JP2023003413A - 粘着テープ - Google Patents

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雄大 緒方
Takehiro Ogata
達哉 小木曽
Tatsuya Ogiso
徳之 内田
Noriyuki Uchida
寛幸 片岡
Hiroyuki Kataoka
寛生 山本
Hiroki Yamamoto
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Abstract

【課題】タック性及び高温での定荷重剥離性に優れた粘着テープを提供する。【解決手段】アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記アクリル共重合体は、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有し、重量平均分子量(Mw)が20万を超え、200万以下、分子量分布(Mw/Mn)が1.1以上、3.5以下である粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関する。
従来から、電子部品、車輌、住宅及び建材において部品を固定する際に、粘着剤を含有する粘着剤層を有する粘着テープが広く用いられている(例えば、特許文献1~3)。具体的には、例えば、携帯電子機器の表面を保護するためのカバーパネルをタッチパネルモジュール又はディスプレイパネルモジュールに接着したり、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとを接着したりするために粘着テープが用いられている。
特開2015-052050号公報 特開2015-021067号公報 特開2015-120876号公報
近年、アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいては、精密な重合方法によって合成された分子量分布(Mw/Mn)の狭い(値が小さい)アクリル共重合体を用いることが注目されている。分子量分布(Mw/Mn)の狭いアクリル共重合体を含有する粘着剤層は、低分子量成分等が極めて少ないことに起因し、高い耐熱性を有し、高温でも優れた粘着力(例えば、定荷重剥離性)を発揮することができる。一方で、このような粘着剤層は、低分子量成分等が少ないために流動性が低下し、タック性に劣るという問題があった。したがって、タック性と、高温での定荷重剥離性とをいずれも高いレベルで実現することは困難であった。
本発明は、タック性及び高温での定荷重剥離性に優れた粘着テープを提供することを目的とする。
本開示1は、アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、前記アクリル共重合体は、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有し、重量平均分子量(Mw)が20万を超え、200万以下、分子量分布(Mw/Mn)が1.1以上、3.5以下である粘着テープである。
本開示2は、前記n-ヘプチル(メタ)アクリレートが、生物由来の炭素を含有する本開示1の粘着テープである。
本開示3は、前記アクリル共重合体が、前記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が30重量%以上である本開示1又は2の粘着テープである。
本開示4は、前記アクリル共重合体が、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有する本開示1、2又は3記載の粘着テープである。
本開示5は、前記粘着剤層が、更に、架橋剤を含有する本開示1、2、3又は4の粘着テープである。
本開示6は、前記粘着剤層が、更に、粘着付与樹脂を含有する本開示1、2、3、4又は5の粘着テープである。
本開示7は、前記粘着剤層が、ゲル分率が10重量%以上、70重量%以下である本開示1、2、3、4、5又は6の粘着テープである。
本開示8は、電子機器部品又は車載部品の固定に用いられる本開示1、2、3、4、5、6又は7の粘着テープである。
なお、本明細書中において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。アクリル共重合体は、メタクリル共重合体であってもよい。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、アクリル共重合体を構成するアクリル系モノマーとして、n-ヘプチル(メタ)アクリレート(アクリル基の炭素数=7)を用いることを検討した。その結果、本発明者らは、n-ヘプチル(メタ)アクリレートは、tanδが極大となる温度より得られたガラス転移温度が、予想以上に低くなることを見出した。すなわち、示差走査熱量測定(DSC)により得られたガラス転移温度傾向による予測に反して、例えば、n-ヘプチルアクリレートは、ブチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレート(アクリル基の炭素数=4及び8)と比べて、ホモポリマーのtanδが極大となる温度より得られたガラス転移温度が、低くなることがわかった。
この理由は定かではないが、n-ヘプチル(メタ)アクリレートのn-ヘプチル基は炭素数が奇数であるため、炭素数が偶数のn-炭化水素基よりも分子同士のパッキングが生じにくいためではないかと考えられる。
本発明者らは、アクリル共重合体にこのようにポリマーのガラス転移温度を低下させて柔軟性を高めるn-ヘプチル(メタ)アクリレートを用いたうえで、アクリル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を狭くする(値を小さくする)ことにより、タック性にも、高温での定荷重剥離性にも優れた粘着テープが得られることを見出した。これにより、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する。
上記アクリル共重合体は、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有し、重量平均分子量(Mw)が20万を超え、200万以下、分子量分布(Mw/Mn)が1.1以上、3.5以下である。
n-ヘプチル(メタ)アクリレートは、ポリマーのガラス転移温度を低下させて柔軟性を高めることができる。このため、上記アクリル共重合体が上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有し、更に、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲を満たすことで、本発明粘着テープは、タック性にも、高温での定荷重剥離性にも優れた粘着テープとなる。
上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位におけるn-ヘプチル(メタ)アクリレートは、石油由来材料のみからなっていてもよいが、生物由来の炭素を含有することが好ましい。
近年、石油資源の枯渇や、石油由来製品の燃焼による二酸化炭素の排出が問題視されている。そこで、石油由来材料に代えて生物由来材料を用いることにより、石油資源を節約する試みがなされるようになっている。
上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートが生物由来の炭素を含んでいれば、石油資源を節約する観点で好ましい。また、上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートが生物由来の炭素を含んでいれば、生物由来材料は元々大気中の二酸化炭素を取り込んで生成されるため、これを燃焼させても総量としては大気中の二酸化炭素を増やすことがないと考えられ、二酸化炭素の排出量を削減する観点からも好ましい。
上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートが生物由来の炭素を含有する場合、該n-ヘプチル(メタ)アクリレートは、生物由来材料であるn-ヘプチルアルコールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化により合成されることが好ましい。また、生物由来材料であるn-ヘプチルアルコールと、(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応により合成されることも好ましい。
上記生物由来材料であるn-ヘプチルアルコールは、例えば、動植物等から採取される材料(例えば、ひまし油由来のリシノール酸等)を原料として、これをクラッキングすることにより、安価かつ容易に入手することができる。
上記アクリル共重合体における上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は30重量%である。
上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が30重量%以上であれば、上記アクリル共重合体の柔軟性が向上し、上記粘着剤層のタック性がより高くなる。また、上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が30重量%以上であれば、上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートが生物由来の炭素を含有する場合には、粘着テープ全体としての生物由来炭素の含有率を高くすることができる。上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は48重量%、更に好ましい下限は50重量%超、更により好ましい下限は60重量%、一層好ましい下限は70重量%、より一層好ましい下限は85重量%である。上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量の上限は特に限定されないが、上記粘着剤層のゲル分率を調節する観点から、好ましい上限は99重量%、より好ましい上限は97重量%である。
上記アクリル共重合体における上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は、上記アクリル共重合体の質量分析及びH-NMR測定を行い、各モノマーに由来する水素のピークの積分強度比から算出することができる。
上記アクリル共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記アクリル共重合体が上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することで、上記粘着剤層の凝集力が上がり、高温での定荷重剥離性がより高くなる。
上記架橋性官能基を有するモノマーは特に限定されず、例えば、水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、グリシジル基を有するモノマー、アミド基を有するモノマー、ニトリル基を有するモノマー等が挙げられる。これらの架橋性官能基を有するモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調節が容易であることから、水酸基を有するモノマー及びカルボキシル基を有するモノマーが好ましく、水酸基を有するモノマーがより好ましい。
上記水酸基を有するモノマーとして、例えば、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。
上記カルボキシル基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。
上記グリシジル基を有するモノマーとして、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。
上記アミド基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。
上記ニトリル基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基を有するアクリル系モノマーが挙げられる。
上記アクリル共重合体における上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は20重量%である。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量が上記範囲内であれば、上記粘着剤層の凝集力がより上がり、高温での定荷重剥離性が更に高くなる。上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は15重量%であり、更に好ましい下限は0.5重量%、更に好ましい上限は10重量%であり、更により好ましい上限は5重量%である。
上記アクリル共重合体における上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位の含有量は、上記アクリル共重合体の質量分析及びH-NMR測定を行い、各モノマーに由来する水素のピークの積分強度比から算出することができる。
上記アクリル共重合体は、上記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位及び上記架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位以外の、他のモノマーに由来する構成単位を有していてもよい。
上記他のモノマーは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、5,7,7-トリメチル-2-(1,3,3-トリメチルブチル)オクタノール-1と(メタ)アクリル酸とのエステル、直鎖状の主鎖に1又は2のメチル基を有する総炭素数18のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、ベヘニル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記他のモノマーとして、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等も挙げられ、耐反発性に優れる観点から、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。更に、上記他のモノマーとして、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルや、スチレン等の一般のアクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーも用いることができる。上記アクリル共重合体をUV重合により製造する場合には、上記他のモノマーとして、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーも用いることができる。これらの他のモノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル共重合体における上記他のモノマーに由来する構成単位の含有量は、上記アクリル共重合体の質量分析及びH-NMR測定を行い、各モノマーに由来する水素のピークの積分強度比から算出することができる。
上記架橋性官能基を有するモノマー、及び、上記他のモノマーは、生物由来の炭素を含有することが好ましいが、生物由来の炭素を含有せず石油由来材料のみからなっていてもよい。理論的には、上記アクリル共重合体を構成するアクリル系モノマーを、全て生物由来の炭素を含有するモノマーとすることも可能である。粘着テープのコストや生産性の観点からは、比較的安価で入手の容易な生物由来の炭素を含有するモノマーを採用し、これに石油由来材料のみからなるモノマーを組み合わせてもよい。
上記アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)は特に限定されないが、-20℃以下であることが好ましい。上記アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が-20℃以下であれば、上記アクリル共重合体の柔軟性が向上し、上記粘着剤層のタック性がより高くなる。上記アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、-30℃以下であることがより好ましく、-40℃以下であることが更に好ましく、-50℃以下であることが更により好ましい。上記アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)の下限は特に限定されず、通常-90℃以上であり、-80℃以上であることが好ましい。
上記アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量測定により求めることができる。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、下限が20万を超え、上限が200万である。上記アクリル共重合体の重量平均分子量が上記範囲内であることで、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性が高くなる。上記アクリル共重合体の重量平均分子量の好ましい下限は30万、より好ましい下限は40万、更に好ましい下限は50万、好ましい上限は180万、より好ましい上限は150万である。
なお、重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミッションクロマトグラフィ)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。具体的には、アクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈し、得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過することにより、測定サンプルを調製する。次に、この測定サンプルをゲルパーミッションクロマトグラフ(Waters社製、商品名「2690 Separations Module」又はその同等品)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/分、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行う。アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、この値をアクリル共重合体の重量平均分子量とする。
上記アクリル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、下限が1.1、上限が3.5である。上記アクリル共重合体の分子量分布が上記範囲内であることで、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性が高くなる。上記アクリル共重合体の分子量分布の好ましい下限は1.2、好ましい上限は3.0であり、より好ましい下限は1.5、より好ましい上限は2.5である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)から求められる値である。数平均分子量(Mn)についても、重量平均分子量(Mw)と同様にして求めることができる。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、上記アクリル共重合体の組成を調整したり重合条件(例えば、重合方法、重合温度、重合時間、モノマー濃度、重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度等)を調整したりする方法が好ましい。
上記アクリル共重合体は、原料となるモノマー混合物をラジカル重合開始剤の存在下にてラジカル反応させることによって得ることができる。
ラジカル反応の方式は特に限定されず、例えば、リビングラジカル重合、フリーラジカル重合等が挙げられる。リビングラジカル重合によれば、フリーラジカル重合と比較してより均一な分子量及び組成を有する共重合体が得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができることから、上記アクリル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲を満たしやすくなり、上記粘着剤層の凝集力が上がり、高温での定荷重剥離性がより高くなる。
重合方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。重合方法として、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、UV重合、エマルジョン重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。なかでも、上記アクリル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲を満たしやすくなり、上記粘着剤層の凝集力が上がり、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性がより高くなることから、溶液重合及びUV重合が好ましい。更に、得られたアクリル共重合体に対して粘着付与樹脂を混合しやすく、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性を更に高くすることができることから、溶液重合がより好ましい。
重合方法として溶液重合を用いる場合、反応溶剤として、例えば、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。これらの反応溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、リビングラジカル重合の場合には、種々の重合方式を採用してもよい。例えば、鉄、ルテニウムや銅触媒及びハロゲン系開始剤を用いてよく(ATRP)、TEMPOなどのアルコキシアミン開始剤を用いてよく(NMP)、ヨウ素アルキル化合物のような有機ハロゲン化合物開始剤を用いてもよく(ヨウ素移動重合)、有機テルル重合開始剤を用いてよく(TERP)、ジチオエステルのような連鎖移動剤(RAFT剤)存在下で有機過酸化物、アゾ化合物等を用いてもよい(RAFT)。上記ラジカル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されない。有機ハロゲン化合物開始剤として、例えば、ヨウ素アルキル化合物が挙げられる。有機テルル重合開始剤として、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。RAFT剤として、例えば、ジチオベンゾアート化合物、トリチオカルボナート化合物、ジチオカルバマート化合物、キサンタート化合物等が挙げられる。なお、リビングラジカル重合においても、重合速度の促進を目的として上記ラジカル重合開始剤として有機過酸化物、アゾ化合物等を用いてもよい。
上記粘着剤層は、界面活性剤を含有しないことが好ましい。
上記粘着剤層が界面活性剤を含有しないことにより、粘着テープの粘着力、特に高温での粘着力がより高くなる。なお、上記粘着剤層が界面活性剤を含有しないとは、上記粘着剤層における界面活性剤の含有量が3重量%以下であることを意味し、好ましくは1重量%以下である。
上記粘着剤層が界面活性剤を含有しないためには、上記アクリル共重合体を得る際に界面活性剤を使用しないことが好ましい。このためには、例えば、上記アクリル共重合体を得る際の重合方法として、溶液重合、UV重合等を採用すればよい。
上記界面活性剤の含有量は、例えば、上記粘着剤層について液体クロマトグラフィー質量分析計(例えば、島津製作所社製NEXCERA、Thermo Fisher Scientific社製Exactive等)を用いて測定することで求めることができる。より具体的には、上記粘着剤層の酢酸エチル溶液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過する。得られた濾液約10μLを液体クロマトグラフィー質量分析計に注入して下記条件で分析する。上記粘着剤層に占める上記界面活性剤に対応するピークの面積比から、上記界面活性剤の含有量を求めることができる。なお、界面活性剤種ごとに上記粘着剤層中の上記界面活性剤の含有量が既知のサンプルを作製し、界面活性剤含有量とピーク面積比との関係を示す検量線を作成し、分析することが好ましい。
カラム Thermo Fisher Scientific社製、Hypersil GOLD(2.1×150mm)
移動相 アセトニトリル
カラム温度 40℃
流速 1.0mL/min
イオン化方法 ESI
キャピラリー温度 350℃
上記粘着剤層は、ゲル分率を適度に調節できる観点から、更に、架橋剤を含有することが好ましい。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層が被着体への密着性に優れることから、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤の分子量は特に限定されないが、製造上の観点から、分子量は2000未満が好ましく、100以上が好ましい。
上記粘着剤層における上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は7重量部である。上記架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、上記粘着剤層のゲル分率が適度に調節され、タック性及び高温での定荷重剥離性がより高くなる。上記架橋剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
なお、上記架橋剤の含有量は、上記架橋剤の固形分の量を示す。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含有することが好ましい。これにより、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性がより高くなる。
上記粘着付与樹脂として、具体的には例えば、ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、クマロンインデン系粘着付与樹脂、脂環族飽和炭化水素系粘着付与樹脂、C5系石油粘着付与樹脂、C9系石油粘着付与樹脂、C5-C9共重合系石油粘着付与樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ロジンエステル系粘着付与樹脂及びテルペン系粘着付与樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、例えば、重合ロジンエステル系樹脂、水添ロジンエステル系樹脂等が挙げられる。上記テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂等が挙げられる。
上記ロジンエステル系粘着付与樹脂及び上記テルペン系粘着付与樹脂は、生物由来であることが好ましい。生物由来のロジンエステル系粘着付与樹脂として、例えば、松脂等の天然樹脂に由来するロジンエステル系粘着付与樹脂が挙げられる。生物由来のテルペン系粘着付与樹脂として、例えば、植物の精油等に由来するテルペン系粘着付与樹脂等が挙げられる。
上記粘着剤層における上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が上記範囲内であれば、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性がより高くなる。上記粘着付与樹脂の含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は50重量部であり、更に好ましい上限は35重量部である。
上記粘着剤層は、必要に応じて、シランカップリング剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料等の添加剤等を含有していてもよい。
上記粘着剤層のゲル分率は特に限定されないが、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は70重量%である。上記粘着剤層のゲル分率が上記範囲内であれば、上記粘着剤層のタック性及び高温での定荷重剥離性がより高くなる。上記粘着剤層のゲル分率のより好ましい下限は20重量%、より好ましい上限は50重量%である。
上記粘着剤層のゲル分率は、次のようにして測定される。
まず、粘着テープを20mm×40mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/(W-W) (1)
(W:基材の重量、W:浸漬前の試験片の重量、W:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記粘着剤層のゲル分率を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、上記アクリル共重合体の組成及び重量平均分子量、並びに、上記架橋剤の種類及び量を上述したように調整する方法が好ましい。
上記粘着剤層は、生物由来の炭素の含有率が10重量%以上であることが好ましい。生物由来の炭素の含有率が10重量%以上であることが「バイオベース製品」であることの目安となる。
上記生物由来の炭素の含有率が10重量%以上であれば、石油資源を節約する観点や、二酸化炭素の排出量を削減する観点から好ましい。上記生物由来の炭素の含有率のより好ましい下限は30重量%、更に好ましい下限は60重量%である。上記生物由来の炭素の含有率の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
なお、生物由来の炭素には一定割合の放射性同位体(C-14)が含まれるのに対し、石油由来の炭素にはC-14がほとんど含まれない。そのため、上記生物由来の炭素の含有率は、上記粘着剤層に含まれるC-14の濃度を測定することによって算出することができる。具体的には、多くのバイオプラスチック業界で利用されている規格であるASTM D6866-20に準じて測定することができる。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は3μm、好ましい上限は300μmである。上記粘着剤層の厚みが上記範囲内であれば、上記粘着剤層の高温での定荷重剥離性がより高くなる。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は5μm、更に好ましい下限は10μmである。上記粘着剤層の厚みのより好ましい上限は200μm、更に好ましい上限は100μmである。
本発明の粘着テープは、基材を有しないノンサポートテープであってもよく、基材の一方の面に粘着剤層を有する片面粘着テープであってもよく、基材の両面に粘着剤層を有する両面粘着テープであってもよい。
上記基材としては特に限定されず、従来公知の基材を用いることができるが、粘着テープ全体としての生物由来の炭素の含有率を高くするためには、生物由来の基材を用いることが好ましい。
上記生物由来の基材としては、例えば、植物由来のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリ乳酸(PLA)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンサクシネート(PBS)等のポリエステル(PES)からなるフィルム及び不織布等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロース、ポリアミド(PA)等からなるフィルム及び不織布等も挙げられる。
上記基材は、基材強度の観点からは、PESからなるフィルム又はPAからなるフィルムが好ましい。更に、耐熱性や耐油性の観点からは、PAからなるフィルムが好ましい。
上記PAからなるフィルムの構成物として、例えば、ひまし油を原料とするナイロン11、ナイロン1010、ナイロン610、ナイロン510、ナイロン410等や、セルロースを原料とするナイロン56等が挙げられる。
また、新たな石油資源の使用量を減らし、二酸化炭素の排出量を抑えることで環境負荷低減を図る観点では、再生資源を使用した基材を用いてもよい。資源の再生方法としては、例えば、包装容器、家電、自動車、建設資材、食品等の廃棄物や、製造工程で発生した廃棄物を回収し、取り出された材料を、洗浄、除染、又は、加熱や発酵による分解により、再び原料として使用する方法が挙げられる。再生資源を使用した基材としては、例えば、回収したプラスチックを再樹脂化したものを原料として使用した、PET、PBT、PE、PP、PA等からなるフィルム及び不織布等が挙げられる。また、回収した廃棄物を燃焼させ、基材やその原料の製造に関わる熱エネルギーとして利用してもよく、回収した上記廃棄物に含まれる油脂を石油に混合し、分留、精製したものを原料に利用してもよい。
上記基材は、圧縮特性を向上させる観点から、発泡体基材であってもよい。
上記発泡体基材としては、PE、PP及び/又はPUからなる発泡体基材が好ましく、柔軟性と強度とを高度に両立させる観点から、PEからなる発泡体基材がより好ましい。PEからなる発泡体基材の構成物として、例えば、サトウキビを原料とするPE等が挙げられる。
上記発泡体基材の製造方法は特に限定されないが、例えば、サトウキビを原料とするPEを含有するPE樹脂と発泡剤とを含有する発泡性樹脂組成物を調製し、押出機を用いて発泡性樹脂組成物をシート状に押出加工する際に発泡剤を発泡させ、得られたポリオレフィン発泡体を必要に応じて架橋する方法が好ましい。
上記発泡体基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は50μm、好ましい上限は5000μmである。上記発泡体基材の厚みがこの範囲内であると、高い耐衝撃性を発揮しながら、被着体の形状に沿って密着させて貼り合わせることができる高い柔軟性を発揮することができる。上記発泡基材の厚みのより好ましい上限は1000μm、更に好ましい上限は300μmである。
本発明の粘着テープは、粘着テープの総厚み(基材と粘着剤層の厚みの合計)の好ましい下限が3μm、好ましい上限が6000μmである。粘着テープの総厚みが上記範囲内であれば、高温での定荷重剥離性がより高くなる。上記粘着テープの総厚みのより好ましい上限は1200μm、更に好ましい上限は500μmである。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、従来公知の製造方法により製造することができる。例えば、両面粘着テープの場合には、以下のような方法が挙げられる。
まず、アクリル共重合体と、ラジカル捕捉剤と、必要に応じて架橋剤や粘着付与樹脂等に溶剤を加えて粘着剤Aの溶液を作製して、この粘着剤Aの溶液を基材の表面に塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去して粘着剤層Aを形成する。次に、形成された粘着剤層Aの上に離型フィルムをその離型処理面が粘着剤層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面に、上記と同様の要領で作製した粘着剤Bの溶液を塗布し、溶液中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に粘着剤層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを粘着剤層Aが形成された基材の裏面に、粘着剤層Bが基材の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、該粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得ることができる。
また、同様の要領で積層フィルムを2組作製し、これらの積層フィルムを基材の両面のそれぞれに、積層フィルムの粘着剤層を基材に対向させた状態に重ね合わせて積層体を作製し、この積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、基材の両面に粘着剤層を有し、かつ、該粘着剤層の表面が離型フィルムで覆われた両面粘着テープを得てもよい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、高温に晒されても耐平面反発性が低下しにくいことから、電子機器部品又は車載部品の固定に用いられることが好ましい。具体的には、大型の携帯電子機器における電子機器部品の接着固定、車載部品(例えば、車載用パネル)の接着固定等に、本発明の粘着テープを好適に用いることができる。
本発明によれば、タック性及び高温での定荷重剥離性に優れた粘着テープを提供することができる。
粘着テープの高温での定荷重剥離性の評価方法を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
<n-ヘプチルアクリレート>
ひまし油から誘導されたリシノール酸をクラッキングし、ウンデシレン酸とヘプチルアルコールとを含む混合物を得た。次いで、蒸留によりウンデシレン酸と分離することで、生物由来の炭素を含有するn-ヘプチルアルコールを得た。得られたn-ヘプチルアルコールと、アクリル酸(日本触媒社製)とをエステル化することにより、n-ヘプチルアクリレートを調製した。
<その他のアクリル系モノマー>
・ブチルアクリレート(日本触媒社製)
・2-エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製)
・ラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
・アクリル酸(日本触媒社製)
・2-ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
<架橋剤>
・イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL-45)
<粘着付与樹脂>
・テルペンフェノール(テルペンフェノール G-150、ヤスハラケミカル社製)
(実施例1)
(1)アクリル共重合体の製造
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル200重量部、n-へプチルアクリレート96.9重量部、アクリル酸3重量部及び2-ヒドロキシルエチルアクリレート0.1重量部を入れた。窒素置換した後、58℃に設定したウォーターバスに反応容器を設置し、反応容器を加熱して還流を開始した。還流開始から30分後、反応容器に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.06重量部を投入し、8時間反応させた。その後、反応容器内に酢酸エチルを加えて希釈しながら冷却することにより、アクリル共重合体含有溶液を得た。
得られたアクリル共重合体の質量分析及びH-NMR測定を行い、各モノマーに由来する水素のピークの積分強度比から、各モノマーに由来する構成単位の含有量を算出した。
得られたアクリル共重合体をテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、測定サンプルを調製した。この測定サンプルをゲルパーミッションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Module)に供給して、サンプル流量1mL/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、アクリル共重合体のポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めた。更に、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
また、得られたアクリル共重合体について、示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、DSC7000X)を用いての示差走査熱量測定を行い、ガラス転移温度(Tg)を求めた。具体的には、アクリル共重合体約2mgをアルミニウムパンに秤量し、該アルミニウムパンを10℃/分の昇温条件で窒素雰囲気下にて測定した。得られたチャートを読み取り、ガラス転移点を求めた。
(2)粘着テープの製造
得られたアクリル共重合体含有溶液に、アクリル共重合体100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(東ソー社製、コロネートL-45)の固形分が0.5重量部となるよう加え、粘着剤溶液を調製した。この粘着剤溶液を厚み75μmの離型処理したPETフィルムの離型処理面に、乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなるように塗工した後、110℃で5分間乾燥させた。この粘着剤層を、厚み75μmの離型処理したPETフィルムの離型処理面に重ねて、40℃で48時間養生し、粘着テープ(ノンサポートタイプ)を得た。
(3)ゲル分率の測定
粘着テープの一方の面の離型フィルムを剥がし、厚み23μmのPETフィルム(フタムラ化学社製、FE2002)に貼り合わせ、20mm×40mmの平面長方形状に裁断した。更に粘着テープのもう一方の面の離型フィルムを剥がして、試験片を作製し、重量を測定した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記(1)を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W-W)/(W-W) (1)
(W:基材(PETフィルム)の重量、W:浸漬前の試験片の重量、W:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
(実施例2~11、比較例1~5)
アクリル共重合体の組成、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)、粘着付与樹脂の量、並びに、架橋剤の量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得た。
なお、アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、アクリル共重合体の組成に加えて重合条件(例えば、重合方法、重合温度、重合時間、モノマー濃度、重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度等)を変えることにより調整した。
<評価>
実施例及び比較例で得た粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。
(1)タック性
タック試験機(TAC-1000、レスカ社製)に、粘着剤層が上になるようにして粘着テープを載せた。粘着テープの粘着剤層に対して、押付け速度1.0mm/s、押付け荷重100gfで直径5mmの円柱状のステンレス製のプローブを押付け、その状態で1.0秒間保持した。その後、引き上げ速度1.0mm/sでプローブを引き上げ、この間の粘着テープの応力を測定した。得られた応力曲線の最大応力(ピークトップ)をタック力とした。タック力が1500gfより大きかった場合を〇、1000gfより大きく1500gf以下であった場合を△、1000gf以下であった場合を×とした。
(2)高温での定荷重剥離性
図1に、粘着テープの高温での定荷重剥離性の評価方法を示す模式図を示す。
図1に示すように、幅20mm×50mmの裏打ちした粘着テープ2をポリカーボネート(PC)板1に貼り、23℃50%湿度で一晩養生して、試験サンプル3とした。85℃で試験サンプル3(粘着テープ2)の90°の方向に50gの錘4を取り付け、剥離時間を測定した。剥離時間が24時間より長かった場合を◎、3時間より長く24時間以下であった場合を〇、1時間より長く3時間以下であった場合を△、1時間以下であった場合を×とした。なお、図1中のLは、粘着テープ2の剥離部分である。
Figure 2023003413000001
本発明によれば、タック性及び高温での定荷重剥離性に優れた粘着テープを提供することができる。
1 ポリカーボネート(PC)板
2 粘着テープ
3 試験サンプル
4 50gの錘

Claims (8)

  1. アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
    前記アクリル共重合体は、n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有し、重量平均分子量(Mw)が20万を超え、200万以下、分子量分布(Mw/Mn)が1.1以上、3.5以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記n-ヘプチル(メタ)アクリレートは、生物由来の炭素を含有することを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記アクリル共重合体は、前記n-ヘプチル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が30重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 前記アクリル共重合体は、更に、架橋性官能基を有するモノマーに由来する構成単位を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層は、更に、架橋剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  7. 前記粘着剤層は、ゲル分率が10重量%以上、70重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  8. 電子機器部品又は車載部品の固定に用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7387216B1 (ja) 2023-07-11 2023-11-28 サイデン化学株式会社 再剥離用粘着剤組成物及び粘着シート

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