JP2022553569A - うつ病性障害の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特定の実施形態では本開示が人間のうつ病性障害を治療するための方法に関し、該方法は治療有効量のN-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド(化合物A)を、それを必要とするヒトに経口投与することを含む。本開示は、化合物Aの治療および投与の様々な改良された方法をさらに対象とする。【選択図】図1

Description

うつ病性障害(Depressive disorders)は米国の成人2000万人以上に発症する。うつ病性障害は、機能が妨げられるほど重症の、あるいは持続的な悲しみによって特徴付けられ、しばしば活動に対する興味または喜びが減少する。精神疾患の診断統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、第5版(DSM-5)では、大うつ病性障害(しばしば大うつ病と呼ばれる)や持続性うつ病性障害(気分変調症(dysthymia))のように特定の症状によって分類するものと、月経前不快気分障害、他の疾患によるうつ病性障害、または物質/薬物誘発うつ病性障害のように病因によって分類するものがあり、また、双極性障害(躁うつ病)もうつ病の一種である。うつ病性障害の正確な原因は不明であるが、遺伝的および環境的要因が関与していることが知られている。
うつ病性障害の第一選択治療(first-line treatments)は、一般的に、支援、精神療法、および抗うつ薬のうちの1つ以上を含む。うつ病性障害の治療には選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン調節薬(5-HT遮断薬)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルエピネフリン・ドパミン再取り込み阻害薬、非定型抗うつ薬、三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)、メラトニン作動性抗うつ薬、ケタミン様薬など、いくつかの薬物クラスと薬物が使用でき、SSRIがしばしば最初の選択薬となる。しかし、多くの場合、うつ病性障害に対する適切な抗うつ薬治療を見つけることは試行錯誤的なアプローチをとる可能性がある。なぜなら、一部の抗うつ薬は部分的にしか効果がなく、治療作用の発現が遅いことや望ましくない副作用など、さらなる制限を伴うからである。承認されている抗うつ薬のほとんどは、同じセロトニン作動性経路とノルアドレナリン作動性経路を共有しているため、メカニズムの多様性が制限され、患者の転帰の改善や個別化治療アプローチの機会がほとんど残されていない。
罹患した成人数、障害クラスの数および複雑さ、および第一選択の抗うつ薬のしばしばの非効果性および機構的同質性(mechanistic homogeneity)に起因して、大うつ病を含むうつ病性障害の新規かつ有効な処置が当該技術分野において依然として必要とされている。本開示はうつ病性障害を治療するための組成物および方法ならびに用途を提供することによって、この必要性に対処し、他の関連する利点を提供する。
本開示は小分子N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミド(本明細書では、「化合物A」と呼ぶ)の特定方法および用途を記載する。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とするヒトにおけるうつ病障害を治療する方法であって、治療有効量(therapeutically effective amount)の化合物Aをヒトに投与することを含む方法に関する。ある特定の場合には、化合物Aの投与によって治療されるうつ病性障害が大うつ病性障害(MDD)、破壊性気分調節障害、持続性うつ病性障害、双極性スペクトラム障害、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性感情障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、焦燥(agitation)または不安を伴ううつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態では化合物Aの投与によって治療されるうつ病性障害は、大うつ病性障害(MDD)である。
追加の実施形態において、治療有効量の化合物Aを投与することを含む、うつ病性障害を治療する方法は、ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を増強することをさらに含む。
別の実施形態では、本開示は、ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口方法または開口を促進(enhancing)する方法であって、ヒトに有効量の化合物Aを投与することを含み、ヒトは本明細書に記載されるものなどのうつ病性障害を有する。
いくつかの態様において、Kv7カリウムチャネルはKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上である。特定の例において、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5カリウムチャネルのうちの1つ以上の開口または開口促進は、Kv7.1よりも選択的である。他の例ではこの方法がKv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口または開口促進を含む。
一実施形態では、本開示は、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害を治療する方法を提供し、化合物Aは、ヒトに経口投与される。特定の例において、ヒトへの経口投与は1回当たり2~200mgの化合物Aの用量を含む。他の例ではヒトへの経口投与は、1日当たり5~1000mgの用量を含む。
化合物Aは、現在、発作障害の治療のために開発されている小分子であり、カリウムチャネル調節剤としてのその使用は、米国特許第8,293,911号および第8,993,593号ならびに米国出願番号16/409,684および16/410,851に開示されており、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。この目的のために、特定の背景情報および手順をより詳細に記載する様々な参考文献が本明細書中に記載され、各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1は、ビヒクル、1mg/kgの化合物A、3mg/kgの化合物A、およびイミプラミン投与(x軸)についての不動潜時の平均時間(秒、y軸)のグラフ表示を含むマウス強制水泳試験の結果を示す。 図2は、ビヒクル、1mg/kgの化合物A、3mg/kgの化合物A、およびイミプラミン投与(x軸)についての平均不動時間(2~6分)(秒、y軸)のグラフ表示を含むマウス強制水泳試験の結果を示す。 図3は、ビヒクル、1mg/kgの化合物A、3mg/kgの化合物A、およびイミプラミン投与(x軸)についての平均不動時間(0~6分)(秒、y軸)のグラフ表示を含むマウス強制水泳試験の結果を示す。 図4は、1mg/kgおよび3mg/kg投与(x軸)についての、血漿および脳中の化合物A濃度(μM、y軸)のグラフ表示を含む。
本開示は、化合物Aのための新規かつ改良された方法および使用、特に、経口投与を含む、それを必要とするヒト患者に化合物Aを投与することによるうつ病性障害の治療のための方法および使用に関する。
以下の開示では、様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、本明細書に記載された方法および使用がこれらの詳細を伴わずに実施され得ることを理解するであろう。他の例では、周知の構造が実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、詳細には示されておらず、説明されていない。文脈上別段の要請がない限り、本明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という単語およびその変形、例えば、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」は、オープンな意味で解釈されるものとし、すなわち「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供される見出しは、便宜上のものに過ぎず、特許請求される発明の範囲又は意味を解釈するものではない。
本明細書を通じて、「一実施形態」または「実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明した特定の特徴(features)、構造(structures)、または特性(characteristics)が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な場所で「一実施形態において」または「実施形態において」という表現が現れるのは、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特別な特徴、構造又は特性は1以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられ得る。また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は内容が別段の明示をしない限り、複数の参照語を含む。また、「または」という用語は、内容が明確に定められていない限り、「および/または」を含む意味で用いられることに留意されたい。
4.1.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において、以下の用語および略語は、特に断りのない限り、示された意味を有する。
「化合物A」は以下の式
Figure 2022553569000002
を有し、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドの化学名を有する化合物を指す。化合物Aの調製およびKv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)オープナーとしてのその使用は、米国特許第8,293,911号および第8,993,593号ならびに米国出願シリアル番号16/409,684および16/410,851に開示されている。化合物Aは神経細胞の興奮性の制御に重要な電位依存性カリウムチャネルKv7.2およびKv7.3(Kv7.2/Kv7.3)の開口を増強し、促進する点で、最も知られているAEDとは異なる。化合物Aは、本明細書に記載の方法および用途において使用される。
本明細書で使用される「治療有効量」とは、記載された疾患、障害、もしくは状態を治療するのに十分であるか、またはヒト被験体における疾患、障害、もしくは状態、または疾患、障害、もしくは状態の基礎となる1つ以上の機構に対して所望の記載された効果を有する化合物Aの量をいう。特定の実施形態では、化合物Aがうつ病性障害の治療のために投与される場合、治療有効量はヒトへの投与により、ヒトにおけるうつ病性障害を治療もしくは改善するか、またはうつ病性障害を有するヒトにおいて検出可能な治療効果を示す化合物Aの量を指す。この効果は例えば、うつ病発作の数の減少によって、またはうつ病発作の重症度の減少によって検出することができる。
本明細書で使用される「治療」とは、ヒト対象における疾患、障害、または状態、または1つ以上の基礎的なメカニズムの進行を遅らせるまたは止めることを含む、示された疾患、障害、もしくは状態、または1つ以上の前記疾患、障害、または状態の基礎的なメカニズムを改善する化合物Aの投与に関連する治療用途をいう。特定の実施形態において、化合物Aがうつ病性障害の治療のために投与される場合、治療とは、うつ病性障害の進行を遅らせる又は停止させるための治療的適用及び/又はうつ病性障害からの回復を意味する。うつ病性障害の回復は、うつ病性障害の進行を停止させるだけでなく、うつ病性障害がない場合に観察されるであろう正常状態にある程度まで細胞挙動を変化させる点で、うつ病性障害を遅らせるかまたは停止させる治療用途とは異なる。いくつかの実施形態では、化合物Aの投与を含むうつ病性障害の治療が、うつ病性障害の非存在下で観察されるであろう正常レベルへの、1つ以上のKv7カリウムチャネル(例えば、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、および/またはKv7.5、特にKv7.2および/またはKv7.3、任意選択でKv7.1を超える)の細胞活性の変化を伴う。
「摂食条件下(Under fed conditions)」とは、化合物Aの有効量(例えば、治療有効量範囲内)の経口投与の約4時間前から化合物Aの投与の約4時間後までの間に食品を摂取した状態を指す。食物は、胃内で急速に溶解及び吸収されないような十分なかさ及び脂肪含量を有する固体、液体又は固体及び液体の混合食品であってもよい。いくつかの例では、食品は、朝食、昼食、夕食などの食事、または代替として、ベビーフード(例えば、粉ミルクまたは母乳)である。治療有効量の化合物Aは、例えば、食事をする約30分前から約2時間後までの間に対象に経口投与されてもよく、最も有利には、化合物Aの投薬単位が食事中に、または食事を食べた後15分以内に経口投与される。
「絶食条件下(Under fasted conditions)」とは、治療有効量の化合物Aの経口投与の少なくとも4時間前から化合物Aの投与の約4時間後までの間に食物を摂取しなかった状態をいう。
4.2.実施形態
いくつかの実施形態では、本開示は、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害を治療する方法であって、治療有効量の化合物Aをヒトに(例えば、経口的に)投与することを含む方法を対象とする。特定の場合において、化合物Aの投与を含み治療されるうつ病性障害は、大うつ病性障害(MDD)、破壊性気分調節障害、持続性うつ病性障害、双極性スペクトラム障害、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性感情障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、焦燥または不安に伴ううつ病、またはそれらの組み合わせである。特定の実施形態において、投与される化合物Aの量は、うつ病性障害の重症度、うつ病性障害の頻度、またはその両方を減少させるのに十分である。特定の実施形態では、化合物Aの投与を含み治療されるうつ病性障害が大うつ病性障害(MDD)である。
いくつかの実施形態において、治療有効量の化合物Aを投与することによってうつ病性障害を治療する方法は、ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を促進することを含む。
さらなる実施形態において、本開示は、強迫性障害(OCD)、パニック障害、社会不安障害、社会恐怖症、広場恐怖症、パニック障害を伴う広場恐怖、心気症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、治療抵抗性双極性障害、全般性不安障害、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、双極性I型障害、双極性II型障害、躁うつ病、気分循環性障害および特定されない双極性障害、ジスチミア性障害特定されないうつ病性障害、小うつ病、再発性短期うつ病性障害、うつ病型精神病、衝動制御障害、統合失調症、統合失調症様障害、統合失調感情障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、ハンチントン病、トゥレット症候群、攻撃性、および薬物の使用および/または乱用、またはこれらの組み合わせを治療する方法に向けられており、治療有効量の化合物Aをそれを必要とする人間に投与することを含む。
特定の実施形態では、本開示は、有効量の化合物Aを投与することによって、それを必要としているヒトにおいて、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、および/またはKv7.5カリウムチャネルなどのKv7カリウムチャネル、特にKv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルを開口させ又は促進させることを含む方法または使用を提供し、一部のそのような実施形態では、ヒトは本明細書に記載されるようなうつ病性障害を有する。
特定の例では、本明細書に記載される方法または使用は、Kv7.1を超えるKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上のKv7カリウムチャネルの開口を選択的に開くか、または強化することを含む。いくつかの実施形態では、方法または使用は、Kv7.1よりもKv7.2に対して選択的である。他の実施形態では、方法または使用は、Kv7.1よりもKv7.3に対して選択的である。さらに他の実施形態では、方法または使用は、Kv7.1よりもKv7.4に対して選択的である。さらに他の実施形態において、方法または使用は、Kv7.1よりもKv7.5に対して選択的である。特定の実施形態では、方法または使用は、Kv7.1よりもKv7.2およびKv7.3に対して選択的である。特定の実施形態では、方法または使用は、他のKv7カリウムチャネルよりもKv7.2およびKv7.3に対して選択的である。特定の実施形態では、方法または使用は、Kv7.4およびKv7.5よりもKv7.2およびKv7.3に対して選択的である。
一実施形態において、本明細書に記載される方法および使用、例えば、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害の治療方法またはその治療における使用は、治療有効量の化合物A、例えば、約0.05mg/kg~約2.0mg/kgを、(例えば、経口的に)投与することによって達成される。より具体的な代表的な量としては、0.05mg/kg、0.10mg/kg、0.20mg/kg、0.30mg/kg、0.40mg/kg、0.5mg/kg、0.6mg/kg、0.7mg/kg、0.80mg/kg、0.90mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kgおよび2.0mg/kg、または前述の量の2つをエンドポイントとして使用して作成した任意の範囲の量である。いくつかの態様において、方法または使用は、0.1~1.0mg/kgの化合物Aを(例えば、経口的に)投与することを包含し、いくつかの態様において、方法は0.2~0.5mg/kgの化合物Aを(例えば、経口的に)投与することを包含する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および使用(例えば、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害の治療またはその治療における使用)は治療有効量の化合物A(例えば、2~200mgの化合物A)を、一回または分割して(例えば、経口的に)投与することによって達成される。例えば、方法は単回または分割用量で、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、約100mg、約101mg、約102mg、約103mg、約104mg、約105mg、約106mg、約107mg、約108mg、約109mg、約110mg、約111mg、約112mg、約113mg、約114mg、約115mg、約116mg、約117mg、約118mg、約119mg、約120mg、約121mg、約122mg、約123mg、約124mg、約125mg、約126mg、約127mg、約129mg、約130mg、約131mg、約132mg、約133mg、約134mg、約135mg、約136mg、約137mg、約138mg、約139mg、約140mg、約141mg、約142mg、約143mg、約144mg、約145mg、約146mg、約147mg、約148mg約149mg、約150mg、約151mg、約152mg、約153mg、約154mg、約155mg、約156mg、約157mg、約158mg、約159mg、約160mg、約161mg、約162mg、約163mg、約164mg、約165mg、約166mg、約167mg、約168mg、約169mg、約170mg、約171mg、約172mg、約173mg、約174mg、約175mg、約176mg、約177mg、約178mg、約179mg、約180mg、約181mg、約182mg、約183mg、約184mg、約185mg、約186mg、約187mg、約188mg、約189mg、約190mg、約191mg、約192mg、約193mg、約194mg、約195mg、約196mg、約197mg、約198mg、約199mg、または約200mgを投与することを含むことができ、または、前述の量のうちの2つをエンドポイントとして使用することによって作成される任意の範囲の量を(例えば、経口的に)投与することができる。いくつかの態様において、方法または使用は、単回または分割用量で5~50mgの化合物Aを経口投与することを含む。いくつかの態様において、方法または使用は、単回または分割用量で10、20、または25mgの化合物Aを経口投与することを含む。いくつかの態様において、方法または使用は、単回または分割用量で20mgの化合物Aを経口投与することを含む。
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法および使用(例えば、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害の治療方法または使用)は、少なくとも20mgの化合物A、例えば、少なくとも25、30、35、50、75、または100mgを(例えば、経口的に)投与することによって達成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法および使用、例えば、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害の治療方法または使用は、1日当たり少なくとも50mgの化合物A、例えば、1日当たり少なくとも60、75、85、100、125、150、175、または200mgの化合物Aを(例えば、経口的に)投与することによって達成される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法及び使用は、例えば、治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害の治療方法または使用は、例えば、1日当たり5~1000mgの化合物A、例えば、1日当たり5~500mgまたは5~250mgの化合物Aの治療有効量を(例えば、経口)投与することによって達成される。例えば、方法又は使用は、1日当たり約5mg、約10mg、約15mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約165mg、約170mg、約175mg、約180mg、約185mg、約190mg、約195mg、約200mg、約205mg、約210mg、約215mg、約220mg、約225mg、約230mg、約235mg、約240mg、約245mg、約250mg、約255mg、約260mg、約265mg、約270mg、約275mg、約280mg、約285mg、約290mg、約295mg、約300mg、約305mg、約310mg、約315mg、約320mg、約325mg、約330mg、約335mg、約340mg、約345mg、約350mg、約355mg、約360mg、約365mg、約370mg、約375mg、約380mg、約385mg、約390mg、約395mg、約400mg、約405mg、約410mg、約415mg、約420mg、約425mg、約430mg、約435mg、約440mg、約445mg、約450mg、約455mg、約460mg、約465mg、約470mg、約475mg、約480mg、約485mg、約490mg、約495mg、約500mg、または約1000mgの化合物Aを、(例えば、経口的に)投与することを含むことができ、または前述の量の2つをエンドポイントとして用いることにより作成された量の範囲を(例えば、経口的に) 1日当たり投与することができる。いくつかの態様において、方法または使用は、1日当たり10~200mgの化合物A、例えば、1日当たり10、15、20、25、30、35、または40mg~75、100、125、150、175、または200mgの化合物A(1日当たり20~150mgを含む)を経口投与することを包含する。いくつかの態様において、経口投与は1日当たり50、75、100、または125mgの化合物A、例えば、1日当たり100mgを含む。
特定の例において、化合物Aの上記の1日用量は1日当たり2回、3回、4回、または5回用量など、1日当たり複数回の用量として(例えば、経口的に)投与される。例えば、100mgの1日用量は、1日を通して、5回の20mg、4回の25mg、3回の33.3mg、または2回の50mg用量で投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、化合物Aの上記の1日用量は単回用量として(例えば、経口的に)投与される。例えば、1日当たり約5、10、15、20、25、または30mg~約50、65、75、100、125、または150mgの化合物Aを単回用量として経口投与でき、単回用量として1日当たり10~25mg、10~30mg、および10~40mg、例えば1日当たり10~25mgを単回用量として投与することを含む。関連して、先の段落で論じた化合物Aの用量のいずれかを単位剤形に含めることができる。
特定の実施形態では、本明細書に記載の方法および使用は、本明細書に開示される毎日の投薬を使用する場合、6~9日以内、例えば約1週間以内に化合物Aの定常状態を達成する。
さらなる実施形態において、治療有効量の化合物Aを(例えば、経口的に)投与することによってうつ病性障害を治療する上記の方法または使用は、摂食条件下でのヒトへの化合物Aの投与を含む。いくつかの実施形態では、摂食条件下の(すなわち、食物とともに、または食物の摂取に時間的に近接した)ヒトへの化合物Aの経口投与は、絶食条件下の(すなわち、食物なしで、または食物の摂取に時間的に近接しない)ヒトへの化合物Aの経口投与と比較して、化合物Aの生体利用能(bioavailability)および曝露を有意に増強する。いくつかの実施形態では、摂食条件下でのヒトへの化合物Aの経口投与は、同量の化合物Aを絶食条件下でヒトに経口投与した場合と比較して、化合物Aに対する1つ以上の薬物動態パラメータ(例えば、Cmax、AUCinf、Tmax、t1/2λz等)を増大させる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法および使用は、化合物Aおよび1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、薬学的に許容される経口組成物の形態で化合物Aを投与する。これらの組成物に含まれる化合物Aの量は、本明細書に記載の量の1つ以上に相当し得る。いくつかの実施形態では、組成物は単位用量である。
化合物Aを含む薬学的に許容される経口組成物の例には、固体製剤(錠剤、カプセル、ロゼンジ、糖衣錠、顆粒、粉末、ウェーハ、多粒子、およびフィルムなど)、液体製剤(水溶液、エリキシル、チンキ剤、スラリー、懸濁液、および分散液など)、ならびにエアロゾル化製剤(ミストおよびスプレーなど)が含まれる。一実施形態では、化合物Aの薬学的に許容される経口組成物は、小児用懸濁液または顆粒を含む。化合物Aの上記の全ての量、例えば5、10、15、10、25、30、または35mgの化合物Aを含むカプセルは、そのような製剤に含まれてもよい。
別の実施形態では、経口投与によるうつ病性障害の治療のために、化合物Aを経口投与するためのキットが提供される。このようなキットは、化合物Aを経口投与するための説明書と組み合わせて、化合物Aの複数の経口投与単位形態を含む。
本開示のさらなる実施形態および例が、本明細書に記載される。これらの実施形態および実施例は例示的なものであり、特許請求される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
5.実施例
行動的絶望のげっ歯類モデル(rodent model of behavioral despair)(すなわち、マウス強制水泳試験)における化合物Aの効果を決定するために研究を行った。さらなる分析により、強制水泳試験における化合物Aの総全脳-血漿比を決定した。認められたうつ病モデルにおける化合物Aの効果(もしあれば)を決定するために、さらなる研究を行う。
実施例1.マウス強制水泳試験
目的:マウス強制水泳試験を用いて、化合物Aの潜在的有効性を評価するための研究を行った。強制水泳試験は、行動的絶望のモデルであり、様々なクラスの抗うつ薬の検出に感受性がある(Can et al.,The Mouse Forced Swim Test.J.Vis.Exp.2012(59),e3638,DOI:10.3791/3638)。
研究デザイン:40匹の雄CD-Iマウスは、試験開始前に試験設備に1週間順応させた(表1に事象を要約した)。動物は、ケージあたり5匹収容し、ネズミの餌と水を自由に摂取できるようにし(SOP ROD.03.01,SOP ROD.04.01, SOP ROD.18)、12時間/12時間の明暗周期(light/dark cycle)で維持し、すべての実験活動は動物の明周期で行われた。すべての動物使用手順は、カナダ動物管理協議会(CCAC)の原則に従って実施した。
Figure 2022553569000003
化合物Aの製剤化:化合物A(純度99.4%)を秤量し(純度補正なし)、目的の最終濃度の20倍でDMSOに溶解した。化合物Aの20×DMSOストック溶液を、0.5%メチルセルロース水溶液で20倍に希釈して、最終的な所望の濃度を達成した。化合物Aが微細な懸濁液として沈殿した場合に、撹拌またはボルテックス混合により、均質な懸濁液が得られた。上記の製剤を室温に保ち、各用量投与の前に連続的に撹拌するか、またはボルテックス混合した。被験物質を表2に要約する。
Figure 2022553569000004
強制水泳試験:40匹の雄のCD-Iマウスに、ビヒクル、被験物質またはポジティブコントロール(表3に処置を要約した)を適切な用量で投与した。所定の前処理時間(Can et al.,2012)の後、動物を、水(20~25℃)で満たした背の高いガラスシリンダーに静かに入れた。マウスは、活発に活動した後、特徴的で容易に識別可能な不動姿勢をとった。水泳試験は、不動の持続時間を計測した。6分間の試験で、最初に不動状態になるまでの潜時を記録した(秒単位)。試験の最後の4分間の間における不動時間(秒)も測定した。0~2分の活動または不活動は記録しなかった。
Figure 2022553569000005
結果:強制水泳試験の結果を表4および図1~3に示す。
Figure 2022553569000006
Figure 2022553569000007
統計分析:表4の結果について、表5~14に示すように、T-検定、単変量検定、ダネット検定(Dunnett's tests)を用い、有意性を検定した。
Figure 2022553569000008
Figure 2022553569000009
Figure 2022553569000010
Figure 2022553569000011
Figure 2022553569000012
Figure 2022553569000013
Figure 2022553569000014
Figure 2022553569000015
Figure 2022553569000016
表5-13は、化合物Aがマウス強制水泳試験モデルにおいて統計的に有意な効果を示すことを示す。例えば、3mg/kg用量では、不動状態までの潜時、2~6分、0~6分の結果について、それぞれ0.042、0.015、0.007(例えば、<0.05)の両側T-検定スコアが与えられた。
血液と脳の採取:強制水泳試験の直後に、被験物質を投与したすべての動物をイソフルラン吸入剤で麻酔し、心臓穿刺によりカリウムEDTA採血管(SOP ROD.14.02)に最終採血(terminal blood collection)(~1ml)を行った。全血から血漿を3000rpm、4℃、5分間の遠心分離により、単離した。単離後、血漿をクライオバイアル(cryovials)に入れ、バイオ分析のために出荷するまで-80℃で凍結した。採血後、動物を断頭し、標準操作手順書(SOP ROD.59)に従って全脳を採取した。脳は重量を測定後、急速冷凍し、出荷まで-80℃で保存した。化合物Aの血中濃度および脳内濃度を図4に示す。1および3mg/kg用量での全脳/血漿比(B/P比)は、2.2であったことから、インビボ(in vivo)での中枢神経系への浸透は良好であることが示唆される。
5.2.実施例2.尾懸垂試験(Tail Suspension Test)
尾懸垂試験(TST)は、マウスにおける抗うつ剤様活性を評価するための最も広く使用されているモデルの1つとなっている。この試験は、尾によって吊り下げられる短期間の避けられないストレスを受けた動物が不動の姿勢を発達させるという事実に基づいている。プロトコルはCryan,J.F.ら、Neurosci.Biobehav.Rev.2005,29:571-625に記載されている。
説明:装置は3つのケージそれぞれの2つの懸垂装置からなり、6匹のマウスを同時に試験することができる。各マウスは、ストレインゲージに接続されたフックに接着テープで尾部によって吊り下げられる。ストレインゲージはマウスの動きをすべて拾い上げ、これらを中央ユニットに送信し、その信号はデジタル化される。信号はLEDを使用して視覚的に表示され、各ユニットが正常に動作していることをオンラインで確認することができる。中央ユニットには、レベルフィルタリング装置(1~9)があり、このレベルフィルタリング装置は、任意の感度に設定することで、動物や内臓の微小な動きから身体全の動きまでを最大限に識別することができる。
パラメータ:「不動持続時間」は、測定される主なパラメータである。これは、動物の動きがレベルフィルタリング装置によって決定された閾値を超えない時間の累積から計算される。試験中に動物が消費した「エネルギー」は、個々の動作の累積振幅を任意の単位で測定する。「運動の力」は、試験中に動物が消費した総エネルギーを動物が活動している合計時間(任意単位)で割ったものから計算される。3つのパラメータすべてについて、コンピュータはデータ収集、実験スケジュールの生成(無作為化)、および結果のグループ分け(平均値、中央値、およびSEMは各処置群について自動的に計算される)を提供する。
手順:試験当日に、マウスを、ハウジングコロニー室から試験室に移動させ(輸送の間、ケージはフィルターで覆われている)、フィルターの覆いを直ちに取り除き、試験前に少なくとも1時間マウスが妨害されないようにする。次いで、マウスに薬物を投与し、投与1時間後(PO)または30分後(IP)に、無作為化方式に従ってTST装置にマウスを尾で吊るす(例えば、粘着テープで)。試験は、3つのパラメータ全てについての測定値を得るために6分間継続する。実験は、08:00~12:30の間に行われる。通常、処置群につき12匹のマウスを使用する。
薬物処置:化合物Aおよびイミプラミンを、上記実施例1の表2に記載の濃度で製剤化し、TSTの30分前に投与する。各実験について、少なくとも1つの対照群を含めて取り扱い、厳密に同一の実験条件下で並行して試験する。
統計量:各実験について、パラメータ「不動時間」に対する統計量的有意性を一元配置分散分析(ANOVA)を用いて評価し、必要に応じて、ダネット検定を用いて事後解析を行う。パラメータ「エネルギー」と「動作の力(power of movements)」の正規性のテストが失敗した場合、グループ間比較は順位に関するKruskal-Wallis一元配置分散分析を用いて実施され、必要に応じてダネット検定を用いて事後解析を行う。3つのパラメータすべてについて、p<0.05の値を統計的に有意であるとみなす。
5.3.実施例3 ショ糖嗜好性と頭蓋内自己刺激
ショ糖摂取と頭蓋内自己刺激(ICSS)は、げっ歯類における慢性軽度ストレス(CMS)誘発行動障害のための快楽的測定法である。プロトコルはNielsen,C.K.ら、Behav.Brain Res.2000,107:21-33に記載されている。CMSモデルを用いて化合物Aの潜在的有効性を評価するために研究を行う。
対象:試験開始時に体重250~300gおよび220~240gの雄ウィスターラットおよび雄ピエボール・ビロール・グラクソ(PVG)フードラットを使用する。ラットを、ポリカーボネートケージ中に個別にまたは一対で収容し、12時間の明:暗周期(06:00の明)で維持する。試験によって必要とされる場合を除いて、動物は、食物および水への自由なアクセスを有する。温度(22±1℃)、相対湿度(55±5%)、空気交換(1時間に16回)は自動的に制御されている。体重は、全ての実験の間、毎週測定される。
薬物処置:化合物Aおよびイミプラミンを製剤化し、上記実施例1の表2に記載の濃度でストレスレジームおよび/または頭蓋内自己刺激中に、毎日投与する。各実験について、少なくとも1つの対照群を含め、取り扱い、厳密に同一の実験条件下で並行して試験する。
ストレスレジーム:2つの異なるストレスレジーム(CMS-1およびCMS-2)を使用する。CMS-1の各週は、2回の摂餌制限(8時間および19時間)、3回の水不足(6、7、19時間)、2回の45度ケージ傾斜(7および16時間)、2回の17時間ペア飼育、1回の17時間汚れたケージ(100gおがくず敷料に水200ml)、1回の6時間低照度ストロボ照明(150閃光:分)、48時間の明暗反転の期間から構成されている。CMS-2の各週は、17時間の摂餌・摂水制限とその後の2時間の摂餌制限、17時間の摂水制限とその後の1時間の空瓶暴露、17時間の汚れたケージでのペア飼育(100gのおがくずに水200ml)、1時間の小型ケージへの閉じ込め(25x10x10cm)、1日の照明、週末に64時間の明暗周期の反転の期間から構成されている。
5.3.1 ヘドニック測定
ショ糖摂取:ラット(一部の実験ではWistarラット、他の実験ではPVGフードラット)に週2回(火曜日および金曜日)、1%ショ糖溶液を摂取するように習得させる。この習得は、20時間の餌と水不足の後、自宅のケージでショ糖溶液を提示する1時間のベースライン試験8-10回からなる。ショ糖摂取量は、試験の前後にボトルを秤量することによって測定される。ベースラインレベルが安定した後、CMSプロトコルの間、同様の条件下で、実験期間中、週1回(水曜日)の間隔でショ糖消費量を測定する。ショ糖試験前の食物および水の欠乏はCMSレジームに含まれるその後のストレッサーが課せられるストレッサーであり、以前のストレッサー履歴は、その後の分析では考慮されない。
頭蓋内自己刺激:ラット(一部の実験はWistarラット、その他の実験はPVGフードラット)をペア飼育し、手術前に2週間馴化させる。それらを麻酔し、耳間線の2.7mm下に切歯棒をセットした定位固定フレームに取り付ける。ステンレス製バイポーラ電極を、腹側被蓋部(VTA)に片側ずつ、電極の先端を0.5mm離して埋め込む。用いられる座標は、耳間線の前方3.2mm、正中線から横0.6mm、頭蓋骨表面から腹側8.2mmである。電極アセンブリを頭蓋骨に固定するために、5つのステンレス鋼製ネジと歯科用セメントを使用する。術後2週間、各ラットは、音を減衰させた箱の中に置かれた試験室で、頭蓋内電気刺激の報酬のために鼻を突き刺すように訓練される。床の1cm上の側壁に位置する穴(直径2.5cm)に鼻を突き刺すと、収束光線が遮断され、定電流刺激装置による脳刺激が開始される。ノーズポークは0.5秒間の単相性矩形波パルス(各0.1ms)を発生させる。刺激密度が極端に高くならないように、1秒間の固定間隔の強化スケジュールで刺激を与える。電気刺激およびデータ記録は、コンピュータおよびインターフェースで制御される。ラットは、運動障害を引き起こすことなく可能な限り高い反応率を維持するために、最初は固定刺激周波数70Hz、個別に選択した電流強度(70~300mA)で訓練される。ラットは毎日40分のセッションで約3週間訓練される。その後、電流強度を一定に保ちながら周波数を段階的に変化させて変化率-周波数曲線(rate-frequency curves)を確立する。2分間隔で、周波数を減少させ、次いで、1.1~1.9log Hz(10~85Hz)の範囲で0.05~0.2log単位ステップで周波数を増加させる。各セッションは、各周波数の2分間の試行を15回行い、各試行の最初にプライミング刺激を1回行う。周波数の減少系列はウォームアップ段階として使用され、つまり、上昇系列で得られたデータのみがその後の計算に使用される。周波数の増加系列は、それぞれ最大と最小の反応率で少なくとも2つの隣接点を持つ上昇曲線が得られるように個別に選択される。本研究では、CMSの報酬への影響を評価するために、曲線シフト法の変化率-周波数バージョンを採用した。変化率-周波数関数の特性、特に、オペラント運動能力に対するICSS報酬効果の分離に関しては、広範囲に検証され、研究されている。ICSS行動は、最大反応率の50%をサポートする周波数、有効周波数(effective frequency)(EF50)を決定することによって評価される。「破線」原理に基づいて、EF50を推定するための数学的モデルを説明する。この方法は、信頼性が高く安定したEF50の推定を可能にする各試験日に、観察された反応率(ノーズポーク(NP):2分試験)を課した周波数(F)のlog10の関数としてモデル化し、各ラットの上昇変化率-周波数曲線が作成される。この関数は3つの線形セグメント、すなわち、最小応答(NPmin)を通る水平下側漸近線、最大応答(NPmax)を通る水平上側漸近線、および漸近線間の線形遷移(a+bF)からなる。最後のNPminと最初のNPmaxの間のデータ(M)のみが含まれる。これは、以下の式で表すことができる:
1.M={(F,NP(F)|max{F|NP(F)=NPmin
≦F≦min{F|NP(F)NPmax}}|を考慮し、
2.f(F)min(max(a+bF,NPmin),NPmax)を最小二乗法でMのデータに当てはめる。曖昧な場合には、bが最も小さい関数を用いる。
最大応答率の50%をサポートする周波数として定義される有効周波数(EF50)が決定される。シミュレーション周波数の軸に沿った横方向の曲線シフト、すなわちEF50の変化は、刺激の報酬効果の変化を反映する。変化率-周波数試験を週2回(火曜日および金曜日)行う。最大応答が増加または減少傾向を示さず、EF50が10~12%未満で変化した場合、安定した応答が達成される。その後、動物を2つの一致したグループ(matched groups)に割り当てる。
5.3.2 実験計画法
CMS-1レジームにさらされたWistarラットのるショ糖摂取量への影響(上記参照):Wistarラットを実験開始の4週間前に実験室に持ち込む。ストレスプロトコルによって必要とされる場合を除き、動物を個別に飼育される。ベースラインのショ糖摂取量に応じて、動物を2つの対応したグループに割り当てる。一方のグループは6週間CMS-1にさらされ、もう一方のグループは標準的な実験室条件で維持される。
CMS-1レジームにさらされたPVGフードラットのショ糖摂取量への影響(上記参照):PVGフードラットを実験開始の3週間前に実験室に持ち込む。ストレスプロトコルによって必要とされる場合を除き、動物を個別に飼育する。ベースラインのショ糖摂取量に応じて、動物を2つの対応したグループに割り当てる。一方のグループのラットは9週間CMS-1にさらされ、もう一方のグループは標準的な実験室条件で維持される。
CMS-2レジームにさらされたWistarラットにおけるICSSへの影響(上記参照)。Wistarラットを、1つのグループに割り当て、個別に飼育し、10週間のCMS-2にさらされ、もう一方のグループ(対照群)は、ペアで、標準的な実験室条件で飼育する。それらのEF50を週2回測定し、最後の2回のベースライン試験の平均値との比較を個々のラットについて行う。
ラットの系統およびストレスレジームがICSSの行動に及ぼす影響(上記参照)。Wistarラットを、3つの対応する群、すなわち、対照群および9週間のCMS-1およびCMS-2それぞれにさらされた2つの群に振分けられた。PVGラットを2つの対応する群に割り付ける。一方の群を9週間のCMS-2にさらされ、もう一方の群(対照群)は標準的な実験室条件下で維持される。対照群は、ペアで飼育される。ストレスプロトコルによって必要とされる場合を除き、ストレス群のラットは単独で飼育される。それらのEF50を週2回測定し、最後の2回のベースライン試験の平均値との比較が、各個体のラットについて行われる。
組織学:ICSS試験の完了後、動物を殺し、脳を取り出し、80℃で保存する。12mmの断面をクライオスタットで切断し、クレジルバイオレットで染色する。電極先端は、PaxinosおよびWatson定位アトラスの前頭葉に設置する。
統計分析:ショ糖摂取量とICSSデータの両方について、対照群とストレス群テストとの間の正規性または分散均質性のいずれかの比較に加えて、データはまた、ノンパラメトリック統計によって評価されることもある。二元配置分散分析(two-way ANOVA)は、日数と処置(ストレス)を因子とし、処置に動物を入れ子にして、順位に関して実施され、これは、パラメータのセットが1つの観察のみに対応することを意味する。したがって、すべての観察結果は独立している。ICSS実験では、ストレスグループのサブ分類があってもよい。ストレスを受けた動物の総平均応答が対照群の最大平均応答を上回る場合は、サブ群に属するものとして分類する。ストレス(サブ群とメイン群)とコントロール群との比較に先立ち、ストレスサブ群とメイン群の反応を、日数と群を因子とし、動物をグループに入れ子にして、順位に関する二元配置分散分析によって比較する。処置に対する有意な主効果(p<0.05)に続いて、各日ごとについて対応のないt検定を行う。明確化のため、ショ糖摂取量データおよびICSSデータの両方を、平均±SEMとして提示することができ、依然としてノンパラメトリック分析を行う。正規性および分散均質性テストに合格した体重データは、一元配置または二元配置分散分析によって分析される。Tukey’s検定および/または順位に関するKruskal-Wallis ANOVAを用いて多重比較を行う。
5.4.実施例4 新規性誘発性食欲不振(Novelty-Induced Hypophagia)
「新奇食物摂取抑制(hyponeophagia)」と呼ばれる新規性によって生じる摂食の阻害は、急性または亜慢性抗うつ薬治療ではなく、慢性抗うつ薬治療の効果に感受性のある不安関連尺度を提供する。プロトコルは、Dulawa,S.C.およびHen,R.,Neurosci、Biobehav.Rev.2005,29:771-83に記載されている。
対象選択:雄のBalb/cJマウスを12 L:12 Dスケジュール(06:00に点灯)で維持し、同型のマウスを用いて5匹のグループに分けて飼育する。食物および水は、自由に提供される。行動テストは、07:00から17:00の間の明期に行った。
装置および手順:化合物Aおよびイミプラミンを、上記実施例1の表2に記載の濃度で製剤化し、試験の少なくとも30分前に投与する。化合物Aの血漿濃度を、蛍光検出器付き液体クロマトグラフィーによって決定する。
慢性テスト:雄のBalb/cJマウスに(例えば、化合物Aを1日当たり1および3mg/kg)投与する。亜慢性対慢性の実験には、別々のマウス群を用いる。処置の23日目に、マウスを単独で収容する。マウスを、3日間連続して(25~27日目)、甘味をつけたコンデンスミルクを飲むように訓練する。マウスは、毎日30分間、希釈された加糖練乳(1:3、ミルク:水)を提示される。ミルクは10mlの血清用ピペットに入れて、パラフィルムを付けたシッパーで与えられる。ミルクを、パラフィルムを付けたシッパーを有する10mlの血清用ピペット中に提示する。ピペットはゴム栓で閉じ、ワイヤケージの蓋を通して配置する。ホームケージテストは、28日目にミルクの入ったピペットを置くために、マウスをケージから短時間取り出し、マウスをケージに戻したときに試験を開始する。飲むまでの潜時、および飲用量を、30分間、5分ごとに記録する。ホームケージテストは、薄暗い場所(約50ルクス)で行われる。29日目に新規ケージ試験を実施し、マウスを同じ大きさであるが、削りくずのない清潔なケージに入れ、ミルクを含むピペットを配置した。新規なケージテストは明るい照明の下(約1200ルクス)の下で行われ、ケージの下には忌避効果を高めるために白い紙が置かれる。30分間のホームケージ試験で一度も飲まなかったマウスは、訓練中にミルクを飲むことを学習しなかったと推定されるため、実験から除外される。亜慢性テストは、雄Balb/cJマウスの別個のグループを用いて行われ、(例えば、1日当たり1および3mg/kgの化合物A)が投与された。マウスは単独で収容され、そして処置の1日目から牛乳を飲むように訓練される。マウスを、1~3日目に加糖練乳を飲むように訓練する。その後、4日間(ホーム)および5日間(新規)の亜慢性処置後に、新規性誘発性食欲不振テストで試験する。
5.5. 実施例5 学習ヘルプレスモデル
学習性無力感パラダイムは、動物が予測不可能で制御不能なストレス、例えば、電気ショックにさらされ、その後、回避的だが逃避可能な状況に対する対処不全を発症するうつ病モデルである。プロトコルはChourbaji,S.ら、Brain Res. Protoc.2005,16:70-8に記載されている。
材料:ショック手順は、ステンレス鋼格子床(それぞれの格子の径:0.5cm、間隔:0.6cm)を備えた透明なプレキシガラス製のショック室(18×18×30cm)中で適用される。二方向性回避試験は、2つのコンパートメントからなるシャトルボックス内で行い、それぞれのコンパートメントの底部には赤外線ビームを設置し、自発的な往復移動と、光刺激(条件付き)と回避的フットショック(無条件)に対する行動反応をそれぞれ観察する。シャトルボックスは、同じサイズのコンパートメント(18x18x30cm)で構成され、小さなゲート(幅6cm、高さ7cm)で区切られている。シャトルボックスの両コンパートメントには、電流が流れる格子床(各格子の直径:0.5cm、距離:0.6cm)と、各コンパートメントの上部にある信号灯が設置されている。ショック手順およびシャトルボックス試験の両方のためのプロトコルチャートがそれぞれ設計される。
ホットプレート:交絡因子として疼痛感受性の変化を除外するために、全てのマウスをホットプレート上で試験する。
薬理学的処置:モデルは、上記実施例1の表2に記載された濃度で製剤化された化合物Aおよびイミプラミンを試験の少なくとも30分前に投与して、薬理学的に検証する。化合物Aの容量を評価して、シャトルボックス内の無力行動を回復させる。
動物:10週齢の雄のC57BL/6Nマウスを購入し、実験の2週間前に、12時間の明暗周期および22℃の平均室温での一定条件で、ポリカーボネートケージ(II型)内で、餌と水を自由に与えて、単一のハウジングに順応させる。
回避不能なショック手順:
1.マウスを、それらの活動期(暗期)の間に、避けられないショックに曝露する。動物を、それらのホームケージに入れて実験室に輸送し、次いで、ショックチャンバーに入れる。
2.ショック手順には、2日間連続して360回のスクランブルフットショック(0.150mA)が含まれる。フットショックは持続時間(1-3秒)、間隔(1-3秒)を変化させた予測不可能なものであり、総セッション持続時間は約52分である。衝撃にさらされている間、照明は消灯している。
3.対照動物は、フットショックを受けることなく、同じ取り扱いおよびコンテクストの手順を受ける。70%エタノールによる徹底的な洗浄により、ショックを受けない対照動物がショックマウスの臭いに悩まされることなくショックチャンバーに触れることができるよう配慮されている。また、石鹸で毎日洗浄することで、潜在的な警報物質の定着を防いでいる。
学習した無力感の評価:2回目のショック処置の24時間後、動物の暗期にシャトルボックスでの行動を試験することにより、学習性無力感を評価する。各トライアルは5秒間の光刺激で開始し、その後最大10秒間のフットショック持続時間(強度:0.150mA)を告知するものである。トライアル間の間隔は30秒である。以下の行動反応を定義した。「回避」は光刺激に対する反応が十分で、すぐに他の区画に移った場合、「逃げる」は電気ショックに対する反応として他の区画に移動した場合、そして「失敗」は逃避しようとしなかった場合である。さらに、フットショックの発生後、他の区画に移動するまでに要した時間を逃避潜時(escape latency)というパラメータで記録する。一般活動量の決定には、最初のフットショック前の往復(初期活動)、ならびにトライアル間の活動(トライアル間活動またはITI)を記録する。無力感のテスト時間は合計で約20~24分であり、正確な時間は動物の学習能力と適切な反応能力に依存する。各試験の前に、装置を70%エタノールで完全に洗浄する。ストレスの制御不能に依存する「真の」学習性無力感の影響の評価を強調するために、動物の追加コホートを免疫化のために試験する。これらの動物はシャトルボックス内での学習された無力性試験と同一の事前セッションにさらされ、そこでは制御可能なショック状態を経験する。さらに、さらされる前の初期活動をモニターする。
痛みに対する感受性:電気ショックの効果に影響を及ぼす可能性のある、変化した疼痛感受性による潜在的アーチファクトを排除するために、マウスのサブグループを、52℃の温度で、学習された無力感手順の前にホットプレート上で試験する。初回反応(ジャンプや後肢を舐める)までの潜時をモニターする。
無力感の定義:行動パラメータの評価に続いて、ショックを受けた動物は、シャトルボックス試験におけるそれらの性能に応じて、「無力」または「耐性」として分類される。失敗と逃避潜時を無力感の指標とし、k平均(k=2)クラスタリングアルゴリズムを、記載したプロトコルに供したマウスのデータプールに適用する。失敗の数および逃避潜時は、無力感の最も一般的に報告されている指標であるため、個々の動物の成績スコアとして使用される。ここれらの行動指標は、各変数の分布の違いにより偏りが生じるのを防ぎ、また、不注意にクラスタリングプロセスの実行に使用されるのを防ぐために正規化され(すなわち、Zスコアに変換される)。この分類は、2段階正準判別分析(two-step discriminant-canonical analysis)の手段によってさらに洗練され、このプロトコルに従って無力/非無力マウスを識別するための分類式も提供される。
薬理学的検証:追加のC57BL/6Nマウスを訓練し、プロトコルで試験する。任意の薬理学的処置の前に、これらのマウスは失敗の回数および逃避潜時を考慮して、以前に得られた分類式(例えば、上記無力感の定義)を使用して、「無力」または「非無力」に分類される。約10日間の無力感期間は、短時間の、5~6日間隔での化合物A処置期間と決められた。従って、動物は、5日間の化合物A投与計画(regimen)を行う。6日目に、プロトコルで動物を再試験する。各被験者を分類するために再び分類式が使用されるが、ここでは再試験セッションの値が計算に使用される。化合物A投与後のこのカテゴリー分類の変化(すなわち、マウスの「無力」群から「非無力」群への移行)は与えられた無力感の操作上の定義の感度の指標として考慮される。この分析は化合物A効果のカテゴリー的な指標ではなく連続的な指標を有するため、薬理学的処置の前/後に、非無力感群の重心までの二乗マハラノビス距離の変化量を評価することによって補完される。
本明細書で参照される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許公開のすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
理解を容易にするために、前述の組成物、方法、および使用をいくらか詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で、特定の変更および修正を実施できることは明らかであろう。したがって、記載された実施形態は例示的であって限定的ではないと考えられるべきであり、特許請求された発明は、本明細書で与えられた詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲および同等物の範囲内で変更され得るものである。

Claims (50)

  1. 治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害を治療する方法であって、治療有効量の化合物Aを前記ヒトに投与することを含み、
    化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドである方法。
  2. 前記方法が、前記ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を促進することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 有効量の化合物Aをヒトに投与することを含む、ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を促進する方法であって、
    化合物AがN-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、
    前記ヒトがうつ病性障害を有する、方法。
  4. 前記Kv7カリウムチャネルが、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上である、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記方法が、Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上の開口を促進するために選択的である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記方法が、Kv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 前記うつ病性障害が、大うつ病性障害(MDD)、破壊性気分調節障害、持続性うつ病性障害、双極性スペクトラム障害、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性感情障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、焦燥または不安を伴ううつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、またはそれらの組み合わせである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記うつ病性障害が、大うつ病性障害(MDD)である、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
  9. 化合物Aが、前記ヒトに経口投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 化合物Aが、前記ヒトに2~200mgの用量で投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 化合物Aが、前記ヒトに2~100mgの用量で投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 化合物Aが、前記ヒトに5~50mgの用量で投与される、請求項10に記載の方法。
  13. 化合物Aが、10、20、または25mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項10に記載の方法。
  14. 化合物Aが、20mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項10に記載の方法。
  15. 化合物Aが、少なくとも20mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  16. 化合物Aが、少なくとも50mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 化合物Aが、少なくとも100mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項15に記載の方法。
  18. 化合物Aが、5~1000mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  19. 化合物Aが、5~500mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 化合物Aが、5~250mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項18に記載の方法。
  21. 化合物Aが、20~150mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項18に記載の方法。
  22. 化合物Aが、100mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項18に記載の方法。
  23. 化合物Aが、0.05~2.0mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 化合物Aが、0.1~1.0mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項23に記載の方法。
  25. 化合物Aが、0.2~0.5mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項23に記載の方法。
  26. 治療を必要とするヒトにおけるうつ病性障害を治療するための医薬の製造における化合物Aの使用であって、
    化合物Aは、N-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドである、化合物Aの使用。
  27. うつ病性障害を治療することが、前記ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を促進することを含む、請求項26に記載の使用。
  28. ヒトにおけるKv7カリウムチャネルの開口を促進するための医薬の製造における化合物Aの使用であって、
    化合物AがN-[4-(6-フルオロ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-2,6-ジメチルフェニル]-3,3-ジメチルブタンアミドであり、
    前記ヒトがうつ病性障害を有する、化合物Aの使用。
  29. 前記Kv7カリウムチャネルが、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上である、請求項27または請求項28に記載の使用。
  30. Kv7カリウムチャネルの開口を促進することが、Kv7.1よりもKv7.2、Kv7.3、Kv7.4、またはKv7.5のうちの1つ以上の開口を促進するために選択的である、請求項29に記載の使用。
  31. Kv7カリウムチャネルの開口を促進することが、Kv7.2/Kv7.3(KCNQ2/3)カリウムチャネルの開口を含む、請求項27に記載の使用。
  32. 前記うつ病性障害が、大うつ病性障害(MDD)、破壊性気分調節障害、持続性うつ病性障害、双極性スペクトラム障害、産後うつ病、月経前不快気分障害(PMDD)、季節性感情障害(SAD)、非定型うつ病、治療抵抗性うつ病(TRD)、焦燥または不安を伴ううつ病、抑うつ気分を伴う適応障害、長期抑うつ反応、またはこれらの組み合わせである、請求項26~31のいずれか一項に記載の使用。
  33. 前記うつ病性障害が、大うつ病性障害(MDD)である、請求項26~32のいずれか一項に記載の使用。
  34. 化合物Aが、前記ヒトに経口投与される、請求項26~33のいずれか一項に記載の使用。
  35. 化合物Aが、2~200mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項26~34のいずれか一項に記載の使用。
  36. 化合物Aが、2~100mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項35に記載の使用。
  37. 化合物Aが、5~50mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項35に記載の使用。
  38. 化合物Aが、10、20、または25mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項35に記載の使用。
  39. 化合物Aが、20mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項35に記載の使用。
  40. 化合物Aが、少なくとも20mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項26~34のいずれか一項に記載の使用。
  41. 化合物Aが、少なくとも50mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項40に記載の使用。
  42. 化合物Aが、少なくとも100mgの用量で前記ヒトに投与される、請求項40に記載の使用。
  43. 化合物Aが、5~1000mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項26~34のいずれか一項に記載の使用。
  44. 化合物Aが、5~500mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項43に記載の使用。
  45. 化合物Aが、5~250mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項43に記載の使用。
  46. 化合物Aが、20~150mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項43に記載の使用。
  47. 化合物Aが、100mg/日の用量で前記ヒトに投与される、請求項43に記載の使用。
  48. 化合物Aが、0.05~2.0mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項26~47のいずれか一項に記載の使用。
  49. 化合物Aが、0.1~1.0mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項48に記載の使用。
  50. 化合物Aが、0.2~0.5mg/kgの用量で前記ヒトに投与される、請求項48に記載の使用。
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