JP2022545883A - C8芳香族炭化水素の異性化法 - Google Patents

C8芳香族炭化水素の異性化法 Download PDF

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Abstract

≧100質量ppmの供給速度で分子状水素を同時供給するステップを含む液相異性化法は、異性化触媒の存在下、≧5時間-1という高いWHSVでさえも触媒の非常に低い失活速度で、C8芳香族炭化水素異性化フィードを効率的に変換することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月23日出願の米国特許出願第62/890,935号、および2019年11月14日出願の欧州特許出願第19209114.8号の優先権および利益を主張し、それらの開示は、それらを参照することにより本明細書に組み込まれている。
本開示は、C8芳香族炭化水素の異性化に関する。特に、本開示は、C8芳香族炭化水素の大部分が液相中に存在する条件下でのC8芳香族炭化水素の異性化に関する。本開示は、例えば、p-キシレンを生成する方法に有用である。
高純度p-キシレン生成物は、通常、p-キシレン分離/回収システムにおいて、p-キシレン、o-キシレン、m-キシレンおよび任意にエチルベンゼン(「EB」)を含むp-キシレンに富む芳香族炭化水素混合物からp-キシレンを分離することによって生成される。このp-キシレン回収システムは、例えば、先行技術において公知の晶析装置および/または吸着クロマトグラフィー分離システムを含むことができる。p-キシレン回収システム(p-キシレン結晶の分離時の晶析装置からの「ろ液」または吸着クロマトグラフィー分離システムに由来する「ラフィネート」、本開示では、まとめて「ラフィネート」)から生成したp-キシレンが枯渇したストリームは、m-キシレンおよびо-キシレンに富んでおり、通常、m-キシレン、o-キシレンおよびp-キシレンからなる平衡混合物中のp-キシレンの濃度未満の濃度でp-キシレンを含有している。p-キシレンの収量を増加させるため、ラフィネートストリームを異性化ユニットに供給することができ、このユニットにおいて、キシレンは、異性化触媒システムに接触して異性化反応を受けて、ラフィネートに比べてp-キシレンに富む異性化した排出液を生成する。異性化ユニットにおいて生成され得る軽質炭化水素の任意選択の分離および除去後の、異性化後の排出液の少なくとも一部は、p-キシレン回収システムにリサイクルされて、「キシレンループ」を形成することができる。
異性化触媒の存在下での蒸気相中にC8芳香族炭化水素が実質的に存在する条件下で、キシレンの異性化を行うことができる(蒸気相での異性化(vapor-phase isomerization)、すなわち「VPI」)。
異性化触媒の存在下で、かなりの低温においてキシレンの異性化が可能となる一層の新世代技術が開発されており、C8芳香族炭化水素は、液相に実質的に存在している(液相異性化(liquid-phase isomerization)すなわち「LPI」)。従来のVPIに比べLPIを使用すると、C8芳香族フィードを処理するために必要な相変化(液体から蒸気、蒸気から液体)の数を低減することができる。これによって、著しいエネルギー削減の形態で、持続性という利点を伴う方法が実現される。VPIユニットに加え、またはその代わりに、LPIユニットを配置することは、いずれのp-キシレン生産プラントにとっても非常に有利になると思われる。LPIのない既存のp-キシレン生産設備の場合、VPIユニットを補完(compliment)するためにLPIユニットを追加すること、またはVPIユニットに置きかえることが非常に有利であると思われる。
上記のために有用な例示的LPIプロセスおよび触媒システムは、米国特許出願公開第2011/0263918号および同第2011/0319688号、同第2017/0297977号、同第2016/0257631号、および米国特許第9,890,094号に記載されており、それらのすべての全内容が、参照により本明細書に組み込まれている。これらの参照文献に記載されているLPIプロセスにおいて、通常、MFIフレームワーク型ゼオライト(例えば、ZSM-5)が、触媒として使用される。
LPIプロセスの多数の利点およびこの技術を展開する必要性があるため、この技術における改善がやはり必要とされている。LPI触媒は、とりわけ、高い時間あたりの質量空間速度(「WHSV」)において、様々な失活速度で経時的にエイジングを経験することが見出されている。LPIプロセスにおいて、触媒の失活が低減されて、触媒の寿命を長く、こうして、触媒再生および交換のための費用を削減することが可能になることが非常に望ましいと思われる。
本開示は、この必要性および他の必要性を満たす。
LPIプロセスにおいて、C8芳香族炭化水素フィードの液相と共に、少なくとも100ppmという高い供給速度で分子状水素を同時供給することによって、少なくとも5時間-1、および少なくとも20時間-1の高いWHSVでさえも、異性化触媒の失活をかなり低減することができることが見出されている。
したがって、本開示の第1の態様は、その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給される、ステップと、異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、異性化反応器において1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および反応温度、ならびに5時間-1~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含む、ステップと、を含む、方法に関する。
本開示の第2の態様は、その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給される、ステップと、異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および200~300℃の反応温度、ならびに5時間-1~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含み、異性化排出液が、p-キシレンを異性化炭化水素フィードよりも高い濃度で含む、ステップと、異性化排出液からp-キシレンの少なくとも一部を回収するステップと、を含む、p-キシレンを生成する方法に関する。
本開示のシミュレートされたLPIプロセスにおける、様々なWHSVでの、反応温度の関数としてのp-キシレン/キシレンを示すグラフである。 本開示のシミュレートされたLPIプロセスにおける、様々なWHSVでの、反応温度の関数としてのキシレン損失を示すグラフである。 本開示のシミュレートされたLPIプロセスにおける、2.5時-1のWHSVでの反応温度の関数としての異性化触媒の相対活性損失を示すグラフである。 本開示のシミュレートされたLPIプロセスにおける、様々な温度でのp-キシレン/キシレンの関数としての異性化触媒の活性低下を示すグラフである。 ナフサの改質からp-キシレン生成物を生成する芳香族生産複合施設の概略図である。 様々な異性化条件下で稼働したLPIプロセスの異性化触媒のグラムあたりのフィードの累積グラム数(「CGpGC」)の関数としての異性化排出液中のp-キシレン濃度を示すグラフであり、特に、分子状水素の様々な供給速度および様々なWHSV下で様々な触媒失活速度となることを実証している。 異性化炭化水素フィードに9ppmで分子状水素を吹き込むことおよび約1質量%の低濃度でエチルベンゼンを含むC8芳香族炭化水素フィードを供給することを含む異性化条件下で稼働した、WHSVの関数としての、同等なLPIプロセスの異性化排出液中のp-キシレン濃度を示しており、異性化炭化水素フィード中に低い濃度の分子状水素の存在下では、触媒失活が速いことを実証している。 異性化炭化水素フィードが、9質量%という高い濃度でp-キシレンを含む場合の、4時間-1のWHSV下であるが、LPI反応器への同時供給を行わずに稼働した、ストリームに対する時間の関数としての別の同等なLPIプロセスの異性化排出液中のp-キシレン濃度(質量%)を示すグラフであり、異性化炭化水素フィードが、触媒失活を引き起こす可能性がより低いと推定される場合でさえも、分子状水素の同時供給の非存在下では、触媒失活が速いことを実証している。
これより、特許請求された発明を理解する目的のために、本明細書において採用した好ましい実施形態および定義を含めた、本発明の様々な特定の実施形態、変形および例を記載する。以下の詳細説明は、特定の好ましい実施形態を示しているが、当業者は、これらの実施形態は、例示的なものに過ぎないこと、および本発明は他の方法でも実施することができることを理解しているであろう。抵触を判定する目的で、本発明の範囲は、その均等物、および引用されているものと等価な要素または限定を含めた、添付の特許請求の範囲のうちのいずれか1つまたは複数を指すであろう。「発明」という言及のいずれも、特許請求の範囲によって定義される本発明の1つまたは複数、必ずしもではないが、すべてを指すことができる。
本開示において、方法は、少なくとも1つの「ステップ」を含むと記載されている。各ステップとは、連続的または断続的に、この方法において1回または複数回、行われ得る、動作または操作のことであることを理解すべきである。それとは反対のことが指定されない限り、または文脈が他に明確に示さない限り、方法における複数のステップは、それらのステップが列挙されている順序で、1つもしくは複数の他のステップと重なって、または重ならないで、逐次に行われてもよく、あるいは場合によって、任意の他の順序で行われてもよい。さらに、1つもしくは複数のステップ、またはすべてのステップでさえも、材料の同じ回分または異なる回分に関して、同時に行われてもよい。例えば、連続法では、ある方法における第1のステップは、該方法の開始にちょうど供給される原料に関して行われる一方、第2のステップは、第1のステップにおけるより早い時間にその方法に供給された原料の処理から生じた中間物質と同時に行ってもよい。好ましくは、ステップは、記載されている順序で行われる。
特に示さない限り、本開示において量を示す数はすべて、すべての場合において、語「約」によって修飾されていると理解すべきである。本明細書および特許請求の範囲において使用される正確な数値が、具体的な実施形態を構成するとやはり理解すべきである。実施例において、データの正確性を確実にするよう努力を行っている。しかし、測定したいかなるデータも、測定を行うために使用した技法および装置の限界による、あるレベルの誤差を本質的に含むことを理解すべきである。
本明細書で使用する場合、反対のことを指定しない限り、または文脈が他に明確に示さない限り、不定冠詞「a」または「an」は、「少なくとも1つ」を意味するものとする。したがって、「1つの分別カラム」を使用する実施形態は、反対のことを指定しない限り、または文脈が1本の分別カラムしか使用しないと明確に示されていない限り、1本、2本またはそれより多い分別カラムが使用される実施形態を含む。
「から本質的になる」は、本明細書で使用する場合、組成物、フィードまたは排出液は、問題にしている、組成物、フィードまたは排出液の総質量に対して、少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも70質量%、より好ましくは少なくとも80質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、さらにより好ましくは少なくとも95質量%の濃度で所与の構成成分を含むことを意味する。
「実質的に全体的に」は、少なくとも95質量%、好ましくは≧98質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは≧99.5質量%、好ましくは≧99.9質量%を意味する。したがって、反応器中で、C8芳香族炭化水素が液相中に実質的に全体的に存在する場合、反応器中で、このようなC8芳香族炭化水素の少なくとも95質量%、好ましくは≧98質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは≧99.5質量%、好ましくは≧99.9質量%が液相中に存在する。分子状水素が、液相中の異性化炭化水素フィードに、実質的に全体的に溶解している場合、このような分子状水素の少なくとも95質量%、好ましくは≧98質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは≧99.5質量%、好ましくは≧99.9質量%が、液相中の異性化炭化水素フィードに溶解している。
用語「炭化水素」は、(i)水素および炭素原子からなる任意の化合物、または(ii)(i)中の2種以上のこのような化合物の任意の混合物を意味する。用語「Cn炭化水素」(nは正の整数である)は、(i)その分子中に合計数でn個の炭素原子を含む任意の炭化水素化合物、または(ii)(i)における2種以上のこのような炭化水素化合物の任意の混合物を意味する。したがって、C2炭化水素は、エタン、エチレン、アセチレン、または任意の割合のそれらのうちの少なくとも2つの混合物とすることができる。「CmからCnまでの炭化水素」または「Cm~Cn炭化水素」(mはおよびnは、正の整数であり、m<nである)は、Cm、Cm+1、Cm+2、…、Cn-1、Cnの炭化水素のいずれか、またはそれらの2種以上の任意の混合物を意味する。したがって、「C2からC3までの炭化水素」または「C2~C3炭化水素」は、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロペン、プロピン、プロパジエン、シクロプロパンのいずれか、およびこれらの構成成分間で任意の割合のそれらの2種以上の任意の混合物とすることができる。「飽和C2~C3炭化水素」は、エタン、プロパン、シクロプロパン、または任意の割合のそれらの2種以上の任意の混合物とすることができる。「Cn+炭化水素」は、(i)その分子中に合計数で少なくともn個の炭素原子を含む任意の炭化水素化合物、または(ii)(i)における2種以上のこのような炭化水素化合物の任意の混合物を意味する。「Cn-炭化水素」は、(i)その分子中に合計数で最大でもn個の炭素原子を含む任意の炭化水素化合物、または(ii)(i)における2種以上のこのような炭化水素化合物の任意の混合物を意味する。「Cm炭化水素ストリーム」は、Cm炭化水素から本質的になる、炭化水素ストリームを意味する。「Cm~Cn炭化水素ストリーム」は、Cm~Cn炭化水素から本質的になる、炭化水素ストリームを意味する。
本開示における「軽質炭化水素」は、任意のC5-炭化水素を意味する。
「液相異性化」および「LPI」は、互換的に、異性化触媒の存在下で、異性化ゾーンでのC8芳香族炭化水素の異性化プロセスを意味し、これによって、キシレンは、異性化ゾーンに存在するC8芳香族炭化水素が液相中に実質的に存在するような異性化条件下で異性化する。「実質的に液相中に」は、≧80質量%、好ましくは≧85質量%、好ましくは≧90質量%、好ましくは≧95質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは全部が、液相中に存在することを意味する。このような異性化条件は、液相異性化条件と呼ばれる。
「蒸気相異性化」および「VPI」は、互換的に、異性化触媒の存在下で、異性化ゾーンにおけるC8芳香族炭化水素の異性化プロセスを意味し、これによって、キシレンは、異性化ゾーンに存在するキシレンが蒸気相中に実質的に存在するような異性化条件下で異性化する。「実質的に蒸気相中に」は、≧90質量%、好ましくは≧95質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは全部が、蒸気相中に存在することを意味する。このような異性化条件は、蒸気相異性化条件と呼ばれる。
本明細書で使用する場合、「質量%」とは、質量基準の百分率を意味し、「体積%」とは、体積基準の百分率を意味し、「mol%」は、モル基準の百分率を意味し、「ppm」は、百万分率を意味し、「ppm質量」および「wppm」は、互換的に使用されて、質量基準の百万分率を意味する。本明細書における濃度はすべて、問題の組成物の総量に対して表現される。本明細書において表現される範囲はすべて、指定されない限り、またはそれと反対のことを示さない限り、2つの特定の実施形態として両方の端点を含むべきである。
本明細書において使用されている、元素およびその群の命名法は、1988年以降の国際純正・応用化学連合によって使用されている周期表に準ずる。周期表の例は、Advanced Inorganic Chemistry, 6th Edition, by F. Albert Cotton et al. (John Wiley & Sons, Inc., 1999)の表紙の内側の頁に表示されている。
本開示の方法は、p-キシレンを高濃度で含むp-キシレン生成物、および/またはo-キシレンを高濃度で含むo-キシレン生成物、および/またはm-キシレンを高濃度で含むm-キシレン生成物を製造するために使用することができる。m-キシレンよりもp-キシレンおよびo-キシレンの方が、経済的価値が高いことを考慮すると、本開示の方法は、p-キシレンおよび/またはo-キシレン生成物、より好ましくはp-キシレン生成物を製造するために好ましくは使用される。典型的なC8芳香族炭化水素異性化法では、キシレンを非平衡濃度で含むC8芳香族炭化水素フィードが、異性化反応器中、異性化条件下でキシレンの変換を行うためのある期間、異性化触媒と接触させると、それらの平衡濃度により近い濃度でキシレンを含む異性化排出液が生成して、異性化反応器から出る。したがって、p-キシレン生成物を生成する目的に関すると、異性化反応器に供給されるC8芳香族炭化水素フィードは、通常、(i)異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、p-キシレンをキシレン混合物中のその平衡濃度よりもかなり低い濃度で、および(ii)異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、o-キシレンおよびm-キシレンをそれらの合計した平衡濃度よりもかなり高い合計濃度で含む。異性化反応器中、異性化条件下で異性化触媒に接触させると、m-キシレンおよび/またはo-キシレンの一部はp-キシレンに変換されて、排出液中、キシレンの総量に対して、p-キシレンを一層高い濃度で含む異性化排出液を生成する。異性化排出液中のキシレンの総量に対するp-キシレン濃度は、キシレン混合物中で、その平衡濃度に近いことが非常に望ましい。排出液中のp-キシレンの増加した量が回収されて、p-キシレン生成物を生成することができる。「キシレン混合物」は、p-キシレン、m-キシレンおよびo-キシレンからなる混合物を意味する。
本開示の方法は、異性化反応器へのかなりの量の分子状水素の同時供給を含むLPIステップを含む。このようなかなりの量の分子状水素が存在すると、≧5.0、≧7.5、≧10、≧12.5、≧15、≧17.5、および≧20時間-1の高いWHSVでさえも、LPI触媒の失活速度を有意に低下させることができることが、驚くべきことに見出された。
本開示の方法の様々な実施形態は、その中に配設されているキシレン異性化触媒を有する反応器に、C8炭化水素および分子状水素を含むフィードを導入するステップであって、異性化炭化水素フィードが、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100p質量pm~5000質量ppmの分子状水素を含む、ステップと、キシレン異性化触媒の存在下で、実質的に液相中にある異性化炭化水素フィードを反応させて、異性化炭化水素フィード中のパラ-キシレンの濃度よりもパラ-キシレンの濃度が増加した異性化排出液を生成するステップであって、異性化炭化水素フィードが、約5時間-1~約20時間-1の質量時間空間速度で、約1,700kPa~約3,500kPaのゲージ圧下でキシレン異性化触媒に接触する、ステップと、を含む。
この開示の方法におけるC8芳香族炭化水素を含む異性化炭化水素フィード
異性化反応器に向かうC8芳香族炭化水素を含む異性化炭化水素フィードは、様々な濃度の複数のキシレンの1種を含むことができる。例えば、異性化炭化水素フィードは、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、c(キシレン)1~c(キシレン)2質量%の全濃度でキシレンを含むことができ、c(キシレン)1およびc(キシレン)2は、c(キシレン)1<c(キシレン)2である限り、独立して、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100にもなり得る。好ましくは、c(キシレン)1=70である。より好ましくは、c(キシレン)1=80である。好ましくは、異性化炭化水素フィードは、キシレンから実質的になる。
異性化炭化水素フィードは、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、例えば、c(EB)1~c(EB)2質量%の様々な濃度でエチルベンゼンを含むことができ、c(EB)1およびc(EB)2は、c(EB)1<c(EB)2である限り、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30とすることができる。好ましくは、C(EB)2=20である。好ましくは、C(EB)2=10である。好ましくは、C(EB)2=5である。
p-キシレン生成物を生成する目的に関すると、異性化ゾーンに向かうC8芳香族炭化水素を含む異性化炭化水素フィードは、異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、p-キシレンを、平衡キシレン混合物中のその濃度よりも低い濃度で含むことが非常に望ましい。したがって、異性化炭化水素フィード中のp-キシレンは、異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、c(pX)1~c(pX)2質量%の範囲のc(pX)濃度を有することができ、ここで、c(pX)1およびc(pX)2は、c(pX)1<c(pX)2である限り、独立して、例えば、0、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30とすることができる。好ましくは、c(pX)2=20である。好ましくは、c(pX)2=15である。好ましくは、c(pX)2=12である。好ましくは、c(pX)2=10である。好ましくは、c(pX)2=8である。好ましくは、c(pX)2=6である。好ましくは、c(pX)2=5である。好ましくは、c(pX)2=4である。好ましくは、c(pX)2=2である。好ましくは、c(pX)2=1である。異性化炭化水素フィード中のm-キシレンは、異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、c(mX)1~c(mX)2質量%の範囲のc(mX)濃度を有することができ、ここで、c(mX)1およびc(mX)2は、c(mX)1<c(mX)2である限り、独立して、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95とすることができる。好ましくは、c(mX)1=30およびc(mX)2=80である。好ましくは、c(mX)1=40およびc(mX)2=80である。異性化炭化水素フィード中のo-キシレンは、異性化炭化水素フィード中のキシレンの総量に対して、c(oX)1~c(oX)2質量%の範囲のc(oX)濃度を有することができ、ここで、c(oX)1およびc(oX)2は、c(oX)1<c(oX)2である限り、独立して、例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95とすることができる。好ましくは、c(oX)1=10およびc(oX)2=80である。好ましくは、c(oX)1=10およびc(oX)2=60である。好ましくは、c(oX)1=10およびc(oX)2=50である。好ましくは、c(oX)1=15およびc(oX)2=30である。このようなフィードは、p-キシレン回収サブシステム、例えば、吸着クロマトグラフィーに基づく分離技術を使用するシステムを出るラフィネートストリームとすることができる。
異性化炭化水素フィードは、望ましくは少量であるが、ベンゼン、トルエンおよびC9+炭化水素を含んでもよい。異性化炭化水素フィードは、ベンゼンおよびトルエンを合わせて、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、c(BT)1~c(BT)2質量%の範囲で含んでもよく、この場合、c(BT)1およびc(BT)2は、c(BT)1<c(BT)2である限り、独立して、例えば、0.01、0.1、1.0、2.0、3.0、5.0、8.0、10.0、15.0、20.0とすることができる。好ましくは、c(BT)2=10.0である。好ましくは、c(BT)2=5.0である。好ましくは、c(BT)2=3.0である。トルエンは、ベンゼンとトルエンとの間の一次構成成分とすることができる。例えば、異性化炭化水素フィードは、ベンゼンを実質的に含み得ない。異性化炭化水素フィードは、C9+炭化水素を、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、合計でc(C9+)1~c(C9+)2質量%の範囲で含んでもよく、この場合、c(C9+)1およびc(C9+)2は、c(C9+)1<c(C9+)2である限り、独立して、例えば、0.01、0.1、1.0、5.0、10.0、20.0とすることができる。
本開示の方法の様々な実施形態では、C8芳香族炭化水素を含む異性化炭化水素フィードの少なくとも80質量%、好ましくは≧85質量%、好ましくは≧90質量%、好ましくは95質量%、好ましくは≧98質量%、好ましくは≧99質量%、好ましくは約100質量%が、異性化反応器への入口において、液相中に存在する。異性化炭化水素フィードは、T1~T2℃の範囲の入口温度を有することができ、ここで、T1およびT2は、T1<T2である限り、独立して、例えば、200、210、220、230、240、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300とすることができる。以下に記載されている圧力などの他の異性化条件と組み合わせて、異性化炭化水素フィードの入口温度を比較的低くすると、異性化反応器内でのLPIプロセスが可能となる。
分子状水素の同時供給
先行技術のある種のLPIプロセスは、分子状水素を同時供給しないで、異性化ゾーンで行われる。本発明者らは、反応器に分子状水素をなんら同時供給しない場合、異性化触媒は、とりわけ≧5時間-1の高いWHSVにおいて、比較的速いペースで経時的に失活する恐れがあることを見出した。分子状水素が、異性化反応器に入る芳香族炭化水素フィードの総質量に対して、低い供給速度で、例えば≦10質量ppmで、該反応器に供給される場合、異性化触媒は、分子状水素が全く同時供給されない場合と比べて、一層低いペースでしか失活し得ないが、それでもやはり、かなりの量になり得る。異性化炭化水素フィードが、比較的容易に異性化される場合、例えば、異性化フィードが、p-キシレンを高濃度(キシレンの総質量に対して、例えば、≧5質量%、≧8質量%、≧10質量%)で含む場合、および/または異性化フィードが、エチルベンゼンを低濃度(例えば、≦8質量%、≦6質量%、≦5質量%、≦4質量%、≦2質量%)で含む場合でさえも、低供給速度の分子状水素では、または分子状水素を同時供給しないと、かなりのペースで異性化触媒の失活が観察され得る。
分子状水素が、本開示に準拠して、C8芳香族炭化水素フィードを含む異性化炭化水素フィードの総質量に対して、≧100質量ppmという高い供給速度で同時供給されると、異性化触媒の失活速度は、(i)分子状水素を全く同時供給しない場合と(ii)低い速度で、例えば、≦10質量ppmで分子状水素を同時供給した場合の両方に比べて、かなり低下し得る。全く予期せぬことに、≧100ppmで分子状水素を同時供給した場合の失活速度の低さが、≧5時間-1、≧7.5時間-1、≧10時間-1、≧12.5時間-1、≧15時間-1、≧17.5時間-1、および≧20時間-1の高いWHSVでさえも観察された。
ある種の実施形態では、異性化反応器またはその一部に同時供給される分子状水素は、加圧ガスとして、入口を介して異性化反応器に注入され得る。さらにまたは代替的に、分子状水素またはそれらの一部は、供給ライン、容器、またはC8芳香族炭化水素を含む異性化炭化水素フィードの保管槽に供給され得、ここで、分子状水素またはそれらの一部は、異性化炭化水素フィードとの混合物を形成し、次に、異性化反応器に供給される。同時供給される分子状水素の一部、好ましくは大部分(例えば、≧50%、≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、≧95%、≧98%)、より好ましくは実質的に全部(≧99%)が、異性化反応器において、液相に溶解することが非常に望ましい。異性化炭化水素フィードの液相中に溶解した分子状水素が一層高い濃度となることを実現するため、より高い圧力が適用され得る。異性化反応器において、分子状水素のかなりの部分を液相に溶解した状態に維持するため、異性化反応器への分子状水素の供給速度は、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、5000質量ppm以下であることが非常に望ましい。25℃、様々な圧力において、C8芳香族炭化水素の総質量に対して、質量ppmでの液相のC8芳香族炭化水素中の分子状水素の溶解度の概数を、以下の表Iに示す:
Figure 2022545883000002

したがって、分子状水素は、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、r(H2)1~r(H2)2質量ppmの供給速度で異性化反応器に供給することができ、この場合、r(H2)1およびr(H2)2は、r(H2)1<r(H2)2である限り、独立して、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、950、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000とすることができる。好ましくは、r(H2)2=3000である。好ましくは、r(H2)2=2000である。好ましくは、r(H2)2=1000である。好ましくは、r(H2)2=800である。好ましくは、r(H2)2=600である。好ましくは、r(H2)2=500である。
分子状水素は、異性化炭化水素フィードと事前混合されている場合、上で議論した入口温度で異性化反応器に供給される。分子状水素が、異性化炭化水素フィードとは別に供給される場合、分子状水素は、好ましくは異性化炭化水素フィードの入口温度に近い入口温度で、異性化反応器中で液相中に異性化炭化水素フィードが溶解して、異性化反応器においてLPIを行うことが可能なほど十分な圧力で、ストリームガスとして異性化反応器に供給されてもよい。
LPI条件
本開示の方法におけるLPIステップは、LPI条件下、LPI触媒の存在下、LPI反応器中で行われる。
LPI条件は、異性化反応器において、p1~p2kPaの範囲の反応ゲージ圧を含むことができ、ここで、p1およびp2は、p1<p2である限り、独立して、例えば、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500とすることができる。好ましくは、p2=3000である。好ましくは、p2=2500である。上で示した通り、反応圧力が高いほど、多量の分子状水素が、反応器中に存在する炭化水素の液相に溶解することができる。
LPI条件は、異性化反応器中で、T1~T2℃の範囲の反応温度を含むができ、ここで、T1およびT2は、T1<T2である限り、独立して、例えば、200、210、220、230、240、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300とすることができる。LPIプロセスは、異性化炭化水素フィードを加熱するためにそれほど多くのエネルギーを必要とせず、かつ下流の処理のために、多量の高温の異性化排出液蒸気相を液体に凝縮する必要がないので、LPIプロセスの反応温度が比較的低いことは、特にエネルギー効率的となり得る。
本開示の方法におけるLPI条件は、w1~w2時間-1の範囲の高いWHSVを特に有利に含むことができ、ここで、w1およびw2は、w1<w2である限り、例えば、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、11、12、12.5、13、14、15、16、17、17.5、18、19、20とすることができる。上で示されている通り、および以下の比較例で実証されている通り、分子状水素を同時供給しない、または低い供給速度で分子状水素を同時供給するLPIプロセスは、4時間-1のWHSVでさえも、高い速度で触媒失活を受け得る。本開示の方法のこのような高いWHSVにより、新規LPIに対して所与の容量を有する小型のLPI反応器の設計、所与の触媒搭載量を含む既存のLPI反応器のための容量の増加、および所与の量のp-キシレン生成物の生成のための触媒消費量の低下が可能となる。
本開示の方法のある種の実施形態では、異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比を実質的に低下させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を向上することができる。「同じp-キシレン/キシレン質量比が実質的に低下する」は、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を向上させる前のp-キシレン/キシレン質量比に対して、異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比が≧10%低下することを意味する。「p-キシレン/キシレン」質量比は、混合物またはストリーム中に存在するすべてのキシレンに対するp-キシレンの質量比を意味する。
本開示の方法のある種の他の実施形態では、本方法におけるキシレン損失を実質的に増大させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を向上することができる。「キシレン損失を実質的に増大させる」とは、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させる前のキシレン損失に対して、キシレン損失が≧10%増大することを意味する。「キシレン損失」は、質量百分率での、排出ストリーム中に存在するすべてのキシレンの濃度からフィード中に存在するすべてのキシレンの濃度を減算したものを意味する。
本開示の方法のある種の他の実施形態では、触媒サイクルの開始期に、第1の速度で、次に続いて、異性化反応器の通常の稼働の間に、第2の速度で分子状水素を供給することができ、この場合、第1の速度は、第2の速度よりも低い。触媒サイクルの開始期は、触媒が、副反応および副生物の過剰生成をもたらす恐れがある、非常に高い活性があることを実証する場合の触媒サイクルの期間を意味する。例えば、開始期では、分子状水素は、0~500または0~300または0~200または0~150ppmの速度で反応器に供給することができる。分子状水素の第1の低い供給速度では、異性化触媒は、比較的高い速度で失活し(「脱エッジ(de-edge)」)、副反応および副生物の生成が低減する。異性化触媒の脱エッジが完了する開始期の終了時に、分子状水素の供給速度を一層高いレベルにまで向上させて、異性化触媒の失活を所望のレベルにまで低下させることができる。
異性化触媒
米国特許第6,180,550号、同第6,448,459号、同第6,872,866号、同第7,244,409号、同第7,371,913号、同第7,495,137号、同第7,592,499号、同第8,221,707号、同第8,273,934号および同第8,697,929号は、芳香族炭化水素の異性化プロセスに好適なLPIプロセスおよび/または触媒を記載しており、それらの全体の関連部分が参照により本明細書に組み込まれている。当分野で公知の任意の好適なLPI触媒を、本開示の方法に使用することができる。
本開示の方法のLPIステップに有用な異性化触媒は、ゼオライトなどのモレキュラーシーブを含むことができる。このようなゼオライトは、以下に限定されないが、以下のフレームワーク構造を有するゼオライト、およびそれらの組合せ:MFI、MEL、MWW、MORなどから選択することができる。好ましくは、異性化触媒は、ZSM-5などのMFIフレームワークゼオライトを含む。好ましくは、異性化触媒は、MWWまたはMORフレームワークゼオライトなどの10員環もしくは12員環構造を有するゼオライト、またはそれらの混合物を含む。好ましくは、異性化触媒は、ZSM-5などのMFIフレームワーク構造を有する第1のゼオライト、および10員環もしくは12員環構造を有する第1のゼオライトとは異なる第2のゼオライトの両方を含む。この開示の方法に使用される異性化触媒に有用なMWWゼオライトの非限定例には、MWW-22、MWW-49、MWW-54およびそれらの組合せが含まれる。異性化触媒に存在するゼオライトは、有利には、水素形態で存在することができる。ゼオライトの以下の組合せが、異性化触媒に特に有利である:ZSM-5およびMWW-22;ZSM-5およびMWW-49;およびZSM-5およびMWW-56。
ある種の実施形態では、異性化触媒は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptおよびそれらの組合せから選択される第1の金属元素を含むことができ、および、任意にSn、Zn、Agおよびそれらの組合せから選択される第2の金属を含んでもよい。第1の金属元素は、例えば、エチルベンゼンの脱アルキル化によって異性化反応において生成し得るオレフィンの水素化を触媒することができる。第2の金属元素は、第1の金属元素の触媒効果を促進することがある。他の実施形態では、異性化触媒は、貴金属(すなわち、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt)を含まない。他の実施形態では、異性化触媒は、7~10族金属のいずれも含み得ない。他の実施形態では、異性化触媒は、アルミニウムを除く、7~15族金属のいずれも含み得ない。
異性化触媒に有用なZSM-5ゼオライトは、以下の特徴:水素形態(HZSM-5)にあること;≦0.1μmのサイズの結晶を有すること;≧45m2/gのメソポーラス表面積(MSA)を有すること:メソポーラス表面積に対する全表面積の比が≦9であること;およびアルミナに対するシリカのモル比が20~50の範囲となることのうちの1つまたは複数を有することができる。
異性化触媒は、結合剤を実質的に含まない、自己結合ゼオライト触媒とすることができる。代替的に、異性化触媒は、ゼオライトなどのモレキュラーシーブに加えて、結合材材料を含んでもよい。好適な結合材材料の例には、以下に限定されないが、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、ジルコニア、ジルコン、チタニア、クレイ(例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、サブベントナイト)、カオリン(例えば、Dixie、McNamee、GeorgiaおよびFloridaクレイ、または主要な無機構成物質がハロイサイト、カオリナイト、ナクライトまたはアノーサイトである他のもの)、それらの組合せ、それらの化学化合物が含まれる。任意の好適な量の結合剤が、異性化触媒に存在してもよい。例えば、結合材材料は、異性化触媒中に、触媒の総質量に対して、c1~c2質量%の濃度で含まれてもよく、ここで、c1およびc2は、c1<c2である限り、独立して、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、98、99とすることができる。異性化触媒中に結合剤を含ませると、とりわけその機械的強度を増強することができる。
異性化触媒は、当分野で公知の方法によって作製することができる。例えば、ゼオライトなどの触媒の構成成分、および任意選択の結合剤を混合して、密な混合物を形成することができ、次に、この混合物を所望の形状に押し出して、乾燥、焼成し、任意に選別して、異性化触媒を生成することができる。未加工触媒は、C8芳香族炭化水素異性化操作の前に、異性化反応器中で、または反応器の外部で活性化されてもよい。活性化は、例えば、分子水素含有ガスのストリームに触媒を曝露させることによって行うことができる。
異性化触媒は、新しく作製された触媒であってもよく、または再生成された触媒であってもよく、またはそれらの混合物であってもよい。触媒の再生成は、触媒活性が、例えば、触媒を分子状水素含有ガスのストリームに曝露させることによって、触媒サイクルの終了時に閾値レベルまで低下した後に、異性化反応器中で行われてもよい。代替的に、触媒のex situ再生成を行ってもよく、この場合、消費された触媒は、その表面のコークスを低減するため、異性化反応器から取り出され、酸素に富む環境中で加熱される、かつ/または分子状水素含有ガスストリームに曝露させる。
一部の実施形態では、反応器は、固定床反応器、流動床反応器または移動床反応器とすることができる。反応器中の炭化水素液体は、上方、下方または放射状に流れることができる。
異性化排出液
反応器中の異性化反応の結果として、異性化排出液は、異性化炭化水素フィード中よりも高い濃度でp-キシレンを、ならびに異性化炭化水素フィード中よりも低い合計濃度でm-キシレンおよびo-キシレンを望ましくは含む。異性化排出液は、異性化排出液中のキシレンの総質量に対して、c(pX)1~c(pX)2質量%の濃度でp-キシレンを含んでもよく、この場合、c(pX)1およびc(pX)2は、c(pX)1<c(pX)2である限り、独立して、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23とすることができる。好ましくは、c(pX)1=18である。好ましくは、c(pX)1=20である。好ましくは、c(pX)1=21である。好ましくは、c(pX)1=22である。好ましくは、c(pX)は、異性化温度において、平衡キシレン混合物でのその濃度に近い。本開示の方法では、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、≧100質量ppmの供給速度で分子状水素を同時供給することによって、異性化触媒の高い活性を実現することができ、≧5時間-1、≧7.5時間-1、≧10時間-1、≧12.5時間-1、≧15時間-1、≧17.5時間-1および≧20時間-1の高いWHSVでさえも、長い期間、c(pX)1≧20質量%となることができ、かつこれを持続することができ、これは、非常に驚くべきことである。
異性化排出液は、異性化フィードよりも低い合計濃度でm-キシレンおよびo-キシレンを含む。望ましくは、異性化排出液中のキシレンの総質量に対する異性化排出液中のm-キシレン濃度は、平衡キシレン混合物におけるその濃度に近い。したがって、異性化排出液は、異性化排出液中のキシレンの総質量に対して、c(mX)1~c(mX)2質量%の濃度でm-キシレンを含むことができる、この場合、c(mX)1およびc(mX)2は、c(mX)1<c(mX)2である限り、独立して、例えば、40、42、44、45、46、48、49、50、51、52、54、55、56、58、60、62、64、65、66、68、70とすることができる。好ましくは、c(mX)2=60である。好ましくは、c(mX)2=58である。好ましくは、c(mX)2=55である。好ましくは、c(mX)2=53である。好ましくは、c(mX)2=50である。望ましくは、異性化排出液中のキシレンの総質量に対する異性化排出液中のo-キシレン濃度は、平衡キシレン混合物のその濃度に近い。したがって、異性化排出液は、異性化排出液中のキシレンの総質量に対して、c(oX)1~c(oX)2質量%の濃度でo-キシレンを含むことができ、この場合、c(oX)1およびc(oX)2は、c(oX)1<c(oX)2である限り、独立して、例えば、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、32、34、35とすることができる。好ましくは、c(oX)1=20およびc(oX)2=30である。好ましくは、c(oX)1=20およびc(oX)2=26である。
異性化排出液は、異性化炭化水素フィード中に存在するエチルベンゼン濃度に応じて、様々な濃度でエチルベンゼンを含むことができる。
p-キシレンの回収
異性化炭化水素フィードに比べると、p-キシレンに富み、かつm-キシレンおよびo-キシレンの合計が枯渇した異性化排出液を、p-キシレン回収サブシステムに供給することができ、このサブシステムから、高純度p-キシレン生成物を生成することができる。
p-キシレン回収システムは、吸着クロマトグラフィー処理を利用して、異性化排出液中に存在するm-キシレン、o-キシレンおよびエチルベンゼンからp-キシレンを分離することができる。例示的な吸着クロマトグラフィー処理およびシステムは、例えば、米国特許第3,040,777号、同第3,201,491号、同第3,422,848号、同第9,302,201号、同第3,761,533号、同第4,029,717号、同第6,149,874号および同第9,302,201号に記載されており、その関連部分の全体が本明細書において組み込まれている。
p-キシレン回収システムは、結晶化処理を利用して、異性化排出液中に存在する他のC8芳香族炭化水素からp-キシレンを分離することができる。例示的な結晶化分離処理およびシステムは、例えば、3,662,013、5,329,061、5,498,822、6,147,272および6,600,083に記載されており、その関連部分の全体が本明細書において組み込まれている。
p-キシレン回収システムは、上記の吸着クロマトグラフィー処理および結晶化処理の組合せを利用することができる。
p-キシレン回収システムは、本開示の方法において、異性化反応器から生成した異性化排出液に加え、他のp-キシレン含有ストリーム、例えば、C7-/C9+芳香族炭化水素のトランスアルキル化法、トルエンの不均化法、メタノールによるベンゼン/トルエンのメチル化法などから生成する、1種または複数のp-キシレンに富むストリームを受け入れることができる。
本開示の方法は、LPI反応器を利用する。ある種の実施形態では、すべての異性化炭化水素フィードを取り扱うのに、単一LPI反応器が十分となり得る。他の実施形態では、直列および/または並列に接続した、2つ以上のLPI反応器を使用することが望ましいことがある。複数のLPI反応器を並列に連結した場合、それらの反応器は、異なる操作サイクルであるが重なりを有するよう構成されていてもよく、その結果、芳香族生産複合施設において、1つの反応器は、触媒の交換または修復のためにシャットダウンされると、もう一方の反応器は、他の構成部の操作の稼働を確保するために稼働を継続することができる。代替的にまたは追加的に、複数のLPI反応器を並列に連結した場合、それらの反応器は、異なる稼働サイクルであるが重なりを有するよう構成されていてもよく、その結果、芳香族生産複合施設において、1つの反応器は、触媒の交換または修復のための期間である場合、もう一方の反応器は、他の構成部の稼働の継続を確保するために稼働を継続することができる。2つのLPI反応器が、上流の反応器(すなわち、リード反応器(lead reactor))および下流の反応器(すなわち、ラグ反応器(lag reactor))を含めて直列に接続されている場合、2つの反応器を同時にまたは異なる時間に作動させてもよく、2つの反応器は、リードまたはラグ反応器として位置を切り替えてもよいことが企図される。複数のLPI反応器は、ある特定の期間、直列に、次に、別の期間、並列して稼働することが可能となり得る。
本開示の方法は、LPI反応器とVPI反応器の両方を含んでもよい。LPI反応器は、上記の異性化条件下で稼働される。VPI反応器は、VPI触媒の存在下で、蒸気相中で行われるVPIプロセスを実施するためのVPI条件下で稼働される。当分野で公知のVPIプロセスおよび反応器が使用されてもよい。VPIプロセスおよび/または反応器および/または触媒を説明する参照文献は、以下に限定されないが、米国特許第3,651,162号、同第3,856,872号、同第3,919,339号、同第4,098,836号を含み、それらの関連部分の全体が参照により本明細書に組み込まれている。LPI反応器およびVPI反応器は、並列でまたは直列で稼働されてもよい。好ましくは、LPI反応器およびVPI反応器は、直列で稼働する。好ましくは、LPIはリード反応器であり、VPI反応器はラグ反応器である。エチルベンゼンをベンゼンおよび/またはキシレンなどの有用な生成物に変換する際には、LPI反応器よりもVPI反応器の方が有効となり得る。したがって、LPI反応器およびVPI反応器の組合せが、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、高い濃度、例えば、≧8質量%、≧10質量%、≧12質量%、≧15質量%、20質量%でエチルベンゼンを含む異性化炭化水素フィードを処理するために有利なことに使用され得る。
以下の事例(事例番号1~7)では、本開示の方法の様々な特定の実施形態が記載される。事例1~5のシミュレーションは、本開示の実施形態に準拠する、LPI反応器に分子状水素を同時供給するLPIプロセス、および同様に、異性化反応器に分子状水素を同時供給しないLPIプロセスに適用可能である。
事例1:望ましくないキシレン損失反応に対するキシレン異性化の程度を最適化すると同時に、触媒搭載量サイズを最小化するための温度操作
反応器温度を最適化して、低い/許容されるキシレン損失を維持すると同時に、触媒搭載量のサイズを低減することができる(WHSVの増大)。図1および2は、あるシミュレートされたLPIプロセスにおいて、それぞれ、WHSVおよび温度の関数としてのすべてのキシレンの総質量に対するp-キシレンの質量(p-キシレン/キシレンの比)、ならびにWHSVおよび温度の関数としてのキシレン損失を示している。図1は、この場合、設計WHSVは、LPI生成物混合物の排出液(「異性化排出液」)中のp-キシレン/キシレン比を同等に維持しながら、約20~30℃だけ稼働温度を向上することによって二倍にすることができることを実証している。一例として、240℃で稼働した、2.5時間-1のWHSVに設計したLPI反応器は、モデルフィード組成物から、異性化排出液において0.2347となるp-キシレン/キシレン比を達成すると推定される。260℃で稼働した、5.0時間-1のWHSVに設計したLPI反応器(これは、2.5時間-1のWHSVに設計した反応器における触媒搭載量のわずか半分しか必要としない)は、異性化排出液において0.2339となるp-キシレン/キシレン比を達成すると推定される。第2の例として、290℃で稼働した、10時間-1のWHSVに設計した反応器は、モデルフィード組成物から、異性化排出液において0.2355となるp-キシレン/キシレン比を達成すると推定される。稼働温度を260℃からさらに30℃向上することによって、反応器の触媒搭載量サイズは、5.0時間-1のWHSVに対して設計した反応器に比べて、半分にやはり削減される。これらの例は、異性化排出液中で類似のp-キシレン/キシレン比の目標を実現するために、稼働温度に対する設計触媒搭載量サイズを最適化することができることを明確に実証している。
上記の項目に提示されている例を続けると、図2は、触媒搭載量サイズを低下させるために反応器温度を最適化すると、キシレン損失が相殺されることを実証している。この開示では、「キシレン損失」は、フィード組成物の総質量に対するキシレンの質量百分率として表される、フィード組成物中のすべてのキシレンの全濃度から、生成物混合物の排出液の総質量に対するキシレンの質量百分率として表される、生成物混合物排出液中のキシレンの全濃度を減算したものとして計算される。第1の例の場合(240℃で2.5時間-1のWHSVから、260℃で5時間-1のWHSVまでの移行)、キシレン損失の推定される影響は、1回の通過あたり、0.37%から0.53%までの増加である。この、増加した後の1回の通過あたりのキシレン損失は依然として低く、典型的な蒸気相での異性化プロセスと依然として同等であるか、またはこれよりも良好である。したがって、触媒搭載量サイズの低下は、収量の点でわずかに過ぎない欠点(すなわち、キシレン損失のわずかな増加)を犠牲にして、資本投資を削減するのに有利となる。第2の例において、WHSVを5~10時間-1にさらに増大させて、稼働温度を260から290℃まで昇温する。この例の場合、キシレン損失は、0.53%(5時間-1のWHSVおよび260℃)から0.71%(10時間-1および290℃)まで増加する。やはり、増加した後でさえも、キシレン損失は依然として低く、典型的な蒸気相での異性化プロセスと同等であるか、またはこれより良好である。したがって、触媒搭載量サイズの低下は、収量の点でわずかに過ぎない欠点(すなわち、キシレン損失のわずかな増加)を犠牲にして、資本投資を削減するのに有利となる。
上記の例は、資本投資を削減すると同時に、異性化排出液中の目標p-キシレン/キシレン比を満たすために、搭載量サイズおよび稼働温度を最適化することができることを実証している。当業者は、反対方向での最適化もまた選択肢となることを認識していよう。一層多い触媒搭載量を選択し、温度を低下させることによって、1回の通過あたりのキシレン損失反応を低下させることができる。しかし、図2に示される通り、温度をさらに低下すると、キシレン損失の低下に関する収量逓減の点が存在するであろう。症例1aでは、単一触媒システムが、このシミュレーションで推定される。温度範囲および効果の大きさは、代替触媒システム(複数の触媒床システムを含む)と共に変化することがあるが、最適化方法を一般に適用することができる。
事例2:触媒活性損失/温度に伴うエイジングの管理
反応器温度もまた、触媒活性損失(すなわち、エイジング)に応答して、反応器収量を維持/最適化する手段として使用することができる。図3は、具体的な異性化フィード組成物に関して、2.5時間-1のWHSVで稼働したシミュレートされたLPIプロセスにおいて、生成物混合物の排出液中のp-キシレン/キシレンの比を一定に維持するため、温度の関数としての触媒の相対活性損失を例示する。図3から分かる通り、触媒活性が低下すると(すなわち、相対活性損失が増大すると)、生成物混合物排出液中のp-キシレン/キシレンの比を一定に維持するために反応温度を向上することができる。触媒活性損失が起こると、相対的なキシレン損失は、やはり様々な速度で低下する(一定の稼働温度、WHSV、フィード濃度において)ことが、当業者によって認識されるはずである。活性損失を相殺するための温度向上は、反応器における1回の通過あたりの生成物中のp-キシレン/キシレン比とキシレン損失とを最適化することによって、制限/設定され得る。
事例3:所与の反応器または一連の反応器に関する相対活性損失の決定
温度、供給速度、WHSVおよび/またはフィード濃度の関数として、様々な性能パラメータをモニタリングすることによって、単一触媒システムまたは複数の触媒システムの相対活性損失を推定することができ、これらには、以下に限定されないが、生成物中のp-キシレン/キシレン比、反応器にかかるp-キシレン/キシレン比のデルタ、キシレン損失、生成物中のトルエン、生成物中のベンゼン、生成物中のトリメチルベンゼン、生成物中のメチルエチルベンゼン、生成物中の全C9芳香族(「A9」)、生成物中の全C10芳香族(「A10」)、生成物中の全C9+芳香族(「A9+」)、反応器にわたるトルエンのデルタ、反応器にわたるベンゼンのデルタ、反応器にわたるトリメチルベンゼンのデルタ、反応器にわたるメチルエチルベンゼンのデルタ、反応器にわたる全A9のデルタ、反応器にわたる全A10のデルタ、反応器にわたる全A9+のデルタ、反応器にわたるエチルベンゼンの変換率、反応器にわたる非芳香族変換率(個々の化学種、化学種の部分群または全非芳香族)、C5-生成物(個々の化学種、化学種の部分群または全C5-)、反応器にわたるC5-のデルタ(個々の化学種、化学種の部分群または全C5-)、またはこれらのパラメータの任意の組合せを含むことができる。
一例として、図4は、推定相対活性損失として、生成物混合物排出液中のp-キシレン/キシレン比を使用することを例示している。この例の場合、2.5時間-1となる一定のWHSVでの稼働と見なされる。この例では、生成物中のp-キシレン/キシレン比を相対活性損失に関連付ける温度曲線を、2.5時間-1のWHSVにおいて展開する。例示目的のため、2.5時間-1のWHSVおよび240℃において稼働する触媒システムは、生成物において、0.2234となるp-キシレン/キシレン比を達成すると仮定する。これは、新しい触媒活性から約50%の相対活性損失に相当する。第2の例では、2.5時間-1のWHSVおよび280℃において稼働する触媒システムは、生成物において、0.2321となるp-キシレン/キシレン比を達成すると仮定する。この成績は、新しい触媒活性から約75%の相対活性損失を示す。
リードラグまたは複数の反応器システムの例では、推定相対活性損失または推定した活性低下を決定する際に使用したパラメータのいずれも、いつ反応器/触媒床を非稼働状態にするかを表示する/信号を送るために使用することができる。図4に提示されている例では、p-キシレン/キシレン比の曲線は、活性損失が約75%を超えると、急激に低下することを実証している。したがって、1つの妥当な切り替え戦略とは、収量を維持するために、約75%の活性損失状態を満たすまで温度向上を使用し、次に、75%の活性損失状態を満たすと/超えると、触媒床を稼働停止にすることである。
事例4:稼働の開始時の触媒活性の脱エッジ;稼働率ターンダウン中の触媒活性管理
事例2とは反対に、新しい触媒床の場合のサイクルの開始時には、望ましい初期触媒活性よりも高い活性を有するのが一般的であり、一層多いキシレン損失または望ましくないレベルのベンゼン、トルエンまたはA9+分子などの副生物をもたらす。これはまた、単位速度が、設計WHSV未満に実質的に低下した場合、稼働の中間時または終了時にも該当し得る。サイクルの開始時または大きなターンダウン稼働(turndown operation)の間の望ましくない副生成の生成を最小化するため、温度を低下させて、望ましくない副生物の収量を低下することができる。最初の新しい触媒活性を「脱エッジ」する場合、通常、最初の1~2か月間にわたり(しかし、可能性として、極端な場合、最大で1年間またはそれより長い年数になる)、副生物の生成速度が低下するにつれて、温度を徐々に向上させることができる。単位速度のターンダウンがある場合、温度を必要に応じて調節し、収量を管理することができる。温度変化の絶対的な大きさは、設計速度からの低下百分率、および触媒がストリーム上で受けてターンダウン事象に至る相対活性損失に依存するであろう。
望ましい初期触媒活性よりも高くなるように管理するための温度制御はまた、リードラグ構成などの、多床/多段反応器システムにおいて使用することもできる。リードラグ構成の例では、新しい触媒床(リードでもラグであろうとも)は、既にストリーム上に存在する反応器に対して、一層低い温度で始動することができる。個々の反応器への独立した温度制御は、任意の数の構成によって管理することができ、これらの構成は、以下に限定されないが、各反応器への独立した加熱器/冷却器、各反応器への温度制御を可能にする各反応器への加熱器/冷却器周りの独立したバイパスライン、ラグ反応器(単数)/反応器(複数)への温度を制御するための、前の反応器(単数)/反応器(複数)の排出液と混合される、ラグ反応器(単数)/反応器(複数)への冷却済みまたは加熱済みの新しいストリームの注入、リード反応器(単数)/反応器(複数)よりもラグ反応器(単数)/反応器(複数)を稼働するためのリード-ラグ反応器(単数)/反応器(複数)間の自然の熱損失の利用を含むことができる。これらの温度制御法の任意の組合せを使用することができる。
事例5:反応器/触媒床サイズは、リードおよびラグの間で変わるリードラグ構成の管理
事例1に示される通り、反応器の稼働温度を操作して、様々な触媒搭載量またはWHSVからなる反応器に対して類似の収量をもたらすことができる。リードラグ構成または多段反応器構成では、反応器は、様々な量の触媒を有するように最適化/設計することができる。例示のために提示されている事例5aおよび5bに関して、表IIを参照されたい。この開示の表では、簡潔のため、EBは、エチルベンゼンを意味し、L-パラフィンは、直鎖状パラフィンを意味し、BCNAは、分岐状または環式非芳香族炭化水素を意味し、MEBZは、メチルエチルベンゼンを意味し、DEBZは、ジエチルベンゼンを意味し、TriMBZは、トリメチルベンゼンを意味し、DMEBZは、ジメチルエチルベンゼンを意味する。
事例5aは、リード触媒床が5時間-1のWHSVおよび240℃で稼働し、ラグ触媒床が、10時間-1のWHSVおよび260℃で稼働したリードラグ構成の場合の収量を推定したものである。この事例では、異性化反応の大半は、10時間-1のWHSVおよび260℃というわずかに高い温度で稼働して、キシレン異性化の最終反応器として働くより小さなラグ床の使用を可能にする、より大きなリード触媒床で行われる。様々なWHSVおよび温度を用いたこのような複合リードラグシステムは、上記の図1および2におけるデータに提示されている、2.5時間-1のWHSVおよび240℃というより大きな単一床設計の場合に類似した結果をもたらすことに留意されたい。
事例5bは、リードおよびラグ触媒床が、それぞれ、同じ10時間-1のWHSVで稼働するが、稼働温度が、リード反応器とラグ反応器との間で操作されている(リード反応器は240℃、ラグ反応器は270℃)、リードラグ構成の場合の収量を推定している。この構成は、生成物中に事例5aと類似したp-キシレン/キシレン比をもたらすが、事例5aの場合に0.46%のキシレン損失となるのに対し、0.53%というわずかに高い推定キシレン損失を有する。
Figure 2022545883000003

事例6:リードラグまたは多段反応器システムへの水素同時供給量の管理
水素を低濃度で注入することにより、液相異性化システムにおける活性損失が弱化/軽減することが驚くべきことに見出された。リードラグまたは多段反応器システムへの水素同時供給量のレベルは、第1の反応器の入口だけを制御することができるか、または個々の反応器または反応器/触媒床の任意のサブセットの各々に対して個別に制御することができることに留意すべきである。各反応器へのフィード中の水素レベルは、以下の手段のいずれか、すなわち、以下に限定されないが、本明細書に列挙されているサブセット;任意の所与の反応器(単数)/反応器(複数)への独立した水素注入;前の反応器(単数)/反応器(複数)からの排出液の少なくとも一部と一緒にした、後の反応器(単数)/反応器(複数)への新しいフィードの添加、後の反応器(単数)/反応器(複数)への残留液ストリームの少なくとも一部の供給前に、前の反応(単数)/反応器(複数)の排出液をより低い圧の方向に勢いよく流して液相から水素を除去することによって制御され得る。
水素同時供給量を個々の反応器または反応器の任意のサブセットに対して最適化し、様々なWHSV、温度またはフィード濃度におけるエイジングを最小化することができる。活性低下に応答して、触媒のサイクル長さを操作/最適化することもできる。例えば、サイクルの開始時に、所与の床への新しい触媒が望ましくない程度に高く、望ましくない副生物の多量の生成をもたらす場合に、水素同時供給量を減量してもよい。この「脱エッジ」期間の間、水素同時供給量を減量することは、サイクルの開始時における、初期活性損失を促進/加速する一助となり、望ましくない副生物が多量に生成する期間を短縮することになろう。望ましくない副生物の生成が低下すると、水素同時供給量を増量し、長期活性損失を低減して、最終的に、触媒床の稼働期間を延長することができる。
活性損失に対する速度の向上が、様々な稼働条件において観察される場合、水素同時供給量をサイクルの間に最適化することができる。例えば、活性低下の観察される速度が高い期間の間には、水素同時供給量を増量してもよい。活性低下の観察される速度が低い/無視できる低度の期間では、水素同時供給量を減量して、稼働費用を削減することができる。
事例7:フィード組成物に対する、単一床の場合、またはリードラグ、または多段反応器システムの場合のWHSV、温度、水素同時供給量の最適化
フィード濃度は、異性化排出液中のp-キシレン/キシレン比と望ましくない副生物の生成の程度の両方に影響する。上の事例1~6に概説した概念は、収量と資本とを最適化するためにも適用することができ、この場合、フィード組成の有意差またはばらつきが予期される。単一床反応器の温度を操作し、標準フィード組成物の場合、高いオルト-キシレン含有フィードに類似した収量を実現する例示に関する表IIIを参照されたい。この例では、標準フィードは、低度のp-キシレン(<1質量%)含有量、低度から中度のEB含有量(約5.3質量%)および中度のo-キシレン含有量(約37質量%)を含む。Oxに富むフィードはまた、低P-キシレン(<1%)を含有するが、やはり低RBおよびm-キシレン含有量(どちらも<1質量%)を有する。この例では、Oxに富むフィードを処理すると、単一触媒床は、2.5時間-1のWHSVおよび240℃という同じ条件における標準フィードの処理に比べると、生成物中に一層低いp-キシレン/キシレン比、および一層低いキシレン損失をもたらす。しかし、この例では、オルト-キシレンに富むフィードの場合の生成物中のp-キシレン/キシレン比は、反応器温度を240℃から250℃まで昇温することによって高まり、標準フィード生成物と一致させることができる。上記の項目において議論した通り、WHSV、温度、または両方の組合せの最適化を使用して、標準フィードの場合と等価な生成物を得ることができる。
Figure 2022545883000004


図5:p-キシレン生成物を生成する例示的な芳香族生産複合施設
図5は、改質油ストリームから、キシレン、特にp-キシレン生成物を生成するための方法101を概略的に例示している。この図では、原油の精製工程から生成した重質ナフサストリーム103が、改質ゾーン105に供給される。改質ゾーン105は、任意の従来のナフサ接触改質反応器、例えば、当分野で公知の固定床反応器、流動床反応器の1つまたは複数を含むことができる。改質触媒は改質ゾーンに配設されている。重質ナフサストリーム103中の炭化水素は、当分野で一般に公知のものなどの、改質条件下で改質触媒に接触すると、以下に限定されないが、異性化、芳香族化、脱水素化環化などを含めた一連の化学反応を受け、これにより、パラフィンおよびナフテンの少なくとも一部が、芳香族炭化水素に変換される。C6+芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびC9+芳香族炭化水素を含む)を含む改質排出液107が、改質ゾーンから得ることができる。次に、改質排出液107またはその一部は、改質油スプリッター109(例えば、単一蒸留カラムまたは一連の蒸留カラム)に供給され、ここからC6~C7炭化水素に富むストリーム111およびC8+芳香族炭化水素に富むストリーム113が生成される。C6~C7炭化水素に富むストリーム111は、ベンゼン、トルエン、ならびにそれらの共沸点パラフィンおよびナフテンなどを含む。C8+芳香族炭化水素に富むストリーム113は、C8芳香族炭化水素およびC9+芳香族炭化水素を含むことができる。次に、C8+芳香族炭化水素に富むストリーム113は、任意に、ジョイントストリーム114としてのストリーム145(下記)などの他のC8+芳香族に富むストリームと一緒にされて、キシレンスプリッター115に供給され、ここからキシレンに富むストリーム117およびC9+芳香族炭化水素に富むストリーム129が生成する。ジョイントストリーム114は、ストリーム107に比べて、C8+芳香族炭化水素に富み、ベンゼン、トルエン、およびそれらの共蒸発物が少ない。キシレンに富むストリーム117は、キシレンおよびエチルベンゼンに富む。ストリーム117中のエチルベンゼンの濃度は、幅広い範囲で変わり得る。ストリーム117は、キシレンスプリッター115に供給されるC8+芳香族炭化水素に富むストリームの組成に応じて、様々な濃度のp-キシレンを含むことができる。p-キシレン生成物を生成するため、キシレンに富むストリーム117は、通常、p-キシレン回収サブシステム119に供給され、ここから、p-キシレンに富むp-キシレン生成物ストリーム121およびp-キシレンが枯渇したストリーム123が生成する。p-キシレン回収サブシステム119は、当分野で公知の任意の結晶化をベースとするおよび/または吸着クロマトグラフィーをベースとするp-キシレン分離システムとすることができる。ストリーム117に比べて、m-キシレン、o-キシレンおよびエチルベンゼンに富むp-キシレンが枯渇したストリーム123は、その中に配設されている異性化触媒を含有し、かつ異性化条件下で稼働される異性化ゾーン125に、通常、少なくとも一部が供給される。異性化ゾーン125に供給されたストリーム125中のm-キシレンおよびo-キシレンの一部は、異性化条件下で異性化触媒に接触すると、p-キシレンに変換される。異性化ゾーン125を出る異性化排出液127は、p-キシレンが枯渇したストリーム123よりも高い濃度でp-キシレンを含む。異性化排出液127またはその一部は、次に、キシレンスプリッター115に供給される。キシレンスプリッター115、p-キシレン回収サブシステム119、および、異性化ゾーン125は、キシレン-ループを形成する。
本開示の異性化法は、図5に例示されている方法に使用することが有利となり得る。
図5に示される通り、C9、C10およびC11+芳香族炭化水素を通常含有する、キシレンスプリッター115から生成するC9+芳香族炭化水素に富むストリーム129は、次に、蒸留カラム131で分離されて、C9~C10芳香族炭化水素に富むストリーム133およびC11+芳香族炭化水素に富むストリーム135が得られる。ストリーム135は、通常、遠くに導かれ、例えば、車用ガソリンブレンドストック、燃料油などとして使用される。次に、ストリーム133は、ベンゼン/トルエンに富むストリーム146と共に、その中に配設されているトランスアルキル化触媒を有するトランスアルキル化ゾーン147に供給される。トランスアルキル化触媒の存在下、およびトランスアルキル化条件下で、C9~C10芳香族炭化水素は、ベンゼン/トルエンと反応して、キシレンを生成する。C6~C7炭化水素に富むストリーム111は、通常、抽出蒸留ゾーン137に供給されて、ここで、C6~C7芳香族炭化水素に富むストリーム139および芳香族炭化水素が枯渇したラフィネートストリーム138が生成する。次に、ストリーム139は、ベンゼン塔141に供給されて、ここから、ベンゼン生成物ストリーム143、トルエンに富むストリーム146およびC8+芳香族炭化水素に富むストリーム145が生成する。トルエンに富むストリーム146またはその一部は、上記の通り、C9~C10芳香族炭化水素に富むストリーム133と一緒になってトランスアルキル化147に供給される。C8+芳香族炭化水素に富むストリーム145は、次に、上記の通り、ストリーム113と一緒になってキシレンスプリッター115に供給される。
本開示は、以下の非限定実施例によってさらに例示される。
以下の実施例において、エチルベンゼン、p-キシレン、o-キシレンおよびエチルベンゼンから本質的になるC8芳香族炭化水素フィードストリームを、所与の量のZSM-5ベース異性化触媒を事前に搭載したLPI反応器に供給した。分子状水素のシリンダーをLPI反応器またはC8芳香族炭化水素フィードストリーム源に接続して、様々な供給速度で反応器への分子状水素の同時供給を可能にする。C8芳香族炭化水素フィードストリームは、200~300℃の範囲の反応器の入口温度を有するように加熱される。反応器中の圧力は、689~3447kPa(ゲージ)の範囲にあった。そのような条件下では、反応器中に存在するC8芳香族炭化水素は、実質的に全体的に液相中に存在し、反応器に同時供給された分子状水素は、存在する場合、炭化水素の液相に実質的に全体的に溶解した。異性化条件を変えて、異性化触媒の失活を試験した。異性化反応器を出た異性化排出液は、次に、ガスクロマトグラフィーを使用して分析され、異性化排出液の総質量に対する、p-キシレン、o-キシレンおよびm-キシレンの濃度(質量%)を求めた。次に、測定したp-キシレン濃度(C(pX)、質量%)、o-キシレン濃度(C(oX)、質量%)およびm-キシレン濃度(C(mX)、質量%)を使用して、以下の式:
Figure 2022545883000005
に従って、キシレン(C(pX/X)、%)の総量に対するp-キシレン濃度を計算した。これらの実施例の説明では、「CGpGC」は、異性化触媒の回分によって処理された、異性化触媒のグラムあたりのC8芳香族炭化水素フィードの累積質量(グラム)を意味する。C8芳香族炭化水素フィードの供給速度が一定に維持される仮定の場合では、CGpGCは、触媒のストリームに対する供給速度と時間との積に相当すると思われる。
(例1)
この例では、C8芳香族炭化水素フィードストリームは、3.4質量%のp-キシレン、64.1質量%のm-キシレン、18.3質量%のo-キシレン、12.3質量%のエチルベンゼンおよび1.3質量%の他の炭化水素を含んだ。異性化法では、分子状水素のWHSVおよび供給速度などの異性化条件を変えた。異性化反応器に様々な供給速度で同時供給した分子状水素を液相C8芳香族炭化水素に実質的に全体的に溶解した状態を維持するため、反応器圧を変えた。異性化反応器中の反応温度を約280℃に維持した。本方法における、CGpGCの関数としての異性化排出液中のp-キシレン濃度が図6に示されている。図6に示されている様々なCGpGC範囲の間に、分子状水素のWHSV(時間-1)および供給速度(C(H2)、C8芳香族炭化水素フィードストリームの質量に対する分子状水素の質量ppm)を以下の表IIに提示する。図6において、CGpGC範囲201は、2本の垂線L-1およびL-2によって定義され、範囲203は、垂線L-2およびL-3によって定義され、範囲205は、垂線L-3およびL-4によって定義され、範囲207は、垂線L-5およびL-6によって定義され、範囲209は、垂線L-7およびL-8によって定義され、範囲211は、垂線L-8およびL-9によって定義される。
Figure 2022545883000006

図6において分かる通り、CGpGC範囲201において、10時間-1のWHSVおよび7ppmの分子状水素の供給速度では、異性化排出液中のp-キシレンの濃度(C(pX)、質量%)が着実に低下し、触媒の活性化が着実に低下したことを示している。範囲203全体にわたり、10時間-1のWHSVおよび異性化反応器に分子状水素を同時供給しない場合、C(pX)は、範囲201における場合と類似する低下が続き、同時供給される分子状水素の非存在下では、異性化触媒と類似した失活速度となることを示している。範囲201および203におけるデータは、10時間-1という高いWHSVでは、分子状水素が同時供給されなかった場合、および分子状水素が、7ppmという低い速度で同時供給された場合、異性化触媒は比較的、速く失活したことを実証している。
CGpGC範囲203の終了時、および範囲205の開始時には、分子状水素の供給速度は、WHSVが10時間-1に維持されている間、255ppmまで向上し、次に、範囲205全体で維持された。範囲205の開始時には、C(pX)は、範囲203および201におけるいずれのCGpGC時の場合と比較しても実質的に向上しており、反応器中で実質的に向上した分子状水素濃度の存在下で、異性化触媒の実質的な活性向上があることを示している。範囲205の全体わたり、C(pX)は実質的に安定しており、255ppmの分子状水素の存在下、10時間-1の高いWHSVでは、異性化触媒の失活はほとんどないことを示す。
CGpGC範囲205の終了時に、分子状水素の供給速度を255ppmに維持しながら、WHSVを向上させた。範囲207の間に、分子状水素のWHSVおよび供給速度を、それぞれ、20時間-1および255ppmに維持した。C(pX)は、範囲205よりも範囲207において低く、このことは、範囲207においてWHSVが2倍高いことによると理解することができる。それでもなお、範囲207におけるWHSVが、範囲201および203における場合よりも2倍、大きい場合でさえも、範囲207全体のC(pX)は、範囲201および203の終了時よりもかなり高く、このことは、範囲201および203よりも範囲207において、異性化触媒の活性がかなり高いこと、および触媒の活性に対して異性化反応器中の分子状水素の濃度が高いことが影響していることを実証している。さらに、範囲207の間に、C(pX)が一旦、安定化すると、それは、非常に小さく低下し、このことは、20時間-1の非常に高いWHSVでさえも、異性化触媒の失活速度は非常に低いことを示しており、異性化反応器において、高濃度の分子状水素によって大きな効果が付与されることを示している。
範囲207の終了時には、分子状水素の供給速度を低下させた。範囲209の間に、分子状水素を反応器に供給せず、WHSVを20時間-1に維持した。異性化反応器中に分子状水素が存在しない結果、C(pX)は、範囲207に比べて、範囲209において実質的に低下し、異性化触媒の活性化に及ぼす異性化反応器中の分子状水素の存在の効果をやはり実証している。範囲209のC(pX)は、範囲203の終了時に類似しており、この場合、分子状水素は、やはり反応器に供給しなかった。
範囲209の終了時に、触媒失活剤を反応器に注入して、異性化触媒の失活を促進させた。この後、範囲211の間、分子状水素を反応器に同時供給しないと同時に、WHSVを20時間-1に維持した。範囲211におけるC(pX)は、触媒の失活、20時間-1の高いWHSVおよび反応器に同時供給する分子状水素がないことの結果として低かった。
この例1は、C8芳香族炭化水素異性化フィードの総質量に対して≧100ppmの供給速度で分子状水素を同時供給することによる液相LPIプロセスでは、異性化触媒の活性が増大し、低い供給速度で分子状水素を供給する場合、または分子状水素を同時供給しない場合と比べて、触媒の失活が実質的に低下したことを明確に実証している。異性化触媒の高い活性およびその非常に低い失活速度が高い分子状水素の濃度時に示されることを考慮すると、例えば、≧10時間-1、≧15時間-1、≧17.5時間-1および≧20時間-1の非常に高いWHSVでのLPIプロセスは、異性化反応器に≧100ppmで分子状水素を同時供給することによって可能となり得る。
(例2)(比較例)
この例では、C8芳香族炭化水素フィードストリームは、1.1質量%のp-キシレン、67.7質量%のm-キシレン、29.8質量%のo-キシレン、1質量%のエチルベンゼンおよび0.5質量%の他の炭化水素を含んだ。異性化プロセスにおいて、WHSVを変えて、分子状水素の供給速度を、C8芳香族炭化水素フィードストリームの質量に対して9質量ppmに維持した。異性化反応器における反応温度を約239℃に維持した。異性化反応器に同時供給した分子状水素を液相C8芳香族炭化水素に実質的に全体的に溶解した状態を維持するための反応器圧は十分であった。この方法における、WHSV(時間-1)の関数としての、キシレンの総量に対する異性化排出液中のp-キシレン濃度(C(pX/X)、質量%)が図7に示されている。
この例に使用したフィードストリームは、その中のエチルベンゼンの濃度が低いために、比較的容易に異性化すると考えられる。したがって、高いWHSVでは、類似した触媒性能があると認識されると思われる。それにもかかわらず、図7が明確に示す通り、WHSVが2.5時間-1から6時間-1まで向上すると、C(pX/X)は有意に低下し、このことは、WHSVが低下すると、2.5~6時間-1の範囲の比較的低いWHSVでさえも、触媒は失活したことを示している。この例は、9ppmという低い供給速度で分子状水素を同時供給しても、低濃度のエチルベンゼンを含む良好なフィードを使用した場合でさえも、異性化触媒の失活に対して大きな利点をもたらさないことを示している。
(例3)(比較例)
この例では、C8芳香族炭化水素フィードストリームは、8.1質量%のp-キシレン、58.1質量%のm-キシレン、24.4質量%のo-キシレン、7.5質量%のエチルベンゼンおよび1.9質量%の他の炭化水素を含んだ。異性化プロセスでは、WHSVを4時間-1に維持した。分子状水素は、異性化反応器に供給しなかった。異性化反応器における反応温度を約239℃に維持した。この方法における、ストリームに対する時間の関数(TOS、日数)としての、キシレンの総量に対する異性化排出液中のp-キシレン濃度(C(pX/X)、質量%)が図8に示されている。
この例に使用したフィードストリームは、その中のp-キシレンの濃度が高いために、比較的容易に異性化すると考えられる。したがって、4時間-1のWHSVでは、高い触媒性能があると期待される。それにもかかわらず、図8が明確に示す通り、C(pX/X)は、わずか25日間の期間にわたりかなり低下し、4時間-1の比較的低いWHSVにおいて、比較的短い期間に触媒活性がかなり失活したことを示している。
この例を考慮に入れると、異性化触媒の失活を低減する際に、例1における≧100ppmという高い供給速度で分子状水素を同時供給する陽性効果がさらに実証される。
この例を考慮に入れると、異性化触媒の失活を低減する際に、例1における≧100ppmという高い供給速度で分子状水素を同時供給する陽性効果がさらに実証される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給される、ステップと、
異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、異性化反応器において1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および反応温度、ならびに5~20時間 -1 の時間あたりの質量空間速度を含む、ステップと、
を含む、方法。
〔2〕分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~1000質量ppmの供給速度で異性化反応器に供給される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕C8芳香族炭化水素が、異性化反応器中で実質的に全体的に液相中に存在する、前記〔1〕または前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕分子状水素の少なくとも一部が、異性化反応器への供給前に、異性化炭化水素フィードの液相に溶解している、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕異性化条件が、5~20時間 -1 の時間あたりの質量空間速度を含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕異性化条件が、異性化反応器において、200~300℃の反応温度を含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の方法。
〔7〕異性化条件が、異性化反応器において、240~300℃の反応温度を含む、前記〔6〕に記載の方法。
〔8〕異性化条件が、異性化反応器において、260~300℃の反応温度、および10~20時間 -1 の時間あたりの質量空間速度を含む、前記〔7〕に記載の方法。
〔9〕異性化炭化水素フィードが、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、20質量%以下の濃度のエチルベンゼンを含む、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔10〕異性化炭化水素フィードが、10質量%以下の濃度のp-キシレンを含む、前記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕異性化触媒が貴金属を含まない、前記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕異性化触媒が、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptおよびそれらの組合せから選択される第1の金属元素を含み、および、任意にSn、Zn、Agおよびそれらの組合せから選択される第2の金属元素を含んでもよい、前記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比を実質的に低下させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
をさらに含む、前記〔1〕~〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕キシレン損失を実質的に増大させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
をさらに含む、前記〔1〕~〔13〕のいずれかに記載の方法。
〔15〕触媒サイクルの開始期の後に、分子状水素の供給速度を増大させるステップをさらに含む、前記〔1〕~〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給されるステップと、
異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および200~300℃の反応温度、ならびに5~20時間 -1 の時間あたりの質量空間速度を含み、異性化排出液が、p-キシレンを異性化炭化水素フィードよりも高い濃度で含む、ステップと、
異性化排出液からp-キシレンの少なくとも一部を回収するステップと、
を含む、p-キシレンを生成する方法。
〔17〕分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~1000質量ppmの供給速度で異性化反応器に供給される、前記〔16〕に記載の方法。
〔18〕C8芳香族炭化水素が、異性化反応器中で実質的に全体的に液相中に存在する、前記〔16〕または前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕C8芳香族炭化水素の少なくとも98%が、異性化反応器中で液相中に存在する、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕分子状水素の少なくとも98%が、異性化反応器中、C8芳香族炭化水素の液相に溶解している、前記〔18〕に記載の方法。
〔21〕異性化条件が、5~20時間 -1 の時間あたりの質量空間速度を含む、前記〔16〕~〔20〕のいずれかに記載の方法。
〔22〕異性化触媒が貴金属を含まない、前記〔16〕~〔21〕のいずれかに記載の方法。
〔23〕異性化触媒が、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptおよびそれらの組合せから選択される第1の金属元素を含み、および、任意にSn、Zn、Agおよびそれらの組合せから選択される第2の金属元素を含んでもよい、前記〔16〕~〔22〕のいずれかに記載の方法。
〔24〕異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比を実質的に低下させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
をさらに含む、前記〔1〕~〔23〕のいずれかに記載の方法。
〔25〕触媒サイクルの開始期の後に、分子状水素の供給速度を増大させるステップをさらに含む、前記〔1〕~〔24〕のいずれかに記載の方法。

Claims (25)

  1. その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給される、ステップと、
    異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、異性化反応器において1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および反応温度、ならびに5~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含む、ステップと、
    を含む、方法。
  2. 分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~1000質量ppmの供給速度で異性化反応器に供給される、請求項1に記載の方法。
  3. C8芳香族炭化水素が、異性化反応器中で実質的に全体的に液相中に存在する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 分子状水素の少なくとも一部が、異性化反応器への供給前に、異性化炭化水素フィードの液相に溶解している、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 異性化条件が、5~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 異性化条件が、異性化反応器において、200~300℃の反応温度を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 異性化条件が、異性化反応器において、240~300℃の反応温度を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 異性化条件が、異性化反応器において、260~300℃の反応温度、および10~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 異性化炭化水素フィードが、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、20質量%以下の濃度のエチルベンゼンを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 異性化炭化水素フィードが、10質量%以下の濃度のp-キシレンを含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 異性化触媒が貴金属を含まない、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 異性化触媒が、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptおよびそれらの組合せから選択される第1の金属元素を含み、および、任意にSn、Zn、Agおよびそれらの組合せから選択される第2の金属元素を含んでもよい、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  13. 異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比を実質的に低下させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
    をさらに含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. キシレン損失を実質的に増大させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
    をさらに含む、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
  15. 触媒サイクルの開始期の後に、分子状水素の供給速度を増大させるステップをさらに含む、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
  16. その中に配設されている異性化触媒を有する異性化反応器に、分子状水素、およびC8芳香族炭化水素を含む液相異性化炭化水素フィードを供給するステップであって、分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~5000質量ppmの供給速度で供給されるステップと、
    異性化反応器中、異性化条件下で、分子状水素およびC8芳香族炭化水素に異性化触媒を接触させて、異性化排出液を生成するステップであって、異性化条件が、C8芳香族炭化水素が異性化反応器中で実質的に液相中に存在するよう、1,700kPa-ゲージ~3,500kPa-ゲージの反応圧力および200~300℃の反応温度、ならびに5~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含み、異性化排出液が、p-キシレンを異性化炭化水素フィードよりも高い濃度で含む、ステップと、
    異性化排出液からp-キシレンの少なくとも一部を回収するステップと、
    を含む、p-キシレンを生成する方法。
  17. 分子状水素が、異性化炭化水素フィードの総質量に対して、100質量ppm~1000質量ppmの供給速度で異性化反応器に供給される、請求項16に記載の方法。
  18. C8芳香族炭化水素が、異性化反応器中で実質的に全体的に液相中に存在する、請求項16または請求項17に記載の方法。
  19. C8芳香族炭化水素の少なくとも98%が、異性化反応器中で液相中に存在する、請求項18に記載の方法。
  20. 分子状水素の少なくとも98%が、異性化反応器中、C8芳香族炭化水素の液相に溶解している、請求項18に記載の方法。
  21. 異性化条件が、5~20時間-1の時間あたりの質量空間速度を含む、請求項16~20のいずれかに記載の方法。
  22. 異性化触媒が貴金属を含まない、請求項16~21のいずれかに記載の方法。
  23. 異性化触媒が、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Ptおよびそれらの組合せから選択される第1の金属元素を含み、および、任意にSn、Zn、Agおよびそれらの組合せから選択される第2の金属元素を含んでもよい、請求項16~22のいずれかに記載の方法。
  24. 異性化排出液中のp-キシレン/キシレン質量比を実質的に低下させることなく、反応温度および/または時間あたりの質量空間速度を増大させるステップ
    をさらに含む、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  25. 触媒サイクルの開始期の後に、分子状水素の供給速度を増大させるステップをさらに含む、請求項1~24のいずれかに記載の方法。
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