JP2023003791A - 薬液注入方法 - Google Patents

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Tomohiro Nakajima
桂 金光
Katsura Kanemitsu
宏太 捻金
Kota Nejikane
昌弘 上田
Masahiro Ueda
直宏 大西
Naohiro Onishi
陽平 櫻井
Yohei Sakurai
忠宏 小谷
Tadahiro Kotani
光雄 大川
Mitsuo Okawa
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

Figure 2023003791000001
【課題】地盤に薬液を多く注入させる方向を設定する。
【解決手段】薬液注入方法は、地盤Gを削孔してケーシングパイプ50を建て込むケーシングパイプ工程と、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管100の外周面100Aが接近した接近箇所Sが形成されるように両者の軸心をずらして、ケーシングパイプ50に注入管100を建て込む注入管工程と、ケーシングパイプ50内にグラウト材54を充填する充填工程と、グラウト材54を充填後、ケーシングパイプ50を引き抜く引抜工程と、注入管100に注入パッカー150を挿入して地盤Gへ薬液90を注入する注入工程と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、薬液注入方法に関する。
引用文献1には、改良するべき地盤に地盤注入材料(注入薬液、セメントミルク等)を注入して地盤改良を行う技術が開示されている。この先行技術では、地盤注入装置は、注入管と、その外周部を被覆する弾性型材と、弾性型材の外周部に被覆された熱収縮性部材を備えている。注入管には貫通孔が形成されており、弾性型材は注入管の両端の各々から被せられており且つ貫通孔を被覆しており、弾性型材の外周部には長手方向に延在する溝が形成されており、熱収縮性部材にはスリットが形成されている。
引用文献2には、薬液注入装置およびそれを用いた地盤強化方法に関する技術が開示されている。この先行技術では、薬液注入装置は、軸方向に間隔をおいて削孔径よりも大きく膨出する複数の透水性の袋体を備えた注入外管と、この注入外管に挿入可能な注入内管とで構成され、この注入内管から固化材を袋体内に充填して袋体を膨張させ周辺地盤を圧密するとともにパッカーを形成し、このパッカー間に固化材を注入して所定領域を注入固化する。また、隣接袋体間で注入外管に形成した注入口を、縦状のスリットを設けた可撓性スリーブで被覆している。
特開2014-234671号公報 特開2005-314938号公報
薬液の地盤への注入は、地盤の不均質性等に左右され、均一に広がるとは限らない。例えば、地盤に空洞がある場合、その方向に薬液が多く浸透し、所望の方向への薬液の注入が少なくなる虞がある。
本発明は、上記事実を鑑み、地盤に薬液を多く注入させる方向を設定することができる薬液注入方法を提供することが目的である。
第一態様は、地盤を削孔してケーシングパイプを建て込むケーシングパイプ工程と、前記ケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所両者が接触した接触箇所が形成されるように両者の軸心をずらして、前記ケーシングパイプに前記注入管を建て込む注入管工程と、前記ケーシングパイプ内にグラウト材を充填する充填工程と、前記グラウト材を充填後、前記ケーシングパイプを引き抜く引抜工程と、前記注入管に注入パッカーを挿入して前記地盤へ薬液を注入する注入工程と、を備えた薬液注入方法である。
第一態様の薬液注入方法では、ケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所両者が接触した接触箇所が形成されるように両者の軸心をずらして、ケーシングパイプに注入管を建て込むことで、ケーシングパイプと注入管との間に充填されて硬化したグラウト材に肉薄部又は非充填部が形成される。よって、注入管に注入パッカーを挿入して地盤へ薬液を注入する際に、他よりも肉薄部又は非充填部から薬液が地盤に多く注入される。
このようにケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所又は接触箇所を形成し、硬化したグラウト材に肉薄部又は非充填部を形成することで、地盤に薬液を多く注入させる方向を設定できる。
第二態様は、前記注入管には前記外周面から突出する突出部が設けられ、前記注入管工程では、前記突出部が前記ケーシングパイプの前記内周面に当たり、前記突出部の反対側に前記接近箇所又は前記接触箇所が形成される、第一態様の薬液注入方法である。
第二態様の薬液注入方法では、注入管に設けられた突出部がケーシングパイプの内周面に当たり、突出部の反対側に、ケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所又は両者が接触した接触箇所が形成され、硬化したグラウト材に肉薄部又は非充填部が形成される。よって、注入管に設けられた突出部の反対側を地盤に薬液を多く注入させる方向に設定できる。
第三態様は、前記ケーシングパイプ工程では、前記地盤を斜めに削孔して前記ケーシングパイプを斜めに建て込み、前記注入管工程では、傾斜した前記ケーシングパイプに前記注入管を斜めに建て込み、下側の前記内周面側に前記接近箇所又は前記接触箇所が形成される、第一態様に記載の薬液注入方法である。
第三態様の薬液注入方法では、地盤を斜めに削孔してケーシングパイプを斜めに建て込むと共に傾斜したケーシングパイプに注入管を斜めに建て込むことで、重力によって注入管が傾いた側にケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所又は両者が接触した接触箇所が形成され、硬化したグラウト材に肉薄部が形成される。よって、注入管が傾いた側を地盤に薬液を多く注入させる方向に設定できる。
本発明によれば、地盤に薬液を多く注入させる方向を設定することができる。
薬液の注入工程を示す工程図である。 第一実施形態の薬液注入工程におけるケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所を形成し、この接近箇所に肉薄部を形成する工程を示す工程図である。 グラウト材が硬化したグラウト部に肉薄部が形成された状態の水平断面図である。 第二実施形態の薬液注入工程におけるケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所を形成し、グラウト材が硬化したグラウト部に肉薄部を形成する工程を示す工程図である。 本発明を適用した山留壁の遮水補強を模式的に示す断面図である。 従来方法の山留壁の遮水補強を模式的に示す断面図である。 本発明を適用した遮水壁の構築を模式的に示す断面図である。 従来方法の遮水壁の構築を模式的に示す断面図である。
<第一実施形態>
第一実施形態の薬液注入方法について説明する。
[薬液注入方法]
まず、薬液注入方法の一例について説明する。
図1(A)に示すように、削孔装置10で、地盤Gを削孔して孔20を形成し、ケーシングパイプ50を建て込む(図2(A)も参照)。
図1(B)、図1(C)及び図2(B)に示すように、ケーシングパイプ50内に注入管100を建て込む。
図2(B)に示すように、本実施形態の注入管100は、外周面100Aに突出部110が設けられている。よって、突出部110がケーシングパイプ50の内周面50Aに当たることで、両者の軸心がずれて建て込まれ、突出部110の突出方向の反対側にケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管100の外周面100Aが接近した接近箇所Sが形成される(図3も参照)。別の観点から説明すると、ケーシングパイプ50に注入管100が突出部110の反対側に片寄って建て込まれ、接近箇所Sが形成される(図3参照)。なお、図1では、注入管100の突出部110、接近箇所S及び後述するグラウト部180等は図示されていない。
図2(C)に示すように、ケーシングパイプ50と注入管100との間にグラウト材54を充填する。ここで、グラウト材54は、シールグラウトと呼ばれるもので、後述する薬液90が削孔によってできた空洞部から上部に吹き出すこと等を防止するものである。グラウト材54は、セメントベントナイト等が材料として用いられる。
図1(D)及び図2(D)に示すように、グラウト材54の硬化が完了する前にケーシングパイプ50を引き抜く。これにより、注入管100の周囲に硬化したグラウト材54に肉薄部182と肉厚部184とが形成される(図3も参照)。なお、グラウト材54が硬化して筒状になった状態をグラウト部180とする(図3も参照)。
図1(E)及び図2(E)に示すように、注入管100に注入パッカー150を挿入する。
図1(F)及び図1(G)に示すように、注入パッカー150を引き上げながら、図示されていない供給装置から薬液90を供給し、地盤Gへ薬液90を注入する。薬液90は、グラウト部180(図2(D)及び図3参照)を透過し、地盤Gに注入される。また、図1(G)の符号92は、薬液90が浸透した領域を表している。なお、注入パッカー150を挿入しながら、薬液90を注入してもよい。
なお、図1(F)が一次注入であり、図1(G)が二次注入である。一次注入では薬液90に加えセメントベントナイト等も注入される場合がある。一般的に地盤は、粒度や透水性等が異なる層で構成されているので、不均質である。したがって、図1(F)の一次注入で、薬液90やベントナイト等を注入することで、地盤の水みちや空隙の粗詰め注入を行う。これにより、図1(G)の二次注入での薬液90の逸走を防止する。
また、前述したように、図3に示すグラウト材54が硬化して形成された筒状のグラウト部180は、肉薄部182と肉厚部184とを有している。なお、筒状のグラウト部180の肉厚は、軸方向に沿って一定又は略一定である。
よって、グラウト部180を透過する薬液90(図1(E)及び図1(F)参照)は、抵抗の大きい肉厚部184は少なくなり、抵抗の小さい肉薄部182が多くなる。なお、矢印K1は、後述する薬液90(図1(E)及び図2(F))を多く注入する方向である。
ここで、本実施形態の注入管100及び注入パッカー150は、注入管100に突出部110が設けられている以外は、既存のものと同様の構造である。本実施形態では、周壁にスリット状や円形などの孔を多数穿設した注入管100に、注入パッカー150を挿入して、薬液90を注入パッカー150の上下のパッカー152間(図2参照)から地盤Gに注入するダブルパッカー構造のものを使用しているが、これに限定されるものではない。なお、このことは、後述する第二実施形態においても同様である。
[作用及び効果]
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。
ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管100の外周面100Aが接近した接近箇所Sを形成し、グラウト材54を充填して硬化したグラウト部180に肉薄部182を形成する。肉薄部182は透過する薬液90の量が多いので、肉薄部182から地盤Gに多く薬液90が注入される。
このように、グラウト部180の肉薄部182の方向(矢印K1)に、地盤Gに薬液90を多く注入させることができる。すなわち、地盤Gに薬液90を多く注入させる方向(矢印K1)を設定することができる。別の観点から説明すると、薬液90の注入に、指向性をもたせることができる。
また、注入管100に設けられた突出部110がケーシングパイプ50の内周面50Aに当たり、突出部110の反対側に、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管100の外周面100Aが接近した接近箇所Sが形成され、この接近箇所Sに肉薄部182が形成される。よって、注入管100に設けられた突出部110の反対側を地盤Gに薬液90を多く注入させる方向(矢印K1)に設定することができる。
ここで、薬液90を多く注入させたい方向(以降「K1方向」と記す)が決まっている場合、肉薄部182が形成されていないグラウト部では、薬液90がK1方向以外の他方向にも均等又は略均等に地盤Gに注入される。これに対して、K1方向に肉薄部182が形成されているグラウト部180では、肉薄部182からK1方向に多くの薬液90が地盤Gに注入される。
よって、注入パッカー150に供給した薬液90のK1方向に注入される割合は、肉薄部が形成されていないグラウト部と比較し、肉薄部182が形成されているグラウト部180の方が多いので、効率的にK1方向に薬液90を注入することができる。
<第二実施形態>
第二実施形態の薬液注入方法について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
[薬液注入方法]
まず、薬液注入方法について説明する。なお、図1の工程は、第一実施形態と同じである。但し、本実施形態では、後述するように、地盤Gを斜めに削孔してケーシングパイプ50等を斜めに建て込む点が異なる。グラウト材52(図1参照)の説明は省略する。
図4(A)に示すように、削孔装置10(図1(A)参照)で、地盤Gを斜めに削孔してケーシングパイプ50を斜めに建て込む。
図4(B)に示すように、ケーシングパイプ50内に注入管102を斜めに建て込む。このとき、注入管102は、重力によって傾いた側に軸心がずれて、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管102の外周面102Aが接近した接近箇所Sが形成される(図3参照)。別の観点から説明すると、ケーシングパイプ50に注入管102が傾いた側に片寄って建て込まれ、接近箇所Sが形成される(図3参照)。
なお、「傾いた側」とは、注入管102の上端部が傾いた側であり、図4では左側である。
図4(C)に示すように、ケーシングパイプ50と注入管102との間にグラウト材54を充填する。
図4(D)に示すように、グラウト材54の硬化が完了する前に、ケーシングパイプ50を引き抜く。これにより、注入管102の周囲にグラウト材54が硬化したグラウト部180に肉薄部182と肉厚部184とが形成される(図3も参照)。
図4(E)に示すように、注入管102に注入パッカー150を挿入する。そして、注入パッカー150を引き上げながら、図示されていない供給装置から薬液90を供給し、地盤Gへ薬液90を注入する。
なお、注入管102は、突出部110(図1(C)参照)が設けられていないこと以外は、第一実施形態の注入管100(図1(C)参照)と同様である。
[作用及び効果]
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。
ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管102の外周面102Aが接近した接近箇所Sを形成して、グラウト材54が充填されて硬化したグラウト部180に肉薄部182を形成する。肉薄部182は透過する薬液90の量が多いので、肉薄部182から地盤Gに多く薬液90が注入される。
このように、グラウト部180の肉薄部182の方向(矢印K1)に、地盤Gに薬液90を多く注入させることができる。すなわち、地盤Gに薬液90を多く注入させる方向(矢印K1)を設定することができる。
また、注入管102を傾けた側に、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管102の外周面102Aが接近した接近箇所Sが形成され、この接近箇所Sに肉薄部182が形成される。よって、注入管102を傾けた側を地盤Gに薬液を多く注入させる方向(矢印K1)に設定することができる。
<実施例>
次に、第一実施形態の薬液注入方法又は第二実施形態の薬液注入方法によって、地盤Gに薬液90を多く注入させる方向を設定して施工する実施例について説明する。なお、実施例では、便宜上、第一実施形態の薬液注入方法で説明するが、第二実施形態の薬液注入方法でも可能である。
[第一実施例]
まず、山留壁のひび割れに薬液を注入して遮水補強する第一実施例について説明する。
図5に示すように、山留壁500には、ひび割れ502が生じている。よって、地盤Gにおける山留壁500の近傍の注入管100から薬液90(図1参照も参照)を注入し、山留壁500のひび割れ502に薬液90を注入して遮水補強する。
なお、山留壁500の近傍には、空洞510があるとする。また、グラウト部180には、欠損部185があるとする。
薬液90が多く注入されるK1方向を山留壁500のひび割れ502に向けることで、欠損部185の方向(矢印K2)と空洞510の方向(矢印K3)への薬液90の注入量が低減されると共にK1方向の薬液90の注入量が増加する。よって、山留壁500のひび割れ502に薬液90が届き充填されるまで必要な薬液90の注入量が少なくて済む。
ここで、図6に示す従来の薬液注入方法で薬液を注入する場合を考える。グラウト部190は、厚みが均一又は略均一とし、欠損部195があるとする。
注入管120から薬液90を注入すると欠損部195の方向(矢印K2)と空洞510の方向(矢印K3)方向に薬液90が多く注入され、山留壁500のひび割れ502に薬液90が届き充填されるまで、大量の薬液90を注入する必要がある。
これに対して、図5に示す第一実施形態の薬液注入方法(又は第二実施形態の薬液注入方法)では、前述したように、K1方向の薬液90の注入量が増加するので、山留壁500のひび割れ502に薬液90が届き充填されるまで必要な薬液90の注入量が少なくて済む。
[第二実施例]
次に、地盤に間隔をあけて薬液を注入して遮水壁を構築する第二実施例について説明する。
図7に示すように、従来の薬液注入方法の注入管120及びグラウト部190の列200と、第一実施形態の薬液注入方法の注入管120の列202及びグラウト部180と、から、それぞれ薬液90を注入して硬化させることで遮水壁520を構築する。なお、注入管120及びグラウト部190は、第一実施例と同様である。
列200の注入管120と、列202の第一実施形態の薬液注入方法の注入管100と、は互い違いに配置されている。また、列202の第一実施形態の薬液注入方法における薬液90が多く注入されるK1方向は、列200の注入管120と注入管120との間に向いている。
列200の従来の薬液注入方法では、地盤Gの不均一性のため、薬液90の注入範囲にバラツキが生じる。よって、図7の例では、隙間532、534が生じている。
しかし、前述したように、列202の第一実施形態の薬液注入方法は、薬液90が多く注入されるK1方向が、列200の注入管120と注入管120との間に向いている。よって、隙間532、534に薬液90が注入される。したがって、薬液90が注入される範囲に隙間が生じない又は生じにくい、つまり構築された遮水壁520には隙間が形成されない又は隙間が形成されにくい。
ここで、図8に示す従来の薬液注入方法の注入管120及びグラウト部190の列200、204で薬液90を注入して遮水壁520を構築する場合について説明する。
一方の列200には隙間532、534が生じている。他方の列204の注入管120及びグラウト部190は、地盤Gの不均一性のため、矢印K4及び矢印K5の方向に薬液90が多く注入されるとする。
この場合、隙間532,534に薬液90が注入されないので、遮水壁520に隙間が形成され、地下水の流路Tが形成される虞がある。
これに対して、図7に示す第一実施形態の薬液注入方法では、前述したように、K1方向の薬液90の注入量が増加するので、隙間532、534に薬液90が注入され、遮水壁520に隙間が形成されない又は隙間が形成されにくい。
なお、本実施例では、従来の薬液注入方法の注入管120及びグラウト部190の列200と、第一実施形態の薬液注入方法の注入管100及びグラウト部180の列202と、を併用したが、これに限定されない。第一実施形態の薬液注入方法の注入管100及びグラウト部180の列202を二列並べてもよい。
また、第一実施形態の薬液注入方法の列202が一列であってもよい。この場合は、K1方向を隣の注入管100及びグラウト部180に向けて、言い換えると図における右側又は左側にK1方向を向ける。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、注入管100、102の外周面100A、102Aがケーシングパイプ50の内周面50Aに接近した接近箇所Sを形成、接近箇所Sに肉薄部182を形成したが、これに限定されるのではない。注入管100、102の外周面100A、102Aがケーシングパイプ50の内周面50Aに接触した接触箇所を形成し、接触箇所にグラウト材54が充填されていない非充填部が形成されたグラウト部であってもよい。
第一実施形態及び第二実施形態以外の方法で、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管の外周面が接近した接近箇所S又は接触した接触箇所を形成し、グラウト材54が硬化したグラウト部180に肉薄部182又は非充填部を形成してもよい。例えば、ケーシングパイプ50の内周面50Aに注入管の外周面が接近した接近箇所S又は接触した接触箇所が形成された状態で、地上で支柱管の上端部を固定してもよい。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態は、適宜、組み合わされて実施可能である。
50 ケーシングパイプ
50A 内周面
54 グラウト材
90 薬液
100 注入管
100A 外周面
102 注入管
102A 外周面
110 突出部
150 注入パッカー
G 地盤
S 接近箇所

Claims (3)

  1. 地盤を削孔してケーシングパイプを建て込むケーシングパイプ工程と、
    前記ケーシングパイプの内周面に注入管の外周面が接近した接近箇所又は両者が接触した接触箇所が形成されるように両者の軸心をずらして、前記ケーシングパイプに前記注入管を建て込む注入管工程と、
    前記ケーシングパイプ内にグラウト材を充填する充填工程と、
    前記グラウト材を充填後、前記ケーシングパイプを引き抜く引抜工程と、
    前記注入管に注入パッカーを挿入して前記地盤へ薬液を注入する注入工程と、
    を備えた薬液注入方法。
  2. 前記注入管には前記外周面から突出する突出部が設けられ、
    前記注入管工程では、前記突出部が前記ケーシングパイプの前記内周面に当たり、前記突出部の反対側に前記接近箇所又は前記接触箇所が形成される、
    請求項1に記載の薬液注入方法。
  3. 前記ケーシングパイプ工程では、前記地盤を斜めに削孔して前記ケーシングパイプを斜めに建て込み、
    前記注入管工程では、傾斜した前記ケーシングパイプに前記注入管を斜めに建て込み、前記注入管が傾いた側に前記接近箇所又は前記接触箇所が形成される、
    請求項1に記載の薬液注入方法。
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