JP2023002139A - アルコール飲料およびアルコール飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコール由来の苦みまたは刺激が低減され、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上が付与されたアルコール飲料を提供する。【解決手段】クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有するアルコール飲料とすることにより、前記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、アルコール飲料、その製造方法等に関する。
アルコール飲料において、香気成分は製品を特徴付けている重要な構成成分の一つであり、消費者の嗜好などにも大きな影響を与えている。特に、缶チューハイや缶カクテルなどのいわゆるRTD飲料(Ready to drink飲料)においては、その飲用形態などの観点から香気成分は非常に重要であり、これまでにも香気成分を用いた技術開発等がなされている。
例えば特許文献1には、リモネンと、イソアミルアルコール、イソブタノール、βフェネチルアルコール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、カプロン酸エチル、およびカプリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の香気成分と、を含有する、複雑な香りを有し、コクを有する容器詰めアルコール飲料が開示されている。
しかしながら、アルコール飲料においては、アルコール由来の苦みまたは刺激が香味や飲みやすさなどを低下させる場合があり、その改善が求められている。また、アルコール飲料(特にRTD飲料)では、その飲みごたえ等をより向上させる目的から、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、熟した果実感などについてもさらなる改善が求められている。
そこで本発明は、アルコール由来の苦みまたは刺激が低減され、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上が付与されたアルコール飲料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、香気成分であるクマリンがアルコール飲料のアルコール感や味の厚みなどに影響を与えることを明らかにした。そして、この知見から、クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有するアルコール飲料が、アルコール由来の苦みまたは刺激が低減され、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上が付与されたものとなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の<1>~<11>である。
<1>クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有する、アルコール飲料。
<2>前記クマリンの含有量が50μg/L以上3000μg/L以下である、<1>に記載のアルコール飲料。
<3>さらにアニスアルデヒドを含有する、<1>または<2>に記載のアルコール飲料。
<4>前記アニスアルデヒドの含有量が1μg/L以上100μg/L以下である、<3>に記載のアルコール飲料。
<5>前記アニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む、<3>または<4>に記載のアルコール飲料。
<6>果実香料および/または果実由来成分を含有する果実様アルコール飲料である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<7>エキス分が12.0w/v%以下、および/または、ストレート果汁に換算した果汁使用率が5w/w%未満である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<8>さらに甘味料および有機酸を含有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<9>アルコール度数が1v/v%以上20v/v%以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<10>クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
<11>アルコール飲料にクマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させることを特徴とする、アルコール飲料のアルコール由来の苦みまたは刺激を低減し、さらにまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上を付与する方法。
<1>クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有する、アルコール飲料。
<2>前記クマリンの含有量が50μg/L以上3000μg/L以下である、<1>に記載のアルコール飲料。
<3>さらにアニスアルデヒドを含有する、<1>または<2>に記載のアルコール飲料。
<4>前記アニスアルデヒドの含有量が1μg/L以上100μg/L以下である、<3>に記載のアルコール飲料。
<5>前記アニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む、<3>または<4>に記載のアルコール飲料。
<6>果実香料および/または果実由来成分を含有する果実様アルコール飲料である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<7>エキス分が12.0w/v%以下、および/または、ストレート果汁に換算した果汁使用率が5w/w%未満である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<8>さらに甘味料および有機酸を含有する、<1>~<7>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<9>アルコール度数が1v/v%以上20v/v%以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のアルコール飲料。
<10>クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
<11>アルコール飲料にクマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させることを特徴とする、アルコール飲料のアルコール由来の苦みまたは刺激を低減し、さらにまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上を付与する方法。
本発明によれば、アルコール由来の苦みまたは刺激が低減され、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上が付与されたアルコール飲料を提供することができる。
本発明について説明する。
本発明は、クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有するアルコール飲料(以下においては「本発明のアルコール飲料」という場合もある)、その製造方法等である。
本発明は、クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有するアルコール飲料(以下においては「本発明のアルコール飲料」という場合もある)、その製造方法等である。
ここで、本発明において「アルコール飲料」とは、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類(例えば、リキュール、スピリッツ、果実酒、甘味果実酒、その他の発泡性酒類等)などの、アルコール度数が1v/v%以上である飲料を意味する。なお、この「アルコール度数(v/v%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定される値である(以下においても同様である)。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
以下、本発明のアルコール飲料を構成する成分等について詳細に説明する。
まず、本発明のアルコール飲料は、クマリン(Coumarin:C9H6O2)を含有する。このクマリンは1,2-ベンゾピロンなどとも称され、下記式(1)で表されるラクトン骨格を有する芳香族化合物であって、香気成分の一つである。
そして、本発明のアルコール飲料においては、クマリンの含有量を10μg/L以上とし、30μg/L以上とするのが好ましく、50μg/L以上とするのがより好ましく、70μg/L以上とするのがさらに好ましく、80μg/L以上とするのがさらに好ましく、90μg/L以上とするのがさらに好ましく、100μg/L以上とするのがさらに好ましく、150μg/L以上とするのがさらに好ましく、200μg/L以上とするのがさらに好ましく、250μg/L以上とするのがさらに好ましく、300μg/L以上とするのがさらに好ましく、350μg/L以上とするのがさらに好ましく、400μg/L以上とするのがさらに好ましく、450μg/L以上とするのがさらに好ましい。アルコール飲料において、アルコール由来の刺激や苦み(以下、アルコール感ともいう)を低減させることができ、これにより飲みやすさ(ドリンカビリティ)などを向上させることができるからである。同時に、まろやかな厚み、果実様のジューシー感(果実または果汁のようなジューシー感)、および熟した果実感から選ばれる1以上を付与することが可能となり、つまり飲みごたえのあるアルコール飲料とすることができる。さらに、アルコール飲料としての香味全体のバランスも優れたものとすることができる。このクマリンの含有量は、市販されているクマリン製剤やクマリン含有原料(香料など)の使用により調整することができ、これらを複数併用しても良い。なお、クマリン製剤とクマリン含有原料との併用や、複数のクマリン含有原料の併用などにおいては、それら由来のクマリンを合算した量が上記した範囲内となるように調整する。以下においても同様である。
また、本発明のアルコール飲料においては、クマリンの含有量を8000μg/L以下とし、好ましくは6000μg/L以下、より好ましくは5000μg/L以下、さらに好ましくは4000μg/L以下、さらに好ましくは3000μg/L以下、さらに好ましくは2500μg/L以下、さらに好ましくは2000μg/L以下、さらに好ましくは1500μg/L以下、さらに好ましくは1300μg/L以下、さらに好ましくは1000μg/L以下となるように調整すると、アルコール感の低減効果や、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上の付与効果を保ちつつ、アルコール飲料としての香味全体のバランスをより優れたものとすることができるため好適である。そして、様々な香味のアルコール飲料においてより好ましい構成となる。
そして、本発明のアルコール飲料は、本発明の効果がより発揮されやすく、さらに後味がよりすっきりとした(後味が軽やかな)アルコール飲料となりやすいことから、さらにアニスアルデヒド(Anisaldehyde:C8H8O2)を含有するのが好ましい。このアニスアルデヒドは、これも香気成分の一つであり、下記式(2)で表されるp-アニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド)、下記式(3)で表されるm-アニスアルデヒド(3-メトキシベンズアルデヒド)、および下記式(4)で表されるo-アニスアルデヒド(2-メトキシベンズアルデヒド)を包含する総称である。つまり、本発明のアルコール飲料は、さらにp-アニスアルデヒド、m-アニスアルデヒド、およびo-アニスアルデヒドからなる群から選ばれる1以上を含有するのが好ましい。
そして、本発明のアルコール飲料においては、アニスアルデヒドの含有量(p-アニスアルデヒド、m-アニスアルデヒド、およびo-アニスアルデヒドの合計含有量)を1μg/L以上とするのが好ましく、3μg/L以上とするのがより好ましく、5μg/L以上とするのがさらに好ましく、8μg/L以上とするのがさらに好ましく、10μg/L以上とするのがさらに好ましく、13μg/L以上とするのがさらに好ましく、15μg/L以上とするのがさらに好ましく、18μg/L以上とするのがさらに好ましい。アルコール飲料において、クマリンとの相乗効果によりアルコール感をより低減させることができ、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感をいずれもより向上させることができるからである。このアニスアルデヒドの含有量も、市販されているアニスアルデヒド製剤やアニスアルデヒド含有原料(香料など)の使用により調整することができ、これらを複数併用しても良い。なお、アニスアルデヒド製剤とアニスアルデヒド含有原料との併用や、複数のアニスアルデヒド含有原料の併用などにおいては、それら由来のアニスアルデヒドを合算した量が上記した範囲内となるように調整する。以下においても同様である。
また、本発明のアルコール飲料においては、アニスアルデヒドの含有量を、好ましくは100μg/L以下、より好ましくは80μg/L以下、さらに好ましくは70μg/L以下、さらに好ましくは60μg/L以下、さらに好ましくは55μg/L以下、さらに好ましくは50μg/L以下となるように調整すると、アルコール感の低減効果や、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感の向上効果を保ちつつ、アルコール飲料としての香味全体のバランスをより優れたものとすることができるため好適である。そして、これも様々な香味のアルコール飲料においてより好ましい構成となる。
なお、本発明のアルコール飲料では、このアニスアルデヒドを、前述した含有量の範囲内において、クマリン1質量部に対して好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、さらに好ましくは0.03質量部以上、さらに好ましくは0.04質量部以上となるような比率で含有させるのが好適であり、また、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下となるような比率で含有させるのが好適である。このような構成とすることにより、クマリンおよびアニスアルデヒドの相乗効果がより発揮された、香味が非常に優れたアルコール飲料を得ることができる。
また、本発明のアルコール飲料においては、本発明の効果がより発揮されやすいことから、クマリンとともに含まれるアニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む構成であるのがより好適であり、本発明のアルコール飲料に含まれるアニスアルデヒドがp-アニスアルデヒドからなる、つまりp-アニスアルデヒドを含み、m-アニスアルデヒドおよびo-アニスアルデヒドを含まない構成であるのがさらに好適である。そしてこの場合、p-アニスアルデヒドの含有量は特段限定されないが、p-アニスアルデヒドの含有量として上記した数値範囲内となるようにするとより好ましい。
ここで、本発明のアルコール飲料におけるクマリンの含有量、およびアニスアルデヒドの含有量(p-アニスアルデヒド含有量、m-アニスアルデヒド含有量、およびo-アニスアルデヒド含有量)は、例えば、サンプルを適宜希釈して、溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(溶媒抽出-GC-MS法)や固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)などにより測定することができる。
さらに、本発明のアルコール飲料が果実香料および/または果実由来成分を含有する果実様アルコール飲料であると、クマリンと果実香料および/または果実由来成分との相乗効果によって、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感の付与効果がいずれもより発揮されやすくなるため好適である。
ここで、「果実様アルコール飲料」とは、果実のような香気または香味を有するアルコール飲料を意味し、つまり、本発明のアルコール飲料は、果実香料および/または果実由来成分を含有し、当該果実のような香気または香味を有するアルコール飲料であると好適である。特に、本発明のアルコール飲料が果実香料を含有する果実様アルコール飲料であると、クマリンとの相乗効果によって、この果実香料の香気等を熟したように感じさせることができ、熟した果実感が非常に好ましくなる。同時に、アルコール飲料としての香味全体のバランスを非常に優れたものとすることができる。
ここで、「果実様アルコール飲料」とは、果実のような香気または香味を有するアルコール飲料を意味し、つまり、本発明のアルコール飲料は、果実香料および/または果実由来成分を含有し、当該果実のような香気または香味を有するアルコール飲料であると好適である。特に、本発明のアルコール飲料が果実香料を含有する果実様アルコール飲料であると、クマリンとの相乗効果によって、この果実香料の香気等を熟したように感じさせることができ、熟した果実感が非常に好ましくなる。同時に、アルコール飲料としての香味全体のバランスを非常に優れたものとすることができる。
果実香料は、食品の製造または加工の工程で、果実の香気を付与または増強するために添加される添加物およびその製剤であり、果実香料の具体例としては、限定されるものではないが、バラ科果実香料(アップルフレーバー、梅フレーバー、桃フレーバー、苺フレーバー、チェリーフレーバー、ラズベリーフレーバーなど)、柑橘果実香料(レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバーなど)、ブドウフレーバー、マンゴーフレーバー、メロンフレーバー、キウイフルーツフレーバー等が好ましいものとして示される。本発明のアルコール飲料は、特に、バラ科果実香料を含有するバラ科果実様アルコール飲料、より好適にはアップルフレーバーを含有するアップル様アルコール飲料とすると、クマリンとの相乗効果によって熟した果実感だけでなくまろやかな厚みおよび果実様のジューシー感も非常に好ましいものとなる。また、柑橘果実香料を含有する柑橘果実様アルコール飲料としても、クマリンとの相乗効果によって熟した果実感だけでなくまろやかな厚みもより好ましいものとなり、果実様のジューシー感も十分に得ることができる。さらに、いずれもアルコール飲料としての香味全体のバランスを非常に優れたものとすることができる。
また、果実由来成分としては、果肉、果汁、果皮、これらのエキスや発酵液、浸漬液などから選ばれる1以上が例示される。例えば、本発明のアルコール飲料に果汁を含有させる場合、果汁の含有量は、ストレート果汁に換算した果汁使用率として1w/w%以上であって良く、また上限は、10w/w%以下であって良く、5w/w%未満であっても良い。ここで、果汁とは、果実を搾った搾汁、あるいは、その濃縮液、濃縮還元液、または希釈液であり、果肉や果皮などが一部含まれていても良い。また、ストレート果汁に換算した果汁使用率とは、飲料の総質量に対する、この飲料中に含まれる果汁をJAS(日本農林規格)に準じてストレート果汁に換算した質量の割合である。
しかしながら、本発明のアルコール飲料では、ストレート果汁に換算した果汁使用率として5w/w%未満、さらには1w/w%未満であるアルコール飲料や、果汁を含まない無果汁アルコール飲料としても、上記した果実様のジューシー感や熟した果実感の付与効果が得られることが特徴である。また、果実香料を含まないアルコール飲料(果実香料無添加アルコール飲料)としても、同様に、上記した果実様のジューシー感や熟した果実感の付与効果を得ることができる。さらに、無果汁および果実香料無添加アルコール飲料としても構わない。
また、本発明のアルコール飲料は、さらに甘味料および有機酸を含有するアルコール飲料であると、上記したクマリンによるアルコール感の低減効果やまろやかな厚みの付与効果が発揮されるだけでなく、特に果実様のジューシー感、および熟した果実感がより付与されやすくなるため好適である。この甘味料には、糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース、ショ糖、マルトース、ラクトース、オリゴ糖、果糖ぶどう糖液糖、トレハロースなど)、糖アルコール(キシリトール、エリスリトールなど)、高甘味度甘味料(アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなど)等が包含される。特に、本発明のアルコール飲料が糖類を含有するアルコール飲料であると、果実様のジューシー感および熟した果実感の付与効果がさらに発揮されやすい。
なお、有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、酢酸などが例示される。そして、さらに有機酸塩(上記した有機酸から選ばれるいずれか1つの塩など)を含有するアルコール飲料としても良い。特に、クエン酸およびクエン酸塩を含有するアルコール飲料とすると非常に好ましい。
例えば、本発明のアルコール飲料は、限定されるものではないが、有機酸またはその塩の含有により、その酸度が0.1g/100ml以上、より好ましくは0.2g/100ml以上となっていると好適である。そして、この酸度の上限は1.2g/100ml以下であって良く、さらには1.0g/100ml以下であって良い。
例えば、本発明のアルコール飲料は、限定されるものではないが、有機酸またはその塩の含有により、その酸度が0.1g/100ml以上、より好ましくは0.2g/100ml以上となっていると好適である。そして、この酸度の上限は1.2g/100ml以下であって良く、さらには1.0g/100ml以下であって良い。
ここで、「酸度」とは、クエン酸酸度(クエン酸相当量として換算した酸度の値)であり、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)に定められた方法で求められる値である。具体的には、飲料を水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)で中和滴定し、中和滴定において必要となった水酸化ナトリウム溶液の「滴定量(ml)」、滴定に使用した飲料の「体積(ml)」、「0.0064」(0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液1mLに相当するクエン酸の重量(g))という定数などを用いて算出すれば良い。
そして、本発明のアルコール飲料は、限定されるものではないが、エキス分が15.0w/v%以下であっても良く、12.0w/v%以下であっても良く、10.0w/v%以下であっても良く、8.0w/v%以下であっても良く、5.0w/v%以下であっても良く、3.0w/v%以下であっても良く、2.0w/v%未満であっても良い。特に、本発明のアルコール飲料は、甘味料(特に糖類)、果汁などの添加を抑えてエキス分や栄養成分表示における糖質の量などを低く設計しても本発明の効果が十分発揮されることが特徴であり、例えばエキス分が12.0w/v%以下、さらには10.0w/v%以下、さらには5.0w/v%以下、さらには2.0w/v%未満のアルコール飲料としても、上記したクマリンによるまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上の付与効果が十分に発揮される。また、前述したストレート果汁に換算した果汁使用率が5w/w%未満、さらには1w/w%未満、さらには無果汁のアルコール飲料としても同様であり、さらに、エキス分およびストレート果汁に換算した果汁使用率がいずれも上記数値範囲のアルコール飲料としても同様である。したがって、本発明のアルコール飲料では、その飲みごたえ等を維持しながら糖質の低減(飲用者の摂取糖質低減)や原料コストの低減をすることも可能である。
ここで、「エキス分」とは、以下の式(5)により算出される値である。
(5)エキス分(w/v%)=(S-A)×260+0.21
この式(5)中、「S」は本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)であり、「A」は本発明のアルコール飲料のアルコール度数を比重(15/15℃)に換算して算出される値である。アルコール度数の比重(15/15℃)への換算は、日本国の国税庁所定分析法(訓令)の第2表「アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」に基づき行う。また、この式による計算の途中においては小数点以下5けた目を四捨五入し、最終的に得られるエキス分の値については小数点以下2けた目を切り捨てる。また、本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)は、振動式密度計を用いて15℃における密度を測定し、得られた密度の値を0.99997で除することにより算出される。
(5)エキス分(w/v%)=(S-A)×260+0.21
この式(5)中、「S」は本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)であり、「A」は本発明のアルコール飲料のアルコール度数を比重(15/15℃)に換算して算出される値である。アルコール度数の比重(15/15℃)への換算は、日本国の国税庁所定分析法(訓令)の第2表「アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」に基づき行う。また、この式による計算の途中においては小数点以下5けた目を四捨五入し、最終的に得られるエキス分の値については小数点以下2けた目を切り捨てる。また、本発明のアルコール飲料の比重(15/4℃)は、振動式密度計を用いて15℃における密度を測定し、得られた密度の値を0.99997で除することにより算出される。
なお、本発明のアルコール飲料には、上記以外に、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、リン酸またはその塩、酒類、食物繊維、炭酸水、着色料、調味料、酸化防止剤、乳化剤等を原料として任意に使用することができる。
そして、本発明のアルコール飲料は、前述したように、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類であっても良く、例えば、前述したようなリキュール、スピリッツ、果実酒、甘味果実酒、その他の発泡性酒類などであって良い。また、酵母によるアルコール発酵工程(酵母が糖類などの有機物から代謝産物であるアルコールを生成する工程)を経て製造された発酵アルコール飲料、あるいはアルコール発酵工程を行うことなく製造された非発酵アルコール飲料(例えば蒸留酒等の酒類を原料として用いて調合により製造されたアルコール飲料など)のいずれであっても良い。
本発明のアルコール飲料のアルコール度数は、1v/v%以上であれば特に限定されないが、例えば、下限として2v/v%以上、さらには3v/v%以上、さらには4v/v%以上の範囲が示され、上限として20v/v%以下、さらには15v/v%以下、さらには10v/v%以下、さらには9v/v%以下、さらには8v/v%以下、さらには7v/v%以下、さらには6v/v%以下の範囲が示される。なお、本発明のアルコール飲料では、そのアルコール度数に関わらずアルコール感の低減効果が発揮されることが特徴である。
また、このアルコール度数は、その製造工程において使用する酒類(蒸留酒、醸造酒、原料用アルコールなど)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、発酵アルコール飲料の場合においては、アルコール発酵工程の発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
また、このアルコール度数は、その製造工程において使用する酒類(蒸留酒、醸造酒、原料用アルコールなど)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、発酵アルコール飲料の場合においては、アルコール発酵工程の発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
そして、本発明のアルコール飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性アルコール飲料であると、果実様のジューシー感や熟した果実感などの香味がより優れたものとなるため好ましい。ここで、「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、この炭酸ガス圧は0.1MPa以上、さらには0.2MPa以上、さらには0.3MPa以上、さらには0.4MPa以上、さらには0.5MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧の上限は、5.0MPa以下、さらには4.0MPa以下、さらには3.0MPa以下、さらには2.5MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良いし、カーボネーション(炭酸ガス圧入)工程によりアルコール飲料に付与されたものであっても良い。そして、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
しかしながら、本発明のアルコール飲料は、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa未満である非発泡性アルコール飲料であっても良い。
しかしながら、本発明のアルコール飲料は、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa未満である非発泡性アルコール飲料であっても良い。
本発明のアルコール飲料の製造方法は、クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる工程、つまり得られるアルコール飲料のクマリン含有量を10μg/L以上8000μg/L以下とする工程を含めば、他はアルコール飲料製造における常法にしたがえば良く、特段限定はされない。なお、このクマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる工程は、クマリンを含有させる工程と、クマリン含有量を10μg/L以上8000μg/L以下に調整する工程と、を含み、これらが連続した工程となっていない構成であっても構わない。そして、その製造において、酵母によるアルコール発酵工程を経て発酵アルコール飲料を製造しても良く、あるいは蒸留酒等の酒類を原料として用いた調合工程を経て(アルコール発酵工程を経ないで)非発酵アルコール飲料を製造しても良い。例えば、ウォッカや原料用アルコールなどのベース酒に、甘味料、有機酸、有機酸塩、香料、クマリン製剤、炭酸水などを混合し、必要であればろ過、殺菌などを行って製品とする方法が例示される。さらに、アニスアルデヒドを含有させる工程、得られるアルコール飲料のアニスアルデヒド含有量を1μg/L以上100μg/L以下とする工程などを含んでいても良い。なお、このアニスアルデヒドは少なくともp-アニスアルデヒドを含むのがより好ましく、p-アニスアルデヒドからなるのがさらに好ましい。
そして、本発明のアルコール飲料は、上記のようにして得られた製品が金属製容器(アルミ製容器、スチール製容器など)、ペットボトル容器、ガラス製容器、紙容器、樽容器などに充填された容器詰アルコール飲料とするのが好ましい。このような容器詰アルコール飲料とすることにより、香味などの経時劣化を抑制しやすいだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。例えば、本発明のアルコール飲料は、栓を開けてそのまま飲めるRTD飲料(Ready to drink飲料)であっても良く、あるいは氷やソーダなどで割るRTS飲料(Ready to serve飲料)であっても良い。
以上のような構成である本発明のアルコール飲料は、アルコール由来の苦みまたは刺激が低減され、さらにまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上(これらの少なくとも1つ)が付与されて香味が優れたものとなり、アルコール飲料としての香味全体のバランスも向上したものとなる。なお、まろやかな厚み、果実様のジューシー感(例えば果汁感など)、および熟した果実感から選ばれる1以上を有するアルコール飲料において上記したような構成とした場合でも、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上がさらに付与されて、これらの1以上をより向上させることができる。
なお、本発明は、アルコール飲料にクマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる、つまりアルコール飲料におけるクマリン含有量を10μg/L以上8000μg/L以下とすることを特徴とする、アルコール飲料のアルコール由来の苦みまたは刺激を低減し、さらにまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上を付与する方法を提供するものであるとも言える。言い換えれば、アルコール飲料の香味改善方法を提供するものであるとも言える。そして、さらにアニスアルデヒドを含有させることを特徴とする、アルコール飲料の香味改善方法を提供することもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
<アルコール飲料の調製および官能評価>
ウォッカに、クエン酸およびクエン酸三ナトリウムと、甘味料として高甘味度甘味料(アセスルファムK)または液糖(果糖ぶどう糖液糖)と、炭酸水とを添加混合して調製したベース液に、得られるサンプルのクマリン含有量、およびアニスアルデヒド含有量が下記表1上段または下記表2上段に記載の量となるようにクマリン製剤、アニスアルデヒド製剤(p-アニスアルデヒド製剤)を添加混合した。なお、一部のサンプルはクマリンおよびアニスアルデヒドをいずれも含有しないコントロールサンプルとした。さらに、一部のサンプルにはアップルフレーバー(アップル香料)またはレモンフレーバー(レモン香料)のいずれかを0.08w/v%添加混合した。そして、高甘味度甘味料を添加したものはアルコール度数が2v/v%、5v/v%、または9v/v%、エキス分が0.4w/v%、酸度が0.3g/100ml、液糖を添加したものはアルコール度数が5v/v%、エキス分が5.9w/v%、酸度が0.3g/100mlであるサンプル1~20の発泡性アルコール飲料(無果汁アルコール飲料)を作製した。いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は2.4MPaであった。なお、上記のアップルフレーバーおよびレモンフレーバーはいずれも、クマリンもアニスアルデヒドも含まない香料である。
ウォッカに、クエン酸およびクエン酸三ナトリウムと、甘味料として高甘味度甘味料(アセスルファムK)または液糖(果糖ぶどう糖液糖)と、炭酸水とを添加混合して調製したベース液に、得られるサンプルのクマリン含有量、およびアニスアルデヒド含有量が下記表1上段または下記表2上段に記載の量となるようにクマリン製剤、アニスアルデヒド製剤(p-アニスアルデヒド製剤)を添加混合した。なお、一部のサンプルはクマリンおよびアニスアルデヒドをいずれも含有しないコントロールサンプルとした。さらに、一部のサンプルにはアップルフレーバー(アップル香料)またはレモンフレーバー(レモン香料)のいずれかを0.08w/v%添加混合した。そして、高甘味度甘味料を添加したものはアルコール度数が2v/v%、5v/v%、または9v/v%、エキス分が0.4w/v%、酸度が0.3g/100ml、液糖を添加したものはアルコール度数が5v/v%、エキス分が5.9w/v%、酸度が0.3g/100mlであるサンプル1~20の発泡性アルコール飲料(無果汁アルコール飲料)を作製した。いずれのサンプルも、20℃における炭酸ガス圧は2.4MPaであった。なお、上記のアップルフレーバーおよびレモンフレーバーはいずれも、クマリンもアニスアルデヒドも含まない香料である。
そして、得られた各サンプルにおける、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、熟した果実感、杏仁様の独特の香り、アルコール感(アルコール由来の苦みまたは刺激)、およびアルコール飲料としての総合評価(アルコール飲料としての香味全体のバランス)について、訓練され官能的識別能力を備えた6名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
[まろやかな厚みの評価基準]
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1におけるまろやかな厚みを2(あまり感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17におけるまろやかな厚みを2(あまり感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1におけるまろやかな厚みを2(あまり感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17におけるまろやかな厚みを2(あまり感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
[果実様のジューシー感、および熟した果実感の評価基準]
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1における果実様のジューシー感、および熟した果実感をいずれも1(全く感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17における果実様のジューシー感、および熟した果実感をいずれも1(全く感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル17と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1における果実様のジューシー感、および熟した果実感をいずれも1(全く感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17における果実様のジューシー感、および熟した果実感をいずれも1(全く感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル17と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
[杏仁様の独特の香りの評価基準]
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1における杏仁様の独特の香りを1(全く感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17における杏仁様の独特の香りを1(全く感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル17と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1における杏仁様の独特の香りを1(全く感じない)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル1と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17における杏仁様の独特の香りを1(全く感じない)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない:サンプル17と同等である)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
[アルコール感の評価基準]
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1におけるアルコール感を3(感じる)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17におけるアルコール感を3(感じる)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
高甘味度甘味料を添加したものは、サンプル1におけるアルコール感を3(感じる)とし、このサンプル1との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。液糖を添加したものは、サンプル17におけるアルコール感を3(感じる)とし、このサンプル17との対比として、それぞれ、1(全く感じない)から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。なお、この項目は点数が低いほど評価が高いものとなる。
[アルコール飲料としての総合評価の評価基準]
アルコール飲料としての総合評価を、1(良くない)から5(非常に良い)の5段階により絶対評価を行った。
アルコール飲料としての総合評価を、1(良くない)から5(非常に良い)の5段階により絶対評価を行った。
この官能評価結果(6名のパネリストの評価平均値)を下記表1下段および下記表2下段に示した。この結果から、クマリンを所定量含有するサンプル2~5、7~8、10~11、13、15~16、18~20は、いずれもアルコール感が低減されており、また、まろやかな厚みなどが十分に感じられ、総合評価も高まり、飲みごたえのあるアルコール飲料であることが明らかとなった。そして、アルコール飲料のアルコール度数に関わらずアルコール感を低減できることも明らかとなった。さらに、クマリンとともにアップルフレーバーまたはレモンフレーバー(果実香料)を含むアルコール飲料(サンプル7~8、10~11)とすることにより、アルコール飲料としてはやや好ましくない香りである杏仁様の独特の香りがより低減され、果実様のジューシー感や熟した果実感などがより向上し、総合評価もより高まることが示された。特に、アップルフレーバーを含むアルコール飲料(サンプル7、8)はまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感が全体的により向上し、レモンフレーバーを含むアルコール飲料(サンプル10、11)はまろやかな厚みが特に向上することも示された。
また、クマリンおよびアニスアルデヒドを所定量含むアルコール飲料(サンプル16、19~20)とすることにより、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感がいずれもより向上し、且つアルコール感がより低減されることも示された。そして、このクマリンおよびアニスアルデヒドを所定量含むアルコール飲料は、後味がよりすっきりとしたアルコール飲料、つまり後味がより軽やかなアルコール飲料となっていることも明らかとなった。
また、クマリンおよびアニスアルデヒドを所定量含むアルコール飲料(サンプル16、19~20)とすることにより、まろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感がいずれもより向上し、且つアルコール感がより低減されることも示された。そして、このクマリンおよびアニスアルデヒドを所定量含むアルコール飲料は、後味がよりすっきりとしたアルコール飲料、つまり後味がより軽やかなアルコール飲料となっていることも明らかとなった。
Claims (11)
- クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有する、アルコール飲料。
- 前記クマリンの含有量が50μg/L以上3000μg/L以下である、請求項1に記載のアルコール飲料。
- さらにアニスアルデヒドを含有する、請求項1または2に記載のアルコール飲料。
- 前記アニスアルデヒドの含有量が1μg/L以上100μg/L以下である、請求項3に記載のアルコール飲料。
- 前記アニスアルデヒドが少なくともp-アニスアルデヒドを含む、請求項3または4に記載のアルコール飲料。
- 果実香料および/または果実由来成分を含有する果実様アルコール飲料である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- エキス分が12.0w/v%以下、および/または、ストレート果汁に換算した果汁使用率が5w/w%未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- さらに甘味料および有機酸を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- アルコール度数が1v/v%以上20v/v%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のアルコール飲料。
- クマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させる工程を含む、アルコール飲料の製造方法。
- アルコール飲料にクマリンを10μg/L以上8000μg/L以下含有させることを特徴とする、アルコール飲料のアルコール由来の苦みまたは刺激を低減し、さらにまろやかな厚み、果実様のジューシー感、および熟した果実感から選ばれる1以上を付与する方法。
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