JP2022546396A - 細胞を分類するための機械学習方法 - Google Patents
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Abstract
機械学習方法を使用してT細胞などの細胞を分類するための方法が提供される。本方法は、細胞の混合集団中の細胞の異なるサブセットまたはタイプを分類するために使用することができる。TIFF2022546396000008.tif75138
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月30日に出願された「MACHINE LEARNING METHODS FOR CLASSIFYING CELLS」と題する米国仮特許出願第62/894,463号に対する優先権の恩典を主張し、その内容は参照によりその全体が組み入れられる。
本出願は、2019年8月30日に出願された「MACHINE LEARNING METHODS FOR CLASSIFYING CELLS」と題する米国仮特許出願第62/894,463号に対する優先権の恩典を主張し、その内容は参照によりその全体が組み入れられる。
参照による配列表の組み入れ
本願は電子形式の配列表とともに出願される。配列表は、2020年8月28日に作成された735042012340SeqList.TXTという名称のファイルとして提供され、そのサイズは22,780バイトである。配列表の電子形式での情報は、その全体が参照により組み入れられる。
本願は電子形式の配列表とともに出願される。配列表は、2020年8月28日に作成された735042012340SeqList.TXTという名称のファイルとして提供され、そのサイズは22,780バイトである。配列表の電子形式での情報は、その全体が参照により組み入れられる。
分野
本開示は、いくつかの局面では、機械学習方法を使用してT細胞などの細胞を分類するための方法に関する。本方法は、細胞の混合集団中の細胞の異なるサブセットまたはタイプを分類するために使用することができる。
本開示は、いくつかの局面では、機械学習方法を使用してT細胞などの細胞を分類するための方法に関する。本方法は、細胞の混合集団中の細胞の異なるサブセットまたはタイプを分類するために使用することができる。
背景
キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現するように操作されたT細胞(例えば、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞)などの遺伝子操作された免疫細胞による治療を含む養子細胞療法は、様々な疾患および症状を処置するために一般的に使用されている。例えばエクスビボ製造中または細胞治療の投与前に細胞を特徴付けるための既存の方法は、典型的には、細胞の品質または機能を妨害し得る試薬、例えば磁気ビーズまたは他の免疫親和性ベースの試薬とのインキュベーションなどによって、細胞を直接取り扱うまたは操作する方法に依存する。このような方法は、時間がかかる場合があり得、治療用細胞組成物の汚染の危険性があり得る。細胞治療に関連してなど、細胞を効率的に分類または特徴付けるための改善された方法が必要とされている。本明細書では、このようなニーズを満たす方法および機器が提供される。
キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現するように操作されたT細胞(例えば、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞)などの遺伝子操作された免疫細胞による治療を含む養子細胞療法は、様々な疾患および症状を処置するために一般的に使用されている。例えばエクスビボ製造中または細胞治療の投与前に細胞を特徴付けるための既存の方法は、典型的には、細胞の品質または機能を妨害し得る試薬、例えば磁気ビーズまたは他の免疫親和性ベースの試薬とのインキュベーションなどによって、細胞を直接取り扱うまたは操作する方法に依存する。このような方法は、時間がかかる場合があり得、治療用細胞組成物の汚染の危険性があり得る。細胞治療に関連してなど、細胞を効率的に分類または特徴付けるための改善された方法が必要とされている。本明細書では、このようなニーズを満たす方法および機器が提供される。
概要
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;1つまたは複数の入力特徴を、1つまたは複数の入力特徴に基づいて第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成されたプロセスへの入力として適用する工程を含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;1つまたは複数の入力特徴を、1つまたは複数の入力特徴に基づいて第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成されたプロセスへの入力として適用する工程を含む。
T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程、および1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程であって、1つまたは複数の次元の各次元は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数に関連付けられている、工程;特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程を含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、プロセスは、本明細書に記載されている方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することは、畳み込みニューラルネットワークに1つまたは複数の入力特徴を適用することを含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程を含む。
T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;第1の群または第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類を決定する工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;入力特徴および決定された分類に関してニューラルネットワークを訓練する工程を含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、プロセスは、本明細書に記載されている方法に従って訓練されたニューラルネットワークを適用することを含み、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することは、ニューラルネットワークに1つまたは複数の入力特徴を適用することを含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程を含む。
T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;およびサポートベクターマシンのための超平面を決定する工程であって、超平面は第1の群と第2の群との間の決定境界を示す、工程を含み、超平面は、画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、プロセスは、本明細書に記載されている方法を使用して決定された超平面を使用してサポートベクターマシンを適用することを含み、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することは、サポートベクターマシンに1つまたは複数の入力特徴を適用することを含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたサポートベクターマシンを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程を含む。
T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および分類プロセスのためのランダムフォレストを決定する工程であって、ランダムフォレストは1つまたは複数の決定木を含み、分類プロセスは、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴を、第1の群に属するまたは第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類に関連付ける、工程を含み、1つまたは複数の決定木の決定木は、1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、プロセスは、本明細書に記載されている方法を使用して決定されたランダムフォレストを含み、第1のT細胞の画像に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することは、ランダムフォレストに1つまたは複数の入力特徴を適用することを含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関するランダムフォレスト分類プロセスを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程を含む。
T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む工程;第1のT細胞の分類を第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程を含む方法が、本明細書において提供される。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含有する細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、画像は、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む画像データを含む、工程を含む。
T細胞を分類する方法が本明細書において提供され、方法は、細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取ることがT細胞を含み、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、複数のT細胞の各細胞からの画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程を含む。
T細胞を分類するための方法が本明細書において提供され、方法は、T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;複数のT細胞の各細胞からの画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、画像データに基づいて、複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成される、工程を含む。
T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;画像データおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程を含む方法が、本明細書において提供される。
いくつかの態様において、プロセスは、本明細書に記載されている方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データをプロセスへの入力として適用することは、画像データを畳み込みニューラルネットワークに適用することを含む。
いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに対してさらに訓練され、画像データは、画像データを拡大表示、傾斜、および/または回転することによって操作されている。
いくつかの態様において、本明細書に記載されているプロセスなどのプロセスは、T細胞を含有する細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%を、第1の群に属するものとしてまたは第2の群に属するものとして分類するように構成されている。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中のT細胞の各細胞は、プロセスによって分類される。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中の複数のT細胞の各細胞は、プロセスによって分類される。いくつかの態様において、複数のT細胞は、T細胞を含む細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%、または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%を含む。
機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成する方法が本明細書において提供され、方法は、(a)少なくとも第1および第2の異なる細胞型を含有する細胞の混合集団を提供する工程であって、少なくとも第1の細胞型は、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、工程;(b)細胞の混合集団を、複数の第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬と接触させる工程であって、第1の結合剤の各々は、第1の細胞型によって発現された表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および(c)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第1の結合剤に結合している第1の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第1の細胞のデータセットが得られ、単離は、第1の多量体化試薬を第1の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程を含み、第1の細胞のデータセットは、第1の多量体化試薬および第1の結合剤を実質的に含まない。いくつかの態様において、少なくとも1つの第1の細胞型は組換え表面分子を発現する。いくつかの態様において、組換え表面分子は組換え受容体である。いくつかの態様において、組換え受容体はキメラ抗原受容体またはT細胞受容体である。いくつかの態様において、(c)より前に、方法は、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含有し、それによって第2の細胞のデータセットを得る。いくつかの態様において、第1および第2の細胞型の各々が、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する。
いくつかの態様において、方法は、(d)細胞の混合集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離は、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程をさらに含み、第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない。いくつかの態様において、細胞の混合集団は、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する第3の細胞型をさらに含み、方法は、(f)細胞の混合集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程をさらに含み、第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない。いくつかの態様において、これは、1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される。
いくつかの態様において、(c)より前に、方法は、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含有し、方法は、(d)細胞の第2の集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離は、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程をさらに含み、第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない。いくつかの態様において、(e)より前に、方法は、第2の結合剤に結合されていない細胞の第3の集団を産生し、細胞の第3の集団は、第1の細胞型および第2の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、方法は、(d)細胞の第3の集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程をさらに含み、第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない。いくつかの態様において、これは、1つまたは複数の異なる細胞型に対して繰り返される。
いくつかの態様において、第1および第2の細胞型は(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の一方であり、第2の細胞型は(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の他方である。
いくつかの態様において、接触させる工程は、結合剤に可逆的に結合した多量体化試薬が固定化されている固定相(例えば、第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬、第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬、または第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬)を含むクロマトグラフィーカラムに、細胞を添加することによって行われる。いくつかの態様において、単離する工程は、クロマトグラフィーカラムから細胞を溶出させることを含む。
いくつかの態様において、第1の結合剤は、第1の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、第1の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む。いくつかの態様において、第2の結合剤は、第2の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、結合パートナーはSEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、第2の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む。いくつかの態様において、第3の結合剤は、第3の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、第3の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、SEQ ID NO:12、13、15または16に示されるアミノ酸の配列を含む。いくつかの態様において、可逆的結合は、約10-2~約10-13Mの範囲の解離定数(KD)を有する。いくつかの態様において、一価結合部位は、Fab断片、sdAb、Fv断片または一本鎖Fv断片である。いくつかの態様において、一価結合部位と表面分子の間の結合は、約10-3~約10-7Mの範囲の解離定数(KD)を有する。いくつかの態様において、一価結合部位と表面分子の間の結合は、約3×10-5sec-1またはそれを超える解離速度定数を有する。いくつかの態様において、可逆的解離は競合試薬の添加を含む。いくつかの態様において、競合試薬はビオチンまたはビオチン類似体である。
いくつかの態様において、方法は、第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程をさらに含む。いくつかの態様において、第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程は、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、方法は、第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;特徴マップに基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、入力特徴に関してニューラルネットワークを訓練する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、サポートベクターマシンに関連付けられた超平面を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく。いくつかの態様において、方法は、ランダムフォレストの1つまたは複数の決定木を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく。
いくつかの態様において、画像データは、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%、または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%から受け取られる。いくつかの態様において、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、画像データは、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(DDHM)を使用して得られる。いくつかの態様において、画像データは、約20倍の対物レンズを使用して得られる。いくつかの態様において、画像データはCCDカメラを使用して得られる。
いくつかの態様において、T細胞に関連付けられた画像データは、1つまたは複数の入力特徴を決定するために使用され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞のアスペクト比、細胞の深さ、細胞の面積、細胞記述子、細胞識別子、画像識別子、オブジェクト識別子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、ピーク直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度 細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の強度が最大である平面、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、周囲長、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度、細胞の位相均一性、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散、および細胞の正規化された半径分散の1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、入力特徴は、約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個、または少なくとも70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個の入力特徴を含む。いくつかの態様において、入力特徴は、約1~約70、約1~約60、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約15、約1~約10、または約1~約5個の入力特徴を含む。いくつかの態様において、入力特徴は、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満、または約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む。いくつかの態様において、入力特徴は、20、15、10、もしくは5個未満、または約20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む。
いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞のアスペクト比、細胞の面積、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、周囲長、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散および正規化された半径分散のうちの1つまたは複数から選択される画像データの形態的特徴である。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の面積である。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の直径、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度および細胞の正規化された屈折ピーク高さのうちの1つまたは複数から選択される画像データの光学的特徴である。いくつかの態様において、入力特徴のうちの1つまたは複数は、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の強度が最大である平面および細胞の画像の強度均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの強度特徴である。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度および細胞の位相均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの位相特徴である。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の位相相関であるか、または細胞の位相相関を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力は、細胞の深さ、識別された細胞(cell identified)、画像識別子、細胞記述子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、オブジェクト識別子、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、および屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示のうちの1つまたは複数から選択される画像データのシステム特徴である。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の深さであるか、または細胞の深さを含む。
いくつかの態様において、第1の群および第2の群は、生存、死亡、CD4+、CD8+、組換え受容体陽性または組換え受容体陰性から選択される1つまたは複数の細胞属性によって定義され、第1の群および第2の群は少なくとも1つの異なる属性を含む。いくつかの態様において、第1または第2の群の一方は属性生存を含み、他方の群は属性死亡を含む。いくつかの態様において、属性死亡は、非生存細胞および破片(debris)を含む。いくつかの態様において、属性生存は、単一の生存細胞または生存細胞のクラスタを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の位相相関を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の面積を含む。
いくつかの態様において、第1または第2の群の一方は属性CD4+を含み、他方の群は属性CD8+を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は細胞の深さを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積および細胞の位相相関を含む。
いくつかの態様において、第1または第2の群の一方は属性組換え受容体陽性を含み、他方の群は属性組換え受容体陰性を含む。
いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団は、生物学的試料から濃縮もしくは精製されたT細胞の集団または混合されたT細胞サブタイプの集団を含む。いくつかの態様において、濃縮または精製された集団は、生物学的試料から濃縮または精製されたT細胞集団を混合することによって得られる。いくつかの態様において、生物学的試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核球(PBMC)試料、非分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、血液浄化療法産物または白血球除去療法産物を含む。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団は、対象から得られた初代細胞を含む。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団は、組換え受容体を含むベクターで形質導入されたT細胞の集団を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の集団は、治療用T細胞組成物を生成するために製造を受けているT細胞の集団を含む。いくつかの態様において、製造は、組換え受容体を含むベクターによるT細胞集団の形質導入後のインキュベーション工程を含む。いくつかの態様において、組換え受容体はキメラ抗原受容体(CAR)である。
いくつかの態様において、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞は、治療用T細胞組成物を生成するための製造を受けているT細胞であるか、またはそれらを含む。いくつかの態様において、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞の製造が、1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の集団の製造と同一またはほぼ同一である。
いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団の1つまたは複数のT細胞は、インキュベーション工程の間の異なる時点で分類される。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団の1つまたは複数のT細胞は、インキュベーション期間の間にわたって継続的に分類される。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団の1つまたは複数のT細胞を分類することは、閉じた系で行われる。いくつかの態様において、閉じた系は無菌である。いくつかの態様において、閉じた系は自動化されている。
詳細な説明
機械学習モデルを含む分類プロセスを使用して、細胞の集団(例えば、T細胞を含む細胞の集団)中の個々の細胞(例えば、T細胞)を分類する(例えば、予測する)ための方法が本明細書において提供される。特定の態様において、方法は、細胞の集団(例えば、T細胞を含む細胞の集団)中の個々の細胞(例えば、T細胞)を群に属するものとして分類するように訓練された機械学習モデルを使用することを含み、群は1つまたは複数の細胞属性によって定義される。細胞属性には、細胞の健康(例えば、生きている(生存)、死亡)、細胞周期の状態、分化の状態、活性化の状態、細胞サブタイプ(CD4+、CD8+T細胞)、および/または操作(engineering)の状態(例えば、T細胞が、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR))を発現しているかどうか)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞サブタイプ同一性(例えば、CD4+、CD8+)を分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が健康である(例えば、生きているまたは非アポトーシス性である)かどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が活性化されているかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が分化しているかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が細胞周期に入ったかまたは細胞周期にあるかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が組換え分子(例えば、CAR、TCR)を発現するかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。
機械学習モデルを含む分類プロセスを使用して、細胞の集団(例えば、T細胞を含む細胞の集団)中の個々の細胞(例えば、T細胞)を分類する(例えば、予測する)ための方法が本明細書において提供される。特定の態様において、方法は、細胞の集団(例えば、T細胞を含む細胞の集団)中の個々の細胞(例えば、T細胞)を群に属するものとして分類するように訓練された機械学習モデルを使用することを含み、群は1つまたは複数の細胞属性によって定義される。細胞属性には、細胞の健康(例えば、生きている(生存)、死亡)、細胞周期の状態、分化の状態、活性化の状態、細胞サブタイプ(CD4+、CD8+T細胞)、および/または操作(engineering)の状態(例えば、T細胞が、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR))を発現しているかどうか)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞サブタイプ同一性(例えば、CD4+、CD8+)を分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が健康である(例えば、生きているまたは非アポトーシス性である)かどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が活性化されているかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が分化しているかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が細胞周期に入ったかまたは細胞周期にあるかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞が組換え分子(例えば、CAR、TCR)を発現するかどうかを分類する(例えば、予測する)ように訓練される。
細胞(例えば、T細胞)がある特定の群に属するかどうかを決定または同定するための既存の方法は、免疫組織化学、免疫細胞化学、またはFACS、MACS、もしくはクロマトグラフィーなどの細胞選別技術などの技術を使用して同定され得る。しかしながら、これらの方法は、関心対象の細胞を損傷または破壊し得る。これは、細胞が、例えば、治療用細胞生成物において使用するためのものである場合に問題となり得る。細胞を分類するために損傷または破壊的方法が使用される、例えば製造中での製品の反復サンプリングは、全ての治療用細胞集団を枯渇させ、製造の期間を意図せず増加させ得るのみならず、汚染の可能性を増加させ得る。
提供される方法は、例えば免疫組織化学、免疫細胞化学、細胞選別による細胞の処理を必要とせずに、細胞(例えばT細胞)をある特定の群に属するものとして分類することができる方法に関する。提供される方法は、例えば免疫組織化学、免疫細胞化学、細胞選別による細胞のさらなる処理を必要とせずに、細胞の集団の中の細胞(例えば、T細胞を含有する細胞の集団の中のT細胞)などの細胞の捕捉された画像(例えば、光学的画像)から細胞(例えば、T細胞)の相違を決定または同定することに基づく。したがって、いくつかの態様において、細胞の集団は(例えば、以下に記載されるような顕微鏡法技術を介して)画像化され得、本明細書に記載されるような分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として、画像化プロセスによる画像データ出力を使用することができる
提供される方法は、細胞を分類する他の方法に利点を提供する。その態様を含む、本明細書において提供される細胞を分類するための方法では、非破壊的で損傷を与えない方法を使用して、細胞の集団の細胞(例えば、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞)が分類され得る。例えば、いくつかの態様において、画像化された細胞は、損傷を受けていない状態および/または無菌条件下で細胞集団(例えば、治療用細胞生成物)に戻される。提供される方法は、細胞を分類するための客観的かつ偏りのない手法を提供することもできる。これは、多大な労力を要し、主観的であり、かつヒューマンエラーを受けやすいことがある、細胞を分類するために画像データまたは入力特徴の純粋に手作業での(例えば、人間による)評価を伴う方法を含む多くの利用可能な方法とは異なる。機械学習モデルは、データを客観的に分類するのに有用であることが示されている。
提供される方法の局面において、評価されるべき細胞集団は、様々な細胞属性および特徴を有する細胞を含有する細胞の混合集団である。特定の態様において、細胞の集団はT細胞集団である。いくつかの態様において、T細胞集団などの細胞集団は、様々な分化状態(例えば、ナイーブまたは記憶)で、様々な活性化段階(静止または非活性化および活性化)で、生存しているもしくは生存していない、アポトーシス性もしくは非アポトーシス性であり、組換え分子を発現する(例えば形質導入または形質移入を介して)もしくは発現しない、または前述のいずれかの任意の組み合わせである様々なサブタイプの細胞(例えば、CD4+およびCD8+T細胞)を含む混合集団である。いくつかの態様において、混合集団はCD4+およびCD8+T細胞を含み、混合集団中の細胞の一部は組換え分子(例えばCAR)も(例えば、形質導入を介して)発現する。いくつかの態様において、混合集団は単一のT細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を含み、細胞の一部は組換え分子(例えば、CAR)を(例えば形質導入を介して)発現する。このような態様において、方法は、細胞の集団を含有する細胞組成物中に存在するそのような特定の属性を知ることまたは決定することが所望される場合に使用することができる。
いくつかの態様において、本明細書で提供される方法は、細胞治療に有用な治療用細胞集団(例えば、治療用細胞生成物)を生成するための製造プロセス、例えば本明細書に記載されているプロセスに関連して使用される。本明細書において提供される分類プロセスは、例えば、製造プロセスを最適化し、および/または製品品質を評価するために使用され得る。例えば、本明細書において提供される分類方法は、集団のサブタイプおよび/または首尾よく操作された細胞(例えば、CAR発現細胞)の比を含む、集団中の生存細胞の総数および/または細胞の同一性を決定するために使用され得、有用な治療用細胞生成物を確保するための製造工程の期間および/または条件を知らせることができる。このような値を予測するために機械学習モデルを組み込んだ分類プロセスを使用することは、治療用細胞生成物の製造を最適化し、生成物の一貫性を改善する客観的手段を提供する。
いくつかの態様において、細胞(例えば、T細胞)が分類され得る群は、1つの細胞属性(例えば、生存)によって定義される。いくつかの態様において、群は、少なくとも2つの細胞属性(例えば、生存およびCD4+;生存、CD4+、およびCAR+)によって定義される。いくつかの態様において、群は、1つまたは複数の細胞属性によって定義される第1の群である。いくつかの態様において、群は、1つまたは複数の細胞属性によって定義される第2の群であり、少なくとも1つの属性は、第1の群を定義する1つまたは複数の属性とは異なる。いくつかの態様において、3つもしくはそれより多くのまたは複数の群は1つまたは複数の細胞属性によって定義され、3つもしくはそれより多くのまたは複数の群の各々における少なくとも1つの属性は他の3つもしくはそれより多くのまたは複数の群の各々とは異なる。
いくつかの態様において、分類結果(例えば、予測)は、細胞集団の特徴を決定するために使用することができる。例えば、細胞集団中の第2のサブタイプ(CD8+)に対する第1のサブタイプ(例えば、CD4+)の比、CARなどの組換え受容体などの組換え分子で操作された細胞の割合(例えば、細胞同一性(例えば、CD4+CAR+、CD4+CAR-、CD8+CAR+、CD8+CAR-)を含むCAR+細胞対CAR-細胞の比)、および/またはサンプリングされた集団中の生存細胞の総数を決定することができる。例として、第1の群は、CD4+であるという細胞属性によって定義され得、第2の群は、CD8+であるという細胞属性によって定義され得、未知の属性を有する細胞(例えば、T細胞)は、未知の属性の細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、訓練された機械学習モデルによって評価され得る。
提供される方法では、機械学習モデルは、T細胞などの細胞からの画像データを使用して訓練される。いくつかの態様において、画像データは、例えば顕微鏡法技術を使用することによる、細胞の画像化を含む。いくつかの態様において、顕微鏡法技術は、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(DDHM)である。いくつかの態様において、顕微鏡法技術は、位相データ、強度データおよび/または重ね合わせデータを含む細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データを生成する。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞に関連付けられた位相画像データ、強度画像データおよび/または重ね合わせ画像データを使用して訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞に関連付けられた位相画像データおよび強度画像データを使用して訓練される。提供される方法の特定の態様において、細胞はT細胞である。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴を使用して訓練される。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、形態的特徴(例えば、細胞のサイズまたは形状に関連する)、光学的特徴(例えば、細胞の屈折に関連するなどの、細胞画像の光学的特性)、強度(例えば、強度特性、例えば画像のRGBまたはグレースケール値)、位相(例えば、平均または分散または光学的高さなどの位相画像の特性)、および/またはシステム特徴(例えば、奥行き軸に沿った細胞の位置などの、画像の表示または読み出しの特性)を含む。いくつかの態様において、入力特徴は、細胞属性と相関する。いくつかの態様において、機械学習モデルは、1つまたは複数の入力特徴に関して訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、本明細書に記載されるような1つまたは複数の形態的、光学的、強度、位相および/またはシステム特徴を使用して訓練される。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、教師あり、半教師あり、または教師なしの方法を使用して訓練される。いくつかの態様において、訓練方法は教師ありである。例えば、機械学習モデルがそれに関して訓練される画像データはラベルされている、例えば、画像データは、細胞が当該群を定義する1つまたは複数の細胞属性を有するという知識に基づいてある群に属することが知られている細胞(例えば、T細胞)に関連付けられている。
訓練データ、例えば画像データ(例えば、位相、強度、重ね合わせ)および/または細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴を、機械学習モデルを訓練するための入力として使用することができる。いくつかの態様において、細胞のデータセットは、集団の実質的に全ての細胞、例えば85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上より多くが、同じ1つまたは複数の細胞属性(例えば、CD4+またはCD8+などのサブタイプ)を示す細胞の純粋な集団である。一部の事例において、所望の細胞属性を有する細胞の純粋な集団を試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)から分離することができる。このようにして、純粋な集団を含有する細胞のデータセットの細胞は特定の群に属することが知られており、群は1つまたは複数の細胞属性によって定義される。いくつかの態様において、純粋な集団を含有する細胞のデータセットから訓練データを直接取得することができ、訓練データは、機械学習モデルを訓練して、1つまたは複数の細胞属性を有する(例えば、特定の群に属する)細胞を分類するために使用することができる。したがって、機械学習モデルが、未知の細胞属性の細胞に関連付けられた入力、例えば画像データ、入力特徴を受け取ると、機械学習モデルは細胞を分類することができる。いくつかの態様において、純粋な集団は、追加の処理、例えば本明細書に記載されている製造手順を受けることができる。いくつかの態様において、細胞の純粋な集団の細胞を含有する細胞のデータセットは、分類されるべき細胞(例えば、未知の細胞属性を有する細胞)と同一のまたは実質的に同一の様式で処理される。
機械学習モデルを訓練するために使用することができる細胞のデータセットを生成するための方法が、本明細書において提供される。細胞のデータセットを生成するための提供される方法は、一部の事例においては、細胞の混合集団中の細胞を分類するために訓練するための細胞のデータセットとしての、細胞のある特定の純粋な集団の使用は、細胞の混合集団中の属性を正確に予測しないことがあり得る(例えば、実施例6)という本明細書における観察に基づく。細胞の純粋な集団から完全に生成された細胞のデータセットとは異なり、混合細胞集団は、(例えば、細胞の混合集団中の別の細胞型の属性に影響を及ぼし得る1つの細胞型から産生されるサイトカインまたは成長因子の存在に起因する)複数の細胞型が存在する条件下で起こり得る細胞シグナル伝達および/またはその他の環境的影響を受けると考えられる。しかしながら、純粋な集団からの細胞のデータセットとは異なり、混合集団は複数の群に属する細胞を含有するので(例えば、混合集団の細胞は全てが同一の1つまたは複数の細胞属性を共有するわけではない)、訓練データを得るために混合集団を直接使用することはできない。訓練のための細胞のデータセットを生成するための提供された方法の局面において、細胞のデータセットは、訓練のための細胞の実質的に純粋な集団を提供するために、細胞属性に基づいて、細胞の混合集団から細胞を分離することによって生成される。例えば、細胞の混合集団は、CD4+およびCD8+細胞、ならびに/または組換え分子(例えば、CAR、TCR)を発現するように形質導入もしくは形質移入されたCD4+およびCD8+細胞を含有し得、方法は、CD4+またはCD8+細胞の1つ(または組換え分子を発現するように形質導入もしくは形質移入されたCD4+もしくはCD8+細胞の1つ)を選択することを含む。したがって、いくつかの態様において、混合集団から細胞のデータセットを生成するために、所望の属性を有する細胞は混合集団から分離される。細胞を分離することにより、既知の細胞属性(例えば、特定の群に属する)を有する細胞を含有する細胞のデータセットを生成することができる。
細胞のデータセットを生成するための態様では、1つまたは複数の所望の属性について細胞の混合集団から細胞型を選択するために方法が実施され、選択方法は、その結果得られた細胞集団が、試薬を除去するために細胞を過度に操作または処理することなしに、選択プロセスにおいて使用される試薬を実質的に含まないような条件下で実施される。細胞のある種の操作および/または試薬の存在は、訓練のための細胞のデータセット中の細胞を失わせる危険性があり得るので、または細胞の表現型もしくは機能を変化させ、それによって細胞の基礎となる入力特徴を変化させ得るので、訓練のために使用される細胞データが混合集団に存在する細胞の代表に可能な限り近いことを保証するために、このような方法が提供される。一例として、細胞の選択のための磁気ビーズの使用は、細胞からビーズを除去するために磁石の使用を必要とする可能性があり、その結果、細胞の表現型または機能に影響を与え得る余分なインキュベーションまたは処理をもたらし得、磁場の不完全な放出に起因して細胞の損失をもたらす可能性があり、および/または最終の選択された細胞集団中に残留ビーズが存在し、それによって機械学習方法を妨害する可能性があり得る。提供される方法の別の利点として、細胞の混合集団から細胞を選択または分離する方法は、細胞の混合集団の細胞処理に合致させるために任意の追加の処理に細胞データセットを供することを必要としない。むしろ、細胞データセットの細胞は、分類されるべき細胞(例えば、未知の細胞属性を有する細胞)と同一または実質的に同一の様式で処理され、加工され、または取り扱われた細胞である。
特定の態様において、細胞のデータセットは、選択のために使用される親和性試薬を細胞から効率的に解離させることができる、イムノアフィニティークロマトグラフィーなどによる可逆的親和性に基づく選択を使用して混合集団の細胞を分離または選択することによって生成される。可逆的イムノアフィニティークロマトグラフィー法としては、いくつかの局面では、米国特許出願公開第US2015/0024411号および米国特許出願公開第US2017/0037369号に記載されている方法が挙げられ、これらはいずれも、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様において、方法は、細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)などの所望の細胞属性のマーカー(例えば表面分子)に対して特異的である一価抗体(例えばFab)に可逆的に結合されたストレプトアビジンムテインが固定化された分離マトリックスを用いる。
いくつかの態様において、細胞のデータセットは、正の選択を使用して生成される。いくつかの態様において、細胞のデータセットは、負の選択を使用して生成される。混合集団中に1つより多くの細胞型が存在することを考慮して、いくつかの態様では、2つもしくはそれより多くのまたは複数の細胞のデータセットが、混合集団の細胞を分離することによって生成される。したがって、いくつかの局面では、特定の細胞属性を有する細胞を単離するために複数の分離工程が実施され得、それによって細胞のデータセットを生成し得る。いくつかの態様において、陰性画分(例えば、親和性に基づく方法によって選択されない細胞)に対して、さらなる分離工程が行われる。いくつかの態様において、陽性画分(例えば、親和性に基づく方法によって選択された細胞)に対して、さらなる分離工程が行われる。機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成するために、任意の数の分離工程が使用され得ることが想定される。
いくつかの態様において、混合集団からの細胞のサブセット(例えば、特定の群に属する)を含有する細胞のデータセットを使用して、1つまたは複数の細胞属性を有する(例えば、特定の群に属する)細胞を分類するために機械学習モデルを訓練するための訓練データを取得することができる。したがって、機械学習モデルが、未知の細胞属性の細胞に関連付けられた入力、例えば画像データ、入力特徴を受け取ると、機械学習モデルは細胞を分類することができる。いくつかの態様において、混合細胞集団は、追加の処理、例えば本明細書に記載されている製造手順を受けることができる。いくつかの態様において、細胞のデータセットが生成される細胞の混合集団は、分類されるべき細胞(例えば、未知の細胞属性を有する細胞)と同一のまたは実質的に同一の様式で処理される。
いくつかの態様において、細胞を分類する方法は、訓練された機械学習モデルを精度に関して試験することを含む。いくつかの態様において、方法は、訓練された機械学習モデルを検証することを含む。いくつかの態様において、モデルを検証するために、交差検証が使用される。
いくつかの態様において、細胞の集団の細胞を分類する方法は、例えば、DDHMを使用することによって、集団の細胞から画像データを受け取る工程と、集団の細胞を第1または第2の群に属するものとして分類するために、第1の群に属することが知られている細胞および第2の群に属することが知られている細胞からの画像データの位相画像データ、強度画像データ、および/または重ね合わせ画像データの1つまたは複数に関して訓練された機械学習モデルに、画像データの位相画像データ、強度画像データ、および/または重ね合わせ画像データの1つまたは複数を適用する工程とを含む。いくつかの態様において、細胞の集団の細胞を分類する方法は、例えば、DDHMを使用することによって、集団の細胞から画像データを受け取る工程と、集団の細胞を第1または第2の群に属するものとして分類するために、第1の群に属することが知られている細胞および第2の群に属することが知られている細胞からの画像データの位相画像データおよび強度画像データに関して訓練された機械学習モデルに、画像データの位相画像データおよび強度画像データを適用する工程とを含む。いくつかの態様において、それに対してT細胞が分類され得る2つより多くの群が存在し得る。例えば、機械学習モデルは、3つより多くのまたは複数の群を区別するように訓練され得る。いくつかの態様において、機械学習モデルは深層学習モデルである。いくつかの態様において、機械学習モデルは人工ニューラルネットワークである。いくつかの態様において、機械学習モデルは畳み込みニューラルネットワークである。畳み込みニューラルネットワークは、画像データを取り扱うのに特によく適している。畳み込みニューラルネットワークの利点は、モデルの質を損なうことなく、多くのユニットを有する深層ニューラルネットワークのパラメータの数を低減することである。したがって、畳み込みニューラルネットワークは計算上効率的である。畳み込みニューラルネットワークのさらなる利点としては、人間の監督なしに分類のための重要な特徴を自動的に検出し、例えば人間によって検出できない場合がある特徴を検出する能力が挙げられる。
いくつかの態様において、細胞の集団の細胞を分類する方法は、例えば、DDHMを使用することによって、集団の細胞から画像データを受け取る工程と、画像データから1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、および/または画像データのシステム特徴を含む、工程と、集団の細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、第1の群に属することが知られている細胞および第2の群に属すると知られている細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された機械学習モデルへの入力として1つまたは複数の入力特徴を適用する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、および画像データのシステム特徴を含む、工程とを含む。いくつかの態様において、T細胞を含む細胞の集団の細胞を分類する方法は、例えば、DDHMを使用することによって、集団の細胞から画像データを受け取る工程と、画像データから1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、および/または画像データの位相特徴を含む、工程と、集団の細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、第1の群に属することが知られている細胞および第2の群に属すると知られている細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された機械学習モデルへの入力として1つまたは複数の入力特徴を適用する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、および/または画像データの位相特徴を含む、工程とを含む。いくつかの態様において、それに対してT細胞が分類され得る2つより多くの群が存在し得る。いくつかの態様において、機械学習モデルは人工ニューラルネットワークである。いくつかの態様において、機械学習モデルはランダムフォレストである。いくつかの態様において、機械学習モデルはサポートベクターマシンである。いくつかの態様において、機械学習モデルは深層学習モデルである。
いくつかの態様において、本明細書中に提供される細胞を分類するための方法は、養子細胞治療として使用するために細胞をエクスビボで製造または操作するためのプロセス、例えば、本明細書中に記載されているプロセスの1つもしくは複数の工程またはプロセスの期間を通じて使用される。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類するための方法は、例えば本明細書に記載されているプロセスにおいて、細胞がCARなどの組換え分子で形質導入または形質移入された後の製造プロセスの特定の工程中に、例えば、操作されたT細胞集団をインキュベートする工程(例えば、セクションII-C-3)中に使用される。いくつかの態様において、本明細書に記載されている細胞を分類するための方法は、例えば本明細書に記載されているように、製造プロセスと関連して使用される場合には、製造プロセスの刺激条件、操作条件、培養条件、および採取条件の1つまたは複数を含むインキュベーション条件を導くために使用することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されている細胞を分類するための方法は、例えば本明細書に記載されているように、製造プロセスと関連して使用される場合には、刺激条件を含むインキュベーション条件を修正する必要性を決定するのに有用であるか、または細胞を採取する準備ができた時を特定するために使用することができる。例えば、細胞型、細胞の健康状態、および生存可能な濃度を特定することは、灌流および/もしくはフィードスケジュール、刺激条件の間にサイトカインを減少もしくは添加する必要性を決定するために、活性化されたもしくは分化したT細胞の濃度を検出するために、混合集団が、形質導入もしくは形質移入されるべき生存細胞および/もしくは生存細胞サブタイプの適切な濃度を含有するかどうかを検出するために、首尾よく形質導入された細胞の濃度を検出するために、ならびに/または採取を決定するために生存細胞、形質導入/形質移入された生存細胞、形質導入/形質移入された生存細胞サブタイプの濃度を検出するために、有用であり得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、例えば本明細書に記載されているように、製造プロセスと関連して使用される場合には、例えば手作業での(例えば、人間のオペレータ)入力を必要とせずに、完全に自動化された細胞培養系をサポートすることができる。いくつかの態様において、完全に自動化されたシステムは閉じたループシステムである。いくつかの態様において、完全に自動化された閉じたループシステムは、細胞治療(例えば、養子細胞治療、自己細胞治療)のために、特定の細胞型(例えば、CD4+、CD8+、CAR+、TCR+)を含む操作された細胞の無菌生存集団を特定の比率または細胞の総数で効率的かつ確実に産生する。
いくつかの態様において、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、例えば本明細書に記載されているように、製造プロセスと関連して使用される場合には、代替製造プロセスよりも速く、より効率的であり、より一貫した生成物をもたらす様式で、細胞治療に適する遺伝子操作された細胞を生成または産生する製造プロセスをもたらす。ある特定の態様において、本明細書において提供される細胞を分類する方法は、例えば本明細書に記載されているように、製造プロセスと関連して使用される場合には、代替プロセスを使用して可能であり得るものよりも、対象のより広い集団から操作された細胞の組成物を生成または産生することに関してより高い成功率をもたらす。ある特定の態様において、提供される方法によって産生されたまたは生成された操作された細胞は、代替方法によって産生された細胞よりもよりよい健康、生存率、活性化を有し得、組換え受容体のより大きな発現を有し得る。したがって、いくつかの局面において、細胞治療のための操作された細胞を作製するための提供される方法の速度および効率は、いくつかの代替方法によって可能であり得るよりも、対象のより広い集団に対して、例えば、自己治療などの細胞治療処置のより容易な計画および調整を可能にする。
特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本出願において参照される全ての刊行物は、あたかもそれぞれの個々の刊行物が参照により個々に組み入れられているかのように、全ての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義と相反するかまたは他の形で矛盾する場合は、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
本明細書において使用するセクション見出しは構成のみを目的とし、記載される主題を限定するものとして解釈してはならない。
I. T細胞を分類する方法
本明細書において提供される方法は、機械学習モデルを組み込んだ分類プロセスの使用を通じて、1つまたは複数の細胞属性によって定義される群に属するものとして細胞の分類を可能にする。いくつかの態様において、分類プロセスは、1つまたは複数のタイプの機械学習モデル、例えば以下に記載されているような機械学習モデルを組み込み得る。例えば細胞を遺伝子操作するための製造プロセスを経た細胞を含む細胞は、第2の群に属することを除外して細胞を第1の群に属すると分類するために利用することができる相違を示し得る。例えば、T細胞をCD8+サブタイプとしてではなくCD4+サブタイプとして分類するために、T細胞の形態的特徴を使用することができる。いくつかの態様において、細胞はT細胞である。いくつかの態様において、T細胞は、製造プロセス、例えば本明細書に記載されているプロセスにおいて使用される、または使用された。群、クラスおよびカテゴリは、本明細書では互換的に使用され得る。
本明細書において提供される方法は、機械学習モデルを組み込んだ分類プロセスの使用を通じて、1つまたは複数の細胞属性によって定義される群に属するものとして細胞の分類を可能にする。いくつかの態様において、分類プロセスは、1つまたは複数のタイプの機械学習モデル、例えば以下に記載されているような機械学習モデルを組み込み得る。例えば細胞を遺伝子操作するための製造プロセスを経た細胞を含む細胞は、第2の群に属することを除外して細胞を第1の群に属すると分類するために利用することができる相違を示し得る。例えば、T細胞をCD8+サブタイプとしてではなくCD4+サブタイプとして分類するために、T細胞の形態的特徴を使用することができる。いくつかの態様において、細胞はT細胞である。いくつかの態様において、T細胞は、製造プロセス、例えば本明細書に記載されているプロセスにおいて使用される、または使用された。群、クラスおよびカテゴリは、本明細書では互換的に使用され得る。
細胞(例えば、T細胞)を分類する方法であって、画像化技術、例えば、デジタルホログラフィ画像化を使用することなどによって、細胞の集団のこのような1つまたは複数の細胞(例えば、第1、第2または第3の細胞)に関連付けられた画像データを受け取る工程と、画像データによって(例えば、数学的手段によって)描かれ、描写され、表される、または画像データから推定可能な1つまたは複数の特徴(「入力特徴」とも呼ばれる)を画像データから決定する工程と、1つまたは複数の入力特徴に基づいて、細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成された機械学習プロセスへの入力として1つまたは複数の入力特徴を適用する工程とを含む方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、画像データの1つまたは複数の特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせの1つまたは複数であり得る。
細胞(例えば、T細胞)を分類する方法であって、画像化技術、例えば、デジタルホログラフィ画像化を使用することなどによって、細胞の集団のこのような1つまたは複数の細胞(例えば、第1、第2または第3の細胞)に関連付けられた画像データを受け取る工程と、1つまたは複数の入力特徴に基づいて、細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成された機械学習プロセスへの入力として画像データを適用する工程とを含む方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様において、画像データは、位相データ、強度データ、重ね合わせデータ、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの態様において、画像データは、位相データおよび/または強度データを含む。
特定の態様において、異なるサブセット(例えば、CD4+またはCD8+)の、異なる生存率もしくは健康状態(例えば、生存または非生存)の、または異なる操作された状態(例えば組換え分子、例えばCARで形質導入されたまたは形質導入されていない)のT細胞などの異なる群のT細胞を分類するために、提供される方法を使用することができる。提供される方法の特徴は、以下のサブセクションに記載されている。
A. 細胞画像化技術
提供される方法は、細胞の集団の細胞を画像化することを含む。本明細書において提供される細胞を分類する方法に関連して使用することが企図される画像化技術には、例えば分類または訓練目的のために、分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる画像データおよび/またはそこから決定される情報(例えば、入力特徴;例えば、セクションI-Bを参照)を生成する、T細胞を含む細胞の集団からの細胞、例えばT細胞を画像化することができるありとあらゆる顕微鏡法技術が含まれる。いくつかの態様において、画像化技術は、画像データ、例えば細胞に関連付けられた画像データを生成するために、画像取得、画像処理(例えば、前処理)、および/または画像セグメンテーションなどの工程を含む。いくつかの態様において、画像処理は重心検出を含む。いくつかの態様において、画像処理は、焦点が合っていないときのピーク強度に基づく細胞検出を含む。いくつかの態様において、画像セグメンテーションは端部検出を含む。いくつかの態様において、画像セグメンテーションは位相画像データに対して実行される。いくつかの態様において、画像化技術の出力(例えば、結果)を解釈して画像データを生成するために、コンピュータシステムが使用される。
提供される方法は、細胞の集団の細胞を画像化することを含む。本明細書において提供される細胞を分類する方法に関連して使用することが企図される画像化技術には、例えば分類または訓練目的のために、分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる画像データおよび/またはそこから決定される情報(例えば、入力特徴;例えば、セクションI-Bを参照)を生成する、T細胞を含む細胞の集団からの細胞、例えばT細胞を画像化することができるありとあらゆる顕微鏡法技術が含まれる。いくつかの態様において、画像化技術は、画像データ、例えば細胞に関連付けられた画像データを生成するために、画像取得、画像処理(例えば、前処理)、および/または画像セグメンテーションなどの工程を含む。いくつかの態様において、画像処理は重心検出を含む。いくつかの態様において、画像処理は、焦点が合っていないときのピーク強度に基づく細胞検出を含む。いくつかの態様において、画像セグメンテーションは端部検出を含む。いくつかの態様において、画像セグメンテーションは位相画像データに対して実行される。いくつかの態様において、画像化技術の出力(例えば、結果)を解釈して画像データを生成するために、コンピュータシステムが使用される。
画像化プロセスの出力(例えば、結果)を取得するために、例えば記録するために、画像化技術は、デジタル装置を使用し得る。いくつかの態様において、デジタル装置は電荷結合素子(例えば、CCDカメラ)である。いくつかの態様において、デジタル装置は、相補型金属酸化物半導体装置(例えば、CMOSカメラ)である。したがって、いくつかの態様において、画像データは、デジタル装置を使用して取得される。いくつかの態様において、デジタル装置は、画像化プロセスの結果(例えば、出力)を保存および/または分析するためにコンピュータと連動する。
いくつかの態様において、画像化技術は、単一の細胞(例えば、T細胞)からの画像データを得ることを可能にする。いくつかの態様において、画像化技術は、2つもしくはそれより多くのまたは複数の細胞(例えば、T細胞)からの画像データを同時に得ることを可能にする。例えば、画像化技術は、複数の細胞を一度に画像化することを可能にする視野を含み得、各細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データは、視野内の他の細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データとは独立して(例えば、コンピュータシステム上に)保存、分析および/または使用することができる。いくつかの態様において、複数の細胞の各細胞に関連付けられた画像データを決定するために、画像セグメンテーションが使用される。いくつかの態様において、画像化技術は、約320μm×320μmの視野を含む。いくつかの態様において、画像化技術は、約1μmの水平解像度を含む。いくつかの態様において、画像化技術は、120μmの深さを含む。
いくつかの態様において、画像化技術は、位相データを含有する画像データを生成する。いくつかの態様において、画像化技術は、強度データを含有する画像データを生成する。いくつかの態様において、画像化技術は、位相および強度データを含有する画像データを生成する。いくつかの態様において、画像化技術は、重ね合わせデータを含有する画像データを生成する。いくつかの態様において、画像化技術は、位相、強度および重ね合わせデータを含有する画像データを生成する。いくつかの態様において、画像化技術はホログラムを生成する。いくつかの態様において、画像化技術は3次元情報を生成する。例えば、画像化技術は、x、y、およびz座標値を含む画像を生成し得る。いくつかの態様において、画像データは、コンピュータ上に保存または処理される。
損傷を与えない非破壊的な様式で細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データを得るために、細胞は、培養培地などの液体中に含有され得る。いくつかの態様において、細胞(例えば、T細胞)は、画像化のために、液体、例えば培養培地に懸濁され得る。したがって、いくつかの態様において、画像化技術は、液体中に含有および/または懸濁された細胞、例えばT細胞を画像化することができる。
いくつかの態様において、画像化技術は、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉コントラスト(DIC)顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィック顕微鏡法(DHM)、インライン微分デジタルホログラフィック顕微鏡法、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(微分DHMまたはDDHM)、またはこれらの組み合わせである。いくつかの態様において、画像化技術はDDHMである。
1. デジタルホログラフィック顕微鏡法
本明細書に記載されている分類方法に関連して使用するための例示的な顕微鏡法技術は、デジタルホログラフィック顕微鏡法(DHM)、より具体的には、微分DHM(DDHM)である。デジタルホログラフィック顕微鏡法は、マーカーまたは色素を必要とせずに生細胞の研究を可能にし、研究されるオブジェクトの定量化を可能にする。デジタルホログラフィック顕微鏡法は、試料を層ごとに走査する必要なしに3D試料またはオブジェクトの記録を可能にする技術である。この点で、DHMは共焦点顕微鏡法よりも優れた技術である。DHMでは、ホログラフィック表現は、CCDカメラまたはCMOSカメラなどのデジタルカメラによって記録され、その後、コンピュータ上に保存または処理することができる。DDHMを含む異なるDHM技術、ならびに顕微鏡の構成および要素は、U.S.2014/0193850号、U.S.7,362,449号、およびE.P.1631788号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載されている分類方法に関連して使用するための例示的な顕微鏡法技術は、デジタルホログラフィック顕微鏡法(DHM)、より具体的には、微分DHM(DDHM)である。デジタルホログラフィック顕微鏡法は、マーカーまたは色素を必要とせずに生細胞の研究を可能にし、研究されるオブジェクトの定量化を可能にする。デジタルホログラフィック顕微鏡法は、試料を層ごとに走査する必要なしに3D試料またはオブジェクトの記録を可能にする技術である。この点で、DHMは共焦点顕微鏡法よりも優れた技術である。DHMでは、ホログラフィック表現は、CCDカメラまたはCMOSカメラなどのデジタルカメラによって記録され、その後、コンピュータ上に保存または処理することができる。DDHMを含む異なるDHM技術、ならびに顕微鏡の構成および要素は、U.S.2014/0193850号、U.S.7,362,449号、およびE.P.1631788号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
ホログラフィック表現、すなわちホログラムを作成するために、伝統的に、レーザ光などの高コヒーレント光源が試料を照明するために使用される。最も基本的な設定では、光源からの光は、次いで、2つの光線、オブジェクト光線と参照光線に分割される。オブジェクト光線は、光学系を介して試料に送られ、試料と相互作用し、それによってオブジェクトの光学特性および3D形状に応じて光の位相および振幅を変化させる。次いで、試料上で反射されたまたは試料を通して伝達されたオブジェクト光線は、(例えば、鏡および/またはビームスプリッタのセットによって)参照光線と干渉するようにされ、デジタルとして記録される干渉パターンをもたらす。オブジェクト光線と参照光線が同等の振幅を有する場合にホログラムはより正確であるので、参照光線の振幅をオブジェクト光線のレベルまで減少させるが、参照光線の位相を変化させない、またはせいぜい全体的に位相を変化させる、すなわち、参照光線が吸収要素をどこでどのように通過するかに依存しない吸収要素を参照光線中に導入することができる。記録された干渉パターンは、オブジェクトの光学特性および3D形状に依存する位相および振幅の変化に関する情報を含む。
ホログラムを作成する別の方法は、インラインホログラフィック技術を使用することである。インラインDHMは、より伝統的なDHMと類似するが、少なくともビームスプリッタまたはその他の外部光学素子によって光線を分割しない。インラインDHMは、流体中の粒子、例えば細胞のあまり高密度でない溶液を調べるために最も好ましく使用される。これにより、少なくとも部分的にコヒーレントな光の一部は、粒子と相互作用することなく試料を通過し(参照光線)、粒子と相互作用した光(オブジェクト光線)と干渉し、デジタル的に記録され処理される干渉パターンを生じさせる。インラインDHMは透過モードで使用され、比較的大きいコヒーレンス長を有する光を必要とし、試料の粘度または密度が高すぎる場合には使用することができない。
微分DHM(DDHM)と呼ばれる別のDHM技術は、欧州特許EP 1 631 788号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。DDHMは、参照光線およびオブジェクト光線を全く利用しないという点で他の技術とは異なる。DDHMの好ましい構成では、試料は、反射または透過モードで少なくとも部分的にコヒーレントな光からなる照射手段によって照射される。反射されたまたは透過された試料光線は、対物レンズを通って送られ、続いてビームスプリッタによって2つに分割され、例えばマイケルソンまたはマッハ・ツェンダー型の微分干渉計中の異なる経路に沿って送られ得る。経路の1つでは、光線屈曲要素または角度可変手段、例えば透明なくさびが挿入される。次いで、2つの光線は、集束レンズの焦点面内で互いに干渉させられ、この焦点面内の干渉パターンは、デジタル的に記録され、例えばコンピュータに接続されたCCDカメラによって保存される。これによって、光線屈曲要素により、2つの光線は制御された様式でわずかにシフトされ、干渉パターンはシフトの量に依存する。次いで、光線屈曲要素は回転され、それによってシフトの量を変更する。新しい干渉パターンも記録される。これはN回行うことができ、これらのN個の干渉パターンから、集束レンズの焦点面における位相の勾配(または空間の微分)を近似的に計算することができる。これは位相ステッピング法と呼ばれるが、フーリエ変換データ処理技術など、位相勾配を得る他の方法も公知である。位置の関数として位相を与えるために、位相の勾配を積分することができる。位置の関数としての光の振幅は、おそらくは、但し必ずではなく、N個の記録された干渉パターンの振幅の加重平均から計算することができる。位相および振幅はこのように既知であるので、(参照およびオブジェクト光線を使用する)直接ホログラフィック法と同じ情報が得られ、オブジェクトのその後の3D再構築を実行することができる。
DDHMでは、照射手段は、空間的および時間的に部分的にコヒーレントな光を含み得る。これは、高相関レーザ光のみを使用する他のDHM方法とは対照的である。空間的および時間的に部分的にコヒーレントな光は、例えばLEDによって生成することができる。LEDは、レーザよりも安価であり、空間的および時間的に部分的にコヒーレントである、すなわちレーザ光ほどコヒーレントではないが、当面の用途に必要な品質のホログラフィック画像を生成するのになお十分コヒーレントである既知の波長を中心とするスペクトルを有する光を生成する。LEDは、多くの異なる波長に対して利用可能であり、サイズが非常に小さく、使いやすく、または必要であれば交換しやすいという利点も有する。したがって、ホログラフィック画像を得るために空間的および時間的に部分的にコヒーレントな光を使用することができる方法を提供することは、このような方法を実施するためのより費用対効果の高い装置をもたらす。いくつかの態様において、照射手段は赤色LEDである。
画像は、画像化されたオブジェクト(例えば、培養細胞、細胞片)を定量的に記述する複数の形態的特徴を得るために、オブジェクトセグメンテーションおよびさらなる分析を受け得る。したがって、例えば、画像取得、画像処理、画像セグメンテーションおよび特徴抽出の工程を使用して、様々な特徴(例えば、細胞形態、細胞生存率、細胞濃度)をDDHMから直接評価または計算し得る。いくつかの態様において、ホログラフィック画像を記録するためにデジタル記録装置が使用される。いくつかの態様において、ホログラフィック画像を分析するためのアルゴリズムを含むコンピュータが使用され得る。いくつかの態様において、ホログラフィック画像分析の結果を表示するためにモニターおよび/またはコンピュータが使用され得る。いくつかの態様において、分析は自動化される(すなわち、ユーザ入力なしで実行することができる。)。DDHMシステムの例には、Ovizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)が含まれるが、これに限定されない。
本明細書で提供される方法(その態様を含む)に従って、任意の種類のDHMが使用され得る。いくつかの態様において、他の顕微鏡法(例えば、蛍光顕微鏡法)と組み合わせて、DHM、インラインDHMまたは微分DHMが使用される。いくつかの態様において、DDHMは、本明細書で提供される方法に関連して使用される。いくつかの態様において、DDHMは上記のように実施される。いくつかの態様において、画像データは、DDHMを含む画像化技術から収集される。
B. 画像データおよび入力特徴
上記のセクションI-AおよびセクションI-A-1に記載されている画像化技術を使用して収集されるような画像データは、T細胞を分類するための分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる。いくつかの態様において、画像データから1つまたは複数の特徴を決定することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の特徴は、T細胞を分類するための分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる。このような特徴は、本明細書において「入力特徴」と呼ばれることがある。画像データは、強度データ(例えば、RGB、RGBA、ピクセルに対応するグレースケール値)、位相データ、重ね合わせデータ、空間データ、または画像化プロセス(例えば、DDHM)の出力に対応する任意の他の適切なデータを含むことができる。画像データは、任意の適切な数および種類の次元に沿った値の配列として表すことができる。例えば、いくつかの例では、画像データは、各要素が3つの8ビット値を保持し、各値が対応するピクセル(またはその他の画像要素)のRGB強度を表す2次元配列として表すことができる。画像データは、2D画像、3D立体画像、ホログラム、または任意の他の適切な画像を表すことができる。画像データは、視覚画像に対応し得るが、対応する必要はない。画像データは可視光に対応し得るが、いくつかの例では、画像データは任意の適切な光源(例えば、赤外または紫外光)に対応することができる。さらに、任意の適切な画像化の方法を使用することができる。
上記のセクションI-AおよびセクションI-A-1に記載されている画像化技術を使用して収集されるような画像データは、T細胞を分類するための分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる。いくつかの態様において、画像データから1つまたは複数の特徴を決定することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の特徴は、T細胞を分類するための分類プロセス(例えば、機械学習モデル)への入力として使用することができる。このような特徴は、本明細書において「入力特徴」と呼ばれることがある。画像データは、強度データ(例えば、RGB、RGBA、ピクセルに対応するグレースケール値)、位相データ、重ね合わせデータ、空間データ、または画像化プロセス(例えば、DDHM)の出力に対応する任意の他の適切なデータを含むことができる。画像データは、任意の適切な数および種類の次元に沿った値の配列として表すことができる。例えば、いくつかの例では、画像データは、各要素が3つの8ビット値を保持し、各値が対応するピクセル(またはその他の画像要素)のRGB強度を表す2次元配列として表すことができる。画像データは、2D画像、3D立体画像、ホログラム、または任意の他の適切な画像を表すことができる。画像データは、視覚画像に対応し得るが、対応する必要はない。画像データは可視光に対応し得るが、いくつかの例では、画像データは任意の適切な光源(例えば、赤外または紫外光)に対応することができる。さらに、任意の適切な画像化の方法を使用することができる。
いくつかの態様において、画像データは、DDHMを使用して収集される。いくつかの態様において、画像データはDDHMから受け取られる。いくつかの態様において、DDHMを使用して収集された、またはDDHMから受け取られた画像データは、後述する特徴などの特徴を抽出するために処理される。
提供される方法では、機械学習モデル、例えば畳み込みニューラルネットワークを訓練するために画像データ自体を使用することができ、分類されるべき細胞からの画像データをモデル(例えば、畳み込みニューラルネットワークモデル)への入力として使用することができる。他の提供される態様では、サポートベクターマシン(SVM)、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストなどによって機械学習モデルを訓練するために、画像データから導出された複数の入力特徴を使用することができ、分類されるべき細胞からの入力特徴をモデルへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、画像データから決定される入力特徴は、形態的特徴、光学的特徴、強度特徴、位相特徴またはシステム特徴のうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの態様において、例えば、適切なフィルタ、統計処理方法、および/または信号処理方法を画像データに適用することによって、細胞に対応する画像データから1つまたは複数の形態的特徴を決定することができる。形態的特徴は、細胞の物理的形状の1つまたは複数の特徴を記述する。形態的特徴は、例えば、細胞のアスペクト比(例えば、細胞の第2の軸の長さに対する細胞の第1の軸の長さの比)、いくつかの態様では、アスペクト比は正規化され得る;細胞の面積(例えば、表面積または投影表面積);細胞の円形度(例えば、細胞の周囲長に対する細胞の面積の比);細胞の稠密度(例えば、細胞の軸におけるオブジェクトの分散に対する細胞の面積の比);細胞の伸長(例えば、細胞を囲む長方形の幅と高さの比);細胞の直径(例えば、細胞と同じ面積を有する円の直径);Huモーメント(例えば、細胞に関連付けられたピクセル強度の加重平均(Huモーメント不変量1~7のうちの1つなど));周囲長(例えば、細胞の周囲長);半径(例えば、細胞の重心から細胞の周囲までの距離)の平均または分散、いくつかの態様では、半径の分散を直径で除することによって正規化された半径分散が決定され得る、を含むことができる。いくつかの例では、上記のような形態的特徴は、細胞の2次元画像または細胞の3次元画像に関連付けることができる。上述の形態的特徴は、後述するような、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用することができる。
いくつかの態様において、例えば、適切なフィルタ、統計処理方法、および/または信号処理方法を画像データに適用することによって、細胞に対応する画像データから1つまたは複数の光学的特徴を決定することができる。光学的特徴は、細胞の画像の1つまたは複数の光学的特性を記述する。光学的特徴は、例えば、ピーク直径(例えば、細胞の屈折ピークと同じ面積を有する円の直径);細胞の質量偏心度(例えば、光学的高さによって重み付けされた、細胞の幾何学的中心と細胞の重心との間の距離(例えば、ピクセルでの));細胞の最小、最大もしくは平均強度(例えば、RGB強度値);細胞の最小、最大または平均光学的高さ(例えば、細胞表面にわたるミクロンまたはラジアンでの高さ);細胞の正規化された光学的高さ(例えば、細胞直径で割った細胞の(例えば、ミクロンでの)光学的高さ);細胞の光学的体積(例えば、細胞の体積および細胞の屈折率に比例する値);細胞の屈折ピークの(例えば、ミクロンでの)面積;細胞の屈折ピークの数;細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積(例えば、例えば細胞面積と平均強度の積で割ったピーク面積);細胞の正規化された屈折ピーク高さ(例えば、例えば細胞の表面と細胞の平均強度の積で割った細胞の屈折ピークの強度);および/または細胞の屈折ピークの強度を含むことができる。いくつかの例では、上記のような光学的特徴は、細胞の2次元画像または細胞の3次元画像に関連付けることができる。上述の光学的特徴は、後述するような、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用することができる。
いくつかの態様において、例えば、適切なフィルタ、統計処理方法、および/または信号処理方法を画像データに適用することによって、細胞に対応する画像データから1つまたは複数の強度特徴を決定することができる。強度特徴は、細胞の強度の1つまたは複数の特性を記述する。いくつかの例では、細胞の強度は、細胞の画像の強度値(例えば、画像のRGB値)を含むことができる。いくつかの例では、細胞の強度は、ある位置における存在の指標(例えば、細胞がその位置に存在するかどうかを示す1または0の値)を含むことができる。強度特徴は、例えば、細胞の画像の強度値(例えば、平均強度);細胞の画像の強度コントラスト(例えば、画像内のピクセルと隣接ピクセル間の強度差)、いくつかの態様では、細胞の画像の強度コントラストは、平均強度コントラストである;細胞の画像の強度エントロピー(例えば、平均エントロピー);細胞の画像の強度均一性(例えば、細胞表面にわたる強度の均一性の尺度)、いくつかの態様では、細胞の画像の強度均一性は、細胞表面にわたる強度の均一性の平均尺度(例えば、平均強度均一性)として表される;細胞の画像の強度相関(例えば、画像内のピクセルと隣接ピクセルの強度間の相関);細胞の画像の強度均質性(例えば、対角に対する分布の空間的近さ);細胞の画像の強度歪度(例えば、強度の対称性);細胞の画像の強度分散(例えば、細胞表面にわたる強度の分散値);細胞の強度が最大となる平面(例えば、ミクロンでの);および/または細胞の画像の強度平滑度(例えば、平均平滑度)を含むことができる。いくつかの例では、上記のような強度特徴は、細胞の2次元画像または細胞の3次元画像に関連付けることができる。上述の強度特徴は、後述するような、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用することができる。
いくつかの態様において、例えば、適切なフィルタ、統計処理方法、および/または信号処理方法を画像データに適用することによって、細胞に対応する画像データから1つまたは複数の位相特徴を決定することができる。位相特徴は、細胞の位相画像の1つまたは複数の特性を記述する。位相特徴は、例えば、細胞の位相画像の光学的高さ(例えば、ミクロンまたはラジアンでの光学的高さの平均または分散);細胞の位相強度コントラスト(例えば、細胞の表面にわたるピクセル間での、例えば、細胞の位相画像の平均強度コントラストまたは細胞の位相画像の強度コントラスト);細胞の位相エントロピー(例えば、細胞の位相画像の平均エントロピー);細胞の平均位相(例えば、細胞表面にわたって取られた位相平均);細胞の位相均一性(例えば、細胞表面にわたる位相均一性の尺度)、いくつかの態様では、細胞の位相均一性は、細胞表面にわたる位相の均一性の平均尺度(例えば、細胞の平均位相均一性)である;細胞の位相相関(例えば、ピクセルが細胞の位相画像においてその隣接するピクセルとどの程度相関しているかの尺度);細胞の位相均質性(例えば、細胞の位相画像における対角に対する分布の空間的近さの尺度);細胞の位相歪度(例えば、細胞の位相画像における非対称性の尺度);および/または細胞の位相平滑度(例えば、細胞の位相画像における平滑度の尺度)を含むことができる。いくつかの例では、上記のような位相特徴は、細胞の2次元画像または細胞の3次元画像に関連付けることができる。上述の位相特徴は、後述するような、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用することができる。
いくつかの態様において、例えば、適切なフィルタ、統計処理方法、および/または信号処理方法を画像データに適用することによって、細胞に対応する画像データから1つまたは複数のシステム特徴を決定することができる。システム特徴は、細胞の画像の1つまたは複数の位置的または統計的特性など、細胞の画像の表示または読み出しの特性を記述する。システム特徴は、例えば、細胞の深さ(例えば、奥行き軸に沿った細胞の位置);細胞識別子(例えば、画像内の細胞に割り当てられた固有のID番号);画像識別子(例えば、オブジェクトを含有する画像の固有の識別子)、オブジェクト識別子(例えば、画像内のオブジェクトの固有の識別子)、細胞記述子(例えば、生存、死亡、破片、クラスタ、包括的(generic)、ピークを有する破片などのカテゴリ記述);重心(例えば、画像内のX軸またはY軸に沿った重心座標);および/または細胞の境界表示(例えば、細胞または細胞の屈折ピークが画像内の境界に沿って存在するかどうか)を含むことができる。いくつかの例では、上記のようなシステム特徴は、細胞の2次元画像または細胞の3次元画像に関連付けることができる。上述のシステム特徴は、後述するような、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用することができる。
いくつかの態様において、入力特徴は、70の入力特徴の1つまたは複数または全てを含み、入力特徴は、細胞のアスペクト比、細胞の深さ、細胞の面積、細胞記述子、細胞識別子、画像識別子、オブジェクト識別子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、ピーク直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度 細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の強度が最大である平面、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、周囲長、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度、細胞の位相均一性、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散、および細胞の正規化された半径分散を含む。
いくつかの態様において、入力特徴の1つまたは複数は、後述するように、細胞を分類するための分類プロセスへの入力として適用され得る。いくつかの態様において、入力特徴の1つまたは複数は、細胞を分類するように訓練された機械学習モデルへの入力として適用され得る。いくつかの態様において、細胞を分類するように訓練された機械学習モデルへの入力として適用される1つまたは複数の入力特徴は、機械学習モデルを訓練するために使用される同じ1つまたは複数の入力特徴に対応する。例えば、ある群に属することが知られている細胞からの入力特徴のサブセットを使用して機械学習モデルが訓練される場合、分類されるべき細胞に対する機械学習モデルに対して適用される入力特徴は、当該モデルが訓練されたものと同じ入力特徴である。
いくつかの例では、細胞を分類するために、細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴の全てを使用する必要はない。例えば、どの入力特徴が細胞属性と強く相関しているかを決定するために初期統計的検定を実行することが可能である。次いで、これらの入力特徴を機械学習モデルへの入力として使用することができる。高度に相関する入力特徴を特定するために、統計的検定を実行することもできる。さらに、低分散を示す入力特徴を特定するために、統計的検定が実施され得る。これらの入力特徴は、機械学習モデルへの入力として除外することができる。これらのまたは同様の分析は、機械学習モデルのための訓練データとして使用される入力特徴に対して実行できることを理解されたい。いくつかの態様において、この段落で記載されている方法は、データ前処理と呼ばれる。一部の事例において、モデル作成におけるデータ前処理の工程は、紛らわしいまたは不正確な結果を生成するモデルの生成を回避する。いくつかの態様において、前処理は、範囲外の値、欠損値、不可能なデータの組み合わせ、高度に相関する変数などがモデルに組み込まれるのを防ぐ。一部の事例において、前処理は有益な特徴の特定をもたらす。
いくつかの態様において、少なくとも70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の入力特徴が機械学習モデルへの入力として適用される。いくつかの態様において、約1~約70、約1~約60、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約15、約1~約10、または約1~約5個の入力特徴が、機械学習モデルへの入力として適用される。いくつかの態様において、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満または約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴が機械学習モデルに適用される。いくつかの態様において、20、15、10、もしくは5個未満または約20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴が機械学習モデルに適用される。
C. 機械学習
いくつかの態様において、細胞の集団(例えば、T細胞を含有する細胞の集団)の細胞(例えば、T細胞)を分類するために、例えばセクションI-Bに記載されているような画像データおよび/または入力特徴を機械学習モデルへの入力として使用し得る。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中の各T細胞を分類することができる。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞集団中に含有される複数のT細胞を分類することができる。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%が分類される。分類は、細胞型を分類することができる機械学習モデルを組み込んだ分類プロセスなどの分類プロセスを実行するコンピュータによって達成され得る。機械学習モデルは、以下に記載されている例示的なモデルなどの任意の適切な機械学習モデルを含み得る。
いくつかの態様において、細胞の集団(例えば、T細胞を含有する細胞の集団)の細胞(例えば、T細胞)を分類するために、例えばセクションI-Bに記載されているような画像データおよび/または入力特徴を機械学習モデルへの入力として使用し得る。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中の各T細胞を分類することができる。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞集団中に含有される複数のT細胞を分類することができる。いくつかの態様において、T細胞を含有する細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%が分類される。分類は、細胞型を分類することができる機械学習モデルを組み込んだ分類プロセスなどの分類プロセスを実行するコンピュータによって達成され得る。機械学習モデルは、以下に記載されている例示的なモデルなどの任意の適切な機械学習モデルを含み得る。
いくつかの態様において、分類は、第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に明確に属するものとして細胞を特定することを含み得る。一部の事例において、分類は、確率をカテゴリ(例えば、T細胞がCD4+サブタイプに属する70%の確率)に割り当てること;および/または細胞が十分な確率でカテゴリに属するかどうかを判定するために、確率を閾値と比較することを含み得る。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)、回帰モデル、事例に基づくモデル、正則化モデル、決定木、ランダムフォレスト、ベイズモデル、クラスタリングモデル、連想モデル、深層学習モデル、次元削減モデル、サポートベクターマシン、および/またはアンサンブルモデル(例えば、ブースティング)のうちの1つまたは複数を含む。しかしながら、様々な態様を実施するために、任意の適切な機械学習モデル、またはモデルの組み合わせを使用することができる。
いくつかの態様において、第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に属するものとして細胞を分類するために、人工ニューラルネットワーク(ここではニューラルネットワークまたはNNとも呼ばれる)を利用することができる。ニューラルネットワークは、1つまたは複数の入力を1つまたは複数の出力と接続するために、1つまたは複数の計算ユニットのネットワーク(例えば、パーセプトロン)を利用することができる。例えば、入力は、分類されるべき候補細胞に関連付けられた画像データおよび/または入力特徴を含むことができ、出力は、候補細胞が第1のカテゴリ(例えば、CD4+)に属するかまたは第2のカテゴリ(例えば、CD8+)に属するかどうかの表示を含むことができる。いくつかの例では、上記の入力特徴の一部または全部をニューラルネットワークへの入力として提示することができる。ニューラルネットワークは、出力に到達するために入力の関数を計算し、関数は、1つまたは複数の計算ユニットによる計算を介して出力に到達する。
計算ユニットは、中間値(重み)を組み込み得る。重みは、ニューラルネットワークが1つまたは複数の入力から所望の出力を正確に生成するように調整される訓練プロセスを介して調整することができる。例えば、訓練されていないニューラルネットワークは、細胞をCD4+細胞またはCD8+細胞として正しく分類する能力を欠如し得る。しかしながら、既知の出力に対応する既知の入力(例えば、CD4+細胞またはCD8+細胞であることが知られている細胞に属する画像データおよび/または入力特徴)を連続的に適用することによって、ニューラルネットワークの出力と所望の出力の間の誤差を最小限に抑えるように重みを変更し得る。したがって、ニューラルネットワークは、細胞をCD4+細胞またはCD8+細胞としてより正確に分類するために時間とともに改良される。訓練後、ニューラルネットワークは未知の入力(例えば、CD4+またはCD8+のいずれかであることが知られていない細胞についての画像データおよび/または入力特徴)を正確に分類することができるようになる。すなわち、候補細胞に関連付けられた画像データおよび/または入力特徴(例えば、上記の光学的、形態的、強度、位相、またはシステム特徴のうちの1つ、いくつか、または全て)を訓練されたニューラルネットワークに提示することができ、ニューラルネットワークは、候補細胞がCD4+型またはCD8+型であるかどうかに対応する出力を正確に提供することができる。
本発明の範囲から逸脱することなく、多くのタイプのニューラルネットワーク、およびそれらのニューラルネットワークの構成(例えば、単層または多層などの、パーセプトロンの数および/または配置)を利用することができることが当業者には理解されよう。同様に、本発明の範囲から逸脱することなく、ニューラルネットワークを訓練するための様々な方法を使用することができる。例えば、いくつかの態様において、上記のようなニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とすることができる。CNNにおいて、畳み込み層は、1つまたは複数の畳み込みフィルタを含む。これらの畳み込みフィルタは、1つまたは複数の特徴マップを生成するために、入力(例えば、画像データ)に適用することができ;所望の出力と予測される結果の間の誤差を最小にし、したがって、候補細胞(例えば、T細胞)を分類するCNNの能力を改善する特徴マップに到達するために、後述するような訓練プロセスを使用することができる。いくつかの例では、CNNは、分類されるべき候補細胞に関連付けられた画像データ(例えば、強度画像データ、位相画像データ、重ね合わせ画像データ)を入力として受け取り、候補細胞が第1の群(例えば、CD4+)または第2の群(例えば、CD8+)に属するかどうかを出力する(例えば、予測する)ことができる。いくつかの態様において、CNNは画像データを使用して訓練される。いくつかの態様において、CNNは、未知の種類の細胞に関連付けられた画像データを分類する。
いくつかの態様において、細胞の集団における細胞の健康を判定するために、畳み込みニューラルネットワークが使用され得る。例えば、集団の細胞が生きている(生存)かもしくは死んでいるかどうか、ならびに/または細胞集団中の生きている(生存)細胞および死んだ細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データを畳み込みニューラルネットワークへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、細胞属性の生存は、単一の生存細胞および/または生存細胞のクラスタを含む。いくつかの態様において、細胞属性の死亡は、非生存細胞および/または破片を含む。いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、単一の生存細胞、生存細胞のクラスタ、非生存細胞および破片を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞のサブタイプ同一性を判定するために、畳み込みニューラルネットワークが使用され得る。いくつかの態様において、細胞のサブタイプ同一性、ならびに/または細胞集団中の細胞サブタイプの割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データを畳み込みニューラルネットワークへの入力として使用することができる。例えば、細胞がCD4+であるかもしくはCD8+であるかどうか、および/または細胞集団中の各サブタイプの細胞の割合、濃度、もしくは総数を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データを畳み込みニューラルネットワークへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、CD4+およびCD8+T細胞を分類することができる。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞が組換え分子を発現するかどうかを決定するために、畳み込みニューラルネットワークが使用され得る。いくつかの態様において、組換え分子は組換え受容体である。いくつかの態様において、組換え受容体はキメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様において、組換え受容体はT細胞受容体(TCR)である。いくつかの態様において、組換え分子を発現する細胞、ならびに/または細胞集団中の組換え分子を発現する細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データを畳み込みニューラルネットワークへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、CAR+およびCAR-細胞を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞が活性化された状態にあるかどうかを決定するために、畳み込みニューラルネットワークが使用され得る。いくつかの態様において、細胞が活性化されていること、ならびに/または細胞集団中の活性化された細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データを畳み込みニューラルネットワークへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、活性化された細胞と活性化されていない細胞を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの例では、細胞を第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に属するものとして分類するために、サポートベクターマシン(SVM)を(単独で、または他の技術と組み合わせて)利用することができる。当業者には理解されるように、SVMは、データセットを線形に分離するために使用される超平面を含むことができる。第1のカテゴリの細胞を第2のカテゴリの細胞から分離するように構成された超平面に対して、未知のタイプの細胞を含むデータセットを試験することによって、データセットの候補細胞は、第1のカテゴリまたは第2のカテゴリのいずれかに属するものとして分類することができる。
上記のようなSVMの超平面は、訓練方法を介して決定することができる。SVMを訓練する様々な方法は当業者に周知であり、本開示の範囲内である。例えば、既知の出力に対応する入力(例えば、CD4+細胞またはCD8+細胞であることが知られている細胞に属する画像データおよび/または入力特徴)を含む訓練データセットを提供することができる。超平面は、訓練データセットの線形分類を実行する、当業者に周知の様々な方法のいずれをも使用して決定することができる。いくつかの例では、幾何学的マージンが最大になるように超平面を決定することが好ましい。訓練後、SVMは、未知の入力(例えば、CD4+またはCD8+のいずれかであることが知られていない細胞についての画像データおよび/または入力特徴)を分類するために超平面を使用することができる。すなわち、決定された超平面を使用して、候補細胞に関連付けられた画像データおよび/または入力特徴(例えば、上記の光学的、形態的、強度、位相、またはシステム特徴のうちの1つ、いくつか、または全て)をSVMに提示することができ、SVMは、候補細胞がCD4+型またはCD8+型であるかどうかに対応する出力を正確に提供することができる。
いくつかの例では、細胞を分類するために、アンサンブル機械学習法が使用され得る。ランダムフォレストは、いくつかの態様において、細胞を第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に属するものとして分類するために利用することができるアンサンブル学習方法の一例である。ランダムフォレストは、複数の決定木を含むことができ、その各々は、1つまたは複数の対応する出力を生成するために1つまたは複数の入力に適用される。いくつかの態様において、ランダムフォレスト内の各決定木は、候補細胞に関連付けられた画像データおよび/または入力特徴(例えば、上記の光学的、形態的、強度、位相、またはシステム特徴のうちの1つ、いくつか、または全て)を入力として受け入れ、出力として候補細胞の分類を生成することができる。好ましくは、個々の決定木は、複数の決定木に適用される共通の入力が出力の多様性をもたらすように十分に無相関である。複数の態様において、画像データおよび/または入力特徴(例えば、上記の光学的、形態的、強度、位相、またはシステム特徴のうちの1つ、いくつか、または全て)は、複数の個々の決定木の各々に適用され、対応する出力は、ランダムフォレストの出力を生成するために調整される。例えば、いくつかの態様において、ランダムフォレストの出力は、個々の決定木の大部分による分類出力に対応し得る。
ランダムフォレストを訓練する様々な方法は当業者に周知であり、本開示の範囲内である。例えば、いくつかの態様において、ランダムフォレストは、ランダムフォレストのそれぞれの個々の決定木に無作為にサンプリングされた入力データ(例えば、画像データ、1つまたは複数の入力特徴)を適用することによって、データセット(例えば、CD4+細胞またはCD8+細胞であることが知られている細胞に対応する画像データのセット)に関して訓練することができる。
一部の事例において、ランダムフォレストは、ランダムフォレストのそれぞれの個々の決定木に無作為にサンプリングされた入力データ(例えば、1つまたは複数の入力特徴)を適用することによって、データセット(例えば、CD4+細胞またはCD8+細胞であることが知られている細胞に対応する画像データに由来する入力特徴)に関して訓練することができる。この訓練方法は、個々の決定木間の多様性を促進し、ランダムフォレストの精度を向上させることができる。ランダムフォレストの多くの適切な構成を適宜利用できることが当業者には理解されよう。本開示は、ランダムフォレスト、その構成要素である決定木、決定木を訓練する任意の方法、または上記のいずれかを訓練する任意の方法のいずれかのタイプまたは構成に限定されない。
ブースティング分類器は、いくつかの態様において、細胞を第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に属するものとして分類するために利用することができるアンサンブル学習方法のさらなる例を提供する。例えば、AdaBoostは、「弱い」分類器の出力を加重和に統合するブースティング分類器と記述することができる。いくつかの態様において、候補細胞に対応する画像データおよび/または入力特徴に基づいて、候補細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、AdaBoostを使用することができる。同様に、AdaBoostは、1つまたは複数の細胞属性(例えば、1つまたはそれを超える細胞属性によって定義される群に属することが知られている細胞)を有することが知られている細胞に対応する画像データおよび/または入力特徴を含む訓練データに関して訓練することができる。同様に、細胞を第1のカテゴリ(例えば、CD4+サブタイプ)または第2のカテゴリ(例えば、CD8+サブタイプ)に属するものとして分類するために、XGBoostなどの他のブースティング方法を同様の方法で訓練および適用することができる。XGBoostなどのブースティング方法は、他の機械学習方法と組み合わせることができる。例えば、細胞を分類するために、XGBoostをランダムフォレストと組み合わせて使用することができる。
いくつかの態様において、細胞の集団における細胞の健康を判定するために、ランダムフォレストが使用され得る。例えば、集団の細胞が生きている(生存)かもしくは死んでいるかどうか、ならびに/または細胞集団中の生きている(生存)細胞および死んだ細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴をランダムフォレストへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、細胞属性の生存は、単一の生存細胞および/または生存細胞のクラスタを含む。いくつかの態様において、細胞属性の死亡は、非生存細胞および/または破片を含む。いくつかの態様において、ランダムフォレストは、単一の生存細胞、生存細胞のクラスタ、非生存細胞および破片を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞、例えばT細胞を含有する細胞の集団中のT細胞の健康状態を分類するために、1つまたは複数の入力特徴がランダムフォレスト分類器によって使用され得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度を含む。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の入力特徴は、細胞が生存しているか、または死亡しているかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、または全ての入力特徴は、細胞が生存しているか、または死亡しているかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、位相相関、細胞の面積、屈折ピークの数、位相歪度およびピーク直径から選択される1、2、3、または4個の入力特徴は、細胞が生存しているか、または死亡しているかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の位相相関を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の面積を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の特徴は、細胞のいくつかの屈折ピークを含む。
いくつかの態様において、細胞の集団における細胞のサブタイプ同一性を判定するために、ランダムフォレストが使用され得る。いくつかの態様において、細胞のサブタイプ同一性、ならびに/または細胞集団中の細胞サブタイプの割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴をランダムフォレストへの入力として使用することができる。例えば、細胞がCD4+であるかもしくはCD8+であるかどうか、および/または細胞集団中の各サブタイプの細胞の割合、濃度、もしくは総数を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴をランダムフォレストへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。いくつかの態様において、ランダムフォレストは、CD4+およびCD8+T細胞を分類することができる。
いくつかの態様において、細胞の集団における、例えばT細胞を含有する細胞の集団中のT細胞における細胞サブタイプを分類するために、1つまたは複数の入力特徴がランダムフォレスト分類器によって使用され得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞表面にわたる位相の均一性の平均尺度(例えば、細胞の平均位相均一性)、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面(例えば、ミクロンでの)、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞のミクロンでの最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞表面にわたる位相の均一性の平均尺度(例えば、細胞の平均位相均一性)、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面(例えば、ミクロンでの)、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞のミクロンでの最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはそれより多くまたは全ての入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞表面にわたる位相の均一性の平均尺度(例えば、細胞の平均位相均一性)、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面(例えば、ミクロンでの)、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞のミクロンでの最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または全ての入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。
いくつかの態様において、細胞の集団における、例えばT細胞を含有する細胞の集団中のT細胞における細胞サブタイプを分類するために、1つまたは複数の入力特徴がランダムフォレスト分類器によって使用され得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、平均強度コントラスト、細胞の画像の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関から選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14の入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関から選択される少なくとも1、2、3、4、5、6、または全ての入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度および細胞の位相強度コントラストから選択される1、2、3、4、5、または6つの入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度および細胞の位相強度コントラストから選択される少なくとも1、2、3、4、5、または6つの入力特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、任意の組み合わせで、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性から選択される1つまたは複数の特徴は、細胞がある特定のサブタイプ(例えば、CD4またはCD8T細胞)であるかどうかを分類するために、ランダムフォレスト分類器などの機械学習モデルによって使用されることができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の入力特徴は細胞の深さを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の特徴は、強度コントラストを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の特徴は、強度均一性を含む。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞が組換え分子を発現するかどうかを決定するために、ランダムフォレストが使用され得る。いくつかの態様において、組換え分子は組換え受容体である。いくつかの態様において、組換え受容体はキメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様において、組換え受容体はT細胞受容体(TCR)である。いくつかの態様において、組換え分子を発現する細胞、ならびに/または細胞集団中の組換え分子を発現する細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴をランダムフォレストへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、ランダムフォレストは、CAR+およびCAR-細胞を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの態様において、細胞の集団中の細胞が活性化された状態にあるかどうかを判定するために、ランダムフォレストが使用され得る。いくつかの態様において、細胞が活性化されていること、ならびに/または細胞集団中の活性化された細胞の割合、総数、および/もしくは濃度を決定するために、集団の細胞に関連付けられた画像データから決定された入力特徴をランダムフォレストへの入力として使用することができる。いくつかの態様において、ランダムフォレストは、活性化された細胞および活性化されていない細胞を分類することができる。いくつかの態様において、分類されるべき細胞は、T細胞を含有する細胞の集団のT細胞である。
いくつかの態様において、個々の入力特徴(例えば、上記の光学的、形態的、強度、位相、またはシステム特徴のいずれか)に対応するパラメータ(例えば、値)を生成するために、前処理段階を細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データに適用することができ、次いで、それらのパラメータは機械学習モデル(例えば、上記の機械学習モデルのいずれか)への入力として提供される。例えば、前処理段階は、候補細胞の画像データ、例えば、RGBまたはグレースケール値の3Dアレイに作用することができ、各RGBまたはグレースケール値はその画像のピクセルに対応する。いくつかの態様において、前処理は、細胞に関連付けられた画像データのノイズ(例えば、バックグラウンドノイズ)の除去または低減を含む。いくつかの態様において、前処理は、細胞に関連付けられた画像データを正規化することを含む。前処理段階は、画像から強度値、光学的高さ値、コントラスト値、または任意の他の適切なパラメータ(上述のパラメータなど)を計算することができ、次いでそれらのパラメータを機械学習モデルに適用することができる。
いくつかの態様において、細胞を分類するために、1種より多くの機械学習モデルが使用され得る。例えば、分類されるべき細胞の集団が製造プロセス、例えば本明細書において記載されているプロセスを経る場合、分類の方法は、集団の細胞を分類するために製造プロセス中の任意の時点または工程で使用され得る。ある種の機械学習モデルは、異なる時点または工程において、細胞を分類するためによりよく機能し得ると考えられる。いくつかの態様において、例えば上述のような1つまたは複数の機械学習モデルは、異なる時点で、または例えば製造プロセスの異なる工程中に使用され得る。
1. 訓練方法
いくつかの態様において、機械学習モデルは、訓練データを使用して訓練され得る。いくつかの態様において、訓練データは、細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、訓練データは、細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データから決定された入力特徴であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、訓練データは、例えば以下に記載されるように、細胞のデータセット中に含有される細胞に関連付けられる。アルゴリズムの訓練は、教師あり、教師なし、または半教師ありの訓練方法を通じて達成され得る。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、訓練データを使用して訓練され得る。いくつかの態様において、訓練データは、細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データであるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、訓練データは、細胞(例えば、T細胞)に関連付けられた画像データから決定された入力特徴であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、訓練データは、例えば以下に記載されるように、細胞のデータセット中に含有される細胞に関連付けられる。アルゴリズムの訓練は、教師あり、教師なし、または半教師ありの訓練方法を通じて達成され得る。
いくつかの態様において、機械学習モデルの訓練は教師ありである。この場合には、機械学習モデルを訓練するために使用される訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)は、細胞が特定の群に属することを示す1つまたは複数の細胞属性を有することが知られている細胞に由来し、群は1つまたは複数の細胞属性によって定義される。例えば、訓練データは、既知の細胞属性(例えば、CD4+、CD8+、形質導入された細胞)を有する細胞(例えば、T細胞)から収集された画像データおよび/または入力特徴を含み得る。このようにして、モデルは、ある特定のデータ(例えば、画像データ、入力特徴)が特定の細胞属性(例えば、CD4+、CD8+、形質導入された細胞)を有する細胞(例えば、T細胞)に対応することを訓練される(例えば、学習する)。したがって、細胞属性が未知である細胞からの新規データ(例えば、画像データまたは入力特徴)がモデルに提示されると、モデルは、以前の訓練に基づいて、細胞が1つまたは複数の細胞属性によって定義される群に属することを分類する(例えば、予測する)ことができる。いくつかの態様において、画像データはDDHMによって得られる。いくつかの態様において、入力特徴は、DDHMによって得られた画像データから決定される。
いくつかの態様において、既知の細胞属性を有する細胞に関連付けられた画像データは、機械学習モデルの教師あり訓練のための追加のデータセットを生成するために操作される。いくつかの態様において、既知の細胞属性を有する細胞に関連付けられた画像データは、拡大表示、傾斜、および/または回転によって操作される。この戦略は、小さな訓練データセットまたは多様性を欠く訓練データセットを扱うときに学習能力を強化するのに有用であり得る。いくつかの態様において、画像データはDDHMによって得られる。
あるいは、いくつかの態様において、機械学習モデルの訓練は教師なしである。この場合、モデルを訓練するために使用される訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)は、細胞属性が未知である細胞に由来する。したがって、モデルに未知の起源(例えば、未知の細胞型、形質導入の成功が不明)のデータ(例えば、画像データ、入力特徴)が提示されると、モデルは、新規データを教師なしデータによって生成されたクラスタと関連付ける。モデルは、教師なし訓練データによって生成された既存のクラスタの一部として、または既存のクラスタとは異なるクラスタの一部として、または外れ値として、新規データを分類し得る。クラスタとの新規データの関連付けは、例えば、k平均クラスタリングなどの重心ベースのクラスタリング技術の使用を通じて、モデルによって達成され得る。
機械学習モデルが訓練され得るデータセットは、訓練のために使用されるデータセット、試験のために使用されるセット、および/または検証のために使用されるセットを生成するために、任意の適切な様式で分けられ、または分割され得る。例えば、いくつかの態様において、データの80%が機械学習モデルを訓練するために使用され、20%が機械学習モデルを試験するために使用されるように、データセットは分けられ、または分割される。機械学習モデルを訓練および試験するためのデータの例示的な分け方または分割は、以下のセクションVIに見出すことができる。
いくつかの態様において、訓練データは均衡が保たれる。いくつかの態様において、試験データは均衡が保たれる。例えば、第1の群に属する細胞の集団が第2の群に属する細胞の集団よりも大きい場合、第1の群を無作為にサンプリングして、第2の群のサイズと同一の細胞の集団を作成することができる。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、第1または第2の群に属するものとして細胞(例えば、T細胞)を特定するように訓練され、第1の群は、1つまたは複数の細胞属性によって定義され、第2の群は、少なくとも1つの属性が第1の群を定義する1つまたは複数の属性とは異なる1つまたは複数の細胞属性によって定義される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、細胞(例えば、T細胞)を3つもしくはそれより多くのまたは複数の群のうちの1つに属するものとして分類するように訓練され、群は1つまたは複数の細胞属性によって定義され、3つもしくはそれより多くのまたは複数の群の各々における少なくとも1つの属性は、それぞれの他の3つもしくはそれより多くのまたは複数の群とは異なる。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、1つまたは複数の特定の細胞属性を有することが知られている複数の細胞からの画像データ(例えば、位相データ、強度データおよび重ね合わせデータのうちの1つまたは複数)を含み、それによって2つまたはそれより多くの群のうちの1つに属する訓練データに関して訓練され、機械学習モデルは、これらの群の細胞を区別するように訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、位相データ、強度データおよび重ね合わせデータを含む画像データに関して訓練される。いくつかの態様において、機械学習モデルは、位相データおよび強度データを含む画像データに関して訓練される。上述したように、いくつかの態様において、画像データは、拡大表示、傾斜、および/または回転によって操作される。したがって、一部の事例においては、例えば既存の画像データから追加の訓練データを生成することができる。いくつかの態様において、画像データは、DDHMを使用して得られる。いくつかの態様において、畳み込みニューラルネットワークは、本明細書に記載されている画像データを使用して訓練される。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、1つまたは複数の特定の細胞属性を有することが知られている複数の細胞からの画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴(例えば、上記の特徴のうちの1つまたは複数)を含み、それによって2つまたはそれより多くの群のうちの1つに属する訓練データに関して訓練され、機械学習モデルは、これらの群の細胞を区別するように訓練され、機械学習モデルは、これらの群の細胞を区別するように訓練される。
いくつかの態様において、機械学習モデルは、選択されたサブセットに基づく分類を用いて、入力特徴のより大きなセットから入力特徴サブセットを選択し得る。抽出された入力特徴のサブセットは、特徴の選択およびランク付け、特徴の組み合わせ、または他のプロセスから決定されるように、学習のために使用され得る。使用され得る例示的な特徴は、上述されている。
いくつかの態様において、入力特徴は、DDHMを用いて得られた画像データから導出される。いくつかの態様において、どの入力特徴が細胞属性と相関するかを決定するために、初期分析が実行される。次いで、これらの入力特徴は、機械学習モデルを訓練するための入力として使用することができる。いくつかの態様において、高度に相関する入力特徴を特定するために、統計的検定が実行され得る。いくつかの態様において、低分散を表示する入力特徴を特定するために、統計的検定が実行され得る。いくつかの態様において、低分散を表示する入力特徴を特定するために、および相関する入力特徴を決定するために、統計的検定が実行され得る。いくつかの態様において、低分散を有する入力特徴は、機械学習モデルを訓練するための入力として除外される。いくつかの態様において、相関する入力特徴の対のうちの1つの入力特徴のみが、機械学習モデルを訓練するための入力として使用される。いくつかの態様において、ランダムフォレストモデル、ニューラルネットワーク、SVMが、入力特徴を使用して訓練される。いくつかの態様において、訓練および/または分類のために使用される入力特徴は、本明細書に記載されている初期分析を受けている。いくつかの態様において、初期分析を受けた特徴を使用することにより、モデル性能を改善することができる。
本明細書に記載されている機械学習モデルは、1つまたは複数の入力特徴に基づいて、候補T細胞の分類をカテゴリに属するものとして出力するために使用することができる。このような入力特徴は、上記の入力特徴の1つまたは複数を含むことができ、候補T細胞の画像データから導出することができる。いくつかの態様において、機械学習モデルは、少なくとも、1つもしくはそれより多くのまたは複数の入力特徴(例えば、上記のような)に基づいて、既知の分類(例えば、CD4+、CD8+、CAR+、CAR-)を有する細胞をグループに分ける1つまたは複数のクラスタのうちの1つに細胞を分類する。いくつかの態様において、機械学習モデルは、1つまたは複数の密度ベースのクラスタリングアルゴリズムを適用することによって、既知の分類(例えば、CD4+、CD8+、CAR+、CAR-)を有する変数をグループに分ける複数のクラスタを生成することができる。
D. 細胞のデータセットを生成する方法
機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成するための方法も本明細書で提供される。機械学習モデルを訓練するための訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)は、細胞のデータセット中に含有される細胞から導出され得る。細胞のデータセットは、本明細書に記載されているように、既知の細胞属性を有する細胞(例えば、特定の群に属する細胞)を含有するように生成される。いくつかの態様において、細胞のデータセットは、特定の群に属することが知られている細胞を含む。例えば、本明細書に記載されている方法に従って生成された第1の細胞のデータセットはCD4+細胞を含有し得、本明細書に記載されている方法に従って生成された第2の細胞のデータセットはCD8+細胞を含有し得る。このようにして、第1の細胞のデータセットは、第1の群に属する細胞を含有し、第1の群は、CD4を発現する(例えば、表面陽性である)という細胞属性によって定義され、第2の細胞のデータセットは、第2の群に属する細胞を含有し、第2の群は、CD8を発現する(例えば、表面陽性である)という細胞属性によって定義される。細胞のデータセットを生成するための本明細書において提供される方法は、1つまたは複数の細胞属性によって定義される特定の群に属することが知られている細胞集団を含有する細胞のデータセットの生成を可能にする。上記のように、細胞属性には、細胞の健康(例えば、生きている(生存)、死亡)、細胞周期の状態、分化の状態、活性化の状態、細胞サブタイプ(CD4+、CD8+T細胞)、および/または操作(engineering)の状態(例えば、T細胞が、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR))を発現しているかどうか)が含まれるが、これらに限定されない。
機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成するための方法も本明細書で提供される。機械学習モデルを訓練するための訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)は、細胞のデータセット中に含有される細胞から導出され得る。細胞のデータセットは、本明細書に記載されているように、既知の細胞属性を有する細胞(例えば、特定の群に属する細胞)を含有するように生成される。いくつかの態様において、細胞のデータセットは、特定の群に属することが知られている細胞を含む。例えば、本明細書に記載されている方法に従って生成された第1の細胞のデータセットはCD4+細胞を含有し得、本明細書に記載されている方法に従って生成された第2の細胞のデータセットはCD8+細胞を含有し得る。このようにして、第1の細胞のデータセットは、第1の群に属する細胞を含有し、第1の群は、CD4を発現する(例えば、表面陽性である)という細胞属性によって定義され、第2の細胞のデータセットは、第2の群に属する細胞を含有し、第2の群は、CD8を発現する(例えば、表面陽性である)という細胞属性によって定義される。細胞のデータセットを生成するための本明細書において提供される方法は、1つまたは複数の細胞属性によって定義される特定の群に属することが知られている細胞集団を含有する細胞のデータセットの生成を可能にする。上記のように、細胞属性には、細胞の健康(例えば、生きている(生存)、死亡)、細胞周期の状態、分化の状態、活性化の状態、細胞サブタイプ(CD4+、CD8+T細胞)、および/または操作(engineering)の状態(例えば、T細胞が、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR))を発現しているかどうか)が含まれるが、これらに限定されない。
訓練データをそこから得ることができる細胞のデータセットは、異なる技術を使用して生成され得る。機械学習モデルを訓練するのに有用な細胞のデータセットを生成するための技術の選択は、分類されるべき細胞集団がどのように処理されるかを含むがこれに限定されない多くの要因に依存する。例えば、分類されるべき細胞集団と同じように処理される細胞のデータセット内の細胞からの訓練データに関して機械学習モデルを訓練することは有益であり得る、例えば、精度および/または頑強性を増大させ得る。いくつかの態様において、訓練データは、分類されるべき細胞の集団の処理と同一または実質的に同一の様式で処理された細胞のデータセットから導出される。
1. 純粋な細胞集団
純粋な細胞集団は、機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットとして機能し得る。例えば、いくつかの態様においては、所望の属性に基づいて、試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)から細胞を選択し、それによって同じ属性を有する選択された細胞の集団を単離することによって、純粋な集団が生成され、このようにして細胞のデータセットを作成する。選択された細胞の集団は、属性を有する細胞のみを含むので、純粋な集団と呼ばれ得る。
純粋な細胞集団は、機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットとして機能し得る。例えば、いくつかの態様においては、所望の属性に基づいて、試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)から細胞を選択し、それによって同じ属性を有する選択された細胞の集団を単離することによって、純粋な集団が生成され、このようにして細胞のデータセットを作成する。選択された細胞の集団は、属性を有する細胞のみを含むので、純粋な集団と呼ばれ得る。
純粋な集団を含有する細胞のデータセットは、集団の全ての細胞がある群に属することが知られており、純粋な集団を含有する細胞のデータセットから訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)を直接取得し、機械学習モデルの教師あり訓練のために使用することができるという利点を有する。例えば、T細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)が、試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)中の細胞の混合集団から単離され、収集され、および/または処理され得る(例えば、刺激され;形質導入され;培養され;インキュベートされ;例えば、本明細書において使用される方法に従って製造される)。いくつかの態様において、純粋な集団は、分類されるべき集団の収集および/または処理と同一または実質的に同一の様式で収集および/または処理される。
さらなる処理(例えば、純粋な集団からの細胞の選択、単離、分離)を必要とせずに訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)を得るために、純粋な集団の細胞を含有する細胞のデータセットは直接評価され得る(例えば、本明細書に記載されている画像化技術を介して画像化される)。いくつかの態様において、純粋な集団の細胞を含有する細胞のデータセットは、DDHMを使用して直接評価され得る。
2. 混合細胞集団
純粋な集団の代替として、細胞のデータセットは、細胞の混合集団から導出され得る。混合細胞集団は、混合集団中に含有される細胞が必ずしも同じ細胞属性を有さないという点で純粋な集団とは異なる。いくつかの態様において、混合細胞集団は試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)である。いくつかの態様において、混合細胞集団は、1つまたは複数の細胞属性を含む細胞を含有し、混合集団の各細胞は必ずしも同じ細胞属性を含まない。例えば、T細胞サブタイプ(例えば、CD4+およびCD8+)は、試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)中の細胞の混合集団から単離され得、単離された集団は、細胞の混合集団を生成するために、例えば、特定の比で再度組み合わされる。いくつかの態様において、混合細胞集団は、分類されるべき集団の収集および/または処理と同一または実質的に同一の様式で収集および/または処理される。
純粋な集団の代替として、細胞のデータセットは、細胞の混合集団から導出され得る。混合細胞集団は、混合集団中に含有される細胞が必ずしも同じ細胞属性を有さないという点で純粋な集団とは異なる。いくつかの態様において、混合細胞集団は試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)である。いくつかの態様において、混合細胞集団は、1つまたは複数の細胞属性を含む細胞を含有し、混合集団の各細胞は必ずしも同じ細胞属性を含まない。例えば、T細胞サブタイプ(例えば、CD4+およびCD8+)は、試料(例えば、血液浄化療法、白血球除去療法、血液、PBMC試料)中の細胞の混合集団から単離され得、単離された集団は、細胞の混合集団を生成するために、例えば、特定の比で再度組み合わされる。いくつかの態様において、混合細胞集団は、分類されるべき集団の収集および/または処理と同一または実質的に同一の様式で収集および/または処理される。
純粋な集団とは異なり、混合集団から得られた訓練データは、細胞の同一性(例えば、細胞が属する群)が未知であるため、教師あり訓練に直接使用することができない。したがって、いくつかの態様においては、混合細胞集団から有用な訓練データを得るために、同じ1つまたは複数の細胞属性を有する混合集団の細胞が混合集団から分離され、それによって細胞のデータセットを生成し得る。いくつかの態様において、分離された細胞(例えば、細胞のデータセットの細胞)が、訓練データ(例えば、画像データ、入力特徴)を得るために評価される(例えば、本明細書に記載されている画像化技術を介して画像化される)。
いくつかの態様において、細胞のデータセットを生成するために混合細胞集団から同じ属性の1つまたは複数を有する細胞を分離するための方法は、細胞の生理学的または機能的状態を変化させない。いくつかの態様において、混合集団から細胞を分離する方法は、細胞を分離するために使用される作用物質および試薬を保持する細胞をもたらさない。このような態様は、細胞を混合集団から分離するためのある特定の方法において起こることがあり、機械学習モデルにどのようなデータ(例えば、画像データ、入力特徴)が分類のために有用であるかを教育するのに有用ではない細胞のデータセットから得られた訓練データをもたらし得る、細胞がある点で変更される能力を最小限に抑え、または低下させる。同様に、細胞のデータセットの細胞が、細胞を分離する(例えば、単離する)ために使用される作用物質および試薬を保持している場合、この細胞のデータセットから得られた訓練データは、どのデータ(例えば、画像データ、入力特徴)が分類のために有用であるかを機械学習モデルに教育するのに有用ではないことがあり得る。いくつかの態様において、分離の方法は、細胞の生理学的または機能的状態を変化させない。いくつかの態様において、分離の方法は、分離を行うために使用される作用物質および試薬を含まない、または実質的に含まない分離した細胞をもたらす。いくつかの態様において、実質的に含まないとは、分離を行うために使用される作用物質および試薬の30%、25%、20%、15%、10、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%未満または約30%、25%、20%、15%、10、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、もしくは1%未満が分離された細胞集団中に存在する場合を含む。混合集団の分離に適していると考えられる分離方法は、以下のセクションI-D-2-aならびに米国特許出願公開第US2015/0024411号および米国特許出願公開第US2017/0037369号に記載されており、これらはいずれも、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
混合集団からの細胞のデータセットの生成は、分類されるべき細胞集団自体が混合集団である場合に、機械学習モデルの訓練に特に有用であり得る。例えば、分類されるべき細胞の集団が複数の細胞サブタイプ(例えば、CD4+およびCD8+T細胞)を含有する場合、および/または分類されるべき集団の一部の細胞のみが組換え分子(例えば、CAR、TCR)を発現するように細胞が形質導入または形質移入されている場合に、混合集団からの細胞のデータセットは、機械学習モデルの訓練に有用であり得る。混合細胞集団における細胞シグナル伝達および/または他の環境条件は、異なる細胞型の存在のために純粋な集団とは異なる可能性がある。混合細胞集団から細胞のデータセットを生成する能力は、混合集団の細胞が、分類されるべき集団が経験するのと同じ条件を経験するという点で利点を有する。
a. 免疫親和性に基づく分離
いくつかの態様において、分離方法は、細胞表面上の表面分子、例えば表面タンパク質などの1つまたは複数の特異的分子の発現または存在に基づく混合集団の異なる細胞型の分離を含む。いくつかの態様において、表面分子の発現は、細胞がその分子に対して表面陽性であることを示す。逆に、いくつかの態様においては、細胞が表面分子を発現しなければ、細胞は分子に対して表面陰性である。
いくつかの態様において、分離方法は、細胞表面上の表面分子、例えば表面タンパク質などの1つまたは複数の特異的分子の発現または存在に基づく混合集団の異なる細胞型の分離を含む。いくつかの態様において、表面分子の発現は、細胞がその分子に対して表面陽性であることを示す。逆に、いくつかの態様においては、細胞が表面分子を発現しなければ、細胞は分子に対して表面陰性である。
いくつかの態様において、分離は免疫親和性に基づく分離である。例えば、いくつかの局面における単離は、例えば、1つまたは複数の分子、典型的には細胞表面分子に特異的に結合する抗体または結合剤とのインキュベーションによる、このような分子の細胞の発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離を含み、一般的には、その後に、洗浄工程および抗体または結合剤に結合した細胞の、抗体または結合剤に結合しなかった細胞からの分離が続く。
このような分離工程は、抗体もしくは結合剤に結合した細胞がさらなる使用のために保持される正の選択、および/または抗体もしくは結合剤に結合しなかった細胞が保持される負の選択に基づくことができる。いくつかの例では、両方の画分がさらなる使用のために保持される。いくつかの局面において、不均一な集団において細胞型を特異的に特定する抗体または結合剤が利用可能でない場合には、所望の集団以外の細胞によって発現される分子に基づいて分離が最良に行われるように、負の選択が特に有用であり得る。
分離は、特定のマーカーを発現する特定の細胞集団または細胞の100%濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、表面分子を発現する細胞などの特定の種類の細胞の正の選択または濃縮は、このような細胞の数または割合を増加させることを指すが、表面分子を発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、表面分子を発現する細胞などの特定の種類の細胞の負の選択、除去または枯渇は、このような細胞の数または割合を減少させることを指すが、このような細胞の全ての完全な除去をもたらす必要はない。例えば、いくつかの局面では、CD4+またはCD8+集団のうちの1つの選択は、集団、CD4+またはCD8+集団のいずれかを濃縮するが、いくらかの残存するまたはわずかな割合の他の選択されていない細胞も含有することができ、一部の事例においては、濃縮された集団中になお存在するCD4またはCD8集団の他方を含むことができる。
いくつかの例では、1つの工程から正または負に選択された画分が、その後の正または負の選択などの別の分離工程に供される複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが負の選択のために標的とされるマーカーに対して特異的である複数の抗体または結合剤とともに細胞をインキュベートすることなどによって、単一の分離工程が、複数のマーカーを同時に発現する細胞を枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上で発現される複数の抗体または結合剤とともに細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に正に選択することができる。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択はイムノアフィニティークロマトグラフィーを用いる。イムノアフィニティークロマトグラフィー法は、いくつかの局面では、米国特許出願公開第US2015/0024411号に記載されている1つまたは複数のクロマトグラフィーマトリックスを含む。いくつかの態様において、クロマトグラフィー法は流体クロマトグラフィー、典型的には液体クロマトグラフィーである。いくつかの態様において、クロマトグラフィーは、例えば、重力流によって、またはクロマトグラフィーマトリックスを含有するカラムの一端のポンプによって、単離されるべき細胞を含有する流体試料が適用され、流体試料がカラムの他端においてカラムを出るフロースルーモードで行われ得る。さらに、いくつかの局面では、例えば、ピペットチップ内に充填されたクロマトグラフィーマトリックスを含有するカラムの一端に、ピペットによって、単離されるべき細胞を含有する流体試料が適用され、流体試料がカラムの他端においてクロマトグラフィーマトリックス/ピペットチップに入るおよび出る「アップ・アンド・ダウン」モードで、クロマトグラフィーを実行することができる。いくつかの態様において、クロマトグラフィーは、例えば振盪、回転、または例えばピペットによる流体試料の接触および除去の繰り返しのもとで、細胞を含有する試料とともにクロマトグラフィー材料(固定相)をインキュベートするバッチモードで実行することもできる。
いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは固定相である。いくつかの態様において、クロマトグラフィーはカラムクロマトグラフィーである。いくつかの態様において、任意の適切なクロマトグラフィー材料を使用することができる。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、固体または半固体相の形態を有する。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、ポリマー樹脂または金属酸化物または半金属酸化物を含むことができる。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、非磁性材料または非磁化可能材料である。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、天然ポリマー、例えば多糖の形態などの誘導体化されたシリカまたは架橋されたゲルである。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスはアガロースゲルである。クロマトグラフィーマトリックスにおいて使用するためのアガロースゲルは当技術分野で公知であり、いくつかの局面では、Superflow(商標)アガロース、またはSuperflow(商標)Sepharose(登録商標)などのSepharose材料が含まれ、これらは異なるビーズおよび孔径で市販されている。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、デキストランが共有結合されている特定の架橋されたアガロースマトリックス、例えば当技術分野で公知のもの、例えばいくつかの局面では、Sephadex(登録商標)、Superdex(登録商標)またはSephacryl(登録商標)であり、これらは異なるビーズおよび孔径で入手可能である。
いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスは、合成ポリマー、例えばポリアクリルアミド、スチレン-ジビニルベンゼンゲル、アクリラートとジオールとのコポリマーまたはアクリルアミドとジオールとのコポリマー、多糖とアガロースとのコポリマー、例えばポリアクリルアミド/アガロース複合体、多糖とN,N’-メチレンビスカリル(biscaryl)アミド、または合成もしくは天然ポリマーにカップリングされた誘導体化シリカで作製される。
いくつかの態様において、アガロースビーズまたは他のマトリックスなどのクロマトグラフィーマトリックスは、少なくとも50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、120μm、もしくは150μm、もしくはそれ以上または少なくとも約50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、120μm、もしくは150μm、もしくはそれ以上のサイズを有する。サイズ排除クロマトグラフィーマトリックスの排除限界は、試料中の標的細胞、例えばT細胞の最大幅を下回るように選択される。いくつかの態様において、マトリックスの体積は、少なくとも0.5mL、1mL、1.5mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、またはそれ以上である。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスはカラム中に充填される。
いくつかの態様において、イムノアフィニティークロマトグラフィーマトリックスであるクロマトグラフィーマトリックスは、クロマトグラフィーマトリックスに固定化された抗体またはFabなどの抗原結合断片などの結合剤を含む。いくつかの態様において、抗体は、完全長抗体であるか、または(Fab)断片、F(ab’)2断片、Fab’断片、Fv断片、抗原を特異的に結合することができる可変重鎖(VH)領域、一本鎖可変断片(scFv)を含む一本鎖抗体断片、ならびに単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディ)およびその抗原結合断片を含む、完全長抗体の抗原結合断片である。いくつかの態様において、抗体はFab断片である。いくつかの態様において、抗体は、一価、二価または多価であり得る。いくつかの態様において、結合剤は一価結合部位を含む。いくつかの態様において、一価結合部位は、Fab断片、sdAb、Fv断片、または一本鎖Fv断片である。
いくつかの局面では、抗体またはその抗原結合断片は、以下のようにハイブリドーマによって産生されることができ、またはハイブリドーマに由来することができる: OKT3(αCD3)、13B8.2(αCD4)、OKT8(αCD8)。いくつかの態様において、上記抗体のいずれもが、高度に可変なCDR領域を標的とすることなく、重鎖および軽鎖可変領域のフレームワーク内に1つまたは複数の突然変異を含有することができる。このような抗体の例としては、いくつかの局面では、米国特許第7,482,000号およびBesら、(2003)J. Biol. Chem., 278: 14265-14273に記載されているような、抗CD4抗体が挙げられる。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合断片(抗ID)である。いくつかの態様において、抗IDは標的抗原受容体、例えばCARに結合する。
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合断片は代理マーカーに特異的に結合する。代理マーカーは、ポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドが導入された細胞を検出するために使用することができる。いくつかの態様において、代理マーカーは、細胞の改変を示しまたは確認することができる。いくつかの態様において、代理マーカーは、細胞表面上で組換え受容体、例えばCARとともに同時発現させられるタンパク質である。特定の態様において、このような代理マーカーは、ほとんどまたは全く活性を有さないように改変された表面タンパク質である。ある特定の態様において、代理マーカーは、組換え受容体をコードするのと同じポリヌクレオチド上にコードされる。いくつかの態様において、組換え受容体をコードする核酸配列は、任意で配列内リボソーム進入部位(IRES)によって分離されてもよい、マーカーをコードする核酸配列、または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチド、例えばT2A、P2A、E2AもしくはF2Aなどの2A配列をコードする核酸に機能的に連結される。細胞の検出または選択を可能にし、一部の事例においては細胞自殺も促進するために、いくつかの事例では、操作された細胞に関連して外因性マーカー遺伝子が利用され得る。
例示的な代理マーカーには、非機能的であり、細胞表面ポリペプチドの完全長形態によって通常形質導入されるシグナルもしくはシグナルを形質導入しないもしくは形質導入することができない、および/または内在化しないもしくは内在化することができない切断形態などの、細胞表面ポリペプチドの切断形態が含まれることができる。例示的な切断型細胞表面ポリペプチドには、切断型成長因子または他の受容体、例えば、切断型ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、切断型上皮成長因子受容体(EGFRt、SEQ ID NO:23または24に示される例示的なEGFRt配列)または前立腺特異的膜抗原(PSMA)またはこれらの改変形態が含まれる。EGFRtは、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))またはその他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープであって、EGFRt構築物および組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)で操作された細胞を同定もしくは選択するために、ならびに/または受容体を発現する細胞を排除もしくは分離するために使用することができるエピトープを含有し得る。米国特許第8,802,374号およびLiuら、Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434)を参照のこと。いくつかの局面では、マーカー、例えば代理マーカーは、CD34、NGFR、CD19または切断型CD19、例えば切断型非ヒトCD19、または上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全部または一部(例えば、切断された形態)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列、例えばT2Aなどのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。例えば、マーカーおよび任意でリンカー配列は、PCT公開第WO2014031687号に開示されている任意のものであり得る。例えば、マーカーは、任意で、T2A切断可能リンカー配列などのリンカー配列に連結されていてもよい切断型EGFR(tEGFR)であり得る。切断型EGFR(例えば、tEGFR)のための例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:23もしくは24に示されるアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:23もしくは24と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
いくつかの態様において、Fab断片などの抗原結合断片は、当技術分野で公知の方法、例えばいくつかの局面では、重鎖および軽鎖の超可変配列の増幅および適切な定常ドメインをコードする配列との組み合わせを可能にするクローニングを使用して、このような抗体から生成することができる。いくつかの態様において、定常ドメインはヒトサブクラスIgG1/κのものである。このような抗体は、SEQ ID NO:10に示されているようなペプチドストレプトアビジン結合分子とカルボキシ末端において融合することができる。このような抗体の例は、Stembergerら(2102) PLoS One, 7: 35798および国際PCT出願第号に記載されている。
抗体またはFabなどの抗原結合断片は、いくつかの局面では、当技術分野で公知の抗体、特定のkoff速度を有する抗体および/または特定の解離定数を有する抗体を含む上記のいずれでもあり得る。
いくつかの態様において、解離定数(KD)は、約10-2M~約10-11M、または約10-2M~約10-10M、または約10-2M~約10-9M、または約10-2M~約10-8M、または約10-2M~約10-7M、または約10-2M~約10-6M、または約10-2M~約10-5、または約10-2M~約10-4M、または約10-2~約10-3、またはその間の任意の数の範囲である。いくつかの態様において、解離定数(KD)は、約10-3M~約10-10M、または約10-3M~約10-9M、または約10-3M~約10-8M、または約10-3M~約10-7M、または約10-3M~約10-6M、または約10-3M~約10-5M、または約10-3M~約10-4、またはその間の任意の数の範囲である。いくつかの態様において、解離定数(KD)は、約10-3M~約10-7M、または約10-3M~約0.5×10-7M、または約10-3M~約10-6M、または約10-3M~約0.5×10-6M、または約10-3M~約10-5M、または約10-3M~約0.5×10-5M、または約10-3M~約10-4、または約10-3M~約0.5×10-4、またはその間の任意の数の範囲である。
いくつかの態様において、結合部位を介した結合剤と表面分子との間での結合の解離速度定数(koff)は、約3×10-5秒-1またはそれ以上の値を有し得る(この解離速度定数は、結合剤の結合部位と標的細胞の表面上の表面分子との間に形成された複合体の解離反応を特徴付ける定数である)。結合剤の結合部位と標的細胞表面上の表面分子との間での会合反応の会合速度定数(kon)は、任意の値を有し得る。表面分子と結合剤の間で十分に可逆的な結合を確保するために、約3×10-5秒-1もしくはそれ以上、約5×10-5秒-1もしくはそれ以上、例えば、約1×10-4秒-1もしくはそれ以上、約1.5×10-4秒-1もしくはそれ以上、約2.0×10-4秒-1もしくはそれ以上、約2.5×10-4秒-1もしくはそれ以上、約3×10-4秒-1もしくはそれ以上、約3.5×10-4秒-1もしくはそれ以上、約4×10-4秒-1もしくは(of)それ以上、約5×10-4秒-1もしくはそれ以上、約7.5×10-4秒-1もしくはそれ以上、約1×10-3秒-1もしくはそれ以上、約1.5×10-3秒-1もしくはそれ以上、約2×10-3秒-1もしくはそれ以上、約2.5×10-3秒-1もしくはそれ以上、約3×10-3秒-1もしくはそれ以上、約4×10-3秒-1、約5×10-3秒-1もしくはそれ以上、約7.5×10-3秒-1もしくはそれ以上、約1×10-2秒-1もしくはそれ以上、約5×10-2秒-1もしくはそれ以上、約1×10-1秒-1もしくはそれ以上、または約5×10-1秒-1もしくはそれ以上の値を有するように結合平衡のkoff値を選択することが有利である。koff速度、kon速度またはKD(以下を参照)に関して本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±15.0%、±10.0%、±8.0%、±9.0%、±7.0%、±6.0%、±5.0%、±4.5%、±4.0.%、±3.5%、±3.0%、±2.8%、±2.6%、±2.4%、±2.2%、±2.0%、±1.8%、±1.6%、±1.4%、±1.2%、±1.0%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、または±0.01%を含む±20.0%の許容誤差を含むことを意味する。ここで、本明細書で使用される速度定数および熱力学定数の値は、大気圧、すなわち1.013バールおよび室温、すなわち25℃の条件を指すことに留意されたい。いくつかの態様において、結合の強度、すなわち結合部位を介した結合剤と表面分子の間での結合の解離定数(Kd)が、低親和性、例えば約10-3~約10-7MのKdの範囲内であるか、または高親和性、例えば約10-7~約1×10-10MのKdの範囲内であるかにかかわらず、結合部位を介した結合剤と表面分子の結合の解離が十分に速く起きる限り、標的細胞は可逆的に結合されることができる。
いくつかの態様において、結合剤は、表面分子に特異的に結合することができる単一の(一価の)結合部位を有する。いくつかの態様において、結合剤は、表面分子に結合することができる少なくとも2つの(すなわち、3つ、4つ、または5つの同一の結合部位を含む複数の結合部位)を有する。これらの態様のいずれにおいても、結合部位(のそれぞれ)を介した表面分子の結合は、約3×10-5sec-1またはそれ以上のkoff値を有し得る。したがって、結合剤は、一価(例えば、一価の抗体断片または一価の人工結合分子(タンパク質性またはその他)、例えばリポカリンファミリーのポリペプチドに基づくムテイン(「Anticalin(登録商標)」としても知られる)、または二価の分子、例えば抗体または両方の結合部位が保持された断片、例えばF(ab’)2断片であり得る。いくつかの態様において、koff速度が3×10-5秒-1またはそれ以上であれば、表面分子は、五量体IgE分子などの多価分子であり得る。いくつかの態様において、本明細書に記載されている可逆的細胞イムノアフィニティークロマトグラフィー技術を介した生物学的材料の(痕跡を残さない)単離を提供するのは、分子レベルでは、結合部位を介した結合剤と標的細胞上の表面分子との結合の(3×10-5秒-1またはそれ以上の)koff速度ではない。むしろ、例えば、米国特許第7,776,562号または国際公開第WO02/054065号に記載されているように、表面分子と結合剤の結合部位との間の低親和性結合は、多量体化試薬を介して媒介される結合活性効果とともに、標的細胞の可逆的かつ痕跡を残さない単離を可能にする。上述のように、このような低い結合親和性は、結合部位を介した結合剤と標的細胞表面上の表面分子との結合について、約1.0×10-3M~約1.0×10-7Mの範囲の解離定数(KD)を特徴とし得る。これらの態様において、多量体化試薬の結合部位と、少なくとも2つの結合剤中に含まれる結合パートナー(下記参照)との間での複合体が形成することができ、標的細胞の可逆的な固定化およびその後のアフィニティークロマトグラフィーマトリックスからの溶出が可能になる。
いくつかの態様において、競合試薬の添加は、結合パートナーと多量体化試薬の結合部位との間で形成された結合(複合体)を破壊することができ、続いて、これにより、標的細胞からの結合剤の解離がもたらされる。
いくつかの態様において、細胞のデータセットを生成するために、細胞は細胞の混合集団から細胞を分離されることができ、この場合、細胞のデータセットの細胞は、細胞を分離するために使用される試薬および活性因子を含まない。本明細書において提供される分離方法は、混合集団から細胞を分離する(例えば、単離する)ために使用される活性因子および試薬を含まない細胞のデータセットの生成を可能にする。
いくつかの態様において、結合剤は固定化されている。いくつかの態様において、結合剤は、マトリックス上に固定化された多量体化試薬と相互作用する結合パートナーに融合または連結される。いくつかの態様において、クロマトグラフィーマトリックスの結合能力は、少なくとも1×107細胞/mL、5×107細胞/mL、1×108細胞/mL、5×108細胞/mL、1×109細胞/ml、またはそれ以上を吸着するのに十分であるか、または吸着することができ、細胞は、結合剤の結合部位によって特異的に認識される細胞表面分子を発現する細胞である。
いくつかの態様において、多量体化試薬と結合パートナーとの間の相互作用は、マトリックスへの結合剤の結合が可逆的であるように、可逆的結合を形成する。いくつかの態様において、可逆的結合は、ストレプトアビジン変異体結合パートナーと、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジン、またはアビジンムテインであるマトリックス上に固定化された多量体化試薬とによって媒介されることができる。
いくつかの態様において、結合剤の可逆的結合は、ペプチドリガンド結合試薬およびストレプトアビジンムテイン相互作用を介する。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、ストレプトアビジンムテインを含む多量体化試薬、例えばStrep-Tactin(登録商標)またはStrep-TactinXT(登録商標)を用いる(例えば、米国特許第6,103,493号、国際公開PCT出願第WO2013011011号、第WO2014/076277号を参照)。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、マトリックス上に官能化され、コーティングされ、および/または固定化される。
いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、非修飾または野生型ストレプトアビジン、例えばSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:14に示される非修飾または野生型ストレプトアビジンよりも、SEQ ID NO:1~6のいずれか、例えばSEQ ID NO:5および/またはSEQ ID NO:6(例えば、Strep-tagII(登録商標))などに示されるアミノ酸の配列を含有するペプチドリガンドに対してより高い結合親和性を示す。いくつかの態様において、ストレプトアビジン変異体は、同じペプチドに対する野生型ストレプトアビジンの結合親和性よりも5倍、10倍、50倍、100倍、200倍またはそれ以上大きい、このようなペプチドに対する親和定数として結合親和性を示す。
ストレプトアビジンムテインは、野生型ストレプトアビジンまたはその断片などの非修飾ストレプトアビジンと比較して1つまたは複数のアミノ酸の相違を含む。「非修飾ストレプトアビジン」という用語は、それに対して1つまたは複数の修飾がなされる出発ポリペプチドを指す。いくつかの態様において、出発または非修飾ポリペプチドは、SEQ ID NO:11に示される野生型ポリペプチドであり得る。いくつかの態様において、非修飾ストレプトアビジンは、N末端および/またはC末端において短縮されている野生型ストレプトアビジンの断片である。このような最小ストレプトアビジンには、N末端においてSEQ ID NO:11のアミノ酸位置10~16の領域で始まり、C末端においてSEQ ID NO:11のアミノ酸位置133~142の領域で終わる任意のものが含まれる。いくつかの態様において、非修飾ストレプトアビジンは、SEQ ID NO:14に示されるアミノ酸の配列を有する。いくつかの態様において、SEQ ID NO:14に示すような非修飾ストレプトアビジンは、SEQ ID NO:11に示されている付番でAla13に対応する位置にN末端メチオニンをさらに含有することができる。本明細書において提供されるストレプトアビジン中の残基の数への言及は、SEQ ID NO:11中の残基の付番を参照している。
「ストレプトアビジンムテイン」、「ストレプトアビジン変異体」という用語またはこれらの変形は、SEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:14に示されるストレプトアビジンなどの非修飾または野生型ストレプトアビジンと比較して1つまたは複数のアミノ酸の相違を含有するストレプトアビジンタンパク質を指す。1つまたは複数のアミノ酸の相違は、1つまたは複数のアミノ酸の置き換え(置換)、挿入または欠失などのアミノ酸変異であり得る。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、野生型または非修飾ストレプトアビジンと比較して、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個のアミノ酸の相違を有することができる。いくつかの態様において、アミノ酸の置き換え(置換)は保存的または非保存的変異である。1つまたは複数のアミノ酸の相違を含有するストレプトアビジンムテインは、ペプチドリガンド(Trp Arg His Pro Gln Phe Gly;Strep-tag(登録商標)とも呼ばれ、SEQ ID NO:5に示される)に対して2.7×104M-1より大きい親和定数として結合親和性を示す。いくつかの態様において、ストレプトアビジン変異体は、ペプチドリガンド(Trp Ser His Pro Gln Phe Glu Lys;Strep-tag(登録商標)IIとも呼ばれ、SEQ ID NO:6に示される)に対して1.4×104M-1より大きい親和定数として結合親和性を示す。いくつかの態様において、結合親和性は、以下に記載されている任意のものなどの、当技術分野で公知の方法によって決定することができる。
いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、1つまたは複数の残基44、45、46、および/または47に変異を含有する。いくつかの態様において、ストレプトアビジン変異体は、SEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:15に示される例示的ストレプトアビジンムテイン中に示されているような残基Val44-Thr45-Ala46-Arg47を含有する。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、SEQ ID NO:13または16に示される例示的ストレプトアビジンムテイン中に示されているような残基Ile44-Gly45-Ala-46-Arg47を含有する。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、SEQ ID NO:12、13、15、16、20、21、もしくは22に示されるアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:12、13、15、もしくは16に示されるアミノ酸の配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはそれ以上の配列同一性を示し、ペプチドリガンド(Trp Arg His Pro Gln Phe Gly Gly;Strep-tag(登録商標)とも呼ばれ、SEQ ID NO:5に示される)に対して2.7×104M-1より大きいおよび/またはペプチドリガンド(Trp Ser His Pro Gln Phe Glu Lys;Strep-tag(登録商標)IIとも呼ばれ、SEQ ID NO:6に示される)に対して1.4×104M-1より大きい結合親和性を示すアミノ酸の配列を示す。
いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、国際公開PCT出願第WO2014/076277号に記載されているような変異体である。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、SEQ ID NO:11に示されるアミノ酸位置を基準としてアミノ酸位置44~53の領域中に少なくとも2つのシステイン残基を含有する。いくつかの態様において、システイン残基は、位置45および52に存在して、これらのアミノ酸を接続するジスルフィド架橋を形成する。このような態様において、アミノ酸44は、典型的にはグリシンまたはアラニンであり、アミノ酸46は、典型的にはアラニンまたはグリシンであり、アミノ酸47は、典型的にはアルギニンである。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、SEQ ID NO:11に示されるアミノ酸位置を基準としてアミノ酸残基115~121の領域中に少なくとも1つの変異またはアミノ酸の相違を含有する。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、アミノ酸位置117、120、および121における少なくとも1つの変異ならびに/またはアミノ酸118および119の欠失および少なくともアミノ酸位置121の置換を含有する。
いくつかの態様において、得られたストレプトアビジンムテインが、ペプチドリガンド(Trp Arg His Pro Gln Phe Gly Gly;Strep-tag(登録商標)とも呼ばれ、SEQ ID NO:5に示される)に対して2.7×104M-1を超えるおよび/またはペプチドリガンド(Trp Ser His Pro Gln Phe Glu Lys;Strep-tag(登録商標)IIとも呼ばれ、SEQ ID NO:6に示される)に対して1.4×104M-1を超える結合親和性を示す限り、ストレプトアビジンムテインは、任意の組み合わせで上記変異のいずれをも含有することができる。
いくつかの態様において、ペプチドリガンド結合試薬に対するストレプトアビジン変異体の結合親和性は、5×104M-1、1×105M-1、5×105M-1、1×106M-1、5×106M-1、または1×107M-1より大きいが、一般に、1×1013M-1、1×1012M-1、または1×1011M-1より小さい。
いくつかの態様において、ストレプトアビジン変異体は、ビオチン、イミノビオチン、リポ酸、デスチオビオチン、ジアミノビオチン、HABA(ヒドロキシアゾベンゼン-安息香酸)、または/およびジメチル-HABAなどの、但しこれらに限定されない他のストレプトアビジンリガンドへの結合も示す。いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは、ペプチドリガンド(Trp Arg His Pro Gln Phe Gly;Strep-tag(登録商標)とも呼ばれ、SEQ ID NO:5に示される)またはペプチドリガンド(Trp Ser His Pro Gln Phe Glu Lys;Strep-tag(登録商標)IIとも呼ばれ、SEQ ID NO:6に示される)に対するストレプトアビジンムテインの結合親和性より大きい、ビオチンまたはデスチオビオチンなどの別のストレプトアビジンリガンドに対する結合親和性を示す。
いくつかの態様において、ストレプトアビジンムテインは多量体である。多量体は、米国特許出願公開第US2004/0082012号に記載されている任意のものなど、当技術分野で公知の任意の方法を使用して生成することができる。いくつかの態様において、ムテインのオリゴマーまたはポリマーは、多糖、例えば、デキストラン中にカルボキシル残基を導入することによって調製することができる。いくつかの局面において、ストレプトアビジンムテインは、次いで、第2の工程で従来のカルボジイミド化学を使用して、内部リジン残基の第一級アミノ基および/または遊離のN末端を介してデキストラン骨格のカルボキシル基に結合される。いくつかの態様において、結合反応は、デキストラン1モル当たり約60モルのストレプトアビジン変異体のモル比で行われる。いくつかの態様において、オリゴマーまたはポリマーは、グルタルジアルデヒドなどの二官能性リンカーを介した架橋によって、または当技術分野で公知の他の方法によっても得ることができる。
クロマトグラフィーマトリックスの局面では、アガロースビーズまたは他のマトリックスなどのマトリックスは、上記のいずれか、例えばSEQ ID NO:12、13、15、16、20、21、または22に記載のいずれかなどのストレプトアビジンムテインなどの多量体化試薬で官能化またはコンジュゲートされる。いくつかの態様において、抗体またはFabなどの抗原結合断片は、上記のいずれかなどのストレプトアビジン変異体に結合することができるペプチドリガンドに直接的または間接的に融合または連結される。いくつかの態様において、ペプチドリガンドは、SEQ ID NO:1~10または17~19のいずれかに示されるアミノ酸の配列を含有するペプチドなどの上記のいずれでもある。いくつかの態様において、結合剤をカラムに固定化または可逆的に結合させるために、クロマトグラフィーマトリックスカラムをこのような結合剤と接触させる。
いくつかの態様において、イムノアフィニティークロマトグラフィーマトリックスは、濃縮または選択されるべき細胞(例えば、混合集団)を含有する試料とマトリックスを接触させることによって、本明細書に記載されている濃縮および選択方法において使用することができる。いくつかの態様において、選択された細胞は、結合パートナー/多量体化試薬の相互作用を破壊することによってマトリックスから溶出または放出される。いくつかの態様において、結合パートナー/多量体化試薬は、ペプチドリガンドとストレプトアビジン変異体の相互作用によって媒介され、選択された細胞の放出は、可逆的結合の存在によって行われ得る。例えば、いくつかの態様において、ペプチドリガンド結合パートナーとストレプトアビジンムテイン結合試薬の間での結合は、上記のように高いが、ビオチンまたはビオチン類似体に対するストレプトアビジン結合試薬の結合親和性よりも低い。したがって、いくつかの態様においては、結合について競合させて、マトリックス上のストレプトアビジンムテイン結合試薬と表面上の細胞マーカーに特異的に結合した抗体に付随するペプチドリガンド結合パートナーとの間の結合相互作用を破壊するために、ビオチン(ビタミンH)またはビオチン類似体を添加することができる。いくつかの態様において、低濃度のビオチンまたは類似体の存在下で、例えば0.1mM~10mM、0.5mM~5mM、または1mM~3mM、例えば一般に少なくとも1mMもしくは少なくとも約1mMまたは少なくとも2mM、例えば2.5mMまたは約2.5mMの存在下で相互作用を元に戻すことができる。いくつかの態様において、ビオチンまたはビオチン類似体などの競合試薬の存在下での溶出は、選択された細胞をマトリックスから放出させる。いくつかの態様において、競合試薬はビオチンまたはビオチン類似体である。
いくつかの態様において、提供される方法におけるイムノアフィニティークロマトグラフィーは、動作可能に接続された少なくとも2つのクロマトグラフィーマトリックスカラムを用いて行われる。例えば、CD4またはCD8の一方に結合することができる一価結合部位を含む結合剤、例えば抗体、例えばFabは、第1の選択カラム内の第1のクロマトグラフィーマトリックスに結合され、CD4またはCD8の他方に結合することができる一価結合部位を含む結合剤、例えば抗体、例えばFabは、第2の選択カラム内の第2のクロマトグラフィーマトリックスに結合される。いくつかの態様において、少なくとも2つのクロマトグラフィーマトリックスカラムは、無菌である閉じた系または機器などの、閉じた系または機器中に存在する。
いくつかの態様において、動作可能に接続された少なくとも2つのクロマトグラフィーマトリックスカラムを含有する閉じた系または機器も本明細書において提供される。
いくつかの態様において、閉じた系は自動化されている。いくつかの態様において、システムに関連する構成要素は、内蔵マイクロコンピュータ、蠕動ポンプ、およびシステムの様々な部分間の流体の流れを制御するための、ピンチバルブまたは止水栓などの様々なバルブを含むことができる。内蔵コンピュータは、いくつかの局面では、機器の全ての構成要素を制御し、標準化された順序で反復した手順を実行するようにシステムを指示する。いくつかの態様において、蠕動ポンプは、チューブセット全体の流量を制御し、ピンチバルブとともに、システムを通じた緩衝液の制御された流れを確保する。
洗浄緩衝液は、リン酸緩衝生理的食塩水などの、細胞に適合する任意の生理的緩衝液であり得る。いくつかの態様において、洗浄緩衝液は、例えば0.1%~5%または0.2%~1%、例えばまたは約0.5%の濃度で、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、または組換えヒト血清アルブミンを含有する。いくつかの態様において、溶離液は、例えば少なくとも0.5mM、1mM、1.5mM、2mM、2.5mM、3mM、4mM、もしくは5mMである、または少なくとも約0.5mM、1mM、1.5mM、2mM、2.5mM、3mM、4mM、もしくは5mMである量のビオチンまたはビオチン類似体、例えばデスビオチンである。
いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法に従って細胞のデータセットを生成するための混合集団からの細胞の分離は、逐次に行われる。例えば、第1の正の選択は第1のカラムで行われることができ、第1の選択からの陽性画分または陰性画分のいずれかの第2の選択は、第2のカラムで行われることができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されている方法に従って細胞のデータセットを生成するための混合集団からの細胞の分離は、並行して行われる。例えば、2つの正の選択は、2つの異なるカラムで同時に行われ得る。いくつかの態様において、並列選択(例えば、分離、単離)は、混合集団を両方のカラムに同時にまたはほぼ同時に適用することによって達成され得る。機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成するために、任意の数の分離工程が使用され得ると考えられる。
II. 操作されたT細胞を生成するための方法
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、細胞治療を作製、生成、または産生することを含むプロセスに関連して使用することができる。いくつかの態様において、細胞治療は、キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体で操作されたT細胞などの細胞、例えばCAR T細胞を含む。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、細胞治療を作製、生成、または産生することに関連して使用され、細胞治療は、細胞の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、インキュベーション、培養、拡大増殖、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程などの1つまたは複数の処理工程を含むプロセスを介して行うことができる。いくつかの態様において、プロセスは、拡大増殖のための工程を含まない。いくつかの態様において、プロセスは、培養のための工程を含まない。例えば、いくつかの態様において、プロセスは、以下のセクションII-Dに記載されている工程を含まない。いくつかの態様において、細胞の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、インキュベーション、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程などの1つまたは複数の処理工程を含むプロセス。いくつかの態様において、増殖工程を含まない製造プロセスは、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスと呼ばれる。「非拡大増殖」プロセスは、「最小拡大増殖」プロセスと呼ばれることもある。いくつかの態様においては、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスは、そのプロセスが増殖のための工程を含まないにもかかわらず、増殖を経た細胞をもたらすことがあり得る。いくつかの態様において、採取される細胞は、全体として細胞集団の拡大増殖を減少、抑制、最小化、または排除するように設計された培地組成物を含むインキュベーションまたは培養工程を経たことがあり得る。いくつかの態様において、製造プロセスは、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスである。
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、細胞治療を作製、生成、または産生することを含むプロセスに関連して使用することができる。いくつかの態様において、細胞治療は、キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体で操作されたT細胞などの細胞、例えばCAR T細胞を含む。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、細胞治療を作製、生成、または産生することに関連して使用され、細胞治療は、細胞の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、インキュベーション、培養、拡大増殖、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程などの1つまたは複数の処理工程を含むプロセスを介して行うことができる。いくつかの態様において、プロセスは、拡大増殖のための工程を含まない。いくつかの態様において、プロセスは、培養のための工程を含まない。例えば、いくつかの態様において、プロセスは、以下のセクションII-Dに記載されている工程を含まない。いくつかの態様において、細胞の単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、インキュベーション、洗浄、懸濁、希釈、濃縮、および/または製剤化のための工程などの1つまたは複数の処理工程を含むプロセス。いくつかの態様において、増殖工程を含まない製造プロセスは、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスと呼ばれる。「非拡大増殖」プロセスは、「最小拡大増殖」プロセスと呼ばれることもある。いくつかの態様においては、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスは、そのプロセスが増殖のための工程を含まないにもかかわらず、増殖を経た細胞をもたらすことがあり得る。いくつかの態様において、採取される細胞は、全体として細胞集団の拡大増殖を減少、抑制、最小化、または排除するように設計された培地組成物を含むインキュベーションまたは培養工程を経たことがあり得る。いくつかの態様において、製造プロセスは、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスである。
いくつかの態様において、細胞治療を生成または産生する方法は、対象から細胞を単離すること、1つまたは複数の刺激条件下で調製すること、処理すること、培養することを含む。いくつかの態様において、方法は、まず、細胞、例えば、初代細胞が生物学的試料から単離され、例えば、選択または分離され;単離された細胞を任意で刺激試薬の存在下において刺激する工程の後に、形質導入のためにウイルスベクター粒子とともに、選択された細胞をインキュベートする;例えば、細胞を増殖させるためにもしくは増殖させないために、形質導入された細胞を培養する、または例えば、非拡大増殖もしくは最小拡大増殖プロセスにおけるように、形質導入された細胞をインキュベートする;形質導入された細胞を組成物中に調合する、という順序で実施される処理工程を含む。いくつかの態様において、生成された操作された細胞は、凍結保存の前または後に、同じ対象中に再導入される。いくつかの態様において、単離、選択、形質導入、および/または培養の前および/または後を含む、工程の1つまたは複数の工程中の細胞は凍結保存され、その後解凍することができる。
いくつかの態様において、1つまたは複数の処理工程は、(a)細胞(例えば、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核球(PBMC)試料、非分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、血液浄化療法産物、または白血球除去療法産物)を含有する生物学的試料を洗浄すること、(b)例えば、免疫親和性に基づく分離のための選択または免疫親和性試薬とともに細胞をインキュベートすることによって、試料から細胞の所望のサブセットまたは集団(例えば、CD4+および/またはCD8+T細胞)を単離すること、例えば、選択すること;(c)選択された細胞などの単離された細胞をウイルスベクター粒子とともにインキュベートすること、(d)記載された方法を使用して細胞を培養(culturing)、培養(cultivating)、インキュベートし、または任意で増殖させること、ならびに(e)例えば薬学的に許容され得る緩衝液、凍結保存培地、またはその他の適切な培地中に、形質導入された細胞を調合することのうち、1つまたは複数を含むことができる。いくつかの態様において、方法は、(e)刺激条件に細胞を曝露することによって細胞を刺激することをさらに含むことができ、これはウイルスベクター粒子との細胞のインキュベーションの前、間および/または後に行うことができる。いくつかの態様において、細胞の希釈、濃縮および/または緩衝液交換などのための洗浄または懸濁工程の1つまたは複数のさらなる工程を、上記工程のいずれかの前または後に行うこともできる。
いくつかの態様において、提供される方法は、臨床使用のための、例えば、養子細胞治療における細胞の調製での1つ、複数または全ての工程が、細胞を非無菌条件にさらすことなく、および無菌の部屋またはキャビネットを使用する必要なく実施されるように行われる。このようなプロセスのいくつかの態様において、細胞は、全て閉じた系の中で単離され、分離され、または選択され、形質導入され、洗浄され、任意に活性化または刺激され、および調合される。いくつかの態様において、方法は、自動化された様式で行われる。いくつかの態様において、工程の1つまたは複数は、閉じた系または装置とは別に行われる。
いくつかの態様において、閉じた系は、細胞治療を作製、生成または産生するための方法の他の処理工程の1つまたは複数を実行するために使用される。いくつかの態様において、処理工程、例えば単離、選択および/または濃縮、処理、形質導入および操作に関連するインキュベーション、ならびに製剤化工程の1つまたは複数または全部は、統合されたもしくは自己完結型のシステム、および/または自動化されたもしくはプログラム可能な様式でシステム、装置または機器を使用して行われる。いくつかの局面では、システムまたは機器は、システムまたは機器と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含み、これにより、使用者は、処理、単離、操作および製剤化工程の様々な局面をプログラムし、制御し、局面の結果を評価し、および/または調整することが可能となる。一例では、系は、国際公開第WO2009/072003号または米国特許出願公開第US20110003380A1号に記載されているような系である。一例では、系は、国際公開第WO2016/073602号に記載されているような系である。いくつかの態様において、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、処理、単離、操作および製剤化工程の様々な局面を制御および/または調整するために、分類プロセスの結果を使用することができるように、システムまたは機器と一体化される。例えば、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、細胞の健康状態(healthy)(生きている(生存)、死亡)、細胞型、および/または組換え分子を発現する細胞を決定するために、例えば生存細胞、細胞型(例えば、CD4+、CD8+)、および/または組換え分子陽性細胞(例えば、CAR+、CAR-)の割合、総数、および/または濃度を決定する(例えば、予測する)ために使用され得る。この情報は、処理、単離、操作、製剤化および/または採取工程を知らせるために使用することができる。分類プロセスの出力は、処理、単離、操作、採取および製剤化工程の様々な局面をプログラムし、制御し、局面の結果を評価し、および/または調整するために、オペレータ(例えば、人間のオペレータ)によって使用され、システムもしくは機器またはその両方の組み合わせと直接連動することができる。
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、製造プロセス中の任意の時点で実施される。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、製造プロセスの任意の工程において実施される。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、製造プロセスの1つまたは複数の工程中に実施される。いくつかの態様において、本明細書で提供される分類方法は、本明細書に記載されている製造プロセスの工程などの、製造プロセスの特定の工程中に実行される。いくつかの態様において、本明細書で提供される分類方法は、本明細書に記載されているインキュベーション、培養または拡大増殖工程などの、製造プロセスのインキュベーション、培養または増殖工程中に行われる。いくつかの態様において、本明細書に提供される分類方法は、インキュベーション工程中に実行される。
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、製造プロセスの刺激条件、操作条件、インキュベーション条件および培養条件を導くために使用される。いくつかの態様において、本明細書で提供される分類方法は、刺激条件、操作条件、インキュベーション条件、および培養条件を変更する必要性を決定するのに有用である。例えば、細胞の健康状態を決定すること、細胞型を特定すること、および生存可能な濃度を特定することは、灌流および/もしくは給餌スケジュール、刺激条件の間にサイトカインを減少もしくは添加する必要性を決定するために、活性化されたもしくは分化したT細胞の濃度を検出するために、混合集団が、形質導入もしくは形質移入されるべき生存細胞および/もしくは生存細胞サブタイプの適切な濃度を含有するかどうかを決定するために、首尾よく形質導入された細胞の濃度を決定するために、ならびに/または採取を決定するために生存細胞、形質導入/形質移入された生存細胞、形質導入/形質移入された生存細胞サブタイプの濃度を決定するために、有用であり得る。上述のように、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、オペレータ(例えば、人間のオペレータ)、コンピュータ、および/または分類プロセスの出力を受け取りもしくは分類プロセスの出力と連動することができる系によって使用されることができる情報を出力し得る。
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、本明細書に記載されている閉じた系で行われる。いくつかの態様において、本明細書に提供される細胞を分類する方法は、無菌構成で行われる。例えば、画像化装置(例えば、DDHM顕微鏡)は、細胞集団が保持されるチャンバーに無菌的に接続され得る。いくつかの態様において、無菌接続は、画像化装置(例えば、顕微鏡)とチャンバーの間の閉じたループ系であり、集団の細胞は画像化のために画像化装置に輸送され、その後チャンバーに戻される。いくつかの態様において、チャンバーはインキュベーションチャンバーである。いくつかの態様において、チャンバーはバイオリアクタである。いくつかの態様において、チャンバーから画像化装置(例えば、DDHM顕微鏡)に細胞を移し、チャンバーに戻すことは自動である。例えば、閉じたループ接続はポンプを使用し得、設定された間隔で、チャンバーから画像化装置(例えば、DDHM顕微鏡)を経てチャンバーに戻る、細胞の損傷のない循環を可能にする。いくつかの態様において、チャンバーから画像化装置(例えば、DDHM顕微鏡)に細胞を移し、チャンバーに戻すことは、オペレータ(例えば、人間のオペレータ)を含む。例えば、オペレータ(例えば、人間のオペレータ)は、閉じたループ系において細胞を画像化するための時間間隔を決定し得る。いくつかの態様において、オペレータ(例えば、人間のオペレータ)は、例えばオペレータの裁量で、1つまたは複数の離隔した時点で閉じたループ系において細胞を画像化し得る。
いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、例えば、手作業での(例えば、人間のオペレータによる)入力を必要としない、完全に自動化された製造プロセスをサポートする。いくつかの態様において、完全に自動化されたシステムは閉じたループシステムである。いくつかの態様において、完全に自動化された閉じたループシステムは、細胞治療(例えば、養子細胞治療、自己細胞治療)のために、特定の細胞型(例えば、CD4+、CD8+、CAR+、TCR+)を含む操作された細胞の無菌生存集団を特定の比率または細胞の総数で効率的かつ確実に産生する。
分類は、例えば、細胞の健康(細胞の生存、細胞の死)、細胞サブタイプ(CD4+、CD8+T細胞)、および/または操作状態(例えば、T細胞が組換え受容体を発現するかどうか(例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR))を確認する(例えば、測定する、定量する)ために行われ得る。いくつかの態様においては、生存細胞の総数、割合および/もしくは濃度、細胞サブタイプ(例えば、CD4+、CD8+)の総数、割合および/もしくは濃度、ならびに/または組換え受容体を発現する細胞の総数、割合および/もしくは濃度を決定するために、分類が行われる。いくつかの態様において、本明細書に記載されている分類の方法は、自動化されたシステム中に含まれる。例えば、本明細書に記載されている細胞を分類する方法は、細胞を含有するバイオリアクタなどの培養(例えば、インキュベーション)チャンバーに接続されている画像化装置(例えば、顕微鏡)と連動するコンピュータ上に保存され、および/またはコンピュータ上で実行され得る。さらなる例として、分類方法を含有するコンピュータは、特定の工程を制御するために使用される機器または装置と連動し得る、またはさもなければ通信することが可能であり得る。このようにして、分類方法の出力は、機器または装置を制御するために使用され得る。例えば、分類方法の出力は、給餌サイクル、培地組成(例えば、サイトカイン濃度)、および/または採取時間を決定するために使用され得る。自動化されたシステムは、培養された細胞を分類するために手作業での(例えば、人間のオペレータによる)入力を最小限に必要とし、または必要としないことがあり得る。いくつかの態様において、手作業での(例えば、人間のオペレータによる)入力が必要とされる。
いくつかの態様において、自動化されたシステムは、細胞をバイオリアクタから取り出し、(例えば、上述のように画像データおよび/または入力特徴を取得する目的で)画像化し、その後バイオリアクタに戻すことができるように、バイオリアクタ、例えば本明細書に記載されているバイオリアクタに適合する。いくつかの態様において、分類および培養は閉じたループ構成で行われる。いくつかの局面では、閉じたループ構成において、自動化されたシステムおよびバイオリアクタは無菌に保たれる。複数の態様において、自動化されたシステムは無菌である。いくつかの態様において、自動化されたシステムはインライン系である。
いくつかの態様において、自動化されたシステムは、液体懸濁液中の細胞を画像化するのに適した画像化装置を含む。懸濁液中の細胞を画像化するのに適した任意の画像化技術が企図される。有用な画像化技術の非限定的な例には、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、微分干渉顕微鏡法、位相差顕微鏡法、デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)、微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)またはこれらの組み合わせが含まれる。ある特定の態様において、自動化されたシステムは、微分デジタルホログラフィ顕微鏡を含む。ある特定の態様において、自動化されたシステムは、照射手段(例えば、レーザ、LED)を含む微分デジタルホログラフィ顕微鏡を含む。DDHM方法および使用の記述は、例えば、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられるUS7,362,449、EP 1,631,788、US9,904,248、およびUS9,684,281ならびに上記のセクションI-A-1に見出され得る。
いくつかの態様において、自動化されたシステムは、画像化技術(例えば、DDHM)の出力を記録するためのデジタル記録装置を含む。いくつかの態様において、装置はCCDカメラまたはCMOSカメラである。いくつかの態様において、自動化されたシステムは、画像を分析するためのアルゴリズムを含むコンピュータを含む。いくつかの態様において、自動化されたシステムは、記録された画像から画像データ(例えば、上記のセクションI-Bに記載されているような位相、強度、重ね合わせ)を抽出するためのアルゴリズムを含むコンピュータを含む。いくつかの態様において、自動化されたシステムは、画像を表示するためのモニターおよび/またはコンピュータを含む。いくつかの態様において、自動化されたシステムは、記録された画像および/または画像データから、上記のセクションI-Bに記載されているような、入力特徴を抽出するためのアルゴリズムを含むコンピュータを含む。いくつかの態様において、分析は自動化される(すなわち、ユーザ入力なしで実行することができる。)。いくつかの態様において、自動化されたシステムは、画像細胞に関連付けられた画像データおよび/または入力特徴を受け取り、分類を実行することができる、本明細書に記載された機械学習モデルを含むコンピュータを含む。細胞をモニタリングするための適切な自動化されたシステムの例には、Ovizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)が含まれるが、これに限定されない。
ある特定の態様において、分類方法は連続的に実行される。いくつかの態様において、分類方法はリアルタイムで実行される。いくつかの態様において、分類方法は、離隔した時点で実行される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも15分ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも30分ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも45分ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも1時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも2時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも4時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも6時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも8時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも10時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも12時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも14時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも16時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも18時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも20時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも22時間ごとに実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも1日1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも2日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも3日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも4日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも5日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも6日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも7日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも8日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも9日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程の期間中、少なくとも10日に1回実施される。いくつかの態様において、分類方法は、培養工程中に、少なくとも1回実施される。
いくつかの態様において、例えば拡大増殖工程を含むプロセスでは、増殖の閾値に達するまで、分類方法を含む自動化されたシステムによって細胞がモニターされる。いくつかの態様において、拡大増殖の閾値に達すると、細胞は、例えば、自動的な方法または手作業での方法によって、例えば人間のオペレータによって採取される。拡大増殖の閾値は、自動化されたシステムによって決定された培養される細胞の総濃度、密度、および/または数に依存し得る。あるいは、拡大増殖の閾値は、生存細胞の濃度、密度、および/または数に依存し得る。
A. 細胞の単離および選択
いくつかの態様において、処理工程は、特定の疾患もしくは症状を有する対象、または細胞治療を必要とする対象、または細胞治療が投与される対象などの対象から得られるまたは対象に由来するものなどの、生物学的試料からの細胞またはその組成物の単離を含む。いくつかの局面において、対象はヒトであり、例えば、細胞がそのために単離され、処理され、および/または操作されている養子細胞治療などの特定の治療的介入を必要とする患者である対象などである。したがって、いくつかの態様における細胞は、初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、CD4+およびCD8+T細胞を含む。いくつかの態様において、細胞は、CD4+またはCD8+T細胞を含む。試料は、組織、流体、および対象から直接採取された他の試料を含む。生物学的試料は、生物源から直接得られた試料または処理された試料であり得る。生物学的試料には、以下のものに由来する処理された試料を含む、体液、例えば血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、組織および器官試料が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、処理工程は、特定の疾患もしくは症状を有する対象、または細胞治療を必要とする対象、または細胞治療が投与される対象などの対象から得られるまたは対象に由来するものなどの、生物学的試料からの細胞またはその組成物の単離を含む。いくつかの局面において、対象はヒトであり、例えば、細胞がそのために単離され、処理され、および/または操作されている養子細胞治療などの特定の治療的介入を必要とする患者である対象などである。したがって、いくつかの態様における細胞は、初代細胞、例えば初代ヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、CD4+およびCD8+T細胞を含む。いくつかの態様において、細胞は、CD4+またはCD8+T細胞を含む。試料は、組織、流体、および対象から直接採取された他の試料を含む。生物学的試料は、生物源から直接得られた試料または処理された試料であり得る。生物学的試料には、以下のものに由来する処理された試料を含む、体液、例えば血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗、組織および器官試料が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの局面では、試料は血液もしくは血液由来試料であるか、または血液浄化療法もしくは白血球除去療法産物であるかもしくはそれに由来する。例示的な試料には、全血、末梢血単核球(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、その他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸(colon)、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃腺もしくは他の器官、および/またはこれらに由来する細胞が含まれる。試料には、細胞治療、例えば養子細胞治療の状況において、自己および同種の源からの試料が含まれる。
いくつかの例では、対象の循環血液からの細胞は、例えば血液浄化療法または白血球除去療法によって得られる。試料は、いくつかの局面では、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球を含むリンパ球、赤血球、および/または血小板を含有し、いくつかの局面では、赤血球および血小板以外の細胞を含有する。
いくつかの態様において、対象から収集された血液細胞は、例えば、血漿画分を除去するために、およびその後の処理工程のために細胞を適切な緩衝液または培地中に配置するために洗浄される。いくつかの態様において、細胞はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。いくつかの態様において、洗浄溶液は、カルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多くのもしくは全ての二価カチオンを欠く。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って半自動「フロースルー」遠心分離機(例えば、Cobe 2991細胞プロセッサ、Baxter)によって達成される。いくつかの局面では、洗浄工程は、製造業者の指示に従って接線流濾過(TFF)によって達成される。いくつかの態様において、細胞は、洗浄後に、例えばCa++/Mg++非含有PBSなどの様々な生体適合性緩衝液中に再懸濁される。ある特定の態様において、血液細胞試料の成分が除去され、細胞は培養培地中に直接再懸濁される。
いくつかの態様において、調製方法は、形質導入および操作のための単離、選択および/もしくは濃縮および/もしくはインキュベーションの前もしくは後のいずれかに、ならびに/または操作された細胞の培養および/もしくは採取の後に、細胞を凍結、例えば凍結保存するための工程を含む。T細胞またはT細胞組成物などの生物学的試料の凍結、凍結保存、または低温貯蔵保存のための例示的な方法には、参照によりその全体が組み入れられるWO2018170188に記載されているものが含まれる。いくつかの態様において、凍結およびその後の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球およびある程度まで単球を除去する。いくつかの態様において、細胞は、例えば、血漿および血小板を除去するための洗浄工程の後で、凍結溶液に懸濁される。いくつかの局面では、様々な公知の凍結溶液およびパラメータのいずれもが使用され得る。いくつかの態様において、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%、または約12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%DMSO、または1%~15%、6%~12%、5%~10%、もしくは6%~8%DMSOの最終濃度を有する培地および/または溶液中で凍結される、例えば凍結保存または凍結保護される。特定の態様において、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%、または約5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%HSA、または0.1%~5%、0.25%~4%、0.5%~2%、もしくは1%~2%HSAの最終濃度を有する媒体および/または溶液中で凍結される、例えば凍結保存または凍結保護される。1つの例は、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、またはその他の適切な細胞凍結培地を使用することを含む。次いで、これは、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるように培地で1:1希釈される。次いで、細胞は、一般に、毎分1℃または約1℃の速度で-80℃または約-80℃まで凍結され、液体窒素貯蔵タンクの気相中に貯蔵される。
いくつかの態様において、細胞または集団の単離は、1つまたは複数の調製および/または非親和性ベースの細胞分離工程を含む。いくつかの例では、例えば、望ましくない成分を除去し、所望の成分を濃縮し、特定の試薬に対して感受性の細胞を溶解または除去するために、細胞を洗浄し、遠心分離し、および/または1つもしくは複数の試薬の存在下でインキュベートする。いくつかの例では、細胞は、密度、接着特性、サイズ、感受性、および/または特定の成分に対する耐性などの1つまたは複数の特性に基づいて分離される。いくつかの態様において、方法は、赤血球を溶解することおよびパーコールまたはフィコール勾配を通じた遠心分離による末梢血からの白血球の調製などの、密度に基づく細胞分離方法を含む。
いくつかの態様において、選択工程の少なくとも一部は、選択試薬との細胞のインキュベーションを含む。例えば、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカーまたは核酸などの1つまたは複数の特異的分子の細胞内または細胞上での発現または存在に基づいて、1つまたは複数の異なる細胞型を選択するための1つまたは複数の選択試薬を使用して実施され得る選択方法の一部としての、1つまたは複数の選択試薬とのインキュベーション。いくつかの態様において、このようなマーカーに基づく分離のための1つまたは複数の選択試薬を使用する任意の公知の方法が使用され得る。いくつかの態様において、1つまたは複数の選択試薬は、親和性または免疫親和性に基づく分離である分離をもたらす。例えば、いくつかの局面における選択は、例えば、1つまたは複数のマーカー、典型的には細胞表面マーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーションによる、このようなマーカーの細胞の発現または発現レベルに基づく細胞および細胞集団の分離のための1つまたは複数の試薬とのインキュベーションを含み、一般的には、その後に、洗浄工程および抗体または結合パートナーに結合した細胞の、抗体または結合パートナーに結合しなかった細胞からの分離が続く。いくつかの態様において、プロセスの選択および/またはその他の局面は、国際公開第WO/2015/164675号に記載されているとおりである。
このようなプロセスのいくつかの局面において、ある体積の細胞が、ある量の所望の親和性に基づく選択試薬と混合される。免疫親和性に基づく選択は、分離されている細胞と、細胞上のマーカーに特異的に結合する分子、例えば固体表面、例えば粒子上の抗体または他の結合パートナーとの間での好ましいエネルギー相互作用をもたらす任意の系または方法を使用して行うことができる。いくつかの態様において、方法は、細胞のマーカーに特異的な選択剤(例えば抗体)でコーティングされたビーズ、例えば磁気ビーズなどの粒子を使用して行われる。粒子(例えば、ビーズ)は、エネルギー的に有利な相互作用を促進するのを助けるために一定の細胞密度対粒子(例えば、ビーズ)比で、振盪または混合しながら、チューブまたは袋などの容器内の細胞とインキュベートまたは混合することができる。他の事例では、方法は、選択の全部または一部が例えば遠心回転下で遠心分離チャンバーの内部空洞内で行われる細胞の選択を含む。いくつかの態様において、免疫親和性に基づく選択試薬などの選択試薬との細胞のインキュベーションが、遠心分離チャンバー内で行われる。ある特定の態様において、単離または分離は、国際特許出願公開番号第WO2009/072003号またはUS20110003380A1に記載されている系、装置または機器を使用して行われる。一例では、系は、国際公開第WO2016/073602号に記載されているような系である。
いくつかの態様において、遠心分離チャンバーの空洞内でこのような選択工程またはその一部(例えば、抗体で被覆された粒子、例えば磁気ビーズとのインキュベーション)を行うことによって、ユーザは、様々な溶液の体積、処理中の溶液の添加およびそのタイミングなどのある特定のパラメータを制御することができ、他の利用可能な方法と比較して利点を提供することができる。例えば、インキュベーション中に空洞内の液体体積を減少させる能力は、空洞内の細胞の総数に影響を及ぼすことなく、選択に使用される粒子(例えばビーズ試薬)の濃度、したがって溶液の化学ポテンシャルを増加させることができる。これは、次に、処理されている細胞と選択のために使用される粒子との間での対相互作用を強化することができる。いくつかの態様において、例えば、本明細書に記載されている系、回路および制御に関連する場合、チャンバー内でインキュベーション工程を実行することにより、ユーザはインキュベーション中の所望の時間(複数可)に溶液の攪拌を行うことができ、これはまた相互作用を改善することができる。
いくつかの態様において、選択工程の少なくとも一部は遠心分離チャンバーにおいて行われ、これは選択試薬との細胞のインキュベーションを含む。このようなプロセスのいくつかの局面では、製造者の説明書に従って同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞を選択するためにチューブまたは容器中で同様の選択を行うときに通常用いられるよりもはるかに少ない量の所望の親和性に基づく選択試薬と、ある体積の細胞が混合される。いくつかの態様において、製造業者の指示に従って、同じ数の細胞および/または同じ体積の細胞に対するチューブまたは容器をベースとしたインキュベーションにおける細胞の選択のために使用される1つまたは複数の同じ選択試薬の量の5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、50%以下、60%以下、70%以下、または80%以下である量の1つまたは複数の選択試薬が使用される。
いくつかの態様において、選択、例えば細胞の免疫親和性に基づく選択のために、ポリマーまたは表面、例えばビーズ、例えば磁気ビーズ、例えばCD4およびCD8に対して特異的なモノクローナル抗体に結合された磁気ビーズなどの足場に任意に結合されてもよい選択試薬、例えば、濃縮および/または枯渇することが所望される細胞上の表面マーカーに特異的に結合するが、組成物中の他の細胞上の表面マーカーには特異的に結合しない分子、例えば抗体とともに選択緩衝液も含有する組成物中で、チャンバーの空洞内で細胞がインキュベートされる。いくつかの態様においては、記載したとおり、振盪または回転させながらチューブ内で選択が行われる場合に、同じ数の細胞または同じ体積の細胞の選択のほぼ同一または類似の効率を達成するために通例使用され、または必要となるであろう選択試薬の量と比較して、実質的により少ない量(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以下の量)で、選択試薬がチャンバーの空洞内の細胞に添加される。いくつかの態様においては、例えば、10mL~200mL、例えば少なくとも10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mL、もしくは200mL、または少なくとも約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mL、もしくは200mL、または約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mL、もしくは200mL、または10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mL、もしくは200mLの試薬のインキュベーションで目標体積を達成するために、細胞および選択試薬に選択緩衝液を添加して、インキュベーションが行われる。いくつかの態様において、選択緩衝液および選択試薬は、細胞への添加の前に予め混合される。いくつかの態様において、選択緩衝液および選択試薬は、細胞に別々に添加される。いくつかの態様において、選択インキュベーションは周期的に穏やかに混合する条件を用いて行われ、これはエネルギー的に有利な相互作用を促進するのを助けることができ、それによって高い選択効率を達成しながらより少ない総選択試薬の使用を可能にする。
いくつかの態様において、選択試薬とのインキュベーションの総期間は、5分~6時間または約5分~約6時間、例えば30分~3時間、例えば少なくとも30分、60分、120分、もしくは180分、または少なくとも約30分、60分、120分、もしくは180分である。
いくつかの態様において、一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレットとするために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm)で、例えば80g~100gまたは約80g~約100g(例えば、80g、85g、90g、95g、もしくは100gまたは約80g、85g、90g、95g、もしくは100gまたは少なくとも80g、85g、90g、95g、もしくは100g)の試料またはチャンバーもしくはその他の容器の壁における相対遠心力(RCF)で、回転の存在下などの混合条件下で、一般にインキュベーションが行われる。いくつかの態様において、このような低速での回転とそれに続く休止期間の反復される間隔、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間の回転および/または休止、例えば約1または2秒での回転とそれに続く約5、6、7、または8秒間の休止を使用して回転が行われる。
いくつかの態様において、このようなプロセスは、チャンバーが一体化された完全に閉じた系内で実行される。いくつかの態様において、自動化されたプログラムを使用して単一の閉じた系で洗浄および結合工程を完了するために、細胞、試薬、およびその他の成分が適切な時間においてチャンバー中に引き込まれ、チャンバーから押し出され、遠心分離が行われるように、このプロセス(およびいくつかの局面では、血液浄化療法試料などの、細胞を含有する試料を洗浄する以前の洗浄工程などの1つまたは複数の追加の工程も)は、自動化された様式で行われる。
いくつかの態様において、細胞および1つの選択試薬および/または複数の選択試薬のインキュベーションおよび/または混合後に、インキュベートされた細胞は、特定の1つまたは複数の試薬の存在または非存在に基づいて細胞を選択するために分離に供される。いくつかの態様において、分離は、選択試薬との細胞のインキュベーションが行われたのと同じ閉じた系において行われる。いくつかの態様において、選択試薬とのインキュベーション後、選択試薬が結合した細胞を含むインキュベートされた細胞は、細胞の免疫親和性に基づく分離のための系に移される。いくつかの態様において、免疫親和性に基づく分離のための系は、磁気分離カラムであるか、または磁気分離カラムを含有する。
このような分離工程は、試薬、例えば抗体もしくは結合パートナーに結合した細胞がさらなる使用のために保持される正の選択、および/または試薬、例えば抗体もしくは結合パートナーに結合しなかった細胞が保持される負の選択に基づくことができる。いくつかの例では、両方の画分がさらなる使用のために保持される。いくつかの局面において、不均一な集団において細胞型を特異的に特定する抗体が利用可能でない場合には、所望の集団以外の細胞によって発現されるマーカーに基づいて分離が最良に行われるように、負の選択が特に有用であり得る。
いくつかの態様において、プロセス工程は、親和性に基づく選択を行うことができる系または機器を使用するなどして、インキュベートされた細胞の負および/または正の選択をさらに含む。いくつかの態様において、単離は、正の選択による特定の細胞集団の濃縮、または負の選択による特定の細胞集団の枯渇によって行われる。いくつかの態様において、それぞれ正または負に選択された細胞上で発現されるまたは比較的高いレベル(マーカーhigh)で発現される(マーカー+)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または他の結合剤とともに細胞をインキュベートすることによって、正または負の選択が達成される。複数回の同じ選択工程、例えば正または負の選択工程を行うことができる。ある特定の態様において、正または負に選択された画分は、正または負の選択工程を繰り返すことなどによる選択のためのプロセスに供される。いくつかの態様において、選択は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または9回より多く繰り返される。ある特定の態様において、同じ選択が最大5回行われる。ある特定の態様において、同じ選択工程が3回行われる。
分離は、特定のマーカーを発現する特定の細胞集団または細胞の100%濃縮または除去をもたらす必要はない。例えば、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の正の選択または濃縮は、このような細胞の数または割合を増加させることを指すが、マーカーを発現しない細胞の完全な非存在をもたらす必要はない。同様に、マーカーを発現する細胞などの特定の種類の細胞の負の選択、除去、または枯渇は、このような細胞の数または割合を減少させることを指すが、このような細胞の全ての完全な除去をもたらす必要はない。
いくつかの例では、1つの工程から正または負に選択された画分が、その後の正または負の選択などの別の分離工程に供される複数回の分離工程が行われる。いくつかの例では、それぞれが負の選択のために標的とされるマーカーに対して特異的である複数の抗体または結合パートナーとともに細胞をインキュベートすることなどによって、単一の分離工程が、複数のマーカーを同時に発現する細胞を枯渇させることができる。同様に、様々な細胞型上で発現される複数の抗体または結合パートナーとともに細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型を同時に正に選択することができる。ある特定の態様において、1つまたは複数の分離工程は、1回より多く繰り返されるおよび/または行われる。いくつかの態様において、分離工程から得られた正または負に選択された画分は、正または負の選択工程を繰り返すことなどによって、同じ分離工程に供される。いくつかの態様においては、例えば、正に選択された細胞の収率を増加させるために、負に選択された細胞の純度を増加させるために、および/または負に選択された画分から正に選択された細胞をさらに除去するために、単一の分離工程が1回より多く繰り返されるおよび/または行われる。ある特定の態様において、1つまたは複数の分離工程は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、または10回より多く行われるおよび/または繰り返される。ある特定の態様において、1つまたは複数の選択工程は、1回~10回、1回~5回、または3回~5回行われるおよび/または繰り返される。ある特定の態様において、1つまたは複数の選択工程は、3回繰り返される。
例えば、いくつかの局面では、陽性または高レベルの1つまたは複数の表面マーカー、例えばCD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+T細胞を発現する細胞などのT細胞の特定の亜集団が、正または負の選択技術によって単離される。いくつかの態様において、このような細胞は、このようなマーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体または結合パートナーとのインキュベーションによって選択される。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、磁性ビーズまたは常磁性ビーズなどの選択を行うために、固体支持体またはマトリックスに、直接的または間接的などにコンジュゲートさせることができる。例えば、CD3+、CD28+T細胞は、抗CD3/抗CD28コンジュゲート磁気ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ)を用いて正に選択することができる。
いくつかの態様において、T細胞は、CD14などの、B細胞、単球、または他の白血球などの非T細胞上に発現されるマーカーの負の選択によってPBMC試料から分離される。いくつかの局面では、CD4+ヘルパーT細胞とCD8+細胞傷害性T細胞を分離するために、CD4+またはCD8+選択工程が使用される。このようなCD4+およびCD8+集団は、1つまたは複数のナイーブT細胞亜集団、メモリーT細胞亜集団、および/またはエフェクターT細胞亜集団上で発現されるまたは比較的高度に発現されるマーカーについての正または負の選択によって、亜集団にさらに分別することができる。
いくつかの態様において、CD8+T細胞は、それぞれの亜集団に付随する表面抗原に基づく正または負の選択などによって、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリー、および/またはセントラルメモリー幹細胞がさらに濃縮または枯渇される。いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、有効性を増大させるために、例えば投与後の長期生存、拡大増殖、および/または生着を改善するために行われ、これはいくつかの局面ではこのような亜集団において特に堅牢である。Terakura et al., (2012)Blood. 1: 72-82; Wang et al. (2012)J Immunother. 35(9): 689-701参照。いくつかの態様において、TCMが濃縮されたCD8+T細胞とCD4+T細胞とを組み合わせることにより、有効性がさらに増強される。
複数の態様において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブセットの両方に存在する。PBMCは、抗CD8および抗CD62L抗体を使用するなどして、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+画分を濃縮または枯渇させることができる。
いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127の陽性または高い表面発現に基づき、いくつかの局面では、CD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するまたは高度に発現する細胞についての負の選択に基づく。いくつかの局面では、TCM細胞が濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の枯渇、およびCD62Lを発現する細胞の正の選択または濃縮によって行われる。一局面では、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性画分から開始して行われ、CD14およびCD45RAの発現に基づく負の選択、ならびにCD62Lに基づく正の選択に供される。
このような選択は、いくつかの局面では同時に実行され、他の局面ではいずれかの順序で順次実行される。いくつかの局面では、CD4に基づく分離からの陽性画分と陰性画分の両方が保持され、任意で1つまたは複数のさらなる陽性または陰性選択工程の後に、方法の後続の工程において使用されるように、CD8+T細胞集団または亜集団の調製に使用されるのと同じCD4発現に基づく選択工程も、CD4+T細胞集団または亜集団を生成するために使用される。いくつかの態様において、CD4+T細胞集団の選択およびCD8+T細胞集団の選択は同時に行われる。いくつかの態様において、CD4+T細胞集団およびCD8+T細胞集団の選択は、いずれかの順序で順次行われる。いくつかの態様において、細胞を選択するための方法は、公開された米国特許出願公開第US20170037369号に記載されているものを含むことができる。いくつかの態様において、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、選択後に組み合わされ得る。いくつかの局面では、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は、バイオリアクタバッグなどの容器またはバッグ内で組み合わされ得る。いくつかの態様において、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は別々に処理され、選択されたCD4+T細胞集団はCD4+T細胞において濃縮され、刺激性試薬(例えば、抗CD3/抗CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、T細胞を増殖させる条件下で培養され、選択されたCD8+T細胞集団はCD8+T細胞において濃縮され、刺激性試薬(例えば、抗CD3/抗CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、同じドナー由来のCD4+T細胞を操作するためのものと同じ組換えタンパク質である組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターで形質導入され、提供される方法などに従ってT細胞を増殖させる条件下で培養される。
特定の態様において、生物学的試料、例えばPBMCまたは他の白血球の試料は、陰性画分と陽性画分の両方が保持されているCD4+T細胞の選択に供される。ある特定の態様において、CD8+T細胞は、陰性画分から選択される。いくつかの態様において、生物学的試料は、陰性画分および陽性画分の両方が保持されているCD8+T細胞の選択に供される。ある特定の態様において、CD4+T細胞は、陰性画分から選択される。
特定の例では、PBMCの試料または他の白血球試料は、陰性画分と陽性画分の両方が保持されているCD4+T細胞の選択に供される。次いで、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づく負の選択、ならびにCD62LまたはCCR7などのセントラルメモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づく正の選択に、陰性画分が供され、ここで、正および負の選択はいずれの順序でも行われる。
CD4+Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を特定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞、およびエフェクター細胞へと選別され得る。CD4+リンパ球は、標準的な方法によって得ることができる。いくつかの態様において、ナイーブCD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、またはCD4+T細胞である。いくつかの態様において、セントラルメモリーCD4+T細胞はCD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクターCD4+T細胞はCD62L-およびCD45RO-である。
一例では、負の選択によってCD4+T細胞を濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは、典型的には、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、正および/または負の選択のための細胞の分離を可能にするために、磁気ビーズまたは常磁性ビーズなどの固体支持体またはマトリックスに結合される。例えば、いくつかの態様において、細胞および細胞集団は、免疫磁気(または親和性磁気)分離技術(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p17-25 Edited by: S. A. Brooks and U. Schumacher (著作権) Humana Press Inc., Totowa, NJに概説されている。)を使用して、分離または単離される。
いくつかの局面では、インキュベートされた試料または分離されるべき細胞の組成物は、(例えば、DynalbeadsまたはMACS(登録商標)ビーズなどの)常磁性ビーズなどの磁気応答性粒子または微粒子などの、小型の磁化可能または磁気応答性材料を含有する選択試薬とともにインキュベートされる。磁気応答性材料、例えば粒子は一般に、分離することが望まれる、例えば負または正に選択することが望まれる1つの細胞、複数の細胞、または細胞の集団上に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に、直接的にまたは間接的に結合される。
いくつかの態様において、磁気粒子またはビーズは、抗体または他の結合パートナーなどの特異的結合メンバーに結合した磁気応答性材料を含む。磁気分離法において使用するための多くの周知の磁気応答性材料、例えば、参照により本明細書に組み入れられるMoldayの米国特許第4,452,773号および欧州特許第EP 452342 B号に記載されているものが知られている。コロイドサイズの粒子、例えば、Owenの米国特許第4,795,698号およびLibertiら、米国特許第5,200,084号に記載されているものも使用され得る。
インキュベーションは、一般に、試料内の細胞上に細胞表面分子が存在する場合に、磁気粒子またはビーズに結合された抗体もしくは結合パートナーまたはこのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する分子、例えば二次抗体もしくはその他の試薬が、細胞表面分子に特異的に結合する条件下で実施される。
ある特定の態様において、磁気応答性粒子は、一次抗体もしくはその他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素、またはストレプトアビジンで被覆される。ある特定の態様において、磁気粒子は、1つまたは複数のマーカーに対して特異的な一次抗体の被覆を介して細胞に結合している。ある特定の態様においては、ビーズではなく細胞が一次抗体または結合パートナーで標識され、次いで、細胞型特異的二次抗体またはその他の結合パートナー(例えば、ストレプトアビジン)で被覆された磁気粒子が添加される。ある特定の態様において、ストレプトアビジンで被覆された磁気粒子は、ビオチン化された一次抗体または二次抗体と組み合わせて使用される。
いくつかの局面において、分離は、試料が磁場の中に置かれる手順において達成され、磁気応答性粒子または磁化可能粒子が結合された細胞は、磁石に引きつけられ、標識されていない細胞から分離される。正の選択の場合、磁石に引きつけられた細胞が保持され;負の選択の場合、引きつけられていない細胞(標識されていない細胞)が保持される。いくつかの局面では、正および負の選択の組み合わせが同じ選択工程中に実施され、この場合には、陽性画分および陰性画分が保持されて、さらに処理されるか、またはさらなる分離工程に供される。
いくつかの態様において、親和性に基づく選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を介する。磁気活性化細胞選別(MACS)、例えばCliniMACSシステムは、磁化された粒子が結合した細胞の高純度選択が可能である。ある特定の態様において、MACSは、外部磁場の印加後に非標的種および標的種が順次溶出される様式で動作する。すなわち、磁化された粒子に結合した細胞は所定の位置に保持されるのに対して、結合していない種は溶出される。次いで、この第1の溶出工程が終了した後に、磁場に捕捉されて溶出されなかった種は、この種が溶出され、回収できるような何らかの方法で開放される。ある特定の態様において、非標的細胞が標識され、細胞の不均一な集団から枯渇される。
いくつかの態様において、磁気応答性粒子は、その後にインキュベート、培養、および/または操作されるべき細胞に結合したままであり、いくつかの局面において、粒子は、患者に投与するための細胞に結合したままである。いくつかの態様において、磁化可能粒子または磁気応答性粒子は、細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去するための方法は公知であり、例えば、競合する非標識抗体、磁化可能粒子、または切断可能なリンカーにコンジュゲートされた抗体などの使用が含まれる。いくつかの態様において、磁化可能粒子は生分解性である。
B. 細胞の活性化および刺激
いくつかの態様において、1つまたは複数の処理工程は、選択された細胞集団などの単離された細胞を刺激する工程を含む。インキュベーションは、上記の形質導入方法の態様から生じる遺伝子工学などの遺伝子工学より前またはそれに関連して行われ得る。いくつかの態様において、刺激は、例えば、形質導入より前に、細胞の活性化および/または増殖(proliferation)をもたらす。
いくつかの態様において、1つまたは複数の処理工程は、選択された細胞集団などの単離された細胞を刺激する工程を含む。インキュベーションは、上記の形質導入方法の態様から生じる遺伝子工学などの遺伝子工学より前またはそれに関連して行われ得る。いくつかの態様において、刺激は、例えば、形質導入より前に、細胞の活性化および/または増殖(proliferation)をもたらす。
いくつかの態様において、処理工程は、選択された細胞などの細胞のインキュベーションを含み、インキュベーション工程は、細胞の培養(culture)、培養(cultivation)、刺激、活性化、および/または増殖(propagation)を含むことができる。いくつかの態様において、組成物または細胞は、刺激条件または刺激剤の存在下でインキュベートされる。このような条件には、抗原曝露を模倣するために、および/または、遺伝子操作のために、例えば組換え抗原受容体の導入のために細胞を刺激する(prime)ために、集団中の細胞の増殖(proliferation)、活性化および/または生存を誘導するように設計された条件が含まれる。
いくつかの態様において、刺激および/または活性化のための条件は、特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの態様において、刺激条件または作用物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを刺激または活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面において、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを作動させ、または開始させる。このような作用物質には、一次シグナルを送達するのに、例えばITAM誘導性シグナルの活性化を開始するのに適した作用物質、例えば、TCRに対して特異的な抗体、例えば抗CD3などの抗体が含まれ得る。いくつかの態様において、刺激条件は、共刺激受容体、例えば、抗CD28または抗4-1BBを刺激することができる1つまたは複数の作用物質、例えば、リガンドを含む。いくつかの態様において、このような作用物質および/またはリガンドは、ビーズなどの固体支持体、および/または1つもしくは複数のサイトカインに結合され得る。刺激剤の中には、抗CD3/抗CD28ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ)がある。任意で、拡大増殖方法は、抗CD3および/または抗CD28抗体を(例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度で)培養培地に添加する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、刺激剤は、IL-2、IL-7および/またはIL-15、例えば、少なくとも約10単位/mL、少なくとも約50単位/mL、少なくとも約100単位/mLまたは少なくとも約200単位/mLのIL-2濃度を含む。
条件は、特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの局面では、Riddellらの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al. (2012)J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012)Blood.1: 72-82、および/またはWang et al.(2012)J Immunother. 35(9): 689-701に記載されている技術などの技術に従って、インキュベーションが行われる。
いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激条件または刺激剤の存在下でのインキュベーションの少なくとも一部は、例えば、国際公開第2016/073602号に記載されているように、遠心回転下で遠心分離チャンバーの内部空洞内で行われる。いくつかの態様において、遠心分離チャンバー内で行われるインキュベーションの少なくとも一部は、刺激および/または活性化を誘導するために1つまたは複数の試薬と混合することを含む。いくつかの態様において、選択された細胞などの細胞は、遠心分離チャンバー内で刺激条件または刺激剤と混合される。このようなプロセスのいくつかの局面では、ある体積の細胞が、細胞培養プレートまたはその他の系において類似の刺激を行うときに通常用いられる量よりもはるかに少ない量の1つまたは複数の刺激条件または刺激剤と混合される。
いくつかの態様においては、定期的に振盪または回転させながら、遠心チャンバー中で、例えば、チューブまたはバッグ中で混合することなくチューブ内で選択が行われる場合に、同じ数の細胞または同じ体積の細胞の選択のほぼ同一または類似の効率を達成するために通例使用され、または必要となるであろう刺激剤の量と比較して、実質的により少ない量(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%以下の量)で、刺激剤がチャンバーの空洞内の細胞に添加される。いくつかの態様において、例えば、約10mL~約200mL、または約20mL~約125mL、例えば、少なくとも10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、105mL、110mL、115mL、120mL、125mL、130mL、135mL、140mL、145mL、150mL、160mL、170mL、180mL、190mL、もしくは200mL、または少なくとも約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、105mL、110mL、115mL、120mL、125mL、130mL、135mL、140mL、145mL、150mL、160mL、170mL、180mL、190mL、もしくは200mL、または約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、105mL、110mL、115mL、120mL、125mL、130mL、135mL、140mL、145mL、150mL、160mL、170mL、180mL、190mL、もしくは200mLの試薬のインキュベーションで目標体積を達成するために、細胞および刺激剤にインキュベーション緩衝液を添加して、インキュベーションが行われる。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞に添加する前に予め混合される。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激剤は、細胞に別々に添加される。いくつかの態様において、刺激インキュベーションは、エネルギー的に有利な相互作用を促進するのを助け、それによって細胞の刺激および活性化を達成しながら全体的な刺激剤の使用をより少なくすることができる周期的な穏やかな混合条件で行われる。
いくつかの態様において、一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレットとするために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm)で、例えば80g~100gまたは約80g~約100g(例えば、80g、85g、90g、95g、もしくは100gまたは約80g、85g、90g、95g、もしくは100gまたは少なくとも80g、85g、90g、95g、もしくは100g)の試料またはチャンバーもしくはその他の容器の壁における相対遠心力(RCF)で、回転の存在下などの混合条件下で、一般にインキュベーションが行われる。いくつかの態様において、このような低速での回転とそれに続く休止期間の反復される間隔、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10秒間の回転および/または休止、例えば約1または2秒での回転とそれに続く約5、6、7、または8秒間の休止を使用して回転が行われる。
いくつかの態様において、例えば刺激剤とのインキュベーションの総期間は、1時間~96時間、1時間~72時間、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間、18時間~30時間、もしくは12時間~24時間、または約1時間~96時間、約1時間~72時間、約1時間~48時間、約4時間~36時間、約8時間~30時間、約18時間~30時間、もしくは約12時間~24時間、例えば少なくとも6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、もしくは72時間、または少なくとも約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、もしくは72時間、または約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間、もしくは72時間である。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間、もしくは12時間~24時間、または約1時間~48時間、約4時間~36時間、約8時間~30時間もしくは約12時間~24時間(両端の値を含む)の時間である。
C. 遺伝子工学
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の導入を含む。このような組換えタンパク質の中には、セクションIIIに記載されているいずれかなどの組換え受容体がある。組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞への導入は、いくつかの公知のベクターのいずれをも使用して実施され得る。このようなベクターには、レンチウイルス系およびガンマレトロウイルス系ならびにPiggyBacまたはSleeping Beautyをベースとした遺伝子導入系などのトランスポゾンをベースとした系を含むウイルス系および非ウイルス系が含まれる。例示的な方法には、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾンおよび電気穿孔によることを含む、受容体をコードする核酸の導入のための方法が含まれる。
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の導入を含む。このような組換えタンパク質の中には、セクションIIIに記載されているいずれかなどの組換え受容体がある。組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞への導入は、いくつかの公知のベクターのいずれをも使用して実施され得る。このようなベクターには、レンチウイルス系およびガンマレトロウイルス系ならびにPiggyBacまたはSleeping Beautyをベースとした遺伝子導入系などのトランスポゾンをベースとした系を含むウイルス系および非ウイルス系が含まれる。例示的な方法には、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、形質導入、トランスポゾンおよび電気穿孔によることを含む、受容体をコードする核酸の導入のための方法が含まれる。
ある特定の態様において、培養および/または拡大増殖が製造工程として含まれる場合には、細胞を培養するより前に、例えば増殖(proliferation)および/または拡大増殖を促進する条件下で、細胞の組成物が操作される、例えば形質導入または形質移入される。いくつかの態様において、形質転換または形質導入などによる細胞の遺伝子操作は、例えばセクションII-C-3に記載されているように、細胞をインキュベートするより前に行われる。特定の態様において、細胞の組成物は、刺激条件下で組成物が刺激、活性化、および/またはインキュベートされた後に操作される。特定の態様において、組成物は刺激された組成物である。特定の態様において、刺激された組成物は、以前に凍結保存および保存されており、操作より前に解凍される。
いくつかの態様においては、まず、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって測定される増殖(proliferation)、生存、および/または活性化などの応答を誘導する刺激と細胞を組み合わせることなどによって細胞を刺激した後、活性化された細胞を形質導入し、臨床用途に十分な数まで培養して拡大増殖させることによって、遺伝子導入が達成される。
いくつかの態様において、組換え核酸は、例えば、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)に由来するベクターなどの組換え感染性ウイルス粒子を使用して細胞中に導入される。
いくつかの態様において、組換え核酸は、電気穿孔(例えば、Chicaybam et al, (2013)PLoS ONE 8(3): e60298およびVan Tedeloo et al. (2000)Gene Therapy 7(16): 1431-1437を参照)を介してT細胞に導入される。いくつかの態様において、組換え核酸は、転位(例えば、Manuri et al. (2010)Hum Gene Ther 21(4): 427-437; Sharma et al. (2013)Molec Ther Nucl Acids 2, e74;およびHuang et al. (2009)Methods Mol Biol 506: 115-126)を介してT細胞に導入される。免疫細胞に遺伝物質を導入および発現させる他の方法としては、リン酸カルシウム形質移入(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley&Sons, New York, N.Y.に記載されている)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介形質移入;タングステン粒子促進微粒子銃(Johnston, Nature, 346: 776-777(1990));およびリン酸ストロンチウムDNA共沈殿(Brash et al., Mol. Cell Biol., 7: 2031-2034(1987))が挙げられる。
組換え産物をコードする核酸を導入するための他のアプローチおよびベクターは、例えば、国際公開第2014055668号および米国特許第7,446,190号に記載されているものである。
いくつかの態様において、細胞、例えば、T細胞は、拡大増殖の間または後のいずれかに、例えば、T細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)で形質移入され得る。所望の受容体の遺伝子の導入のためのこの形質移入は、例えば、任意の適切なレトロウイルスベクターを用いて実施することができる。次いで、遺伝子修飾された細胞集団は、最初の刺激(例えば、CD3/CD28刺激)から解放され、続いて、例えば、新規に導入された受容体を介して)、第2の種類の刺激で刺激することができる。この第2の種類の刺激としては、ペプチド/MHC分子、遺伝子導入された受容体の同族(架橋結合する)リガンド(例えば、CARの天然のリガンド)または(例えば、受容体内の定常領域を認識することによって)新たな受容体のフレームワーク内に直接結合する任意のリガンド(抗体など)の形態での抗原性刺激が挙げられ得る。例えば、Cheadle et al.,「Chimeric antigen receptors for T-cell based therapy」Methods Mol Biol. 2012; 907: 645-66またはBarrett et al., Chimeric Antigen Receptor Therapy for Cancer Annual Review of Medicine Vol. 65: 333-347(2014)を参照されたい。
一部の事例において、細胞、例えばT細胞が活性化されることを必要としないベクターが使用され得る。いくつかのこのような事例では、細胞は、活性化より前に選択されおよび/または形質導入され得る。したがって、細胞は、細胞の培養より前にまたは細胞の培養の後に、一部の事例においては、培養の少なくとも一部と同時にまたはその間に、操作され得る。
いくつかの局面において、細胞は、サイトカインまたはその他の因子の発現を促進するようにさらに操作される。さらなる核酸、例えば、導入のための遺伝子に属するのは、例えば、導入された細胞の生存性および/または機能を促進することによって、治療の有効性を改善させるためのもの;例えば、インビボでの生存また局在化を評価するために、細胞の選択および/または評価のための遺伝マーカーを提供するための遺伝子;Lupton S. D. et al., Mol. and Cell Biol., 11:6(1991);およびRiddell et al., Human Gene Therapy 3: 319-338(1992)によって記載されているように、例えば、細胞をインビボで負の選択を受けやすいようにすることによって、安全性を改善するための遺伝子であり、ドミナントポジティブの選択可能なマーカーを負の選択可能なマーカーと融合することによって得られる二機能性の選択可能な融合遺伝子の使用を記載するLuptonらによるPCT/US91/08442号およびPCT/US94/05601号の刊行物も参照されたい。例えば、Riddellらの米国特許第6,040,177号のカラム14~17を参照されたい。
いくつかの態様において、導入することは、組成物の1つまたは複数の細胞を、組換えタンパク質、例えば組換え受容体をコードする核酸分子と接触させることによって実施される。いくつかの態様において、接触させることは、スピノキュレーション(例えば、遠心的播種)などの遠心を用いて達成することができる。このような方法としては、国際公開第2016/073602号に記載されているもののいずれもが挙げられる。例示的な遠心チャンバーとしては、A-200/FおよびA-200遠心チャンバーおよびこのようなシステムとともに使用するための様々なキットを含むSepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムとともに使用するためのものなどの、Biosafe SAによって製造および販売されているものが挙げられる。例示的なチャンバー、システムならびに処理機器類およびキャビネットは、例えば、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および米国特許出願公開第2008/0171951号および国際公開第00/38762号に記載されており、これらの各々の内容の全体が、参照により、本明細書に組み入れられる。このようなシステムとともに使用するための例示的なキットとしては、CS-430.1、CS-490.1、CS-600.1またはCS-900.2の製品名でBioSafe SAによって販売されている使い捨てキットが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、システムは、システム内で実行される形質導入工程および1つまたは複数の様々な他の処理工程の局面、例えば、本明細書または国際公開第2016/073602号に記載されているような遠心チャンバーシステムとともにまたはこれに関連して実行することができる1つまたは複数の処理工程を操作、自動化、制御および/またはミニターするための機器を含む他の機器とともに含まれるおよび/または他の機器に関連して配置される。いくつかの態様において、この機器はキャビネット内に収容されている。いくつかの態様において、機器は、制御回路を収容する筐体、遠心分離機、カバー、モータ、ポンプ、センサ、ディスプレイおよびユーザインターフェースを含むキャビネットを備える。例示的な装置は、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号、および米国特許出願公開第2008/0171951号に記載されている。
いくつかの態様において、システムは、一連の容器、例えばバッグ、チューブ、栓、クランプ、コネクタ、および遠心分離チャンバーを備える。いくつかの態様において、バッグなどの容器は、同じバッグまたは別個のバッグなどの同じ容器または別個の容器中に、形質導入されるべき細胞とウイルスベクター粒子とを含有するバッグなどの1つまたは複数の容器を含む。いくつかの態様において、システムは、チャンバー中に引き込まれる希釈剤および/もしくは洗浄溶液などの媒体と、ならびに/または方法中に成分および/もしくは組成物を希釈、再懸濁、および/もしくは洗浄するための他の成分とを含有するバッグなどの1つまたは複数の容器をさらに含む。容器は、投入ライン、希釈剤ライン、洗浄ライン、廃棄ラインおよび/または排出ラインに対応する位置などにおいて、システム内の1つまたは複数の位置に接続することができる。
いくつかの態様において、チャンバーは、その回転軸の周囲になど、チャンバーの回転を行うことができる遠心分離機に関連付けられる。回転は、細胞の形質導入に関連してインキュベーションの前、間および/もしくは後に、ならびに/または他の処理工程の1つもしくは複数において起こり得る。したがって、いくつかの態様において、様々な処理工程のうちの1つまたは複数は、回転下で、例えば特定の力で実行される。遠心分離中にチャンバーが垂直に位置し、側壁および軸が垂直または概ね垂直であり、1つまたは複数の端壁が水平または概ね水平であるように、チャンバーは、典型的には垂直または概ね垂直に回転することができる。
いくつかの態様において、細胞、ウイルス粒子および試薬を含有する組成物は、一般的には相対的に低い力または速度で、例えば、細胞をペレットとするために使用される速度より低い速度で、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm)で回転させることができる。いくつかの態様において、回転は、例えば、チャンバーの内壁もしくは外壁または空洞において測定された場合に、100g~3200gまたは約100g~約3200g(例えば、100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g、または約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g、または少なくとも100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g、または少なくとも約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g)の力、例えば、相対遠心力で運ばれる。「相対遠心力」またはRCFという用語は、回転の軸と比べて空間中の特定の点で、地球の重力に対して、物体または物質(細胞、試料、もしくはペレットおよび/または回転されているチャンバーもしくはその他の容器中の点など)に対して与えられる有効力であると一般的に理解される。値は、重力、回転速度および回転の半径(回転の軸と物体、物質またはRCFが測定されている粒子からの距離)を考慮に入れて、周知の式を用いて決定され得る。
いくつかの態様において、遺伝子操作、例えば形質導入の少なくとも一部の間、および/または遺伝子操作に続いて、細胞は、上記のように、細胞の培養(cultivation)または拡大増殖などのための遺伝子操作された細胞の培養(culture)のために、バッグ、例えばバイオリアクタバッグアセンブリなどの容器に移される。いくつかの態様において、細胞の培養(cultivation)または拡大増殖のための容器は、灌流バッグなどのバイオリアクタバッグである。
1. ベクターおよび方法
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞中への導入を含み、いくつかの公知のベクターのいずれをも使用して実施され得る。いくつかの態様において、ベクターは組換え受容体をコードする核酸を含有する。特定の態様において、ベクターはウイルスベクター非ウイルスベクターである。一部の事例において、ベクターはウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の細胞中への導入を含み、いくつかの公知のベクターのいずれをも使用して実施され得る。いくつかの態様において、ベクターは組換え受容体をコードする核酸を含有する。特定の態様において、ベクターはウイルスベクター非ウイルスベクターである。一部の事例において、ベクターはウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。
一部の事例において、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含有する。シグナルペプチドの非限定的な例示的な例としては、例えば、GMCSFRアルファ鎖シグナルペプチド、CD8アルファシグナルペプチド、またはCD33シグナルペプチドが挙げられる。
いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルス、非ウイルスのベクターまたはトランスポゾン、例えばSleeping Beautyトランスポゾン系、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクター、レンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)に由来するレトロウイルスベクター、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾フォーカス形成ウイルス(SFFV)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)を含む。
いくつかの態様において、ウイルスベクターまたは非ウイルスDNAは、異種組換えタンパク質をコードする核酸を含有する。いくつかの態様において、異種組換え分子は、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えば遺伝子サイレンシングのためのSBトランスポゾン、キャプシドに封入されたトランスポゾン、例えばゲノム組換えのための相同二本鎖核酸またはレポーター遺伝子(例えば、GFPなどの蛍光タンパク質)またはルシフェラーゼ)であるか、またはこれらを含む。
2. 形質導入のためのウイルスベクター粒子の調製
いくつかの態様において、組換え核酸は、例えば、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターなどの組換え感染性ウイルス粒子を使用して細胞中に導入される。いくつかの態様において、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクターを使用して、組換え核酸がT細胞中に導入される(例えば、Koste et al. (2014)Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt. 2014.25;Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46;Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93;Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557参照。
いくつかの態様において、組換え核酸は、例えば、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターなどの組換え感染性ウイルス粒子を使用して細胞中に導入される。いくつかの態様において、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマ-レトロウイルスベクターを使用して、組換え核酸がT細胞中に導入される(例えば、Koste et al. (2014)Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt. 2014.25;Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46;Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93;Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557参照。
いくつかの態様において、レトロウイルスベクター、例えばモロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)または脾フォーカス形成ウイルス(SFFV)に由来するレトロウイルスベクターは、長い末端反復配列(LTR)を有する。いくつかの態様において、レトロウイルスには、任意の鳥類または哺乳動物細胞源に由来するものが含まれる。レトロウイルスは、典型的には、両種指向性である、ヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染することができる。一態様において、発現されるべき遺伝子は、レトロウイルスのgag、polおよび/またはenv配列を置き換える。いくつかの例示的なレトロウイルス系が記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号;同第6,207,453号;同第5,219,740号;Miller and Rosman(1989)BioTechniques 7:980-990;Miller, A.D. (1990)Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al.(1991)Virology 180: 849-852;Burns et al.(1993)Proc. Nat. Acad. Sci. USA 90: 8033-8037;およびBoris-Lawrie and Temin(1993)Cur. Opin. Genet. Develop. 3: 102-109。
レンチウイルス形質導入の方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Wang et al.(2012)J. Immunother. 35(9):689-701;Cooper et al. (2003)Blood. 101: 1637-1644;Verhoeyen et al.(2009)Methods Mol Biol. 506: 97-114;およびCavalieri et al. (2003)Blood. 102(2): 497-505に記載されている。
いくつかの態様において、ウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノムベースのベクターに由来する、例えばレンチウイルスゲノムベースのベクターに由来するゲノムを含有する。提供されるウイルスベクターのいくつかの局面において、CARなどの組換え受容体をコードする異種核酸は、ベクターゲノムの5’LTR配列と3’LTR配列の間に含有され、および/または位置する。
いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、HIV-1ゲノムまたはSIVゲノムなどのレンチウイルスゲノムである。例えば、レンチウイルスベクターは、病原性遺伝子を多重に弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpuおよびnefを欠失させることができ、治療目的のためにベクターはより安全になる。レンチウイルスベクターは公知である。Naldini et al.,(1996および1998)Zufferey et al.,(1997);Dull et al.,1998、米国特許第6,013,516号;および同第5,994,136号)を参照のこと。いくつかの態様において、これらのウイルスベクターはプラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸を組み込むため、選択のため、および核酸を宿主細胞に導入するための必須配列を担持するように構成される。公知のレンチウイルスは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(「ATCC」;10801 University Blvd、Manassas、Va. 20110-2209)などの寄託機関または収集所から容易に入手することができ、または一般に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離することができる。
レンチウイルスベクターの非限定的な例としては、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2またはウマ伝染性(infection)貧血ウイルス(E1AV)などのレンチウイルスに由来するものが挙げられる。例えば、レンチウイルスベクターは、HIV病原性遺伝子を多重に弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefが欠失され、治療目的のためにベクターはより安全になる。レンチウイルスベクターは当技術分野で公知であり、Naldini et al.,(1996および1998)Zufferey et al.,(1997);Dull et al.,1998、米国特許第6,013,516号;および同第5,994,136号)を参照されたい。いくつかの態様において、これらのウイルスベクターはプラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸を組み込むため、選択のため、および核酸を宿主細胞に導入するための必須配列を担持するように構成される。公知のレンチウイルスは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(「ATCC」;10801 University Blvd、Manassas、Va. 20110-2209)などの寄託機関または収集所から容易に入手することができ、または一般に利用可能な技術を使用して公知の供給源から単離することができる。
ウイルスベクターゲノムは、典型的には、パッケージング細胞株またはプロデューサー細胞株に形質移入することができるプラスミド形態で構築される。このような例のいずれかでは、組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸は、ウイルスベクターの領域中、一般的にはウイルスゲノムの非必須領域中などに挿入されまたは配置される。いくつかの態様において、核酸は、複製欠損であるウイルスを産生するために、ある特定のウイルス配列の代わりにウイルスゲノム中に挿入される。
そのゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含有するレトロウイルス粒子を作製するために、様々な公知の方法のいずれをも使用することができる。いくつかの態様において、第1に、ウイルスベクター粒子を生成するのに必要な構造タンパク質および酵素を包含するパッケージングプラスミド、および第2に、ウイルスベクター自体、すなわち導入されるべき遺伝物質という少なくとも2つの成分が、ウイルスベースの遺伝子送達系を作製する上で関与する。これらの成分の一方または両方の設計では、バイオセーフティ保護機構を導入することができる。
いくつかの態様において、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外の全てのレトロウイルス、例えばHIV-1のタンパク質を含有することができる(Naldiniら、1998)。他の態様において、ウイルスベクターは、病原性に関連するウイルス遺伝子、例えば、vpr、vif、vpuおよびnef、ならびに/またはHIVの一次トランス活性化因子であるTatなどの追加のウイルス遺伝子を欠くことができる。いくつかの態様において、HIVベースのレンチウイルスベクターなどのレンチウイルスベクターは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、polおよびrevのみを含み、これにより、組換えを通じた野生型ウイルスの再構成の可能性を低減または排除する。
いくつかの態様において、ウイルスベクターゲノムは、ウイルスベクターゲノムから転写されたウイルスゲノムRNAをウイルス粒子中にパッケージングするのに必要な全ての成分を含有するパッケージング細胞株中に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、関心対象の1つまたは複数の配列、例えば組換え核酸に加えて、ウイルス成分をコードする1つまたは複数の遺伝子を含み得る。いくつかの局面では、しかしながら、標的細胞中でのゲノムの複製を防止するために、複製のために必要とされる内因性ウイルス遺伝子が除去され、パッケージング細胞株に別々に提供される。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、粒子を生成するのに必要な成分を含有する1つまたは複数のプラスミドベクターで形質移入される。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、LTR、シス作用性パッケージング配列および関心対象の配列、すなわちCARなどの抗原受容体をコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムを含有するプラスミド、ならびにGag、polおよび/またはrevなどのウイルスの酵素的および/または構造的成分をコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドで形質移入される。いくつかの態様において、レトロウイルスベクター粒子を生成する様々な遺伝子成分を分離するために、複数のベクターが利用される。いくつかのそのような態様においては、パッケージング細胞に別々のベクターを提供することにより、そうしなければ、複製能を有するウイルスを生成し得る組換え事象の機会が減少する。いくつかの態様においては、レトロウイルス成分の全てを有する単一のプラスミドベクターを使用することができる。
いくつかの態様において、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を増加させるために偽型化される。例えば、いくつかの態様において、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、形質導入され得る細胞型を拡大する広い細胞宿主域を与えるVSV-G糖タンパク質で偽型化される。いくつかの態様において、シンドビスウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gなどの異種指向性、多指向性または両種指向性エンベロープを含めるなどのために、パッケージング細胞株は、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドで形質移入される。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、ウイルスゲノムRNAをレンチウイルスベクター粒子中にパッケージングするためにトランスで必要とされるウイルス調節タンパク質および構造タンパク質を含む成分を提供する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、レンチウイルスタンパク質を発現し、機能性レンチウイルスベクター粒子を産生することができる任意の細胞株であり得る。いくつかの局面では、適切なパッケージング細胞株は、293(ATCC CCL X)、293T、HeLA(ATCC CCL 2)、D17(ATCC CCL 183)、MDCK(ATCC CCL 34)、BHK(ATCC CCL-10)およびCf2Th(ATCC CRL 1430)細胞を含む。
いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、1つまたは複数のウイルスタンパク質を安定に発現する。例えば、いくつかの局面では、gag、pol、revおよび/または他の構造遺伝子を含有するが、LTRおよびパッケージング構成要素を含まないパッケージング細胞株を構築することができる。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、異種タンパク質をコードする核酸分子および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含有するウイルスベクターゲノムとともに、1つまたは複数のウイルスタンパク質をコードする核酸分子で一過性に形質移入され得る。
いくつかの態様において、ウイルスベクターならびにパッケージングおよび/またはヘルパープラスミドは、形質移入または感染を介してパッケージング細胞株中に導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含有するウイルスベクター粒子を産生する。形質移入または感染のための方法は周知である。非限定的な例としては、リン酸カルシウム、DEAE-デキストランおよびリポフェクション法、電気穿孔およびマイクロインジェクションが挙げられる。
組換えプラスミドおよびレトロウイルスLTRおよびパッケージング配列が(例えば、リン酸カルシウム沈殿によって)特別な細胞株中に導入されると、パッケージング配列は、ウイルス粒子中に組換えプラスミドのRNA転写物をパッケージングすることを可能にし得、次いで、RNA転写物は培養培地中に分泌され得る。次いで、いくつかの態様における組換えレトロウイルスを含有する培地を収集し、任意で濃縮し、遺伝子導入のために使用する。例えば、いくつかの局面では、パッケージングプラスミドおよびトランスファーベクターのパッケージング細胞株への同時形質移入後に、ウイルスベクター粒子は培養培地から回収され、当業者によって使用される標準的な方法によって滴定される。
いくつかの態様において、レンチウイルスベクターなどのレトロウイルスベクターは、レンチウイルス粒子の生成を可能にするためのプラスミドの導入によって、例示的なHEK293T細胞株などのパッケージング細胞株中で産生され得る。いくつかの態様において、パッケージング細胞は形質移入され、ならびに/またはgagおよびpolをコードするポリヌクレオチドと、抗原受容体、例えばCARなどの組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを含有する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、revタンパク質をコードするポリヌクレオチドで任意におよび/もしくは追加的に形質移入され、ならびに/またはrevタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する。いくつかの態様において、パッケージング細胞株は、VSV-Gなどの非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするポリヌクレオチドで任意におよび/もしくは追加的に形質移入され、ならびに/またはVSV-Gなどの非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含有する。いくつかのこのような態様では、細胞、例えばHEK293T細胞の形質移入の約2日後に、細胞上清は、回収および滴定することができる組換えレンチウイルスベクターを含有する。
記載されている方法を使用して標的細胞を形質導入するために、回収および/または産生されたレトロウイルスベクター粒子を使用することができる。標的細胞に入ると、ウイルスRNAは逆転写され、核の中に取り込まれ、宿主ゲノム中に安定に組み込まれる。ウイルスRNAの組み込みの1または2日後に、組換えタンパク質、例えばCARなどの抗原受容体の発現を検出することができる。
3. 細胞をインキュベートする
いくつかの態様においては、操作された、例えば形質導入または形質移入された細胞の組成物はインキュベートされる。いくつかの態様において、インキュベーションは、室温より高い温度、例えば25℃より高いまたは約25℃より高い温度、例えば一般に32℃、35℃、もしくは37℃より高いまたは約32℃、35℃、もしくは37℃より高い温度で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、37℃または約37℃の温度など、37℃±2℃または約37℃±2℃の温度で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、もしくは96時間、または少なくとも約12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、もしくは96時間など、12時間~96時間または約12時間~96時間の時間である。
いくつかの態様においては、操作された、例えば形質導入または形質移入された細胞の組成物はインキュベートされる。いくつかの態様において、インキュベーションは、室温より高い温度、例えば25℃より高いまたは約25℃より高い温度、例えば一般に32℃、35℃、もしくは37℃より高いまたは約32℃、35℃、もしくは37℃より高い温度で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、37℃または約37℃の温度など、37℃±2℃または約37℃±2℃の温度で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、もしくは96時間、または少なくとも約12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、もしくは96時間など、12時間~96時間または約12時間~96時間の時間である。
いくつかの態様において、インキュベーションは閉じた系で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、37℃±2℃または約37℃±2℃の温度で、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間、もしくは12時間~24時間、または約1時間~48時間、約4時間~36時間、約8時間~30時間、もしくは約12時間~24時間の時間(両端の値を含む)行われる。ある特定の態様において、インキュベーションの総期間は、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、もしくは120時間であり、または約12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、もしくは120時間であり、または少なくとも12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、もしくは120時間である。ある特定の態様において、インキュベーションの総期間は、1日、2日、3日、4日、もしくは5日であり、約1日、2日、3日、4日、もしくは5日であり、または少なくとも1日、2日、3日、4日、もしくは5日である。特定の態様において、インキュベーションは、120時間、108時間、96時間、84時間、72時間、60時間、54時間、48時間、42時間、36時間、30時間、24時間、18時間、もしくは12時間で、約120時間、108時間、96時間、84時間、72時間、60時間、54時間、48時間、42時間、36時間、30時間、24時間、18時間、もしくは12時間で、または120時間、108時間、96時間、84時間、72時間、60時間、54時間、48時間、42時間、36時間、30時間、24時間、18時間、もしくは12時間以内に完了する。特定の態様において、インキュベーションは、1日、2日、3日、4日、もしくは5日で、約1日、2日、3日、4日、もしくは5日で、または1日、2日、3日、4日、もしくは5日以内に完了する。いくつかの態様において、インキュベーションの総期間は、12時間~120時間、18時間~96時間、24時間~72時間、もしくは24時間~48時間、または約12時間~120時間、18時間~96時間、24時間~72時間、もしくは24時間~48時間(両端の値を含む)である。いくつかの態様において、インキュベーションの総期間は、1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間または約1時間~48時間、4時間~36時間、8時間~30時間もしくは12時間~24時間(両端の値を含む)である。特定の態様において、インキュベーションは、それぞれ、24時間、48時間、もしくは72時間、もしくは約24時間、48時間、もしくは72時間、または1日、2日、もしくは3日間、もしくは約1日、2日、もしくは3日間行われる。特定の態様において、インキュベーションは、24時間±6時間、48時間±6時間、または72時間±6時間行われる。特定の態様において、インキュベーションは、72時間もしくは約72時間または3日間もしくは約3日間行われる。
D. 細胞の培養および/または拡大増殖
いくつかの態様において、操作された細胞は、遺伝子操作の工程、例えば形質導入または形質移入によって組換えポリペプチドを細胞に導入した後に増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で培養される。特定の態様において、細胞が刺激条件下でインキュベートされ、組換えポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドで形質導入または形質移入された後に、細胞が培養される。いくつかの態様において、培養は、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の培養された組成物を産生する。いくつかの態様において、このような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化、および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の態様において、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞の成長、分裂、および/または拡大増殖を促進するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの態様において、操作された細胞は、遺伝子操作の工程、例えば形質導入または形質移入によって組換えポリペプチドを細胞に導入した後に増殖および/または拡大増殖を促進する条件下で培養される。特定の態様において、細胞が刺激条件下でインキュベートされ、組換えポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドで形質導入または形質移入された後に、細胞が培養される。いくつかの態様において、培養は、濃縮されたT細胞の1つまたは複数の培養された組成物を産生する。いくつかの態様において、このような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大増殖、活性化、および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の態様において、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞の成長、分裂、および/または拡大増殖を促進するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
いくつかの態様において、操作された細胞は、例えば供給ポートを介して、添加された細胞を培養するための細胞培地および/または細胞で充填することができる容器内で培養される。細胞は、例えば、細胞の拡大増殖および/または増殖のために、細胞の培養が望まれる任意の細胞源に由来し得る。
いくつかの局面において、培養培地は、T細胞などの細胞の成長、培養、拡大増殖、または増殖を支える適応培養培地である。いくつかの局面では、培地は、塩、アミノ酸、ビタミン、糖またはこれらの任意の組み合わせの混合物を含有する液体であり得る。いくつかの態様において、培養培地は、インキュベーション中に細胞の培養、拡大増殖または増殖を刺激するなどのために、1つまたは複数の刺激条件または作用物質をさらに含有する。いくつかの態様において、刺激条件は、IL-2、IL-7、もしくはIL-15から選択されるなどの1つもしくは複数のサイトカインであるか、またはそれらを含む。いくつかの態様において、サイトカインは組換えサイトカインである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインはヒト組換えサイトカインである。ある特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現されるおよび/またはT細胞に内在する受容体に結合しおよび/または結合することができる。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、サイトカインの4αヘリックスバンドルファミリーの一員であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、サイトカインの4αヘリックスバンドルファミリーの一員としては、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-15であるか、またはIL-15を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-7であるか、またはIL-7を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは組換えIL-2であるか、または組換えIL-2を含む。
いくつかの態様において、培養またはインキュベーション中の培養培地中の1つまたは複数のサイトカインの濃度は、独立して、1IU/mL~1500IU/mLまたは約1IU/mL~1500IU/mL、例えば、1IU/mL~100IU/mL、2IU/mL~50IU/mL、5IU/mL~10IU/mL、10IU/mL~500IU/mL、50IU/mL~250IU/mLもしくは100IU/mL~200IU/mL、50IU/mL~1500IU/mL、100IU/mL~1000IU/mL、もしくは200IU/mL~600IU/mL、または約1IU/mL~100IU/mL、約2IU/mL~50IU/mL、約5IU/mL~10IU/mL、約10IU/mL~500IU/mL、約50IU/mL~250IU/mL、もしくは約100IU/mL~200IU/mL、約50IU/mL~1500IU/mL、約100IU/mL~1000IU/mLもしくは約200IU/mL~600IU/mLである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインの濃度は、独立して、少なくとも1IU/mL、5IU/mL、10IU/mL、50IU/mL、100IU/mL、200IU/mL、500IU/mL、1000IU/mL、もしくは1500IU/mL、または少なくとも約1IU/mL、5IU/mL、10IU/mL、50IU/mL、100IU/mL、200IU/mL、500IU/mL、1000IU/mL、もしくは1500IU/mLである。
いくつかの局面において、細胞は、操作された細胞および培養培地の移入後の時間の少なくとも一部にわたってインキュベートされる。いくつかの態様において、刺激条件は、一般に、ヒトTリンパ球などの一次免疫細胞の成長に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。いくつかの態様において、濃縮されたT細胞の組成物は、25~38℃、例えば30~37℃、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃の温度でインキュベートされる。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養(culture)、例えば培養(cultivation)または拡大増殖が細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間にわたって行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養(culture)、例えば培養(cultivation)または拡大増殖が生存細胞の所望のまたは閾値の密度、濃度、数または用量をもたらすまでの期間にわたって行われる。いくつかの態様において、インキュベーションは、24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、もしくはそれ以上を超える、または約24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、もしくはそれ以上を超える、または約24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、もしくはそれ以上である、または24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上である。
いくつかの態様において、細胞培養物中の二酸化炭素の目標量を維持する条件下で細胞をインキュベートする。いくつかの局面では、これにより、成長中の細胞の最適な培養(cultivation)、拡大増殖および増殖が確保される。いくつかの局面では、二酸化炭素(CO2)の量は、気体の10%~0%(v/v)、例えば気体の8%~2%(v/v)、例えば5%(v/v)CO2または約5%(v/v)CO2の量である。
特定の態様において、培養(cultivation)は閉じた系で行われる。ある特定の態様において、培養は、無菌条件下で閉じた系において行われる。特定の態様において、培養は、提供される系の1つまたは複数の工程と同じ閉じた系で実行される。いくつかの態様において、濃縮されたT細胞の組成物は閉じた系から取り出され、培養のためにバイオリアクタ内に配置および/またはバイオリアクタに接続される。培養に適したバイオリアクタの例としては、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20|50、Finesse SmartRocker Bioreactor Systems、およびPall XRS Bioreactor Systemsが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、培養工程の少なくとも一部の間に細胞を灌流および/または混合するために、バイオリアクタが使用される。
いくつかの態様において、バイオリアクタに封入され、接続され、および/またはバイオリアクタの制御下に置かれながら培養される細胞は、バイオリアクタなしで培養された細胞、例えば、混合、揺動、運動、および/または灌流なしなどの静的条件下で培養された細胞よりも迅速に培養中に拡大増殖を経験する。いくつかの態様において、バイオリアクタに封入され、接続され、および/またはバイオリアクタの制御下に置かれながら培養される細胞は、14日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、60時間、48時間、36時間、24時間、または12時間以内に、閾値拡大増殖、細胞数、および/もしくは密度に達し、または閾値拡大増殖、細胞数、および/もしくは密度を達成する。いくつかの態様において、バイオリアクタに封入され、接続され、および/またはバイオリアクタの制御下に置かれながら培養される細胞は、細胞がバイオリアクタに封入され、接続され、および/またはバイオリアクタの制御下で培養されない例示的なおよび/または代替のプロセスで培養された細胞より、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍の閾値拡大増殖、細胞数、および/もしくは密度に達し、または閾値拡大増殖、細胞数、および/もしくは密度を達成する。
いくつかの態様において、混合は、揺動および/もしくは運動(motioning)であるか、またはそれらを含む。いくつかの態様において、細胞は、バイオリアクタに関連して使用される容器、例えばバッグを使用してインキュベートされる。一部の事例において、バイオリアクタは、いくつかの局面では、酸素移動を増加させることができる運動または揺動を受けることができる。バイオリアクタを運動させることは、水平軸に沿った回転、垂直軸に沿った回転、バイオリアクタの傾いたまたは傾斜した水平軸に沿った揺動運動、またはこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部は揺動しながら行われる。揺動速度および揺動角度は、所望の攪拌を達成するように調整され得る。いくつかの態様において、揺動角度は、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°もしくは1°であり、または約20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°もしくは1°である。ある特定の態様において、揺動角度は6~16°である。他の態様において、揺動角度は7~16°である。他の態様において、揺動角度は8~12°である。いくつかの態様において、揺動速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1 12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40rpmである。いくつかの態様において、揺動速度は、4rpm~12rpm、例えば4rpm~6rpm(両端の値を含む)である。細胞培養拡大増殖の少なくとも一部は、揺動運動、例えば5°~10°の角度、例えば6°で、一定の揺動速度、例えば5~15RPMの速度、例えば6RMPまたは10RPMで行われる。
いくつかの態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの細胞を含む組成物は、界面活性剤の存在下で培養される。特定の態様において、組成物の細胞を培養することは、例えば混合、揺動、運動および/または灌流に起因して、培養中に起こり得る剪断応力の量を低下させる。特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの細胞の組成物は、界面活性剤とともに培養され、T細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、または少なくとも99.9%は、培養が完了した後の1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、もしくは7日以上の間、または少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、もしくは7日以上生存する、例えば生存可能であり、および/または壊死、プログラムされた細胞死、もしくはアポトーシスを受けない。特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの細胞の組成物は、界面活性剤の存在下で培養され、細胞の50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満が、剪断または剪断誘導ストレスなどに起因して、細胞死、例えばプログラムされた細胞死、アポトーシスおよび/または壊死を受ける。
特定の態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの細胞の組成物は、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。いくつかの態様において、操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞などの細胞の組成物は、0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/mlの、約0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/mlの、または少なくとも0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。ある特定の態様において、細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。
いくつかの態様において、界面活性剤は、液体および/もしくは固体の表面張力を低下させる作用物質であるか、またはそれらを含む。例えば、界面活性剤としては、脂肪アルコール(例えば、ステリルアルコール)、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(例えば、Triton X-100)、またはポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えば、ポリソルベート20、40、60)が挙げられる。特定の態様において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、ポロキサマー188(P188)からなる群から選択される。例示的な態様において、化学的に組成が明らかなフィード培地中の界面活性剤の濃度は、PS80の約0.0025%~約0.25%(v/v)、約0.0025%~約0.25%(v/v)のPS20、または約0.1%~約5.0%(w/v)のP188である。
いくつかの態様において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、もしくはこれらに添加される非イオン性界面活性剤であるか、またはそれらを含む。適切なアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホナート、アルキルホスファート、アルキルホスホナート、ラウリン酸カリウム、トリエタノールアミンステアラート、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルポリオキシエチレンサルファート、アルギン酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシナート、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸およびそれらの塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コール酸およびその他の胆汁酸(例えば、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸)およびこれらの塩(例えば、デオキシコール酸ナトリウム)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、適切な非イオン性界面活性剤としては、グリセリルエステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、モノステアリン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アリールアルキルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、ポロキサミン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非晶質セルロース、デンプンおよびヒドロキシエチルデンプン(HES)などのデンプン誘導体を含む多糖類、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。ある特定の態様において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのコポリマー、好ましくはプロピレングリコールとエチレングリコールのブロックコポリマーである。このようなポリマーは、商品名POLOXAMERで販売されており、PLURONIC(登録商標)F68またはKolliphor(登録商標)P188とも呼ばれる。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルには、短いアルキル鎖を有するものが含まれる。このような界面活性剤の一例は、SOLUTOL(登録商標)HS15、ポリエチレン-660-ヒドロキシステアラートである。
いくつかの態様において、適切なカチオン性界面活性剤としては、天然リン脂質、合成リン脂質、第四級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、キトサン、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、アシルカルニチン塩酸塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジオレオイル(dioleyol)トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、ジミリストイルトリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロール(DC-Chol)、1,2-ジアシルグリセロ-3-(O-アルキル)ホスホコリン、O-アルキルホスファチジルコリン、アルキルピリジニウムハロゲン化物、または例えばn-オクチルアミンおよびオレイルアミンなどの長鎖アルキルアミンを挙げ得るが、これらに限定されない。
双性イオン性界面活性剤は、電気的に中性であるが、同じ分子内に局所的な正電荷および負電荷を有する。適切な双性イオン性界面活性剤には、双性イオン性リン脂質が含まれるが、これらに限定されない。適切なリン脂質には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(ジミリストイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DSPE)およびジオレオリル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DOPE)など)が含まれる。アニオン性および双性イオン性リン脂質を含むリン脂質の混合物が本発明において使用され得る。このような混合物には、リゾリン脂質、卵もしくは大豆リン脂質またはこれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。リン脂質は、アニオン性、双性イオン性またはリン脂質の混合物のいずれであれ、塩化(salted)もしくは脱塩化され得、水素化もしくは部分的に水素化され得、または天然半合成または合成であり得る。
ある特定の態様において、界面活性剤は、ポロキサマー、例えばポロキサマー188である。いくつかの態様において、細胞の組成物は、0.1μl/ml~10.0μl/ml、0.2μl/ml~2.5μl/ml、0.5μl/ml~5μl/ml、1μl/ml~3μl/ml、または2μl/ml~4μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。いくつかの態様において、細胞の組成物は、0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/ml、約0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/ml、または少なくとも0.1μl/ml、0.2μl/ml、0.4μl/ml、0.6μl/ml、0.8μl/ml、1μl/ml、1.5μl/ml、2.0μl/ml、2.5μl/ml、5.0μl/ml、10μl/ml、25μl/ml、もしくは50μl/mlの界面活性剤の存在下で培養される。ある特定の態様において、細胞の組成物は、2μl/mlまたは約2μl/mlのポロキサマーの存在下で培養される。
いくつかの局面では、CD4+およびCD8+細胞は、それぞれ閾値量または細胞密度に達するまで、それぞれ別々に拡大増殖され、または一緒に拡大増殖される。特定の態様において、細胞が閾値量、濃度および/または拡大増殖を達成したときに、培養は、例えば細胞を採取することによって終了する。特定の態様において、例えば、培養の開始または始まり時の細胞の密度の量に関しておよび/または関連して、細胞が、1.5倍の拡大増殖、2倍の拡大増殖、2.5倍の拡大増殖、3倍の拡大増殖、3.5倍の拡大増殖、4倍の拡大増殖、4.5倍の拡大増殖、5倍の拡大増殖、6倍の拡大増殖、7倍の拡大増殖、8倍の拡大増殖、9倍の拡大増殖、10倍の拡大増殖、もしくは10倍以上の拡大増殖を達成すると、または約1.5倍の拡大増殖、2倍の拡大増殖、2.5倍の拡大増殖、3倍の拡大増殖、3.5倍の拡大増殖、4倍の拡大増殖、4.5倍の拡大増殖、5倍の拡大増殖、6倍の拡大増殖、7倍の拡大増殖、8倍の拡大増殖、9倍の拡大増殖、10倍の拡大増殖、もしくは10倍以上の拡大増殖、または少なくとも1.5倍の拡大増殖、2倍の拡大増殖、2.5倍の拡大増殖、3倍の拡大増殖、3.5倍の拡大増殖、4倍の拡大増殖、4.5倍の拡大増殖、5倍の拡大増殖、6倍の拡大増殖、7倍の拡大増殖、8倍の拡大増殖、9倍の拡大増殖、10倍の拡大増殖、もしくは10倍以上の拡大増殖を達成したときに、培養は終了する。いくつかの態様において、閾値拡大増殖は、例えば、培養の開始時または始まり時の細胞の密度の量に関しておよび/または関連して4倍拡大増殖である。いくつかの態様において、細胞が閾値細胞総数、例えば閾値細胞数を達成したときに、培養は、例えば細胞を採取することによって終了する。いくつかの態様において、細胞が閾値総有核細胞(TNC)数を達成したときに、培養が終了する。いくつかの態様において、培養は、細胞が閾値細胞生存量、例えば閾値生存細胞数を達成したときに終了する。いくつかの態様において、閾値細胞数は、50×106細胞、100×106細胞、200×106細胞、300×106細胞、400×106細胞、600×106細胞、800×106細胞、1000×106細胞、1200×106細胞、1400×106細胞、1600×106細胞、1800×106細胞、2000×106細胞、2500×106細胞、3000×106細胞、4000×106細胞、5000×106細胞、10,000×106細胞、12,000×106細胞、15,000×106細胞もしくは20,000×106細胞、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかである、または約50×106細胞、100×106細胞、200×106細胞、300×106細胞、400×106細胞、600×106細胞、800×106細胞、1000×106細胞、1200×106細胞、1400×106細胞、1600×106細胞、1800×106細胞、2000×106細胞、2500×106細胞、3000×106細胞、4000×106細胞、5000×106細胞、10,000×106細胞、12,000×106細胞、15,000×106細胞もしくは20,000×106細胞、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかである、または少なくとも50×106細胞、100×106細胞、200×106細胞、300×106細胞、400×106細胞、600×106細胞、800×106細胞、1000×106細胞、1200×106細胞、1400×106細胞、1600×106細胞、1800×106細胞、2000×106細胞、2500×106細胞、3000×106細胞、4000×106細胞、5000×106細胞、10,000×106細胞、12,000×106細胞、15,000×106細胞もしくは20,000×106細胞、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかである。
特定の態様において、細胞が閾値細胞数を達成したときに、培養が終了する。いくつかの態様において、閾値細胞数が達成された後、6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日もしくはそれ以上で、約6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日もしくはそれ以上で、または6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日もしくはそれ以上以内に、培養が終了する。特定の態様において、閾値細胞数が達成された後1日または約1日で、培養が終了する。ある特定の態様において、閾値密度は、0.1×106細胞/ml、0.5×106細胞/ml、1×106細胞/ml、1.2×106細胞/ml、1.5×106細胞/ml、1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/ml、6×106細胞/ml、8×106細胞/ml、もしくは10×106細胞/ml、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかであり、約0.1×106細胞/ml、0.5×106細胞/ml、1×106細胞/ml、1.2×106細胞/ml、1.5×106細胞/ml、1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/ml、6×106細胞/ml、8×106細胞/ml、もしくは10×106細胞/ml、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかであり、または少なくとも0.1×106細胞/ml、0.5×106細胞/ml、1×106細胞/ml、1.2×106細胞/ml、1.5×106細胞/ml、1.6×106細胞/ml、1.8×106細胞/ml、2.0×106細胞/ml、2.5×106細胞/ml、3.0×106細胞/ml、3.5×106細胞/ml、4.0×106細胞/ml、4.5×106細胞/ml、5.0×106細胞/ml、6×106細胞/ml、8×106細胞/ml、もしくは10×106細胞/ml、もしくは生存細胞の前述の閾値のいずれかである。特定の態様において、細胞が閾値密度を達成したときに、培養が終了する。いくつかの態様において、閾値密度が達成された後、6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、もしくはそれ以上で、約6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、もしくはそれ以上で、または6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、もしくはそれ以上以内に、培養が終了する。特定の態様において、閾値密度が達成された後1日または約1日で、培養が終了する。
いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部は静的条件下で行われる。いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部は、例えば培養中に使用済み培地を灌流除去し、新鮮な培地を灌流で取り入れるために、灌流を用いて行われる。いくつかの態様において、方法は、供給ポートを介するなどして、新鮮な培養培地を細胞培養物中に灌流する工程を含む。いくつかの態様において、灌流中に添加される培養培地は、1つまたは複数の刺激剤、例えばIL-2、IL-7および/またはIL-15などの1つまたは複数の組換えサイトカインを含有する。いくつかの態様において、灌流中に添加される培養培地は、静的インキュベーション中に使用されるのと同じ培養培地である。
いくつかの態様において、インキュベーションに続いて、容器、例えばバッグは、細胞治療を製造、生成または産生するための1つまたは複数の他の処理工程を実行するための系に再接続される、例えば遠心分離チャンバーを含有する系に再接続される。いくつかの局面では、培養される細胞を製剤化するために、培養される細胞はバッグからチャンバーの内部空洞へと移される。
E. 採取および製剤化
いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含む細胞の用量は、薬学的組成物または製剤などの組成物または製剤として提供するために採取または製剤化される。このような組成物は、疾患、症状および障害の予防もしくは処置のための方法を含む養子細胞治療方法に従って、または検出、診断および予後診断方法において使用することができる。
いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含む細胞の用量は、薬学的組成物または製剤などの組成物または製剤として提供するために採取または製剤化される。このような組成物は、疾患、症状および障害の予防もしくは処置のための方法を含む養子細胞治療方法に従って、または検出、診断および予後診断方法において使用することができる。
一部の事例において、細胞は、細胞治療を製造、生成もしくは産生するための(例えば、遠心チャンバーおよび/または閉じた系で実行される)1つまたは複数の工程で処理され、ならびに/または操作された細胞は、培養(culturing)、例えば、培養(cultivation)および拡大増殖より前もしくは後の提供される形質導入処理工程、および/もしくは記載される1つもしくは複数の他の処理工程から生じる遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。いくつかの態様において、細胞は、細胞治療を製造、生成もしくは産生するための(例えば、遠心チャンバーおよび/または閉じた系で実行される)1つまたは複数の工程で処理され、ならびに/または操作された細胞は、セクションII-C-3に記載されているような、インキュベーションより前もしくは後の提供される形質導入処理工程から生じる遺伝子操作された細胞の製剤化などの細胞の製剤化を含み得る。例えば、非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスの操作された細胞が、製剤化され得る。一部の事例において、細胞は、単回単位投薬量投与または複数回投薬量投与などの投薬量投与のための量で製剤化され得る。いくつかの態様において、細胞の製剤化に関連する提供される方法は、形質導入された細胞、例えば上記の処理工程を使用して形質導入および/または拡大増殖された細胞を閉じた系で処理することを含む。
ある特定の態様において、操作されたおよび培養されたT細胞などの細胞の1つまたは複数の組成物が製剤化される。特定の態様において、操作されたおよび培養されたT細胞などの細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が操作および/または培養された後に製剤化される。
いくつかの態様において、処理工程の1つまたは複数によって生成されたCD4+および/またはCD8+T細胞などのT細胞は、製剤化される。いくつかの局面において、複数の組成物は、別々に、製造され、産生され、または生成され、例えば、任意にある一定の期間内に、別々にまたは独立に投与するために、それぞれが、対象から得た細胞の異なる集団および/またはサブタイプを含有する。例えば、細胞の異なる集団またはサブタイプを含有する改変操作された細胞の別々の製剤は、それぞれCD8+およびCD4+T細胞、ならびに/または、それぞれCD8+およびCD4+濃縮された集団、例えば、組換え受容体を発現するように遺伝子操作された細胞をそれぞれが個々に含むCD4+および/またはCD8+T細胞を含むことができる。いくつかの態様において、少なくとも1つの組成物は、組換え受容体を発現するように遺伝子操作されたCD4+T細胞とともに製剤化される。いくつかの態様において、少なくとも1つの組成物は、組換え受容体を発現するように遺伝子操作されたCD8+T細胞とともに製剤化される。いくつかの態様において、用量の投与は、CD8+T細胞の用量またはCD4+T細胞の用量を含む第1の組成物の投与と、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の別の用量を含む第2の組成物の投与とを含む。いくつかの態様において、CD8+T細胞の用量またはCD4+T細胞の用量を含む第1の組成物は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の別の用量を含む第2の組成物より前に投与される。いくつかの態様において、用量の投与は、CD8+T細胞の用量とCD4+T細胞の用量の両方を含む組成物の投与を含む。
ある特定の態様において、操作されたおよび培養されたT細胞などの細胞の1つまたは複数の組成物は、細胞の2つの別個の組成物、例えば別個の操作されたおよび/もしくは培養された組成物であるか、またはそれらを含む。特定の態様において、細胞の2つの別個の組成物、例えば、別々に操作され、別々に培養された、同じ生物学的試料から選択、単離、および/または濃縮されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の2つの別個の組成物は、別々に製剤化される。ある特定の態様において、2つの別個の組成物は、操作されたおよび/または培養されたCD4+T細胞の組成物などのCD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別個の組成物は、操作されたおよび/または培養されたCD8+T細胞の組成物などのCD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、操作されたおよび培養されたCD4+T細胞ならびに操作されたおよび培養されたCD8+T細胞の別個の組成物などの、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の2つの別個の組成物は別々に製剤化される。いくつかの態様において、細胞の単一の組成物が製剤化される。ある特定の態様において、単一の組成物は、操作されたおよび/または培養されたCD4+T細胞の組成物などの、CD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、単一の組成物は、製剤化より前に、別個の組成物から組み合わされた、CD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
いくつかの態様において、操作されたおよび培養されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物などの、CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、単一の組成物へと組み合わされ、製剤化される。ある特定の態様において、CD4+とCD8+T細胞の別個の製剤化された組成物は、製剤化が実施および/または完了した後に単一の組成物へと組み合わされる。特定の態様において、操作されたおよび培養されたCD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物などの、CD4+およびCD8+T細胞の別個の組成物は、別個の組成物として別々に製剤化される。
いくつかの態様において、細胞が閾値細胞数、密度に達した後、および/または培養中に拡大増殖が達成された後、細胞は、0日~10日間、0日~5日間、2日~7日間、0.5日~4日間、または1日~3日間製剤化される。ある特定の態様において、培養中に閾値細胞数、密度、および/または拡大増殖が達成された後、12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日に、または約12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日に、または12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日以内に細胞は製剤化される。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾値細胞数、密度および/または拡大増殖が達成された後、1日以内または約1日以内に製剤化される。
プロセスが非拡大増殖プロセスまたは最小拡大増殖プロセスである場合、いくつかの態様において、細胞は、インキュベーション(例えば、セクションII-C-3を参照)後、0日~10日間、0~5日間、2日間~7日間、0.5日間~4日間または1日間~3日間製剤化される。ある特定の態様において、細胞は、インキュベーション後、12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日に、または約12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日に、または12時間、18時間、24時間、1日、2日、もしくは3日以内に製剤化される。いくつかの態様において、細胞は、インキュベーション後1日以内または約1日以内に製剤化される。
いくつかの態様において、細胞は、いくつかの局面では薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容され得る緩衝液中に製剤化される。いくつかの態様において、処理は、薬学的に許容され得るまたは対象への投与のために所望される培地または製剤化緩衝液への培地の交換を含む。いくつかの態様において、処理工程は、1つまたは複数の任意に存在してもよい薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含むことができる薬学的に許容され得る緩衝液中に細胞を置き換えるために、形質導入された細胞および/または拡大増殖された細胞を洗浄することを含むことができる。薬学的に許容され得る担体または賦形剤を含むこのような薬学的形態の例は、細胞および組成物を対象に投与するために許容され得る形態と併せて以下に記載されるいずれでもあり得る。いくつかの態様において、薬学的組成物は、疾患または症状を処置または予防するのに有効な量、例えば治療有効量または予防有効量で細胞を含有する。
「薬学的に許容され得る担体」は、対象に対して非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容され得る担体には、緩衝剤、賦形剤、安定剤または保存剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの局面では、担体の選択は、1つには、具体的な細胞および/または投与の方法によって決定される。したがって、様々な適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は保存剤を含有することができる。適切な保存剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムおよび塩化ベンザルコニウムが挙げられ得る。いくつかの局面では、2つまたはそれより多くの保存剤の混合物が使用される。保存剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.0001重量%~約2重量%の量で存在する。担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed.(1980)によって記載されている。薬学的に許容され得る担体は、一般に、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して非毒性であり、ホスファート、シトラートおよびその他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノースもしくはデキストリンを含むその他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの局面では、緩衝剤が組成物中に含まれる。適切な緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、ならびに様々な他の酸および塩が挙げられる。いくつかの局面では、2つまたはそれより多くの緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはその混合物は、典型的には、全組成物の約0.001重量%~約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製する方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams&Wilkins;21st ed.(May 1, 2005)にさらに詳細に記載されている。
製剤は水溶液を含むことができる。製剤または組成物は、細胞で処置されている特定の適応症、疾患または症状に対して有用な1つより多くの活性成分、好ましくは当該細胞に対して相補的な活性を有するものも含有し得、この場合、それぞれの活性は互いに悪影響を及ぼさない。このような活性成分は、好適には、意図された目的に有効な量での組み合わせで存在する。したがって、いくつかの態様において、薬学的組成物は、化学療法剤、例えばアスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチンおよび/またはビンクリスチンなどの他の薬学的に活性な作用物質または薬物をさらに含む。
いくつかの態様における組成物は、無菌液体調製物、例えば、いくつかの局面では選択されたpHに緩衝化され得る等張水溶液、懸濁液、エマルジョン、分散液または粘性組成物として提供される。液体組成物は、担体を含むことができ、担体は、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびこれらの適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であり得る。無菌注射溶液は、無菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどの適切な担体、希釈剤または賦形剤と混合するなどして、細胞を溶媒中に組み込むことによって調製することができる。組成物は、投与経路および所望される調製物に応じて、湿潤剤、分散剤または乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化もしくは増粘添加剤、保存剤、香味剤および/または着色剤などの補助物質を含有することができる。いくつかの局面では、適切な調製物を調製するために標準的なテキストを参照し得る。
抗菌性保存剤、抗酸化剤、キレート剤および緩衝剤を含む、組成物の安定性および無菌性を高める様々な添加剤を添加することができる。微生物の作用の抑制は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールおよびソルビン酸によって確保することができる。注射用薬学的形態の長期吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
いくつかの態様において、製剤化緩衝液は凍結保存剤を含有する。いくつかの態様において、細胞は、1.0%~30%のDMSO溶液、例えば5%~20%のDMSO溶液または5%~10%のDMSO溶液を含有する細胞保存溶液を用いて製剤化される。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば、20%DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBSもしくはその他の適切な細胞凍結媒体であるか、またはそれらを含有する。いくつかの態様において、凍結保存溶液は、例えば、少なくとも7.5%もしくは約7.5%DMSOであるか、またはそれを含有する。いくつかの態様において、処理工程は、凍結保存溶液中の細胞を置き換えるために、形質導入されたおよび/または拡大増殖された細胞を洗浄することを含むことができる。いくつかの態様において、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%、または約12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%DMSO、または1%~15%、6%~12%、5%~10%、もしくは6%~8%DMSOの最終濃度を有する培地および/または溶液中で凍結される、例えば凍結保存または凍結保護される。特定の態様において、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%、または約5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%HSA、または0.1%~5%、0.25%~4%、0.5%~2%、もしくは1%~2%HSAの最終濃度を有する媒体および/または溶液中で凍結される、例えば凍結保存または凍結保護される。
特定の態様において、濃縮されたT細胞、例えば刺激された、操作されたおよび/または培養されたT細胞の組成物は、製剤化され、凍結保存され、次いで一定時間保存される。ある特定の態様において、製剤化され、凍結保存された細胞は、注入のために細胞が放出されるまで保存される。特定の態様において、製剤化され、凍結保存された細胞は、1日~6ヶ月間、1ヶ月~3ヶ月間、1日~14日間、1日~7日間、3日~6日間、6ヶ月~12ヶ月間、または12ヶ月より長く保存される。いくつかの態様において、細胞は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間もしくは7日間、約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間もしくは7日間、または1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間もしくは7日間未満、凍結保存および保存される。ある特定の態様において、保存後に、細胞は解凍され、対象に投与される。ある特定の態様において、細胞は、5日間または約5日間保存される。
いくつかの態様において、製剤化は、培養された細胞または拡大増殖された細胞などの細胞を洗浄すること、希釈すること、または濃縮することを含む1つまたは複数の処理工程を使用して行われる。いくつかの態様において、処理は、所与の用量またはその一部で投与するための細胞の数を含む単位用量形態組成物などの、所望の濃度または数への細胞の希釈または濃縮を含むことができる。いくつかの態様において、処理工程は、所望に応じてそれにより細胞の濃度を増加させるために体積低減を含むことができる。いくつかの態様において、処理工程は、所望に応じてそれにより細胞の濃度を減少させるために体積追加を含むことができる。いくつかの態様において、処理は、ある体積の製剤化緩衝液を形質導入されたおよび/または拡大増殖された細胞に加えることを含む。いくつかの態様において、製剤化緩衝液の体積は、10mL~1000mLまたは約10mL~約1000mL、例えば少なくとも50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mLまたは少なくとも約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mLまたは約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mLである。
いくつかの態様において、細胞は、容器、例えばバッグまたは遠心チャンバー中で培養される(cultured)、例えば、刺激され、操作され、および/または培養される(cultivated)。いくつかの局面では、容器は第1の容器であり、培養された細胞は、第1の容器、例えばバッグまたは遠心チャンバーから、第1の容器に動作可能に連結された第2の容器に発現され、または移送される。
いくつかの態様において、細胞組成物を製剤化するためのこのような処理工程は、閉じた系で行われる。このような処理工程の例は、Sepax(登録商標)またはSepax 2(登録商標)細胞処理システムとともに使用するためのものを含む、Biosafe SAによって製造および販売されている遠心チャンバーなどの細胞処理システムに関連する1つまたは複数のシステムまたはキットとともに遠心チャンバーを使用して実行することができる。例示的なシステムおよびプロセスは、国際公開第2016/073602号に記載されている。いくつかの態様において、方法は、製剤化された組成物を遠心分離チャンバーの内部空洞から発現または移送することを含み、製剤化された組成物は、上述の態様のいずれかにおいて、薬学的に許容され得る緩衝液などの製剤化緩衝液中で製剤化された細胞の得られた組成物である。いくつかの態様において、製剤化された組成物の発現または移送は、閉じた系の一部として遠心分離チャンバーと動作可能に連結された容器へのものである。
いくつかの局面では、細胞は、単回単位投与量投与または複数回投与量投与などの、投与量投与のための量で、複数の排出容器の1つまたは複数に発現または移送され得る。
いくつかの態様において、排出容器の各々は、細胞の単位用量を個別に含む。したがって、いくつかの態様において、容器の各々は、同じまたはほぼ同じまたは実質的に同じ数の細胞を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも1×106、2×106、5×106、1×107、5×107、1×108、2.5×108、もしくは5×108または少なくとも約1×106、2×106、5×106、1×107、5×107、1×108、2.5×108、もしくは5×108の操作された細胞、全細胞、T細胞またはPBMCを含有する。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも2.5×107個もしくは少なくとも約2.5×107個、5.0×107個もしくは約5.0×107個、1.5×108個もしくは約1.5×108個、3.0×108個もしくは約3.0×108個、4.5×108個もしくは約4.5×108個、8.0×108個もしくは約8.0×108個または1.2×109個もしくは約1.2×109個の操作された細胞、全細胞、T細胞もしくはPBMCを含有する。いくつかの態様において、各単位用量は、2.5×107個以下もしくは約2.5×107個以下、5.0×107個もしくは約5.0×107個、1.5×108個もしくは約1.5×108個、3.0×108個もしくは約3.0×108個、4.5×108個もしくは約4.5×108個、8.0×108個もしくは約8.0×108個または1.2×109個もしくは約1.2×109個の操作された細胞、全細胞、T細胞もしくはPBMCを含有する。いくつかの局面では、容器中に収容することができる細胞の例示的な用量は、本明細書に記載の任意の用量を含む。
いくつかの態様において、各容器内の製剤化された細胞組成物の体積は、10mL~100mL、例えば、少なくとも20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mL、または少なくとも約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mL、または約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLもしくは100mLである。いくつかの態様において、容器内の細胞は凍結保存することができる。いくつかの態様において、容器は、さらなる使用まで液体窒素中に保存することができる。
いくつかの態様において、方法によって産生されたこのような細胞、またはこのような細胞を含む組成物は、疾患または症状を処置するために対象に投与される。
III. 組換え受容体
様々な態様において、1つまたは複数の組換えタンパク質を発現する、操作された、形質転換された、形質導入された、または形質移入された細胞、例えばT細胞などの免疫細胞が提供される。特定の態様において、1つまたは複数の組換えタンパク質の少なくとも1つは、組換え受容体、例えば抗原受容体およびその1つまたは複数の成分を含有する受容体である。いくつかの態様において、組換えタンパク質は、組換え受容体、例えば抗原受容体であるか、またはそれを含む。抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む機能的な非TCR抗原受容体、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)などの他の抗原結合受容体を含み得る。受容体は、他のキメラ受容体、例えば特定のリガンドに結合し、CAR中に存在するものと同様の膜貫通および/または細胞内シグナル伝達ドメインを有する受容体などの他の受容体も含み得る。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、組換え受容体などの組換えタンパク質を発現する(例えば、表面陽性である)ように首尾よく操作され、形質転換され、形質導入され、または形質移入された細胞の集団から細胞を分類する(例えば、予測する)ために使用され得る。
様々な態様において、1つまたは複数の組換えタンパク質を発現する、操作された、形質転換された、形質導入された、または形質移入された細胞、例えばT細胞などの免疫細胞が提供される。特定の態様において、1つまたは複数の組換えタンパク質の少なくとも1つは、組換え受容体、例えば抗原受容体およびその1つまたは複数の成分を含有する受容体である。いくつかの態様において、組換えタンパク質は、組換え受容体、例えば抗原受容体であるか、またはそれを含む。抗原受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む機能的な非TCR抗原受容体、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)などの他の抗原結合受容体を含み得る。受容体は、他のキメラ受容体、例えば特定のリガンドに結合し、CAR中に存在するものと同様の膜貫通および/または細胞内シグナル伝達ドメインを有する受容体などの他の受容体も含み得る。いくつかの態様において、本明細書で提供される細胞を分類する方法は、組換え受容体などの組換えタンパク質を発現する(例えば、表面陽性である)ように首尾よく操作され、形質転換され、形質導入され、または形質移入された細胞の集団から細胞を分類する(例えば、予測する)ために使用され得る。
CARを含む例示的な抗原受容体、およびこのような受容体を操作し、細胞中に導入するための方法には、例えば、国際公開第200014257号、同第2013126726号、同第2012/129514号、同第2014031687号、同第2013/166321号、同第2013/071154号、同第2013/123061号、米国特許出願公開第2002131960号、同第2013287748号、同第20130149337号、米国特許第6,451,995号、同第7,446,190号、同第8,252,592号、同第8,339,645号、同第8,398,282号、同第7,446,179号、同第6,410,319号、同第7,070,995号、同第7,265,209号、同第7,354,762号、同第7,446,191号、同第8,324,353号および同第8,479,118号、ならびに欧州特許出願公開第2537416号、ならびに/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April.;3(4): 388-398;Davila et al., (2013)PLoS ONE 8(4): e61338;Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October;24(5): 633-39;Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2):1 60-75によって記載されているものが含まれる。いくつかの局面では、抗原受容体には、米国特許第7,446,190号に記載されているようなCAR、および国際特許出願公開第2014055668号に記載されているものが含まれる。CARの例としては、国際公開第2014031687号、米国特許第8,339,645号、米国特許第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、米国特許第8,389,282号、Kochenderfer et al., 2013, Nature Reviews Clinical Oncology, 10, 267-276(2013);Wang et al.,(2012), J. Immunother. 35(9): 689-701;およびBrentjens et al, Sci Transl Med. 2013 5(177)などの前述の刊行物のいずれかに開示されているCARが挙げられる。国際公開第2014031687号、米国特許第8,339,645号、米国特許第7,446,179号、米国特許出願公開第2013/0149337号、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照されたい。
いくつかの態様において、組換えタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、例えば受容体を発現する細胞の形質導入もしくは操作、ならびに/またはポリヌクレオチドによってコードされる1つもしくは複数の分子を発現する細胞の選択および/もしくは標的化を確認する目的で、1つまたは複数のマーカーをさらにコードする。いくつかの局面において、このようなマーカーは、異なる核酸またはポリヌクレオチドによってコードされ得、このようなマーカーも、遺伝子工学プロセス中に、典型的には同じ方法、例えば、例えば同じベクターまたは同じ種類のベクターを介した本明細書中に提供される方法のいずれかによる形質導入を介して導入され得る。
いくつかの局面では、マーカー、例えば形質導入マーカーは、タンパク質であり、および/または細胞表面分子である。例示的なマーカーは、天然に存在する、例えば内因性マーカー、例えば天然に存在する細胞表面分子の切断変異形である。いくつかの局面では、変異形は、天然または内因性の細胞表面分子と比較して、低下した免疫原性、低下した輸送機能、および/または低下したシグナル伝達機能を有する。いくつかの態様において、マーカーは、切断されたEGFR(tEGFR)などの細胞表面受容体の切断された様式である。いくつかの局面では、マーカーは、CD34、NGFR、または上皮増殖因子受容体(例えば、tEGFR)の全部または一部(例えば、切断された形態)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、切断可能なリンカー配列などのリンカー配列をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されている。例えば、国際公開第2014/031687号を参照されたい。いくつかの態様においては、単一のプロモーターが、単一のオープンリーディングフレーム(ORF)内に、自己切断ペプチド(例えば、2A配列)またはプロテアーゼ認識部位(例えば、フリン)をコードする配列によって互いに隔てられた(例えば、代謝経路の調節に関与する分子をコードする、および組換え受容体をコードする)2つまたは3つの遺伝子を含有するRNAの発現を指示し得る。したがって、ORFは、翻訳中(2Aの場合)または翻訳後のいずれかに、個々のタンパク質にプロセシングされる単一のポリペプチドをコードする。一部の事例において、T2Aなどのペプチドは、リボソームに2AエレメントのC末端でのペプチド結合の合成をスキップさせ(リボソームスキッピング)、2A配列の末端と下流の次のペプチドの間を隔てさせる(例えば、de FelipeGenetic Vaccines and Ther. 2:13(2004)およびdeFelipe et al. Traffic 5:616-626(2004)を参照)。多くの2Aエレメントが公知である。本明細書中に開示される方法および核酸において使用され得る2A配列の例は、限定されないが、米国特許出願公開第20070116690号に記載されるような口蹄疫ウイルス(F2A)、ウマ鼻炎Aウイルス(E2A)、トセア・アシグナ(Thosea asigna)ウイルス(T2A)およびブタテッショウウイルス-1(P2A)由来の2A配列である。
いくつかの態様において、マーカーは、T細胞上に天然には見られない、またはT細胞の表面上に天然には見られない分子、例えば細胞表面タンパク質、またはその一部である。
いくつかの態様において、分子は、非自己分子、例えば非自己タンパク質、すなわち、その中に細胞が養子移入される宿主の免疫系によって「自己」として認識されない分子である。
いくつかの態様において、マーカーは、治療機能を果たさない、および/または例えば首尾よく操作された細胞を選択するために、遺伝子操作のためのマーカーとして使用される以外の効果をもたらさない。他の態様において、マーカーは、治療用分子またはその他何らかの所望の効果を発揮する分子、例えば、インビボで遭遇する細胞に対するリガンド、例えば養子移入およびリガンドとの遭遇時に細胞の応答を増強および/または減衰させる共刺激または免疫チェックポイント分子であり得る。
A. キメラ抗原受容体
いくつかの態様において、CARは、一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結された細胞外リガンド結合ドメイン、例えば抗体またはその断片を含有する細胞外部分を有する遺伝子操作された受容体である。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインおよび/または細胞内ドメインを含む。このような分子は、典型的には、天然抗原受容体を介したシグナルおよび/または共刺激受容体と組み合わせたこのような受容体を介したシグナルを模倣または近似する。
いくつかの態様において、CARは、一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結された細胞外リガンド結合ドメイン、例えば抗体またはその断片を含有する細胞外部分を有する遺伝子操作された受容体である。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインを連結する膜貫通ドメインおよび/または細胞内ドメインを含む。このような分子は、典型的には、天然抗原受容体を介したシグナルおよび/または共刺激受容体と組み合わせたこのような受容体を介したシグナルを模倣または近似する。
いくつかの態様において、CARは、特定のマーカー、例えば養子治療によって標的とされる特定の細胞型において発現されるマーカー、例えば癌マーカーおよび/または記載される抗原のいずれかに対する特異性で構築される。したがって、CARは、典型的には、抗体の1つもしくは複数の抗原結合断片、ドメインもしくは部分、または1つもしくは複数の抗体可変ドメイン、および/または抗体分子を含む。いくつかの態様において、CARは、抗体分子の1つまたは複数の抗原結合部分、例えば可変重鎖(VH)もしくはその抗原結合部分、またはモノクローナル抗体(mAb)の可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)に由来する単鎖抗体断片(scFv)を含む。
いくつかの態様において、CARは、細胞の表面上に発現される無傷の抗原などの抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合断片(例えばscFv)を含有する。
いくつかの態様において、抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られる)、癌精巣抗原、癌/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られる)、癌胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮増殖因子タンパク質(EGFR)、III型上皮増殖因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られる)、胎児型アセチルコリン受容体(胎児型AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラー群2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(5T4としても知られるTPBG)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても知られる)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドーパクロムトートメラーゼ、ドーパクロムデルターイソメラーゼまたはDCTとしても知られる)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的なもしくは病原体発現される抗原またはユニバーサルタグと関連している抗原、および/またはビオチン化された分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくはその他の病原体によって発現される分子であるか、またはこれらを含む。いくつかの態様において受容体によって標的とされる抗原としては、多数の公知のB細胞マーカーのいずれもなど、B細胞悪性病変と関連する抗原が挙げられる。いくつかの態様において、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bもしくはCD30であるか、またはこれらを含む。
いくつかの態様において、抗原は、病原体特異的抗原もしくは病原体発現抗原であるか、またはこれを含む。いくつかの態様において、抗原は、ウイルス抗原(HIV、HCV、HBVなどに由来するウイルス抗原など)、細菌抗原および/または寄生虫抗原である。
いくつかの態様において、CARは、MHC-ペプチド複合体として細胞表面に提示される腫瘍関連抗原などの細胞内抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合断片(例えばscFv)などのTCR様抗体を含有する。いくつかの態様において、MHC-ペプチド複合体を認識する抗体またはその抗原結合部分は、抗原受容体などの組換え受容体の一部として細胞上に発現させることができる。抗原受容体には、キメラ抗原受容体(CAR)などの機能的な非TCR抗原受容体がある。一般に、ペプチド-MHC複合体に対して向けられたTCR様特異性を示す抗体または抗原結合断片を含有するCARは、TCR様CARとも呼ばれ得る。
いくつかの態様において、CARの細胞外部分、例えばその抗体部分は、抗原認識成分、例えばscFvと膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域などのスペーサーをさらに含む。スペーサーは、ヒンジ領域、例えばIgG4ヒンジ領域、および/またはCH1/CLおよび/またはFc領域などの免疫グロブリン定常領域またはその変異形もしくは改変バージョンの少なくとも一部であり得、またはこれらを含み得る。いくつかの態様において、定常領域または定常部分は、IgG4またはIgG1などのヒトIgGのものであるスペーサーは、スペーサーの非存在下と比較して、抗原結合後に細胞の増加した応答性をもたらす長さであり得る。いくつかの例において、スペーサーは、12アミノ酸長もしくは約12アミノ酸長であるか、または12アミノ酸長以下である。例示的なスペーサーには、少なくとも約10~229個のアミノ酸、約10~200個のアミノ酸、約10~175個のアミノ酸、約10~150個のアミノ酸、約10~125個のアミノ酸、約10~100個のアミノ酸、約10~75個のアミノ酸、約10~50個のアミノ酸、約10~40個のアミノ酸、約10~30個のアミノ酸、約10~20個のアミノ酸または約10~15個のアミノ酸を有し、列挙された範囲のいずれかの終点の間にある任意の整数を含むものが含まれる。いくつかの態様において、スペーサー領域は、約12個もしくはそれ未満のアミノ酸、約119個もしくはそれ未満のアミノ酸、または約229個もしくはそれ未満のアミノ酸を有する。例示的なスペーサーには、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが含まれる。例示的なスペーサーには、Hudecek et al.(2013)Clin. Cancer Res.,19:3153または国際公開第2014/031687号に記載されているものが含まれるが、これらに限定されない。
抗原認識ドメインなどの細胞外リガンド結合は、一般に、CARの場合にはTCR複合体などの抗原受容体複合体を介した活性化を模倣し、および/または別の細胞表面受容体を介してシグナルを伝達するシグナル伝達成分などの1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結される。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは、細胞外リガンド結合ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する。いくつかの態様において、CARは、細胞外ドメインに融合された膜貫通ドメインを含む。一態様において、受容体、例えばCAR中のドメインの1つと天然に会合する膜貫通ドメインが使用される。いくつかの例では、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのこのようなドメインの結合を回避して、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるために、膜貫通ドメインは、選択されまたはアミノ酸置換によって修飾される。
いくつかの態様における膜貫通ドメインは、天然源または合成源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、いくつかの局面におけるドメインは、任意の膜結合タンパク質または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域には、T細胞受容体のアルファ鎖、ベータ鎖もしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137またはCD154に由来する(すなわち、これらの少なくとも1つまたは複数の膜貫通領域を含む)ものが含まれる。いくつかの態様における膜貫通ドメインは合成である。いくつかの局面では、合成膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの主に疎水性残基を含む。いくつかの局面では、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットが、合成膜貫通ドメインの各末端に見出されるであろう。いくつかの態様において、連結は、リンカー、スペーサーおよび/または1つもしくは複数の膜貫通ドメインによるものである。
いくつかの態様においては、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば2~10アミノ酸長のリンカー、例えばグリシンおよびセリン、例えばグリシン-セリンのダブレットを含有するリンカーが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインの間に連結を形成する。
組換え受容体、例えばCARは、一般に、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達成分を含む。いくつかの態様において、受容体は、T細胞活性化および細胞傷害性を媒介するTCR CD3鎖、例えばCD3ゼータ鎖などの、TCR複合体の細胞内成分を含む。したがって、いくつかの局面では、抗原結合部分は1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結される。いくつかの態様において、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数の追加の分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面において、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3-ゼータ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16との間のキメラ分子を含む。
いくつかの態様において、CARまたは他のキメラ受容体が連結すると、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、いくつかの状況では、CARは、サイトカインまたは他の因子の分泌などの細胞溶解活性またはTヘルパー活性などのT細胞の機能を誘導する。いくつかの態様において、例えば、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの切断される部分がエフェクター機能シグナルを伝達する場合、無傷の免疫刺激鎖の代わりに、抗原受容体成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの切断される部分が使用される。いくつかの態様において、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列、およびいくつかの局面では、天然の状況においてこのような受容体と協調して作用して抗原受容体の会合後にシグナル伝達を開始する共受容体の細胞質配列、および/またはこのような分子の任意の誘導体もしくは変異形、および/または同じ機能的能力を有する任意の合成配列を含む。
天然のTCRの状況では、完全な活性化は、一般に、TCRを介したシグナル伝達だけでなく、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様において、完全な活性化を促進するために、二次または共刺激シグナルを生成するための成分もCAR中に含まれる。他の態様においては、CARは、共刺激シグナルを生成するための成分を含まない。いくつかの局面では、追加のCARは同じ細胞中で発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための成分を提供する。
T細胞活性化は、いくつかの局面では、少なくとも2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介して抗原依存性一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列)、および二次または共刺激シグナルを提供するために抗原非依存的に作用するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると記載される。いくつかの局面では、CARは、このようなシグナル伝達成分の一方または両方を含む。
いくつかの局面では、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激的に作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含有し得る。一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例としては、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD8、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが挙げられる。いくつかの態様において、CAR中の1つまたは複数の細胞質シグナル伝達分子は、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、またはCD3ゼータに由来する配列を含有する。
いくつかの態様において、CARは、CD28、4-1BB、OX40、CD27、DAP10およびICOSなどの共刺激受容体のシグナル伝達ドメインおよび/または膜貫通部分を含む。いくつかの局面では、同じCARが、活性化成分と共刺激成分の両方を含む。
いくつかの態様においては、活性化ドメインは1つのCAR内に含まれるが、共刺激成分は別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様において、CARは、いずれも同じ細胞上に発現される、活性化または刺激CARおよび共刺激CARを含む(国際公開第2014/055668号参照)。いくつかの局面において、CARは刺激または活性化CARであり、他の局面において、CARは共刺激CARである。いくつかの態様において、細胞は、例えばオフターゲット効果を低下させるために、阻害性CAR(iCAR、Fedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215)(December 2013)参照)、例えば、異なる抗原を認識するCARであって、それにより、第1の抗原を認識するCARを介して送達される活性化シグナルが、阻害性CARのそのリガンドへの結合によって減弱または阻害されるCARなどをさらに含む。
いくつかの態様において、CD8+細胞傷害性T細胞の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD4+ヘルパーT細胞の細胞内シグナル伝達ドメインと同じである。いくつかの態様において、CD8+細胞傷害性T細胞の細胞内シグナル伝達ドメインは、CD4+ヘルパーT細胞の細胞内シグナル伝達ドメインとは異なる。
ある特定の態様において、細胞内シグナル伝達領域は、CD3(例えば、CD3-ゼータ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通ドメインおよびシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達領域は、CD3ゼータ細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137(4-1BB,TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
いくつかの態様において、CARは、細胞質部分中に1つまたは複数の、例えば2つまたはそれより多くの共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを包含する。例示的なCARには、CD3-ゼータ、CD28および4-1BBの細胞内成分が含まれる。
一部の事例において、CARは、第1、第2および/または第3世代CARと呼ばれる。いくつかの態様において、第1世代CARは、抗原結合時にCD3鎖誘導性シグナルを専ら提供するものであり、いくつかの局面において、第2世代CARは、このようなシグナルおよび共刺激シグナルを提供するもの、例えば、CD28またはCD137などの共刺激受容体からの細胞内シグナル伝達ドメインを含むものであり、いくつかの局面では、いくつかの局面における第3世代CARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外リガンド結合部分、例えば抗原結合部分、例えば抗体またはその断片と細胞内ドメインとを含む。いくつかの態様において、抗体または断片はscFvまたは単一ドメインVH抗体を含み、細胞内ドメインはITAMを含有する。いくつかの局面において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとを連結する膜貫通ドメインを含む。いくつかの局面において、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含有する。細胞外ドメインおよび膜貫通は、直接的または間接的に連結され得る。いくつかの態様において、細胞外ドメインおよび膜貫通は、本明細書に記載される任意のものなどのスペーサーによって連結される。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメイン間など、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含有する。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。
いくつかの態様において、CARは、抗体、例えば抗体断片と、CD28もしくはその機能的変異形の膜貫通部分であるかまたはそれを含有する膜貫通ドメインと、CD28またはその機能的変異形のシグナル伝達部分およびCD3ゼータまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインとを含有する。いくつかの態様において、CARは、抗体、例えば抗体断片と、CD28もしくはその機能的変異形の膜貫通部分であるかまたはそれを含有する膜貫通ドメインと、4-1BBまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分およびCD3ゼータまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインとを含有する。いくつかのこのような態様において、受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部、例えばIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジを含有するスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
いくつかの態様において、受容体、例えばCARの膜貫通ドメインは、ヒトCD28またはその変異形の膜貫通ドメイン、例えばヒトCD28の27アミノ酸膜貫通ドメイン(アクセッション番号:P10747.1)である。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、ヒトCD28またはその機能的変異形の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、例えばヒトCD28もしくはその機能的変異形の41アミノ酸ドメインおよび/または天然CD28タンパク質の186~187位にLLからGGへの置換を有するそのようなドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内ドメインは、4-1BBまたはその機能的変異形の細胞内共刺激シグナル伝達ドメイン、例えばヒト4-1BBの42アミノ酸細胞質ドメイン(アクセッション番号Q07011.1)を含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζのアイソフォーム3の112AA細胞質ドメイン(アクセッション番号:P20963.2)または米国特許第7,446,190号に記載されているCD3ゼータシグナル伝達ドメインなどのヒトCD3ゼータ刺激性シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異形を含む。いくつかの局面において、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみを含有する。他の態様において、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様において、スペーサーは、グリシン-セリンに富む配列もしくは公知の柔軟なリンカーなどの他の柔軟なリンカーであるか、またはこれを含む。
例えば、いくつかの態様において、CARは、抗原、例えば本明細書に記載されている抗原を特異的に結合する、sdAbおよびscFvを含む抗体またはその断片などの抗原結合部分などの細胞外リガンド結合部分と、Igヒンジ含有スペーサーのいずれかなどのスペーサーと、CD28またはその変異形の一部である膜貫通ドメインと、CD28またはその機能的変異形のシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインと、CD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分とを含む。いくつかの態様において、CARは、抗原、例えば本明細書に記載されている抗原を特異的に結合する、sdAbおよびscFvを含む抗体またはその断片などの抗原結合部分などの細胞外リガンド結合部分と、Igヒンジ含有スペーサーのいずれかなどのスペーサーと、CD28またはその変異形の一部である膜貫通ドメインと、4-1BBまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分を含有する細胞内シグナル伝達ドメインと、CD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはその機能的変異形のシグナル伝達部分とを含む。いくつかの態様において、このようなCAR構築物は、例えばCARの下流に、T2Aリボソームスキップ要素および/または切断型EGFR(例えば、tEGFR)配列をさらに含む。
B. T細胞受容体(TCR)
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、組換えT細胞受容体(TCR)であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、組換えTCRは、抗原、一般的には標的細胞上に存在する抗原、例えば腫瘍特異的抗原、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患に関連する特定の細胞型上に発現される抗原、またはウイルス病原体もしくは細菌病原体に由来する抗原に対して特異的である。
いくつかの態様において、組換えタンパク質は、組換えT細胞受容体(TCR)であるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、組換えTCRは、抗原、一般的には標的細胞上に存在する抗原、例えば腫瘍特異的抗原、自己免疫疾患もしくは炎症性疾患に関連する特定の細胞型上に発現される抗原、またはウイルス病原体もしくは細菌病原体に由来する抗原に対して特異的である。
いくつかの態様において、TCRは、天然に存在するT細胞からクローニングされたものである。いくつかの態様において、標的抗原(例えば、癌抗原)に対する高親和性T細胞クローンが患者から同定され、単離される。いくつかの態様において、標的抗原に対するTCRクローンは、ヒト免疫系遺伝子(例えば、ヒト白血球抗原系、またはHLA)で操作されたトランスジェニックマウスにおいて作製されている。例えば、腫瘍抗原を参照のこと(例えば、Parkhurst et al.(2009)Clin Cancer Res. 15: 169-180およびCohen et al.(2005)J Immunol. 175: 5799-5808を参照。いくつかの態様において、標的抗原に対するTCRを単離するために、ファージディスプレイが使用される(例えば、Varela-Rohena et al.(2008)Nat Med. 14: 1390-1395およびLi(2005)Nat Biotechnol. 23: 349-354を参照。
いくつかの態様において、T細胞クローンが得られた後、TCRアルファ鎖およびベータ鎖が単離され、遺伝子発現ベクターにクローニングされる。いくつかの態様において、TCRアルファおよびベータ遺伝子は、両方の鎖が共発現されるようにピコルナウイルス2Aリボソームスキップペプチドを介して連結される。いくつかの態様において、TCRをコードする核酸は、受容体を発現するための細胞の形質導入または操作を確認するためのマーカーをさらに含む。
IV. 定義
別段の定義がなければ、本明細書で使用される全ての技術用語、表記ならびにその他の技術的および科学的用語または術語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。一部の事例において、一般に理解される意味を有する用語は、明確にするためおよび/または容易に参照するために本明細書で定義されており、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されるものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
別段の定義がなければ、本明細書で使用される全ての技術用語、表記ならびにその他の技術的および科学的用語または術語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。一部の事例において、一般に理解される意味を有する用語は、明確にするためおよび/または容易に参照するために本明細書で定義されており、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されるものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明確に別段の指示がなければ、複数の言及を含む。例えば、「a」または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書に記載されている局面および変形は、「からなる」および/または「から本質的になる」局面および変形を含むことが理解される。
本開示を通して、特許請求される主題の様々な局面は、範囲形式で提示される。範囲形式での記載は、単に便宜および簡潔さのためのものであり、特許請求される主題の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、全ての可能な部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値をも具体的に開示したと見なされるべきである。例えば、値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限の間にあるそれぞれの介在する値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在する値が特許請求される主題内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、そのより小さな範囲に独立して含まれ得、表記された範囲内の任意の具体的に除外された限界に服して、特許請求される主題内に包含される。表記された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界の一方または両方を除外した範囲も、特許請求される主題に含まれる。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
本明細書で使用される「約」という用語は、当業者に自明なそれぞれの値に対する通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータという表記は、その値またはパラメータ自体を対象とする態様を含む(および記述する)。例えば、「約X」という記載は、「X」という記載を含む。
本明細書で使用される場合、ヌクレオチドまたはアミノ酸位置が配列表に記載されているような開示された配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸位置「に対応する」という記載は、GAPアルゴリズムなどの標準的なアライメントアルゴリズムを使用して同一性を最大化するために開示された配列と整列された際に特定されるヌクレオチドまたはアミノ酸位置を指す。配列を整列させることによって、当業者は、例えば、保存された同一のアミノ酸残基をガイドとして使用して、対応する残基を特定することができる。一般に、対応する位置を特定するために、アミノ酸の配列は、最上位の一致が得られるように整列される(例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991;Carrillo et al. (1988)SIAM J Applied Math 48: 1073を参照)。
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それに連結されている別の核酸を増殖させる(propagating)ことができる核酸分子を指す。本用語は、自己複製核酸構造としてのベクターの他に、ベクターがその中に導入された宿主細胞のゲノム中に組み込まれたベクターを含む。ある種のベクターは、ベクターが機能的に連結されている核酸の発現を指示することができる。このようなベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。ベクターの中には、レトロウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターなどのウイルスベクターがある。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、外因性核酸がその中に導入された細胞を指し、このような細胞の子孫を含む。宿主細胞には、「形質転換体」および「形質転換された細胞」が含まれ、これらには、初代の形質転換された細胞および継代数を問わずそれに由来する子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸の内容が完全には同一でないことがあり得るが、変異を含有し得る。最初に形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫が本明細書に含まれる。
本明細書で使用される場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陽性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーの細胞上または細胞内での検出可能な存在を指す。表面マーカーに言及する場合、本用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体で染色し、抗体を検出することによって検出される表面発現の存在を指し、染色は、他の点では同一の条件下でアイソタイプを一致させた対照を用いて同じ手順を実施して検出された染色を実質的に上回るレベルで、および/または当該マーカーについて陽性であることが知られている細胞に対するレベルと実質的に同様のレベルで、および/または当該マーカーについて陰性であることが知られている細胞に対するレベルよりも実質的に高いレベルで、フローサイトメトリーによって検出可能である。
本明細書で使用される場合、細胞または細胞の集団が特定のマーカーについて「陰性」であるという記述は、特定のマーカー、典型的には表面マーカーの細胞上または細胞内での実質的な検出可能な存在の不存在を指す。表面マーカーに言及する場合、本用語は、フローサイトメトリーによって、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体で染色し、抗体を検出することによって検出される表面発現の非存在を指し、染色は、他の点では同一の条件下でアイソタイプを一致させた対照を用いて同じ手順を実施して検出された染色を実質的に上回るレベルで、および/または当該マーカーについて陽性であることが知られている細胞に対するレベルより実質的により低いレベルで、および/または当該マーカーについて陰性であることが知られている細胞に対するレベルと比較して実質的に類似のレベルで、フローサイトメトリーによって検出されない。
本明細書で使用される場合、アミノ酸配列(参照ポリペプチド配列)に関して使用される場合の「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」および「パーセント同一性」は、配列を整列させ、最大パーセント配列同一性を達成するために必要に応じてギャップを導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列(例えば、対象抗体または断片)中のアミノ酸残基の百分率として定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当技術分野の技能の範疇にある様々な方法で達成することができる。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することができる。
アミノ酸置換は、ポリペプチド中の1つのアミノ酸を別のアミノ酸で置き換えることを含み得る。置換は、保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換であり得る。アミノ酸置換は関心対象の結合分子、例えば抗体中に導入され得、生成物は所望の活性、例えば保持/改善された抗原結合、減少した免疫原性または改善されたADCCもしくはCDCについてスクリーニングされ得る。
アミノ酸は、一般に、以下の一般的な側鎖特性に従って分類することができる。
(1)疎水性: ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性: Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性: Asp、Glu;
(4)塩基性: His、Lys、Arg;
(5)鎖の配向に影響を及ぼす残基: Gly、Pro;
(6)芳香族: Trp、Tyr、Phe。
(1)疎水性: ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性: Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性: Asp、Glu;
(4)塩基性: His、Lys、Arg;
(5)鎖の配向に影響を及ぼす残基: Gly、Pro;
(6)芳香族: Trp、Tyr、Phe。
いくつかの態様において、保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを同じクラスの別のメンバーと交換することを含み得る。いくつかの態様において、非保存的アミノ酸置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを含み得る。
本明細書で使用される場合、組成物は、細胞を含む2つまたはそれより多くの生成物、物質または化合物の任意の混合物を指す。組成物は、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。
本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒトまたは他の動物などの哺乳動物であり、典型的にはヒトである。
別段の定義がなければ、本明細書で使用される全ての技術用語、表記ならびにその他の技術的および科学的用語または術語は、特許請求される主題が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。一部の事例において、一般に理解される意味を有する用語は、明確にするためおよび/または容易に参照するために本明細書で定義されており、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野で一般に理解されるものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
V. 例示的な態様
提供される態様には、以下のものがある。
1. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
1つまたは複数の入力特徴を、1つまたは複数の入力特徴に基づいて第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成されたプロセスへの入力として適用する工程
を含む、T細胞を分類する方法。
2. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程、および1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程であって、1つまたは複数の次元の各次元は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数に関連付けられている、工程;
特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
3. プロセスが、態様2記載の方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴を畳み込みニューラルネットワークに適用することを含む、
態様1記載の方法。
4. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
5. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1の群または第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類を決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
入力特徴および決定された分類に関してニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
6. プロセスが、態様5記載の方法を使用して訓練されたニューラルネットワークを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をニューラルネットワークに適用することを含む、
態様1記載の方法。
7. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
8. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
サポートベクターマシンのための超平面を決定する工程であって、超平面は第1の群と第2の群との間の決定境界を示す、工程
を含み、
超平面は、画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
9. プロセスが、態様8記載の方法を使用して決定された超平面を使用してサポートベクターマシンを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をサポートベクターマシンに適用することを含む、
態様1記載の方法。
10. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたサポートベクターマシンを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
11. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
分類プロセスのためのランダムフォレストを決定する工程であって、ランダムフォレストは1つまたは複数の決定木を含み、分類プロセスは、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴を、第1の群に属するまたは第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類に関連付ける、工程
を含み、
1つまたは複数の決定木の決定木は、1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
12. プロセスが、態様11記載の方法を使用して決定されたランダムフォレストを含み、
第1のT細胞の画像に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をランダムフォレストに適用することを含む、
態様1記載の方法。
13. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関するランダムフォレスト分類プロセスを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
14. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む工程;
第1のT細胞の分類を第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;
特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
15. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、画像は、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む画像データを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
16. プロセスは、T細胞を含む細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%を、第1の群に属するものとしてまたは第2の群に属するものとして分類するように構成されている、態様1、3、4、6、7、9、10および12~15のいずれか記載の方法。
17. (a)少なくとも第1および第2の異なる細胞型を含む細胞の混合集団を提供する工程であって、少なくとも第1の細胞型は、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、工程;
(b)細胞の混合集団を、複数の第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬と接触させる工程であって、第1の結合剤の各々は、第1の細胞型によって発現された表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(c)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第1の結合剤に結合している第1の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第1の細胞のデータセットが得られ、単離は、第1の多量体化試薬を第1の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
を含み、
第1の細胞のデータセットは、第1の多量体化試薬および第1の結合剤を実質的に含まない、機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成する方法。
18. 少なくとも1つの第1の細胞型が組換え表面分子を発現する、態様17記載の方法。
19. 組換え表面分子が組換え受容体である、態様18記載の方法。
20. 組換え受容体がキメラ抗原受容体またはT細胞受容体である、態様19記載の方法。
21. (c)より前に、方法が、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、それによって第2の細胞のデータセットを得る、態様17~20のいずれか記載の方法。
22. 第1および第2の細胞型の各々が、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、態様17~21のいずれか記載の方法。
23. (d)細胞の混合集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離は、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない、態様17~22のいずれか記載の方法。
24. 細胞の混合集団が、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する第3の細胞型をさらに含み、方法が、
(f)細胞の混合集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない、態様23記載の方法。
25. 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、態様17~23のいずれか記載の方法。
26. (c)より前に、方法が、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、方法が、
(d)細胞の第2の集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離することは、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない、態様17~22のいずれか記載の方法。
27. (e)より前に、方法が、第2の結合剤に結合されていない細胞の第3の集団を産生し、細胞の第3の集団は、第1の細胞型および第2の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、方法が、
(d)細胞の第3の集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない、態様26記載の方法。
28. 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、態様17~22、26および27のいずれか記載の方法。
29. 第1および第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の一方であり、第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の他方である、態様17~28のいずれか記載の方法。
30. 接触させる工程が、結合剤に可逆的に結合した多量体化試薬が固定化されている固定相(例えば、第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬、第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬、または第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬)を含むクロマトグラフィーカラムに、細胞を添加することによって行われる、態様17~29のいずれか記載の方法。
31. 単離する工程が、クロマトグラフィーカラムから細胞を溶出することを含む、態様17~30のいずれか記載の方法。
32. 第1の結合剤が、第1の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第1の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様17~31のいずれか記載の方法。
33. 第2の結合剤が、第2の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第2の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様23~32のいずれか記載の方法。
34. 第3の結合剤が、第3の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第3の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様24~33のいずれか記載の方法。
35. ストレプトアビジンムテインが、SEQ ID NO:12、13、15または16に示されるアミノ酸の配列を含む、態様32~34のいずれか記載の方法。
36. 可逆的結合が、約10-2~約10-13Mの範囲の解離定数(KD)を有する、態様17~35のいずれか記載の方法。
37. 一価結合部位が、Fab断片、sdAb、Fv断片または一本鎖Fv断片である、態様17~36のいずれか記載の方法。
38. 一価結合部位と表面分子の間の結合が、約10-3~約10-7Mの範囲の解離定数(KD)を有する、態様17~37のいずれか記載の方法。
39. 一価結合部位と表面分子の間の結合が、約3×10-5sec-1またはそれを超える解離速度定数を有する、態様17~37のいずれか記載の方法。
40. 可逆的解離が競合試薬の添加を含む、態様17~39のいずれか記載の方法。
41. 競合試薬がビオチンまたはビオチン類似体である、態様40記載の方法。
42. 第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様17~41のいずれか記載の方法。
43. 第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様18~42のいずれか記載の方法。
44. 第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様26~43のいずれか記載の方法。
45. 第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様17~44のいずれか記載の方法。
46. 第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様18~45のいずれか記載の方法。
47. 第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様23~46のいずれか記載の方法。
48. 画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;
特徴マップに基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
をさらに含む、態様42、43または44のいずれか記載の方法。
50. 入力特徴に関してニューラルネットワークを訓練する工程をさらに含む、態様45、46または47のいずれか一項記載の方法。
51. サポートベクターマシンに関連付けられた超平面を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく、態様45、46または47のいずれか記載の方法。
52. ランダムフォレストの1つまたは複数の決定木を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく、態様45、46または47のいずれか記載の方法。
53. 画像データが、T細胞を含む細胞の集団のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%、または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%から受け取られる、態様2、5、8、11および14のいずれか記載の方法。
54. 画像データが、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、態様1~16および53のいずれか記載の方法。
55. 画像データが、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(DDHM)を使用して得られる、態様1~16および42~54のいずれか記載の方法。
56. 画像データが、約20倍の対物レンズを使用して得られる、態様1~16および42~55のいずれか記載の方法。
57. 画像データが、CCDカメラを使用して取得される、態様1~16および42~56のいずれか記載の方法。
58. T細胞に関連付けられた画像データが、1つまたは複数の入力特徴を決定するために使用され、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、態様15記載の方法。
59. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞のアスペクト比、細胞の深さ、細胞の面積、細胞記述子、細胞識別子、画像識別子、オブジェクト識別子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、ピーク直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度 細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の強度が最大である平面、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、周囲長、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度、細胞の位相均一性、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散、および細胞の正規化された半径分散の1つまたは複数を含む、態様1~14、16、45~47および50~58のいずれか記載の方法。
60. 入力特徴が、約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個、または少なくとも70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~59のいずれか記載の方法。
61. 入力特徴が、約1~約70、約1~約60、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約15、約1~約10または約1~約5個の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~60のいずれか記載の方法。
62. 入力特徴が、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満または約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~61のいずれか記載の方法。
63. 入力特徴が、20、15、10、もしくは5個未満または約20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~62のいずれか記載の方法。
64. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞のアスペクト比、細胞の面積、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、周囲長、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散および正規化された半径分散のうちの1つまたは複数から選択される画像データの形態的特徴である、態様1~14、16、45~47および50~63のいずれか記載の方法。
65. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の面積である、態様1~14、16、45~47および50~64のいずれか記載の方法。
66. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の直径、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度および細胞の正規化された屈折ピーク高さのうちの1つまたは複数から選択される画像データの光学的特徴である、態様1~14、16、45~47および50~65のいずれか記載の方法。
67. 入力特徴のうちの1つまたは複数が、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の強度が最大である平面および細胞の画像の強度均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの強度特徴である、態様1~14、16、45~47および50~66のいずれか記載の方法。
68. 1つまたは複数の入力特徴が、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度および細胞の位相均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの位相特徴である、態様1~14、16、45~47および50~67のいずれか記載の方法。
69. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の位相相関である、または細胞の位相相関を含む、態様1~14、16、45~47および50~58のいずれか記載の方法。
70. 1つまたは複数の入力が、細胞の深さ、識別された細胞、画像識別子、細胞記述子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、オブジェクト識別子、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、および屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示のうちの1つまたは複数から選択される画像データのシステム特徴である、態様1~14、16、45~47および50~69のいずれか記載の方法。
71. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の深さである、または細胞の深さを含む、態様1~14、16、45~47および50~70のいずれか記載の方法。
72. 第1の群および第2の群が、生存、死亡、CD4+、CD8+、組換え受容体陽性または組換え受容体陰性から選択される1つまたは複数の細胞属性によって定義され、第1の群および第2の群が少なくとも1つの異なる属性を含む、態様1~16および53~71のいずれか記載の方法。
73. 第1または第2の群の一方が属性生存を含み、他方の群が属性死亡を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
74. 属性死亡が非生存細胞および破片を含む、態様72または態様73記載の方法。
75. 属性生存が、単一の生存細胞または生存細胞のクラスタを含む、態様72または態様73記載の方法。
76. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度を含む、態様1~16、45~47および50~75のいずれか記載の方法。
77. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の位相相関を含む、態様1~16、45~47および50~76のいずれか記載の方法。
78. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の面積を含む、態様1~16、45~47および50~77のいずれか記載の方法。
79. 第1または第2の群の一方が属性CD4+を含み、他方の群が属性CD8+を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
80. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む、態様1~16、45~47、50~72および79のいずれか記載の方法。
81. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む、態様1~16、45~47、50~72、79および80のいずれか記載の方法。
82. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の深さを含む、態様1~16、45~47、50~72および79~81のいずれか記載の方法。
83. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積および細胞の位相相関を含む、態様1~16、45~47、50~72、79および80のいずれか記載の方法。
84. 第1または第2の群の一方が属性組換え受容体陽性を含み、他方の群が属性組換え受容体陰性を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
85. T細胞を含む細胞の集団が、任意で生物学的試料から濃縮または精製されたT細胞集団を混合することによって得られてもよい、生物学的試料から濃縮もしくは精製されたT細胞の集団または混合されたT細胞サブタイプの集団を含む、態様1~84のいずれか記載の方法。
86. 生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核球(PBMC)試料、非分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、血液浄化療法産物または白血球除去療法産物を含む、態様85記載の方法。
87. T細胞を含む細胞の集団が、対象から得られた初代細胞を含む、態様1~86のいずれか記載の方法。
88. T細胞を含む細胞の集団が、組換え受容体を含むベクターで形質導入されたT細胞の集団を含む、態様1~87のいずれか記載の方法。
89. 1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の集団が、治療用T細胞組成物を生成するための製造を受けているT細胞の集団を含む、態様1~88のいずれか記載の方法。
90. 製造が、組換え受容体を含むベクターによるT細胞集団の形質導入後のインキュベーション工程を含む、態様89記載の方法。
91. 組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、態様72、84および88~90のいずれか記載の方法。
92. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞が、インキュベーション工程の間の異なる時点で分類される、態様90または態様91記載の方法。
93. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞が、インキュベーション期間の間にわたって継続的に分類される、態様90または態様91記載の方法。
94. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞を分類することが、閉じた系で行われる、態様1~16および53~93のいずれか記載の方法。
95. 閉じた系が無菌である、態様94記載の方法。
96. 閉じた系が自動化されている、態様94または態様95記載の方法。
提供される態様には、以下のものがある。
1. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
1つまたは複数の入力特徴を、1つまたは複数の入力特徴に基づいて第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成されたプロセスへの入力として適用する工程
を含む、T細胞を分類する方法。
2. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程、および1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程であって、1つまたは複数の次元の各次元は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数に関連付けられている、工程;
特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
3. プロセスが、態様2記載の方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴を畳み込みニューラルネットワークに適用することを含む、
態様1記載の方法。
4. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
5. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1の群または第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類を決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
入力特徴および決定された分類に関してニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
6. プロセスが、態様5記載の方法を使用して訓練されたニューラルネットワークを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をニューラルネットワークに適用することを含む、
態様1記載の方法。
7. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたニューラルネットワークを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
8. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
サポートベクターマシンのための超平面を決定する工程であって、超平面は第1の群と第2の群との間の決定境界を示す、工程
を含み、
超平面は、画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
9. プロセスが、態様8記載の方法を使用して決定された超平面を使用してサポートベクターマシンを適用することを含み、
第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をサポートベクターマシンに適用することを含む、
態様1記載の方法。
10. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたサポートベクターマシンを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
11. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
第1のT細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
分類プロセスのためのランダムフォレストを決定する工程であって、ランダムフォレストは1つまたは複数の決定木を含み、分類プロセスは、第1のT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴を、第1の群に属するまたは第2の群に属するものとしての第1のT細胞の分類に関連付ける、工程
を含み、
1つまたは複数の決定木の決定木は、1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、方法。
12. プロセスが、態様11記載の方法を使用して決定されたランダムフォレストを含み、
第1のT細胞の画像に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用することが、1つまたは複数の入力特徴をランダムフォレストに適用することを含む、
態様1記載の方法。
13. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関するランダムフォレスト分類プロセスを含み、1つまたは複数の入力特徴は、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
14. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む工程;
第1のT細胞の分類を第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;
特徴マップおよび決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。
15. T細胞を含む細胞の集団の第1のT細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;
第1のT細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、プロセスは、第1の群に属することが知られているT細胞および第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、画像は、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む画像データを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。
16. プロセスは、T細胞を含む細胞の集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%を、第1の群に属するものとしてまたは第2の群に属するものとして分類するように構成されている、態様1、3、4、6、7、9、10および12~15のいずれか記載の方法。
17. (a)少なくとも第1および第2の異なる細胞型を含む細胞の混合集団を提供する工程であって、少なくとも第1の細胞型は、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、工程;
(b)細胞の混合集団を、複数の第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬と接触させる工程であって、第1の結合剤の各々は、第1の細胞型によって発現された表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(c)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第1の結合剤に結合している第1の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第1の細胞のデータセットが得られ、単離は、第1の多量体化試薬を第1の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
を含み、
第1の細胞のデータセットは、第1の多量体化試薬および第1の結合剤を実質的に含まない、機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成する方法。
18. 少なくとも1つの第1の細胞型が組換え表面分子を発現する、態様17記載の方法。
19. 組換え表面分子が組換え受容体である、態様18記載の方法。
20. 組換え受容体がキメラ抗原受容体またはT細胞受容体である、態様19記載の方法。
21. (c)より前に、方法が、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、それによって第2の細胞のデータセットを得る、態様17~20のいずれか記載の方法。
22. 第1および第2の細胞型の各々が、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、態様17~21のいずれか記載の方法。
23. (d)細胞の混合集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離は、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない、態様17~22のいずれか記載の方法。
24. 細胞の混合集団が、細胞の混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する第3の細胞型をさらに含み、方法が、
(f)細胞の混合集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない、態様23記載の方法。
25. 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、態様17~23のいずれか記載の方法。
26. (c)より前に、方法が、第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の第2の集団は、第1の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、方法が、
(d)細胞の第2の集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、第2の結合剤の各々は、第2の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第2の結合剤に結合している第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、単離することは、第2の多量体化試薬を第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第2の細胞のデータセットは、第2の多量体化試薬および第2の結合剤を実質的に含まない、態様17~22のいずれか記載の方法。
27. (e)より前に、方法が、第2の結合剤に結合されていない細胞の第3の集団を産生し、細胞の第3の集団は、第1の細胞型および第2の細胞型によって発現される表面分子を発現しない細胞を含み、方法が、
(d)細胞の第3の集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、第3の結合剤の各々は、第3の細胞型によって発現される表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、第3の結合剤に結合している第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、単離は、第3の多量体化試薬を第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
第3の細胞のデータセットは、第3の多量体化試薬および第3の結合剤を実質的に含まない、態様26記載の方法。
28. 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、態様17~22、26および27のいずれか記載の方法。
29. 第1および第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の一方であり、第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の他方である、態様17~28のいずれか記載の方法。
30. 接触させる工程が、結合剤に可逆的に結合した多量体化試薬が固定化されている固定相(例えば、第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬、第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬、または第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬)を含むクロマトグラフィーカラムに、細胞を添加することによって行われる、態様17~29のいずれか記載の方法。
31. 単離する工程が、クロマトグラフィーカラムから細胞を溶出することを含む、態様17~30のいずれか記載の方法。
32. 第1の結合剤が、第1の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第1の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様17~31のいずれか記載の方法。
33. 第2の結合剤が、第2の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第2の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様23~32のいずれか記載の方法。
34. 第3の結合剤が、第3の多量体化試薬と可逆的結合を形成することができる結合パートナーをさらに含み、
結合パートナーは、SEQ ID NO:6、7、8、9または10に示されるアミノ酸の配列を含み、
第3の多量体化試薬は、ストレプトアビジン、ストレプトアビジンムテイン、アビジンまたはアビジンムテインを含む、
態様24~33のいずれか記載の方法。
35. ストレプトアビジンムテインが、SEQ ID NO:12、13、15または16に示されるアミノ酸の配列を含む、態様32~34のいずれか記載の方法。
36. 可逆的結合が、約10-2~約10-13Mの範囲の解離定数(KD)を有する、態様17~35のいずれか記載の方法。
37. 一価結合部位が、Fab断片、sdAb、Fv断片または一本鎖Fv断片である、態様17~36のいずれか記載の方法。
38. 一価結合部位と表面分子の間の結合が、約10-3~約10-7Mの範囲の解離定数(KD)を有する、態様17~37のいずれか記載の方法。
39. 一価結合部位と表面分子の間の結合が、約3×10-5sec-1またはそれを超える解離速度定数を有する、態様17~37のいずれか記載の方法。
40. 可逆的解離が競合試薬の添加を含む、態様17~39のいずれか記載の方法。
41. 競合試薬がビオチンまたはビオチン類似体である、態様40記載の方法。
42. 第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様17~41のいずれか記載の方法。
43. 第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様18~42のいずれか記載の方法。
44. 第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、態様26~43のいずれか記載の方法。
45. 第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様17~44のいずれか記載の方法。
46. 第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様18~45のいずれか記載の方法。
47. 第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、態様23~46のいずれか記載の方法。
48. 画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;
特徴マップに基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
をさらに含む、態様42、43または44のいずれか記載の方法。
50. 入力特徴に関してニューラルネットワークを訓練する工程をさらに含む、態様45、46または47のいずれか一項記載の方法。
51. サポートベクターマシンに関連付けられた超平面を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく、態様45、46または47のいずれか記載の方法。
52. ランダムフォレストの1つまたは複数の決定木を決定する工程をさらに含み、決定する工程は、1つまたは複数の入力特徴に基づく、態様45、46または47のいずれか記載の方法。
53. 画像データが、T細胞を含む細胞の集団のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%、または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%から受け取られる、態様2、5、8、11および14のいずれか記載の方法。
54. 画像データが、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、態様1~16および53のいずれか記載の方法。
55. 画像データが、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(DDHM)を使用して得られる、態様1~16および42~54のいずれか記載の方法。
56. 画像データが、約20倍の対物レンズを使用して得られる、態様1~16および42~55のいずれか記載の方法。
57. 画像データが、CCDカメラを使用して取得される、態様1~16および42~56のいずれか記載の方法。
58. T細胞に関連付けられた画像データが、1つまたは複数の入力特徴を決定するために使用され、1つまたは複数の入力特徴が、画像データの形態的特徴、画像データの光学的特徴、画像データの強度特徴、画像データの位相特徴、画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、態様15記載の方法。
59. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞のアスペクト比、細胞の深さ、細胞の面積、細胞記述子、細胞識別子、画像識別子、オブジェクト識別子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、ピーク直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度 細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の強度が最大である平面、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、周囲長、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度、細胞の位相均一性、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散、および細胞の正規化された半径分散の1つまたは複数を含む、態様1~14、16、45~47および50~58のいずれか記載の方法。
60. 入力特徴が、約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個、または少なくとも70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~59のいずれか記載の方法。
61. 入力特徴が、約1~約70、約1~約60、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約15、約1~約10または約1~約5個の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~60のいずれか記載の方法。
62. 入力特徴が、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満または約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~61のいずれか記載の方法。
63. 入力特徴が、20、15、10、もしくは5個未満または約20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、態様1~14、16、45~47および50~62のいずれか記載の方法。
64. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞のアスペクト比、細胞の面積、細胞の円形度、細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、細胞の伸長、細胞の直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、周囲長、細胞の半径の平均、細胞の半径の分散および正規化された半径分散のうちの1つまたは複数から選択される画像データの形態的特徴である、態様1~14、16、45~47および50~63のいずれか記載の方法。
65. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の面積である、態様1~14、16、45~47および50~64のいずれか記載の方法。
66. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の直径、細胞の最大強度、細胞の平均強度、細胞の最小強度、細胞の質量偏心度、ラジアンでの細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの細胞の平均光学的高さ、細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の光学的体積、細胞の屈折ピークの面積、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度および細胞の正規化された屈折ピーク高さのうちの1つまたは複数から選択される画像データの光学的特徴である、態様1~14、16、45~47および50~65のいずれか記載の方法。
67. 入力特徴のうちの1つまたは複数が、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関、細胞の画像の強度エントロピー、細胞の画像の強度均質性、細胞の画像の強度歪度、細胞の画像の強度平滑度、細胞の画像の強度分散、細胞の強度が最大である平面および細胞の画像の強度均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの強度特徴である、態様1~14、16、45~47および50~66のいずれか記載の方法。
68. 1つまたは複数の入力特徴が、ラジアンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの細胞の画像の位相の光学的高さの分散、細胞の位相画像の平均強度コントラスト、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞の平均位相、細胞の平均位相均一性、細胞の位相強度コントラスト、細胞の位相相関、細胞の位相エントロピー特徴、細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度および細胞の位相均一性のうちの1つまたは複数から選択される画像データの位相特徴である、態様1~14、16、45~47および50~67のいずれか記載の方法。
69. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の位相相関である、または細胞の位相相関を含む、態様1~14、16、45~47および50~58のいずれか記載の方法。
70. 1つまたは複数の入力が、細胞の深さ、識別された細胞、画像識別子、細胞記述子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、オブジェクト識別子、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、および屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示のうちの1つまたは複数から選択される画像データのシステム特徴である、態様1~14、16、45~47および50~69のいずれか記載の方法。
71. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の深さである、または細胞の深さを含む、態様1~14、16、45~47および50~70のいずれか記載の方法。
72. 第1の群および第2の群が、生存、死亡、CD4+、CD8+、組換え受容体陽性または組換え受容体陰性から選択される1つまたは複数の細胞属性によって定義され、第1の群および第2の群が少なくとも1つの異なる属性を含む、態様1~16および53~71のいずれか記載の方法。
73. 第1または第2の群の一方が属性生存を含み、他方の群が属性死亡を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
74. 属性死亡が非生存細胞および破片を含む、態様72または態様73記載の方法。
75. 属性生存が、単一の生存細胞または生存細胞のクラスタを含む、態様72または態様73記載の方法。
76. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の位相相関、細胞の面積、細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、細胞の半径の分散、細胞の画像の強度均一性、細胞の稠密度、細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散および細胞の円形度を含む、態様1~16、45~47および50~75のいずれか記載の方法。
77. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の位相相関を含む、態様1~16、45~47および50~76のいずれか記載の方法。
78. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の面積を含む、態様1~16、45~47および50~77のいずれか記載の方法。
79. 第1または第2の群の一方が属性CD4+を含み、他方の群が属性CD8+を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
80. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積、細胞の位相相関、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む、態様1~16、45~47、50~72および79のいずれか記載の方法。
81. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の深さ、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、細胞の画像の強度平滑度、細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの細胞の最大光学的高さ、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度均一性、細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、細胞の画像の強度分散、平均エントロピーおよび細胞の画像の強度相関を含む、態様1~16、45~47、50~72、79および80のいずれか記載の方法。
82. 1つまたは複数の入力特徴が細胞の深さを含む、態様1~16、45~47、50~72および79~81のいずれか記載の方法。
83. 1つまたは複数の入力特徴が、細胞の平均位相均一性、ピーク直径、細胞の正規化された屈折ピーク高さ、細胞の平均位相、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの最小光学的高さ、細胞の稠密度、細胞の円形度、細胞の位相平滑度、細胞の画像の強度均質性、細胞の強度が最大である平面、細胞の屈折ピークの面積および細胞の位相相関を含む、態様1~16、45~47、50~72、79および80のいずれか記載の方法。
84. 第1または第2の群の一方が属性組換え受容体陽性を含み、他方の群が属性組換え受容体陰性を含む、態様1~16および53~72のいずれか記載の方法。
85. T細胞を含む細胞の集団が、任意で生物学的試料から濃縮または精製されたT細胞集団を混合することによって得られてもよい、生物学的試料から濃縮もしくは精製されたT細胞の集団または混合されたT細胞サブタイプの集団を含む、態様1~84のいずれか記載の方法。
86. 生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核球(PBMC)試料、非分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、血液浄化療法産物または白血球除去療法産物を含む、態様85記載の方法。
87. T細胞を含む細胞の集団が、対象から得られた初代細胞を含む、態様1~86のいずれか記載の方法。
88. T細胞を含む細胞の集団が、組換え受容体を含むベクターで形質導入されたT細胞の集団を含む、態様1~87のいずれか記載の方法。
89. 1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の集団が、治療用T細胞組成物を生成するための製造を受けているT細胞の集団を含む、態様1~88のいずれか記載の方法。
90. 製造が、組換え受容体を含むベクターによるT細胞集団の形質導入後のインキュベーション工程を含む、態様89記載の方法。
91. 組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、態様72、84および88~90のいずれか記載の方法。
92. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞が、インキュベーション工程の間の異なる時点で分類される、態様90または態様91記載の方法。
93. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞が、インキュベーション期間の間にわたって継続的に分類される、態様90または態様91記載の方法。
94. T細胞を含む細胞の集団の1つまたは複数のT細胞を分類することが、閉じた系で行われる、態様1~16および53~93のいずれか記載の方法。
95. 閉じた系が無菌である、態様94記載の方法。
96. 閉じた系が自動化されている、態様94または態様95記載の方法。
VI. 実施例
以下の実施例は、例示を目的として含まれるにすぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
以下の実施例は、例示を目的として含まれるにすぎず、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
実施例1:操作された抗BCMA CAR-T細胞を作製するためのプロセスにおける培養中に細胞生存率および直径を決定するための連続インライン画像化
インライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)を使用して、組換え受容体の発現のための操作のプロセスにおけるT細胞の様々な光学的パラメータを得た。微分DHMは、オブジェクトセグメンテーションのための高コントラスト画像での細胞の無標識画像化、ならびに、例えば、細胞数、生存率および形態的特徴(例えば、直径)を決定するために画像化された物体を定量的に記述する複数の光学的または形態的特徴を得ることを可能にする。
インライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DHM)を使用して、組換え受容体の発現のための操作のプロセスにおけるT細胞の様々な光学的パラメータを得た。微分DHMは、オブジェクトセグメンテーションのための高コントラスト画像での細胞の無標識画像化、ならびに、例えば、細胞数、生存率および形態的特徴(例えば、直径)を決定するために画像化された物体を定量的に記述する複数の光学的または形態的特徴を得ることを可能にする。
その後の処理工程のために、選択された細胞を定義された比で組み合わせる前に試料からCD4+およびCD8+T細胞を別々に選択することを含む例示的な操作プロセスを使用して、抗BCMAキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように健康なヒトドナー由来の初代T細胞を操作した。ヒト白血球除去療法試料からの単離されたPBMCから、CD4+およびCD8+細胞の別々の組成物を選択し、選択された細胞組成物を凍結冷凍した。その後、選択されたCD4+およびCD8+T細胞組成物を解凍し、刺激、形質導入、および拡大増殖のための工程を実施するより前に、1:1の生存CD4+T細胞対生存CD8+T細胞の比で混合した。組換えIL-2、IL-7およびIL-15の存在下において、無血清培地中、1:1のビーズ対細胞比で、抗CD3および抗CD28抗体が付着したポリスチレンで被覆された常磁性ビーズの存在下で、混合されたCD4+/CD8+T細胞組成物を刺激した。刺激は、18~30時間のインキュベーションによって行った。60分間のスピノキュレーション後の約37℃での約18~30時間のインキュベーションによって、抗BCMA CARをコードするレンチウイルスベクターで細胞を形質導入した。CARは、BCMAに対して特異的なscFv抗原結合ドメインと、CD28膜貫通領域と、4-1BB共刺激シグナル伝達領域と、CD3-ゼータ由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含有した。次いで、インキュベーションおよび形質導入工程の間に使用された濃度の2倍の濃度のIL-2、IL-7およびIL-15を含有する無血清培地中でバイオリアクタ(例えば、揺動運動バイオリアクタ)に移すことによって、形質導入された細胞を拡大増殖のために培養し、まず定常揺動条件下(非灌流)でインキュベートし、その後半連続灌流および連続混合による培地置換を含む培養を行った。所望の閾値拡大増殖が達成された後、細胞を採集した。採集後、抗CD3および抗CD28抗体がコンジュゲートされたビーズを、磁場への曝露によって細胞組成物から除去した。次いで、細胞を製剤化し、投与のための冷凍バッグ(例えば、CryoStore Freezing Bags)およびさらなる分析のためのバイアルに分注し、凍結冷凍した。7つの実験の実施を行った(実施1~7)。
インライン微分DHM画像化システム(「連続」)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、培養の最長約120時間、細胞のホログラフィック画像および光学的パラメータを連続的に捕捉した。インライン微分DHMシステムは、試料がバイオリアクタからチューブシステムを通って流れることができるようにバイオリアクタに接続された使い捨てチューブシステムを含有し、画像化システムは、通過する細胞のホログラフィック画像および光学的パラメータを捕捉し、試料をバイオリアクタに戻す。細胞生存率、生存細胞数(VCC)および細胞直径を画像から決定した。操作された細胞の生存率も、最長約120時間の培養の間の様々な時点でサンプリングされた手作業サンプリング(「手作業」)および自動細胞計数器を使用した細胞計数による結果と比較した。時間経過分析および線形回帰に基づいて、2つの方法を比較した。
図1Aおよび1Bは、実験の実施1(図1A)および実施2(図1B)において、微分DHMまたは手作業サンプリングによる連続モニタリングを使用して評価した生存細胞数(VCC)、生存率、および細胞直径の比較を示す。7つ全ての実施についての比較のR2および傾きを以下の表E1に示す。2つの方法を使用して測定されたVCCの差は、手作業サンプリング法の予想された分散内に入った。
結果は、連続モニタリングおよび手作業サンプリングとしてのVCCおよび生存率が高度に相関していることを示した。連続モニタリングと手作業モニタリングの間での細胞直径のより低い相関は、連続モニタリング中に使用される自動化された焦点調節工程によって説明され得る。手作業モニタリング中の手作業での画像焦点調節工程の故に、手作業モニタリング中に得られる細胞直径測定値は、オペレータの技術によって変動し得る。自動化された画像焦点調節の使用は、オペレータのバイアスを除去する。対物レンズの差(手作業の場合は4倍に対して、連続の場合は20倍)が低下した相関に寄与し得る可能性がさらに存在する。さらに、手作業サンプリングのために行われたような、明視野を使用した細胞セグメント化は、細胞と画像背景とのコントラストが不十分であるために、不明確な細胞境界をもたらし得る。連続モニタリング中に使用される微分DHMによって生成される高コントラスト画像は、細胞直径をよりよく表し得る。結果は、細胞操作プロセスでの細胞の拡大増殖のための培養中における微分DHMによる連続モニタリングの有用性と一致した。
実施例2:操作された抗CD19 CAR-T細胞を作製するためのプロセスにおける培養中に細胞生存率および細胞直径を決定するための連続インライン画像化
CAR-T細胞を操作するための代替プロセスでの培養中に、細胞のホログラフィック画像および光学的パラメータが培養の最長約120時間、連続的に捕捉されたことを除いて、インライン微分DHM画像化システム(「連続」)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、実質的に実施例1に記載したように微分DHMを行った。
CAR-T細胞を操作するための代替プロセスでの培養中に、細胞のホログラフィック画像および光学的パラメータが培養の最長約120時間、連続的に捕捉されたことを除いて、インライン微分DHM画像化システム(「連続」)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、実質的に実施例1に記載したように微分DHMを行った。
代替CAR-T細胞プロセスには、CD4+集団とCD8+集団を別々にプロセスの工程に供することを含むプロセスが含まれた。ヒト白血球除去療法試料から単離されたPBMCから、CD4+およびCD8+細胞の別個の組成物を選択し、凍結冷凍した。その後、選択されたCD4+およびCD8+組成物を解凍し、刺激、形質導入、および拡大増殖のための工程を別々に行った。1:1のビーズ対細胞比で抗CD3および抗CD28抗体が付着したポリスチレンで被覆された常磁性ビーズの存在下で、解凍したCD4+およびCD8+細胞を別々に刺激した。IL-2、IL-15、およびN-アセチルシステイン(NAC)を含有する培地中で、細胞を刺激した。CD4+細胞培地はIL-7も含んだ。ビーズの導入後、CD4+およびCD8+細胞に、同じ抗CD19 CARをコードするレンチウイルスベクターを別々に形質導入した。CARは、マウス抗体に由来する抗CD19scFvと、免疫グロブリンスペーサーと、CD28に由来する膜貫通ドメインと、4-1BBに由来する共刺激領域と、CD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインとを含有した。ベクターは、T2A配列によってCAR構築物に連結されたCAR発現の代理マーカーとして機能する切断型受容体もコードした。10μg/ml硫酸プロタミンの存在下で細胞を形質導入した。形質導入後、磁場への曝露によってビーズを細胞組成物から除去した。次いで、バイオリアクタ(Xuri W25 Bioreactor)による連続的な混合および酸素移動での拡大増殖のために、CD4+およびCD8+細胞を別々に培養した。ポロキサマーを培地に添加した。IL-2およびIL-15の存在下で、両細胞組成物を培養した。CD4+細胞培地はIL-7も含んだ。採取より前に、CD4+およびCD8+細胞をそれぞれ、約4倍の拡大増殖まで培養した。各組成物からの細胞を別々に採集し、製剤化し、凍結冷凍した。
2つの実験を行った:2人の異なる健康なドナー(ドナー1またはドナー2)由来のCD4+細胞を用いた2つの実験を実施した実験1、ならびに第3のドナー(ドナー3)由来のCD4+細胞およびCD8+細胞のそれぞれで実験を実施した実験2。
図2A~2Dは、実験1のドナー1(図2A)、実験1のドナー2(図2B)、もしくは実験2のドナー3(図2C)からのCD4+細胞、または実験2のドナー3からのCD8+細胞(図2D)における、微分DHMまたは手作業でのサンプリングによる連続モニタリングを使用して評価した生存細胞数(VCC)、生存率および細胞直径の比較を示す。比較のR2および傾きを以下の表E2に示す。
結果は、CD4+およびCD8+細胞ならびに異なるドナー由来の細胞について、連続モニタリングおよび手作業サンプリングとしてのVCCおよび生存率が高度に相関していることを示した。連続モニタリングと手作業モニタリングの間での細胞直径のより低い相関は、実施例1に記載されているように説明され得る。結果は、細胞操作プロセスでの細胞の拡大増殖のための培養中における微分DHMによる連続モニタリングの有用性と一致した。
実施例3:連続インライン画像化を使用した手作業でのおよび自動化された拡大増殖の比較
インライン画像化および自動化された灌流による細胞の連続モニタリングを伴う完全に自動化されたオペレータなしの細胞拡大増殖法を、手作業での拡大増殖法と比較した。
インライン画像化および自動化された灌流による細胞の連続モニタリングを伴う完全に自動化されたオペレータなしの細胞拡大増殖法を、手作業での拡大増殖法と比較した。
例示的な操作プロセスを使用して、健康なヒトドナー由来の初代T細胞を活性化し、例示的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現させるためにベクターで形質導入した。形質導入後、細胞をプールし、1つは微分DHMを使用した連続インライン画像化に基づく自動化された拡大増殖および1つは手作業での拡大増殖法という2つの異なる培養のために播種した。
自動化された拡大増殖培養では、実施例1に記載されているように、半連続灌流および連続混合により培地交換しながら、揺動運動バイオリアクタ内で細胞を培養した。一般的には上記の実施例1に記載されているように、自動化された微分DHM画像化システムを使用して、細胞生存率、生存細胞数(VCC)、および細胞直径をモニターした。播種の時点での当初VCCは、両培養について同様であった(自動化された培養の場合は0.12×106細胞/mL、手作業での培養の場合は0.14×106細胞/mL)。自動化された拡大増殖における灌流は、ソフトウェアアルゴリズムによって計算されたVCCの4時間移動平均に基づいており、目標VCCより大きいVCC平均が方法の進行のために必要であった。目標VCCは、1QSおよび2つの灌流工程について、0.6×106細胞/mL、1×106細胞/mL、および4×106細胞/mLであった。播種後にオペレータによる追加の介入は行わなかった。
手作業での拡大増殖培養では、上記の実施例1に記載されているように、一般に、1日1回サンプリングを行いながら灌流を行った。
フローサイトメトリーによって、マーカーの細胞表面発現についても細胞を評価した。
図3に示されているように、VCCによって決定されたとおり、培養中の経時的なより高いT細胞成長が、自動化された拡大増殖システムを用いて観察された。連続微分DHM画像化によって評価された細胞生存率と、フローサイトメトリーによって評価された細胞表現型は、自動化された拡大増殖プロセスと手作業での拡大増殖プロセスとの間で類似していた。例えば、自動化されたシステムおよび手作業システムは、ほぼ同一の頻度のCD3+、CD4+、およびCD8+細胞を産生した。まとめると、これらの結果は、自動化された拡大増殖はT細胞成長速度論にプラスの影響を有し、細胞生存率の値において示される差は最小限に過ぎないことを示している。
これらの結果は、人間のオペレータを必要とせずに、T細胞操作プロセス中に細胞を培養およびモニタリングするための連続DHM画像化および自動化された拡大増殖プロセスの有用性と一致した。いくつかの局面では、このような方法は、初代T細胞の成長速度論を決定し、投与の操作のために細胞を採取する時間を決定するために使用することができる。
実施例4:細胞生存率を予測するための機械学習方法
機械学習方法論と組み合わせてインライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)画像化システム、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、組換え受容体で操作されたT細胞組成物を産生するためのエクスビボプロセス中のT細胞に対してT細胞生存率を評価した。
機械学習方法論と組み合わせてインライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)画像化システム、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、組換え受容体で操作されたT細胞組成物を産生するためのエクスビボプロセス中のT細胞に対してT細胞生存率を評価した。
T細胞を操作するためのプロセスは、一般に上記実施例1に記載されるように、同じ健康なドナーからCD4+およびCD8+T細胞集団を別々に単離することによって行われた。次いで、単離されたCD4+およびCD8+T細胞を1:1の比で混合し、次いで抗CD3/抗CD28抗体で刺激した。混合されたCD4+およびCD8+T細胞をバイオリアクタに播種し、インラインDDHMを使用して、製造プロセスの拡大増殖工程の間、連続的にモニターした。
比較のために、上記プロセスと同じ健康なドナーからCD4+およびCD8+T細胞の別々の集団を単離したが、抗CD3/抗CD28抗体で別々に刺激し、抗BCMA CARで形質導入し、混合集団ではなくほぼ純粋な集団として拡大増殖のための条件下で播種した。刺激、T形質導入、播種、および拡大増殖工程のためのプロセスは、混合集団に対して使用したプロセスと同様であった。別個のバイオリアクタ中にCD4+またはCD8+T細胞を播種し、別個のインラインDDHMを使用して拡大増殖工程の間、連続的にモニターした。
T細胞生存率を予測するための方法におけるレプリケートとして、比較目的のために、同一の健康なドナー由来の細胞から上記プロセスを2回同時に行った。数値的再構成アルゴリズムを通じてオブジェクト画像(位相、強度、および重ね合わせ)をそこから計算することができる細胞のホログラフィック画像を撮影するインライン自動化DDHMによって、拡大増殖期中の5日間にわたって、CD4+、CD8+、および混合CD4/CD8T細胞培養物を独立して評価した。1時間当たり約20の画像が撮影された。焦点が合っていない場合には、細胞のピーク強度に基づいて細胞を検出した。位相画像を用いて細胞画像セグメンテーション(細胞周囲の境界の作成)を行い、強度閾値化に基づいて細胞輪郭を描出した。次いで、セグメント化された境界内の画像を分析し、単一細胞をベースとして、形態的(例えば、直径円形度、総サイズなど)光学的(例えば、(光学的体積、総サイズなど)、強度、位相、およびシステム特徴(例えば、上記のセクションI-Bを参照)を含む70の特徴を計算した。細胞生存率を検出するために、抽出された特徴またはRaw画像を機械学習法において使用した。
A. 勾配ブーストランダムフォレスト分類器を用いた生存率予測
勾配ブーストランダムフォレスト分類器(Rの「xgboost」パッケージによって)を、拡大増殖工程中に細胞の特徴に対して適用した。細胞は、混合集団からの試料を含んでいた。
勾配ブーストランダムフォレスト分類器(Rの「xgboost」パッケージによって)を、拡大増殖工程中に細胞の特徴に対して適用した。細胞は、混合集団からの試料を含んでいた。
この作業にとって有益でないと考えられる特徴には、例えば、細胞の境界表示(例えば、細胞または細胞の屈折ピークが画像内の境界に沿って存在するかどうか)、細胞の重心(例えば、画像内のX軸またはY軸に沿った重心座標)が含まれ、データセットから除去された。さらに、高い相関(Pearson cor.>=0.97)および低い分散(var.=0)の特徴が除去され、以下の48の特徴が分類のために残った:細胞のアスペクト比、細胞の面積(例えば、表面積または投影表面積)、細胞の円形度(例えば、細胞の周囲長に対する細胞の面積の比)、細胞の稠密度(例えば、細胞の軸におけるオブジェクトの分散に対する細胞の面積の比)、細胞の正規化されたアスペクト比、細胞の伸長(例えば、細胞を囲む長方形の幅と高さの比)、細胞の直径(例えば、細胞と同じ面積を有する円の直径)、ピーク直径(例えば、細胞の屈折ピークと同じ面積を有する円の直径)、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、細胞の平均強度コントラスト、細胞の平均強度エントロピー、細胞の強度平均、細胞表面にわたる強度の均一性の平均尺度(例えば、平均強度均一性)、細胞の画像の強度コントラスト、細胞の画像の強度相関(例えば、画像内のピクセルと隣接ピクセルの強度間の相関)、細胞の画像の強度均質性(例えば、対角に対する分布の空間的近さ)、細胞の最小および最大強度、細胞の画像の強度歪度(例えば、強度の対称性)、細胞の画像の強度平滑度(例えば、平均平滑度)、細胞の画像の強度分散(例えば、細胞表面にわたる強度の分散値)、細胞の画像の強度均一性(例えば、細胞表面にわたる強度の均一性の尺度)、細胞の質量偏心度(例えば、光学的高さによって重み付けされた、細胞の幾何学的中心と細胞の重心との間の距離(例えば、ピクセルでの))、細胞の最大、最小、平均、分散および正規化された(例えば、細胞直径で割った細胞の光学的高さ(例えば、ミクロンでの))光学的高さ(例えば、ラジアンでの)、細胞の光学的体積(例えば、細胞の体積および細胞の屈折率に比例する値 細胞の屈折ピークの面積(例えば、ミクロンでの)、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積(例えば、例えば細胞面積と平均強度の積で割ったピーク面積)、細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、細胞の正規化された屈折ピーク高さ(例えば、例えば細胞の表面と細胞の平均強度の積で割った細胞の屈折ピークの強度)、細胞の強度が最大である平面(例えば、ミクロンでの)、細胞の位相画像の平均エントロピー、細胞表面にわたる位相の均一性の平均尺度(例えば、細胞の平均位相均一性)、細胞の位相強度コントラスト(例えば、細胞の表面にわたるピクセル間での、例えば、細胞の位相画像の強度コントラスト)、細胞の位相相関(例えば、ピクセルが細胞の位相画像においてその隣接するピクセルとどの程度相関しているかの尺度)、細胞の位相均質性(例えば、細胞の位相画像における対角に対する分布の空間的近さの尺度)、細胞の位相歪度(例えば、細胞の位相画像における非対称性の尺度)、細胞の位相均一性(例えば、細胞表面にわたる位相均一性の尺度)、および細胞の半径の分散または正規化された分散。
初期設定の「xgboost」パラメータを利用し(η=0.3;max_depth=6;γ=1)、200回の訓練ラウンドを適用した。全体的な評価のために、細胞の混合集団からランダムに選択された80%の細胞に対してモデルを訓練し、残りの20%に対して試験した。
機械学習法によって試験データに対して細胞ごとに生存率を予測するために細胞画像(例えば、ホログラム)から抽出された特徴も使用する、光学的画像化を伴う代替の生存率予測方法によって予測されたところにより、分類器は、「生存」/「死亡」分類の99%を超える均衡化精度を達成した。これは、代替方法の予測と比較して、「生存」細胞では約0.13%、「死亡」細胞では約0.36%の分類率の差を含んでいた。
全てのツリー分割にわたる各特徴の総情報利得の初期設定「利得」度を使用して、特徴の重要性を評価した。図4は、細胞生存率を予測するために分類器によって使用される特徴の相対的重要性を示す。それぞれ、位相画像における細胞表面の「平滑度」および細胞の総サイズを測定する位相相関および細胞の面積という2つの特徴が、分類を知らせる上で最も重要であるように見受けられた(図4)。
多くの特徴の分布は播種時間の関数としてシフトし得るので、経時的な生存率予測の精度を試験した。各時点について、訓練セットからの全ての細胞特徴を除去し、分類器を再訓練し、除去された細胞について代替生存率予測方法に対して生存細胞予測精度を試験した。図5A~5Cは、代替生存率予測方法と比較した、播種時間にわたって勾配ブーストランダムフォレスト分類器を用いて予測された生存率測定値の精度を示す。図5Aは、代替生存率予測方法「生存」/「死亡」分類と比較した分類器の精度を播種時間の関数として示す。図5Bは、経時的な総「生存」パーセンテージ予測の比較を示す(「実際」:代替生存率予測方法によって予測されたパーセンテージ;「予測」:ランダムフォレスト分類器によって予測されたパーセンテージ)。図5Cは、ランダムフォレスト分類器と代替生存率予測方法の間での予測の相対差を示す。代替生存率予測方法と比較したランダムフォレスト分類器の精度は経時的に変動するが、任意の所与の時点で約2%を超えては変動しない(図5A)。さらに、総VCC予測は、全ての時点にわたって<1%で、代替生存率予測方法と合致し続けた(図5B~図5C)。これらの結果は、抽出された特徴から細胞生存率を予測するためのランダムフォレスト分類器の使用を裏付けている。
B. Raw画像に対して適用される深層学習による細胞生存率予測
DDHMによって生成されたRaw画像を使用してオブジェクト分類(例えば、生存/死亡/クラスタ/破片)を予測するために、深層学習分類器を使用した。
DDHMによって生成されたRaw画像を使用してオブジェクト分類(例えば、生存/死亡/クラスタ/破片)を予測するために、深層学習分類器を使用した。
Raw画像は「位相」(3Dホログラフィック)および光学的画像を含んでおり、各細胞の2チャンネル画像に対して深層学習法を適用した。それぞれが48×48ピクセルの寸法を有する約20万個の細胞画像を使用した。それぞれ訓練/試験のために、画像を80%/20%に無作為に分割した。
最終の高密度「ソフトマックス」分類層に入力する、「elu」活性化関数、バッチ正規化および各層間のドロップアウトを用いて、深層学習モデルである3層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を適用した。自由パラメータの総数は10万のオーダーであった。最適化のために、AdaGrad最適化アルゴリズムとともに多クラス交差エントロピー損失関数を利用し、64のバッチサイズを使用してモデルを最適化した。若干の回転、反転、およびシフトを適用して訓練データを補完した。
深層CNNモデルは、訓練データと試験データの両方で97.8%の精度を達成し、生存率を予測するために細胞画像(例えば、ホログラム)から抽出された特徴を使用する代替生存率予測方法のオブジェクトカテゴリ(例えば、生存、死亡、破片、クラスタ)の結果を再現した。カテゴリ、例えば、生存、死亡、破片、およびクラスタは、データセットにおいて等しく代表されていないので(例えば、データセット内に死亡細胞よりも多くの生存細胞が存在し得る)、各カテゴリに対して予測精度を評価することが、より正確な代表となる(E3を参照)。精度は、「破片」の予測に関して最も高く、「クラスタ」の予測に関して最も低かった。
異なるように分類されたオブジェクトの画像を視覚化することにより、いくつかのオブジェクトカテゴリでの若干低い精度は、部分的には、代替生存率予測モデルでの誤分類に起因し得ることが明らかになった。誤分類の例は、図6Aおよび6Bに見ることができる。図6Aは、代替生存率予測モデルによって「生存」と分類されるが、深層学習モデルによって「死亡」と分類されるオブジェクトの2つの画像を示す。同様に、図6Bは、代替生存予測モデルによって「クラスタ」として分類されたが、付属器を有する個別の生存T細胞であるように見えるオブジェクトの2つの画像を示す。これらの結果は、細胞生存率を正確に予測するためのRaw画像に対する深層学習の使用を裏付けている。
実施例5:T細胞サブタイプを予測するための機械学習方法
インライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を機械学習方法論と組み合わせて使用して、T細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測した。
インライン微分デジタルホログラフィ顕微鏡法(DDHM)、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を機械学習方法論と組み合わせて使用して、T細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測した。
単一細胞ベースで70の特徴(例えば、上記セクションI-Bを参照)をそこから抽出することができた培養細胞のホログラフィック画像を撮影するためにDDHMを使用して、実施例4に記載の操作されたT細胞組成物を生成するためのプロセスからのT細胞(純粋なCD4または純粋なCD8)をT細胞サブタイプについて評価した。細胞サブタイプ(例えば、CD4またはCD8)を予測するための機械学習方法では、抽出された特徴、そのサブセットまたはRaw画像を使用した。
A. サポートベクターマシンを用いたT細胞サブタイプ予測
特徴データを評価し、特徴中のいずれの傾向がCD4またはCD8サブタイプのいずれかと対応するかを学習するようにサポートベクターマシン(SVM)モデルを設計した。表E4は、SVMモデルの仕様を示す。純粋なCD4細胞の一方のアームと純粋なCD8細胞の他方のアームを用いて、実験全体にわたって20万を超える個々の細胞画像から特徴データを評価した。それぞれの別個のアームについて、形態的、光学的、強度、および位相特徴に関する特徴データ(上記セクションI-Bを参照)に対してSVMを訓練し、システム特徴は除外した。データを訓練のための80%、モデルの有効性を試験するための残りの20%に分割した。各画像のサブタイプ同一性は既知であった。
特徴データを評価し、特徴中のいずれの傾向がCD4またはCD8サブタイプのいずれかと対応するかを学習するようにサポートベクターマシン(SVM)モデルを設計した。表E4は、SVMモデルの仕様を示す。純粋なCD4細胞の一方のアームと純粋なCD8細胞の他方のアームを用いて、実験全体にわたって20万を超える個々の細胞画像から特徴データを評価した。それぞれの別個のアームについて、形態的、光学的、強度、および位相特徴に関する特徴データ(上記セクションI-Bを参照)に対してSVMを訓練し、システム特徴は除外した。データを訓練のための80%、モデルの有効性を試験するための残りの20%に分割した。各画像のサブタイプ同一性は既知であった。
モデル精度は、試験データセットに対して約75%であった。これらの結果は、細胞サブタイプを予測するための特徴データに対するSVMの使用を裏付けている。
B. ニューラルネットワークを用いたT細胞サブタイプ予測
ニューラルネットワーク(NN)モデルを使用して、細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測した。NNは、特徴の数×特徴の数×特徴の数に等しい隠れ層次元を含み、活性化は、正規化線形ユニット関数(relu)によってモデル化され、ノード間のペナルティを指定するためにアルファは0.0001に設定された。モデルは、別々のCD4およびCD8集団データ対して訓練され、90%を訓練のために、残りの10%を試験のために確保した。解析に含まれる特徴データは、上記のSVMモデルについて記載したものと同じであった。
ニューラルネットワーク(NN)モデルを使用して、細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測した。NNは、特徴の数×特徴の数×特徴の数に等しい隠れ層次元を含み、活性化は、正規化線形ユニット関数(relu)によってモデル化され、ノード間のペナルティを指定するためにアルファは0.0001に設定された。モデルは、別々のCD4およびCD8集団データ対して訓練され、90%を訓練のために、残りの10%を試験のために確保した。解析に含まれる特徴データは、上記のSVMモデルについて記載したものと同じであった。
NNの予測精度は、試験データに対して約91%であった。これらの結果は、細胞サブタイプを予測するための特徴データに対するNNの使用を裏付けている。
T検定を使用して、細胞サブタイプ(例えば、CD4またはCD8)と高い相関を有する特徴を同定した。細胞の平均位相均一性、ピーク直径(例えば、細胞の屈折ピークと同じ面積を有する円の直径)、細胞の正規化された屈折ピーク高さ(例えば、例えば細胞の表面と細胞の平均強度の積で割った細胞の屈折ピークの強度)、細胞表面にわたる平均位相(例えば、細胞の平均位相)、細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積(例えば、例えば細胞面積と平均強度の積で割ったピーク面積)、細胞の最小光学的高さ、細胞の稠密度(例えば、細胞の軸におけるオブジェクトの分散に対する細胞の面積の比)、細胞の円形度(例えば、細胞の周囲長に対する細胞の面積の比)、細胞の位相平滑度(例えば、細胞の位相画像における平滑度の尺度)、細胞の画像の強度均質性(例えば、対角に対する分布の空間的近さ)、細胞の強度が最大である平面(例えば、ミクロンでの)、細胞の屈折ピークの面積、および細胞の位相相関(例えば、ピクセルが細胞の位相画像においてその隣接するピクセルとどの程度相関しているかの尺度)を含む特徴は、細胞サブタイプ、例えばCD4+またはCD8+の予測と高度に相関すると推定された。別々のCD4およびCD8集団に由来するデータからの上述の特徴を使用してNNを再訓練した。
C. ランダムフォレストを用いたT細胞サブタイプ予測
抽出された特徴(例えば、上記セクションI-Bを参照)とT細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)との間の関係を決定するために、CD4+およびCD8+のほぼ純粋な集団からの利用可能なデータの80%を使用して、ランダムフォレスト教師あり機械学習アルゴリズムを訓練した。CD4+およびCD8+データセットを計算的に混合して、データセットの各細胞について細胞同一性が既知である1つのデータセットを作成した。計算的に混合されたデータセットからの残りのデータを使用して、モデル性能を試験した。モデルは、3の最大ツリー深度、0.01の学習率、および均衡クラス重みを有する100のツリーを含んでいた。
抽出された特徴(例えば、上記セクションI-Bを参照)とT細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)との間の関係を決定するために、CD4+およびCD8+のほぼ純粋な集団からの利用可能なデータの80%を使用して、ランダムフォレスト教師あり機械学習アルゴリズムを訓練した。CD4+およびCD8+データセットを計算的に混合して、データセットの各細胞について細胞同一性が既知である1つのデータセットを作成した。計算的に混合されたデータセットからの残りのデータを使用して、モデル性能を試験した。モデルは、3の最大ツリー深度、0.01の学習率、および均衡クラス重みを有する100のツリーを含んでいた。
CD4/CD8分類のための試験セット(計算的に混合されたデータセットの残りの20%)に対して、訓練されたランダムフォレストモデルを適用した。モデルが訓練データに過剰適合しないことを確保するために、訓練および試験データに対するモデル性能を比較した。
ランダムフォレストモデルは、62個の特徴を用いて、CD4T細胞とCD8T細胞の間での識別に関して89%の精度を達成した。以下の特徴は分析に含まれなかった:細胞記述子、細胞の境界表示(例えば、細胞または細胞の屈折ピークが画像内の境界に沿って存在するかどうか)、屈折ピークの数、ミクロンでの最小光学的高さ、細胞識別子、画像識別子、およびオブジェクト識別子。さらに、モデルにおいて最も一般的に使用される特徴は、垂直のz軸(例えば、奥行き軸に沿った細胞の位置(細胞の深さ);図7)に沿った細胞の位置を記述するものであることが見出された。理論に拘束されることを望むものではないが、これは、CD8T細胞中に細胞傷害性顆粒が豊富に存在することによるCD4T細胞とCD8T細胞の異なる密度に起因するものであり得る。
それぞれCD4+およびCD8+実験のために試料が採取された197および253の時点にわたって、ランダムフォレストモデルを訓練するために使用されたデータをプールした。122時間14分または118時間53分の期間にわたって、試料を30分ごとに収集した。特徴に対する時間の影響を決定するために、CD4およびCD8細胞について別々に、全ての時点にわたって特徴値を視覚化した。
細胞サブタイプ予測において重要な役割を果たすとして特定された特徴である細胞の深さは、経時的に明確なパターンを示した。例えば、最初の約20個の時点は、CD4およびCD8細胞について、各時点にわたって細胞の深さについてのほぼ区別できない特徴値を示したのに対して、最後の20個の時点は完全に重複していなかった。経時的な異なるパターンが異なる特徴に対して観察され、細胞の分析の特定の時点への特徴依存性が存在することを示している。
特徴値の潜在的な変動を考慮して、モデルが最も早い時点または最も遅い時点の50%をより良好に予測できるかどうかを判定するために、別の予測実験を行った。およそ60時間の時点での時点カットオフにより、データを第1および第2の半分に分割した。次いで、各半分中のデータを訓練データセット(80%)および試験データセット(20%)に分割し、第1または第2の半分のデータセットに対して、ランダムフォレストモデルを訓練および試験した。第1の半分のデータセットに対して訓練されたモデルは、第2の半分のデータセットに対して訓練および試験されたモデルと比較して、最も早い半分の時点で収集された細胞に対して細胞サブタイプを予測する精度がより不良であることを示した(83%対100%精度)。
これらの結果は、CD4+およびCD8+T細胞サブタイプを予測するためにランダムフォレスト分類器と組み合わされたインラインDDHM画像化および特徴検出の有用性と一致する。
D. 深層学習を用いたT細胞サブタイプ予測
上記のモデルは、細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測するために特定の特徴を使用した。細胞サブタイプを予測するためにホログラフィック画像から抽出された特徴を使用する代わりに、細胞サブタイプを予測するためにRaw画像に対して訓練されることが可能な計算モデルが開発された。このモデルは、モデルがより多くの画像に遭遇したときに連続的に学習することを可能にする畳み込み層とプーリング層との組み合わせとして設計された。画像がこれらの層を通って進むにつれて、ノードの数は低下して、訓練するパラメータの総数を約35,000~50,000パラメータに保った。ノード層のサイズは入力画像の次元に依存し、パラメータを削減するために、層のサイズはそれぞれ2、4、および8で除される。畳み込み層およびプーリング層の後に、密度層が、予測のためにバイナリ分類の確率を決定した。
上記のモデルは、細胞サブタイプ(例えば、CD4+またはCD8+)を予測するために特定の特徴を使用した。細胞サブタイプを予測するためにホログラフィック画像から抽出された特徴を使用する代わりに、細胞サブタイプを予測するためにRaw画像に対して訓練されることが可能な計算モデルが開発された。このモデルは、モデルがより多くの画像に遭遇したときに連続的に学習することを可能にする畳み込み層とプーリング層との組み合わせとして設計された。画像がこれらの層を通って進むにつれて、ノードの数は低下して、訓練するパラメータの総数を約35,000~50,000パラメータに保った。ノード層のサイズは入力画像の次元に依存し、パラメータを削減するために、層のサイズはそれぞれ2、4、および8で除される。畳み込み層およびプーリング層の後に、密度層が、予測のためにバイナリ分類の確率を決定した。
個々の細胞の画像を撮影するために、(X、Y、Z形式での)Raw3D画像データに画像セグメンテーションを行った。例えば、バックグラウンドノイズを低減するために0.7(ミクロン)未満のZ値が除去されるように、Raw画像をフィルタリングした。画像はまた、エッジ検出より前に、1000に正規化された。処理されたデータ(図8)上で個々の細胞オブジェクトを特定するためにscikit-imageを使用し、それらのエッジを使用してマスクを作成して、各細胞オブジェクトを個別に単離した。抽出された細胞画像は、後の分析のためにアレイとして保存された(図9)。
CD4およびCD8画像のカウントについて細胞画像の戻されたプールを照会することによって、データセットのバランスを取った。最も多くの画像を有する細胞サブタイプ、CD4またはCD8のいずれかを無作為にサンプリングして、他方のサブタイプの画像数と同数の一連の画像を生成した。
モデルの学習力を高めるために、個々の画像の拡大、傾斜、および回転を修正することによって画像の追加のセットを作成した。
データセットを訓練セット(90%)と試験セット(10%)に分割し、次いで、少なくとも25回の反復にわたって深層学習(DL)モデルを訓練データセットに適合させるためにKerasを使用した。試験データセットを使用して、訓練の反復ごとのモデルの精度スコアを生成した。プロセス全体を通じて画像が再訓練されるにつれて、精度は増大し安定し続けるはずである。
細胞サブタイプを予測するためのモデル性能は約80%であった。これらのデータは、細胞クラスを予測するために深層学習法と組み合わせてRaw画像を使用することを裏付けている。
実施例6:混合されたCD4+CD8+集団においてT細胞サブタイプ比を予測するための機械学習方法
実施例1に記載した製造プロセスは、刺激、形質導入、および拡大増殖のための工程を実施するより前に、1:1の生存CD4+T細胞対生存CD8+T細胞の比で、選択されたCD4+およびCD8+T細胞組成物を混合することを含む。機械学習法を使用して、このような細胞の混合集団の細胞サブタイプなどの細胞属性を予測した。実施例5に記載されるように、細胞サブタイプを予測するためにCD4およびCD8T細胞のほぼ純粋な集団に対して訓練されたSVMおよびNNモデルを使用して、CD4およびCD8T細胞の混合集団におけるCD4/CD8比を予測した。モデル比は、フローサイトメトリーパネルを使用して決定された観察された比を正確に予測しなかった。理論に拘束されることを望むものではないが、このような結果は、CD4とCD8集団を一緒に培養した場合に起こり得る変化によるものであり得、混合集団におけると同様に培養されなかった純粋な集団由来の細胞を用いた訓練は最適に予測し得ないものと考えられる。
実施例1に記載した製造プロセスは、刺激、形質導入、および拡大増殖のための工程を実施するより前に、1:1の生存CD4+T細胞対生存CD8+T細胞の比で、選択されたCD4+およびCD8+T細胞組成物を混合することを含む。機械学習法を使用して、このような細胞の混合集団の細胞サブタイプなどの細胞属性を予測した。実施例5に記載されるように、細胞サブタイプを予測するためにCD4およびCD8T細胞のほぼ純粋な集団に対して訓練されたSVMおよびNNモデルを使用して、CD4およびCD8T細胞の混合集団におけるCD4/CD8比を予測した。モデル比は、フローサイトメトリーパネルを使用して決定された観察された比を正確に予測しなかった。理論に拘束されることを望むものではないが、このような結果は、CD4とCD8集団を一緒に培養した場合に起こり得る変化によるものであり得、混合集団におけると同様に培養されなかった純粋な集団由来の細胞を用いた訓練は最適に予測し得ないものと考えられる。
実施例5に記載されている機械学習方法などの機械学習方法は、CD4およびCD8細胞の混合集団から選択されたCD4およびCD8T細胞に対して訓練される。訓練されたモデルは、同様に処理された細胞の混合集団における細胞サブタイプの比を予測するために使用される。
実施例7:T細胞属性を予測するための機械学習方法
機械学習方法は、操作された(例えば形質導入された)細胞、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞のパーセンテージまたは数;T細胞活性化状態;T細胞分化状態;および/または細胞周期状態を含むがこれらに限定されないT細胞属性を予測するために使用され得る。実施例1に記載されたプロセスによって産生されたCD4+およびCD8+T細胞に対して、属性予測実験を行う。インラインDDHM画像化システム、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、各実験プロセスからの細胞を連続的にモニターする。実施例4に記載されているように、培養細胞のホログラフィック画像から70個の特徴(上記セクションI-B参照)を単一細胞ベースで抽出することができる。抽出された特徴、そのサブセットまたはRaw画像は、細胞属性(例えば、CAR+、活性化状態、分化状態、細胞周期状態)を予測するために機械学習方法において使用することができる。
機械学習方法は、操作された(例えば形質導入された)細胞、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞のパーセンテージまたは数;T細胞活性化状態;T細胞分化状態;および/または細胞周期状態を含むがこれらに限定されないT細胞属性を予測するために使用され得る。実施例1に記載されたプロセスによって産生されたCD4+およびCD8+T細胞に対して、属性予測実験を行う。インラインDDHM画像化システム、例えばOvizio iLine F(Ovizio Imaging Systems NV/SA, Brussels, Belgium)を使用して、各実験プロセスからの細胞を連続的にモニターする。実施例4に記載されているように、培養細胞のホログラフィック画像から70個の特徴(上記セクションI-B参照)を単一細胞ベースで抽出することができる。抽出された特徴、そのサブセットまたはRaw画像は、細胞属性(例えば、CAR+、活性化状態、分化状態、細胞周期状態)を予測するために機械学習方法において使用することができる。
A. 特徴から細胞属性を予測する
ホログラフィック画像から抽出された特徴(上記セクションI-Bを参照)と細胞属性(例えば、CAR陽性)との間の関係をモデル化するために、教師あり機械学習モデルが使用される。いくつかは互いに高度に相関することがあり得るので、モデルに対する各特徴の必要性が決定される。有意に相関する(ρ>0.7)特徴クラスタ内の独立した特徴を選択することによって、重複した特徴は除去される。残りの連続的な特徴(例えば、ビニングされていない数値として表される特徴)は、中心合わせされ、スケーリングされる。
ホログラフィック画像から抽出された特徴(上記セクションI-Bを参照)と細胞属性(例えば、CAR陽性)との間の関係をモデル化するために、教師あり機械学習モデルが使用される。いくつかは互いに高度に相関することがあり得るので、モデルに対する各特徴の必要性が決定される。有意に相関する(ρ>0.7)特徴クラスタ内の独立した特徴を選択することによって、重複した特徴は除去される。残りの連続的な特徴(例えば、ビニングされていない数値として表される特徴)は、中心合わせされ、スケーリングされる。
以下の機械学習アルゴリズムが試験される:ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ランダムフォレストおよび確率的勾配ブースティング。モデル性能に対するアルゴリズム選択の効果を評価するために、ハイパーパラメータを粗く調整し、10分割入れ子式交差検証を実行し、検証セットに対するモデル性能を比較する。特定のモデルの性能は、各分割の均衡化精度の平均として測定される。最も高い平均均衡化精度をもたらすアルゴリズムが選択されて、ハイパーパラメータの微調整を受ける。
細胞属性がドナーに依存することが判明した場合、モデルの性能をより正確に測定するために、各交差検証ラウンドは、独立したドナーに対して訓練および試験される(1個抜き)。
B. Raw画像から細胞属性を予測する
特徴に基づいてT細胞属性、例えばCAR陽性細胞を予測する代わりとして、Raw画像から属性を予測するために、機械学習を適用する。位相および強度画像を入力として受け入れ、これらの画像内の個々の細胞をセグメント化および分類し、生存CAR陽性細胞、生存CAR陰性細胞、死亡細胞、破片および細胞クラスタなどの試験された属性の総カウントを出力として提供するモデル(例えば、Mask RCNNモデル)が開発される。全ての細胞の属性が知られている非混合(純粋)CAR陽性画分および非混合(純粋)CAR陰性画分からの画像が、分類器を訓練するために使用される。モデル精度は、非混合画分および実験的に混合された画分から得られた画像におけるCAR陽性細胞の予測される割合を既知のCAR陽性頻度と比較することによって評価される。
特徴に基づいてT細胞属性、例えばCAR陽性細胞を予測する代わりとして、Raw画像から属性を予測するために、機械学習を適用する。位相および強度画像を入力として受け入れ、これらの画像内の個々の細胞をセグメント化および分類し、生存CAR陽性細胞、生存CAR陰性細胞、死亡細胞、破片および細胞クラスタなどの試験された属性の総カウントを出力として提供するモデル(例えば、Mask RCNNモデル)が開発される。全ての細胞の属性が知られている非混合(純粋)CAR陽性画分および非混合(純粋)CAR陰性画分からの画像が、分類器を訓練するために使用される。モデル精度は、非混合画分および実験的に混合された画分から得られた画像におけるCAR陽性細胞の予測される割合を既知のCAR陽性頻度と比較することによって評価される。
C. 予測性能
モデルの予測性能を決定するために、いくつかの標準的な統計的尺度が使用される。正しい予測は真陽性および真陰性として報告されるのに対して、誤った予測は偽陽性および偽陰性として報告される。これらの評価基準を使用して、モデルの感度(真陽性率とも呼ばれる)および特異度(真陰性率)が計算される。さらに、感度および特異度は、特異度よりも感度が高いまたはその逆であるモデルを生成するためのトレードオフを視覚化することができるように、受信者操作特性(ROC)曲線を構築するために使用される。ROC曲線は、モデル性能に対する要約統計量として機能する曲線下面積(AUC)の測定も可能にする。AUCスコアは0.5から1.0の範囲であり、以下のように解釈される:0.5に近いスコアは、モデルの予測が特定の属性についての細胞の陽性を無作為に推測することよりも優れていないことを示すのに対して、1.0のAUCスコアは完全な予測性能を示す。
モデルの予測性能を決定するために、いくつかの標準的な統計的尺度が使用される。正しい予測は真陽性および真陰性として報告されるのに対して、誤った予測は偽陽性および偽陰性として報告される。これらの評価基準を使用して、モデルの感度(真陽性率とも呼ばれる)および特異度(真陰性率)が計算される。さらに、感度および特異度は、特異度よりも感度が高いまたはその逆であるモデルを生成するためのトレードオフを視覚化することができるように、受信者操作特性(ROC)曲線を構築するために使用される。ROC曲線は、モデル性能に対する要約統計量として機能する曲線下面積(AUC)の測定も可能にする。AUCスコアは0.5から1.0の範囲であり、以下のように解釈される:0.5に近いスコアは、モデルの予測が特定の属性についての細胞の陽性を無作為に推測することよりも優れていないことを示すのに対して、1.0のAUCスコアは完全な予測性能を示す。
本発明は、例えば、本発明の種々の局面を例示するために提供される特定の開示された態様に範囲が限定されることは意図されない。記載される組成物および方法に対する種々の改変が本明細書における説明および教示から明らかになるであろう。かかる変形は、本開示の真の範囲および精神から逸脱することなく実施することができ、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
Claims (92)
- T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、前記複数のT細胞の各細胞からの前記画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞からの前記画像データをプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記画像データに基づいて、前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成される、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
前記画像データおよび前記決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。 - 前記プロセスは、請求項3記載の方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、
前記複数のT細胞の各細胞に関連付けられた前記画像データを前記プロセスへの入力として適用することが、前記画像データを前記畳み込みニューラルネットワークに適用することを含む、
請求項2記載の方法。 - 前記畳み込みニューラルネットワークが、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データに関してさらに訓練され、前記画像データは、前記画像データを拡大表示、傾斜、および/または回転することによって操作されている、請求項1、3および4のいずれか一項記載の方法。
- T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞に対する前記1つまたは複数の入力特徴を、前記1つまたは複数の入力特徴に基づいて前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するように構成されたプロセスに入力として適用する工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程、および1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程であって、前記1つまたは複数の次元の各次元は、前記画像データの前記形態的特徴、前記画像データの前記光学的特徴、前記画像データの前記強度特徴、前記画像データの前記位相特徴、前記画像データの前記システム特徴、またはこれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数に関連付けられている、工程;
前記特徴マップおよび前記決定された分類に基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。 - 前記プロセスが、請求項7記載の方法を使用して訓練された畳み込みニューラルネットワークを適用することを含み、
前記複数のT細胞の各細胞に関連付けられた前記画像データから決定された前記1つまたは複数の入力特徴を前記プロセスへの入力として適用することが、前記1つまたは複数の入力特徴を前記畳み込みニューラルネットワークに適用することを含む、
請求項6記載の方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記複数のT細胞の各々を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、前記複数のT細胞の各細胞に対する前記1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練された畳み込みニューラルネットワークを含み、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記入力特徴および前記決定された分類に関してニューラルネットワークを訓練する工程
を含む、方法。 - 前記プロセスが、請求項10記載の方法を使用して訓練されたニューラルネットワークを適用することを含み、
前記複数のT細胞の各細胞に関連付けられた前記画像データから決定された前記1つまたは複数の入力特徴を前記プロセスへの入力として適用することが、前記1つまたは複数の入力特徴を前記ニューラルネットワークに適用することを含む、
請求項6記載の方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、前記複数のT細胞の各細胞に対する前記1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたニューラルネットワークを含み、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
サポートベクターマシンのための超平面を決定する工程であって、前記超平面は前記第1の群と前記第2の群との間の決定境界を示す、工程
を含み、
前記超平面は、前記複数のT細胞の各細胞に対して前記画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。 - 前記プロセスが、請求項13記載の方法を使用して決定された超平面を使用してサポートベクターマシンを適用することを含み、
前記複数のT細胞の各細胞に関連付けられた前記画像データから決定された前記1つまたは複数の入力特徴を前記プロセスへの入力として適用することが、前記1つまたは複数の入力特徴を前記サポートベクターマシンに適用することを含む、
請求項6記載の方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、前記複数のT細胞の各細胞に対する前記1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関して訓練されたサポートベクターマシンを含み、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記複数のT細胞の各細胞の分類を、第1の群または第2の群に属するものとして決定する工程;および
分類プロセスのためのランダムフォレストを決定する工程であって、前記ランダムフォレストは1つまたは複数の決定木を含み、前記分類プロセスは、前記複数のT細胞の各細胞に関連付けられた前記画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴を、前記第1の群に属するまたは前記第2の群に属するものとしての前記複数のT細胞の各細胞の前記分類に関連付ける、工程
を含み、
前記1つまたは複数の決定木の決定木は、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴に基づいて決定され、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。 - 前記プロセスが、請求項16記載の方法を使用して決定されたランダムフォレストを含み、
前記第1のT細胞の前記画像に関連付けられた前記画像データから決定された前記1つまたは複数の入力特徴を前記プロセスへの入力として適用することが、前記1つまたは複数の入力特徴を前記ランダムフォレストに適用することを含む、
請求項6記載の方法。 - T細胞を含む細胞の集団の複数のT細胞の各細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、前記複数のT細胞の各細胞に対する1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程;
前記複数のT細胞の各細胞を第1の群または第2の群に属するものとして分類するために、前記複数のT細胞の各細胞に対する前記1つまたは複数の入力特徴をプロセスへの入力として適用する工程であって、前記プロセスは、前記第1の群に属することが知られているT細胞および前記第2の群に属することが知られているT細胞に関連付けられた画像データから決定された1つまたは複数の入力特徴に関するランダムフォレスト分類プロセスを含み、前記1つまたは複数の入力特徴は、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
を含む、T細胞を分類する方法。 - 前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、請求項6~18のいずれか一項記載の方法。
- 前記画像データが位相画像データおよび強度画像データである、請求項1~19のいずれか一項記載の方法。
- 前記画像データが位相画像データである、請求項1~20のいずれか一項記載の方法。
- 前記複数のT細胞が、T細胞を含む細胞の前記集団中のT細胞の約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%、または少なくとも70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%を含む、請求項1~21のいずれか一項記載の方法。
- (a)少なくとも第1および第2の異なる細胞型を含む細胞の混合集団を提供する工程であって、少なくとも前記第1の細胞型は、細胞の前記混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、工程;
(b)細胞の前記混合集団を、複数の第1の結合剤に可逆的に結合した第1の多量体化試薬と接触させる工程であって、前記第1の結合剤の各々は、前記第1の細胞型によって発現された前記表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(c)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、前記第1の結合剤に結合している前記第1の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第1の細胞のデータセットが得られ、前記単離は、前記第1の多量体化試薬を前記第1の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
を含み、
前記第1の細胞のデータセットは、前記第1の多量体化試薬および前記第1の結合剤を実質的に含まない、
機械学習モデルを訓練するための細胞のデータセットを生成する方法。 - 前記少なくとも1つの第1の細胞型が組換え表面分子を発現する、請求項23記載の方法。
- 前記組換え表面分子が組換え受容体である、請求項24記載の方法。
- 前記組換え受容体がキメラ抗原受容体またはT細胞受容体である、請求項25記載の方法。
- (c)より前に、前記方法が、前記第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の前記第2の集団は、前記第1の細胞型によって発現される前記表面分子を発現しない細胞を含み、それによって第2の細胞のデータセットを得る、請求項23~26のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1および第2の細胞型の各々が、細胞の前記混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する、請求項23~27のいずれか一項記載の方法。
- (d)細胞の前記混合集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、前記第2の結合剤の各々は、前記第2の細胞型によって発現される前記表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、前記第2の結合剤に結合している前記第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、前記単離は、前記第2の多量体化試薬を前記第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
前記第2の細胞のデータセットは、前記第2の多量体化試薬および前記第2の結合剤を実質的に含まない、
請求項23~28のいずれか一項記載の方法。 - 細胞の前記混合集団が、細胞の前記混合集団中の他の細胞型によって発現されない少なくとも1つの表面分子を発現する第3の細胞型をさらに含み、
前記方法が、
(f)細胞の前記混合集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、前記第3の結合剤の各々は、前記第3の細胞型によって発現される前記表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、前記第3の結合剤に結合している前記第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、前記単離は、前記第3の多量体化試薬を前記第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
前記第3の細胞のデータセットは、前記第3の多量体化試薬および前記第3の結合剤を実質的に含まない、
請求項29記載の方法。 - 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、請求項23~29のいずれか一項記載の方法。
- (c)より前に、前記方法が、前記第1の結合剤に結合されていない細胞の第2の集団を産生し、細胞の前記第2の集団は、前記第1の細胞型によって発現される前記表面分子を発現しない細胞を含み、
前記方法が、
(d)細胞の前記第2の集団を、複数の第2の結合剤に可逆的に結合した第2の多量体化試薬と接触させる工程であって、前記第2の結合剤の各々は、前記第2の細胞型によって発現される前記表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(e)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、前記第2の結合剤に結合している前記第2の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第2の細胞のデータセットが得られ、前記単離は、前記第2の多量体化試薬を前記第2の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
前記第2の細胞のデータセットは、前記第2の多量体化試薬および前記第2の結合剤を実質的に含まない、
請求項23~28のいずれか一項記載の方法。 - (e)より前に、前記方法が、前記第2の結合剤に結合されていない細胞の第3の集団を産生し、細胞の前記第3の集団は、前記第1の細胞型および前記第2の細胞型によって発現される前記表面分子を発現しない細胞を含み、
前記方法が、
(f)細胞の前記第3の集団を、複数の第3の結合剤に可逆的に結合した第3の多量体化試薬と接触させる工程であって、前記第3の結合剤の各々は、前記第3の細胞型によって発現される前記表面分子を結合することができる一価結合部位を含む、工程;および
(g)免疫親和性に基づくクロマトグラフィーによって、前記第3の結合剤に結合している前記第3の細胞型の1つまたは複数の細胞を単離する工程であって、それによって第3の細胞のデータセットが得られ、前記単離は、前記第3の多量体化試薬を前記第3の結合剤から可逆的に解離させるための条件下で行われる、工程
をさらに含み、
前記第3の細胞のデータセットは、前記第3の多量体化試薬および前記第3の結合剤を実質的に含まない、
請求項32記載の方法。 - 1つまたは複数のさらなる異なる細胞型に対して繰り返される、請求項23~28、32および33のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1および第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の一方であり、前記第2の細胞型が(i)CD4+T細胞および(ii)CD8+T細胞の他方である、請求項23~34のいずれか一項記載の方法。
- 前記接触させる工程が、前記第1の結合剤に可逆的に結合した前記第1の多量体化試薬が固定化されている固定相を含むクロマトグラフィーカラムに前記細胞を添加することによって行われる、請求項23~35のいずれか一項記載の方法。
- 前記接触させる工程が、前記第2の結合剤に可逆的に結合した前記第2の多量体化試薬が固定化されている固定相を含むクロマトグラフィーカラムに前記細胞を添加することによって行われる、請求項29~36のいずれか一項記載の方法。
- 前記接触させる工程が、前記第3の結合剤に可逆的に結合した前記第3の多量体化試薬が固定化されている固定相を含むクロマトグラフィーカラムに前記細胞を添加することによって行われる、請求項30~37のいずれか一項記載の方法。
- 前記単離する工程が、前記クロマトグラフィーカラムから前記細胞を溶出することを含む、請求項23~38のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1の細胞のデータセットの前記細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、請求項23~39のいずれか一項記載の方法。 - 前記第2の細胞のデータセットの前記細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、請求項27~40のいずれか一項記載の方法。 - 前記第3の細胞のデータセットの前記細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程であって、前記画像データは、位相画像データ、強度画像データ、および重ね合わせ画像データのうちの1つまたは複数を含む、工程
をさらに含む、請求項30~41のいずれか一項記載の方法。 - 前記第1の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴が、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、請求項23~42のいずれか一項記載の方法。 - 前記第2の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴が、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、請求項27~43のいずれか一項記載の方法。 - 前記第3の細胞のデータセットの細胞に関連付けられた画像データを受け取る工程;
前記画像データから、1つまたは複数の入力特徴を決定する工程であって、前記1つまたは複数の入力特徴が、前記画像データの形態的特徴、前記画像データの光学的特徴、前記画像データの強度特徴、前記画像データの位相特徴、前記画像データのシステム特徴、またはこれらの任意の組み合わせを含む、工程
をさらに含む、請求項30~44のいずれか一項記載の方法。 - 前記画像データから、1つまたは複数の次元を有する特徴マップを生成する工程;
前記特徴マップに基づいて畳み込みニューラルネットワークを訓練する工程
をさらに含む、請求項40、41または42のいずれか一項記載の方法。 - 前記入力特徴に関してニューラルネットワークを訓練する工程をさらに含む、請求項43、44または45のいずれか一項記載の方法。
- サポートベクターマシンに関連付けられた超平面を決定する工程をさらに含み、
前記決定する工程は、前記1つまたは複数の入力特徴に基づく、
請求項43、44、または45のいずれか一項記載の方法。 - ランダムフォレストの1つまたは複数の決定木を決定する工程をさらに含み、
前記決定する工程は、前記1つまたは複数の入力特徴に基づく、
請求項43、44、または45のいずれか一項記載の方法。 - 前記画像データが、微分デジタルホログラフィック顕微鏡法(DDHM)を使用して得られる、請求項1~22および40~49のいずれか一項記載の方法。
- 前記画像データが、約20倍の対物レンズを使用して得られる、請求項1~22および40~50のいずれか一項記載の方法。
- 前記画像データが、CCDカメラを使用して得られる、請求項1~22および40~51のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞のアスペクト比、細胞の深さ、細胞の面積、細胞記述子、細胞識別子、画像識別子、オブジェクト識別子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、前記細胞の円形度、前記細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、前記細胞の伸長、前記細胞の直径、ピーク直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、前記細胞の画像の強度コントラスト、前記細胞の画像の強度相関、前記細胞の画像の強度エントロピー、前記細胞の画像の強度均質性、前記細胞の最大強度、前記細胞の平均強度、前記細胞の最小強度 前記細胞の画像の強度歪度、前記細胞の画像の強度平滑度、前記細胞の画像の強度分散、前記細胞の画像の強度均一性、前記細胞の前記強度が最大である平面、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示、前記細胞の質量偏心度、ラジアンでの前記細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの前記細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の平均光学的高さ、前記細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの前記細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の最小光学的高さ、ラジアンでの前記細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの前記細胞の画像の位相の光学的高さの分散、前記細胞の光学的体積、前記細胞の屈折ピークの面積、前記細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、前記細胞の屈折ピークの数、前記細胞の屈折ピークの強度、前記細胞の正規化された屈折ピーク高さ、周囲長、前記細胞の位相画像の平均強度コントラスト、前記細胞の位相画像の平均エントロピー、前記細胞の平均位相、前記細胞の平均位相均一性、前記細胞の位相強度コントラスト、前記細胞の位相相関、前記細胞の位相エントロピー特徴、前記細胞の位相均質性、前記細胞の位相歪度、前記細胞の位相平滑度、前記細胞の位相均一性、前記細胞の半径の平均、前記細胞の半径の分散、および前記細胞の正規化された半径分散の1つまたは複数を含む、請求項6~22および43~52のいずれか一項記載の方法。
- 前記入力特徴が、約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個、または少なくとも70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1個の入力特徴を含む、請求項6~22および43~53のいずれか一項記載の方法。
- 前記入力特徴が、約1~約70、約1~約60、約1~約50、約1~約40、約1~約30、約1~約20、約1~約15、約1~約10、または約1~約5個の入力特徴を含む、請求項6~22および43~54のいずれか一項記載の方法。
- 前記入力特徴が、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満、または約70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、請求項6~22および43~55のいずれか一項記載の方法。
- 前記入力特徴が、20、15、10、もしくは5個未満、または約20、15、10、もしくは5個未満の入力特徴を含む、請求項6~22および43~56のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞のアスペクト比、前記細胞の面積、前記細胞の円形度、前記細胞の稠密度、正規化されたアスペクト比、前記細胞の伸長、前記細胞の直径、huモーメント不変量1、huモーメント不変量2、huモーメント不変量3、huモーメント不変量4、huモーメント不変量5、huモーメント不変量6、huモーメント不変量7、周囲長、前記細胞の半径の平均、前記細胞の半径の分散、および正規化された半径分散のうちの1つまたは複数から選択される前記画像データの形態的特徴である、請求項6~22および43~57のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が前記細胞の面積である、請求項6~22および43~58のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の直径、前記細胞の最大強度、前記細胞の平均強度、前記細胞の最小強度、前記細胞の質量偏心度、ラジアンでの前記細胞の最大光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の最大光学的高さ、ラジアンでの前記細胞の平均光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の平均光学的高さ、前記細胞の正規化された光学的高さ、ラジアンでの前記細胞の最小光学的高さ、ミクロンでの前記細胞の最小光学的高さ、前記細胞の光学的体積、前記細胞の屈折ピークの面積、前記細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、前記細胞の屈折ピークの数、細胞の屈折ピークの強度、および前記細胞の正規化された屈折ピーク高さのうちの1つまたは複数から選択される前記画像データの光学的特徴である、請求項6~22および43~59のいずれか一項記載の方法。
- 前記入力特徴のうちの前記1つまたは複数が、平均強度コントラスト、平均エントロピー、平均強度、平均強度均一性、前記細胞の画像の強度コントラスト、前記細胞の画像の強度相関、前記細胞の画像の強度エントロピー、前記細胞の画像の強度均質性、前記細胞の画像の強度歪度、前記細胞の画像の強度平滑度、前記細胞の画像の強度分散、前記細胞の前記強度が最大である平面、および前記細胞の画像の強度均一性のうちの1つまたは複数から選択される前記画像データの強度特徴である、請求項6~22および43~60のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、ラジアンでの前記細胞の画像の位相の光学的高さの分散、ミクロンでの前記細胞の画像の位相の光学的高さの分散、前記細胞の位相画像の平均強度コントラスト、前記細胞の位相画像の平均エントロピー、前記細胞の平均位相、前記細胞の平均位相均一性、前記細胞の位相強度コントラスト、前記細胞の位相相関、前記細胞の位相エントロピー特徴、前記細胞の位相均質性、細胞の位相歪度、細胞の位相平滑度、および前記細胞の位相均一性のうちの1つまたは複数から選択される前記画像データの位相特徴である、請求項6~22および43~61のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の位相相関であるか、または前記細胞の位相相関を含む、請求項6~22および43~62のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力が、細胞の深さ、識別された細胞、画像識別子、細胞記述子、X軸に沿った重心、Y軸に沿った重心、オブジェクト識別子、細胞が視野の境界に沿って位置するという表示、および屈折ピークが視野の境界に沿って位置するという表示のうちの1つまたは複数から選択される前記画像データのシステム特徴である、請求項6~22および43~63のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、細胞の深さであるか、または細胞の深さを含む、請求項6~22および43~64のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1の群および第2の群が、生存、死亡、CD4+、CD8+、組換え受容体陽性、または組換え受容体陰性から選択される1つまたは複数の細胞属性によって定義され、前記第1の群および第2の群が少なくとも1つの異なる属性を含む、請求項1~22および50~65のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1または第2の群の一方が前記属性生存を含み、他方の群が前記属性死亡を含む、請求項1~22および50~66のいずれか一項記載の方法。
- 前記属性死亡が非生存細胞および破片を含む、請求項66または請求項67記載の方法。
- 前記属性生存が、単一の生存細胞または生存細胞のクラスタを含む、請求項66または請求項67記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の位相相関、前記細胞の面積、前記細胞の屈折ピークの数、細胞の位相歪度、ピーク直径、前記細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、前記細胞の半径の分散、前記細胞の画像の強度均一性、前記細胞の稠密度、前記細胞の位相強度コントラスト、正規化された半径分散、および前記細胞の円形度を含む、請求項6~22および43~69のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の位相相関を含む、請求項6~22および43~70のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が前記細胞の面積を含む、請求項6~22および43~71のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1または第2の群の一方が前記属性CD4+を含み、他方の群が前記属性CD8+を含む、請求項6~22および50~66のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の平均位相均一性、前記ピーク直径、前記細胞の正規化された屈折ピーク高さ、前記細胞の平均位相、前記細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの前記細胞の最小光学的高さ、前記細胞の稠密度、前記細胞の円形度、細胞の位相平滑度、前記細胞の画像の強度均質性、前記細胞の前記強度が最大である平面、前記細胞の屈折ピークの面積、前記細胞の位相相関、細胞の深さ、前記細胞の画像の強度コントラスト、前記細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、前記細胞の画像の強度平滑度、前記細胞の位相強度コントラスト、前記細胞の最大光学的高さ、前記細胞の平均強度コントラスト、前記細胞の平均強度均一性、前記細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、前記細胞の画像の強度分散、平均エントロピー、および前記細胞の画像の強度相関を含む、請求項6~22、43~66、および73のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、細胞の深さ、前記細胞の画像の強度コントラスト、前記細胞の画像の強度均一性、正規化された半径分散、前記細胞の画像の強度平滑度、前記細胞の位相強度コントラスト、ミクロンでの前記細胞の最大光学的高さ、前記細胞の平均強度コントラスト、前記細胞の平均強度均一性、前記細胞の画像の強度歪度、huモーメント不変量1、前記細胞の画像の強度分散、平均エントロピー、および前記細胞の画像の強度相関を含む、請求項6~22、43~66、73、および74のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が細胞の深さを含む、請求項6~22、43~66、および73~75のいずれか一項記載の方法。
- 前記1つまたは複数の入力特徴が、前記細胞の平均位相均一性、ピーク直径、前記細胞の正規化された屈折ピーク高さ、前記細胞の平均位相、前記細胞の面積によって正規化された屈折ピーク面積、ミクロンでの最小光学的高さ、前記細胞の稠密度、前記細胞の円形度、細胞の位相平滑度、前記細胞の画像の強度均質性、前記細胞の前記強度が最大である平面、前記細胞の屈折ピークの面積、および前記細胞の位相相関を含む、請求項6~22、43~66、73、および74のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1または第2の群の一方が前記属性組換え受容体陽性を含み、他方の群が前記属性組換え受容体陰性を含む、請求項6~22および50~66のいずれか一項記載の方法。
- T細胞を含む細胞の前記集団が、
任意で生物学的試料から濃縮または精製されたT細胞集団を混合することによって得られてもよい、生物学的試料から濃縮もしくは精製されたT細胞の集団または混合されたT細胞サブタイプの集団
を含む、請求項1~78のいずれか一項記載の方法。 - 前記生物学的試料が、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核球(PBMC)試料、非分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、血液浄化療法産物、または白血球除去療法産物を含む、請求項79記載の方法。
- T細胞を含む細胞の前記集団が、対象から得られた初代細胞を含む、請求項1~80のいずれか一項記載の方法。
- T細胞を含む細胞の前記集団が、組換え受容体を含むベクターで形質導入されたT細胞の集団を含む、請求項1~81のいずれか一項記載の方法。
- 1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の前記集団が、治療用T細胞組成物を生成するための製造を受けているT細胞の集団を含む、請求項1~82のいずれか一項記載の方法。
- 第1の群に属することが知られている前記T細胞および第2の群に属することが知られているT細胞が、治療用T細胞組成物を生成するための製造を受けているT細胞であるか、またはそれを含む、請求項1~83のいずれか一項記載の方法。
- 第1の群に属することが知られている前記T細胞および第2の群に属することが知られているT細胞の前記製造が、1つまたは複数のT細胞が分類されるT細胞の前記集団の前記製造と同一またはほぼ同一である、請求項84記載の方法。
- 前記製造が、組換え受容体を含むベクターによる前記T細胞集団の形質導入後のインキュベーション工程を含む、請求項83~85のいずれか一項記載の方法。
- 前記組換え受容体がキメラ抗原受容体(CAR)である、請求項24~66および78~86のいずれか一項記載の方法。
- T細胞を含む細胞の集団の前記1つまたは複数のT細胞が、前記インキュベーション工程の間の異なる時点で分類される、請求項86または請求項87記載の方法。
- T細胞を含む細胞の集団の前記1つまたは複数のT細胞が、前記インキュベーション期間の間にわたって継続的に分類される、請求項86または請求項87記載の方法。
- T細胞を含む細胞の集団の前記1つまたは複数のT細胞を分類することが、閉じた系で行われる、請求項1~22および50~89のいずれか一項記載の方法。
- 前記閉じた系が無菌である、請求項90記載の方法。
- 前記閉じた系が自動化されている、請求項90または請求項91記載の方法。
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