JP2023003444A - 加熱調理器 - Google Patents

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Akihiko Kobayashi
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Abstract

【課題】加熱室内の特定位置の被加熱物を集中的に加熱できる加熱調理器を得る。【解決手段】被加熱物を収容し、被加熱物が載置される載置面を有する加熱室と、高周波を発生させる高周波発生器と、高周波発生器に接続され、高周波を放射するアンテナと、載置面と平行な第1方向に延び、アンテナから放射された高周波を伝送する導波管とを備え、導波管は、加熱室の底と対向する位置に、照射口を有しており、導波管の上下方向における中心と載置面との距離は、導波管内における高周波の管内波長λgの1/4以下である。【選択図】図11

Description

本開示は、高周波の電磁波により被加熱物を加熱する加熱調理器に関する。
従来、被加熱物を加熱する加熱室と、加熱室の上部に設けられ、高周波発振器からの高周波を加熱室に導く導波管とを有し、加熱室と導波管の終端とを開口部で結合した加熱調理器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の加熱調理器は、加熱室と導波管とを結合する開口部の電波の進行方向における寸法を、高周波発振器の発振波長の1/2波長以上としている。
特開昭57-103292号公報
特許文献1によれば、加熱室内の単一負荷、すなわち一つの被加熱物を、均一に加熱することができるとされている。
しかし、被加熱物の加熱に対するユーザのニーズは多様化しており、加熱室内の特定位置の被加熱物、あるいは被加熱物の特定箇所を、選択的に集中して高効率で加熱したいというニーズがある。特許文献1に記載の加熱調理器では、加熱室内の一つの被加熱物を均一に加熱できるとされているが、このような新たなニーズに応えることはできなかった。
また、被加熱物の加熱に対するユーザの他のニーズとして、加熱室内で複数の被加熱物を同時に加熱したいというものがある。ここで、複数の被加熱物は、加熱室に収容される際の温度がそれぞれ異なっていたり、ご飯、汁物、煮物、又は炒め物といった種類が異なっていたりすることにより、求められる加熱量が異なる場合がある。特許文献1に記載の加熱調理器では、加熱室内の一つの被加熱物を均一に加熱できるとされているが、求められる加熱量が異なる複数の被加熱物を、同時に所望状態に加熱するのは困難であった。
本開示の一態様は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、加熱室内の特定位置の被加熱物を集中的に加熱できる加熱調理器を提供するものである。また、本開示の他の一態様は、加熱室内の複数の被加熱物を同時に加熱する際の加熱精度を向上できる加熱調理器を提供するものである。
本開示に係る加熱調理器は、被加熱物を収容し、前記被加熱物が載置される載置面を有する加熱室と、高周波を発生させる高周波発生器と、前記高周波発生器に接続され、前記高周波を放射するアンテナと、前記載置面と平行な第1方向に延び、前記アンテナから放射された高周波を伝送する導波管とを備え、前記導波管は、前記加熱室の底と対向する位置に、照射口を有しており、前記導波管の上下方向における中心と前記載置面との距離は、前記導波管内における前記高周波の管内波長λgの1/4以下である。
本開示に係る加熱調理器は、被加熱物を収容し、複数の前記被加熱物の載置口が設けられた載置面を有する加熱室と、高周波を発生させる高周波発生器と、前記高周波発生器に接続され、前記高周波を放射するアンテナと、前記載置面と平行に延び、前記アンテナから放射された高周波を伝送して前記加熱室に供給する導波管であって、前記加熱室の底と対向する位置に照射口が設けられた導波管と、前記加熱室に収容された前記被加熱物の数に応じて、前記高周波発生器を制御する制御装置とを備えたものである。
本開示の一態様によれば、導波管の上下方向における中心と載置面との距離は、導波管内における高周波の管内波長λgの1/4以下である。このため、被加熱物の内部に電界強度の高い領域を設けることができ、加熱室内の特定位置の被加熱物を集中的に加熱できる。
また、本開示の他の一態様によれば、加熱室に収容された被加熱物の数に応じて、高周波発生器が制御されるので、加熱室内の複数の被加熱物を同時に加熱する際の加熱精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面模式図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態1に係る導波管50を平面的に見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る導波管50を斜め下から見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態1に係る導波管50を平面的に見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る導波管50を斜め下から見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の斜視図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100背面側斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の内部構造を説明する図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の横断面模式図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。 実施の形態3に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。 実施の形態3に係る複数の被加熱物を加熱する場合の動作フローチャートである
以下、本開示に係る加熱調理器の実施の形態を、図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本開示は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す加熱調理器は、本開示の加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された加熱調理器によって本開示の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本開示を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
(加熱調理器の構成)
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の斜視図である。加熱調理器100は、高周波の電磁波を食材等の被加熱物に照射することによって被加熱物を加熱する、高周波加熱装置である。なお、以下の説明において、高周波の電磁波を、単に高周波と称する場合がある。加熱調理器100は、外郭筐体1と、外郭筐体1の前側に設けられた扉2とを備える。扉2は、取っ手を備えた扉本体2aと、扉本体2aの中央部分に設けられた窓2bとを備える。扉本体2aの内面には、図示しない電磁波遮蔽手段が設けられる。電磁波遮蔽手段は、例えば、扉本体2aの内面の縁に沿って環状に配置された電磁波吸収材料である。電磁波吸収材料に代えて、あるいはこれに加えて、電磁波遮蔽手段として、扉本体2aの外周部に設けられたチョーク構造が設けられていてもよい。窓2bは、ガラス等の光透過性を有する板と、その内側に設けられたパンチングメタルとで構成されており、ユーザが加熱調理器100の内部を視認可能に構成されている。
加熱調理器100の前面には、表示部3と操作部4とが設けられている。表示部3は、加熱調理器100の加熱メニュー又は加熱条件等の設定に関する情報、及び加熱調理器100の動作状態等を表示する。表示部3は、例えば液晶ディスプレイで構成される。操作部4は、加熱温度又は加熱時間等の加熱条件、及び加熱開始又は停止等の動作指示に関する入力を受け付ける入力装置である。操作部4は、ハードウェアボタン又はタッチパネル等で構成される。なお、図1では、扉2に表示部3及び操作部4が設置された例を示すが、表示部3及び操作部4の配置は図示のものに限定されない。表示部3及び操作部4は、外郭筐体1の前面又は上面等に設けられていてもよい。
外郭筐体1の右側の側面には、筐体第1吸気口5と、筐体第2吸気口6とが設けられている。筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6は、外郭筐体1の内外を連通させる開口で構成されている。筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6は、後述するように、外郭筐体1内の部品を冷却する空気の入口となる。
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。図2は、前方左側の斜め下から見た状態を示している。外郭筐体1の前方右側の底には、筐体第1吸気口5が設けられている。外郭筐体1の後部左側の側面及び底には、筐体第1排気口8が設けられている。筐体第1排気口8は、外郭筐体1の内外を連通させる開口で構成されている。筐体第1排気口8は、後述するように、外郭筐体1からの空気の出口となる。
外郭筐体1の内部には、加熱室20が設けられている。図2には、加熱室20に収容された容器201も併せて図示されている。図2では、加熱室20を構成する右側壁22及び天井26が示されている。加熱室の前面開口27は、加熱室20内への容器201の出し入れ口である。加熱室20には、受皿10が収容され、この受皿10の上に容器201が載置されている。なお、本実施の形態では、加熱室20に受皿10が設けられた例を示すが、受皿10を設けず、加熱室20の底に容器201が載置される態様であってもよい。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。図3は、前部左側の斜め下から見た状態を示している。図2に示した外郭筐体1の内側には、図3に示すように、加熱室筐体21が設けられている。加熱室筐体21の左側面には、左側検知部30が設けられ、加熱室20の天井26には、上側検知部33が設けられている。また、加熱室筐体21の下面には、導波管50が設けられ、加熱室筐体21の後部下側には、第1ダクト40が設けられている。
左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34(図6及び図10参照)は、加熱室20に収容された被加熱物の情報を検知する検知部である。左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34は、被加熱物の有無、被加熱物の温度、被加熱物の大きさ、被加熱物の種類、及び被加熱物の状態のいずれか一つ以上を検知する。本実施の形態では、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34は、温度センサ、カメラ、超音波センサ、又は光センサ若しくはこれらの組み合わせにより構成される。
導波管50は、高周波発生器60(図4参照)が発生させた高周波を、加熱室20内に伝搬する。導波管50は、左右に沿って延びる管路を内部に有している。導波管50は、本実施の形態では、3本設けられており、3本の導波管50が加熱室筐体21の下側に手前から奥に並んで配置されている。3本の導波管50のうち、前後方向真ん中の導波管50は、他の導波管50よりも長さが短い。
第1ダクト40は、加熱調理器100に設けられた冷却風の通路である。第1ダクト40に空気を流通させる第1送風機49が加熱室筐体21の後部に設けられており、第1ダクト40のうち第1送風機49の上流側を上流ダクト45(図4参照)、第1送風機49の下流側を下流ダクト46と称する。第1ダクト40には、ダクト排気口41と、ダクト第1吸気口42が設けられている。ダクト排気口41は、第1ダクト40からの空気の出口であり、加熱室筐体21の後部左側に設けられている。ダクト第1吸気口42は、第1ダクト40への空気の入口であり、前部右側に設けられている。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。図4は、前方右側の斜め上から見た状態を示している。第1ダクト40の上流ダクト45は、加熱室筐体21の右側に配置されている。ダクト第1吸気口42及びダクト第2吸気口43は、第1ダクト40への空気の入口である。ダクト第1吸気口42は、図3及び図4に示すように、下面と右側面に向かって開口しており、図1及び図2に示した筐体第1吸気口5と対向するように配置される。ダクト第2吸気口43は、ダクト第1吸気口42の上に位置し、図1に示した筐体第2吸気口6と対向するように配置される。
加熱室筐体21の右側には、高周波発生器60が設けられている。高周波発生器60は、高周波等の電磁波を発生させる装置である。高周波発生器60は、発振器として、半導体式発信器又はマグネトロンを有している。半導体式発信器は、例えばGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ半導体又はLDMOS(Laterally Diffused MOS)を有し、2.45GHz程度の周波数のマイクロ波を発生させる。マグネトロンから発生する電磁波の周波数は、2.45±0.2GHz程度の範囲に分布するが、半導体式発信器から発生する電磁波の周波数は、2.45GHzに対してほとんど揺らぎのない安定した周波数である。また、半導体式発信器は、周波数を可変制御できる点において、マグネトロンと異なる。高周波発生器60に半導体式発信器を採用することで、発生する電磁波の位相を精密に制御することができる。このため、電磁波が照射される食品の温度制御を精密に行うことができる。図4では、2つの高周波発生器60が図示されているが、本実施の形態の加熱調理器100は、図7及び図9に示すように3つの高周波発生器60が設けられている。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図5は、図4に示した状態からさらに部品を取外し、前部右側の斜め上から見た状態を示している。
受皿10には、被加熱物の載置位置を示す第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13が設けられている。本実施の形態では、加熱室20に1~3つの被加熱物を収容して加熱できるのが特徴であり、受皿10に設けられた載置口も3つである。第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13は、受皿10に施された印刷、又は突起もしくはこれらの組み合わせによって構成されている。第1載置口11は、受皿10の前部の左側壁23に隣接した位置に設けられている。第1載置口11の中心には、中心表示111が設けられている。中心表示111は、第1載置口11に被加熱物を載置する際の中心位置を示す。第2載置口12は、加熱室20の左側壁23と後壁24とが成す角に設けられている。第2載置口12の中心には、中心表示121が設けられている。第3載置口13は、角形表示13aと、丸形表示13bとで構成されている。第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13の詳細は、図6を参照して後述する。
加熱室20の左側壁23には、左側検知部30が前後方向に沿って3つ配置されている。本実施の形態の左側検知部30は、温度センサ31と、被加熱物検知装置32とを有している。温度センサ31は、例えば赤外線式の温度センサであり、被加熱物から放射される赤外線量を測定し、測定した赤外線量に基づいて被加熱物の温度を検知する。被加熱物検知装置32は、本実施の形態では、被加熱物の外観の情報を検知するカメラである。3つの左側検知部30は、加熱室20の前側から順に、第1載置口11、第3載置口13及び第2載置口12に対応して設けられており、それぞれが、対応する載置口に載置された被加熱物の情報を検知する。左側壁23には、温度センサ31及び被加熱物検知装置32に対応した窓が設けられており、この窓を介して温度センサ31及び被加熱物検知装置32が加熱室20内の物理現象を検知する。温度センサ31に対応した窓には、赤外線の検知を妨げない透過率で赤外線を透過させる材料で構成された板が嵌め込まれていてもよい。また、被加熱物検知装置32に対応した窓には、被加熱物検知装置32が検知する波長の光透過させる材料で構成された板が嵌め込まれていてもよい。
図5に示す上流ダクト45は、図4に示した状態から上流ダクト45の天板が取り外されている。上流ダクト45内には、回路基板63と、回路基板63に熱的に接続された放熱フィン64とが収容されている。回路基板63は、高周波発生器60を制御する制御装置65(図18参照)が実装された基板である。放熱フィン64は、回路基板63に実装されたトランス又はコイル等の回路部品等の発熱部品に生じる熱を放散させる。回路基板63及び放熱フィン64は、ダクト第2吸気口43の下流側に配置されており、ダクト第2吸気口43から吸い込まれた空気によって冷却される。
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図6は、左側検知部30を通る横断面を上から見た図を示している。第1載置口11は、左側壁23と扉2とが成す角の近傍に設けられ、平面形状が円弧状である。第1載置口11の中心には中心表示111が設けられ、第2載置口12の中心には中心表示121が設けられ、第3載置口13の中心には中心表示131が設けられている。中心表示111、121、131は、それぞれ、載置口の中心位置を示し、加熱物が入れられた容器をユーザが載置する際の中心位置の目安となる。
第1載置口11の内側にはメニュー表示112が設けられ、第2載置口12の内側にはメニュー表示122が設けられ、第3載置口13の内側にはメニュー表示132が設けられている。メニュー表示112、122、132は、複数の被加熱物を同時に受皿10に載置する際の、各載置口に載置されるべき被加熱物の種類を表示している。本実施の形態の加熱調理器100は、加熱室20内の複数種類の被加熱物を同時に加熱する点に特徴を有するが、図6の例では、受皿10で一人前のお膳を構成する例を示している。具体的に、メニュー表示112は第1載置口11がご飯の場所であることを示し、メニュー表示122は第2載置口12がみそ汁、スープ等の汁物の場所であることを示し、メニュー表示132は第3載置口13がおかずの場所であることを示している。図6で示したメニュー表示112、122、132は一例である。メニュー表示112、122、132を設けることで、複数の被加熱物を加熱するユーザは、各加熱物の置き場所を容易に認識できるので、加熱作業の作業性を向上させることができる。
なお、第3載置口13は、角形表示13aと、丸形表示13bとで構成されている。図6の例では、第3載置口13はおかずの場所であり、おかずが入れられる容器の一般的なものとして角形と丸形の両方があるため、本実施の形態では角形表示13aと、丸形表示13bの両方を設けている。
受皿10を前後方向に見ると、前から順に、第1載置口11、第3載置口13、第2載置口12の順に配置されている。受皿10を左右方向に見ると、第1載置口11及び第2載置口12が左側壁23に寄った位置に配置され、第3載置口13が右側壁22に寄った位置に配置されている。
加熱室20の右側壁22には、右側検知部34が設けられている。本実施の形態では、受皿10に設けられた3つの載置口(第1載置口11、第2載置口12、第3載置口13)のそれぞれに対応して、左側検知部30及び右側検知部34が設けられている。加熱室20の左右両側に検知部を設けることで、容器の両側面の情報を検知できるので、容器の有無、大きさ、及び種類等の情報の検知精度を高めることができる。
受皿10の第1載置口11、第3載置口13、第2載置口12と平面的にみて少なくとも一部が重なる位置に、図6にて破線で示す照射口51が設けられている。詳細は後述するが、照射口51は、導波管50(図3等参照)から加熱室20内への高周波の供給口である。
加熱室の20内寸と、受皿10の外寸との差は、10mm以下である。このため、第1載置口11、第3載置口13、第2載置口12のぞれぞれと、照射口51のそれぞれとの位置のずれは、5mm以下となる。このように載置口と照射口との位置ずれを抑制することで、後述するように照射口51からの高周波による各載置口の被加熱物の集中的な加熱が促進され、加熱効率を高めることができる。
複数の照射口51の一つ以上は、平面視において、加熱室20の底の幅方向(図6の左右方向)の外周側1/3の領域かつ加熱室20の底の奥行き方向(図6の前後方向)の外周側1/3の領域と重なる位置に配置されている。つまり、加熱室20の底を幅方向に三等分した場合の中央を除く領域であって、かつ、加熱室20の底を奥行き方向に三等分した場合の中央を除く領域に、照射口51が配置されている。本実施の形態では、一番前及び一番後ろの照射口51が、このように構成されている。
複数の照射口51の一つ以上は、平面視において、加熱室20の底の幅方向(図6の左右方向)の外周側1/3の領域または加熱室20の底の奥行き方向(図6の前後方向)の外周側1/3の領域と重なる位置に配置されている。本実施の形態では、真ん中の照射口51が、このように構成されている。
次に、冷却風路について説明する。図6に示された上流ダクト45は、ダクト第1吸気口42から第1送風機49に至る風路を構成しており、上流ダクト45に右側検知部34及び高周波発生器60が配置されている。第1送風機49の下流側にある下流ダクト46は、加熱室20の後ろ側において左右に延び、第1送風機49から筐体第1排気口8に至る風路を構成している。第1送風機49が動作すると、筐体第1吸気口5から外郭筐体1内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はダクト第1吸気口42から第1送風機49に向かって流れ、その過程において3つの右側検知部34及び3つの高周波発生器60を冷却する。第1送風機49に吸い込まれ、送出された空気は、下流ダクト46を通り、筐体第1排気口8から外へ流出する。
図7は、実施の形態1に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図7は、上側検知部33を通る横断面を上から見た図を示しており、説明のため加熱室20の天井26の図示を省略している。第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のそれぞれに対応して、左側検知部30及び上側検知部33が設けられている。上側検知部33は、上面視した状態において、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。より好ましくは、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13それぞれの中心と概ね重なる位置に配置されている。このため、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のそれぞれの中心に被加熱物が載置されたときに、上側検知部33の視野には被加熱物が入りやすくなるので、被加熱物の情報の検知精度を高めることができる。
図8は、実施の形態1に係る加熱調理器100の縦断面模式図である。図8は、第1送風機49が取り外された加熱調理器100の下流ダクト46を通る左右縦断面を、後ろから見た図である。図8を参照して、下流ダクト46に関連する構造を説明する。
図8に示す吸込口接続口47は、上流ダクト45に形成された、第1送風機49(図7等参照)の吸込口が接続される開口である。
図8に示す分流板44は、第1送風機49(図7等参照)の上流側にある上流ダクト45内を仕切っている。すなわち、第1送風機49の入口側において、上流ダクト45内は分流板44によって左右二つの領域に区切られている。図8における分流板44の紙面左側には、高周波発生器60が配置され、分流板44の紙面左側は、図5に示した回路基板63及び放熱フィン64が収容された空間と連通している。分流板44は、高周波発生器60の冷却に必要な風量と、回路基板63及び放熱フィン64の冷却に必要な風量との比率に応じて、上流ダクト45内を仕切っている。図8の例では、吸込口接続口47において、高周波発生器60が配置された領域の方が他方よりも断面積が大きく構成されている。高周波発生器60は、インバータ等の発熱部品を含み、回路基板63と比べて発熱量が大きいため、本実施の形態では吸込口接続口47における高周波発生器60側の面積を大きくすることで、冷却風量を大きくしている。このように高周波発生器60を冷却することで、高周波発生器60の動作の安定性を維持することができる。
図8に示す吹出口接続口48は、下流ダクト46に形成されており、第1送風機49の吹出口492(図17等参照)が接続される開口である。吹出口接続口48は、第1送風機49から送出された空気は、吹出口接続口48を通って下流ダクト46に流入し、ダクト排気口41及び筐体第1排気口8を通って、加熱調理器100の外部へ流出する。
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図9は、図5に示した状態から受皿10が取り外された状態を示している。
加熱室20の底25には、照射口カバー28が設けられている。照射口カバー28は、導波管50に設けられた照射口51を上から覆うものである。底25には、照射口51に対向する位置に穴が設けられており、照射口カバー28はこの穴に嵌め込まれている。照射口カバー28は、高周波の吸収が少ない材料、例えばマイカ又はセラミック等で形成されており、照射口カバー28を高周波が通過することによる高周波の減衰を抑制している。なお、本実施の形態では、底25の照射口51に対応する穴に照射口カバー28を嵌め込んだ例を示すが、一枚の照射口カバー28で底25の全体を覆ってもよい。このようにすることで、底25の穴と照射口カバー28との継ぎ目がなくなるので、加熱室20内の清掃及びメンテナンスの作業性を向上させることができる。
高周波発生器60には、放熱フィン62が熱的に接続されている。放熱フィン62は、高周波発生器60を構成する発熱部品に生じる熱を放散させる。
高周波発生器60は、前後に3つ並んで配置されている。3つの高周波発生器60の少なくとも1つは、前後方向、左右方向又は高さ方向における位置が他の高周波発生器60とずれている。本実施の形態では、前後方向における真ん中の高周波発生器60は、他の高周波発生器60よりも右側にずれた位置に位置されている。このように複数の高周波発生器60を前後方向又は左右方向に互いにずらして配置することで、高周波発生器60の周囲を通過する冷却風が流れやすくなり、高周波発生器60の冷却効果を高めることができる。
図10は、実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図10は、図9に示した状態から照射口カバー28、高周波発生器60及び回路基板63が取り外された状態を示している。
導波管50は、加熱室20の底25と平行な第1方向である左右方向に延び、高周波発生器60(図9等参照)から放射された高周波を伝送する管である。導波管50は、概ね長尺の箱状であり、導波管50の上面が底25の下面に沿うようにして、底25の下側に設けられている。導波管50と加熱室20の底25の下面とは、カシメ、ネジ止め、又は溶接等により接合されており、導波管50と底25との隙間からの電磁波の漏洩が抑制されている。
導波管50の一端には、照射口51が形成され、他端には高周波発生器60に接続されたアンテナ61(図11等参照)が挿入されるアンテナ接続口53が設けられている。導波管50は、加熱室20の左右幅の外側まで延びており、加熱室20の外側にはみ出た部分の上面に、アンテナ接続口53が設けられている。
本実施の形態の第1送風機49は、シロッコファンである。第1送風機49の吸込口491は、前方に向いて配置されている。吸込口491の少なくとも一部は、導波管50の上面よりも上に配置されており、導波管50の上側の空気を吸い込む。ここで、吸込口491は、図8に示した上流ダクト45の吸込口接続口47に接続され、上流ダクト45内の空気を吸い込んで、上流ダクト45内の導波管50の上に配置された高周波発生器60等の周囲に冷却風を生じさせる。
図11は、実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。図11は、図10に示した3本の導波管50のうち、最も前側の導波管50の照射口51を通る断面を示している。
高周波発生器60には、アンテナ61が接続されている。高周波発生器60がマグネトロンである場合、アンテナ61は高周波発生器60に一体的に設けられている。アンテナ61は、アンテナ接続口53から導波管50内に挿入されており、高周波発生器60が発生させた高周波を導波管50内に放射する。アンテナ61から導波管50内に高周波が放射されると、導波管50には定常波が生じる。この定常波は、高周波発生器60の発信周波数と導波管50の形状とによって決まる管内波長λgを有する。管内波長λg=λ0/√(1-(λ0/(2×a))^2)で求められる。ここで、λ0は自由空間の波長を表し、aは導波管50の前後方向における内寸を示している。定常波の腹と腹(節と節)との間隔は、管内波長λgの1/2となる。
照射口51の上には、受皿10が配置されており、受皿10の上に被加熱物が入れられた容器201が載置されている。本実施の形態では、受皿10の上面が、被加熱物の載置面である。導波管50の上下方向における中心と、載置面との距離X1は、管内波長λgの1/4以下である。すなわち、導波管50の上下方向における中心から管内波長λgの1/4の距離の範囲内に、載置面である受皿10の上面が位置している。
導波管50における高周波の進行方向において、アンテナ61の中心と照射口51の中心511との距離X2は、管内波長λgの整数倍の値から管内波長λgの1/4倍の値を減算して得た値以上であって、管内波長λgの整数倍の値以下である。つまり距離X2は、Nλg-1/4λg≦X2≦Nλgを満たす。ここで、Nは整数を表す。また、導波管50における高周波の進行方向は、図11における紙面左右方向である。
図12は、実施の形態1に係る導波管50を平面的に見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。図13は、実施の形態1に係る導波管50を斜め下から見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。図12及び図13では、アンテナ61及び照射口51の大まかな位置をそれぞれ符号で示している。図12及び図13に示すように、アンテナ61から導波管50内に放射された高周波は、管内波長λgの定常波となり、導波管50の軸方向にそって電界強度の強弱の波が形成される。図12及び図13に示す電界強度の模式図は、黒っぽい部分に対して白っぽい部分の方が、電界強度が強い。
本実施の形態では上述のように距離X1を1/4λg以下とした。また、距離X2は、Nλg-1/4λg≦X2≦Nλgを満たす。なお、図11~図13の例では、距離X2は、(1+3/4)λg以上2λg以下である。このような構成により、第1方向における照射口51の中心の直上には、定常波の腹が位置し、この定常波の腹が載置面と概ね重なる。定常波の腹は、電界強度が強い部分である。つまり、照射口51の上にある第1載置口11(図6等参照)に、電界強度が強い領域が設けられることになる。したがって、加熱室20内の第1載置口11(図6等参照)に載置される被加熱物は、高周波のエネルギー吸収比率が高まるので、この被加熱物は選択的に加熱される。このように、第1載置口11(図6等参照)に載置される被加熱物を選択的に加熱することができる。
ここで、アンテナ61の左右方向における端部のうち、照射口51に近い側の端部を第1端部611、遠い側の端部を第2端部612と称する。図11では、アンテナ61の紙面左側の端部が第1端部611、紙面右側の端部が第2端部612である。アンテナ61の第2端部612と、第1方向(左右方向)における導波管50の内壁との最短距離X3は、10mm以上である。また、最短距離X3は、導波管50の第1方向と直交する第2方向である前後方向の内寸の1/2以下である。図11に示す導波管50においては、距離X3は、導波管50の前後方向の内寸の1/2である。ここで、第2方向は、受皿10の上面すなわち載置面と平行かつ第1方向と直交する方向であり、本実施の形態では前後方向に相当する。このように最短距離X3を設定することで、アンテナ61から放射された高周波が導波管50の内壁に反射してアンテナ61に戻ることを抑制できるので、加熱室20に供給される高周波の減少が抑制され、加熱室20内の被加熱物の加熱効率を高めることができる。
図11に戻って説明を続ける。導波管50は、第1方向における照射口51側の端部に、対向面52を有している。対向面52は、導波管50を構成する壁の一部であり、導波管50の図11における紙面左側の端面を構成している。対向面52は、第1方向に対して傾斜しており、対向面52と第1方向との成す角度θは、30度以上90度未満である。導波管50の末端にこのような対向面52を設けることにより、導波管50内の高周波を、照射口51側へ反射させることができる。すなわち対向面52は、導波管50内を第1方向に沿って進行する高周波の進行方向を、導波管50の上にある加熱室20側に変更する作用を生じさせる。これにより、照射口51の上にある被加熱物の電界強度を高めることができ、当該被加熱物の加熱強度を選択的に高めることができる。角度θが45度であるときには、対向面52の直上への高周波の反射量を最も高めることができるので、電界強度の集中度合いも最も高くなる。
また、本実施の形態では、照射口51の第1方向すなわち左右方向における長さは、導波管50の上下方向の内寸と等しい。このような構成を採用することで、照射口51の上にある被加熱物の電界強度を高めることができ、当該被加熱物の加熱強度を選択的に高めることができる。
また、本実施の形態では、照射口51の前後方向の長さは、導波管50の前後方向の長さと等しい(図10参照)。導波管50の前後方向の長さに対し、照射口51の長さの方が短いと、導波管50内の高周波の一部は導波管50の上壁で反射して加熱室20に供給される高周波が減衰してしまうが、本実施の形態によればそのような反射を減らすことができる。このため照射口51の上にある被加熱物の電界強度を高めることができ、当該被加熱物の加熱強度を選択的に高めることができる。
また、図6を参照して説明したように、照射口15は、平面視において、加熱室20の底の幅方向(図6の左右方向)の外周側1/3の領域かつ加熱室20の底の奥行き方向(図6の前後方向)の外周側1/3の領域と重なる位置に配置されている。図11の照射口51は、加熱室20の左前隅に位置しており、左側壁23及び扉2に近い位置に配置されているので、照射口51から加熱室20に放射された高周波の一部は、左側壁23で反射し、照射口51の上の被加熱物に吸収される。このように、被加熱物への高周波の吸収比率を高めることができるので、被加熱物の集中的な加熱の度合いを高めることができる。
図14は、実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。図14は、図10に示した3本の導波管50のうち、前後方向中央の導波管50の照射口51を通る断面を示している。
照射口51は、図6にも示されるように、第3載置口13の中心表示131よりも高周波発生器60に近い側、すなわち右側壁22に寄った位置に設けられている。このようにしているのは、次の理由による。まず、第1載置口11及び第2載置口12に対応した照射口51は、高周波の進行方向にある左側壁23に近い位置に配置されている。このため、照射口51から加熱室20内に伝搬して被加熱物に吸収されなかった高周波は、左側壁23又は後壁24で反射し、被加熱物に入射するので、第1載置口11及び第2載置口12に載置された被加熱物への吸収率が高まる。これに対し、図14に示す前後方向中央にある導波管50に対応する第3載置口13(図6参照)は、導波管50における高周波の進行方向とは逆の右側壁22に近い位置に配置されている。このため、第3載置口13に載置された被加熱物に対しては、上述した壁で反射した高周波の入射量が少ない。そこで、本実施の形態では、第3載置口13の中心表示131よりも高周波発生器60に近い側に照射口51を設けている。このようにすることで、垂直方向に対して導波管50内の高周波の進行方向に傾斜した電界強度の高い領域を、第3載置口13の上に形成することができる。これにより、第3載置口13に載置された被加熱物への高周波の吸収度合いを高めることができるので、この被加熱物を効率よく選択的に加熱することができる。
図14に示す導波管50は、3本の導波管50のうち前及び後ろに配置された導波管50よりも長さが短い。しかし、図14に示す導波管50は、距離X1、距離X2、距離X3及び角度θは、図11で示した導波管50と同様の特徴を有する。
具体的に、導波管50の上下方向における中心と、載置面との距離X1は、管内波長λgの1/4以下である。すなわち、導波管50の上下方向における中心から管内波長λgの1/4の距離の範囲内に、載置面である受皿10の上面が位置している。また、距離X2は、Nλg-1/4λg≦X2≦Nλgを満たす。ここで、Nは整数を表す。
図15は、実施の形態1に係る導波管50を平面的に見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。図16は、実施の形態1に係る導波管50を斜め下から見た場合の電界強度分布を模式的に示す図である。図15及び図16では、アンテナ61及び照射口51の大まかな位置をそれぞれ符号で示している。図15及び図16に示すように、アンテナ61から導波管50内に放射された高周波は、管内波長λgの定常波となり、導波管50の軸方向にそって電界強度の強弱の波が形成される。図15及び図16に示す電界強度の模式図は、黒っぽい部分に対して白っぽい部分の方が、電界強度が強い。
本実施の形態では上述のように距離X1を1/4λg以下とした。また、距離X2は、Nλg-1/4λg≦X2≦Nλgを満たす。なお、図14~図16の例では、N=1であり、距離X2は、3/4λg以上λg以下である。このような構成により、第1方向における照射口51の中心の直上には、定常波の腹が位置し、この定常波の腹が載置面と概ね重なる。定常波の腹は、電界強度が強い部分である。つまり、照射口51の上にある第3載置口13(図6等参照)に、電界強度が強い領域が設けられることになる。したがって、加熱室20内の第3載置口13(図6等参照)に載置される被加熱物は、高周波のエネルギー吸収比率が高まるので、この被加熱物は選択的に加熱される。このように、第3載置口13(図6等参照)に載置される被加熱物を選択的に加熱することができる。
また、アンテナ61の照射口51からアンテナ61の第2端部612と、第1方向(左右方向)における導波管50の内壁との最短距離X3は、10mm以上である。また、最短距離X3は、導波管50の第1方向と直交する第2方向である前後方向の内寸の1/2以下である。図14に示す導波管50においては、距離X3は、導波管50の前後方向の内寸の1/2よりも短い。すなわち、図11に示した導波管50の距離X3よりも、図14に示した導波管50の距離X3の方が、短い。このようにすることで、アンテナ61から放射された高周波が導波管50の内壁に反射してアンテナ61に戻ることをさらに抑制することができる。
図14に戻って説明を続ける。導波管50は、第1方向における照射口51側の端部に、対向面52を有している。対向面52は、第1方向に対して傾斜しており、対向面52と第1方向との成す角度θは、30度以上90度未満である。本実施の形態では、図14に示す前後方向中央の導波管50における角度θは、図11に示した導波管50の角度θよりも小さくしており、図14の対向面52は、図11の対向面52よりも水平に近い。上述のように、図14では照射口51を第3載置口13の中心表示131に対してずらした位置に配置しているところ、対向面52をより水平に近い角度とすることで、対向面52で反射して被加熱物に吸収される高周波の割合を高めることができる。これにより、第3載置口13に載置された被加熱物をより選択的に加熱することができる。
図17は、実施の形態1に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。図17は、図10に示した3本の導波管50のうち、最も後ろ側の導波管50の照射口51を通る断面を示している。
図17に示す導波管50は、図11で示した導波管50と同じ長さであり、また、距離X1、距離X2、距離X3及び角度θは、図11で示した導波管50と同様の特徴を有する。この導波管50における電界強度分布は、図12及び図13と同様であるため、図示を省略する。
吸込口491の少なくとも一部は、導波管50の上面よりも上側に配置されている。そして、第1送風機49の吸込口491は、分流板44の左右の領域に跨がった位置に配置されており、導波管50の上側における分流板44の右側及び左側の領域から空気を吸い込む。分流板44によって仕切られた上流ダクト45内の一方には高周波発生器60の放熱フィン62が配置され、他方には右側検知部34が配置されている。このため、高周波発生器60と右側検知部34とが、互いに独立して冷却される。
第1送風機49の吹出口492の少なくとも一部は、加熱室20の底25よりも下側に位置している。そして、この吹出口492は、加熱室20の下にある下流ダクト46に接続されており、上流ダクト45から第1送風機49に吸い込まれた空気が下流ダクト46を流れるよう構成されている。
図18は、実施の形態1に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。加熱調理器100には、制御装置65が設けられている。制御装置65は、加熱調理器100の制御を司る。制御装置65は、回路基板63(図5参照)に実装されている。制御装置65は、専用のハードウェア、またはメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成される。制御装置65が専用のハードウェアである場合、制御装置65は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field-programmable gate array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置65が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。制御装置65がCPUの場合、制御装置65が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置65の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。
操作部4が操作されると、操作に応じた信号が制御装置65に入力される。制御装置65は、操作部4、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34からの入力に基づいて、表示部3、第1送風機49及び高周波発生器60を制御する。
制御装置65には、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が検出した情報を示す信号が入力される。左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34は、温度センサ、カメラ、超音波センサ、又は光センサ若しくはこれら2つ以上の組み合わせにより構成される。
左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が温度センサを含む場合、温度センサが検知した温度、すなわち被加熱物の温度に関する情報が制御装置65に入力される。制御装置65は、入力された情報に基づいて、被加熱物の温度を検出する。本実施の形態では、加熱室20の右、左及び上のそれぞれに検知部が配置されるので、被加熱物の温度をむらなく検出することができる。温度センサが赤外線センサである場合、赤外線センサの検知した温度分布等の情報に基づいて、被加熱物の状態を検出することもできる。
左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34がカメラを含む場合、カメラが検出した画像信号が制御装置65に入力される。制御装置65は、入力された画像信号を用いた画像認識により、被加熱物の大きさ、種類及び状態等の情報を検出する。ここでいう被加熱物の種類とは、ご飯、汁物、及び炒め物、煮物、焼き魚、焼き肉等のメニューの種類を含む。また、被加熱物の状態とは、冷凍状態及び沸騰状態等を含む。
左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が超音波センサを含む場合、超音波センサから超音波を発信し、被加熱物又は容器から反射した超音波を超音波センサで受信し、超音波センサが受信した情報が制御装置65に入力される。制御装置65は、各検知部の超音波センサから入力された情報に基づいて、被加熱物又は容器の有無及び大きさを検出する。
左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が光センサを含む場合、光センサから光を放射し、被加熱物又は容器から反射した光を光センサで受信し、光センサが受信した情報が制御装置65に入力される。制御装置65は、各検知部の光センサから入力された情報に基づいて、被加熱物又は容器の有無及び大きさを検出する。
制御装置65は、第1送風機49の動作開始及び停止を制御する。制御装置65は、高周波発生器60の駆動を開始すると、第1送風機49を動作させ、高周波発生器60の駆動を停止すると、あるいは駆動停止から所定時間経過すると、第1送風機49を停止させる。制御装置65はさらに、第1送風機49の動作時の回転周波数を制御してもよい。この場合、第1ダクト40内に温度センサを設け、温度センサの検出温度が高いほど第1送風機49の回転周波数を上げて第1ダクト40内の冷却風量を増加させるとよい。このようにすることで、冷却対象の温度に応じた冷却風量で効率よく冷却対象を冷却できる。
制御装置65は、高周波発生器60の動作開始及び停止を制御する。本実施の形態では、3つの高周波発生器60が設けられているので、それぞれを制御装置65が制御する。各高周波発生器60の制御は、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34から入力される情報に基づいて行われる。
(加熱動作)
加熱調理器100による被加熱物の加熱動作を説明する。本実施の形態の加熱調理器100は、加熱室20内に複数の被加熱物を同時に収容して加熱する点に特徴を有しているので、複数の被加熱物の加熱動作を説明する。なお、もちろん、加熱室20内に1つの被加熱物を入れて加熱することも可能であるが、ここでは説明を省略する。
まず、ユーザは、受皿10の上に被加熱物が入れられた容器を配置する。このとき、受皿10の第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のそれぞれに、容器を配置する。図6に示したように、受皿10の第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13には、中心表示111、121、131がそれぞれ設けられているので、ユーザは容器の大きさに関わらず、加熱に適した位置に容器を配置しやすい。また、図6に示したように、受皿10の第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13には、メニュー表示112、122、132がそれぞれ設けられているので、ユーザは、各被加熱物の種類に対応した載置口に容器を配置しやすい。
次に、ユーザは、加熱室20の扉2を閉める。扉2が閉められたことを図示しない扉センサからの信号入力によって制御装置65が検出すると、制御装置65は、加熱室20での加熱を開始可能な状態になる。
次に、ユーザは、操作部4を操作して、加熱条件を入力する。初期設定では、図6に示すように第1載置口11にご飯、第2載置口12にみそ汁又はスープ、第3載置口13におかずが載置されているものとして、加熱条件が入力されている。ユーザは、この初期設定と実際の被加熱物とが異なる場合には、操作部4により被加熱物の種類を変更することができる。被加熱物の種類のみならず、被加熱物の状態を操作部4に入力できるようにしてもよい。たとえば、ご飯が冷蔵であるか、冷凍であるか、といった情報を操作部4に入力できるようにしてもよい。また、初期設定なく、ユーザが、第1載置口11、第2載置口12、第3載置口13に載置された被加熱物の種類を操作部4に入力できるようにしてもよい。また、被加熱物の種類に代えて、あるいはこれに加えて、第1載置口11、第2載置口12、第3載置口13のそれぞれに載置された被加熱物の目標温度を、操作部4に入力できるようにしてもよい。また、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34の検知結果に基づいて制御装置65が被加熱物の種類、状態、及び目標温度のいずれか一つ以上を判定し、判定結果を表示部3に表示してもよい。そして、ユーザは、表示された情報の承認の有無及び承認しない場合の変更条件を操作部4に入力し、制御装置65は承認された情報に基づいて加熱を開始する。
制御装置65は、操作部4に入力された加熱条件並びに左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34から入力された情報に基づいて、3つの高周波発生器60の動作を制御する。制御装置65は、3つの高周波発生器60を同時に動作させず、1つずつ順番に動作させるようにするとよい。このようにすることで、加熱調理器100のピーク電流が抑制され、一般的な家庭の100V交流系統電源の電力容量である1500Wを超えないように加熱調理器100を動作させることができる。これにより、加熱調理器100を使用できる電力環境の自由度を高めることができる。また、3つの高周波発生器60を1つずつ順番に動作させると、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のそれぞれに載置された被加熱物は、間欠的に加熱されることになる。このため、仮に1つの被加熱物Aに一時的に加熱ムラが生じたとしても、他の被加熱物が加熱されている間は当該被加熱物Aには照射口51から電磁波が照射されないので、被加熱物Aにおける熱伝導により熱が拡散し、温度ムラが緩和される。したがって、加熱終了時における被加熱物の加熱ムラが抑制され、良好な加熱状態の被加熱物を得ることができる。複数の被加熱物のいずれかが相対的に温度が低く加熱が不足している場合には、その被加熱物が載置された照射口51に対応する高周波発生器60を、優先的に動作させてもよい。例えば、複数の被加熱物のうちいずれかが冷凍品で他が冷蔵品である場合、冷凍品の被加熱物が載置された照射口51の高周波発生器60の出力時間を他よりも長くする、あるいは出力を大きくする。このようにすることで、一時的に加熱ムラが生じたり、初期状態の被加熱物の温度が異なっていたりする場合であっても、加熱終了時の複数の被加熱物の加熱ムラを抑制することができる。
また、制御装置65は、3つの高周波発生器60を、それぞれに対応する被加熱物が目標温度に仕上がるように、制御する。例えば、3つの被加熱物において、初期状態が冷凍のものと冷蔵のものとが混在している場合には、冷凍の被加熱物に対応する載置口の高周波発生器60の動作時間がより長くなるように制御される。加熱中は、定期的に左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が検出した情報が制御装置65に入力され、制御装置65は入力された情報に基づいて3つの高周波発生器60を制御する。また、複数の被加熱物のうち加熱開始時における温度と目標温度との温度差が最も大きい被加熱物に対応した照射口51に高周波を供給する高周波発生器60を、他の高周波発生器60よりも先に動作させてもよい。このようにすることで、初期状態で被加熱物に温度差がある場合でも、仕上がり時の被加熱物の温度を均一に近づけることができる。
また、制御装置65は、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34からの入力に基づいて、各被加熱物それぞれに必要な加熱量を検知してもよい。この場合、制御装置65、左側検知部30、上側検知部33及び右側検知部34が、加熱量検知部として機能する。例えば、加熱量は、各被加熱物の初期温度、種類及び目標温度に基づいて算出される。そして、最も加熱量の大きい被加熱物に対応した照射口51に高周波を供給する高周波発生器60の動作時間を、他の高周波発生器60の動作時間よりも長くする。被加熱物に求められる加熱量が大きいほど対応する高周波発生器60の動作時間を長くすることで、加熱終了時にすべての被加熱物を目標温度にすることができる。
そして、制御装置65は、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のそれぞれに載置された被加熱物の温度が目標温度に到達すると、すべての高周波発生器60を停止させて加熱を終了する。
(冷却動作)
次に、加熱調理器100を構成する発熱部品の冷却に関して説明する。高周波発生器60及び回路基板63の実装部品は動作中に発熱する。また、本実施の形態の右側検知部34は、発熱部品である高周波発生器60及び回路基板63と、高温化する加熱室20との間に位置しており(図6等参照)、熱の影響を受けやすい。このため、加熱調理器100は、高周波発生器60の動作中には、第1送風機49を動作させてこれらの部品を冷却する。
第1送風機49が動作すると、筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6(図1及び図2参照)から外郭筐体1内に空気が吸い込まれる。外郭筐体1に吸い込まれた空気は、ダクト第1吸気口42及びダクト第2吸気口43から上流ダクト45内に流入する(図4参照)。
ダクト第1吸気口42から上流ダクト45内に流入した空気は、右側検知部34及び高周波発生器60の近傍を通過し、強制対流熱伝達によりこれらを冷却する(図6参照)。本実施の形態では、図6に示すように、前後方向に直列に高周波発生器60が配置されているが、前述のように高周波発生器60は交互に動作するので、一の高周波発生器60の熱が他の高周波発生器60に影響を与えにくい。また、3つの高周波発生器60を上流ダクト45内に直列に配置することで、風路構造が単純化され、第1送風機49の負荷が軽減されて騒音を低減することもできる。また、高周波発生器60は、図6に示すように左右にずれた位置に配置されており、高周波発生器60に接続されたアンテナ61もまた左右にずれた位置に配置されている。このため、高周波発生器60の周囲を通過する冷却風が流れやすくなり、高周波発生器60及びアンテナ61の冷却効果を高めることができる。また、発熱体である高周波発生器60及びアンテナ61を分散配置することで、発熱密度を低下させて周囲の温度上昇を抑制できる。
ダクト第2吸気口43から上流ダクト45内に流入した空気は、回路基板63及びこれに接続された放熱フィン64の近傍を通過し、強制対流熱伝達によりこれらを冷却する(図5及び図7参照)。
本実施の形態では、発熱量の多い高周波発生器60と回路基板63のそれぞれに対し、冷却風の吸気口としてダクト第1吸気口42とダクト第2吸気口43とを設けた。このため、高周波発生器60と回路基板63のそれぞれに対し、他の発熱部品を冷却していない低温の室温空気を供給することができ、高周波発生器60と回路基板63の冷却効率を高めることができる。
右側検知部34、回路基板63及び高周波発生器60を冷却した空気は、第1ダクト40の吸込口接続口47から第1送風機49に吸い込まれ、第1送風機49の吹出口492から下流ダクト46へ送出される(図8、図17参照)。下流ダクト46に送出された空気は、ダクト排気口41及び筐体第1排気口8を介して、外郭筐体1の外へ排出される。
本実施の形態では、外郭筐体1への冷却風の流入口である筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6は前方右側に配置され(図1、図2参照)、流出口である筐体第1排気口8は後方左側に配置されている。このように、筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6と、筐体第1排気口8とは、外郭筐体1の対角位置に設けられている。したがって、冷却風のショートサイクルが軽減され、発熱部品の冷却効率を高めることができる。なお、筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6と、筐体第1排気口8とのうちのいずれか一方を、外郭筐体1の上部に設けてもよい。このように、上下方向において冷却風の流入口と流出口を対角位置に配置することで、冷却風のショートサイクルをさらに軽減することができる。
右側検知部34と高周波発生器60及び回路基板63との間には、隔壁を設けるとよい。このようにすることで、高温となる高周波発生器60及び回路基板63からの熱の右側検知部34への影響を軽減することができる。隔壁には、断熱材を設けるとよい。このようにすることで、熱による右側検知部34の検知精度の低下を抑制することができる。
以上のように本実施の形態の加熱調理器100は、被加熱物を収容し、被加熱物が載置される載置面を有する加熱室20と、高周波を発生させる高周波発生器60と、高周波発生器60に接続され、高周波を放射するアンテナ61と、導波管50とを備える。ここで、本実施の形態の加熱室20の載置面は、受皿10の上面である。導波管50は、載置面と平行な第1方向に延び、アンテナ61から放射された高周波を伝送するものであり、導波管は50、加熱室20の底25と対向する位置に、照射口51を有している。そして、導波管50の上下方向における中心と載置面との距離X1は、導波管50内における高周波の管内波長λgの1/4以下である。このため、被加熱物の内部に電界強度の高い領域を設けることができ、照射口51の上方の被加熱物に下方から照射する電磁波のエネルギーの多くを吸収させることができる。したがって、被加熱物の選択的な加熱度合いを高めることができる。また、反射により被加熱物に吸収されずにアンテナ61に戻る電磁波のエネルギーを少なくできるので、加熱効率を高めることができる。
なお、本実施の形態では、加熱室20に受皿10を設け、受皿10の上に被加熱物を載置する構成を説明した。このように受皿10を設けることで、複数の被加熱物を一度に加熱室20に出し入れできる。しかし、受皿10を設けず、加熱室20の底25に直接被加熱物又は容器を載置する態様であってもよい。この場合、加熱室20の底25が、被加熱物の載置面となる。
実施の形態2.
本実施の形態の加熱調理器100は、実施の形態1の加熱調理器100と同様に、加熱室20で複数の被加熱物を同時に加熱でき、さらに1つの被加熱物を加熱する際の加熱ムラを抑制するようにしたものである。また、本実施の形態では、実施の形態1と異なる発熱部品の冷却構造についても説明する。以下、実施の形態1で説明した構成に相当する構成については同じ符号を付すとともに、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図19は、実施の形態2に係る加熱調理器100の斜視図である。本実施の形態2の加熱調理器100は、筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6の位置及び機能が、実施の形態1と異なる。筐体第1吸気口5は、外郭筐体1の右側の側壁の下部に設けられている。筐体第1吸気口5は、後述するように高周波発生器60(図21等参照)を冷却する空気の入口となる。筐体第2吸気口6は、外郭筐体1の右側の側壁の前方上部に設けられている。筐体第2吸気口6は、後述するように回路基板63、上側検知部33及び左側検知部30を冷却する空気の入口となる(図25等参照)。筐体第1吸気口5と筐体第2吸気口6とは、互いに上下に離間した位置に設けられているため、それぞれに吸い込まれる空気が互いに干渉しにくい。
図20は、実施の形態2に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。図20は、前方左側の斜め下から見た状態を示している。本実施の形態の加熱調理器100は、加熱室20の上部に撹拌装置70を備えた点が特徴の一つである。撹拌装置70の機能及び構造については、後述する。
外郭筐体1には、筐体第1排気口8及び筐体第2排気口9が設けられている。筐体第1排気口8は、筐体第1吸気口5(図19参照)から外郭筐体1内に流入した空気の流出口である。筐体第1排気口8は、外郭筐体1の左側壁の後方下部及び底の後方左側に設けられている。筐体第2排気口9は、筐体第2吸気口6(図19参照)から外郭筐体1内に流入した空気の流出口である。筐体第2排気口9は、外郭筐体1の左側壁の前後方向概ね中央の下部に設けられている。筐体第1排気口8と筐体第2排気口9とは、外郭筐体1の前後方向において互いに離間した位置に設けられているため、高温の排気が分散されて室内に拡散する。このため、加熱調理器100の周囲の特定の場所の高温化を抑制することができる。
図19及び図20に示すように、外郭筐体1への空気の流入口である筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6と、空気の流出口である筐体第1排気口8及び筐体第2排気口9とは、外郭筐体1の対角位置に設けられている。したがって、冷却風のショートサイクルが軽減され、発熱部品の冷却効率を高めることができる。
図21は、実施の形態2に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。図21は、前方右側の斜め上から見た状態を示している。本実施の形態の第1ダクト40は、高周波発生器60を冷却する冷却風の通路となる。具体的には、上流ダクト45内には、高周波発生器60と熱的に接続された放熱フィン62が収容されており、高周波発生器60は上流ダクト45の上側に位置している。3つの高周波発生器60のそれぞれに対応して、合計3つの放熱フィン62が設けられており、これら3つの放熱フィン62が上流ダクト45内に並列に配置されている。第1ダクト40のダクト第1吸気口42は、図19に示した筐体第1吸気口5と対向する位置に配置される。第1送風機49が動作すると、ダクト第1吸気口42から上流ダクト45内に空気が流入し、流入した空気によって放熱フィン62が冷却される。放熱フィン62が冷却されることにより、高周波発生器60が冷却される。本実施の形態では、上流ダクト45内に冷却対象である複数の放熱フィン62が並列に配置されているので、互いの熱の影響を受けにくく、同時に複数の放熱フィン62を効率的に冷却することができる。例えば複数の冷却対象が直列に配置されている場合、冷却風の下流側の冷却対象の冷却効率は低下しうるが、本実施の形態によればそのような冷却効率の低下を回避することができる。また、本実施の形態によれば、複数の高周波発生器60が同時に動作して高温化した場合であっても、それぞれの高周波発生器60を同時に効率よく冷却することができる。
さらに本実施の形態では、上流ダクト45内には、隣接する放熱フィン62の間を仕切る仕切りが設けられており、放熱フィン62ごとにダクト第1吸気口42が独立している(図23も参照)。このため、各放熱フィン62のそれぞれに、室温の空気を冷却風としてバランスよく供給することができる。
第1ダクト40の上流ダクト45の上側には、第2ダクト80が設けられている。第2ダクト80は、回路基板63、放熱フィン64、上側検知部33及び左側検知部30(図25参照)を冷却する冷却風の通路である。第2ダクト80は、上流ダクト45の上側から加熱室筐体21の上部及び左側部に渡って設けられている。第2ダクト80に空気を流通させる第2送風機89が、加熱室筐体21の上側に設けられている。第2ダクト80のうち、第2送風機89の上流側を上流ダクト82、下流側を下流ダクト83と称する。第2ダクト80の第2ダクト吸気口81は、ダクト第1吸気口42の上側に配置されている。第2ダクト吸気口81は、図19に示した筐体第2吸気口6と対向する位置に配置される。
本実施の形態の第2送風機89は、シロッコファンである。第2送風機89は、上流ダクト82の上側かつ加熱室筐体21の右側に配置されていて、第2送風機89の吸込口は上流ダクト82と連通している。第2送風機89の吹出口は、下流ダクト83に接続されている。
下流ダクト83は、加熱室筐体21の上面右側に配置された第2送風機89から左側へ向かって延び、加熱室筐体21の左端において曲がって下へ延びている。
第2送風機89が動作すると、空気が第2ダクト吸気口81から上流ダクト82内に流入する。上流ダクト82に流入した空気は、回路基板63及び放熱フィン64の周囲を通過する過程において、これらを冷却する。その後空気は第2送風機89に吸い込まれ、下流ダクト83に送出される。下流ダクト83を流れる空気は、上側検知部33及び左側検知部30(図25参照)を冷却する。
このように本実施の形態では、高温化する高周波発生器60の冷却風路である第1ダクト40と、同じく高温化する部品が実装された回路基板63の冷却風路である第2ダクト80とを、分けて設けている。このため、高周波発生器60と回路基板63のそれぞれを、効率よく冷却することができる。
加熱室筐体21の上面の概ね中央には、モータ71が設けられている。モータ71は、撹拌装置70(図22参照)を回転させる。
図22は、実施の形態2に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図22は、図21に示した状態から加熱室筐体21の天井26を取り外し、前部右側の斜め上から見た状態を示している。
加熱室20の上部には、撹拌装置70が設けられている。撹拌装置70は、加熱室20の空気及び電磁波のいずれか又は両方を撹拌する。本実施の形態の撹拌装置70は、長尺状の三枚の羽根が放射状に接合されて構成されており、図21に示したモータ71によって回転する。
加熱室20の上部には、上側検知部33が設けられている。上側検知部33は、実施の形態1と同様に、温度センサ、カメラ、超音波センサ、又は光センサ若しくはこれらの組み合わせにより構成される。本実施の形態では、受皿10には実施の形態1と同様に第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13が設けられていて、複数の被加熱物を載置可能であるが、複数の被加熱物の情報を1つの上側検知部33で検知する。このため、本実施の形態の上側検知部33は、実施の形態1の上側検知部33と比べて視野が広く、複数の被加熱物の情報を検知できるよう構成されている。
上側検知部33は、撹拌装置70よりも上側に配置されている。そして、上面視における撹拌装置70の回転軌跡は、上側検知部33の視野と重なるが、撹拌装置70を構成する隣り合う羽根同士の間に隙間が設けられているので、上側検知部33の視野が常時撹拌装置70によって妨げられることはない。このため、上側検知部33は、撹拌装置70によって視野が妨げられていないときに、被加熱物の情報を検知することができる。
なお、本実施の形態の撹拌装置70は、長尺状の羽根3枚が放射状に接合されて構成された例を説明したが、撹拌装置70の具体的構造はこれに限定されない。例えば、羽根は2枚又は3枚以上であってもよい。この場合、隣り合う羽根同士の隙間を設け、上側検知部33の視野が常には羽根によって覆われないようにする。また、隣接する羽根の外周部同士が弧状又は棒状の部材で接続されていてもよい。また、円盤状の部材で撹拌装置70を構成してもよい。この場合、円盤状の部材には、上側検知部33の視野を確保するための開口を設ける。
図23は、実施の形態2に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図23は、図22に示された状態から、受皿10、高周波発生器60、撹拌装置70、上側検知部33、及び第2ダクト80が取り外された状態を示している。距離X1、X2、X3及び角度θに関する構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本実施の形態では、加熱室20の左側壁23に、1つの左側検知部30が設けられている。左側検知部30は、左側壁23の外面に設置されており、左側壁23に形成された窓を介して加熱室20内の被加熱物の情報を検知する。本実施の形態では、図22等に示したように複数の被加熱物を加熱室20に収容可能であるが、複数の被加熱物の情報を1つの左側検知部30で検知する。このため、本実施の形態の左側検知部30は、実施の形態1の左側検知部30と比べて視野が広く、複数の被加熱物の情報を検知できるよう構成されている。左側検知部30の前後方向における位置は、前後方向の概ね中心であることがのぞましい。このようにすることで、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13それぞれに載置されたすべての被加熱物の左側面を、左側検知部30の視野に含みやすくなる。すなわち、第3載置口13に載置された被加熱物は、第1載置口11及び第2載置口12に載置された被加熱物の影になりにくいので、いずれの被加熱物の情報も検知しやすい。本実施の形態では、複数の被加熱物の左側面の情報を1つの左側検知部30で検知するようにしたので、複数の左側検知部30を設けるよりも加熱調理器100の製造コストを低減できる。
図24は、実施の形態2に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。図24は、図23に示した3本の導波管50のうち、最も前側の導波管50の照射口51を通る断面を示している。距離X1、X2、X3及び角度θに関する構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
筐体第2吸気口6には、第2ダクト80の第2ダクト吸気口81に接続されている。筐体第2吸気口6と第2ダクト吸気口81とは、ほぼ同じ高さを有しており、これらの高さの範囲内に、放熱フィン64が配置されている。このため、筐体第2吸気口6及び第2ダクト吸気口81から吸い込まれた冷却風の、放熱フィン64への接触効率を高めることができ、放熱フィン64を効率的に冷却することができる。
放熱フィン64の下流側に、第2送風機89の吸気口891が配置されている。本実施の形態では、第2送風機89の吸気口891が下を向くように配置されており、吸気口891の直下に放熱フィン64が位置していて、吸気口891と放熱フィン64との間には直線的な風路が形成されている。吸気口891に吸い込まれる空気が放熱フィン64の周囲を通過するので放熱フィン64の冷却風量が増え、また風速も大きくなるので、放熱フィン64の冷却効率を高めることができる。
図25は、実施の形態2に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。図25は、図23に示した3本の導波管50のうち、前後方向中央の導波管50の照射口51を通る断面を示している。距離X1、X2、X3及び角度θに関する構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
第2送風機89の吹出口892は、下流ダクト83に接続されており、第2送風機89から送出された空気は、下流ダクト83を流れる。下流ダクト83には、上側検知部33及び左側検知部30が設けられている。このため、下流ダクト83を流れる空気により、上側検知部33及び左側検知部30を冷却することができる。冷却することで、上側検知部33及び左側検知部30の熱による劣化を抑制して故障率を低下させることができる。
下流ダクト83の下流端には、第2ダクト80からの空気の出口である第2ダクト排気口84が設けられている。第2ダクト排気口84は、筐体第2排気口9と対向して設けられている。下流ダクト83を流れた空気は、第2ダクト排気口84及び筐体第2排気口9を介して加熱調理器100の外部へ排出される。
図26は、実施の形態2に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図26は、上側検知部33を通る横断面を上から見た図を示しており、説明のため加熱室20の天井26の図示を省略している。また、図26には、被加熱物を入れる容器201を併せて図示している。
撹拌装置70は、加熱室20内に1つの被加熱物が収納されて加熱される場合に、回転して空気及び/又は電磁波を撹拌する。これにより、被加熱物の加熱ムラを軽減することができる。撹拌装置70が停止する際には、図26に示すように、羽根と羽根との間の隙間に上側検知部33が位置するよう制御装置65(図18参照)によって制御される。このようにすることで、撹拌装置70が上側検知部33の視野を妨げないので、上側検知部33の検知精度を維持することができる。
図27は、実施の形態2に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図27は、左側検知部30を通る横断面を上から見た図を示している。本実施の形態の受皿10には、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13に加え、第4載置口14が設けられている。第4載置口14は、加熱室20に1つの被加熱物を載置する際の位置の目安を表示するものであり、受皿10の概ね中央に配置されている。第4載置口14は、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13とは異なる態様で表示されており、本実施の形態では前者は破線、後者は実線で表示されている。このようにすることで、ユーザは、複数の被加熱物を加熱するときと1つの被加熱物を載置するときとで、被加熱物の載置位置を容易に識別できるので、加熱時の作業性を向上させることができる。被加熱物がその数に適した場所に配置されることで、後述する加熱制御の精度も高まり、被加熱物の過熱状態を良好にすることができる。第4載置口14の中心には、中心表示141が設けられている。
第4載置口14は、第1載置口11、第2載置口12及び第3載置口13のいずれとも完全には重複しておらず、一部が重複するのみである。すなわち、いずれの照射口51とも完全には重なっておらず、多くて一部が重なるのみである。このため、第4載置口14に載置された被加熱物を加熱する際に、被加熱物の局所的な加熱が軽減され、被加熱物の温度ムラを抑制することができる。
第4載置口14の中心表示141は、中心表示111、中心表示121及び中心表示131の中心と重なるように、あるいはこれに近づくようにして、配置されているとよい。このようにすることで、各照射口51からの電磁波による加熱が均一化され、被加熱物の外周部全体をまんべんなく加熱しやすくなるので、被加熱物の温度ムラを抑制して被加熱物の温度を均一に近づけることができる。
図28は、実施の形態2に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。本実施の形態では、実施の形態1で説明した右側検知部34が設けられていない。制御装置65は、操作部4、左側検知部30及び上側検知部33からの入力に基づいて、表示部3、第1送風機49、高周波発生器60、撹拌装置70及び第2送風機89を制御する。
制御装置65は、第2送風機89の動作開始及び停止を制御する。制御装置65は、高周波発生器60の駆動を開始すると、第2送風機89を動作させ、高周波発生器60の駆動を停止すると、あるいは駆動停止から所定時間経過すると、第2送風機89を停止させる。制御装置65はさらに、第2送風機89の動作時の回転周波数を制御してもよい。この場合、第2ダクト80内に温度センサを設け、温度センサの検出温度が高いほど第2送風機89の回転周波数を上げて第2送風機89内の冷却風量を増加させるとよい。このようにすることで、冷却対象の温度に応じた冷却風量で効率よく冷却対象を冷却できる。
また、制御装置65は、撹拌装置70の動作開始及び停止を制御する。制御装置65は、1つの被加熱物を加熱する場合には、撹拌装置70を動作させる。これにより、照射口51(図27参照)また、制御装置65は、複数の被加熱物を加熱する場合には、撹拌装置70を停止させた状態とする。複数の被加熱物を同時に加熱する場合には、実施の形態1で説明したように高周波発生器60が選択的に動作し、動作中の高周波発生器60に対応する載置口の被加熱物が選択的に加熱される。撹拌装置70を停止させた状態とすることで、このような選択的な加熱の作用を撹拌装置70が阻害することがない。
(加熱動作)
本実施の形態の加熱調理器100による被加熱物の加熱動作を説明する。本実施の形態の加熱調理器100は、加熱室20内に複数の被加熱物を同時に収容して加熱する点は、実施の形態1と同様であるので、1つの被加熱物を加熱する場合の加熱動作を中心に説明する。
まず、ユーザは、受皿10の上に被加熱物が入れられた容器を配置する。このとき、受皿10の第4載置口14は被加熱物を配置する。図27に示したように、第4載置口14は、他の載置口とは異なる態様で表示されているので、ユーザは被加熱物の載置場所を間違えにくく、ユーザの利便性を向上させることができる。
次に、ユーザは、加熱室20の扉2を閉める。扉2が閉められたことを図示しない扉センサからの信号入力によって制御装置65が検出すると、制御装置65は、加熱室20での加熱を開始可能な状態になる。
次に、ユーザは、操作部4(図19参照)を操作して、加熱条件を入力する。ユーザは、操作部4により、ご飯、汁物、おかずといった被加熱物の種類を設定する。被加熱物の種類のみならず、被加熱物の状態を操作部4に入力できるようにしてもよい。たとえば、ご飯が冷蔵であるか、冷凍であるか、といった情報を操作部4に入力できるようにしてもよい。また、被加熱物の種類に代えて、あるいはこれに加えて、第4載置口14に載置された被加熱物の目標温度を、操作部4に入力できるようにしてもよい。また、左側検知部30及び上側検知部33の検知結果に基づいて、制御装置65が被加熱物の数、種類、状態、及び目標温度のいずれか一つ以上を判定し、判定結果を表示部3に表示してもよい。そして、ユーザは、表示された情報の承認の有無及び承認しない場合の変更条件を操作部4に入力し、制御装置65は承認された情報に基づいて加熱を開始する。
制御装置65は、操作部4に入力された加熱条件並びに左側検知部30及び上側検知部33から入力された情報に基づいて、高周波発生器60及び撹拌装置70の動作を制御する。
高周波発生器60の制御について説明する。制御装置65は、3つの高周波発生器60を同時に動作させず、1つずつ順番に動作させる。このようにすることで、3つの照射口51から順に高周波が加熱室20内に供給される。第4載置口14は、3つの照射口51のいずれとも完全には重ならず、3つの照射口51で囲まれた領域概ね位置している(図27参照)。このため、3つの照射口51から順に高周波が供給されると、第4載置口14の被加熱物の外側からまんべんなく高周波が吸収される。これにより、被加熱物の温度ムラを抑制して加熱状態をより均一に近づけることができる。なお、左側検知部30及び/又は上側検知部33が検知した情報に基づいて被加熱物の加熱状態を検知し、相対的に温度が低い箇所、すなわち加熱が不足している箇所に近い照射口51に対応した高周波発生器60を、優先的に動作させてもよい。このようにすることで、一時的に加熱ムラが生じても、加熱終了時の被加熱物をムラなく加熱された状態にすることができる。
撹拌装置70の制御について説明する。制御装置65は、高周波発生器60を動作させているときに、撹拌装置70も同時に動作させる。具体的に、モータ71を動作させて、モータ71の回転軸に連結された撹拌装置70を回転させる。撹拌装置70が動作すると、加熱室20内の空気及び/又は電磁波が撹拌される。撹拌装置70によって加熱室20の空気が撹拌されることで、加熱室20内の空気温度の不均一が緩和され、被加熱物の温度を均一に近づけることができる。また、撹拌装置70によって電磁波が撹拌されることで、被加熱物の外周全体からまんべんなく電磁波が吸収され、被加熱物の温度を均一に近づけることができる。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、1台の加熱調理器100に複数の高周波発生器60を設け、複数の照射口51から高周波を加熱室20に供給して、複数の被加熱物を同時に加熱することを説明した。本実施の形態では、1つの高周波発生器60を用いて、複数の被加熱物を同時に加熱する態様を説明する。以下、実施の形態1及び実施の形態2で説明した構成に相当する構成については同じ符号を付すとともに、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明する。
図29は、実施の形態3に係る加熱調理器100の斜視図である。本実施の形態3の加熱調理器100の筐体第1吸気口5は、高周波発生器60(図31参照)及び上側検知部33(図33参照)を冷却する空気の入口であるという機能面では実施の形態1と同じであるが、位置が実施の形態1と異なる。本実施の形態の筐体第1吸気口5は、外郭筐体1の右側の側壁の前後方向概ね中央であって、上下方向の下側に配置されている。筐体第2吸気口6は、回路基板63(図34参照)を冷却する空気の入口であるという機能面では実施の形態1と同じであるが、位置が実施の形態1と異なる。本実施の形態の筐体第2吸気口6は、外郭筐体1の右側の側壁の後部下隅に配置されている。筐体第1吸気口5と筐体第2吸気口6とは、互いに前後に離間した位置に設けられているため、それぞれに吸い込まれる空気が互いに干渉しにくい。
図30は、実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2が取り外された状態の斜視図である。図30は、前方左側の斜め上から見た状態を示している。本実施の形態の加熱室20内には、実施の形態1及び実施の形態2の受皿10に代えて、受皿90が設けられている。受皿90は、被加熱物が載置される皿である。受皿90は、加熱室20内に出し入れ自在に構成されているのが好ましい。
外郭筐体1には、筐体第1排気口8及び筐体第2排気口9が設けられている。筐体第1排気口8は、筐体第1吸気口5(図29参照)から外郭筐体1内に流入した空気の流出口である。筐体第1排気口8は、外郭筐体1の左側壁の上下方向概ね中央の上部に設けられている。筐体第2排気口9は、筐体第2吸気口6(図29参照)から外郭筐体1内に流入した空気の流出口である。筐体第2排気口9は、外郭筐体1の左側の側壁の後部下隅に配置されている。筐体第1排気口8と筐体第2排気口9とは、外郭筐体1の前後方向及び上下方向において互いに離間した位置に設けられているため、高温の排気が分散されて室内に拡散する。このため、加熱調理器100の周囲の特定の場所の高温化を抑制することができる。
図29及び図30に示すように、外郭筐体1への空気の流入口である筐体第1吸気口5及び筐体第2吸気口6と、空気の流出口である筐体第1排気口8及び筐体第2排気口9とは、外郭筐体1の互いに反対側の側面に設けられている。したがって、冷却風のショートサイクルが軽減され、発熱部品の冷却効率を高めることができる。
図31は、実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。図31は、前方右側の斜め上から見た状態を示している。
本実施の形態の第1ダクト40は、回路基板63(図34参照)を冷却する冷却風の通路となる。具体的には、第1ダクト40内には、第1送風機49が配置されている。第1送風機49は、本実施の形態では軸流送風機であり、ダクト第1吸気口42に設置されている。ダクト第1吸気口42から左右に直線的に延びる第1ダクト40内に、第1送風機49の回転軸が沿うようにして配置されており、第1送風機49が動作するとダクト第1吸気口42から吸い込まれた空気が直線的に第1ダクト40内に送出される。
第2ダクト80は、本実施の形態では、高周波発生器60及び上側検知部33(図33参照)を冷却する冷却風の通路となる。具体的には、第2ダクト80の第2ダクト吸気口81には、高周波発生器60の放熱フィン62が収容されている。第2ダクト80は、加熱室筐体21の右側壁22に向かって概ね水平に延びて上に曲がり、右側壁22に沿って上に延び、天井26に沿って左へ延びている。
図32は、実施の形態3に係る加熱調理器100の扉2及び外郭筐体1が取り外された状態の斜視図である。図32は、前方左側の斜め下から見た状態を示している。
加熱室筐体21の底25には、回転駆動装置95と、回転位置検知装置96とが設けられている。回転駆動装置95は、受皿90を回転させるモータを含む。回転駆動装置95のモータの回転軸は、加熱室20内の受皿90と接続されており、回転駆動装置95の回転軸が水平方向に回転することで、受皿90も回転する。
回転位置検知装置96は、受皿90の回転角度及び/又は位置を検知する装置を含む。回転位置検知装置96は、例えば、機械式、磁気式、光学式、電磁誘導式等の位置角度センサである。本実施の形態では、回転位置検知装置96は、回転駆動装置95とは別の装置として設けられているが、回転駆動装置95に内蔵されていてもよい。また、回転位置検知装置96は、重量センサをさらに備え、重量センサによって受皿90に載置された被加熱物の重量を検出するようにしてもよい。
第1ダクト40の少なくとも一部は、加熱室筐体21の底25の下側に配置され、底25に沿って右から左へダクト排気口41に向かって延びている。第1ダクト40の少なくとも一部を加熱室筐体21の下に配置することで、加熱調理器100の前後方向の寸法を抑制することができ、これにより加熱調理器100の設置場所の自由度を向上させることができる。ダクト排気口41は、筐体第2排気口9(図30参照)と対向するように配置される。
第2ダクト80の第2ダクト排気口84は、加熱室筐体21の天井26の上において、左側に向かって開口している。第2ダクト排気口84は、筐体第1排気口8(図30参照)と対向するように配置される。
本実施の形態では、発熱量の多い高周波発生器60と回路基板63とで冷却ダクトを分けた。このため、高周波発生器60と回路基板63のそれぞれに対し、他の発熱部品を冷却していない低温の室温空気を供給することができ、高周波発生器60と回路基板63の冷却効率を高めることができる。また、高周波発生器60を冷却する第2送風機89と、回路基板63を冷却する第1送風機49と個別に設けたので、冷却対象に応じた冷却風量を実現できる。
図33は、実施の形態3に係る加熱調理器100背面側斜視図である。図33は、外郭筐体1及び第2ダクト80の上面を構成する部材が取り外された状態を示している。
上側検知部33は、天井26の上に設けられている。より詳しくは、天井26の前後方向概ね中央の右に寄った位置に配置されている。上側検知部33は、実施の形態1と同様に、温度センサ、カメラ、超音波センサ、又は光センサ若しくはこれらの組み合わせにより構成される。本実施の形態では、実施の形態2と同様に、1つの上側検知部33で複数の被加熱物の情報を検知する。
第2ダクト80には、第2ダクト吸気口81側から順に、放熱フィン62、第2送風機89、右側検知部34及び上側検知部33が配置されている。第2送風機89が動作すると、室内の空気が第2ダクト吸気口81から吸い込まれて放熱フィン62を冷却し、この空気は第2送風機89に吸い込まれて送出される。第2送風機89から送出された空気は、右側検知部34及び上側検知部33を順次冷却する。このように第2送風機89の下流側に、右側検知部34と上側検知部33が直列に配置されているので、両者の近傍を通る空気温度は近い温度になり、冷却後の右側検知部34と上側検知部33は近い温度となる。右側検知部34と上側検知部33の温度差を軽減することで、温度差による両者の検知精度のバラつきが抑制され、被加熱物の情報の検知精度を向上させることができる。
図34は、実施の形態3に係る加熱調理器100の内部構造を説明する斜視図である。図34は、図31に示した状態から加熱室筐体21の天井26、第1ダクト40及び第2ダクト80が取り外された状態を示している。
右側壁22の外側には、右側検知部34が設けられている。右側検知部34は、加熱室20と高周波発生器60とに挟まれた位置に配置されている。
回路基板63の下側には、放熱フィン64が配置されており、第1送風機49からの冷却風が放熱フィン64に供給される。
図35は、実施の形態3に係る加熱調理器100の内部構造を説明する図である。図35は、図34に示した状態から受皿90が取り外された加熱調理器100を、前方左斜め上から見たものを示している。
加熱室20の底25の上には受皿支持部97が設けられている。受皿支持部97は、本実施の形態では円盤状の部材である。受皿支持部97は、回転駆動装置95の回転軸に連結されており、回転駆動装置95が動作すると受皿支持部97が水平方向に回転する。受皿支持部97の上に、受皿90が載置されると、受皿支持部97の回転に伴って受皿90も回転する。
照射口51は、加熱室20の概ね中央に配置された回転駆動装置95と高周波発生器60との間に配置されている。このため、本実施の形態の導波管50(図38参照)は、実施の形態1及び実施の形態2で示した前側及び後ろ側の導波管50よりも長さが短い。導波管50を短くすることで、加熱調理器100を小型化及び軽量化することができる。また、導波管50を短くすることで、導波管50によって伝送される高周波の損失が低減され、加熱効率を向上させることができる。また、導波管50の実装スペースを小さくすることができるので、回転駆動装置95の配置スペースが確保され、回転駆動装置95を底25の中央に配置できる。したがって、回転駆動装置95の回転軸と受皿支持部97とを直線的に連結できるので、受皿90の回転に係る構造が単純化されて加熱調理器100の製造コストを低減できる。
図36は、実施の形態3に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図36は、右側検知部34を通る横断面を上から見た図を示している。受皿90には、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93及び第4載置口94が設けられている。本実施の形態では、受皿90に1~3つの被加熱物を載置して同時に加熱できるのが特徴である。第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93及び第4載置口94は、受皿90に施された印刷、又は突起もしくはこれらの組み合わせによって構成されている。第1載置口91の中心には中心表示911が設けられ、第2載置口92の中心には中心表示921が設けられ、第3載置口93の中心には中心表示931が設けられている。
第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93は、受皿90が回転したときに、照射口51と重なる位置に設けられている。好ましくは、平面視において、受皿90が回転したときの各載置口の軌跡は、照射口51の中心を通過する。このため、照射口51からの高周波は、各載置口に載置された被加熱物に吸収されやすい。
第4載置口94は、受皿90に1つの被加熱物を載置する際の位置の目安を示す。第4載置口94は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93とは異なる態様で表示されており、本実施の形態では、前者は破線、後者は実線で表示されている。本実施の形態では、第4載置口14、中心表示911、中心表示921及び中心表示931を通る円形である。また本実施の形態の第4載置口14は、平面形状が円形の受皿90の中心と同心円である。
第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93及び第4載置口94を受皿90に設けることで、ユーザは被加熱物の載置位置を認識しやすくなる。ユーザが被加熱物の数に応じた位置に被加熱物を載置することで、加熱時の温度の精度を高めることができる。なお、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93及び第4載置口94の形状は、本実施の形態ではいずれも円形であるが、角形であってもよいし、その大きさも互いに異なっていてもよい。
第1載置口91の内側にはメニュー表示912が設けられ、第2載置口92の内側にはメニュー表示922が設けられ、第3載置口93の内側にはメニュー表示932が設けられている。メニュー表示912、922、932は、複数の被加熱物を同時に受皿90に載置する際の、各載置口に載置されるべき被加熱物の種類を表示している。
図36において、回転駆動装置95の回転軸の位置をP1、受皿90の回転半径をr、照射口51の中心をP2で示している。平面視における照射口51の中心P2は、受皿90の回転半怪rの中間よりも、回転軸の位置P1から離れた位置にある。このようにすることで、受皿90に載置される被加熱物における高周波が通過する領域を増加させることができるので、照射口51の上にある載置口の被加熱物による高周波の吸収比率が高まる。これにより、被加熱物の選択的な加熱の度合いを高めることができ、又加熱効率を高めることができる。
図37は、実施の形態3に係る加熱調理器100の横断面模式図である。図37は、上側検知部33を通る横断面を上から見た図を示しており、説明のため加熱室20の天井26の図示を省略している。また、図37には、被加熱物を入れる容器201を併せて図示している。
上側検知部33は、上面視において、その視野が、第4載置口94(図36参照)と重なるようにして配置されている。望ましくは、上側検知部33の視野の中心が、第4載置口94と上面視において重なるように配置されている。上述のとおり第4載置口94は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93の中心と重なる位置に設けられているので、いずれの載置口に被加熱物が載置された場合であっても、上側検知部33の視野には、被加熱物の中心あるいは中心近傍が入りやすい。このため、上側検知部33による被加熱物の情報の検知精度を高めることができる。
図38は、実施の形態3に係る加熱調理器100の照射口51を通る左右方向の縦断面模式図である。距離X1、X2、X3及び角度θに関する構成は、実施の形態1と同様である。ここで、本実施の形態の加熱室20における被加熱物の載置面は、受皿90の上面である。したがって、導波管50の上下方向における中心から管内波長λgの1/4の距離の範囲内に、載置面である受皿10の上面が位置している。
図39は、実施の形態3に係る加熱調理器100の機能ブロック図である。本実施の形態では、実施の形態1で説明した左側検知部30が設けられていない。制御装置65は、操作部、上側検知部33、右側検知部34及び回転位置検知装置96からの入力に基づいて、表示部3、第1送風機49、高周波発生器60、第2送風機89及び回転駆動装置95を制御する。
制御装置65は、回転位置検知装置96が検知した受皿90の回転位置に基づいて、受皿90の第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93と照射口51との位置関係を検出する。そして、複数の被加熱物を同時に加熱する場合には、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93のいずれかが平面視において照射口51と重なるように、回転駆動装置95を制御する。また、単一の被加熱物を加熱する場合、すなわち第4載置口14にのみ被加熱物が載置されている場合には、上側検知部33及び右側検知部34からの被加熱物の情報に基づいて、被加熱物の加熱状態が均一に近づくように、回転駆動装置95を制御する。
(加熱動作)
本実施の形態の加熱調理器100による被加熱物の加熱動作を説明する。以下、加熱室20に複数の被加熱物を同時に収容して加熱する場合の動作と、一つの被加熱物を加熱する場合の動作とを、それぞれ説明する。
(複数の被加熱物の加熱動作)
まず、ユーザは、受皿90の上に被加熱物が入れられた容器を配置する。このとき、受皿90の第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93のそれぞれに、容器を配置する。
次に、ユーザは、加熱室20の扉2を閉める。扉2が閉められたことを図示しない扉センサからの信号入力によって制御装置65が検出すると、制御装置65は、加熱室20での加熱を開始可能な状態になる。
次に、ユーザは、操作部4を操作して、加熱条件を入力する。初期設定では、図36に示すように第1載置口91にご飯、第2載置口92にみそ汁又はスープ、第3載置口93におかずが載置されているものとして、加熱条件が入力されている。ユーザは、この初期設定と実際の被加熱物とが異なる場合には、操作部4により被加熱物の種類を変更することができる。被加熱物の種類のみならず、被加熱物の状態を操作部4に入力できるようにしてもよい。たとえば、ご飯が冷蔵であるか、冷凍であるか、といった温度及び/又は状態に関する情報を操作部4に入力できるようにしてもよい。また、初期設定なく、ユーザが、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93に載置された被加熱物の種類を操作部4に入力できるようにしてもよい。また、被加熱物の種類に代えて、あるいはこれに加えて、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93のそれぞれに載置された被加熱物の目標温度を、操作部4に入力できるようにしてもよい。また、上側検知部33及び右側検知部34の検知結果に基づいて制御装置65が被加熱物の種類、状態、及び目標温度のいずれか一つ以上を判定し、判定結果を表示部3に表示してもよい。そして、ユーザは、表示された情報の承認の有無及び承認しない場合の変更条件を操作部4に入力し、制御装置65は承認された情報に基づいて加熱を開始する。
図40は、実施の形態3に係る複数の被加熱物を加熱する場合の動作フローチャートである。
(ステップS1)
制御装置65は、回転位置検知装置96から入力された情報に基づいて、現在の受皿90の回転位置を検出する。これにより、照射口51と、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93との位置関係を検出する。
(ステップS2)
制御装置65は、回転駆動装置95を動作させ、受皿90を回転させて初期位置にする。初期位置は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93のいずれかが照射口51と平面視において重なる位置である。本実施の形態では、第1載置口91が照射口51と重なる位置を、初期位置とする。
(ステップS3)
制御装置65は、高周波発生器60を動作させる。これにより、照射口51から高周波が加熱室20内に供給され、照射口51の上にある被加熱物に高周波が吸収され、被加熱物が加熱される。上述のように、距離X1、距離X2、距離X3及び角度θ(図38参照)は、実施の形態1と同様の構成であるので、実施の形態1で説明したように照射口51の上の被加熱物を集中的に加熱することができる。
(ステップS4)
制御装置65は、加熱対象の載置口を切り換えるための切換条件が成立したか否かを判定する。切換条件は、ステップS3での高周波発生器60の動作開始からの経過時間、被加熱物の温度、又は被加熱物に必要な加熱量のいずれか一つ以上を含むことができる。
切換条件が、上記経過時間である場合、制御装置65はステップS3での高周波発生器60の動作開始からの経過時間を内蔵タイマーで計測し、経過時間が閾値に達したら、切換条件が成立したと判断する。経過時間の閾値は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93それぞれに載置された被加熱物の初期温度、初期温度と目標温度との温度差、大きさ、必要な加熱量等によって異ならせてもよい。たとえば、被加熱物の初期温度が低いほど、あるいは温度差が大きいほど、あるいは被加熱物の大きさが大きいほど、あるいは加熱量が大きいほど、経過時間の閾値を大きくし、照射口51とその載置口とが重なる時間を長くする。このようにすることで、当該載置口の被加熱物を、他の被加熱物よりも長く加熱することができ、加熱終了時の複数の被加熱物の温度を均一に近づけることができる。
切換条件が、被加熱物の温度である場合、上側検知部33及び右側検知部34のいずれか又は両方の検知結果に基づいて、照射口51の上の被加熱物の温度を検出し、検出した温度が閾値に到達したら、切換条件が成立したと判断する。温度の閾値は、絶対値であってもよいし、初期温度からの上昇温度であってもよい。温度の閾値が初期温度からの上昇温度である場合、閾値は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93それぞれに載置された被加熱物の初期温度、あるいは初期温度と目標温度との温度差、あるいは大きさ等によって異ならせてもよい。たとえば、被加熱物の初期温度が低いほど、あるいは温度差が大きいほど、あるいは被加熱物の大きさが大きいほど、温度の閾値を大きくする。このようにすることで、当該載置口の被加熱物を、他の被加熱物よりも長く加熱することができ、加熱終了時の複数の被加熱物の温度を均一に近づけることができる。
切換条件が、被加熱物に必要な加熱量である場合、照射口51の上に被加熱物に必要な加熱量を検知し、高周波発生器60によって実現された加熱量が必要な加熱量に到達したら、切換条件が成立したと判断する。加熱量の検知例は、実施の形態1で説明したとおりである。
ステップS4において切換条件が成立していない場合には(ステップS4:NO)、高周波発生器60の動作を継続し(ステップS3)、切換条件が成立した場合には(ステップS4:YES)、ステップS5へ進む。
(ステップS5)
制御装置65は、高周波発生器60を停止させる。
(ステップS6)
制御装置65は、回転駆動装置95を動作させ、受皿90を回転させて、照射口51の上に位置する載置口を変更する。本実施の形態では、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93の順に照射口51の上に位置するように、回転駆動装置95が制御される。
(ステップS7)
制御装置65は、加熱室20での加熱終了の条件が成立したか否かを判定する。加熱終了条件は、ステップS3での高周波発生器60の動作開始からの経過時間、被加熱物の温度、又は被加熱物に必要な加熱量のいずれか一つ以上を含むことができる。経過時間、被加熱物の温度、又は被加熱物に必要な加熱量を用いた判定は、ステップS4について説明したものを適用することができる。
加熱終了条件が成立していない場合(ステップS7:NO)、高周波発生器60の動作を継続し(ステップS3)、加熱終了条件が成立すると(ステップS7:YES)、ステップS8へ進む。
(ステップS8)
制御装置65は、高周波発生器60を停止させる。
(ステップS9)
制御装置65は、回転駆動装置95を制御して、受皿90を回転させる。このとき、回転駆動装置95は、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93のいずれかと扉2との最短距離が最も短くなる位置に、受皿90を回転させて停止させる。このようにすることで、扉2をあけたユーザは被加熱物を取り出しやすいので、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、ステップS9において、扉2があけられて手前の被加熱物が取り出された後に、回転駆動装置95は、他の載置口と扉2との最短距離が最も短くなるように、受皿90を回転させて停止させてもよい。このように、扉2に近い位置に順に載置口が回転移動してくることで、ユーザはすべての被加熱物を取り出しやすいので、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、ステップS9において、受皿90に載置された被加熱物の数が最大数(本実施の形態の場合、3つ)よりも少ない場合には、被加熱物が載置された載置口が扉2の近くに位置するように、受皿90を回転させて停止させるとよい。
なお、ステップS7において加熱終了条件が成立するまでの間に、第1載置口91、第2載置口92及び第3載置口93が、それぞれ照射口51と複数回重なるように、すなわち集中的に高周波が供給されるように、受皿90を回転させてもよい。つまり、第1載置口91、第2載置口92、第3載置口93の順で照射口51と重なるように受皿90を回転させた後、再び第1載置口91から順に照射口51と重なるよう受皿90を回転させる。このようにすることで、各載置口の被加熱物の加熱ムラをさらに抑制することができる。照射口51と重なっていない載置口には、集中的な高周波の供給はなされないが、加熱室20内に反射した高周波の作用により加熱されるとともに、被加熱物における熱伝導により熱が拡散し、温度ムラが緩和される。したがって、各載置口が照射口51と複数回重なるように受皿90を回転させることで、加熱終了時までの総加熱時間が短縮されて加熱効率を向上させることができるとともに、加熱ムラも抑制することができる。
(1つの被加熱物の加熱動作)
まず、ユーザは、受皿90の上に被加熱物が入れられた容器を配置する。このとき、受皿90の第4載置口に、容器を配置する。次に、ユーザは、加熱室20の扉2を閉める。扉2が閉められたことを図示しない扉センサからの信号入力によって制御装置65が検出すると、制御装置65は、加熱室20での加熱を開始可能な状態になる。次に、ユーザは、操作部4を操作して、加熱条件を入力する。
制御装置65は、入力された加熱条件と、上側検知部33及び右側検知部34の検知結果に基づいて、高周波発生器60を動作させる。
高周波発生器60の動作中、制御装置65は、回転駆動装置95を制御して受皿90を回転させてもよい。第4載置口14は受皿90の中心に設けられているところ、受皿90を回転させることで、受皿90の中心から特定方向に離れた位置にある照射口51からの高周波を、被加熱物の外周部にまんべんなく吸収させることができる。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100によっても、照射口51の上方の被加熱物に下方から照射する高周波のエネルギーの多くを吸収させることができる。したがって、被加熱物の選択的な加熱度合いを高めることができる。また、反射により被加熱物に吸収されずにアンテナ61に戻る高周波のエネルギーを少なくできるので、加熱効率を高めることができる。また、本実施の形態の加熱調理器100は、複数の高周波発生器60及び導波管50を設けなくてよいので、加熱調理器100の小型化及び軽量化が可能となる。これにより、加熱調理器100の製造コストを低減できるとともに、加熱調理器100の設置場所の自由度も高めることができる。
なお、実施の形態1~3では、3つの被加熱物を同時に加熱可能な載置口を設けた例を示したが、同時に加熱可能な被加熱物の数は、2つあるいは4つ以上であってもよい。また、実施の形態2において右側検知部34を加えてもよいし、実施の形態3において左側検知部30を加えてもよい。また、さらに加熱室20の後ろ側に同様の検知部を設けてもよい。また、実施の形態1~3で示した加熱室筐体21の外側に設けられた高周波発生器60等の部材は、例示したものに対して左右反転させて配置するなど、適宜位置を変更してもよい。
1 外郭筐体、2 扉、2a 扉本体、2b 窓、3 表示部、4 操作部、5 筐体第1吸気口、6 筐体第2吸気口、8 筐体第1排気口、9 筐体第2排気口、10 受皿、11 第1載置口、12 第2載置口、13 第3載置口、13a 角形表示、13b 丸形表示、14 第4載置口、20 加熱室、21 加熱室筐体、22 右側壁、23 左側壁、24 後壁、25 底、26 天井、27 前面開口、28 照射口カバー、30 左側検知部、31 温度センサ、32 被加熱物検知装置、33 上側検知部、34 右側検知部、40 第1ダクト、41 ダクト排気口、42 ダクト第1吸気口、43 ダクト第2吸気口、44 分流板、45 上流ダクト、46 下流ダクト、47 吸込口接続口、48 吹出口接続口、49 第1送風機、50 導波管、51 照射口、52 対向面、53 アンテナ接続口、60 高周波発生器、61 アンテナ、62 放熱フィン、63 回路基板、64 放熱フィン、65 制御装置、70 撹拌装置、71 モータ、80 第2ダクト、81 第2ダクト吸気口、82 上流ダクト、83 下流ダクト、84 第2ダクト排気口、89 第2送風機、90 受皿、91 第1載置口、92 第2載置口、93 第3載置口、94 第4載置口、95 回転駆動装置、96 回転位置検知装置、97 受皿支持部、100 加熱調理器、111 中心表示、112 メニュー表示、121 中心表示、122 メニュー表示、131 中心表示、132 メニュー表示、141 中心表示、201 容器、491 吸込口、492 吹出口、511 中心、611 第1端部、612 第2端部、891 吸気口、892 吹出口、911 中心表示、912 メニュー表示、921 中心表示、922 メニュー表示、931 中心表示、932 メニュー表示。

Claims (28)

  1. 被加熱物を収容し、前記被加熱物が載置される載置面を有する加熱室と、
    高周波を発生させる高周波発生器と、
    前記高周波発生器に接続され、前記高周波を放射するアンテナと、
    前記載置面と平行な第1方向に延び、前記アンテナから放射された高周波を伝送する導波管とを備え、
    前記導波管は、前記加熱室の底と対向する位置に、照射口を有しており、
    前記導波管の上下方向における中心と前記載置面との距離は、前記導波管内における前記高周波の管内波長λgの1/4以下である
    加熱調理器。
  2. 前記第1方向において、前記アンテナの中心と前記照射口の中心との距離は、前記管内波長λgの整数倍の値から前記管内波長λgの1/4倍の値を減算して得た値以上であって、前記管内波長λgの前記整数倍の値以下である
    請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記高周波発生器は、マグネトロンであり、
    前記アンテナは、前記マグネトロンから延びて、前記第1方向と交差する向きで前記導波管内に挿入されており、
    前記アンテナの前記導波管内に挿入された部分は、前記第1方向における第1端部と第2端部とを有し、
    前記第1端部と前記照射口との距離は、前記第2端部と前記照射口との距離よりも小さく、
    前記第2端部と前記第1方向における前記導波管の内壁との最短距離は、10mm以上かつ、前記載置面と平行でかつ前記第1方向と直交する第2方向における前記導波管の長さの1/2以下の長さである
    請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
  4. 前記導波管は、前記第1方向における前記導波管の前記照射口側の端部に、前記アンテナ及び前記照射口に対向する対向面を備え、
    前記対向面は、前記第1方向に対する角度が、30度以上90度未満である
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記被加熱物の情報を検知する検知部と、
    前記検知部の検知結果に基づいて前記高周波発生器を制御する制御装置とを備え、
    前記検知部は、前記被加熱物の温度を検知する温度センサと、前記被加熱物の有無を検知する被加熱物検知装置のいずれか又は両方を有する
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  6. 前記検知部は、前記高周波発生器が動作を停止しているときに、前記被加熱物の情報を検知する
    請求項5記載の加熱調理器。
  7. 前記加熱室内で回転し、前記加熱室内の空気及び電磁波のいずれか又は両方を撹拌する撹拌装置を備えた
    請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  8. 前記撹拌装置は、前記検知部の視野を遮らない位置で停止する
    請求項5に従属する請求項7又は請求項6に従属する請求項7に記載の加熱調理器。
  9. 前記高周波発生器と、前記アンテナと、前記導波管とからなる組を複数備え、
    複数の前記導波管は、平面視された状態で互いに重ならないように配置されている
    請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  10. 複数の前記導波管の前記照射口の一つ以上は、
    平面視において、前記加熱室の底の幅方向の外周側1/3の領域かつ前記加熱室の底の奥行き方向の外周側1/3の領域と重なる位置に配置されている
    請求項9記載の加熱調理器。
  11. 複数の前記導波管の前記照射口の一つ以上は、
    平面視において、前記加熱室の底の幅方向又は奥行き方向の外周側1/3の領域と重なる位置に配置されており、
    前記載置面には、当該一つ以上の照射口に対応する被加熱物の載置位置を示す載置口が設けられていて、
    前記第1方向において、前記載置口の中心は、前記照射口の中心よりも前記アンテナから離れた位置にある
    請求項8又は請求項9に記載の加熱調理器。
  12. 前記複数の高周波発生器の一部は残りの高周波発生器に対し、前後方向、左右方向又は高さ方向のいずれか一以上の方向にずらして配置されている
    請求項8~請求項11のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  13. 前記複数のアンテナの少なくとも一部は残りのアンテナに対し、前後方向、左右方向又は高さ方向のいずれか一以上の方向にずらして配置されている
    請求項8~請求項12のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  14. 前記載置面には、前記複数の照射口のそれぞれに対応して設けられ、それぞれが被加熱物の載置位置を示す複数の載置口が表示されている
    請求項9~請求項13のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  15. 前記載置面には、前記複数の載置口に対応して、被加熱物の種類に関する情報が表示されている
    請求項14記載の加熱調理器。
  16. 前記複数の高周波発生器が択一的に動作する
    請求項8~請求項15のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  17. 送風機と、
    前記送風機によって生成される気流が通過するダクトとを備え、
    前記ダクト内に、前記複数の高周波発生器及び前記高周波発生器に取り付けられた放熱部材のいずれか又は両方が、直列に配置されている
    請求項8~請求項16のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  18. 前記加熱室に収容されて前記載置面を構成する受皿と、
    前記受皿を回転させる回転軸を備えた回転駆動装置とを備え、
    平面視における前記照射口の中心は、前記受皿の回転半径の中間よりも、前記回転軸から離れた位置にある
    請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  19. 前記受皿には、前記被加熱物の載置位置を示す載置口が設けられており、
    平面視において、前記受皿が回転したときの前記載置口の軌跡は、前記照射口の中心を通過する
    請求項18記載の加熱調理器。
  20. 前記加熱室を開閉する扉を備え、
    前記高周波発生器が動作を停止すると、前記回転駆動装置は、前記載置口と前記扉との最短距離が最も短くなる位置に、前記受皿を回転させて停止させる
    請求項19記載の加熱調理器。
  21. 前記受皿には、複数の前記載置口が設けられており、
    前記回転駆動装置は、複数の前記載置口のうちの一つが前記照射口と重なるよう前記受皿を回転させて停止させた後、複数の前記載置口のうちの他の一つが前記照射口と重なるよう前記受皿を回転させて停止させることを繰り返す
    請求項19記載の加熱調理器。
  22. 前記回転駆動装置が前記受皿を回転させている間は、前記高周波発生器は動作を停止する
    請求項21記載の加熱調理器。
  23. 前記加熱室を開閉する扉と、
    前記受皿の回転位置を検知する回転位置検知装置とを備え、
    前記回転駆動装置は、複数の前記載置口のうちの一つの前記載置口と前記扉との最短距離が最も短くなる位置に、前記受皿を回転させて停止させ、
    その後、ユーザからの入力又は前記被加熱物の位置に応じて、前記回転駆動装置は、複数の前記載置口のうちの他の前記載置口と前記扉との最短距離が最も短くなる位置に、前記受皿を回転させて停止させる
    請求項21又は請求項22に記載の加熱調理器。
  24. 前記載置面は、前記加熱室に収容された前記受皿の上面であり、
    前記加熱室の内寸と、前記受皿の外寸との差は、10mm以下である
    請求項1~請求項23のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  25. 被加熱物を収容し、複数の前記被加熱物の載置口が設けられた載置面を有する加熱室と、
    高周波を発生させる高周波発生器と、
    前記高周波発生器に接続され、前記高周波を放射するアンテナと、
    前記載置面と平行に延び、前記アンテナから放射された高周波を伝送して前記加熱室に供給する導波管であって、前記加熱室の底と対向する位置に照射口が設けられた導波管と、
    前記加熱室に収容された前記被加熱物の数に応じて、前記高周波発生器を制御する制御装置とを備えた
    加熱調理器。
  26. 前記加熱室に収容された複数の前記被加熱物それぞれの加熱量を検知する加熱量検知部を備え、
    前記高周波発生器と、前記アンテナと、前記導波管とからなる組を複数備え、
    前記制御装置は、
    前記複数の高周波発生器を択一的に動作させ、
    複数の前記被加熱物のうち最も加熱量の大きい被加熱物に対応した前記照射口に高周波を供給する前記高周波発生器の動作時間を、他の前記高周波発生器の動作時間よりも長くする
    請求項25記載の加熱調理器。
  27. 複数の前記被加熱物それぞれの温度を検知する温度センサを備え、
    前記制御装置は、
    複数の前記被加熱物のうち加熱開始時における温度と目標温度との温度差が最も大きい被加熱物に対応した前記照射口に高周波を供給する前記高周波発生器を、他の前記高周波発生器よりも先に動作させる
    請求項25又は請求項26に記載の加熱調理器。
  28. 前記加熱室に収容されて前記載置面を構成する受皿と、
    前記受皿を回転させる回転軸を備えた回転駆動装置とを備え、
    前記受皿には、前記被加熱物の載置位置を示す載置口が複数設けられており、
    前記制御装置は、
    複数の前記被加熱物のそれぞれが、前記複数の載置口に載置されている場合、前記複数の被加熱物のうち最も加熱量の大きい被加熱物が載置された前記載置口と前記照射口とが重なる時間が、他の前記載置口と前記照射口とが重なる時間よりも長くなるように、前記回転駆動装置を制御する
    請求項25記載の加熱調理器。
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