JP2022551511A - 質量分析タンパク質分析のための材料及び方法 - Google Patents

質量分析タンパク質分析のための材料及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、タンパク質若しくはポリペプチドを特性決定する、及び/又はタンパク質若しくはポリペプチド上のクリップ部位を同定するシステム、プロセス、及び方法を記載する。いくつかの実施形態では、当該システム、プロセス、及び方法は、レポーターイオンの生成、及びレポーターイオンによってトリガされるその後のタンデム質量分析を含む。

Description

(電子的に提出された配列表の参照)
本出願は、ファイル名が「206389_0027_00WO_SequenceListing_ST25.txt」であり、2020年10月5日に作成され、10KBのサイズを有する、ASCII形式の配列表としてEFS-Webにより電子的に提出された配列表を含む。EFS-Webを介して提出された配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年10月10日出願の米国特許仮出願第62/913,406号の優先権及び利益を主張し、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本発明は、ポリペプチド並びにタンパク質又はポリペプチド上のクリップ部位を同定及び特性決定する方法に関する。一態様では、本発明は、レポーターイオンの生成及びレポーターイオンによってトリガされるその後のタンデム質量分析を介して、タンパク質又はポリペプチドのクリップ部位を同定するための方法に関する。
タンパク質工学技術の最近の進歩により、構造及び立体配座の多様性において独特である新規な治療様式が可能になった(AlDeghaither et al.,J.Clin.Pharmacol.,2015,55,Suppl 3:S4-20参照)。これらの新規の薬物はまた、有効性及び安全性プロファイルを損なう可能性がある急速なタンパク質分解を含む不利な傾向がある。タンパク質のクリップは遍在的であり、培養中又はプロセス開発中に起こり得るが、部位特異的である、又は広範囲の基質特異性を有する宿主細胞由来プロテアーゼに起因することが最も多い(Dorai et al.,Biotechnology and Bioengineering,2009,103:162-176;Dorai et al.,Biotechnology Progress,2011,27:220-231)。クリップはまた、クリップする傾向があるかなりの数の部位が、側鎖のタイプ、二次、三次及び四次構造による局所的柔軟性の変化、並びにそれらの発達性の評価でしばしば使用される予備分析変数(例えば、pH、温度、金属、及びラジカル)などの要因によって影響される、非酵素的機構を介して行われ得る(Vlasak&Ionescu,mAbs,2011,3:253-263;Jarasch,J.Pharm.Sci.,2015,104:1885-1898)。クリップされた種のレベル並びに純度及び完全性を監視するために使用される分析方法は、生成物又はプロセスの重要な品質属性の一部である(Torkashvand et al.,Iranian Biomedical Journal,2017,21:131-141;Duval et al.,Biotechnology Progress,2012,28:608-622)。
無傷又は切断されたタンパク質のN末端配列の同定は、その生化学的及び構造的特性決定に重要である。従来のショットガンプロテオミクス分析では、タンパク質N末端ペプチドの頻繁な検出に起因して、タンパク質N末端を同定することは困難である。ショットガン質量分析によるタンパク質治療薬のクリップ部位の特性決定は、複雑なタンパク質消化物に存在する最も豊富なペプチドの配列決定に起因して困難である。クリップされた種の比較的低い化学量論は、潜在的に、ネオN末端を有するペプチドを検出しない可能性がある。更に、溶液中及びソース内断片化アーチファクトは、質量分析によって配列決定されたネオN末端ペプチドの偽陽性同定を潜在的に引き起こす可能性がある。
技術分野において、ポリペプチド及びポリペプチド上のクリップ部位を同定及び特性決定するための方法の開発の必要性が依然として存在する。本発明は、これらのニーズに対処するものである。
一態様では、本発明は、ポリペプチドの特性決定を行う方法に関し、方法は、
(i)ポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、標識ポリペプチドを得ることと、
(ii)標識ポリペプチドを消化して、1つ又は複数の非標識ペプチド及び1つ又は複数の標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iii)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(iv)溶出液を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)質量分析などの電子誘導解離質量分析に供して、1つ又は複数の標識ペプチドの各々のETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトルを得ることと、
(v)1つ又は複数の標識ペプチドの各々のETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトルのレポーターイオンを検出することによって、1つ又は複数の標識ペプチドの各々を同定することと、
(vi)同定された標識ペプチドの各々を第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの各々の第2の質量スペクトルを生成することと、
(vii)標識ペプチドの各々のETD又はECD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
いくつかの実施形態では、N末端標識試薬は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である。更なる実施形態では、標識ポリペプチドは、TMPP標識ポリペプチドであり、標識ペプチドは、TMPP標識ペプチドである。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、TMPPレポーターイオンである。更なる実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
いくつかの実施形態では、第2の質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析、高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析、又は紫外線光解離(UVPD)質量分析である。更なる実施形態では、標識ペプチドの第2の質量スペクトルは、TMPP標識ペプチドのCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルである。
同定の実施形態では、TMPPレポーターイオンは、CID質量分析、HCD質量分析、又はUVPD質量分析をトリガする(trigger)。
別の一般的な一態様では、本発明は、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法に関し、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のクリップポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、1つ又は複数の標識クリップポリペプチドを得ることと、
(iii)標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及び標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)溶出液を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)質量分析などの電子誘導解離タンデム質量分析に供して、標識ペプチドの各々のETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトルを得ることと、
(vi)標識ペプチドの各々について、ETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトルのレポーターイオンを検出することによって、標識ペプチドを同定することと、
(vii)同定された標識ペプチドを第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの各々について第2の質量スペクトルを生成することと、
(viii)標識ペプチドの各々についてETD又はECD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
いくつかの実施形態では、N末端標識試薬は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である。更なる実施形態では、標識ポリペプチドは、TMPP標識ポリペプチドであり、標識ペプチドは、TMPP標識ペプチドである。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、TMPPレポーターイオンである。更なる実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
いくつかの実施形態では、第2の質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析、高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析、又は紫外線光解離(UVPD)質量分析である。更なる実施形態では、標識ペプチドの第2の質量スペクトルは、TMPP標識ペプチドのCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルである。
同定の実施形態では、TMPPレポーターイオンは、CID質量分析、HCD質量分析、又はUVPD質量分析をトリガする。
別の一般的な一態様では、本発明は、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法に関し、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のクリップポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識し、それによって1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを得ることと、
(iii)1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)溶出液を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)質量分析などの電子誘導解離質量分析に供して、TMPP標識ペプチドの各々のETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトルを得ることと、
(vi)TMPP標識ペプチドの各々について、ETD又はECD質量スペクトルなどの質量スペクトル中のTMPPレポーターイオンを検出又は分離することと、
(vii)TMPPレポーターイオンの検出又は分離時に、TMPP標識ペプチドの各々を、衝突誘発解離(CID)質量分析又は高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析に供し、それによってTMPP標識ペプチドの各々についてそれぞれCID又はHCD質量スペクトルを生成することと、
(viii)TMPP標識ペプチドの各々についてETD又はECD質量スペクトル及びCID又はHCD質量スペクトルを分析することによって、タンパク質上のクリップ部位を同定することと
を含む。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのシステム及び/又は試料中のポリペプチド特性決定するためのシステムに関する。様々な実施形態では、システムは、液体クロマトグラフィ(LC)装置及びタンデム質量分析計を含む。
一実施形態では、タンデム質量分析計は、
(i)第1のイオン化装置と、
(ii)第1の範囲内の質量電荷比を有するイオンを透過するために、第1の動作モードで配置及び適合された第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器と、
(iii)第1のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(iv)動作モードでイオンを減衰させるための減衰手段と、
(v)第1の範囲内の質量電荷比を有するが、1つ又は複数の望ましくない第1の電荷状態を有するイオンが実質的に減衰されるように、減衰手段の動作を制御するように構成された制御装置と、
(vi)第2のイオン化装置と、
(vii)第2のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(viii)フラグメントイオンの非混合信号を取得し、トリガイオンを非冗長的に(non-redundantly)コード化するように構成されたデータシステムであって、非冗長的なコード化が、任意の個々のゲート時間の複数回の反復において異なる親種からの任意の2つのイオン信号の反復的な重複を回避又は最小化するように配置されている、データシステムと
を含む。
様々な実施形態では、ポリペプチド上のクリップ部位又はポリペプチドは、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識される。一実施形態では、第1のイオン化装置は、TMPPレポーターイオンを生成する。
一実施形態では、試料をLC装置に供して、溶出液を生成させる。一実施形態では、溶出液をタンデム質量分析に供して、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを得る。
いくつかの実施形態では、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルは、データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される。
一実施形態では、第1のイオン化装置は、電子誘導解離装置である。いくつかの実施形態では、電子誘導解離装置は、電子移動解離(ETD)装置又は電子捕捉解離(ECD)装置である。
いくつかの実施形態では、第2のイオン化装置は、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、又は紫外線光解離(UVPD)装置である。
いくつかの実施形態では、質量分析計は、衝突装置、断片化装置、又は反応装置を更に含む。
いくつかの実施形態では、減衰手段は、イオンゲート又はイオンバリアを含む。一実施形態では、減衰手段は、イオン移動度分光計又は分離器の下流に配置される。
いくつかの実施形態では、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器は、第1の動作モードで配置及び適合されて、第1の範囲外の質量電荷比を有するイオンを減衰させる。いくつかの実施形態では、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器は、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流又は下流に配置される。
いくつかの実施形態では、第1の望ましくない電荷状態は、以下の(i)1価、(ii)2価、(iii)3価、(iv)4価、(v)5価、及び(vi)多価のうちの1つ又は複数から選択される。
いくつかの実施形態では、システムは、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流に配置されたイオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域を更に含み、当該イオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域は、イオンをトラップ、貯蔵、又は蓄積し、次いで当該イオン移動度分光計又は分離器内に、若しくは当該イオン移動度分光計又は分離器に向かってイオンを定期的にパルス化するように配置されている。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのレポーターイオンに関する。一実施形態では、クリップ部位は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識される。一実施形態では、TMPPはイオン化されてレポーターイオンを生成する。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオンに関する。一実施形態では、ポリペプチドは、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識される。一実施形態では、TMPPはイオン化されてレポーターイオンを生成する。
一実施形態では、TMPPは、質量分析計によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する。一実施形態では、質量分析計は、タンデム質量分析計である。様々な実施形態では、タンデム質量分析計は、電子移動解離(ETD)装置、電子捕捉解離(ECD)装置、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、紫外線光解離(UVPD)装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、
Figure 2022551511000002
Figure 2022551511000003
の構造を含む、化合物である。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための組成物に関する。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチドを特性決定するための組成物に関する。
様々な実施形態では、組成物は、本発明の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む。
他の態様では、本発明はまた、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するか、又は試料中のポリペプチドを特性決定するためのキットに関し、キットは、ポリペプチド上のクリップ部位を標識するためのN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)又はポリペプチドを標識するためのN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)、及び説明資料を含む。
本発明の他の態様、特徴、及び利点は、発明の詳細な説明、並びにその好ましい実施形態及び添付の特許請求の範囲を含む以下の開示より明らかとなろう。
以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより深い理解が得られるであろう。本発明を説明する目的で、図面には例示的な実施形態が示されている。ただし、本発明は、図示された実施形態の精密な配置及び手段に限定されるものでないことは理解されるべきである。
NIST抗体の軽鎖N末端配列に対応するTMPP標識ペプチドDIQMTQSPSTL(配列番号1)の代表的なETDプロダクトイオンスペクトルを示す。質量スペクトルは、主に診断用TMPPレポーターイオン(m/z=533Da)及びN末端TMPPタグからなるc型骨格プロダクトイオン(m/z=590Da)からなっていた。 533Da、590Da、及び573Daのレポーターイオンの構造の概略図を、それらの正確な質量で示し、図2Aは、533Daの(TMPP)のレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Bは、590Daの(TMPP-Ac-NHのレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Cは、573Daの(TMPP-Ac)のレポーターイオンの構造の概略図を示す。 533Da、590Da、及び573Daのレポーターイオンの構造の概略図を、それらの正確な質量で示し、図2Aは、533Daの(TMPP)のレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Bは、590Daの(TMPP-Ac-NHのレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Cは、573Daの(TMPP-Ac)のレポーターイオンの構造の概略図を示す。 533Da、590Da、及び573Daのレポーターイオンの構造の概略図を、それらの正確な質量で示し、図2Aは、533Daの(TMPP)のレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Bは、590Daの(TMPP-Ac-NHのレポーターイオンの構造の概略図を示し、図2Cは、573Daの(TMPP-Ac)のレポーターイオンの構造の概略図を示す。 ETD(図2D)及びHCD(図2E)におけるレポーターイオンの生成効率を計算するための式を示す。 ETD(図2D)及びHCD(図2E)におけるレポーターイオンの生成効率を計算するための式を示す。 代表的な逆相クロマトグラフィ緩衝液勾配及びTMPP標識後のNIST消化物の対応する総イオンクロマトグラムを示す。ほとんどの非標識ペプチドは、10分間の長さの浅い勾配で2~30%の有機物で溶出した。代理ペプチドは、12分で溶出したNIST抗体軽鎖のTMPP標識N末端に対応した。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 HK(図4A及び図4B)、ADYEK(配列番号12)(図4C)、VYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)(図4D)、SFNR(配列番号14)(図4E)、EAK(図4F)、VQWK(配列番号15)(図4G)、DTLMISR(配列番号16)(図4H)、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)(図4I)、TKPR(配列番号18)(図4J)、EEQYNSTYR(配列番号19)(図4K)、VVSVLTVLHQDWLNGK(配列番号20)(図4L)、EYK(図4M)、CK(図4N)、GQPR(配列番号21)(図4O)、EPQVYTLPPSR(配列番号22)(図4P~図4R)、STSGGTAALGCLVKD(配列番号23)(図4S~図4U)、STSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN(配列番号24)(図4V)、VVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25)(図4W~図4X)、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)(図4Y)、及びVSLTVLHQDWLNGK(配列番号27)(図4Z)を含む、20種のTMPP標識合成ペプチドの代表的なETD-MS及びトリガCID-MSスペクトルを示す。 AcCN勾配でオーバーレイされた観察された保持時間の関数としてペプチド強度を示す代表的な結果を示す。 AcCN勾配でオーバーレイされた観察された保持時間の関数としてペプチド強度を示す代表的な結果を示す。 質量の関数としてのTMPPETD効率を実証する代表的な結果を示す。 配列長の関数としてのTMPPETD効率を実証する代表的な結果を示す。 電荷の関数としてのTMPPETD効率を実証する代表的な結果を示す。 それぞれTMPP及びTMPP-Ac-NH である533及び590の診断用イオンの効率としての強度差を実証する代表的な結果を示す。同じペプチドについて、533の診断用イオン(2桁の効率値)と比較して590の診断用イオンについてより小さい効率値(1桁)が観察された。したがって、533の診断用イオンの強度は、590の診断用イオンよりも有意に高かった。 全てのプロダクトイオンを考慮して、全体的なETD効率がわずかな電荷状態依存的減少を示すことを実証する代表的な結果を示す。ETD効率は、図2Dに示す式によって定義することができる。Gunawardena et al.(Gunawardena HP et al.,2005,Journal of the American Chemical Society,127:12627-12639)によって定義された元の%ETD効率は、式5であり、これは、ポリペプチドの全ての骨格断片についての全体的なETD効率推定値であった(パーセンテージとして報告される)。式1~式3は、レポーターイオンに特異的なETD効率の推定値として導出された。式4は、レポーターイオン並びにポリペプチドの骨格断片のETD効率推定値であった。対照的に、図7C及び図7Dは、TMPPレポーターイオンが無視された式5によって推定された全体的な骨格効率について、電荷状態依存的増加を示したETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Aは、式4を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Bは、式4を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Cは、式5を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Dは、式5を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。 全てのプロダクトイオンを考慮して、全体的なETD効率がわずかな電荷状態依存的減少を示すことを実証する代表的な結果を示す。ETD効率は、図2Dに示す式によって定義することができる。Gunawardena et al.(Gunawardena HP et al.,2005,Journal of the American Chemical Society,127:12627-12639)によって定義された元の%ETD効率は、式5であり、これは、ポリペプチドの全ての骨格断片についての全体的なETD効率推定値であった(パーセンテージとして報告される)。式1~式3は、レポーターイオンに特異的なETD効率の推定値として導出された。式4は、レポーターイオン並びにポリペプチドの骨格断片のETD効率推定値であった。対照的に、図7C及び図7Dは、TMPPレポーターイオンが無視された式5によって推定された全体的な骨格効率について、電荷状態依存的増加を示したETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Aは、式4を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Bは、式4を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Cは、式5を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Dは、式5を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。 全てのプロダクトイオンを考慮して、全体的なETD効率がわずかな電荷状態依存的減少を示すことを実証する代表的な結果を示す。ETD効率は、図2Dに示す式によって定義することができる。Gunawardena et al.(Gunawardena HP et al.,2005,Journal of the American Chemical Society,127:12627-12639)によって定義された元の%ETD効率は、式5であり、これは、ポリペプチドの全ての骨格断片についての全体的なETD効率推定値であった(パーセンテージとして報告される)。式1~式3は、レポーターイオンに特異的なETD効率の推定値として導出された。式4は、レポーターイオン並びにポリペプチドの骨格断片のETD効率推定値であった。対照的に、図7C及び図7Dは、TMPPレポーターイオンが無視された式5によって推定された全体的な骨格効率について、電荷状態依存的増加を示したETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Aは、式4を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Bは、式4を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Cは、式5を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Dは、式5を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。 全てのプロダクトイオンを考慮して、全体的なETD効率がわずかな電荷状態依存的減少を示すことを実証する代表的な結果を示す。ETD効率は、図2Dに示す式によって定義することができる。Gunawardena et al.(Gunawardena HP et al.,2005,Journal of the American Chemical Society,127:12627-12639)によって定義された元の%ETD効率は、式5であり、これは、ポリペプチドの全ての骨格断片についての全体的なETD効率推定値であった(パーセンテージとして報告される)。式1~式3は、レポーターイオンに特異的なETD効率の推定値として導出された。式4は、レポーターイオン並びにポリペプチドの骨格断片のETD効率推定値であった。対照的に、図7C及び図7Dは、TMPPレポーターイオンが無視された式5によって推定された全体的な骨格効率について、電荷状態依存的増加を示したETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Aは、式4を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Bは、式4を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Cは、式5を使用した質量の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Dは、式5を使用した電荷の関数としての全体的なETD効率を実証する代表的な結果を示す。 式6を使用した質量の関数としてのTMPPHCD効率を実証する代表的な結果を示す。図7Fは、式6を使用した電荷の関数としてのTMPPHCD効率を実証する代表的な結果を示す。 式6を使用した電荷の関数としてのTMPPHCD効率を実証する代表的な結果を示す。 ETD効率と、ペプチドあたりのチロシン残基及びリジン残基の数によってグループ化された標識ペプチドとの間の関係を実証する代表的な結果を示す。 ペプチドの反応又はTMPP標識効率の全体的な分布を実証する代表的な結果を示す。 式7によって推定されたペプチドの反応又はTMPP標識効率の全体的な分布を実証する代表的な結果を示す。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 標識ペプチド及び非標識ペプチドにおける真陽性(TP)、偽陽性(FP)、真陰性(TN)、及び偽陰性(FN)の生成を実証する代表的な結果を示す。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。 各診断用イオン及び溶出時間についてのROC曲線の曲線下面積(AUC)を実証する代表的な結果を示す。図11Aは、TMPP(533)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Bは、TMPPペプチド保持時間の代表的な予測力を示す。図11Cは、TMPP-Ac(573)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Dは、TMPP-Ac-NH (591)診断用イオンの代表的な予測力を示す。 各診断用イオン及び溶出時間についてのROC曲線の曲線下面積(AUC)を実証する代表的な結果を示す。図11Aは、TMPP(533)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Bは、TMPPペプチド保持時間の代表的な予測力を示す。図11Cは、TMPP-Ac(573)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Dは、TMPP-Ac-NH (591)診断用イオンの代表的な予測力を示す。 各診断用イオン及び溶出時間についてのROC曲線の曲線下面積(AUC)を実証する代表的な結果を示す。図11Aは、TMPP(533)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Bは、TMPPペプチド保持時間の代表的な予測力を示す。図11Cは、TMPP-Ac(573)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Dは、TMPP-Ac-NH (591)診断用イオンの代表的な予測力を示す。 各診断用イオン及び溶出時間についてのROC曲線の曲線下面積(AUC)を実証する代表的な結果を示す。図11Aは、TMPP(533)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Bは、TMPPペプチド保持時間の代表的な予測力を示す。図11Cは、TMPP-Ac(573)診断用イオンの代表的な予測力を示す。図11Dは、TMPP-Ac-NH (591)診断用イオンの代表的な予測力を示す。 プロテアーゼ活性に起因して生成されたIAWLVKの配列(配列番号5)のネオN末端についての証拠を示す代表的なMS/MSスペクトルを示す。図12Aは、特徴的な診断用イオンTMPP(m/z=533Da)を生成した2価イオンのETD-MSから得られた代表的なプロダクトイオンスペクトルを示す。図12Bは、2価イオンの代表的な診断用レポーターイオン(m/z=533)によってトリガされたCID-MSスペクトルを示す。図12Cは、診断用イオンが存在しない非コンジュゲートペプチドの代表的なETDスペクトルを示す。 プロテアーゼ活性に起因して生成されたIAWLVKの配列(配列番号5)のネオN末端についての証拠を示す代表的なMS/MSスペクトルを示す。図12Aは、特徴的な診断用イオンTMPP(m/z=533Da)を生成した2価イオンのETD-MSから得られた代表的なプロダクトイオンスペクトルを示す。図12Bは、2価イオンの代表的な診断用レポーターイオン(m/z=533)によってトリガされたCID-MSスペクトルを示す。図12Cは、診断用イオンが存在しない非コンジュゲートペプチドの代表的なETDスペクトルを示す。 プロテアーゼ活性に起因して生成されたIAWLVKの配列(配列番号5)のネオN末端についての証拠を示す代表的なMS/MSスペクトルを示す。図12Aは、特徴的な診断用イオンTMPP(m/z=533Da)を生成した2価イオンのETD-MSから得られた代表的なプロダクトイオンスペクトルを示す。図12Bは、2価イオンの代表的な診断用レポーターイオン(m/z=533)によってトリガされたCID-MSスペクトルを示す。図12Cは、診断用イオンが存在しない非コンジュゲートペプチドの代表的なETDスペクトルを示す。 GLP1配列の逐次クリッピングに対応する代理ペプチドのETD-MS及び診断用イオン誘発CID-MSプロダクトイオンスペクトルの証拠を実証する代表的な結果を示す。図13Aは、I/Aクリップから生じるAWLVK(配列番号6)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Bは、A/Wクリップから生じるWLVK(配列番号7)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Cは、W/Lクリップから生じるLVKの代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。 GLP1配列の逐次クリッピングに対応する代理ペプチドのETD-MS及び診断用イオン誘発CID-MSプロダクトイオンスペクトルの証拠を実証する代表的な結果を示す。図13Aは、I/Aクリップから生じるAWLVK(配列番号6)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Bは、A/Wクリップから生じるWLVK(配列番号7)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Cは、W/Lクリップから生じるLVKの代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。 GLP1配列の逐次クリッピングに対応する代理ペプチドのETD-MS及び診断用イオン誘発CID-MSプロダクトイオンスペクトルの証拠を実証する代表的な結果を示す。図13Aは、I/Aクリップから生じるAWLVK(配列番号6)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Bは、A/Wクリップから生じるWLVK(配列番号7)の代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。図13Cは、W/Lクリップから生じるLVKの代理ペプチドを実証する代表的な結果を示す。 EFIAWLVK(配列番号3)、FIAWLVK(配列番号4)、IAWLVK(配列番号5)、AWLVK(配列番号6)、WLVK(配列番号7)及びLVKの代理ペプチドを生成するためのデュラグルチド(配列番号2)のクリップ部位の概略図を示す。 デュラグルチドの代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラム(XIC)を示す。図15Aは、配列番号4~7のペプチド及びLVKのペプチドを含む、TMPP標識なしの代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラムを示す。図15Bは、TMPP-FIAWLVK(配列番号8)、TMPP-IAWLVK(配列番号9)、TMPP-AWLVK(配列番号10)、TMPP-WLVK(配列番号11)及びTMPP-LVKを含む標識代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラムを示す。XICは、各TMPP標識ペプチドが10~13分の間の2つの急速な傾斜の間に溶出したことを実証した。 デュラグルチドの代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラム(XIC)を示す。図15Aは、配列番号4~7のペプチド及びLVKのペプチドを含む、TMPP標識なしの代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラムを示す。図15Bは、TMPP-FIAWLVK(配列番号8)、TMPP-IAWLVK(配列番号9)、TMPP-AWLVK(配列番号10)、TMPP-WLVK(配列番号11)及びTMPP-LVKを含む標識代理ペプチドの代表的な抽出イオンクロマトグラムを示す。XICは、各TMPP標識ペプチドが10~13分の間の2つの急速な傾斜の間に溶出したことを実証した。 LVKペプチド配列上の異なる解離モードを介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Aは、LVKペプチド配列上の高エネルギー衝突解離(HCD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Bは、LVKペプチド配列上の紫外線光解離(UVPD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Cは、LVKペプチド配列上の電子移動解離(ETD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。 LVKペプチド配列上の異なる解離モードを介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Aは、LVKペプチド配列上の高エネルギー衝突解離(HCD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Bは、LVKペプチド配列上の紫外線光解離(UVPD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Cは、LVKペプチド配列上の電子移動解離(ETD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。 LVKペプチド配列上の異なる解離モードを介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Aは、LVKペプチド配列上の高エネルギー衝突解離(HCD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Bは、LVKペプチド配列上の紫外線光解離(UVPD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。図16Cは、LVKペプチド配列上の電子移動解離(ETD)を介した特徴的なレポーターイオンを実証する代表的な結果を示す。 カテプシンDの存在下及び非存在下、並びにTMPP誘導体化に使用した異なるpH及び緩衝液組成の緩衝溶液における、F-IでのGLP1ペプチドクリッピングを実証する代表的な結果を示す。カテプシンD処理試料を+カテプシンDと表記し、TMPP誘導体化試料を+TMPPと表記した。x軸は、試料及び反応条件である、100mM MES pH6、100mM HEPES pH7、100mMリン酸ナトリウムpH8;DMFと予備混合したTMPP試薬;PBS pH7中の未反応対照を示し、y軸は、ピーク面積を示す。図17Aは、前駆体ペプチドFIAWLVK(配列番号4)及び対応するクリップされた生成物IAWLVK(配列番号5)の抽出イオンクロマトグラム(XIC)の代表的なパネルを示し、Y軸はピーク面積を示し、x軸は保持時間を示す。図17Bは、前駆体ペプチドFIAWLVK(配列番号4)及び対応するクリップされた生成物IAWLVK(配列番号5)についてのXICの代表的なピーク面積を示す。 カテプシンDの存在下及び非存在下、並びにTMPP誘導体化に使用した異なるpH及び緩衝液組成の緩衝溶液における、F-IでのGLP1ペプチドクリッピングを実証する代表的な結果を示す。カテプシンD処理試料を+カテプシンDと表記し、TMPP誘導体化試料を+TMPPと表記した。x軸は、試料及び反応条件である、100mM MES pH6、100mM HEPES pH7、100mMリン酸ナトリウムpH8;DMFと予備混合したTMPP試薬;PBS pH7中の未反応対照を示し、y軸は、ピーク面積を示す。図17Aは、前駆体ペプチドFIAWLVK(配列番号4)及び対応するクリップされた生成物IAWLVK(配列番号5)の抽出イオンクロマトグラム(XIC)の代表的なパネルを示し、Y軸はピーク面積を示し、x軸は保持時間を示す。図17Bは、前駆体ペプチドFIAWLVK(配列番号4)及び対応するクリップされた生成物IAWLVK(配列番号5)についてのXICの代表的なピーク面積を示す。
本発明は、部分的には、電子移動解離(ETD)質量分析と組み合わせたTMPP標識の使用が、小さなトリプシンペプチドに対して最も強力であった容易なTMPPレポーターイオンを生成したという予想外の発見に基づく。更に、本発明は、部分的には、衝突誘起解離(CID)MSスペクトルがETD同定を補完し、MSスキャンをトリガし、レポーターイオンが観察された場合にのみCIDスキャンが実行されるリアルタイムin silcoフィルタリング機構を提供するという予想外の発見に基づく。
したがって、本発明は、部分的には、タンパク質若しくはポリペプチドを特性決定するため、及び/又はタンパク質若しくはポリペプチド上のクリップ部位を同定するための新規なシステム、プロセス、及び方法に関する。様々な実施形態では、システム、プロセス、及び方法は、ETDにおけるレポーターイオンの容易な生成のためのハイスループットLC-MSを含む。いくつかの実施形態では、レポーターの生成は、その後のMS/MS分析を容易にする。いくつかの実施形態では、MS/MS分析は、タンパク質又はポリペプチドを更に配列決定するために、強度及びm/z依存性トリガイベントを介した、CID、高エネルギー衝突解離(HCD)、及び/又は紫外線光解離(UVPD)などの相補的イオン活性化モードを含む。例えば、一実施形態では、本発明は、ETD-MS2を含む、クリップポリペプチドを同定する方法に焦点を当て、TMPP由来のレポーターイオンは、MS2分析をトリガして、クリップポリペプチドを自律的にフィルタリングする。
定義
本明細書で使用するところの下記の用語のそれぞれは、この項でその用語に関連付けられる意味を有するものである。他に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、好ましい方法及び材料を記載する。
本明細書に引用する全ての特許、公開された特許出願及び刊行物は、参照によってあたかもその全体が本明細書に記載されているように組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、装置、物品などの考察は、本発明の背景を与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、1つ又は1つを超える(すなわち、少なくとも1つの)目的語たる物品を指すものとして使用される。例として「an element」とは、1つの要素又は複数の要素を意味する。
特に断らない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、典型的には、記載される値の±10%を含む。例えば、約50ppm以下の量は、45ppm以下~55ppm以下を含む。本明細書で使用するとき、数値範囲の使用は、文脈上そうでない旨が明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
用語「約」は、当業者には理解されるものであり、この用語が用いられる文脈によってある程度異なる。量、及び持続時間などの測定可能な値を指す場合、本明細書で使用するところの「約」なる用語は、具体的な値から、±20%又は±10%、より好ましくは±5%、更により好ましくは±1%、いっそうより好ましくは±0.1%のばらつきを包含することを意味するが、かかるばらつきは、本開示の方法を実施するうえで適切なものである。
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈上必要としない限り、用語「含む(comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、指定の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、任意の他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを意味すると理解されるであろう。本明細書で使用するとき、用語「含む」は、用語「含有する」又は「含む(including)」に置き換えることができ、又はときに本明細書で使用するとき、用語「有する」に置き換えることもできる。
本明細書で使用するとき、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素において指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書で使用するとき、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップは除外しない。本発明の態様又は実施形態に関連して本明細書で使用するとき、本開示の範囲を変化させるために、「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」、及び「有する」という上記用語のいずれかを、用語「からなる」又は「から本質的になる」に置き換えることができる。
本明細書で使用するとき、複数の列挙された要素間の「及び/又は」という接続的な用語は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしに第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書で使用するとき、「及び/又は」という用語の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用性もまた、意味に含まれ、したがって、「及び/又は」という用語の要件を満たすことが理解される。
本明細書で使用される場合、「MS/MS」又は「MS」は、タンデム質量分析を指す。タンデム質量分析は、2つ以上の質量分析器が、追加の反応ステップを使用して一緒に連結されて、試料を分析する能力を高める、機器分析における技術である。質量分析のタンデム使用は、反応ステップが空間内で分離される(空間内のタンデム)、及び/又は反応ステップが時間的に分離される(時間的にタンデム)場合に行うことができる。タンデム質量分析の一般的な使用は、タンパク質、ペプチド、有機及び無機分子、脂質、代謝産物、及びオリゴヌクレオチドなどの生体分子の分析である。
本明細書で使用される場合、「レポーターイオン」又は「診断用イオン」は、ETD質量スペクトルで観察される、N末端タグ又は標識を含む標識ペプチド又はポリペプチドの特徴的なプロダクトイオンを指す。通常、それは、質量スペクトルにおける最も優勢なプロダクトイオンであり、その後のMS/MSイベントをトリガして標識ペプチド又はポリペプチドを更に配列決定するために使用される。
本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、「標識」プローブを生成するためにプローブに直接的又は間接的にコンジュゲートされる検出可能な化合物又は組成物を指す。標識は、それ自体(例えば、小分子又は電荷標識)によって検出可能であってもよい。
「増幅」という用語は、試料中に存在する標的レポーターイオンのコピー数を増加させる操作を指す。
本明細書で使用される場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は互換的に使用され、ペプチド結合によって共有結合したアミノ酸残基で構成される化合物を指す。タンパク質又はペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質又はペプチドの配列を含むことができるアミノ酸の最大数に限定されない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに結合した2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチド又はタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、例えば、当技術分野で一般にペプチド、オリゴペプチド及びオリゴマーとも呼ばれる短鎖と、当技術分野で一般にタンパク質と呼ばれる長鎖の両方を指し、これらには多くの型が存在する。「ポリペプチド」としては、例えば、とりわけ、生物学的に活性な断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドの変異体、修飾ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が挙げられる。ポリペプチドは、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」、「アミノ酸モノマー」、又は「アミノ酸残基」という用語は、20個の天然に存在するアミノ酸、非天然の側鎖を有する合成アミノ酸のいずれかを指し、D及びL光学異性体の両方を含む。
本明細書で使用される場合、「天然アミノ酸」、「天然にコードされたアミノ酸」、「天然に存在するアミノ酸」、及び「遺伝的にコードされたアミノ酸」という用語は、20個の共通のアミノ酸又はピロリジン若しくはセレノシステインのうちの1つであるアミノ酸を指す。「天然アミノ酸」という用語には、タンパク質原性アミノ酸が含まれるが、これらに限定されない。
「非天然アミノ酸」は、20個の共通のアミノ酸又はピロリジン若しくはセレノシステインのいずれでもないアミノ酸を指す。「非天然アミノ酸」という用語と同義的に使用されてもよい他の用語は、「天然にコードされていないアミノ酸」、「非天然アミノ酸」、「天然に存在しないアミノ酸」、「遺伝的にコードされていないアミノ酸」、及びそれらの様々なハイフンで結ばれたバージョン及びハイフンで結ばれていないバージョンである。「非天然アミノ酸」という用語には、天然にコードされるアミノ酸(一般的なアミノ酸又はピロリシン及びセレノシステインが挙げられるが、これらに限定されない)の修飾によって天然に存在するが、それ自体は翻訳複合体によって成長するポリペプチド鎖に組み込まれないアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。天然にコードされていない天然に存在するアミノ酸の例としては、N-アセチルグルコサミノイル-L-セリン、N-アセチルグルコサミノイル-L-スレオニン、及びO-ホスホチロシンが挙げられるが、これらに限定されない。更に、「非天然アミノ酸」という用語は、天然には存在せず、合成的に得られてもよく(例えば、Q-プロリン系アミノ酸)、又は非天然アミノ酸の修飾によって得られてもよい非タンパク質原性アミノ酸及びアミノ酸を含むが、これらに限定されない。
「単離された」は、自然状態から変更又は除去されることを意味する。例えば、生きている動物に天然に存在するタンパク質又はペプチドは、「単離され」ないが、その天然状態の共存材料から部分的又は完全に分離された同じタンパク質又はペプチドは「単離されている」。単離されたペプチド又はタンパク質は、実質的に精製された形態で存在することができるか、又は例えば宿主細胞などの非天然環境に存在することができる。
本明細書で使用される場合、「同一」という用語は、同じである2つ以上の配列又は部分配列を指す。
更に、本明細書で使用される場合、「実質的に同一」という用語は、比較アルゴリズムを使用して、又は手動アライメント及び目視検査によって測定される場合、比較ウィンドウ又は指定領域にわたって最大の対応のために比較及び整列した場合に同じである連続単位のパーセンテージを有する2つ以上の配列を指す。単なる例として、連続単位が、指定された領域にわたって、約60%同一、約65%同一、約70%同一、約75%同一、約80%同一、約85%同一、約90%同一、又は約95%同一である場合、2つ以上の配列は「実質的に同一」であってもよい。そのようなパーセンテージは、2つ以上の配列の「同一性パーセント」を説明する。配列の同一性は、長さが少なくとも約75~100連続単位である領域にわたって、長さが約50連続単位である領域にわたって、又は指定されない場合、配列全体にわたって存在することができる。この定義はまた、試験配列の相補体を指す。
本明細書で使用される場合、「説明資料」という用語は、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するか、又はポリペプチドを特性決定するためのキットにおける本発明のレポーターイオン、システム及び/又は方法の有用性を伝えるために使用することができる刊行物、記録、図、又は任意の他の媒体を含む。任意選択的に、又は代替的に、説明資料は、ポリペプチド又はポリペプチドのクリップ部位をTMPPで標識する1つ又は複数の方法を記載してもよい。任意選択的に、又は代替的に、説明資料は、本発明のシステム又は方法を使用して、ポリペプチド又はTMPP標識ポリペプチド上のTMPP標識クリップ部位を分析する1つ又は複数の方法を記載してもよい。キットの説明資料は、例えば、本発明の1つ又は複数の構成要素を含有する容器に添付されてもよいか、又は本発明の1つ又は複数の構成要素を含有する容器と一緒に出荷されてもよい。或いは、説明資料は、受領者が説明資料及び構成要素を協働して使用することを意図して、容器とは別に出荷されてもよい。
本開示を通して、本発明の様々な態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式の説明は単に便宜上及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲上の確固とした制限として解釈されるべきではない、と理解すべきである。したがって、範囲の説明は、全ての可能な部分範囲、並びにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの具体的に開示される部分範囲、並びにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6を有すると見なされるべきである。これは、範囲の広さにかかわらず適用される。
説明
本発明は、部分的には、タンパク質若しくはポリペプチドを特性決定するため、及び/又はタンパク質若しくはポリペプチド上のクリップ部位を同定するための新規なシステム、プロセス、及び方法に関する。本発明の様々な態様では、システム、プロセス、及び方法は、ETDにおけるレポーターイオンの容易な生成のためのハイスループットLC-MSを含む。いくつかの実施形態では、レポーターの生成は、その後のMS/MS分析(すなわち、タンデム質量分析)を容易にする。いくつかの実施形態では、MS/MS分析は、タンパク質又はポリペプチドを更に配列決定するために、強度及びm/z依存性トリガイベントを介した、CID、高エネルギー衝突解離(HCD)、及び/又は紫外線光解離(UVPD)などの相補的イオン活性化モードを含む。例えば、一実施形態では、本発明は、ETD-MS2を含む、クリップポリペプチドを同定する方法に焦点を当て、TMPP由来のレポーターイオンは、MS2分析をトリガして、クリップポリペプチドを自律的にフィルタリングする。
クリップ部位の同定
質量分析は、クリップ部位の同定及び特性決定のための重要な新たな方法である。利用可能な質量分析計の性能及び質量範囲に関連して、「トップダウン」戦略及び「ボトムアップ」戦略を含む2つのアプローチがタンパク質を特性決定するために使用される。
タンパク質分析の「トップダウン」戦略では、無傷のタンパク質は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又はマトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)のいずれかによってイオン化され、次いで質量分析器に導入される。しかし、無傷のMSは、機器の検出限界(LOD)内にある分解産物を検出するのにのみ有用であるが、低レベルのクリップは、ペプチドレベル分析を必要とする無傷のMS分析では観察されないことが多い。
「ボトムアップ」プロテオミクスでは、タンパク質の存在の同定はペプチドレベルで行われる。「ボトムアップ」戦略の一般的な手順は、1つ又は複数のタンパク質分解酵素(トリプシン、ペプシン、キモトリプシンなど)を使用して、タンパク質に由来する個々のペプチドの塊を得ることを含む。続いて、これらのペプチドを質量分析計に導入し、ペプチド質量フィンガープリント又はタンデム質量分析によって同定する。次いで、質量を配列データベース又はスペクトルライブラリなどのデータベースと比較し、確率ベースのスコアリングシステムを使用して、最も近いタンパク質マッチを決定する。したがって、このアプローチは、ペプチドレベルでの同定を使用して、クリップされたペプチドの存在を推測する。より小さくより均一な断片は、無傷のタンパク質よりも分析が容易であり、高精度で決定することもでき、したがって、この「ボトムアップ」アプローチは、プロテオミクス及びタンパク質特性評価における研究の好ましい方法である。
しかし、ボトムアップアプローチによるタンパク質のクリップ部位の特性決定は、複雑なタンパク質消化物に存在する最も豊富なペプチドの配列決定に起因して困難である。クリップされたペプチドの比較的低い化学量論は、ネオN末端を有するペプチドを検出しない可能性がある。更に、溶液中及びソース内断片化アーチファクトは、質量分析によって配列決定されたネオN末端ペプチドの偽陽性同定を潜在的に引き起こす可能性がある。
タンパク質のN末端同定の信頼性を高めるために、(N-スクシンイミジルオキシカルボニルメチル)トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムブロミド(TMPP)又はジメチル標識によるN末端アミン基の化学的誘導体化とそれに続く質量分析が一般的に行われる。このアプローチを使用して、目的のタンパク質N末端を、トリプシン消化及びLC-MS分析の前にTMPP又はジメチルによって標識する。したがって、タンパク質のN末端は、N末端トリプシンペプチドのみが標識を含有するため、容易に同定することができる。TMPPなどのN末端誘導体化を有するペプチドは、クロマトグラフィ中のペプチドのイオン化及び保持を改善し、タンデム質量分析の間に独自のフラグメントイオンを生成し、これにより、これらのペプチドの配列決定が著しく容易になる。
化学標識に基づく1つの方法は、還元メチル化を介して、水溶性ホルムアルデヒドでリジンのN末端及びε-アミノ基を標識する脱メチル化である。MS/MS分析では、この標識戦略は、ほとんどの非誘導体化断片からは検出できないa1及びyn-1イオンのシグナル増強を提供する。その単純さ、並びに低コストのため、ジメチル標識は、タンパク質N末端同定のための有望な戦略である。
或いは、TMPP標識アプローチは簡単であり、異なるタンパク質に首尾よく適用されている。この標識試薬の2つの特徴は、方法の感度を促進する:(i)TMPP標識は、永続的な正電荷を導入し、その結果、イオン化効率が増強され、したがって、低存在量ペプチドのより良好な検出がもたらされ、(ii)疎水性TMPP基は、逆相クロマトグラフィにおけるTMPP誘導体化ペプチドの保持時間をクロマトグラムのより複雑でない部分にシフトさせ、特に、そうでなければカラム上に保持されない短いN末端ペプチドについて、検出感度を増大させる。更に、TMPPは、プロテオミクスにおけるタンパク質抽出に使用される全ての標準的な界面活性剤、カオトロピック剤、及び還元条件と完全に適合性があり、そのためTMPP標識はタンパク質N末端配列決定に一般的に使用される方法となっている。
TMPP標識アプローチは、SDS-PAGEゲルから切り取られたタンパク質からのタンパク質クリッピング及びN末端不均一性のプロテオゲノムマッピングを検出するために実証されている。更に、この標識試薬は、N末端ペプチドの疎水性を増加させ、それらのイオン化能力を改善し、導入される正電荷のためにそれらの断片化パターンを修飾する。
レポーターイオントリガタンデム質量分析
TMPPタグの部位特異的局在化は、成熟N末端又はネオN末端の明確な決定を可能にする。骨格プロダクトイオンに加えて、衝突誘発解離(CID)を介して形成された273DaのTMPPレポーターイオンは、プロセシングされたN末端の存在について診断することができる。しかし、CIDを介して生成されたレポーターイオンは、それらの存在量が少ないため、情報価値が低い可能性がある。
本出願は、電子移動解離(ETD)タンデム質量分析でのTMPPレポーターイオンの容易な生成のための新規ハイスループットLC-MS法について記載する。これらのレポーターイオンの豊富な生成は、更なる配列ペプチドに対する強度及びm/z依存性トリガイベントを介したCID、HCD又はUVPDなどの相補的イオン活性化モードを使用したその後のMS/MSイベントを可能にする。ETDを介して生成されたレポーターイオンは新規であり、このレポーターのトリガは、TMPP標識ペプチドを含むスペクトルのフィルタリングを容易にし、データベース検索、又はスペクトルの迅速な手動検証を支援する。
一般的な一態様では、本出願は、ポリペプチドの特性決定を行う方法に関し、方法は、
(i)ポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、標識ポリペプチドを得ることと、
(ii)標識ポリペプチドを消化して、1つ又は複数の非標識ペプチド及び1つ又は複数の標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iii)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(iv)溶出液を電子移動解離(ETD)質量分析に供することと、
(v)1つ又は複数の標識ペプチドのETD質量スペクトルにおけるレポーターイオンを検出することによって、1つ又は複数の標識ペプチドを同定することと、
(vi)同定された1つ又は複数の標識ペプチドを第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの各々の第2の質量スペクトルを生成することと、
(vii)標識ペプチドの各々のETD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
本出願の実施形態によれば、特性決定されるポリペプチドは、酵素、抗体(例えば、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体)、又はその抗原結合断片、生体分子抗原、融合タンパク質、融合ペプチド、足場タンパク質若しくはペプチド、タンパク質若しくはペプチド薬物コンジュゲート、又は治療若しくは診断様式として有用な任意の他のポリペプチド若しくはペプチドを含むが、これらに限定されない、タンパク質又はペプチドのクリッピングから生じる断片(クリップポリペプチド)であってもよい。ポリペプチド自体は、1つ又は複数のクリップ部位を有することができ、したがってクリップされて、クリップされたペプチドを生成することができる。
N末端標識試薬は、任意の第1級アミン反応性試薬を含む末端アミン基と反応することができる。試薬の例としては、サンガー試薬、ダンシル誘導体、フェニルイソチオシアナート(PITC)、ジメトキシピリミジン-2-イソチオシアナート(DMPITC)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)試薬、(N-スクシンイミジルオキシカルボニルメチル)トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムブロミド(TMPP)、ジメチル標識試薬、タンデム質量タグ(TMT)、並びに相対及び絶対定量のための同重体タグ(iTRAQ)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に適したN末端標識試薬は、固定電荷誘導体化試薬である。これらの試薬の例としては、TMPP、TMT、又はiTRAQが挙げられるが、これらに限定されない。これらの試薬は、固定された正電荷を有するタグをペプチドに付加することができる。固定された電荷タグは、より良好なイオン化をもたらし、タグの疎水性は逆相クロマトグラフィにおけるより大きな保持をもたらす。更に、質量分析における固定された電荷ペプチドのその後の断片化は、レポーターイオンを含む様々な骨格断片及び荷電タグ断片をもたらし、これは、本質的に診断的であり、ペプチド同定を容易にすることができる。特に、レポーターイオンは、断片化時の電荷損失から生成される。
これらの試薬のいくつかはまた、遊離N末端に対する反応特異性を改善し、リジンなどの任意の他の遊離アミンに対する反応特異性を改善しない立体的な嵩高さを特徴とする。
いくつかの実施形態では、N末端標識試薬はTMPPである。更なる実施形態では、標識ポリペプチドは、TMPP標識ポリペプチドであり、標識ペプチドは、TMPP標識ペプチドである。
いくつかの実施形態では、ペプチドのTMPP標識は主にN末端にあり、更なる非標識リジン又はチロシン残基は診断用TMPPイオンに影響を及ぼさない。
いくつかの実施形態では、ペプチドを消化するために使用される酵素は、当技術分野で公知の任意のタンパク質分解酵素を含む。
特定の実施形態では、TMPP標識ポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成する。この混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供してLCの溶出液を生成する場合、この方法は、TMPP標識が疎水性であり、逆相勾配で後に溶出するので、混合物中の非標識ペプチドからのTMPP標識ペプチドの迅速な分離を可能にする。これにより、TMPP標識ペプチドの保持時間予測性が可能になり、特異性が更に改善され、ペプチドの偽陽性同定が減少する。
いくつかの実施形態では、液体クロマトグラフィ(LC)分離ステップiii)は、分離のための液体クロマトグラフィ(LC)が存在しないように省略することができる。したがって、その後のステップiv)において、1つ又は複数の非標識ペプチド及び1つ又は複数の標識ペプチドを含む混合物は、直接注入又はフローインジェクションによってタンデム質量分析に直接供される。例えば、一実施形態では、タンデム質量分析は、電子移動解離(ETD)を含む。一般に、ETDは、電子誘導解離法の一種であるため、電子捕捉解離(ECD)などの他のタイプの電子ベースの解離方法も、本明細書ではETDの代替として使用することができる。いくつかの実施形態では、高エネルギー衝突解離(HCD)などの他の解離方法も、本明細書ではETDの代替として使用することができる。
本出願の実施形態によれば、ETDに供される誘導体化されたプリーカーサイオンは、ペプチドの誘導体化のレベルに関係しない。例えば、100%で誘導体化されたペプチドは、1%で誘導体化された同じペプチドと同じETD効率を有することができる。これは、タンパク質のクリップ部位同定との関連でこれらの反応を考慮する場合に重要であり、タンパク質での誘導体化効率は、代理ペプチドのETD効率に影響を及ぼさない。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、TMPPレポーターイオンである。更なる実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。元素の公称質量は、その最も豊富な天然に存在する安定同位体の質量数であり、イオン又は分子の場合、公称質量は、構成原子の公称質量の合計である。公称質量の精度は、10ppmまで良好であることが多い。
好ましくは、本発明の方法は、電子移動解離(ETD)の際にm/z約533Da(TMPP)、場合によっては約590Da(TMPP-Ac-NH )のTMPPレポーターイオン、又は高エネルギー衝突解離(HCD)の際にm/z約573Da(TMPP-Ac)のTMPPレポーターイオンの容易な生成を可能にする。通常、約533Daのレポーターイオンが最も優勢なプロダクトイオンである。強いプロダクトイオンを使用して、その後のMS/MSイベントをトリガしてペプチドを更に配列決定することができる。閾値を使用して、質量m/z閾値及び強度閾値を含む、後続のMS/MSイベントをトリガすることができる。例えば、フィルタ(質量許容差)は、m/z閾値として特定の特異性をトリガするためにしばしば使用される。特定の実施形態では、フィルタは、トリガのために1~20ppmの範囲の質量許容差で、533.1935又は590.2150Da/電荷又はThomsonでの正確な質量電荷のベースピークに設定される。質量許容差は、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、20ppm、又はそれらの間の任意の数、好ましくは5ppmであってもよい。
或いは、レポーターイオンの強度を閾値として使用することができ、これは計装ソフトウェアを使用して設定することができる。例えば、強度は、任意の特定の数、例えば、ベースピークの10%に設定することができ、次いで、ベースピークの10%又は10%より大きい強度を有する任意のレポーターイオンは、後続のMS/MSイベントをトリガすることができる。
好ましい実施形態では、本方法は、標識ペプチドのETD質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出又は分離することによって、TMPP標識ペプチドを同定することを含む。
本出願の実施形態によれば、一般に、ETDによってTMPPレポーターイオンを生成する傾向は、同様の質量又は同じ数のアミノ酸を有するペプチドの3価のプリーカーサイオンより2価のプリーカーサイオンを好む。したがって、ETDによって生成されたTMPP+イオンの診断的有用性は、ほとんどが2価であるトリプシンペプチドに完全に適している。
いくつかの実施形態では、第2の質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析、高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析、又は紫外線光解離(UVPD)質量分析である。したがって、いくつかの実施形態では、タンデム質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析(CID-MS)、高エネルギー衝突解離タンデム質量分析(HCD-MS)、又は紫外線光解離タンデム質量分析(UVPD-MS)である。
いくつかの実施形態では、第2の質量スペクトルは、TMPP標識ペプチドのCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルである。
いくつかの実施形態では、TMPPレポーターイオンは、CID、HCD、又はUVPD質量分析をトリガする。トリガ型質量分析の手法は、MSの第1のETD質量分析部分から生成されたレポーターイオンの存在を確認するトリガMSの発生が少ないため、データのフィルタリングを手動検査に適したものにする。したがって、これは、レポーターイオンピークを有するETD質量スペクトルのin-slicoアプローチ又は手動検査の必要性を排除する。
いくつかの実施形態では、TMPPレポーターイオンは、電荷損失から生成される。
いくつかの実施形態では、LCは、高速液体クロマトグラム(HPLC)又は超高速液体クロマトグラム(UPLC)である。
いくつかの実施形態では、方法はハイスループットである。
いくつかの実施形態では、ETD質量スペクトル(すなわち、第1の質量スペクトル)及びCID、HCD、若しくはUVPD質量スペクトルなどの第2の質量スペクトルは、配列データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される。
好ましい実施形態では、同定されたTMPP標識ペプチドをCID質量分析に供する。
本出願の実施形態によれば、TMPP標識はまた、ペプチドのリジン残基及びチロシン残基上で起こることができ、ETDに供した場合、これらのTMPP修飾を有するペプチドはまた、診断用レポーターイオンを生成することができ、したがってCID-MSイベントをトリガすることができる。これらのCIDスペクトルは、レポーターの偽陽性同定である。それにもかかわらず、ETD及び診断用イオントリガCIDスペクトルにおける配列イオンの後続の検査は、配列上にTMPPを部位特異的に局在化させ、偽陽性の排除に役立つことができる。例えば、後続のトリガCID-MSスペクトルは、TMPP部分がリジン又はチロシンのN末端又は側鎖に割り当てられているかどうかを決定するために使用することができる骨格イオンの情報を提供することができる。ETD-MS及びトリガCID-MSの相補的性質は、TMPP部分を含有する代理タンパク質分解ペプチドのアミノ酸配列に関係なく、潜在的なクリップされた種を迅速にスクリーニングするのに役立つことができる。トリガCID-MSのためのTMPPイオンを生成する能力は、TMPP部分の正確な局在化又は高い信頼性での配列の確認のための配列の完全な調査を提示する。
好ましい実施形態では、本出願は、試料中のN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)標識ペプチドを特性決定する方法に関し、方法は、
(i)試料を電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に供することと、
(ii)TMPP標識ペプチドのETD質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出又は分離することによって、TMPP標識ペプチドを同定することと、
(iii)同定されたTMPP標識ペプチドを第2の質量分析に供することによって、TMPP標識ペプチドの第2の質量スペクトルを生成することと、
(iv)ETD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、TMPP標識ペプチドを特性決定することと
を含む。
N末端標識試薬、好ましくはTMPPは、リジン及びチロシンなどの側鎖中のアミン基にも結合することができることに留意されたい。TMPP標識ペプチドがETDに供されると、レポーターイオンも生成し、したがってCID-MSなどの第2の質量分析をトリガする場合、これらの第2の質量スペクトルはレポーターイオンの偽陽性同定である。しかし、ETDスペクトル及びレポーターイオントリガCIDスペクトルにおける配列イオンの慎重な検査は、配列上にTMPPを部位特異的に局在化させ、偽陽性の排除を助けることができる。
別の一般的な態様では、本出願はまた、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法に関し、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、1つ又は複数の標識ポリペプチドを得ることと、
(iii)標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及び標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)溶出液を、電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に供することと、
(vi)標識ペプチドの各々について、ETD質量スペクトルのレポーターイオンを検出することによって、標識ペプチドを同定することと、
(vii)同定された標識ペプチドを第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの各々について第2の質量スペクトルを生成することと、
(viii)標識ペプチドの各々についてETD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、天然タンパク質、合成タンパク質、組換えタンパク質、又はそれらのペプチドを包含する。本発明の方法によって分析することができるタンパク質の例としては、酵素、抗体(例えば、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体)、又はその抗原結合断片、生体分子抗原、融合タンパク質、融合ペプチド、足場タンパク質若しくはペプチド、タンパク質若しくはペプチド薬物コンジュゲート、又は治療若しくは診断様式として有用な任意の他のポリペプチド若しくはペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本出願の実施形態によれば、特性決定されるクリップポリペプチドは、酵素、抗体、及び生体分子抗原などのタンパク質のクリッピングから生じる断片であってもよい。ポリペプチド自体は、1つ又は複数のクリップ部位を有することができ、したがってクリップされて、クリップされたペプチドを生成することができる。
いくつかの実施形態では、N末端標識試薬は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である。更なる実施形態では、標識ポリペプチドは、TMPP標識ポリペプチドであり、標識ペプチドは、TMPP標識ペプチドである。
いくつかの実施形態では、N末端標識試薬はTMPPである。更なる実施形態では、標識ポリペプチドは、TMPP標識ポリペプチドであり、標識ペプチドは、TMPP標識ペプチドである。
いくつかの実施形態では、分離のための液体クロマトグラフィ(LC)が存在しないように、ステップiv)は存在しなくてもよい。したがって、後続のステップv)において、非標識ペプチド及び標識ペプチドを含む混合物は、直接注入又はフローインジェクションによる電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)又は他の電子誘導解離タンデム質量分析に直接供される。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、TMPPレポーターイオンである。更なる実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
好ましい実施形態では、本方法は、標識ペプチドのETD質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出又は分離することによって、TMPP標識ペプチドを同定することを含む。
いくつかの実施形態では、第2の質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析、高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析、又は紫外線光解離(UVPD)質量分析である。したがって、いくつかの実施形態では、タンデム質量分析は、衝突誘発解離(CID)質量分析(CID-MS)、高エネルギー衝突解離タンデム質量分析(HCD-MS)、又は紫外線光解離タンデム質量分析(UVPD-MS)である。
いくつかの実施形態では、第2の質量スペクトルは、TMPP標識ペプチドのCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルである。
いくつかの実施形態では、TMPPレポーターイオンは、CID、HCD、又はUVPD質量分析をトリガする。
いくつかの実施形態では、TMPPレポーターイオンは、電荷損失から生成される。
いくつかの実施形態では、LCは、高速液体クロマトグラム(HPLC)又は超高速液体クロマトグラム(UPLC)である。
一実施形態では、タンパク質は治療用タンパク質である。一実施形態では、タンパク質は非治療用タンパク質である。
いくつかの実施形態では、方法はハイスループットである。
いくつかの実施形態では、ETD質量スペクトル及びCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルなどの第2の質量スペクトルは、Uniprot、NIST、又はSpectraSTなどのデータベース又はスペクトルライブラリ中の情報と比較することによって分析される。しかし、これらのデータベース又はパブリックライブラリは、同定するための基準として注釈された533又は590レポーターイオンを有していないため、非レポーターイオンの同定のために使用される。
好ましい実施形態では、同定されたTMPP標識ペプチドをCID質量分析に供する。
別の一般的な一態様では、本発明は、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法に関し、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のクリップポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識し、それによって1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを得ることと、
(iii)1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)溶出液を電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に供し、それによってTMPP標識ペプチドの各々についてETD質量スペクトルを生成することと、
(vi)ETD質量スペクトル中のTMPPレポーターイオンを検出又は分離することと、
(vii)TMPPレポーターイオンの検出又は分離時に、TMPP標識ペプチドの各々を、衝突誘発解離(CID)質量分析又は高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析又は紫外線光解離(UVPD)質量分析に供し、それによってTMPP標識ペプチドの各々についてそれぞれCID又はHCD又はUVPD質量スペクトルを生成することと、
(viii)TMPP標識ペプチドの各々についてETD質量スペクトル及びCID又はHCD又はUPVD質量スペクトルを分析することによって、タンパク質上のクリップ部位を同定することと
を含む。
いくつかの実施形態では、特性決定されるクリップポリペプチドは、酵素、抗体、及び生体分子抗原などのタンパク質のクリッピングから生じる断片であってもよい。ポリペプチド自体は、1つ又は複数のクリップ部位を有することができ、したがってクリップされて、クリップされたペプチドを生成することができる。
いくつかの実施形態では、分離のための液体クロマトグラフィ(LC)が存在しないように、ステップiv)は存在しなくてもよい。したがって、後続のステップv)において、非標識ペプチド及び標識ペプチドを含む混合物は、直接注入又はフローインジェクションを介して電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に直接供される。
いくつかの実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
いくつかの実施形態では、ETD質量スペクトル及びCID又はHCD又はUPVD質量スペクトルは、データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される。
本開示を考慮して、本明細書に記載の発明には任意の適切な質量スペクトル装置を使用することができる。例えば、ETDを含むタンデム質量分析は、ETD反応を行うことができる任意の機器を使用して行うことができる。このタイプの解離を行うことができるいくつかのモデル及び機器ベンダがあり、これらは当技術分野で公知である。例えば、電子捕捉解離(ECD)は、ETDとの類似性を有し、したがって、解離を行い、同じレポーターイオンを生成することができる。したがって、ECD反応を行うことができる機器も、ETDタンデム質量分析の代替として使用することができる。同様に、CIDタンデム質量分析は、低エネルギーCID及び高エネルギーCIDを含むCID反応を行うことができる任意の機器を使用して行うことができる。
ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための、及び/又はポリペプチドを特性決定するためのシステム
本発明はまた、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための、又は試料中のポリペプチドを特性決定するためのシステムに関する。本発明の様々な態様では、システムは、液体クロマトグラフィ(LC)装置及びタンデム質量分析計を含む。
一実施形態では、LC装置は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置である。
いくつかの実施形態では、タンデム質量分析計は、
(i)第1のイオン化装置と、
(ii)第1の範囲内の質量電荷比を有するイオンを透過するために、第1の動作モードで配置及び適合された第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器と、
(iii)第1のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(iv)動作モードでイオンを減衰させるための減衰手段と、
(v)第1の範囲内の質量電荷比を有するが、1つ又は複数の望ましくない第1の電荷状態を有するイオンが実質的に減衰されるように、減衰手段の動作を制御するように構成された制御装置と、
(vi)第2のイオン化装置と、
(vii)第2のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(viii)フラグメントイオンの非混合信号を取得し、トリガイオンを非冗長的にコード化するように構成されたデータシステムであって、非冗長的なコード化が、任意の個々のゲート時間の複数回の反復において異なる親種からの任意の2つのイオン信号の反復的な重複を回避又は最小化するように配置されている、データシステムと
を含む。
一実施形態では、試料をLC装置に供して、溶出液を生成させる。
一実施形態では、溶出液をタンデム質量分析に供して、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを得る。
いくつかの実施形態では、ポリペプチド上のクリップ部位又はポリペプチドは、N末端標識試薬で標識される。例えば、一実施形態では、N末端標識試薬は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である。
一実施形態では、第1のイオン化装置は、TMPPレポーターイオンを生成する。様々な実施形態では、TMPPレポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。一実施形態では、TMPPレポーターイオンは、第2の質量分析をトリガする。
一実施形態では、第1のイオン化装置は、電子誘導解離装置である。いくつかの実施形態では、電子誘導解離装置は、電子移動解離(ETD)装置又は電子捕捉解離(ECD)装置である。したがって、様々な実施形態では、第1の質量スペクトルは、ETD又はECD質量スペクトルである。
いくつかの実施形態では、第2のイオン化装置は、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、又は紫外線光解離(UVPD)装置である。したがって、様々な実施形態では、第2の質量スペクトルは、CID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを含む。
いくつかの実施形態では、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルは、データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される。
いくつかの実施形態では、質量分析計は、衝突装置、断片化装置、又は反応装置を更に含む。
いくつかの実施形態では、減衰手段は、イオンゲート又はイオンバリアを含む。いくつかの実施形態では、減衰手段は、イオン移動度分光計又は分離器の下流に配置される。
いくつかの実施形態では、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器は、第1の動作モードで配置及び適合されて、第1の範囲外の質量電荷比を有するイオンを減衰させる。いくつかの実施形態では、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器は、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流又は下流に配置される。
いくつかの実施形態では、第1の望ましくない電荷状態は、以下の(i)1価、(ii)2価、(iii)3価、(iv)4価、(v)5価、及び(vi)多価のうちの1つ又は複数から選択される。
いくつかの実施形態では、質量分析計は、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流に配置されたイオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域を更に含み、当該イオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域は、イオンをトラップ、貯蔵、又は蓄積し、次いで当該イオン移動度分光計又は分離器内に、若しくは当該イオン移動度分光計又は分離器に向かってイオンを定期的にパルス化するように配置されている。
ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための、及び/又はポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオン
他の態様では、本発明はまた、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのレポーターイオン及び/又はポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオンに関する。一実施形態では、クリップ部位は、N末端標識試薬で標識される。一実施形態では、ポリペプチドは、N末端標識試薬で標識される。例えば、一実施形態では、N末端標識試薬は、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である。
一実施形態では、N末端標識試薬は、イオン化されてレポーターイオンを生成する。例えば、一実施形態では、TMPPは、イオン化されてレポーターイオンを生成する。
一実施形態では、N末端標識試薬は、質量分析計によってイオン化されてレポーターイオンを生成する。例えば、一実施形態では、TMPPは、質量分析計によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する。
一実施形態では、質量分析計は、タンデム質量分析計である。様々な実施形態では、タンデム質量分析計は、本明細書に記載の任意のタンデム質量分析計である。例えば、いくつかの実施形態では、タンデム質量分析計は、電子移動解離(ETD)装置、電子捕捉解離(ECD)装置、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、紫外線光解離(UVPD)装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
一実施形態では、N末端標識試薬は、質量分析技術によってイオン化されてレポーターイオンを生成する。例えば、一実施形態では、TMPPは、質量分析技術によってイオン化されてレポーターイオンを生成する。
一実施形態では、質量分析技術は、タンデム質量分析技術である。様々な実施形態では、タンデム質量分析技術は、本明細書に記載の任意のタンデム質量分析技術である。例えば、いくつかの実施形態では、タンデム質量分析計技術は、電子移動解離(ETD)、電子捕捉解離(ECD)、衝突誘発解離(CID)、高エネルギー衝突解離(HCD)、紫外線光解離(UVPD)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する。
いくつかの実施形態では、レポーターイオンは、
Figure 2022551511000004
Figure 2022551511000005
の構造を含む、化合物である。
他の態様では、本発明はまた、部分的には、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための組成物に関する。
他の態様では、本発明は、部分的には、ポリペプチドを特性決定するための組成物に関する。
様々な実施形態では、組成物は、本発明の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む。
キット
本発明はまた、本発明の方法において有用なキットに関する。そのようなキットは、例えばポリペプチド上のクリップ部位を同定するための材料及び/又はポリペプチドを特性決定するための材料、並びに説明資料を含む、本明細書の他の箇所に記載される方法のうちのいずれかにおいて有用な構成要素の様々な組み合わせを含む。例えば、一実施形態では、キットは、試料中のポリペプチド上のクリップ部位を同定するのに有用な構成要素を含む。一実施形態では、試料中のポリペプチド上のクリップ部位を同定するのに有用な構成要素は、TMPPを含む。別の実施形態では、キットは、試料中のポリペプチドを特性決定するのに有用な構成要素を含む。一実施形態では、試料中のポリペプチドを特性決定するのに有用な構成要素は、TMPPを含む。
一実施形態では、説明資料は、ポリペプチドをTMPPで標識するためのステップを記載する。一実施形態では、説明資料は、ポリペプチドのクリップ部位をTMPPで標識するためのステップを記載する。いくつかの実施形態では、説明資料は、本発明のシステムを使用して、ポリペプチド又はTMPP標識ポリペプチド上のTMPP標識クリップ部位を分析する1つ又は複数の方法を記載する。いくつかの実施形態では、説明資料は、本発明のシステムを使用して、ポリペプチド又はTMPP標識ポリペプチド上のTMPP標識クリップ部位を分析する1つ又は複数の方法を記載する。
本発明の実施形態
本発明は、以下の非限定的な実施形態も提供する。
実施形態1は、試料中のN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)標識ペプチドを特性決定する方法であって、方法は、
(i)試料を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)又は他の電子ベースの解離タンデム質量分析又は高エネルギー衝突解離(HCD)タンデム質量分光測定に供することと、
(ii)TMPP標識ペプチドのETD又はECD、他の電子誘導解離質量スペクトル、又はHCD質量スペクトルのTMPPレポーターイオンを検出又は分離することによって、TMPP標識ペプチドを同定することと、
(iii)同定されたTMPP標識ペプチドを第2の質量分析に供することによって、TMPP標識ペプチドの第2の質量スペクトルを生成することと、
(iv)ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル又はHCD質量スペクトル、並びに第2の質量スペクトルを分析することによって、TMPP標識ペプチドを特性決定することと
を含む。
実施形態1aは、ETDが方法で使用される、実施形態1に記載の方法である。
実施形態1bは、ECDが方法で使用される、実施形態1に記載の方法である。
実施形態1cは、第2の質量分析が、CIDタンデム質量分析(CID-MS)をもたらす衝突誘起解離(CID)質量分析の結果であり、第2の質量スペクトルが、CID質量スペクトルである、実施形態1~1bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態1dは、第2の質量分析が、HCDタンデム質量分析(HCD-MS)をもたらす高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析であり、第2の質量スペクトルが、HCD質量スペクトルである、実施形態1~1bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態1dは、第2の質量分析が、UPVDタンデム質量分析(UVPD-MS)をもたらす紫外線光解離(UVPD)質量分析であり、第2の質量スペクトルが、UVPD質量スペクトルである、実施形態1~1bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態2は、TMPPレポーターイオンが、約533Da又は約573Da又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態1~1dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態2aは、TMPPレポーターイオンが、約533Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態2に記載の方法である。
実施形態2bは、TMPPレポーターイオンが、533.1935の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態2aに記載の方法である。
実施形態2cは、TMPP標識ペプチドが、TMPP標識ペプチドのETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル中の第2のTMPPレポーターイオンを検出することによって同定され、第2のTMPPレポーターイオンが、約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態2a又は2bに記載の方法である。
実施形態2dは、第2のTMPPレポーターイオンが、590.2150の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態2cに記載の方法である。
実施形態2eは、TMPP標識ペプチドが、TMPP標識ペプチドのETD又はECD又はHCD又は他の電子誘導解離質量スペクトル中の第2又は第3のTMPPレポーターイオンを検出することによって同定され、第2又は第3のTMPPレポーターイオンが、約573Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態2a~2dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態2fは、第2又は第3のTMPPレポーターイオンが、573.1884の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態2eに記載の方法である。
実施形態3は、TMPPレポーターイオンが、電荷損失から生成される、実施形態1~2fのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態3aは、TMPPレポーターイオンが、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおいて優勢なプロダクトイオンである、実施形態3に記載の方法である。
実施形態3bは、TMPPレポーターイオンが、ETD質量スペクトルにおいて優勢なプロダクトイオンである、実施形態3aに記載の方法である。
実施形態3cは、TMPPレポーターイオンが、ECD質量スペクトルにおいて優勢なプロダクトイオンである、実施形態3aに記載の方法である。
実施形態3dは、TMPPレポーターイオンが、2価ペプチドから生成される、実施形態1~3cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態3eは、TMPPレポーターイオンが、TMPPである、実施形態1~3cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態3fは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Ac-NH である、実施形態1~3cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態3fは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Acである、実施形態1~3cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4は、TMPPレポーターイオンが、第2の質量分析をトリガする、実施形態1~3fのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4aは、TMPPレポーターイオンが、強度閾値又はm/z閾値を介して第2の質量分析をトリガする、実施形態1~4のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4bは、フィルタ(質量許容差)を使用して、第2の質量分析をトリガする、実施形態4又は4aに記載の方法である。
実施形態4cは、フィルタが、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、20ppm、又はそれらの間の任意の数、好ましくは5ppmの質量許容差などの、トリガのための1~20ppmの範囲の質量許容差で、533.1935、573.1884、又は590.2150Daの正確な質量のベースピークに設定される、実施形態4bに記載の方法である。
実施形態4dは、レポーターイオンの強度が、第2の質量分析をトリガするための閾値として使用される、実施形態4又は4aに記載の方法である。
実施形態4eは、強度が、ベースピークの強度の10%以上に設定される、実施形態4dに記載の方法である。
実施形態4fは、TMPPレポーターイオンが、CIDタンデム質量分析(CID-MS)をもたらす衝突誘起解離(CID)質量分析をトリガする、実施形態1~4eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4gは、TMPPレポーターイオンが、HCDタンデム質量分析(HCD-MS)をもたらす高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析をトリガする、実施形態1~4eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態4hは、TMPPレポーターイオンが、UVPDタンデム質量分析(UVPD-MS)をもたらす紫外線光解離(UVPD)質量分析をトリガする、実施形態1~4eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態5は、ポリペプチドを特性決定する方法であって、方法は、
(i)ポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、標識ポリペプチドを得ることと、
(ii)標識ポリペプチドを消化して、1つ又は複数の非標識ペプチド及び1つ又は複数の標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iii)任意選択で、混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(iv)ステップiii)からの溶出液、又はステップii)からの混合物を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)又は他の電子誘導解離タンデム質量分析に供することと、
(v)標識ペプチドのETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおけるレポーターイオンを検出することによって、標識ペプチドを同定することと、
(vi)同定された標識ペプチドを第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの第2の質量スペクトルを生成することと、
(vii)ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
実施形態6は、ポリペプチドが、断片ポリペプチド又はクリップポリペプチドである、実施形態5に記載の方法である。
実施形態6aは、断片ポリペプチド又はクリップポリペプチドが、タンパク質のクリッピングから生じる、実施形態6に記載の方法である。
実施形態6bは、ポリペプチドが、1つ又は複数のクリップ部位を有する、実施形態6又は6aに記載の方法である。
実施形態6cは、タンパク質が、酵素、抗体(例えば、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体)、又はその抗原結合断片、生体分子抗原、融合タンパク質、融合ペプチド、足場タンパク質若しくはペプチド、タンパク質若しくはペプチド薬物コンジュゲート、又は治療若しくは診断様式として有用な任意の他のポリペプチド若しくはペプチドである、実施形態6~6bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態6dは、タンパク質が、治療用タンパク質である、実施形態6aに記載の方法である。
実施形態6eは、タンパク質が、非治療用タンパク質である、実施形態6aに記載の方法である。
実施形態6fは、ETDが方法で使用される、実施形態5~6eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態6gは、ECDが方法で使用される、実施形態5~6eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態7は、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法であって、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のポリペプチドをN末端標識試薬で標識して、1つ又は複数の標識ポリペプチドを得ることと、
(iii)標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及び標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)任意選択で、混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)ステップiv)からの溶出液、又はステップiii)からの混合物を電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)又は他の電子誘導解離タンデム質量分析に供することと、
(vi)標識ペプチドの各々について、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおけるレポーターイオンを検出することによって、標識ペプチドを同定することと、
(vii)同定された標識ペプチドを第2の質量分析に供し、それによって標識ペプチドの各々について第2の質量スペクトルを生成することと、
(viii)ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを分析することによって、ポリペプチドを特性決定することと
を含む。
実施形態8は、タンパク質が、酵素、抗体(例えば、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体)、又はその抗原結合断片、生体分子抗原、融合タンパク質、融合ペプチド、足場タンパク質若しくはペプチド、タンパク質若しくはペプチド薬物コンジュゲート、又は治療若しくは診断様式として有用な任意の他のポリペプチド若しくはペプチドである、実施形態7に記載の方法である。
実施形態8aは、タンパク質が、治療用タンパク質である、実施形態7に記載の方法である。
実施形態8bは、タンパク質が、非治療用タンパク質である、実施形態7に記載の方法である。
実施形態8cは、タンパク質のクリップポリペプチドが、1つ又は複数のクリップ部位を有する、実施形態7~8bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態8dは、ETDが方法で使用される、実施形態7~8cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態8eは、ECDが方法で使用される、実施形態7~8dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態9は、N末端標識試薬が、固定電荷誘導体化試薬である、実施形態5~8eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態9aは、N末端標識試薬が、ポリペプチドに正電荷を付加する、実施形態9に記載の方法である。
実施形態9bは、N末端標識試薬が、電荷損失から生成されたレポーターイオンをもたらす、実施形態9又は9aに記載の方法である。
実施形態9cは、N末端標識試薬が、TMPPである、実施形態9に記載の方法である。
実施形態9dは、N末端標識の効率が、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又はそれらの間の任意の数である、実施形態5~9cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態10は、標識ポリペプチドが、TMPP標識ポリペプチドである、実施形態5~9dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態10aは、標識ペプチドが、TMPP標識ペプチドである、実施形態10に記載の方法である。
実施形態11は、LCが、高速液体クロマトグラム(HPLC)又は超高速液体クロマトグラム(UPLC)、好ましくはHPLCである、実施形態5~10aのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態11aは、TMPP標識ペプチドが、対応する非標識ペプチドと比較して逆相勾配で後に溶出する、実施形態11に記載の方法である。
実施形態11bは、ステップiii)からの混合物が、電子捕捉解離(ECD)を含むタンデム質量分析に供される、実施形態5~10aのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態11cは、混合物が、直接注入又はフロー注入を介してETDを含むタンデム質量分析に供される、実施形態11bに記載の方法である。
実施形態11dは、ステップiii)からの混合物が、電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に供される、実施形態5~10aのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態11eは、混合物が、直接注入又はフロー注入を介してECDを含むタンデム質量分析に供される、実施形態11dに記載の方法である。
実施形態12は、レポーターイオンが、TMPPレポーターイオンである、実施形態5~11eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12aは、TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態12に記載の方法である。
実施形態12bは、TMPPレポーターイオンが、約533Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態12aに記載の方法である。
実施形態12cは、TMPPレポーターイオンが、約533.1935の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態12bに記載の方法である。
実施形態12dは、標識ペプチドが、TMPP標識ペプチドのETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル中の第2のTMPPレポーターイオンを検出することによって同定され、第2のTMPPレポーターイオンが、約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態12b又は12cに記載の方法である。
実施形態12eは、第2のTMPPレポーターイオンが、590.2150の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態12dに記載の方法である。
実施形態12fは、標識ペプチドが、TMPP標識ペプチドのETD又はECD又はHCD又は他の電子誘導解離質量スペクトル中の第2又は第3のTMPPレポーターイオンを検出することによって同定され、第2又は第3のTMPPレポーターイオンが、約573Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態12a~12eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12gは、第2又は第3のTMPPレポーターイオンが、573.1884の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態12fに記載の方法である。
実施形態12hは、TMPPレポーターイオンが、電荷損失から生成される、実施形態12~12gのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12iは、TMPPレポーターイオンが、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおいて優勢なプロダクトイオンである、実施形態12~12hのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12jは、TMPPレポーターイオンが、2価ペプチドから生成される、実施形態5~12iのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態12kは、TMPPレポーターイオンが、TMPPである、実施形態12に記載の方法である。
実施形態12lは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Ac-NH である、実施形態12に記載の方法である。
実施形態12mは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Acである、実施形態12に記載の方法である。
実施形態13は、第2の質量分析が、CIDタンデム質量分析(CID-MS)をもたらす衝突誘起解離(CID)質量分析の結果であり、第2の質量スペクトルが、CID質量スペクトルである、実施形態5~12mのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態13aは、第2の質量分析が、HCDタンデム質量分析(HCD-MS)をもたらす高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析であり、第2の質量スペクトルが、HCD質量スペクトルである、実施形態5~12mのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態13bは、第2の質量分析が、UVPDタンデム質量分析(UVPD-MS)をもたらす紫外線光解離(UVPD)質量分析であり、第2の質量スペクトルが、UVPD質量スペクトルである、実施形態5~12mのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態14は、TMPPレポーターイオンが、第2の質量分析をトリガする、実施形態5~13bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態14aは、TMPPレポーターイオンが、強度及びm/zを介して第2の質量分析をトリガする、実施形態5~14のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態14bは、フィルタ(質量許容差)を使用して、第2の質量分析をトリガする、実施形態14又は14aに記載の方法である。
実施形態14cは、フィルタが、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、20ppm、又はそれらの間の任意の数、好ましくは5ppmの質量許容差などの、トリガのための1~20ppmの範囲の質量許容差で、533.1935又は590.2150Daの正確な質量のベースピークに設定される、実施形態14bに記載の方法である。
実施形態14dは、レポーターイオンの強度が、第2の質量分析をトリガするための閾値として使用される、実施形態14又は14aに記載の方法である。
実施形態14eは、強度が、ベースピークの強度の10%以上に設定される、実施形態14dに記載の方法である。
実施形態14fは、TMPPレポーターイオンが、CIDタンデム質量分析(CID-MS)をもたらす衝突誘起解離(CID)質量分析をトリガする、実施形態5~14eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態14gは、TMPPレポーターイオンが、HCDタンデム質量分析(HCD-MS)をもたらす高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析をトリガする、実施形態5~14eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態14hは、TMPPレポーターイオンが、UVPDタンデム質量分析(UVPD-MS)をもたらす紫外線光解離(UVPD)質量分析をトリガする、実施形態5~14eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態15は、方法がハイスループットである、実施形態5~14hのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態16は、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及び第2の質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリの情報と比較することによって分析される、実施形態1~15のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態16aは、ETD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルが分析される、実施形態16に記載の方法である。
実施形態16bは、ECD質量スペクトル及び第2の質量スペクトルが分析される、実施形態16に記載の方法である。
実施形態16cは、第2の質量スペクトルが、CID質量スペクトルである、実施形態16~16bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態16dは、第2の質量スペクトルが、HCD質量スペクトルである、実施形態16~16bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態16eは、第2の質量スペクトルが、UVPD質量スペクトルである、実施形態16~16bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態17は、方法が、クリップ部位の偽陽性同定を排除する、実施形態5~16eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態17aは、偽陽性同定が、非標識ポリペプチド又はペプチドによって引き起こされる、実施形態17に記載の方法である。
実施形態17bは、偽陽性同定が、リジン残基での標識によって引き起こされる、実施形態17に記載の方法である。
実施形態17cは、偽陽性同定が、チロシン残基での標識によって引き起こされる、実施形態17に記載の方法である。
実施形態18は、タンパク質上のクリップ部位を同定する方法であって、方法は、
(i)タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
(ii)1つ又は複数のクリップポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識し、それによって1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを得ることと、
(iii)1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
(iv)任意選択で、混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、LCの溶出液を生成することと、
(v)ステップiv)からの溶出液、又はステップiii)からの混合物を電子移動解離(ETD)タンデム質量分析に供し、それによってTMPP標識ペプチドの各々についてETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルを生成することと、
(vi)ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおけるTMPPレポーターイオンを検出又は分離することと、
(vii)TMPPレポーターイオンの検出又は分離時に、TMPP標識ペプチドの各々を、衝突誘発解離(CID)質量分析又は高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析又は紫外線光解離(UVPD)質量分析に供し、それによってTMPP標識ペプチドの各々についてそれぞれCID又はHCD又はUPVD質量スペクトルを生成することと、
(viii)ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及びCID又はHCD又はUPVD質量スペクトルを分析することによって、タンパク質上のクリップ部位を同定することと
を含む。
実施形態19は、タンパク質が、酵素、抗体(例えば、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体)、又はその抗原結合断片、生体分子抗原、融合タンパク質、融合ペプチド、足場タンパク質若しくはペプチド、タンパク質若しくはペプチド薬物コンジュゲート、又は治療若しくは診断様式として有用な任意の他のポリペプチド若しくはペプチドである、実施形態18に記載の方法である。
実施形態19aは、タンパク質が、治療用タンパク質である、実施形態19に記載の方法である。
実施形態19bは、タンパク質が、非治療用タンパク質である、実施形態19に記載の方法である。
実施形態19cは、タンパク質のクリップポリペプチドが、1つ又は複数のクリップ部位を有する、実施形態18~19bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態19dは、ETDが方法で使用される、実施形態18~19cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態19eは、ECDが方法で使用される、実施形態18~19dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態19fは、TMPP標識の効率が、1%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又はそれらの間の任意の数である、実施形態18~19eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態20は、LCが、高速液体クロマトグラム(HPLC)又は超高速液体クロマトグラム(UPLC)、好ましくはHPLCである、実施形態18~19fのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態20aは、TMPP標識ペプチドが、対応する非標識ペプチドと比較して逆相勾配で後に溶出する、実施形態20に記載の方法である。
実施形態20bは、ステップiii)からの混合物が、電子移動解離(ETD)を含むタンデム質量分析に供される、実施形態18~19bのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態20cは、混合物が、直接注入又はフロー注入を介してETDを含むタンデム質量分析に供される、実施形態20bに記載の方法である。
実施形態20dは、ステップiii)からの混合物が、電子捕捉解離(ECD)を含むタンデム質量分析に供される、実施形態18~19aのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態20eは、混合物が、直接注入又はフロー注入を介してECDを含むタンデム質量分析に供される、実施形態20cに記載の方法である。
実施形態21は、TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態18~20cのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21aは、TMPPレポーターイオンが、約533Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態21に記載の方法である。
実施形態21bは、TMPPレポーターイオンが、533.1935の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態21aに記載の方法である。
実施形態21cは、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおいて第2のTMPPレポーターイオンを検出することを更に含み、第2のTMPPレポーターイオンが、約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態21a又は21bに記載の方法である。
実施形態21dは、第2のTMPPレポーターイオンが、590.2150の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態21cに記載の方法である。
実施形態21eは、TMPPレポーターイオンが、約573Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態21a~21dのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21fは、TMPPレポーターイオンが、573.1884の正確な質量電荷(m/z)を有する、実施形態21eに記載の方法である。
実施形態21gは、TMPPレポーターイオンが、電荷損失から生成される、実施形態21~21fのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21hは、TMPPレポーターイオンが、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトルにおいて優勢なプロダクトイオンである、実施形態21~21gのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21iは、TMPPレポーターイオンが、2価ペプチドから生成される、実施形態21~21hのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態21jは、TMPPレポーターイオンが、TMPPである、実施形態21に記載の方法である。
実施形態21kは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Ac-NH である、実施形態21に記載の方法である。
実施形態21lは、TMPPレポーターイオンが、TMPP-Acである、実施形態21に記載の方法である。
実施形態22は、TMPPレポーターイオンが、CIDタンデム質量分析(CID-MS)をもたらす衝突誘起解離(CID)質量分析、又はHCDタンデム質量分析(HCD-MS)をもたらす高エネルギー衝突解離(HCD)質量分析、又はUVPDタンデム質量分析(UVPD-MS)をもたらす紫外線光解離(UVPD)質量分析をトリガする、実施形態18~21lのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態22aは、TMPPレポーターイオンが、強度及びm/zを介して、CID-MSをもたらすCID質量分析、又はHCD-MSをもたらすHCD質量分析、又はUVPD-MSをもたらすUVPD質量分析をトリガする、実施形態22に記載の方法である。
実施形態22bは、フィルタ(質量許容差)を使用して、第2の質量分析をトリガする、実施形態22又は22aに記載の方法である。
実施形態22cは、フィルタが、1ppm、2ppm、3ppm、4ppm、5ppm、6ppm、7ppm、8ppm、9ppm、10ppm、11ppm、12ppm、13ppm、14ppm、15ppm、16ppm、17ppm、18ppm、19ppm、20ppm、又はそれらの間の任意の数、好ましくは5ppmの質量許容差などの、トリガのための1~20ppmの範囲の質量許容差で、533.1935又は590.2150Daの正確な質量のベースピークに設定される、実施形態22bに記載の方法である。
実施形態22dは、レポーターイオンの強度が、第2の質量分析をトリガするための閾値として使用される、実施形態22又は22aに記載の方法である。
実施形態22eは、強度が、ベースピークの強度の10%以上に設定されている、実施形態22dに記載の方法である。
実施形態23は、方法がハイスループットである、実施形態18~22eのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態24は、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及びCID質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリの情報と比較することによって分析される、実施形態18~23のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態24aは、ETD又はECD又は他の電子誘導解離質量スペクトル及びHCD質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリの情報と比較することによって分析される、実施形態18~23のいずれか一項に記載の方法である。
実施形態25は、方法が、クリップ部位の偽陽性同定を排除する、実施形態18~24aのいずれか一項に記載の方法である。
実施形態25aは、偽陽性同定が、非標識ポリペプチド又はペプチドによって引き起こされる、実施形態25に記載の方法である。
実施形態25bは、偽陽性同定が、リジン残基での標識によって引き起こされる、実施形態25に記載の方法である。
実施形態25cは、偽陽性同定が、チロシン残基での標識によって引き起こされる、実施形態25に記載の方法である。
実施形態26は、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するか、又は試料中のポリペプチドを特性決定するためのシステムである。
実施形態26aは、システムが、液体クロマトグラフィ(LC)装置及びタンデム質量分析計を含む、実施形態26に記載のシステムである。
実施形態26bは、タンデム質量分析計が、
(i)第1のイオン化装置と、
(ii)第1の範囲内の質量電荷比を有するイオンを透過するために、第1の動作モードで配置及び適合された第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器と、
(iii)第1のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(iv)動作モードでイオンを減衰させるための減衰手段と、
(v)第1の範囲内の質量電荷比を有するが、1つ又は複数の望ましくない第1の電荷状態を有するイオンが実質的に減衰されるように、減衰手段の動作を制御するように構成された制御装置と、
(vi)第2のイオン化装置と、
(vii)第2のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
(viii)フラグメントイオンの非混合信号を取得し、トリガイオンを非冗長的にコード化するように構成されたデータシステムであって、非冗長的なコード化が、任意の個々のゲート時間の複数回の反復において異なる親種からの任意の2つのイオン信号の反復的な重複を回避又は最小化するように配置されている、データシステムとを含む、実施形態26又は26aに記載のシステムである。
実施形態27は、LC装置が高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置である、実施形態26~26bのいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態28は、試料が、溶出液を生成するためにLC装置に供される、実施形態26~27のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態28aは、溶出液がタンデム質量分析に供されて、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを得る、実施形態28に記載のシステムである。
実施形態29は、ポリペプチド上のクリップ部位又はポリペプチドが、N末端標識試薬で標識されている、実施形態26~28のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態29aは、N末端標識試薬が、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である、実施形態29に記載のシステムである。
実施形態29bは、第1のイオン化装置が、TMPPレポーターイオンを生成する、実施形態29aに記載のシステムである。
実施形態29cは、TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態29bに記載のシステムである。
実施形態29dは、TMPPレポーターイオンが、第2の質量分析をトリガする、実施形態29a~29cのいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態30は、第1のイオン化装置が、電子誘導解離装置である、実施形態26~29のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態30aは、電子誘導解離装置が、電子移動解離(ETD)装置又は電子捕捉解離(ECD)装置である、実施形態30に記載のシステムである。
実施形態30bは、第1の質量スペクトルが、ETD又はECD質量スペクトルである、実施形態30aに記載のシステムである。
実施形態31は、第2のイオン化装置が、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、又は紫外線光解離(UVPD)装置である、実施形態26~30のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態31aは、第2の質量スペクトルが、CID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを含む、実施形態31に記載のシステムである。
実施形態32は、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される、実施形態30b又は31aに記載のシステムである。
実施形態33は、質量分析計が、衝突装置、断片化装置、又は反応装置を更に含む、実施形態26~32のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態34は、減衰手段が、イオンゲート又はイオンバリアを含む、実施形態26~33のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態34aは、減衰手段が、イオン移動度分光計又は分離器の下流に配置されている、実施形態26~34のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態35は、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器が、第1の動作モードで配置及び適合されて、第1の範囲外の質量電荷比を有するイオンを減衰させる、実施形態26~34aのいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態35aは、第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器が、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流又は下流に配置されている、実施形態26~35のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態36は、第1の望ましくない電荷状態が、以下の(i)1価、(ii)2価、(iii)3価、(iv)4価、(v)5価、及び(vi)多価のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態26~35aのいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態37は、質量分析計が、当該イオン移動度分光計又は分離器の上流に配置されたイオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域を更に含み、当該イオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域が、イオンをトラップ、貯蔵、又は蓄積し、次いで当該イオン移動度分光計又は分離器内に、若しくは当該イオン移動度分光計又は分離器に向かってイオンを定期的にパルス化するように配置されている、実施形態26~36のいずれか一項に記載のシステムである。
実施形態38は、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのレポーターイオン、及び/又はポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオンである。
実施形態38aは、クリップ部位がN末端標識試薬で標識されている、実施形態38に記載のレポーターイオンである。
実施形態38bは、ポリペプチドがN末端標識試薬で標識されている、実施形態38に記載のレポーターイオンである。
実施形態38cは、N末端標識試薬がイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38a又は38bに記載のレポーターイオンである。
実施形態38dは、N末端標識試薬が、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)である、実施形態38a又は38bに記載のレポーターイオンである。
実施形態38eは、TMPPがイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38dに記載のレポーターイオンである。
実施形態39は、N末端標識試薬が、質量分析計によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38a~38cのいずれか一項に記載のレポーターイオンである。
実施形態39aは、N末端標識試薬が、質量分析技術によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38a~38cのいずれか一項に記載のレポーターイオンである。
実施形態40は、TMPPが、質量分析計によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38d又は38eに記載のレポーターイオンである。
実施形態40aは、TMPPが、質量分析技術によってイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態38d又は38eに記載のレポーターイオンである。
実施形態41は、質量分析計がタンデム質量分析計である、実施形態39又は40に記載のレポーターイオンである。
実施形態41aは、タンデム質量分析計が、電子移動解離(ETD)装置、電子捕捉解離(ECD)装置、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、紫外線光解離(UVPD)装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態41に記載のレポーターイオンである。
実施形態42は、質量分析技術がタンデム質量分析技術である、実施形態39a又は40aに記載のレポーターイオンである。
実施形態42aは、タンデム質量分析技術が、本明細書に記載の任意のタンデム質量分析技術である、実施形態42に記載のレポーターイオンである。例えば、いくつかの実施形態では、タンデム質量分析技術は、電子移動解離(ETD)、電子捕捉解離(ECD)、衝突誘発解離(CID)、高エネルギー衝突解離(HCD)、紫外線光解離(UVPD)、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
実施形態42bは、レポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、実施形態42aに記載のレポーターイオンである。
実施形態42cは、レポーターイオンが、
Figure 2022551511000006
の構造を含む、化合物である、実施形態42aに記載のレポーターイオンである。
実施形態43は、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための組成物であり、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む。
実施形態44は、ポリペプチドを特性決定するための組成物であり、組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む。
実施形態45は、試料中のポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのキットであり、キットは、ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのレポーターイオンを含む。
実施形態45aは、クリップ部位が、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識されている、実施形態45に記載のキットである。
実施形態45bは、TMPPがイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態45aに記載のキットである。
実施形態46は、試料中のポリペプチドを特性決定するためのキットであり、キットは、ポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオンを含む。
実施形態46aは、ポリペプチドが、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識されている、実施形態46に記載のキットである。
実施形態46bは、TMPPがイオン化されて、レポーターイオンを生成する、実施形態46aに記載のキットである。
以下の実施例は、本発明の本質を更に説明するためのものである。以下の実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の請求項によって定められる点を理解されたい。
実験実施例
本発明を、以下の実験実施例を参照して更に詳細に説明する。これらの実施例は、例示のみを目的として提供されており、特に明記しない限り、限定することを意図するものではない。したがって、本発明は、決して以下の実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書で提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形例を包含すると解釈されるべきである。
更なる説明を行わずとも、当業者であれば、上記の説明及び以下の例示的な実施例を使用することで、本発明の化合物を作製及び利用し、特許請求される方法を実施することが可能であるものと考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を具体的に指摘するものであって、本開示の残りの記載をいかなる意味においても限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例1:N末端のTMPP標識及び電子移動解離(ETD)による診断用イオンの検出
NIST抗体標準をTMPPで標識することによるTMPPレポーターイオンの診断的有用性及びデータ依存的ETD-MS/MSによるトリプシンペプチドマッピングを調べた。NIST抗体は、軽鎖及び重鎖からの成熟N末端を有していた。2つの代理ペプチドのうちの1つは、遊離第1級アミンを有するNIST抗体軽鎖のN末端に対応し、重鎖のN末端NIST抗体は、グルタミンの環化により第2級アミンからなり、N末端のピログルタミン酸残基を形成した。NIST抗体上の任意のネオN末端は、保存中の分子の潜在的な分解産物又はクリッピング産物であった。
図1は、NIST抗体の軽鎖N末端配列に対応するペプチドのETDプロダクトイオンスペクトルを示す。質量スペクトルは、主に診断用TMPPレポーターイオン(m/z=533Da)及びN末端TMPPタグからなるc型骨格プロダクトイオンからなっていた。このペプチド配列が、おそらくC末端アルギニン残基上の電荷隔離に起因して、ETD中にはるかに低い程度でレポーターイオンを生成したより大きなトリプシンペプチドのインソース断片化に起因して生成されたことに注目することは興味深い(Xia et al.,Journal of the American Chemical Society,2007,129:12232-12243)。それにもかかわらず、採用されたアプローチには、優勢なレポーターイオンピークを生成するための電子移動解離、高配列カバレッジを使用したN末端上のTMPPタグの局在化、及びNIST軽鎖の成熟N末端の存在を確認するための相補的活性化イベントのレポーターイオントリガが含まれた。NIST抗体の分解に起因する更なる低レベルのクリップされた種が存在しないことはまた、データセット全体に533及び590の診断用レポーターイオンを有するETD-MS/MSスペクトルを試験及びフィルタリングすることによって確認された。533及び590Daでのレポーターイオンの構造については、図2A~図2Bを参照されたい。
トリガされたCIDアプローチは、データセット全体のETD-MS/MSイベントから生成されたレポーターイオンの存在を確認したトリガMS2スキャンの発生が少ないため、データのフィルタリングを手動検査に適したものにした。これにより、レポーターイオンピークを有するETD-MS/MSスキャンのin-slicoアプローチ又は手動検査の必要性を排除した。
実施例2:TMPP標識ペプチドの迅速な分離及び保持時間の予測性
次に、TMPP標識ペプチドのハイスループット検出のための急速な分離条件を評価した。ペプチドの完全な逆相分離、クリーンアップ、及び再平衡化を、20分の総実行時間で達成した。図3は、逆相クロマトグラフィ緩衝液勾配及びTMPP標識後のNIST消化物の対応する総イオンクロマトグラムを示す。ほとんどの非標識ペプチドは、10分間の長さの浅い勾配で2~30%有機物で溶出したことに留意することが重要であった。代理ペプチドは、12分で溶出したNIST抗体軽鎖のN末端に対応していた。TMPP標識は、N末端ペプチドの疎水性を増加させ、TMPP標識ペプチドは、急速な傾斜を有する2つの急な勾配:1分で有機溶媒2~85%の間にほとんど観察されたと考えられた。TMPP標識ペプチドを分離し、保持時間予測可能性を改善する能力は、ペプチドの特異性を更に改善し、偽陽性同定を減少させた。
3.5分での対応する非標識NIST mAb N末端ペプチド対応物も観察されたことに留意することも重要であった。複数のクリップされた種を有する複雑な試料は、(標識効率が100%未満であるため)TMPP標識及び非標識ペプチド対応物の両方からなり、これらの非標識ペプチドは、勾配中で早期に溶出し、通常は強度が低く、場合によっては標識ペプチドと比較してLOD未満であったと考えられた。
次いで、非標識ペプチドを観察する可能性を評価し、NIST配列から15種の合成ペプチド標準を誘導体化することによって、TMPP標識ペプチドの保持時間予測可能性を評価した。これらのペプチド混合物の20分間のHPLC勾配注入を、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドの保持時間及び強度を記録することによって監視した。TMPP標識の反応効率を、そのペプチドについて観察された総強度に対して正規化されたTMPP標識ペプチドのピーク面積比を得ることによって評価した。分析では、15個のTMPPペプチドが12~14分の間に溶出し、これらのペプチドの標識効率は8~100%の範囲であり、15個のペプチドのうち8個が100%の効率で反応した。様々な反応効率にもかかわらず、全てのTMPP標識ペプチドがMS/MSによって同定されたことは注目に値するものであった。非標識ペプチド対応物は、4~12分のはるかに広い保持時間ウィンドウで溶出した。反応効率が高いため、15個の非標識ペプチドのうち7個のみがMS/MSによって同定されたが、残りの8個の非標識ペプチドは、MS1で検出されたが、LODが低いため、MS2-ETDをトリガしなかった。ペプチドの標識化は、改善された同定及び保持時間の予測可能性を可能にした。全体的な勾配のLC実行時間は、より複雑でない試料についてのクリップ部位の迅速な同定のために短縮することができるか、又はより複雑な混合物について延長することができる。
実施例3:TMPP標識合成ペプチド標準の診断用イオン
NIST mAbに対応するいくつかの合成ペプチド標準をTMPP標識で誘導体化し、ETD-MS及び診断用レポーターイオントリガされたMS CIDイベントを使用してLC-MSに供した。次いで、ETDスペクトルにおいて診断用TMPPレポーターイオン(m/z=533Da、590Da)を生成する傾向を、異なる長さ、アミノ酸組成、及びTMPP標識化のための部位を有するこれらの合成ペプチド標準を使用して評価した。表1は、ほとんどのペプチドが、TMPPレポーターイオンを検出すると、その後のMS2-CIDスキャンをトリガしたことを示す。トリガされたスキャンは、レポーターイオン強度、すなわちTMPP533m/zに対する依存性を示した。NISTペプチドのETDスペクトルのいくつかの効率推定値が、ペプチド骨格結合の断片化について以前に報告された%効率計算に基づいて、TMPP誘導体化ペプチドについてのTMPP及びTMPP-Acレポーターイオンについて導出されている(Gunawardena et al.,Journal of the American Chemical Society,2005,127:12627-12639)。これら2つのレポーターイオンのETD効率推定値の計算については、図2Dを参照されたい。
合成NISTペプチドから、レポーターイオン存在量の差のために、TMPP効率がTMPP-Acよりも有意に大きいことが観察された。レポーターイオン強度が、特にTMPPレポーターイオンの寄与から、骨格結合の全体的なETD効率に有意に寄与したことにも注目することは興味深いものであった。
Figure 2022551511000007
関連するETD-MS及びTMPPトリガされたCID-MSスペクトルについては図4A~図4Zを参照されたい。
また、後続の質量トリガされたMSスキャンを生成する忠実度は、後続のスキャンの決定がレポーターイオンの全体的な強度及びプリーカーサイオンのAGC設定に対して行われたデータ依存基準によって影響を受ける可能性が高いことにも留意されたい(Bowers et al.,Scientific Reports,2018,8:10399)。例えば、N末端で標識された両ペプチドFNWYVDGVEVHNAK(配列番号17)及びVVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)は、より低い強度のTMPP診断用イオンを生成した。しかし、質量トリガは、FNWYVDGVEVHNAK(配列番号17、図4I)についてのみ観察され、一方、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)ペプチドはMSトリガを欠く(図4L)。その後のMS1強度を調べたところ、ペプチドVVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26)がMS/MSの閾値を下回った。誘導体化ペプチドの配列組成に基づくいくつかの興味深い解離挙動も観察された。単一残基伸長又はTMPP標識の位置は、荷電種としてのTMPPの気相解離に有意な効果を示した。例えば、VVSLTVLHQDWLNGK(配列番号26、図4Y)ペプチドのN末端及びリジン側鎖の両方で誘導体化されたTMPPは、ETD及びトリガされたMS2-CIDスペクトルの際に優勢なレポーターイオンを生成した。N末端にTMPPを有するC末端にグルタミン酸残基が付加されたペプチドVVSLTVLHQDWLNGKE(配列番号25、図4W)もまた、豊富な診断用レポーターイオン及びトリガされたMS2-CIDスペクトルを生成することが観察された。いかなる特定の理論にも拘束されないが、ETDを介してレポーターイオンを生成する傾向は、TMPP標識の位置、アミノ酸組成、及びペプチドの電荷状態などの多数の異なる因子に依存する可能性が高いと仮定された。合成ペプチドデータは、TMPP標識が大部分N末端で起こり、チロシン残基及びリジン残基の誘導体化はより少ない程度で起こることを示唆した(すなわち、15個のN末端のうち14個、6個のうち1個はチロシン残基を有し、10個のリジン残基のうち1個はTMPP標識されていた)。
無傷のタンパク質の極性残基の溶媒アクセス可能性は、以前に報告されたように、リジン残基及びチロシン残基の望ましくない標識をもたらす可能性があることが予想された(Abello et al.,Journal of Proteome Research,2007,6:4770-4776)。しかし、トリガされたMSアプローチは、TMPP修飾上での局在化を効果的に促進し、クリップ部位の明確な決定に役立った。TMPP標識リジン含有ペプチドは、ETD-MSによって排他的にN末端に明確に局在化したが、診断用イオントリガCID-MSデータは、ETDスペクトルを補完し、信頼できる局在化を改善した。
ほとんどのTMPP標識チロシン含有ペプチドは、信頼できる局在化を改善するイオントリガされたCID-MSスペクトルを有するETD-MSを使用して局在化された。しかし、配列イオンがTMPP修飾部位の局在化に不十分であった場合、ETD-MS単独では情報価値がない可能性がある。図4Dは、検索エンジンが誤ってN末端にTMPP修飾を割り当てた単一のTMPP標識ペプチドVYACEVTHQGLSSPVTK(配列番号13)の注釈付きETD-MSスペクトルを示す。しかし、c型及びz型のETDイオンに基づいて、TMPP部分は、チロシンのN末端又は側鎖誘導体のいずれかに明確に割り当てることができない。その後のトリガされたMS2-CIDスキャンの有用性は、チロシン残基上にTMPPを明確に局在させる確信的なy16イオンを生成した。図4Pは、骨格配列イオンを有さない診断用イオンのみを生成した単一のTMPP標識ペプチドEPQVYTLPPSR(配列番号22)のETD-MSスペクトルを示す。配列の同定は、MS1スペクトルのプリーカーサイオンのm/zに基づいており、レポーターイオンは、ペプチドがTMPP部分を有する可能性が高いことを示した。トリガされたMS2-CIDスペクトルは、N末端にTMPPを局在化させるTMPP部分を有するb1~b4イオンと共に、TMPP修飾を欠くいくつかの骨格イオン:y7、y8及びy10を生成した。全てのMS2-CIDスペクトルを調べた後、わずかなスペクトルのみが、限定された診断的有用性を有する573で診断用イオンを示したことに留意することが重要であった。
ETD-MS及びトリガされたCID-MSがこれらの実験においてどのように使用されたかの相補的性質は、TMPP部分を含有する代理タンパク質分解ペプチドのアミノ酸配列にかかわらず、潜在的なクリップされた種を迅速にスクリーニングするのに役立った。本明細書に記載のタンデムMSアプローチは、様々な長さ及び電荷状態を有するペプチドのETD-MSに適しており、ペプチドが二重に荷電したジペプチドと同じくらい小さい場合にも有効であった。TMPP部分の優勢な診断用インモニウムイオンを生成する能力は、その後のCIDスキャンをトリガするためのETD-MS生成レポーターイオンにとって重要であった。ETD-MSは、TMPP診断用イオンを極めて一貫して生成することを示したが、ETD及びCID骨格の両方のフラグメントイオンは、TMPP修飾を単一の残基に局在化させた。
実施例4:細胞溶解物に由来するTMPP標識合成物の診断用イオン
次に、K562細胞溶解物に由来するトリプシンペプチド及びそれらのTMPP誘導体の大きなプールについてレポーターイオンを生成する効率を調べることによって、ETD及びHCD型断片化を使用して生成されたTMPPレポーターイオンの診断的有用性を調べた。ペプチドの複雑性は、全体的なLC分離時間の変化を必要とし、したがって、ペプチドを2回のシングルショットの6倍長い実行時間(120分)に供し、ETD-MS及びHCD-MSの解離を各実行について別々に行った。図5Aは、AcCN勾配でオーバーレイされた、観察された保持時間の関数としてのペプチド強度を示す。非標識ペプチドは、予想通り約30%AcCNまで溶出したが、TMPP標識ペプチドは、より短い勾配の実行のように2つの急速な有機傾斜(0~85%AcCN)に隣接して溶出した。より高い全体強度分布を有するTMPP標識合成標準ペプチドの観察は、ペプチドの疎水性の増加及びTMPP標識ペプチドのイオン化の改善を示した。図5Bは、対応する非標識ペプチドを有するTMPP標識ペプチドのサブセットの観察された時間分布を示す。次に、標識ペプチド及び対応する非標識ペプチドとの間の観察された時間差(デルタ時間)を、AcCN勾配でオーバーレイされた観察された保持時間の関数として示した。TMPP標識配列は、大きな正の値によって示されるように、ほぼ全てのペプチドについて後に溶出した。TMPP標識ペプチドの密度は、勾配の2つの急速なAcCN傾斜での高い保持時間及び高いデルタ時間で見られた。
ETDスペクトルにおける診断用TMPPレポーターイオン(m/z=533Da、590Da)、及びHCDスペクトルのTMPPレポーターm/z573Daを生成する傾向を、異なる長さ、アミノ酸組成、電荷状態、及びTMPP標識部位を有するペプチドについて慎重に評価した。TMPP標識ペプチドごとに診断用イオンを生成する効率を、いくつかの異なる方法を用いて推定した。レポーターイオン強度を、両タイプのETD由来レポーターイオンであるTMPP及びTMPP-AC-NH についての式1~式3(図2Dを参照されたい)の関係によって示されるように、様々なタイプのプロダクトイオン強度に対して正規化した。ほとんど全てのペプチドにおいて、TMPPレポーターイオン存在量は、TMPP-Ac-NH より優勢であった(図6A~図6C)。
Figure 2022551511000008
更に、式4に示すような全ての骨格レポーター及びC、Z型プロダクトイオン(Gunawardena et al.,Journal of the American Chemical Society,2005,127:12627-12639)並びに式5に示すレポーターイオンを除く全ての骨格断片についての全体的なETD効率の結果を調べた。式1のETDレポーターイオン推定と同様に、HCD由来のレポーターイオンを式6に示すようにプロダクトイオンに対して正規化した(図2Eを参照されたい)。図5A~図5Bに示すように、TMPP(533Da)効率を、前駆体の電荷状態によってグループ化されたペプチド前駆体質量又はペプチド長の関数として報告した。更に、TMPPレポーターイオンのETD効率に対する電荷状態依存性に注目することが重要であった。TMPP効率は、2価プリーカーサイオンで最も高く、ペプチドの質量と共に直線的に減少することが観察された。また、TMPP効率は、TMPP-Ac-NH (590Da)よりも有意に高かった。一般に、TMPPレポーターイオンを生成する傾向は、同様の質量又は同じ数のアミノ酸を有するペプチドの場合、3価プリーカーサイオンより2価プリーカーサイオンに有利であった。この観察は、これらの同じペプチドの骨格c及びzフラグメントイオンが、電荷状態の増加と共に効率の増加を示したので興味深いものであった(例えば、図7A~図7D)。
Figure 2022551511000009
次いで、全ての骨格フラグメントイオン及びレポーターイオンを除く全ての骨格フラグメントイオンを考慮して、TMPP標識ペプチドの全体的な骨格ETD効率を評価した。図7Aに示すように、全てのプロダクトイオンを考慮して、全体的なETD効率は、わずかな電荷状態依存的減少を示した。対照的に、図7Bは、TMPPレポーターイオンを無視した式5によって推定される全体的な骨格効率について、ETD効率が電荷状態依存的な増加を示したことを示し、これは、他の箇所で報告されているように非修飾ペプチドについて一般的に観察された。これら全ての観察結果を考慮すると、特に2価イオンについての全体的な効率推定値に対するTMPPレポーターイオン強度の寄与は有意であった。ETDにより生成されたTMPPイオンの診断的有用性は、ほとんどが2価であるトリプシンペプチドに完全に適していた。図7Cに示すように、HCD由来TMPP-Ac(573Da)効率は、前駆体の電荷状態によってグループ化されたペプチド前駆体質量の関数として報告された。全体として、HCD生成TMPP-Acレポーターイオンの効率は、ETD生成TMPPレポーターイオンと比較して有意に低かった。ほとんどのペプチドのTMPP-Acレポーターイオンの効率は1%未満であり、有意な割合が診断用レポーターイオンを有さないか、又は効率がゼロであった。約30%もの高さの極端な効率を示すいくつかのペプチドが存在した(60%の効率に近い2つの異常値は、前駆体m/zがレポーターイオンm/zと同じである偽陽性の割り当てであった)。TMPP-Ac+レポーターイオンのHCD効率に対する電荷状態依存性は観察されなかった。
次に、リジン残基及びチロシン残基へのTMPPのオフラベル化の可能性を調べた。チロシン残基で標識されたTMPPの12個のPSMを、配列マッチ(PSM)に対する合計520個のチロシン含有ペプチドから同定した。これらの520個のチロシン含有PSMから、262個のPSMはTMPP誘導体化N末端を有し、残りの246個のPSMは修飾されていなかった。リジン残基で標識されたTMPPのPSMは、合計1441個のリジン含有PSMから同定されなかった。PSMを含有する1441個のリジンから、771個のPSMはTMPP誘導体化N末端を有し、11個のPSMはTMPP誘導体化チロシンを有し、残りの659個のPSMは修飾されていなかった。図8は、ETD効率が、ペプチドあたりのチロシン残基及びリジン残基の数によってグループ化された標識ペプチドに影響を及ぼさないことを示す。これらのデータは、ペプチドのTMPP標識が、記載された反応条件下で大部分がN末端にあり、更なる非標識リジン残基又はチロシン残基が診断用TMPPイオンに影響を及ぼさないことを示唆した。図9は、式7によって推定されたペプチドの反応又はTMPP標識効率の全体的な分布を示す。ETDに供した誘導体化プリーカーサイオンは、誘導体化のレベルに影響を及ぼさなかった。言い換えれば、100%で誘導体化されたペプチドは、1%で誘導体化された同じペプチドと同じETD効率を有する。これは、タンパク質のクリップ部位同定との関連でこれらの反応を考慮する場合に重要であり、タンパク質での誘導体化効率は、代理ペプチドのETD効率に影響を及ぼさなかった。
最後に、ETD及びHCDによって生成された各レポーターイオン並びにLC保持時間の診断的有用性を調べた。TMPP誘導体化ペプチド及びそれらの未修飾対応物は、ヒトタンパク質配列に対する検索を介して確信を持って同定され、配列イオンは、ペプチドの大部分のN末端に高信頼性でTMPP部分を局在化していた。検索結果を使用して、TMPP標識ペプチドのクラスを決定し、非標識ペプチドから分離した。次いで、各スペクトルについての診断用イオンの解離効率(ETD又はHCD)をロジスティック回帰及びランダムフォレストモデルに供して、各診断用イオンの感度及び特異性を決定して、ETD及びHCD診断用イオンの両方について受信者操作特性(ROC)曲線を生成した。同様に、標識ペプチド及び非標識ペプチドの両方の保持時間を使用して、溶出時間の感度及び特異性を決定した。検索結果及び診断用イオン存在量をどのように使用してスペクトルを分類又は誤分類するかを説明した。図10Aに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、真陰性(TN)であったレポーターを生成しなかった。図10Bに示すように、標識ペプチドは、真陽性(TP)であった特徴的なTMPPレポーターイオンを生成したが、非標識ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図10Cに示すように、修飾ペプチドは、偽陰性(FN)であった診断用イオンを生成しなかったが、未修飾ペプチド対応物は、偽陽性(FP)であったTMPPレポーターイオンと質量が類似した干渉イオンを生成した。図11A~図11Bは、各診断用イオン及び溶出時間についてのROC曲線の曲線下面積(AUC)を示す。レポーターイオンのうち、TMPPレポーターイオンが最も診断的であり、最も高いAUCは98%であり、TMPP-Ac-NH AUCは85%、TMPP-AcAUCは84%であり、ETD生成TMPP診断用イオンが他のレポーターイオンと比較して最も正確で最も特異的であることを示唆した。99%の観察された保持時間AUCのROC曲線は、全ての測定のうち最も診断的であった。
実施例5:治療用タンパク質分解を検出するためのTMPP標識及びETDレポーターイオントリガCIDの適用
最後に、TMPP標識を適用して、GLP1ペプチドのプロテアーゼ誘導性クリップを受けることが知られている市販の治療用GLP1アゴニストであるデュラグルチドのクリップ部位を調べた。カテプシンDで処理したGLP1-Fc融合タンパク質であるデュラグルチドを使用して、ETD-MS及び診断用イオントリガCID-MSを使用してGLP1ペプチド上の推定クリップ部位を研究した。
以前の研究は、カテプシンDがW25/L26でGLP1の切断を誘導することを報告している(Dorai et al.,Biotechnology Progress,2011,27:220-231;Deacon et al.,Diabetes,2004,53:2181-2189;Manandhar et al.,Journal of Medicinal Chemistry,2015,58:1020-1037)。図12A~図12Cは、MSスペクトルが、プロテアーゼ活性に起因して生成されるネオN末端の証拠を示したことを実証している。2価イオンのETD-MSから得られるプロダクトイオンスペクトル(図12A)は、特徴的な診断用イオンTMPP(m/z=533Da)を生成した。更に、c型イオンは、TMPP部位局在で主に観察された。N末端上のTMPPの部位局在は、F-Iクリップに起因するネオN末端を示したが、C末端リジン残基上の第2のTMPPは、リジン残基にコンジュゲートしたTMPPがコンジュゲーション後の試料のトリプシン化に耐性であったので、K-Gクリップによって推測することができる。
TMPP標識はリジン残基及びチロシン残基にも起こり、TMPP修飾を有するペプチドをETDに供した場合、診断用レポーターイオンも生成し、したがってCID-MSイベントを引き起こすことに留意することが重要であった。これらのCIDスペクトルは、レポーターの偽陽性同定であった。それにもかかわらず、ETD及び診断用イオントリガCIDスペクトルにおける配列イオンの慎重な検査は、TMPPが配列上に部位特異的に局在し、偽陽性の排除に役立った。図12Bは、2価イオンの診断用レポーターイオン(m/z=533)トリガCID-MSスペクトルを示す。b型及びy型イオンは、N末端リジン及びC末端リジンの両方のTMPP部位局在化を支援した。ペプチド配列は、特徴的なCID誘導レポーターイオンを生成しなかった(m/z=573)ことに留意することが重要であった。
診断用イオンが存在しない非コンジュゲートペプチド(図12C)のETDスペクトルも生成された。非コンジュゲートペプチドのプロダクトイオン分布は、c型イオン及びz型イオンの両方の混合物をもたらした。
デュラグルチドペプチドの完全な分析は、GLP1の追加のクリッピングを同定した。図13A~図13Cは、GLP1配列の逐次クリッピングに対応する代理ペプチドのETD-MS及び診断用イオントリガCID-MSプロダクトイオンスペクトルの証拠を示す。I/Aクリップから生じる代理ペプチドは、専ら533Daの診断イオンを生成したが、A/W及びW/Lクリップから生じるものは、ETD中に533Da及び590Daで診断用イオンを生成した。533Daの優勢な診断用イオンは、各ペプチドについてCID-MSイベントをトリガし、CIDプロダクトイオンスペクトルを生成した。CID-MSスペクトルはETD同定を補完し、トリガされたMSスキャンは、データセット全体のネオN末端を明確に同定するために、ETD-MS/MSからシームレスに生成されたレポーターイオンの存在を確認した。
図14は、ネオN末端から代理ペプチドを生成するためのデュラグルチドのクリップ部位を示す。図15Aは、TMPP標識のない代理ペプチドの抽出イオンクロマトグラム(XIC)を示し、図15Bは、標識された代理ペプチドのクロマトグラムを示す。
クリッピングによって形成されたTMPP標識ネオN末端ペプチドのためのレポーターイオンを生成するために、CIDに加えて、より多くの内部断片を作製することが知られているHCD(Michalski et al.Journal of Proteome Research,2012,11:5479-5491)、及びUVPDなどの他の解離モードの有用性を更に調べた。表2は、GLP1配列の代理ペプチドIAWLVK(配列番号5)、AWLVK(配列番号6)、WLVK(配列番号7)及びLVKのクリップ部位について得られた結果をまとめたものである。これらのペプチドは全て、ETDを介して特徴的な533Da診断用イオンを生成したが、LVKペプチド配列のみが、HCD及びUVPD解離モードの診断用イオンを示した。図16A及び図16Bに示すように、HCDは、アミド結合解離に起因して573Daで特徴的な診断用イオンを生成し(Sadagopan et al.,Journal of the American Society for Mass Spectrometry,2000,11:107-119;He et al.,Journal of the American Society for Mass Spectrometry,2012,23:1182-1190)、UVPDは、おそらく更なる解離及び再配列に起因して181Daで診断用イオンを生成した(Huang et al.,Analytical Chemistry,1997,69:137-144)。全てのペプチドにおいて診断用イオンを検出しなかったことに加えて、ETD生成診断用イオン(図16C)とは対照的に、有意に低い相対ピーク強度が観察され、これらのイオンのトリガはあまり有益ではなかった。
表2.レポーターイオンTMPP特異的配列イオンに基づくGLP1の解離方法及び同定されたクリップ部位(573Da、181DaにおけるHCD、CID及びUVPD診断用イオン;533DaにおけるETD診断用イオン)。
Figure 2022551511000010
XICは、各TMPP標識ペプチドが10~13分の間の2つの急速な傾斜の間に溶出することを実証した。内因性試料で主に観察された短いLVKペプチドは保持性が低く、ペプチドマッピング実験ではおそらく見つけにくい。しかし、TMPP標識後の同じペプチドは、ペプチドの全体的な疎水性増強により、逆相クロマトグラフィ中に有意なカラム保持をもたらした。非標識ペプチドも観察されたという事実は、TMPP標識が完全ではないことを示唆した。これらのTMPP誘導体化反応を達成することができる程度を調査し、最適な条件をTMPP標識に使用した(図17A~図17B)。その前駆体からの保持時間が異なる非標識対応物の存在にもかかわらず、クリッピングに起因するネオN末端のTMPP標識の同一性を更に検証した。
結論として、容易な診断用イオンTMPP及びTMPP-Ac-NH を生成する手段として、電子移動解離質量分析と組み合わせたTMPP標識の使用が報告された。レポーターイオンの中で、ETDは、小さなトリプシンペプチドに対して最も強い、容易なTMPPレポーターイオンを生成した。この観察は、類似の長さを有するペプチドについてプリーカーサイオン電荷と共に通常増加した典型的な骨格解離効率とは異例であった。2価イオンのETD効率は、単一の切断の結果として中性プロダクトイオン生成するために、3価又は4価イオンよりも低かった(Xia et al.,Journal of the American Chemical Society,2007,129:12232-12243;Gunawardena et al.,Journal of the American Chemical Society,2005,127:12627-12639)。したがって、データは、TMPP部分上の固定電荷基が効率的な電子再結合を促進して、電荷を保持する好ましい断片を生成することを示した(Gunawardena et al.,Molecular&Cellular Proteomics,2016,15:740-751)。NISTモノクローナル抗体の合成標準ペプチドを使用したTMPPレポーターイオンの生成に影響を及ぼす様々な因子は、様々な長さ、荷電状態、及び配列組成を有するK562細胞溶解物からペプチドの大きなプールを生成することによっても同様に示された。TMPPレポーターイオン効率は、小さな2価ペプチドで最も高かった。対照的に、HCDは、電荷状態依存性を示さないTMPP-Acレポーターイオンを生成した。ETD生成TMPPイオンの診断的有用性は、ROC分析のHCD生成TMPP-ACイオンについての85%のAUCと比較して、98%のAUCによって決定された。トリガスキャンのためにTMPPイオンを生成する能力は、ETDが2価イオンの十分な骨格断片を生成できなかった場合に、TMPP部分の正確な位置決定のための配列の完全な調査又は高い信頼度での配列の確認を示した。トリガMSの高い忠実度は、TMPP誘導体化NIST合成ペプチド及びTMPPで誘導体化されたGLP1-Fc融合タンパク質から生成されたトリプシンペプチドのパネルについて実証された。N末端の標識は、消化及び質量分析の前にクリップ部位を確立し、それらの両方は、クリップ部位と間違えられ得る偽断片を生成することが知られていた。
最後に、GLP1のカテプシン誘導性クリップ部位を調べるためのTMPP診断用レポーターイオントリガMSの有用性が実証された。GLP1配列の逐次クリッピングに対応する代理ペプチドのETD-MS及び診断用イオントリガMS2-CIDプロダクトイオンスペクトルの証拠が得られた。逐次クリップは各々、TMPP診断用イオン及びその後のレポーターイオントリガCID-MSを介して高い信頼性で確認された。CID-MSスペクトルはETD同定を補完し、トリガMSスキャンは、CIDスキャンがレポーターイオンが観察されたときにのみ実行されin silcoフィルタリング機構においてリアルタイムを提供した。レポーターイオントリガは、データセット全体に対するダウンネオN末端の高い信頼性の同定及びシームレスアセンブリのために行われた。この分析モードは、標識が実施されなかった場合のクリップ部位検出の曖昧さを低減し、試料消化及び質量分析条件によって生じる偽アーチファクトを評価する必要性を排除した。
要約すると、タンパク質治療薬は、分解されたタンパク質のネオN末端を与える酵素的及び非酵素的機構を介したクリッピングに感受性であった。治療薬のネオN末端の決定は、典型的には、TMPPによるN末端アミン基の化学的誘導体化、その後のタンパク質分解及び質量分析によって行った。TMPP修飾を有するペプチド配列を衝突活性化に由来するプロダクトイオンスペクトルにマッピングすることによって、TMPP標識ペプチドの同定が可能であった。TMPPタグの部位特異的局在化は、成熟N末端又はネオN末端の明確な決定を可能にした。骨格プロダクトイオンに加えて、CIDを介して形成された273DaのTMPPレポーターイオンは、プロセシングされたN末端の存在について診断することができた。しかし、CIDを介して生成されたレポーターイオンは、それらの存在量が少ないため、情報価値が低かった。本明細書では、ETD時にm/z533Da、場合によっては590DaでTMPPレポーターイオンを容易に生成するための新規ハイスループットLC-MS法が実証された。これらのレポーターの豊富な生成は、更なる配列ペプチドに対する強度及びm/z依存性トリガイベントを介したCID、HCD又はUVPDなどの相補的イオン活性化モードを使用したその後のMS/MSイベントを可能にした。
より具体的には、ETD-MS2を介したクリップされたペプチドを同定するためのTMPP由来レポーターイオンの有用性、及びクリップされたペプチドを自律的にフィルタリングするための診断用イオントリガMS2イベントが実証された。TMPP標識標準ペプチドのレポーターイオンの効率的な生成のための本明細書に記載のアプローチは、N末端がクリップされた種並びにリジン残基及びチロシン残基での望ましくないTMPP標識の両方を表すことが実証された。様々な配列組成、長さ及び電荷状態を有するTMPP標識ペプチドの大きなプールを使用して、HCD-MS2上でETD-MS2を介して生成されたレポーターイオンの診断的有用性も実証された。最後に、本明細書に記載のアプローチを適用して、カテプシンDで処理した市販のGLP1アゴニストであるデュラグルチドのGLP1ペプチドの逐次クリッピングを調べた。相補的解離モード:ETD、HCD、CID、及びUVPDについてのTMPPレポーターイオンの有用性を比較すると、ETDを介して生成されたTMPP+イオンのm/z=533Daでの容易な電荷損失ピークが、ネオN末端を有するTMPP標識ペプチドについて最も診断的であることが示唆された。迅速分離法により、TMPP標識ペプチドを複合試料中の非標識ペプチドから効率的に分離することが可能になり、TMPP標識ペプチドの保持時間予測性が向上して、クリップされたペプチドの特異性が更に改善され、偽陽性同定が減少した。
上記の実験実施例で使用した材料及び方法を次に説明する。
化学物質及び試薬
(N-スクシンイミジルオキシカルボニル)トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムブロミド(TMPP)、4-モルホリンエタンスルホン酸一水和物(MES)、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N’-(2-エタンスルホン酸)(HEPES)、重炭酸トリメチルアンモニウム(TMAB)、二塩基性リン酸ナトリウム(Na2HPO4)、一塩基性リン酸ナトリウム(NaH2PO4)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ウシ脾臓由来のカテプシンD、1,4ジチオスレイトール(DTT)、ヨードアセトアミド(IAA)及びNIST-IgG1-K1モノクローナル抗体は全て、Sigma(ミズーリ州セントルイス)から購入した。
NISTモノクローナル抗体からのペプチド標準は、Biomatik Corporation(オンタリオ州、カナダ)によって純度99.99%まで合成された。ヒトK562プレ消化細胞抽出物、並びに配列決定グレードのトリプシン及びエンドプロテイナーゼLys-Cは、Promega(ウィスコンシン州マディソン)から購入した。GLP1-Fc融合タンパク質は、Myoderm(ペンシルベニア州ノリスタウン)から購入した。最適なLC-MSグレードのアセトニトリル、水、並びにギ酸、ヒドロキシルアミン、Gybco PBS緩衝液は全て、Thermofisher Scientific(マサチューセッツ州ウォルサム)から購入した。
N末端標識及びタンパク質消化
合成ペプチド、K562プレ消化物由来のペプチド、NISTモノクローナル抗体及びGLP1-Fc融合タンパク質を全てTMPPで誘導体化した。誘導体化を以下の緩衝液中で行った:各々100mMのMES pH6、HEPES pH7及びリン酸ナトリウムpH8。TMPP 100mgを1.3mLのDMFに溶解することにより、新鮮な100mM TMPP溶液を調製した。TMPP標識は、他で公開されている誘導体化プロトコル(Deng et al.,Methods in Molecular Biology,2015,1295:249-258)を適合させることによって実施した。
簡潔には、10μlのTMPP溶液を50ugのペプチド及びタンパク質に添加し、短時間混合し、続いて40uLの緩衝液を添加し、次いで得られた混合物を1時間インキュベートした。反応物を1uLのヒドロキシルアミンでクエンチし、次いで凍結乾燥して乾燥させた。乾燥ペプチドをMS用の0.1 FA水で再構成し、乾燥タンパク質をトリプシン処理用のTMABで再構成した。
タンパク質を、他の場所に記載のプロトコル(Gunawardena et al.,Molecular&Cellular Proteomics,2016,15:740-751)を使用して消化した。簡単に言えば、タンパク質をDTTで還元し、続いてヨードアセトアミドでアルキル化した。次いで、タンパク質を37℃で1時間、エンドプロテイナーゼLys-Cによるタンパク質分解に供し、続いて4倍希釈25mM TMAB、pH8.0、1mM CaClに供し、更に37℃で4時間トリプシン消化した。ギ酸を0.1%に添加することによって消化を停止した。ペプチド溶液をSep-Pak Light C18カートリッジ(Waters、マサチューセッツ州ミルフォード)で脱塩し、質量分析用に収集した。
機器
全ての分析は、チューンアプリケーションソフトウェア2.1.1565.18及びXcalibur 4.0.27.13を使用して、エレクトロスプレーイオン源を備えたOrbitrapLumos(Thermo Scientific、カリフォルニア州サンノゼ)Tribrid質量分析計に連結されたAgilent 1200 HPLC(Agilent Technologies、カリフォルニア州サンタクララ)を使用して実施した。
LC-MS/MS分析
LC-MS/MS分析に供した全ての試料を、AdvanceBio Peptide Map Micro Bore Rapid Resolution Column(1×150mm、2.7μm)カラムを用い、65℃でAgilent Infinity 1290 UHPLC(Agilent Technologies、カリフォルニア州サンタクララ)で分離した。移動相Aとして0.1%ギ酸を含む水及び移動相Bとしてアセトニトリルを利用する以下の20分間の高速LC勾配プログラムを使用した:0分、2%B;10分、30%B;10.5分、2%B;11.5分、85%B;12分、2%B;13分、85%B;13.5分、2%B;続いて85%Bで14~18分間の洗浄ステップ、及びその後の2%Bで2分間の再平衡化を行った。移動相Aとして0.1%ギ酸を含む水及び移動相Bとしてアセトニトリルを利用する120分LC勾配法を使用した:0分、2%B;60分、30%B;60.5分、2%B;61.5分、85%B;62分、2%B;63分、85%B;63.5分、2%B;続いて64.5~80分の洗浄ステップ、85%B、及びその後の2%Bでの20分間の再平衡化を行った。全ての勾配の流量を0.2mL/分に設定し、選択された注入量は2μLであった。質量分析計は、データ依存MSETD、CID、HCD、UVPD法を用いて正イオン化モードで操作した。界面条件は以下の通りであった:エミッタ電圧、-2600V;気化器温度、325℃;イオン移動管、325℃;シースガス、55(arb);auxガス、10(arb)、及びスイープガス、1(arb)。
方法の設定
特に明記しない限り、MSスキャンに利用される内部質量分析計の設定は以下の通りであった:RFレンズ、60%;AGC(自動利得制御)目標、4e5;最大注入時間、50ms;及びOrbitrap質量分析装置で50K解像度でのプロファイルモードでの1μスキャン。次いで、この方法は、任意のHCD MSイベントの前に一連のフィルタを順次含んだ。モノアイソトピックピーク選択フィルタを含め、全ての方法についてペプチドとして設定した。特に明記しない限り、1e5の強度フィルタを全ての方法に利用した。前駆電荷状態2~6を選択するためのいくつかの方法のために、任意の電荷状態フィルタが含まれた。12秒又は3秒の排除ウィンドウのいずれかを有するいくつかの方法のための任意選択の動的排除(DE)フィルタを含み、共通パラメータ:除外n=1回;+/-3ppm;除外同位体;及び前駆体あたりの単一電荷状態を有した。APEX検出は、1つの方法に含まれ、予想ピーク幅、6秒;所望の頂点ウィンドウ、30%に設定した。特に明記しない限り、以下の設定で5回のddMS OT-ETDスキャンを行った:四重極単離、2m/z単離ウィンドウ;反応時間50ms検出器タイプ、Orbitrap、自動m/z通常スキャン範囲、15K分解能、100m/z第1の質量;AGCターゲット、2e5、全ての利用可能な並行化可能な時間についてイオン注入、最大注入時間50ms;1μスキャン、プロファイル。標的質量トリガ(TMT)は、ddMSIT-CIDに従い、イオン533.193、690.214;+/-5ppm誤差許容範囲;明示されたリストからの2つ又は1つのイオンのいずれかの検出;全ての質量トリガについて最も強い上位10内のイオンのみを含んだ。その後のddMSOT-CID条件は、特に明記しない限り、以下の通りであった:MSレベル、2;四重極単離、1.6m/z単離ウィンドウ;CID衝突エネルギー、30;活性化Q、0.25;検出器タイプ、Orbitrap、自動m/z通常スキャン範囲、15K解像度;AGCターゲット、5e4、全ての利用可能な並行化可能な時間についてイオン注入、最大注入時間22ms;1μスキャン、プロファイル。ddMSOT-ETDとddMSIT-CIDとの間の依存的スキャンの数を1に設定した。特に明記しない限り、以下の設定で5回のddMS OT-HCDスキャンを行った:四重極単離、1.6m/z単離ウィンドウ;HCD衝突エネルギー、40%、段階的5%;検出器タイプ、Orbitrap、自動m/z通常スキャン範囲、15K解像度;100m/z第1の質量;AGCターゲット、5e4、全ての利用可能な並行化可能な時間についてイオン注入、最大注入時間35ms;1μスキャン、プロファイル。
データ解析
データ分析は、Thermo ScientificからのXcalibur視覚化ソフトウェア(カリフォルニア州サンノゼ)、Protein MetricsからのByos3.9クロマトグラフィ及び質量分析データ分析ソフトウェア(カリフォルニア州クパチーノ)、及びR3.6統計プログラミングソフトウェア(ウィーン、オーストリア)を用いて行った。
本明細書に記載された実施例及び実施形態は、例示のみを目的としたものであり、上述の実施形態に対する変更は、その広範な発明概念から逸脱することなくなされ得ることが理解される。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に制限されず、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内の修正をも包含することを意図するものと理解される。
当業者は、本発明を実施する際に他の要素及び/又はステップが望ましい及び/又は必要とされることを認識してもよい。しかし、そのような要素及びステップは当技術分野において周知であり、それらは本発明のよりよい理解を促進しないため、本明細書ではそのような要素及びステップについての議論はしない。本明細書の開示は、当業者に知られているそのような要素及び方法に対する全てのそのような変形及び修正に関する。
本明細書で引用したそれぞれの及び全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示内容が、それらの全体を参照することにより本明細書において援用される。本発明は、特定の実施形態を参照して開示されているが、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって本発明の他の実施形態及び変更が考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような実施形態及び同等の変更を含むと解釈されることが意図される。

Claims (57)

  1. 試料中のN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)標識ペプチドを特性決定する方法であって、
    (i)前記試料を電子誘導解離タンデム質量分析に供して、前記TMPP標識ペプチドの第1の質量スペクトルを得ることと、
    (ii)前記TMPP標識ペプチドの第1の質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出又は分離することによって、前記TMPP標識ペプチドを同定することと、
    (iii)前記同定されたTMPP標識ペプチドを第2の質量分析に供することによって、前記TMPP標識ペプチドの第2の質量スペクトルを生成することと、
    (iv)前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルを分析することによって、前記TMPP標識ペプチドを特性決定することと
    を含む、前記方法。
  2. ポリペプチドを特性決定する方法であって、
    (i)前記ポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識して、TMPP標識ポリペプチドを得ることと、
    (ii)前記TMPP標識ポリペプチドを消化して、1つ又は複数の非標識ペプチド及び1つ又は複数のTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
    (iii)前記混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、前記LCの溶出液を生成することと、
    (iv)前記溶出液を電子誘導解離タンデム質量分析に供して、前記1つ又は複数のTMPP標識ペプチドの各々の第1の質量スペクトルを得ることと、
    (v)前記1つ又は複数のTMPP標識ペプチドの各々の前記第1の質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出及び分離することによって、前記1つ又は複数のTMPP標識ペプチドを同定することと、
    (vi)前記同定された1つ又は複数のTMPP標識ペプチドを第2の質量分析に供することによって、前記1つ又は複数のTMPP標識ペプチドの各々の第2の質量スペクトルを生成することと、
    (vii)前記1つ又は複数のTMPP標識ペプチドの各々について前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルを分析することによって、前記ポリペプチドを特性決定することと
    を含む、前記方法。
  3. タンパク質上のクリップ部位を同定する方法であって、
    (i)前記タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
    (ii)前記1つ又は複数のクリップポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識し、それによって1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを得ることと、
    (iii)前記1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
    (iv)前記混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、前記LCの溶出液を生成することと、
    (v)前記溶出液を電子誘導解離タンデム質量分析に供して、前記TMPP標識ペプチドの各々の第1の質量スペクトルを得ることと、
    (vi)前記TMPP標識ペプチドの各々についての前記第1の質量スペクトルにおいてTMPPレポーターイオンを検出及び分離することによって、前記TMPP標識ペプチドの各々を同定することと、
    (vii)前記同定されたTMPP標識ペプチドの各々を第2の質量分析に供することによって、前記TMPP標識ペプチドの各々について第2の質量スペクトルを生成することと、
    (viii)前記TMPP標識ペプチドの各々について前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルを分析することによって、前記タンパク質上の前記クリップ部位を同定することと
    を含む、前記方法。
  4. 前記電子誘導解離が、電子移動解離(ETD)又は電子捕捉解離(ECD)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の質量スペクトルが、ETD又はECD質量スペクトルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記TMPPレポーターイオンが、前記第2の質量分析をトリガする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第2の質量分析が、衝突誘発解離(CID)、高エネルギー衝突解離(HCD)、又は紫外線光解離(UVPD)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第2の質量スペクトルが、CID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記TMPPレポーターイオンが、前記CID、HCD、又はUVPD質量分析をトリガする、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記TMPPレポーターイオンが、電荷損失から生成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記LCが、高速液体クロマトグラム(HPLC)である、請求項2~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記タンパク質が、治療用タンパク質である、請求項3~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記タンパク質が、非治療用タンパク質である、請求項3~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、高スループットである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリの情報と比較することによって分析される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第2の質量分析が、前記CID質量分析である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. タンパク質上のクリップ部位を同定する方法であって、
    (i)前記タンパク質の1つ又は複数のクリップポリペプチドを含有する試料を得ることと、
    (ii)前記1つ又は複数のクリップポリペプチドをN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識し、それによって1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを得ることと、
    (iii)前記1つ又は複数のTMPP標識クリップポリペプチドを消化して、非標識ペプチド及びTMPP標識ペプチドを含む混合物を生成することと、
    (iv)前記混合物を液体クロマトグラフィ(LC)に供して、前記LCの溶出液を生成することと、
    (v)前記溶出液をタンデム質量分析に供し、それによって前記TMPP標識ペプチドの各々について第1の電子移動解離(ETD)質量スペクトルを生成することと、
    (vi)前記TMPP標識ペプチドの各々について前記ETD質量スペクトル中のTMPPレポーターイオンを検出又は分離することと、
    (vii)前記TMPPレポーターイオンの検出又は分離時に、前記TMPP標識ペプチドの各々を、衝突誘発解離(CID)、高エネルギー衝突解離(HCD)、又は紫外線光解離(UVPD)を含む第2の質量分析に供し、それによって前記TMPP標識ペプチドの各々についてそれぞれCID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを生成することと、
    (viii)前記TMPP標識ペプチドの各々について前記ETD質量スペクトル及び前記CID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを分析することによって、前記タンパク質上の前記クリップ部位を同定することと
    を含む、前記方法。
  19. 前記TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、請求項18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記TMPPレポーターイオンが、電荷損失から生成される、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 前記LCが、高速液体クロマトグラム(HPLC)である、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記タンパク質が、治療用タンパク質である、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記タンパク質が非治療用タンパク質である、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記方法が高スループットである、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ETD質量スペクトル及び前記CID又はHCD又はUVPD質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリの情報と比較することによって分析される、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記TMPP標識ペプチドの各々が、前記CID質量分析に供される、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法。
  27. ポリペプチド上のクリップ部位を同定するため、又は試料中のポリペプチドを特性決定するためのシステムであって、液体クロマトグラフィ(LC)装置及びタンデム質量分析計を含み、前記タンデム質量分析計が、
    (i)第1のイオン化装置と、
    (ii)第1の範囲内の質量電荷比を有するイオンを透過するために、第1の動作モードで配置及び適合された第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器と、
    (iii)第1のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
    (iv)動作モードでイオンを減衰させるための減衰手段と、
    (v)前記第1の範囲内の質量電荷比を有するが、1つ又は複数の望ましくない第1の電荷状態を有するイオンが実質的に減衰されるように、前記減衰手段の動作を制御するように構成された制御装置と、
    (vi)第2のイオン化装置と、
    (vii)第2のイオン移動度分光計、検出器、又は分離器と、
    (viii)フラグメントイオンの非混合信号を取得し、トリガイオンを非冗長的にコード化するように構成されたデータシステムであって、前記非冗長的なコード化が、任意の個々のゲート時間の複数回の反復において異なる親種からの任意の2つのイオン信号の反復的な重複を回避又は最小化するように配置されている、データシステムとを含む、
    前記システム。
  28. 前記第1のイオン化装置が、電子誘導解離装置である、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記電子誘導解離装置が、電子移動解離(ETD)装置又は電子捕捉解離(ECD)装置である、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記第2のイオン化装置が、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、又は紫外線光解離(UVPD)装置である、請求項27~29のいずれか一項に記載のシステム。
  31. 前記質量分析計が、衝突装置、断片化装置、又は反応装置を更に含む、請求項27~30のいずれか一項に記載のシステム。
  32. 前記減衰手段が、イオンゲート又はイオンバリアを含む、請求項27~31のいずれか一項に記載のシステム。
  33. 前記減衰手段が、前記イオン移動度分光計又は分離器の下流に配置されている、請求項27~32のいずれか一項に記載のシステム。
  34. 前記第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器が、前記第1の動作モードで配置及び適合されて、前記第1の範囲外の質量電荷比を有するイオンを減衰させる、請求項27~33のいずれか一項に記載のシステム。
  35. 前記第1の質量電荷比フィルタ又は質量電荷比質量分析器が、前記イオン移動度分光計又は分離器の上流又は下流に配置されている、請求項27~34のいずれか一項に記載のシステム。
  36. 前記第1の望ましくない電荷状態が、以下の(i)1価、(ii)2価、(iii)3価、(iv)4価、(v)5価、及び(vi)多価うちの1つ又は複数から選択される、請求項27~35のいずれか一項に記載のシステム。
  37. 前記イオン移動度分光計又は分離器の上流に配置されたイオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域を更に含み、前記イオンガイド、イオントラップ、又はイオントラップ領域が、イオンをトラップ、貯蔵、又は蓄積し、次いで前記イオン移動度分光計又は分離器内に、若しくは前記イオン移動度分光計又は分離器に向かってイオンを周期的にパルス化するように配置されている、請求項27~36のいずれか一項に記載のシステム。
  38. 前記試料が、溶出液を生成するために前記LC装置に供される、請求項27~37のいずれか一項に記載のシステム。
  39. 前記溶出液が、前記タンデム質量分析に供されて、第1の質量スペクトル及び第2の質量スペクトルを得る、請求項38に記載のシステム。
  40. 前記第1の質量スペクトルが、ETD又はECD質量スペクトルである、請求項39に記載のシステム。
  41. 前記第2の質量スペクトルが、CID、HCD、又はUVPD質量スペクトルを含む、請求項39に記載のシステム。
  42. 前記ポリペプチド上の前記クリップ部位又は前記ポリペプチドが、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識されている、請求項27~41のいずれか一項に記載のシステム。
  43. 前記第1のイオン化装置が、TMPPレポーターイオンを生成する、請求項42に記載のシステム。
  44. 前記TMPPレポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、請求項43に記載のシステム。
  45. 前記TMPPレポーターイオンが、前記第2の質量分析をトリガする、請求項43又は44に記載のシステム。
  46. 前記LCが、高速液体クロマトグラム(HPLC)である、請求項27~45のいずれか一項に記載のシステム。
  47. 前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルが、データベース又はスペクトルライブラリ内の情報と比較することによって分析される、請求項38~46のいずれか一項に記載のシステム。
  48. ポリペプチド上のクリップ部位を同定するためのレポーターイオンであって、
    前記クリップ部位が、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識され、
    前記TMPPがイオン化されて、前記レポーターイオンを生成する、
    前記レポーターイオン。
  49. ポリペプチドを特性決定するためのレポーターイオンであって、
    前記ポリペプチドが、N-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)で標識され、
    前記TMPPがイオン化されて、前記レポーターイオンを生成する、
    前記レポーターイオン。
  50. 前記TMPPが、質量分析計によってイオン化されて、前記レポーターイオンを生成する、請求項48又は49に記載のレポーターイオン。
  51. 前記質量分析計が、タンデム質量分析計である、請求項50に記載のレポーターイオン。
  52. 前記タンデム質量分析計が、電子移動解離(ETD)装置、電子捕捉解離(ECD)装置、衝突誘発解離(CID)装置、高エネルギー衝突解離(HCD)装置、紫外線光解離(UVPD)装置、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項51に記載のレポーターイオン。
  53. 前記レポーターイオンが、約533Da、約573Da、又は約590Daの公称質量電荷(m/z)を有する、請求項52に記載のレポーターイオン。
  54. 前記レポーターイオンが、
    Figure 2022551511000011
    Figure 2022551511000012
    からなる群から選択される構造を有する化合物である、請求項53に記載の方法。
  55. ポリペプチド上のクリップ部位を同定するための組成物であって、請求項48及び50~54のいずれか一項に記載の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む、前記組成物。
  56. ポリペプチドを特性決定するための組成物であって、請求項49~54のいずれか一項に記載の少なくとも1つのレポーターイオン及びポリペプチドを含む、前記組成物。
  57. ポリペプチド上のクリップ部位を同定するか、又は試料中のポリペプチドを特性決定するためのキットであって、
    (i)前記ポリペプチド上の前記クリップ部位を標識するためのN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)又は前記ポリペプチドを標識するためのN-トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスホニウムアセチル(TMPP)と、
    (ii)説明資料と
    を含む、前記キット。
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