JP2022547365A - 喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢で治療及び/又は予防する方法 - Google Patents

喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢で治療及び/又は予防する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022547365A
JP2022547365A JP2021555409A JP2021555409A JP2022547365A JP 2022547365 A JP2022547365 A JP 2022547365A JP 2021555409 A JP2021555409 A JP 2021555409A JP 2021555409 A JP2021555409 A JP 2021555409A JP 2022547365 A JP2022547365 A JP 2022547365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bacterial extract
administered
bacterial
nasal
asthma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021555409A
Other languages
English (en)
Inventor
ヴェルチェッリ,ドナータ
パスカーリ,クリスチャン
ピヴニオーク,バディム
マルティネス,フェルナンド
バウアー,ジャック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OM Pharma SA
Original Assignee
OM Pharma SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from RU2019107206A external-priority patent/RU2800051C2/ru
Application filed by OM Pharma SA filed Critical OM Pharma SA
Publication of JP2022547365A publication Critical patent/JP2022547365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は、必要とする対象における喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態及び/又は呼気性喘鳴関連症状及び/又は微生物叢に関連する呼吸器疾患を治療及び/又は予防するための、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な特定の細菌抽出物の新規な投与方法及び経路並びに送達デバイスであって、治療有効量のグラム陽性又はグラム陰性細菌種から取得可能な細菌抽出物を投与することを含み、ここで、前記細菌抽出物はアルカリ溶解により取得可能である方法及び経路並びに送達デバイスに関する。【選択図】図18

Description

発明の分野
本発明は、ヒト対象において喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は呼気性喘鳴関連症状及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢(microbiota)で治療及び/又は予防するため、喘息対象における保護性微生物叢の再組織化のため並びに健常対象における保護免疫への微生物叢の組織化のための、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な特定の細菌抽出物の新規な方法及び投与経路並びに送達デバイスに関する。
発明の背景
慢性気道疾患、例えば喘息、アレルギー性喘息その他の呼気性喘鳴障害は、特に子供において、主要な健康管理上の問題の1つである。喘息は、肺及び気管支における気道の炎症性疾患であり、気道の炎症、収縮及び狭窄を一時的に生じる。喘息は、一次感染により、肺に吸引されるアレルゲン又は刺激物質により引き起こされ得る。症状としては、呼吸困難、過剰な粘液及び喀痰産生、呼気性喘鳴、咳嗽並びに胸部圧迫感が挙げられる。喘息の基礎原因は、疾患の顕著な異質性をもたらす遺伝的因子及び環境的因子の複雑な産物である。喘息の罹患率は最近の数十年間に西洋化諸国において劇的に増加した。これは、環境暴露の変化に起因する可能性が高い。
また、近年の証拠は、喘息及び呼気性喘鳴障害の発症における微生物叢の役割を支持しており、このことは、微生物叢の変化が慢性気道疾患状態、特に喘息及び呼気性喘鳴喘息に関連していることを示唆する。この仮説は、若齢期の暴露は、微生物叢の組成を撹乱し、結果として過感受性障害の形態の免疫異常調節を促進する可能性があるというものである。
健常なマイクロバイオーム(microbiome)は、広範な病原体のコロニー形成に対する抵抗性、必須栄養素の生合成及び吸収、並びに、健常な消化管上皮及び適切に制御された全身免疫を維持する免疫防御及び刺激を含む多数の利益を宿主に提供する。よって、肺気道及び腸の微生物叢は、消化管の種々の病原体感染を含む多くの疾患及び障害の病因において顕著な役割を演じる。
不均衡の状況では、微生物叢の機能が失われ、乱されて、病原体罹患の増大、代謝プロフィールの変化又は(局所的若しくは全身的炎症又は自己免疫を生じ得る)炎症促進シグナルの誘導を生じることがある。特に、微生物叢変化は、幾つかの慢性気道疾患及び症状、例えば喘息及び呼気性喘鳴に関連付けられる。したがって、患者は、広域スペクトラム抗生物質の使用により正常な腸微生物叢が撹乱されると、病原体感染に対してより罹患し易くなる。これら疾患及び障害の多くは、患者のクオリティー・オブ・ライフを顕著に低減させ、究極には致死性となり得る慢性状態である。
発明の要旨
本発明は、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な特定の細菌抽出物の投与が、不均衡な微生物叢に明らかに関連する喘息及びアレルギー誘導悪化に罹患している宿主において、気道におけるアレルギー性炎症を防止する一方、健常なマイクロバイオームを回復させるための有効で安全なアプローチを提供するという驚くべき発見に基づく。
本発明は、必要とする対象における喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴並びに関係する微生物叢関連障害を治療及び/又は予防する方法に用いるための細菌抽出物の新規な投与経路及び投薬法に関する。類似する又は種々の気道炎症誘導物質を用いる異なる実験が図において説明されている。
本発明はまた、被験対象における疾患又は異常又は不均衡なマイクロバイオームの治療又は予防をモニターする方法に関し、この方法は:(a)グラム陽性及び/又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な精製細菌抽出物の治療有効量で被験対象を処置し、(b)被験対象のマイクロバイオームのシグネチャ(特徴)を分析し;(c)被験対象の前記マイクロバイオームのシグネチャ又はパターンを、健常対象のマイクロバイオームのシグネチャ又はパターンと比較することを含む。ここで、処置前における健常対象のマイクロバイオームのシグネチャとの被験対象のマイクロバイオームのシグネチャの類似性と比較して、治療有効量の安定な精製細菌抽出物での処置後における健常対象のマイクロバイオームのシグネチャとの被験対象のマイクロバイオームのシグネチャの類似性が増加していることが処置の有効性を示す。被験対象との、遺伝子相関及び変化並びに弁別、相関及び分類学上の変化を説明することを目的とする種々の図もまた示される。
図1:BALB/c系マウスを用いる実験的喘息の古典的アレルゲン駆動マウスモデルにおけるBV細菌抽出物(BV)の効果を評価する第1の研究に用いられたプロトコルを示す。 図2:(A)は、第2の研究で得られたBAL液中の細胞量のパーセンテージで表される気管支肺胞洗浄(BAL)好酸球増多に対するBVの効果を示す。本研究は、BV用量を除き図1のプロトコルを用いて行った。好酸球増多の顕著な阻害が、1mg用量のBVの14回投与により得られた。(B)は、BVによる効力の代表例を示し、種々の用量を用いた喘息モデルにおけるBAL好酸球増多の用量依存的減少を実証する。 図3:(A)は、異なる実験での気管支肺胞洗浄(BAL)好酸球増多に対するBVの効果を、図2と同様に示す。この図では、BALの好酸球量を総細胞数として表す。(B)は、BVが喘息誘導肺炎症の主要な分子表現型を抑制することを示す:IL-5及びIL-13についてのBALタンパク質レベル(pg/mL)。 図4:図2及び3に示した機能効力相関の代表例を、読取値としての肺機能と共に示す。気道過敏性(AHR)は、BVにより、全ての試験点で有意に予防され、1mg用量で最良効力であった。AHRの有意な低減はOVAとの比較で表した。 図5:BVが喘息誘導肺炎症の主要な細胞及び分子表現型を抑制することを実証する追加の例を示す。この図には、BV処置動物においてPAS*染色により検出された粘液分泌性杯細胞の顕著な減少も併せて示す。*PAS=過ヨウ素酸シッフ染色。 図6:アルテルナリア アルテルナータ(Alternaria alternata)により駆動されるアレルギー性喘息モデルにおけるBVの保護効果を評価するために用いたプロトコルを示す。 図7:鼻内投与後の、アルテルナリアアレルギー性喘息モデルにおけるBVの保護効果の代表例を示す。BVによる効力のモニタリングは、BAL細胞量の差に基づき、好酸球の約40%阻害が実証される。この図では、実施例5に記載した実験スキーム後に得られたBAL液中の細胞パーセンテージとして表される。 図8:アルテルナリアモデルにおけるi.n.(鼻腔内)BVの効果を示す:呼吸器系抵抗(Rrs) - 最大応答(総気道抵抗を表す)。Rrs応答は、BVにより、全ての試験点で有意に抑制され、1mg用量で最良効力であった。AHRの有意な低減はアルテルナリアとの比較で表した。 図9:ヒト気管支上皮細胞(16HBE14o-細胞株)におけるストレス-及びアルテルナリア-誘導バリア機能損傷(TEER(経上皮電気抵抗)として測定)のBVによるインビトロ予防を示す。 図10:OVA誘導喘息のより短いプロトコルを示す(39日の代わりに19日、14回の処置の代わりに8回の治療、図1と比較)。 図11:図10に示した改変OVA誘導スキームにより得られる、パーセンテージ(左)及び細胞数(右)で表される、BVによるBAL好酸球増多遮断を示す。 図12:C57 BL6系マウスに用いたOVA誘導喘息の追加プロトコルを示す。このプロトコルでは、BVを、以前のとおりに14回の治療で、鼻内送達による1mg/日/マウスの用量で用いて試験する。 図13:BV細菌抽出物に誘導される、BAL中の好酸球の保護性減少及び好中球の保護性増加を示す(細胞パーセンテージで表す)。 図14:WGCNA - OVA及び/又はBVにより調節され、図1と同様に処置したマウスの肺における主要な喘息表現型と関係し、RNA-Seqにより分析された遺伝子群(モジュール)の同定。各ボックスは、各モジュールeigengene(当該モジュールの標準化遺伝子発現プロフィールの第1主要成分、すなわち、標準化モジュール遺伝子発現データの概要)と形質(パーセントBAL好酸球、AHR Z-スコア)との関係及び/又は興味対象の比較(OVA対PBS、OVA+BV対OVA)についてのピアソン相関係数(r)を示す。有意性レベルは、各ボックスにおいて括弧内にq値として示す。各モジュール内の遺伝子数は、各モジュール名の後の括弧内に示す。色強度は、関係性の強度を反映する。 図15:好酸球増多、AHR及びOVA/BV処置に高度に関連するWGCNA同定モジュールの遺伝子のコアセットに関するIPA(Ingenuity Pathway Analysis)により、当該遺伝子が、予測されたように、AHR及び好酸球細胞移動に関係する経路においてクラスター化しているだけではなく、Th2細胞の移動及び分化並びに樹状細胞の化学走性に関係する経路においてもクラスター化されうことが証明される。コア遺伝子セットの同定ストラテジを左側に示す。右側パネルは、このコア遺伝子セット(符号)のメンバー内でリッチである、選択された生物学的機能(四角)を示す。遺伝子は、差分発現分析からのOVA+BV処置マウスとOVA処置マウスとの間のlog2値(倍数変化率)が付されている。各経路についての富化(P-値)及び予測活性化値(Z-スコア)が、各四角に記載されている。符号の形及び色はモジュールのメンバーシップに対応する:青緑色:灰色菱形、茶色:灰色円、青色:中抜き円及び黄色:中抜き正方形。 図16:3実験(#100、101、113)間での非加重UniFrac β多様性のPCoAプロットであり、BV(1又は2.25mg/マウス×14処置)を単独若しくはOVAと共に、又はOVA単独若しくはPBSを鼻内処置したマウスに由来する消化管微生物叢サンプルのクラスター形成を示す。全ての処置が互い有意に異なった(q<0.05;PERMANOVA)。 図17:左側に、図16に示す全ての群及びサンプルについて、分類学上のプロフィールを門レベルで示し(コミュニティーの差を証明);右側に、図16に示す全ての群及びサンプルについて、観察されたESV及びShannon多様性指数により測定したα多様性を示す(ボックスは25~75%四分位を表し、ヒゲは95%信頼区間を表す)。 図18:(A)に、2群(BVあり(BV/OVA及びBV単独)及びBVなし(OVA単独及びPBS単独))に分けた図16及び17のサンプルの線形判別分析効果サイズ(LEfSe)を示す。図において、各群でリッチである分類群は色で示される。この分析により、q<0.05及びLDAスコア>2のカットオフを用いて、複数の分類学上レベルでの区別的特徴が明らかとなった。(B)区別的な分類群の各々の系統発生学的位置(g、属;f、科;o、目;c、綱)
発明の詳細な説明
よって、本発明は、必要とする対象又は前記障害を発症するリスクのある対象において、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状並びに微生物叢関連障害を治療及び/又は予防する方法を提供し、該方法は、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能なBV細菌抽出物の治療有効量を投与することを含んでなる。前記細菌抽出物は、経口、鼻内又は気管内経路により投与され得る。特に好適な投与経路としては、鼻内及び気管内経路が挙げられる。
喘息状態は、ステロイド抵抗性喘息、好中球性喘息又は非アレルギー性喘息であり得る。アレルギー性疾患又は障害は、好酸球性疾患又は障害、特に小結節、好酸球増多、好酸球性リウマチ、皮膚炎及び腫脹(NERDS)からなる群より選択される疾患又は障害であり得る。
本発明によるBV細菌抽出物の鼻内及び気管内投与経路は、必要とする対象において、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状並びに微生物叢関連呼吸器疾患を治療及び/又は予防し、及び/又は低減させる方法における使用に関して特に有利であることが示されている。
出願人は、本明細書の下記実施例において、種々の肺気道炎症モデル用いて、BV細菌抽出物の投与が、より低用量でアレルギー性喘息に対する効率的保護をもたらし、アレルゲン駆動気道過敏性(AHR)及び気道炎症に対する完全な保護の付与において、好酸球増多の完全な停止及び好中球増多の保護増強効果の提供において効率的であることを実証した。加えて、出願人は、経口投与と比較して、鼻内又は気管内経路による、より低用量のBV細菌抽出物が、肺BAL中の好酸球増多の完全な停止及び幾つかのTH2サイトカイン(例えば、IL13及びIL5)レベルの顕著な減少をもたらすことを示した。
特に、鼻内又は気管内投与により、より低用量のBV細菌抽出物の使用が可能となり、そのようなより低用量でさえ、消化管のマイクロバイオーム量の有意な再組織化を誘導し、マイクロバイオームの変化によるアレルギー性喘息に対する保護効果及びアレルギー性応答の実質的減少を提供することが実証された。
「BV細菌抽出物」とは、国際公開第WO2008/109669号に記載のような、モラクセラ カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ヘモフィルス インフルエンザ(インフルエンザ菌;Haemophilus influenzae)、クレブシエラ ニューモニエ(肺炎桿菌;Klebsiella pneumoniae)、スタフィロコッカス アウレウス(黄色ブドウ球菌;Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス ニューモニエ(肺炎球菌;Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス ピオゲネス(化膿性レンサ球菌;Streptococcus pyogenes)及び/又はストレプトコッカス サングイニス(口腔内連鎖球菌;Streptococcus sanguinis)の中から選択される1又は2以上の病原体のアルカリ溶解により取得可能な細菌抽出物をいう。アルカリ溶解、好ましくは10より大きいpHでのアルカリ溶解により製造されるBV細菌抽出物の製造プロセスもまた、国際公開第WO2008/109669号に記載されている。好ましくは、前記BV細菌抽出物は、上記病原体の全ての組合せ(例えば、呼吸器疾患を治療するための商標Broncho-Vaxom(登録商標)で上市されているもの)を含んでなり得る。
代表的には、BV細菌抽出物は、発酵に続く、熱不活化及びアルカリ溶解及び濾過により製造される。発酵、アルカリ溶解及び濾過は当該分野において周知であり、とりわけ国際公開WO2008/109669に記載されている。
発酵は、一般に、各細菌系統を適切な光学密度まで培養培地中で増殖させることにより行われる。各系統について、十分な量の材料を得るために、発酵培養は、ワーキングシードロットから始め、その後により大きな発酵容器に接種してもよい。例えば、発酵は、小培養物(例えば0.1~1.0リットル)から始め、3.0~5.0の700nm光学密度(OD)が得られるまで、約3~6時間30~40℃(例えば37℃)にてインキュベートしてもよい。小規模培養工程後、1つ又は一連のより大きな発酵容器中での追加の培養を、30℃~40℃にて、3時間~20時間(例えば3~10時間又は8時間)行ってもよい。
培養培地は、好ましくは、プリオン関連疾患(すなわち、狂牛病、スクレイピー及びクロイツフェルト-ヤコブ病)又は他の疾患のリスクをもたらさず、したがって動物ベースの材料(例えば、動物(例えばウシ若しくは羊又はプリオンベースの疾患を伝染することがあるその他の動物)から採取した血清又は肉エキス)を含まない培地である。例えば、非動物培地(例えば、植物ベース培地、例えばダイズベース培地、又は人工若しくは半人工培地)を使用し得る。或いは、ウマ血清を用いる培地又はプリオン病を伝染させない動物種から採取した材料を含む培地を用い得る。培養培地はまた、上記疾患のリスクをもたらさない生物学的抽出物、例えば酵母エキス及びウマ血清を含み得る。補充の増殖因子を導入して、一部の細菌種の増殖を増強してもよい。
発酵後、各細菌系統又は組合せの細菌系統からのバイオマスは、一般に、熱処理により不活化され、濃縮されて凍結される。
アルカリ溶解は、細菌細胞を塩基性条件下で溶解させるために用いられ、一般に、有機又は無機塩基を用いて行われる。アルカリ溶解は、単一の細菌バイオマス又は細菌バイオマス若しくは発酵バッチの混合物に対して、塩基性条件下で、代表的には水酸化物イオン(例えばNaOH由来のイオン)の濃縮溶液を用いて行われ得る。アルカリ溶解は、好ましくは約10(±0.1の変動を有し得る)より大きいpHにて行われ得る。溶解時間は、当業者が決定し得、当初の細菌バイオマス量に依存する。溶解は、30~60℃、例えば30~40℃又は35~40℃の範囲の温度、例えば37℃にて行い得る。一般に、溶解は、当業者に周知であるように、目視観察で、細菌細胞が全て破壊されたように見えると、停止される。同じ細菌属の2系統以上を用いるとき、それら系統は一緒に溶解しても別々に溶解してもよい。よって、これら系統は、溶解前に混合しても、溶解後に混合してもよい。
溶解物は、次いで、遠心分離及び/又は濾過によって大きな細胞残渣又は不十分に分解された不溶性又は微粒子材料である任意の成分を除去して可溶性細菌抽出物を得るように精製される。抽出物から微粒子物質を除去するための遠心分離及び濾過を含む精製は当該分野において周知である。例えば、溶解物は9000gにて遠心分離され、続いて1回又は2回以上濾過される。代表的には、濾過は、抽出物又は抽出物の混合物を、1又は2以上のフィルター、例えばマイクロフィルターを通過させること(すなわち、精密濾過に供すること)又は限外フィルターを通過させること(すなわち、限外濾過に供すること)を含み得、これは数回又は数サイクル繰り返されてもよい。例えば、より大きな孔のフィルターでの連続数回の濾過に続く、より小さな孔のフィルター(例えば0.2ミクロンフィルター)を用いる精密濾過を行ってもよい。限外濾過はまた、抽出物からの可溶性材料の抽出を助けるために用いられてもよく、例えば、限外濾過透過物を更なる精密濾過に再循環させてもよい。接線流濾過(TFF)法を、抽出物を濾過し、より大きな細胞残渣から可溶性分子を抽出するために用いてもよい。このことは当該分野において周知であり、とりわけWayne P. Olson(Separations Technology, Pharmaceutical and Biotechnology Applications, Interpharm Press, Inc., Buffalo Grove, IL, U.S.A., pp. 126-135)に記載される。
今日まで、BV細菌抽出物は、大人及び子供における気道感染の予防のために、患者に経口投与されてきた。幾つかの臨床試験により、BV細菌抽出物の腸投与(経口投与)が子供において急性気道疾患によって惹起されるアレルギー性喘息及び呼気性喘鳴を予防できることが実証されている。前記BV細菌抽出物は、商標Broncho-Vaxom(登録商標)で市販されている。BV細菌抽出物薬は固体形態であり、一般に、患者に経口投与され、大人の治療には7mgの凍結乾燥細菌抽出物を1日1カプセル、子供については3.5mgの凍結乾燥細菌抽出物を1日1カプセルという投与レジメンであるカプセルである。
好適な実施形態によれば、本発明は、必要とする対象において、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連障害を治療及び/又は予防する方法であって、治療有効量のBV細菌抽出物を鼻内又は気管内経路により投与することを含んでなる方法に関する。本発明はまた、必要とする対象において、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連障害を治療及び/又は予防する方法に使用するためのBV細菌抽出物であって、鼻内又は気管内経路により前記対象に投与されるBV細菌抽出物に関する。
BV細菌抽出物の鼻内又は気管内投与は、ヒト対象における喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態及び/又は呼気性喘鳴関連症状及び/又は微生物叢関連障害の治療及び/又は予防、喘息対象における保護性微生物叢の再組織化並びに健常対象における保護免疫への微生物叢の組織化に特に有用である。
用語「微生物叢」とは、片利共生的、共生的及び/又は病原性マイクローブ(microbe)のコミュニティー(群集)をいう。マイクローブ又は微生物は、現実には、生態圏のあらゆる部分に生存し、鼻腔、口腔、膣、皮膚、胃腸管及び尿生殖路内の粘膜を含むヒトの身体内又は身体上のあらゆる場所に見い出される。用語「マイクロバイオーム」とは、宿主の特定の身体領域(「生息場所」)内のマイクローブの全マイクローブ集団(コレクション)及び遺伝情報をいう。各タイプのマイクローブは、当該マイクローブが生存のために侵入してきた状況に照らして異なる効果を生じ得る。(例えば哺乳動物で生存し得る)微生物叢の組成は、免疫機能、栄養プロセシング及び他の生理学的観点に影響し得る。微生物叢の組成は、経時的に変化し得、年齢、食餌、抗生物質への暴露及びその他の環境的影響により影響を受けることがある。異なる微生物種がほぼ同じ効果を生じるとき、微生物叢は幾らかの機能的冗長性を有するといえる。類似する効果を生じる微生物種の追加又は喪失は、該微生物叢が哺乳動物の生理学系に対して有する全体効果にほとんど影響を及ぼす可能性はない。しかし、或る微生物種の追加又は喪失は、少数でしか存在しなくとも、哺乳動物の生理に対して顕著な効果を生じ得る。
用語「マイクロバイオームの不均衡」又は「細菌叢構成異常(dysbiosis)」とは、或る系が有益なマイクローブ及び有害なマイクローブの不均衡を有する状態をいう。細菌叢構成異常は、微生物叢に、有益な微生物種が多様性に乏しいか、及び/又は有益なマイクローブの機能的冗長性が存在しないときに生じることがある。当該系に対して有益効果であると考えられるものを生じる微生物種が、当該系に対して有害効果と考えられるものを生じる微生物種と少なくとも等しくないとき、マイクローブの不均衡が生じているといえる。代表的には、細菌叢構成異常の場合、マイクロバイオームシグネチャは、変化したマイクロバイオームの再組織化及びラクトバチルス(lactobacillus)分類群の増加を示す。
本発明はまた、喘息対象における保護性微生物叢の再組織化並びに健常対象における保護免疫に向けたその組織化に限定される、ヒト対象における前記疾患及び微生物叢関連障害の治療及び予防方法に関する。
過去数年間、国立公衆衛生研究所(NIH)によるヒトマイクロバイオームプロジェクト(HMP)と呼ばれ、ヒトマイクロバイオームコンソーシアム(IHMC)としてより広く知られる国際的な多大な努力は、人体に生息するマイクローブを特徴づけることを目的とする(http://hmpdacc.org/data_browser.phpを参照)。大腸では、推定100兆の微生物が生息し、上部胃腸(GI)管で吸収されない食物、薬物及び栄養補助食品の代謝において必須の役割を演じているようである。加えて、その一部の微生物は、健康維持に必要な必須栄養素及びビタミンを産生する。腸環境におけるこの微生物相互作用は、ヒト宿主の代謝、行動及び免疫の調節系のシグナル伝達において重要な役割を果たす。
マイクロバイオームは、生態学的実体を形成し、自身及び特定の宿主と相互作用する、片利共生、共生及び病原性の細菌、真菌及びウイルスを包含する。長い間、微生物叢のコロニー形成は、皮膚及び胃腸管のような身体表面に限られていると考えられてきた。しかし、近年、微生物は、乳腺、卵巣、子宮、胎盤及び肺を含む全てのヒト組織の近傍に生息することが明らかになった。よって、ヒト身体は、何兆もの住民によりコロニー化されている。それらは、多様で個々に異なり、加えて年齢と共に変化する生態学的コミュニティーを構成する。
種々のマイクロバイオームが、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態及び呼気性喘鳴関連症状のように多様な幾つかの病的状態の病因論(etiopathogenesis)に直接関係づけられてきた。
したがって、上記実施形態に記載のBV細菌抽出物は、天然のマイクロバイオームの復元に有益であり、喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連障害の治療及び/又は予防に特に有用である。
提供されるBV細菌抽出物の治療有効量は、対象のマイクロバイオームのシグネチャ又はパターンが、健常対象のマイクロバイオームのシグネチャ又はパターンにより類似するようになり、そのことによって、マイクロバイオーム不均衡に関連する病的状態を治療及び/又は予防するような量である。より健常な系であるとみなされるものは、有害なマイクローブを制限する一方で、有益なマイクローブの発達を促進することにより確立又は再確立され得る。この場合、ユービオシス状態が促進され、そこでは系内の有益マイクローブが優性効果を有する。なぜならば、当該系には、有益微生物種の高度な多様性及び/又は機能的冗長性が存在するからである。
BV細菌抽出物は、経口投与に適切な任意の形態、例えば固体又は液体形態で存在してもよく、丸剤、錠剤、フィルム錠、コーティング錠、カプセル、シロップ、粉剤及び/又はデポジット(deposit)として製剤化されてもよい。
好適な実施形態によれば、BV細菌抽出物は、鼻内及び気管内投与に適切である、液体、気体又は固体形態のいずれかである任意の形態で存在してもよい。BV細菌抽出物は、液体又はエアロゾル形態で存在する場合、スプレー、液滴、コロイド状、ミスト、雲霧状(nebula)又は微細化煙(atomized vapor)に製剤化されてもよい。或いは、BV細菌抽出物は、固体形態で存在してもよく、粉剤又は粉砕可能錠剤に製剤化されてもよい。
BV細菌抽出物調製物は、鼻内経路により投与される場合、好ましくは、エマルジョン、懸濁物、コロイド状形態、ミスト、雲霧状、微細化煙又はスプレー、液滴、コロイド状、ミスト、雲霧状、微細化煙、鼻タンポン、鼻エマルジョン、粉剤、軟膏(ointment)、クリーム、ローション、ゲル、ペースト、膏薬(salve)、液剤、チンキ剤、パッチ、生体接着性ストリップから選択される形態である。
BV細菌抽出物調製物が気管内経路により投与される場合、送達には、固体又は液体のエアロゾル化及び該エアロゾルの肺への口及び喉を介する送達が必要である。BV細菌抽出物の粒子は、乾燥粉体エアロゾル又は液体エアロゾルとして肺に投与されてもよい。乾燥粉体エアロゾルは、一般に、乾燥紛体吸入器(DPI)吸入デバイスで肺に投与される。乾燥紛体吸入器には、呼吸作動式乾燥紛体吸入器、例えば米国特許第7,434,579号に記載のものが含まれ得る。定量吸入器は、コンパクト加圧式エアロゾルディスペンサーにおいて噴射剤、噴射剤の混合物又は溶剤、噴射剤及び/若しくは又はその他の賦形剤の混合物中に懸濁された医薬を含有する。MDI製品は、数百の定量されたBV細菌抽出物を射出し得る。1回の作動には、或る量、代表的には25~140マイクロリットルの体積で送達される数マイクログラム(mcg)~ミリグラム(mg)の活性成分が含有され得る。
別のタイプの液体エアロゾル分散デバイスはネブライザーであり、これは、BV細菌抽出物の粒子を含む懸濁物をエアロゾル化するためにジェット、振動メッシュその他の手段を利用する。
液体、半固体、固体及びスプレー医薬の製造時には、BV細菌抽出物は、所望であれば、任意の添加物、例えばビヒクル、結合剤、香料、芳香剤、甘味料、着色剤、防腐剤、抗酸化剤、安定化剤及び界面活性剤と合わせて製剤化されてもよい。
上記医薬製剤を製造するため、BV細菌抽出物は、医薬的に許容され得るキャリア、アジュバント及び/又は賦形剤と、従来の医薬配合技法に従って混合され得る。本組成物に使用することができる医薬的に許容され得るキャリアは、任意の標準的な薬学的キャリア、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水溶液、水及びエマルジョン、例えば油/水又は水/油エマルジョン及び種々のタイプの湿潤剤を包含する。本組成物は、固体薬学的賦形剤、例えば、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどを追加的に含有することができる。液体及び半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール及び種々の油(石油、動物油、植物油又は合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む)から選択され得る。液体キャリア、特に、注射液用の液体キャリアは、水、生理食塩水、デキストロース水溶液及びグリコールを包含する。キャリア、安定化剤及びアジュバントの例については、Remington's Pharmaceutical Sciences(E. W. Martin編、Mack Publishing Company,第18版,1990)を参照。本細菌抽出物調製物はまた、安定化剤及び防腐剤を含んでいてもよい。
特定の実施形態において、例えば吸収を増強するために、鼻腔における滞留時間を延長することが望ましくあり得る。よって、BV細菌抽出物は、所望により、生体接着性ポリマー、ガム、例えばキサンタンガム、キトサン(例えば、高純度カチオン性多糖)、ペクチン又は鼻粘膜に適用したときゲルのように増粘し又は乳化する任意の炭化水素、ミクロスフェア、例えばデンプン、アルブミン、デキストラン、シクロデキストリン又はそれらの誘導体、ゼラチン、リポソーム、カーボマー(carbamer)、ポリビニルアルコール、アルギネート、アカシア、キトサン及び/又はセルロース(例えば、メチル又はプロピル;ヒドロキシ又はカルボキシ;カルボキシメチル又はヒドロキシプロピル)と共に製剤化され得る。
或いは、BV細菌抽出物調製物は粉砕可能な錠剤として製剤化してもよい。この錠剤は例えば指圧で全体的に又は軽く砕き、適切なビヒクルに振りかけて投与することができる。粉砕可能錠剤は、直接圧縮プロセス及び賦形剤を用いて、プロセス中における個々のサブユニットのコーティングの損傷を回避するように注意して製造することができる。粉砕可能な錠剤を製造するために適切な賦形剤としては、代表的にはチュアブル錠に使用されるもの(単糖及び二糖、糖ポリオールなど又はそれらの組合せを含む)が挙げられる。例示的な賦形剤としては、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクトース、スクロース、マルトース又はそれらの組合せが挙げられる。任意選択の薬学的賦形剤、例えば希釈剤、滑沢剤、流動促進剤、風味剤、着色剤など又は前記剤の少なくとも1つを含む組合せもまた、圧縮基剤に含ませ得る。粉砕可能錠剤は、薬学分野において公知の錠剤製造方法を用いて製造することができる。
BV細菌抽出物製剤は更に、例えば金属ハロゲン化物、最も好ましくはハロゲン化銀を含むコロイド形態中に存在してもよい。BV細菌抽出物及びアジュバントがコロイド粒子内に組み込まれてもよいし、コロイド粒子内にカプセル化されていてもよい。或いは又は加えて、1又は2以上の細菌抽出物及びアジュバントがコロイド粒子の表面に付着されてもよい。例えば、タンパク質は、疎水性粒子に、該粒子表面との疎水性相互作用により容易に吸着又は付着し、中性乳化剤の一部と置き換わる。
BV細菌抽出物の適切な投薬量は、対象の状態、年齢及び種に応じて変化し、当業者により容易に決定することができる。しかし、本発明によれば、一日の総投薬量は、0.005~2mg、好ましくは0.05~1mg、最も好ましくは0.5~1mgの範囲内であり得、単一の又は分割された用量として投与されてもよく、加えて、効果があると判明したときには、上限が2mgを超えてもよい。
BV細菌抽出物は、経鼻吹込デバイス、鼻内吸入器、鼻内スプレーデバイス、アトマイザー、鼻スプレーボトル、単位用量容器、ポンプ、点滴器、スクイーズボトル、ネブライザー、定量吸入器(MDI)、加圧式定量吸入器、吹込器、二方向デバイス、ドーズアンプル、鼻パッド、鼻スポンジ及び鼻カプセルにより鼻内投与し得る。必要とする対象における喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連障害の治療及び/又は予防方法における使用のための送達デバイスもまた提供される。
この送達デバイスは、経鼻吹込デバイス、鼻内吸入器、鼻内スプレーデバイス、アトマイザー、鼻スプレーボトル、単位用量容器、ポンプ、点滴器、スクイーズボトル、ネブライザー、定量吸入器(MDI)、加圧式定量吸入器、吹込器、二方向デバイス、ドーズアンプル、鼻パッド、鼻スポンジ、鼻カプセルなどを含む群より選択することができる。
鼻スプレーは、エアロゾルとして又は非エアロゾル形態での投与のための液体、固体鼻スプレーであり得る。鼻送達デバイスは、正確な有効投薬量のBV細菌抽出物を鼻腔に投与するために計量することができる。鼻送達デバイスは、単一単位送達用又は複数単位送達用であり得る。治療有効量の本発明のBV細菌は、チューブ、カテーテル、シリンジ、パックテイル(packtail)、プレジェット、鼻タンポン又は粘膜下注入(米国特許公開US 2009/0326275、2009/0291894、2009/0281522及び2009/0317377に記載のような)により送達し得る。
鼻内又は気管内投与をエアロゾル、エアロゾルを用いて行う場合、スプレーは、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、炭化水素、圧縮エア、窒素、二酸化炭素その他の適切なガスを用いて、例えば加圧式容器から発生させ得る。投薬単位は、計量した量を送達するようにバルブを設けることにより決定することができる。ポンプスプレーディスペンサーは、計量した用量又は特定の粒子又は液滴サイズを有する用量を分配することができる。本明細書で用いる場合、用語「エアロゾル」は、エア(又はガス)中の液滴又は固体粉の懸濁物又は分散物をいうことができる。液滴は、液体、例えば水又は非水溶剤中の薬剤の溶液、懸濁物及び分散物から形成させ得る。エアロゾルは、鼻を通じて吹き込ませてもよく、吸入してもよい。エアロゾルは、任意の適切なデバイス、例えばMDI、ネブライザー、噴霧器内で作製され得る。
代表的には、エアロゾルは、適切な機械的装置を用いて吹き込ませ得る。幾つかの実施形態において、装置は、レザバー及びスプレー器(スプレー形態の医薬用量を噴出させるデバイスである)を備え得る。投与すべき数用量のBV細菌抽出物が、レザバー内に、任意に液体溶液若しくは懸濁物中又は固体微粒子製剤、例えば固体微粒子混合物中で含有され得る。
或いは、ネブライザーデバイスが用いられ得る。これらデバイスは、液体形態の投与すべきBV細菌抽出物を、ミスト、例えばマイクロ粒子(ここで、90%以上の粒子は約10未満の直径を有する)としてスプレーすることを可能にする高速エア流を生成する。
本発明によるBV細菌抽出物の鼻内又は気管内投与のための別の送達デバイスは、DPIデバイスであり得、このデバイスは、代表的には、患者吸気流中に分散可能である自由流動性粉体形態の治療有効量を投与する。外部エネルギー源を用いるDPIデバイスもまた、本発明に使用し得る。自由流動粉体を達成するため、BV細菌抽出物は、適切な賦形剤、例えばラクトースと共に製剤化してもよい。乾燥紛体製剤は、例えば、約1μm~約100μmの粒子サイズを有する乾燥ラクトースとBV細菌抽出物のマイクロ粒子とを組み合わせて乾燥ブレンドすることにより製造することができる。或いは、BV細菌抽出物は賦形剤なしで製剤化してもよい。この製剤は、乾燥紛体送達デバイスと共に用いる吸入カートリッジ若しくはカプセル又は乾燥紛体ディスペンサーに搭載する。市販されているDPIデバイスの例としては、Diskhaler(GlaxoSmithKline, Research Triangle Park, N.C.)(米国特許第5,035,237号);Diskus(米国特許第6,378,519号;Turbuhaler(米国特許第4,524,769号);及びRotahaler(米国特許第4,353,365号)が挙げられる。適切なDPIデバイス更なる例は、米国特許第5,415,162号;同第5,239,993号;及び同第5,715,810号に更に記載される。
MDIデバイスは、代表的には、圧縮噴射剤ガスを用いて、治療有効量のBV細菌抽出物を発射する。MDI投与用製剤としては、液化噴射剤中の活性成分の溶液又は懸濁物が挙げられる。この製剤は、エアロゾル缶(MDIデバイスの一部を形成する)中に搭載される。噴射剤の例としては、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134a)及び1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロ-n-プロパン(HFA 227)、並びにクロロフルオロカーボン、例えばCC13Fが挙げられる。MDI投与用HFA製剤の追加成分としては、共溶剤、例えばエタノール、ペンタン、水;並びに界面活性剤、例えばソルビタントリオレエート、オレイン酸、レシチン及びグリセリンが挙げられる。MDIデバイスは、とりわけ、米国特許第5,225,183号及び国際公開WO92/22286に記載されている。
BV細菌抽出物は、粉体の形態である場合、経鼻吹込器を用いて、本発明に従い鼻内又は気管内経路により投与し得る。代表的には、BV細菌抽出物は、固体表面、例えばキャリアに吸着されていてもよく、よって鼻腔に、粉体、例えばミクロスフェア形態の粉体として送達されてもよい。この粉体又はミクロスフェアは、吹込器の容器に貯蔵されていてもよく、その後、エア不要の乾燥形態(dry, air-dispensable form)で投与され得る。或いは、この粉体又はミクロスフェアは、鼻投与に適合したカプセル(例えばゼラチンカプセル)その他の単回投与単位に充填され得る。
本発明のBV細菌抽出物は、鼻スプレーアプリケータにより送達する場合、鼻内スプレー投薬デバイス又はアトマイザー内に配置され得、鼻孔の粘膜に送達するために、対象の鼻孔内にスプレーすることにより適用し得る。鼻内スプレーについては、約200マイクロリットルまで、約50~約150マイクロリットル又は約75~約120マイクロリットルが適用され得る。1又は2以上の鼻孔に投与され得、適用は所望の頻度又は必要な頻度で行い得る。1回目の用量(マイクロリットル)は鼻孔に投与され得る。適切な期間後(この期間内に液体が吸収される)、続けて、2回目の用量が同じ鼻孔又は他方の鼻孔に投与されてもよい。別の定量スプレーは、完全な目標治療用量が患者に投与されるまで、鼻孔に交互に適用され得る。同じ鼻孔へのベンゾジアゼピン薬の適用の間隔は、数秒間~5分間、好ましくは約10秒間~約1分間の時間増分が存在してもよい。このことにより、薬剤が鼻粘膜を横切り、血流へ進入する時間が確保される。各鼻孔への定量スプレーの複数回の適用(任意に、或る時間間隔によって分離される)は、血流への組成物の完全な吸収を可能にし、喉の奥に落ちる薬剤の損失を回避するに十分に短い時間増分での完全な治療用量の投与を可能にする。
BV細菌抽出物は、アジュバント、医薬的に許容され得る溶剤及び透過増強剤を更に含んでもよい。例えば、鼻内送達のために、透過増強剤は、鼻粘膜を経る組成物の透過を増強することができる。幾つかの実施形態において、1又は2以上のヒドロキシ基を含有する化合物を透過増強剤として用いてもよい。これらヒドロキシ基含有化合物の幾つかは、組成物中の溶剤として働くことができる。透過増強剤として働き得るヒドロキシ基含有化合物の非限定例としては、アルコール(例えばエタノール)、ジオール(例えばプロピレングリコール、1,2-プロパンジオールとしても知られる;1,3-プロパンジオール;1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール及び1,4-ブタンジオールを含むブチレングリコール;ヘキシレングリコール;ジプロピレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,8-オクタンジオール、エトヘキサジオール、p-メタン-3,8ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、トリオール(例えばグリセリン)、ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール又はPEG、ポリプロピレングリコール、ポリソルベート及びソルビタンエステルを含む、複数のヒドロキシ基を含有する適切なポリマー;及び適切な糖アルコール)、シクリトール(例えばピニトール、イノシトール)、環状ジオール(例えばシクロヘキサンジオール)、芳香族ジオール(例えばヒドロキノン、ビスフェノールA、レゾルシノール及びカテコール)が挙げられる。
当業者は、本教示が他の透過増強剤にも適用可能であることを認識する。これらとしては、単純な脂肪族不飽和又は飽和エステルを挙げてもよい。このようなエステルの非限定例としては、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、オクチルパルミテートなどが挙げられる。非限定例の他の透過増強剤としては、アルコール(例えば短鎖及び長鎖アルコール)、ポリアルコール、アミン及びアミド、尿素、アミノ酸及びそれらのエステル、アミド、アゾン(azone)又はピロリドン及びその誘導体、テルペン、脂肪酸及びそれらのエステル、大員環化合物、スルホキシド、界面活性剤(tenside)、ベンジルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、シネオール、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルアミン、ヘキサデシルトリメチルアンモニオプロパンスルホネート、リモネン、リノール酸(OA)、リノレン酸(LA)、メタノール、メチルラウレート、メチルピロリドン、N-デシル-2-ピロリドン、NLS、ニコチンスルフェート、ノニル-l,3-ジオキソラン、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、オレイルベタイン、PP、ポリエチレングリコール ドデシルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween 20又はポリソルベート20)、SLA、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム(SOS)、ソルビタンモノラウレート(S20)、テトラカイン及びTriton X-100が挙げられる。
本発明に用い得る医薬的に許容され得る溶剤の例は、参考文献、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients(第5版,Pharmaceutical Press,London and American Pharmacists Association,Washington,2006)に見い出し得る。本発明の組成物に用い得る医薬的に許容され得る溶剤の非限定例としては、プロピレングリコール、例えば1,2-ジヒドロキシプロパン、2-ヒドロキシプロパノール、メチルエチレングリコール、メチルグリコール又はプロパン-1,2-ジオール)、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)、グリコール、クレモフォールEL又は任意の形態のポリエトキシ化キャスターオイル、ジプロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、炭酸プロピレン、N-メチルピロリドン、グリコフロール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は更に、上記のBV細菌抽出物又は該BV細菌抽出物を含ませるための送達デバイス及び使用マニュアル/指示書が組み込まれた添付文書を含むキットを提供する。
第1シリーズの実験:喘息保護
実施例1
OVA誘導喘息モデルに対する種々の投薬量のBV細菌抽出物の効果
4匹のマウス/群にて、6用量のBV細菌抽出物(以下「BV」とも呼ぶ)を、麻酔下に鼻内経路を用いる2つの別実験(研究1及び2)で試験した:
- 研究1:5-50-1000マイクログラム/処置×14処置
- 研究2:1-10-100-1000-2250マイクログラム/処置のBV×14処置。
投与計画は、アーミッシュ住居のハウスダスト(Amish dust)を種々のコースで用いるオボアルブミン誘導(OVA)喘息モデル(Steinら,N Engl J Med 2016;375:411-421)のセットアップの間に行った先の研究から選択した。BVの用量は、ウイルス感染モデルを用いる先の最適化研究に由来し、本実験スキームにおいて1及び2.2mg/用量まで拡張された。
この目的のため、第1相の計画された用量-応答実験において、OVA免疫化マウスを、1日目~32日目まで2~3日ごとに(計14回)漸増用量のBV細菌抽出物(1、5、10、50、100又は1000マイクログラム/マウス/処置)で鼻内/吸入(i.n.)経路により処置した。探究的可能性で1mg/マウス用量を提案した。
第2相では、同じプロトコルを、最適効果を示したBV濃度(1000マイクログラム/マウス/処置)を更に試験するために適合させ、より高用量(2250マイクログラム/マウス/処置)を加えて、最大保護のプラトーに到達するかを評価した。
OVA誘導喘息動物モデル
7~8週齢雄性BALB/cマウスをEnvigo(米国)から購入し、BIO5 Instituteの動物施設で特定病原体フリー条件下に維持した。動物には標準的な低アレルゲン食餌を与えた。
図1のスキーム例において、BV細菌抽出物濃縮物は0.9%生理食塩水に希釈された。OVAモデルをStein Mらの文献から適合させた。簡潔には、0日目及び14日目にオボアルブミン(OVA:グレードV,Sigma,20マイクログラム)-ミョウバン(Pierce)で腹腔内(i.p.)感作させた7~8週齢BALB/cマウス(Envigo)の2つの鼻孔に均等に、イソフルラン軽麻酔下にて、BV細菌抽出物(生理食塩水25μl(マイクロリットル)中1、5、10、50、100、1000マイクログラム/マウス/処置)を0日目~32日目まで2~3日ごとに(計14回)鼻内(i.n.)投与し、該マウスを28日目及び38日目にOVA(50マイクログラム)でi.n.チャレンジした。1群のマウスには、処置、感作及びチャレンジの時点で生理食塩水を投与した。実験3のマウス群には偽処置を施した。
39日目の最終評価には、非網羅的読取値:1)AHRの侵襲的測定値;2)気管支肺胞洗浄(BAL)液中の細胞充実度及び差(cellularity with differentials);3)肺サイトカインRNA及びタンパク質のレベル;4)選択した肺細胞集団の分析;5)血清OVA特異的IgEの測定値の使用を含ませた。
最初の探索実験(研究1及び研究2)では、漸増濃度の霧化メタコリン(0~40及び0~60mg/ml)への応答としての気道抵抗を、ケタミン及びキシラジン(それぞれ100及び10mg/kgy)で麻酔し、臭化パンクロニウム(4μg/g)で麻痺させた動物で評価した。剥離した気管に20ゲージカニューレ(BD)を挿入し、縫合によりその場に固定した。次いで、マウスを小型ベンチレータ(FlexiVent FX, SCIREQ, Inc.)に接続して、一回換気量10mL/kg、吸気/呼気比66.67%、換気回数150/分及び最大圧30cmH2Oで人工的に換気した。最適なBV細菌抽出物濃度(1,000マイクログラム/マウス/処置)を用いる最終実験(研究3)では、静脈内投与した漸増用量のアセチルコリン(0~1マイクログラム/マウス)への応答としての気道抵抗を測定した。PBS(2mL)中1%冷BSAを気管カニューレを通じて気道に送達して穏やかに吸引することによりBAL液を得た。Countess II FL自動化細胞カウンタ(Thermo Fisher Scientific)を用いて細胞を計数した。差は、Hema 3(Fischer)染色後に少なくとも400細胞/スライドを検査して、マウスID/群分けを知らないオペレータが決定した。BAL液のサイトカイン(IL-5、IL-13、IL-17)はELISA(R&D)により測定した。
統計分析:全てのパラメータの統計学的差は、Studentのt検定(対応のない両側検定)を用いて評価した。p値<0.05を統計学的有意差とした。
実施例2
OVA喘息モデルにおけるBV細菌抽出物の鼻内投与の効果の例
実施例1に記載した実験スキーム後のBAL好酸球増多(パーセンテージで示す)に基づく効力のモニタリング。肺気道過敏性(AHR)からの保護に関連する好酸球増多の低減におけるBV細菌抽出物の効力を評価するため、種々の用量のBVを用いて2つの別実験を行った。好酸球増多の低減(Y軸)における最良効力は、用量1mgのBVで有意な阻害を伴って達成された。用いた用量とは無関係にプラシーボ群で好酸球増多効果が全く存在しなかったことは、非疾患動物におけるBVの安全な使用をも確証するものである。BVの鼻内/吸入送達は、喘息誘導肺炎症の主要な細胞表現型を抑制する。
実施例3
実施例2と同一であるが、BALの好酸球増多量を細胞(図3A)及び分子含量として(図3B)表した異なる実験に由来するデータセット。実施例2と同様に、BV細菌抽出物はBAL好酸球増多の阻害を誘導し、1mg用量にて有意な阻害を示した。BAL中の細胞数に関してOVAが高度な好酸球増多(>800,000細胞)を誘導したことを考慮すれば、この製剤クラスについて、好酸球増多のほぼ完全で高度に有意な停止(P=0.005)が予測された。
実施例4
2群分け実験の代表例を図4に示した。この図は、BV細菌抽出物によるAHRからの保護を証明する。最良の保護効果は1mg用量で得られた。図2及び3に示した好酸球増多停止及び同時に生じる肺AHR機能停止は、鼻内投与したBV細菌抽出物がアレルギー性喘息の十分に確立したモデルにおいて保護を提供する能力を証明し、用量1mg/日/マウス×14処置がアレルゲン駆動AHR及び気道炎症に対する最適保護の付与に適切であることを示す。この投与計画で達成された保護は、BVが新生又は若年マウスではなく成体マウスに投与され、投与がアレルゲン暴露前ではなく暴露と同時に開始されているが、意義深い。このことに加えて、図5Aに示され、過ヨウ素酸シッフ(PAS)+粘液分泌細胞の高度に有意な減少(P=0.00003)として図5Bに定量化された、BV処置OVA群(OVA/BV)で肺組織由来気道炎症杯細胞が外見上存在しないことは、図4に示されたAHRに対する保護を機能的に確証する。
実施例5
スキーム(図6)は、示される14投与からなる投与計画に従って1mgの日用量を用いる、アルテルナリアアレルギー性喘息モデルにおける鼻内(i.n.)BV細菌抽出物の実験セッティングを表す。
実施例6
アルテルナリアアレルギー性喘息モデルにおけるi.n. BV細菌抽出物の効果を、BALの差を用いてモニタリングした。
図7において、BAL含有物における好酸球増多の約40%阻害が、図6に示す1mgの投薬(14回)を用いるBV細菌抽出物により達成された。ヒトでの解釈が可能なこの喘息モデルの高度な妥当性(アジュバントなしの、同じi.n.感作及びチャレンジ経路)を考慮すれば、これら結果は、BV細菌抽出物がアレルギー誘導喘息における保護付与能力を明確に示す。
BALB/cマウス(4~6/群)を、0日目及び1日目にi.n.によるアルテルナリア(Greer Laboratories:50μgの乾燥重量、50μlのPBS中10μgのタンパク質)で感作させ、17日目、18日目及び19日目にi.n.によるアルテルナリア(25μgの乾燥重量、50μl中5μgのタンパク質)でチャレンジした。
BV(濃縮物、50μl中1mg(各鼻孔に25μl))を-10日目から2日ごとに14回投与した。最終評価は20日目に行った。PBS(2mL)中1%冷BSAを気管カニューレを通じて気道に送達して穏やかに吸引することによりBAL液を得た。Countess II FL自動化細胞カウンタ(Thermo Fisher Scientific)を用いて細胞を計数し、差は、Hema 3(Fischer)染色後に少なくとも400細胞/スライドを検査して、マウスID/群分けを知らないオペレータが決定した。
実施例7
図8に、読取値として肺機能を用いた機能効力相関の代表例を示す。呼吸器系抵抗(Rrs)応答はBV細菌抽出物により有意に阻害され、全ての試験点において1mg用量にて最良効力を有した。アルテルナリアに対するAHRの有意な低減が示された。
静脈内投与した漸増濃度のアセチルコリン(0~2μg/gマウス)への応答としての気道抵抗を、ケタミン及びキシラジン(それぞれ100及び10mg/kg)で麻酔した動物で評価した。マウスを気管切開し、18ゲージ金属カニューレを気管に挿入し、縫合糸で固く結んでエア漏れを防止した。気管カニューレをコンピュータ制御動物人工呼吸器(FlexiVent, Scireq Inc., Canada)に接続し、マウスを150呼吸/分、一回換気量10mL/kg及び呼気終末陽圧(PEEP)3cmH2Oで機械的に換気した。動物を保温パッド上に置いて体温を維持し、臭化パンクロニウム(1mg/kg,i.p.)で麻痺させた。肺気量歴を標準化するため、肺を30cmH2Oの圧力まで2回膨張させた(リクルートメント手技)。室温の生理食塩水に希釈した塩化アセチルコリン(ACh)を、0.25、0.5、1.0及び2.0μg/g体重の漸増用量で右頸静脈よりボーラスに注射した。生理食塩水をコントロールとして用いた。各ACh投与の直後に、測定を開始し、30秒間ごとに5分間にわたって行った。各ACh投与後のピーク応答を測定した。呼吸力学は定常相モデルを用いて評価した。このモデルは、呼吸特性を中枢気道及び末梢気道に分配し、異なる組織特性間を区別する能力を有する。評価パラメータは、ニュートン抵抗(Rn)、近位伝導気道における抵抗の近似値及び組織ダンピング(G)(肺組織抵抗に関連し、肺胞におけるエネルギー散逸を反映する)であった。0.9以上の決定係数(COD)のみをこの定常相モデルに用いた。
図7に示されるように、BALにおける好酸球増多の30~40%低減は、肺機能読取値と完全に相関し、この極端な急性アレルギー性喘息モデルにおいて、BVがAHRに対してほぼ完全な保護を奏することが確証された。
このことに加え、バリア機能の尺度であるTEER(経上皮電気抵抗)として表される上皮細胞層の緊密性に対するBVの保護効果のモニタリングにより、ヒト気管支上皮細胞のストレス-及びアルテルナリア-誘導損傷のBVによる予防が示される。このことは、図9で、薬剤輸送研究を可能にする、16HBE14o-細胞株を用いるインビトロ気道細胞モデル(Forbes B,Int J Pharm. 2003, 257(1-2)、161-167を参照)において証明される。
実施例8
図10は、OVA誘導喘息を変更した、図1に用いたプロトコルの代表例を示す。このモデルは、再びBVの予防的投与計画を用いたが、8投与に減らした処置(処置T1~T8)後に2回連続のOVA誘導感作及びチャレンジを行って時間を削減した(39日目に代えて、19日目の最終評価)。処置回数を減少させたこの新たなセッティングにおいても、BVによる有意な好酸球増多の阻止が確証された。
実施例9
図11は、図2と同様であるが改変OVA誘導スキームから得られた、気管支肺胞洗浄(BAL)好酸球増多に対するBVの効果(パーセンテージ(左)及び細胞数(右)として表す)を示す。図11は、好酸球増多のBV細菌抽出物による有意な阻害を、BAL中の好中球動員の有意な増加と共に示す。マウスの数はn=4マウス/群であり、1mg/50μlを用いた。
実施例10
異なるマウス系統(C57BL6)におけるOVA誘導喘息の評価。図12は、OVA誘導喘息を変更した、図1に用いたプロトコルの代表例を示す。このモデルは、再びBV細菌抽出物の予防的投与計画を用いたが、14投与による処置(処置T1~T14)後に2回連続のOVA誘導感作及び3回のOVAチャレンジを行った。最終評価は30日目であった。
実施例11
C57 BL6マウスに適合させた図12に示すスキームを用いるOVA誘導喘息モデルにおけるBV細菌抽出物の鼻内投与の効果を示す実施例。効力のモニタリングは、図13に総BAL細胞量のパーセンテージ(Y軸)として表すBAL好酸球増多に基づいた。結果は、肺気道過敏性(AHR)の保護に関係付けられる好酸球増多の低減におけるBVの効力を示した。好酸球増多の低減における最良効力は用量1mgのBVで得られた。
実施例12
OVA及び/又はBVで処置されたマウスにおいて主要な喘息表現型(AHR及びBAL好酸球増多)に強く関連付けられるコア肺発現遺伝子は、図14に示されるように、Th2及び樹状細胞移動に負に関連付けられる経路に集まる。
非分画肺組織を、図1と同様に、PB、BV、OVA又はOVA+BVで処置した27匹のBalb/cマウスから集め、RNAを単離し、RNA配列決定(RNA-Seq)を行った。発現データを24,538遺伝子について評価し、フィルタリングして、20%のサンプルで少なくとも1つの読取値を有する遺伝子のみを含ませた(計19,613遺伝子)。肺発現データ全体に対して全19,613遺伝子について重み付け遺伝子共発現分析(WGCNA)を行って、符号付きネットワークアルゴリズムを用いて共調節遺伝子ネットワーク(モジュール)を構築した。各モジュール内の発現データを、モジュールeigengeneベクトル(すなわち、モジュールの第1主成分)を用いてまとめ、気道及び保護に関連する免疫表現型との相関を、ピアソン相関を用いて評価した。Ingenuityパスウェイ分析を用いて、異なって発現する機能間でキーの生物学的用語又は機能についてのエンリッチメントを決定した。ここで、負の値は阻害が予想されることに対応し、正の値は活性化が予想されることに対応する。
図15に示すWGCNAにより、計16の共調節遺伝子ネットワーク(モジュール)が特定され、このうち4つのみが好酸球増多及びAHRの両方と強力かつ有意に関連付けられた(|ピアソンのr|>0.5及びP≦0.001)。青緑色及び茶色のモジュールはAHR及び好酸球増多と正に関連付けられ、BV+OVA処置(対OVA)と負に関連付けられた一方、青色及び黄色のモジュールは、AHR及び好酸球増多とは負の関係性を、BV+OVA処置とは正の関連性を示した。好酸球増多及びAHRと高度に関連付けられた茶色、青緑色、青色、緑色及び黄色のモジュールの遺伝子コアセット(n=333、図15左)についてのIngenuityパスウェイ分析(IPA)は、BV+OVAが影響を及ぼした遺伝子は、予想通りにAHR及び好酸球の細胞移動に関連する経路に集合しているだけでなく、Th2細胞及び樹状細胞の移動に関連する経路にも集合している(図15右)ことを示した。IPAにより、これら経路の各々はダウンダウンレギュレートされると予想された。
RNA-Seqにより特定されたDC関連BV誘導転写シグネチャにより、本発明者らは、骨髄由来DC(BMDC)に対するBV抽出物のインビトロ投与の効果を調べるよう動機づけられた。MHCクラスII及び共刺激分子(CD40、CD80及びCD86)の発現は、BV処置BMDCにおいて強力に阻害された。したがって、本発明者らは、DCの再プログラミングがアレルギー性喘息に対するBV細菌抽出物の抑制効果を説明するに十分であるかどうかを問うた。この目的のため、BV抽出物での2日間の前処置を伴って又は伴わずにインビトロにて2日間OVAでパルスしたBMDCを、ナイーブのBalb/cマウスにi.n.投与し、10日後に連続3日間OVAでチャレンジした。OVAパルスBMDCは、HR、BAL好酸球増多の増強並びに肺及び気道排出リンパ節中のタイプ2サイトカイン発現の増大により明らかなとおり、これら動物において実験的喘息を効果的に惹起した。強調すべきことに、BV細菌抽出物でのBMDCプレインキュベーションは、これらアレルゲン駆動応答の全てを強力及び有意に阻害するに十分であった。このことから、このモデルにおけるBV誘導喘息保護の主要標的としてDCが同定される。
第2シリーズの実験:微生物叢変化
実施例13:マウス消化管マイクロバイオームに対する鼻内又は気管内BV細菌抽出物の効果
これら実験において、BV細菌抽出物により直接誘導される保護効果が証明された。この保護効果は、試験マウスの消化管微生物叢の変化により媒介された。喘息マウスモデルにおけるBV細菌抽出物の鼻内及び気管内投与は、消化管マイクロバイオームの変化を誘導することが示され、アレルギー性応答の減少に寄与すると考えられる。
マウスをBV細菌抽出物(2日ごとに5、50、1000又は2500マイクログラム/処置)又はPBSで鼻内処置し、OVA又はPBSで感作及びチャレンジした。マイクロバイオーム分析のために糞便サンプルを集めた。
PBSのみのコントロールと比較すると、β多様性分析(重み付けなしのUniFrac)により示されるように、OVA又はPBSのいずれかと共に1000又は2500マイクログラム/処置のBV細菌抽出物(すなわち、任意の高用量のBV細菌抽出物)を投与されたマウスにおいて、消化管微生物コミュニティー構造の顕著な変化が観察された(図16)。更に、任意の高用量のBV細菌抽出物対PBS単独処置マウスにおいて、Lactobacillusが富化していた。
これらデータは、BV細菌抽出物がマウス消化管微生物叢の顕著な変化を誘導することを明確に示した。
実施例14:高用量及び低用量のBV細菌抽出物を鼻内処置したマウスの消化管マイクロバイオームプロフィールに対する効果
マウスに鼻内用量(1mg又は2.25mg)のBV細菌抽出物を14回投与した。0及び15日目にOVA感作を、28、38及び39日目にOVAチャレンジを行った。コントロールマウスにはOVAに代えてPBSを投与した。実験終了時(39日目)に、糞便ペレットを回収した。PBS又はOVAをチャレンジしたマウスを、1mg用量(BV1000)又は2.25mg用量(BV2250)で処置した。糞便ペレットから、消化管マイクロバイオームを代表するDNAを抽出した。抽出DNAは、Illumina MiSeqでの16S rRNAアンプリコン配列決定のためにArgonne National Laboratoryに送付した。配列データを、QIIME2及びRを用いて分析した。線形判別分析効果サイズ(LEfSe)を行って、複数の分類学的レベルで差分的特徴を明らかにした。この分析は、q<0.05及びLDAスコア>2のカットオフを用いて、2群のサンプルを比較した:実験100、101及び113内の任意のBV(BV処置用量に関わりなくBV/OVA及びBV単独)及びBVなし(OVA単独及びPBS単独)(図18)。差分的特徴間での系統発生学的関係性もまた特徴付けられた(g、属;f、科;o、目;c、綱)(図17)。
これらデータは、鼻内BV細菌抽出物が好酸球増多及びAHRから保護でき、保護されたマウスにおいて、短鎖脂肪酸を産生し調節性免疫/寛容と関連付けられることが知られる分類群(特にLactobacilli、図18A及びB)の増加を伴う消化管マイクロバイオームの有意な再組織化を導いたことを明確に証明する。実際、これら細菌の拡大は、本発明者らがBV処置喘息保護マウスにおいて見出したT調節性細胞の誘導に寄与すると考えられる。更に、16s rRNA配列決定実験の結果は、BV細菌抽出物の鼻内又は気管内投与と免疫モジュレーションとの間の関連性を明確に証明した。

Claims (24)

  1. その必要がある対象において喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連呼吸器疾患の治療及び/又は予防方法に使用するための、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な細菌抽出物であって、治療有効量で前記対象に投与される細菌抽出物。
  2. 前記グラム陽性又はグラム陰性細菌種が、Moraxella catarrhalis、Haemophilus influenzae、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes及び/又はStreptococcus sanguinisから選択される、請求項1に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  3. 前記アルカリ溶解が10より大きいpHで行われる、請求項1又は2に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  4. 前記対象に経口経路により投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  5. 固体又は液体の形態で投与される、請求項4に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  6. 丸剤、錠剤、フィルム錠、コーティング錠、カプセル、シロップ、粉剤及び/又はデポジットとして製剤化された、請求項4又は5に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  7. 前記対象に鼻内又は気管内経路により投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  8. 前記対象に、0.05~2mgの範囲内の日用量、0.1~1mgの範囲内の日用量、0.5~1mgの範囲内の日用量又は約1mgの日用量で投与される、請求項7のいずれか1項に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  9. 固体、液体又はエアロゾル製剤の形態で投与される、請求項7又は8に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  10. 液体又はエアロゾルであり、スプレー、液滴、コロイド状、ミスト、雲霧状又は微細化煙に製剤化された、請求項9に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  11. 固体の形態で投与され、粉剤又は粉砕可能錠剤に製剤化された、請求項9に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  12. 経鼻吹込デバイス、鼻内吸入器、鼻内スプレーデバイス、アトマイザー、鼻スプレーボトル、単位用量容器、ポンプ、点滴器、スクイーズボトル、ネブライザー、定量吸入器(MDI)、加圧式定量吸入器、吹込器、二方向デバイス、ドーズアンプル、鼻パッド、鼻スポンジ及び鼻カプセルを含んでなる群より選択される送達デバイスにより投与される、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法に使用するための細菌抽出物。
  13. 必要がある対象における喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息状態、呼気性喘鳴関連症状、微生物叢関連呼吸器疾患を治療及び/又は予防する方法であって、グラム陽性又はグラム陰性細菌種のアルカリ溶解により取得可能な細菌抽出物を治療有効量で投与することを含む方法。
  14. 前記グラム陽性又はグラム陰性細菌種が、Moraxella catarrhalis、Haemophilus influenzae、Klebsiella pneumoniae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes及び/又はStreptococcus sanguinisから選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記アルカリ溶解が10より大きいpHで行われる、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記細菌抽出物が前記対象に経口経路により投与される、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記細菌抽出物が固体又は液体の形態で投与される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記細菌抽出物が丸剤、錠剤、フィルム錠、コーティング錠、カプセル、シロップ、粉剤及び/又はデポジットとして製剤化される、請求項13~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記細菌抽出物が前記対象に鼻内又は気管内経路により投与される、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記細菌抽出物が前記対象に0.05~2mgの範囲内の日用量、0.1~1mgの範囲内の日用量、0.5~1mgの範囲内の日用量又は約1mgの日用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記細菌抽出物が固体、液体又はエアロゾル製剤の形態で投与される、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 前記細菌抽出物が液体又はエアロゾルであり、スプレー、液滴、コロイド状、ミスト、雲霧状又は微細化煙に製剤化される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記細菌抽出物が固体の形態で投与され、粉剤又は粉砕可能錠剤に製剤化される、請求項21に記載の方法。
  24. 前記細菌抽出物が経鼻吹込デバイス、鼻内吸入器、鼻内スプレーデバイス、アトマイザー、鼻スプレーボトル、単位用量容器、ポンプ、点滴器、スクイーズボトル、ネブライザー、定量吸入器(MDI)、加圧式定量吸入器、吹込器、二方向デバイス、ドーズアンプル、鼻パッド、鼻スポンジ及び鼻カプセルを含んでなる群より選択される送達デバイスにより投与される、請求項19~23のいずれか1項に記載の方法。
JP2021555409A 2019-03-14 2019-09-13 喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢で治療及び/又は予防する方法 Pending JP2022547365A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
RU2019107206 2019-03-14
EP19162717.3 2019-03-14
EP19162717 2019-03-14
RU2019107206A RU2800051C2 (ru) 2019-03-14 Способ лечения и/или профилактики астмы, обострения астмы, аллергических астматических расстройств и/или расстройств дыхательных путей, связанных с микробиотой
PCT/EP2019/074562 WO2020182322A1 (en) 2019-03-14 2019-09-13 Method of treating and/or preventing asthma, asthma exacerbations, allergic asthma and/or associated conditions with microbiota related to respiratory disorders

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022547365A true JP2022547365A (ja) 2022-11-14

Family

ID=67988987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021555409A Pending JP2022547365A (ja) 2019-03-14 2019-09-13 喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢で治療及び/又は予防する方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20220143111A1 (ja)
JP (1) JP2022547365A (ja)
KR (1) KR20220006039A (ja)
CN (1) CN113613665A (ja)
AU (1) AU2019434478A1 (ja)
BR (1) BR112021018086A2 (ja)
CA (1) CA3132082A1 (ja)
MX (1) MX2021010908A (ja)
WO (1) WO2020182322A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509166A (ja) * 2003-10-22 2007-04-12 アイディー バイオメディカル コーポレイション オブ ケベック 生得的免疫およびアレルギー性免疫を活性化させるための組成物および方法
JP2010520302A (ja) * 2007-03-05 2010-06-10 オーエム ファーマ 呼吸器障害のための細菌抽出物及びその製造方法

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR8007911A (pt) 1979-12-06 1981-06-16 Glaxo Group Ltd Inalador aperfeicoado
ATE23272T1 (de) 1981-07-08 1986-11-15 Draco Ab Pulverinhalator.
PH26882A (en) 1985-07-30 1992-11-16 Glaxo Group Ltd Devices for administering medicaments to patients
US5225183A (en) 1988-12-06 1993-07-06 Riker Laboratories, Inc. Medicinal aerosol formulations
SK280967B6 (sk) 1990-03-02 2000-10-09 Glaxo Group Limited Inhalačný prístroj
AU2178392A (en) 1991-06-12 1993-01-12 Minnesota Mining And Manufacturing Company Albuterol sulfate suspension aerosol formulations
US5337740A (en) 1991-08-01 1994-08-16 New England Pharmaceuticals, Inc. Inhalation devices
US5239993A (en) 1992-08-26 1993-08-31 Glaxo Inc. Dosage inhalator providing optimized compound inhalation trajectory
US5415162A (en) 1994-01-18 1995-05-16 Glaxo Inc. Multi-dose dry powder inhalation device
US7171965B2 (en) 2000-02-01 2007-02-06 Valois S.A.S. Breath actuated dry powder inhaler and tape dose strip
US20070093420A1 (en) 2005-08-26 2007-04-26 Yeomans David C Therapy procedure for drug delivery for trigeminal pain
US8889622B2 (en) 2007-07-25 2014-11-18 Washington University Methods of inhibiting seizure in a subject
US7745670B2 (en) 2008-06-27 2010-06-29 Codman & Shurtleff, Inc. Curcumin-Resveratrol hybrid molecule
EP2326339A4 (en) 2008-05-21 2012-06-20 Neurotez Inc METHOD FOR TREATING PROGRESSIVE COGNITIVE DISORDER IN CONNECTION WITH NEUROFIBRILLARY TANGLES
US20120093791A1 (en) * 2009-06-15 2012-04-19 Cormier Yvon Stimulation of innate immunity with an antigen from bacterial origin
EP3205353B1 (en) * 2011-03-21 2021-01-13 Altimmune Inc. Rapid and prolonged immunologic-therapeutic
EP4234026A3 (en) * 2019-03-14 2024-07-03 OM Pharma SA Process for making stable bacterial extracts and their use as pharmaceuticals

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509166A (ja) * 2003-10-22 2007-04-12 アイディー バイオメディカル コーポレイション オブ ケベック 生得的免疫およびアレルギー性免疫を活性化させるための組成物および方法
JP2010520302A (ja) * 2007-03-05 2010-06-10 オーエム ファーマ 呼吸器障害のための細菌抽出物及びその製造方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ANN ALLERGY ASTHMA IMMUNOL, vol. 114, JPN6023049453, 2015, pages 364 - 369, ISSN: 0005211575 *
FRONT. BIOENG. BIOTECHNOL., vol. Vol.8, Article 545, JPN6023049454, 2020, pages 1 - 8, ISSN: 0005211576 *
INT J CLIN EXP PATHOL, vol. 10, no. 2, JPN6023011904, 2017, pages 1149 - 1157, ISSN: 0005211577 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN113613665A (zh) 2021-11-05
US20220143111A1 (en) 2022-05-12
CA3132082A1 (en) 2020-09-17
BR112021018086A2 (pt) 2021-11-23
AU2019434478A1 (en) 2021-09-23
MX2021010908A (es) 2021-10-01
WO2020182322A1 (en) 2020-09-17
KR20220006039A (ko) 2022-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hoe et al. Respirable bacteriophages for the treatment of bacterial lung infections
US11801271B2 (en) Stable bacterial extracts as pharmaceuticals
Hanif et al. Pharmaceutical aerosols for the treatment and prevention of tuberculosis
CN106668832B (zh) 一种多肽在制备治疗肠道病毒感染药物的应用
Kaur et al. Advanced aerosol delivery devices for potential cure of acute and chronic diseases
JPH06506474A (ja) 医薬エアロゾール組成物ならびにそれらのウイルス疾患の治療および予防用途
ES2295391T3 (es) Microparticulas de quitina y sus usos medicos.
AU2002324124A1 (en) Chitin microparticles and their medical uses
CN111956667A (zh) 多功能干细胞外泌体和间充质干细胞裂解物在制备治疗过敏性鼻炎药物中的应用
JP2022547365A (ja) 喘息、喘息悪化、アレルギー性喘息及び/又は関連疾患状態を呼吸器疾患に関連する微生物叢で治療及び/又は予防する方法
KR20100117148A (ko) 폐 질환의 치료 방법
Debnath et al. Status of inhalable antimicrobial agents for lung infection: progress and prospects
RU2800051C2 (ru) Способ лечения и/или профилактики астмы, обострения астмы, аллергических астматических расстройств и/или расстройств дыхательных путей, связанных с микробиотой
RU2353376C1 (ru) Способ лечения и профилактики бронхопневмонии у телят и поросят
JP2021529816A (ja) 細菌株を含む組成物
Lavanya et al. Aerosol-Based Pulmonary Delivery of Therapeutic Molecules from Food Sources: Delivery Mechanism, Research Trends, and the Way Forward
EP3015109B1 (en) Biological barrier with simethicone for the use in the treatment of naso-pharyngo-tubal infections
RU2820605C2 (ru) Способ получения стабильных бактериальных экстрактов и их применение в качестве фармацевтических препаратов
US20230330178A1 (en) Use of polypeptide in drug for preventing and treating pneumonia
CN117281832A (zh) 治疗呼吸道疾病的产品及应用
CN114452306B (zh) 热灭活酪酸梭菌在作为和/或制备用于防治哮喘的产品中的应用
EP2593119B1 (en) Polysaccharide polymer from the seeds of the tamarind tree for use in treating dry cough
Zhenqiang Alcohol disinfection liquid vaporization and inhalation applied In vivo antiseptic and sterilization treatment method
KR20150128169A (ko) 코질환 및 졸음 예방 또는 개선용 조성물 및 이의 제조방법
PR et al. Nano Aerogels an Aerosolised Gel Therapy

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220419

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220419

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20220425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220826

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240903