JP2023001053A - 化粧板 - Google Patents

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JP2023001053A JP2022092145A JP2022092145A JP2023001053A JP 2023001053 A JP2023001053 A JP 2023001053A JP 2022092145 A JP2022092145 A JP 2022092145A JP 2022092145 A JP2022092145 A JP 2022092145A JP 2023001053 A JP2023001053 A JP 2023001053A
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孝剛 伊藤
Takatake Ito
靖孝 遠藤
Yasutaka Endo
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DIC Decor Inc
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、優れた耐摩耗性を有する化粧板、さらには、優れた耐摩耗性と共に高い表面硬度、耐汚染性及び耐溶剤性を有する化粧板を提供する。【解決手段】本発明は、無機系基材上に目止め層と、着色塗料層とを有する化粧板であって、前記着色塗料層が、コールターカウンター法により測定される平均粒子径が30μm以上の微粒子を3g/m2以上含有する化粧板である。本発明の継承版によれば、上記課題を解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の内装や付設家具等に使用する化粧材に関する。
従来より、建築物の内装や付設家具等の表面装飾用の化粧板として、ケイ酸カルシウム等の無機系基材を使用した化粧板が用いられている。このような化粧板としては、例えば、化粧層の保護等を目的に、表面にクリア層を有する化粧板が開示されている(特許文献1参照)。
特開2013-240935号公報
当該化粧板は、着色層上にクリア層を設けることで、着色層を保護するものである。しかし、単にクリア層を設けるのみでは、表面の耐摩耗性が十分に得られない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐摩耗性を有する化粧板を提供することにある。
さらに、本発明は優れた耐摩耗性と共に、高い表面硬度、耐汚染性及び耐溶剤性を有する化粧板を提供する。
さらに本発明は、上記に加え、マット調やテクスチャ状の意匠であっても好適な意匠性を実現しやすい化粧板を提供することを課題とする。
本発明は、無機系基材上に目止め層と、着色塗料層とを有する化粧板であって、前記着色塗料層が、コールターカウンター法により測定される平均粒子径が30μm以上の微粒子を3g/m以上含有する化粧板により、上記課題を解決するものである。
本発明の化粧板は、平均粒子径が30μm以上の微粒子を特定量含有する着色塗料層を使用することで、高い耐摩耗性を有することから、建築物の内装や付設家具等に好適に使用できる。
また、高い表面硬度を実現できることから、傷付きや凹み等に対しても高い耐性を有し、金属汚れの付きにくい耐汚染性や耐溶剤にも優れることから、建築物の内装や付設家具等に好適に使用できる。さらに、マット調やテクスチャ状の各種意匠においても好適な意匠性を実現できる。
本発明の化粧板は、無機系基材上に目止め層と、着色塗料層とを順に有する化粧板であって、前記着色塗料層が、コールターカウンター法により測定される平均粒子径が30μm以上の微粒子を3g/m以上含有する化粧板である。
[無機系基材]
本発明に使用する無機系基材は、樹脂含有量が少なく、略板状のものを使用することができる。窯業系無機質基材のほか骨材としての無機物や無機系繊維を有機系結合材により固めたものを使用することもできるが、無機物の総量が無機系基材の50質量%以上であることが好ましい。当該無機物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム等の結晶水を有する無機物を使用することが好ましい。不燃性向上のためには不燃性基材を使用することが好ましく、なかでも、耐熱性及び不燃性、また容易に入手できる等の観点から、窯業系無機質基材が好ましく、珪酸カルシウム成形体、繊維補強珪酸カルシウム成形体、繊維補強セメント成形体、繊維補強セラミックス成形体、軽量気泡コンクリート(ALC)、ガラス、タイル、石材又はこれらの複合材等が挙げられる。これらのうち、特に珪酸カルシウム成形体、繊維補強珪酸カルシウム成形体や繊維補強セメント成形体が好ましい。
本発明に使用する無機質系基材は、その比重が0.7g/cm以上であることが好ましく、0.8g/cm以上であることがより好ましく、1.0以上であることがさらに好ましい。比重の上限としては、2.3g/cm以下であることが好ましく、2.0g/cm以下であることがより好ましい。当該比重とすることで、表面の力学的強度確保と、軽量化による施工時の負担軽減とを実現でき、また、高い表面硬度の化粧板を得やすくなる。
[着色塗料層]
本発明に使用する着色塗料層は、着色塗料の塗布、または転写用基材上に形成された着色塗料層の転写によって形成され、無機質系基材の色調を隠蔽して、化粧板に対して任意の意匠性の高い色調を付与する層である。本発明においては、当該着色塗料層が、コールターカウンター法により測定される平均粒子径が30μm以上の微粒子を含有する。当該着色塗料層を使用することで、耐摩耗性に優れた化粧板を実現できる。
当該微粒子は、平均粒子径が35μm以上であることがより好ましく、40μm以上であることがさらに好ましい。また、粒子径の上限は70μm以下とすることが好ましく、60μm以下とすることがより好ましい。当該粒子径とすることで、好適な耐摩耗性と共に、良好な意匠性や高い表面硬度を得やすくなる。当該粒子径は、コールターカウンター法により測定される平均一次粒子径である。
着色塗料層の塗布量は、固形分で30g/m以上とすることが好ましく、40g/m以上とすることがより好ましく、50g/m以上とすることが更に好ましい。当該塗布量の上限は、120g/m以下とすることが好ましく、100g/m以下とすることがより好ましい。当該範囲とすることで、好適な耐摩耗性と共に、良好な意匠性や高い表面硬度を得やすくなる。
また、着色塗料層中の当該微粒子の含有量は、着色塗料層中の3g/m以上とすることで優れた耐摩耗性を実現できる。当該含有量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは15g/m以上、さらに好ましくは20g/m以上である。当該含有量の上限は、50g/m以下とすることが好ましく、40g/m以下とすることがより好ましい。当該範囲とすることで、好適な耐摩耗性と共に、良好な意匠性や高い表面硬度を得やすくなる。
着色塗料層に使用する当該微粒子としては、特に制限されず、有機系微粒子であっても無機系微粒子であってもよい。有機系微粒子としては、例えば、アクリルビーズ、ポリエチレンビーズ、ウレタンビーズ等を例示できる。無機系微粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ等を例示できる。また、微粒子は球状のものが好ましい。
また、着色塗料層の前記微粒子を除いた塗料の塗布厚は、下地基材を隠蔽しやすく、微粒子の脱落を抑制しやすいことから、5~80μmとすることが好ましく、10~50μmとすることがより好ましい。ここで、「着色塗料層の前記微粒子を除いた塗料の塗布厚」とは、微粒子を除いた着色塗料を塗布して測定される塗布厚である。また、微粒子を除いた着色塗料を基準塗料として使用し、当該基準塗料を塗布して塗布厚を測定し、当該基準塗料の比重と塗布量から、塗布量違いの着色層の前記微粒子の質量分を除いた塗布厚を換算することもできる。さらに、着色塗料層の前記微粒子を除いた塗料の塗布厚を当該微粒子の平均粒子径と同程度にすることがより好ましい。これにより、好適な意匠性を有しつつ、高い硬度の化粧板を実現できる。
着色塗料層を形成するための着色塗料層用塗料は、いわゆるエナメル塗料であり、各種塗料を使用できる。また、着色塗料中には、上記微粒子以外に、樹脂、着色剤を含有し、さらに必要に応じて艶消材、及びその他付加機能を付与するための添加剤を含有することができる。着色塗料層は、着色塗料層用塗料をロールコーター法、スプレー法、フローコーター法、グラビアコーター法等の塗布手段による直接塗布、あるいは転写用基体上に塗布して転写することにより形成できる。
着色塗料層に使用する樹脂としては、例えば塩化ビニル酢酸-ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、硝化綿、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、等の樹脂の一種または二種以上の混合物が用いられる。尚、これらは硬化剤を用いていわゆる2液型とすることもできる。そのなかでもベースコート層表面に直接塗布されて形成される着色塗料層形成用の塗料として使用される樹脂としては、二液ウレタン系樹脂が好ましく、例えばポリエステル、アクリル、アクリルアルキッド等のポリオールとイソシアネートを二液混合したもの等が例示できる。なかでも、アクリルポリオールとイソシアネート化合物からなるアクリルウレタン系樹脂を使用した着色塗料が特に好ましい。
着色塗料層に使用する着色剤としては有機顔料及び無機顔料から選ばれた着色剤及び体質顔料を含むものである。着色剤を構成する無機顔料としては、たとえば、チタン白、カーボンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、弁柄、群青、及びアルミホワイト等を使用することができる。有機顔料としては、キナクリドン、レーキレッド、ベンジシンイエロー、イソインドリノン、フタロシアニンブルー、シンクレアレッド等を使用することができ、所望の色調に応じて上記以外にも任意の有機及び無機顔料が適宜使用できる。また、塗料の補強や粘度調整、増量剤として用いる体質顔料としては、無機質のものが好ましく、炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、アルミナ等の粒子等を用いることができる。これらの有機顔料及び無機顔料には粒子径が10μm以下のものを用いることが好ましい。
艶消材としては、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物等の微粒子酸化物を挙げることができ、分散性を高める目的で、それらの表面にシリカ処理、アルミナ処理、カップリング処理等を施したものを使用することができる。これらの艶消材には粒子径が10μm以下のものを用いることが好ましい。
[目止め層]
本発明の化粧板は、無機系基材上に目止め層を有することで、高い表面硬度を実現できる。また、目止め層を設けることで、好適な意匠性を得やすくなる。
本発明で使用する目止め層は無機系基材上に直接またはシーラー層を介して形成される層である。当該目止め層は、各種樹脂を使用した塗料を塗布した後、乾燥及び/又は硬化して形成される層であることが好ましい。当該塗料は樹脂成分と、必要に応じて各種添加剤とを含有することで、目的とする機能を効率的に付与できる。
目止め層に使用される樹脂としては、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が使用される。これら樹脂は紫外線硬化型でも熱硬化型でもよい。
添加剤としては、体質顔料、分散剤、消泡剤、重合禁止剤、光開始剤等を適宜使用できる。
本発明においては、当該目止め層を無機系基材上に設けることで、着色層の無機系基材への浸透防止、化粧層の密着性向上、無機系基材における色調の隠蔽、更には着色層塗布前の下地の平滑化等の各種の機能を実現できる。
当該目止め層は、一層のみで構成されていても、二層以上の多層で構成されていてもよい。一層のみで構成される場合には、製造工程が簡略化でき、製造コストを低減できるため好ましい。また、二層以上の多層で構成される場合には、上記目止め層の機能を各層で分担して発現すればよいため、これら機能を好適に発現しやすいため好ましい。また、二層以上の構成とすることで、使用できる原材料の種類が多くなり、それらを用いた設計の幅も多くなる。
本発明においては、目止め層を、無機系基材に接する第一の目止め層(以下、第一目止め層と称する)と、着色層と接する第二の目止め層(以下、第二目止め層と称する)とを積層した二層構成とすることが特に好ましい。当該二層構成とすることで、上記したような目止め層の機能を好適に発現でき、また、設計自由度を向上させることができる。
目止め層を二層構成とする際の第一目止め層に使用する塗料としては、無機系基材表層の凹部へ効率的に充填できるものを好適に使用できる。当該塗料としては、粘度が5000~80000mPa・sであることが好ましく、20000~70000mPa・sであることが好ましく、35000~55000mPa・sであることが特に好ましい。当該粘度とすることで、無機系基材へ浸透しにくく、かつ無機系基材表層の凹部へ好適に塗料を充填しやすくなり、得られる塗装化粧板の表面平滑性を向上させやすくなる。また、当該範囲とすることで、塗料のドライアップを抑制しやすく、好適な塗工適性も確保しやすいため好ましい。
第一目止め層の塗料に使用する樹脂種としては、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が使用できる。なかでも、無機系基材表層の凹部への充填性能に特に優れることから、エポキシアクリレート樹脂とポリエステル樹脂を配合したものが好ましい。また、エポキシアクリレート樹脂を使用することで、得られる塗膜の硬度を好適に確保しやすくなる。
また、第一目止め層の塗料は、紫外線硬化型、熱硬化型のいずれであってもよいが、より効率的に塗料を硬化させやすく、或いは安定して優れた機能を発現するためには紫外線硬化型を使用することが好ましい。また、塗料としては溶剤系、水系及び無溶剤系が使用できるが、無機系基材表層の凹部への充填に好適であり、また、乾燥工程が不要となり、乾燥時の不具合が生じにくいため無溶剤系を使用することが好ましい。
また、第一目止め層の塗料には、無機顔料を含有することが好ましい。塗料中に無機顔料を含有することで、塗料を高粘度化させやすくなり、好適に無機系基材表層の凹部への充填性を向上できる。また、硬化後の被膜の目減りが生じにくくなる。
無機顔料を含有する場合には、下式で表されるPWC(顔料重量濃度)が、30~70wt%であることが好ましく40~60wt%であることがより好ましい。PWCを当該範囲とすることで、塗工適性を良好に維持しつつ、無機系基材への塗料の浸透を特に好適に抑制でき、無機系基材表層の凹部への充填性を向上できる。
PWC(wt%)=[(塗料中の顔料重量)/(塗料中の固形分重量)]×100
また、第一目止め層に使用する塗料には、各種のモノマーや添加剤を添加して、塗工性能等を適宜調整してもよい。
第一目止め塗料を塗工する方式としては、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、ナチュラルリバースロールコーター、ナチュラルリバーススクイーズコーター、ダイコーター、ナイフコーター等が使用できる。なかでも、第一目止め層の塗料の塗工においては塗料を無機系基材表層の凹部に好適に充填しやすいことから、ナチュラルリバーススクイーズコーターを好ましく使用できる。
第一目止めの塗布量については、乾燥時で5~200g/mであることが好ましく、10~100g/mであることが特に好ましい。当該範囲とすることで、塗工時に無機系基材表面への凹部への塗料の充填ムラが生じにくく、塗工面の平滑性を向上させやすくなる。
第二目止め層に使用する塗料としては、塗工時のレべリングや塗工後のサンダー加工適性等が良好で、表面の平滑性が得られやすいものを好適に使用できる。当該塗料としては、粘度が1500~20000mPa・sであることが好ましく、2000~10000mPa・sであることが好ましく、3000~8000mPa・sであることが特に好ましい。当該粘度とすることで、塗工時のレべリング性を確保しやすくなり、塗装化粧板の平滑性を向上させやすくなる。また、塗料の厚塗り塗工がしやすく、好適な塗工適性も確保しやすくなる。
第二目止め層の塗料に使用する樹脂種としては、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用できる。なかでも、塗料のレべリング性を確保しやすく、硬化後の塗膜硬さを向上させやすいことから、エポキシアクリレート樹脂を好ましく使用できる。
また、第二目止め層の塗料は、紫外線硬化型、熱硬化型のいずれであってもよいが、より効率的に塗料を硬化させやすく、或いは安定して優れた機能を発現するためには紫外線硬化型を使用することが好ましい。また、塗料としては溶剤系、水系及び無溶剤系が使用できるが、乾燥工程が不要となり、乾燥時の不具合が生じにくいため無溶剤系を使用することが好ましい。
また、第二目止め層の塗料においても、無機顔料を含有することが好ましい。塗料中に無機顔料を含有することで、サンダー加工等による硬化被膜の平滑化処理適性を向上しやすくなり、塗工化粧板の好適な平滑性が得られやすくなる。また、硬化後の被膜の目減りが生じにくくなる。
無機顔料を含有する場合には、PWC(顔料重量濃度)が、30~70wt%であることが好ましく40~60wt%であることがより好ましい。PWCを当該範囲とすることで、塗工適性を良好に維持しつつ、硬化被膜の平滑化処理適性を好適に向上できる。
また、第二目止め層に使用する塗料には、各種のモノマーや添加剤を添加して、レべリング性や塗工性能等を適宜調整してもよい。
第二目止め塗料を塗工する方式としては、ナチュラルロールコーター、リバースロールコーター、ナチュラルリバースロールコーター、ナチュラルリバーススクイーズコーター、ダイコーター、ナイフコーター等が使用できる。なかでも、第二目止め層の塗料の塗工においては、塗布量を調整しやすく塗布面の平滑性を確保しやすいことから、ナチュラルリバースコーターを好ましく使用できる。
第二目止めの塗布量については、乾燥時で10~200g/mであることが好ましく、30~100g/mであることがより好ましく、50~100g/mであることが特に好ましい。当該範囲とすることで、塗工面の平滑性を向上させやすくなる。また、サンダー加工を行う場合に、十分なサンダーしろを確保できる。
本発明においては、着色層を設ける目止め層の表面の平滑性を向上させるために、目止め層表面に平滑化処理を施してもよい。当該平滑化処理としては、着色層との密着性と表面平滑性とを確保しやすいことから、サンダー加工による平滑化処理を好ましく使用できる。サンダー方式はベルトサンダーを使用することが好ましく、プラテン方式、ドラム方式及びこれらの併用方式の何れも使用することできる。サンドペーパーの種類としては、粗目(#30~100)、中目(#100~200)、細目(#200~400)、極細目(#400~600)、超極細目(#600以上)などの何れも使用することができるが、細目もしくは極細目を使用することで、目止め層の平滑化、着色層との密着性向上、さらには、着色層とトップコート層との平滑性向上が得られやすいため好ましい。また、サンダー加工する回数は1回でも複数回でも良いが、粗研磨と平滑化研磨の2回に分けることが好ましい。例えば、粗研磨を#180~#240で、平滑化研磨を#320~#400で各々サンダー加工を行い、はじめの粗研磨では目止め層表面の凹凸を比較的深く削り込むことで全体をならし、次の平滑化研磨で目止め層が平滑になるよう薄く削り込むことができる。このようすることで、着色層の下地として特に好適な平滑性が得られ、高度な平滑性の塗装化粧板が得られやすくなる。
[シーラー層]
本発明の化粧板は、高い表面硬度を得やすいことから、無機系基材上にシーラーを塗布してシーラー層を設けることが好ましい。不燃基材に浸透しやすいシーラーを使用してシーラー層を設けることで、無機系基材の表層を強化するとともに、目止め塗料や着色塗料との好適な密着性を得やすくなる。また、無機系基材からのアルカリ成分溶出防止、無機系基材への目止め塗料や着色塗料の浸透防止を図ることができる。
シーラーを塗工する方式としては、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、フローコーター等が使用できる。シーラーを無機系基材に塗布した後、基材への浸透、乾燥及び/又は硬化しシーラー層が形成されることが好ましい。また、当該シーラーには、必要に応じて各種添加剤を配合することで、目的とする機能を効率的に付与できる。
シーラーとしては、イソシアネート系シーラーや珪酸塩水溶液からなる無機系シーラーなどを用いることができる。イソシアネート系シーラーは有機溶剤溶液や水分散液も使用できる。イソシアネート系シーラーの塗布量は乾燥重量換算で5~50g/mが好ましい。また、無機系シーラーの塗布量は乾燥重量換算で2~30g/mが好ましい。
イソシアネート系シーラーに用いるイソシアネート化合物としては、ジイソシアネートやトリイソシアネートなどの多価イソシアネート、またはこの多価イソシアネートモノマーから得られるポリイソシアネート、またはそれらのプレポリマーなどが挙げられる。
また、上記多価イソシアネートを用いた、重合物として得られるポリイソシアネートとして、分子内にビュウレット、イソシアヌレート、ウレタン、ウレトジオン、アロファネート等の構造を有する変性体を使用することもできる。
なかでも、入手しやすさの観点からは、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどのMDIの重合物であるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートや、トリレンジイソシアネート(TDI)の重合物や、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の重合物、キシリレンジイソシアネート(XDI)の重合物や、それらの混合物を用いることが好ましい。また、乾燥性やコストの観点からは、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを使用することが好ましい。
これらの多価イソシアネート、ポリイソシアネートは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いてもよい。あるいはそれらを使用したプレポリマーとして使用し、さらにこれらに上記多価イソシアネートやポリイソシアネートを混合して使用してもよい。
上記イソシアネート系化合物は有機溶剤で希釈して使用することも好ましい。希釈する有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の一般的な有機溶剤、あるいはそれらの混合物を使用できる。
また、上記イソシアネート化合物は、ポリエチレンオキサイド、カルボキシル基、スルホン酸基等の親水基を導入し、水分散型イソシアネート系化合物として使用することも好ましい。その場合は、水分散型シソシアネート化合物を水やアルコール類などの水溶性の液体で希釈して使用できる。
無機系シーラーの珪酸塩水溶液としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等のアルカリ金属の珪酸塩水溶液やそれらの混合物を使用できる。
珪酸塩水溶液の珪酸塩濃度としては、5~35質量%であることが好ましく、10~30質量%であることが更に好ましい。当該濃度範囲とすることで、珪酸塩成分を好適に基材表層付近に局在化させることができ、好適なシーラー機能を発現しやすくなる。なお、珪酸塩水溶液の無機質系基材への浸透性を上げるため、各種浸透剤やアルコール類等を添加することも好ましい。
[絵柄層]
本発明の化粧板は、前記着色塗料層と前記保護層との間に絵柄層を有していてもよい。
前記絵柄層の形成には、例えばグラビア印刷、グラビアオフセット印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、凸版式印刷、パット印刷等の既存の印刷方法や転写シートによる転写方法が挙げられる。なかでも、前記絵柄層の形成方法としては、化粧板の量産性や不燃性を確保するうえで転写シートによる転写法を適用することが好ましい。
転写シートを用いて絵柄層を形成する方法としては、例えば支持体の表面にインクで絵柄が印刷された転写シートを用い、前記着色塗料層の表面に熱転写する方法が挙げられる。転写層(絵柄層)の固形分量は、0.1~30g/mとするのが好ましい。
前記支持体としては、例えば熱可塑性樹脂のシートまたは紙と熱可塑性樹脂を積層したシートが挙げられる。熱可塑性樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また紙としては、上質紙、リンター紙、グラシン紙、パーチメント紙、クラフト紙等が挙げられる。特に支持体として好ましいのは耐熱性及び引っ張り強度に優れるポリエチレンテレフタレートフィルムである。
[保護層]
本発明の化粧板は、高い硬度を得やすいことから、上記着色塗料層上に、保護層を設けることも好ましい。当該保護層は、化粧板の表層を構成する層であり、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化して形成される層を好ましく使用できる。当該活性エネルギー線硬化性組成物としては、活性エネルギー線重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する組成物を好ましく使用できる。
前記モノマーとしては、(メタ)アクリルモノマーが好ましく、単官能(メタ)アクリレート、及び2官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ-ト、2-ブチルー2-エチルー1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物中には、活性エネルギー線重合性オリゴマーを添加する事が出来る。前記オリゴマーの代表的なものとしては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アクリルアクリレート、不飽和ポリエステルなどが挙げられ、何れも1種または2種以上の混合系で用いることが出来る。中でも、低光沢の目的として、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートが好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物に、前記オリゴマーを使用する場合、塗料組成物全量の0.5~15質量%であることが好ましい。当該含有量とすることで好適なレベリング性や、塗装時の塗膜転移性を得やすくなる。
また、活性エネルギー線硬化性組成物には、上記以外にも必要に応じて、構造中に(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能モノマーや、(メタ)アクリロイル基を3つ以上有する多官能モノマーを適宜含有してもよい。これら単官能モノマーや多官能モノマーは、塗料組成物全量中の20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、分子内水素引き抜き型光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、その他ブレンド型の光重合開始剤から幅広く使用する事が出来る。中でもアルキルフェノン系や分子内水素引き抜き型光重合開始剤が好ましい。これら光重合開始剤は単独で使用しても、2種以上組合せて使用してもよい。
使用する光重合開始剤の含有量の総計は、組成物全量の0.1~10質量%であることが好ましい。当該含有量とすることで、好適な硬度や組成物の保存安定性を得やすくなる。
また、本発明に使用する保護層は、表面硬度が9Hのメラミン板上に当該保護層を設けたときの表面硬度が3H以上の保護層であることが好ましい。当該保護層を使用することで、特に高い硬度の化粧板を得やすくなる。当該メラミン板上の保護層の表面硬度は、表面硬度が9Hのメラミン板上に90g/mの保護層を形成し、JIS K5600-1999塗料一般試験方法の引き掻き硬度(鉛筆法)の方法に準じて測定される表面硬度である。なお、本発明においては、測定方法中の荷重は、1000gとし、上限9Hまで測定する。
保護層を艶消し性の保護層とする場合には、組成物中に艶消し剤を含有することも好ましい。当該艶消し剤を使用する場合には、意匠性や透明性を阻害しない範囲の大きさの艶消し剤を使用することが好ましく、平均粒子径が10μm以下の艶消し剤を使用することが好ましい。
艶消し剤としては、例えば、シリカ、樹脂ビーズ、艶消しワックス、炭酸カルシウム、長石などを等を使用できる。なかでも、シリカ粒子を好ましく使用でき、特に、融点70℃以上である有機ワックスで表面処理されたシリカは好適な艶消し性を得やすいため好ましい。
艶消し剤の含有量は、意匠性や透明性を阻害しない範囲であれば特に制限されないが、組成物全量の1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましい。
また、前記保護層としては、抗菌剤や抗ウイルス剤を含有するものを使用することが、抗菌機能や抗ウイルス機能を備えた化粧板を得るうえで好ましい。
前記抗菌機能等を付与可能な抗菌剤、抗ウイルス剤は、大きく分けて無機系、有機系に分けられる。無機系抗菌剤、無機系抗ウイルス剤としては、例えば銀、銅、亜鉛などの金属とその化合物及びそれらの混合物を無機物に担持させたものが用いられる。 これら金属イオンを担持させる担持体としては、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ガラス、金属等のイオン交換体を例示できる。また、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム等を例示できる。
前記有機系抗菌剤、有機系抗ウイルス剤としては、例えば、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、ニトリル系、過酸化物系、ヨード系や塩素系等のハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメイト系、グアニジン系、有機金属系、テルペン系、糖質系、トロポロン系等を例示できる。抗菌剤、抗ウイルス剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記抗菌剤や抗ウイルス剤は、前記保護層を形成する組成物の全量に対して、0.1質量%~20質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%~10質量%の範囲で使用することが、抗菌機能や抗ウイルス機能と、優れた耐摩耗性と高い表面硬度とを両立した化粧板を得るうえで特に好ましい。
保護層の塗布量(固形分)が5g/m以上とすることで好適な硬度を実現できる。当該塗布量は好ましくは5~20g/m、より好ましくは5~15g/mとすることで、当該硬度と好適な意匠性と得やすくなる。
一般に、化粧板を構成する保護層の塗布量を増やし、前記保護層の厚さを厚くすると(例えば厚さ100μm)、化粧板の表面硬度が高くなったり、耐摩耗性が向上する傾向にある。しかし、保護層が厚い化粧板は、不燃性が低下する場合や、高光沢になりやすい(艶消しの外観を形成しにくい)場合がある。
本発明の化粧板は、前記保護層の塗布量を、従来よりも少ない上記した好ましい範囲に設定した場合であっても、良好な不燃性能を損なうことなく、優れた耐摩耗性と表面硬度とを実現することができ、かつ、艶消しデザインをはじめとする高意匠性の化粧板を作製しやすいという特徴がある。
[化粧板]
本発明の化粧板は上記無機系基材上に、上記目止め層と着色塗料層とを有することで好適な耐摩耗性を実現できる。また、化粧板表層に保護層を設ける構成、特に、着色塗料層が保護層の下層に直接積層された構成とすることで、マット調やテクスチャ状の各種意匠においても好適な意匠性と高い表面硬度とを実現しやすくなる。
また、本発明の化粧板としては、前記着色塗料層と前記保護層との間に、絵柄層を有するものを使用することができる。前記絵柄層を設けることによって、化粧板に任意の意匠と高い表面硬度とを付与することが可能になる。
耐摩耗性評価に関し、絵柄層を有さない単色の化粧板と、絵柄層を有する化粧板とで、摩耗終点は次のように異なるものとした。つまり、テーバー型摩耗試験において、単色の化粧板では、着色層が50%消失し、下地層が50%現れた時点を摩耗終点とするのに対し、絵柄層を有する化粧板では、絵柄層の50%が消失した時点を摩耗終点とし、耐摩耗試験においては、それぞれ摩耗終点までの回転数を計測する。
絵柄層は視認性の目的から表層近く位置する場合が多く、また摩耗終点の違いの理由も加わるため、絵柄層を有する化粧板は、単色の化粧板と比較して耐摩耗性が低い場合が多い。無機系基材を用いた場合において、絵柄層を有する化粧板の耐摩耗性は、上記回転数が50前後のものが多く、それを大きく上回り、かつ、表面硬度も高い化粧板は存在しなかった。
本発明の化粧板であれば、前記絵柄層を設けた構成であっても、高いレベルの耐摩耗性と表面硬度とを両立することができる。とりわけ、前記絵柄層が前記着色塗料層に直接積層され、かつ、前記保護層が前記絵柄層に直接積層された構成からなる化粧板であれば、前記絵柄層を設けた構成であっても、高いレベルの耐摩耗性と表面硬度とを両立することができる。
本発明の化粧板は、その表面鉛筆硬度が、3H以上であることが好ましく、4H以上であることがより好ましく、8H以上であることがさらに好ましい。当該硬度とすることで、傷付きや凹みに対しても高い耐性を実現できる。
また、本発明の化粧板は、テーバー型摩耗試験において着色層が50%消失するまでの回転数が100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。また、100回転当たりの摩耗減量は、0.10g以下であることが好ましく、0.05g以下であることがより好ましい。これら測定は、合板の日本農林規格における摩耗A試験の方法に従い、テーバー型摩耗試験機を用いて、研磨紙番手180番、総荷重500gの条件にて、試験体の着色層が50%消失する摩耗終点までの摩耗回転数を測定する。また、摩耗試験前の試験体重量と摩耗終点時の試験体重量差を測定し、その重量差と前述の摩耗回転数から、100回転あたりの摩耗減量(g)を算出する。
また、本発明の化粧板のうち、前記絵柄層を有する化粧板は、テーバー型摩耗試験において絵柄層が50%消失するまでの回転数が50以上であることが好ましく、_100以上であることがより好ましい。また、100回転当たりの摩耗減量は、0.10g以下であることが好ましく、0.05g以下であることがより好ましい。これら測定は、合板の日本農林規格における摩耗A試験の方法に従い、テーバー型摩耗試験機を用いて、研磨紙番手180番、総荷重500gの条件にて、試験体の絵柄層が50%消失する摩耗終点までの摩耗回転数を測定する。また、摩耗試験前の試験体重量と摩耗終点時の試験体重量差を測定し、その重量差と前述の摩耗回転数から、100回転あたりの摩耗減量(g)を算出する。
本発明の化粧板は、上記構成により、好適な意匠性と高い表面硬度を得やすいことから、住宅の内装や付設家具、さらには、非住宅分野における内装材等、住宅・非住宅を問わず建築物の壁面、パーティション、家具、あるいはそれらに付設される、什器等、各種の用途に適用できる。
<実施例1>
厚さ3mmの繊維強化セメント板(フレキ板)(比重:1.6)の片面に、ロールコーターを用いてMDI系シーラー剤(200mPa・s)を溶剤希釈して塗工、乾燥してシーラー層を形成した。乾燥時の塗布量は10g/mとした。
続いて、当該シーラー層上に、ロールコーターを用いて、目止め塗料としてエポキシアクリレート系紫外線硬化型塗料を塗工した後、紫外線を照射して目止め層を形成した。紫外線硬化型塗料には、エポキシアクリレート系UV目止め塗料1(70000mPa・s(25℃))とエポキシアクリレート系UV目止め塗料2(6000mPa・s(25℃))を用い、UV目止め塗料1を塗布、紫外線照射にて硬化させた後、UV目止め塗料2を塗り重ね、更に紫外線照射をすることで硬化させた。紫外線硬化型塗料の合計塗布量は100g/mとした。
続いて、当該ベースコート層を研磨加工し、平滑な下地処理済の繊維強化セメント板を得た。研磨には240番の研摩紙を用いた。
続いて、得られた下地処理済み繊維強化セメント板上に、平均粒子径40μmの球状シリカを配合した着色塗料をフローコーターを用いて塗工し、熱乾燥することで実施例1の化粧板を得た。着色塗料としては、二液タイプのアクリルウレタン系白色エナメル塗料(DIC(株)製UCカラーとイソシアネート硬化剤を配合したもの)を用いた。球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量は49g/m、そのうち球状シリカは3g/mとなるよう配合した。この時の着色塗料層の膜厚は31μmであった。
<実施例2>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を50g/mとし、そのうち球状シリカが7g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例3>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を56g/mとし、そのうち球状シリカが18g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例4>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を58g/mとし、そのうち球状シリカが19g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例5>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を85g/mとし、そのうち球状シリカが6g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例6>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を88g/mとし、そのうち球状シリカが11g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例7>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を98g/mとし、そのうち球状シリカが31g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例8>
厚さ3mmの繊維強化セメント板のかわりに、厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(ケイカル板)(比重:1.0)を用い、シーラー層の乾燥塗布量を35g/m、球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を60g/mとし、そのうち球状シリカが19g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<実施例9>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を80g/mとし、そのうち球状シリカが26g/mとなるよう配合した以外は実施例8と同様にして化粧板を得た。
<実施例10>
厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(比重:1.0)のかわりに、厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(比重:0.8)を用いた以外は実施例9と同様にして化粧板を得た。
<実施例11>
着色塗料に配合する球状シリカのかわりにアクリル粒子(平均粒子径:50μm)を使用した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。この時の着色塗料層の膜厚は34μmであった。
<実施例12>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を50g/mとし、そのうちアクリル粒子が7g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例13>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を56g/mとし、そのうちアクリル粒子が18g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例14>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を85g/mとし、そのうちアクリル粒子が6g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例15>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を88g/mとし、そのうちアクリル粒子が11g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例16>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を98g/mとし、そのうちアクリル粒子が31g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例17>
厚さ3mmの繊維強化セメント板のかわりに、厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(比重:1.0)を用い、シーラー層の乾燥塗布量を35g/m、アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を54g/mとし、そのうちアクリル粒子が17g/mとなるよう配合した以外は実施例11と同様にして化粧板を得た。
<実施例18>
着色塗料に配合する球状シリカのかわりにポリエチレン粒子(平均粒子径:30μm)を使用した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。この時の着色塗料層の膜厚は35μmであった。
<実施例19>
ポリエチレン粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を50g/mとし、そのうちポリエチレン粒子が7g/mとなるよう配合した以外は実施例18と同様にして化粧板を得た。
<実施例20>
ポリエチレン粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を56g/mとし、そのうちポリエチレン粒子が18g/mとなるよう配合した以外は実施例18と同様にして化粧板を得た。
<実施例21>
ポリエチレン粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を85g/mとし、そのうちポリエチレン粒子が6g/mとなるよう配合した以外は実施例18と同様にして化粧板を得た。
<実施例22>
ポリエチレン粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を88g/mとし、そのうちポリエチレン粒子が11g/mとなるよう配合した以外は実施例18と同様にして化粧板を得た。
<実施例23>
ポリエチレン粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を98g/mとし、そのうちポリエチレン粒子が31g/mとなるよう配合した以外は実施例18と同様にして化粧板を得た。
<実施例24>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を86g/mとし、そのうち球状シリカが28g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
得られた化粧板の着色塗料層上に、ロールコーターを用いて保護層用紫外線硬化型塗料を塗工した後、紫外線を照射して硬化させ、保護層を有する化粧板を得た。保護層用紫外線硬化型塗料としては、通常硬度全艶タイプの紫外線硬化型塗料を用い、塗布量は6g/mとした。保護層単体の塗膜硬度は3H、光沢値は87であった。
<実施例25>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を11g/mとした以外は実施例24と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例26>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を17g/mとした以外は実施例24と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例27>
保護層用紫外線硬化型塗料として、高硬度全艶タイプの紫外線硬化型塗料を用いた以外は実施例24と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。保護層単体の塗膜硬度は9H、光沢値は87であった。
<実施例28>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を11g/mとした以外は実施例27と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例29>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を17g/mとした以外は実施例27と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例30>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を80g/mとし、そのうち球状シリカが26g/mとなるよう配合し、保護層用紫外線硬化型塗料として通常硬度艶消しタイプの紫外線硬化型塗料を用いた以外は実施例25と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。保護層単体の塗膜硬度は3H、光沢値は19であった。
<実施例31>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を22g/mとした以外は実施例30と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例32>
実施例17と同様にして得られた化粧板の着色塗料層上に、ロールコーターを用いて保護層用紫外線硬化型塗料を塗工した後、紫外線を照射して硬化させ、保護層を有する化粧板を得た。保護層用紫外線硬化型塗料としては、通常硬度艶消しタイプの紫外線硬化型塗料を用い、塗布量は39g/mとした。
<実施例33>
球状シリカを含む着色塗料の固形分塗布量を59g/mとし、そのうち球状シリカが19g/mとなるよう配合した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
得られた化粧板の着色塗料層上に、ロールコーターを用いて保護層用紫外線硬化型塗料を塗工した後、紫外線を照射して硬化させ、保護層を有する化粧板を得た。保護層用紫外線硬化型塗料としては、高硬度艶消しタイプの紫外線硬化型塗料100部(固形分)に対し、平均粒子径40μmの球状シリカを30部添加した塗料を用い、塗布量は22g/mとした。球状シリカ添加前の保護層単体の塗膜硬度は9H、光沢値は31であった。
<実施例34>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を48g/mとし、そのうちアクリル粒子が6g/mとなるよう配合した以外は実施例17と同様にして化粧板を得た。
得られた化粧板の着色塗料層上に、ロールコーターを用いて保護層用紫外線硬化型塗料を塗工した後、紫外線を照射して硬化させ、保護層を有する化粧板を得た。保護層用紫外線硬化型塗料としては、高硬度艶消しタイプの紫外線硬化型塗料を用い、塗布量は22g/mとした。
<実施例35>
アクリル粒子を含む着色塗料の固形分塗布量を54g/mとし、そのうちアクリル粒子が17g/mとなるよう配合した以外は実施例34と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例36>
厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(比重:1.0)のかわりに、厚さ6mmのケイ酸カルシウム板(比重:0.8)を用いた以外は実施例35と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例37>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を39g/mとした以外は実施例36と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例38>
着色塗料に配合するアクリル粒子のかわりに球状シリカ(平均粒子径:40μm)を使用し、着色塗料の固形分塗布量を80g/mとし、そのうち球状シリカが26g/mとなるよう配合し、保護層用紫外線硬化型塗料として高硬度艶消しタイプの紫外線硬化型塗料100部(固形分)に対し、平均粒子径40μmの球状シリカを30部添加した塗料を使用した以外は実施例37と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例39>
保護層用紫外線硬化型塗料の固形分塗布量を39g/mとした以外は実施例35と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例40>
目止め層を設けない以外は実施例39と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例41>
シーラー層を設けない以外は実施例39と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例42>
目止め層及びシーラー層を設けない以外は実施例39と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<実施例43>
実施例31に記載の着色塗料層の表面に、支持体の片面に固形分5g/mの絵柄層を有する転写シートの、前記絵柄層側の面を積層し、熱転写することによって、前記着色塗料層の表面に絵柄層を形成した。次に、前記絵柄層の表面に、保護層用紫外線硬化型塗料として高硬度全艶タイプの紫外線硬化型塗料を使用した。以上の点以外は、実施例31と同様にして、保護層を有する化粧板を得た。
<比較例1>
球状シリカを含有しない着色塗料を使用して着色塗料の固形分塗布量を49g/mとした以外は実施例8と同様にして化粧板を得た。
<比較例2>
球状シリカを含有しない着色塗料を使用して着色塗料の固形分塗布量を47g/mとした以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。
<比較例3>
着色塗料の固形分塗布量82g/mとした以外は比較例2と同様にして化粧板を得た。
<比較例4>
アクリル粒子を含有しない着色塗料を使用して着色塗料の固形分塗布量を49g/mとした以外は実施例34と同様にして化粧板を得た。
上記実施例及び比較例にて得られた化粧板等について以下の評価を行った。得られた結果は下表のとおりである。
[微粒子を除いた場合の着色層塗布厚の測定方法]
実施例及び比較例にて使用した着色塗料において、微粒子を含有しない以外は同様に配合した塗料を使用して着色層を形成し、その塗布厚を、キーエンス製超深度形状測定顕微鏡VK8550を使用して測定し、微粒子を除いた場合の着色層塗布厚を測定した。
[保護層単体の塗膜硬度測定方法]
実施例及び比較例にて使用した保護層用紫外線硬化型塗料を使用して、表面硬度が9Hのメラミン板上に90g/mの保護層を形成し、JIS K5600-1999塗料一般試験方法の引き掻き硬度(鉛筆法)の方法を参考に、次の条件のみ変更した方法で測定した。JIS K5600では、荷重750gを指定されているが、本発明品の評価では、荷重1000gで実施した。また、JIS K5600では、鉛筆硬度の上限が6Hとされているが、本発明品の評価では9Hまで試験した。
[保護層単体の光沢測定方法]
実施例及び比較例にて使用した保護層用紫外線硬化型塗料を使用して、表面硬度が9Hのメラミン板上に90g/mの保護層を形成し、60度反射の光沢値を測定した。測定にはHORIBA社製ハンディ光沢計IG-320を用いた。
[摩耗試験方法]
実施例及び比較例にて得られた化粧板について、合板の日本農林規格における摩耗A試験の方法に従い、テーバー型摩耗試験機を用いて、研磨紙番手180番、総荷重500gの条件にて、試験体の着色層が50%消失する摩耗終点までの摩耗回転数を測定した。また、摩耗試験前の試験体重量と摩耗終点時の試験体重量差を測定し、その重量差と前述の摩耗回転数から、100回転あたりの摩耗減量(g)を算出した。
なお、実施例43で得た絵柄層を有する化粧板については、合板の日本農林規格における摩耗A試験の方法に従い、テーバー型摩耗試験機を用いて、研磨紙番手180番、総荷重500gの条件にて、試験体の絵柄層が50%消失する摩耗終点までの摩耗回転数を測定した。また、摩耗試験前の試験体重量と摩耗終点時の試験体重量差を測定し、その重量差と前述の摩耗回転数から、100回転あたりの摩耗減量(g)を算出した。
[鉛筆引き掻き硬度試験方法]
実施例及び比較例にて得られた化粧板の鉛筆硬度を、JIS K5600-1999塗料一般試験方法の引き掻き硬度(鉛筆法)の方法を参考に、次の条件のみ変更した方法で測定した。JIS K5600では、荷重750gを指定されているが、本発明品の評価では、荷重1000gで実施した。また、JIS K5600では、鉛筆硬度の上限が6Hとされているが、本発明品の評価では9Hまで試験した。
[光沢度測定方法]
実施例及び比較例にて得られた化粧板表面の60度反射の光沢値を測定した。測定にはHORIBA社製ハンディ光沢計IG-320を用いた。
[金属汚れ試験方法]
実施例及び比較例にて得られた化粧板表面に10円硬貨の円周部分の一部を接触させ、化粧板と10円硬貨で角度45度を維持しながら50gの荷重をかけつつ10円硬貨の面の垂直方向に5cmの距離の移動をさせた。その後、10円硬貨を接触させた部分をエタノールを染み込ませたウエスで2回拭き取った際の汚染状況を以下の基準にて評価した。
○・・・金属汚れが視認できない。
△・・・わずかに金属汚れ跡が視認できる。
×・・・金属汚れが明確に視認できる。
[耐溶剤試験方法]
実施例及び比較例にて得られた化粧板表面を98%エタノールを浸み込ませたウエスで10回ラビングし、表面のツヤ変化の程度を以下の基準で評価した。
〇:ツヤの変化が正面から視認できない。
△:ツヤの変化が正面から視認できる。
Figure 2023001053000001
Figure 2023001053000002
Figure 2023001053000003
Figure 2023001053000004
Figure 2023001053000005
Figure 2023001053000006
Figure 2023001053000007
上記表から明らかなとおり、実施例1~43の本発明の化粧板は優れた耐摩耗性を有するものであった。なかでも実施例24~43の化粧板は金属汚れが付着し難く、特に実施例31~43の化粧板は金属汚れが付着し難いものであった。

Claims (9)

  1. 無機系基材上に目止め層と、着色塗料層とを有する化粧板であって、
    前記着色塗料層が、コールターカウンター法により測定される平均粒子径が30μm以上の微粒子を3g/m以上含有することを特徴とする化粧板。
  2. 前記着色塗料層上に、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化膜からなる保護層が直接積層された請求項1に記載の化粧板。
  3. 前記保護層の塗布量(固形分)が、5g/m以上である請求項2に記載の化粧板。
  4. 前記保護層が、表面硬度が9Hのメラミン板状に前記保護層を形成した際の硬度が3H以上の保護層である請求項2又は3に記載の化粧板。
  5. 前記無機系基材と目止め層の間にシーラー層を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧板。
  6. 無機系基材上に、第一目止め層と第二目止め層とを有する請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧板。
  7. 前記着色塗料層と前記保護層との間に絵柄層を有する請求項2に記載の化粧板。
  8. 前記着色塗料層が、アクリルポリオールとイソシアネート化合物からなるアクリルウレタン系樹脂を使用した着色塗料層である請求項1または7に記載の化粧板。
  9. 表面硬度が8H以上である請求項1または7に記載の化粧板。
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