JP2022546465A - ワクチン有効性の増加方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一部、免疫応答の増強のための、および例えば組換えTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤またはそのバリアント)によるTLR5受容体の刺激によるワクチン有効性の増加のための組成物および方法に関する。【選択図】図7

Description

本開示は、ワクチン有効性を改善および/または増加させるための組成物および方法に関する。
関連出願との相互参照
本出願は、2019年8月30日に出願された米国仮出願第62/894,355号の利益および優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書と共に電子的に提出したテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。配列表のコンピュータ可読形式のコピー(ファイル名:GPI-004PC_ST25.txt;記録日:2020年8月28日;ファイルサイズ:63,471バイト)。
加齢に関連する免疫老化が原因で、老年集団内のワクチン接種は一般集団内のワクチン接種ほど効果的ではない。Goodwinら、Vaccine(2006年)24(8):1159-69では、インフルエンザワクチンでは、高齢者において臨床有効性が17~53%のみであったが、その一方で、若年成人では、70~90%の臨床有効性を示したことを報告している。これは、非特異的(自然)免疫応答と特異的(適応)免疫応答の両方の加齢関連変化のために、ワクチン接種が高齢の個体において、適切な免疫応答を生み出すことができない結果である。Weinburgerら、Clin Infect Dis(2008年)46(7):1078-84は、ワクチンに対する抗体応答の誘導の閾値の増加として、年齢に伴うワクチン応答の変化をまとめている。多くの場合、高齢の個体において生じる、重要なワクチン接種を増幅させるために必要な抗体価が、不十分である。この十分でない抗体応答は、生命を脅かす可能性があり、特に他の併存疾患を伴う高齢集団ではさらに生命を脅かし得る。肺炎感染の最も一般的な原因であるインフルエンザウイルスに抵抗する能力の低下により、65歳を超える集団において2015年~2016年のインフルエンザ季節中に、米国で入院、入院期間の延長、推定10,000~14,000名の死亡が生じた(Rolfesら、Influenza Other Respir Viruses.(2018)12(1):132-137)。
現在のおよび開発中のワクチンの限界は、初期または追加の抗体価を増加させ、それによって抗体価を有効性に必要な閾値を超えて増加させることによって克服することができる。さらに、ワクチン中のアルミニウムはレシピエントに様々な障害を引き起こすという信念に関する世間の精査および混乱のために、ワクチン中のアジュバントとしてのアルミニウムの使用が減少することまたはその使用が不要になることが好ましい。
このように、平均余命の増長、したがって感染のリスクのために、老年集団における様々な刺激に対する免疫応答を増強するために、治療法および/または予防措置が必要である。
したがって、本発明は、特定の態様において、TLR5アゴニスト、例えば、エントリモド(すなわち、配列番号1)またはそのバリアントを、生きている、弱毒化され、死滅され、不活化され、またトキソイド感染性剤から選択される感染性剤の構成要素である抗原と組み合わせて投与することによって、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させる方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は、中年患者または老年患者である。さらなる実施形態では、患者は、免疫老化である。実施形態では、患者の免疫応答は、増強または促進される。
いくつかの態様において、本発明は、エントリモドまたはそのバリアントなどのTLR5アゴニストを患者に投与することによって、それを必要とする患者において抗原に対する免疫応答を促進する方法を企図する。実施形態では、患者の免疫応答は、増強または促進される。
いくつかの態様では、本発明は、TLR5アゴニスト、例えば、エントリモドまたはそのバリアントを、ワクチンと組み合わせて、患者に投与することにより、患者における肺炎感染(例えば、インフルエンザ)の発生を予防および/または減少させる方法を一部提供し、いくつかの実施形態では、患者は老年患者である。いくつかの実施形態では、ワクチンは、インフルエンザウイルスワクチンである。
様々な実施形態では、患者は、抗原またはワクチンの投与を受ける前に、TLR5アゴニストを受け、免疫応答が増強または促進される。
様々な実施形態において、患者は、中年(例えば、約36歳~64歳)または老年(約65歳以上)である。いくつかの実施形態では、患者は、免疫老化である。いくつかの実施形態では、患者は、免疫系障害を有する。さらなる実施形態では、患者は、免疫無防備状態である。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者の自然免疫応答および/または適応免疫応答の増加によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための本発明の方法および組成物は、患者のT細胞集団(例えば、CD4+および/またはCD8+T細胞集団)を維持および/または増加させることを含む。さらなる実施形態では、本発明の方法は、患者の抗原特異的抗体価(例えば、IgG、IgMおよびIgA)の増加または回復によって測定されたときに、加齢関連免疫老化の軽減を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者における抗原特異的抗体の力価レベルと比較して、抗原特異的抗体のより高い力価レベルによって測定されたときに、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答と比較して、患者の自然免疫応答の増加によって測定されたときに、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の適応免疫応答と比較して、患者の適応免疫応答の増加によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答および適応免疫応答と比較して、患者の自然免疫応答および適応免疫応答が増加する。
いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者のT細胞集団と比較して、患者のT細胞集団(複数可)の増加および/または回復によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。例えば、さらなる実施形態において、CD4+エフェクターT細胞、CD8+エフェクターT細胞、CD4+メモリーT細胞、CD8+メモリーT細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、ナチュラルキラーT細胞、CD4+ヘルパー細胞(これらに限定されないが、Th1、Th2、およびTh17など)およびCD8+細胞傷害性細胞のうちの1つ以上から選択されるT細胞などの患者のT細胞は、TLR5アゴニストが投与されなかった患者のT細胞集団と比較して、増加および/または回復する。
いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与量と比較して、ワクチン投与量の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与の頻度と比較して、ワクチン投与の頻度の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。
いくつかの態様では、本発明は、抗原に対する免疫応答を増加および/または改善することによってワクチン有効性を増強する方法を提供する。例えば、抗原は、これらに限定されないが、全細胞、ウイルス、タンパク質、タンパク質サブユニットまたは断片であり得る。さらなる実施形態では、障害に対する免疫応答を刺激する抗原は、生きている、弱毒化され、死滅され、不活化され、またトキソイド感染性剤から選択される感染性剤の構成要素である。さらなる実施形態では、抗原は、腫瘍細胞、損傷したDNAを有する細胞、または老化細胞に対する免疫応答に関連し、かつ/またはそれを刺激する。特に、エントリモドなどのTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)は、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、またはHIVワクチンなどのウイルスまたは病原因子に対するワクチンと組み合わせて使用することができる。より具体的には、TLR5アゴニストを本明細書に記載のように使用して、H1N1、H2N3、およびBインフルエンザサブタイプなどの任意のインフルエンザ株に対するワクチンに対する免疫応答を増強することができる。
実施形態において、本発明は、ミョウバンなどのワクチンアジュバントが投与されないことを企図する。様々な実施形態では、本発明の組換えまたは合成TLR5アゴニストは、アルミニウムゲルまたは水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムカリウム、AS04(アルミニウム塩およびモノホスホリル脂質A(MPL)から構成される)、AS03(水中油型エマルジョン中のα-トコフェロール、スクアレン、およびポリソルベート80)およびALHYDROGELから選択される塩を含まずに患者に投与される。
実施形態の前述の特徴は、添付の図面を参照して取られた以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
エントリモド(配列番号1)の同時投与の有無による免疫化試験のタイムラインの概略図を示す図である。免疫化、血清収集、および屠殺/サンプル収集の時点が、エントリモドの有無にかかわらず、Prevnar13ワクチンで治療された雄のNIH Swissマウスの群について示されている。 1日目の免疫後12日目または27日目に収集された血清サンプル(追加免疫が15日目に与えられた)でELISAによって測定したときに、肺炎球菌/Prevnar13特異的IgG(左パネル)およびIgM(右パネル)抗体価レベルを示す図である)。平均抗体価が示されている。*スチューデントのt検定によって決定された統計的に有意な差を示す。一致したPBS治療群とエントリモド治療群との他のすべての比較は、統計的に有意でなかった(P>0.3)。IgM抗体価パネルの場合、2つのヒストグラムの各セットで、左側のバーは追加免疫前の測定値を表し、右側のバーは追加免疫後の測定値を表す。 Prevnar13とエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時に113週齢のマウスの全脾臓細胞の単細胞懸濁液中のリンパ細胞の割合を示す図である。 Prevnar13とエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時に73週齢のマウスの脾臓細胞の単細胞懸濁液中のリンパ細胞の割合(図4A)および総数(図4B)の両方を示す図である。 Prevnar13およびエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時に30週齢のマウスの脾臓細胞の単細胞懸濁液中の様々なT細胞マーカー(例えば、CD8-、CD4+、およびCD44+)の割合および数を示す図である。 エントリモドを使用した場合および使用しない場合のTdapで免疫化したマウスの免疫スケジュールの概略図を示す図である。マウスは、実験の1日目に免疫化させ、32日目に追加免疫を受けた。血清サンプルは、0日目(ベースライン)、14日目、28日目、および46日目に採取した。 破傷風特異的血清IgGレベルの測定によってワクチン有効性の増大を判断するために、様々な投与経路および製剤でエントリモドおよびTdapワクチンを同時投与した試験結果を示す図である。平均抗体価が示されている。 対照群と比較して、+3日および+7日のワクチン投与群における追加免疫後のIgG力価測定値の増加を示す図である。
本発明は、一部、例えば、組換えまたは合成TLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤またはそのバリアント)によるTLR5受容体の刺激によって、患者における免疫応答を増強する、および/またはワクチン有効性を高めるための組成物および方法に関する。様々な実施形態において、患者は、免疫老化および/または免疫無防備状態である。いくつかの実施形態では、患者は、老年患者である。
この本開示のいくつかの態様および実施形態は、少なくとも部分的に、TLR5アゴニスト(例えば、組換えまたは合成フラジェリンおよび/またはエントリモドなどのフラジェリンベースの剤)が、例えば、これに限定されないが、老年患者などの様々な患者集団におけるワクチン有効性を改善および/または増加させることにおいて有効であり得るという発見に基づく。
理論に拘束されることを望むものではないが、本発明は、抗原に対する免疫応答が、べん毛(フラジェリンというタンパク質で作られた活発に移動するための細胞小器官)を有する細菌による感染に対する応答の天然の自然免疫機構の活性化によって改善および/または増強され得ることを企図する。身体内でのそのような細菌の存在は、トール様受容体5(TLR5)と呼ばれる細胞表面受容体によって認識される。TLR5アゴニスト、例えばフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)のTLR5への結合により、生理学的反応が引き起こされ、免疫系の全身での動員を導き、これは、脆弱性の獲得の減速および治療された生物の健康および生活の質の改善として現れる、生物に対する長期的影響を有する複数の生物活性因子(サイトカイン、ケモカインなど)の産生を伴う。TLR5を活性化できるフラジェリンまたはその誘導体による治療は、ワクチンの有効性を増強および/もしくは改善するため、または加齢関連免疫老化の影響を軽減するためのアプローチとして予測され得る。
免疫老化
本明細書に記載されるとおり、免疫老化は、自然免疫応答(例えば、好中球、マクロファージ、およびNK細胞)および適応(樹状細胞およびT細胞)免疫応答の進行性の悪化に起因する免疫学的能力の年齢依存的低下を指す。
一態様では、本発明は、抗原(例えば、ワクチン抗原)に対する免疫応答を増加させるのに有効な、ある量のエントリモドなどのTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)を対象に投与することによって、対象の免疫老化を治療するための方法に関し、これにより、抗原に対する防御抗体価またはT細胞応答が達成されるようになる。いくつかの実施形態では、本発明によって企図される抗原は、損傷したDNAを有する細胞および老化細胞のうちの1つ以上に対する免疫に関連し、かつ/または免疫を刺激する。
本発明は、いくつかの実施形態では、自然免疫および適応免疫の刺激および動員のために、エントリモドなどのある量のTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)を対象に投与する方法を企図する。例えば、いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、固形組織(すなわち、肝臓、肺、膀胱)における自然免疫細胞成分(好中球、マクロファージ、およびNK細胞)の割合および組織分布の変化および活性化を誘導し、その後適応免疫(樹状細胞およびT細胞)を動員する。
いくつかの実施形態では、患者は、真性糖尿病などの糖尿病の患者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者、または鎌状赤血球症の患者などの免疫機能障害または免疫老化につながる慢性疾患に罹患している。
いくつかの実施形態において、免疫老化は、免疫機能の低下であり、例えば、とりわけ、がん、ワクチン接種、感染性病原体に対する免疫応答障害をもたらす。これには、特にワクチン接種による感染に応答する宿主の能力、および長期的な免疫記憶の発達の両方が含まれる。この免疫不全は遍在しており、時系列ではなく平均余命に対する年齢に応じて、長命の種および短命の種の両方に見られる。これは、高齢者および/または老年者の罹患頻度および死亡率の増加の主な一因であると考えられている。免疫老化は、ランダムな悪化現象ではなく、進化パターンを逆に繰り返すように見え、免疫老化によって影響を受けるパラメータのほとんどは、遺伝的制御下にあるように見える。免疫老化は、ウイルスおよび細菌などの様々な抗原への回避できない曝露の継続的な問題の結果としても想定され得る。免疫老化は、例えば高齢者集団において、多くの病理学的に重大な健康問題を引き起こす多因子状態である。造血幹細胞の枯渇、PD1+リンパ球の増加、食細胞およびNK細胞の総数の減少、体液性免疫の低下などの年齢依存的生物学的変化は、免疫老化の発症の一因となる。一態様では、免疫老化は、免疫細胞中のテロメア長を測定することによって、個体において測定することができる(例えば、米国特許第5,741,677号を参照されたい)。免疫老化はまた、ナイーブCD4および/またはCD8 T細胞の正常な数より少ない数、T細胞レパートリー、PD1発現T細胞の数、例えば、PD-1陰性T細胞の通常より少ない数、または65歳以上の対象におけるワクチン接種への応答を、個体において記録することによって決定され得る。
いくつかの実施形態では、免疫応答障害は、対象が、例えば、とりわけ、がん、ワクチン接種、病原体感染に対して適切な免疫応答を有さない状態である。いくつかの実施形態では、免疫応答障害を有する対象は、予防的ワクチン接種後に防御抗体価レベルを取得しない、または対象が治療的ワクチン接種後に疾患負荷の減少を有さないことが予測される。対象が免疫機能の低下を有することが判明している集団のメンバーである場合または高齢者など免疫機能の低下の病歴を有する場合、化学療法治療を受けている対象、無脾症の対象、免疫不全の対象、HIV/AIDSを有する対象では、対象は免疫応答障害を有し得る。いくつかの実施形態では、対象(例えば、高齢の対象)は、多剤併用により、または対象の免疫応答を抑制する多くの異なる薬物および/または治療薬が投与されているために、免疫応答障害を有する。本明細書に記載の方法では、免疫増強用量のTLR5アゴニスト、例えば、エントリモドなどのフラジェリンベースの剤の投与による免疫応答障害の治療が可能になる。
いくつかの実施形態では、免疫老化は、加齢による感染に対する免疫応答の低下を含み、T細胞系統における胸腺退縮の結果であり、T細胞の産生およびエクスポートの減少をもたらす(例えば、Shimatani、Kら(2009)PNAS 106(37):15807-15812を参照のこと)。いくつかの実施形態では、PD-1の構成的発現によって定義される真正の年齢依存的CD4+T細胞集団の集団の増加が存在し、これは通常のT細胞での活性化時に一過性にのみ誘導され、したがって感染症に対する免疫応答が低下する(例えば、Shimatani,Kら、(2009)PNAS 106(37):15807-15812を参照のこと)。いくつかの実施形態では、CD8+T細胞の受容体媒介性活性化の際のPD-1の発現の増加によって定義されるCD8+T細胞集団の集団の増加がある(例えば、Nunes,Cら(2012年)Clinical Cancer Research 18(3):678-687を参照のこと)。いくつかの実施形態では、免疫老化は、細胞がそれ以上分裂しない細胞老化を含む。いくつかの実施形態では、加齢関連免疫老化は、造血幹細胞によるナイーブリンパ球の産生の減少を含む(Chen,Science Signaling,ra75,2009年)。細胞老化は、各細胞分裂で発生するテロメアの進行性の短縮と相関する。
TLR5アゴニストおよびその誘導体
Toll様受容体(TLR)は、細胞の自然免疫応答の開始において中心的な役割を果たす。それらは、感染性因子に発現する病原体関連分子パターン(PAMP)を認識し、効果的な免疫の発達に必要なサイトカインの産生を媒介する。ヒトには、10個のTLR遺伝子があり、マウスには12個のTLR遺伝子がある。特に、Toll様受容体5(TLR5)は、細菌のフラジェリンを認識する膜貫通型タンパク質であり、腸粘膜で高度に発現している。脊椎動物は、フラジェリンと、TLR5との非常に特異的な相互作用によって活性化されるシグナル伝達を介して、潜在的に病原性のべん毛を運ぶ細菌の存在を認識する。これにより、自然免疫の自然防御機構の活性化および動員を目的としたシグナル伝達イベントのカスケードがトリガーされる。薬理学的に有用なフラジェリン誘導体であるエントリモド(CBLB502)によるTLR5の活性化は、致死的な全身照射から動物を保護することができた。
いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、TLR5を介した通常のシグナル伝達を選択的に活性化させるかまたは増加させる。本発明のいくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、組換えまたは合成である。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、約10-7M未満、または10-8M未満、または10-9M未満、または10-10M未満、または10-10M未満、または10-11M未満のEC50を有する。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるTLR5アゴニストは、Lu Yら、Biotechnol.Bioeng.110,2073-2085(2013年)およびLu and Swartz,Sci Rep 6:18379(2016年)に記載のHEK-Blue(商標)-hTLR5細胞(Invivogen)を使用したフラジェリン生物活性アッセイまたは同様のTLR5生物活性アッセイHEK-Blue(商標)-hTLR5細胞(Invivogen)を使用したフラジェリン生物活性アッセイでは、約10-7M未満、または10-8M未満、または10-9M未満、または10-10M未満、または10-10M未満、または10-11M未満のEC50を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるTLR5アゴニストは、組換えである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるTLR5アゴニストは、合成である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるTLR5アゴニストは、フラジェリンベースの剤である。いくつかの実施形態では、フラジェリンベースの剤は、様々なグラム陽性またはグラム陰性細菌種に含まれる。22の細菌種からのフラジェリンのヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、米国特許公開第2003/0044429号の図7に提供されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、種間の配列の相違は、用語の意味に含まれる。ある特定の実施形態では、本開示によるフラジェリンベースの剤は、米国特許公開第2003/0044429号の図7に提供される22の細菌種からのフラジェリンのうちの1つ以上と、少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。21種の細菌からの保存されたアミノおよびカルボキシ末端のアミノ酸配列(TLR5活性にとって重要である)が、米国特許公開第8,007,812号の図24Aおよび図24Bに提供されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、本開示によるフラジェリンベースの剤は、フラジェリンタンパク質の断片またはフラジェリンベースの剤を含む。いくつかの実施形態では、フラジェリンベースの剤またはその断片は、TLR5アゴニストとしての活性を有する。様々な実施形態において、
いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、サルモネラフラジェリンタンパク質、例えば、組換えまたは合成サルモネラフラジェリンタンパク質である。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストは、サルモネラダブリンフラジェリンタンパク質、例えば、組換えまたは合成サルモネラダブリンフラジェリンタンパク質である。様々な実施形態では、サルモネラダブリンフラジェリンタンパク質は、以下に示す配列番号27のアミノ酸配列を有する:
MAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNGPKEATVGDLKSSFKNVTGYDTYAAGADKYRVDINSGAVVTDAAAPDKVYVNAANGQLTTDDAENNTAVDLFKTTKSTAGTAEAKAIAGAIKGGKEGDTFDYKGVTFTIDTKTGDDGNGKVSTTINGEKVTLTVADIATGAADVNAATLQSSKNVYTSVVNGQFTFDDKTKNESAKLSDLEANNAVKGESKITVNGAEYTANATGDKITLAGKTMFIDKTASGVSTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号27)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号27に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、エントリモド(CBLB502)である。エントリモド(CBLB502)は、フラジェリン関連ポリペプチドである(例えば、米国特許公開第2003/0044429号の図7を参照、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書で使用される場合、「エントリモド」(別名「CBLB502」)は、以下に示すとおり、国際出願公開第2016/109002号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号1の配列を有するポリペプチドを指す:
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号1)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号1に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、以下のうちの1つ以上に対して少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である;CBLB502-S33ML(配列番号35、WO/2016/019034)、CBLB502-485CT(CBLB533、配列番号71、WO/2016/019034)、CBLB502-S33MX(CBLB543、配列番号150、WO/2016/019034)、CBLB502-S33(配列番号17、WO/2016/019034)、突然変異体33ML(配列番号42、WO2016/019034)、国際公開第2016/019034号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、それぞれ以下のとおり示す:
CBLB502-S33ML(配列番号35 WO/2016/019034)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号2);
CBLB502-485CT(CBLB533、配列番号71 WO/2016/019034)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGLVPRGSHHHHHHG(配列番号3);
CBLB502-S33MX(CBLB543、配列番号150 WO/2016/019034)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNAADGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATAGANADAALKAIQAEIQQRLEEIDRVSQQTQAAAVKVLSQDNAMAIQVGANDGAAITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSQMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号4);
CBLB502-S33(配列番号17 WO/2016/019034
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDLVPRGSAKDPSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号5);および
突然変異体33ML(配列番号:42 WO/2016/019034)
MSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLVPRGSHHHHHHG(配列番号6)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号2~6のうちの1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、以下にそれぞれ示すとおり、国際公開第2016/019134号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号243~252のうちの1つ以上と少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性またはの100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である:
配列番号:243 WO2016/019134
MGHHHHHHSGMEEFNMRINTNVAAMNTYSRLTAANTAKSNSLAKLSSGLRINKAGDDAAGLAISEKMKSQIGGLTQAKRNAQDGISLVQTAEGALNETHSILERMRDLAVQGSNGTLTSSDRGSINKELKALHQELTRISNTTEFNTQKLFSQTKQKSVTFTFQIGANAGQTLSVAITAMSGEALLVSTDAKFSLNAAGTNAGAMIKSIDAAIAKVSDQRADLGAVQNRLEHTINNLTATNENLSDANSRIRDVDMAEEMMTFTKSNILSQAATSMLAQANAMPNSVLNLLQG(配列番号7);
配列番号:244 WO2016/019134
MGHHHHHHSGMRINHNISALNAWRNIDQTQYSMSKTLERLSSGLRINRAGDDAAGLAISEKMRGQIKGLNMAIKNAQDAISLIQTAEGALTEVHSILQRMRELAVQAASDTNTNVDREQIQKEIDQLREEIDRIARTTEFNTKKLLDGKLEGFRSQVDAKVVTGGNINVQLGTVSSKAVEGTYVIEVGAAERAIMVVDAAIHRVSTARAALGAIQNRLEHTISNLGVAAENLTAAESRIRDADMAKEMMEFTKQQILLQSSMAMLAQSNTLPQNVLQLMR(配列番号8);
配列番号:245 WO2016/019134
MGHHHHHHSGLNMAIKNAQDAISLIQTAEGALTEVHSILQRMRELAVQAASDTNTNVDREQIQKEIDQLREEIDRIARTTEFNTKKLLDGKLEGFRSQVDAKVVTGGNINVQLGTVSSKAVEGTYVIEVGAAERAIMVVDAAIHRVSTARAALGAIQNRLEHTISNLG(配列番号9);
配列番号:246 WO2016/019134
MGHHHHHHSGMSLRINNNIEALNAWRALNSTSNALQKSMEKLSSGLRINRAGDDAAGLAISEKLRAQIRGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAVSTGLVVTLQVGANAGQVIAFTIDNAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLGIASENLSASESRIRDVDMAAEMMNFTKNQILQQAGVAILAQANQAPQAVLQLLR(配列番号10);
配列番号:247 WO2016/019134
MGHHHHHHSGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAVSTGLVVTLQVGANAGQVIAFTIDNAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号11);
配列番号:248 WO2016/019134
MGHHHHHHSGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATEFNTKNLLAAGTASLGLSSADLAINDNASASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号12);
配列番号:249 WO2016/019134
MGHHHHHHSASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLGPDGLNQAIRNAQDGISLIQTAEGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNNQDISAITTELNQLFNEIDRIA(配列番号13);
配列番号:250 WO2016/019134
MGHHHHHHSNNQDISAITTELNQLFNEIDRIAGATGSGGLSEIQNILQRMRELGVQAANGTLNGGSASAFISKVDSALQKVSTYRANLGSIQNRLEHTIANLG(配列番号14);
配列番号:251 WO2016/019134
MGHHHHHHSGLAQASRNAQDAISIAQTAEGALDETQSILQRVRELGVQGANGTLTADDINALQAEVDQLIAEIDRIAGATEFNTQNLLDGSFTTKAFQVGANSGQNMTLTIGKMDTTTLGLSSADLAINDNAFANGAISTVDSALQKVSAERAKLGAIQNRLEHTIANLG(配列番号15);および
配列番号:252 WO2016/019134
MGHHHHHHSGLAQASRQAQDAISIAQTAEGALDETQSILQRVRELGVQGADGTLTADDIDALQAEVDQLIAEIDRIAGATEFATQKLLDGSFTTKAFQVGAASGQDVTLTIGKVDTTTLGLSSADLAIDSAAFADGAISTVDSALQKVSAERAKLGAIQNRLEHTIAQLG(配列番号16)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号7~16のうちの1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、国際公開第2006/069198号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の配列番号10、12、30、32、34、36、38、40、42または44のうちの1つ以上に対して、少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である;それぞれ以下のとおり示す:
配列番号10:WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号17);
配列番号:12 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号18);
配列番号:30 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号19);
配列番号:32 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号20);
配列番号:34 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号21);
配列番号:36 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号22);
配列番号:38 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIDVKSLGLIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号23);
配列番号:40 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQTQFNGVKVLSQDNQMKIQVGANDGETITIDLQKIIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNL(配列番号24);
配列番号:42 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPMAQVINTNSLSLLTQNNLNKSQSSLSSAIERLSSGLRINSAKDDAAGQAIANRFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号25);および
配列番号:44 WO2006/069198
MRGSHHHHHHGMASMTGGQQMGRDLYDDDDKDPFTSNIKGLTQASRNANDGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATNGTNSDSDLKSIQDEIQQRLEEIDRVSNQIPGISGGGGGILDSMGTLINEDAAAAKKSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSNMSKAQILQQAGTSVLAQANQVPQNVLSLLR(配列番号26)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号17~26のうちの1つ以上に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本明細書で提供される態様および実施形態のいくつかの実施形態において、TLR5アゴニストは、以下に示すとおり、配列番号28に対して少なくとも80%の同一性、または少なくとも85%の同一性、または少なくとも90%の同一性、または少なくとも95%の同一性、または少なくとも97%の同一性、または少なくとも98%の同一性、または少なくとも99%の同一性または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むフラジェリンベースの剤である:
MSGLRINSAKDDAAGQAAANRATSNIKGLTQASRNAADGISIAQTTEGALNEINNNLQRVRELSVQATAGANADAALKAIQAEIQQRLEEIDRVSQQTQAAAVKVLSQDNAMAIQVGANDGAAITIDLQKIDVKSLGLDGFNVNSPGSTANPLASIDSALSKVDAVRSSLGAIQNRFDSAITNLGNTVTNLNSARSRIEDADYATEVSQMSKAQILDQAGTSTLAQLVPRGSHHHHHHG(配列番号28)。
いくつかの実施形態では、本発明は、配列番号28に対して、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約87%、少なくとも約90%、少なくとも約93%、少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むTLR5アゴニストの使用を企図する。様々な実施形態では、アミノ酸配列を有するポリペプチドは、Hisタグを含まない。
本発明によれば、いくつかの実施形態では、病原性タンパク質抗原は、TLR5アゴニストに融合されていない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のTLR5アゴニストおよび/またはフラジェリンベースの剤に融合されない病原性タンパク質抗原の例としては、肺炎連鎖球菌の表面タンパク質A(PspA)および肺炎球菌表面タンパク質A(PsaA)のαヘリックスドメイン;インフルエンザウイルスのサブユニット血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA);および重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARSウイルス)などのスパイク(S)タンパク質が挙げられる。
抗原およびワクチン
いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与量と比較して、ワクチン投与量の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与の頻度と比較して、ワクチン投与の頻度の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。
様々な実施形態において、本発明の方法および組成物のために選択された抗原は、本発明を限定するものではない。抗原は、これらに限定されないが、全細胞、ウイルス、タンパク質、タンパク質サブユニットまたは断片であり得る。さらなる実施形態では、障害に対する免疫応答を刺激する抗原は、生きている、弱毒化され、死滅され、不活化され、またトキソイド感染性剤から選択される感染性剤の構成要素である。いくつかの実施形態では、抗原は、腫瘍細胞、損傷DNAを有する細胞、または老化細胞に対する免疫応答に関連し、かつ/またはそれを刺激する。
TLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)の投与によって増強され得るウイルス抗原の例としては、これらに限定されないが、HIV、髄膜炎および脳炎を引き起こすウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、百日咳、乳頭腫ウイルス、黄熱病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パルボウイルス、チクングンヤウイルス、出血熱ウイルス、およびヘルペスウイルス、特に水痘、サイトメガロウイルス、およびエプスタイン-バーウイルスの治療または予防に由来する、かつ/またはこれらに有用なものが挙げられる。
細菌およびマイコバクテリア抗原の例としては、とりわけ、髄膜炎菌、ヘモフィルス、肺炎球菌、ブドウ球菌、ハンセン病および結核に由来するかつ/またはそれらに対して有用なものが挙げられる。
特に、例えば、エントリモドなどのTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)は、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、またはHIVワクチンなどのウイルスまたは病原因子に対するワクチンと組み合わせて使用することができる。より具体的には、TLR5アゴニストを本明細書に記載のように使用して、H1N1、H2N3、およびBインフルエンザサブタイプなどの任意のインフルエンザ株に対するワクチンに対する免疫応答を増強することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上の承認されたワクチンの抗原の使用が本発明の抗原であり得ることを企図する。いくつかの実施形態において、承認されたワクチンとしては、以下が挙げられる:アデノウイルス;炭疽菌(Biothrax);BCG(Tice);DT(Sanofi);DTaP(ダプタセル);DTaP(Infanrix);DTaP-HepB-IPV(Pediarix);DTaP-IPV(Kinrix);DTaP-IPV/Hib(Pentacel);Hib(ActHIB);Hib(Hiberix);Hib(PedvaxHIB);Hib/Hep B(Comvax);Hib/Mening.CY(MenHibrix);Hep A(Havrix);Hep A(Havrix);Hep B(Engerix-B);Hep B(Recombivax);Hep A/Hep B(Twinrix);ヒトパピローマウイルス(HPV)(Cerverix);ヒトパピローマウイルス(HPV)(Gardasil);インフルエンザ(Afluria);インフルエンザ(Agriflu);インフルエンザ(Fluarix);インフルエンザ(Flublok);インフルエンザ(Flucelvax);インフルエンザ(Fluvirin);インフルエンザ(Flulaval);インフルエンザ(Fluzone:標準、高用量、および皮内);インフルエンザ(FluMist);日本脳炎(Ixiaro);髄膜炎菌(MCV4-Menactra);髄膜炎菌(MCV4-Menveo);髄膜炎菌(MPSV4-Menomune);MMR(MMR-II);MMRV(ProQuad);肺炎球菌(PCV13-Prevnar13);肺炎球菌(PPSV-23-肺炎球菌);ポリオ(IPV-Ipol);狂犬病(Imovax);狂犬病(RabAvert);ロタウイルス(RotaTeq);ロタウイルス(Rotarix);天然痘(ワクシニア-ACAM2000);Td(Decavac);Td(Tenivac);Td(Mass Biologics);Tdap(Adacel);Tdap(Boostrix);腸チフス(不活化-Typhim Vi);腸チフス(経口-Ty21a);水痘(Varivax);黄熱病(YF-Vax);および帯状疱疹(Zoster)(帯状疱疹(Shingles)-Zostavax)。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の抗原として、1つ以上の承認されたワクチンの抗原を使用することを企図する。実例となるワクチンには、例として、サブユニットワクチンおよび不活化または「死滅」ワクチン(例えば、Infanrix-IPV/Hib(百日咳菌)、Infanrix-IPV/Hib(ヘモフィラスインフルエンザ)、Infanrix-IPV/Hib(ポリオウイルス)、Infanrix-IPV/Hib(破傷風菌)、Infanrix-IPV/Hib(ジフテリア菌)、Infanrix-hexa(百日咳菌)、Infanrix-hexa(ヘモフィラスインフルエンザ)、Infanrix-hexa(ポリオウイルス)、Infanrix-hexa(B型肝炎ウイルス)、Infanrix-hexa(破傷風菌)、Infanrix-hexa(ジフテリア菌)、Infanrix-IPV(百日咳菌)、Infanrix-IPV(ポリオウイルス)、Infanrix-IPV(破傷風菌)、Infanrix-IPV(コリネバクテリアジフテリウム)、Infanrix/Hib(コリネバクテリアジフテリウム)、Pediarix(破傷風菌)、Pediarix(ポリオウイルス)、Pediarix(B型肝炎ウイルス)、ViVaxim(サルモネラ属種)、ViVaxim(A型肝炎ウイルス);サブユニットワクチン(例えば、5CVMB(髄膜炎菌)、百日咳菌CyaAタンパク質ワクチン(百日咳菌)、百日咳菌PTxタンパク質ワクチン(百日咳菌)、がんVEGFAタンパク質ワクチン(がん)、インチミンポリペプチド(大腸菌)、Engerix-B(B型肝炎ウイルス)、H.ピロリVacAタンパク質ワクチン(ヘリコバクターピロリ)、C型のHCおよびD(ボツリヌス菌)、Infanrix/Hib(百日咳菌)、Infanrix/Hib(ヘモフィラスインフルエンザ)、Infanrix/Hib(破傷風菌)、M.ガリセプチカムTM-1タンパク質サブユニットワクチン(マイコプラズマガリセプチカム)、MDA修飾ヒトアポB-100ペプチドワクチン(アテローム性動脈硬化症)、水酸化アルミニウムを含むMSP3-LSP(プラスモジウム属)、ムンプスHNタンパク質サブユニットワクチン(ムンプスウイルス)、髄膜炎菌TBP2タンパク質ワクチン(髄膜炎菌)、緑膿菌OprIタンパク質ワクチン(緑膿菌)、熱帯熱マラリア原虫サブユニットSE36タンパク質ワクチン(プラスモジウム属)、オオアワガエリ(Phleum pratense)Allergy Phl p 12サブユニットワクチン(Allergy)、Recombivax HB(B型肝炎ウイルス)、肺炎連鎖球菌ClpPタンパク質ワクチン(肺炎連鎖球菌);トキソイドワクチン(例えば、BoNT/F(Hc)(ボツリヌス菌)、DAPTACEL(ジフテリア菌)、Infanrix(百日咳菌)、Infanrix(破傷風菌)、KINRIX(破傷風菌)、PBT(ボツリヌス菌)、不活化または「死滅」ワクチン(例えば、Avaxim(A型肝炎ウイルス)、Avaxim-Pediatric(A型肝炎ウイルス)、FSME-IMMUN(ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV))、Infanrix(Corynebacterium diphtheriae)、Ixiaro(日本脳炎ウイルス)、KINRIX(ジフテリア菌)、およびPediarix(ジフテリア菌));および結合型ワクチン(例えば、アラビノマンナン-破傷風トキソイド複合体(結核菌))、CCPS-P64kR(髄膜炎菌)、COMVAX(ヘモフィルス髄膜炎)、Neisvac-C(髄膜炎菌)、およびPedvaxHIB(ヘモフィルス-インフルエンザ菌))が挙げられる。
様々な実施形態では、本発明は、1つ以上のがんワクチンおよび/または1つ以上のがんワクチンの抗原が本発明の抗原であり得ることを企図する。実例となるがんワクチンには、治療ワクチンおよび予防ワクチンが含まれる。例えば、がんワクチンとしては、ONCOPHAGE(ANTIGENICS INC.,2008年にロシアで腎癌用に承認された)、APC8015/Sipuleucel-T/PROVENGE(DENDREON、例えば転移性ホルモン抵抗性前立腺がん)、CANCERVAX(CANVAXIN)、GENITOPE CORP(MYVAX個別免疫療法)、およびFAVRILLE INC(FAVID)、がんの原因となるウイルスであるヒト乳頭腫ウイルス(CERVARIX(GSK)およびGARDASIL(MERCK)など)、A型肝炎ウイルス(CERVARIX(GSK)およびGARDASIL(MERCKなど)を攻撃する予防ワクチン))、およびB型肝炎ウイルス(例えば、RECOMBIVAX HB(MERCK)、ENGERIX-B(GSK)、ELOVAC B(HUMAN BIOLOGICALS INSTITUTE)、GENEVAC B(SERUM INSTITUTE)、SHANVACBなどが挙げられる。
病原性感染症
別の態様では、本明細書で提供される方法は、対象における病原体による感染を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態では、病原体は、細菌性病原体、例えば、髄膜炎菌、ヘモフィルス、肺炎球菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、ナイセリア、モラクセラ、大腸菌、莢膜桿菌、シュードモナス、エンテロバクター、プロテウス、セラチア、レジオネラ、サルモネラ、赤痢菌、アシネトバクター、リステリア、クラミジア、マイコバクテリウムから選択される細菌性病原体である。
いくつかの実施形態では、病原体は、ウイルス病原体、例えば、ウイルス病原体、例えば、HIV、髄膜炎を引き起こすウイルス、脳炎を引き起こすウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ライノウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、風疹、百日咳、乳頭腫ウイルス、黄熱病ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パルボウイルス、ノーウォークウイルス、チクングンヤウイルス、出血熱ウイルス、デングウイルス、およびヘルペスウイルス、例えば、水痘、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン-バーウイルスである。いくつかの実施形態では、感染症は、慢性ウイルス感染症などのウイルス感染症である。いくつかの実施形態では、慢性ウイルス感染症は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタイン-バーウイルス、HIV、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、ヒト乳頭腫ウイルス、アデノウイルス、およびカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスから選択される。いくつかの実施形態では、慢性ウイルス感染は、HIVを含む。
例えば、Lichterfeldらは、HIV特異的CD8+T細胞が、PD-1の阻害時にテロメア長の減少ならびにテロメア長およびテロメラーゼ活性の増加を示すことを観察した(例えば、Lichterfeld、Mら(2008年)Blood 112(9):3679-3687を参照のこと)。別の例では、PD-1は、C型肝炎(HVC)特異的CD8+細胞傷害性Tリンパ球で有意にアップレギュレーションされた(例えば、Golden-Mason、L(2007年)J.Virol.81(17):9249-9258を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、ウイルス性急性下気道感染症を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス性急性下気道感染症は、ライノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、アデノウイルス、および/またはパラインフルエンザによって引き起こされる。いくつかの実施形態では、ウイルス性急性下気道感染症は、肺炎である。いくつかの実施形態では、ウイルス性急性下気道感染症は、肺膿瘍を含む。いくつかの実施形態では、ウイルス性急性下気道感染症は、気管支炎を含む。
いくつかの実施形態では、病原体は、寄生性病原体、例えば、トキソプラズマ、リーシュマニアおよびマラリア、T.cruzii、蠕虫、例えば、住血吸虫である。
いくつかの実施形態では、病原体は、酵母または真菌病原体、例えば、カンジダ、クリプトコックスまたはコクシジオイデスである。
がん
本明細書に記載の方法は、任意のがんに使用することができる。一実施形態では、がんは、固形腫瘍を含む。一実施形態では、がんは、血液がんである。がんは、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、または混合型であり得る。いくつかの実施形態では、本発明によって企図される抗原は、腫瘍細胞に対する免疫に関連し、かつ/または免疫を刺激する。
がんワクチンは、典型的には、がん細胞または選択された抗原でトランスフェクトされ、発現することができるがん細胞上で発現され、それらから単離された抗原を含む。例えば、任意の精製された腫瘍抗原は、病原性ワクチンについて記載されているとおり、エントリモドなどのTLR5アゴニスト(例えば、フラジェリンベースの剤)と共に投与され得る。関連するがん抗原を同定することにより、そのようなワクチンの開発が可能になる。あるいは、他のがん治療法は、通常は、がん細胞上では発現しない抗原を使用して設計される。例えば、選択された抗原は、がん細胞にトランスフェクトされ得、抗原を発現するトランスフェクトされた細胞自体は、ワクチンまたは治療薬として使用される。
いくつかの実施形態では、がんは、対象におけるPD1+T細胞のパーセンテージの上昇に関連している。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫など、PD-1標的薬物に一般的に応答するがんである。ある特定の実施形態では、がんは、腎細胞癌など、T細胞指向性免疫療法に一般的に応答するがんである。一実施形態では、がんは、PD-1陰性対PD-1陽性T細胞の比率を増加させることによって治療することができるがんである。
本明細書に開示の方法で治療することができるがんの例としては、骨がん、膵がん、皮膚がん、頭頸部がん、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管癌、子宮内膜癌、頸部の癌、膣癌、外陰部癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道がん、小腸がん、内分泌系がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、副腎がん、軟組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、慢性または急性の白血病、例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、小児固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱がん、腎臓または尿管のがん、腎骨盤癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されたものなど環境によって誘発されたがん、およびがんの組み合わせが挙げられる。
本明細書に開示の方法で治療することができる固形腫瘍の例としては、肝臓、肺、乳房、リンパ系、胃腸(例えば、大腸)、泌尿生殖管(例えば、腎細胞、尿路上皮細胞)、前立腺および咽頭に影響を与えるものなど、様々な器官系の悪性腫瘍、例えば、肉腫、腺癌、および癌腫が挙げられる。腺癌としては、ほとんどの大腸がん、直腸がん、腎細胞癌、肝がん、肺の非小細胞癌、小腸のがん、および食道のがんなどの悪性腫瘍が挙げられる。一実施形態では、がんは黒色腫、例えば、進行期黒色腫である。前述のがんの転移性病変はまた、本発明の方法および組成物を使用して、治療または予防することができる。
本明細書に記載の方法は、以下のがんのいずれかを治療するために使用することができる:
消化器/胃腸がん、例えば、肛門がん、胆管がん;肝外胆管がん;虫垂がん;カルチノイド腫瘍、消化器がん;大腸がん;小児結腸直腸がんなどの結腸直腸がん;小児食道がんなどの食道がん;胆嚢がん;小児胃(gastric)(胃(stomack))がんなどの胃(gastric)(胃(stomach))がん;成人(原発性)肝細胞(肝臓)がんおよび小児期(原発性)肝細胞(肝臓)がんなどの肝細胞(肝臓)がん;小児膵がんなどの膵がん;肉腫、横紋筋肉腫;膵島細胞膵がん;直腸がん;および小腸がん;
膵島細胞癌(内分泌膵臓)などの内分泌癌;小児副腎皮質癌などの副腎皮質癌;消化管カルチノイド腫瘍;副甲状腺がん;褐色細胞腫;下垂体腫瘍;小児甲状腺などの甲状腺がん;小児多発性内分泌腺腫症症候群;および小児カルチノイド腫瘍;
眼内黒色腫などの眼の癌;および網膜芽細胞腫;
ユーイングの腫瘍ファミリーなどの筋骨格系がん、骨肉腫/骨悪性線維性組織球腫;小児横紋筋肉腫;成人および小児の軟部肉腫などの軟部肉腫;腱鞘の明細胞肉腫;および子宮肉腫;
小児期および男性の乳がんなどの乳がんなどの乳がんおよび妊娠;
小児脳幹神経膠腫などの神経がん;脳腫瘍;小児小脳星状細胞腫;小児脳星状細胞腫/悪性神経膠腫;小児上衣腫;小児髄芽腫;小児松果体およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍;小児視覚経路および視床下部神経膠腫;他の小児脳がん;;副腎皮質癌;中枢神経系リンパ腫、原発性;小児小脳星状細胞腫;神経芽細胞腫;頭蓋咽頭腫;脊髄腫瘍;中枢神経系の異型奇形/ラブドイド腫瘍;中枢神経系胚性腫瘍;小児テント上原始神経外胚葉性腫瘍および下垂体腫瘍;
小児膀胱癌を含む膀胱癌などの泌尿生殖器癌;腎細胞(腎臓)がん;小児卵巣がんを含む卵巣がん;卵巣上皮がん;卵巣の低悪性度腫瘍;陰茎がん;前立腺がん;小児腎細胞がんを含む腎細胞がん;腎盂および尿管、移行上皮がん;精巣がん;尿道がん;膣がん;外陰がん;子宮頸がん;ウィルムス腫瘍および他の小児腎臓腫瘍;子宮内膜癌;および妊娠性絨毛腫瘍;
小児頭蓋外胚細胞腫瘍などの胚細胞がん;性腺外胚細胞腫瘍;卵巣胚細胞腫瘍;および精巣がん;
唇がんおよび口腔がんなどの頭頸部がん;小児口腔がんなどの口腔がん;下咽頭がん;小児喉頭がんなどの喉頭がん;潜在性原発を伴う転移性扁平上皮癌;口腔がん;鼻腔および副鼻腔がん;小児鼻咽頭がんなどの鼻咽頭がん;中咽頭がん;副甲状腺がん;咽頭がん;小児唾液腺癌などの唾液腺癌;咽喉がん;および甲状腺がん;
非小細胞肺がんなどの肺がん;および小細胞肺がん;
悪性中皮腫などの呼吸器がん、成人;悪性中皮腫、小児;悪性胸腺腫;小児胸腺腫;胸腺癌;小児気管支腺腫/カルチノイドなどの気管支腺腫/カルチノイド;胸膜肺芽腫;非小細胞肺がん;および小細胞肺がん;
カポジ肉腫などの皮膚がん;メルケル細胞癌;黒色腫;および小児皮膚がん;
AIDS関連悪性腫瘍;
他の小児がん、小児の異常ながん、原発部位不明のがん。また、前述のがんの転移は、本明細書に記載の方法に従って治療または予防することもできる。
本明細書に記載の方法は、血液がんまたは悪性腫瘍または前癌状態、例えば白血病またはリンパ腫を治療するために使用することができる。がんは、本明細書に記載のとおり、がん関連抗原の発現に関連するものであり得る。血液癌および悪性腫瘍としては、例えば、B細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(または急性リンパ芽球性白血病)(ALL)、成人および小児急性リンパ性白血病など;成人および小児の急性骨髄性白血病などの急性骨髄性白血病などの1つ以上の急性白血病;例えば、慢性骨髄性白血病(CIVIL)、慢性リンパ性白血病(または慢性リンパ性白血病)(CLL)などの1つ以上の慢性白血病が挙げられる。本明細書に開示の方法で治療することができる追加のがんまたは血液学的状態には、例えば、AIDS関連リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、皮膚T細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、毛様細胞性白血病、ホジキンリンパ腫(成人および小児期のホジキンリンパ腫および妊娠中のホジキンリンパ腫など)、小細胞または大細胞濾胞性リンパ腫、悪性リンパ増殖性疾患、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、骨髄異形成および骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性障害、真菌性真菌症、非ホジキンリンパ腫(成人および小児の非ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、妊娠中のホドキンリンパ腫など)、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、セザリー症候群、ワルデンストレームマクログロブリン血症、原発性中枢系リンパ腫、および骨髄性血液細胞の無効な産生(または異形成)によって統合された血液学的状態の多様なコレクションである「前白血病」などが挙げられる。さらに、本明細書に記載のがん関連抗原に関連する疾患の発現としては、これらに限定されないが、本明細書に記載のとおり、例えば、非定型および/または非古典的がん、悪性腫瘍、前癌状態、またはがん関連抗原の発現に関連する増殖性疾患が挙げられる。
ワクチンの有効性
いくつかの実施形態では、本発明は、患者の自然免疫応答および/または適応免疫応答の増加によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための本発明の方法および組成物は、患者のT細胞集団(例えば、CD4+および/またはCD8+T細胞集団)を維持および/または増加させることを含む。さらなる実施形態では、本発明の方法は、患者の抗原特異的抗体価(例えば、IgG、IgMおよびIgA)の増加または回復によって測定されたときに、加齢関連免疫老化の軽減を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者における抗原特異的抗体の力価レベルと比較して、抗原特異的抗体のより高い力価レベルによって測定されたときに、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答と比較して、患者の自然免疫応答の増加によって測定されたときに、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の適応免疫応答と比較して、患者の適応免疫応答の増加によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答および適応免疫応答と比較して、患者の自然免疫応答および適応免疫応答が増加する。
いくつかの実施形態では、本発明は、TLR5アゴニストを投与されなかった患者のT細胞集団と比較して、患者のT細胞集団(複数可)の増加および/または回復によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。例えば、さらなる実施形態において、CD4+エフェクターT細胞、CD8+エフェクターT細胞、CD4+メモリーT細胞、CD8+メモリーT細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、ナチュラルキラーT細胞、CD4+ヘルパー細胞(これらに限定されないが、Th1、Th2、およびTh17など)およびCD8+細胞傷害性細胞のうちの1つ以上から選択されるT細胞などの患者のT細胞は、TLR5アゴニストが投与されなかった患者のT細胞集団と比較して、増加および/または回復する。
より具体的には、いくつかの実施形態では、本発明は、患者のT細胞サブセットの増加および/または回復によって測定されるとおり、患者においてワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、T細胞は、Tヘルパー細胞(例えば、T細胞)である。さらなる実施形態では、Tヘルパー細胞は、マクロファージ、好中球、他のリンパ球、および他のサイトカインのうちの1つ以上を引き付けて、これらの細胞にさらに指示するサイトカインを分泌する。いくつかの実施形態では、CD4+Tヘルパー細胞は、Th1、Th2、Th17、Th9、およびTfhなどのいくつかのサブセットのうちの1つであり、各サブセットは異なる機能を有する。
いくつかの実施形態では、T細胞は、任意によりIL-2およびIFNγサイトカインを産生する細胞傷害性細胞である。さらなる実施形態では、これらのT細胞は、細胞傷害性CD8+T細胞(T細胞またはTキラー細胞としても知られている)である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法によって誘発されたメモリーT細胞は、長寿命であり、それらの同族抗原に再曝露されたときに、多数のエフェクターT細胞に拡大することができる。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は、患者の免疫系に、以前に遭遇した病原体に対するメモリーを提供する。さらなる実施形態では、メモリーT細胞集団としては、これらに限定されないが、組織常在メモリーT(Trm)細胞、幹メモリーTSCM細胞、および仮想メモリーT細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は、CD4+またはCD8+として分類され、CD45ROを発現する。いくつかの実施形態では、メモリーT細胞は、様々なサブセットにさらに分化される。例えば、いくつかの実施形態では、メモリーT細胞サブセットは、CD45RO、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)、L-セレクチン(CD62L)、およびCD44を発現できるセントラルメモリーT細胞(TCM細胞);CD45ROおよびCD44を発現するが、CCR7およびCD62Lの発現を欠くエフェクターメモリーT細胞(TEM細胞およびTEMRA細胞);インテグリンαeβ7に関連する組織常在メモリーT細胞(TRM);および仮想メモリーT細胞を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与量と比較して、ワクチン投与量の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与の頻度と比較して、ワクチン投与の頻度の減少によって測定されるとおり、患者におけるワクチン有効性を改善および/または増加させるための方法を提供する。
対象
本明細書で提供される方法は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物などの哺乳動物である患者に使用することができる。本発明の方法を使用して治療される非ヒト哺乳動物としては、家畜動物(すなわち、イヌ、ネコ、ネズミ、げっ歯目、およびウサギ目)および農業動物(ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ)が挙げられる。様々な例において、化合物または組成物が投与される個体は、加齢関連疾患または障害のリスクがある、それらを有する疑いがある、または加齢関連疾患または障害と診断された個体である。
本発明の様々な実施形態では、患者は、若年のヒト、中年のヒト、または高齢または老年のヒトである。例えば、いくつかの実施形態では、患者は、約18~約35歳、または約18~約30歳、または約18~約25歳、または約18~約20歳である。いくつかの実施形態では、患者は、約36~約55歳、または約40~約55歳、または約45~約55歳、または約36~約50歳、または約36~約45歳、または約36~約40歳、または約40~約50歳、または約45~約55歳である。いくつかの実施形態では、患者は、約56~約85歳、または約60~約85歳、または約65~約85歳、または約70~約85歳、または約75~約85歳、または80~約85歳、または56~約80歳、または56~約75歳、または56~約70歳、または56~約65歳、または56~約60歳、または約60歳~約80歳、または約65歳~約75歳である。いくつかの実施形態では、患者は、65歳以上である。
いくつかの実施形態では、患者は、約1歳、または約2歳、または約3歳、または約4歳、または約5歳、または約6歳、または約7歳、または約8歳、または約9歳、または約10歳、または約11歳、または約12歳、または約13歳、または約14歳、または約15歳、または約16歳、または約17歳、または約18歳、または約19歳、または約20歳、または約21歳、または約22歳、または約23歳、または約24歳、または約25歳、または約26歳、または約27歳、または約28歳、または約29歳、または約30歳、または約31歳、または約32歳、または約33歳、または約34歳、または約35歳、または約36歳、または約37歳、または約38歳、または約39歳、または約40歳、または約41歳、または約42歳、または約43歳、または約44歳、または約45歳、または約46歳、または約47歳、または約48歳、または約49歳、または約50歳、または約51歳、または約52歳、または約53歳、または約54歳、または約55歳、または約56歳、または約57歳、または約58歳、または約59歳、または約60歳、または約61歳、または約62歳、または約63歳、または約64歳、または約65歳、または約66歳、または約67歳、または約68歳、または約69歳、または約70歳、または約71歳、または約72歳、または約73歳、または約74歳、または約75歳、または約76歳、または約77歳、または約78歳、または約79歳、または約80歳、または約81歳、または約82歳、または約83歳、または約84歳、または約85歳である。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも55歳である。いくつかの実施形態では、患者は、少なくとも65歳である。
当業者は、「若年」、「中年」、および「高齢」または「老年」の定義に関する年齢範囲は、他の要因の中でもとりわけ、地理的地域に基づいて変化し得ることを企図するであろう。Petry,Gerontologist 2002年2月;42(1):92-9には、加齢に関連する定義について記載しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施形態では、患者の生物学的性別は、男性または女性である。実施形態では、患者の生物学的性別は、男性である。実施形態では、患者の生物学的性別は、女性である。
実施形態では、患者の生物学的性別は男性であり、患者は中年(例えば、約36~約55歳、または約40~約55歳、または約45~約55歳、または約36歳~約50歳、または約36~約45歳、または約36~約40歳、または約40~約50歳、または約45~約55歳、または約36~約64歳、または約40~約64歳、または約45~約64歳)である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、例えば、中年男性患者に適用可能であるように、1つ以上の虚弱および加齢関連疾患または障害の重症度を予防または軽減する。
本発明の様々な実施形態において、対象は患者である。いくつかの実施形態では、患者は中年のヒトである。例えば、いくつかの実施形態では、患者は約36歳~64歳である。さらなる実施形態では、患者の生物学的性別は、男性である。
本発明の様々な実施形態において、対象は患者である。いくつかの実施形態では、患者は、老年である。例えば、いくつかの実施形態では、患者は約65歳以上である。さらなる実施形態では、患者の生物学的性別は、男性である。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、患者は哺乳動物である。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、患者はヒトである。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、患者は男性である。
投与量、投与および医薬製剤
実施形態において、TLR5アゴニストの医薬調製物は、様々な方法で使用され、いくつかの実施形態では、この医薬調製物は、単位剤形であり得る。このような形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装された調製物であってもよく、包装は別々の量の調製物を含み、例えば、包装された錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤である。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、またはトローチ自体であるか、またはパッケージ化された形態のこれらのいずれかの適切な数であり得る。組成物は、所望であれば、他の適合性のある治療剤も含むことができる。いくつかの医薬調製物は、徐放性製剤中で本開示の化合物を送達することができる。
本発明によるTLR5アゴニストの場合、剤形は、任意により液体剤形であり得る。溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤またはポリソルベートなどの乳化剤と適切に混合された水中で調製することができる。分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、およびアルコールを含むまたは含まないそれらの混合物、および油で調製することもできる。通常の保管条件および使用条件下では、これらの調製物は、微生物の成長を防止するための防腐剤を含む。好適な製剤を選択および調製するための従来の手順および成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(2003-第20版)および米国薬局方:The National Formulary (USP24 NF19)(1999年に発行)に記載されている。製剤は、任意により、これらに限定されないが、緩衝剤、抗酸化剤、安定剤、担体、希釈剤、およびpH調整剤などの賦形剤を含む。注射可能な使用に好適である医薬形態としては、注射可能な滅菌溶液または分散液の即時調製のための滅菌水溶液または分散液および滅菌粉末が含まれる。許容される担体、賦形剤、または安定剤は、使用される投与量および濃度においてレシピエントに無毒であり、緩衝液、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸およびメチオニン;保存料(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清、アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンなどの他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);および/またはTWEEN、PLURONICSまたはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
治療において、TLR5アゴニストの用量は、任意により、対象の体重の約0.0001mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.15mg/kg~約3mg/kg、0.5mg/kg~約2mg/kg、および約1mg/kg~約2mg/kgの範囲である。他の実施形態では、用量は、対象の体重の約100mg/kg~約5g/kg、約500mg/kg~約2mg/kg、および約750mg/kg~約1.5g/kgの範囲である。例えば、疾患または障害の種類および重症度に応じて、約1μg/kg~15mg/kg(例えば、0.1~20mg/kg)の剤が、患者への投与(例えば、1回以上の別々の投与によるか、または継続注入による)の候補投与量である。典型的な1日投与量は、上記の要因に応じて、約1mg/kg~100mg/kg以上の範囲である。状態に応じて、数日以上にわたる反復投与では、疾患または障害の症状の所望の抑制が生じるまで治療を継続させる。しかし、他の投与量レジメンが有用であってもよい。単位用量は、例えば、約5mg~500mgの範囲、例えば、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、および300mgであり得る。治療法の進行は、従来の技術およびアッセイによって監視される。
いくつかの実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、約1μg/kg未満、例えば、約0.35~約1μg/kg~0.75μg/kgまたは約0.40~約0.60μg/kgの有効量(または用量)でヒト患者に投与される。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の用量は、約0.35μg/kg、または約0.40μg/kg、または約0.45μg/kg、または約0.50μg/kg、または約0.55μg/kg、または約0.60μg/kg、または約0.65μg/kg、または約0.70μg/kg、または約0.75μg/kg、または約0.80μg/kg、または約0.85μg/kg、または約0.90μg/kg、または約0.95μg/kg、または約1μg/kgである。様々な実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の絶対用量は、約2μg/対象~約45μg/対象、または約5~約40μg/対象、または約10~約30μg/対象、または約15~約25μg/対象である。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の絶対用量は、約20μg、または約30μg、または約40μgである。
様々な実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の用量は、ヒト患者の体重によって決定され得る。例えば、約0~約5kg(例えば、約0、もしくは約1、もしくは約2、もしくは約3、もしくは約4、もしくは約5kg)の小児ヒト患者のフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の絶対用量は2μgであり、約6~約8kg(例えば、約6、もしくは約7、もしくは約8kg)の小児ヒト患者では、約3μgであり、約9~約13kg(例えば、9、もしくは約10、もしくは約11、もしくは約12、もしくは約13kg)の小児ヒト患者では、約5μgであり、または、約14~約20kg(例えば、約14、もしくは約16、もしくは約18、もしくは約20kg)の小児ヒト患者では、約8μgであり、または、約21~約30kg(例えば、約21、もしくは約23、もしくは約25、もしくは約27、もしくは約30kg)の小児ヒト患者では、約12μgであり、または、約31~約33kg(例えば、約31、もしくは約32、もしくは約33kg)の小児ヒト患者では、約13μgであり、または、約34~約50kg(例えば、約34、もしくは約36、もしくは約38、もしくは約40、もしくは約42、もしくは約44、もしくは約46、もしくは約48、もしくは約50kg)の成人患者であり、約20μgであり、または、約51~約75kg(例えば、約51、もしくは約55、もしくは約60、もしくは約65、もしくは約70、もしくは約75kg)の成人患者では、約30μgであり、または、約114kgを超える(例えば、約114、もしくは約120、もしくは約130、もしくは約140、もしくは約150kg)成人患者では、約45μgである。
特定の実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、本明細書で提供される方法によるフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、皮下(s.c.)、静脈内(i.v.)、筋肉内(i.m.)、鼻腔内または局所的に投与される。本明細書に記載のフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の投与は、独立して、1日に1~4回または1ヶ月に1~4回または1年に1~6回または2、3、4または5年ごとに1回であり得る。投与は、1日または1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年、2年、3年の期間であってよく、ヒトの患者の生涯にわたって行ってもよい。投与量は、単回用量として投与することも、複数回用量に分割して投与してもよい。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(例えば、エントリモド)は、約1~約3回(例えば、1回、または2回または3回)投与される。いくつかの実施形態では、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)が1回投与される。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、1つ以上のサイクルで投与される。本明細書で提供される方法のある特定の実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、1回以上のサイクルで投与され、このサイクルは、患者に1回/日を1日または1回/日を2日間、または1回/日を3日間、または1回/日を4日間、または1回/日を5日間投与することを含む。本明細書で提供される方法の特定の実施形態では、TLR5アゴニスト、例えばフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、本明細書で提供される1つ以上のサイクルで投与され、1年に5サイクル以下が投与されるか、または、1年に3サイクル以下が投与されるか、または、1年に2サイクル以下が投与される。
本明細書では、TLR5アゴニスト、例えばフラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)の様々な投与様式が企図される。一実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)が非経口投与される。いくつかの実施形態において、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(例えば、エントリモド)は、注射、例えば、筋肉内注射によって投与される。いくつかの実施形態では、TLR5アゴニスト、例えば、フラジェリンまたはフラジェリンベースの剤(エントリモドなど)は、単一の筋肉内注射によるものである。いくつかの実施形態では、投与は、本明細書に記載のキットを使用して(例えば、単位剤形、例えば、プレロード(別名、プレドーズまたはプレフィルド)シリンジまたはペンニードルインジェクタ(注射ペン)を介して)達成される。
キット
本発明は、本明細書に記載の任意の剤の投与を単純化することができるキットを提供する。本発明の例示的なキットは、単位剤形で本明細書に記載の任意の組成物を含む。一実施形態では、単位剤形は、本明細書に記載の任意の剤および薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、またはビヒクルを含む、滅菌であり得るプレフィルドシリンジなどの容器である。キットは、本明細書に記載の任意の剤の使用を指示するラベルまたは印刷された指示書をさらに含むことができる。キットには、眼瞼鏡、局所麻酔薬、および投与場所用の洗浄剤が含まれていてもよい。キットはまた、本明細書に記載の1つ以上の追加の剤をさらに含むことができる。一実施形態では、キットは、有効量の本発明の組成物、および有効量の本明細書に記載されているような別の組成物を含む容器を含む。
定義
本明細書に記載の剤に関して、「調節する(modulate)」および「調節(modulation)」という用語は、応答のアップレギュレーション(すなわち、活性化または刺激)またはダウンレギュレーション(すなわち、阻害または抑制)を指す。「調節剤」は、調節する剤、化合物、または分子であり、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、活性因子、刺激因子、抑制因子、または阻害剤であり得る。本明細書で使用される「阻害する」、「減少させる」、除去するという用語は、発現、活性または症状における任意の阻害、低減、減少、抑制、ダウンレギュレーション、または予防を指し、活性または症状の部分的または完全な阻害を含む。部分的阻害は、例えば、阻害されていない発現、活性または症状の95%未満、90%未満、85%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満である発現、活性または症状のレベルを意味し得る。「消失させる」または「根絶する」という用語は、活性または症状の完全な減少を示す。
本明細書で使用される場合、「障害」または「疾患」という用語は、機能の任意の混乱または異常、疾患に起因する身体的または精神的状態を指す。Dorland’s Illustrated Medical Dictionary(W.B.Saunders Co.第27版1988年)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、任意の疾患または障害の「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、一実施形態では、疾患または障害を緩和すること(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発症を遅らせるか、阻止するか、または減少させること)を指す。別の実施形態では、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、患者によって識別できない可能性があるものを含む、少なくとも1つの物理的パラメータを軽減または緩和することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、物理的(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで、疾患または障害を調節することを指す。さらに別の実施形態では、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、疾患または障害の発症または発現または進行を予防することまたは遅延させることを指す。
本明細書で使用される「治療有効量」は、細胞、細胞の集団、組織、個体、患者などに少なくとも1つの望ましい変化を引き起こす(本明細書に記載の)化合物または組成物の量を意味する。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される治療有効量は、疾患もしくは障害もしくは状態の臨床的に重要な変化(例えば、少なくとも約30パーセント、少なくとも約50パーセント、または少なくとも約90パーセント減少させる)、または本明細書に記載の疾患もしくは障害もしくは状態の1つ以上の特徴を防止するかもしくは提供する(本明細書に記載の)化合物または組成物の量を意味する。
実施例
本開示は、以下の実施例においてさらに説明され、これらは、特許請求の範囲に記載される任意の発明(複数可)の範囲を限定するものではない。
実施例1:エントリモドとの同時投与により、ワクチン有効性を改善する
この実施例では、フラジェリンベースの剤を受けなかったワクチン接種マウスと比較して、ワクチン接種されたマウスの免疫応答を改善または増加させるための薬理学的フラジェリンベースの剤の使用について記載している。
具体的には、様々な年齢の雄マウスのワクチン有効性に対するエントリモドの影響を評価した。表1に示すとおり、若年(30週)、中年(73週)、および高齢(113週)の雄NIH Swissマウスの群に、Prevnar13肺炎球菌ワクチン(0.125μg)を単独で、または皮下投与により投与される0.1μg/マウスまたは1.0μg/マウスの用量のエントリモドと組み合わせて、ワクチン接種した。対照群では、エントリモドの代わりに対照用量のPBSを投与した。
Figure 2022546465000002
ワクチンのマウス用量は、Food and Drug Administration(FDA)のヒト用量当量表面積ベースの式(Haas,J Infect Dis.2014年1月1日;209(1):87-97、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を用いて決定した。すべての群のマウスは、実験の1日目にワクチン接種され、15日目に追加免疫注射を受けた。血清サンプルは、最初の免疫化前(「0日目」、ベースライン)および12日目および27日目に収集した。実験は27日目に終了し、その時点でマウスを安楽死させ、T細胞集団の分析のために脾臓を収集した。実験のタイムラインの概略図を図1に示す。
マウスの各群におけるワクチン接種の有効性を判定するために、市販のELISAキットを使用して肺炎球菌/Prevnar13特異的IgGおよびIgM抗体のレベルについて血清サンプルを試験し、その結果を図2に示す。肺炎球菌/Prevnar13特異的IgG(左パネル)およびIgM(右パネル)のレベルは、1日目の免疫後12日目または27日目に収集した(15日目に追加免疫が与えられた)血清サンプル中でELISAによって測定した。平均抗体価が示され、*はスチューデントのt検定によって決定された統計的有意差を示す。一致したPBS治療群とエントリモド治療群との他のすべての比較は、統計的に有意でなかった(P>0.3)。図中では、FLはこの実験のエントリモドと同義である。
Prevnar13ワクチンと一緒にエントリモドを投与しても、いずれの試験濃度でも老齢マウス(113週)で抗体産生の増幅は示さなかった。若齢(30週齢)マウスは、ワクチン接種に対してはるかに応答性が高く、非常に高い力価の特異的IgGおよびIgM(老齢動物で観察されたレベルの10倍)を産生したが、エントリモドの同時投与では、それ以上のいかなる増加も引き起こされなかった。しかし、中年(73週)のマウスコホートでは免疫応答の増加が検出された。中年マウスはすべて、Prevnar13ワクチンによる免疫化に応答したが、誘導された抗体の力価は非常に低く、老齢マウスによって産生された抗体価と同様であった。しかし、これらの抗体レベルは、エントリモドおよびワクチンの同時投与によって有意に増幅した(エントリモド0.1μg/マウスで治療した群では、IgGでは約7倍、IgMでは約2倍であった)。興味深いことに、この実験で試験を行った低濃度のエントリモド(0.1μg/マウス)は、高濃度(1.0μg/マウス)よりも効果的であった。
実施例2:エントリモドとの同時投与により、免疫応答のエフェクターが刺激される
この実験では、ワクチン接種に応答して活性化されたT細胞の数および表現型に対するエントリモド投与の影響を評価した。
初回免疫後27日目に処理されたマウスの脾臓を収集し、全脾臓細胞の単一細胞懸濁液を調製し、リンパ球およびT細胞マーカーに対する抗体で染色した。異なる細胞集団の絶対数およびパーセンテージは、フローサイトメトリーによって決定した。具体的には、100μL(1x10細胞)の細胞懸濁液を5mLのポリスチレン丸底チューブに分注した。次に、細胞をCD3e-BV421(クローン145-2C11、BD Biosciences、562600)、CD4-APC(クローンRM4.5、BD Biosciences、553051)、CD8-BB700(クローン53-6.7、BD Biosciences、566409)、およびCD44-BB515(クローンIM7、BD Biosciences、564587)、および生存率色素(LiveDead Fixable Aqua、ThermoFisher、L34957)で染色した。細胞を短時間ボルテックスすることによって混合し、光から保護しながら室温で20分間インキュベートした。染色後、赤血球を3mLのACK溶解バッファー(ThermoFisher、A1049201)で溶解し、室温で10分間インキュベートした。細胞を遠心分離によりペレット化し、上清を廃棄し、細胞を3mLの洗浄バッファー(1xDPBS+0.5%BSA)で洗浄した。洗浄した細胞を遠心分離によりペレット化し、上清を廃棄した。細胞ペレットを短時間ボルテックスすることにより再懸濁し、2%ホルムアルデヒドを含むPBS100μLで固定し、得るまで4℃で暗所に保存した。
LSRFortessa機器(Becton Dickinson,San Jose,CA,USA)でデータを得た。10万件のイベントが収集され、取得後に補償を実施した。FCSファイルは、WinListバージョン8.0ソフトウェア(Verity Software House)を使用して分析した。細胞は、単一のイベント(前方散乱領域対高さ)およびリンパ球(前方散乱領域対側方散乱領域)に基づいて階層的にゲートさせた。CD3+イベントが選択され、このCD4+およびCD8+T細胞から選択した。これらの集団の陽性率および絶対数を記録し、最後に、各T細胞サブセットのCD44発現および絶対数を記録した。
図3は、Prevnar13とエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時の113週齢のマウスの全脾臓細胞の単細胞懸濁液中のリンパ細胞の割合を示している。図4a~図4bは、Prevnar13とエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時の73週齢のマウスの脾臓細胞の単細胞懸濁液中のリンパ細胞の(a)割合および(b)総数を示している。図5a~図5eは、Prevnar13とエントリモド(0.1μg/マウスおよび1.0μg/マウス)またはPBSの同時投与時の30週齢のマウスの脾臓細胞の単細胞懸濁液中の様々なT細胞マーカー(例えば、CD8-、CD4+およびCD44+)の割合および数を示している。
実施例3:投与経路および製剤が異なるにもかかわらず、エントリモドおよびワクチンの同時投与により、ワクチン有効性が改善された
この試験の目的は、免疫刺激剤としてのエントリモドの影響が、使用される投与経路および/または製剤に依存するかを評価することであった。
ワクチンを単独で、または異なる投与経路および異なる製剤によって:ワクチンと混合して筋肉内注射により;皮下注射により;またはアジュバントと混合した皮下注射(Imject Alum,Thermo Scientific)により送達されたエントリモドと組み合わせて投与した場合の中年雄(73週齢)のNIHSwissマウスのTdapワクチンによる免疫化の有効性の比較を行った。
Boostrixは、使用されたTdapワクチンである。Boostrixは、破傷風、ジフテリア、および無細胞百日咳から保護するためにヒトで使用されるFDA承認ワクチンである。この実験では、承認されたヒト用量の4分の1でTdapワクチンをマウスに送達した。図6に免疫化スケジュールの概略図を示す。マウスは、実験の1日目に免疫化させ、32日目に追加免疫を受けた。血清サンプルは、0日目(ベースライン)、14日目、28日目、および46日目に採取した。
実験の過程で収集された血清サンプル中の破傷風特異的IgG抗体の力価は、ELISAによって測定した。図7に示すデータは、中年マウスのTdapワクチン接種が有効であり、ワクチンのみの投与と比較して、ワクチンと一緒にエントリモドを投与することにより、ワクチンの有効性が約2倍(一元配置分散分析によるP=0.015)増加したことを示している。また、エントリモドの有益な効果は、エントリモドの投与経路にも、アジュバントとしてのミョウバンの存在にも依存しないことが判明した。
エントリモドの皮下投与の3日後、7日後、または28日後にワクチンを投与した場合の、Prevnar13ワクチンによる老年雄(83週齢)マウスの免疫化の有効性を比較した。具体的には、83週齢のマウスは、0.3μgのエントリモドの皮下投与を受け、3日後、7日後、または28日後(「+(3)」、「+(7)」、「+(28)」)にPrevnar13ワクチンの接種を受けた。対照群は、ワクチンのみ(「(-)」と表示)またはエントリモドのみ(「+(0)」と表示)を受けた。すべての群は、初回ワクチン接種の14日後に追加免疫(ワクチンのみの注射)を受けた。血清は、初回ワクチン接種の14日後(追加免疫前)および追加免疫の14日後(追加免疫後)に収集した。IgG力価は、市販のIgGELISAキットを使用して測定した。図8には、対照群と比較した、+3日および+7日のワクチン投与群における追加免疫後の増加したIgG力価測定値を示す。
実施例4:老年患者におけるインフルエンザワクチンおよびエントリモドの同時投与の免疫原性、薬力学、および安全性
インフルエンザのワクチン接種を受けた老年集団(65歳以上)内のエントリモドの免疫原性、薬力学、および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単回投与、逐次群、用量範囲試験が実施される。
この試験の主な目的は3つ:(1)老年集団(65歳以上)におけるインフルエンザワクチンの免疫原性の増強に対するエントリモドの用量の増加の効果を評価すること;(2)インフルエンザのワクチン接種を受けた老年集団(65歳以上)内のエントリモドの安全性プロファイルの特徴を明らかにすること;および(3)免疫学的状態、フレイル指数(FI)および生活の質(QoL)に対するエントリモドの薬力学的効果を評価することである。
試験の全設定
合計100名の個体を4つの治療群(プラセボおよび3つの漸進的投与量のエントリモド群)のうちの1つにランダム化させる。
書面によるインフォームドコンセントを提供後、対象は、治験薬投与およびインフルエンザワクチン接種の前の7日以内に、病歴、検査値、バイタルサイン、試験施設、および心電図(ECG)評価のスクリーニングを受ける。
適格な対象は、インフルエンザワクチン接種(フルゾン、高用量スプリットビリオンインフルエンザウイルスワクチン、Sanofi Pasteur)および治験薬(エントリモドまたはプラセボ)の単回筋肉内(IM)注射を受ける。安全性評価のために、対象の3つの連続したコホートを、1μg、3μg、および10μgの漸進的に高いエントリモド用量レベルで登録させる。初回安全性評価は、各用量群内の最初の4名の対象(3名はエントリモドを受け、1名はプラセボを受ける)で行われる。1名以下の対象がワクチン接種後7日間にわたって用量制限毒性(DLT)を経験した場合、合計25名の対象(20名がエントリモドを受け、5名がプラセボを受ける)を登録することにより、その群の用量拡大を進める。用量漸増は、前の群の登録完了後、次の計画用量に段階的に進める。用量群内で2以上のDLTが観察された場合、それらの個体からの試験情報は非盲検化となる。DLTを呈した対象が、治験薬エントリモドで治療されたことが判明した場合、臨床試験倫理委員会が治験評価に従事し、対象の継続投与について決定を行う。
有害事象(AE)の重症度および該当する場合は検査室の異常を評価するために、ガイダンス(Guidance for Industry Toxicity Grading Scale for Healthy Adult and Adolescent Volunteers Enrolled in Preventive Vaccine Clinical Trials)を参照する。エントリモドの既知の安全性プロファイルに基づいて、インフルエンザ様症状が予想される。血圧の低下、心拍数の上昇、肝トランスアミナーゼの上昇、高血糖、および低リン血症が予想される。用量制限毒性(DLT)は、治験責任医師と独立した安全性モニターの健全な臨床判断に基づく、治療緊急有害事象(TEAE)または治療緊急検査値異常のいずれかとして定義される。
対象は、治験薬投与の日(1日目)に6時間以上(2時間、4時間、6時間)、その後1週目および4週目に、その後1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、12ヶ月目に試験センターで評価を行う。2ヶ月目~6ヶ月目および6ヶ月目~12ヶ月の間に、有害事象が報告され、呼吸器感染症の発生は、電話インタビューによって評価する。有害事象、バイタルサイン/酸素飽和度、臨床化学および血液学パラメータ、ECG、血漿サイトカイン、白血球、抗A/H1N1、抗A/H3N2、および細胞性免疫応答の結果を含む抗Bインフルエンザ血清循環抗体の判定は、薬物安全性、薬物動態、および免疫原性を説明するために実施される。
薬物投与試験
薬剤の剤形、強度、および安定性の試験
治験薬(エントリモドおよびプラセボ)は、現在の適正製造基準(cGMP)に基づいて製造される。
エントリモドは、筋肉内(IM)注射用の液体として、50μgのエントリモドを含む0.5mL(100μg/mLの濃度)の製剤を2mLのプレフィルド単回使用バイアルに入れて提供される。この製剤は、0.1%ポリソルベート80(Tween 80)を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。
一致するプラセボも提供される。プラセボは、有効薬物製剤(すなわち、0.1%Tween80を含むPBS)と同じ賦形剤組成を有し、同じタイプの2mL単回使用バイアル(バイアルあたり0.5mL)にフィルフィニッシュされている。
治験薬およびプラセボは-70±10℃で保存される。解凍後、治験薬は、冷蔵保存され、8時間以内に投与される。
薬物注射試験
治験薬(エントリモドまたはプラセボ)の単回IM注射は、ワクチン接種の1日目の朝に、各対象に投与される(同じ場所で、インフルエンザワクチンの1分以内に投与される)。適切な量の治験薬が、必要な数の治験薬バイアルから、10μLユニットでキャリブレーションさせた1mLツベルクリンシリンジに無菌で取り出される。治験薬は、シリンジから1.5インチの25ゲージニードルを介して90°の角度で、皮膚表面に肩峰突起と中腋窩線との間の三角筋に投与される。
用量のランダム化および割り当て
治験対象は、投薬コホート内でエントリモドまたはプラセボにランダム化させる。この目的は、同時に発生した対照者の群を提供して、エントリモドを受けた対象で観察された結果のコンテキストを提供することである。試験生物統計学者は、各投薬コホート内の対象の投薬割り当てを示すコード化されたランダム化リストを試験センターの薬剤師に提供する。対象および対象のケアに関与する試験センター担当者は、薬物の割り当て(エントリモド対プラセボ)の試験を行うことは知らされておらず、用量または注射量についても知らされていない。治験の探索的性質を考えると、治験依頼者は、治験薬の割り当てについて非盲検化であるが、対象の安全性または用量漸増の決定に必要な場合を除き、またはこれらに必要になるまで、この情報を治験センターの担当者に伝えることはない。
対象のコホートは、次第に高い開始用量レベルで逐次登録される。以下の用量レベルが計画されている:(1)用量レベル1:1μg;(2)用量レベル2:3μg;(3)用量レベル3:10μg。これらの用量は、1μg~50μgの用量範囲内であり、健康な対象および進行固形腫瘍を有する患者で以前に評価された用量の5分の1以上である。
腫瘍評価項目
免疫原性は、セロコンバージョンを達成した患者の割合としての主要評価項目として測定する。インフルエンザウイルスワクチンへのセロコンバージョンは、ワクチン接種前から30日目までの抗体価の4倍の増加、またはワクチン接種前から30日目の血清サンプルの抗体価の1:10未満~1:40以上への増加のいずれかによって定義される。
免疫原性は、(酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)または赤血球凝集阻害(HAI)アッセイ)を使用して評価したとき)抗A/H1N1、抗A/H3N2、および抗Bインフルエンザウイルス株の血清循環抗体レベルの変化によって主要評価項目としても測定される。
安全性は、治療緊急有害事象(TEAE);検査値異常;酸素飽和度およびバイタルサインの変化、有害な心電図(ECG)の所見としての主要評価項目として測定される。
副次評価項目
評価項目インフルエンザワクチン接種に対する薬力学および細胞性免疫応答は、副次評価項目として評価される。例えば、これらの副次評価項目は、以下のとおり測定される:(1)(対象の自己報告によって示される)インフルエンザウイルス感染症など(これらに限定されない)の上気道感染症の発症までの時間および数;(2)エントリモドの活性の薬力学的指標としてのIL-6およびG-CSF(ELISAを使用して測定)などの(これらに限定されない)循環血漿サイトカインの濃度の変化:(3)Meso Scale Discovery、V-PLEX炎症誘発性パネルヒト免疫測定キットによって検出されたインフルエンザ(A/H1N1、A/H3N2およびB)ウイルス刺激の0時間後および24時間後のPBMC培養上清中の適応免疫機能の10のサイトカイン/ケモカイン媒介因子(IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p70、IL-13およびTNF-α)への変化;(4)インフルエンザウイルス特異的IFN-γELISPOTアッセイキット(R&D Systems)を使用した、ワクチン接種後の細胞性免疫(CMI)のマーカーとしてのIFNγ陽性細胞の定量化の変化;(5)エントリモドおよびプラセボを受けた個体のフレイル指数(FI)および生活の質(QoL)(患者の自己申告質問票からの測定として)との比較。
統計的方法
適切なデータ分析セットが定義されている。完全な分析セットには、ランダム化されたすべての対象からのデータを含む。安全性分析セットには、治験薬(エントリモドまたはプラセボ)を受けたすべてのランダム化された対象のデータを含む。評価可能な分析セットが定義され、目的の特定のパラメータについて解釈可能な結果を提供するために必要なベースラインおよび試験測定値(on-study measurement)を有する対象からのデータが含まれている。
データは、治験薬の割り当て(エントリモドまたはプラセボ)、用量レベル、および時点ごとに記述し、要約している。適宜、ベースラインからその後の各時点への変化が記載され、要約されている。同様に、適宜、試験中のベースラインからの最も極端な変化が記載され、要約されている。シフトテーブルまたはグラフによる手法(棒グラフ、線グラフなど)は、そのような方法が適切で、情報が得られる場合に使用される。記述的要約には、サンプルサイズ;平均;標準偏差;連続変数および数の平均、中央値、最小値、および最大値の95%信頼区間(CI);パーセンテージ;およびカテゴリ変数のパーセンテージの95%CIが含まれる。
欠落データを扱う方法が指定されていない限り、分析は観測データに基づく。有意な程度の非正規性がある場合は、適宜、対数変換されたデータに対して分析を実行するか、ノンパラメトリック検定を適用してもよい。
統計的検定は、名目上の0.05レベルの有意性で両側検定が行われる。本試験の探索的性質を考えると、多重比較の調整は適用されない。
完全な分析セットに基づいて、対象の人口統計、併存症、治療歴、および他のベースライン特性に関する情報が記載されている。
治験薬投与、併用薬の使用、支持療法の使用、AE、検査値異常、バイタルサイン/酸素飽和度、体重、ウイルス学データ、生活の質、およびフレイル指数の状態が記載され、要約されている。安全性分析のために、AEは、Medical Dictionary for Regulatory Activities(MedDRA)を使用して分類される。AE重症度は、ガイドライン(Guidance for Industry Toxicity Grading Scale for Healthy Adult and Adolescent Volunteers Enrolled in Preventive Vaccine Clinical Trials)に従って、治験担当者によって評価される。併用薬の使用は、the World Health Organization Drug Dictionary(WHODRUG)を使用して解剖治療化学分類(Anatomical Therapeutic-Chemical classification、ATC)コードにコード化されている。これらのデータの説明は、特に、任意の試験-試験によって誘発された(study-study-induced)副作用およびGVHDの治療法に応答して提供される支持薬物療法およびケアに焦点を合わせている。QT間隔のECG評価では、Bazett法およびFridericia法の両方による補正が適用され、データは、絶対QTcおよびベースラインからの最大QTc変化の観点からCTCAEグレーディングカテゴリによって要約されている。
薬力学的測定値は、適切なグラフおよび表形式法を使用して列挙され、要約されている。薬力学的パラメータを評価する統計分析は、共分散分析(ANCOVA)のコンテキストで対比を使用して実施している。
上気道感染イベントの数、発症までの時間、および活動性ウイルス感染の時間の長さは、適切な表形式法を使用して記録され、治験薬およびプラセボ群間の統計的ANCOVAに基づいて分析される。
適切な回帰または層別化手法を使用して、対象の特性(例えば、性別、人種、年齢、体重、用量)および結果測定値(例えば、薬力学的パラメータ)との関連を調べる。同様に、結果測定値間の関連(例えば、薬力学的パラメータ間の関係)を評価する。
均等物
本出願は、一般に、本発明が関係する技術内の既知のまたは慣習的な慣行の範囲内にあるように、前述の本質的な特徴に適用される可能性があるように、添付の特許請求の範囲において以下のように、本開示からの逸脱を含む、本発明の原理に従い、本発明の任意の変形、使用、または適合を網羅することを意図している。
当業者であれば、日常的な実験のみを使用して、本明細書に具体的に記載された特定の実施形態と同等のものを多数認識するか、または確認することができるであろう。そのような同等物は、以下の特許請求の範囲に含まれることを意図している。
参照による組み込み
本明細書で参照されるすべての特許および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で論じられている刊行物は、本明細書の出願日の前にそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書のいかなるものも、本発明が先行発明のおかげでそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
本書で使用されるとおり、すべての見出しは単にまとめるためのものであり、いかなる方法でも開示を制限することを意図するものではない。個々のセクションの内容は、すべてのセクションに等しく適用され得る。
本書で使用されるとおり、すべての見出しは単にまとめるためのものであり、いかなる方法でも開示を制限することを意図するものではない。個々のセクションの内容は、すべてのセクションに等しく適用され得る。

Claims (49)

  1. 患者におけるワクチン有効性を改善する方法であって、それを必要とする患者に、組換えまたは合成TLR5アゴニストおよび障害に対する免疫応答を刺激する抗原を投与することを含み、
    前記組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者の前記免疫応答と比較して、前記免疫応答が、前記患者において増強または促進される、方法。
  2. 患者におけるワクチン有効性を改善する方法であって、それを必要とする患者に、障害に対する免疫応答を刺激する抗原を投与することを含み、前記患者は、組換えまたは合成TLR5アゴニストを受けたか、または受けており、
    前記組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者の前記免疫応答と比較して、前記免疫応答が、前記患者において増強または促進される、方法。
  3. 患者におけるワクチン有効性を改善する方法であって、それを必要とする患者に、組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与することを含み、前記患者は、障害に対する免疫応答を刺激する抗原を受けたか、または受けており、
    前記組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者の前記免疫応答と比較して、前記免疫応答が、前記患者において増強または促進される、方法。
  4. 前記患者が前記抗原を投与される前に、前記免疫応答が増強または促進される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記患者への前記抗原の投与後に、前記免疫応答が増強または促進される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記患者が免疫老化する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記患者が免疫系障害を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者が免疫無防備状態である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記患者が中年である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記患者が、約36歳~約64歳である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記患者が老年である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記患者が約65歳以上である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記患者が、加齢関連免疫系障害を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記患者の生物学的性別が、雄である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記患者の前記生物学的性別が、雌である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記TLR5アゴニストがエントリモドまたはその誘導体である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記TLR5アゴニストが、配列番号1であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記TLR5アゴニストが、配列番号4に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記TLR5アゴニストが、配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2~3、5~26、および28のうちの1つに対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項16に記載の方法。
  22. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2~3、5~26、および28のうちの1つのアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者における抗原特異的抗体の力価レベルと比較して、抗原特異的抗体の前記力価レベルが高い、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者における抗原特異的抗体の前記力価レベルと比較して、抗原特異的抗体の前記力価レベルが、少なくとも約2倍高い、請求項23に記載の方法。
  25. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答と比較して、前記患者の前記自然免疫応答が増加する、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者の適応免疫応答と比較して、前記患者の前記適応免疫応答が増加する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者の自然免疫応答および適応免疫応答と比較して、前記患者の前記自然免疫応答および前記適応免疫応答が増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者のT細胞集団と比較して、前記患者の前記T細胞集団(複数可)が増加および/または回復する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記TLR5アゴニストを投与されなかった患者の前記T細胞集団と比較して、CD4+エフェクターT細胞、CD8+エフェクターT細胞、CD4+メモリーT細胞、CD8+メモリーT細胞、CD4+セントラルメモリーT細胞、CD8+セントラルメモリーT細胞、ナチュラルキラーT細胞、CD4+ヘルパー細胞、およびCD8+細胞傷害性細胞のうちの1つ以上から選択されるT細胞などの患者のT細胞が、増加および/または回復する、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与量と比較して、前記方法が、前記ワクチン投与量の減少をもたらす、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記組換えまたは合成TLR5アゴニストを投与されなかった患者のワクチン投与の頻度と比較して、前記ワクチン投与の前記頻度の減少をもたらす、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記抗原が、生きている、弱毒化され、死滅され、不活化され、およびトキソイド感染性剤から選択される感染性剤の構成要素である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記抗原が、破傷風、ジフテリア、百日咳、および肺炎球菌細菌種によって引き起こされる侵襲性感染症から選択される疾患および/または障害に関連する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 肺炎球菌細菌種によって引き起こされる前記侵襲性感染症が、肺炎または髄膜炎である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記疾患および/または障害が、破傷風、ジフテリアおよび/または百日咳である、請求項33に記載の方法。
  36. 前記抗原が、ウイルス感染に関連している、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記ウイルス感染がインフルエンザである、請求項36に記載の方法。
  38. 前記抗原が、腫瘍細胞、損傷DNAを有する細胞、および老化細胞のうちの1つ以上に関連する、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記組換えTLR5アゴニストが、約0.5μg~約15μgの用量で投与される、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記組換えTLR5アゴニストが、アジュバントと共に投与されない、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記アジュバントが、ミョウバン、AS04、AS03、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、および硫酸アルミニウムカリウムのうちの1つ以上から選択される、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 患者において、ワクチン有効性の改善に使用するためのTLR5アゴニストであって、前記TLR5アゴニストが、組換えTLR5アゴニストと、障害に対する免疫応答を刺激する抗原とを含み、
    前記患者において、前記免疫応答が増強または促進される、TLR5アゴニスト。
  43. 老年および免疫老化患者におけるワクチン有効性を改善する方法であって、前記方法が、それを必要とする前記老年および免疫老化患者に、組換えTLR5アゴニストおよび障害に対する免疫応答を刺激する抗原を投与することを含み、
    前記組換えTLR5アゴニストを投与されなかった患者の前記免疫応答と比較して、前記患者において、前記免疫応答が増強または促進され、
    前記組換えTLR5アゴニストを投与されなかった老年患者における予想される加齢関連反応と比較して、ワクチンの有効性が改善される、方法。
  44. 前記患者が、約65歳以上である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記患者が、加齢関連免疫系障害を有する、請求項43に記載の方法。
  46. 前記患者の生物学的性別が、雄または雌である、請求項43に記載の方法。
  47. 前記TLR5アゴニストが、エントリモドまたはその誘導体であり、
    前記TLR5アゴニストは、配列番号1であるアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するか、または配列番号1であるアミノ酸配列であるポリペプチドを含む、請求項43に記載の方法。
  48. 前記TLR5アゴニストが、配列番号4のアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するか、または配列番号4のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項43に記載の方法。
  49. 前記TLR5アゴニストが、配列番号2~3、5~26、および28のうちの1つのアミノ酸配列に対して少なくとも95%の配列同一性をアミノ酸配列を有するか、または配列番号2~3、5~26、および28のうちの1つのアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、請求項43に記載の方法。
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