JP2022548030A - 生体試料中の銅濃度を測定する方法 - Google Patents

生体試料中の銅濃度を測定する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、生体試料中の銅濃度を測定する方法に関する。より具体的には、本開示は、生体試料中の非セルロプラスミン結合銅濃度及び/又は不安定結合銅濃度を測定する方法に関する。そのような方法は、代謝関連の疾患又は障害の管理及び処置において特に有用である。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2019年9月12日に出願された米国出願第62/899498号、2019年12月6日に出願された米国出願第62/944498号、及び2020年1月8日に出願された米国出願第62/958432号に対する優先権を主張し、これらの開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
開示の分野
本開示は、生体試料中の銅濃度を測定する方法に関する。より具体的には、本開示は、生体試料中の遊離銅(例えば、非セルロプラスミン結合銅濃度、不安定結合銅濃度、又はその両方)を測定する方法に関する。そのような方法は、ウィルソン病を含むがそれに限定されない代謝関連の疾患又は障害の管理及び処置において特に有用である。
背景
銅(Cu)は、全ての生物の生化学において重要な役割を果たす必須元素であり、主に重要な代謝経路における特定のキュプロ酵素(cuproenzyme)による電子の移動に関与している。銅の反応性も銅の毒性に寄与するため、銅の輸送及び細胞の区画化が特異的に調節される。そのような調節因子の1つはセルロプラスミン(CP)であり、これは哺乳動物の鉄ホメオスタシスに不可欠な役割を果たす銅含有血漿フェロキシダーゼである。このタンパク質は、結合した銅イオンの電子化学を利用するマルチ銅オキシダーゼファミリーの酵素のメンバーである。これは血漿銅の90%以上を運搬し、末梢組織への血漿銅の送達及び胆汁への銅の排出を可能にする。一般に、正常な成人の血清セルロプラスミンレベルは200μg/mL~400μg/mLである。参照下限である200μg/mL未満の血清セルロプラスミンレベルは、伝統的にウィルソン病(WD)に特徴的であると見なされている。
ウィルソン病(肝レンズ核不全とも呼ばれる)は、銅輸送の遺伝性疾患である。ウィルソン病は、Cu充填酵素ATP7B(ヒト)の様々な遺伝子変異によって引き起こされる。ATP7Bは、毛細胆管を介したCPへのCuの移動及びCuの排出を促進する。結果として生じる肝臓の排出経路の欠陥は、肝臓、腎臓、中枢神経系/脳、及び角膜などの組織内の銅蓄積につながり、銅レベルは処置なしでは上昇したままである。具体的には、銅蓄積はCPの能力を超え、血液中を循環し組織及び臓器に蓄積する、遊離の非セルロプラスミン結合銅(「NCC」)を生じさせる。このNCCは、血漿タンパク質(例えば、アルブミン、トランスキュプレイン(transcuprein)、及び低分子量ペプチド又はアミノ酸など)と緩く結合して、複合体(「不安定結合銅」又は「LBC」)を形成し得る。NCC及びLBCは「遊離銅」を含み、ウィルソン病で観察される銅毒性に寄与し、それを示唆し得る。
したがって、ウィルソン病などの銅代謝関連障害を有する患者を管理及び処置するためのツールは、遊離銅レベルの測定である。NCCは、American Association for the Study of Liver Diseases(AASLD)及び欧州ウィルソン病診療ガイドラインに従って銅制御を評価するためのバイオマーカー及び認識されたエンドポイントである。しかし、これらの歴史的に認められた処置ガイドラインの下では、NCCは直接測定されなかった。むしろ、総血中銅及びCPレベルのみが直接測定され、次いでNCCが次の計算から推定された。
Figure 2022548030000001
計算は、6つの銅原子が常に単一のCP分子に結合し、NCC及びセルロプラスミンの濃度が直接相関していることを前提としている。実際には、CPは、CP分子ごとに会合した銅原子の数において相当の不均一性を示し得る。NCCを計算するこの式は、1つのCPあたり6つの銅原子が結合することを想定しているが、銅/CP比は病状によって異なる。実際、6~8個の銅原子がCPに実質的に結合することができ、ウィルソン病では通常、CP分子あたり6個未満の銅原子が会合している。
結果として、NCCを決定するこの推定方法は、臨床環境で問題があることが明らかになり、その固有の欠点が批判されている。例えば、この方法及び式を使用すると、生理学的及び数値的に不可能な負のNCCという結果が生成され得る。しかし、NCCの負の値は無意味であるにもかかわらず、この方法で評価された患者の20~50%で負の値が計算され、報告された。
したがって、生体試料中の遊離銅の濃度を決定するための効率的且つ正確な方法が依然として必要とされている。
特に、ウィルソン病を含むがこれに限定されない銅代謝関連の疾患及び障害を有する患者の非セルロプラスミン結合銅(NCC)、セルロプラスミン結合銅(CP-Cu、CPCとも呼ばれる)、及び不安定結合銅(LBC)の濃度を直接測定する方法が依然として必要とされている。
本開示は、生体試料中の銅濃度を測定する効率的且つ正確な方法を提供する。したがって、本開示の一態様は、生体試料中の不安定結合銅を測定する方法を提供する。そのような方法は、
非セルロプラスミン試料を得るために生体試料からセルロプラスミンを取り出すこと;
非セルロプラスミン試料を、不安定結合銅に結合するキレート剤と接触させること;
非不安定結合銅を取り出して、不安定結合銅試料を得ること;及び
不安定結合銅試料中の銅濃度を測定すること
を含む。
少なくとも1つの実施形態において、生体試料中の不安定結合銅を測定する方法は、
生体試料をセルロプラスミンに結合する免疫捕捉試薬と接触させること;
捕捉されたセルロプラスミンを取り出して、非セルロプラスミン試料を得ること;
非セルロプラスミン試料を、不安定結合銅に結合するキレート剤と接触させること;
非不安定結合銅を取り出して、不安定結合銅試料を得ること;及び
不安定結合銅試料中の銅濃度を測定すること
を含む。
本開示のさらなる態様は、生体試料中の銅濃度を測定するためのキットを提供する。この態様の特定の実施形態において、キットは、免疫捕捉試薬及び使用説明書を含む。この態様の特定の他の実施形態において、キットは、免疫捕捉試薬、キレート剤、及び使用説明書を含む。
添付の図面は、本開示の方法及び材料のさらなる理解を提供するために含まれており、それらは本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は、本開示の1つ以上の実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理及び実施を説明するのに役立つ。
血液、血清、又は血漿などの生体試料中の銅の異なる測定値を示す。「総銅」は、生体試料中の全ての銅である。「総Mo」は、総モリブデンであり、Mo含有薬物を直接測定することは困難であるため、一般にMo含有薬物(BC-TTMなど)の濃度を推定するための代理として機能し得る。「CP-Cu」(「CPC」としても知られる)は、銅-セルロプラスミン複合体である。「ALB-Cu」(「Albumin-Cu」としても知られる)は、銅-アルブミン複合体である。「PUF-Cu」(「Pep-Cu」としても知られる)は、血漿限外ろ過銅であり、一般に、例えば限外ろ過によって、抽出された試料(例えば、銅が緩く結合する低分子量ペプチドを含有する)中の遊離銅の測定値である。 本開示の少なくとも1つの実施形態による、生体試料中の銅の直接測定を示す。 本開示の少なくとも1つの実施形態による、生体試料中の銅の直接測定を示す。「Pep-CU」(「PUF-Cu」としても知られる)は、低分子量のペプチド又はアミノ酸に緩く結合する遊離銅である。「MAC」は、Mo-アルブミン三分子結合銅である。 本開示の少なくとも1つの実施形態による、生体試料中の銅の直接測定を示す。「UF」は、Pep-Cuを取り出すための限外ろ過である。「IP」は、Pep-Cuを取り出すための免疫沈降である。 本開示の少なくとも1つの実施形態による、生体試料中の不安定結合銅(Pep-Cu及びALB-Cuを含む)の直接測定を示す。 ウィルソン病のベースライン(未処理)血漿試料に対して、旧NCC推定法(「旧」)及び即時法(「新」)を使用して測定されたNCC(非セルロプラスミン結合銅)を示す。 ウィルソン病のベースライン血漿試料のCPCとCPの比率を示す。
開示される方法及び材料が記載される前に、本明細書に記載される態様は、特定の実施形態に限定されず、当然ながらそれ自体変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、本明細書で具体的に定義されない限り、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
定義
本明細書全体を通して、文脈上別段の定めがない限り、「含む(comprise)」及び「含む(include)」という単語並びにその変形(例えば、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」)は、記載される成分、機能、要素、若しくはステップ、又は成分、機能、要素、若しくはステップのグループを包含することを示唆するが、他のいかなる整数若しくはステップ、又は整数若しくはステップのグループを除外するものではないと理解される。
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈に別段の明示がない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、少なくとも1つの抗原を認識し、それに特異的に結合することができるタンパク質を指す。通常又は従来の哺乳動物抗体は、典型的にポリペプチド鎖の2つの同一の対から構成される四量体を含み、各対は、1つの「軽」鎖(典型的には約25kDaの分子量を有する)及び1つの「重」鎖(典型的には約50~70kDaの分子量を有する)からなる。本明細書で使用される「重鎖」及び「軽鎖」という用語は、標的抗原に対する特異性を付与するのに十分な可変ドメイン配列を有する任意の免疫グロブリンポリペプチドを指す。各軽鎖及び重鎖のアミノ末端部分は、典型的には、抗原認識に典型的に関与する約100~110又はそれを超えるアミノ酸の可変ドメインを含む。抗体が非ヒト供給源に由来する場合、可変ドメインをさらなるタンパク質工学に供して、フレームワーク領域をヒト化してもよい。各鎖のカルボキシル末端部分は、典型的には、エフェクター機能の原因である定常ドメインを定義する。したがって、天然に存在する抗体では、全長重鎖免疫グロブリンポリペプチドは、可変ドメイン(V)及び3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)、並びにCH1とCH2の間のヒンジ領域を含み、ここで、Vドメインはポリペプチドのアミノ末端にあり、CH3ドメインはカルボキシル末端にあり、全長軽鎖免疫グロブリンポリペプチドは、可変ドメイン(V)及び定常ドメイン(C)を含み、ここで、Vドメインはポリペプチドのアミノ末端にあり、Cドメインはカルボキシル末端にある。本明細書で使用される抗体には、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化又はキメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、脱免疫化抗体、及び完全ヒト抗体が含まれ得る。抗体は、様々な種、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、オランウータン、ヒヒ、チンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ハムスター、ラット、及びマウスなどの哺乳動物のいずれかにおいて作製でき、又はそこから誘導することができる。抗体は、精製又は組換え抗体であり得る。抗体はまた、少なくとも1つの免疫グロブリンドメインを含有する操作されたタンパク質又は抗体様タンパク質(例えば、融合タンパク質)であり得る。操作されたタンパク質又は抗体様タンパク質はまた、二重特異性抗体若しくは三重特異性抗体、又は二量体、三量体、若しくは多量体抗体、又はダイアボディ、DVD-Ig、CODV-Ig、AFFIBODY(登録商標)分子抗体模倣物、又はナノボディであり得る。
「抗体フラグメント」又は「抗原結合フラグメント」という用語は、無傷又は完全長の鎖又は抗体の一部、一般に、標的結合又は可変領域を指す。抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2及びFフラグメントが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「機能的フラグメント」という用語は、一般に「抗体フラグメント」と同義であり、抗体に関しては、F、Fab、F(ab’)2などの抗体フラグメントを指し得る。
本明細書で使用される「患者」という用語は、ヒト及び動物の対象を含む。
本明細書で使用される「治療剤」又は「治療組成物」という用語は、患者に適切に投与されたときに所望の治療効果を誘発することができる化合物又は組成物を指す。
治療剤又は組成物に関して使用される場合、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、所望の治療結果を生み出すのに十分な量又は投与量を指す。より具体的には、有効量は、処置されている状態に関連する臨床的に定義された病理学的プロセスの1つ以上を一定期間にわたって阻害するのに十分なものである。有効量は、使用されている特定の治療剤に応じて変化し得、処置される患者及び障害の重症度に関連する様々な要因及び条件にも依存する。
本明細書で使用される「遊離銅」という用語は、患者の体内に存在する遊離の非セルロプラスミン結合銅を指し、NCC及びLBCを包含する。
ウィルソン病の症状及び処置
ウィルソン病を有する患者は、肝臓、神経、精神、及び眼の症状の組み合わせを経験し得る。例えば、肝症状は、最初は9~13歳の患者に見られ、急性肝不全及び慢性肝疾患の両方が含まれ得る。神経学的徴候及び症状には、例えば構音障害、ジストニア、振戦、及び運動失調が含まれ得る。精神症状は、例えば、過敏性から人格変化及びうつにまで及び得る。カイザー・フライシャー輪としても知られる角膜の銅沈着も存在し得る。ウィルソン病の症状は、患者の皮膚、関節、腎臓などの他の位置にも存在し得る。さらに、ウィルソン病患者の亜集団は「発症前」に分類される。発症前の患者は、ウィルソン病の遺伝子変異及びそれに伴う生化学的異常を有するが、それ以外は無症候性である。
処置なしでは、ウィルソン病は致死的であるが、処置を行う場合、及び患者が処置に十分に準拠している場合、平均余命は正常であり得る。
ウィルソン病の処置は、体組織に蓄積された銅を取り除き、その後、銅の再蓄積を防ぐことを目的とする。D-ペニシラミン及びトリエンチンは、症候性ウィルソン病の処置に使用され得る2つのキレート剤である。D-ペニシラミンは第一選択治療とみなし得るが、一部の患者は、有害事象を経験した後、トリエンチンへの切り替えを要する。ペニシラミンの非限定的な例には、CUPRIMINE(登録商標)(Valeant Pharmaceuticals、Inc.)及びDEPEN(登録商標)(Mylan Specialty LP)が含まれる。トリエンチンは第一選択治療としても使用され得る。トリエンチンの非限定的な例には、トリエンチン塩酸塩(SYPRINE(登録商標)(Valeant Pharmaceuticals,Inc.)など)及びトリエンチン四塩酸塩(CUPRIOR(登録商標)(gmp-orphan SA)など)が含まれる。患者の銅レベルが低下すると、処置の目標は銅の再蓄積の防止及び維持療法となる。亜鉛塩(非限定的な例には、GALZIN(登録商標)(酢酸亜鉛)(Teva Pharmaceuticals)及びWILZIN(登録商標)(酢酸亜鉛二水和物)(Recordati Rare Diseases)が含まれる)は、維持処置に使用され得、また、銅吸収を減少させるために、例えば無症候性の患者を含む患者の第一選択治療としても使用され得る。過去に、テトラチオモリブデン酸アンモニウムが潜在的な処置選択肢として研究されてきた。銅-タンパク質結合剤であるビスコリンテトラチオモリブデート(BC-TTM)も、ウィルソン病の処置に使用され得る。BC-TTMは、特異性の高い銅タンパク質複合体を迅速に形成し、肝臓及び血液中の遊離銅を無害化し、銅の胆汁排出を促進することができる。最後に、急性肝不全、非代償性肝疾患を呈している患者、又は処置に応答しない患者は、肝移植を要する場合がある。
ウィルソン病を有する患者は、患者の銅消費及び銅蓄積を制限することを意図とした食事制限の対象となり得る。例えば、肝臓は、動物の食餌の高ミネラル含有量のために銅が非常に高くなり得るため、脱銅期間中は摂取してはならない。貝類(shellfish)は銅レベルが中程度に高く、飲料水も高い銅レベルを有する場合がある。患者の飲料水に1リットルあたり0.1mgを超える銅が含まれている場合、蒸留水又は脱塩水を使用する必要がある。患者の食事は、毎日1又は2ミリグラム以下の銅を摂取するように調整する必要がある可能性がある。銅制限食は、チョコレート、ナッツ、貝類(shellfish)、キノコ、肝臓、糖蜜、ブロッコリー、及び銅が豊富なシリアル及び栄養補助食品を除外し、低銅含有量の食品で構成され得る。
遊離銅の測定方法
本開示を考慮して、本明細書に記載の方法は、所望の需要を満たすために当業者によって構成され得る。一般に、開示された方法は、生体試料中の銅濃度の測定における改善を提供する。例えば、開示された方法は、試料中の遊離銅の効率的且つ正確な測定を提供し、計算されたNCCの生物学的に不可能な負の値(これは、完全に機能する非ウィルソン病のCP値の特徴からの誤った仮定に基づいている)などの、現在使用されている方法に関連する問題の一部を排除する。本開示の方法の特定の実施形態は、本開示の方法が遊離銅の直接測定である(すなわち、計算された推定値ではない)ため、遊離銅の正確且つ信頼できる定量化を提供する。
したがって、本開示の一態様は、生体試料中の不安定結合銅濃度を測定する方法を提供する。この方法では、試料をセルロプラスミンに結合する免疫捕捉試薬と接触させ、免疫捕捉されたセルロプラスミンを取り出して、非セルロプラスミン試料を得;非セルロプラスミン試料を、不安定結合銅に結合するキレート剤と接触させ;非不安定結合銅を取り出して、不安定結合銅試料を得る。銅濃度は、不安定結合銅試料で測定される。
本開示の別の態様において、生体試料中のNCC濃度を測定する方法が提供される。このような方法は、図2に模式的に示されている。この方法では、試料をセルロプラスミンに結合する免疫捕捉試薬と接触させ、捕捉されたセルロプラスミンを取り出して、非セルロプラスミン試料を得る。NCC濃度は、非セルロプラスミン試料で測定される。
一般に、セルロプラスミンを含有する任意の試料は生体試料であり、本開示の方法で使用することができる。ウィルソン病の特徴の1つは、200μg/mL未満の血清セルロプラスミン濃度である。したがって、いくつかの実施形態において、本開示の方法で使用される生体試料は、セルロプラスミン濃度が約200μg/mL未満のものである。いくつかの実施形態において、本開示の方法で使用される試料は、セルロプラスミン濃度が約200μg/mL~約400μg/mLの範囲内である。
特定の実施形態において、試料は、ヒト血漿又はヒト血清である。いくつかの実施形態において、試料はヒト血漿である。いくつかの実施形態において、試料はヒト血清である。いくつかの実施形態において、試料は、哺乳動物血漿又は哺乳動物血清である。
上記のように、本明細書に記載の本開示の方法の特定の実施形態において、試料は、セルロプラスミンに結合する免疫捕捉試薬と接触される。捕捉されたセルロプラスミンを取り出すと、非セルロプラスミン試料が得られる。例えば、特定の実施形態において、免疫捕捉試薬は、セルロプラスミン捕捉試薬である。
本明細書に記載される本開示の方法の特定の実施形態において、免疫捕捉試薬は、免疫沈降試薬である。例えば、特定の実施形態において、抗セルロプラスミン固定化固体支持体を免疫沈降試薬として使用することができる。いくつかの実施形態において、免疫沈降試薬は、セルロプラスミンと複合体を形成した後、固体支持体上に固定化するように構成された遊離の抗セルロプラスミン結合部分である。当技術分野で公知の任意の適切な固体支持体を使用することができる。例えば、特定の実施形態において、固体支持体は、磁性ビーズ、アガロース樹脂、クロマトグラフィープレート、ストレプトアビジンプレート、及びタイタープレートから選択される少なくとも1つの固体支持体である。少なくとも1つの実施形態において、固体支持体は磁性ビーズである。別の実施形態において、固体支持体は、アガロース樹脂、クロマトグラフィープレート、ストレプトアビジンプレート、及びタイタープレートから選択される。
固体支持体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ化又はキメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、脱免疫化抗体、完全ヒト抗体、二重特異性抗体、ダイアボディ、その抗原結合フラグメント、及びペプチドから選択される1つ以上の抗セルロプラスミン試薬で機能化することができる。本明細書に記載の本開示の方法の特定の実施形態において、免疫捕捉試薬は、モノクローナル又はポリクローナルヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体の少なくとも1つである。
抗セルロプラスミン抗体などの特定の抗セルロプラスミン試薬は、CPに結合する試薬の効率を評価することによって選択され得る。例えば、抗セルロプラスミン試薬は、生体試料からCPを枯渇させるその効率に基づいて選択され得る。特定の実施形態において、免疫捕捉後の生体試料中のセルロプラスミンを測定することによってCP枯渇の高効率を示す抗CP抗体は、本開示の方法において使用され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、表1に提供されるMSパラメーターを有する抗体は、高効率のCP枯渇(例えば、高CP結合)を有するものとして分類され得る。したがって、特定の実施形態において、抗セルロプラスミン試薬(例えば、抗セルロプラスミン抗体)は、生体試料中、CPの少なくとも90%、例えば、CPの少なくとも92%又は少なくとも94%を、総CPから枯渇させることができる。特定の実施形態において、抗セルロプラスミン試薬は、生体試料中、CPの少なくとも95%、例えば、CPの少なくとも96%又は少なくとも97%を、総CPから枯渇させることができる。特定の実施形態において、抗セルロプラスミン試薬は、生体試料中、CPの少なくとも98%、例えば、CPの少なくとも98.5%若しくは少なくとも99%を、又は99%超でさえ、総CPから枯渇させることができる。
Figure 2022548030000002
一般に、銅濃度の測定は、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を使用して実施され得る。誘導結合プラズマ発光分析(ICP-OES)、及びZeemanグラファイト炉原子吸光分析(GFAAS)が含まれるがこれらに限定されない、銅濃度の測定に適した他の分析方法を使用できる。
本明細書に記載の本開示の方法の特定の実施形態において、銅濃度を測定する前に、内部標準(IS)が不安定結合銅試料又は非セルロプラスミン試料に導入される。特定の実施形態において、内部標準は、銅、ロジウム、及びインジウムのうちの少なくとも1つを含む。特定の実施形態において、内部標準は、銅及びロジウムのうちの少なくとも1つを含む。
ウィルソン病の処置に使用される治療剤の1つは、ビスコリンテトラチオモリブデート(BC-TTM)であり、これは、血清銅をテトラチオモリブデートアニオンと結合させて取り出すことによって作用する。テトラチオモリブデートが組織又は血液中のタンパク質に関連する銅に結合すると、タンパク質/銅(典型的にはアルブミン/銅)との堅く結合した三分子複合体が形成される。このテトラチオモリブデート-銅-アルブミン三分子複合体の形成は、BC-TTMの作用機序の特徴であり、銅とタンパク質複合体を形成しないキレート剤からBC-TTMを区別する。その結果、モリブデン(Mo)は、BC-TTM曝露を推定し、有効治療用量を調整するための代理測定として使用されてきた。BC-TTMで処置された患者のNCCを評価するために、NCCcorrectedの概念がBC-TTM研究に組み込まれ、これは、テトラチオモリブデート-銅-アルブミン三分子複合体の測定値として血漿Moを使用する。NCCcorrectedは次のように計算される。
Figure 2022548030000003

式中、NCCは、現在の手順に従って計算された推定NCCである。
本開示の方法はさらに、BC-TTMを受けている患者においてさえNCCの直接定量化を可能にする。例えば、本開示の方法はまた、テトラチオモリブデート-銅-アルブミン三分子複合体(MAC又はMo-Alb-Cu)中の銅濃度の直接測定を可能にする。このような実施形態は、図3A及び3Bに模式的に示されている。
したがって、特定の実施形態において、本明細書に記載の本開示の方法は、非セルロプラスミン試料をモリブデン捕捉試薬と接触させてモリブデン試料を得ることをさらに含む。モリブデン捕捉試薬は、キレート競合試薬又は界面活性剤であってもよい。特定の実施形態において、方法は、モリブデン試料中のモリブデン結合銅濃度を測定することをさらに含む。銅濃度は、非セルロプラスミン試料中の銅の測定に関して上記のように測定することができる。例えば、モリブデン試料の銅濃度は、誘導結合プラズマ質量分析を使用して測定される。正確な非セルロプラスミン結合銅濃度は、非セルロプラスミン試料の銅濃度からモリブデン試料の銅濃度を差し引くことによって得られ得る。いくつかの実施形態において、非セルロプラスミン試料は、モリブデン捕捉試薬と接触する前に、限外ろ過に供されるか、又は免疫捕捉試薬に接触されて、血漿限外ろ過銅が取り出される。
本明細書に記載の本開示の方法において、セルロプラスミンは、免疫捕捉試薬によって取り出されて、非セルロプラスミン試料及び免疫捕捉セルロプラスミン試料が得られる。特定の実施形態において、免疫捕捉されたセルロプラスミン試料をさらに評価することができる。例えば、特定の実施形態において、本開示の方法は、免疫捕捉されたセルロプラスミン試料のセルロプラスミン濃度を測定することをさらに含む。一般的に、セルロプラスミン濃度は質量分析法を使用して測定される。試料中のタンパク質濃度を測定するのに適した他の分析方法も使用できる。特定の実施形態において、質量分析又は他の分析方法は、少なくとも約5μg/mLの分析物(すなわち、セルロプラスミン)検出限界を有する。特定の実施形態において、セルロプラスミン濃度の測定は、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)を使用して実施される。他の実施形態において、本開示の方法は、免疫捕捉されたセルロプラスミン試料の銅濃度を測定することをさらに含む。銅濃度は、非セルロプラスミン試料中の銅の測定に関して上記のように測定することができる。例えば、免疫捕捉されたセルロプラスミン試料の銅濃度は、誘導結合プラズマ質量分析を使用して測定される。
特定の実施形態において、本明細書に記載される本開示の方法は、非セルロプラスミン試料を、試料中に存在する不安定結合銅に結合するキレート剤と接触させることをさらに含む。少なくとも1つの実施形態において、そのようなキレート剤は、MACに存在する銅に結合しない。次に、MACを試料から取り出し、不安定結合銅を含む試料(「不安定結合銅試料」)を残すことができる。
このような実施形態は、図3Cに模式的に示されている。図3Cにおいて、1行目は、例えば、Pep-Cu、アルブミン-Cu、Mo-Alb-Cu三分子複合体、及びCP-Cuなどの、生体試料に存在する様々な結合形態の銅を示す。2行目は、CP-Cu画分をNCC画分(Pep-Cu、アルブミン-Cu、及びMo-Alb-Cu三分子複合体を含む)から分離するために、CPの免疫捕捉を実施する。少なくとも1つの実施形態において、CP-Cu画分中のCP-Cu及び/又はCPの量が測定され得る。図3Cの3行目に示されているNCC画分は、Mo-Alb-Cu三分子複合体をLBC画分(Pep-Cu及びアルブミン-Cuを含む)から分離するために、キレート化及びろ過に供され得る。少なくとも1つの実施形態において、Mo-Alb-Cu画分中のMo及び/又はCuの量が測定され得る。少なくとも1つの実施形態において、LBC画分中のCuの量は、試料中の不安定結合銅の量を得るために、本明細書に記載の方法に従って測定され得る。
本明細書に記載の方法で使用されるキレート剤は、非限定的な例として、トリエンチン塩酸塩、トリエンチン四塩酸塩、ペニシラミン、及びエチレンジアミン四酢酸(EDTAとしても知られる)などの不安定結合銅に結合する任意のキレート剤から選択され得る。少なくとも1つの実施形態において、キレート剤は、EDTAを含む。
キレート剤の添加後、得られた試料は、任意選択により混合及び/又はインキュベートされ得る。MACは、非限定的な例としてろ過を含む、当業者に公知の任意の適切な技術によって、非セルロプラスミン試料から取り出され得る。少なくとも1つの実施形態において、試料は、MACの取り出し後、遠心分離される。
銅代謝のバイオマーカー
本開示は、銅代謝のバイオマーカーを提供する。生体試料中の遊離銅濃度は、患者の血液中を循環し、患者の組織及び臓器に蓄積している可能性のある遊離銅濃度の濃度を示す。したがって、本明細書に記載の方法によって測定されるNCC及び/又はLBCは、患者の銅代謝のバイオマーカーを含む。より具体的には、本明細書に記載の銅代謝関連障害又は疾患を有する患者を診断、特定、又はモニタリングするために、本明細書に記載の方法によって測定されるNCC及び/又はLBCが使用され得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、銅代謝関連障害又は疾患は、ウィルソン病である。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるバイオマーカーは、本明細書に開示されるNCC及び/又はLBCを測定するための方法を使用して測定され得る。
本明細書に開示されるバイオマーカーは、患者における遊離銅濃度について特定の有効参照範囲と比較され得る。少なくとも1つの実施形態において、バイオマーカーは、例えば、民族、年齢、性別、併存疾患、及びその他の要因などの、対象の特定の患者集団の亜集団における遊離銅濃度について、特定の有効参照範囲のセットと比較される。
銅濃度を測定するためのキット
本開示の別の態様は、生体試料中の銅濃度を測定するためのキットを提供する。より具体的には、本開示は、生体試料中の遊離銅濃度(例えば、NCC及び/又はLBC)を測定するためのキットを提供する。
この態様の特定の実施形態において、生体試料中のNCCを測定するためのキットは、本明細書に記載の免疫捕捉試薬及び使用説明書を含む。少なくとも1つの実施形態において、使用説明書は、遊離銅濃度について特定の有効参照範囲を含む。少なくとも1つのさらなる実施形態において、使用説明書は、例えば、民族、年齢、性別、併存疾患、及びその他の要因などの、対象の特定の集団の亜集団における遊離銅濃度について、特定の有効参照範囲を含む。
この態様の特定の他の実施形態において、生体試料中のLBCを測定するためのキットは、本明細書に記載の免疫捕捉試薬、本明細書に記載のキレート剤、及び本明細書に記載の使用説明書を含む。
この態様の特定の他の実施形態において、生体試料中のLBCを測定するためのキットは、本明細書に記載の免疫捕捉試薬、及び本明細書に記載の使用説明書を含む。そのような特定の他の実施形態において、例えば、使用説明書は、不安定結合銅試料を得るために本明細書に記載のキレート剤を使用するための説明書を含む。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるキットは、銅代謝関連の障害又は疾患を有する患者を特定又は診断するために使用され得る。他の特定の実施形態において、本明細書に開示されるキットを使用して、患者の遊離銅を経時的にモニタリングしてもよい。
本開示の特定の態様は、以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは、範囲又は精神について、開示を、それらに記載されている特定の方法及び材料に限定するものと解釈されるべきではない。
実施例1:非セルロプラスミン銅(NCC)生物分析アッセイの直接測定
ヒト血清/血漿中の非セルロプラスミン銅濃度は、連続ダイノード検出器を使用した誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)を使用して決定された。
114の血漿試料は、BC-TTMによる処置前のウィルソン病患者の第3相臨床試験から得られた(投与前試料)。血漿試料は、120人の健常ボランティア(18歳以下60人(「小児」)及び19歳以上60人(「成人」))からも得た。
トシル活性化磁気ビーズは市販されており(ThermoFisher、以前はDynabeads)、Bethyl Laboratories,Inc.(Montgomery,TX)製のヤギ抗ヒトセルロプラスミンポリクローナル抗体で被覆される。20マイクロリットルのヒト血漿試料を、PBST溶液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)+0.01%Tween(登録商標)-20)に懸濁した200μLの被覆磁気ビーズで希釈した。希釈は、1000rpmで振とうしながら室温で、90分間丸底プレートで実施した。インキュベーション後、磁気ビーズを磁気スタンドによって室温で5分間、上清から分離し、続いて得られたCPを含まない上清200μLを15mLの無金属プラスチック遠心分離管に移した。
以下に説明されるように、上清のCu濃度を直接測定した。CP/磁性ビーズ画分を簡単に洗浄し、CP及びCP-Cu(免疫捕捉CP試料)の溶液を提供するために、標準的な手順に従ってCPを定量的に溶出した。
100μLの銅(Cu-STD)及びセルロプラスミン(CP-STD)を含む標準試料、銅(Cu-QC)及びセルロプラスミン(CP-QC)を含む品質管理試料、及びブランク試料を、それぞれ15mLの無金属プラスチック遠心分離チューブに加えた。血漿試料、ブランク、STD、又はQCを含有する各チューブに、銅(CU-IS)及びセルロプラスミン(CP-IS)を含む20μLの内部標準並びに900μLの0.1%硝酸を加え、チューブを約5分間ボルテックスした。次に、チューブを12,000rpmで5分間、室温で遠心分離し、上清を、Agilent 7800/7900若しくはAgilent 8900でのICP-MS分析又はLS-MS分析用のオートサンプラーに適した無金属プラスチックチューブに移した。
銅について、データ取得はMass Hunterソフトウェア(Mass Hunter 4.2 WorkstationソフトウェアバージョンC.01.02)を使用して実行した。セルロプラスミンについて、データ取得はAnalyst Softwareバージョン1.6.2又は同等物(Applied Biosystems-MDS SCIEX)を使用して実行され、クロマトグラムはAnalystを使用して統合された。血漿試料の結果は、適切な生物分析法で特定された濃度の単位で報告される。
CPを含まない上清の分析により、非セルロプラスミン結合銅濃度(NCC)が得られた。免疫捕捉されたCP試料の分析により、CP-Cu濃度及びCP濃度が得られた。
第3相臨床試験からの114の投与前試料では、全ての投与前試料で検出可能なNCCレベルが得られ、負のNCC値を有する試料はなく、定量限界未満(BQL)のNCC値を有する試料はなかった。検出された最低のNCCは0.2μMであり、アッセイ感度は0.08μMであると決定された。以前の分析では、試料の40%で負のNCCという結果が報告された。
120人の健常ボランティア(18歳以下60人(「小児」)及び19歳以上60人(「成人」))から得た血漿試料について、検出された最低のNCCは0.2μMであり、ベースラインの臨床試験試料(つまり、未処置のウィルソン病患者からの試料)からの全体的な範囲は0.08μM~15.7μMであり、5ng/mL~1000ng/mLに相当するものであった。
方法の正確性及び精度を検証するために、NCC法は、異なる日に、異なる分析官によって、濃度レベルごとに複数のQC試料(n=18)を使用して実施された。この方法は、評価した全ての濃度で精度及び正確性の両方を示した。
実施例2:非セルロプラスミン銅(NCC)生物分析アッセイの直接測定
(未処置の)ウィルソン病患者からの臨床試験血液試料は、無菌静脈穿刺(又は静脈内投与)によって得られ、2,000g、4℃で30分間遠心分離して血漿を得るまで、4℃又は氷上で保存された。血漿試料は、分析が実施されるまで-70℃で保存された。試料は、実施例1のプロセスに従って分析された。データは図4に示され、以前の推定方法によって得られた、過去報告されたNCCと対になっている。旧NCC推定法によると、対象のおよそ40%が負のベースラインNCCレベルを有すると判断され、これは生物学的に不可能であり、ウィルソン病処置の評価を複雑化する。比較すると、実施例1による方法は、NCCの負の値を排除し、遊離Cuの減少を定量化するためのより高い感度を示した。
ベースライン(未処置)のウィルソン病血漿試料(n=42)についても、CP-CuとCPの比率を評価して、銅とセルロプラスミンタンパク質のモル比を決定した(図5)。平均CP-Cu/CPは4.29であり、標準偏差は0.92であった。これは、セルロプラスミンあたり6Cuという歴史的に想定されている値とは対照的である。(Arredondo M.et al.,Ceruloplasmin,an indicator of copper status,Biol Trace Elem Res,2008 Summer;123(1-3):261-9を参照。)
実施例3:不安定結合銅(LBC)バイオアッセイ
この2ステップバイオアッセイでは、血漿試料を最初にCPのビーズ免疫捕捉に供し、次にキレート化に供し、続いてろ過してMo-Alb-Cu三分子複合体を取り出した。この方法は、(初めて)遊離Cu種LBCを直接測定するものである。
免疫捕捉試薬の調製
ステップ1:20mg/mLウシ血清アルブミン(BSA)(微量銅)の調製
水中の約20mg/mL BSAは、約0.4gのBSAを無金属チューブ内の約20mLの精製HOに溶解することによって調製した。約4000μLの20mg/mL BSA溶液を30Kフィルター(4mLフィルター容量)に加え、約4000xgで約25分間遠心分離した。ろ液を廃棄した。約3600μLの100mM EDTA溶液を各フィルターに加え、得られた溶液を約30秒間ボルテックスした後、約4000xgで約25分間回転させた。ろ液を廃棄し、EDTAを加え、ボルテックスし、次に回転させるステップをさらに4回繰り返した。
次に、ろ液を廃棄し、約3600μLの精製水をフィルターに加え、得られた溶液を約30秒間ボルテックスした後、約4000xgで約15分間遠心分離した。ろ液を廃棄し、精製水を加え、ボルテックスし、次に遠心分離するステップをさらに4回繰り返した。得られた溶液を約-80℃で保存した。
ステップ2:ブロッキングバッファーの調製:0.01%Tween(登録商標)-20を含む1X PBS
約0.1mLのTween(登録商標)-20を約1000mLの1XPBSバッファーに加えた。得られた溶液をよく混合し、略室温で保存した。
ステップ3:カップリングバッファーの調製
カップリングバッファーA:0.1Mホウ酸緩衝液、pH9.5。約100mLの0.5Mホウ酸緩衝液pH9.5を約400mLのHOで希釈した。溶液をよく混合し、約4℃で保存した。
カップリングバッファーC:カップリングバッファーA中の3M硫酸アンモニウム。約39.6gの硫酸アンモニウム(MW132.14)を約70~80mLのカップリングバッファーAに溶解した。10M水酸化ナトリウム溶液を使用してpHを9.5に調整した。最終容量が約100mLになるように、カップリングバッファーAの量を加えた。溶液をよく混合し、約4℃で保存した。
カップリングバッファーD(50mMトリス-HCl中の5mg/mL微量銅BSA、pH8.5)。約5mLの20mg/mL(微量銅)BSA及び1mLの1Mトリス-HCl、pH8.5を14mLの水に加えた。溶液をよく混合し、約4℃で保存した。
ステップ4:ヤギ抗ヒトセルロプラスミン被覆50mgビーズの調製
約30mg/mLのM-280トシル活性化磁性ビーズ(Dynabeads(登録商標)、Invitrogen製)をよく混合した。約1670μL(約50mgに相当)のビーズを2mLのエッペンドルフチューブに移した。チューブを磁気スタンドに置き、約30秒でビーズを沈降させた。上清を除去した。ビーズは、磁気スタンドを備えた1.5mLのカップリングバッファーAで洗浄した。ビーズ懸濁液をボルテックスして完全に懸濁させた。約500μLのカップリングバッファーA及び約600μLの抗体(0.6mg 1 mg/mLヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体(Bethyl))をビーズに加えた。次に、約500μLのカップリングバッファーCを抗体-ビーズ混合物に加えた。混合物をよくボルテックスした。混合物を回転させながら37℃で一晩(約18時間)インキュベートした。チューブを磁気スタンドに置き、上清を除去した。約1mLのカップリングバッファーDを加え、溶液を約37℃で約1時間、回転させながらインキュベートした。チューブを磁気スタンドに置き、上清を除去した。磁気スタンドを使用して、ビーズを約1.5mLのブロッキングバッファーで3回洗浄した。ビーズを約1.25mLのブロッキングバッファーに再懸濁して、最終ビーズ濃度を約40mg/mLとした。
血漿試料の調製
ヒト血漿(リチウムヘパリン)試料はBioIVTから入手した。ヒト血漿試料は本質的に内因性LBCを含んでいたため、LBC含有量を決定するために予めスクリーニングされた。次に、希釈された血漿試料は、従来の方法を使用して調製された。
Figure 2022548030000004
Figure 2022548030000005
Figure 2022548030000006
CPの免疫捕捉
分析する各血漿試料を、必要に応じて略室温まで解凍し、次に穏やかによくボルテックスした。各試料約20μLを、96ウェルタンパク質低結合プレート上のウェルに入れた。上記のように調製したブロッキングバッファー中の抗ヒトセルロプラスミン抗体(BethylLaboratories)で予め被覆した約200μLのM-280トシル活性化ビーズ(Dynabeads)を各ウェルに加えた。プレートを密封し、約500rpmでおよそ1分間遠心分離した。プレートをプレートシェーカー上、約1000rpmの速度で、およそ25℃で約1.5時間インキュベートした。次に、KingFisher Flexによって各ウェルからビーズを除去した。96ウェルプレートの各ウェル上の残存溶液は、NCC(CPを含まない)上清を含んでいた。
キレート化-ろ過
各試料の約200μLのNCC上清を、清浄な無金属チューブに移し、次に、約60μLのキレートスパイク溶液(43.3mM EDTA及び433.3μM L-ヒスチジン)を各試料に加えた。試料を穏やかによく混合し、およそ37℃で約1時間インキュベートした。任意選択により、チューブを遠心分離することができた。インキュベートした各試料を、洗浄した30K MWCO遠心フィルター(再生セルロース膜)(Millipore,AmiconUltra)に移し、約14,000xgで約35分間、約25℃で遠心分離した。約200μLのろ液を新しい清浄な無金属プラスチックチューブに移し、約600μLのHO中0.1%HNOを無金属プラスチックチューブに加えた。上記の各無金属チューブに、約10μLの100ng/mLロジウム内部標準(「ロジウムISスパイク」)を加えた。次に、各チューブをおよそ3500rpmで約1分間遠心分離し、ボルテックスしてよく混合した。
希釈剤中の較正標準及び希釈QC試料の調製
以下の表5及び6に記載されている質量分析(MS)用の希釈剤(0.1%HNO)中の較正標準試料及びQC試料は、当技術分野における従来の方法を使用して調製した。
Figure 2022548030000007
Cu標準ストック溶液:
・Cu標準ストック(1000μg/mL)
・Cu標準ストック1(10μg/mL)
・Cu標準ストック2(1μg/mL)
・Cu標準ストック3(100ng/mL)
Mo標準ストック溶液
・Mo標準ストック(1001μg/mL)
・Mo標準ストック1(100μg/mL)
・Mo標準ストック2(5μg/mL)
・Mo標準ストック3(1000ng/mL)
・Mo標準ストック4(60ng/mL)
Figure 2022548030000008
較正標準試料は、約100μLの各較正標準を約1265μLの希釈剤に加え、よく混合することにより希釈した。希釈剤(0.1%HNO)中のQC試料は、希釈剤(0.1%HNO)中の各QC試料約100μLを約1265μLの希釈剤に加え、よく混合することにより、希釈した。次の各試料の約200μLを無金属プラスチックチューブに入れ、よくボルテックスした。ダブルブランク試料(200μL 0.1%HNO)、ブランク試料(200μL 0.1%HNO)、希釈剤(0.1%HNO)で希釈した較正標準の各試料、及び希釈した各QC試料。HO中の0.1%HNO約600μL(ダブルブランクの場合は610μL)を、各無金属プラスチックチューブに加えた。ダブルブランクを除く、無金属各チューブに、約10μLのロジウムISスパイクを加えた。各チューブを約3500rpmで約1分間遠心分離した。遠心分離後、各無金属チューブをボルテックスしてよく混合した。
試料分析及び結果
試料は、Auto Tuneを備えたAgilent 8900を使用して、表7及び8に要約された条件及びパラメーターで動作するICP-MS分析によって分析された。集中式MicroMistネブライザーを使用し、スプレーチャンバーの温度を約2℃に維持した。分析はHeモードで実施された。
Figure 2022548030000009
Figure 2022548030000010
LBCバイオアッセイ手順は、各タイプの試料で6回繰り返された(ただし、較正標準試料では2回のみ)。試料の測定されたLBC濃度及びMo濃度の値を以下の表9に示す。
Figure 2022548030000011
Figure 2022548030000012
Figure 2022548030000013
実施例4:NCC及びLBC生物分析アッセイの検証
ICP-MSによるリチウムヘパリンヒト血漿中の非セルロプラスミン銅(NCC)及びセルロプラスミン銅(CPC)を測定するためのNCC生物分析アッセイの検証を実施した。ICP-MSによってリチウムヘパリンヒト血漿中の不安定結合銅(LBC)を測定するためのLBC生物分析アッセイの検証も実施された。
試料の調製
銅はヒト血液の内因性成分であり、通常のヒト血漿では総濃度がおよそ800~およそ1200ng/mLの範囲であるため(非セルロプラスミン銅の場合は約20~100ng/mL)、ヒト血漿中の較正標準は、銅の内因性レベルからの有意な干渉なしには調製できなかった。したがって、水中の0.1%硝酸(「希釈剤」)を使用して、較正標準を調製した。同じ理由で、QC試料も希釈剤で調製した。ただし、免疫捕捉プロセスを含むアッセイ法の正確性及び精度を確保するために、マトリックスQC試料は、(確立された銅濃度の)血漿をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈することによって、又はLLOQ QC、低QC、中QC、及び高QC試料と同じCuレベルを有する試料を達成するために、平均内因性濃度レベルを考慮して、予めスクリーニングされたリチウムヘパリンヒト血漿に追加の銅をスパイクすることによって調製された。
銅は、酵素的補助により、生きた対象のセルロプラスミンにのみ輸送することができる。したがって、CPCの検証試料の調製は困難であろう。CPC試料については、マトリックス効果の評価のみが実施された。
生体マトリックス:ブランクリチウムヘパリンヒト血漿、100%溶血ブランクリチウムヘパリンヒト血漿、及びブランクリチウムヒト全血をBIOIVTから得た。
ブランクのヒト血漿を調製し、方法検証中に使用した。プールされた血漿は、非セルロプラスミン銅の内因性濃度レベルを決定するために予めスクリーニングされた。マトリックスQC試料を調製する際に、プールされた予めスクリーニングされた血漿中の平均内因性濃度が考慮された。
溶血評価のために、プールした非溶血血漿で50倍に希釈された100%溶血リチウムヘパリンヒト血漿から2%溶血血漿を調製した。溶血評価のために中及び高QC試料を調製する際、予めスクリーニングされた2%溶血血漿中の平均内因性濃度が考慮された。血漿(プール及び個別ロット)は-20℃±8℃で保存された。全血ロットは4℃±4℃で保存された。
較正標準の濃度:較正標準は、表10に記載されている銅濃度レベルで、希釈剤で調製した。さらに、較正標準には、希釈剤中の「ダブルブランク」(内部標準なし)試料及び希釈剤中の「ブランク」(内部標準あり)試料が含まれていた。
Figure 2022548030000014
QC試料の濃度:QC試料は、表11に記載されている銅濃度レベルで調製された。LLOQ QC、低QC、中1 QC、中2 QC、及び高QC試料は、希釈剤で調製した(総称して「希釈剤QC試料」)。マトリックスLLOQ QC、マトリックス低QC、マトリックス中QC、及びマトリックス高QC試料(総称して「マトリックスQC試料」)は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファーで希釈された血漿中で、又は平均内因性濃度レベルを考慮して、予めスクリーニングされたリチウムヘパリンヒト血漿に銅をスパイクすることによって調製された。
追加のマトリックス中QC及びマトリックス高QC試料(300ng/mL及び750ng/mL)は、溶血効果の評価のために、予めスクリーニングされた2%溶血血漿で調製された。100%溶血リチウムヘパリンヒト血漿(プールした非溶血血漿で50倍に希釈されたブランクヒト血漿)から2%溶血血漿を調製した。追加のマトリックス中QC及びマトリックス高QC試料を調製する際、予めスクリーニングされた2%溶血血漿中の平均内因性濃度が考慮された。
Figure 2022548030000015
セルロプラスミンの免疫捕捉:ヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体は、実施例3のステップ4に記載された方法を使用して、Dynabeads(登録商標)に固定化した。ただし、最後の再懸濁ステップでは、ブロッキングバッファーの代わりにBSAバッファー(PBS中0.5mg/mL BSA及び0.01%Tween(登録商標)-20)を使用した。各マトリックスQC試料は、実施例3に記載の「CPの免疫捕捉」方法に従ってCPの免疫捕捉に供された。ただし、LBCアッセイでは、約1.5時間のインキュベーション後、試料プレートをさらに約500rpmで約1分間遠心分離した後、KingFisher Flex Systemを使用してビーズを除去した。各マトリックスQC試料のNCC上清を保持し、NCCアッセイにおいて、以下に説明するようにNCC定量化に供した。
NCCアッセイでは、被覆されたビーズに固定化されたCP及びCPCが、CP定量化及びCPC定量化のために溶出された。溶出を実施するために、除去したビーズを、0.01%Tween(登録商標)-20を含む約300μLのPBS(「ブロッキングバッファー」)で2回洗浄した後、約300μLの水で洗浄した。ビーズ上のCPは、約200μLの30mM HClで約10分間溶出した。
約10μLのGAYPLSIEPIG[(1315N)Val]R内部標準スパイク(水中2μg/mL GAYPペプチド)を、代わりに約10μLの水を加えたダブルブランク試料を除く各試料に加えた。得られた試料を約500rpmで約1分間遠心分離し、低設定で約1分間ボルテックスした。約50μLの各試料を、さらなる評価のために新しいプレートの新しいウェルに移し、残りの溶液を以下に説明するようにCPC定量化のために約-70℃で保存した。CPCの計算には、約1.29の希釈係数を考慮することができた。
LBCアッセイでは、免疫捕捉ステップから保持された各NCC上清を、実施例3に記載の「キレート化-ろ過」方法に従ってキレート化及びろ過に供した。
NCC、CPC、及びLBCの定量化:NCC、CPC、及びLBCの定量化は、内部標準(又は「IS」)としてロジウムを使用するICP-MS法により実施された。定量化の準備として、較正標準及び希釈剤QC試料を、希釈剤で希釈した。約100μLの各較正標準を希釈剤に加え、よく混合して、希釈された較正標準試料を作製した(希釈はおよそ13.5の希釈係数でスケールアップ又はスケールダウンできる)。同じ手順を各希釈剤QC試料で繰り返して、希釈した希釈剤QC試料を作製した。
各試料(ダブルブランク、ブランク、希釈した較正標準、希釈した希釈剤QC試料、免疫捕捉ステップからのNCC上清試料、及び免疫捕捉ステップからの溶出CPC溶液(ただし、155μLは溶出CPC溶液に使用))は、ピペットで無金属プラスチックチューブに入れ、よくボルテックスした。
無金属プラスチックチューブのそれぞれに希釈剤を加えた。ダブルブランク試料を除いて、約10μLの100ng/mLロジウム内部標準(「ロジウムISスパイク」)を各チューブに加えた。各チューブを約3500rpmで約1分間遠心分離した。
NCC及びCPCの定量化のために、Agilent 7700x ICP-MSのオートチューン及びチューンチェックを、チューニング溶液(Agilent、28-1GSX2)を使用して実施した。LBCの定量化のために、Agilent 8900x ICP-MSのオートチューン及びチューンチェックを、チューニング溶液(Agilent、30-182GSX2)を使用して実施した。集中式MicroMistネブライザーを使用し、スプレーチャンバーの温度を約2℃に維持した。分析はHeモードで実施された。
データ評価
次の検証パラメーターを評価した:直線性、感度、試行内及び試行間の正確性及び精度、安定性、マトリックス効果(選択性)、溶血効果、バッチ容量、注入キャリーオーバー、並びにキレートの堅牢性。
評価を実施するために、1秒あたりのカウント(CPS)はMassHunter(登録商標)データ取得/処理ソフトウェア4.2によって決定された。分析物の濃度は、Watson LIMS(バージョン7.3)を使用して、濃度に対するCPSをプロットすることにより構成した較正曲線から得た。
濃度は、次の式に従い、線形回帰を使用して計算された。
y=ax+b
式中:
y=分析物/内部標準のCPS比
a=対応する標準曲線の勾配
x=分析物の濃度(ng/mL)
b=対応する標準曲線の切片
1/xが重み係数として使用される。
正確性及び精度の計算には、次の式を使用した。
正確性:
Figure 2022548030000016

精度:
Figure 2022548030000017

精度及び正確性は、小数点第1位まで報告された。全ての濃度データは有効数字3桁まで報告された。
方法の直線性は、銅の5.00~1000ng/mLの直線範囲で評価された。線形回帰(重み係数1/x)を使用して、希釈剤中の銅の濃度-検出器反応関係に最もよく適合するものを作成した。全ての較正曲線は、決定係数(R)≧0.98で予め定義された許容基準を満たしていた。
感度:検証は、希釈剤中の銅につき標的LLOQが5.00ng/mL(LLOQ QC)、ヒト血漿中の銅につき測定バックグラウンド濃度が5.00ng/mL+(マトリックスLLOQ QC)で実施された。感度を評価するために、LLOQの濃度レベルで調製された6つのQC試料(希釈剤LLOQ QC試料及びマトリックスLLOQ QC試料のそれぞれについて)を、試行内の個々の正確性及び精度の一部として分析し、濃度を較正曲線で計算した。さらに、マトリックスLLOQ QC試料の名目濃度を計算するために、マトリックスLLOQ QC試料の調製に使用した希釈マトリックスも同一バッチ試行で分析し(n=6)、平均内因性濃度を決定した。結果は、方法が希釈剤の感度について予め定義された許容基準(±20.0%以内の正確性、20.0%以下の%CV)を満たし、ヒト血漿の感度について予め定義された許容基準(±25.0%以内の正確性、25.0%以下の%CV)を満たすことを示した。したがって、方法は、希釈剤又はヒト血漿のいずれかでLLOQ濃度の分析物を測定するのに十分な感度であった。
試行内及び試行間の正確性及び精度は、異なる日の異なる試行で異なる濃度レベルのQC試料を分析することによって検証された。6つの複製試料調製物を各濃度レベルで分析した。方法の試行内及び試行間の正確性及び精度は、次のQC濃度レベルで検証された。
-希釈剤で調製された5つのQC濃度レベル:5.00ng/mL(LLOQ QC)、15.0ng/mL(低QC)、250ng/mL(中QC)、150ng/mL(中1QC)、300ng/mL(中2QC)、及び750ng/mL(高QC)。
-スクリーニングされたヒト血漿で調製された4つのQC濃度レベル:5.00ng/mL+平均測定バックグラウンド濃度(マトリックスLLOQ QC)、15.0ng/mL+平均測定バックグラウンド濃度(マトリックス低QC)、250~300ng/mL(マトリックス中QC)、及び750ng/mL(マトリックス高QC)。
結果は、方法の試行内及び試行間の正確性及び精度が、希釈剤中の予め定義された許容基準(%バイアスが±15.0%以内(LLOQの場合は±20.0%以内)且つ%CVが15.0%以下(LLOQの場合は20.0%))及びヒト血漿中の予め定義された許容基準(%バイアスが±20.0%以内(LLOQの場合は±25.0%以内)且つ%CVが20.0%以下(LLOQの場合は25.0%))を満たすことを示した。
マトリックス効果(選択性)は、生体試料中のマトリックス成分の存在による分析物のイオン化の抑制又は増強として定義される。マトリックス効果は、ブランクヒト血漿の単一の複製を抽出し、抽出後の内因性濃度レベル(同一バッチ試行中に測定)に加えて各ロットを中QC濃度レベル(250ng/mL)及び/又は高QC濃度レベル(銅につき750ng/mL)でスパイクすることによってCPC、NCC、及びLBCについて評価された。マトリックス係数は、次の式に従って計算された。
Figure 2022548030000018

測定値の平均の精度(%CV)は20.0%以下でなければならなかった。結果は、予め定義された許容基準を満たしていた。
溶血効果:定量化の結果に対する溶血効果を評価するために、マトリックス中及びマトリックス高QC試料を予めスクリーニングした2%溶血血漿で調製した。溶血血漿中のマトリックス中及びマトリックス高QC試料の3つの複製を抽出し、分析した。結果は、予め定義された許容基準:平均濃度は名目濃度の±20.0%以内、且つ%CVは20.0%以下、を満たしていた。
ベンチトップ及び短期の安定性:ベンチトップ及び短期の安定性を評価するために、複数の濃度レベルのQC試料を最初に-70℃±10℃でおよそ5~11日間保存した。次に、冷凍QC試料の各レベルの3つのアリコートをベンチトップで、周囲室温で解凍し、冷凍QC試料の各レベルの別個の3つのアリコートを、4℃±4℃の冷蔵庫で17.5~19時間解凍した。各アリコートは、較正標準に対してアッセイされた。各レベルで得られた濃度の平均が名目濃度の±20.0%以内、且つ%CVが20.0%以下である場合、非セルロプラスミン銅及び不安定結合銅は安定であると見なされた。
結果は、NCC QC試料が周囲室温及び4℃±4℃で19時間安定であることを示した。結果はさらに、LBC QC試料が周囲室温及び約4℃で17.5時間安定であることを示した。
QC凍結/解凍の安定性:4回の凍結/解凍サイクルを通じた安定性は、各濃度レベルで2つのQCレベル(予めスクリーニングされたヒト血漿で調製されたマトリックス中QC及びマトリックス高QC)で評価された。QC試料は-70℃±10℃で保存され、4回の凍結/解凍(周囲温度)サイクルに供され、濃度は較正標準に対して測定された。第1の凍結サイクルの試料は、周囲室温で60分間解凍する前に、少なくとも24時間冷凍庫に保管した。その後の凍結期間は、最初のサイクルと同じ条件下で解凍する前に、最低12時間の期間であった。各レベルで得られた濃度の平均が名目濃度の±20.0%以内、且つ%CVが20.0%以下である場合、QC試料は安定であると見なされた。サイクル4の結果は、QC試料が少なくとも4回の凍結/解凍サイクルで安定していることを示した。
全血の安定性:氷水浴(濡れた氷)中及び周囲室温で、3つの時点(0、60、及び120分)でのヒト全血(抗凝固剤としてのリチウムヘパリン)におけるNCCの安定性を内因性レベルで評価した。血液試料を氷水浴中及び周囲室温で0、60、及び120分間保存した後、約3500rpm、約4℃で、約15分間遠心分離して血漿を分離した。次に、試料(n=保管条件ごと/時点ごとに3つの別個のチューブ)を、この実施例4に記載されているNCC生物分析アッセイ法に従ってアッセイした。氷水浴中で保存され、周囲室温で最大120分間保存された全血試料の平均CPS比は、±20.0%の許容基準内であった。したがって、ヒト全血中のNCCは、氷水浴及び周囲室温で120分間安定であったと結論付けることができる。
注入キャリーオーバー試験は、各分析実行で1つの試料から次の試料への目的分析物のキャリーオーバーの程度を評価するために使用される。各検証実行中に、較正器のセットからの高標準に従って、複製ダブルブランク試料(希釈剤で調製)を注入した。結果が許容されるためには、注入されたキャリーオーバー試料の分析物CPSが、NCCにつきLLOQ(標準1試料)の平均分析物CPSの25%以下、且つLBCにつきLLOQの平均分析物CPSの20%以下でなければならない。同じキャリーオーバー試料の場合、ISのCPSは、NCCにつき平均IS CPSの10%以下、且つLBCCにつき平均IS CPSの5%以下、且つ許容されるバッチ較正標準及びQC試料からのものでなければならない。全ての評価は、予め定義された許容基準を満たしていた。
バッチサイズのロバスト性:検証試行を使用して、試料分析試行のバッチサイズを模倣した。標準曲線及びブラケットQC試料の両方を含む、合計150~199の試料がバッチで実行された。マトリックス低、中、高QC試料は、予めスクリーニングされたヒト血漿で調製され、最大バッチサイズを評価するために使用した。
マトリックス低QC試料の名目濃度(このバッチ試行中にn=6マトリックス低QC試料の注入サイクルごとに測定された)を計算するために、マトリックス低いQC試料の調製に使用した希釈マトリックスも分析し(n=6)、平均内因性濃度を決定した。
標準及びQC試料は、試料分析実行の一般的なバッチ許容基準を満たしていた(全体的な正確性は、血漿又は希釈血漿で調製されたQCの名目値の20%以内でなければならず;血漿又は希釈血漿で調製されたQCのCVは20%以下でなければならず;QC試料の少なくとも50%は、血漿又は希釈血漿で調製されたQCの各濃度レベルで名目濃度の20%以内でなければならず、全てのQC試料の1/3を超えて仕様外であってはならない)。
選択性は、Matrix Mid QCレベル濃度(250ng/mL)を、LBC内因性レベルの上に一重項を有する6つの個別ロットのヒト血漿中にスパイクすることによって評価された。スパイクされていない血漿試料6ロットは、一重項を有する同じバッチ試行で分析された。スパイクされたマトリックス中QCのLBC回収率を計算する式は次の通りである。
Figure 2022548030000019

6つの個別の血漿ロットのうち少なくとも5つは、名目濃度の100±20%以内で回復すべきであった。全ての血漿ロットは許容基準を満たしていた。
キレート堅牢度試験(Chelation Robustness Test)では、キレート化ステップ中のインキュベーション時間が長くなると、Mo-Alb-Cu三分子複合体(「TPC」)の安定性に影響を与え、その結果LBC画分に銅が放出されるかを調べた。TPCでスパイクしたマトリックス中及びマトリックス高QC試料の6つの複製を評価した。試料調製中、次のステップの前に、試験した試料をキレート溶液に2時間保持した(現在、LBC法では1時間のインキュベーション時間が使用されている)。抽出された試料は、新たに調製された較正標準に対して測定された。
マトリックス中及びマトリックス高QC試料(TPCスパイクなし)の6つの複製を同一バッチ試行で分析し、銅の回収率に対するより長いキレート化ステップ(少なくとも2時間、ただし同じ濃度のEDTAを使用)の影響を評価した。結果は、キレート化ステップの少なくとも2時間のインキュベーション時間は、TPCの安定性に影響を与えないことを示す。
方法検証から得られた結果は、適切な試行内及び試行間の正確性及び精度、感度、直線性、ベンチトップ安定性、短期安定性(4℃±4℃)、マトリックス効果、最大バッチサイズ評価、凍結/解凍安定性、キャリーオーバー評価、全血安定性、及びISでの分析物干渉を示した。直接NCC及びCPC定量化は、リチウムヘパリンヒト血漿中の非セルロプラスミン銅及びセルロプラスミン銅の測定に適していると判断された。LBCバイオアッセイ法は、リチウムヘパリンヒト血漿中の不安定結合銅の測定にも適していると判断された。
実施例5:24人の健常ボランティアからの血漿試料中の非セルロプラスミン銅(NCC)の直接測定
血漿試料は、24人の成人健常ボランティアの第1相臨床試験から得られた。試料は、実施例4に概説されているNCCバイオアッセイプロセスに従ってアッセイされた。24人の成人健常ボランティアのNCC濃度の結果を以下の表12に示す。
Figure 2022548030000020
実施例6:健常Cu血漿レベルの完全検証
罹患していない健常な個人は、前の実施例の1つ以上に従って採血及び検査を受ける。結果として得られるCuレベルは、民族、年齢、性別、併存疾患、及びその他の要因に従って評価及び細分化される。参照レベルは、各亜集団の標準偏差を使用して決定される。サブグループごとに最低120人の個人が評価される。
実施例7:ウィルソン病診断用キット
フレボトミストは、銅を含まない無菌の採血遠心分離チューブ(つまり、標準的なバキュテナー)及び静脈穿刺を提供し、個人から血液の試料を採取する。試料を遠心沈殿して血漿を分離し、無細胞プラズマを、Cu測定キットを供給している試験研究所に提供する。キットの構成要素には、標準濃度の抗セルロプラスミン抗体被覆磁気ビーズ、EDTA標準濃度溶液、及び使用説明書が含まれる。特定の有効参照範囲は、目的の特定のサブグループについて提供される。
実施例8:ウィルソン病の処置
銅代謝に関連すると思われる症状を呈している患者は、前の実施例の1つ以上に従って血液試料を採取され、分析される。
ウィルソン病の患者は、BC-TTM、トリエンチン塩酸塩、トリエンチン四塩酸塩、亜鉛(又はその塩)、及び/又はペニシラミンの少なくとも1つから選択される少なくとも1つの治療剤で処置され、処置中、経時的に(毎週、隔週、毎月など)、前述の実施例の1つ以上に従って血液検査を実施し、その投与量は、治療剤の治療レベル及び満足なCu/NCC/LBCレベルを維持するために調節される。
本開示の様々な態様は、以下の特許請求の範囲に記載される非限定的な実施形態によってさらに例示される。それぞれの場合において、複数の請求項の特徴は、明細書と矛盾せず、論理的に矛盾しない方法で組み合わせることができる。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は、例示のみを目的としており、その観点からの様々な修正又は変更は、当技術分野の当業者に提案され、本出願の精神及び範囲並びに添付の特許請求の範囲内に組み込まれるべきであることが理解される。本明細書で引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (47)

  1. 生体試料中の不安定結合銅濃度を測定する方法であって、
    前記生体試料をセルロプラスミンに結合して免疫捕捉されたセルロプラスミンを形成する免疫捕捉試薬と接触させること;
    前記免疫捕捉されたセルロプラスミンを取り出して、非セルロプラスミン試料を得ること;
    前記非セルロプラスミン試料を、不安定結合銅に結合するキレート剤と接触させること;
    非不安定結合銅を取り出して、不安定結合銅試料を得ること;及び
    前記不安定結合銅試料中の銅濃度を測定すること
    を含む、方法。
  2. 前記試料が、ヒト血漿又はヒト血清を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記免疫捕捉試薬が、免疫沈降試薬を含む、請求項2又は3に記載の方法。
  4. 前記免疫捕捉試薬が、セルロプラスミン捕捉試薬を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体、ダイアボディ、ペプチド、及びそれらの抗原結合フラグメントから選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル又はポリクローナルヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記免疫捕捉試薬が、抗セルロプラスミン固定化固体支持体を含む、請求項4に記載の方法。
  8. 前記免疫沈降試薬が、セルロプラスミンと複合体を形成した後、固体支持体上に固定化するように構成された遊離の抗セルロプラスミン試薬を含む、請求項4に記載の方法。
  9. 前記固体支持体が、磁性ビーズを含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記固体支持体が、アガロース樹脂、クロマトグラフィープレート、ストレプトアビジンプレート、及びタイタープレートの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体支持体を含む、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 前記不安定結合銅試料中の銅濃度の測定が、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の使用を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記銅濃度を測定する前に、前記不安定結合銅試料に内部標準を導入することをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記内部標準が、銅及びロジウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記免疫捕捉されたセルロプラスミンの取り出しが、免疫捕捉されたセルロプラスミン試料を得ることをさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記免疫捕捉されたセルロプラスミン試料中のセルロプラスミン濃度を測定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記セルロプラスミン濃度を測定することが、質量分析法の使用を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記質量分析が、少なくとも約5μg/mLの分析物検出限界を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記セルロプラスミン濃度を測定することが、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)の使用を含む、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記生体試料中の前記セルロプラスミン濃度が、約200μg/mL未満である、請求項15~18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記免疫捕捉されたセルロプラスミン試料中の銅濃度を測定することをさらに含む、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記免疫捕捉されたセルロプラスミン試料中の銅濃度の測定が、誘導結合プラズマ質量分析の使用を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記キレート剤が、ペニシラミン、トリエンチン塩酸塩、トリエンチン四塩酸塩、及びEDTAのうち少なくとも1つを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記キレート剤が、EDTAを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記非不安定結合銅の取り出しが、非不安定結合銅試料を得ることをさらに含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記非不安定結合銅試料中の銅濃度を測定することをさらに含む、請求項24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記非不安定結合銅試料が、モリブデンを含む、請求項24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記非不安定結合銅試料中のモリブデン濃度を測定することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
  28. 生体試料中の銅濃度を測定するためのキットであって、免疫捕捉試薬、及び使用説明書を含む、キット。
  29. 前記免疫捕捉試薬が、免疫沈降試薬を含む、請求項28に記載のキット。
  30. 前記免疫捕捉試薬が、セルロプラスミン捕捉試薬を含む、請求項28~29のいずれか一項に記載のキット。
  31. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体、ダイアボディ、ペプチド、及びそれらの抗原結合フラグメントから選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項30に記載のキット。
  32. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル又はポリクローナルヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体の少なくとも1つを含む、請求項30に記載のキット。
  33. 前記免疫捕捉試薬が、抗セルロプラスミン固定化固体支持体を含む、請求項30に記載のキット。
  34. 前記免疫沈降試薬が、セルロプラスミンと複合体を形成した後、固体支持体上に固定化するように構成された遊離の抗セルロプラスミン試薬を含む、請求項30に記載のキット。
  35. 前記固体支持体が、磁性ビーズを含む、請求項33又は34に記載のキット。
  36. 前記固体支持体が、アガロース樹脂、クロマトグラフィープレート、ストレプトアビジンプレート、及びタイタープレートの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体支持体を含む、請求項33又は34に記載のキット。
  37. 生体試料中の銅濃度を測定するためのキットであって、免疫捕捉試薬、キレート剤、及び使用説明書を含む、キット。
  38. 前記免疫捕捉試薬が、免疫沈降試薬を含む、請求項37に記載のキット。
  39. 前記免疫捕捉試薬が、セルロプラスミン捕捉試薬を含む、請求項37~38のいずれか一項に記載のキット。
  40. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二重特異性抗体、ダイアボディ、ペプチド、及びそれらの抗原結合フラグメントから選択される少なくとも1つの試薬を含む、請求項39に記載のキット。
  41. 前記セルロプラスミン捕捉試薬が、モノクローナル又はポリクローナルヤギ抗ヒトセルロプラスミン抗体の少なくとも1つを含む、請求項39に記載のキット。
  42. 前記免疫捕捉試薬が、抗セルロプラスミン固定化固体支持体を含む、請求項39に記載のキット。
  43. 前記免疫沈降試薬が、セルロプラスミンと複合体を形成した後、固体支持体上に固定化するように構成された遊離の抗セルロプラスミン試薬を含む、請求項39に記載のキット。
  44. 前記固体支持体が、磁性ビーズを含む、請求項42又は43に記載のキット。
  45. 前記固体支持体が、アガロース樹脂、クロマトグラフィープレート、ストレプトアビジンプレート、及びタイタープレートの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの固体支持体を含む、請求項42又は43に記載のキット。
  46. 前記キレート剤が、ペニシラミン、トリエンチン塩酸塩、トリエンチン四塩酸塩、及びEDTAのうち少なくとも1つを含む、請求項37~45のいずれか一項に記載のキット。
  47. 前記キレート剤が、EDTAを含む、請求項37~45のいずれか一項に記載のキット。
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