JP2023001816A - 回転電機 - Google Patents

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勉 細井
Tsutomu Hosoi
幸克 尾▲崎▼
Yukikatsu Ozaki
康浩 武内
Yasuhiro Takeuchi
浩嗣 朝柄
Koji Asae
岳志 朝永
Takeshi Tomonaga
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Abstract

【課題】ステータコア12の軸線CL方向の寸法が大きくすることなく、鉄損を抑制することができる回転電機を提供する。【解決手段】1つの凸状嵌合部24は1つの局所剪断線28を挟む一方の領域に構成されていて、1つの凸状剪断端面28aしか有していないため、環状すなわちループ状の導通路が形成されない。このことから、ステータコア12において、一対の局所剪断線の間が塑性変形させられて成る従来の凸状嵌合部に比較して、渦電流による鉄損の発生が抑制されている。また、環状の導通路の形成を回避するために、凸状剪断端面28aを覆う接着剤等の絶縁塗膜が塗布されないので、電磁鋼板22間が密着させられ、ステータコア12の軸線CL方向の寸法が大きくなるという不都合が解消される。【選択図】図2

Description

本発明は、軸線を中心とする環状の電磁鋼板が複数枚前記軸線方向に積層されたステータコアを備える回転電機に関し、複数枚の電磁鋼板を相互に結合するために必要な結合力を維持させつつ、電磁鋼板間に生じる渦電流による鉄損を抑制する技術に関するものである。
(a)軸線を中心とする環状のヨーク部と、前記ヨーク部の内側から所定の間隔で内向きに突設された複数の歯から成る櫛歯部とを有するステータコアを備え、(b)前記ステータコアは、絶縁被膜が表面に形成された複数枚の電磁鋼板が前記軸線方向に積層されて成る回転電機がよく知られている。例えば、特許文献1および特許文献2に記載された回転電機がそれである。特許文献1では、積層された複数の電磁鋼板にそれぞれ平カシメ状に一体形成された凸状嵌合部が各電磁鋼板に形成され、それら凸状嵌合部が、隣接する電磁鋼板の凸状嵌合部の裏面に形成された凹状嵌入部に嵌合されることによって、前記複数枚の電磁鋼板が前記軸線方向に積層された状態でそれぞれ固定されている。
しかしながら、上記凸状嵌合部は、所定の間隔を隔てて配置された所定長さの一対の局所剪断線の間が、厚み方向の一方へ平カシメ状に塑性変形させられたものであり、平カシメ状の凸状嵌合部の径方向の両端面が、隣接する鋼板に形成された平カシメ状の凸状嵌合部の両端面に対向する一対の剪断面とそれぞれ接触して電気的に導通して環状の導通路が形成されると、隣接する電磁鋼板間で渦電流が発生し、鉄損が大きくなってしまうという問題があった。
これに対して、特許文献2には、平カシメ状の凸状嵌合部の両端面、或いはその両端面に対向する一対の剪断面を、たとえば樹脂接着材のような絶縁被膜で覆った上で、電磁鋼板を積層することが提案されている。これによれば、平カシメ状の凸状嵌合部の径方向の両端面と、隣接する鋼板に形成された平カシメ状の凸状嵌合部の両端面に対向する一対の剪断面との間に絶縁被膜が介在するので、それら両端面と一対の剪断面とが電気的に導通して渦電流の発生による鉄損の発生が抑制される。
特開2015-002617号公報 特開2005-323456号公報
しかしながら、特許文献2のような回転電機では、平カシメ状の凸状嵌合部の径方向の両端面と、隣接する鋼板に形成された平カシメ状の凸状嵌合部の両端面に対向する一対の剪断面との間に、耐電圧性能を確保するのに必要な膜厚保で塗布された絶縁塗膜が介在させられる。このため、電磁鋼板間が密着させられた従来の回転電機のステータコアに対して、絶縁塗膜が介在させられた電磁鋼板の積層体からステータコアを構成すると、ステータコアの軸線方向の寸法が大きくなるという不都合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、積層された複数の電磁鋼板にそれぞれ形成された凸状嵌合部が、各電磁鋼板に形成され、それら凸状嵌合部が、隣接する電磁鋼板の凸状嵌合部の裏面に形成された凹状嵌入部に嵌合されることによって、前記複数枚の電磁鋼板が相互に固定される回転電機において、複数枚の電磁鋼板が積層されたステータコアの軸線方向の寸法を増加させることなく、鉄損を抑制することができる回転電機を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、所定の間隔を隔てて配置された所定長さの一対の局所剪断線の間を電磁鋼板の厚み方向の一方へ平カシメ状に塑性変形させ従来の平カシメ状の凸状嵌合部に対して、単一の局所剪断線を挟む一対の局所領域のうちの一方の局所領域を電磁鋼板の厚み方向の一方へ塑性変形させて得た凸状嵌合部を固定手段として用いたステータコアは、サーモビューアの温度画像を用いて観測すると、温度上昇が少なくなり、渦電流による発熱が少ないという事実を見出した。1つの凸状嵌合部の塑性加工に用いた局所剪断線を2つから1つにすると、電磁鋼板間に形成されるループ状の導通路が少なくなったことが推定される。本発明は、係る知見に基づいて成されたものである。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、(a)軸線を中心とする環状のヨーク部と、前記ヨーク部の内側から所定の間隔で内向きに突設された複数の櫛歯から成る櫛歯部とを有するステータコアを備え、前記ステータコアは、表面に絶縁被膜が形成された複数枚の電磁鋼板が前記軸線方向に積層され、前記複数枚の電磁鋼板のうちの隣接する一対の電磁鋼板の一方の電磁鋼板に局所的に塑性加工された凸状嵌合部が他方の電磁鋼板に前記凸状嵌合部と同様の形状に局所的に塑性加工された前記凸状嵌合部の裏側に形成された凹状嵌入部内に嵌合されることで、前記複数枚の電磁鋼板が相互に固定されている回転電機であって、(b)前記凸状嵌合部は、所定の電磁鋼板において単一の局所剪断線を挟む一対の局所領域のうちの一方の局所領域が塑性変形させられていることにある。
第2発明の要旨とするところは、第1発明において、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線と前記ステータコアの外周縁との間に形成され、前記凸状嵌合部の外周側端部は、前記ステータコアの外周縁に接していることにある。
第3発明の要旨とするところじゃ、第1発明において、前記凸状嵌合部は、前記ステータコアのうち、前記ヨーク部の径方向の幅の中央よりも内周側であって、前記櫛歯の径方向の中央よりも外周側の領域に形成されていることにある。
第4発明の要旨とするところは、第1発明から第3発明のうちのいずれか1の発明において、前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記電磁鋼板の厚み方向において相互に異なる側へ突き出していることにある。
第5発明の要旨とするところは、第1発明から第3発明のうちのいずれか1の発明において、前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記局所剪断線から径方向において相互に異なる側へ形成されていることにある。
第6発明の要旨とするところは、第1発明から第5発明のうちのいずれか1の発明において、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線により切断された凸状剪断端面を有し、前記局所剪断線から離れるほど前記凸状剪断端面の高さよりも連続的に低くなるように形成されていることにある。
第7発明の要旨とするところは、第1発明から第6発明のうちのいずれか1の発明において、前記局所剪断線は、前記軸線を中心とする円弧の接線方向に配置されており、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線から離れるほど周方向の幅寸法が小さくされていることにある。
第1発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部は、所定の電磁鋼板において単一の局所剪断線を挟む一対の局所領域のうちの一方の局所領域が塑性変形させられたものであるので、1つの凸状嵌合部は、単一の凸状剪断端面を有する。このことから、所定の電磁鋼板に形成された凸状嵌合部が所定の電磁鋼板に隣接する電磁鋼板に形成された凸状嵌合部の裏面に形成された凹状嵌入部に嵌合されることによって前記複数枚の電磁鋼板がそれぞれ相互に固定される。このとき、1つの凸状嵌合部は、単一の凸状剪断端面を有するものであることから、凸状嵌合部が凹状嵌入部に嵌合された状態において、所定の電磁鋼板の凸状嵌合部の凸状剪断端面が隣接する電磁鋼板の凹状嵌入部内に露出する局所剪断面に接触して電気的に導通しても、1つの凸状嵌合部は単一の凸状剪断端面を有するのみであるため、環状の導通路が形成されることがなく、隣接する電磁鋼板間で渦電流が発生し、鉄損が大きくなるということが抑制される。また、環状の導通路の形成を回避するために、絶縁被膜が塗布されないので、電磁鋼板間が密着させられた従来の回転電機のステータコアよりも、ステータコアの軸線方向の寸法が大きくなるという不都合が解消される。
第2発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線と前記ステータコアの外周縁との間に形成され、前記凸状嵌合部の外周側端部は、前記ステータコアの外周縁に接している。単一の局所剪断線を挟む一対の局所領域のうちの一方の局所領域に凸状嵌合部を形成する場合は、プレス圧力が増加するという不都合が発生するのに対して、第2発明によれば、凸状嵌合部をステータコアの外周縁部に設けることができて塑性変形させる凸状嵌合部を小さくでき、プレス圧力を、一対の局所剪断線の間に凸状嵌合部を形成する従来の場合従来と同等とすることができる。
第3発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部は、前記ステータコアのうち、前記ヨーク部の径方向の幅の中央よりも内周側であって、前記櫛歯の径方向の中央よりも外周側の領域に形成されている。回転磁界の影響を抑制するためのスリットを電磁鋼板に形成すると、鉄損は抑制できるが、同じトルクを得るための電流が増加するので、出力密度の低下、銅損の増加という不都合が発生するのに対して、第3発明によれば、単一の凸状剪断端面を有する凸状嵌合部がステータコアの櫛歯の根元部に配置されているので、渦電流損だけでなく、回転磁界で増加する損失も低減できる。
第4発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記電磁鋼板の厚み方向の異なる側へ突き出している。単一の凸状剪断端面を有する凸状嵌合部は、単独では、局所剪断線の内径側或いは外径側のどちらかに位置することなり、一方向にしか固定できないので、固定力が不足する可能性がある。これに対して、第4発明によれば、隣接凸状嵌合部は電磁鋼板の厚み方向において相互に異なる方向に塑性変形しているので、両側に隣接する電磁鋼板に対してもずれることが抑制され、従来の一対の局所剪断線の間に平カシメ状に形成された凸状嵌合部と同様の電磁鋼板間の固定力が得られる。
第5発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記局所剪断線から径方向の異なる側へ形成されている。単一の凸状剪断端面を有する凸状嵌合部は、単独では、局所剪断線の内径側或いは外径側のどちらかに位置することなり、一方向にしか固定できないので、固定力が不足する可能性がある。これに対して、第5発明によれば、隣接凸状嵌合部は相互に異なる方向に固定するので、局所剪断線が周方向であれば内側にも外側にもずれることが抑制され、従来の一対の局所剪断線の間に平カシメ状に形成された凸状嵌合部と同様の電磁鋼板間の固定力が得られる。
第6発明の回転電機によれば、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線により切断された凸状剪断端面を有し、前記局所剪断線から離れるほど前記凸状嵌合面の高さよりも連続的に低くなるように形成されている。これにより、単一の凸状剪断端面を有する凸状嵌合部が、小さくなり、局所的に形成される。
第7発明の回転電機によれば、前記局所剪断線は、前記軸線を中心とする円弧の接線方向に配置されており、前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線よりも離れるほど周方向の幅寸法が小さくされている。これにより、単一の凸状剪断端面を有する凸状嵌合部が、小さくなり、局所的に形成される。
本発明が適用された回転電機の要部を示す断面図である。 図1の回転電機に備えられたステータコアの要部を拡大して説明する要部拡大図である。 図2のステータコアのIII-III視断面図であって、凸状嵌合部の横断面を示す図である。 図2のステータコアのIV-IV視断面図であって、凸状嵌合部の縦断面を示す図である。 本発明の他の実施例(実施例2)の回転電機に備えられたステータコアの要部を拡大して説明する要部拡大図であり、図2に相当する図である。 図5のステータコアのVI-VI視断面図であって、凸状嵌合部の横断面を示している。 図5のステータコアのVII-VII視断面図であって、凸状嵌合部の縦断面を示している。 本発明の他の実施例(実施例3)の回転電機に備えられたステータコアの要部を拡大して説明する要部拡大図であり、図2に相当する図である。 本発明の他の実施例(実施例4)の回転電機に備えられたステータコアの要部を拡大して説明する要部拡大図であり、図2に相当する図である。 実施例1、実施例2、実施例3、実施例4のステータコアにおけるかしめ損失低減効果を、従来のステータコアと比較して示すグラフである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において、各図は適宜簡略化された略図であり、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用された車両用の回転電機MGの概略構成を説明する断面図である。回転電機MGは、例えば、ハイブリッド車両や電動車両の走行用駆動源であって、電動機(モータ)或いは発電機(ジェネレータ)として機能する交流同期電動機である。回転電機MGは、図1に示すように、軸線CLまわりに回転可能に設けられたロータ10と、ロータ10の外周側に配置され、軸線CLを中心とする環状のステータコア12とを、備えている。ロータ10は、複数個の永久磁石14を内蔵し、ステータコア12から発生する回転磁界により回転させられるようになっている。
ステータコア12は、図1および図2に示すように、例えば、円筒状のヨーク部16と、ヨーク部16から軸線CLに向かって周方向に一定の間隔で突設された複数の櫛歯18から成る櫛歯部20と、各櫛歯18にそれぞれ巻回された図示しないステータコイルとを、備えている。ステータコア12は、たとえば有機無機混合膜等の1~数μm程度の絶縁被膜が表面に形成された電磁鋼板22が相互に固定された状態で軸線CL方向に積層されることによって構成されている。
図2、図3、図4は、図1の破線で示す矩形領域A1において、電磁鋼板22の相互固定構造を局所的に説明する図であって、図2は、電磁鋼板22の平面図、図3は、電磁鋼板22に局所的に形成された凸状嵌合部24の横方向断面形状を示す図2のIII-III視断面図、図4は電磁鋼板22に形成された凸状嵌合部24の縦方向断面形状を示す図2のIV-IV視断面図である。
複数枚の電磁鋼板22のうちの互いに隣接する一方の電磁鋼板22には、局所的に塑性加工された一方の凸状嵌合部24が設けられており、他方の電磁鋼板22にも一方の凸状嵌合部24と同様の形状に塑性加工された他方の凸状嵌合部24が設けられており、他方の凸状嵌合部24が一方の凸状嵌合部24の裏面側すなわち内側に形成された凹状嵌入部26内に圧入により嵌合されている。この嵌合により、互いに隣接する一方の電磁鋼板22と他方の電磁鋼板22とが、嵌め着けにより生じる圧着力により相互に固定されている。このような固定構造は、複数枚の電磁鋼板22のなかの相互に隣接する電磁鋼板にそれぞれ適用されているので、複数枚の電磁鋼板22の全体が一体的に固定されている。
凸状嵌合部24は、電磁鋼板22において、1個の局所剪断線28を挟む一対の局所領域RiおよびRoのうちの一方のみ局所領域RiまたはRoが、塑性変形させられたのである。図2の実施例では、1つの櫛歯18に対応して一対の局所剪断線28が、軸線CLを中心とする円弧に沿った2箇所においてその円弧の接線方向に形成されており、局所剪断線28を挟む一対の局所領域RiおよびRoのうちの外周側の局所領域Roに塑性変形が加えられることで、凸状嵌合部24が形成されている。
図4に示すように、凸状嵌合部24は、局所剪断線28によりも外周側の局所領域Roにおいて形成され、塑性加工により凸条形状であって電磁鋼板22の厚みよりも低い最大高さとなるように曲成された凸状剪断端面28aと、凸状剪断端面28aに続きその凸状剪断端面28aから離れるほど高さが低くなり且つ平面視で周方向の幅寸法wが小さくなる傾斜凸部30とを、備え、凹状嵌入部26を裏面側すなわち内側に形成している。凹状嵌入部26内には、局所剪断線28により形成された直線状の剪断面28bが露出し、凹状嵌入部26は直線状の剪断面28bから離れるほど浅くなるように形成されている。凸状嵌合部24および局所剪断線28は、たとえばプレス加工により一挙に形成される。
他方の凸状嵌合部24が一方の凸状嵌合部24の裏面側すなわち内側に形成された凹状嵌入部26内に圧入により嵌合されている状態において、凸状剪断端面28aと直線状の剪断面28bとが接触すると、絶縁被膜下に露出する電磁鋼板同士が相互に電気的に導通することが避けられない。図4の破線B1は、電磁鋼板22間の電流の導通経路を示している。しかし、1つの凸状嵌合部24は1つの局所剪断線28を挟む一方の領域に構成されていて、1つの凸状剪断端面28aしか有していないため、環状すなわちループ状の導通路が形成されない。このことから、ステータコア12において、一対の局所剪断線の間が塑性変形させられて成る従来の凸状嵌合部に比較して、渦電流による鉄損の発生が抑制されている。また、環状の導通路の形成を回避するために、凸状剪断端面28aを覆う接着剤等の絶縁塗膜が塗布されないので、電磁鋼板22間が密着させられ、ステータコア12の軸線CL方向の寸法が大きくなるという不都合が解消される。
また、本実施例では、ヨーク部16の櫛歯18の基部に対応する部分に、一対の凸状嵌合部24が周方向に平行に且つ周方向おいて隣接して設けられており、一対の凸状嵌合部24の一方と他方とが、電磁鋼板22の厚み方向において互い違いにすなわち反対向きに突き出している。これにより、電磁鋼板22同士が内周側にも外周側にもずれることがなく、固定力を確保できる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図5、図6、図7は、図1の破線で示す矩形領域において、本発明の他の実施例の電磁鋼板22の相互固定構造を局所的に説明する図であって、図5は、電磁鋼板22の平面図である。図6は、電磁鋼板22に局所的に形成された凸状嵌合部124の横方向断面形状を示す図5のVI-VI視断面図である。図7は電磁鋼板22に形成された凸状嵌合部124の縦方向断面形状を示す図2のVII-VII視断面図である。
本実施例の凸状嵌合部124は、実施例1の凸状嵌合部24に比較して、局所剪断線28と電磁鋼板22の外周縁との間に形成されており、凸状嵌合部124は、凸状剪断端面28aから離れるほど高さが低くなり且つ平面視で幅が小さくなる傾斜凸部30に替えて、高さが略一定の凸部130を備える点、および、深さが略一定の凹状嵌入部126を形成する点で、相違しているが、その他は実施例1の凸状嵌合部24と同じである。
本実施例によれば、凸状嵌合部124は、局所剪断線28とステータコア12の外周縁12aとの間に形成され、凸状嵌合部124の外周側端部124aは、ステータコア12の外周縁12aに接している。単一の局所剪断線28を挟む一対の局所領域Ri、Roのうちの一方の局所領域に凸状嵌合部24を形成する場合は、プレス圧力が増加するという不都合が発生するのに対して、本実施例によれば、凸状嵌合部124をステータコア12の外周縁部に設けることができて塑性変形させる凸状嵌合部124を小さくでき、プレス圧力を、一対の局所剪断線の間に凸状嵌合部を形成する従来の場合従来と同等とすることができる。
図8は、本発明の他の実施例の電磁鋼板22の相互固定構造を局所的に説明する図であって、電磁鋼板22の櫛歯18の根元領域RRを示す平面図である。櫛歯18の根元領域RRは、ヨーク部16の径方向の幅の中央よりも内周側であって、櫛歯18の径方向の中央よりも外周側の領域であって、図8の1点鎖線で囲まれた領域である。本実施例の凸状嵌合部224は、櫛歯18毎に対応して設けられる根元領域RR内にそれぞれ形成されている。図8では、所定の櫛歯18に対応する根元領域RR内に形成された1個の凸状嵌合部224と、その所定の櫛歯18に隣接する櫛歯18に対応する根元領域RR内に形成され、裏面に凹状嵌入部226を形成する1個の凸状嵌合部224とは、電磁鋼板22の厚み方向において反対向きに突設されている。
一般に、回転磁界の影響を抑制するためのスリットを電磁鋼板に形成すると、鉄損は抑制できるが、同じトルクを得るための電流が増加するので、出力密度の低下、銅損の増加という不都合が発生する。これに対して、本実施例によれば、単一の凸状剪断端面28aを有する凸状嵌合部224がステータコア12の櫛歯の根元領域RR内に配置されているので、渦電流損だけでなく、回転磁界で増加する損失も低減できる。
図8において、破線の矢印は、ステータコア12のヨーク部16、および櫛歯部20の櫛歯18内の磁束を代表的に示している。電磁鋼板のうち一対の局所剪断線間に塑性加工された従来の平カシメ状の凸状嵌合部では、隣接した電磁鋼板の間で2箇所の部位で導通し、その2箇所の部位をそれぞれ通る電流ループにおいて渦電流が発生し、発熱や鉄損を増加させる原因となっていたのである。
図9は、本発明の他の実施例の電磁鋼板22の相互固定構造を局所的に説明する図であって、電磁鋼板22の凸状嵌合部24が設けられた部分を示す平面図である。図9の実施例では、1つの櫛歯18に対応して一対の局所剪断線28が、軸線CLを中心とする円弧に沿った2箇所においてその円弧の接線方向に形成されており、局所剪断線28を挟む一対の局所領域RiおよびRoのうちの外周側の局所領域Roと内周側の局所領域Riとにそれぞれ塑性変形が加えられることで、一対の凸状嵌合部324がそれぞれ形成されている。図9では、それら一対の凸状嵌合部324の裏面に形成される凹状嵌入部326が形成されている。
図10は、実施例1の凸状嵌合部24を用いて電磁鋼板22が結合されたステータコア12、実施例2の凸状嵌合部124を用いて電磁鋼板22が結合されたステータコア12、実施例3の凸状嵌合部224、実施例4の凸状嵌合部324を用いて電磁鋼板22が結合されたステータコア12における鉄損を、周波数400Hz、ヨーク部16の磁束密度の振幅値1.25Tを用いてそれぞれ測定し、それぞれの実施例1、2、3のかしめ損失低減効果を、一対の局所剪断線の間を平カシメ状に塑性変形させ従来の平カシメ状の凸状嵌合部を用いて結合された従来のステータコアを1とした場合の相対値と比較可能に示すグラフである。実施例1、実施例2、実施例3、および実施例4のいずれも、従来値に比較して23%以上の損失低減が得られている。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例のステータコア12を構成する電磁鋼板22のヨーク部16では、1つの櫛歯18に対応して1又は2個の凸状嵌合部24、124、224、324が設けられていたが、凸状嵌合部24、124、224、324は、必ずしも1つの櫛歯18毎に設けられる必要はなく、2つ又は3つ以上の櫛歯18に対応して設けられてもよい。
また、前述の実施例において、凸状嵌合部24、124、224、324の高さは、電磁鋼板22の厚みよりも小さいものであったが、電磁鋼板22の厚みを超えるものであってもよい。
また、前述の実施例において、回転電機MGは車両用であったが、たとえば、飛翔体や船舶等の車両以外のモビリティに用いられるものであってもよい。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ロータ
12:ステータコア
14:永久磁石
16:ヨーク部
18:櫛歯
20:櫛歯部
22:電磁鋼板
24、124、224、324:凸状嵌合部
26、126、226、326:凹状嵌入部
28:局所剪断線
28a:凸状剪断端面
28b:直線状の剪断面
30:傾斜凸部
130:凸部

Claims (7)

  1. 軸線を中心とする環状のヨーク部と、前記ヨーク部の内側から所定の間隔で内向きに突設された複数の櫛歯から成る櫛歯部とを有するステータコアを備え、前記ステータコアは、表面に絶縁被膜が形成された複数枚の電磁鋼板が前記軸線方向に積層され、前記複数枚の電磁鋼板のうちの隣接する一対の電磁鋼板の一方の電磁鋼板に局所的に塑性加工された凸状嵌合部が他方の電磁鋼板に前記凸状嵌合部と同様の形状に局所的に塑性加工された前記凸状嵌合部の裏側に形成された凹状嵌入部内に嵌合されることで、前記複数枚の電磁鋼板が相互に固定されている回転電機であって、
    前記凸状嵌合部は、所定の電磁鋼板において単一の局所剪断線を挟む一対の局所領域のうちの一方の局所領域が塑性変形させられたものである
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線と前記ステータコアの外周縁との間に形成され、
    前記凸状嵌合部の外周側端部は、前記ステータコアの外周縁に接している
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記凸状嵌合部は、前記ステータコアのうち、前記ヨーク部の径方向の幅の中央よりも内周側であって、前記櫛歯の径方向の中央よりも外周側の領域に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記電磁鋼板の厚み方向において相互に異なる側へ突き出している
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の回転電機。
  5. 前記凸状嵌合部と、前記凸状嵌合部に隣り合う他の凸状嵌合部とは、前記局所剪断線から径方向において相互に異なる側へ形成されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の回転電機。
  6. 前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線により切断された凸状剪断端面を有し、前記局所剪断線から離れるほど前記凸状剪断端面の高さよりも連続的に低くなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1に記載の回転電機。
  7. 前記局所剪断線は、前記軸線を中心とする円弧の接線方向に配置されており、
    前記凸状嵌合部は、前記局所剪断線から離れるほど周方向の幅寸法が小さくされている
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1に記載の回転電機。
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