JP2022553459A - 波長可変型の超広帯域近赤外発光装置 - Google Patents

波長可変型の超広帯域近赤外発光装置 Download PDF

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Abstract

本発明は色温度の高い白色LEDで励起された近赤外蛍光体の発光を呈する2種類の発光素子の組み合わせにより近紫外から近赤外波長領域(380nm~1000nm)に渡って滑らかな発光スペクトル分布を有する高出力の超広帯域発光素子及び発光装置に関するものである。【選択図】図5

Description

本発明は、波長可変型の超広帯域近赤外発光装置(Tunable ultra-broad band near-infrared light-emitting device)に関するものである。
近年、700nmから2500nm領域の近赤外線は、医療、食品管理、健康維持等の領域で使われている。従来の一般照明用白色LEDには、この波長領域は含まれていない。特に、近赤外線の分光は、食品管理において重要である。また、センシング技術において不可欠であるSiフォトダイオードは400nm~1100nmの波長域に対応し、最大感度は900nm付近である。
近赤外の発光のためには、これまでは単体の半導体LEDが用いられていた。そのため、発光ダイオードの発光の幅が狭く、分光スペクトル光源としては適していない。更に、近年、ハロゲン電球の製造も中止となったために、世界各国から小型代替電球として新しいブロードバンド固体光源の実用化が切実に求められている状況である。
最近、700nmから1150nmに発光帯を有する近赤外蛍光体が開発されている。2016年にはOsram Opto Semiconductors社が世界で始めて青色LEDと近赤外蛍光体を利用した広帯域近赤外LED(SFH4735)を実用化している。
しかし、このタイプの近赤外LEDは、青色波長に比べて近赤外の発光強度が約1,000倍弱く、更に、発光スペクトル分布は、可視光から近赤外領域において不連続的である。また、本発明者たちは、これまで複数の近赤外蛍光体を混合し、幅広い発光の近赤外LEDの実用化を目標に開発を進めているが、810nmの蛍光体発光が消光してしまうため、滑らかな発光帯を得ることはできずにいる。
本発明は、810nmの発光機構を解明し、更には、700nm~1000nmの波長領域に於いて凹凸のない滑らかな発光分布を持つ発光素子の実用化を目的とし、400nm~410nmに発光のピークを有する近紫外半導体LEDチップからの光によって励起された色温度の高い白色LEDと、複数の高効率近赤外蛍光体との組み合わせにより、近紫外、可視光、及び近赤外領域に渡って連続的に光を放射することのできる超広帯域発光素子及び発光モジュールに関するものである。
本発明は、色温度の高い白色を励起光源として用い、それぞれ別の近赤外蛍光体を発光させ、それぞれのスペクトル波長分布を制御した蛍光体変換方式によって連続的に凹凸の無い幅広い発光スペクトルを呈することのできる超広帯域近赤外発光素子及び前記素子を含む近赤外発光装置を提供することを目的とする。
しかしながら、本発明が解決しようとする技術的課題は、以上にて述べた課題に限られるものではなく、記述の無い他の課題も下記の記載から、当業者に於いて明確に理解できるものと思われる。
本発明は、
色温度3000K~4000Kの白色LEDチップ、
前記白色LEDチップからの発光波長により励起されて発光する3種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第1発光素子、及び、
前記白色LEDチップからの発光波長により励起されて発光する2種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第2発光素子を含み、
前記近赤外蛍光体は、450nm乃至630nmの波長領域から励起されて、710nmに発光のピークを有する第1蛍光体、470nm乃至630nmの波長領域から励起されて、810nmに発光のピークを有する第2蛍光体、及び630nmの波長領域から励起されて、910nmに発光のピークを有する第3蛍光体からなる組み合わせから選ばれるものである、近赤外発光装置を提供する。
本発明の一実施例として、前記第1発光素子は、第1蛍光体、第2蛍光体及び第3蛍光体が分散された蛍光体層を含むものであり、
前記第2発光素子は、第1蛍光体及び第2蛍光体が分散された蛍光体層を含むものであることを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記第1蛍光体は710nmに中心発光ピークを有するGdGa12:Crであり、前記第2蛍光体は810nmに発光のピークを有するScBO:Crであり、前記第3蛍光体は910nmに発光のピークを有するCaCuSi10であることを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記第1発光素子の蛍光体層には、
第1蛍光体、第2蛍光体及び第3蛍光体が16~24:5~24:4~7の重量比で含まれることを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記白色LEDチップは、600nm乃至700nm以下の発光波長の中心ピークを有することを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記白色LEDチップには、
青緑色蛍光体として(Sr,Br)10(POCl:Eu、
緑色蛍光体としてSiAlON:Eu、
黄色蛍光体として(Ba,Sr)Si(O,Cl):Eu、及び
赤色蛍光体としてCaAlSi(ON):Euが含まれることを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記青緑色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体及び赤色蛍光体は、8~10:1:0.1~0.9:4~8の重量比で含まれることを特徴とする。
本発明のもう一つの実施例として、前記近赤外発光装置は、380nm~1200nmに於いて広範囲の発光スペクトル分布を有することを特徴とする。
本発明による超広帯域発光素子は、380nm~1200nm の波長領域をカバーすることができるので、白熱電球、ハロゲン電球、キセノン電球などの小型光源の代替ができる。更に、太陽光スペクトル分布(AM1.5)に類似した分布を有する。
本発明による発光素子は、発光スペクトルがブロードであるために、単体の近赤外LEDとは異なり、順方向電流及び温度による影響を受けない。また、LED光によって蛍光体を発光させる方式を採用しているため、パルス駆動が可能である。2種の発光分布の異なるLEDの組み合わせにより構成されるので、任意の発光スペクトル及びその強度の調整ができる。更に、順方向電流が増加すると発光強度はほぼ比例して増加するので、計測用光源としての発光強度の制御が容易である。
図1は、第2蛍光体が含まれていない比較例として示したサンプルの発光スペクトルの順方向電流依存性(カーブ1:65mA、カーブ2:100mA、カーブ3:150mA)を例示的に示した図面である(α:710nmの発光強度、β:810nmの発光強度、γ:910nmの発光強度)。 図2は、第2蛍光体が24%含まれた実施例1のサンプルAの発光スペクトルの順方向電流依存性(カーブ1:65mA、カーブ2:100mA、カーブ3:150mA)を例示的に示した図面である。 図3は、第3蛍光体が含まれていない実施例2のサンプルBの発光スペクトルの順方向電流依存性(カーブ1:65mA、カーブ2:100mA、カーブ3:150mA)を例示的に示した図面である。 図4は、発光スペクトルの異なる2種の発光素子の組み合わせから構成される発光モジュールの構造を模式的に示した図面である。 図5は、実施例1のサンプルAに150mA、同時に実施例2のサンプルBに65mAを通電したときの発光スペクトルを模式的に表した図面である。 図6は、実施例1のサンプルAと実施例2のサンプルBを並列接続した発光モジュールサンプルCの発光スペクトルの順方向電流依存性(カーブ1:65mA、カーブ2:100mA、カーブ3:150mA)を例示的に示した図面である。
本発明は、630nmに発光のピークを有する白色LEDにより励起される3種類の近赤外蛍光体を含む発光素子に関するものである。より詳しくは、本発明は、上記の素子を含む近赤外装置として、色温度3000K~4000Kの白色LEDチップ、上記白色LEDチップの発光波長により励起されて発光する3種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第1発光素子、及び上記白色LEDチップの発光波長により励起されて発光する2種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第2発光素子を含み、上記近赤外蛍光体は、450nm乃至630nmの波長領域から励起されて、710nmに発光のピークを有する第1蛍光体、470nm乃至630nmの波長領域から励起されて、810nmに発光のピークを有する第2蛍光体、及び630nmの波長領域から励起されて、910nmに発光のピークを有する第3蛍光体からなる群から選択されることを特徴とする近赤外発光装置を提供するものである。
前記白色LEDチップは、380nm以上410nm以下に発光のピークを有する半導体LEDチップにより励起され、透明樹脂層に分散された蛍光体層を含む色温度が3000K~4000Kである発光素子である。前述の蛍光体層には、以下の4種類の蛍光体が含まれる。
青緑色蛍光体として(Sr,Br)10(POCl:Eu、
緑色蛍光体としてSiAlON:Eu、
黄色蛍光体として(Ba,Sr)Si(O,Cl):Eu、及び
赤色蛍光体としてCaAlSi(ON)2:Euが含まれることを特徴とする。
前記蛍光体は、色温度3000K~4000Kの白色LEDの製造のために、8~10:1:0.1~0.9:4~8の重量比で含まれ、より好ましくは、9.23:1:0.46:5.77の重量比で含まれる。前記白色LEDチップの発光効率は53lm/W以上、平均演色評価数(Ra)は94以上である。
前記白色LEDに実装された半導体LEDチップは、405nmに中心波長を有するInGaN系化合物半導体から構成され、発光の半値幅は15nm、外部量子効率は50%以上であるものを用いることができる。前記のチップは、チップを反転させ、基板にソルダーバンプ、金バンプ、導電性ペーストなどを用いてフリップチップ実装される。また、このチップは、基板に設計された配線導体にワイヤーボンディングにて接続されても良い。
本発明の超広帯域発光素子は、前記の白色LED素子からの発光エネルギーにより3種類の近赤外蛍光体を含む透明樹脂層が励起される。従って、青緑色、緑色、黄色、赤色及び近赤外蛍光体の7種類が一緒に含まれていても良い。又は、4種類の蛍光体層と3種類の蛍光体層との2重構造になっていても良い。
3種類の近赤外蛍光体は、
第1蛍光体として、450nmと630nmの波長領域から励起されて、好ましくは、710nmに発光のピークを有する近赤外蛍光体としてGdGa12:Crが望ましい。
第2蛍光体として、470nmと630nmの波長領域から励起されて、好ましくは、810nmに発光のピークを有する近赤外蛍光体としてScBO:Crが望ましい。
第3蛍光体として、630nmの波長領域から励起されて、好ましくは、910nmに発光のピークを有する近赤外蛍光体としてCaCuSi10が望ましい。
更に、本発明の超広帯域発光素子に用いられる蛍光体の重量比(wt%)は、第1蛍光体:第2蛍光体:第3蛍光体=16~24:5~24:4~7であることが望ましい。
本発明の広帯域発光素子の発光部は、前記蛍光体と封止材であるシリコーン透明樹脂が含まれているものである。従って、前記7種類の蛍光体は、シリコーン樹脂内に均一に拡散されていることが望ましい。
前記近赤外蛍光体だけは、別途シリコーン樹脂に拡散させ、薄膜状に塗布しても良い。
前記広帯域発光素子は、一般照明用光源として用いられる場合、平均演色評価数Raが80以上100未満であることが望ましい。配光角は110度以上120度未満であることが望ましい。
本発明は、更に、前記超広帯域発光素子を含む発光モジュールを提供するものであり、前記発光モジュールは、それぞれ色温度の異なる超広帯域発光装置の組み合わせからなるものである。
以下の実施例を以って、本発明のより詳細な説明を行う。これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限られるものではないことは、本発明の属する技術分野に於ける通常の知識を有する者に於いて明白なものである。
[実施例]
発光モジュールの製造
半導体LEDチップ、封止材、蛍光体材料として下記材料を用いて白色LED及び超広帯域発光素子及び発光モジュールの作製及び評価を行った。
(1)半導体LEDチップ
半導体LEDチップとして、発光のピーク波長が405nm、発光の半値幅が15nmであるInGaN/GaN多重量子井戸構造を発光層として有するものを用いている。外部量子効率は50%以上である。
(2)封止材
シリコーン樹脂と共に、沈降材としてシリコンパウダー(SiO)を用いた。
(3)蛍光体
蛍光体として、下記蛍光体材料を用いた。
1.青緑色蛍光体:(Sr,Br)10(POl2:Eu
2.緑色蛍光体:SiAlON:Eu
3.黄色蛍光体:(Ba,Sr)Si(O,Cl):Eu
4.赤色蛍光体:CaAlSi(ON):Eu
5.近赤外第1蛍光体:GdGa12:Cr
6.近赤外第2蛍光体:ScBO:Cr
7.近赤外第3蛍光体:CaCuSi10
(4)白色LED作製
前記InGaN/GaN多重量子井戸構造を有する半導体LEDチップを、電極配線したセラミックスパッケージ(PKG)にフリップチップ実装し、前記1~4の4種類の蛍光体をそれぞれの配合比通り、前記シリコーン樹脂に分散させた蛍光体含有組成物を用いて封止した。蛍光体混合液は、ディスペンサー装置を用いて半導体LEDチップ上に直接隈なく塗布した。
(5)超広帯域発光素子及びモジュールの作製
同じく、3種類の近赤外蛍光体とシリコーン樹脂の混合液をディスペンサーにて塗布した。発光モジュールは、図4に示した様に、2種類の発光スペクトルの異なる発光素子を1つのPKGに組立て、発光モジュールを作製した。
発光モジュールの特性確認
発光スペクトルの測定は、65mA~150mAの順方向電流、3.19V~3.48Vの順方向電圧の印加条件で室温に於いて行った。単体の発光素子はセラミックスPKGに実装し、放熱基板に搭載して室温にて電気的光学的特性の測定を行った。2種類の異なる発光素子は、1つのPKG構造に作製(2in1 PKG)し、同じく、発光スペクトルの測定は、波長領域350nmから1000nmに渡って光電子精密製、WHITELIGHT分光器(韓国製OPI-100)を用いて室温で行った。
表1は、参照サンプル(比較例1)、サンプルA(実施例1)、サンプルB(実施例2)の、710nm(第1蛍光体)、810nm(第2蛍光体)、910nm(第3蛍光体)近赤外蛍光体の含有量を示したものである。405nmの半導体LEDチップ(発光の半値幅15nm)を励起源にする白色LEDは、色温度が3300K、平均演色評価数Raは94以上、発光効率は53lm/W以上であり、用いた蛍光体は前記の青緑色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体、赤色蛍光体の4種類である。それぞれの蛍光体の重量比は、緑色蛍光体の重量に対し、9.23:1:0.46:5.77であった。
Figure 2022553459000002
<蛍光体の励起/発光特性>
本発明にて用いた上記表1の3種類の近赤外蛍光体の最大励起のピーク及び発光波長のピークを表2に示した。特に、CaCuSi10蛍光体は、500nm~700nmの励起帯で励起され、最大励起波長は630nmである。表2で分かるように、3種類の近赤外蛍光体は、630nmの励起で発光することを特徴とする。
第1蛍光体と第2蛍光体は、発光中心としてCr3+を含んでいるため、励起過程は、Crイオンのd電子軌道が結晶場の影響を受け、励起状態が二つに分裂されて準位→準位及び準位→準位の遷移に起因する。一方、第3蛍光体には具体的な発光センサーが含まれていないために、欠陥準位又は伝導帯と価電子帯間による光吸収による励起過程が寄与していると考えられる。
Figure 2022553459000003
<比較例1>
図1は、表1に示した参照サンプル(比較例1)の発光スペクトルの順方向電流(If)依存性を示したものである。発光素子の相関色温度Tccは3286Kであり、第1蛍光体(710nm)と第3蛍光体(910nm)の近赤外蛍光体を含む。第2蛍光体(810nm)は含まれていないため、810nmの波長領域に於いては発光の谷間が出現する。
しかしながら、図1からも分かるように、微かながらも810nmの発光は観察される。この原因は、710nmの長波長側の発光の尾と910nmの短波長側の発光の尾が重なり出現した外観上の発光帯である。If=65mAに於いて、810nmと910nmの発光強度の高さの比(H=γ/β)は0.2で、電流を増加させても、この比は殆ど変わらなかった。65mAに於いてRaは86、光出力は21.4mWであった。
<実施例1>
図2は、表1に示した重量比で作製した実施例1(サンプルA)に810nmの蛍光体を24%含有させた時の発光素子のIf依存性である。図から分かるように、810nmの蛍光体を添加しても、810nmにピークを呈する新しい発光帯は出現しなかった。電流を増加させても、比較例1の参照サンプルとの差はあまりなく、H=0.4と一定であった。図1のスペクトルに比べて810nm付近の発光は若干増加してはいるものの、810nmに中心波長を有する新しい発光帯の出現までには至らなかった。この原因に関しては、後述の「発光メカニズム」に於いて説明する。光出力は65mAに於いて22.8mW、150mAに於いて42.9mWであった。配光角は110度であった。
<実施例2>
図3は、表1に示した重量比で作製した実施例(サンプルB)の、710nmと810nmの2種の蛍光体は含まれ、910nm蛍光体は含まれていない場合の発光スペクトルのIf依存性を示すものである。この図から、明らかに810nmにピークを有する発光帯が出現する。電流増加に伴い、発光のピークは明確に分離して現れるようになる。光出力は65mAに於いて31.9mW、150mAに於いては61.8mWであった。配光角は115度であった。
以上にて、本発明の比較例1と実施例1及び実施例2とから、910nmの蛍光体が含まれる発光素子に於いては810nmの蛍光体が含まれているにも関わらず、810nmの発光は出現しないことが明白になったため、実施例1のサンプルと実施例2のサンプルを1つのPKGに実装(2in1 PKG)して、図4のような発光モジュール構造のサンプルを作製し、発光スペクトルの測定を行った。
<実施例3>
図4は、表1のサンプルAとサンプルBを1つのPKG(2in1 PKG)に実装し、発光スペクトルの測定を行ったものである。この発光モジュール(サンプルC)のPKG構造を模式的に示すものである。
<実施例4>
図5は、サンプルAにIf=65mA、サンプルBにIf=150mAを流した時の発光スペクトルである。810nmの発光の強度は相当増加するが、ピークまでには至らなかった。Hは0.7まで増加しているが、発光のピークまでには至らなかった。光出力は63mW、Raは86であった。
<実施例5>
図6は、サンプルAとサンプルBを並列に接続させ、If=65mA、100mA、150mAを流したときの発光スペクトルである。図6から分かるように、700nmから950nmの波長領域は完全に繋がり、810nmと910nmの両方のピークが出現している。電流の増加に伴い、このピークは明瞭になる。発光の全幅は約450nmにまで至り、非常に幅広い分布を持つことが分かる。Hの値はほぼ1に近くなっている。Raは87、光出力は63mW(0.5W)であった。光出力は、単体発光素子(実施例1と実施例2)より高い。配光角は115度であった。
この構造は、個々の発光素子の組み合わせで構成されたモジュールであり、2種類の発光スペクトルはそれぞれ異なる色温度を有する。しかしながら、同時に点灯することによって発光スペクトルは混色された。このような現象を利用した発光モジュールは、波長可変型発光素子(tunable light-emitting element)と呼ばれる。
図6から分かるように、発光スペクトルは、太陽光であるAM1.5のスペクトル分布に非常に類似している。また、血液中の還元ヘモグロビンの吸収曲線と酷似している。
表3に、サンプルA、サンプルB及び実施例5のサンプルCの色温度と光学的特性を示した。サンプルCの色温度は、両方のサンプルの中間値である。また、サンプルCは、サンプルA及びサンプルBに比べてRa/R9及び光出力が高くなっている。
本発明に於いて、両方の発光スペクトルを合成することによって、光学的特性が明らかに改善されることが分かる。
Figure 2022553459000004
<発光メカニズムに関して>
表2及び発光スペクトル(比較例1と実施例1及び実施例2)で示しているように、近赤外蛍光体における励起/発光過程は、第1蛍光体と第2蛍光体に於いては発光中心としてCr3+イオンを含むために、殆ど同じ特性を呈しているが、第3蛍光体の励起過程は全く異なるものである。従って、第3蛍光体を有効に励起させるためには、白色LEDの発光の分布をできる限り第3蛍光体の励起特性(吸収曲線)に類似させることが、本発明の重要なポイントである。
(1)第1蛍光体:この蛍光体には、発光センサーとしてCr3+が含まれる。405nmに於いても微かに励起されるが、450nmの可視光に於いて最も強く励起される。更に、630nmに於いても励起される。その結果、710nmにピークを有する発光を呈する。発光の全幅は、約110nmである。
(2)第2蛍光体:この蛍光体は、第1蛍光体同様、発光中心にCr3+イオンが含まれている。405nmに於いては、殆ど励起されない。470nmの可視光に於いて最も強く励起される。更に、630nmに於いても励起される。その結果、810nmに発光のピークを有する。発光の全幅は、約120nmである。
(3)第3蛍光体:この蛍光体には、特別な発光センサーは含まれていない。405nmの光では直接励起されない。450nm~700nmの可視光により励起されるが、励起の最大波長は、約630nmである。その結果、910nmにピークを有する発光を呈する。発光の全幅は約150nmである。
以上の(1)~(3)の近赤外蛍光体の励起/発光過程を考慮すると、本発明の超広帯域発光素子は、Cr3+発光センサーが含まれる近赤外蛍光体と、欠陥に由来する発光中心が含まれる近赤外蛍光体とを混合した蛍光体を有することになる。従って、3種類の励起効率(吸収効率)は重なり合い、特に共通の励起波長である630nmにおける第2蛍光体と第3蛍光体の効率には約2倍もの差ができる。つまり、第2蛍光体の吸収効率が低いため、第3蛍光体を混合することによって630nmの励起エネルギーが殆ど第3蛍光体を励起させることに消費され、このせいで第2蛍光体と第3蛍光体を同時に混合する方法では810nmの発光を効率的に発生させることは困難である。従って、810nmの近赤外発光を効率良く発生させるためには、本発明によって作成した個々の発光素子を組み合わせた波長可変型発光モジュールが有効である。
以上において、本発明の好ましい実施例に対する詳細な説明をしてきたが、本発明の権利は、これに限定されるものではなく、次の請求の範囲において定義する本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態もまた、本発明の権利範囲に属するものである。

Claims (8)

  1. 色温度3000K~4000Kの白色LEDチップ、
    前記白色LEDチップの発光波長により励起されて発光する3種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第1発光素子、及び
    前記白色LEDチップの発光波長により励起されて発光する2種類以上の近赤外蛍光体が分散された蛍光体層を含む第2発光素子を含み、
    前記近赤外蛍光体は、450nm乃至630nmの波長領域から励起されて、710nmに発光のピークを有する第1蛍光体、470nm乃至630nmの波長領域から励起されて、810nmに発光のピークを有する第2蛍光体、及び630nmの波長領域から励起されて、910nmに発光のピークを有する第3蛍光体からなる群から選択されるものである、
    近赤外発光装置。
  2. 前記第1発光素子は、第1蛍光体、第2蛍光体及び第3蛍光体が分散された蛍光体層を含むものであり、
    前記第2発光素子は、第1蛍光体及び第2蛍光体が分散された蛍光体層を含むものであることを特徴とする、
    請求項1に記載の近赤外発光装置。
  3. 前記第1蛍光体は、710nmに中心発光のピークを有するGdGa12:Crであり、前記第2蛍光体は、810nmに発光のピークを有するScBO:Crであり、前記第3蛍光体は、910nmに発光のピークを有するCaCuSi10であることを特徴とする、
    請求項1に記載の近赤外発光装置。
  4. 前記第1発光素子の蛍光体層は、
    第1蛍光体、第2蛍光体及び第3蛍光体が16~24:5~24:4~7の重量比で含まれていることを特徴とする、
    請求項2に記載の近赤外発光装置。
  5. 前記白色LEDチップは、600nm乃至700nm以下の発光波長の中心ピークを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の近赤外発光装置。
  6. 前記白色LEDチップは、
    青緑色蛍光体として(Sr,Br)10(POCl:Eu、
    緑色蛍光体としてSiAlON:Eu、
    黄色蛍光体として(Ba,Sr)Si(O,Cl):Eu、及び
    赤色蛍光体としてCaAlSi(ON):Euが含まれていることを特徴とする、
    請求項5に記載の近赤外発光装置。
  7. 前記青緑色蛍光体、緑色蛍光体、黄色蛍光体及び赤色蛍光体は8~10:1:0.1~0.9:4~8の重量比で含まれていることを特徴とする、
    請求項6に記載の近赤外発光装置。
  8. 前記近赤外発光装置は、380nm~1200nmに渡って広範囲な発光スペクトルを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の近赤外発光装置。
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