JP2023003697A - ガス拡散層及びその製造方法、並びに、固体高分子形燃料電池 - Google Patents

ガス拡散層及びその製造方法、並びに、固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】液水の排出性能が高いガス拡散層及びその製造方法、並びに、このようなガス拡散層を備えた固体高分子形燃料電池を提供すること。【解決手段】ガス拡散層は、導電性材料からなる多孔質の基材と、前記基材の表面に形成されたマイクロポーラス層とを備えている。前記マイクロポーラス層は、ヒビの数密度が2個/mm2以上11個/mm2以下であり、凹部の面積率が11%以上15%以下であるものからなる。このようなガス拡散層は、導電性材料からなる多孔質の基材の表面に、導電性粒子、撥水性樹脂、分散剤、増粘剤、及び水含むスラリーを塗布し、塗膜を乾燥及び焼成することにより得られる。固体高分子形燃料電池は、このようなガス拡散層をカソード側に用いたものからなる。【選択図】図6

Description

本発明は、ガス拡散層及びその製造方法、並びに、固体高分子形燃料電池に関し、さらに詳しくは、液水の排出性能が高いガス拡散層及びその製造方法、並びに、このようなガス拡散層を備えた固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に電極(触媒層)が接合された膜電極接合体(MEA)を備えている。また、固体高分子形燃料電池において、触媒層の外側には、一般に、ガス拡散層が配置される。ガス拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボンペーパー、カーボンクロス等が用いられる。さらに、ガス拡散層の外側には、ガス流路を備えたセパレータが配置される。固体高分子形燃料電池は、通常、このようなMEA、ガス拡散層及びセパレータからなる単セルが複数個積層された構造(燃料電池スタック)を備えている。
固体高分子形燃料電池において、電解質膜が良好なプロトン伝導度を示すには、適度な含水率が必要である。そのため、発電時の燃料電池の温度が高い場合や供給ガス中に含まれる水分量が少ない場合には、電解質膜が乾燥し、性能が低下する。
一方、固体高分子形燃料電池を用いて発電を行うと、カソード側では電極反応により水が生成する。そのため、燃料電池の温度が低く、供給ガス中の水分量が多い場合には、カソード側のガス拡散層内において液水が発生しやすくなる。過剰の液水は、酸素輸送を阻害し、燃料電池の性能を低下させる原因となる。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、カソード側拡散層に穴が設けられ、穴内に水の排出を促進するための多孔質の導水部材が挿入された燃料電池が開示されている。
同文献には、カソード側拡散層に設けられた穴に導水部材を挿入すると、カソード側拡散層内に残留する水が導水部材を通して水の排出が促進される点が記載されている。
特許文献2には、カソード側ガス拡散層に直径1mmを超える貫通穴を設けた固体高分子形燃料電池が開示されている。
同文献には、
(A)氷点下始動時においては、触媒層と拡散層の界面で氷結が生じるために、燃料電池の起動性が損なわれる点、
(B)カソード側ガス拡散層に貫通穴を設けると、主として貫通穴の内周縁において氷結が生じ、触媒層と拡散層の界面における氷結が少なくなる点、及び、
(C)これによって、氷点下始動時における起動性が向上する点
が記載されている。
さらに、特許文献3には、
(a)撥水処理されたカーボンペーパーの表面に、カーボンファイバーが互いに平行に配列するように、カーボンファイバーを含む中間層(撥水層)を形成するためのインクを塗布し、これを乾燥及び焼成し、
(b)剣山を用いて、中間層及びカーボンペーパーを貫通する第1縦穴を形成する
ことにより得られるガス拡散層が開示されている。
同文献には、
(A)縦穴のみでは、ガス拡散層内の水を十分に排出できない点、及び、
(B)中間層にカーボンファイバーを平行に配列させ、かつ、ガス拡散層を貫通する第1縦穴を形成すると、カーボンファイバー間に隙間(水が通る連通路)が形成され、隙間が第1縦穴と連通するために、水の排出が促進される点
が記載されている。
特許文献1~3には、カソード側における液水の排水性能を向上させるための方法が提案されている。しかしながら、従来の方法は、いずれも排水性能が不十分である。
例えば、特許文献1の方法は、排水用の穴の個数密度が小さいために、排水性能が不十分である。
また、特許文献2の方法は、貫通穴の径が大きすぎるために、高電流密度条件下では貫通穴に液水が溜まり、触媒層へのガス供給を阻害する。
さらに、特許文献3の方法は、カーボン繊維はガスが通る微細孔を有さないため、貫通穴(第1縦穴)があっても、液水発生時に中間層に水が溜まった時点で、ガス拡散性が顕著に低下する。
そのため、従来の方法では、液水が発生しやすい環境下における発電性能(冷間電圧)の低下を抑制することができない。
特開2008-034301号公報 特開2011-249193号公報 特開2008-277126号公報
本発明が解決しようとする課題は、液水の排出性能が高いガス拡散層及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このようなガス拡散層を備えた固体高分子形燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るガス拡散層は、
導電性材料からなる多孔質の基材と、
前記基材の表面に形成されたマイクロポーラス層と
を備え、
前記マイクロポーラス層は、
ヒビの数密度が2個/mm2以上11個/mm2以下であり、
凹部の面積率が11%以上15%以下であるものからなる。
本発明に係る固体高分子形燃料電池は、以下の構成を備えている。
(1)前記固体高分子形燃料電池は、
固体高分子電解質膜からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと、
前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと
を備えている。
(2)前記カソード側ガス拡散層は、本発明に係るガス拡散層からなる。
本発明に係るガス拡散層の製造方法は、
導電性材料からなる多孔質の基材を準備する第1工程と、
導電性粒子と、撥水性樹脂と、分散剤と、増粘剤と、水とを混合し、スラリーを調製する第2工程と、
前記基材の表面に前記スラリーを塗布し、乾燥させる第3工程と、
前記基材を焼成し、本発明に係るガス拡散層を得る第4工程と
を備えている。
多孔質の基材表面にマイクロポーラス層を形成する場合において、製造条件を最適化すると、ヒビの数密度及び凹部の面積率が所定の範囲にあるガス拡散層が得られる。
次に、このようなガス拡散層を用いて固体高分子形燃料電池を作製する場合において、製造条件を最適化すると、カソード側触媒層とマイクロポーラス層との界面に適度な空隙を形成することができる。
マイクロポーラス層のヒビ及びカソード側触媒層/マイクロポーラス層界面の隙間は、いずれも、カソード側の排水性能に影響を与える。そのため、これらが最適となるように製造条件を最適化すると、高い冷間電圧を示す固体高分子形燃料電池が得られる。
X線CT測定用治具の模式図である。 図2(A)は、ガス拡散層(GDL)と触媒コーティング膜(CCM)の積層体の縦断面のX線CT画像の一例である。図2(B)は、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像(隙間を含むもの)である。図2(C)は、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像(ヒビを含むもの)である。
図3(A)は、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像の一例である。図3(B)は、面内断面画像に含まれる隙間の模式図である。図3(C)は、面内断面画像に含まれるヒビの模式図である。 ヒビの数密度と冷間電圧との関係を示す図である。 隙間の被覆率と冷間電圧との関係を示す図である。 隙間の被覆率とヒビの数密度との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. ガス拡散層]
本発明に係るガス拡散層は、
導電性材料からなる多孔質の基材と、
前記基材の表面に形成されたマイクロポーラス層と
を備えている。
[1. ガス拡散層]
[1.1. 基材]
[1.1.1. 材料]
本発明において、基材の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。基材の材料としては、例えば、撥水処理された炭素繊維不織布、撥水処理されたカーボンペーパー、撥水処理されたカーボンクロスなどがある。
[1.1.2. 厚さ]
基材の厚さは、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な厚さを選択することができる。一般に、基材の厚さが薄くなりすぎると、バネ性が低下し、燃料電池に組み付ける際に組み付け不良が生じる場合がある。また、基材の厚さが薄くなりすぎると、フラッディングが増大する場合がある。これは、リブを通じた放熱が促進され、基材の温度が低下するためである。従って、基材の厚さは、70μm以上が好ましい。基材の厚さは、さらに好ましくは、80μm以上、さらに好ましくは、100μm以上である。
一方、基材の厚さが厚くなりすぎると、ガス拡散抵抗が増大し、燃料電池の出力が低下する場合がある。従って、基材の厚さは、300μm以下が好ましい。基材の厚さは、さらに好ましくは、250μm以下、さらに好ましくは、200μm以下である。
[1.1.3. 空隙率]
基材の非圧縮状態の空隙率は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な空隙率を選択することができる。
一般に、非圧縮状態の空隙率が小さくなりすぎると、放熱により温度が低下し、フラッディングの原因となる場合がある。従って、空隙率は、65%以上が好ましい。
一方、非圧縮状態の空隙率が大きくなりすぎると、基材の電気伝導性が不足する場合がある。従って、空隙率は、85%以下が好ましい。
[1.2. マイクロポーラス層]
[1.2.1. 材料]
マイクロポーラス層(以下、「MPL」ともいう)は、基材の触媒層側の表面に形成される。MPLは、触媒層で生成した水の排出を促進させるためのものである。MPLの材料は、このような機能を奏するものである限りにおいて、特に限定されない。MPLは、一般に、導電性材料からなる導電性粒子と、撥水性樹脂との混合物からなる。
導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、黒鉛、活性炭などがある。また、撥水性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレンなどがある。
[1.2.2. ヒビの数密度]
「ヒビ」とは、
(a)始点から終点までの長さ(直線距離)が80μm以上であり、
(b)マイクロポーラス層の表面に現れる幅の最大値が20μm以下であり、かつ、
(c)マイクロポーラス層を貫通している
線状の欠陥をいう。
「ヒビの数密度(個/mm2)」とは、単位面積当たりのヒビの個数であって、MPLの表面の観察領域に現れるヒビの個数Nを、観察領域の面積S(≧27mm2)で除した値(=N/S)をいう。
MPL内のヒビは、触媒層で生成した水を基材側に排出する機能を有する。そのため、ヒビの数密度が小さくなりすぎると、ガス拡散層の排水性能が低下する場合がある。従って、ヒビの数密度は、2個/mm2以上である必要がある。数密度は、好ましくは、3個/mm2以上、さらに好ましくは、4個/mm2以上である。
一方、ヒビの数密度が高くなりすぎると、セル組み付け時にMPLが破断する場合がある。従って、ヒビの数密度は、11個/mm2以下である必要がある。数密度は、好ましくは、10個/mm2以下、さらに好ましくは、9個/mm2以下である。
[1.2.3. 凹部の面積率]
「凹部」とは、JIS B0671-2002に準拠して測定されるモチーフ平均長さが100μm以上である領域をいう。
「凹部の面積率」とは、MPLの表面の面積に対する凹部の面積の割合をいう。
凹部の面積率は、ガス拡散層を用いて燃料電池を作製した時に、触媒層とMPLとの界面に形成される隙間の量に影響を与える。また、隙間の量は、ガス拡散層の排水性能に影響を与える。一般に、凹部の面積率が小さくなりすぎると、触媒層/MPL界面に形成される隙間の量が過度に少なくなり、排水性能が低下する場合がある。従って、凹部の面積率は、11%以上である必要がある。面積率は、好ましくは、12%以上、さらに好ましくは、13%以上である。
一方、凹部の面積率が大きくなりすぎると、触媒層/MPL界面に形成される隙間の量が過度に大きくなり、かえって排水性能が低下する場合がある。従って、凹部の面積率は、15%以下である必要がある。面積率は、好ましくは、14.5%以下、さらに好ましくは、14%以下である。
[1.2.4. 厚さ]
MPLの厚さは、凹部の面積率に影響を与える。一般に、基材の凹凸に対してMPLの厚さが薄くなりすぎると、基材の凹凸がそのままMPLの表面に現れ、凹部の面積率が過度に大きくなる場合がある。従って、MPLの厚さは、10μm以上が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、15μm以上、さらに好ましくは、20μm以上である。
一方、MPLの厚さが厚くなるほど、MPLの表面が平坦に近づく。しかしながら、MPLの厚さが厚くなりすぎると、ガス拡散抵抗が増大し、燃料電池の出力が低下する。従って、MPLの厚さは、60μm以下が好ましい。厚さは、さらに好ましくは、50μm以下、さらに好ましくは、40μm以下である。
[1.3. 用途]
本発明に係るガス拡散層は、カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層のいずれにも用いることができる。本発明に係るガス拡散層は、特に、カソード側ガス拡散層として好適である。カソード側はフラッディングが生じやすいので、本発明に係るガス拡散層をカソード側ガス拡散層として用いると、フラッディングを抑制することができる。
[2. 固体高分子形燃料電池]
本発明に係る固体高分子形燃料電池は、
固体高分子電解質膜からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと、
前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと
を備えている。
[2.1. 膜電極接合体]
膜電極接合体(MEA)は、固体高分子電解質からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合されたものからなる。カソード側触媒層及びアノード側触媒層は、それぞれ、電極触媒と触媒層アイオノマとの複合体からなる。
本発明において、電解質膜を構成する固体高分子電解質の種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
同様に、触媒層に含まれる電極触媒及び触媒層アイオノマの種類は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
[2.2. カソード側ガス拡散層]
[2.2.1. 構造]
MEAのカソード側触媒層の外側には、カソード側ガス拡散層が配置される。本発明において、カソード側ガス拡散層には、本発明に係るガス拡散層が用いられる。ガス拡散層の詳細については、上述した通りであるので説明を省略する。
[2.2.2. 隙間の被覆率]
「隙間」とは、前記カソード側触媒層と前記カソード側ガス拡散層のマイクロポーラス層との界面に存在する面状欠陥をいい、
「隙間の被覆率」とは、前記マイクロポーラス層の表面の面積に占める前記隙間の面積の割合をいう。
固体高分子形燃料電池は、MEA、ガス拡散層、及びセパレータを積層し、所定の締め付け圧力で締め付けることにより得られる。この時、ガス拡散層及びセパレータの構造、並びに、締め付け圧力を最適化すると、カソード側の触媒層とMPLとの間に適度な隙間を形成することができる。カソード側の触媒層とMPLとの間に形成される隙間は、カソード側ガス拡散層の排水性能に影響を与える。
隙間の被覆率が小さくなりすぎると、カソード触媒とMPLの接触面積が増大し、これによりカソード触媒からの放熱が促進されるため、カソード側ガス拡散層の排水性能が低下する場合がある。従って、隙間の被覆率は、11%以上が好ましい。被覆率は、さらに好ましくは、12%以上、さらに好ましくは、13%以上である。
一方、隙間の被覆率が大きくなりすぎると、界面の断熱性が必要以上に向上し、MPLにおいてフラッディングが起きる場合がある。従って、隙間の被覆率は、15%以下が好ましい。隙間の被覆率は、さらに好ましくは、14.5%以下、さらに好ましくは、14%以下である。
[2.3. アノード側ガス拡散層]
MEAのアノード側触媒層の外側には、アノード側ガス拡散層が配置される。本発明において、アノード側ガス拡散層の構造は、特に限定されない。
アノード側ガス拡散層は、通常、導電性材料からなる多孔質の基材と、基材の表面に形成されたマイクロポーラス層とを備えている。アノード側ガス拡散層は、カソード側ガス拡散層と同一の構造を備えているものでも良く、あるいは、異なる構造を備えているものでも良い。アノード側ガス拡散層に関するその他の点は、カソード側ガス拡散層と同一であるので、説明を省略する。
[2.4. カソード側セパレータ]
カソード側ガス拡散層の外側には、さらにカソード側セパレータが配置される。カソード側セパレータは、酸化剤ガスを流すためのガス流路を備えている。本発明において、カソード側ガス拡散層の構造は、カソード側触媒層に酸化剤ガスを供給可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
カソード側セパレータは、特に、複数の直線状のガス流路がリブを介して平行に並んでいる構造を備えているものが好ましい。この場合、リブの幅及びピッチは、固体高分子形燃料電池の性能に影響を与える。
リブの幅が狭くなりすぎると、基材のカーボン繊維が折れる場合がある。従って、リブの幅は、0.1mm以上が好ましい。リブの幅は、さらに好ましくは、0.2mm以上、さらに好ましくは、0.5mm以上である。
一方、リブの幅が広くなりすぎると、リブ下のガス拡散抵抗が増大する場合がある。従って、リブの幅は、2.0mm以下が好ましい。リブの幅は、さらに好ましくは、1.5mm以下、さらに好ましくは、1.0mm以下である。
リブのピッチが狭くなりすぎると、圧損が増大する場合がある。従って、リブのピッチは、0.3mm以上が好ましい。リブのピッチは、さらに好ましくは、0.5mm以上、さらに好ましくは、1.0mm以上である。
一方、リブのピッチが広くなりすぎると、基材のたわみにより流路の有効断面積が減少するために、圧損が増大する場合がある。従って、リブのピッチは、2.0mm以下が好ましい。リブのピッチは、さらに好ましくは、1.5mm以下、さらに好ましくは、1.0mm以下である。
[2.5. アノード側セパレータ]
アノード側ガス拡散層の外側には、さらにアノード側セパレータが配置される。アノード側セパレータは、燃料ガスを流すためのガス流路を備えている。本発明において、アノード側ガス拡散層の構造は、アノード側触媒層に燃料ガスを供給可能なものである限りにおいて、特に限定されない。
アノード側セパレータは、カソード側セパレータと同一の構造を備えていても良く、あるいは、異なる構造を備えていても良い。アノード側セパレータに関するその他の点は、カソード側セパレータと同様であるので、説明を省略する。
[2.6. 締め付け圧力]
固体高分子形燃料電池を作製する際の締め付け圧力は、隙間の被覆率に影響を与える。一般に、締め付け圧力が小さくなりすぎると、隙間の被覆率が過度に大きくなる場合がある。従って、締め付け圧力は、0.8MPa以上が好ましい。締め付け圧力は、さらに好ましくは、0.9MPa以上、さらに好ましくは、1.0MPa以上である。
一方、締め付け圧力が大きくなりすぎると、隙間の被覆率が過度に小さくなる場合がある。従って、締め付け圧力は、2.0MPa以下が好ましい。締め付け圧力は、さらに好ましくは、1.8MPa以下、さらに好ましくは、1.6MPa以下である。
[2.7. 冷間電圧]
「冷間電圧」とは、セル温度が30℃である状態から始動させ、10秒経過した時の、電流密度が1A/cm2である時のセル電圧をいう。
燃料電池を低温で始動させると、カソードにおいて生成水が凝縮しやすくなる。この場合において、カソード側ガス拡散層の排水性能が低いと、生成水がカソード側ガス拡散層に滞留しやすくなる。カソード側ガス拡散層に生成水が滞留すると、酸素の拡散が阻害され、セル電圧が低下する。
これに対し、本発明に係る燃料電池は、MPLのヒビの数密度、及び、隙間の被覆率が最適化されているので、高い排水性能を示す。そのため、冷間電圧は、0.65V以上となる。燃料電池の製造条件をさらに最適化すると、冷間電圧は、0.655V以上、あるいは、0.66V以上となる。
[3. ガス拡散層の製造方法]
本発明に係るガス拡散層の製造方法は、
導電性材料からなる多孔質の基材を準備する第1工程と、
導電性粒子と、撥水性樹脂と、分散剤と、増粘剤と、水とを混合し、スラリーを調製する第2工程と、
前記基材の表面に前記スラリーを塗布し、乾燥させる第3工程と、
前記基材を焼成し、本発明に係るガス拡散層を得る第4工程と
を備えている。
[3.1. 第1工程]
まず、導電性材料からなる多孔質の基材を準備する(第1工程)。
本発明において、基材の種類は、特に限定されない。基材には、市販品をそのまま用いても良く、あるいは、市販品に対して必要な処理を施しても良い。
例えば、炭素繊維不織布は、カーボン繊維が物理的に絡み合っているだけであり、そのままでは繊維がばらけやすい。このような材料をガス拡散層の基材として用いる場合には、炭化させることが可能な樹脂を用いて、繊維間を接着するのが好ましい。
樹脂の種類は、炭化させることが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂などがある。
フェノール樹脂を用いた多孔質基材の処理は、具体的には、以下のようにして行うのが好ましい。
すなわち、多孔質の基材(例えば、炭素繊維不織布)にフェノール樹脂溶液を含浸させた後、圧縮空気で過剰な樹脂溶液を吹き飛ばすと、基材内部にある曲率半径の小さい領域(例えば、繊維間の接点近傍の領域)にのみ、樹脂溶液を残存させることができる
次に、基材を乾燥させた後、還元雰囲気で焼成し、樹脂を炭化させる。これにより、基材の多孔性を維持したまま、基材を補強することができる。
焼成温度は、樹脂の種類に応じて最適な温度を選択するのが好ましい。例えば、フェノール樹脂の場合、焼成温度は、500℃~1000℃が好ましい。
[3.2. 第2工程]
次に、導電性粒子と、撥水性樹脂と、分散剤と、増粘剤と、水とを混合し、スラリーを調製する(第2工程)。
導電性粒子及び撥水性樹脂は、MPLの原料である。導電性粒子及び撥水性樹脂の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
分散剤は、導電性粒子及び撥水性樹脂を水に分散させるためのものである。増粘剤は、スラリーの粘度を高めるためのものである。本発明において、分散剤及び増粘剤の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を選択することができる。
スラリーの固形分濃度及び粘度は、MPLのヒビの数密度及び凹部の面積率、並びに、ガス拡散層を用いて燃料電池を作製した時の隙間の被覆率に影響を与える。そのため、目的とする構造が得られるように、これらを選択するのが好ましい。
一般に、スラリーの固形分濃度が高くなるほど、ヒビの数密度は、高くなる傾向がある。また、スラリーの固形分濃度が高くなるほど、基材内部へのスラリーの染み込みが少なくなるために、凹部の面積率及び/又は隙間の被覆率は小さくなる傾向がある。固形分濃度は、具体的には、70重量%~90重量%が好ましい。
一般に、スラリーの粘度が高くなるほど、乾燥時に塗膜内の水分の移動速度が遅くなるために、ヒビの数密度は高くなる傾向がある。また、スラリーの粘度が高くなるほど、基材内部へのスラリーの染み込みが少なくなるので、凹部の面積率及び/又は隙間の被覆率は小さくなる傾向がある。スラリーの粘度は、具体的には、1×103mPa・s~1×105mPa・sが好ましい。
[3.3. 第3工程]
次に、前記基材の表面に前記スラリーを塗布し、乾燥させる(第3工程)。
スラリーの塗布量、スラリーの塗布圧、及び乾燥条件は、MPLのヒビの数密度及び凹部の面積率、並びに、隙間の被覆率に影響を与える。そのため、目的とする構造が得られるように、これらを選択するのが好ましい。
一般に、スラリーの塗布量が多くなるほど、ヒビの数密度は、高くなる傾向がある。また、スラリーの塗布量が多くなるほど、凹部の面積率及び/又は隙間の被覆率は小さくなる傾向がある。さらに、スラリーの塗布量が多くなるほど、スラリーを乾燥させることにより得られるMPLの厚さが厚くなる。従って、スラリーの塗布量は、これらを考慮して、最適な塗布量を選択するのが好ましい。
一般に、塗膜の乾燥速度が速くなるほど、ヒビの数密度は、高くなる傾向がある。また、塗膜の乾燥速度が速くなるほど、基材表面により多くの撥水性樹脂が集まるために、凹部の面積率及び/又は隙間の被覆率は小さくなる傾向がある。乾燥速度(単位面積・単位時間当たりの溶媒の蒸発量)は、具体的には、2.0g/m2・s~200g/m2・sが好ましい。
[3.4. 第4工程]
次に、前記基材を焼成する(第4工程)。これにより、本発明に係るガス拡散層が得られる。
焼成は、塗膜に含まれる撥水性樹脂を溶融させ、撥水性樹脂を介して基材とMPLを接合するために行われる。焼成温度は、撥水性樹脂の種類に応じて最適な温度を選択するのが好ましい。例えば、撥水性樹脂がPTFEである場合、焼成温度は、250℃~290℃が好ましい。
[4. 作用]
多孔質の基材表面にマイクロポーラス層を形成する場合において、製造条件を最適化すると、ヒビの数密度及び凹部の面積率が所定の範囲にあるガス拡散層が得られる。
次に、このようなガス拡散層を用いて固体高分子形燃料電池を作製する場合において、製造条件を最適化すると、カソード側触媒層とマイクロポーラス層との界面に適度な空隙を形成することができる。
マイクロポーラス層のヒビ及びカソード側触媒層/マイクロポーラス層界面の隙間は、いずれも、カソード側の排水性能に影響を与える。そのため、これらが最適となるように製造条件を最適化すると、高い冷間電圧を示す固体高分子形燃料電池が得られる。
(実施例1~2、比較例1~5)
[1. 試料の作製]
[1.1. ガス拡散層の作製]
炭素繊維不織布にフェノール樹脂を含浸させた後、圧縮空気で余分なフェノール樹脂を吹き飛ばした。不織布を所定の速度(1g/m2・s~500g/m2・s)で乾燥させた後、還元雰囲気下で焼成し、不織布に含まれるフェノール樹脂を炭化させた。
次に、カーボン粒子と、PTFE粒子と、ポリエチレンオキサイド(増粘剤)、及び分散剤を水に加え、所定の粘度(9×102mPa・s~5×107mPa・s)のスラリーを調製した。不織布にスラリーを塗布し、所定の温度で乾燥(100℃)及び焼成(290℃)を行い、マイクロポーラス層(MPL)を備えたガス拡散層(GDL)を得た。
[1.2. 燃料電池の作製]
MEAの両面にガス拡散層及びセパレータを配置し、燃料電池を得た。カソード側ガス拡散層及びアノード側ガス拡散層には、それぞれ、[1.1.]で作製したものを用いた。アノード側セパレータ及びカソード側セパレータには、それぞれ、複数の直線状のガス流路がリブを介して平行に並んでいる構造を備えているものを用いた。リブの幅は、1.0mmとし、リブのピッチは、1.0mmとした。カソード側のガス流路とアノード側のガス流路は、流れる方向が対向するように配置した。
[2. 試験方法]
[2.1. 凹部の面積率]
レーザー顕微鏡で得た粗さ曲面から、JIS B0671-2002に準拠して、MPLの表面のモチーフ平均長さを測定した。さらに、得られたモチーフ平均長さが100μm以上の凹部について、凹部の面積率を算出した。
[2.2. X線CT]
[2.2.1. 測定方法]
図1に、X線CT測定用治具の模式図を示す。図1において、X線CT測定用治具10は、ステンレス鋼製の下部棒12と、ステンレス鋼製の上部棒14とを備えている。
下部棒12と上部棒14との間に試料20を挿入した。試料20は、下から順に、
(a)流路構造を模擬した治具22、
(b)基材24aの表面にMPL24bが形成されたガス拡散層(GDL)24、
(c)触媒コーティング層(CCM)26、及び、
(d)厚さ500μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シート28
が積層されたものからなる。
治具22は、円板22aの上面に、リブを模擬した3本の棒22bを平行に並べたものからなる。治具22の上には、MPL24bが上になるようにGDL24を載置した。CCM26は、MEAを模擬したものであり、触媒粒子(Pt粒子)を含まない以外は、MEAと同一の構造を備えているものからなる。
下部棒12と上部棒14の間に試料20をセットした後、ロードセルを用いて試料20を加圧した。圧力は1.1MPaとした。この状態で、X線CT装置を用いてMPL/CCM界面のX線CT画像を撮影した。さらに、X線CT画像から面内断面像を抽出した。
[2.2.2. 隙間の被覆率及びヒビの数密度の測定]
図2(A)に、ガス拡散層(GDL)と触媒コーティング膜(CCM)の積層体の縦断面のX線CT画像の一例を示す。図2(B)に、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像(隙間を含むもの)を示す。図2(C)に、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像(ヒビを含むもの)を示す。図2より、界面の面内断面画像から、MPL/CL界面の隙間及びヒビを容易に確認できることが分かった。
図3(A)に、X線CT画像から抽出された、マイクロポーラス層(MPL)/触媒層(CL)界面の面内断面画像の一例を示す。図3(B)に、面内断面画像に含まれる隙間の模式図を示す。図3(C)に、面内断面画像に含まれるヒビの模式図を示す。
図3(A)の面内断面画像を二値化することにより、図3(B)に示す二値化像を得た。得られた二値化像を用いて、隙間の被覆率を求めた。
また、図3(A)の面内断面画像から手動でヒビを抽出し、図3(C)に示す画像を得た。画像内にあるヒビの個数を画像の面積で除すことで、ヒビの数密度を算出した。
[2.3. 冷間電圧]
得られた燃料電池を用いて、冷間電圧を測定した。冷間電圧の測定条件は、30℃からの定電加速とした。
[3. 結果]
表1に、結果を示す。図4に、ヒビの数密度と冷間電圧との関係を示す。図5に、隙間の被覆率と冷間電圧との関係を示す。さらに、図6に、隙間の被覆率とヒビの数密度との関係を示す。表1及び図4~図6より、以下のことが分かる。
(1)ヒビの数密度と冷間電圧との間に相間が認められた(図4)。ヒビの数密度が2個/mm2未満になると、冷間電圧が低下する場合があった。これは、排水性が低下したためと考えられる。一方、ヒビの数密度が11個/mm2を超えると、冷間電圧が低下する場合があった。これは、一部のMPLが破れたためと考えられる。
(2)隙間の被覆率と冷間電圧との間に相間が認められた(図5)。隙間の被覆率が11%未満になると、冷間電圧が低下する場合があった。これは、触媒層でフラッディングが生じたためと考えられる。一方、隙間の被覆率が15%を超えると、冷間電圧が低下する場合があった。これは、MPLでフラッディングが生じたためと考えられる。
(3)実施例1及び実施例2は、いずれも冷間電圧0.65V以上を達成できた。図6より、冷間電圧0.65V以上を達成するためには、ヒビの数密度を2個/mm2以上11個/mm2以下とし、かつ、隙間の被覆率を11%以上15%以下にする必要があることが分かった。
(4)GDLを圧縮する前及び圧縮した後において、MPL表面のヒビの数密度を比較したところ、圧縮前後でヒビの数密度に変化がないことが分かった。すなわち、ヒビの数密度は、ほぼGDLの製造条件で決まることが分かった。
Figure 2023003697000002
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るガス拡散層は、固体高分子形燃料電池、高分子電解質膜形水電解装置などに用いることができる。

Claims (10)

  1. 導電性材料からなる多孔質の基材と、
    前記基材の表面に形成されたマイクロポーラス層と
    を備え、
    前記マイクロポーラス層は、
    ヒビの数密度が2個/mm2以上11個/mm2以下であり、
    凹部の面積率が11%以上15%以下である
    ガス拡散層。
    ここで、
    「ヒビ」とは、始点から終点までの長さ(直線距離)が80μm以上であり、前記マイクロポーラス層の表面に現れる幅の最大値が20μm以下であり、かつ、前記マイクロポーラス層を貫通している線状の欠陥をいい、
    「凹部」とは、JIS B0671-2002に準拠して測定されるモチーフ平均長さが100μm以上である領域をいい、
    「凹部の面積率」とは、前記マイクロポーラス層の表面の面積に対する凹部の面積の割合をいう。
  2. 前記基材の厚さは、70μm以上300μm以下であり、非圧縮状態の空隙率が65%以上85%以下である請求項1に記載のガス拡散層。
  3. 前記マイクロポーラス層の厚さは、10μm以上60μm以下である請求項1又は2に記載のガス拡散層。
  4. カソード側ガス拡散層として用いられる請求項1から3までのいずれか1項に記載のガス拡散層。
  5. 以下の構成を備えた固体高分子形燃料電池。
    (1)前記固体高分子形燃料電池は、
    固体高分子電解質膜からなる電解質膜の両面に、それぞれ、カソード側触媒層及びアノード側触媒層が接合された膜電極接合体と、
    前記カソード側触媒層の外側に配置されたカソード側ガス拡散層と、
    前記アノード側触媒層の外側に配置されたアノード側ガス拡散層と、
    前記カソード側ガス拡散層の外側に配置されたカソード側セパレータと、
    前記アノード側ガス拡散層の外側に配置されたアノード側セパレータと
    を備えている。
    (2)前記カソード側ガス拡散層は、請求項1から3までのいずれか1項に記載のガス拡散層からなる。
  6. 隙間の被覆率が11%以上15%以下である請求項5に記載の固体高分子形燃料電池。
    ここで、
    「隙間」とは、前記カソード側触媒層と前記カソード側ガス拡散層のマイクロポーラス層との界面に存在する面状欠陥をいい、
    「隙間の被覆率」とは、前記マイクロポーラス層の表面の面積に占める前記隙間の面積の割合をいう。
  7. 前記カソード側セパレータは、複数の直線状のガス流路がリブを介して平行に並んでいる構造を備え、
    前記リブの幅が0.1mm以上2.0mm以下であり、
    前記リブのピッチが0.3mm以上2.0mm以下である
    請求項5又は6に記載の固体高分子形燃料電池。
  8. 締め付け圧力が0.8MPa以上2.0MPa以下である請求項5から7までのいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
  9. 冷間電圧が0.65V以上である請求項5から8までのいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池。
    ここで、「冷間電圧」とは、セル温度が30℃である状態から始動させ、10秒経過した時の、電流密度が1A/cm2である時のセル電圧をいう。
  10. 導電性材料からなる多孔質の基材を準備する第1工程と、
    導電性粒子と、撥水性樹脂と、分散剤と、増粘剤と、水とを混合し、スラリーを調製する第2工程と、
    前記基材の表面に前記スラリーを塗布し、乾燥させる第3工程と、
    前記基材を焼成し、請求項1から4までのいずれか1項に記載のガス拡散層を得る第4工程と
    を備えたガス拡散層の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023127790A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 東レ株式会社 ガス拡散電極基材とその製造方法および燃料電池

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