JP3886653B2 - バーナ用点火トーチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラ等の火炉の主バーナから噴射された燃料に着火し、主バーナの安定した燃焼を生じさせるための点火用火炎を形成するバーナ用点火トーチに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボイラ火炉等においては、主バーナとは別に点火用火炎を形成する点火トーチを設け、点火トーチにより形成した火炎により主バーナから噴射された燃料に着火して主バーナの安定した燃焼を確保することが行なわれている。
【0003】
図7は一般に使用される主バーナ用ガス焚き点火トーチの構成を示す断面図、図8は、図7のVIII−VIII方向矢視図を示している。
【0004】
図7、図8において、10は点火トーチ全体を示す。点火トーチ10は、略円筒形状の金属製外筒17、外筒17中心軸線に沿って配置されたトーチノズル19を備えている。図7に示すように、トーチノズル19は内部にガス燃料(例えばプロパン等)が流れる燃料通路を有する円筒形状とされ、先端部には燃料を噴射する主噴孔20が、先端部近傍の側面にはパイロット噴孔21が、それぞれ複数個ずつ形成されている。また、トーチノズル19周囲にはパイロット噴孔19近傍の位置に保炎器18が配置されている。図7、図8に24で示すのはパイロット噴孔21から噴射されたパイロット燃料への初期点火を行なう点火プラグ、25は主噴孔20から噴射された燃料の燃焼を確認するための火炎検出器である。
【0005】
トーチ10の燃焼用空気(以下、トーチ空気と称する)は外筒17内に供給され図7に矢印で示す如く開口部17aに向かう空気流を形成する。パイロット噴孔21から噴射されたパイロット燃料は点火プラグ24のスパークにより着火し、主噴孔20から噴射された燃料を燃焼させる火種となる。保炎器18はトーチ空気流の保炎器18直下流側に安定した低速の循環渦を形成し、主噴孔20から噴射された燃料の着火点を安定させる火炎安定化機能を有している。
【0006】
図9はボイラ火炉16における点火トーチ10と主バーナ4との配置を示す図である。図9に示すように、点火トーチ10は主バーナ4のバーナノズル5に隣接して火炉壁1に配置される。主バーナ4の燃焼空気は、図示しない供給源から主バーナ4を取り巻く風箱3内に供給され、風箱3からバーナノズル4周囲を通って火炉16内に供給される。バーナノズル5から噴射された燃料は点火トーチ10により形成されるトーチ火炎15により着火し、火炉16内に主バーナ火炎14を形成する。図9において、11はトーチ空気供給配管、12は主バーナ燃料配管、13はトーチ燃料配管である。
【0007】
なお、図7に示すように点火トーチ10のトーチノズル19先端は外筒17の開口部17aより内部に位置しており、トーチノズル19から噴射された燃料はトーチ空気により供給される酸素のみによりまず外筒17内で燃焼し、次いで外筒17外では主バーナ燃焼空気により供給される酸素により燃焼し外筒開口部17aから火炉16内に延びるトーチ火炎15を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
バーナ用点火トーチはいかなる場合にも主バーナ燃料に着火可能なトーチ火炎を維持することが要求される。このためには、点火トーチは主バーナ燃焼空気の高速気流との接触や火炉内の圧力の急激な変化等の外乱に耐えて常に安定した火炎を提供できるものである必要がある。このような外乱に影響を受けずに安定したトーチ火炎を維持するためには、トーチ空気の点火トーチ入口と出口とにおける差圧(すなわちトーチ空気流速)を一定範囲内に維持するとともに、更にトーチ燃料量に対するトーチ空気量(空気比)をも一定範囲内に維持することが必要とされることが、実験的に判明している。
【0009】
図10は、トーチ空気としてフレッシュエア(大気、すなわち酸素濃度約20パーセントの空気)を使用した場合の、一般的な点火トーチの着火特性とトーチ空気差圧と空気比との関係を示す図である。図10において、縦軸はトーチ空気の出入口差圧(mmAq)を、横軸は空気比λ(トーチ空気により供給される酸素量と、燃料を完全燃焼させるのに必要な理論酸素量との比)を、それぞれ表している。また、図10ではトーチ燃料として液化石油ガス(LPG、プロパン90パーセント)を使用した場合について示している。
【0010】
図10に示すように、一般的に点火トーチの安定した着火性能が得られるのは、トーチ空気差圧で約50〜100mmAqであり、かつ空気比λが0.2から0.5の範囲であることが判明している。すなわち、トーチ空気差圧がこの範囲より大きいとトーチ内での空気流速の過大による着火不良や火炎の吹き消えが生じる。また差圧が上記より小さくなると、流速の不足による外乱の影響の増大等によりトーチ火炎が不安定となる問題がある。一方、空気比が0.2以下の場合には酸素不足となりトーチ燃料に着火しないか、或いは着火してもトーチ外筒内で火炎が消失してしまい、空気比が0.5以上の領域では空気量が過大となりトーチ燃料が希釈されてしまうため着火が生じなくなる問題が生じる。このため、トーチ空気としてフレッシュエアを用いた場合、安定したトーチ火炎を形成するためにはトーチ空気差圧と空気比との両方をを上記の範囲内に調整する必要がある。
【0011】
ところが、近年ボイラ火炉などでは排気性状の改善のため主バーナ燃焼空気に燃焼排気を混合する排気再循環(GR)が行なわれる場合が増大している。しかも、排気の混合率(GR率)は増加傾向にあり、主バーナ燃焼空気の20%以上の量の排気を混入する場合も多くなっている。このように多量の排気再循環を行なう場合には主バーナ燃焼空気の酸素濃度はフレッシュエアに較べてかなり低くなる。また、ガスタービン/ボイラユニット等のコンバインドサイクルに使用されるボイラでは、ガスタービン排気をそのまま主バーナ燃焼空気として使用するものもあり、この場合には主バーナ燃焼空気中の酸素濃度は約13%程度まで低下することになる。
【0012】
ところが、従来の点火トーチではこのような低酸素濃度の空気を使用すると安定したトーチ火炎を維持できなくなる問題が生じる。
【0013】
前述のように、安定したトーチ火炎を維持するためには、トーチ空気差圧と空気比(酸素量)との両方を一定の範囲に維持する必要がある。しかし、トーチ空気として低酸素濃度の空気を使用した場合には、従来と同じ量のトーチ空気を供給したのでは空気比が小さくなってしまい酸素不足のために点火トーチで着火不能もしくは着火後にトーチ内での火炎の消失が生じることになる。一方、これを防止するために空気比を増大させて充分な量の酸素を供給しようとすると、トーチ空気量は全体として過大になり燃料が希釈されトーチ内での着火不能が生じたりトーチ空気の流速が過大となり着火しても火炎が吹き消えてしまう問題が生じる。
【0014】
このため、従来の点火トーチでは、主バーナに排気再循環を行なう場合でも主バーナと同じ低酸素濃度の燃焼空気を使用することはできず、トーチ空気として別途フレッシュエアを供給する必要があった。
【0015】
図11は、主バーナに排気再循環を行なう場合の従来のトーチ空気供給系統を模式的に示す図である。図11に示すように、ボイラ火炉の排気は火炉16から誘引通風機31により空気加熱器33を通って排出される。また、燃焼用のフレッシュエアは大気から押込通風機30により圧送され、空気加熱器33を通って排気と熱交換後、火炉出口から再循環ガス通風機32により供給される排気と混合され低酸素濃度の燃焼空気となって主バーナ空気配管36から風箱3を経由して主バーナ4に供給される。この場合、上述したように従来の点火トーチでは主バーナ4の低酸素濃度の燃焼空気を使用することができないため、空気加熱器33下流側の排気混入前のフレッシュエアをトーチ空気として供給する必要があり、空気加熱器33下流側から点火トーチ10まで点火トーチ用空気配管11を主バーナ空気配管36とは別に設ける必要があった。このため、配管系統が複雑になり配管コストの増大によるボイラ等の建設コストが上昇する問題があった。
【0016】
本発明は上記問題に鑑み、燃焼用空気として低酸素濃度の空気を使用可能とし、主バーナに排気再循環を行なう場合にも点火トーチ用燃焼空気系統を別途設ける必要のないバーナ用点火トーチを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、主バーナ点火用の火炎を形成するバーナ用点火トーチであって、外筒と、外筒内に延設されトーチ燃焼用空気流路を形成する内筒と、該内筒内のトーチ燃焼用空気流に燃料を噴射するトーチノズルと、噴射された燃料とトーチ燃焼用空気とにより筒内にトーチ火炎を形成する火炎形成手段と、前記内筒と外筒との間に形成された燃焼用2次空気流路と、前記内筒の壁面に形成され前記形成された火炎に燃焼用2次空気を噴射する2次空気供給口と、前記内筒を前記外筒に対して外筒軸線方向に移動させ前記火炎に対する燃焼用2次空気供給位置を外筒軸線方向に沿って変化させる手段と、を備えたバーナ点火用トーチが提供される。
【0023】
以下、請求項1に記載の発明の作用について説明する。
【0024】
請求項1の発明では、点火トーチ外筒内に形成されたトーチ火炎に外筒内の所定の位置で2次空気が供給される。例えばトーチ空気として低酸素濃度の空気を使用した場合、トーチ内の空気流速をフレッシュエアの場合と同等に設定すると、トーチ燃料は着火はするものの生成した火炎がトーチ外筒内で酸素不足のために消失する問題がある。本発明では、トーチ内空気流速を従来と同等に設定した場合でも、火炎に外筒内で2次空気により酸素を供給するようにしたことにより、酸素不足による外筒内での火炎の消失が防止され安定したトーチ火炎が外筒外まで延びるようになる。この場合2次空気供給位置は、例えば着火後の火炎が酸素不足により消失する位置より上流側に設定し、消失前に火炎に酸素を供給するようにすることが好ましい。
【0029】
なお、2次空気は内筒と外筒との間に形成された2次空気流路を通り内筒壁面からトーチ火炎に供給される。また、燃焼用2次空気供給位置を外筒軸線方向に沿って変化させる手段により、内筒は外筒に対して外筒軸線方向に移動可能とされているため、外筒内で火炎に2次空気を供給する位置を外筒軸線方向に沿って変化させ、トーチ空気の酸素量や使用燃料が異なる場合でも適切な位置に2次空気を供給し火炎の消失を防止することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明のバーナ用点火トーチの一実施形態を示す図7と同様な断面図である。なお、図1において、図7と同じ参照符号は図7と同じ要素を表すものとする。
【0032】
図1において、100は点火トーチ全体を示す。本実施形態では、点火トーチ100は略円筒形状の金属製外筒117と、外筒117と同心に配置された内筒140とを備えている。また、内筒140内には、図7と同様なトーチ19、保炎器18、点火プラグ24及び火炎検出器25が配置されている。本実施形態では、内筒140は固定内筒140aと固定内筒140a先端周囲に装着され、固定内筒140aに対して軸線方向に摺動可能な可動内筒140bとから構成される。可動内筒140b先端部近傍の周壁には後述する2次空気を内筒半径方向に向けて噴出する複数の2次空気噴出孔148が配置されている。図1に143で示すのは、2次空気噴出孔143近傍の可動内筒壁面に配置された火炎温度検出用の、例えば熱電対からなる温度センサである。
【0033】
本実施形態では、トーチノズル19から噴射される燃料の燃焼用の1次空気(トーチ空気)は外筒117外周に設けられたトーチ空気入口144から外筒117と固定内筒140aとの間に形成される環状のトーチ空気室144aに入り、トーチ空気室144aから固定内筒周壁に開口する複数の1次空気入口146を通り固定内筒144a内に流入する。上記環状トーチ空気室144aは隔壁149により後述する2次空気室152と分離されている。固定内筒144a内に流入したトーチ空気(1次空気)は、保炎器18と固定内筒144a内壁との間を通過して固定内筒144a、可動内筒144b及び外筒117内を流れ、外筒117の開口117aから火炉内に噴出する。
【0034】
また、本実施形態では外筒117外周にはトーチ空気入口144の他に2次空気入口145が設けられている。2次空気は、この2次空気入口145から外筒117、固定内筒140a及び隔壁149により区画された環状の2次空気室152に流入する。可動内筒144bは、両端に外筒117内壁と摺接する摺動フランジ141a、141bとを備えており、内筒140b外壁、外筒117内壁及び摺動フランジ141a、141bにより環状の2次空気流路142が形成される。2次空気室152内の2次空気は、摺動フランジ141aに設けられた連通孔147から2次空気流路142に流入し、可動内筒140bの先端近傍の2次空気噴出孔148から内筒140bの半径方向に噴出する。
【0035】
可動内筒140bは、ロッド170を介して図示しない適宜な駆動機構に接続されている。これにより、外部から駆動機構を操作することにより可動内筒140bを摺動フランジ141a、141bを介して固定内筒140a外壁と外筒117内壁と摺動しつつ外筒117軸線方向に沿って移動させることが可能となっている。本実施形態では、可動内筒140bを軸線方向に沿って移動させることにより、2次空気噴出孔148の位置、すなわち2次空気供給位置を外筒軸線方向に沿って変化させることが可能となっている。
【0036】
本実施形態では、トーチ100は排気再循環を実施する主バーナに使用されており、トーチ空気及び2次空気には主バーナの燃焼空気と同じ酸素濃度の低い空気が使用される。また本実施形態では、固定内筒140a内に供給されるトーチ空気(1次空気)の固定内筒140a入口と出口との差圧(トーチ空気流速)は従来と略同等(例えば50〜100mmAqの範囲)に設定されている。
【0037】
この場合、トーチノズル19から噴射された燃料は点火プラグ24により点火され、保炎器18により火炎を一旦形成するが、火炎への酸素供給は酸素濃度の低いトーチ空気(1次空気)のみによって行なうと、酸素量不足により火炎維持が困難となり一旦形成された火炎は保炎器18からある程度の長さで消失してしまい、外筒開口117a外部に延びる火炎を形成することができない。また、充分な酸素を供給するためにトーチ空気(1次空気)の固定内筒出入口の差圧を上記範囲より増大すると、トーチ空気流速が過大になり着火不能もしくは火炎形成が困難となる。
【0038】
そこで、本実施形態では固定内筒出入口の差圧は保炎器18での安定な火炎形成を可能とする範囲(例えば50〜100mmAq)に設定するとともに、トーチ空気により形成された火炎が酸素不足により消失する前に可動内筒140bの2次空気噴出孔148から火炎に2次空気を供給することにより火炎の消失を防止している。
【0039】
この場合、2次空気供給位置は温度センサ143で検出した火炎(または燃焼ガス)温度が着火可能温度以上の位置とする必要がある。すなわち、ガス温度が着火温度(例えば900℃)以上になっている場合には火炎が一旦消失して不輝炎の状態になっていても、酸素を補給すれば燃焼ガスは再度自己着火するが、ガス温度が着火温度以下になるとガスを自己着火させることはできないためである。そこで、本実施形態では駆動機構により可動内筒140bを外筒軸線方向に沿って移動させ、温度センサ143で検出した温度が予め定めた値(着火可能温度)となる位置に2次空気供給位置(2次空気噴出孔148位置)を調節するようにしている。これにより、外筒内の火炎には充分な量の酸素が供給されるようになり、火炎の外筒117内での消失が防止され、酸素濃度の低い空気をトーチ空気として使用した場合にも外筒開口117aから充分な長さに延びる安定した火炎が形成されるようになる。
【0040】
図2は、本実施形態のように2次空気を外筒内に供給する場合の火炎の安定条件を示す実験結果である。図2において縦軸はトーチ空気(1次空気)の固定内筒140a出入口での差圧(mmAq)を、横軸は使用したトーチ空気及び2次空気の酸素濃度(%)を示し、各計測点の数字はトーチ全体としての空気比、すなわちトーチ空気と2次空気とにより供給される酸素の合計量と、燃料を完全燃焼させるのに必要な理論酸素量との比を表している。また、図2においてもトーチ燃料として液化石油ガス(LPG、プロパン90パーセント)を使用している。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の点火トーチではトーチ空気差圧を50〜100mmAqの範囲に、トーチ全体の空気比を0.2〜0.5程度の範囲に設定した場合、トーチ空気及び2次空気の酸素濃度を12%程度まで大幅に低下させた場合でも安定したトーチ火炎を形成することができることが確認された。
【0042】
図3は、図1の実施形態の点火トーチを排気再循環を行なう主バーナに適用した場合の火炉外壁における配置を示す図9と同様な図、図4はこの場合の図11と同様な空気供給系統図である。図3、図4において図9、図11と同一の参照符号は同様な要素を表している。図3、図4に示すように、本実施形態では、トーチ空気と2次空気とは、排気混入後の主バーナ空気配管36から分岐するトーチ空気配管111により供給され、トーチ空気用流量調整弁154と2次空気用流量調整弁155とにより流量を調節された後、各点火トーチ100のトーチ空気入口144と2次空気入口145とからトーチ100に供給される。このため、主バーナ空気配管36からのトーチ空気配管111分岐位置を点火トーチ100に近い位置に設定することが可能となり、配管111の配管長を短縮するとともに、配管系統を簡素化することが可能となっている。
【0043】
次に、図5、図6を用いて本発明の点火トーチの第2の実施形態について説明する。図1から図4の実施形態では、主バーナ用の空気配管36から分岐したトーチ空気配管111により点火トーチ100にトーチ空気と2次空気とを供給していた。これに対して、本実施形態では主バーナの風箱から点火トーチにトーチ空気と2次空気を供給するようにしてトーチ用空気配管を完全に廃止可能とした点が相異している。
【0044】
図5は、本実施形態の点火トーチの構造を示す図1と同様な断面図である。図5において図1と同一の参照符号は同様な要素を表している。
【0045】
図5の実施形態の点火トーチ200は図1の点火トーチ100とほぼ同一の構造とされているが、トーチ空気入口244及び2次空気入口245には配管が接続されておらず、風箱3内に開口している点が相異している。また、トーチ空気入口244及び2次空気入口245には、それぞれ板状のトーチ空気用流量調整用ダンパ254と1次空気用流量調整ダンパ255が設けられている。流量調整用ダンパ254、255はそれぞれ、図示しない開度調節機構に接続された回動軸257、258周りに回動し、トーチ空気入口244と2次空気入口245の開口面積を変化させることにより空気流量を調整するものである。本実施形態では、ダンパ254と255との開度は風箱3外から手動または適宜なアクチュエータにより調節可能となっている。図5において、37は風箱3の外板、256はボルト等によりトーチ200を風箱外板37に固定するためのトーチ取り付け板である。前述したように、風箱3には主バーナ空気配管36から低酸素濃度の主バーナ用の燃焼空気が圧送されており、風箱3内は一定の正圧に維持されている。このため、流量調整用ダンパ254と255とを風箱3外部から適宜な開度に調整することにより、トーチ空気と2次空気との量をそれぞれ適切な値に設定することができる。
【0046】
図6は、本実施形態の点火トーチを排気再循環を行なう主バーナに適用した場合の火炉外壁における配置を示す図3と同様な図である。図6に示すように、本実施形態ではトーチ空気と2次空気とを主バーナ5用の風箱3内から供給するようにしたため、点火トーチ200への配管はトーチ燃料配管13のみとなり空気配管系統が大幅に簡素化されるとともに、配管コストが低減される。
【0047】
なお、上述の各実施形態では、可動内筒144bを軸線方向に沿って移動させる駆動機構は温度センサ検出値が所定温度になるように操作員が手動で操作するようにしても良いし、温度センサ検出値に基づいて自動制御するようにしても良い。
【0048】
例えば、通常トーチ燃料やトーチ空気(主バーナ燃焼空気)酸素濃度等は一旦最適値に設定すればその後の運転中には大幅には変動しない。従ってこのような場合には、例えば運転開始次に操作員が温度センサ143の指示値を監視しながら、可動内筒の144bのロッド170を手動操作して、可動内筒144bを適切な位置に設定した後、ロッド170を固定するようにしても良い。
【0049】
また、運転中に主バーナ空気酸素濃度が変動するような場合には、ロッド170をサーボ機構に接続し、温度センサ143出力に基づいてサーボ機構をフィードバック制御することにより、常時適切な位置に可動内筒144bを制御するようにすることも可能である。
【0050】
また、上記各実施形態では点火トーチ燃料としてガス燃料を使用する場合を例に取って説明したが、本発明は液体燃料を使用する点火トーチにも適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、燃焼用2次空気供給位置を外筒軸線方向に沿って変化させる手段備え、点火トーチ外筒内の所定位置に2次空気を供給するようにしたことにより、トーチ空気として低酸素濃度の空気が使用可能となる。このため、請求項1に記載の発明は排気再循環を行なうバーナに本発明を使用する場合に空気配管を簡素化し配管コストを低減可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバーナ用点火トーチの一実施形態の構造を示す断面図である。
【図2】図1の実施形態の点火トーチの火炎の安定条件を示す実験結果である。
【図3】図1の実施形態の点火トーチの火炉外壁における配置を示す図である。
【図4】図1の実施形態の点火トーチを使用するボイラの空気供給系統図である。
【図5】本発明のバーナ用点火トーチの別の実施形態の構造を示す図1と同様な断面図である。
【図6】図5の実施形態の点火トーチの火炉外壁における配置を示す図3と同様な図である。
【図7】従来の一般的な主バーナ用ガス焚き点火トーチの構成を示す断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII方向矢視図である。
【図9】従来の一般的な点火トーチの火炉外壁における配置を示す図である。
【図10】一般的な点火トーチの着火特性を示す図である。
【図11】排気再循環を行なうボイラの従来の一般的なトーチ燃焼空気供給系統図である。
【符号の説明】
19…トーチノズル
100、200…主バーナ用点火トーチ
117…外筒
140a…固定内筒
140b…可動内筒
148…2次空気噴出孔
143…温度センサ
Claims (1)
- 主バーナ点火用の火炎を形成するバーナ用点火トーチであって、
外筒と、外筒内に延設されトーチ燃焼用空気流路を形成する内筒と、
該内筒内のトーチ燃焼用空気流に燃料を噴射するトーチノズルと、
噴射された燃料とトーチ燃焼用空気とにより筒内にトーチ火炎を形成する火炎形成手段と、
前記内筒と外筒との間に形成された燃焼用2次空気流路と、
前記内筒の壁面に形成され前記形成された火炎に燃焼用2次空気を噴射する2次空気供給口と、
前記内筒を前記外筒に対して外筒軸線方向に移動させ前記火炎に対する燃焼用2次空気供給位置を外筒軸線方向に沿って変化させる手段と、
を備えたバーナ点火用トーチ。
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