JP2023003808A - 回転機械のケーシング、回転機械および回転機械のケーシングの製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】ハウジング間の位置ずれを抑制できる回転機械のケーシング、回転機械および回転機械のケーシングの製造方法を提供する。【解決手段】複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械のケーシングであって、前記回転機械の径方向における外側に向かって突出する第１接合部であって、前記径方向に沿って延在する第１面を有する第１接合部を含む第１のハウジングと、前記径方向における外側に向かって突出する第２接合部であって、前記径方向に沿って延在して前記第１面に当接する第２面を有する第２接合部を含む第２のハウジングと、前記第１接合部と前記第２接合部とを前記回転機械の軸方向に締結する少なくとも１つの締結装置と、を備え、前記第１面又は前記第２面の少なくとも一方は、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕が形成された粗面領域を少なくとも一部に含む。【選択図】 図２

Description

本開示は、回転機械のケーシング、回転機械および回転機械のケーシングの製造方法に関する。

回転機械として、タービン、電動機、ポンプ、エンジン、ターボチャージャなどが知られている。このような回転機械は、一般的に、複数のハウジングを締結したケーシングを備えている。

例えば、特許文献１には、タービン軸を回転可能に支持するベアリングを収容するセンターハウジングと、タービン軸の一端側に連結されたタービンインペラを収容するタービンハウジングと、タービン軸の他端側に連結されたコンプレッサインペラを収容するコンプレッサハウジングと、を備えるターボチャージャが開示されている。センターハウジングは、タービンハウジングとコンプレッサハウジングの間に配置され、タービンハウジングやコンプレッサハウジングに締結ボルトやカップリング（Ｖクランプ）などの締結装置を介して連結されている。

特開２００９－２４３２９９号公報

特許文献１に記載されたようなターボチャージャにおいて、ハウジング間で位置ずれが生じるとハウジング内に少なくとも一部が収容されたアクチュエータの動作不良などの悪影響が生じる虞がある。ハウジング間の位置ずれを抑制する手段として、位置決めピンによりハウジングの回転を抑制することが考えられる。しかしながら、位置決めピンではハウジング間の位置ずれの抑制効果が薄く、位置決めピンの摩耗、損傷などにより、ハウジング間の位置ずれが生じる虞がある。

また、ハウジング間の位置ずれを抑制する手段として、ハウジング同士の当接部の摩擦係数を高めることが考えられる。旋盤によるローレット加工により、上記当接部に滑り止めとしての凹凸を形成した場合には、凹凸の形成精度が低く、却って上記当接部の摩擦係数を低下させる虞がある。

上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、ハウジング間の位置ずれを抑制できる回転機械のケーシング、回転機械および回転機械のケーシングの製造方法を提供することにある。

本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングは、
複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械のケーシングであって、
前記回転機械の径方向に沿って延在する第１面を有する第１接合部を含む第１のハウジングと、
前記径方向に沿って延在して前記第１面に当接する第２面を有する第２接合部を含む第２のハウジングと、
前記第１接合部と前記第２接合部とを前記回転機械の軸方向に締結する少なくとも１つの締結装置と、を備え、
前記第１面又は前記第２面の少なくとも一方は、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕が形成された粗面領域を少なくとも一部に含む。

本開示の一実施形態にかかる回転機械は、
前記ケーシングと、
前記ケーシングに回転可能に収容されるインペラと、を備える。

本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングの製造方法は、
複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械のケーシングの製造方法であって、
前記複数のハウジングは、
前記回転機械の径方向に沿って延在する第１面を有する第１接合部を含む第１のハウジングと、
前記径方向に沿って延在して前記第１面に当接する第２面を有する第２接合部を含む第２のハウジングと、を含み、
前記回転機械のケーシングの製造方法は、
前記第１面又は前記第２面の少なくとも一方に、レーザー光を照射して複数のレーザー照射痕を含む粗面領域を形成する粗面領域形成ステップを備える。

本開示の少なくとも一実施形態によれば、ハウジング間の位置ずれを抑制できる回転機械のケーシング、回転機械および回転機械のケーシングの製造方法が提供される。

本開示の一実施形態にかかる回転機械の概略断面図である。 粗面領域を説明するための説明図である。 粗面領域の表面形状を説明するための説明図である。 本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。 図４に示される第２面を回転機械の軸方向から視認した状態を示す概略図である。 本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける位置決めピン近傍の概略断面図である。 本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。 本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。 図８に示される締結装置を説明するための説明図である。 図８に示される第２面を回転機械の軸方向から視認した状態を示す概略図である。 本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングの製造方法を説明するためのフロー図である。

以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。

（回転機械）
図１は、本開示の一実施形態にかかる回転機械の概略断面図である。図１に示されるように、回転機械１は、回転シャフト１１と、回転シャフト１１に取り付けられるインペラ１２と、インペラ１２を収容するように構成されたケーシング２と、を備える。以下、回転シャフト１１の軸線ＬＡ（回転機械１の軸線）の延在する方向（図１中左右方向）を回転機械１の軸方向として定義する。回転機械１の径方向、周方向の夫々は、上記軸方向を基準として定義される。

ケーシング２は、複数のハウジング（第１のハウジング３、第２のハウジング４など）が上記軸方向に連結されるように構成されている。ケーシング２は、図１に示されるように、第１のハウジング３と、第２のハウジング４と、第１のハウジング３と第２のハウジング４とを締結する少なくとも１つの締結装置５と、を備える。第１のハウジング３は、回転機械１の径方向に沿って延在する第１面３１を有する第１接合部３２を含む。第２のハウジング４は、回転機械１の径方向に沿って延在して第１面３１に当接する第２面４１を有する第２接合部４２を含む。第２接合部４２は、回転機械１の軸方向において第１接合部３２に隣接して配置されている。

少なくとも１つの締結装置５は、第１接合部３２と第２接合部４２とを上記軸方向に締結するように構成されている。締結装置５を介して第１接合部３２と第２接合部４２とを上記軸方向に締結することで、第１のハウジング３と第２のハウジング４とが上記軸方向に締結される。締結装置５を介して第１接合部３２と第２接合部４２とを上記軸方向に締結すると、締結装置５が発生させた締結力により、第１面３１と第２面４１とが密着し、第１面３１と第２面４１との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

（ターボチャージャ）
図示される実施形態では、回転機械１は、自動車用のターボチャージャ６からなる。ターボチャージャ６は、上記回転シャフト１１と、回転シャフト１１の一方側に取り付けられるインペラ１２であるコンプレッサインペラ６１と、回転シャフト１１の他方側に取り付けられるタービン翼６２と、回転シャフト１１を回転可能に支持するベアリング６３と、回転シャフト１１、コンプレッサインペラ６１、タービン翼６２およびベアリング６３を収容する上記ケーシング２と、を備える。

ターボチャージャ６のケーシング２は、コンプレッサインペラ６１を収容するように構成されたコンプレッサハウジング６４と、タービン翼６２を収容するように構成されたタービンハウジング６５と、ベアリング６３を収容するように構成されたセンターハウジング６６と、上記少なくとも１つの締結装置５と、を備える。センターハウジング６６は、回転機械１の軸方向においてコンプレッサハウジング６４とタービンハウジング６５との間に配置されている。

図１に示されるように、コンプレッサハウジング６４は、回転機械１の径方向に沿って延在するコンプレッサ側面６４１を有するコンプレッサ側接合部６４２を含む。センターハウジング６６は、回転機械１の径方向に沿って延在してコンプレッサ側面６４１に当接する第１センター側面６６１を有する第１センター側接合部６６２を含む。少なくとも１つの締結装置５は、コンプレッサ側接合部６４２と第１センター側接合部６６２とを上記軸方向に締結するコンプレッサ側の締結装置５Ａを含む。締結装置５Ａを介してコンプレッサ側接合部６４２と第１センター側接合部６６２とを締結することで、コンプレッサハウジング６４とセンターハウジング６６とが上記軸方向に締結される。締結装置５Ａを介してコンプレッサ側接合部６４２と第１センター側接合部６６２とを締結すると、締結装置５Ａが発生させた締結力により、コンプレッサ側面６４１と第１センター側面６６１とが密着し、コンプレッサ側面６４１と第１センター側面６６１との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

図１に示されるように、タービンハウジング６５は、回転機械１の径方向に沿って延在するタービン側面６５１を有するタービン側接合部６５２を含む。センターハウジング６６は、回転機械１の径方向に沿って延在してタービン側面６５１に当接する第２センター側面６６３を有する第２センター側接合部６６４を含む。少なくとも１つの締結装置５は、タービン側接合部６５２と第２センター側接合部６６４とを上記軸方向に締結するタービン側の締結装置５Ｂを含む。締結装置５Ｂを介してタービン側接合部６５２と第２センター側接合部６６４とを締結することで、タービンハウジング６５とセンターハウジング６６とが上記軸方向に締結される。締結装置５Ｂを介してタービン側接合部６５２と第２センター側接合部６６４とを締結すると、締結装置５Ｂが発生させた締結力により、タービン側面６５１と第２センター側面６６３とが密着し、タービン側面６５１と第２センター側面６６３との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

第１のハウジング３が、コンプレッサハウジング６４又はセンターハウジング６６の一方であり、第２のハウジング４が、コンプレッサハウジング６４又はセンターハウジング６６の他方であってもよい。また、第１のハウジング３が、タービンハウジング６５又はセンターハウジング６６の一方であり、第２のハウジング４が、タービンハウジング６５又はセンターハウジング６６の他方であってもよい。

（粗面領域）
第１面３１又は第２面４１の少なくとも一方は、粗面領域７を少なくとも一部に含む。図１に示される実施形態では、粗面領域７は、第２面４１に形成されているが、第１面３１に形成されていてもよいし、第１面３１および第２面４１の両方に形成されていてもよい。図１に示されるように、粗面領域７は、コンプレッサハウジング６４とセンターハウジング６６とが当接する面６４１、６６１の少なくとも一方に設けられてもよく、タービンハウジング６５とセンターハウジング６６とが当接する面６５１、６６３の少なくとも一方にも設けられてもよい。

図２は、粗面領域を説明するための説明図である。図３は、粗面領域の表面形状を説明するための説明図である。図２に示されるように、粗面領域７には、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕７１が形成されている。複数のレーザー照射痕７１は、粗面領域７において互いに離隔した位置に形成されている。複数のレーザー照射痕７１は、レーザー照射対象位置が移動する方向に沿って互いに間隔をあけて並列に配設されている。図示されるように、複数のレーザー照射痕７１は、粗面領域７において千鳥状に配設してもよいし、粗面領域７において互いに直交する二方向に沿って並列に配設してもよい。図２、図３における領域７２は、レーザー光の照射がされていない領域を示している。

図示される実施形態では、レーザーマーカー装置８から照射されるレーザー光により複数のレーザー照射痕７１が形成されている。レーザーマーカー装置８は、そのレーザー光の出力が１００Ｗ以下である。レーザーマーカー装置８としては、例えば、レーザー光を照射して対象物へ刻印することに使用される装置などが挙げられる。図２に示される実施形態では、レーザーマーカー装置８はレーザー照射対象位置にレーザー光（例えば、パルスレーザー）を照射するように構成されたレーザー光照射部８１と、レーザー照射対象位置を調整するように構成された照射位置調整部８２と、を含む。レーザー光照射部８１から照射されるレーザー光の出力は、所定値に固定していてもよい。

図示される実施形態では、複数のレーザー照射痕７１の夫々は、１０～１００μｍの径を有する。複数のレーザー照射痕７１の夫々は、領域７２を基準として１０～１００μｍの深さを有する。複数のレーザー照射痕７１の夫々は、他のレーザー照射痕７１から１０～１００μｍ離れた位置に形成されている。

図３に示されるように、粗面領域７は、複数の凹部７３と複数の凸部７４とを有する。複数の凹部７３や複数の凸部７４は、複数のレーザー照射痕７１を形成するためのレーザー光の照射により形成される。このため、複数の凹部７３の少なくとも一部は、レーザー照射痕７１からなるものである。図示される実施形態では、複数の凸部７４の夫々は、領域７２を基準として０～１００μｍの深さを有する。図３に示されるように、粗面領域７は、レーザー光の照射がされていない領域７２に比べて、表面粗さが大きくなっている。

幾つかの実施形態にかかる回転機械１のケーシング２は、上述した第１面３１を有する第１接合部３２を含む第１のハウジング３と、上述した第２面４１を有する第２接合部４２を含む第２のハウジング４と、上述した少なくとも１つの締結装置５と、を備える。第１面３１又は第２面４１の少なくとも一方は、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕７１が形成された粗面領域７を少なくとも一部に含む。

上記の構成によれば、粗面領域７は、レーザー光の照射により形成された凹凸（凹部７３、凸部７４）を有するため、レーザー光が照射されていない領域７２に比べて、表面が荒く摩擦係数が大きくなっている。摩擦係数が大きな粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の摩擦抵抗を大きなものにできる。また、粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できる。

第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制することで、ケーシング２に少なくとも一部が収容されたアクチュエータの動作不良を抑制できるため、回転機械１の信頼性を向上できる。

幾つかの実施形態では、上述した複数のレーザー照射痕７１は、レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置８から照射されるレーザー光により形成されたものである。

上記の構成によれば、第１面３１や第２面４１に出力が１００Ｗ以下のレーザー光を照射することで、好適な表面粗さを有する粗面領域７が形成される。この粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の摩擦抵抗や接着性を効果的に向上させることができる。これにより、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、レーザー光の出力が１００Ｗ以下のレーザーマーカー装置８は、レーザー光の出力が１００Ｗを超えるレーザー光照射装置よりも安価であるため、設備コストの増大化を抑制することができる。なお、他の幾つかの実施形態では、複数のレーザー照射痕７１は、レーザー光の出力が１００Ｗを超えるレーザー光照射装置から照射されるレーザー光により形成されたものであってもよい。

（ハウジング同士のボルト締結構造）
図４は、本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。図５は、図４に示される第２面を回転機械の軸方向から視認した状態を示す図である。

幾つかの実施形態では、図４に示されるように、上述した第１接合部３２は、上述した第２接合部４２の外周縁部４３を嵌合可能な凹部３３を有し、上述した少なくとも１つの締結装置５（５Ｃ）は、支持板５１と、締結ボルト５２と、を含む。支持板５１は、第１接合部３２の凹部３３との間に第２接合部４２の外周縁部４３を挟み込む内周部５１１と、第２接合部４２よりも回転機械１の径方向における外側に突出する外周部５１２と、を含む。

図４に示される実施形態では、第１接合部３２は、凹部３３よりも回転機械１の径方向における外側に、回転機械１の径方向に沿って延在する平滑面３４を有する。凹部３３は、回転機械１の軸方向において平滑面３４よりも凹むように形成されている。第１面３１は、凹部３３の底面に形成されている。第２接合部４２は、回転機械１の径方向に沿って上記径方向における外側に突出する突出部からなる。凹部３３は、回転機械１の周方向に沿って延在する円環状凹部からなり、第２接合部４２は、該円環状凹部に嵌入する円環板状に形成されている。

図４に示される実施形態では、支持板５１は、回転機械１の周方向に沿って延在する円弧状に形成されている。なお、支持板５１は、回転機械１の周方向に沿って延在する環状に形成されていてもよい。支持板５１の上記軸方向の一方の面５１３が、内周部５１１において第２接合部４２の第２面４１とは上記軸方向における反対側の面４４に当接し、且つ外周部５１２において第１接合部３２の平滑面３４に当接している。

図４に示される実施形態では、第１接合部３２の平滑面３４には、雌ねじ孔３５が形成され、支持板５１の外周部５１２には、ボルト挿通孔５１４が形成されている。締結ボルト５２は、ボルト挿通孔５１４を挿通して、第１接合部３２に螺合する軸部５２１と、第１接合部３２との間に支持板５１の外周部５１２を挟持する頭部５２２と、を含む。軸部５２１は、上記軸方向に沿って延びるとともに、雌ねじ孔３５に螺合する雄ねじ部５２３を外周に有する。締結ボルト５２が発生させた締結力により支持板５１が第１接合部３２の凹部３３との間に第２接合部４２の外周縁部４３を挟持することで、第１面３１と第２面４１とが密着し、第１面３１と第２面４１との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

上記の構成によれば、支持板５１と締結ボルト５２により、第１接合部３２と第２接合部４２とを締結できる。粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ締結ボルト５２による締結力を低減可能である。これにより、締結ボルト５２の小径化が可能であり、ケーシング２やケーシング２を備える回転機械１の設計自由度が向上する。

図６は、本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける位置決めピン近傍の概略断面図である。図６に示されるように、ケーシング２は、第１接合部３２と第２接合部４２の位置ずれを抑制するための位置決めピン２１を備えていてもよい。

図６に示される実施形態では、位置決めピン２１は、小径部２１１と、小径部２１１よりも径が大きい大径部２１２と、を含む。小径部２１１は、第１接合部３２に形成された小径孔３６に嵌入される。第２接合部４２の外周縁部４３の外周縁には、円弧状に切り欠かれた切り欠き３７が形成されている。第１接合部３２には、切り欠き３７との間に大径部２１２が嵌入される大径孔４５を形成する円弧状の切り欠き４５Ａが形成されている。大径孔４５は、小径孔３６に連通するとともに、小径孔３６よりも径が大きい。第１のハウジング３の周方向位置に対応する第２のハウジング４の周方向位置が予め決められている。位置決めピン２１により、第１のハウジング３と第２のハウジング４が予め決められた周方向位置に位置決めされる。

上記の構成によれば、粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できるので、位置決めピン２１の摩耗や損傷を抑制できる。これにより、位置決めピン２１による第１接合部３２と第２接合部４２との間の位置ずれの抑制作用を長期間に亘り発揮させることができる。

図４に示されるように、締結ボルト５２の頭部締結面５２４から締結ボルト５２の締結力（軸力）作用方向（上記軸方向に沿って第１のハウジング３に向かう方向、図５中左側）に向かうにつれて上記締結力作用方向に対して傾斜角θだけ拡径する円錐台形空間５２５を定義する。幾つかの実施形態では、図４に示されるように、上述した粗面領域７は、傾斜角θが０°以上３０°以下の条件を満たす円錐台形空間５２５に存在するように構成されている。図４に示されるように、第１面３１や第２面４１には、円錐台形空間５２５内に存在する締結力作用面５２６を含む。粗面領域７は、締結力作用面５２６に形成されている。粗面領域７は、第１面３１や第２面４１の締結力作用面５２６以外には形成されていなくてもよい。

上記の構成によれば、円錐台形空間５２５は、締結ボルト５２の締結力が大きく作用するため、第１面３１や第２面４１の円錐台形空間５２５に存在する部分（締結力作用面５２６）は、他の部分よりも面圧が高くなっている。面圧が高い部分（締結力作用面５２６）に限定して粗面領域７を設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分（締結力作用面５２６）に限定して粗面領域７を設けることで、粗面領域７を小さくできるため、粗面領域７を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記の構成によれば、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

幾つかの実施形態では、図５に示されるように、少なくとも１つの締結装置５Ｃは、回転機械１の周方向に間隔をあけて配置された複数（図示例では六個）の締結装置５Ｃを含む。上述した円錐台形空間５２５や締結力作用面５２６は、回転機械１の周方向に間隔をあけて複数（図示例では六個）形成される。図５に示されるように、複数の締結力作用面５２６の夫々に粗面領域７を形成してもよい。換言すると、粗面領域７は、回転機械１の周方向に間隔をあけて配置された複数の締結力作用面５２６の夫々に形成された複数の粗面領域７を含む。このように複数の締結力作用面５２６の夫々に粗面領域７を形成することで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の回転機械１の周方向における位置ずれを効果的に抑制できる。

幾つかの実施形態では、図５に示されるように、上述した粗面領域７は、第１面３１又は第２面４１のうちの一方の面（図示例では、第２面４１）に形成された第１の粗面領域７Ａと、上記一方の面における第１の粗面領域７Ａから回転機械１の周方向に離隔した位置に設けられた第２の粗面領域７Ｂと、を含む。

上記の構成によれば、上記一方の面における回転機械１の周方向に離隔した位置に第１の粗面領域７Ａと第２の粗面領域７Ｂを設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の上記周方向における位置ずれを効果的に抑制できる。また、上記の構成によれば、上記一方の面の全面に亘り粗面領域７を設ける場合に比べて、粗面領域７を小さくできる。粗面領域７を形成するために作業時間は、粗面領域７の面積に影響されるため、粗面領域７を小さくすることで、粗面領域７を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記の構成によれば、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

（ハウジング同士のボルト締結構造２）
本開示は、支持板５１と締結ボルト５２により、第１接合部３２と第２接合部４２とを締結する場合に限らず、後述する締結ボルト５３により、第１接合部３２と第２接合部４２とを締結する場合などにも適用可能である。
図７は、本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。
幾つかの実施形態では、図７に示されるように、上述した締結装置５（５Ｄ）は、締結ボルト５３を含む。締結ボルト５３は、第２接合部４２に形成された貫通孔４１１を挿通して、第１接合部３２に螺合する軸部５３１と、第１接合部３２との間に第２接合部４２を挟持するように構成された頭部５３２と、を含む。

図７に示される実施形態では、第１面３１には、雌ねじ孔３１１が形成され、第２面４１に貫通孔４１１が形成されている。軸部５３１は、上記軸方向に沿って延びるとともに、雌ねじ孔３１１に螺合する雄ねじ部５３３を外周に有する。締結ボルト５３が発生させた締結力により、締結ボルト５３の頭部５３２と第１接合部３２との間に第２接合部４２を挟持することで、第１面３１と第２面４１とが密着し、第１面３１と第２面４１との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

図７に示されるように、締結ボルト５３の頭部締結面５３４から締結ボルト５３の締結力（軸力）作用方向（上記軸方向に沿って第１のハウジング３に向かう方向、図７中左側）に向かうにつれて上記締結力作用方向に対して傾斜角θだけ拡径する円錐台形空間５３５を定義したときに、上述した粗面領域７は、傾斜角θが０°以上３０°以下の条件を満たす円錐台形空間５３５に存在するように構成されていてもよい。すなわち、粗面領域７は、第１面３１又は第２面４１における円錐台形空間５３５内に存在する部分である締結力作用面５３６に形成されていてもよい。粗面領域７は、第１面３１や第２面４１の締結力作用面５３６以外には形成されていなくてもよい。

上記の構成によれば、締結ボルト５３により、第１接合部３２と第２接合部４２とを締結できる。粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ締結ボルト５３による締結力を低減可能である。これにより、締結ボルト５３の小径化が可能であり、ケーシング２やケーシング２を備える回転機械１の設計自由度が向上する。

（ハウジング同士のカップリング締結構造）
本開示は、締結ボルトを用いて第１接合部３２と第２接合部４２とを締結する場合に限らず、後述するカップリング５４を用いて第１接合部３２と第２接合部４２とを締結する場合などにも適用可能である。
図８は、本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングにおける第１ハウジングと第２のハウジングとの締結部近傍の概略断面図である。図９は、図８に示される締結装置を説明するための説明図である。図１０は、図８に示される第２面を回転機械の軸方向から視認した状態を示す図である。

幾つかの実施形態では、図９に示されるように、上述した締結装置５（５Ｅ）は、カップリング５４（Ｖバンドカップリング）を含む。カップリング５４は、回転機械１の周方向に沿って延在する第１の円弧状部材５５と、回転機械１の周方向に沿って延在する第２の円弧状部材５６と、第１の円弧状部材５５の一端部５５１と第２の円弧状部材５６の一端部５６１とを回動可能に連結するように構成された回動部５７と、第１の円弧状部材５５の他端部５５２と第２の円弧状部材５６の他端部５６２とを締結する締結部５８と、を含む。

図８に示されるように、第１接合部３２は、回転機械１の径方向における外側に突出する第１フランジ部３８を含む。第１フランジ部３８の第１面３１とは軸方向における反対側に位置する面は、上記径方向における外側に向かうにつれて第１面３１からの距離が小さくなるように傾斜していてもよい。第２接合部４２は、回転機械１の径方向における外側に突出する第２フランジ部４６を含む。第２フランジ部４６の第２面４１とは軸方向における反対側に位置する面は、上記径方向における外側に向かうにつれて第２面４１からの距離が小さくなるように傾斜していてもよい。

第１の円弧状部材５５は、第１接合部３２の第１フランジ部３８および第２接合部４２の第２フランジ部４６に対して回転機械１の径方向における外側から嵌合する第１嵌合溝５５３を有する。第１嵌合溝５５３は、第１の円弧状部材５５の内周側に形成されている。第２の円弧状部材５６は、第１接合部３２の第１フランジ部３８および第２接合部４２の第２フランジ部４６に対して回転機械１の径方向における外側から嵌合する第２嵌合溝５６３を有する。第２嵌合溝５６３は、第２の円弧状部材５６の内周側に形成されている。第２の円弧状部材５６は、第２嵌合溝５６３が第１嵌合溝５５３に対向している。図示される実施形態では、第１の円弧状部材５５および第２の円弧状部材５６の夫々は、半円弧状に形成されている。

図９に示される実施形態では、回動部５７は、第１の円弧状部材５５を第１の回動中心ＲＣ１を中心に回転可能に構成されている。また、回動部５７は、第２の円弧状部材５６を第２の回動中心ＲＣ２を中心に回転可能に構成されている。図９に示されるように、軸方向における一方側から視たときに、第１の回動中心ＲＣ１と第２の回動中心ＲＣ２の中心位置を回動部５７の回動中心ＲＣとする。

図９に示される実施形態では、第１の円弧状部材５５は、他端部５５２から回転機械１の径方向における外側に突出する第１突出部５５２Ａを含む。第２の円弧状部材５６は、他端部５６２から回転機械１の径方向における外側に突出する第２突出部５６２Ａを含む。締結部５８は、第１突出部５５２Ａに締結される第１締結部５８１と、第２突出部５６２Ａに締結される第２締結部５８２と、を有する。締結部５８（第１締結部５８１、第２締結部５８２）により第１の円弧状部材５５の他端部５５２と第２の円弧状部材５６の他端部５６２とを締結することで、第１締結部５８１と第２締結部５８２との間の間隔が締結前よりも短くなり、第１嵌合溝５５３や第２嵌合溝５６３に第１接合部３２や第２接合部４２が挟持される。これにより、第１接合部３２や第２接合部４２に上記軸方向における相手側に向かう押圧力が作用し、第１面３１と第２面４１とが密着し、第１面３１と第２面４１との間に位置ずれに対する摩擦抵抗を生じさせる。

上記の構成によれば、締結部５８により第１の円弧状部材５５の他端部５５２と第２の円弧状部材５６の他端部５６２とを締結することで、第１の円弧状部材５５および第２の円弧状部材５６により、第１接合部３２と第２接合部４２とが挟持される。これにより、第１接合部３２と第２接合部４２とを締結できる。粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ上記締結装置５による締結力を低減可能である。これにより、上記締結装置５Ｅの小径化が可能であり、ケーシング２やケーシング２を備える回転機械１の設計自由度が向上する。

図１０に示されるように、回転機械１の軸線ＬＡ周りの角度位置について、回動部５７の回動中心ＲＣを０°とし、回動部５７から第２の円弧状部材５６を介して締結部５８に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置αを定義する。
幾つかの実施形態では、図１０に示されるように、上述した粗面領域７は、－６０°≦α≦６０°の条件を満たす角度範囲内に形成された回動部側粗面領域７Ｃを含む。上記の構成によれば、回動部側粗面領域７Ｃは、締結装置５Ｅ（カップリング５４）の締結力が大きく作用するため、面圧が高いものになっている。面圧が高い部分に限定して粗面領域７を設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分に限定して粗面領域７を設けることで、粗面領域７を小さくできるため、粗面領域７を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記の構成によれば、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。なお、粗面領域７は、回動部側粗面領域７Ｃ以外には形成されていなくてもよい。

幾つかの実施形態では、図１０に示されるように、上述した粗面領域７は、１２０°≦α≦２４０°の条件を満たす角度範囲内に形成された締結部側粗面領域７Ｄを含む。上記の構成によれば、締結部側粗面領域７Ｄは、締結装置５Ｅ（カップリング５４）の締結力が大きく作用するため、面圧が高いものになっている。面圧が高い部分に限定して粗面領域７を設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分に限定して粗面領域７を設けることで、粗面領域７を小さくできるため、粗面領域７を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記の構成によれば、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。なお、粗面領域７は、締結部側粗面領域７Ｄ以外には形成されていなくてもよい。

幾つかの実施形態では、図１０に示されるように、上述した粗面領域７は、上述した回動部側粗面領域７Ｃと、上述した締結部側粗面領域７Ｄと、を含む。上記の構成によれば、面圧が高い部分（回動部側粗面領域７Ｃ、締結部側粗面領域７Ｄ）に限定して粗面領域７を設けることで、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。また、回動部側粗面領域７Ｃと締結部側粗面領域７Ｄは、回転機械１の周方向において互いに離れた位置に形成されているため、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の周方向の位置ずれの効果的に抑制できる。なお、粗面領域７は、回動部側粗面領域７Ｃおよび締結部側粗面領域７Ｄを除く部分には、形成されていなくてもよい。

幾つかの実施形態では、上述した第２のハウジング４は、上述した第１のハウジング３よりも硬い材料により形成され、第２のハウジング４の第２面４１に粗面領域７が形成されている。なお、第１のハウジング３や第２のハウジング４の硬さは、硬さ試験の試験結果（例えば、ビッカース硬さの測定値）により評価するようにしてもよい。

図１に示される実施形態では、センターハウジング６６は、コンプレッサハウジング６４よりも硬い材料により形成されている。或る実施形態では、コンプレッサハウジング６４は、アルミニウムを材料としてその形状が形成されており、センターハウジング６６は、鋳鉄を材料としてその形状が形成されている。この場合には、コンプレッサ側面６４１よりも第１センター側面６６１に上述した粗面領域７を形成することが好ましい。

上記の構成によれば、第１のハウジング３よりも硬い材料により形成された第２のハウジング４における第２面４１に粗面領域７を形成することで、第１面３１と第２面４１とが当接したときに、粗面領域７に形成された凸部７４が第１面３１に食い込むため、第１面３１と第２面４１との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。

幾つかの実施形態にかかる回転機械１は、図１に示されるように、上述したケーシング２と、上述したインペラ１２と、を少なくとも備える。上記の構成によれば、複数のハウジング（第１のハウジング３、第２のハウジング４など）により構成されたケーシング２におけるハウジング３、４間の位置ずれを抑制できるため、ケーシング２に少なくとも一部が収容されたアクチュエータの動作不良を抑制できる。アクチュエータの動作不良を抑制することで、回転機械１の信頼性を向上できる。

図１１は、本開示の一実施形態にかかる回転機械のケーシングの製造方法を説明するためのフロー図である。
幾つかの実施形態にかかる回転機械１のケーシング２の製造方法１００は、図１１に示されるように、上述した第１面３１又は第２面４１の少なくとも一方に、レーザー光を照射して複数のレーザー照射痕７１を含む粗面領域７を形成する粗面領域形成ステップＳ１０１を備える。

図１１に示されるように、ケーシング２の製造方法１００は、センターハウジング６６を含むカートリッジを組み立てるカートリッジ組立ステップＳ１０２と、上記カートリッジのセンターハウジング６６にコンプレッサハウジング６４を組み付けるコンプレッサハウジング組付ステップＳ１０３と、上記カートリッジのセンターハウジング６６にタービンハウジング６５を組み付けるタービンハウジング組付ステップＳ１０４と、をさらに備えていてもよい。

カートリッジ組立ステップＳ１０２では、センターハウジング６６にベアリング６３、回転シャフト１１、コンプレッサインペラ６１およびタービン翼６２を組み付け、上記カートリッジを形成することが行われる。コンプレッサハウジング組付ステップＳ１０３では、締結装置５Ａ（５）を介して、コンプレッサ側接合部６４２と第１センター側接合部６６２とを上記軸方向に締結することが行われる。タービンハウジング組付ステップＳ１０４では、締結装置５Ｂ（５）を介して、タービン側接合部６５２と第２センター側接合部６６４とを締結することが行われる。

なお、ケーシング２の製造方法１００は、図１１に示される順序に限定されない。粗面領域形成ステップＳ１０１は、カートリッジ組立ステップＳ１０２よりも前に行ってもよいし、カートリッジ組立ステップＳ１０２よりも後に行ってもよい。コンプレッサハウジング組付ステップＳ１０３は、タービンハウジング組付ステップＳ１０４よりも前に行ってもよいし、タービンハウジング組付ステップＳ１０４よりも後に行ってもよい。

上記の方法によれば、粗面領域形成ステップＳ１０１で形成される粗面領域７は、レーザー光の照射により形成された凹凸を有するため、レーザー光が照射されていない領域７２に比べて、表面が荒く摩擦係数が大きくなっている。摩擦係数が大きな粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の摩擦抵抗を大きなものにできる。また、粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを抑制できる。

幾つかの実施形態では、上述した粗面領域形成ステップＳ１０１では、レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置８から照射されるレーザー光により、粗面領域７が形成される。

上記の方法によれば、第１面３１や第２面４１に出力が１００Ｗ以下のレーザー光を照射することで、好適な表面粗さを有する粗面領域７が形成される。この粗面領域７を第１面３１又は第２面４１に設けることで、第１面３１と第２面４１との間の摩擦抵抗や接着性を効果的に向上させることができる。これにより、第１のハウジング３と第２のハウジング４との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、レーザー光の出力が１００Ｗ以下のレーザーマーカー装置８は、レーザー光の出力が１００Ｗを超えるレーザー光照射装置よりも安価であるため、設備コストの増大化を抑制することができる。

本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。

上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。

１）本開示の少なくとも一実施形態にかかる回転機械（１）のケーシング（２）は、
複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記回転機械（１）の径方向に沿って延在する第１面（３１）を有する第１接合部（３２）を含む第１のハウジング（３）と、
前記径方向に沿って延在して前記第１面（３１）に当接する第２面（４１）を有する第２接合部（４２）を含む第２のハウジング（４）と、
前記第１接合部（３２）と前記第２接合部（４２）とを前記回転機械（１）の軸方向に締結する少なくとも１つの締結装置（５）と、を備え、
前記第１面（３１）又は前記第２面（４１）の少なくとも一方は、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕（７１）が形成された粗面領域（７）を少なくとも一部に含む。

上記１）の構成によれば、粗面領域（７）は、レーザー光の照射により形成された凹凸を有するため、レーザー光が照射されていない領域（７２）に比べて、表面が荒く摩擦係数が大きくなっている。摩擦係数が大きな粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４１）との間の摩擦抵抗を大きなものにできる。また、粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４１）との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを抑制できる。

２）幾つかの実施形態では、上記１）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記粗面領域（７）は、
前記第１面（３１）又は前記第２面（４１）のうちの一方の面に形成された第１の粗面領域（７Ａ）と、
前記一方の面における前記第１の粗面領域（７Ａ）から前記回転機械（１）の周方向に離隔した位置に設けられた第２の粗面領域（７Ｂ）と、を含む。

上記２）の構成によれば、上記一方の面における回転機械（１）の周方向に離隔した位置に第１の粗面領域（７Ａ）と第２の粗面領域（７Ｂ）を設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の上記周方向における位置ずれを効果的に抑制できる。また、上記２）の構成によれば、上記一方の面の全面に亘り粗面領域（７）を設ける場合に比べて、粗面領域（７）を小さくできる。粗面領域（７）を形成するために作業時間は、粗面領域（７）の面積に影響されるため、粗面領域（７）を小さくすることで、粗面領域（７）を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記２）の構成によれば、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

３）幾つかの実施形態では、上記１）又は２）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記第１接合部（３２）は、前記第２接合部（４２）の外周縁部（４３）を嵌合可能な凹部（３３）を有し、
前記少なくとも１つの締結装置（５（５Ｃ））は、
前記第１接合部（３２）の前記凹部（３３）との間に前記第２接合部（４２）の前記外周縁部（４３）を挟み込む内周部（５１１）と、前記第２接合部（４２）よりも前記回転機械（１）の径方向における外側に突出する外周部（５１２）と、を含む支持板（５１）と、
前記第１接合部（３２）に前記支持板（５１）の前記外周部（５１２）を締結する締結ボルト（５２）と、を含む。

上記３）の構成によれば、支持板（５１）と締結ボルト（５２）により、第１接合部（３２）と第２接合部（４２）とを締結できる。粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ締結ボルト（５２）による締結力を低減可能である。これにより、締結ボルト（５２）の小径化が可能であり、ケーシング（２）やケーシング（２）を備える回転機械（１）の設計自由度が向上する。

４）幾つかの実施形態では、上記３）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記締結ボルト（５２）の頭部締結面（５２４）から前記締結ボルト（５２）の締結力作用方向に向かうにつれて前記締結力作用方向に対して傾斜角θだけ拡径する円錐台形空間（５２５）を定義したときに、前記粗面領域（７）は、前記傾斜角θが０°以上３０°以下の条件を満たす前記円錐台形空間（５２５）に存在するように構成された。

上記４）の構成によれば、円錐台形空間（５２５）は、締結ボルト（５２）の締結力が大きく作用するため、第１面（３１）や第２面（４１）の円錐台形空間（５２５）に存在する部分（締結力作用面５２６）は、他の部分よりも面圧が高くなっている。面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、粗面領域（７）を小さくできるため、粗面領域（７）を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記４）の構成によれば、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

５）幾つかの実施形態では、上記１）又は２）に記載の回転機械のケーシングであって、
前記少なくとも１つの締結装置（５（５Ｅ））は、
前記第１接合部（３２）および前記第２接合部（４２）に対して前記径方向における外側から嵌合する第１嵌合溝（５５３）を有するとともに、前記回転機械（１）の周方向に沿って延在する第１の円弧状部材（５５）と、
前記第１接合部（３２）および前記第２接合部（４２）に対して前記径方向における外側から嵌合する第２嵌合溝（５６３）を有するとともに、前記回転機械（１）の周方向に沿って延在する第２の円弧状部材（５６）と、
前記第１の円弧状部材（５５）の一端部（５５１）と前記第２の円弧状部材（５６）の一端部（５６１）とを回動可能に連結するように構成された回動部（５７）と、
前記第１の円弧状部材（５５）の他端部（５５２）と前記第２の円弧状部材（５６）の他端部（５６２）とを締結する締結部（５８）と、を含む。

上記５）の構成によれば、締結部（５８）により第１の円弧状部材（５５）の他端部（５５２）と第２の円弧状部材（５６）の他端部（５６２）とを締結することで、第１の円弧状部材（５５）および第２の円弧状部材（５６）により、第１接合部（３２）と第２接合部（４２）とが挟持される。これにより、第１接合部（３２）と第２接合部（４２）とを締結できる。粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ上記締結装置（５）による締結力を低減可能である。これにより、上記締結装置（５Ｅ）の小径化が可能であり、ケーシング（２）やケーシング（２）を備える回転機械（１）の設計自由度が向上する。

６）幾つかの実施形態では、上記５）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記回転機械（１）の軸線（ＬＡ）周りの角度位置について、前記回動部（５７）の回動中心を０°とし、前記回動部（５７）から前記第２の円弧状部材（５６）を介して前記締結部に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置αを定義した場合に、
前記粗面領域（７）は、－６０°≦α≦６０°の条件を満たす角度範囲内に形成された回動部側粗面領域（７Ｃ）を含む。

上記６）の構成によれば、回動部側粗面領域（７Ｃ）は、締結装置（５Ｅ、カップリング５４）の締結力が大きく作用するため、面圧が高いものになっている。面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、粗面領域（７）を小さくできるため、粗面領域（７）を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記６）の構成によれば、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

７）幾つかの実施形態では、上記５）又は６）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記回転機械（１）の軸線（ＬＡ）周りの角度位置について、前記回動部（５７）の回動中心を０°とし、前記回動部（５７）から前記第２の円弧状部材（５６）を介して前記締結部（５８）に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置αを定義した場合に、
前記粗面領域（７）は、１２０°≦α≦２４０°の条件を満たす角度範囲内に形成された締結部側粗面領域（７Ｄ）を含む。

上記７）の構成によれば、締結部側粗面領域（７Ｄ）は、締結装置（５Ｅ、カップリング５４）の締結力が大きく作用するため、面圧が高いものになっている。面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、面圧が高い部分に限定して粗面領域（７）を設けることで、粗面領域（７）を小さくできるため、粗面領域（７）を形成するための加工コストを低減できる。すなわち、上記６）の構成によれば、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれの抑制しつつ、上記加工コストの低減が図れる。

８）幾つかの実施形態では、上記１）又は２）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記少なくとも１つの締結装置（５（５Ｄ））は、
前記第２接合部（４２）に形成された貫通孔（４１１）を挿通して、前記第１接合部（３２）に螺合する軸部（５３１）と、
前記第１接合部（３２）との間に前記第２接合部（４２）を挟持するように構成された頭部（５３２）と、を含む締結ボルト（５３）を含む。

上記８）の構成によれば、締結ボルト（５３）により、第１接合部（３２）と第２接合部（４２）とを締結できる。粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを抑制できるので、その分だけ締結ボルト（５３）による締結力を低減可能である。これにより、締結ボルト（５３）の小径化が可能であり、ケーシング（２）やケーシング（２）を備える回転機械（１）の設計自由度が向上する。

９）幾つかの実施形態では、上記１）から８）までの何れかに記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記第２のハウジング（４）は、前記第１のハウジング（３）よりも硬い材料により形成され、
前記第２のハウジング（４）の前記第２面（４１）に前記粗面領域（７）が形成された。

上記９）の構成によれば、第１のハウジング（３）よりも硬い材料により形成された第２のハウジング（４）における第２面（４１）に粗面領域（７）を形成することで、第１面（３１）と第２面（４１）とが当接したときに、粗面領域（７）に形成された凸部（７４）が第１面（３１）に食い込むため、第１面（３１）と第２面（４１）との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。

１０）幾つかの実施形態では、上記１）から９）までの何れかに記載の回転機械（１）のケーシング（２）であって、
前記複数のレーザー照射痕（７１）は、レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置（８）から照射される前記レーザー光により形成された。

上記１０）の構成によれば、第１面（３１）や第２面（４１）に出力が１００Ｗ以下のレーザー光を照射することで、好適な表面粗さを有する粗面領域（７）が形成される。この粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４１）との間の摩擦抵抗や接着性を効果的に向上させることができる。これにより、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、レーザー光の出力が１００Ｗ以下のレーザーマーカー装置（８）は、レーザー光の出力が１００Ｗを超えるレーザー光照射装置よりも安価であるため、設備コストの増大化を抑制することができる。

１１）本開示の少なくとも一実施形態にかかる回転機械（１）は、
上記１）から１０）までの何れかに記載の回転機械（１）のケーシング（２）と、
前記ケーシング（２）に回転可能に収容されるインペラ（１２）と、を備える。

上記１１）の構成によれば、複数のハウジング（第１のハウジング３、第２のハウジング４など）により構成されたケーシング（２）におけるハウジング（３、４）間の位置ずれを抑制できるため、ケーシング（２）に少なくとも一部が収容されたアクチュエータの動作不良を抑制できる。アクチュエータの動作不良を抑制することで、回転機械（１）の信頼性を向上できる。

１２）本開示の少なくとも一実施形態にかかる回転機械（１）のケーシング（２）の製造方法（１００）は、
複数のハウジング（３、４）が連結されるように構成された回転機械（１）のケーシング（２）の製造方法（１００）であって、
前記複数のハウジング（３、４）は、
前記回転機械（１）の径方向に沿って延在する第１面（３１）を有する第１接合部（３２）を含む第１のハウジング（３）と、
前記径方向に沿って延在して前記第１面（３１）に当接する第２面（４１）を有する第２接合部（４２）を含む第２のハウジング（４）と、を含み、
前記回転機械（１）のケーシング（２）の製造方法（１００）は、
前記第１面（３１）又は前記第２面（４１）の少なくとも一方に、レーザー光を照射して複数のレーザー照射痕（７１）を含む粗面領域（７）を形成する粗面領域形成ステップ（Ｓ１０１）を備える。

上記１２）の方法によれば、粗面領域形成ステップ（Ｓ１０１）で形成される粗面領域（７）は、レーザー光の照射により形成された凹凸を有するため、レーザー光が照射されていない領域（７２）に比べて、表面が荒く摩擦係数が大きくなっている。摩擦係数が大きな粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４２）との間の摩擦抵抗を大きなものにできる。また、粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４１）との間の接着性を高めることができる。これにより、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを抑制できる。

１３）幾つかの実施形態では、上記１２）に記載の回転機械（１）のケーシング（２）の製造方法（１００）であって、
前記粗面領域形成ステップ（Ｓ１０１）では、前記レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置（８）から照射される前記レーザー光により、前記粗面領域（７）が形成される。

上記１３）の方法によれば、第１面（３１）や第２面（４１）に出力が１００Ｗ以下のレーザー光を照射することで、好適な表面粗さを有する粗面領域（７）が形成される。この粗面領域（７）を第１面（３１）又は第２面（４１）に設けることで、第１面（３１）と第２面（４１）との間の摩擦抵抗や接着性を効果的に向上させることができる。これにより、第１のハウジング（３）と第２のハウジング（４）との間の位置ずれを効果的に抑制できる。また、レーザー光の出力が１００Ｗ以下のレーザーマーカー装置（８）は、レーザー光の出力が１００Ｗを超えるレーザー光照射装置よりも安価であるため、設備コストの増大化を抑制することができる。

１ 回転機械
２ ケーシング
３ 第１のハウジング
４ 第２のハウジング
５，５Ａ～５Ｅ 締結装置
６ ターボチャージャ
７ 粗面領域
７Ａ 第１の粗面領域
７Ｂ 第２の粗面領域
７Ｃ 回動部側粗面領域
７Ｄ 締結部側粗面領域
８ レーザーマーカー装置
１１ 回転シャフト
１２ インペラ
２１ 位置決めピン
３１ 第１面
３２ 第１接合部
３３ 凹部
４１ 第２面
４２ 第２接合部
５１ 支持板
５２，５３ 締結ボルト
５４ カップリング
５５ 第１の円弧状部材
５６ 第２の円弧状部材
５７ 回動部
５８ 締結部
６１ コンプレッサインペラ
６２ タービン翼
６３ ベアリング
６４ コンプレッサハウジング
６５ タービンハウジング
６６ センターハウジング
７１ レーザー照射痕
７２ 領域
７３ 凹部
７４ 凸部
８１ レーザー光照射部
８２ 照射位置調整部
１００ ケーシングの製造方法
ＬＡ 軸線
ＲＣ 回動中心

Claims (13)

1. 複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械のケーシングであって、
   前記回転機械の径方向に沿って延在する第１面を有する第１接合部を含む第１のハウジングと、
   前記径方向に沿って延在して前記第１面に当接する第２面を有する第２接合部を含む第２のハウジングと、
   前記第１接合部と前記第２接合部とを前記回転機械の軸方向に締結する少なくとも１つの締結装置と、を備え、
   前記第１面又は前記第２面の少なくとも一方は、レーザー光の照射により形成された複数のレーザー照射痕が形成された粗面領域を少なくとも一部に含む、
   回転機械のケーシング。
2. 前記粗面領域は、
   前記第１面又は前記第２面のうちの一方の面に形成された第１の粗面領域と、
   前記一方の面における前記第１の粗面領域から前記回転機械の周方向に離隔した位置に設けられた第２の粗面領域と、を含む、
   請求項１に記載の回転機械のケーシング。
3. 前記第１接合部は、前記第２接合部の外周縁部を嵌合可能な凹部を有し、
   前記少なくとも１つの締結装置は、
   前記第１接合部の前記凹部との間に前記第２接合部の前記外周縁部を挟み込む内周部と、前記第２接合部よりも前記回転機械の径方向における外側に突出する外周部と、を含む支持板と、
   前記第１接合部に前記支持板の前記外周部を締結する締結ボルトと、を含む、
   請求項１又は２に記載の回転機械のケーシング。
4. 前記締結ボルトの頭部締結面から前記締結ボルトの締結力作用方向に向かうにつれて前記締結力作用方向に対して傾斜角θだけ拡径する円錐台形空間を定義したときに、前記粗面領域は、前記傾斜角θが０°以上３０°以下の条件を満たす前記円錐台形空間に存在するように構成された、
   請求項３に記載の回転機械のケーシング。
5. 前記少なくとも１つの締結装置は、
   前記第１接合部および前記第２接合部に対して前記径方向における外側から嵌合する第１嵌合溝を有するとともに、前記回転機械の周方向に沿って延在する第１の円弧状部材と、
   前記第１接合部および前記第２接合部に対して前記径方向における外側から嵌合する第２嵌合溝を有するとともに、前記回転機械の周方向に沿って延在する第２の円弧状部材と、
   前記第１の円弧状部材の一端部と前記第２の円弧状部材の一端部とを回動可能に連結するように構成された回動部と、
   前記第１の円弧状部材の他端部と前記第２の円弧状部材の他端部とを締結する締結部と、を含む、
   請求項１又は２に記載の回転機械のケーシング。
6. 前記回転機械の軸線周りの角度位置について、前記回動部の回動中心を０°とし、前記回動部から前記第２の円弧状部材を介して前記締結部に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置αを定義した場合に、
   前記粗面領域は、－６０°≦α≦６０°の条件を満たす角度範囲内に形成された回動部側粗面領域を含む、
   請求項５に記載の回転機械のケーシング。
7. 前記回転機械の軸線周りの角度位置について、前記回動部の回動中心を０°とし、前記回動部から前記第２の円弧状部材を介して前記締結部に向かって徐々に角度が大きくなるように角度位置αを定義した場合に、
   前記粗面領域は、１２０°≦α≦２４０°の条件を満たす角度範囲内に形成された締結部側粗面領域を含む、
   請求項５又は６に記載の回転機械のケーシング。
8. 前記少なくとも１つの締結装置は、
   前記第２接合部に形成された貫通孔を挿通して、前記第１接合部に螺合する軸部と、
   前記第１接合部との間に前記第２接合部を挟持するように構成された頭部と、を含む締結ボルトを含む、
   請求項１又は２に記載の回転機械のケーシング。
9. 前記第２のハウジングは、前記第１のハウジングよりも硬い材料により形成され、
   前記第２のハウジングの前記第２面に前記粗面領域が形成された、
   請求項１乃至８の何れか１項に記載の回転機械のケーシング。
10. 前記複数のレーザー照射痕は、レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置から照射される前記レーザー光により形成された、
    請求項１乃至９の何れか１項に記載の回転機械のケーシング。
11. 請求項１乃至１０の何れか一項に記載のケーシングと、
    前記ケーシングに回転可能に収容されるインペラと、を備える、
    回転機械。
12. 複数のハウジングが連結されるように構成された回転機械のケーシングの製造方法であって、
    前記複数のハウジングは、
    前記回転機械の径方向に沿って延在する第１面を有する第１接合部を含む第１のハウジングと、
    前記径方向に沿って延在して前記第１面に当接する第２面を有する第２接合部を含む第２のハウジングと、を含み、
    前記回転機械のケーシングの製造方法は、
    前記第１面又は前記第２面の少なくとも一方に、レーザー光を照射して複数のレーザー照射痕を含む粗面領域を形成する粗面領域形成ステップを備える、
    回転機械のケーシングの製造方法。
13. 前記粗面領域形成ステップでは、前記レーザー光の出力が１００Ｗ以下であるレーザーマーカー装置から照射される前記レーザー光により、前記粗面領域が形成される、
    請求項１２に記載の回転機械のケーシングの製造方法。

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