JP2022546427A - 組換え絨毛性性腺刺激ホルモン、その調製のための方法、医薬組成物、及び使用 - Google Patents

組換え絨毛性性腺刺激ホルモン、その調製のための方法、医薬組成物、及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、グリコシル化部位を含む1つ又は複数の配列に連結した、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモンのベータ鎖及びアルファ鎖をコードするアミノ酸配列を有し、その結果、優れたin vitro及びin vivo活性をもたらす、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドに関する。組換えポリペプチドをコードするDNA分子もまた教示され、これらのDNA分子を含む発現ベクター、組換えタンパク質を含む組成物、及びそれらを調製する方法もまた開示される。【選択図】なし

Description

[001]ウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(eCG)は、妊娠しているウマの子宮内膜杯によって産生されるホルモンである(Christakos及びBahl、1979)。以前は妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMSG)として知られていたこのホルモンは、家畜事業において人工受精前に排卵を誘導するために一般的に使用される。eCGは、2つのα及びβヘテロ二量体鎖から構成される高度にグリコシル化された糖タンパク質である。アルファサブユニットは全ての糖タンパク質ホルモン(LH、FSH、TSH、CG)に共通する一方、ベータサブユニットは各ホルモンに特異的であり、受容体結合の特異性を担うが、GCの場合、ベータサブユニットはLHと同じ受容器に結合する。ウマ科(ウマ、ロバ、シマウマ)では、胎盤性CG及び下垂体LHは、同じ遺伝子から発現し、したがって同じタンパク質配列を有し、特にベータサブユニットに位置する炭水化物側鎖のみが異なるため、胎盤性CG及び下垂体LHをeLH/CGと称すことがコンセンサスにもなっている(Shermanら、1992)。
[002]eLH及びeCGは、上に記載したように同じ遺伝子によってコードされ、アルファサブユニットにおける2つのN-グリコシル化に加えて、ベータサブユニットにO-グリコシル化C末端伸長とN-グリコシル化とを有するが(Murphy及びMartinuk、1991)、異なる組織において発現及び分泌される場合、eLH及びeCGは炭水化物側鎖のN及びOの点で大きく異なり(Smithら 1993、Matsuiら 1994、Bousfield及びButnev 2001)、このことは、eLHと比較して長いeCGの半減期(Klettら、2003)、及び異なる熱安定性(Galetら、2004)に起因するin vivoにおける異なる生物学的能力をeLH及びeCGに与える。
[003]eCGの生産は、現在、妊娠40~130日の間の、ホルモンを分泌する妊娠しているウマを出血させることによって実施される(Allen及びMoor、1972)。eCGは、精製、製剤化、及び調節後に販売され、とりわけ雌ヤギ、ウシ、及びブタの発情を人工的に誘導するために使用される。eCGは、家畜産業における使用のための2つの顕著な特徴を有し、ウマにおいて生じる、黄体活性のみを有する事象とは異なり、他の種では卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の両方の活性を有し、他方、その四次構造及び複数のグリコシル化部位のために、上昇した血流における半減期を有する(Stewartら、1976;Combarnousら、1981)。
[004]現行の生産手順は、抽出ホルモンの生産及び精製に関連する、とりわけ動物の維持費及び医療費に関連する全ての問題、並びに最終製剤の純度を最大化することにおける困難を有する。したがって、代替的な生産方法を開発可能であることは非常に重要である。
[005]本発明者らは、脳下垂体によって分泌されるeLHと栄養膜細胞によって分泌されるeCGとの生物活性の差が、基本的には、グリカンの長さ及びシアリル化の差に起因し得るということを認識している。加えて、組換えタンパク質産生系における十分なグリコシル化の不足が、これまでのところ、in vivoにおける生物活性を示すのに十分な血漿半減期を有する組換えeLH/CGを妨げていることも明らかである。
[006]GaletらがMolecular and Cellular Endocrinology 174(2000)31~40ページに発表した「Expression of a single BETA ALPHA chain protein of equine LH/CG in milk of transgenic rabbits and its biological activity.」という文献は、リンカーの付加を伴わないベータ/アルファ鎖融合タンパク質のコンストラクトを教示している。前記コンストラクトはトランスジェニックウサギの乳において発現する。取得されるタンパク質は、天然タンパク質と類似したin vitro活性を有するが、in vivoでは活性を有せず、産生される組換えホルモンの半減期は非常に短い。
[007]他方、MIN Kwan-Sikらは、Journal of Reproduction and Development、第50巻、第3号、2004年に発表した「Biological Activities of Tethered Equine Chorionic Gonadotropin (eCG) and Its Deglycosylated Mutants.」において、グリコシル化を減少する変異を伴う及び伴わない、CHO-K1細胞におけるベータ及びアルファ鎖の融合を証明し、アルファ及びベータ鎖を融合するためにいかなるリンカーも使用していない。これらの研究者は、LH活性とFSH活性の両方に関して、in vitro活性(細胞培養)のみを評価し、in vitro活性はグリコシル化していない変異体においてより低い。研究者らは活性なホルモンを得ているが、活性なホルモンはin vitroのみである。
[008]ベータ及びアルファ鎖の発現をSF9及び模倣昆虫細胞(5つの付加されたグリコシルトランスフェラーゼを有するSF9)において別個に示す、「Biological activities of recombinant equine luteinizing hormone/chorionic gonadotropin (eLH/CG) expressed in Sf9 and Mimic insect cell line」、Legardinierら、Journal of Molecular Endocrinology(2005)34、47~60ページにおいて報告されている組換えホルモンを取得する試みもまた不首尾であった。Sf9及び模倣細胞において産生された2つのeLH/CGは、LH及びFSHのin vitroバイオアッセイにおいて活性であり、eCGと類似した効力を有したが、卵胞刺激ホルモン(FSH)としてもeCG特異的アッセイにおいても有意なin vivo生理活性を呈しなかった。模倣細胞において産生された組換えeLH/CGは、Sf9細胞において産生された組換えeLH/CGよりも多くグリコシル化されているが、炭水化物鎖の不十分な末端シアリル化が血液からの急速な消失を引き起こしたため、in vivo活性において差を有しなかった。
[009]別のグループは、「Expression and bioactivity of a single chain recombinant equine luteinizing hormone (reLH).」、Jablonka-Shariffら、Theriogenology 67(2007)311~320ページにおいて、いかなるリンカーも使用しないベータ及びアルファ鎖の融合を報告している。発現はCHO-K1細胞において行われる。彼らは、in vitro(ライディッヒ細胞によるテストステロン産生)及びin vivoにおけるLH活性を記載し、ウマにおけるテストステロン産生のピークによってもLH活性を記載している。しかしながら、彼らはFSH活性の存在を示していない。研究者らは、下垂体において産生されるLHが栄養膜細胞において産生されるGCよりもグリコシル化されていないこと、彼らが得る組換え産物(reLH)がeCGよりもeLHに類似していることを認識し、したがって、CHO細胞がeCG合成に必要とされる適切なグリコシルトランスフェラーゼ活性を欠くと論じている。
[0010]最後に、Sogayarらは、国際公開第2017/112987号において、CHO dg44細胞の形質転換(Jablonka-Shariffに記載されている融合を用いた、dhfr遺伝子がノックアウトされたCHOK1株)、CHO dg44細胞の選択、並びに組換えグリコシル化eCGの高産生クローンの増幅及び選択を報告している。彼らは、形質転換されたCHO細胞がグリコシル化に関与する全ての酵素を発現し、そのためにeCGがin vitro並びにin vivo(ラット及びウシ)において活性となり得ると評価する。しかしながら、提唱された手順は、栄養膜細胞と類似したプロファイルを有する、偶発的にグリコシル化するある特定のクローンの選択を必要とし、結果として、前記クローンの安定性は、大規模生産のための前記戦略の有用性を相対的なものにする。
[011]そのため、本発明者らは、受容体に対するeLH/CGの親和性を変化させることなく、eLH/CGが、組換え発現系において翻訳後により効率的にグリコシル化される可能性を高め、eLH/CGの流体力学的体積を増加させ、結果としてin vivoにおける生物活性を高めるために、eLH/CGの構造を改変することを決定した。
[012]本発明は、グリコシル化部位を含む1つ又は複数の配列に連結している、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモンのベータ鎖及びアルファ鎖をコードするアミノ酸配列を有することを特徴とする、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドに関する。
[013]好ましい一実施形態では、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、及び配列番号10からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。
[014]組換えポリペプチドをコードするDNA分子もまた、本出願の関連する実施形態である。特に、配列番号1、配列番号3、配列番号5、及び配列番号7からなる群から選択される配列を有するDNA分子。
[015]これらのDNA分子を含む発現ベクターもまた、本出願の対象である。
[016]一実施形態では、これらのポリペプチドは医薬組成物の一部である。
[017]これらの組換えタンパク質及び組成物は、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ウサギ、シカ、ヤギ、及び実験動物等の哺乳動物における、過剰排卵、排卵不全、卵巣発育障害、分娩後発情の誘導、又は睾丸機能低下症(hypoorchidia)等の哺乳動物の生殖又は排卵に関連する状態の治療のための医薬の製造に有用である。
[018]別の実施形態は、ベクターをトランスフェクトするステップ、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドをCHO細胞において発現させるステップ、及び任意選択で、免疫親和性によって組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドを精製するステップによる、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドを製造する方法に言及する。
種々のリンカーによって連結されたベータ/アルファ融合タンパク質のバリアントを取得することを可能にする発現ベクターを示す図である。 in vitroにおける性腺刺激生物活性(FSH)の測定結果を、eCGに対する典型的な用量応答曲線として示すグラフである。 in vitroにおける黄体刺激生物活性(LH)の測定結果を、hCGに対する用量応答曲線として示すグラフである。 HEK293T細胞において発現させたコンストラクトのin vitro生物活性測定結果を示すグラフである。 HEK293T又はCHOK1細胞において発現させたコンストラクトのin vitroにおけるFSH生物活性の測定結果を示すグラフである。 HEK293T又はCHOK1細胞における発現産物の上清の分析を示す図である。10%非変性アクリルアミドゲルを示す。各レーンには17μgの総タンパク質を播種した。H系列はHEKによって合成されたものであり、C細胞はCHOK1におけるものである。BSA 5μg及びPMSG 0.25IU。17μgの質量に相当する単位は、2H(pCG2)では4IU、5H(pCG5)では7.2IU、8H(pCG.8)では4.5IU、10H(pCG10)では1.4IU、5C(pCG5)では0.55IU、8C(pCG8)では0.22IUであった。 安定にタンパク質を産生するクローンのin vitroにおけるFSH生物活性の測定結果を示すグラフである。 免疫親和性によって精製されたreCGタンパク質の分析を示す図である。播種したeCGパターンは、クマシー及びウェスタンを用いた染色に対して10及び1μgであり、コンストラクト#5及び#8は、同じ条件で3.5及び0.5μg添加した。 安定なクローン5G及び8Fのin vitroにおけるFSH及びLH生物活性の測定結果を示す図である。 ウシの野外試験における、プロゲステロンを含有するデバイスを用いた投与期間中の卵胞の数の測定結果を示すグラフである。P4を含有するデバイスを除去する前の期間における、eCG(天然、n=13)又はreCG(n=14)を投与したウシにおける、卵胞サイズ及び投与の日数に応じた卵胞の数(平均)(P>0.1)。 ウシの野外試験における、プロゲステロンを含有するデバイスの除去後の卵胞の数の測定結果を示すグラフである。P4を含有するデバイスを除去した後の、eCG(天然、n=13)又はreCG(n=14)を投与したウシにおける、卵胞サイズ及び投与の日数に応じた卵胞の数(平均)(P>0.1)。 デバイスの除去後の卵胞の数の測定結果を両投与群のP4レベルと共に示すグラフである。
eCGアルファ-ベータ融合タンパク質の組換えバリアントの取得
[031]eCGの血漿半減期を増加させるためのグリコシル化部位の付加を伴う、eCGの一本鎖組換えアルファ/ベータ鎖(reCG)の製造を本明細書に記載する。一本鎖の構築は、リンカーとしての複数のグリコシル化部位の配列の導入を可能にし、サブユニットの会合/解離の問題を回避する。
[032]これを行うために、複数のO-グリコシル化又はN-グリコシル化部位を有する2つの配列を付加することによって、遺伝子配列を改変した。O-グリコシル化配列は、ベータ鎖に特徴的であり、カルボキシ末端ペプチド(CTP)に存在することを特徴とし、N-グリコシル化配列は、哺乳動物におけるN-グリコシル化のコンセンサス配列から設計され、アミノ(N)末端ペプチドにおいて使用されることから、本発明者らはCTPに対してNTPと称す。
[033]種々のリンカーの機能性を評価するために、図1に記載する様々なコンストラクトを含む発現ベクターを調製した。これらのバリアントのそれぞれのヌクレオチド及びアミノ酸配列を添付の配列表に示す。
[034]配列番号1はNTP-ベータCTP-NTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#2)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号2はそのアミノ酸配列に対応する。配列番号3はNTP-ベータCTP-CTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#5)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号4はそのアミノ酸配列に対応する。配列番号5はNTP-ベータCTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#8)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号6はそのアミノ酸配列に対応する。配列番号7はNTP-ベータ-NTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#10)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号8はそのアミノ酸配列に対応する。配列番号9はCTP-ベータCTP-CTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#6)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号10はそのアミノ酸配列に対応する。配列番号11はベータCTP-CTP-アルファをコードするコンストラクト(コンストラクト#4)のポリヌクレオチド配列に対応し、配列番号12はそのアミノ酸配列に対応する。
競合ELISAによりeCGを決定する方法の開発
[035]捕捉抗体(Ab)は、Syntexによって提供されるウサギ抗eCGポリクローナル抗体である。特異的免疫グロブリンは、CLアガロースと共有結合したeCG親和性カラムを用いた精製によって取得した。トレーサーは、アルコキシアミン-PEG12-ビオチンを用いたシアル残基のビオチン化によって取得した。
[036]アルカリストレプトアビジンホスファターゼ(Strp-FA)を使用して、試料又は標準曲線に存在する非解離Biot-eCGを定量した。
[037]試験は96ウェルELISAプレートにおいて実施し、標準曲線はStd1 eCG Syntex標準物質を用いて構築した。アルカリホスファターゼ濃度は、100mMトリスpH9.2、1mM MgCl2中、4-ニトロフェニルリン酸を基質として使用して決定する。405nmで読み取る。アッセイのダイナミックレンジは20~0.16ng/ウェルである。
in vitro性腺刺激(FSH)生物活性決定試験
[038]HEK293T細胞に、ウシFSHホルモン受容体導入遺伝子及び選択抗生物質ネオマイシンを保有するプラスミドをトランスフェクトした。抗生物質耐性を選択し、耐性クローンを増幅した後、bFSH受容体の発現を、特異的結合を裏付ける競合因子としてのINAMEによって提供される1IUの標準物質の存在又は非存在下で、125I-FSHと結合させることによって確認した。
[039]リガンドと高親和性で結合し、この結合がセカンドメッセンジャーcAMPを合成する応答を生じたFSH受容体を発現したクローンに、CREプロモーター(pGL4 Promega)下のルシフェラーゼレポーターコンストラクトをトランスフェクトした。cAMPの存在下でこのコンストラクトを有する細胞は、セカンドメッセンジャーの量に比例してルシフェラーゼを産生する。酵素ルシフェラーゼは、ATP+O2の存在下でルシフェリンを代謝産物と光に変換する。この発光は、系の全体が組織化される場合、卵胞刺激活性を有する分析物の濃度に比例する。試験のダイナミックレンジは12.5~0.4mU/チューブである。
[040]in vitro生物活性の典型的な用量応答曲線を図2に示す。
in vitro黄体刺激生物活性決定試験
[041]マウスライディッヒ細胞株は、LH受容体を恒常的に発現し、性腺刺激前に、cAMP産生及びプロゲステロン分泌と応答する。現行の株を、LH/hCGに対する応答の部分的喪失に基づいて再クローニングし、hCGに対する最も高い応答を有するクローンを選択し、そのクローンに、FSH活性アッセイHEK細胞と同様に、CRE-Lucレポーター遺伝子をトランスフェクトした。
[042]試験は、コラーゲンでコーティングしたP96プレートにおいて、ウェル1つ当たり25,000個の細胞を蒔き、48時間プレインキュベートすることによって行い、次いで標準曲線のhGC又は試料を添加し、インキュベーションを3時間継続する。刺激時間が経過した後、培養培地を除去し、試薬を添加して、以前の試験と同様にルシフェラーゼ活性を決定する。試験のダイナミックレンジは50~0.8mIU/ウェルである。
[043]hCGに対する典型的な用量応答曲線を図3に示す。
in vivo生物活性決定試験
[044]欧州薬局方第9版(Eh.Ph.9)、分析標準物質としての獣医学使用に関するウマ絨毛性性腺刺激ホルモン専攻論文を使用して、試料を分析した。
[045]天然又は組換えのウマ絨毛性性腺刺激ホルモン(eCG)の存在、及びその結果としての生物活性(FSH)は、産物を注射した未成熟雌ラットにおいて、卵巣の質量の増加を引き起こすはずである。この増加は、投与後に取得される一対の卵巣の平均重量を、無投与の一対の卵巣の平均重量(ベースライン重量)に対して比較することによって決定する。本研究に使用した系統(Sprague Dawley(sd))の一対の卵巣のベースライン重量は、25mg未満である。
[046]方法:0.2mLの試料を、選択されたラットに皮下注射した。
[047]注射は、初回注射の18、21、24、42、及び48時間後に繰り返した(溶液は冷蔵庫に保管した)。動物を最終注射の40時間以上72時間以下後に屠殺した。その後、脂肪、癒着物、及び卵管を各動物から分離して卵巣を摘出し、最後に、各投与ラットの両方の卵巣の重量を測定した。
[048]動物のハンドリング、注射、屠殺、卵巣の摘出、洗浄、及び重量測定の全ては、これらの方法及び動物のハンドリングにおいて熟練した人員によって実施された。
[049]21~28日齢(互いの差が3日齢以下)及びおよそ50~55g(±10gの範囲)の重量のSprague Dawley(sd)系統の雌ラットを、選択群内で使用した。
コンストラクトの機能性の決定
A HEK293T細胞における評価
[050]種々のreCGコンストラクトの性腺刺激活性の試験のために、HEK293T細胞株を組換えタンパク質の合成プラットフォームとして選択した。HEK293T細胞株は、プラスミドがSV40遺伝子を有する場合にプラスミドの増殖を引き起こすT抗原を有するという特徴を有し、このことは、一過性トランスフェクションによって、好適なプラスミドにおいてクローニングされた組換えタンパク質の並外れた発現が生じることを意味する。HEK293T細胞株は、この株によって合成される組換えタンパク質が、一度複雑系に存在すると非常に短い半減期を有するようになる、グリコシル化パターンの欠点を有する。一般に、排出能を有しないシステムにおける活性は影響を受けず、したがって、これらのタンパク質が、in vitro系における活性を試験するために使用される。
[051]HEK293T細胞において発現させたコンストラクト2、5、8、及び10のそれぞれについて決定したin vitro生物活性を図4に示す。図4が典型的な結果である、HEK細胞を用いたin vitroにおける結果は、設計した融合タンパク質がin vitroにおいて両方のeGC活性を有すると本発明者らが結論することを可能にした。
[052]他方、HEK293T細胞株において合成されたこれらの同じreCGコンストラクト(組換え)のin vivo生物活性を研究した。試料の生物活性は、in vitro試験から取得された結果に従って500IU/mLと推定した。
[053]全ての事例において、取得された結果は25mg未満、すなわち、研究中の系統のベースライン重量と同等の平均卵巣重量を示す。
[054]したがって、HEK細胞において合成されたコンストラクトは、in vitroでは生物活性を有するが、in vivoでは生物活性を欠くと結論される。
B CHOK1細胞における評価
[055]HEK293T細胞において取得された結果により、HEK及びSF9よりも長い血漿半減期を一般的に有する糖タンパク質を産生するCHOK1細胞をプラットフォームとして使用して、reCGの開発を継続した。選択したコンストラクトは、in vitro試験においてより多くの量が発現されたため、#5及び#8であった。
[056]10×106個のHEK又はCHO細胞によって合成されたタンパク質の比較されるin vitro FSH生物活性を図5に示す。
[057]他方、上清に存在するタンパク質を、2つの非変性ポリアクリルアミドゲルにおいて、2つのゲルのうちの1つをクマシーG250染色による総タンパク質の検出のために使用して分析し、別のニトロセルロース膜に転写して、転写したものを、ウサギにおいて生成された天然eCGに対する抗体を用いて分析した。取得された結果を図6に示す。
[058]HEK細胞において合成された組換えタンパク質の見かけのサイズは、抽出eGCのパターンと類似する。このことは、in vivo活性の観察の欠如が、HEK細胞において合成されたポリペプチドの流体力学的体積に起因するのでもグリコシル化の量に起因するのでもなく、グリコシル化の質に起因することを示す。
[059]したがって、CHOK1細胞において、より多くの量が発現されるコンストラクト#5及び#8を用いて産生される組換えタンパク質を継続した。
[060]in vivo生物活性試験は、標準曲線の最小刺激値の範囲内において卵巣の重量の増加を示した。対照条件培地は対照以外の値を生じなかった。
[061]天然eCGに対して生成された抗体を用いて実施したウェスタンブロットにおける組換えホルモンの認識を考慮して、一過性にトランスフェクトしたCHO細胞の上清を、親和性カラムを用いてeCG#5コンストラクトに関して精製した。合計で61IUのin vitro FSH活性を有する13μgのタンパク質を取得した。in vivo活性を、標準曲線の最大値と同等の刺激値である203.9mg、119.8mg、及び172.9mgの卵巣重量を示した3匹の動物において決定した。
安定にタンパク質を産生するクローンの生成
[062]CHOK1細胞にeCG#5及び#8コンストラクトをトランスフェクトし、G418抗生物質を用いてCHOK1細胞を選択して、導入遺伝子を安定に有する細胞を取得した。集密に達したら、ホルモンの発現を、上清の50ulのアリコート中0.6ngの活性を検出するように設定したELISAによって決定した。
[063]クローンの選択基準は、良好な成長と1.5IU/ml超の産生であり、コンストラクト#5の4つのクローン及び#8の3つのクローンが候補として残った。結果を図7に示す。
[064]クローン5D、5G、5J、及び8Fを増殖して、in vivoにおける生物活性を決定し、その結果に基づいてクローン5G及び8Fを選択して、2つのコンストラクトのアフィニティークロマトグラフィーによる組換えタンパク質の単離を、そのさらなる特性解析のために継続した。
免疫親和性によるReCG精製
[065]ヒツジにおいて生成された、Syntexによる抗eCG免疫血清を使用した。特異的IgGを、eCG-セファロースカラムを用いて親和性によって単離して、血清1ml当たり3mgの抗eCG IgGを取得した。抗eCGのアリコートをカップリング緩衝液(重炭酸塩-NaCl)に対して透析して、9mlのセファロース-NHSにカップリングした合計90mgのIgGを取得した。
[066]0.22μgによって濾過した条件培地に対して1ml/cm2/分でクロマトグラフィーを行い、ベッドを、ベースラインに戻るまでPBSを用いて洗浄し、3mlのグリシンpH3を用いて溶出し、280nmの吸光度ピークを回収した。グリシン溶出液pH3を中和し、PBSに対して透析濾過し、濃縮した。
[067]850μgのコンストラクト#5及び360μgの#8を取得する。これらを、還元薬を含まないPAGEによって分析して、クマシー染色による総タンパク質バンド、及びウサギにおける天然ホルモンを用いてSyntexによって生成された抗体を第1の抗体として使用するウェスタンブロットによる特異的バンドを明らかにする。結果を図8に示す。
[068]組換えホルモンの場合、抗体を用いて明らかになるバンドのみがクマシーを用いて染色されたバンドと同じであることに注意すべきである。非常に高い分子量のバンドは融合タンパク質の二量体である可能性があり、天然タンパク質において観察された低分子量のバンドは、SDSを含むが還元剤を含まない泳動条件下でのヘテロ二量体の部分的解離に起因する。
[069]両タンパク質及び標準物質1 eCG Syntexの、in vitro性腺刺激及び黄体刺激活性を決定した。質量に関する用量応答活性及び相対発光量(RLU)として表されるルシフェラーゼ活性の結果を図9に示す。組換えホルモンと天然ホルモンとの間の特異的活性の差は顕著であり、黄体刺激活性の場合ではより顕著で、黄体刺激活性においては、天然ホルモンはより高用量の場合であっても活性を飽和しない。
安定に生成されるタンパク質産生クローンの生物活性の研究
[070]CHOK1細胞にコンストラクト#5及び#8をトランスフェクトし、CHOK1細胞を選択して、導入遺伝子を安定に有する細胞を取得した。
[071]良好な成長及び産生のクローンを選択し、5D、5G、5J、及び8Fクローンを増殖し、それらの生物活性を決定した。結果を以下に示す:
Figure 2022546427000001
[072]陽性eCGという確認試験の結果、及び投与動物の、25mgのベースライン重量と比較して高度な卵巣成長により、前記試料の評価の一次近似を行うことが決定される。
[073]このために、種々のクローンの試料を、種々の濃度の標準3点eCG曲線に基づく分析技法によって、Syntexにおいて生産され、標準物質「International Standard NIBSC Code 62/001(NIBSC)」に対して評価されたSyntex二次ecG標準物質を使用して、分析する。
[074]前回の試験における高い応答により、試料を30IU/mLの理論力価と推定し、取得された結果を、取得された生データを処理するために使用される形式において検討する。
Figure 2022546427000002

Figure 2022546427000003

Figure 2022546427000004
[075]分析されたクローンは、陽性生物活性を有する組換えタンパク質を産生し、卵巣の重量の著しい増加を伴うと結論される。
[076]全ての投与動物(分析した各試料につき8匹)は例外なく投与に応答した。
[077]加えて、本発明者らが認識し、天然ホルモンを投与した動物において得られる応答と比較して、組換え体について示された応答は同一であり、投与動物において奇妙なシグナルも異常行動も観察されない。
[078]取得されたデータのために、クローンの力価は以下のものとなる:
・5D:26IU/ml
・5G:33IU/ml
・5J:20IU/ml
・8F:17IU/ml
精製処理の研究:
[079]目的は、精製が分子を分解したかどうか、又は処理の結果として分子の喪失が存在したかどうかを評価することであった。
[080]精製処理を受けた5Gコンストラクトの試料を3匹の動物に注射した。取得された応答は以下のものであった:
・203.9mg-172.9mg-119.8mg
[081]成長値が前記未精製クローンを用いて取得された値と一致するため、eCGは精製中に失われることも分解されることもないと結論される。
[082]コンストラクト8Fの場合、in vivo生物活性決定に十分な質量を取得するためのその後の試みは否定的であった。したがって、生産方法が確定されるまでは、コンストラクト#5のみが本計画の進行を継続する。
黄体活性研究(LH):
[083]試料#5を投与した場合の、21~28日齢の雄Sprague Dawley(sd)ラットの生体応答を研究した。
[084]方法:
[085]1群の21~28日齢(互いに3日齢以下)及びおよそ60~65グラムの重量(±10グラムの差)のSprague Dawley雄ラット(sd)の選択群を調製した。
[086]試料を、連続する4日間、0.5mLの容量で24時間ごとに皮下注射した。
[087]ラットを最終注射の24時間後に屠殺し、次いで精嚢を摘出し、洗浄し、濾紙を用いて乾燥し、重量を測定した。
[088]動物操作、注射、屠殺、精嚢の摘出、洗浄、及び重量測定の作業は、動物飼養施設の熟練した人員によって実施された。
[089]得られる質量又は容量を試料溶液の効力に基づいて算出することによって試料溶液を調製し、次いで5.264IU/mLの濃度にした。
[090]結果:4匹の動物に投与し、投与後の精嚢の重量は以下の通りであった:
・44.0mg-58.0mg-48.0mg-52.0mg
[091]本発明者らは、使用したラット系統に関して、精嚢(無投与)のベースライン重量は12mg未満であること、及び50mg以内に応答が飽和し始めることを認識しているため、黄体活性の存在が立証されると結論することができる。
[092]このアッセイは、組換えeCGの二重活性、すなわち、卵胞刺激活性及び黄体活性が存在することを裏付ける。
最終5G試料の卵胞刺激及び黄体活性の決定
[093]黄体及び卵胞刺激活性を欧州薬局方第9版に従って分析した。
[094]8匹以上の動物の群を、hCGのINAME国内標準物質及びeCGの二次標準物質Syntexを使用して分析した。
結果:
Figure 2022546427000005
[095]上記に基づいて、コンストラクト#5に由来する組換えeCGが天然ホルモンと同様に2種類の顕著な活性、すなわち卵胞刺激(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の両方を有すると結論される。
アミノ末端ペプチドによる修飾のin vivo活性に対する利点の決定
[096]SF9細胞において合成されたeCGと模倣細胞において合成されたeCGの両方(Legardinier、J Mol Endo(2005)34)、CHOK1において合成されたeCG(Min、Endocrine Journal(1996)、43 585~593ページ)、又はトランスジェニックウサギの乳腺において産生されたeCG(Galetら、Mol Cell Endocrinol 174(2000)31)における、eCGのβ鎖のCTPをリンカーとして使用する融合タンパク質のin vivo生物活性の欠如は、グリコシル化の量の重要性だけでなく、グリコシル化の質の重要性も示す。したがって、#5の代替となる2つのコンストラクト、すなわち、コンストラクト#5としてのeCGの融合したα及びβ鎖の融合であるがアミノ末端に修飾を有しない#4と呼ばれる一方のコンストラクトと、アミノ末端が修飾されている点では#5と同様であるが、この場合はCTPペプチド配列を有する他方のコンストラクト#6とを試験した。この修飾は、同じリンカー配列の場合におけるアミノ末端修飾の重要性を評価する。
[097]CHOK1細胞にコンストラクト#4及び#6をコードするプラスミドをトランスフェクトし、ネオマイシン耐性に関してCHOK1細胞を選択した。耐性細胞を希釈によってクローニングし、最も多い量のタンパク質を発現する細胞をELISAによって決定して選択した(クローン4C及び6A)。クローン4C及び6AをDMEN-F12 5%SFB培地において培養し、条件培地を回収し、硫酸アンモニウムを用いてタンパク質を沈殿させ、PBSに懸濁し、PBSに対して36~48時間、緩衝液交換を3回行って透析した。組換えタンパク質の濃度をELISAによって決定し、in vitroにおける生物活性をルシフェラーゼ活性の刺激によって決定した。
eCGコンストラクト4C 13341IU/mg
eCGコンストラクト5G 4013IU/mg
eCGコンストラクト6A 4768IU/mg
[098]4Cコンストラクトによって合成されたタンパク質のより大きなin vitro生物活性は、ベータ-アルファ鎖の融合に関して認められた結果と類似する(Min、Endocrine Journal(1996)、43 585~593ページ)。in vivo系では、このタンパク質が活性を示した場合、活性は他の組換えタンパク質(reCG-5G及びreGC-6C)よりも小さくなることもまた予期された。
[099]これらのタンパク質をin vivoアッセイにおいて試験した場合、アミノ末端にNTPペプチドを有する5Gコンストラクトを用いて生成したタンパク質は5477IU/mgの活性を示したが、アミノ末端にCTPペプチドを有するコンストラクト及びアミノ末端に修飾を有しないコンストラクト(それぞれ6A及び4C)は投与動物の卵巣重量の増加を生じなかった。
[100]これらのデータは、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモンのアルファ及びベータ鎖の融合タンパク質について、NTPペプチドを用いたアミノ末端の修飾がin vivoにおける半減期の増加、したがって活性の存在を与えることを明確に実証する。
比較野外試験
[101]野外における組換えホルモンの挙動を評価するために、コンストラクト#5を起源とする2000IUの推定用量の組換えeCGタンパク質(reCG#5)の筋肉内注射が、2000IU用量の天然eCG(ノボルモン5000、Syntex)の注射の結果として生じるものと同じ過剰刺激及び過剰排卵応答を生じるか否かを試験した。
[102]排卵後3及び7日目のプロゲステロン(P4)レベルは、2000IU用量の天然eCG又はreCG#5を投与したウシにおいて同等である。
[103]試験は、2019年5月、6月、及び7月の間、コルドバ・カトリック大学(UCC)のSanta Julia Zootechnics Stationにおいて行った。
[104]放牧されている14匹の3~5歳のアンガス/ヘレフォード種のウシを使用し(試験は、各繰返しの1群当たり7匹の2回の繰返しにおいて行った)、全てのウシは投与(周期)の開始時に黄体を提示した。ボディコンディション(BCS)は平均で2.5であった(尺度1~5、画像1)。
[105]動物に、良質のアルファルファロールを自由摂取させ、1日2回の給餌において、給餌者において投与され、配給ミキサーを備えるトラクターによって運搬された、ウシ1匹当たり1日15kgの細断されたサイロのトウモロコシを摂取させた。
投与の群:
[106]合計18匹のウシに、投与の-10日目に500μgの用量のクロプロステノール(シクラーゼ、Syntex)を投与し、PGFの適用後に発情検出を実施し、PGF後に発情を示した14匹のウシを選択して試験に組み入れた。
[107]全てのウシ(14匹)に、投与の0日目に膣内デバイス(DIB、1グラムのP4、Syntex)及び2mgの安息香酸エストラジオール(ゴナジオール、Syntex)を投与して、新たな卵胞波の出現を投与の4日目にほぼ同期した(Boら、1994)。
[108]4日目に、ウシを2つの群に分けて、2000IUの天然eCG(eCG群、n=7)又は2000IUの天然eCGに等しいと推定された350μgの用量のSyntexによって生産された産物(reCG群#5、n=7)を投与した。全ての注射の容量は10mlとし、注射は深部筋肉内であった。
[109]投与の6.5日目に500μgの用量のPGF(シクラーゼ、Syntex)、及び7日目に第2の用量を適用し、7日目にP4を含有するデバイス(DIB 1g、Syntex Argentina)を除去した。1日後(8日目)、100μgの用量のGnRH(ゴナシン、Syntex)を適用した。
[110]繰返し1の終了(17日目)の20日後(反復2の-10日目)、同じプロトコルを用いてウシに投与したが、この場合、天然eCG群のウシにはreCG#5を投与し、逆もまた同様であった。このように、全てのウシは両投与群を経験した。
Figure 2022546427000006

Figure 2022546427000007
[111]卵巣超音波検査を上記の表4及び5に示された日に実施した。卵巣構造を、この目的のために設計したスプレッドシートに描出し記録した。
[112]動物を経直腸超音波検査(Chison500、7.5MHz、ドプラ)によって検査した。直径3mm超の全ての卵胞を同定し、測定し、卵巣中の位置に関して図示して、それぞれの変化を個々に評価した。使用した追跡技法は、(Knopfら、1989)の研究に記載され、Bo(Boら、1994)によって改変された技法であった。評価されるデータは、支配的な卵胞及びその下位の主要な卵胞の直径、卵巣に存在する3mm超の卵胞の数である。eCG又はreCG#5の注射後、直径8mm超の全ての卵胞を同定した。GnRHの適用後、排卵を、これまでの観察において同定された8mm超の卵胞の消失と定義した。排卵後、排卵の結果として生じる黄体(CL)のサイズ及び量を測定した(Adamsら、1992)。
[113]他方、表4及び5に示したように、血液試料を投与の14及び17日目に採取して、排卵後に結果として生じるプロゲステロン(P4)レベルを決定した。
[114]全てのウシの頸静脈に穿刺することによって血液試料を取得して、血漿プロゲステロンレベルを決定した。使い捨て針(18G)を各動物に対して使用し、血液を、ゴムキャップを備える滅菌10mlガラス管から採取した。試料は常にヘパリン管において取得し、採取直後に2連(A又はB)で、試料を遠心分離し、血漿を-20℃で凍結し、ウシタグ番号、投与の日数及び時間、並びにA又はBに基づいて正しく同定した。
[115]試料を免疫化学発光法(ECLIA、コバスモジュールe601、Roche)によって処理した。
[116]サイズごと(8~10mm、10~12mm、12~14mm、及び14mm超)並びに投与の日数当たり(5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、及び10日目)の卵胞の数の平均をANOVAによって比較した。
[117]投与の日数当たりの排卵の数の平均を、同じ統計値を使用して比較した。
[118]同様に、プロトコルの14及び17日目のP4レベルを比較した。全ての事例において、投与群効果、反復、及びその相互作用を検討した。インフォスタットソフトウェアを使用した(Di Rienzoら、2018)。
[119]結果:
[120]反復2におけるeCG群の1匹のウシは、呼吸器疾患のため、投与の6日目に試験を中止した。このウシは、担当の獣医師の監督下で、研究センターの通常の手順に従って治療された。
[121]いずれの投与日数においても、(サイズに応じた)卵胞の数の間に差は認められなかった(P>0.1)。反復効果(P>0.07)も反復相互作用×群(P>0.4)も存在しなかった。
Figure 2022546427000008
[122]これらの結果を、膣内デバイスでの投与期間中の卵胞の数(サイズごとに分類)(プロトコルの5~7日目)に関する情報を観察することができる図10にも示す。グラフにより、両群に存在する卵胞の量が異ならないことを観察することができる。
[123]同様に、図11において、プロゲステロンを含有するデバイスを除去した後の卵胞の数を見ることができる。
[124]診断された排卵(8mm超の卵胞の消失)の全体は、投与の9、10、及び11日目の間に生じた(eCG群の1匹のウシのみ11日目に排卵した)。両投与群間で排卵の数に差は認められなかった(P=0.83、表3)。また、反復効果(P=0.06)も反復×群相互作用(P=0.85)も存在しなかった。
[125]両投与群間で投与の14及び17日目のP4の平均レベルに差(P>0.7)は認められなかった。反復効果も認められなかった(P>0.9)。以下の表は結果を示す。
Figure 2022546427000009
[126]図12は、両群のサンプリング日におけるP4のレベルを示す。
[127]取得された結果に基づいて、試験動物に注射したreCG#5は、天然eCG(ノボルモン)によって生じるものと同等の性腺刺激活性をもたらすと結論することができる。この理由は、両群のウシに認められた過剰刺激応答がプロゲステロンを含有するデバイスの除去前及び後で同等であり、デバイスを除去した後に認められた排卵の数も同等であったためである。
[128]他方、卵胞成長の速度が両群で同等であったため、両産物の半減期は同等であると推論可能であるが、半減期を決定するための具体的な試験は将来的に実施されるべきである。
[129]本研究において2000IUのeCGを使用して認められた排卵率は、生物型が類似しているウシにおいて同じ用量を使用した他の著者ら(Alfuraijiら、1993;Gouldingら、1996)によって報告された排卵率と同等であった。
[130]投与の14及び17日目のP4レベルに差は認められず、このことは、各投与群に存在する黄体の機能性及び量が互いに等しいことを示す。
[131]最後に、取得された類似した応答に基づいて、本発明者らは、本研究に使用したreCG#5はより低い用量(400IU)において使用されて、FTAIプログラムにおいて取得される無発情肉牛及び乳牛の妊娠率を高めることができると考える。すなわち、reCG#5は、この目的のために使用する場合、天然eCGと同じ効果を有し得る。

Claims (13)

  1. グリコシル化部位を含む1つ又は複数の配列に連結した、ウマ絨毛性性腺刺激ホルモンのベータ鎖及びアルファ鎖をコードするアミノ酸配列を有することを特徴とする、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチド。
  2. 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、及び配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項1に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチド。
  3. 請求項1に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドをコードすることを特徴とする、DNA分子。
  4. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、及び配列番号11からなる群から選択される配列を有することを特徴とする、請求項3に記載のDNA分子。
  5. 請求項3又は4に記載のDNA分子を含むことを特徴とする、発現ベクター。
  6. 請求項1又は2に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドと、薬学的に許容されるビヒクルとを含むことを特徴とする、医薬組成物。
  7. 哺乳動物の生殖又は排卵に関連する状態の治療のための医薬の製造のためであることを特徴とする、請求項1若しくは2に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチド又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
  8. 過剰排卵、排卵不全、卵巣発育障害、分娩後発情の誘導、又は睾丸機能低下症において適用されることを特徴とする、請求項1若しくは2に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチド又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
  9. 哺乳動物におけるものであることを特徴とする、請求項1若しくは2に記載の組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチド又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
  10. 前記動物が、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ウサギ、シカ、ヤギ、及び実験動物から選択されることを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 請求項5に記載のベクターを哺乳動物細胞にトランスフェクトするステップを含むことを特徴とする、組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンポリペプチドを製造する方法。
  12. 前記哺乳動物細胞がCHO細胞であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 免疫親和性によって組換え一本鎖絨毛性性腺刺激ホルモンを精製するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
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