JP2023002138A - アルコール飲料およびアルコール飲料の製造方法 - Google Patents

アルコール飲料およびアルコール飲料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】甘さの後引きが低減され、後味の軽やかさおよび冷涼感が付与されたアルコール飲料を提供する。【解決手段】アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有するアルコール飲料とすることにより、前記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、アルコール飲料、その製造方法等に関する。
アルコール飲料において、香気成分は製品を特徴付けている重要な構成成分の一つであり、消費者の嗜好などにも大きな影響を与えている。特に、缶チューハイや缶カクテルなどのいわゆるRTD飲料(Ready to drink飲料)においては、その飲用形態などの観点から香気成分は非常に重要であり、これまでにも香気成分を用いた技術開発等がなされている。
例えば特許文献1には、リモネンと、イソアミルアルコール、イソブタノール、βフェネチルアルコール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、カプロン酸エチル、およびカプリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の香気成分と、を含有する、複雑な香りを有し、コクを有する容器詰めアルコール飲料が開示されている。
特開2021-013400号公報
しかしながら、アルコール飲料(特にRTD飲料)においては、甘さの後引きが飲みやすさ(ドリンカビリティ)や飲用時の爽快さなどを低下させる場合があり、その改善が求められている。また、この飲みやすさや爽快さなどをより向上させるために、後味の軽やかさや冷涼感などについてもさらなる改善が求められている。
そこで本発明は、甘さの後引きが低減され、後味の軽やかさおよび冷涼感が付与されたアルコール飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、香気成分であるアニスアルデヒドがアルコール飲料の甘さの後引きや後味などに影響を与えることを明らかにした。そして、この知見から、アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有するアルコール飲料が、甘さの後引きが低減され、後味の軽やかさおよび冷涼感が付与されたものとなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の<1>~<8>である。
<1>アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有する、アルコール飲料。
<2>前記アニスアルデヒドの含有量が2μg/L以上30μg/L以下である、<1>に記載のアルコール飲料。
<3>前記アニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む、<1>または<2>に記載のアルコール飲料。
<4>甘味料を含有するアルコール飲料である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<5>さらに果実香料を含有する、<1>~<4>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<6>アルコール度数が1v/v%以上20v/v%以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<7>アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させる工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
<8>アルコール飲料にアニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させることを特徴とする、アルコール飲料の甘さの後引きを低減し、さらに後味の軽やかさおよび冷涼感を付与する方法。
本発明によれば、甘さの後引きが低減され、後味の軽やかさおよび冷涼感が付与されたアルコール飲料を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有するアルコール飲料(以下においては「本発明のアルコール飲料」という場合もある)、その製造方法等である。
ここで、本発明において「アルコール飲料」とは、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類(例えば、リキュール、スピリッツ、果実酒、甘味果実酒、その他の発泡性酒類等)などの、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味する。なお、この「アルコール度数(v/v%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定される値である(以下においても同様である)。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
以下、本発明のアルコール飲料を構成する成分等について詳細に説明する。
本発明のアルコール飲料は、アニスアルデヒド(Anisaldehyde:C)を含有する。このアニスアルデヒドは香気成分の一つであり、下記式(1)で表されるp-アニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド)、下記式(2)で表されるm-アニスアルデヒド(3-メトキシベンズアルデヒド)、および下記式(3)で表されるo-アニスアルデヒド(2-メトキシベンズアルデヒド)を包含する総称である。つまり、本発明のアルコール飲料は、p-アニスアルデヒド、m-アニスアルデヒド、およびo-アニスアルデヒドからなる群から選ばれる1以上を含有する。
Figure 2023002138000001
Figure 2023002138000002
Figure 2023002138000003
そして、本発明のアルコール飲料においては、アニスアルデヒドの含有量(p-アニスアルデヒド、m-アニスアルデヒド、およびo-アニスアルデヒドの合計含有量)を1μg/L以上とし、2μg/L以上とするのが好ましく、3μg/L以上とするのがより好ましく、4μg/L以上とするのがさらに好ましく、5μg/L以上とするのがさらに好ましい。アルコール飲料において、甘さの後引きを低減させることができ、これにより飲みやすさ(ドリンカビリティ)などを向上させることができるからである。同時に、後味の軽やかさや冷涼感も付与することができ、つまり爽快なアルコール飲料とすることができる。さらに、アルコール飲料としての香味全体のバランスも優れたものとすることができる。このアニスアルデヒドの含有量は、市販されているアニスアルデヒド製剤やアニスアルデヒド含有原料(香料など)の使用により調整することができ、これらを複数併用しても良い。なお、アニスアルデヒド製剤とアニスアルデヒド含有原料との併用や、複数のアニスアルデヒド含有原料の併用などにおいては、それら由来のアニスアルデヒドを合算した量が上記した範囲内となるように調整する。以下においても同様である。
また、本発明のアルコール飲料においては、アニスアルデヒドの含有量を100μg/L以下とし、好ましくは80μg/L以下、より好ましくは60μg/L以下、さらに好ましくは50μg/L以下、さらに好ましくは40μg/L以下、さらに好ましくは30μg/L以下となるように調整すると、甘さの後引き低減効果や、後味の軽やかさおよび冷涼感の付与効果を保ちつつ、アルコール飲料としての香味全体のバランスをより優れたものとすることができるため好適である。そして、様々な香味のアルコール飲料においてより好ましい構成となる。
特に、本発明のアルコール飲料においては、本発明の効果がより発揮されやすいことから、含有するアニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む構成であるのがより好適であり、本発明のアルコール飲料に含まれるアニスアルデヒドがp-アニスアルデヒドからなる、つまりp-アニスアルデヒドを含み、m-アニスアルデヒドおよびo-アニスアルデヒドを含まない構成であるのがさらに好適である。そしてこの場合、p-アニスアルデヒドの含有量は、本発明のアルコール飲料におけるアニスアルデヒド含有量が1μg/L以上100μg/L以下となるような範囲内であれば特段限定されないが、p-アニスアルデヒドの含有量として上記した数値範囲内となるようにするとより好ましい。
ここで、本発明のアルコール飲料におけるアニスアルデヒドの含有量(p-アニスアルデヒド含有量、m-アニスアルデヒド含有量、およびo-アニスアルデヒド含有量)は、例えば、サンプルを適宜希釈して、溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(溶媒抽出-GC-MS法)や固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)などにより測定することができる。
また、本発明のアルコール飲料が甘味料を含有するアルコール飲料であると、アニスアルデヒドによる甘さの後引き低減効果がより発揮されやすいため好適である。この甘味料には、糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、ショ糖、マルトース、ラクトース、オリゴ糖、果糖ぶどう糖液糖、トレハロースなど)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなど)等が包含される。特に、本発明のアルコール飲料が糖類を含有するアルコール飲料であると、前述した効果がさらに発揮されやすい。
そして、本発明のアルコール飲料は、限定されるものではないが、エキス分が1.5w/v%以上であっても良く、2.0w/v%以上であっても良く、3.0w/v%以上であっても良く、5.0w/v%以上であっても良い。本発明のアルコール飲料は、甘味料(特に糖類)の含有などによってこのようなエキス分を有するものであると、甘さの後引き低減効果がより発揮されやすい。そして、後味の軽やかさおよび冷涼感の付与効果も十分に発揮される。なお、このエキス分の上限は、限定されるものではないが、例えば20.0w/v%以下であって良く、15.0w/v%以下であって良く、10.0w/v%以下であって良い。
ここで、「エキス分」とは、以下の式(4)により算出される値である。
(4)エキス分(w/v%)=(S-A)×260+0.21
この式(4)中、「S」は本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)であり、「A」は本発明のアルコール飲料のアルコール度数を比重(15/15℃)に換算して算出される値である。アルコール度数の比重(15/15℃)への換算は、日本国の国税庁所定分析法(訓令)の第2表「アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」に基づき行う。また、この式による計算の途中においては小数点以下5けた目を四捨五入し、最終的に得られるエキス分の値については小数点以下2けた目を切り捨てる。また、本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)は、振動式密度計を用いて15℃における密度を測定し、得られた密度の値を0.99997で除することにより算出される。
しかしながら、本発明のアルコール飲料が甘味料無添加のアルコール飲料やエキス分が2.0w/v%未満のアルコール飲料などであっても、上記構成によって、例えば果実由来成分や香料などが由来の甘さの後引きを低減することができ、さらに後味の軽やかさおよび冷涼感も付与することが可能である。
さらに、本発明のアルコール飲料は、果実香料を含有するアルコール飲料であると、アニスアルデヒドとの相乗効果によって甘さの後引き低減効果、後味の軽やかさ付与効果、および冷涼感付与効果から選ばれる1以上がより発揮されやすくなり、且つアルコール飲料としての香味全体のバランスを非常に優れたものとすることができるためより好適である。
果実香料は、食品の製造または加工の工程で、果実の香気を付与または増強するために添加される添加物およびその製剤であり、果実香料の具体例としては、限定されるものではないが、バラ科果実香料(アップルフレーバー、梅フレーバー、桃フレーバー、苺フレーバー、チェリーフレーバー、ラズベリーフレーバーなど)、柑橘果実香料(レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバーなど)、ブドウフレーバー、マンゴーフレーバー、メロンフレーバー、キウイフルーツフレーバー等が好ましいものとして示される。本発明のアルコール飲料は、特に、バラ科果実香料を含有するアルコール飲料とするとアニスアルデヒドとの相乗効果によって後味の軽やかさ付与効果がより発揮されやすくなり、柑橘果実香料を含有するアルコール飲料とするとアニスアルデヒドとの相乗効果によって甘さの後引き低減効果および冷涼感付与効果がより発揮されやすくなる。さらに、いずれもアルコール飲料としての香味全体のバランスを非常に優れたものとすることができる。
そして、本発明のアルコール飲料は、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、酢酸など)またはその塩を含有するアルコール飲料であると、アニスアルデヒドとの相乗効果によって本発明の効果がより発揮されやすくなるためより好適である。特に、クエン酸およびクエン酸塩を含有するアルコール飲料とすると非常に好ましい。
例えば、本発明のアルコール飲料は、限定されるものではないが、有機酸またはその塩の含有により、その酸度が0.1g/100ml以上、より好ましくは0.2g/100ml以上となっていると好適である。そして、この酸度の上限は1.2g/100ml以下であって良く、さらには1.0g/100ml以下であって良い。
ここで、この「酸度」とは、クエン酸酸度(クエン酸相当量として換算した酸度の値)であり、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法で求められる値である。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「体積(ml)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すれば良い。
また、本発明のアルコール飲料は、果実由来成分(果肉、果汁、果皮、これらのエキスや発酵液、浸漬液などから選ばれる1以上)を含有するアルコール飲料であっても良く、例えば果汁を含有する果汁含有アルコール飲料であっても良い。本発明のアルコール飲料に果汁を含有させる場合、果汁の含有量は、ストレート果汁に換算した果汁使用率として1w/w%以上であって良く、また上限は、10w/w%以下であって良い。ここで、果汁とは、果実を搾った搾汁、あるいは、その濃縮液、濃縮還元液、または希釈液であり、果肉や果皮などが含まれていても良い。また、ストレート果汁に換算した果汁使用率とは、飲料の総質量に対する、この飲料中に含まれる果汁をJAS(日本農林規格)に準じてストレート果汁に換算した質量の割合である。
しかしながら、本発明のアルコール飲料では、ストレート果汁に換算した果汁使用率として1w/w%未満であるアルコール飲料や、果汁を含まない無果汁アルコール飲料としても、上記した効果が十分に得られることが特徴である。
なお、本発明のアルコール飲料には、上記以外に、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、リン酸またはその塩、酒類、食物繊維、炭酸水、着色料、調味料、酸化防止剤、乳化剤等を原料として任意に使用することができる。
そして、本発明のアルコール飲料は、前述したように、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類であっても良く、例えば、前述したようなリキュール、スピリッツ、果実酒、甘味果実酒、その他の発泡性酒類などであって良い。また、酵母によるアルコール発酵工程(酵母が糖類などの有機物から代謝産物であるアルコールを生成する工程)を経て製造された発酵アルコール飲料、あるいはアルコール発酵工程を行うことなく製造された非発酵アルコール飲料(例えば蒸留酒等の酒類を原料として用いて調合により製造されたアルコール飲料など)のいずれであっても良い。
本発明のアルコール飲料のアルコール度数は、1v/v%以上であれば特に限定されないが、例えば、下限として2v/v%以上、さらには3v/v%以上、さらには4v/v%以上の範囲が示され、上限として20v/v%以下、さらには15v/v%以下、さらには10v/v%以下、さらには9v/v%以下、さらには8v/v%以下、さらには7v/v%以下、さらには6v/v%以下の範囲が示される。
また、このアルコール度数は、その製造工程において使用する酒類(蒸留酒、醸造酒、原料用アルコールなど)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、発酵アルコール飲料の場合においては、アルコール発酵工程の発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
そして、本発明のアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料であると、後味の香味などがより優れたものとなり、本発明の効果がより発揮されやすいため好ましい。ここで、「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、この炭酸ガス圧は0.1MPa以上、さらには0.2MPa以上、さらには0.3MPa以上、さらには0.4MPa以上、さらには0.5MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧の上限は、5.0MPa以下、さらには4.0MPa以下、さらには3.0MPa以下、さらには2.5MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良いし、カーボネーション(炭酸ガス圧入)工程によりアルコール飲料に付与されたものであっても良い。そして、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
しかしながら、本発明のアルコール飲料は、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa未満である非発泡性アルコール飲料であっても良い。
本発明のアルコール飲料の製造方法は、アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させる工程、つまり得られるアルコール飲料におけるアニスアルデヒド含有量を1μg/L以上100μg/L以下とする工程を含めば、他はアルコール飲料製造における常法にしたがえば良く、特段限定はされない。なお、このアニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させる工程は、アニスアルデヒドを含有させる工程と、アニスアルデヒド含有量を1μg/L以上100μg/L以下に調整する工程と、を含み、これらが連続した工程となっていない構成であっても構わない。また、このアニスアルデヒドは少なくともp-アニスアルデヒドを含むのがより好ましく、p-アニスアルデヒドからなるのがさらに好ましい。そして、その製造において、酵母によるアルコール発酵工程を経て発酵アルコール飲料を製造しても良く、あるいは蒸留酒等の酒類を原料として用いた調合工程を経て(アルコール発酵工程を経ないで)非発酵アルコール飲料を製造しても良い。例えば、ウォッカや原料用アルコールなどのベース酒に、甘味料、有機酸、有機酸塩、香料、アニスアルデヒド製剤、炭酸水などを混合し、必要であればろ過、殺菌などを行って製品とする方法が例示される。
そして、本発明のアルコール飲料は、上記のようにして得られた製品が金属製容器(アルミ製容器、スチール製容器など)、ペットボトル容器、ガラス製容器、紙容器、樽容器などに充填された容器詰アルコール飲料とするのが好ましい。このような容器詰アルコール飲料とすることにより、香味などの経時劣化を抑制しやすいだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。例えば、本発明のアルコール飲料は、栓を開けてそのまま飲めるRTD飲料(Ready to drink飲料)であっても良く、あるいは氷やソーダなどで割るRTS飲料(Ready to serve飲料)であっても良い。
以上のような構成である本発明のアルコール飲料は、甘さの後引きが低減され、さらに後味の軽やかさおよび冷涼感が付与されて飲みやすく且つ爽快なものとなり、アルコール飲料としての香味全体のバランスも向上したものとなる。なお、後味の軽やかさや冷涼感を有するアルコール飲料において上記したような構成とした場合でも、後味の軽やかさや冷涼感がさらに付与されて、これらをより向上させることができる。
なお、本発明は、アルコール飲料にアニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させる、つまりアルコール飲料におけるアニスアルデヒド含有量を1μg/L以上100μg/L以下とすることを特徴とする、アルコール飲料の甘さの後引きを低減し、さらに後味の軽やかさおよび冷涼感を付与する方法を提供するものであるとも言える。言い換えれば、アルコール飲料の香味改善方法を提供するものであるとも言える。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<アルコール飲料の調製および官能評価>
ウォッカに甘味料として液糖(果糖ぶどう糖液糖)を添加し、さらに、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、炭酸水を添加混合して調製したベース液に、得られるサンプルのアニスアルデヒド含有量が下記表1上段に記載の量となるようにアニスアルデニド製剤(p-アニスアルデヒド製剤)を添加混合した。なお、一部のサンプルはアニスアルデヒドを含有しないコントロールサンプルとした。さらに、一部のサンプルにはアップルフレーバー(アップル香料)またはレモンフレーバー(レモン香料)のいずれかを0.08w/v%添加混合した。そして、アルコール度数が5v/v%、エキス分が5.9w/v%、酸度が0.3g/100ml、20℃における炭酸ガス圧が2.4MPaであるサンプル1~8の発泡性アルコール飲料(無果汁アルコール飲料)を作製した。なお、上記のアップルフレーバーおよびレモンフレーバーはいずれも、アニスアルデヒドを含まない香料である。
そして、得られた各サンプルにおける、甘さの後引き(甘さがキレない感覚)、後味の軽やかさ、冷涼感(スッとする感覚)、杏仁様の独特の香り、およびアルコール飲料としての総合評価(アルコール飲料としての香味全体のバランス)について、訓練され官能的識別能力を備えた6名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
[甘さの後引きの評価基準]
サンプル1における甘さの後引きを4(感じる)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
[後味の軽やかさ、および冷涼感の評価基準]
サンプル1における後味の軽やかさ、および冷涼感をいずれも2(あまり感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
[杏仁様の独特の香りの評価基準]
サンプル1における杏仁様の独特の香りを1(全く感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
[アルコール飲料としての総合評価の評価基準]
アルコール飲料としての総合評価を、1(良くない)から5(非常に良い)の5段階により絶対評価を行った。
この官能評価結果(6名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段に示した。この結果から、アニスアルデヒドを所定量含有するサンプル2~4、6、8は、いずれも甘さの後引きが大きく低減されており、また、後味の軽やかさおよび冷涼感も十分に感じられ、総合評価も高まったアルコール飲料であることが明らかとなった。特に、アニスアルデヒドとともにアップルフレーバーまたはレモンフレーバーを含むアルコール飲料(サンプル6、8)とすることにより、アルコール飲料としてはやや好ましくない香りである杏仁様の独特の香りがより低減され、総合評価がより高まることが示された。また、アップルフレーバーを含むアルコール飲料(サンプル6)は後味の軽やかさがより感じられ、レモンフレーバーを含むアルコール飲料(サンプル8)は甘さの後引きがより低減し且つ冷涼感がより感じられることも示された。
Figure 2023002138000004

Claims (8)

  1. アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有する、アルコール飲料。
  2. 前記アニスアルデヒドの含有量が2μg/L以上30μg/L以下である、請求項1に記載のアルコール飲料。
  3. 前記アニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
  4. 甘味料を含有するアルコール飲料である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  5. さらに果実香料を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  6. アルコール度数が1v/v%以上20v/v%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
  7. アニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させる工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
  8. アルコール飲料にアニスアルデヒドを1μg/L以上100μg/L以下含有させることを特徴とする、アルコール飲料の甘さの後引きを低減し、さらに後味の軽やかさおよび冷涼感を付与する方法。
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