JP2022553756A - 水素ガスを燃焼させるための表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナ、及びそのようなバーナを始動するための方法 - Google Patents

水素ガスを燃焼させるための表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナ、及びそのようなバーナを始動するための方法 Download PDF

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Abstract

可燃性ガスと空気とを含む予混合ガスが供給されるバーナを始動させる方法であって、可燃性ガスが少なくとも50体積%の水素を含む方法。この方法は、以下のステップを含む。始動段階の間、第1のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給するステップであって、第1のラムダ値は少なくとも1.85であるステップ、及び供給された第1のラムダ値を有する予混合ガスに点火源を用いて点火するステップ。予混合ガスが点火された後の動作段階の間、バーナ表面に第2のラムダ値を有する予混合ガスを供給し、第1のラムダ値は第2のラムダ値より大きい。バーナ及び加熱器具に関する独立請求項が含まれる。

Description

本発明は、水素ガスを含む可燃性ガスを燃焼させるための表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナ、及び、そのようなバーナを始動するための方法、並びにそのようなバーナを含む器具の分野に関する。
表面安定化された予混合バーナは、加熱器具、特にガス燃焼式加熱器具における、天然ガス、メタンガス、及びプロパンガスなどの炭化水素ガスの燃焼のためによく知られている。これらは、サイズ、排出物、及び変調とも呼ばれる異なる負荷への調整能力において利点を有する。
表面安定化された予混合バーナを備えたガス燃焼式加熱器具における可燃性ガスと空気の混合を制御する最も一般的な方法は、空気圧式ガスバルブを使用することである。このシステムでは、可燃性ガスと空気の比率は、ガスバルブによって決定される。例えば、ガスバルブは閉位置に付勢され、空気圧の力によって開くことができる。前記力は空気の流れに依存し、ある空気の流れにおけるガスバルブの開度は、ガスバルブの設計によって決定される。これはマスター(空気)スレーブ(可燃性ガス)のソリューション(solution)である。制御バルブなどの他のシステムも利用できる。ガスと空気の比率を制御するために、フィードバックループを使用するシステムもある。
ほとんどのシステムは、可燃性ガスに点火するために以下のシーケンスを適用する。ファンが始動され、ほとんどの場合、空気が流れていることが確立される。次に、バーナのバーナ表面に火花または他の点火源を作ることによって点火シーケンスが始動される。次のステップは、ガスバルブの開放である。可燃性ガスと空気の比率が一定の範囲内であれば、点火が行われる。
近年、天然ガス及びプロパンガスの使用は、二酸化炭素の排出のために批判されている。そこで、特に家庭用及び産業用の加熱器具用の代替燃料として水素が提案されている。しかしながら、水素、或いは水素を多く含むガス燃料は、従来の炭化水素ガスとは異なる燃焼挙動、例えばより速い火炎速度を示す。この異なる燃焼挙動は、多くの問題、例えばフラッシュバックにつながる可能性がある。火炎フラッシュバックは、上流に伝播した火炎がバーナ内に戻って伝播するときに起こる現象であり、これは高い火炎速度によって引き起こされる可能性がある。
本出願人の出願番号EP19162278号明細書の欧州特許出願からの優先権を主張する国際特許出願である国際公開第2020/182902号パンフレットは、フラッシュバックなどのリスクを軽減するために、バーナの負荷に基づいて空気と可燃性ガスの比率を適合させる方法を開示している。EP19162278号明細書及び国際公開第2020/182902号パンフレットは、参照により本明細書に組み込まれる。
水素を燃料とするシステムを上記のようなシーケンスに従って始動し、何らかの理由で点火が遅れた場合、水素を含む混合気が燃焼室内に充満する。燃焼室内の少なくとも一部が水素ガスと空気の混合気で満たされた状態で点火すると、爆発のような燃焼を起こし、加熱器具の部品を損傷する可能性があることが試験で示されている。
また、バーナの安全な動作を保証するための規格が作成された。規格の中には、受け入れ基準としていくつかの試験が記載されている。例えば、欧州規格EN15502-1、ガス燃焼式加熱ボイラパート1、一般要件及び試験、天然ガス及びLPG向けでは、いくつかの試験が記載されている。現時点では、燃料としての水素に関する規格はないが、EN15502-1に記載されているのと同様の安全性試験が、例えばEN437で言及されているもの以外のガスを使用する将来のガス燃焼式加熱ボイラに適用可能であると予想される。ヨーロッパ以外でも、燃料としての水素に対して同様の規格が存在し、及び/又は開発されることが予想されている。
現行規格における試験の1つは、「遅延点火試験」である。遅延点火試験では、まず可燃性ガスと空気を燃焼室内に短時間導入した後、点火源で点火させる。これは、破損又は他の好ましくない副作用をもたらさないはずである。しかしながら、従来のバーナを水素を燃料として使用した場合、この試験中に火炎フラッシュバックが発生する可能性があることが試験で判明している。
本発明の目的は、上で説明した欠点の1つ又は複数を緩和すること、又は少なくとも既存の方法及びバーナに代わるものを提供することである。
この目的は、本明細書に記載された本発明による方法、バーナ及び水素ガス燃焼式加熱器具のそれぞれで達成される。
本発明は、可燃性ガスと空気とを含む予混合ガスがバーナのバーナ表面に供給されるバーナの始動方法であって、
可燃性ガスが、少なくとも50体積%の水素を含み、
ラムダ値が、実際に供給される空気量と、予混合ガスの化学量論的燃焼に必要な空気量との間の比率として定義され、
バーナは、好ましくは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナであり、
バーナは、好ましくは、最小負荷と全負荷との間で変調されるように構成され、
方法は、
始動段階の間、好ましくは少なくとも1.85である第1のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給し、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスに点火源を用いて点火するステップと、
好ましくは、予混合ガスが点火された後の動作段階の間、第2のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給するステップであって、第1のラムダ値は第2のラムダ値より大きいステップと、
を含む方法に関する。
本発明は、バーナを始動させるための方法に関する。バーナは、好ましくは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナであり、これは、例えば、家庭向け及び/又は産業向け用途における加熱器具に使用することができる。このような用途では、バーナが様々な負荷で機能できることが望まれる場合がある。例えば、家庭向け用途では、居住者が温水でシャワーを浴びているときの必要負荷は、住居の温度を維持するための必要負荷よりはるかに大きい場合がある。したがって、バーナは、好ましくは、最小負荷と全負荷との間で変調されるように構成される。最小負荷に対する全負荷の比率として定義される変調比率は、例えば、少なくとも3、好ましくは4より大、より好ましくは5より大、より好ましくは7より大、より好ましくは10より大であり得る。例えば、バーナの全負荷は、例えば、バーナがボイラなどの家庭用加熱器具に使用される場合、24kWであり得る。
本発明によれば、バーナのバーナ表面に、可燃性ガスを含む予混合ガスが供給される。可燃性ガスは、加熱エネルギーを提供するために燃焼させることができる少なくとも1種類のガス状燃料を含み、これは本発明では水素である。従来の加熱器具で使用されるガスの中には、少量の水素を含むものがあるが、これらの混合気では、燃焼挙動は依然として、支配的に存在する炭化水素によって実質的に完全に決定されることに留意されたい。可燃性ガスがかなりの量の水素を含んでいる場合、燃焼挙動は従来の炭化水素ガスと比較して顕著に変化することが分かっている。特に、本発明の文脈では、可燃性ガスは、少なくとも50体積%の水素を含んでいる。水素に加えて、可燃性ガスは、例えば、着色剤及び臭気剤のような添加剤、又は窒素を含み得る。また、水素の製造過程で生成される一酸化炭素又は二酸化炭素が存在することもある。また、可燃性ガスは、メタン又はプロパンなどの少量の炭化水素を含み得る。これらの炭化水素は、可燃性ガスの価格を下げるために意図的に添加される場合もあるし、又は水素の分配に用いられる管に存在する残留ガスである場合もあり、この際当該管は以前に当該炭化水素の分配に用いられたものである。可燃性ガスは少量の酸素を含むこともあり、その結果、燃焼のために加える必要のある酸素又は空気の量に影響を与えることがある。どの化学物質をどの程度の濃度で添加するかは、要求される水素の純度に依存し得る。
予混合ガスも空気を含む。空気は酸素を含み、酸素は可燃性ガスを点火するために必要とされる。通常、空気は、バーナが設置されている場所の環境、例えば屋外から採取される。一方で、可燃性ガスの組成に依存し、他方では空気の組成に依存して、特定量の空気が予混合ガスの化学量論的燃焼のために必要である。しかしながら、実際には、予混合ガスが含んでいる実際の空気量はこれとは異なる。従来、炭化水素ガスの場合、一酸化炭素の原因となり得る不完全燃焼を避けるため、少量の過剰な空気が供給される。ラムダ値は、実際に供給される空気量と、予混合ガスの化学量論的燃焼に必要な空気量との比率として定義される。したがって、ラムダ値は空気の過剰を表す。
本発明によれば、方法は、始動段階の間、第1のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給する第1のステップを含む。始動段階の間、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスは、点火源を用いて点火される。
いくつかの実施形態において、点火源は、第1のラムダ値を有する予混合ガスが供給される前に、あらかじめ活性化、例えば火花を発生してもよいことに留意されたい。さらに、いくつかの実施形態では、まず空気がバーナ表面に供給され、次いで点火源が活性化され、次いで可燃性ガスが予混合ガスに供給され、その後、第1のラムダ値を有する前記予混合ガスがバーナ表面に供給されてもよい。
この方法は、好ましくは、予混合ガスが点火された後の動作段階の間、第2のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給するステップをさらに含む。本発明によれば、第1のラムダ値は、第2のラムダ値よりも大きい。
始動段階と動作段階との間に差が設けられる。始動段階は、第1のラムダ値を有する予混合ガスを供給することと、前記供給された予混合ガスに点火することとを含む。バーナは、動作段階に対して始動段階において異なる負荷に変調することが可能であることに留意されたい。始動段階及び/又は動作段階自体においてさえ、バーナを異なる負荷に変調することが可能である。そのような場合、第1及び/又は第2のラムダ値が一定でないことがある。
本発明は、当初、始動段階の間、バーナ表面に供給される予混合ガスが比較的多量の過剰空気を含むことを必要とする。本発明者らは、予混合ガスがより多くの空気を含む場合、火炎速度が低下し、その結果、火炎フラッシュバックの危険性も低下することを見出した。さらに、存在していた第1のラムダ値を有する予混合ガスが点火された後、動作段階の間、より低いラムダ値を有する予混合ガスを供給できることが見出された。蓄積された予混合ガスはもはや存在しないか、又は少なくとも減るので、火炎フラッシュバックの危険性は低下する。
本発明のさらなる利点は、再循環によるフラッシュバックの可能性が低下することである。再循環は、出口ガスがバーナの入口、例えばファンの入口に吸い込まれるときに起こる。実際には、ボイラシステムの出口と入口が、例えば建物の屋根の上など、互いに近くに配置されている場合に、再循環が発生することがある。強風などの特定の気象条件は、再循環を増加させる可能性がある。再循環が発生すると、ファンによって供給される空気は酸素が少なくなる。さらに、可燃性ガスが点火される前の始動段階において、未燃焼の可燃性ガスも再循環されることがある。その結果、バーナ表面に供給される予混合ガス中の酸素と可燃性ガスの比率が減少し、すなわち、実際のラムダ値が減少する。始動時のラムダ値を高く制御することで、フラッシュバックの可能性を低下させることができる。
有利には、過剰空気を任意に減少させることができ、その結果、動作段階の間の第2のラムダ値を、他の特性、例えば効率が改善されるように選択することができる。第1のラムダ値は、好ましくは少なくとも1.85である。これは、満足のいく結果をもたらす実用的な下限値であることが判明している。メタンなどの従来の炭化水素は、1.85以上のラムダ値では燃焼しないか、又は非常に悪い燃焼になることに留意されたい。
ラムダ値は、始動段階及び任意に動作段階の間に制御することができる。ラムダ値は、例えば、空気流路によって供給される空気の量及び/又は可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスの量を、例えば、コントローラを用いて制御することにより、制御することができる。ラムダ値を制御するいくつかの実用的な方法について、本明細書で詳しく説明する。
一実施形態において、バーナは予混合ガス供給回路を備え、予混合ガス供給回路は、空気を供給するための空気流路と、可燃性ガスを供給するための可燃性ガス流路と、空気流路によって供給される空気と可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスとを混合してバーナ表面に供給される予混合ガスとするための混合流路と、可燃性ガス流路及び/又は空気流路を部分的に閉塞する少なくとも1つの流路閉塞要素と、を備える。この実施形態において、この方法は、以下のステップをさらに含む。始動段階の間、動作段階に対して始動段階の間により少ない可燃性ガスが混合流路に供給されるように、少なくとも1つの流路閉塞要素で可燃性ガス流路を部分的に閉塞するステップ、及び/又は、動作段階の間、動作段階に対して始動段階の間により多くの空気が混合流路に供給されるように、少なくとも1つの流路閉塞要素で空気流路を部分的に閉塞するステップ。
この実施形態では、流路閉塞要素は、可燃性ガス流路及び/又は空気流路を閉塞するために使用され、その結果、それぞれ、より少ない可燃性ガス及び/又は空気が、予混合ガスに供給される。このように、ラムダ値は、例えば、第1のラムダ値から第2のラムダ値へと適合させることができる。流路閉塞要素は、多数の方法で実現でき、そのうちのいくつかは、本明細書でさらに以下に詳細に説明される。
一実施形態において、少なくとも1つの流路閉塞要素は、始動段階において、休止位置に配置される。この実施形態では、方法は、動作段階の間、流路閉塞要素を作動位置に配置するように流路閉塞要素を作動させるステップをさらに含む。
したがって、流路閉塞要素の休止位置は、始動段階に対応する。第2のラムダ値を低くするためには、流路閉塞要素を積極的に作動させるステップが必要である。前記作動ステップを完了することができない故障の場合、動作段階の間の予混合ガスは依然として第1のラムダ値を有し、これは不満足な効率につながる可能性がある。しかしながら、故障は、始動段階の間第1のラムダ値に影響を与えない。流路閉塞要素は、このようにフェイルセーフである。
一実施形態において、第1のラムダ値は、1.9より大きく、好ましくは2より大きく、例えば2~5の間であり、好ましくは3より大きく、例えば3~5の間であり、より好ましくは4より大きく、例えば4~5の間である。第1のラムダ値が大きいほど、第1のラムダ値を有する予混合ガスに点火したときに火炎がフラッシュバックする可能性が低くなる。しかしながら、第1のラムダ値が大きすぎると、可燃性ガスが少なすぎるため、予混合ガスが燃焼しないことが起こり得る。また、第1のラムダ値が大きくなると、バーナの効率が低下する可能性がある。試験により、好適な上限値は7、好ましくは6、より好ましくは5であることが示されている。例えば、第1のラムダ値は、2~7、2~6、3~7、3~6、4~7、又は4~6の間であり得る。
一実施形態において、第2のラムダ値は、1~2の間、好ましくは1.05~1.5の間、より好ましくは1.05~1.3の間である。任意に、第2のラムダ値は、全負荷時のラムダ値である。これらは、安全で効率的な動作に適したラムダ値であることが示されている。理論的に必要な空気量はラムダ値1に相当するが、動作段階の間、少し過剰に空気を供給することが好ましい場合がある。これは、火炎速度が少し低くなることを意味し、また、例えば天候又はバーナが無効空気(idle air)と一緒の場所にあることに起因して、空気が通常よりも少ない酸素を含んでいる状況において、又は可燃性ガスが想定された状態と異なる組成を含んでいる場合に、不完全燃焼を避けるための緩衝材を提供する。不完全燃焼は、可燃性ガス中のエネルギーの使用が減るため、効率が悪くなる。また、不完全燃焼は、排気ガス中の可燃性ガス濃度が高すぎる場合、安全上の問題を引き起こす。それというのも、これによってさらに下流側の好ましくない場所で爆発又は火災が発生し得るためである。さらに、ラムダ値を減少させると、排気ガス中のNOxが増加する可能性もある。
一実施形態において、第1のラムダ値は、第2のラムダ値の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも3倍の大きさである。これらは、満足のいく結果を得ることができる実用的な第1のラムダ値であることが分かっている。
一実施形態において、可燃性ガスは、少なくとも75体積%の水素、好ましくは少なくとも80体積%の水素、より好ましくは少なくとも95体積%又は少なくとも98体積%の水素を含んでいる。可燃性ガスがより多くの水素を含むほど、燃料として水素を使用することに関連する利点が増加する。しかしながら同時に、火炎速度及び火炎フラッシュバックのリスクが増加し、一方で本発明をはるかにより有利にする。
一実施形態において、始動段階は、少なくとも1秒、好ましくは少なくとも2秒、さらに好ましくは少なくとも3秒、例えば3~6秒継続する。好ましくは、始動段階は、供給された予混合ガスが点火されることが保証されるような十分な長さである。したがって、始動段階は、点火源が起動された後、少なくとも少し、例えば1~2秒、継続し得る。始動段階はまた、火炎検出器によって火炎が検出された後、少なくとも少し、例えば1~2秒、継続し得る。これは、動作段階が始まる前に、第1のラムダ値を有する予混合ガスが点火されることを保証する。火炎検出器が使用される場合、火炎が検出されるために、点火源が起動された後、ある程度の時間、例えば1~2秒を要することもある。バーナが遅延点火試験のために始動される場合、規格EN15502-1は始動段階が10秒継続できることを規定する。第1のラムダ値を有する予混合ガスが点火されなかった場合、例えば火炎が検出されない場合、バーナの始動は、例えばEN15502に準拠した安全時間に対応する所定の時間後に、例えば中止することができる。任意に、前記中止の後、本発明による方法は再始動されてもよい。
一実施形態において、本方法は、始動中にファンを高負荷に設定するステップ、例えば全負荷の1分あたりの回転数(RPM)の80%超、例えば全負荷のRPMの90%超、例えば全負荷のRPMの95%超、例えば全負荷に設定するステップを含む。
本実施形態の利点は、バーナを含むボイラが停止している間、居住者が熱いシャワーを浴びたいと考えている例から理解することができる。シャワーのための水を十分に加熱するために、バーナは全負荷であることが望まれる。しかしながら、従来のバーナでは、バーナはより低い負荷、例えば25~40%の負荷で始動させなければならない。燃焼が始まってから、ファンの回転数を調整することで、バーナをゆっくりと全負荷まで上げることができる。しかしながら、これは例えば数秒かかる。それというのも、ファンの流れを増加させる間、安全性と予混合ガスの正しい混合を確保しなければならないからである。一方、本発明では、始動段階の間により多くの空気が供給される。したがって、予混合ガスに可燃性ガスを添加する前にファンを高負荷に設定することができ、これをより速く行うことができる。燃焼が開始されると、可燃性ガスの量を動作段階において適合させることができ、バーナは所望の高負荷又は全負荷でより速くなる。したがって、本実施形態による方法を適用した場合、居住者は、より速くシャワーにお湯を出すことができる。
一実施形態において、第2のラムダ値は、負荷に応じて適合される。これは、本出願人の出願番号EP19162278号明細書を有する欧州特許出願からの優先権を主張する、本出願人の国際特許出願である国際公開第2020/182902号に詳細に記載されている。EP19162278号明細書及び国際公開第2020/182902号は、参照により本明細書に組み込まれる。EP19162278号明細書及び国際公開第2020/182902号に説明されているように、最小負荷におけるラムダ値は、全負荷時よりも少なくとも20%高くてもよく、任意に平均負荷においてラムダ値は全負荷時よりも10%未満高くてもよい。一般に、バーナは、変調範囲内の負荷で始動される。本発明によれば、バーナが任意の所与の負荷で始動されるとき、前記負荷における第1のラムダ値は、前記負荷における第2のラムダ値よりも高い。しかしながら、いくつかの実施形態では、最小負荷未満である負荷でバーナを始動することができるが、これは低減された最小負荷によって制限される。低減された最小負荷未満では、点火が起こったと判断することができない可能性があり、又は安定した燃焼を維持することができない可能性がある。一方、全負荷を超えると、バーナ表面を通る予混合ガスの速度の上昇により、火炎が火炎検出センサよりもバーナ表面から遠くなる可能性があるため、点火が起こったと判断することが同じくできない可能性がある。
一実施形態において、第2のラムダ値は、バーナが始動されるのと同じ負荷での作動中のラムダ値として定義される。
一実施形態において、第2のラムダ値は、バーナの全負荷での作動中のラムダ値として定義される。
一実施形態において、バーナは、動作段階における所望の負荷とは異なる始動段階における始動負荷で始動され、本方法は、予混合ガスが点火された後に始動段階から動作段階に移行する移行段階をさらに含み、移行段階は、負荷を所望の負荷に変更するステップを含む。
例えば、実用においては、動作段階の間の各負荷に対して、所定の第2のラムダ値がメモリに記憶されていてもよい。前記第2のラムダ値は、負荷に応じて異なっていてもよい。バーナが始動負荷で始動される場合、本発明によれば、動作段階における負荷が始動負荷に等しいであろう場合、第1のラムダ値は、前記始動負荷に対応する第2のラムダ値よりも大きくなるであろう。しかしながら、動作段階において実際に望まれる所望の負荷とは無関係に、例えば比較的低い負荷であり得る始動負荷でバーナが通常始動されることがあり得る。動作段階における所望の負荷が、バーナが始動段階で始動される始動負荷と異なる場合、予混合ガスが点火された後、始動段階から動作段階に移行する移行段階が存在してもよい。
第1の実施形態において、移行段階は、動作段階における負荷が始動負荷と等しい場合、供給されている予混合ガスのラムダ値を前記始動負荷に関連する第2のラムダ値に変更するステップと、その後、負荷を所望の負荷に変更し、ラムダ値を前記所望の負荷に関連する第2のラムダ値に変更するステップとを含む。
第2の実施形態において、移行段階は、供給される予混合ガスのラムダ値を第1のラムダ値に維持しながら、負荷を所望の負荷に変更するステップと、その後、ラムダ値を所望の負荷に関連する第2のラムダ値に変更するステップとを含む。
第3の実施形態において、移行段階は、負荷を所望の負荷に変更するステップと、供給される予混合ガスのラムダ値を所望の負荷に関連する第2のラムダ値に変更するステップとを同時に含む。
所望の負荷が始動負荷よりも大きい場合、第2の実施形態では、より高い所望の負荷でファンが第1のラムダ値を供給できない可能性があるため、移行段階の第1及び第3の実施形態が好ましいと思われる。
所望の負荷が始動負荷よりも小さい場合、所望の負荷に関連する第2のラムダ値は、実際には、バーナが始動負荷で始動される第1のラムダ値よりも大きい可能性があることに留意されたい。しかしながら、本発明の好ましい実施形態によれば、動作段階における負荷が始動負荷に等しい場合、バーナが始動される第1のラムダ値は、前記始動負荷に関連する第2のラムダ値よりも大きい。
一実施形態において、第1のラムダ値は、吹消し値未満である。吹消し値とは、予混合ガス中の空気に対して可燃性ガスが非常に少なく、火炎を燃焼し続けるのに十分な可燃性ガスがないため、バーナ表面におけるあらゆる火炎が予混合ガスによって吹き消されるラムダ値である。
一実施形態において、第1のラムダ値は、予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が、UFLとも呼ばれる燃焼性上限値未満であり、及び/又はLFLとも呼ばれる燃焼性下限値を超えるような値である。燃焼性の下限及び上限値は、可燃性ガスの組成によって決定されるが、温度及び圧力などの要因にも依存することに留意すべきである。UFLを超えると、予混合ガスは濃厚すぎて燃焼しない場合があり、LFLを下回ると、希薄すぎて燃焼しない場合がある。
一実施形態において、第1のラムダ値は、ファンが全負荷のときに前記ファンによって供給される空気量よりも低い空気量に相当する。
一実施形態において、第1のラムダ値は、予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が、LELとも呼ばれる爆発下限値未満であるような値であり、これは第1のラムダ値がLELに相当するラムダ値を超えるべきであることを意味する。また、爆発下限値から所定の安全マージンを超えて異なるように第1のラムダ値を制御することが好ましい場合があり、例えば、安全マージンは1.2又は1.5倍である。これにより、空気又は可燃性ガスの実際の組成が予想と異なる場合でも、安全な始動が保証される。多くのガスではLELとLFLは一致するが、水素を含むガスでは異なることに注意する必要がある。水素を含むガスの場合、予混合ガスが可燃性であるが爆発しない濃度範囲が存在し、これは始動段階での好ましい範囲である。前記範囲は、温度、圧力、可燃性ガスに含まれる可能性のある他の成分、及び混合に依存する。純粋な水素の場合、予混合ガスが4~17体積%の水素を含むとき、その濃度はLFLとLELの間である。
一実施形態において、本方法は、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスが点火されたことが検出された後、点火源を点火期間点火状態に維持するステップをさらに含む。点火状態は、点火源が予混合ガスに点火するために行う動作に相当する。例えば、点火源は、点火状態の間、火花を発し続けてもよい。例えば、点火源がグロープラグ又は高温表面点火装置である場合、それに供給される電流は、予混合ガスに点火させる温度で点火源に熱を生じさせるレベルに維持されてもよい。点火期間は、所定の期間、例えば、1秒、2秒、又は5秒であり得る。点火期間は、例えば、始動段階の終了期間、及び/又は動作段階の開始期間、及び/又は始動段階と動作段階との間の移行段階と重なってもよく、ここで、ラムダ値は第2のラムダ値に向かって適合され、及び/又は負荷は始動負荷から望ましい負荷に適合される。一実施形態において、バーナは、動作段階における所望の負荷とは異なる始動負荷で始動段階において開始され、点火源は、バーナが所望の負荷及び/又は所望の負荷に関連する第2のラムダ値に変調されるまで点火状態に維持される。
この実施形態は、例えばバーナ内部又は燃焼室内に蓄積された予混合ガスが存在する場合、当該蓄積された予混合ガスが点火源によって点火されることを可能にする。予混合ガスの蓄積は、例えば、火炎が、存在するガスをすべて燃焼させることなく、例えばバーナ表面から急速にさらに遠ざかったときに起こり得る。蓄積されたガスは、例えば、バーナが異なる負荷に調節されるときに起こり得る火炎速度の変化の後、火炎の予期しない及び/又は望ましくない挙動を引き起こす可能性がある。蓄積されたガスに点火して燃焼させることにより、本実施形態は、前記予期しない及び/又は望ましくない挙動を回避し、したがって、例えば火炎フラッシュバックのリスクをさらに低減する。この実施形態では、点火源がグロープラグ又は高温表面点火装置である場合、特に、火花点火装置の火花が火炎検出に悪影響を及ぼす火炎検出器が使用される場合に有利であり得ることに留意されたい。また、火炎を検出するために、例えば火花点火される点火源を停止し、火炎の検出の後に点火期間を開始することも可能である。
本発明はさらに、本発明による方法を実行するように構成されたバーナに関する。好ましくは、前記バーナは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナである。任意に、前記バーナは、後述するバーナにも従う。
本発明はさらに、後述するバーナに関する。本発明による方法は、前記バーナを用いて実施することができるが、方法及びバーナのいずれも、これに限定されるものではない。それにもかかわらず、本発明による方法を参照して説明された特徴及び定義は、バーナを参照して言及された場合にも同様に解釈され、その逆もまた同様であり得る。さらに、本発明による方法を参照して説明された特徴及び/又は実施形態は、同様の利点を達成するために本発明によるバーナに追加されてもよく、その逆もまた同様である。
本発明は、少なくとも50体積%の水素を含む可燃性ガスを燃焼させるためのバーナに関し、前記バーナは好ましくは表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナであり、前記バーナは好ましくは最小負荷と全負荷の間で変調されるように構成され、
前記バーナは、
- バーナ表面と、
- 予混合ガス供給回路であって、
i.空気を供給するための空気流路と、
ii.可燃性ガスを供給するための可燃性ガス流路と、
iii.空気流路によって供給される空気と可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスとを混合して、バーナ表面に供給される予混合ガスにするための混合流路であって、ラムダ値は、実際に供給される空気量と予混合ガスの化学量論燃焼に必要な空気量との比率として定義される混合流路と、
を備える予混合ガス供給回路と、
- バーナ表面に供給された予混合ガスに点火するための点火源と、
- 空気流路によって供給される空気の量及び/又は可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスの量を制御することによって、供給される予混合ガスのラムダ値を制御するように構成されたコントローラであって、
i.バーナの始動段階の間、第1のラムダ値を有する予混合ガスを供給するように構成され、点火源は、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスに点火するように構成され、第1のラムダ値は好ましくは少なくとも1.85であり、
ii.点火源が第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスに点火するように構成された後のバーナの動作段階の間に、第2のラムダ値を有する予混合ガスを好ましくは供給するように構成され、第1のラムダ値は第2のラムダ値よりも大きい、
コントローラと、
を備える。
本発明によるバーナは、好ましくは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナである。本文脈において、表面安定化は、通常動作の間、火炎がバーナ表面上又はバーナ表面の近くにあるように意図されていると解釈されるべきである。本文脈において、完全予混合ガスは、予混合ガスがバーナ表面に到達する前に(実質的に)すべての空気が加えられると解釈されるべきである。これは、例えば、可燃性ガスと空気がバーナ表面で合流するノズルミックスシステム又は、ガスがバーナ表面に到達する前に空気の一部が加えられ、空気の一部がバーナ表面に直接供給される部分予混合システムとは異なる。
バーナは、少なくとも50体積%の水素を含む可燃性ガスの燃焼に適合され、最小負荷と全負荷との間で変調することができる。全負荷は意図された用途に依存し、例えば、単一の家庭用、アパートメントビルなどの複数の家庭用、又は産業用である。全負荷の例は、例えば、20kW、24kW、30~40kW、90~150kW、200~300kW、2200~3000kWであり得る。
本発明によるバーナは、予混合ガス供給回路と、バーナ表面と、点火源とを備える。予混合ガスは、予混合ガス供給回路によってバーナ表面に供給される。バーナ表面は、例えば、円形又は細長い開口部又は穿孔を含んでいてもよく、この開口部又は穿孔を介して、予混合ガスは、例えば燃焼室内に流れることができる。点火源は、例えば燃焼室内でバーナの近傍に配置される。点火源は、予混合ガスが燃焼する及び/又は燃焼を開始するように、予混合ガスに点火するように構成される。点火源は、例えば、火花点火装置、グロープラグ又は高温表面点火装置であり得る。一旦予混合ガスが点火されると、火炎が存在する。火炎が存在する限り、バーナ表面に供給される予混合ガスは、通常、火炎に到達するとすぐに点火される。理想的には、動作段階の間、火炎はバーナ表面に存在する。バーナ表面は、任意の適切な形状、例えば、円形、曲線又は平坦形状を有することができる。
予混合ガス供給回路は、空気流路と、可燃性ガス流路と、混合流路とを備える。混合流路において、空気流路によって供給される空気と、可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスとが混合されて予混合ガスとなる。混合は、流れによって自然に達成されてもよいし、任意に、ファンなどの混合要素の助けを借りて達成されてもよい。空気流路は、空気を供給するために、例えば吸引入口によって環境空気に接続されてもよく、空気は、例えばファンによって混合流路に供給されてもよい。前記ファンは、混合流路の上流又は下流に配置することができる。通常、必要とされる空気の体積は、必要とされる可燃性ガスの体積よりも大きい。したがって、空気流路は、可燃性ガス流路よりも大きくてもよい。好ましくは、可燃性ガスは、少なくとも部分的にベンチュリー効果の使用によって混合流路に供給される。これは、例えば、可燃性ガス流路が空気流路に接続される位置において、空気流路に狭小部又は狭窄部を設けることによって達成することができる。この狭小部又は狭窄部によって、空気の流速が局所的に増加し、それによって圧力が低下し、可燃性ガスに吸引力が作用することになる。
本発明によれば、バーナはコントローラをさらに備える。コントローラは、供給される予混合ガスのラムダ値を制御するように構成されている。コントローラは、多数の方法でこれを行うように構成することができ、そのうちのいくつかの実施形態は、以下でさらに詳しく説明される。一般に、コントローラは、空気流路によって供給される空気の量及び/又は可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスの量を制御することによって、ラムダ値を制御するように構成される。
本発明によれば、コントローラは、始動段階の間、第1のラムダ値を有する予混合ガスがバーナ表面に供給され、供給された予混合ガスが点火源によって点火されるように構成される。供給された第1のラムダ値を有する予混合ガスが点火された後にのみ、コントローラは、動作段階の間、第2のラムダ値を有する予混合ガスが供給されるように、ラムダ値を制御する。本発明によれば、第1のラムダ値は第2のラムダ値よりも大きく、好ましくは、第1のラムダ値は少なくとも1.85である。このように、本発明による方法に関連するのと同じ利点が達成される。
一実施形態において、バーナは、可燃性ガス流路及び/又は空気流路を部分的に閉塞するための少なくとも1つの流路閉塞要素をさらに備える。コントローラは、始動段階の間に可燃性ガス流路を部分的に閉塞し、及び/又は動作段階の間に空気流路を部分的に閉塞するように少なくとも1つの流路閉塞要素を制御するようにさらに構成される。
流路閉塞要素は、様々な方法で実現でき、そのうちのいくつかは、以下でさらに詳細に説明される。可燃性ガス流路又は空気流路を部分的に閉塞することによって、それぞれ、より少ない可燃性ガス又は空気が混合流路に入ることになる。始動段階の間ガス流路を及び/又は動作段階の間空気流路を閉塞することによって、第1のラムダ値が第2のラムダ値よりも大きいことを達成することができる。
一般に、流路閉塞要素は、好ましくは、それぞれの流路に配置されることによって可燃性ガス流路又は空気流路を部分的に閉塞する少なくとも第1の位置を有する。それはさらに、それぞれの流路に配置されないか、又は少なくともそれぞれの流路をより少なく閉塞する第2の位置を有する。任意に、第2の位置又は追加の第3の位置において、流路閉塞要素は、それぞれの他の流路を閉塞する。
一実施形態において、少なくとも1つの流路閉塞要素は、作動位置と休止位置とを有し、少なくとも1つの流路閉塞要素は、動作段階の間は作動位置にあり、始動段階の間は休止位置にあるように構成される。
したがって、流路閉塞要素の休止位置は、始動段階に対応する。より低い第2のラムダ値を達成するために、流路閉塞要素を積極的に作動させるステップが必要である。この作動ステップを完了することができない故障の場合、動作段階の間の予混合ガスは依然として第1のラムダ値を有し、これは不満足な効率につながる可能性がある。しかしながら、故障が始動段階の間第1のラムダ値に影響を与えることはない。このように、流路閉塞要素はフェイルセーフである。
休止位置が第1の位置と第2の位置のどちらに対応するかは、流路閉塞要素が可燃性ガス流路に配置されるか空気流路に配置されるかに依存する。
一実施形態において、少なくとも1つの流路閉塞要素は、空気圧、油圧、磁気又は機械的な力によって作動され、可燃性ガス流路及び/又は空気流路を閉塞するように構成される。
一実施形態において、バーナは、少なくとも1つの流路閉塞要素に加えてガスバルブを備え、ガスバルブは可燃性ガス流路に配置され、前記ガスバルブは、可燃性ガスが可燃性ガス流路を流れることを防止する閉位置と、可燃性ガスが可燃性ガス流路を流れることができる開位置とを有する。本実施形態では、ガスバルブと流路閉塞要素の両方が存在し、すなわち別個の構成要素として存在することに留意されたい。ガスバルブは、可燃性ガス流路に配置され、流路閉塞要素は、可燃性ガス流路又は空気流路のいずれかに配置することができる。任意に、コントローラは、ガスバルブを制御するように構成される。
この実施形態は、可燃性ガス流路を、流路閉塞要素とは無関係に、ガスバルブを用いて開閉できるという利点を有する。このように機能は切り離されている。さらに、ガスバルブを、例えば空気圧式ガスバルブのように、より単純な又はより安価な構造で実現することが可能である。
いくつかの実施形態では、ガスバルブは制御バルブ、例えば、電子作動式制御バルブ、空気圧作動式制御バルブ、又は油圧作動式制御バルブであり得る。他の実施形態では、ガスバルブは、空気圧式ガスバルブであり、好ましくは、空気流路内の空気の流れがマスターであるマスター-スレーブ関係の部分である。例えば、前記空気圧式ガスバルブは、閉位置に付勢され、空気圧力により開かれてもよく、前記力は空気の流れに依存する。特定の空気流量での空気圧式ガスバルブの開度は、空気圧式ガスバルブの設計によって決定することができる。このシステムでは、可燃性ガスと空気の比率は、空気圧式ガスバルブの設計によって決定される。
任意に、空気圧式ガスバルブは負のオフセットを持つように設計される、つまり、所定の閾値の空気流量又は低圧が存在して初めて空気圧式ガスバルブは開くことができる。これは、空気流量がないときに可燃性ガスの不要な流れがあることを回避し、前記可燃性ガスの不要な流れは、例えば、さらに下流の吸引力などの他の理由によって低圧が発生したときに空気圧式ガスバルブが開くことによって発生する可能性がある。可燃性ガスのそのような望ましくない流れは、排気ガスが可燃性であることをもたらす可能性があり、これは安全上の理由から望ましくない。
一実施形態において、少なくとも1つの流路閉塞要素はバルブ、例えば電子作動式制御バルブ、空気圧作動式制御バルブ、又は油圧作動式制御バルブである。これにより、混合流路に供給される可燃性ガス及び/又は空気の体積を、したがって予混合ガスのラムダ値を正確に制御することができる。
さらなる実施形態において、少なくとも1つの閉塞要素の少なくとも1つは、可燃性ガス流路に配置されるガスバルブに対応し、前記ガスバルブは、可燃性ガスが可燃性ガス流路を流れることを防止される閉位置と、可燃性ガスが可燃性ガス流路を流れることができる開位置とを有する。
一実施形態において、バーナは、バーナによって生成された排煙の酸素含有量を代表する値、又はバーナ表面に供給された予混合ガスの酸素含有量を代表する値を測定するように構成された少なくとも1つの酸素センサをさらに備える。測定値は、供給された予混合ガスのラムダ値を表す値であり得る。コントローラは測定値に基づいてラムダ値を制御するように構成されてもよい。
一実施形態において、バーナは、供給された予混合ガスが点火された及び/又は燃焼しつつある時を検出し、対応する火炎信号を生成するように構成された少なくとも1つの火炎検出器をさらに備え、好ましくは、コントローラは、検出器から火炎信号を受信した後に第2のラムダ値を有するように予混合ガスを制御するようにさらに構成される。供給された第1のラムダ値を有する予混合ガスがまだ点火されていないときに、第2のラムダ値を有する予混合ガスが供給されると、第1のラムダ値を有する予混合ガスと第2のラムダ値を有する予混合ガスが混合されることになる。その結果、火炎フラッシュバックのリスクのあるラムダ値を有するガスが生成される可能性がある。このリスクは、本実施形態で軽減される。さらなる実施形態において、コントローラは、火炎検出器が例えば2、5又は10秒である所定時間後に予混合ガスの点火も燃焼も検出しない場合、予混合ガスの供給を停止するように構成されてもよい。
一実施形態において、バーナは、供給された予混合ガスが燃焼しているときに火炎を安定させるための多孔金属板を備える。前記多孔金属板がバーナ表面に対応することも可能であるが、前記多孔金属板がバーナ表面の内側に配置されることも可能であり、その場合、多孔金属板は、分配器又は圧力分配器とも称されることがある。一実施形態において、前記多孔金属板は、本出願人の以下の出願に示された実施形態のうちの1つ又は複数に従って実現され、前記出願は参照により本明細書に組み込まれる:国際公開第2011/069839号、国際公開第2009/077505号、又は国際公開第02/44618号。
一実施形態において、バーナは、空気バルブを有する第2の空気流路を備える。空気バルブは、空気を第1の流量で第2の空気流路を介して予混合ガスに供給できる第1の位置と、空気を第2の流量で第2の空気流路を介して予混合ガスに供給できる第2の位置とを有する。第2の流量は、第1の流量よりも小さくても大きくてもよく、任意に、第2の流量はほぼゼロである。コントローラは、空気バルブを始動段階の間は第1の位置にあり、動作段階の間は第2の位置にあるように制御するようにさらに構成される。空気バルブは好ましくは第1の位置に付勢される。
一実施形態において、バーナは、第2の可燃性ガスバルブを有する第2の可燃性ガス流路を備える。第2の可燃性ガスバルブは、可燃性ガスを第1の流量で第2の可燃性ガス流路を介して予混合ガスに供給できる第1の位置と、可燃性ガスを第2の流量で第2の可燃性ガス流路を介して予混合ガスに供給できる第2の位置とを有する。第2の流量は、第1の流量よりも小さくても大きくてもよく、任意に、第2の流量はゼロである。コントローラは、第2の可燃性ガスバルブを始動段階において第2の位置にあり、動作段階において第1の位置にあるように制御するようにさらに構成される。第2の可燃性ガスバルブは好ましくは第2の位置に付勢される。
一実施形態において、コントローラは、最小負荷と全負荷との間でバーナを変調するようにさらに構成することができる。これを行うために、コントローラは、例えば、ファン、及び/又はガスバルブ、及び/又は1つ又は複数の流路閉塞要素を制御し得る。
一実施形態において、バーナは、例えば点火源、及び/又は酸素センサ、及び/又は火炎検出器が配置される燃焼室をさらに備え得る。
一実施形態において、バーナはファンをさらに備えることもあり、任意にコントローラはファンを制御するように構成される。
本発明はさらに、本発明によるバーナを含む水素ガス燃焼式加熱器具に関する。この加熱器具は、例えば、家庭用又は産業用、例えばボイラに使用することができる。
以下、本発明を図を参照して例として記載する。異なる図中の同じ参照数字は同じ特徴を示している。しかしながら、図は、いくつかの任意の特徴が組み合わされた例に過ぎないことに留意されたい。本発明は図に示されるものに限定されない。
本発明の第1の実施形態によるバーナを示す。 時間の関数におけるラムダ値の一例を示す。 任意の実施形態において、第1及び/又は第2のラムダ値を決定する際に考慮することができるいくつかの因子を示す。 本発明によるバーナの第2の実施形態を示す。 本発明によるバーナの第3の実施形態を示す。 本発明の可能な実施形態によるバーナを始動するための方法のステップを概略的に示す。
図1は、本発明の第1実施形態のバーナ100を概略的に示す。バーナ100は、好ましくは、最小負荷と全負荷との間で変調可能な表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナである。バーナ100は、予混合ガス供給回路によって予混合ガスが供給される、バーナ表面123を備える。図示の例では、バーナ表面123は、予混合ガスが燃焼室130に流入する穿孔を備える。燃焼室130は、例えば、特に水が加熱される加熱器具の一部であり得る。供給された予混合ガスに点火するために、点火源124がさらに設けられる。図示の実施形態では、バーナ表面123は、円形であるように概略的に描かれている。しかしながら、実用においては、バーナ表面123は、任意の適切な形状、例えば、円形、曲線、又は平坦な形状を有することができる。バーナ表面123の形状は、燃焼室130の形状に依存し得、及び/又はその逆もまた然りである。
予混合ガスは可燃性ガスと空気を含む。したがって、予混合ガス供給回路は、可燃性ガス供給源114に接続される可燃性ガス流路111を備える。図示の例における可燃性ガス供給源114はタンクであるが、他の選択肢としては、地方自治体又は工業地域におけるメタンなどの従来の炭化水素ガスの分配のために知られているものと同様の分配ネットワークがある。本発明の文脈では、可燃性ガスは、少なくとも50体積%、いくつかの実施形態では少なくとも80体積%、少なくとも95体積%、又は少なくとも98体積%の水素を含む。
可燃性ガス流路111には、ガスバルブ112が設けられており、このガスバルブ112により、可燃性ガス流路111を流れる可燃性ガスの量を調節することができる。図示の例では、ガスバルブ112は、電子アクチュエータ113によって制御される電子作動式制御バルブである。しかしながら、空気圧力に基づいて開くようにガスバルブ112を設計することも知られている。例えば、ガスバルブ112は、ばねの力によって閉位置に付勢されているが、空気の流れによってガスバルブ112の下流の圧力が低くなると、自動的に開いて所望の量の可燃性ガスを通過させることができる。
可燃性ガスに着火できるようにするためには、酸素が必要である。本発明では、前記酸素を供給するために、空気を用いる。そのため、予混合ガス供給回路は、空気を供給するための空気流路101を備える。好ましくは、空気を供給して流すためのファン102が設けられる。図示の例では、ファン102は、空気流路101と可燃性ガス流路111とが合流する位置の上流に設けられているが、いくつかの実施形態では、ファン102は、前記位置の下流に配置されてもよい。また、複数のファンを、任意に複数の位置に配置することも可能である。空気流路101は、さらに上流側で空気供給源(図示せず)に接続される。通常、空気供給源は、単に環境空気である。例えば、空気流路101は、例えば壁の穴を通して、外気と接続されてもよく、ファン102は空気流路101に空気を吸い込むための吸引力を提供する。
図1は、任意に空気流路101が狭窄部121を備えること、すなわち空気流路101のより上流側の部分よりも狭い部分を備えることをさらに示す。ベルヌーイの原理から導かれるように、狭窄部において空気の流速は増加し、したがって圧力は低下する。可燃性ガス流路111は、この狭窄部121に接続されている。空気の圧力が低下するため、可燃性ガスの吸引力が得られるので、ベンチュリー効果が生じ、その結果、可燃性ガスと空気の混合が改善される。
予混合ガス供給回路は、混合流路122をさらに備える。混合流路122では、空気流路101から供給される空気と、可燃性ガス流路111から供給される可燃性ガスとを予混合ガスにして、バーナ表面123に供給する。可燃性ガスの組成に基づいて、可燃性ガスを完全に燃焼させるためには、一定量の酸素が必要である。空気の組成に基づいて、必要な空気の量は、必要な酸素の量から導出することができる。実際には空気の量はこれと異なるため、実際に供給される空気量と予混合ガスの化学量論的燃焼に必要な空気量との比率としてラムダ値が定義される。
通常、バーナ100は以下の手順で始動される。まず、ファン102を始動して、空気流路101に空気を流す。次に、点火源124を始動させるが、まだ可燃性ガスがないので、燃焼はしない。その後、ガスバルブ112を開放して、可燃性ガス流路111に可燃性ガスを流す。可燃性ガスと空気は混合流路122で混合され、バーナ表面123の穿孔から、予混合ガスが燃焼室130に入る。作動している点火源124が、供給された予混合ガスに点火し、燃焼室130に燃焼と火炎が存在する。
しかしながら、例えば点火源124に誤動作又は故障があった場合、供給された予混合ガスが直ちに燃焼しないことがある。その結果、可燃性ガスを含む予混合ガスが燃焼室130に蓄積されることになる。同じことが遅延点火試験時にも生じる。可燃性ガスがかなりの量の水素を含む場合、蓄積された予混合ガスに一定時間後に着火すると、いくつかの問題が発生し得ることが試験により示されている。これらの問題は、望ましくない損傷及び/又は危険につながる可能性がある。例えば、火炎フラッシュバックが起こり得る。すなわち、火炎がバーナ表面123を通って逆伝播し得る。また、燃焼室130で爆発が起こることもあり得る。
本発明は、動作段階と比較して、始動段階の間に追加の過剰な空気を供給することによって解決策を提供する。時間の関数におけるラムダ値の一例が図2に示されている。見て分かるように、ラムダ値は1秒と6秒の間で4になっている。最初はファンのみが空気を供給するために起動され、1秒後に可燃性ガスが添加されることに注意されたい。8秒後、図示の例のラムダ値は約1.3であるが、正確なラムダ値は負荷に依存する可能性がある。試験により、始動段階の間のラムダ値の増加が上記の問題を減少させることが示された。さらに、始動段階の間の負荷は、動作段階の負荷と異なる場合があることに注意されたい。図2において6~8秒の時間間隔に相当する始動段階から動作段階への移行の間、ファンは異なる流れを提供するように適合させることもできる。
図1を参照して、本発明の実施形態についてさらに詳しく述べる。バーナ100は、コントローラ150を備える。コントローラ150は、供給される予混合ガスのラムダ値を制御するように構成されている。図示の例では、コントローラ150は、ガスバルブ112を制御することによってこれを行う。特に、コントローラ150は、ガスバルブ112のアクチュエータ113の入力端子113.1に制御信号151を送信するための出力端子150.1を有する。ガスバルブ112の位置を制御することによって、混合流路122に入る可燃性ガスの量が制御され、その結果、空気対可燃性ガスの比率及びラムダ値が制御される。しかしながら、電子作動式制御ガスバルブ112の代替又は組合せとして、いくつかの他の可能性を適用することができ、そのうちのいくつかは本明細書で詳しく述べられていることに留意されたい。
本発明によれば、コントローラ150は、バーナ100の始動段階の間に、第1のラムダ値を有する予混合ガスを供給するように構成される。点火源124が、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスに点火する前の期間が、始動段階の一部である。また、点火自体も始動段階の間にある。制御装置150は、バーナの動作段階の間、第2のラムダ値を有する予混合ガスを供給するようにさらに構成される。動作段階は、点火源124が、第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスに点火した後に開始される。本発明によれば、第1のラムダ値は、第2のラムダ値よりも大きい。
故障時又は遅延点火試験時に、第1のラムダ値を有する予混合ガスは、点火されるまで、燃焼室130に蓄積される可能性がある。最初に点火される予混合ガスは、より低い第1のラムダ値を有するので、火炎速度が低下する。そのため、火炎のフラッシュバック及び爆発の危険性が低減される。
好ましくは、第1のラムダ値は、少なくとも1.85である。これは、満足のいく結果を得ることができる実用的な下限値であることが判明している。
バーナ100は、好ましくは、少なくとも1つの流路閉塞要素112を備え、この流路閉塞要素112は、図1に示す例では、ガスバルブ112として実現されている。本実施形態における流路閉塞要素112は、可燃性ガス流路111を部分的に閉塞することができるように配置されている。コントローラ150は、出力端子150.1を介して制御信号151をアクチュエータ113の入力端子113.1に出力することにより、流路閉塞要素112を制御することができる。始動段階の間、コントローラ150は、可燃性ガス流路111が部分的に閉塞されるように、流路閉塞要素112を制御する。このように、より少ない可燃性ガスが予混合ガスに供給され、その結果、第1のラムダ値はより大きくなる。
好ましくは、流路閉塞要素112は、始動段階の間休止位置にある。そこで、ガスバルブ112は、例えば1つ又は複数のばねによって、部分的に閉じられるように付勢されてもよい。アクチュエータ113で力を与えることによって、ガスバルブ112は、より多くの可燃性ガスが予混合ガスに供給されるように、動作段階の間に作動位置までさらに開くことができる。しかしながら、例えばコントローラ150又はアクチュエータ113に故障があった場合、ガスバルブ112は動作段階の間も休止位置に留まり、動作段階の予混合ガスは第1のラムダ値を有することになる。これは、非効率的な燃焼をもたらすかもしれないが、そのような故障の間、始動段階の間のラムダ値が低すぎることが回避されるので、安全性が保証される。
始動段階から動作段階への移行をいつ行うかについては、いくつかの方法が考えられる。好ましくは、始動段階は少なくとも1秒、好ましくは少なくとも2秒、さらに好ましくは少なくとも3秒、例えば3~6秒の間継続する。いくつかの実施形態では、コントローラ150は、所定時間後に動作段階に自動的に切り替えるように構成することができる。
図1には、燃焼室130に任意の火炎検出器131が設けられていることが示されている。火炎検出器131は、燃焼室130内の火炎を検出すると火炎信号153を生成するように構成され、この信号は、供給された予混合ガスが点火及び/又は燃焼していることを示すものである。火炎検出器131は、火炎検出のための既知の好適な原理のいずれかに従って実現できる。火炎信号153は、出力端子131.1及び入力端子150.3を介してコントローラ150に出力される。コントローラ150は、火炎信号153によって提供される情報をいくつかの方法で使用することができる。例えば、コントローラ150は、もっぱら火炎が検出された後にガスバルブ112を作動位置に作動させるように構成することができ、それによって、既に存在する予混合ガスが点火される前に第2のラムダ値を有する予混合ガスが燃焼室130に到達することを回避することができる。これは、上で説明したように所定時間待つことの代わりとして、又はそれに加えて行うことができる。また、例えば図1に示されるように、制御信号152が出力端子150.2及び入力端子124.1を介して送信され得るように、コントローラ150が点火源124を制御することが可能である。その場合、コントローラ150は、一定時間後に火炎検出器131によって火炎が検出されなかった場合、点火源124が予混合ガスに点火することを停止するように構成することができる。これにより、相当量の予混合ガスが点火されずに燃焼室130に蓄積している危険な状況を回避することができる。なお、規格によっては、これを必須の措置として規定しているものもある。一方、点火源124を制御することによって、燃焼室130内に供給された予混合ガスが、当該予混合ガスが満足なラムダ値を有する場合にのみ、点火されることを保証することも可能である。また、コントローラ150が、予混合ガスの初期点火を検出した後、点火期間中、点火源124を点火状態に維持するように制御することも可能である。このように、蓄積された予混合ガスを、当該蓄積された予混合ガスから火炎が遠ざかった場合であっても、燃焼させることができる。
図3は、任意の実施形態において、第1及び/又は第2のラムダ値を決定する際に考慮され得るいくつかの因子を示す。これらの因子は、別々に考慮することができ、又は互いに組み合わせて考慮することができる。図3の横軸には、バーナの負荷が表されており、縦軸には、ラムダ値が表されている。グラフの各線は、それぞれ異なる因子を表しており、これについては以下に説明する。各線には、それぞれの線のどちら側にラムダ値があるのが好ましいかを示す矢印が付されている。
バーナは、最小負荷と全負荷の間で変調されるように構成されている。例えば、家庭用暖房器具の場合、全負荷は24kWであり得る。従来は、変調比、すなわち最小負荷に対する全負荷の比は、4:1~5:1程度であったが、最近では、最大10:1の変調比が提案されている。図3中、線3.6は変調比が5:1の場合の下限値20%を示し、線3.7は変調比が10:1の場合の下限値10%を示す。
第2のラムダ値は通常1.05~1.3の範囲にあり、特に高負荷時又は全負荷時にそうである。空気と可燃性ガスが十分に混合されていない場合、又は空気及び/又は可燃性ガスの組成が逸脱している場合に、不完全燃焼を避けるために少量の空気を過剰に供給する。図3の線3.8は、負荷に応じた第2のラムダ値の一例を示している。可燃性ガスがかなりの量の水素を含む場合、動作段階における負荷に基づいてラムダ値、したがって、例えば第2のラムダ値を適合させることが最適である場合があることが判明している。出願番号19162278の欧州特許出願に説明されているように、最小負荷におけるラムダ値は、全負荷時よりも少なくとも20%高くてもよく、任意に平均負荷においてラムダ値は全負荷時よりも10%未満高くてもよい。一般に、バーナは、変調範囲内の負荷で始動される。本発明によれば、バーナが任意の所与の負荷で始動されるとき、この任意の所与の負荷における第1のラムダ値は、前記負荷における第2のラムダ値より高い。これは、図3の線3.10によって示され、これは線3.8に1.5を乗じたものに相当する。しかしながら、いくつかの実施形態では、バーナは、最小負荷未満である負荷で始動することができるが、これは減少した最小負荷によって制限される。それというのも、その最小負荷未満では、許容時間内に火炎又はバーナがオンかオフかを決定できない場合があるからである。
好ましくは、第1のラムダ値は、吹消し値未満である。吹消し値とは、予混合ガス中の空気に対して可燃性ガスが非常に少なく、火炎を燃焼し続けるのに十分な可燃性ガスが存在しないため、バーナ表面における火炎が予混合ガスによって吹き消されるラムダ値である。
好ましくは、第1のラムダ値は、予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が、図3に線3.2で示されるUFLとも呼ばれる燃焼性上限値未満であるような値である。好ましくは、第1のラムダ値は、予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が、図3に線3.1で示されるLFLとも呼ばれる燃焼性下限値を超えるような値である。そうでない場合、予混合ガスが濃厚すぎたり希薄すぎたりするため、予混合ガスに点火できない可能性がある。予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が特定の閾値を超えることは、ラムダ値が当該閾値に対応するラムダ値に満たないことに対応することに留意されたい。さらに、燃焼性の上限及び下限値は、可燃性ガスの組成によって決定されるが、温度及び圧力などの要因にも依存することに留意されたい。
実際には、特にラムダ値が空気流路を部分的に閉塞することによって調整される実施形態では、第1のラムダ値はファンによって制限され得る。ファンの最大能力又はパワーは、空気流路を流れることができる空気の最大量を決定し、これにより、供給された可燃性ガスの所与の量と併せて予混合ガスのラムダ値が決定される。当然のことながら、理論的にはより大型のファンを設けることが可能であるが、これは実際にはコスト面を考慮すると望ましくない場合がある。したがって、第1のラムダ値は、好ましくは、ファンが全負荷のときに、前記ファンによって供給される空気の量よりも低い空気の量に対応する。これは、図3において線3.3で示されている。可燃性ガスの量は、特にファンが可燃性ガス流路と空気流路とが合流する場所の下流に配置されている場合、ファンによって決定され得ることに留意されたい。
好ましくは、第1のラムダ値は、予混合ガス中の可燃性ガスの濃度が、LELとも呼ばれる爆発下限値未満であるような値であり、これは、第1のラムダ値が、図3に線3.4で示される、LELに対応するラムダ値を超えるべきであるということを意味する。また、第1のラムダ値を、爆発下限値から所定の安全マージンを超えて異なるように制御することが好ましい場合があり、例えば、安全マージンは、図3に線3.5で示される1.2又は1.5倍である。これにより、空気又は可燃性ガスの実際の組成が予想と異なる場合であっても、安全な始動を確保することができる。
好ましくは、第1のラムダ値は、図3に線3.9で示される温度下限値未満である。この文脈では、下限温度値は、点火された予混合ガスの火炎が消えるほど低い温度となる値として定義される。可燃性ガスが水素のみを含む場合、前記温度は約571℃である。
図3から分かるように、上記の任意の制限のすべてに従うと、第1のラムダ値の理想的な範囲が明らかになり、これは図3において参照数字3.50で示される。これは、可燃性ガスと空気の組成、並びに温度や圧力などの環境条件に基づいて、最適な第1のラムダ値を決定するために使用することができる。上記の因子をいくつ考慮するかによって、この範囲をより正確に決定することができる。しかしながら、場合によっては、1つ又は複数の因子について推定値又は標準値を用いてもよい。
しかしながら、実際には、図3に示した線をすべて決定して第1及び第2のラムダ値を決定するのは面倒かもしれない。本出願人は、テストとシミュレーションの結果、一般に、次の経験則が満足のいく結果を与えることを見出した。第1のラムダ値は、少なくとも1.85、好ましくは少なくとも1.9、好ましくは2超、例えば2~5の間、好ましくは3超、例えば3~5の間、より好ましくは4超、例えば4~5の間である。第2のラムダ値は、1~2の間、好ましくは1.05~1.5の間、より好ましくは1.05~1.3の間とすることができる。一般に、第1のラムダ値は、第2のラムダ値の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも3倍の大きさであることが好ましい。
図4は、本発明によるバーナ300の第2の実施形態を示す。図4に示すバーナ300は、図1に示すバーナ100と比較して、流路閉塞要素及びガスバルブが異なる。図4において、流路閉塞要素312は、ガスバルブ212と同じ要素ではなく、逆に、流路閉塞要素312は、ガスバルブ212に加えて存在する。また、図示の実施形態では、ガスバルブ212は電子作動式制御バルブではなく、バルブ212の上流と下流の空気圧力のバランスに基づいて開く機構であるが、これは図4に示すような流路閉塞要素312の実施形態の要求仕様ではない。
流路閉塞要素312は、図4に示すように、休止位置において可燃性ガス流路111に配置されるように構成される。図示しない作動位置において、流路閉塞要素312は可燃性ガス流路111内にないか、少なくとも流路閉塞要素312は可燃性ガス流路111を閉塞する量が休止位置と比較して少なくなっている。アクチュエータ313は、流路閉塞要素312を休止位置から作動位置に移動させるために設けられている。流路閉塞要素312は、好ましくは、例えばばね力又は重力を含む、それに付属するものを利用して休止位置への戻り移動が行われ得るように、休止位置へ付勢される。アクチュエータ313は、空気圧力、油圧力、機械力、及び/又は磁気力に基づいて流路閉塞要素312を移動させるように構成され得る。コントローラ150は、出力端子150.1及び入力端子313.1を介して、制御信号351でアクチュエータ313を制御するように構成されている。コントローラ150は、流路閉塞要素312を、始動段階の間は休止位置に配置し、動作段階の間は作動位置に配置するように構成されている。流路閉塞要素312自体は、任意の適切な形状及び形態をとることができる。
図5は、本発明によるバーナ400の第3の実施形態を示している。図5に示すバーナ400は、図1に示すバーナ100と比較して、流路閉塞要素及びバルブが異なる。図5において、流路閉塞要素412は、バルブ212と同じ要素ではない。また、図示の実施形態では、バルブ212は電子作動式制御バルブではなく、バルブ212の上流と下流の空気圧力のバランスに基づいて開く機構であるが、これは、図5に示すような流路閉塞要素412の実施形態の必要仕様ではない。
流路閉塞要素412は、図5に示すように、作動位置において空気流路101内に配置されるように構成される。図示しない休止位置では、流路閉塞要素412は空気流路101内にないか、少なくとも流路閉塞要素412は作動位置と比較して空気流路101を閉塞する量が少ない。アクチュエータ413は、流路閉塞要素412を休止位置から作動位置に移動させるために設けられている。流路閉塞要素412は、好ましくは、例えばばね力又は重力を含む、それに付属するものを利用して休止位置への戻り移動が行われ得るように、休止位置へ付勢される。アクチュエータ413は、空気圧力、油圧力、機械力、及び/又は磁気力に基づいて流路閉塞要素412を移動させるように構成され得る。コントローラ150は、出力端子150.1及び入力端子413.1を介して、制御信号451でアクチュエータ413を制御するように構成されている。コントローラ150は、始動段階の間、流路閉塞要素412を休止位置に配置し、動作段階の間、作動位置に配置するように構成されている。流路閉塞要素412自体は、任意の適切な形状及び形態をとることができる。
本実施形態では、図1及び図3に示した実施形態とは異なり、始動段階の間に可燃性ガスの量を減少させるのではなく、動作段階の間に空気の量を減少させる。
図示しない実施形態では、流路閉塞要素412は、狭窄部121に配置されるように構成されている。その場合、狭窄部212はさらに狭められるため、さらに速度が上がり、さらに圧力が低下し、低下した圧力によってより多くの可燃性ガスが吸引されることになる。
図6は、本発明の可能な実施形態によるバーナ始動方法のステップを概略的に示す。ステップ1001において、熱需要がある。熱需要は、例えば、建物の暖房がオンにされること、又は、蛇口若しくはシャワーによって温水が要求されることから生じ得る。熱需要は、任意に、ステップ1002においてプレパージを開始し得る。プレパージは、可燃性ガスが存在しないことを確実にするために、バーナを通して空気が吹き込まれることを伴う。プレパージの後、ステップ1003において、第1のラムダ値を有する予混合ガスが供給され、ステップ1004において、点火源が点火状態になるように制御される。点火状態において、点火源は、第1のラムダ値を有する予混合ガスに点火するように適合される。ステップ1004は、ステップ1003の前に、又はステップ1003と同時に実行することが可能である。好ましくは、第1のラムダ値は、少なくとも1.85である。任意に、ステップ1005において、点火源は、ステップ1006において火炎検出器を用いて火炎検出が行われる前に、もはや点火状態でないように制御される。ステップ1005は、例えば火花点火装置である点火源が、この措置が取られない場合、火炎検出を悪いように検出し得る場合、特に有益であり得るが、これは火炎検出器として使用されているセンサの種類にも依存する。ステップ1001~1006は、始動段階1100の一部である。
安全時間後にステップ1006で火炎が検出されない場合、ステップ1007は再始動を提供するが、この際、ステップ1002のプレパージは非燃焼予混合ガスがバーナ内に存在しないことを保証した。任意に、ステップ1007は、例えば5回の試行後にバーナを始動できない場合にバーナを完全に停止させるように、所定の回数だけ実行することができる。安全時間は、EN15502に準拠し得る。
ステップ1006において火炎が検出された場合、本方法は、任意に、始動段階1100の後に移行段階1200を含み得る。移行段階1200は、特に、バーナが、始動段階1100において所望の負荷とは異なる始動負荷で始動される場合に有益であり得る。図示の実施形態では、移行段階1200は、動作段階における負荷が前記始動負荷に等しいであろう場合に、供給されている予混合ガスのラムダ値を、始動負荷に関連する第2のラムダ値に変更する段階1009を含む。次いで、移行段階1200は、負荷を所望の負荷に変更し、ラムダ値を前記所望の負荷に関連する第2のラムダ値に変更するステップ1010を含む。本明細書で説明するように、移行段階1200の他の実施形態も可能である。
移行段階の後、本方法は動作段階1400を含み得る。動作段階1400は、第2のラムダ値を有する予混合ガスをバーナ表面に供給するステップ1012を含む。第1のラムダ値は、第2のラムダ値よりも大きい。
図6はさらに任意の点火期間1300を示す。点火期間1300は、点火源が点火状態になるように制御されるステップ1008で開始され、点火源が点火状態でないように制御されるステップ1011で停止される。図示の例では、点火期間1300は、始動段階1100の終了時、移行段階1200、及び動作段階1400の開始時と一致する。
本明細書では、別々の実施形態として示されているが、図1の実施形態、すなわち流路閉塞要素112として機能するガスバルブ112、図4の実施形態、すなわち可燃性ガス流路111に配置された流路閉塞要素312、及び、図5の実施形態、すなわち空気流路101に配置された流路閉塞要素412、のうちの1つ又は複数を組み合わせることができることに注目されたい。
必要に応じて、本書では、本発明の詳細な実施形態について記載する。しかしながら、開示された実施形態はもっぱら例として機能し、本発明は他の形態でも実施可能であることを理解しなければならない。したがって、本明細書に開示されている特定の構造的態様は、本発明を制限するものとみなされるべきではなく、単に特許請求の範囲の根拠として、また本発明を平均的な当業者によって実施可能にするための根拠としてみなされるべきである。
さらに、本記載で使用される様々な用語は、制限的なものとして解釈されるべきではなく、むしろ本発明を包括的に説明するものとして解釈されるべきものである。
本明細書で使用される語“a”は、他に指定されない限り、1つ又は複数を意味する。「複数の(a plurality of)」という句は、2つ又は2つより多いことを意味する。また、「備える(comprising)」及び「有する(having)」という語は、オープンな言語を構成するものであり、より多くの要素の存在を排除するものではない。
特許請求の範囲における参照符号は、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。特定の実施形態は、記載されたすべての目的を達成する必要はない。
特定の技術的手段が異なる従属請求項に規定されているという単なる事実は、これらの技術的手段の組合せを有利に適用できるという可能性を依然として許容する。

Claims (21)

  1. 可燃性ガスと空気とを含む予混合ガスがバーナのバーナ表面に供給されるバーナの始動方法であって、
    前記可燃性ガスが少なくとも50体積%の水素を含み、
    ラムダ値が、実際に供給される空気量と、前記予混合ガスの化学量論的燃焼に必要な空気量との間の比率として定義され、
    前記バーナは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナであり、
    前記バーナは、最小負荷と全負荷との間で変調されるように構成され、
    前記方法は、
    始動段階の間、少なくとも1.85である第1のラムダ値を有する予混合ガスを前記バーナ表面に供給し、前記第1のラムダ値を有する前記供給された予混合ガスに点火源を用いて点火するステップと、
    前記予混合ガスが点火された後の動作段階の間、第2のラムダ値を有する予混合ガスを前記バーナ表面に供給するステップであって、前記第1のラムダ値は前記第2のラムダ値より大きいステップと、
    を含む方法。
  2. 前記ラムダ値は、空気流路によって供給される空気の量及び/又は可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスの量を制御することによって前記始動段階の間に制御される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バーナが予混合ガス供給回路を備え、前記予混合ガス供給回路は、
    空気を供給するための空気流路と、
    可燃性ガスを供給するための可燃性ガス流路と、
    前記空気流路によって供給される空気と前記可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスとを混合して前記バーナ表面に供給される予混合ガスとするための混合流路と、
    前記可燃性ガス流路及び/又は前記空気流路を部分的に閉塞する少なくとも1つの流路閉塞要素と、を備え、
    前記方法は、
    前記始動段階の間、前記動作段階に対して前記始動段階の間により少ない可燃性ガスが前記混合流路に供給されるように、前記少なくとも1つの流路閉塞要素で前記可燃性ガス流路を部分的に閉塞するステップ、及び/又は
    前記動作段階の間、前記動作段階に対して前記始動段階の間により多くの空気が前記混合流路に供給されるように、前記少なくとも1つの流路閉塞要素で前記空気流路を部分的に閉塞するステップ、
    をさらに含む、
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの流路閉塞要素が前記始動段階において休止位置に配置され、
    前記方法は、前記動作段階の間、前記流路閉塞要素を作動位置に配置するように前記流路閉塞要素を作動させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1のラムダ値は、2より大きく、例えば2~6の間であり、好ましくは3より大きく、例えば3~5の間であり、より好ましくは4より大きく、例えば4~5の間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2のラムダ値は、1~2の間、好ましくは1.05~1.5の間、より好ましくは1.05~1.3の間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第1のラムダ値は、前記第2のラムダ値の少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、例えば少なくとも3倍の大きさである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記可燃性ガスは、少なくとも75体積%の水素、好ましくは少なくとも80体積%の水素、より好ましくは少なくとも95体積%又は少なくとも98体積%の水素を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記始動段階は、少なくとも1秒、好ましくは少なくとも2秒、さらに好ましくは少なくとも3秒、例えば3~6秒継続する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記バーナは、前記動作段階における所望の負荷とは異なる前記始動段階における始動負荷で始動され、
    前記方法は、前記予混合ガスが点火された後に前記始動段階から前記動作段階に移行する移行段階をさらに含み、
    移行段階は、前記負荷を前記所望の負荷に変更するステップを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記方法は、前記第1のラムダ値を有する供給された予混合ガスが点火されたことが検出された後、前記点火源を点火期間点火状態に維持するステップをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたバーナ。
  13. 少なくとも50体積%の水素を含む可燃性ガスを燃焼させるためのバーナであって、前記バーナは、表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナであり、前記バーナは、最小負荷と全負荷の間で変調されるように構成され、
    前記バーナは、
    バーナ表面と、
    予混合ガス供給回路であって、
    i.空気を供給するための空気流路と、
    ii.可燃性ガスを供給するための可燃性ガス流路と、
    iii.前記空気流路によって供給される空気と前記可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスとを混合して、前記バーナ表面に供給される予混合ガスにするための混合流路であって、ラムダ値が、実際に供給される空気量と前記予混合ガスの化学量論燃焼に必要な空気量との比率として定義される混合流路と、
    を備える予混合ガス供給回路と、
    前記バーナ表面に供給された前記予混合ガスに点火するための点火源と、
    前記空気流路によって供給される空気の量及び/又は前記可燃性ガス流路によって供給される可燃性ガスの量を制御することによって、前記供給される予混合ガスの前記ラムダ値を制御するように構成されたコントローラであって、
    i.前記バーナの始動段階の間、第1のラムダ値を有する予混合ガスを供給するように構成され、前記点火源は、前記第1のラムダ値を有する前記供給された予混合ガスに点火するように構成され、前記第1のラムダ値は少なくとも1.85であり、
    ii.前記点火源が前記第1のラムダ値を有する前記供給された予混合ガスに点火するように構成された後の前記バーナの動作段階の間に、第2のラムダ値を有する予混合ガスを供給するように構成され、前記第1のラムダ値は前記第2のラムダ値よりも大きい、
    コントローラと、
    を備えるバーナ。
  14. 前記可燃性ガス流路及び/又は前記空気流路を部分的に閉塞するための少なくとも1つの流路閉塞要素をさらに備え、
    前記コントローラは、前記始動段階の間に前記可燃性ガス流路を部分的に閉塞し、及び/又は、前記動作段階の間に前記空気流路を部分的に閉塞するように前記少なくとも1つの流路閉塞要素を制御するようにさらに構成される、請求項13に記載のバーナ。
  15. 前記少なくとも1つの流路閉塞要素は、作動位置と休止位置とを有し、
    前記少なくとも1つの流路閉塞要素は、前記動作段階の間は前記作動位置にあり、前記始動段階の間は前記休止位置にあるように構成される、請求項14に記載のバーナ。
  16. 前記バーナは、前記少なくとも1つの流路閉塞要素に加えてガスバルブを備え、
    前記ガスバルブは、前記可燃性ガス流路に配置され、前記ガスバルブは、前記可燃性ガスが前記可燃性ガス流路を流れることを防止する閉位置と、前記可燃性ガスが前記可燃性ガス流路を流れることができる開位置とを有する、請求項14又は15に記載のバーナ。
  17. 前記流路閉塞要素は、バルブ、例えば電子作動式制御バルブである、請求項14又は15に記載のバーナ。
  18. 前記バーナによって生成された排煙の酸素含有量を代表する値、又は、前記バーナ表面に供給された前記予混合ガスの酸素含有量を代表する値を測定するように構成された少なくとも1つの酸素センサをさらに備える、請求項13~17のいずれか一項に記載のバーナ。
  19. 前記供給された予混合ガスが点火及び/又は燃焼している時を検出し、対応する火炎信号を生成するように構成された少なくとも1つの火炎検出器をさらに備え、
    好ましくは、前記コントローラは、前記検出器から前記火炎信号を受信した後に前記第2のラムダ値を有するように前記予混合ガスを制御するようにさらに構成される、請求項13~18のいずれか一項に記載のバーナ。
  20. 前記バーナは、前記供給された予混合ガスが燃焼しているときに火炎を安定化するための多孔金属板を備える、請求項13~19のいずれか一項に記載のバーナ。
  21. 請求項13~20のいずれか一項に記載のバーナを備える水素ガス燃焼式加熱器具。
JP2022524194A 2019-10-25 2020-10-23 水素ガスを燃焼させるための表面安定化された完全予混合ガスの予混合バーナ、及びそのようなバーナを始動するための方法 Pending JP2022553756A (ja)

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