JP2014105905A - ボイラ - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼を継続しつつ、かつ、蒸気圧力を安定して保持することができるボイラを提供する。
【解決手段】本発明に係るボイラは、燃焼室と、蒸気圧力が上昇する燃焼量の燃焼を燃焼室で行うメインバーナと、メインバーナの燃焼開始時の口火となり、蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階と、メインバーナよりも小さい燃焼量かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階と、で燃焼を行うパイロットバーナと、メインバーナの燃焼と前記パイロットバーナの燃焼を制御する制御部と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係るボイラは、燃焼室と、蒸気圧力が上昇する燃焼量の燃焼を燃焼室で行うメインバーナと、メインバーナの燃焼開始時の口火となり、蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階と、メインバーナよりも小さい燃焼量かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階と、で燃焼を行うパイロットバーナと、メインバーナの燃焼と前記パイロットバーナの燃焼を制御する制御部と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボイラに関する。
ボイラは、一度燃焼を停止するとプレパージ、ポストパージ等の燃焼室内のリフレッシュが必要となる。ボイラは、燃焼室内のリフレッシュを行うと、燃焼を開始するまでに一定の時間がかかる。また、燃焼室内の加熱された空気を排出することになり、熱の損失が発生する。
これに対して、特許文献1は、パイロットバーナを継続的に燃焼させることで、燃焼状態を維持することが記載されている。また、特許文献2には、高燃焼又は中燃焼を行う通常燃焼部と、低燃焼を行う低燃焼用燃焼部を設ける構成が記載されている。特許文献2の装置は、低燃焼を蒸気圧力が上昇しない程度の燃焼量であって、適正な燃焼を行えるだけの燃焼量(高燃焼の5%〜30%程度)としている。これにより、ボイラの運転途中に炉内を換気することはなくなり、換気による熱の損失は発生しなくなると記載されている。
特許文献1及び2に記載の装置のように小さい燃焼量で燃焼を継続することで、燃焼室内の状態を一定の間、維持することができる。しかしながら、特許文献1に記載の装置は、特許文献1の図4に示すように、蒸気圧力が上昇してしまい、パイロットバーナの燃焼を停止させる場合がある。また、特許文献2は、低燃焼を蒸気圧力が上昇しない程度の燃焼量としているため、蒸気圧力が徐々に低下することになる。この場合、メインバーナに相等する通常燃焼部5で中燃焼を行うことで、蒸気圧力を上昇させることができるが、蒸気圧力が急上昇し、圧力が一時的に不安定になる場合がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、燃焼を継続しつつ、かつ、蒸気圧力を安定して保持することができるボイラを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るボイラは、燃焼室と、蒸気圧力が上昇する燃焼量の燃焼を前記燃焼室で行うメインバーナと、前記メインバーナの燃焼開始時の口火となり、前記蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階と、前記メインバーナよりも小さい燃焼量かつ前記蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階と、で燃焼を行うパイロットバーナと、前記メインバーナの燃焼と前記パイロットバーナの燃焼を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記パイロットバーナに燃料を供給する燃料供給管と、前記燃料供給管に配置され、前記パイロットバーナに供給する燃料の供給量を2段階の供給量で切り換え可能な調整機構と、を有し、前記制御部は、前記調整機構によって燃料の供給量を切り換えることで、前記パイロットバーナの前記第1段階の燃焼と前記第2段階の燃焼とを実行させることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気圧力の値を検出する圧力検出装置、をさらに有し、前記制御部は、外部から送信される圧力要求と前記圧力検出装置の検出値とに基づいて、前記メインバーナの燃焼を制御し、前記メインバーナでの燃焼を停止した場合、前記圧力検出装置で検出した前記蒸気圧力の検出値に基づいて、前記パイロットバーナの燃焼を前記第1段階と前記第2段階とで切り替え、前記蒸気圧力を目標値に近づけることが好ましい。
本発明によれば、パイロットバーナによる燃焼量をメインバーナの燃焼開始時の口火となり、蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階と、メインバーナよりも小さい燃焼量かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階と、の2つの段階を切り換えることで、燃焼を継続しつつ、かつ、蒸気圧力を安定して保持することができる。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。本実施形態に係るボイラ10は、燃料として、燃料ガスを用いている場合として説明するが、燃料ガスに代えて、例えば、軽油、重油などの液体燃料又は微粉炭を用いることができる。
<ボイラ>
本発明の実施形態に係るボイラについて説明する。図1は、本実施形態に係るボイラの縦断面の説明図である。図1に示すように、本実施形態に係るボイラ10は、角型多管式貫流ボイラであり、燃焼用空気供給部11と、燃料供給部12と、メインバーナ13と、パイロット用燃料供給部15と、パイロットバーナ16と、角型の燃焼室(缶体、吸熱手段)17と、排出通路18と、制御装置19と、を備えている。ここで、ボイラ10は、燃焼室17に蒸気ヘッダ6が接続されている。ボイラ10は、燃焼室17の内部に配置された水管が加熱されて発生する蒸気を蒸気ヘッダ6に送る。ボイラ10は、制御装置19に台数制御装置8が接続されている。制御装置19は、台数制御装置8から送信される信号(指示)に基づいて各種制御を実行する。また、ボイラ10は、燃料供給部12とパイロット用燃料供給部15とが燃料供給源30に接続されている。燃料供給源30は、燃料を貯留する燃料タンク等を備えており、燃料供給部12とパイロット用燃料供給部15とに燃料を供給する。
本発明の実施形態に係るボイラについて説明する。図1は、本実施形態に係るボイラの縦断面の説明図である。図1に示すように、本実施形態に係るボイラ10は、角型多管式貫流ボイラであり、燃焼用空気供給部11と、燃料供給部12と、メインバーナ13と、パイロット用燃料供給部15と、パイロットバーナ16と、角型の燃焼室(缶体、吸熱手段)17と、排出通路18と、制御装置19と、を備えている。ここで、ボイラ10は、燃焼室17に蒸気ヘッダ6が接続されている。ボイラ10は、燃焼室17の内部に配置された水管が加熱されて発生する蒸気を蒸気ヘッダ6に送る。ボイラ10は、制御装置19に台数制御装置8が接続されている。制御装置19は、台数制御装置8から送信される信号(指示)に基づいて各種制御を実行する。また、ボイラ10は、燃料供給部12とパイロット用燃料供給部15とが燃料供給源30に接続されている。燃料供給源30は、燃料を貯留する燃料タンク等を備えており、燃料供給部12とパイロット用燃料供給部15とに燃料を供給する。
燃焼用空気供給部11は、メインバーナ13へ燃焼用空気(外気)を供給するものである。燃焼用空気供給部11は、送風機21と、送風機21からメインバーナ13へ燃焼用空気を供給する給気通路22とを備えている。
燃料供給部12は、メインバーナ13へガス燃料(燃料ガス)を供給する。燃料供給部12は、燃料ガスを供給する燃料供給管23と、燃料供給管23の燃料ガスの流量を調整する燃料調整弁24と、ノズル25とを備えている。燃料供給管23は、一方の端部が燃料供給源30に接続され、他方の端部がノズル25に接続されている。ノズル25は、給気通路22の流路内に燃料ガスを噴出するようになっている。ノズル25から給気通路22の流路内に噴射された燃料ガスは、送風機21から供給される燃焼用空気と混合される。
このように、燃料供給部12は、燃料供給源30から燃料供給管23に供給された燃料ガスをノズル25から給気通路22の内部に噴射する。これにより、給気通路22内で、送風機21から送風された燃焼用空気にノズル25から供給された燃料ガスが混合された混合ガスG1が生成される。ここで、燃料供給部12は、燃料調整弁24の開度等を調整して燃料供給管23の燃料ガスの流量を調整することで、ノズル25から給気通路22に噴射する燃料ガスの量を調整する。
メインバーナ13は、給気通路22の送風機21とは反対側の端部に連結されており、燃焼室17に露出している。メインバーナ13は、給気通路22を通過した混合ガスG1を燃焼室17に噴射し、燃焼室17内で燃焼させる。メインバーナ13は、多数の予混合ガス噴出孔が略同一平面上に形成された平面状の燃焼面を有する完全予混合式バーナである。メインバーナ13は、波板と平板とを交互に積層して矩形平板状に構成されている。なお、本実施形態では、メインバーナ13は予混合式バーナであるが、これに限定されるものではなく、予混合式バーナ以外の拡散混合型バーナ、旋回式バーナ等周知のバーナを用いることができる。
メインバーナ13によって燃焼室17に噴射された混合ガスG1は、メインバーナ13により燃焼され、高温の燃焼ガスG2となる。本明細書において、燃焼ガスG2とは、燃料ガスの燃焼反応が完了したもの及び燃焼反応中の燃料ガスの少なくとも一方を含む概念である。すなわち、燃焼ガスG2は、燃料ガスの燃焼反応が完了したもの及び燃焼反応中の燃料ガスの両方を有するものでもよいし、燃料ガスの燃焼反応が完了したもののみでもよいし、燃焼反応中の燃料ガスのみでもよい。
本実施形態のボイラ10は、燃料供給部12から供給する燃料ガスの量及び送風機21から給気通路22に供給する空気の量を調整することで、高燃焼モード、中燃焼モード、低燃焼モードの3段階の異なる燃焼量の燃焼モードでメインバーナ13による燃焼を実行することができる。高燃焼モードは、燃焼量が最も大きいモードである。中燃焼モードは、高燃焼モードよりも燃焼量が小さいモードである。低燃焼モードは、中燃焼モードよりも燃焼量が小さいモードである。
ここで、図1中、メインバーナ13から燃焼室17内に示した破線F1、F2、F3は、メインバーナ13で形成される火炎を概念的に表したものである。ボイラ10は、高燃焼モードを実行する場合、燃料ガスの供給量を最も多くし、破線F1で示す火炎を形成する。ボイラ10は、中燃焼モードを実行する場合、燃料ガスの供給量を高燃焼モードよりも少なくし、破線F2で示す火炎を形成する。破線F2で示す火炎は、破線F1に示す火炎よりも小さくなる。ボイラ10は、低燃焼モードを実行する場合、燃料ガスの供給量を中燃焼モードよりも少なくし、破線F3で示す火炎を形成する。破線F3で示す火炎は、破線F2に示す火炎よりも小さくなる。
パイロット用空気供給部14は、パイロットバーナ16へ燃焼用空気(外気)を供給するものである。パイロット用空気供給部14は、給気通路22に接続した給気通路60と、給気通路60と接続し給気通路60から供給された燃焼用空気をパイロットバーナ16へ供給する第1分岐管61及び第2分岐管62と、第1分岐管61に設置された均圧弁63と、第2分岐管62に設置された空気量調整弁64と、を備えている。
給気通路60は、一方の端部が給気通路22と接続し、他方の端部が第1分岐管61及び第2分岐管62と接続している。給気通路60は、給気通路22から燃焼用空気の少なくとも一部が供給され、供給された燃焼用空気を第1分岐管61及び第2分岐管62に供給する。第1分岐管61及び第2分岐管62は、一方の端部が給気通路60に接続され、他方の端部がパイロット用燃料供給部15の燃料供給管70に接続されている。第1分岐管61は、第2分岐管62よりも燃料の流れ方向において上流側となる位置の燃料供給管70にされている。第1分岐管61及び第2分岐管62は、給気通路60から供給された燃料用空気を燃料供給管70に供給する。ここで、燃料供給管70は、パイロットバーナ16に接続されている。均圧弁63は、第1分岐管61を流れる空気の風力量を均一化する弁である。空気量調整弁64は、開度を調整することで第2分岐管62を流れる空気の流量を調整する弁である。
パイロット用空気供給部14は、給気通路60に流入した燃焼用空気を第1分岐管61及び第2分岐管62の少なくとも一方から燃料供給管70に供給することで、燃焼用空気をパイロットバーナ16に供給する。ここで、パイロット用空気供給部14は、均圧弁63が設けられている第1分岐管61から均一の風力量の燃焼用空気を燃料供給管70に供給する。また、パイロット用空気供給部14は、空気量調整弁64の開度を調整することで、第2分岐管62からパイロットバーナ16へ供給する空気量を調整する。これにより、パイロット用空気供給部14は、第1分岐管61から燃料供給管70に均一の風力量の燃焼用空気を供給しつつ、第2分岐管61から燃料供給管70に供給する燃料用空気を調整することができ、燃料供給管70に供給する燃焼用空気の量を調整することができる。
本実施形態のパイロット用空気供給部14は、第1分岐管61と第2分岐管62の2つの経路を設け、均圧弁63によって均一の風力量の燃焼用空気を供給し、かつ、空気量調整弁64で供給する空気量を調整できるようにしたが、これに限定されない。パイロット用空気供給部14は、均圧弁63を設けた第1分岐管61と空気調整弁64を設けた第2分岐管62の一方のみを設けてもよい。また、本実施形態のパイロット用空気供給部14は、均圧弁63としてオリフィスを用いてもよい。また、本実施形態のパイロット用空気供給部14は、給気通路60を給気通路22に接続させ、給気通路60を給気通路22の分岐管とし、送風機21から供給される燃焼用空気を給気通路60に流入させてパイロットバーナ16へ供給したが、これに限定されない。パイロット用空気供給部14は、送風機21とは別体の送風機を備えてもよい。
パイロット用燃料供給部15は、パイロットバーナ16へガス燃料(燃料ガス)を供給する。パイロット用燃料供給部15は、燃料ガスを供給する燃料供給管70と、燃料供給管70に設置された開閉弁71、72と、バイパス管74と、バイパス管74に設けられた開閉弁80と、燃料供給管70に配置された流路抵抗82と、を有する。
燃料供給管70は、一方の端部が燃料供給源30に接続され、他方の端部がパイロットバーナ16に接続されている。また、燃料供給管70は、パイロットバーナ16と接続している側の端部近傍に上述したようにパイロット用空気供給部14の第1分岐管61と第2分岐管62とが接続され、燃焼用空気が供給される。燃料供給管70は、燃料供給源30から供給された燃料ガスとパイロット用空気供給部14から供給された燃焼用空気を混合してパイロットバーナ16に供給する。燃料供給管70は、パイロットバーナ16の流路内に燃料ガスと燃焼用空気の混合ガスを噴出するようになっている。
開閉弁71、72は、燃料供給管70に設置されており、燃料供給管70の開閉を切り換える。開閉弁71、72は、燃料供給管70の開閉を切り換えることで、燃料供給源30から供給された燃料ガスをパイロットバーナ16に供給するか否かを切り換える。パイロット用燃料供給部15は、燃料供給管70の開閉を切り換える2つの開閉弁71、72を設けることで、より安全な構成とすることができる。なお、開閉弁71、72は、1つでもよいし、1つ弁を開度が調整できる調整弁として、燃料供給管70の燃料ガスの流量を調整できるようにしてもよい。
バイパス管74は、燃料供給管70に接続された分岐管であり、両端が燃料供給管70に接続されている。具体的には、バイパス管74は、開閉弁71、72よりも下流側の部分の燃料供給管70に一方の端部が接続され、他方の端部が当該一方の端部よりも下流側の部分の燃料供給管70に接続されている。このように、バイパス管74は、燃料供給管70から分岐され、当該分岐された部分よりも燃料ガスの流れ方向下流側の燃料供給管70に連結する。バイパス管74は、燃料供給管70を流れている燃料ガスの一部が燃料ガスの流れ方向の上流側の端部から流入し、流入した燃料ガスを燃料ガスの流れ方向の下流側の端部から燃料供給管70に供給する。
開閉弁80は、バイパス管74に設置されており、バイパス管74の開閉を切り換える。開閉弁80は、バイパス管74の開閉を切り換えることで、バイパス管74に燃料ガスを流すか否かを切り換える。
流路抵抗82は、燃料供給管70の、バイパス管74が分岐する部分とバイパス管74が分岐した後に接続される部分との間に配置されている。流路抵抗82には、オリフィス、絞り等、燃料供給管70を流れる燃料ガスの流れの抵抗となる種々の部材を用いることができる。
このように、パイロット用燃料供給部15は、燃料供給源30から燃料供給管70に供給された燃料ガスとパイロット用空気供給部14から供給された燃焼用空気とを混合してパイロットバーナ16に噴射する。これにより、パイロットバーナ16内に、燃焼用空気と燃料ガスが混合された混合ガスG1aが噴射される。
ここで、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80の開閉を切り換えることで、燃料供給管70からパイロットバーナ16に供給する燃料ガスの量を調整する。これにより、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80の開閉によって、燃料ガスの供給量を2段階に切り替えることができる。
具体的には、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80が閉の場合、バイパス管74を介して燃料ガスが流れない。このため、パイロット用燃料供給部15は、燃料供給管70の流路抵抗82が設けられている流路を通過した燃料ガスのみがパイロットバーナ16に供給される。これに対して、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80が開の場合、バイパス管74と燃料供給管70の流路抵抗82が設けられている流路の両流路を介して燃料ガスが流れる。このため、パイロット用燃料供給部15は、燃料供給管70の流路抵抗82が設けられている流路を通過した燃料ガスと、バイパス管74を通過した燃料ガスがパイロットバーナ16に供給される。
燃料供給管70の流路抵抗82が設けられている流路は、流路抵抗82が設けられているため、燃料ガスが流れにくい。これに対して、バイパス管74は、流路抵抗82が設けられていないため、燃料ガスが流れやすい。したがって、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80を開とすることで、開閉弁80が閉の場合よりもより多くの燃料ガスをパイロットバーナ16に供給することができる。
パイロットバーナ16は、燃料供給管70の燃料供給源30とは反対側の端部に連結されており、燃焼室17に露出している。パイロットバーナ16は、メインバーナ13の近傍に配置されている。パイロットバーナ16は、燃料供給管70から供給された混合ガスG1aを燃焼室17に噴射し、燃焼室17内で燃焼させる。パイロットバーナ16は、メインバーナと同様に種々の方式のバーナを用いることができる。
パイロットバーナ16によって燃焼室17に噴射された混合ガスG1aは、パイロットバーナ16により燃焼され、高温の燃焼ガスG2aとなる。燃焼ガスG2aの成分は、基本的に燃焼ガスG2と同様である。パイロットバーナ16は、メインバーナ13で燃料ガスの燃焼を開始する際のパイロット(口火、種火)となる火炎を形成する。パイロットバーナ16は、燃料ガスの燃焼開始時に、燃料ガスに着火する着火機構を備えている。
本実施形態のボイラ10は、上述したように開閉弁80の開閉を切り換えることで、パイロット用燃料供給部15からパイロットバーナ16に供給する燃料ガスの量を2段階に切り換えることができる。つまり、本実施形態のボイラ10は、第1段階の燃焼モード(低出力モード)と、第1段階よりも燃焼量の大きい第2段階の燃焼モード(高出力モード)の2段階の異なる燃焼量の燃焼モードでパイロットバーナ16による燃焼を実行することができる。なお、ボイラ10は、燃料ガスの供給量の切り換えに同期して、パイロット用空気供給部14から燃料供給管70(パイロットバーナ16)に供給する空気の量も調整する。また、ボイラ10は、燃料ガスの供給量の切り換えに係らず、パイロット用空気供給部14から燃料供給管70(パイロットバーナ16)に供給する空気の量を一定としても良い。
第1段階の燃焼モードは、メインバーナ13の燃焼開始時の口火となり、ボイラ10の蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う燃焼モードである。第2段階の燃焼モードは、メインバーナ13よりも小さい燃焼量(つまり、メインバーナ13で実行する低燃焼モードの燃焼量よりも小さい燃焼量)かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う燃焼モードである。ここで、第2段階の燃焼モードは、燃焼量を、メインバーナ13の最大の燃焼量、つまり高燃焼モードの燃焼量の10%以上20%以下とすることが好ましい。
ここで、図1中、パイロットバーナ16から燃焼室17内に示した破線F1a、F2aは、パイロットバーナ16で形成される火炎を概念的に表したものである。ボイラ10は、パイロットバーナ16で第1段階の燃焼モードを実行する場合、開閉弁80を閉じて燃料ガスの供給量を少なくし、破線F1aで示す火炎を形成する。ボイラ10は、パイロットバーナ16で第2段階の燃焼モードを実行する場合、開閉弁80を開いて燃料ガスの供給量を多くし、破線F2aで示す火炎を形成する。破線F2aで示す火炎は、破線F1aに示す火炎よりも大きくなる。
燃焼室17は、燃焼ガスG2から吸熱する缶体である。燃焼室17は、上部管寄せ17Aと、下部管寄せ17Bと、水管群17Cとを備えている。水管群17Cは、上下方向に延在して設置された上部管寄せ17A及び下部管寄せ17Bを連結する多数の水管27を備えている。なお、上部管寄せ17Aの下部と下部管寄せ17Bの上部とには耐火物29が設けられている。
燃焼室17は、その内部の長手方向の両側に一対の連結壁を備えている。連結壁は、隣接する外側の水管同士を連結している。燃焼室17は、外側の水管、一対の連結壁、上部管寄せ17A及び下管寄せ17Bとで囲まれた空間が、メインバーナ13からの燃焼ガスG2が流通するガス流動空間Sとなる。燃焼室17は、ガス流動空間Sの一端にメインバーナ13を備え、他端に燃焼ガス出口32を備えている。燃焼ガス出口32は燃焼ガスG2が流通する排出通路18と接続されている。
燃焼室17は、下部管寄せ17Bに外部から水が供給される。これにより、下部管寄せ17B及び水管群17Cには、水管群17Cの所定位置まで水が貯留された状態となる。燃焼室17は、上部管寄せ17Aに蒸気供給管40が接続されている。燃焼室17は、水管群17Cの水管27内に貯留された水を燃焼ガスG2と熱交換させて蒸発させ、蒸気を発生させ、発生した蒸気を、蒸気供給管40を介して蒸気ヘッダ6に供給する。ここで、蒸気供給管40には、蒸気流量調整弁41が配置されている。燃焼室17は、蒸気流量調整弁41の開度を調整することで、燃焼室17の上部管寄せ17Aから蒸気ヘッダ6に供給される蒸気の量を調整することができる。
排出通路18は、燃焼室17で熱を奪われて温度が低下した燃焼ガスG2を外部へ排出する通路である。
制御装置19は、ボイラ10の各部の動作を制御し、発生させる蒸気量や、蒸気圧力を調整する。例えば、制御装置19は、台数制御装置8から送信される指示に基づいて、燃料調整弁24の開度や送風機21から供給する風量を制御し、メインバーナ13での燃焼モードを切り換える。ここで、制御装置19は、例えば、燃焼用空気と燃料ガスの比が設定した比となるように、燃料供給管23に供給される燃料ガスと燃焼用空気を調整する。
制御装置19は、パイロットバーナ16で実行する燃焼モードも制御する。ここで、ボイラ10は、水管群17Cの水位を検出する水位検出部35や、水位検出部35の蒸気圧力を検出する圧力検出部42aや、蒸気供給管40に設置され蒸気供給管40内の蒸気圧力を検出する圧力検出部42b等、各種センサを備えている。水位検出部35は、上部管寄せ17A及び下部管寄せ17Bと接続されている。水位検出部35は、上部管寄せ17A及び下部管寄せ17Bとの両方に接続されていることで、水管群17Cと同じ水位となり、また、水管群17C圧力となる。水位検出部35は、内部の水位を検出することで、水管群17Cの水位を検出する。制御装置19は、圧力検出部42a、42bで検出した蒸気の圧力に基づいて、パイロットバーナ16で実行する燃焼モードを決定し、パイロットバーナ16で決定したモードの燃焼を実行する。本実施形態では、蒸気圧力を検出する検出部として、圧力検出部42a、42bを設けたがこれに限定されない。ボイラ10は、圧力検出部42a、42bのいずれか一方のみを備えていてもよい。また、ボイラ10は、発生した蒸気の圧力を検出できればよく、検出位置は特に限定されない。さらにボイラ10は、発生した蒸気の圧力を検出できればよく、蒸気圧力以外の値を検出し、演算によって蒸気圧力を検出するようにしてもよい。
<ボイラの動作>
次に、本実施形態に係るボイラ10の動作を説明する。ボイラ10は、制御装置19が各部の動作を制御することで、各動作を実現する。制御装置19は、パイロット用空気供給部14とパイロット用燃料供給部15を駆動し、パイロットバーナ16から第1段階の燃焼モードでの燃焼を開始する。制御装置19は、メインバーナ13での燃焼を開始する指示を取得したら、燃焼用空気供給部11と燃料供給部12を駆動して、給気通路22に燃焼用空気を供給し、燃料供給管23から給気通路22に燃料ガスを噴射する。これにより、燃焼用空気と燃料ガスが給気通路22内において予混合され、混合ガスG1が生成される。生成された混合ガスG1は、給気通路22からメインバーナ13に供給され、メインバーナ13から燃焼室17に向けて噴射される。ここで、ボイラ10は、メインバーナ13の周囲に配置されたパイロットバーナ16が第1段階の燃焼モードで燃焼している。このため、メインバーナ13から燃焼室17に向けて噴射された混合ガスG1は、パイロットバーナ16の火炎により着火され、燃焼される。混合ガスG1は燃焼されることで、燃焼ガスG2となる。
次に、本実施形態に係るボイラ10の動作を説明する。ボイラ10は、制御装置19が各部の動作を制御することで、各動作を実現する。制御装置19は、パイロット用空気供給部14とパイロット用燃料供給部15を駆動し、パイロットバーナ16から第1段階の燃焼モードでの燃焼を開始する。制御装置19は、メインバーナ13での燃焼を開始する指示を取得したら、燃焼用空気供給部11と燃料供給部12を駆動して、給気通路22に燃焼用空気を供給し、燃料供給管23から給気通路22に燃料ガスを噴射する。これにより、燃焼用空気と燃料ガスが給気通路22内において予混合され、混合ガスG1が生成される。生成された混合ガスG1は、給気通路22からメインバーナ13に供給され、メインバーナ13から燃焼室17に向けて噴射される。ここで、ボイラ10は、メインバーナ13の周囲に配置されたパイロットバーナ16が第1段階の燃焼モードで燃焼している。このため、メインバーナ13から燃焼室17に向けて噴射された混合ガスG1は、パイロットバーナ16の火炎により着火され、燃焼される。混合ガスG1は燃焼されることで、燃焼ガスG2となる。
燃焼ガスG2は、メインバーナ13から燃焼室17内のガス流動空間Sへ向けて噴出される。混合ガスG1の燃焼に伴い生ずる燃焼ガスG2は、ガス流動空間Sを通過しながら水管群17Cの水管27内に貯留された水と熱交換して、水を蒸発させ、蒸気とする。水を蒸発させることにより生じた蒸気は上部管寄せ17Aを経由して蒸気供給管40に供給される。蒸気供給管40を通過した蒸気は、蒸気ヘッダ6に供給される。また、燃焼ガスG2は、燃焼ガスG2のガス流れ方向の上流側から下流側にかけて水管群17C内を流れ、水管内の水と熱交換される。そして、水管群17Cを通過した燃焼ガスG2は、燃焼ガス出口32から排出通路18に排出される。
また、制御装置19は、各種条件に基づいて、メインバーナ13、パイロットバーナ16の燃焼モードを切り換える。例えば、制御装置19は、台数制御装置8から送信される指示に基づいて、メインバーナ13の燃焼モードを切り換える。また、制御装置19は、無負荷状態で圧力を保持する状態の場合、パイロットバーナ16の燃焼モードを切り換える。
以下、図2及び図3を用いて、無負荷状態で圧力を保持する状態で実行される制御動作について説明する。ここで図2は、ボイラの制御動作の一例を示すフローチャートである。図3は、ボイラ圧力の変動の一例を示すグラフである。図2に示す処理は、制御装置19が各部の検出結果及び外部から入力される指示に基づいて処理を実行することで実現することができる。なお、制御装置19は、燃料ガスを燃焼している間、図2に示す処理を繰り返し実行する。
制御装置19は、ステップS12として無負荷状態で圧力を保持する状態であるかを判定する(ステップS12)。制御装置19は、台数制御装置8から送信される圧力要求の情報や台数制御装置8から送信される燃焼モードの指示、圧力検出部42a、42bで検出した圧力の検出値の変動に基づいて無負荷状態で圧力を保持する状態であるかの判定を行う。
制御装置19は、無負荷状態で圧力を保持する状態ではない(ステップS12でNo)、つまり、負荷がある状態や圧力を変動させる状態(目標圧力と現在の圧力との間に一定以上の差がある状態)であると判定した場合、本処理を終了する。制御装置19は、無負荷状態で圧力を保持する状態である(ステップS12でYes)と判定した場合、パイロットバーナ16を高出力モードに設定する(ステップS14)。制御装置19は、パイロットバーナ16を高出力モード(第2段階の燃焼モード)に設定したら、開閉弁80を開として、パイロットバーナ16での燃料ガスの燃焼を実行する。これにより、ボイラ10は、燃焼室17内に破線F2aの火炎が形成される。このとき、ボイラ10は、メインバーナ13での燃焼が停止しており、パイロットバーナ16のみで燃料ガスの燃焼が実行される。
次に、制御装置19は、圧力検出部42a、42bで圧力を検出する(ステップS16)。制御装置19は、圧力(蒸気圧力)を検出したら、検出した圧力が上限以上であるかを判定する(ステップS18)。ここで、圧力の上限とは、無負荷状態で圧力を維持する場合に許容範囲に設定されている範囲の上限の値である。
制御装置19は、圧力の上限以上ではない(ステップS18でNo)と判定した場合、ステップS22に進む。制御装置19は、圧力の上限以上である(ステップS18でYes)と判定した場合、パイロットバーナ16を低出力モードに設定し(ステップS20)、ステップS22に進む。制御装置19は、パイロットバーナ16を低出力モード(第1段階の燃焼モード)に設定した場合、開閉弁80を閉じて、パイロットバーナ16に供給する燃料ガスの量を少なくする。これにより、ボイラ10は、燃焼室17内に破線F2aよりも小さい破線F1aの火炎が形成される。なお、ステップS20でパイロットバーナ16が低出力モードである場合、燃焼モードはそのまま維持される。
制御装置19は、ステップS18でNoと判定した場合、またはステップS20の処理を実行した場合、検出した圧力が下限以下であるかを判定する(ステップS22)。ここで、圧力の下限とは、無負荷状態で圧力を維持する場合に許容範囲に設定されている範囲の下限の値である。
制御装置19は、圧力の下限以下ではない(ステップS22でNo)と判定した場合、ステップS26に進む。制御装置19は、圧力の下限以下である(ステップS22でYes)と判定した場合、パイロットバーナ16を高出力モードに設定し(ステップS24)、ステップS26に進む。制御装置19は、パイロットバーナ16を高出力モード(第2段階の燃焼モード)に設定した場合、開閉弁80を開いて、パイロットバーナ16に供給する燃料ガスの量を多くする。これにより、ボイラ10は、燃焼室17内に破線F1aよりも大きい破線F2aの火炎が形成される。なお、ステップS24でパイロットバーナ16が高出力モードである場合、燃焼モードはそのまま維持される。
制御装置19は、ステップS22でNoと判定した場合、またはステップS24の処理を実行した場合、メインバーナ13の点火指示があるかを判定する(ステップS26)。メインバーナの点火指示とは、メインバーナ13で火炎を形成する指示であり、本実施形態では高燃焼モード、中燃焼モード、低燃焼モードのいずれかでの燃料の燃焼を実行する指示である。
制御装置19は、メインバーナ13に点火指示がある(ステップS26でYes)と判定した場合、メインバーナ13の燃焼を開始し(ステップS28)、つまり高燃焼モード、中燃焼モード、低燃焼モードのいずれかでの燃料の燃焼を開始し、本処理を終了する。
制御装置19は、メインバーナ13に点火指示がない(ステップS26でNo)と判定した場合、停止処理を実行するかを判定する(ステップS30)。停止処理とは、メインバーナ13、パイロットバーナ16のいずれでも火炎の形成を行わない、つまり、燃焼室17での燃焼を停止する処理である。制御装置19は、停止処理を実行しない(ステップS30でNo)と判定した場合、ステップS16に戻り、蒸気圧力に基づいてパイロットバーナ16の燃焼モードを判定し、燃焼モードを維持するか切り換えるかの処理を実行する。
制御装置19は、停止処理を実行する(ステップS30でYes)と判定した場合、パイロットバーナ16の燃焼を停止し(ステップS32)、プレパージを実行し(ステップS34)、本処理を終了する。
ボイラ10は、無負荷状態で圧力保持する場合、図2に示す処理を行い、パイロットバーナの実行する燃焼モードを、蒸気圧力によって、メインバーナ13の燃焼開始時の口火となり、蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階の燃焼モード(低出力モード)と、第1段階よりも燃焼量の大きい燃焼モードであり、メインバーナ13よりも小さい燃焼量(つまり、メインバーナ13で実行する低燃焼モードの燃焼量よりも小さい燃焼量)かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階の燃焼モード(高出力モード)と、に切り換えることで、ボイラ10の蒸気圧力をより安定して保持することができる。具体的には、ボイラ10は、第1段階の燃焼モードで蒸気圧力を緩やかに低下させることができ、第2段階の燃焼モードで蒸気圧力を緩やかに上昇させることができる。これにより、メインバーナ13に点火せずに、蒸気圧力を保持する圧力近傍の範囲で保持することができ、メインバーナ13の点火で蒸気圧力が急激に上昇することを抑制でき、蒸気圧力をより安定させることができる。
また、パイロットバーナ16を用いて、メインバーナ13で実行する低燃焼モードの燃焼量よりも小さい燃焼量かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2モードを実行することで、メインバーナ13の構成を簡単にすることができる。つまり、メインバーナ13で実行する燃焼モードの燃焼量の幅を狭くできることで、送風機21の流量調整幅や燃料供給部12の燃料の供給量の調整幅を狭くすることができる。これにより、例えば、径の大きい給気通路22に少量の燃料を供給し、小さい火炎を形成させる必要が無いため、当該火炎の形成を実現するための特殊な機構を設ける必要がなく、メインバーナ13として従来から用いているバーナを用いることができる。
また、燃料も効率よく使用することができる。さらに、パイロットバーナ16を点火させた状態を維持できるため、プレパージの実行頻度を低減することができ、燃焼室17で発生した熱量を効率よく利用することができる。また、パイロットバーナ16に点火させた状態で、より長い時間、圧力を保持できるため、ステップS28のようにメインバーナ13での燃焼を開始する際に、すぐにメインバーナ13の燃焼を開始することができ、さらに所定の圧力に保持できているため、蒸気圧力が要求された圧力に上昇するまでの時間をより短くすることができる。
図3は、無負荷状態で圧力を保持する状態、つまり、目標圧力が一定でかつボイラ10から蒸気ヘッダ6に蒸気が供給されない状態のボイラ圧力の変動の一例を示すグラフである。図3は、縦軸をボイラ圧力(蒸気圧力)とし、横軸を経過時間とした。図3には、本実施形態のボイラ10によって無負荷状態で圧力を保持する制御を実行した場合の計測結果を示している。また、比較のため、パイロットバーナ16を備えないボイラ10によって無負荷状態で圧力を保持する制御を実行した場合の計測結果と、パイロットバーナ16で第1段階の燃焼モードの燃焼のみが使用可能なボイラ10によって無負荷状態で圧力を保持する制御を実行した場合の計測結果と、を示す。
図3に示すように、パイロットバーナ16を備えない場合、メインバーナ13での燃焼を停止すると蒸気圧力が徐々に低下する。その後所定の圧力以下となると、プレパージを行って、燃焼室17内の空気を入れ換えた後、メインバーナ13で燃料ガスを燃焼し、ボイラ圧力を上昇させる。この場合、メインバーナ13での燃焼停止時のボイラ圧力の低下速度が速く、プレパージによって一時的にボイラ圧力が急激に低下し、メインバーナ13の点火によりボイラ圧力が急激に上昇する。
次に、パイロットバーナ13で第1段階の燃焼モードの燃焼のみを使用した場合、メインバーナ13が停止した状態でもパイロットバーナ13が点火し、所定の圧力以下となると、メインバーナ13で燃料ガスを燃焼し、ボイラ圧力を上昇させる。この場合、メインバーナ13が停止した状態でもパイロットバーナが点火されている。このため、蒸気圧力の低下速度は、遅くなる。また、プレパージを行わないため、圧力の急激な低下を抑制できるが、メインバーナ13の燃焼によりボイラ圧力を上昇させているため、メインバーナ13の点火によりボイラ圧力が急激に上昇する。
次に、本実施形態のボイラは、ボイラ圧力(蒸気圧力)によって、パイロットバーナで第1段階の燃焼モードと第2段階の燃焼モードの燃焼を切り換える。ここで、ボイラは、基本的に、ボイラ圧力が低下している時間は、第1段階の燃焼モードで燃焼を行い、ボイラ圧力が上昇している時間は、第2段階の燃焼モードで燃焼を行っている。本実施形態のボイラは、ボイラ圧力を緩やかに低下させること及びボイラ圧力を緩やかに上昇させることができる。このため、他の2つの例に比べて、ボイラ圧力の調整範囲の幅を狭くすることができる。つまり、上述した各種効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。例えば、パイロット用燃料供給部15は、第1段階の燃焼モードと第2段階の燃焼モードに対応して供給する燃料の量を切り換えることができれば、図1の構成に限定されない。
例えば、パイロット用燃料供給部15は、開閉弁80と流路抵抗82を設ける配管を逆にしてもよい。つまり燃料供給管70のバイパス管74との連結部に挟まれた領域に開閉弁80を設け、バイパス管74に流路抵抗82を設けてもよい。
図4は、パイロット用燃料供給部の一例を示す図である。図4に示すパイロット用燃料供給部15aは、第1配管90と、第2配管92と、連結配管94と、開閉弁96、98と、を有する。第1配管90は、一方の端部が燃料供給源30に接続され、他方の端部が連結配管94に接続されている。第2配管92は、一方の端部が燃料供給源30に接続され、他方の端部が連結配管94に接続されている。連結配管94は、一方の端部が第1配管90及び第2配管92に接続され、他方の端部がパイロットバーナ16に接続されている。つまり、パイロット用燃料供給部15aは、燃料供給源30側が2本に分れ、パイロットバーナ16側が1本となるY字形状で燃料供給配管が接続されている。開閉弁96は、第1配管90に設置されており、第1配管90の開閉を切り換える。開閉弁96は、第1配管90の開閉を切り換えることで、燃料供給源30から供給された燃料ガスを連結配管94に供給するか否かを切り換える。開閉弁98は、第2配管92に設置されており、第2配管92の開閉を切り換える。開閉弁98は、第2配管92の開閉を切り換えることで、燃料供給源30から供給された燃料ガスを連結配管94に供給するか否かを切り換える。
パイロット用燃料供給部15aは、開閉弁96、98の開閉を切り換えることで、第1段階の燃焼モードの燃料の供給と、第2段階の燃焼モードの燃料の供給と、を切り換える。例えば、パイロット用燃料供給部15aは、開閉弁96を開とし、開閉弁98を閉とすることで、第1配管90からのみ連結配管94に燃料ガスを供給し、第1段階の燃焼モードに対応する量の燃料を供給する。また、パイロット用燃料供給部15aは、開閉弁96を開とし、開閉弁98を開とすることで、第1配管90、第2配管92の両方から連結配管94に燃料ガスを供給し、第2段階の燃焼モードに対応する量の燃料を供給する。このように燃料ガスを供給する配管の本数を1本とするか2本とするかで、供給する燃料の量を切り換えるようにしてもよい。
パイロット用燃料供給部15aは、例えば、第1段階の燃焼モードの場合、開閉弁96を開とし、開閉弁98を閉とすることで、第1配管90からのみ連結配管94に燃料ガスを供給し、第2段階の燃焼モードの場合、開閉弁96を閉とし、開閉弁98を開とすることで、第2配管92からのみ連結配管94に燃料ガスを供給することで、燃料の供給量を切り換えるようにしてもよい。この場合、第2配管92を第1配管90よりも大きくしたり、第1配管90に第2配管92よりも大きい流路抵抗を設けたりすることで、2つの配管に流れる燃料ガスの流量を異なる量とすることができ、パイロットバーナ16に供給する燃料の量を切り換えることができる。
また、パイロット用燃料供給部15は、燃料ガスを流す配管を複数経路設けることに限定されない。パイロット用燃料供給部15は、燃料ガスを流す配管に流路抵抗を変化させる機構を設け、燃料の流れやすさを調整することで、2つの燃焼モードに対応した量の燃料を供給するようにしてもよい。流路抵抗を変化させる機構としては、電磁弁、流量調整弁や可変の流路抵抗を用いることができる。
また、ボイラ10は、パイロットバーナ16の第2段階の燃焼モードをさらに複数段の燃焼モードに切り換え可能としてもよい。つまり、ボイラ10は、パイロットバーナ16で、メインバーナ13よりも小さい燃焼量かつ蒸気圧力が上昇する燃焼量である範囲で、複数の燃焼量に切り換え可能としてもよい。これにより、ボイラ10は、蒸気圧力をより多くの選択肢で調整することができるため、蒸気圧力をより細かく制御することができる。
6 蒸気ヘッダ
8 台数制御装置
10 ボイラ
11 燃焼用空気供給部
12 燃料供給部
13 メインバーナ
14 パイロット用空気供給部
15 パイロット用燃料供給部
16 パイロットバーナ
17 燃焼室(缶体、吸熱手段)
17A 上部管寄せ
17B 下部管寄せ
17C 水管群
18 排出通路
19 制御装置(制御部)
21 送風機
22 給気通路
23 燃料供給管
24 燃料調整弁
25 ノズル
27 水管
29 耐火物
30 燃料供給源
32 燃焼ガス出口
35 水位検出部
40 蒸気供給管
41 蒸気流量調整弁
42a、42b 圧力検出部
60 給気通路
61 第1分岐管
62 第2分岐管
63 均圧弁
64 空気量調整弁
70 燃料供給管
71、72、80 開閉弁
74 バイパス管
82 流路抵抗
G1 混合ガス
G2 燃焼ガス
S ガス流動空間
8 台数制御装置
10 ボイラ
11 燃焼用空気供給部
12 燃料供給部
13 メインバーナ
14 パイロット用空気供給部
15 パイロット用燃料供給部
16 パイロットバーナ
17 燃焼室(缶体、吸熱手段)
17A 上部管寄せ
17B 下部管寄せ
17C 水管群
18 排出通路
19 制御装置(制御部)
21 送風機
22 給気通路
23 燃料供給管
24 燃料調整弁
25 ノズル
27 水管
29 耐火物
30 燃料供給源
32 燃焼ガス出口
35 水位検出部
40 蒸気供給管
41 蒸気流量調整弁
42a、42b 圧力検出部
60 給気通路
61 第1分岐管
62 第2分岐管
63 均圧弁
64 空気量調整弁
70 燃料供給管
71、72、80 開閉弁
74 バイパス管
82 流路抵抗
G1 混合ガス
G2 燃焼ガス
S ガス流動空間
Claims (3)
- 燃焼室と、
蒸気圧力が上昇する燃焼量の燃焼を前記燃焼室で行うメインバーナと、
前記メインバーナの燃焼開始時の口火となり、前記蒸気圧力が降下する燃焼量で燃焼を行う第1段階と、前記メインバーナよりも小さい燃焼量かつ前記蒸気圧力が上昇する燃焼量で燃焼を行う第2段階と、で燃焼を行うパイロットバーナと、
前記メインバーナの燃焼と前記パイロットバーナの燃焼を制御する制御部と、を有することを特徴とするボイラ。 - 前記パイロットバーナに燃料を供給する燃料供給管と、
前記燃料供給管に配置され、前記パイロットバーナに供給する燃料の供給量を2段階の供給量で切り換え可能な調整機構と、を有し、
前記制御部は、前記調整機構によって燃料の供給量を切り換えることで、前記パイロットバーナの前記第1段階の燃焼と前記第2段階の燃焼とを実行させる請求項1に記載のボイラ。 - 前記蒸気圧力の値を検出する圧力検出装置、をさらに有し、
前記制御部は、外部から送信される圧力要求と前記圧力検出装置の検出値とに基づいて、前記メインバーナの燃焼を制御し、
前記メインバーナでの燃焼を停止した場合、前記圧力検出装置で検出した前記蒸気圧力の検出値に基づいて、前記パイロットバーナの燃焼を前記第1段階と前記第2段階とで切り替え、前記蒸気圧力を目標値に近づけることを特徴とする請求項1または2に記載のボイラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012257980A JP2014105905A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | ボイラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012257980A JP2014105905A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | ボイラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014105905A true JP2014105905A (ja) | 2014-06-09 |
Family
ID=51027550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012257980A Pending JP2014105905A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | ボイラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014105905A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7069803B2 (ja) | 2018-02-16 | 2022-05-18 | 三浦工業株式会社 | 燃焼装置 |
-
2012
- 2012-11-26 JP JP2012257980A patent/JP2014105905A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7069803B2 (ja) | 2018-02-16 | 2022-05-18 | 三浦工業株式会社 | 燃焼装置 |
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