JP2012092815A - 過給器 - Google Patents

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Yoshihisa Sanami
容久 佐南
Osamu Sato
佐藤  修
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Abstract

【課題】タービンインペラ2とシャフト4との締結構造の信頼性を向上でき、且つ、安価に製造できる過給器を提供する。
【解決手段】シャフト4のタービン側には、タービンインペラ2を支持する一方の軸端部4aが設けられると共に、その軸端部4aに支持されるタービンインペラ2を軸方向に位置決めするスラスト面10が形成されている。タービンインペラ2には、複数の羽根2aを有するハブ2bの中心部を軸心方向に貫通する中心孔2cが形成されると共に、ハブ2bの外側端面から軸方向に凹設された筒状の窪孔2dを有し、この窪孔2dの底面中央部に中心孔2cの一端が開口している。このタービンインペラ2は、中心孔2cにシャフト4の一方の軸端部4aが挿通され、ハブ2bの内側端面をスラスト面10に当接させた状態で、中心孔2cから突き出る軸端部4aの雄ねじ部11に、窪孔2dの内部に挿入されたナット16を螺着して締め付け固定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、過給器に使用されるタービンインペラとシャフトとの締結構造に関する。
従来、エンジンの排気エネルギを利用して吸入空気を過給する過給器が知られている。 この過給器は、エンジンの排気流路に配置されるタービンインペラと、エンジンの吸気流路に配置されるコンプレッサインペラとをシャフトによって同軸に連結し、エンジンより排出される排気ガスの圧力でタービンインペラを回転させ、その動力でコンプレッサインペラを駆動することにより、圧縮空気(大気圧より高い圧力の空気)をエンジンに供給する構造である。
この過給器において、タービンインペラとシャフトとの締結構造を開示した従来技術(特許文献1、2参照)が公知である。
特許文献1には、図3に示す様に、タービンインペラ100に形成された開口孔101にシャフト110の端部を圧入等の締まり嵌めによって接続する一例(第1の例と呼ぶ)が開示されている。さらに、同文献1には、図4に示す様に、シャフト110の端部に雄ねじ111を形成し、タービンインペラ100の開口孔101の内周に雌ねじ102を形成して、シャフト110の端部をタービンインペラ100の開口孔101にねじ結合して固定する一例(第2の例と呼ぶ)が開示されている。
また、特許文献2では、図5に示す様に、タービンインペラ200に中心孔210が形成され、その中心孔210の端部に軸支持部としての小径内周面211が形成されている。一方、シャフト220の端部には、軸支持部の内側に挿入される小径部221が設けられ、この小径部221の外周面が小径内周面211に接触した状態で溶接等により固定される構造が示されている。
特表2010−521608号公報 特開2008−88855号公報
ところが、特許文献1に開示された第1の例では、タービンインペラ100に形成された開口孔101にシャフト110の端部を圧入等の締まり嵌めによって接続する構造であるため、高温雰囲気下での締結の信頼性が課題となる。つまり、締まり嵌めによる締結構造では、締結時の締め代によって発生した応力が高温雰囲気下で緩和する恐れがあり、適正な締め代を長期に亘って維持することは困難である。従って、応力緩和によって締め代が低下すると、タービンインペラ100とシャフト110とが摺動回転して動力の伝達ロスが発生するため、過給効率が大きく低下する。
また、特許文献1に開示された第2の例では、シャフト110の端部を開口孔101の内周にねじ結合する構造であるため、雄ねじ111と雌ねじ102とのクリアランスによる偏心が問題となる。すなわち、前記クリアランスによりタービンインペラ100に偏心が発生すると、タービンインペラ100の回転バランスが崩れるため、異音の発生および振動の発生を招く原因となる。さらに、ねじ山の摩耗によりクリアランスが増大すると、タービンインペラ100とシャフト110との締結不良に繋がる恐れもあり、締結構造の信頼性にも問題が残る。
特許文献2に開示された締結構造では、タービンインペラ200に形成された中心孔210の全長に渡って軸支持部が設けられることはなく、中心孔210の軸方向端部だけに軸支持部としての小径内周面211が形成されている。この場合、中心孔210の全長に軸支持部を設けた構造と比較すると、小径部221が設けられるシャフト220の先端部だけを片持ち支持することになるため、タービンインペラ200のバランス調整時にシャフト220が振れやすくなり、精度の良いバランス調整を行うことは困難である。
また、タービンインペラ200とシャフト220を溶接によって固定する構造では、タービンインペラ200とシャフト220とを同心に合わせて溶接した後、所定の寸法に調整する精密加工を行う必要があるため、工数が多く、製造コストが高くなる問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、タービンインペラとシャフトとの締結構造の信頼性を向上でき、且つ、安価に製造できる過給器を提供することにある。
(請求項1に係る発明)
本発明は、軸受を介してハウジングに回転自在に支持されるシャフトと、このシャフトの一端側に固定されて内燃機関の排気流路に配置されるタービンインペラと、シャフトの他端側に固定されて内燃機関の吸気流路に配置されるコンプレッサインペラとを有し、内燃機関の排気エネルギを利用してタービンインペラを回転させ、このタービンインペラの回転動力によりコンプレッサインペラを駆動して内燃機関に圧縮空気を供給する過給器であって、シャフトの一端側には、外周にねじ山を形成した一方の軸端部が設けられると共に、一方の軸端部に支持されるタービンインペラを軸方向に位置決めするスラスト面が形成され、タービンインペラは、回転中心であるハブの中心部を軸心方向に貫通する中心孔を有し、この中心孔に一方の軸端部が挿通され、ハブの軸方向端面をスラスト面に当接させた状態で、中心孔より突き出る軸端部のねじ山にナットを螺着して締め付け固定されることを特徴とする。
本発明では、タービンインペラに形成された中心孔にシャフトを圧入等の締まり嵌めによって固定する必要はなく、タービンインペラの中心孔にシャフトの一方の軸端部を挿通した後、中心孔より突き出る軸端部のねじ山にナットを螺着して締め付けることにより、シャフトに形成されたスラスト面にタービンインペラを押圧して固定できる。
上記の締結構造によれば、タービンインペラをシャフトに固定した状態ではなく、単独でバランス調整を行うことができ、シャフトとタービンインペラを締結した後のバランス調整は、例えば、ナットを削ることで対応できる。
また、特許文献1に開示された第1の例では、タービンインペラとシャフトとの締結が圧入等の締まり嵌め構造であるため、高温雰囲気下での応力緩和による締め代の低下により、タービンインペラとシャフトとが摺動回転して動力の伝達ロスが発生するが、本発明では、タービンインペラとシャフトとの締結が圧入等の締まり嵌めに依存していないので、高温雰囲気下での締結の信頼性低下を抑えられる。
さらに、特許文献1に開示された第2の例では、雄ねじと雌ねじとのクリアランスによる偏心が問題となるが、本発明では、中心孔の内周に雌ねじを形成するのではなく、中心孔にシャフトの軸端部を挿通し、その軸端部に形成されたねじ山にナットを螺着して締め付ける構造であるため、雄ねじと雌ねじとのクリアランスによる偏心が生じることはなく、タービンインペラの回転バランスが崩れることはない。
また、特許文献2に示される従来技術は、タービンインペラとシャフトとを溶接等によって固定する構造であるため、タービンインペラとシャフトとを同心に合わせて溶接した後、所定の寸法に調整する精密加工を必要とするが、本発明では、溶接によって固定する必要はないので、溶接時の熱による変形がタービンインペラに生じることはない。従って、タービンインペラをシャフトに締結した後、所定の寸法に精密加工する必要はないので、特許文献2に開示された一連の工程(治具等によりタービンインペラとシャフトとを同心に合わせる工程、溶接工程、溶接後の寸法調整)が不要であり、製造コストの低減を図ることが出来る。
(請求項2に係る発明)
請求項1に記載した過給器において、タービンインペラのハブは、中心孔に軸端部を挿通する方向と反対側の端面から軸方向に凹設された窪孔を有し、この窪孔の底面に中心孔が開口して形成され、ナットは、窪孔の内部に挿入されて軸端部のねじ山に螺着され、ナットの締め付け力が窪孔の底面に付与されることを特徴とする。
上記の構成によれば、タービンインペラのハブに形成された窪孔の内部にナットを配置できるので、内燃機関より排出される高温の排気ガスから受ける熱の影響を低減できる。その結果、熱の影響によるナットの変形が抑えられ、ナットの必要締め付け力を維持できるので、締結の信頼性を保つことができる。
(請求項3に係る発明)
請求項2に記載した過給器において、窪孔の底面に開口する中心孔より窪孔の内部へ突き出る軸端部、および、この軸端部のねじ山に螺着されるナットを覆って窪孔の開口部を塞ぐカバーを有し、このカバーには、内側と外側とを連通する呼吸孔が形成されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、窪孔の内部に配置されるナットをカバーで覆うことにより、排気ガスの熱からナットを保護できるので、熱の影響によるナットの変形を抑えられる。
また、カバーに呼吸孔を形成しているので、高温雰囲気下でカバー内部の空気が膨張した際に、呼吸孔を通じてカバー内部の圧力をカバーの外側へ逃がすことができ、圧力上昇によるカバーの破損および脱落を防止できる。
(請求項4に係る発明)
請求項3に記載した過給器において、窪孔の内周面には、窪孔の入口から底面に向かう深さ方向の途中に段差部が設けられ、この段差部より入口側の方が底面側より内径が小さく形成され、カバーは、窪孔の内周に挿入され、且つ、カバーの外周縁部が段差部に係合した状態で取り付けられることを特徴とする。
上記の構成によれば、カバーを窪孔の内周に挿入するだけで容易に取り付けることができ、且つ、窪孔の内周面に形成された段差部にカバーの外周縁部を係合させることで、窪孔からのカバーの脱落を防止できる。
(請求項5に係る発明)
請求項1〜4に記載した何れか一つの過給器において、シャフトの他端側には、外周にねじ山を形成した他方の軸端部が設けられ、コンプレッサインペラは、他方の軸端部に嵌合して取り付けられ、且つ、他方の軸端部に形成されたねじ山にナットを螺着して締め付け固定され、シャフトは、一方の軸端部に形成されるねじ山と、他方の軸端部に形成されるねじ山とで、互いのねじ径が異なることを特徴とする。
上記の構成によれば、シャフトに対するタービンインペラとコンプレッサインペラとの誤組み付けを防止できる。また、ねじ径の違いを利用して、組付け作業手順の間違いを無くすことができる。
(請求項6に係る発明)
請求項5に記載した過給器において、シャフトの一方の軸端部に形成されたねじ山と、シャフトの他方の軸端部に形成されたねじ山は、互いのねじ方向が逆向きに設定され、且つ、一方の軸端部にねじ結合されるナットと、他方の軸端部にねじ結合されるナットは、タービンインペラが回転する方向と逆方向の回転で締まることを特徴とする。
本発明では、例えば、一方の軸端部に右ねじ(または左ねじ)が形成され、他方の軸端部に左ねじ(または右ねじ)が形成される。この場合、シャフトにタービンインペラを締結するナットは、一方の軸端部に形成された右ねじに対し、右方向(時計回り方向)に回すことで前進する、つまり、タービンインペラを締め付ける方向へ進む。また、シャフトにコンプレッサインペラを締結するナットは、他方の軸端部に形成された左ねじに対し、左方向(反時計回り方向)に回すことで前進する、つまり、コンプレッサインペラを締め付ける方向へ進む。これにより、排気ガスの圧力を受けてタービンインペラが回転する時、すなわち、シャフトの回転時にナットの緩みを抑制できる。
(請求項7に係る発明)
請求項1〜6に記載した何れか一つの過給器において、シャフトおよびナットに使用される材料は、耐熱性鋼材であることを特徴とする。
上記の構成により、高温雰囲気下での信頼性を確保できる。
実施例1に示す過給器の断面図である。 実施例1に示す過給器を分解した各構成部品の断面図である。 特許文献1に開示されたタービンインペラとシャフトとの締結構造を示す断面図である(第1の例)。 特許文献1に開示されたタービンインペラとシャフトとの締結構造を示す断面図である(第2の例)。 特許文献2に開示されたタービンインペラとシャフトとの締結構造を示す断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示す過給器1は、例えば、自動車のエンジンに適用されるもので、排気ガスのエネルギを利用して吸入空気を過給するターボチャージャであり、排気ガスの圧力を回転力に変換するタービンインペラ2と、エンジンの吸入空気を圧縮するコンプレッサインペラ3と、タービンインペラ2とコンプレッサインペラ3とを連結するシャフト4(タービン軸と呼ばれることもある)等より構成され、このシャフト4が軸受5を介してベアリングハウジング6に回転自在に支持されている。なお、軸受5は、例えば、軸受5の内外面に油膜が形成される円筒状のフローティングメタルが使用され、ベアリングハウジング6に形成された油路7を通じて潤滑油(例えばエンジンオイル)が供給される。
タービンインペラ2は、シャフト4の一端側(図示右側)に固定され、タービンハウジング8の内部に収容される。タービンハウジング8は、エンジンの排気流路の途中、例えば、エキゾーストマニホールドの下流側に接続され、図1に示す様に、ベアリングハウジング6の一端側に取り付けられる。
コンプレッサインペラ3は、シャフト4の他端側(図示左側)に固定され、コンプレッサハウジング9の内部に収容される。コンプレッサハウジング9は、エンジンの吸気流路の途中、例えば、インテークマニホールドの上流側に接続され、図1に示す様に、ベアリングハウジング6の他端側に取り付けられる。
次に、シャフト4の構造を図2を基に説明する。
なお、以下の説明では、シャフト4の一端側(図示右側)をタービン側、シャフト4の他端側(図示左側)をコンプレッサ側と呼ぶ。
シャフト4のタービン側には、タービンインペラ2を支持する一方の軸端部4aが設けられると共に、この軸端部4aに支持されるタービンインペラ2を軸方向に位置決めするスラスト面10が形成されている。このスラスト面10は、シャフト4の軸線方向と直交して形成される。一方の軸端部4aは、スラスト面10よりシャフト4の先端方向(図示右方向)に突き出て設けられ、且つ、スラスト面10より所定距離だけ離れた位置から先端部の外周にねじ山が形成されている。ねじ山が形成された部分(以下、雄ねじ部11と呼ぶ)とスラスト面10との間は、雄ねじ部11のねじ径と同寸法の外径を有する円柱形状である。
シャフト4のコンプレッサ側には、コンプレッサインペラ3を支持する他方の軸端部4bが設けられると共に、この軸端部4bに支持されるコンプレッサインペラ3をブッシュ12とカラー13を介して軸方向に位置決めするスラスト面14が形成されている。このスラスト面14は、シャフト4の軸線方向と直交して形成される。
他方の軸端部4bは、スラスト面14よりシャフト4の先端方向(図示左方向)に突き出て設けられ、且つ、スラスト面14より所定距離だけ離れた位置から先端部の外周にねじ山が形成されている。ねじ山が形成された部分(以下、雄ねじ部15と呼ぶ)とスラスト面14との間は、雄ねじ部15のねじ径と同寸法の外径を有する断面円形の棒状に形成されている。
なお、一方の軸端部4aに形成される雄ねじ部11と、他方の軸端部4bに形成される雄ねじ部15は、互いのねじ方向が逆向きに設定されている。例えば、一方の軸端部4aに右ねじ(または左ねじ)が形成され、他方の軸端部4bに左ねじ(または右ねじ)が形成される。
また、一方の軸端部4aに形成される雄ねじ部11と、他方の軸端部4bに形成される雄ねじ部15は、互いのねじ径が異なっている。実施例1では、高温雰囲気下で使用されるタービン側の方がコンプレッサ側よりねじ径が大きく設定されている。一例を記載すると、タービン側のねじ径がM6、コンプレッサ側のねじ径がM4、あるいは、タービン側のねじ径がM8、コンプレッサ側のねじ径がM4である。これらの数字(ねじ径)は、過給器1の種類、大きさ等によって適宜に設計されるものであり、上記のねじ径に限定されるものでないことは言うまでもない。
次に、タービンインペラ2とシャフト4との締結構造について説明する。
タービンインペラ2には、図2に示す様に、複数の羽根2aを有するハブ2bの中心部を軸心方向(図示左右方向)に貫通する中心孔2cが形成されている。また、タービンインペラ2は、ハブ2bの軸方向外側(反コンプレッサ側)の端面から軸方向内側に凹設された筒状の窪孔2dを有し、この窪孔2dの底面中央部に中心孔2cの一端が開口している。なお、ハブ2bに形成された中心孔2cの内径は、シャフト4の一方の軸端部4aを無理なく挿通できる程度に、軸端部4aの外径より僅かに大きく形成されている。
このタービンインペラ2は、中心孔2cにシャフト4の一方の軸端部4aが挿通され、ハブ2bの軸方向内側(コンプレッサ側)の端面をシャフト4のスラスト面10に当接させた状態で、中心孔2cの一端より突き出る軸端部4aの雄ねじ部11にナット16を螺着して締め付けることにより、その締め付け力が窪孔2dの底面に付与されて、スラスト面10との間に押圧固定される(図1参照)。
なお、タービン側のナット16およびシャフト4の材料には、耐熱性に優れた金属(例えば、ステンレス鋼等の耐熱性鋼材)が使用される。
また、窪孔2dの内周面には、図2に示す様に、窪孔2dの開口面である入口から底面に向かう深さ方向の途中に段差部2eが設けられ、この段差部2eより入口側の方が底面側より内径が小さく形成されている。この窪孔2dには、中心孔2cを挿通して窪孔2dの内部へ突き出る軸端部4aおよび雄ねじ部11に螺着されるナット16を覆うカバー17が取り付けられる。
カバー17は、例えば、円形状の平板面17aと、この平板面17aの外周縁からテーパ状に傾斜するテーパ側面17bとを有し、このテーパ側面17bの外周縁部に径方向の外側へ鍔状に突き出る突起部17cが設けられている。また、カバー17には、平板面17aを板厚方向に貫通する複数の呼吸孔17dが形成されている。このカバー17は、図1に示す様に、窪孔2dの入口から内部へ挿入され、テーパ側面17bの外周縁部に設けられた突起部17cを窪孔2dの内周面に形成された段差部2eに係合させた状態で取り付けられる。
続いて、コンプレッサインペラ3とシャフト4との締結構造について説明する。
コンプレッサインペラ3は、図2に示す様に、複数の羽根3aを有するハブ3bの中心部を軸心方向(図示左右方向)に貫通する中心孔3cが形成されている。なお、ハブ3bに形成された中心孔3cの内径は、シャフト4の他方の軸端部4bを無理なく挿通できる程度に、軸端部4bの外径より僅かに大きく形成されている。このコンプレッサインペラ3は、中心孔3cにシャフト4の他方の軸端部4bが挿通され、ハブ3bの軸方向内側(タービン側)の端面をカラー13の軸方向端面に当接させた状態で、中心孔3cの他端より突き出る軸端部4bの雄ねじ部15にナット18を螺着して締め付けることにより、その締め付け力がハブ3bの端面に付与されて、カラー13との間に押圧固定される。
なお、一方の軸端部4aに形成された雄ねじ部11に螺着されるナット16と、他方の軸端部4bに形成された雄ねじ部15に螺着されるナット18は、排気エネルギによってタービンインペラ2が回転する方向、つまり、シャフト4の回転方向と逆方向に回すことで締めつけ力を得ることが出来る。
(実施例1の作用および効果)
実施例1に記載したタービンインペラ2とシャフト4との締結構造では、タービンインペラ2のハブ2bに形成された中心孔2cにシャフト4を圧入等の締まり嵌めによって固定する必要はなく、タービンインペラ2の中心孔2cにシャフト4の一方の軸端部4aを挿通した後、中心孔2cより突き出る軸端部4aの雄ねじ部11にナット16を螺着して締め付けることにより、タービンインペラ2をシャフト4に固定できる。この締結構造によれば、タービンインペラ2をシャフト4に固定した状態ではなく、タービンインペラ2を単独でバランス調整することができ、タービンインペラ2をシャフト4に固定した後のバランス調整は、例えば、ナット16を削ることで対応できる。
また、タービンインペラ2とシャフト4との締結が圧入等の締まり嵌めに依存していないので、高温雰囲気下での締結の信頼性低下を抑えられる。
実施例1に記載したタービンインペラ2とシャフト4は、ハブ2bに形成された中心孔2cの内周にシャフト4の軸端部4aをねじ結合する構造ではない、つまり、中心孔2cの内周に雌ねじを形成していないので、特許文献1の第2の例に記載した雄ねじと雌ねじとのクリアランスによるタービンインペラ2の偏心が問題となることはない。これにより、タービンインペラ2の回転バランスが崩れることはなく、異音の発生および振動の発生を抑制できる。また、実施例1に係るタービンインペラ2とシャフト4との締結は、ねじ山の摩耗によって雄ねじと雌ねじとのクリアランスが増大する構造でもないので、その雄ねじと雌ねじとのクリアランス増大に起因する締結不良を生じることもなく、締結の信頼性を保つことが出来る。
さらに、実施例1では、タービンインペラ2とシャフト4とを溶接によって固定する必要はないので、締結時(溶接時)の熱影響による変形がタービンインペラ2に生じることはない。この場合、タービンインペラ2をシャフト4にナット16で締結した後、所定の寸法に精密加工する必要はないので、特許文献2に開示された一連の工程(治具等によりタービンインペラ2とシャフト4とを同心に合わせる工程、溶接工程、溶接後の寸法調整)が不要であり、製造コストの低減を図ることができる。また、上記のように、タービンインペラ2を単独でバランス調整できるので、特許文献2に開示された従来技術のように、タービンインペラ2のバランス調整時にシャフト4が振れることはなく、精度の良いバランス調整を行うことができる。
また、実施例1に記載した構成では、タービンインペラ2のハブ2bに窪孔2dを形成し、その窪孔2dの内部にナット16を配置すると共に、窪孔2dにカバー17を取り付けることで、シャフト4の軸端部4aおよびナット16を覆うことができる。これにより、エンジンから排出される高温の排気ガスがシャフト4の軸端部4aおよびナット16に直接触れることを抑制できる。言い換えると、排気ガスの熱からシャフト4の軸端部4aおよびナット16を保護できるので、高熱の影響による軸端部4aおよびナット16の変形を防止できる。その結果、ナット16の締め付け力低下が抑えられ、締結の信頼性を保つことができる。
さらに、カバー17には、複数の呼吸孔17dが形成されているので、高温雰囲気下でカバー17の内部(窪孔2dの内部)の空気が膨張した際に、呼吸孔17dを通じてカバー17の内部の圧力をカバー17の外側へ逃がすことができる。その結果、空気の膨張による圧力上昇によってカバー17が破損する、あるいは、窪孔2dから脱落することを防止できる。また、カバー17は、窪孔2dの内部に挿入した後、カバー17の外周縁部に設けられた突起部17cを窪孔2dの内周面に形成される段差部2eに係合するだけで容易に取り付けることができ、且つ、着脱も可能であるため、カバー17の取り替えも簡単にできる。
実施例1に記載したシャフト4は、タービン側の雄ねじ部11と、コンプレッサ側の雄ねじ部15とで、互いのねじ径が異なるため、シャフト4の両端にタービンインペラ2とコンプレッサインペラ3とが誤って組み付けられることを防止できる。つまり、コンプレッサ側の雄ねじ部15よりタービン側の雄ねじ部11の方がねじ径が大きいため、コンプレッサインペラ3のハブ3bに形成された中心孔3cにタービン側の雄ねじ部11を通すことは不可能であり、タービン側の雄ねじ部11にコンプレッサインペラ3が誤って組み付けられることはない。一方、タービンインペラ2のハブ2bに形成された中心孔2cにコンプレッサ側の雄ねじ部15を通すことは可能であるが、ガタツキが大きくなるため、コンプレッサ側の雄ねじ部15にタービンインペラ2が誤って組み付けられることも防止できる。また、タービン側の雄ねじ部11とコンプレッサ側の雄ねじ部15とで、互いのねじ径が異なることを利用して、組付け作業手順の間違いを無くすこともできる。すなわち、シャフト4に対するタービンインペラ2とコンプレッサインペラ3の誤組み付けを防止できるので、その作業手順を間違うこともなく、決められた手順通りに組み付け作業を行うことができる。
さらに、タービン側の雄ねじ部11とコンプレッサ側の雄ねじ部15は、互いのねじ方向が逆向きに設定され、且つ、タービン側の雄ねじ部11に螺着されるナット16と、コンプレッサ側の雄ねじ部15に螺着されるナット18は、タービンインペラ2が回転する方向と逆方向の回転で締まるように設定される。例えば、タービン側の雄ねじ部11を右ねじ、コンプレッサ側の雄ねじ部15を左ねじとすると、タービン側の雄ねじ部11に螺着されるナット16は、右方向(時計回り方向)に回すことで前進する、つまり、タービンインペラ2を締め付ける方向へ進む。一方、コンプレッサ側の雄ねじ部15に螺着されるナット18は、左方向(反時計回り方向)に回すことで前進する、つまり、コンプレッサインペラ3を締め付ける方向へ進む。これにより、排気ガスの圧力を受けてタービンインペラ2が回転する時にナット16、18の緩みを抑制できるので、締結の信頼性を確保できる。
(変形例)
実施例1では、タービンインペラ2のハブ2bに窪孔2dを形成して、その窪孔2dの内部にナット16を配置する構成を示しているが、窪孔2dのないハブ形状でも良い。つまり、タービンインペラ2のハブ2bに窪孔2dを形成することなく、ハブ2bの軸方向外側の端面よりシャフト4の一方の軸端部4aが突き出ており、その軸端部4aに形成された雄ねじ部11にナット16を螺着して締め付け固定する構造でも良い。
また、実施例1では、シャフト4を支持する軸受5にフローティングメタルを採用する一例を記載したが、フローティングメタルに限定されるものではなく、例えば、ボールベアリングを用いることも可能である。
1 過給器
2 タービンインペラ
2b タービンインペラのハブ
2c タービンインペラのハブに形成される中心孔
2d ハブに凹設された窪孔
2e 窪孔の内周面に形成される段差部
3 コンプレッサインペラ
4 シャフト
4a 一方の軸端部
4b 他方の軸端部
5 軸受
6 ベアリングハウジング(ハウジング)
10 スラスト面
11 雄ねじ部(一方の軸端部に形成されたねじ山)
15 雄ねじ部(他方の軸端部に形成されたねじ山)
16 タービン側のナット
17 カバー
17d カバーの呼吸孔
18 コンプレッサ側のナット

Claims (7)

  1. 軸受を介してハウジングに回転自在に支持されるシャフトと、
    このシャフトの一端側に固定されて内燃機関の排気流路に配置されるタービンインペラと、
    前記シャフトの他端側に固定されて前記内燃機関の吸気流路に配置されるコンプレッサインペラとを有し、
    前記内燃機関の排気エネルギを利用して前記タービンインペラを回転させ、このタービンインペラの回転動力により前記コンプレッサインペラを駆動して前記内燃機関に圧縮空気を供給する過給器であって、
    前記シャフトの一端側には、外周にねじ山を形成した一方の軸端部が設けられると共に、前記一方の軸端部に支持される前記タービンインペラを軸方向に位置決めするスラスト面が形成され、
    前記タービンインペラは、回転中心であるハブの中心部を軸心方向に貫通する中心孔を有し、この中心孔に前記一方の軸端部が挿通され、前記ハブの軸方向端面を前記スラスト面に当接させた状態で、前記中心孔より突き出る前記軸端部のねじ山にナットを螺着して締め付け固定されることを特徴とする過給器。
  2. 請求項1に記載した過給器において、
    前記タービンインペラのハブは、前記中心孔に前記軸端部を挿通する方向と反対側の端面から軸方向に凹設された窪孔を有し、この窪孔の底面に前記中心孔が開口して形成され、
    前記ナットは、前記窪孔の内部に挿入されて前記軸端部のねじ山に螺着され、前記ナットの締め付け力が前記窪孔の底面に付与されることを特徴とする過給器。
  3. 請求項2に記載した過給器において、
    前記窪孔の底面に開口する前記中心孔より前記窪孔の内部へ突き出る前記軸端部、および、この軸端部のねじ山に螺着される前記ナットを覆って前記窪孔の開口部を塞ぐカバーを有し、このカバーには、内側と外側とを連通する呼吸孔が形成されていることを特徴とする過給器。
  4. 請求項3に記載した過給器において、
    前記窪孔の内周面には、前記窪孔の入口から底面に向かう深さ方向の途中に段差部が設けられ、この段差部より入口側の方が底面側より内径が小さく形成され、
    前記カバーは、前記窪孔の内周に挿入され、且つ、前記カバーの外周縁部が前記段差部に係合した状態で取り付けられることを特徴とする過給器。
  5. 請求項1〜4に記載した何れか一つの過給器において、
    前記シャフトの他端側には、外周にねじ山を形成した他方の軸端部が設けられ、
    前記コンプレッサインペラは、前記他方の軸端部に嵌合して取り付けられ、且つ、前記他方の軸端部に形成されたねじ山にナットを螺着して締め付け固定され、
    前記シャフトは、前記一方の軸端部に形成されるねじ山と、前記他方の軸端部に形成されるねじ山とで、互いのねじ径が異なることを特徴とする過給器。
  6. 請求項5に記載した過給器において、
    前記シャフトの一方の軸端部に形成されたねじ山と、前記シャフトの他方の軸端部に形成されたねじ山は、互いのねじ方向が逆向きに設定され、且つ、前記一方の軸端部にねじ結合されるナットと、前記他方の軸端部にねじ結合されるナットは、前記タービンインペラが回転する方向と逆方向の回転で締まることを特徴とする過給器。
  7. 請求項1〜6に記載した何れか一つの過給器において、
    前記シャフトおよび前記ナットに使用される材料は、耐熱性鋼材であることを特徴とする過給器。
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