JP2023000739A - 抗菌性粒子分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、過酷保管環境下であっても安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と優れた再分散性を示す抗菌性粒子分散体を提供する。【解決手段】抗菌性粒子分散体は、少なくとも、下記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有することを特徴とする。TIFF2023000739000005.tif5793〔上記式(I)中、Rは炭素数2~8のアルキル基である。〕【選択図】なし

Description

本発明は、安全性が高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、低温及び高温の過酷保管環境下であっても、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と、再分散性に優れた抗菌性粒子分散体に関する。
従来より、抗菌性粒子等としては、幾つかの材料が知られている。
例えば、(1)エポキシ基を含有するポリマー中に、抗生物活性化合物が分散していることを特徴とする、抗生物活性粒子、前記ポリマーは、エポキシ基含有モノマーを含有するモノマー成分と抗生物活性化合物とを含有する疎水性溶液を水分散させて、前記モノマー成分を重合させることにより得られる抗生物活性粒子(例えば、特許文献1参照)、
(2)グラム陽性細菌の細胞壁に接着し、哺乳動物の細胞膜には接着しない、粒径が5μm以下の粒子であって、グラム陽性細菌に対する抗菌活性成分を実質的に含まない粒子を有効成分として含有する、グラム陽性細菌用抗菌剤、前記粒子の粒径が1μm以下であること、前記粒子のゼータ電位が-3mV~-80mVであること、前記粒子が、特定式で表されるシアノアクリレート粒子であるグラム陽性細菌用抗菌剤(例えば、特許文献2、3参照)
(3)炭化水素を主成分とし、藻類の細胞壁に親和性を示す有機化合物のナノ粒子を含有する藻類の増殖を抑制する藻類増殖抑制剤、前記ナノ粒子が、シアノアクリレートナノ粒子であり、このシアノアクリレートナノ粒子が、シアノアクリレートモノマーおよび界面活性剤の共存下で重合させたものである藻類増殖抑制剤(例えば、特許文献4参照)、
などが知られている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の抗菌性粒子では、安定性が若干不十分であり、他の配合成分へ影響を与える場合があるなどの課題がある。上記特許文献2~4に記載の抗菌性粒子は、本発明の近接技術を記載するものであり、安全性が高く、抗菌効果を有するものであるが、未だ低温及び高温の過酷保管環境下において、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と、再分散性に若干の課題があり、更なる改善が望まれているのが現状である。
特開2014-31365号公報(特許請求の範囲、実施例等) 国際公開2009/084494号(特許請求の範囲、実施例等) 特開2014-177443号公報(特許請求の範囲、実施例等) 国際公開2018/193847号(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、安全性が高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、低温及び高温の過酷保管環境下であっても、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と、再分散性に優れた抗菌性粒子分散体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも、特定式で表される特性物性より構成される粒子を有効成分として含有することにより、上記目的の抗菌性粒子分散体が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の抗菌性粒子分散体は、少なくとも、下記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有することを特徴とする。
Figure 2023000739000001
〔上記式(I)中、Rは炭素数2~8のアルキル基である。〕
前記抗菌性粒子分散体中における粒子のゼータ電位が-10~-100mVであることが好ましい。
前記粒子の平均粒子径が10~800nmであることが好ましい。
前記粒子のショアD硬度が50~120であることが好ましい。
前記粒子の含有量が、抗菌性分散体全量に対して、0.1~30質量%であることが好ましい。
本発明によれば、安全性が高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、低温及び高温の過酷保管環境下であっても、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と、再分散に優れた抗菌性粒子分散体が提供される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるものである。上述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
以下に、本発明の実施形態について詳しく説明する。但し、本発明の技術的範囲は下記で詳述するそれぞれの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
本発明の抗菌性粒子分散体は、少なくとも、下記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有することを特徴とするものである。
Figure 2023000739000002
〔上記式(I)中、Rは炭素数2~8のアルキル基である。〕
上記一般式(I)中におけるRの炭素数2~8のアルキル基としては、例えば、エチル基、プロピル基(直鎖、分岐)、ブチル基(直鎖、分岐)、ペンチル基(直鎖、分岐)、ヘキシル基(直鎖、分岐)、ヘプチル基(直鎖、分岐)、オクチル基(直鎖、分岐)などが挙げられる。
本発明では、粒子のガラス転移点(Tg)が90~190℃となるものを用いるものであるので、好ましくは、外科領域において傷口の縫合のための接着剤として用いられている、炭素数2のエチル基、炭素数4のiso-ブチル基、炭素数4のn-ブチル基、炭素数8の2-オクチル基、n-オクチル基などが挙げられる。
本発明の効果を更に発揮せしめる点等から、具体的には、エチルシアノアクリレート、
iso-ブチルシアノアクリレート、n-ブチルシアノアクリレート、n-オクチルシアノアクリレート、2-オクチルシアノアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。
粒子のガラス転移点が90℃未満では、高温条件下で粒子の形状が保持されにくくなり、本発明の効果を発揮することができず、一方、190℃超過では、安定性が悪化し、好ましくない。
本発明(後述する実施例等を含む)において、ガラス転移点(Tg)は、リガク社製の示差走査熱分析器(DSC)を用いて、昇温速度10℃/分で、-150℃から+150℃まで昇温して示差走査熱量を測定し、得られた吸熱曲線を微分して変極点を求め、この変極点をTgと判断した。
本発明において、抗菌性粒子分散体は、上記一般式(I)で表される各構造を繰り返し単位中に有するシアノアクリレートのポリマーで構成される粒子を含有するものである。この粒子において、シアノアクリレート自身が細菌の細胞壁に接着し細胞壁合成を妨害し溶菌を生じさせ、細菌(かび類も含む)の発育を阻止することにより、単独で、抗菌効果(防菌性・防かび性)を有するものであり、本発明では、ガラス転移点が90~190℃となるものを用いることにより、安全性が高く、優れた抗菌効果を有するものであり、これらの相乗作用により、安全性が高く、広い抗菌スペクトルを有し、安定性に優れ、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れたものとなる(これらの点においては後述する実施例等においても詳述する)。
この粒子を含む抗菌性粒子分散体の製造は、例えば、上記一般式(I)で表される構造単位(モノマー)をアニオン重合により重合することにより得られる。
上記重合の重合開始及び重合の安定化のために重合薬剤を用いることができる。この重合薬剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、水酸基を有する単糖類及び二糖類から成る群より選ばれる少なくとも1種の糖が挙げられる。
用いることができるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、パルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは別に、重合薬剤として糖を用いることで、さらにその効果を高めることができる。
用いることができる糖としては、水酸基を有する単糖又は二糖であればいずれの糖でもよく、好ましい例として、グルコース、マンノース、リボース、フルクトース、マルトース、トレハロース、ラクトース及びスクロースを挙げることができる。これらの糖は、環状、鎖状のいずれの形態であってもよく、また、環状の場合、ピラノース型やフラノース型等のいずれであってもよい。また、糖には種々の異性体が存在するがそれらのいずれでもよい。通常、単糖は、ピラノース型又はフラノース型の形態で存在し、二糖は、それらがα結合又はβ結合したものであり、このような通常の形態にある糖をそのまま用いることができる。単糖及び二糖は、単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
重合反応の溶媒は、通常、水(蒸溜水、精製水、純水など)が用いられる。アニオン重合は、水酸イオンにより開始されるので、反応液のpHは、重合速度に影響する。反応液のpHが高い場合には、水酸イオンの濃度が高くなるので重合が速く、pHが低い場合には重合が遅くなる。通常、pHが2~4程度の酸性下で適度な重合速度が得られる。反応液を酸性にするために添加する酸としては、特に限定されないが、反応に悪影響を与えない、リン酸、塩酸、酢酸、フタル酸、クエン酸などを好ましく用いることができる。
反応開始時の重合反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度は、特に限定されないが、通常、0.1~10質量%程度、好ましくは、1~5質量%程度である。また、反応開始時の重合反応液中の重合薬剤の濃度(複数種類用いる場合はその合計濃度)は、特に限定されないが、通常、1~30質量%、好ましくは、5~20質量%程度である。また、反応温度は、特に限定されないが、室温で行なうことが簡便で好ましい。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5時間~4時間程度である。重合反応は、撹拌下に行なうことが好ましい。なお、粒子は、通常、中性の粒子として用いられるので、反応終了後、必要に応じて、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基を反応液に添加して中和することが好ましい。
上記の重合反応により、上記式(I)で表される構造単位がアニオン重合し、一般式(I)で表される構造を繰り返し単位中に有するポリマー粒子が生成する。
上記方法により得られる粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、分散安定性の点、表面積の点から、1000nm(1μm)未満とすることが好ましく、より好ましくは、10~800nm、特に好ましくは、10~200nmであるものが望ましい。
この平均粒子径の調整は、反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度、用いる重合薬剤種及びその量、反応時間などを調節することにより行うことができる。生成した粒子は、必要に応じて、遠心式限外ろ過等の常法により回収することもできる。
なお、本発明で規定する「平均粒子径」は、散乱光強度分布によるヒストグラム平均粒子径であり、本発明(後述する実施例を含む)では、粒度分布測定装置〔FPAR1000(大塚電子社製)〕にて、測定したD50の値である。
本発明の抗菌性粒子分散体は、少なくとも、上記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有するものであり、水中に分散する場合のゼータ電位が、-10~-100mV、さらに好ましくは、-15~-90mVであることが好ましい。
このゼータ電位を-10~-100mVとすることにより、粒子同士の電気的な反発による分散の安定性を保持することができ、更に再分散に優れた抗菌性粒子分散体とすることができる。
このゼータ電位の調整は、反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度、用いる重合薬剤種及びその量、反応時間、反応温度などを調節することにより行うことができる。
なお、本発明(後述する実施例等を含む)で規定する「ゼータ電位」は、測定液の温度25℃で超音波方式 粒子径分布・ゼータ電位測定装置 DT-310(Dispersion Technology.inc社製)などによって測定することができる。ゼータ電位の値が大きいほど、電気的反発によって分散安定性が更に良好とすることができ、低いと分散性が悪化することとなるので、特に好ましくは、-15~-90mVであることがより望ましい。
更に、本発明において、好ましくは、粒子のショアD硬度が50~120、さらに好ましくは60~90の範囲となるものが望ましい。
粒子のショアD硬度が50~120の範囲とすることにより、粒子強度がより高まることとなり、本発明の効果を更に相乗的に高めることができるものとなる。
本発明(後述する実施例等を含む)において、ショアD硬度は、粒子の硬度を表し、例えば、JIS K 7215規格に準拠したタイプDデュロメータ(例えば、テクロック社製、ゴムプラスチック硬度計)によって測定された硬度を意味する
このショアD硬度の調整は、反応液中の上記式(I)で表される構造単位の濃度、用いる重合薬剤種及びその量、反応時間、反応温度などを調節することにより行うことができる。
本発明の抗菌性粒子分散体では、少なくとも、上記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有することにより、上述の本発明の効果を実現でき、更に、上記各好ましい範囲となる平均粒子径、ゼータ電位、ショアD硬度の少なくとも1つ以上を付加することにより、従来にない更なる特有の効果を奏することができ、安全性が更に高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、低温及び高温の過酷保管環境下であっても、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と再分散とを高度に両立し、優れた抗菌性粒子分散体が得られることとなる。
また、本発明の抗菌性粒子分散体中の粒子の含有量は、製造方法種及びその製造の際の各成分の添加量により変動し、また、使用態様、適用対象、適用対象の状態等に左右されるものであり、特に限定はされないが、例えば、有効成分量として、分散体中に、0.1~30質量%、好ましくは0.1~15質量%とすることができる。
本発明において、「有効成分」とは、抗菌効果を発揮する成分のみをいい、重合に用いる重合薬剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルや糖)、水などの各成分を含まないものであり、重合薬剤などを含まない粒子そのものの量との合計量が有効成分量となるものである。なお、使用態様により、上記抗菌性粒子分散体から水分を蒸発等させて粒子単独で使用してもよいものである。
本発明の抗菌性粒子分散体は、含有される上記特性の粒子が優れた抗菌効果(防かび効果を含む)を有すると共に、安定性に優れ、他の配合成分の品質に悪影響を及ぼすものでなく、これらの効果はグラム陰性菌、グラム陽性菌などの多くの細菌類やかび類に抗菌効果(防かび効果を含む)を発揮することができ、その持続効果も長期間に亘り、しかも、これらの粒子を含有する抗菌性粒子分散体は保存などの安定性にも優れたものとなる。
このように構成される本発明の抗菌性粒子分散体は、例えば、医療用具、ベビー用品、介護用品、浴場用品、台所用品、食器、飲料水配管部品、生活衛生用品、家電製品、衣料品、建築資材、農業用資材、自動車用内装部品、文房具、筆記具やインクジェットプリンターなどのインク組成物など、様々な製品に抗菌性を付与するために利用することができる。
具体的な用途としては、上記などの他に、例えば、洗濯洗浄剤、柔軟剤、住居用洗剤、食器洗浄剤、硬質表面用洗浄剤等の洗浄剤用途;シャンプー、リンス、化粧水、乳液、クリーム、日焼け止め、ファンデーション、アイメイク製品、制汗剤、歯磨き粉等のパーソナルケア用途、塗料、接着剤、建材、樹脂エマルジョン、木材防腐剤、セメント混和剤、ボイラ、冷却設備、排水処理設備、工業用水(製紙工程における抄紙工程水、各種工業用の冷却水や洗浄水)等の工業用水処理用途;医療器具、食品添加物、太陽電池モジュールや有機素子デバイス、熱線遮蔽フィルムなどの電子機器用途等に加えて、水生生物(魚類等)への水カビ抑制として水槽及び薬浴用途にも好適に用いることができる。
本発明の抗菌性粒子分散体は、安全性が高く、広い抗菌スペクトル(Antibacterial spectrum)を有し、安定性、抗菌効果(防かび効果を含む)に優れたものとなるため、上述の如く、様々な製品に抗菌性を付与するために利用することができ、特に、洗浄剤用途、パーソナルケア用途、工業用水処理用途、食品添加物、電子機器用途、水生生物(魚類等)への水カビ抑制として水槽及び薬浴用途にも好適に用いることができる。
次に、実施例及び比較例などにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1~4及び比較例1~3:粒子A~Gの製造〕
下記実施例1~48及び比較例1~3により、抗菌性粒子分散体A~Kを製造した。なお、以下の「部」は質量部を表す。
(実施例1:抗菌性粒子分散体Aの製造)
2リットルのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、温度計を取り付け、水槽にセットし、蒸留水91.3部、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)2部、リン酸0.2部、式(I)中のRがiso-ブチルのモノマー4部を仕込んで、約15分撹拌してアニオン重合を終了し、抗菌性粒子分散体Aを得た。なお、粒子の平均粒子径は、98nmであった。また、この粒子のガラス転移点(℃)、ゼータ電位、ショアD硬度を測定すると共に、これらの結果を下記表1に示す。
(実施例2~4及び比較例1~3:粒子B~Gの製造)
下記表1に示す配合組成で、上記実施例1と同様にして各抗菌性粒子分散体B~Gを得た。なお、各粒子の平均粒子径は、下記表1に示す。また、各粒子のガラス転移点(℃)、ゼータ電位、ショアD硬度を測定すると共に、これらのデータを下記表1に示す。
得られた実施例1~4及び比較例1~3の各抗菌性粒子分散体A~Gについて、下記評価方法により、抗菌効果(細菌群、酵母、糸状菌)、再分散性について評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
〔抗菌効果(抗菌性・防かび性)の試験方法〕
上記で得られた各抗菌性粒子分散体を使用した。各抗菌性粒子分散体100mlをUMサンプル瓶に計り取り、温度70℃、湿度85%と、温度-20℃、湿度85%の各条件下で期間1か月保管し、防腐効果(防菌性・防かび性)の試験を下記のとおり行った。
ISO 11930:2012(保存効力試験または微生物学的リスク評価、またはその両方によって生成されたデータの解釈のための手順)に準拠した下記の微生物試験方法で行った。
下記細菌群、酵母、糸状菌の三群でチャレンジテストを実施した。
細菌群: Stapylococcus aureus NBRC13276、 Escherichia coli NBRC3972
酵母: Candida albicans NBRC1594
糸状菌: Aspergillus brasiliensis
〈接種菌液の調製〉
接種菌液の調製:ISO 11930:2012に従って菌液を調製した。
細菌群:各菌種毎にISO 11930:2012に従って菌液を調製した。菌種毎に1×10~1×10cfu/mlに調整した菌液を三種等量混合し接種菌液とした。
酵母:ISO 11930:2012に従い、1×10~1×10cfu/mlになるように菌液を調製した。
糸状菌:ISO 11930:2012に従い、1×10~1×10cfu/mlになるように菌液を調製した。
〈接種〉
抗菌性粒子分散体に対し、1質量%の量の菌液を接種した。
〈保管〉
接種した抗菌性粒子分散体は、温度22.5±2.5℃に保管し指定された期間ごとに検出培養を行った。
〈検出培養〉
細菌群はSCD寒天培地で、酵母はSD寒天培地で、糸状菌はPD寒天培地でそれぞれ10枚に合計1g塗抹し、細菌群と酵母は32.5℃、2日間、糸状菌は22.5℃、5日間培養した。
〈評価基準〉
A:7日目の時点でコロニーが出現しない。
B:21日目の時点でコロニーが出現しない。
C:28日目の時点で数個から数十個のコロニーが出現している。
D:28日の時点で明らかに増えている。
〔再分散性の試験方法〕
得られた各抗菌製粒子水分散体10mlを、15mlのガラス製蓋付き瓶に、攪拌ボール(φ6.4mm、ステンレス鋼製)とともに充填し、密封した後に、キャップを上向きにして40℃の条件下1ヶ月保存した後、夫々の分散体を振った。撹拌ボールがガラス製蓋付き瓶中で移動し始めるまでに振った回数を下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
A:1~5回
B:6~15回
C:16回以上
Figure 2023000739000003
上記表1を考察すると、本発明範囲となる実施例1~4の抗菌性粒子分散体は、本発明の範囲外となる比較例1~3に較べ、低温及び高温の過酷保管環境下であっても、安定した防腐効果(防菌性・防かび性)と再分酸性に優れていることが判った。
本発明の抗菌性粒子分散体は、洗浄剤用途、パーソナルケア用途、工業用水処理用途、食品添加物、電子機器用途、水生生物(魚類等)への水カビ抑制として水槽及び薬浴用途にも好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、下記一般式(I)で表され、ガラス転移点が90~190℃のポリマーを主体として構成される粒子を有効成分として含有することを特徴とする抗菌性粒子分散体。
    Figure 2023000739000004
    〔上記式(I)中、Rは炭素数2~8のアルキル基である。〕
  2. 前記抗菌性分散体中における前記粒子のゼータ電位が-10~-100mVであることを特徴とする、請求項1記載の抗菌性粒子分散体。
  3. 前記粒子の平均粒子径が10~800nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の抗菌性粒子分散体。
  4. 前記粒子のショアD硬度50~120であることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の抗菌性粒子分散体。
  5. 前記粒子の含有量が、抗菌性分散体全量に対して、0.1~30質量%であることを特徴とする、請求項1~4の何れか一つに記載の抗菌性粒子分散体。
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