャフト、
シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、回転子巻線に接続された円板状の整流子と、を有する回転子、
整流子に対向して軸方向に設けられたブラシ、
ブラシを整流子に押し付けるブラシホルダ、
シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、
シャフトを軸方向に支持するスラスト軸受け、を備え、
ブラシホルダと整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、シャフトとスラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きいことを特徴とするものである。
また、本願に係る燃料ポンプは、
上記の電動機を備えたものである。
本願に係る、電動機によれば、回転子が軸方向(ブラシホルダ側)に移動した場合でも整流子がブラシホルダに接触しないような構造とすることにより、整流子の破損を防止し、また回転子とブラシホルダの摺動摩擦による摩耗粉によってブラシと整流子の間の通電が阻害されないようにした電動機を得ることができる。
また、本願に係る、燃料ポンプによれば、回転子が軸方向(ブラシホルダ側)に移動した場合でも整流子がブラシホルダに接触しないような構造とすることにより、整流子の破損を防止し、また回転子とブラシホルダの摺動摩擦による摩耗粉によってブラシと整流子の間の通電が阻害されないようにした電動機を備えることができるので、燃料ポンプの信頼性を向上することができる。
実施の形態1に係る燃料ポンプの断面図である。 実施の形態1に係る燃料ポンプの電動機の整流子部分の拡大図である。 実施の形態2に係る燃料ポンプの電動機の整流子部分の拡大図である。 実施の形態3に係る燃料ポンプの電動機の整流子部分の拡大図である。
1.実施の形態1
<全体構成>
以下、本願に係る電動機および燃料ポンプについて、図面を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る燃料ポンプ101の断面図である。燃料ポンプ101は、ポンプ室201と電動機202から構成されている。電動機202は、燃料ポンプ101のポンプ室201を駆動する駆動源として設けられている。
電動機202は、回転子4と固定子25を有する。回転子4には、シャフト5が貫通している回転子鉄心21が設けられている。回転子鉄心21には回転子巻線22が巻装されている。固定子25には永久磁石または固定子コイルが設けられている。ここで、図1において軸方向をXで表し、軸方向の一方側X2と軸方向の他方側X1を矢印で示す。
シャフト5は、二個以上のラジアル軸受け6によって、燃料ポンプ101の本体に組付けられており、シャフト5が回転可能に支持されつつ、シャフト5の径方向の移動が規制されている。また、シャフト5には一個以上のスラスト軸受け8が組付けられており、シャフト5が回転可能に支持されつつ、シャフト5の軸方向Xの移動が規制されている。
回転子の軸方向の一方側X2に円板状の整流子1が軸方向Xに垂直に設けられている。回転子巻線22は整流子1に電気的に接続されている。整流子1に対向して、軸方向の他方側X1に向かってブラシ3が突出している。ブラシ3はブラシホルダ7によって支持され、ブラシホルダに設けられた押圧部材2によって整流子1に押し付けられる。回転子4が回転するとき、整流子1も同時に回転しブラシ3は整流子1に接触しながら摺動する。この摺動によって、ブラシ3と整流子1は電気的接続を維持する。ブラシ3と整流子1を介して、回転子巻線22に界磁電流が供給されて回転子4が回転する。
<整流子とブラシ>
燃料ポンプ101は車両の燃料タンクの中に設置され、電動機202の内部も燃料に浸漬された状態で使用される。ガソリンなどの炭化水素の液体燃料に浸漬されているので、ブラシ3と整流子1との間で電流スパークが発生した場合でも燃料に引火することはない。燃料だけで空気が存在しないので、燃焼が起こらないからである。
ブラシ3と整流子1は、燃料に浸漬された状態で摺動するので、伝導性とともに燃料に対する耐腐食性と、摺動に対する物理的強靭さおよび低摩擦抵抗が要求される。このため、ブラシ3と接触する整流子1の接触部材に焼結炭素(カーボン)が用いられる。整流子1の接触部材を焼結炭素で構成することによって、耐腐食性、耐摩耗性を向上し低摩擦抵抗を維持しつつ、電気的抵抗値を低く抑えながら通電することが可能となる。
燃料ポンプ101は車両に設置されているので、車両の走行に伴う加減速、旋回、路面から受ける衝撃などによって、振動にさらされる。特に軸方向Xの衝撃を受けて、電動機202のシャフト5が軸方向Xに移動する。シャフト5の移動によって、回転子4に設けられた整流子1と、電動機本体に取り付けられたブラシホルダ7との間の距離が変化する。しかし、ブラシホルダ7に取り付けられた押圧部材2によって、ブラシ3は整流子1に押し付けられているので、ブラシ3はブラシホルダ7からの突出量が調整されて、ブラシ3の整流子1への接触が維持される。押圧部材2として、コイルスプリング、板バネなどが用いられる。
<整流子とブラシの間の通電阻害>
車両に軸方向Xに大きな衝撃が加わった場合シャフト5が大きく動き、整流子1とブラシホルダ7が衝突する事態が考えられる。このとき、整流子1がブラシホルダ7に衝突して破損する可能性がある。また、整流子1は回転子4とともに回転しているので、衝突したブラシホルダ7と整流子1との摺動摩擦により摩耗粉が発生する恐れがある。摩耗粉は整流子1とブラシ3の間にかみ込まれると、整流子1とブラシ3の間の接触を阻害し、接触抵抗を増大させ通電を断絶させる可能性もある。
燃料ポンプ101は、車両において重要度の高い保安部品である。燃料ポンプ101が作動しなくなると内燃機関への燃料供給が途絶され、車両が走行不能となる。車両の故障耐性を向上し、リンプホーム機能(機能を縮退しても最低限の走行性能を確保する機能)を維持するために、燃料ポンプの運転継続が確保される必要がある。
従来、整流子1とブラシホルダ7が衝突して整流子が破損することを避けるために、ブラシホルダ7または回転子4に突起物を設けて、整流子1がブラシホルダ7と直接接触することを防止することが提案されてきた。しかし、この方法では、整流子1がブラシホルダ7と直接接触することは防止できるが、ブラシホルダ7にもうけた突起物と回転子4との接触、回転子4に設けた突起物とブラシホルダ7との接触、もしくは回転子4に設けた突起物とブラシホルダ7に設けた突起物との接触が発生する。回転子4は回転しているのでこれらの接触による摺動摩擦により摩耗粉が発生する恐れは残存する。摩耗粉が整流子1とブラシ3の間にかみ込まれ、整流子1とブラシ3の間の接触を阻害し、接触抵抗を増大させ通電を断絶させる可能性は排除することができない。
<スラスト軸受けの設定>
図2は、実施の形態1に係る燃料ポンプ101の電動機202の整流子1の部分の拡大図である。本願の実施の形態1では、シャフト5を軸方向Xに支持するスラスト軸受け8の設定によって、回転子4とブラシホルダ7との接触を防止する。この設定について説明する。スラスト軸受けは、軸方向の荷重を受け止めて軸方向の移動を規制しながら低摩擦で回転を可能とする軸受けである。スラスト軸受けは、アキシアル軸受けと称することもある。
回転子4に設けられた円板状の整流子1とブラシホルダ7の間の軸方向Xの距離は、図2において第一の距離L1として示されている。シャフト5とスラスト軸受け8との間には軸方向Xの遊びが存在する。この遊びの大きさが、図2において第二の距離L2として示されている。軸受けの遊びは、内部すきま、がたとも呼ばれる。第一の距離L1と第二の距離L2の関係を、L1>L2と設定することによって、回転子4とブラシホルダ7との接触を防止することができる。
車両に、軸方向Xに大きな衝撃が加わっって、燃料ポンプ101の回転子4およびシャフト5が軸方向の一方側X2へ移動しようとした場合、シャフト5の先端がスラスト軸受け8に移動を規制される。その結果、回転子4の整流子1はブラシホルダ7との間隙を維持することができ、衝突を免れることができる。
図2では、スラスト軸受け8を単一のボール形状としている。電動機202は燃料に浸漬されて使用されるので、燃料によって潤滑され、このような単純な形態のスラスト軸受け8であっても小さな回転摩擦を維持することができる。スラスト軸受け8は、これ以外に複数のボールベアリングを内蔵し平板で挟んだタイプのスラスト軸受け、複数のロールベアリングを内蔵し平板で挟んだタイプのスラスト軸受け、もしくは滑り軸受けを用いてもよい。シャフト5の軸方向Xの移動を規制する軸受けであればよいからである。また、ここでは、シャフト5の軸方向の一方側X2方向への移動を規制するスラスト軸受け8について説明したが、シャフト5の軸方向の他方側X1方向への移動を規制するスラスト軸受けを追加して設けてもよい。
図2ではシャフト5の径方向の移動を規制しているラジアル軸受け6は、複数のロールベアリングを大小の円筒構造によって挟んだタイプのラジアル軸受け6の場合を示している。ラジアル軸受けは、これ以外に複数のボールベアリングを内蔵し大小の円筒構造で挟んだタイプのラジアル軸受け、滑り軸受けを用いてもよい。
<ブラシの移動量>
ここで、ブラシ3のブラシホルダ7との相対位置について説明する。ブラシ3はブラシホルダ7に部分的に収納されており、軸方向の他方側X1に突き出して、整流子1と接触する。車両の運動によって燃料ポンプ101の受ける軸方向Xの衝撃によって整流子1とブラシホルダ7の間の第一の距離L1が変化する。その場合であっても、ブラシ3が整流子1と接触を維持できるように、ブラシ3は押圧部材2によってブラシホルダ7から軸方向の他方側X1方向に突き出すように力を受ける。
ブラシホルダ7からブラシ3が突き出す量の変化可能な範囲が、図2において第三の距離L3として示されている。第三の距離L3は、押圧部材2が最も圧縮された場合の位置と押圧部材2が最も伸長された場合の位置との差分として求められる。ブラシ3がブラシホルダ7から先端を突き出した状態で、ブラシホルダ7に最もひき込まれた位置と、ブラシホルダ7から最も突き出した位置との差分ともいえる。第一の距離L1と第三の距離L3の関係は、L3>L1となることが望ましい。整流子1とブラシホルダ7の位置が変化した場合であっても、ブラシ3が常に整流子1と接触を保つ必要がある。このためにはブラシ3の移動可能な距離である第三の距離L3が、整流子1とブラシホルダ7との間の距離である第一の距離L1を上回るべきだからである。
実施の形態1では、車両に、軸方向Xに大きな衝撃が加えられた場合、燃料ポンプ101の回転子4およびシャフト5が軸方向の一方側X2へ移動しようとする。この場合、シャフト5の先端がスラスト軸受け8に移動を規制される。このとき、実際の回転子4と電動機本体の移動量は第二の距離L2で規制される。よって、ブラシ3の移動量である第三の距離L3は、L3>L2の条件を満足すれば充分である。
しかし、スラスト軸受け8に何らかの原因で障害が発生し軸方向Xの規制ができなくなった場合でも、ブラシ3が常に整流子1と接触を保つ必要がある。よって、ブラシホルダ7と整流子1との間の距離である第一の距離に対して、ブラシ3の移動可能な距離である第三の距離L3の方が大きいことに意義がある。スラスト軸受け8が何らかの原因で障害を発生し軸方向Xの規制ができなくなった場合でも、ブラシ3を整流子1に接触させて電動機202を回転させることができるからである。これによって、燃料ポンプ101の運転を維持でき、リンプホーム機能を確保することができるからである。
2.実施の形態2
<スラスト軸受けの弾性体>
図3は、実施の形態2に係る燃料ポンプ101aの電動機202aの整流子1の部分の拡大図である。実施の形態2に係る燃料ポンプ101aでは、電動機202aはボールベアリング内蔵タイプのスラスト軸受け8aを備えている。スラスト軸受け8aは、シャフト5aの軸方向の一方側X2方向への移動を規制する。そして、スラスト軸受け8aは弾性体9によって電動機202aの本体に支持されている。また、シャフト5aは複数のボールベアリングを内蔵し大小の円筒構造で挟んだタイプのラジアル軸受け6aで電動機202aの本体に固定されている。実施の形態2に係る燃料ポンプ101aが、実施の形態1に係る燃料ポンプ101と異なるのはこれらの点だけである。
スラスト軸受け8aは弾性体9によって電動機202aの本体に支持されている。このため、回転子4aが車両の運動により軸方向の一方側X2方向に移動する場合に、衝撃を緩和される。弾性体9によって、シャフト5aとスラスト軸受け8aとの衝突による接触音を抑制することができる。このため、運転者が異音を感じて不快に思うことを防止することができる。また、衝突による衝撃でスラスト軸受け8a、シャフト5aの寿命が短縮することを抑制することもできる。
スラスト軸受け8aを電動機202a本体に固定する弾性体9は、コイルスプリング、板バネ、もしくはクッション材であってもよい。この弾性体9によって、スラスト軸受け8aまたはシャフト5aが受ける押圧力Fsは、ブラシホルダ7に配置された押圧部材2によってブラシ3が受ける押圧力Fbよりも大きく設定することが望ましい。すなわち、押圧力Fsと押圧力Fbの関係は、Fs>Fbと設定する。
スラスト軸受け8aを支持する弾性体9は、回転子4aの慣性、加速度を受け止めて緩和する役割を果たす必要があり、大きな衝撃に耐えるように設定しなくてはならない。これに対し、ブラシ3を整流子1に押し当てるための押圧部材2の押圧力Fbは、ブラシ3を整流子1に接触させるための役割を果たせればよい。ブラシ3を整流子1に押し当てる押圧力Fbが過大であれば、摺動抵抗が大きくなって電動機202aの出力を低下させる。さらに摺動摩擦によって、ブラシ3と整流子1の接触面を損耗させ、寿命を短縮することにも繋がる。よって、ブラシ3と整流子1の間の電気的接続を保てる範囲において、ブラシ3を整流子1に押し当てるための押圧部材2の押圧力Fbは小さい方が望ましい。
3.実施の形態3
<整流子ホルダ>
図4は、実施の形態3に係る燃料ポンプ101bの電動機202bの整流子1aの部分の拡大図である。実施の形態3に係る電動機202bでは、回転子4bの整流子1aが、整流子ホルダ11に取り付けられているところが、実施の形態2に係る電動機202aと異なる。実施の形態3に係る燃料ポンプ101bが、実施の形態2に係る燃料ポンプ101aと異なるのはこの点だけである。
図4に示すように、整流子1aの周囲を囲う外周部が整流子1aよりも軸方向の一方側X2方向へ寸法dだけ突出した整流子ホルダ11に整流子1aが収容されている。このように整流子ホルダ11を配置することで、ブラシホルダ7と回転子4bが衝突した場合であっても、整流子1aの接触面を保護することができる。整流子1aの接触面がブラシホルダ7と接触するよりも前に、整流子ホルダ11の外周部がブラシホルダに衝突するので、整流子1aの接触面が保護される。
図4のような構成とした場合、ブラシホルダ7と整流子ホルダ11の外周部との間の軸方向Xの距離である第四の距離L4について考える。シャフト5aとスラスト軸受け8aとの間の軸方向Xの遊びの大きさである第二の距離L2との関係を検討する。第四の距離L4と第二の距離L2の関係を、L4>L2と設定することによって、整流子ホルダ11とブラシホルダ7との接触を防止することができる。
このようにシャフト5aとスラスト軸受け8aとの間の軸方向Xの遊びの大きさである第二の距離L2を設定することで、整流子ホルダ11とブラシホルダ7の接触を抑止することができる。電動機202bの回転子4bが軸方向Xに移動した場合でも整流子ホルダ11とブラシホルダ7の接触による破損を防止し、摺動摩擦による摩耗粉によってブラシ3と整流子1aの間の通電が阻害されないようにすることができる。
<ブラシの突き出し量>
ここで、ブラシホルダ7からブラシ3が突き出す量について検討する。整流子1aは整流子ホルダ11に保護されており、整流子1aの接触面よりも整流子ホルダ11の外周部が軸方向の一方側X2方向へ寸法dだけ突出している。よって、ブラシ3は、ブラシホルダ7から寸法dだけ突出する位置までブラシホルダ7に引き込まれることができればよいとも考えられる。
しかし、ブラシ3は、ブラシホルダ7に先端部まで引き込まれ、ブラシホルダ7とブラシ3の先端が同一面にある状態にブラシを収納可能であることが望ましい。本来であれば、スラスト軸受け8aによってシャフト5aの移動量が制限される。そして、スラスト軸受け8aの遊びの大きさである第二の距離L2よりも、シャフト5aが軸方向の一方側X2に移動することはなく、整流子ホルダ11がブラシホルダ7に接触することはない。
しかしながら、スラスト軸受け8aが故障して軸方向の移動量の制限ができなくなった場合、整流子ホルダ11がブラシホルダ7に接触することが想定される。その場合に整流子ホルダ11の外周部がブラシホルダ7と接触しながら回転し、摺動により摩耗することも想定できる。
整流子ホルダ11の外周部が摩耗により損耗して整流子1の接触面と同一面にある状態となった場合、整流子1は、ブラシホルダ7と接触することとなる。ブラシ3が、ブラシホルダ7に先端部まで引き込まれ、ブラシホルダ7とブラシ3の先端が同一面にある状態にブラシ3を収納可能であれば、ブラシ3はブラシホルダ7に収納された状態で整流子1と電気的接続を維持することができる。
ブラシ3がブラシ先端までブラシホルダ7に収納できない場合は、ブラシ先端はブラシホルダ7から突き出して固定される。このとき、突き出したブラシ先端に過大な力が加わりブラシ3が破壊されることも考えられる。ブラシホルダ7とブラシ3の先端が同一面にある状態にブラシを収納可能であれば、ブラシ3はブラシホルダ7に収納された状態で整流子1との電気的接続を維持でき、燃料ポンプ101bが燃料供給のための最低限の機能を維持できるので意義がある。
ブラシホルダ7とブラシ3の先端が同一面上にある状態にブラシ3をブラシホルダ7が収納可能とすることが望ましいのは、実施の形態3に係る電動機202bに限定されない。実施の形態1、2に係る電動機202,202aにおいても同様のことが言える。
スラスト軸受け8、8aによるシャフト5、5aの移動規制が失われた場合を考慮する必要がある。ブラシ3がブラシホルダ7から長く突き出た状態で、大きな押圧力を受けながら整流子1と摺動した場合に、ブラシ3が破壊される恐れがある。ブラシ3の先端までブラシホルダ7に収納できれば、このような破壊を免れることができる。これによって、燃料ポンプの機能を維持することができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1、1a 整流子、2 押圧部材、3 ブラシ、4、4a、4b 回転子、5、5a シャフト、6、6a ラジアル軸受け、7 ブラシホルダ、8、8a スラスト軸受け、9 弾性体、11 整流子ホルダ、21 回転子鉄心、22 回転子巻線、25 固定子、101、101a、101b 燃料ポンプ、201 ポンプ室、202、202a、202b 電動機、d 寸法、Fb、Fs 押圧力、L1 第一の距離、L2 第二の距離、L3 第三の距離、L4 第四の距離、X 軸方向、X1 軸方向の他方側、X2 軸方向の一方側
本願に係る電動機は、
シャフト、
シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、回転子巻線に接続され回転子巻線の軸方向一方側に設けられた円板状の整流子と、整流子を支持し整流子の周囲を囲う外周部が整流子よりも軸方向一方側へ突出した整流子ホルダと、を有する回転子、
整流子に対向して軸方向他方側に突出して設けられたブラシ、
ブラシを整流子に押し付けるブラシホルダ、
シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、
シャフトをブラシホルダ側から軸方向他方側に支持するブラシホルダ側スラスト軸受け、を備え、
ブラシホルダと整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、シャフトとブラシホルダ側スラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きく、かつ、ブラシホルダと整流子ホルダの外周部との間の軸方向の距離である第四の距離は、第二の距離よりも大きいことを特徴とするものである。
また、本願に係る電動機は、
シャフト、
シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、回転子巻線に接続され回転子巻線の軸方向一方側に設けられた円板状の整流子と、を有する回転子、
整流子に対向して軸方向他方側に突出して設けられたブラシ、
ブラシを整流子に押し付けるブラシホルダ、
シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、
ブラシがブラシホルダによって整流子に押し付けられる方向に、シャフトを軸方向に押し付ける弾性体によってブラシホルダ側から軸方向他方側に支持されたブラシホルダ側スラスト軸受け、を備え、
ブラシホルダと整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、シャフトとブラシホルダ側スラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きいことを特徴とするものである。
さらに、本願に係る電動機は、
シャフト、
シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、回転子巻線に接続され回転子巻線の軸方向一方側に設けられた円板状の整流子と、を有する回転子、
整流子に対向して軸方向他方側に突出して設けられたブラシ、
ブラシを整流子に押し付けるブラシホルダ、
シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、
シャフトを軸方向にブラシホルダ側から軸方向他方側に支持するブラシホルダ側スラスト軸受け、を備え、
ブラシホルダと整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、シャフトとブラシホルダ側スラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きく、かつ、ブラシホルダは、ブラシホルダとブラシの先端が同一面にある状態にブラシを収納可能であることを特徴とするものである。

Claims (9)

  1. シャフト、
    前記シャフトに取り付けられ回転子巻線が巻装された回転子鉄心と、前記回転子巻線に接続された円板状の整流子と、を有する回転子、
    前記整流子に対向して軸方向に設けられたブラシ、
    前記ブラシを前記整流子に押し付けるブラシホルダ、
    前記シャフトを径方向に支持するラジアル軸受け、
    前記シャフトを軸方向に支持するスラスト軸受け、を備え、
    前記ブラシホルダと前記整流子との間の軸方向の距離である第一の距離は、前記シャフトと前記スラスト軸受けとの軸方向の遊びの大きさである第二の距離よりも大きいことを特徴とする電動機。
  2. 前記ブラシが前記ブラシホルダから軸方向に突出可能な距離である第三の距離は、前記第一の距離よりも大きい請求項1に記載の電動機。
  3. 前記回転子は、前記整流子を支持し前記整流子の周囲を囲う外周部が前記整流子よりも軸方向へ突出した整流子ホルダを有し、
    前記ブラシホルダと前記整流子ホルダの前記外周部との間の軸方向の距離である第四の距離は、前記第二の距離よりも大きい請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記スラスト軸受けは、前記ブラシが前記ブラシホルダによって前記整流子に押し付けられる方向に、前記シャフトを軸方向に押し付ける弾性体によって支持された請求項1から3のいずれか一項に記載の電動機。
  5. 前記弾性体の押圧力は、前記ブラシホルダが前記ブラシを前記整流子に押し付ける押圧力よりも大きい請求項4に記載の電動機。
  6. 前記ブラシホルダは、前記ブラシホルダと前記ブラシの先端が同一面にある状態にブラシを収納可能である請求項1から5のいずれか一項に記載の電動機。
  7. 周囲および内部が燃料に浸漬された状態で使用される請求項1から6のいずれか一項に記載の電動機。
  8. 前記整流子は前記ブラシとの接触面を焼結炭素によって構成された請求項1から7のいずれか一項に記載の電動機。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の電動機を備えた燃料ポンプ。
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