JP2022545287A - Bcn057及びbcn512を用いる治療方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、BCN057、BCN512又はこれらの化合物の類似体の投与によって様々な病態を治療又は改善する方法に関する。化合物は、膵臓癌及び胃腸(GI)癌を含む癌における腫瘍負荷を低減するために使用できる。化合物はまた、GI管に対する化学療法誘発毒性を保護するためにも使用できる。さらに、これらを使用して、線維症及び様々な炎症状態を治療できる。BCN057及びBCN512の類似体も記載される。【選択図】図1

Description

関連出願
この出願は、2019年8月24日出願の米国仮特許出願第62/891,338号の優先権を主張するものである。前述の出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、新規小分子及びそれらの治療用途に、より具体的には、小分子BCN057及びBCN512及びその類似体の治療用途に関する。
背景
癌は、体の他の部分に侵入又は拡散する可能性がある異常な細胞増殖を伴う疾患群として定義され得る。技術的に進歩しているにもかかわらず、癌は、死亡の重大な原因であり、かつ計り知れない苦しみであり続けている。癌は、米国で死亡の第2の最も一般的な原因である。
癌を有する患者は、治療選択が制限される場合が多い。治療は、手術、放射線療法、化学療法及び標的療法の組み合わせを含み得る。研究の進歩にもかかわらず、これらの治療は、ここ数十年の間、比較的不変であった。努力は、治療がより効果的である癌の早期診断に集中している場合が多い。しかし、早期診断により得られる生存時間は、中程度である。最近の研究は、Wingless型(Wnt)経路モジュレーターの使用を含む、癌治療のための新たな機会を提供した。
Wntシグナル伝達経路は、細胞表面受容体を介してシグナルを細胞内に通過させるタンパク質で始まる、シグナル伝達経路のグループである。Wnt経路の異常な活性化は、ヒト癌、特に胃腸(GI)管の癌に関与している。癌細胞株における異常なWnt経路活性の阻害は、それらの成長を阻止でき、新たな治療薬の可能性を提示する。あるいは、癌におけるWntシグナル伝達及びその下流遺伝子の活性化は、癌細胞においてアポトーシスを誘導し得る。
Wntシグナル伝達経路は、2つのカテゴリー:標準的経路及び非標準的経路、に分けられる場合が多い。標準的経路は典型的には、β-カテニン依存経路と呼ばれる。非標準的経路は、β-カテニンに依存せず、形態形成中の細胞の動きを制御する役割を担う。両方の経路が癌の発達に関与しているが、標準的な経路が、胃腸(GI)癌における影響について最も一般的に認識されている。
Wntシグナルモジュレーターで達成できる改善された治療法の必要性が存在する。Wnt/β-カテニンシグナル伝達のモジュレーターはまた、線維症、炎症状態、骨成長及び脱毛症を含む、他の病気を治療する可能性も有する。したがって、Wnt/β-カテニンシグナル伝達を阻害及び/又は制御できる化合物並びに方法が必要とされている。具体的には、有効なWnt経路モジュレーターが、必要とされている。
本明細書に開示される化合物BCN057は、以前に米国特許出願第13/813,923号及び同第14/889,719号に記載された。本発明は、新しい類似体及び新しい使用方法を提供する。BCN057(YEL002とも呼ばれる)、BCN512及び各化合物の類似体を、以下に記載する。本発明の化合物は、治療法の中でも特に、炎症性疾患の治療又は予防、及び癌若しくは他の過剰増殖状態の治療又は予防に有用である。
一実施形態は、式Aの化合物又はその類似体である。
Figure 2022545287000002

(式中、Rは、CH又はHであり、R
Figure 2022545287000003

のうちの1つである。)
別の実施形態は、対象における疾患を治療する方法であって、対象に治療有効量の式B:
Figure 2022545287000004

(式中:
は、アルキル、アルキルアミン、又はエーテルであり;
は、H又はCHであり;かつ
は、H又はOHである)
の構造を有する化合物を投与することを含む、方法である。式Bの類似体は、本明細書に記載の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VII、式VIII、式IX、式X、式XII、式XIII、式XIV、式XV、式XVI、式XVII、式XVIII及び式XIXを含んでよい。
さらなる実施形態は、治療有効量の式Bの化合物又はその類似体で対象における癌を治療する方法である。癌は、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、直腸癌、皮膚癌、血液癌又は精巣癌であり得る。治療は、対象に1種以上の追加の薬剤を投与すること及び化学療法又は放射線療法を施すことを含んでよい。
追加の実施形態は、化学療法又は放射線療法の1以上の副作用を有する対象を式Bの化合物又はその類似体で治療する方法を含む。さらに別の実施形態は、治療有効量の式Bの化合物又はその類似体を投与することにより、上皮細胞への放射線誘発損傷を予防又は治療する方法である。上皮細胞への放射線誘発損傷は、放射線誘発性胃腸症候群(RIGS)、放射線誘発性粘膜炎、放射線誘発性口腔粘膜炎、放射線誘発性直腸炎及び/又は放射線誘発性腸炎として特定できる。
さらなる実施形態は、式Bの化合物又はその類似体で線維症を治療する方法を含む。線維症は、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症、及び/又は癒着性関節包炎であり得る。
追加の実施形態は、それを必要とする対象におけるウイルス感染を式Bの化合物又はその類似体で治療する方法を含む。実施形態はまた、式Bの化合物又はその類似体でうつ病を治療する方法を含む。
一態様では、治療有効量の化合物BCN057:
Figure 2022545287000005

で対象を治療する方法が、本明細書に開示される。
BCN057は、その構造名:(3-[(フラン-2-イルメチル)アミノ]-2-(7-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-1-イウム)でも呼ばれ得る。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、対象に治療有効量のBCN057の化合物又はその類似体を投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、治療有効量の化合物BCN057又はその類似体を含む薬剤の組み合わせを対象に投与する工程を含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、対象における化学療法又は放射線療法の副作用を治療する方法であって、治療有効量のBCN057の化合物又はその類似体を対象に投与する工程を含む、方法を提供する。別の実施形態では、本開示は、対象において放射線誘発性胃腸症候群(RIGS)を治療する方法であって、治療有効量の化合物BCN057又はその類似体を対象に投与することを含む、方法を提供する。
一態様では、治療有効量の化合物BCN512で対象を治療する方法が、本明細書で開示される。化合物BCN512の構造を以下に示し、それは1-[(4-ニトロベンゼン)スルホニル]-4-フェニルピペラジンとしても知られている。類似体は、BCN512A1及びBCN512Bを含む。
Figure 2022545287000006
別の実施形態では、本開示は、治療有効量のBCN512の化合物又はその類似体を投与することを含む、対象におけるWntシグナル伝達を調節する方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、線維症を有する対象を治療する方法であって、治療有効量のBCN512の化合物又はその類似体を含む薬剤の組み合わせを対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、対象におけるSFRP活性を阻害する方法であって、治療有効量のBCN512の化合物又はその類似体を対象に投与することを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本開示は、それを必要とする対象における線維症を治療する方法であって、治療有効量のBCN512の化合物又はその類似体を対象に投与することを含む、方法を提供する。別の実施形態では、線維性疾患は、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症(例えば、慢性ウイルス性肝炎B又はCによって引き起こされる)、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症(縦隔の軟組織)、骨髄線維症(骨髄)、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、又は癒着性関節包炎である。
別の実施形態では、本開示は、BCN512又はその類似体を用いて、骨密度の疾患又は骨密度の欠如を治療する方法を提供する。例は、骨粗鬆症、老化及び骨密度の欠如、骨折又は骨の破壊を含む。
別の実施形態では、本開示は、発毛の欠如又は脱毛をBCN512又はその類似体で治療する方法を提供する。例は、脱毛症、加齢による毛髪の消失又はパターン形成された脱毛症を含む。
別の実施形態では、本発明は、式I:
Figure 2022545287000007

(式中、
は、2級又は3級のアミン(すなわち、それによってスルホンアミドを形成する)であり、かつ
は、置換若しくは非置換のアリール又はヘテロアリール基であり、好ましくは、アリール又はヘテロアリール基は、置換された、例えば、スルホニルに遠位の位置に配置されたニトロを含む少なくとも1つの置換基を有する。特定の実施形態では、Aは、ピペリジン、ピペラジン、又はモルホリン環などの複素環式アミンであるが、他の実施形態では、アミンは非環式であり、かつ/又はスルホニルに結合される窒素原子は、Aに存在し得る任意の環に含まれない)
で表される化合物又はその医薬として許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを提供する。
実施形態は、対象における疾患を治療するためのWnt活性を調節する方法であって、治療有効量の式Iaの構造を有する化合物を対象に投与することを含む、方法を含む。
疾患は、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び/又は肥満であり得る。疾患はまた、化学療法又は放射線療法の1以上の副作用であり得る。
別の実施形態では、本発明は、式II
Figure 2022545287000008

(式中;
Xは、N又は-CH-、好ましくはNであり;
及びYは、それぞれ独立して低級アルキルであるか、又はY及びYは、Xと共に、
Figure 2022545287000009

(式中、
Xは、N、C又はCHであり;
Gは、N、C又はCHであり;
Zは、存在しないか、又は置換若しくは非置換のアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、又はアルキニルから選択され;かつ
は、水素であるか、又は置換若しくは非置換のアリール(例えば、フェニル)及びヘテロアリールから選択され、かつ
及びRは、各々独立して、存在しないか、又は低級アルキルである)
などのヘテロシクリル環系を形成する)
で表される化合物又はその医薬として許容される塩、エステル若しくはプロドラッグを提供する。
他の実施形態では、X、Y及びYは共に、環系
Figure 2022545287000010

(式中、
Xは-C(H)-であり、かつ
は、ハロゲン置換フェニル基、例えば、4-フルオロフェニル又は3-クロロフェニルなどの置換又は非置換アリール(例えば、フェニル)及びヘテロアリール)から選択される)
を形成する。特定の実施形態では、Y及びYは、各々エチルである。特定の好ましい実施形態では、Y及びYは、共にピペラジン環を形成する。特定の好ましい実施形態では、Zは存在しない。
実施形態は、対象における疾患を治療するためにWnt活性を調節する方法であって、対象に治療有効量の式IIaの構造を有する化合物を投与することを含む、方法を含む。疾患は、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び肥満であり得る。疾患はまた、化学療法又は放射線療法の1以上の副作用であり得る。線維症は、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症又は癒着性関節包炎であり得る。
別の実施形態は、式C
Figure 2022545287000011

(式中、
=ハロゲン、N、OH、CH、OH、(CH)n-CH又は置換もしくは非置換のアリール;
=ハロゲン、N、OH、CH、OH、(CH)n-CH又は置換もしくは非置換のアリール;
=ハロゲン、N、OH、CH、OH、(CH)n-CH又は置換もしくは非置換のアリール;
=ハロゲン、N、OH、CH、OH、(CH)n-CH又は置換もしくは非置換のアリール)
の化合物又はその類似体である。類似体は、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び式XXVIIの化合物を含み得る。
実施形態はまた、対象における炎症を式Cの化合物又はその類似体で治療する方法を含む。類似体は、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び/又は式XXVIIであり得る。
実施形態はまた、対象における疾患を治療するためにWnt活性を調節する方法であって、治療有効量の式XXIの化合物又はその類似体を対象に投与することを含む、方法を含む。類似体は、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び/又は式XXVIIであり得る。疾患は、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び/又は肥満であり得る。線維症は、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症又は癒着性関節包炎であり得る。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、式I又はIIの化合物のプロドラッグであってよく、例えば、親化合物中のヒドロキシルが、エステル又はカーボネートとして提示されるか、又は親化合物中に存在するカルボン酸がエステルとして提示される。特定のそのような実施形態では、プロドラッグは、インビボで活性な親化合物に代謝される(例えば、エステルは、対応するヒドロキシル又はカルボン酸に加水分解される)。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、ラセミ体であってよい。特定の実施形態では、本発明の化合物は、1つの鏡像異性体が富化され得る。例えば、本発明の化合物は、30%ee、40%ee、50%ee、60%ee、70%ee、80%ee、90%ee超、又はさらには95%以上のeeを有してよい。特定の実施形態では、本発明の化合物は、2以上の立体中心を有してよい。特定のそのような実施形態では、本発明の化合物は、1以上のジアステレオマーが富化され得る。例えば、本発明の化合物は、30%de、40%de、50%de、60%de、70%de、80%de、90%de、又は95%以上のdeを有してよい。
特定の実施形態では、本発明は、式Ia、IIa、A、B、Cの化合物、その類似体及び/又は医薬として許容される塩による治療方法に関する。特定の実施形態では、治療用調製物は、化合物(例えば、式Ia、IIa、A、B又はC)の主に1つの鏡像異性体を提供するために富化され得る。
特定の実施形態では、治療用調製物は、化合物(例えば、式Ia、IIa、A、B又はC)の主に1つのジアステレオマーを提供するために富化され得る。ジアステレオマーに富む混合物は、例えば、少なくとも60モル%、又はより好ましくは少なくとも75、90、95、又はさらに99モル%の1つのジアステレオマーを含んでよい。
特定の実施形態では、本発明は、式Ia、IIa、A、B若しくはCの化合物、又はその医薬として許容される塩で治療する方法に関する。特定の実施形態では、治療用調製物は、化合物(例えば、式Ia、IIa、A、B又はC)の主に1つの鏡像異性体を提供するために富化され得る。
特定の実施形態では、治療用調製物は、化合物(例えば、式Ia、IIa、A、B又はC)の主に1つのジアステレオマーを提供するために富化され得る。特定の実施形態では、本発明は、上で示した化合物(例えば、式Ia、IIa、A、B又はCの化合物などの本発明の化合物)のいずれか、及び1以上の医薬として許容される賦形剤を含む、ヒト患者における使用に適する医薬製剤を提供する。特定の実施形態では、医薬調製物は、本明細書に記載の病態若しくは疾患を治療又は予防することにおける使用のためであり得る。特定の実施形態では、医薬調製物は、ヒト患者での使用に適する十分に低い発熱物質活性を有する。上記構造のいずれの化合物も、本明細書に開示されるいずれの疾患又は病態の治療のための薬剤の製造において使用され得る。
本発明の様々な他の目的、特性及び付随する利点は、類似の参照文字がいくつかの図全体にわたって同じ又は類似の部分を指定する添付の図面と共に考慮した場合よりよく理解されるように、完全に認識されるようになるであろう。
図1は、膵臓癌細胞株の生存率に対する5-FU及びBCN057の効果を示す。 図2Aは、用量依存的なPanc-1細胞におけるアネキシンVアポトーシス及びネクローシスアッセイを示す。 図2Bは、経時的なPanc-1細胞におけるアネキシンVアポトーシス及びネクローシスアッセイを示す。 図3A~図3Fは、膵臓癌細胞株の生存率に対する10μMのBCN057の効果を示す。図3Aは0時点、図3Bは15分、図3Cは30分、図3Dは60分、図3Eは120分、図3Fは240分での膵臓癌細胞株を示す。 図4Aは、膵臓細胞における生存アッセイの結果のグラフである。 図4Bは、各時点のデータを示す。 図5Aは、化合物Hを示す。 図5Bは、化合物Kを示す。 図6は、未治療肺組織切片及びBCN512で治療された切片における線維化病変を示すグラフである。 図7A~7Fは、何もしない(A)、14Gyの胸部照射(B)又は照射とBCNB512投与(C)を受けたC57M雄マウスにおけるTGFβについて染色した肺切片の組織病理を示す。画像D、E及びFは、同じ動物からの同じパラメータでの心筋染色である。
定義
「1つの実施形態/態様」又は「一実施形態/態様」への本明細書における言及は、実施形態/態様に関連して記載される特定の特性、構造、又は特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態/態様に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での語句「1つの実施形態/態様」又は「別の実施形態/態様」の使用は、必ずしも全てが同一の実施形態/態様を参照するものではなく、他の実施形態/態様を除いて、互いに別々の又は代替的な実施形態/態様を参照するものでもない。さらに、いくつかの実施形態/態様によって示され、かつ他の実施形態では示され得ない、様々な特性が記載される。同様に、いくつかの実施形態/態様についての要件であり得るが、他の実施形態/態様ではあり得ない、様々な要件が記載されている。実施形態及び態様は、特定の場合に互換的に使用され得る。
本明細書で使用される用語は、一般に、当技術分野において、本開示の文脈内で、及び各用語が使用される具体的な文脈においてそれらの通常の意味を有する。本開示を説明するために使用される特定の用語は、本開示の説明に関して追加的な案内を実施者に提供するために、以下で又は本明細書の他の場所で論じられる。同様のものが2以上の方法の中で説明され得ることが、理解されるであろう。
その結果として、代替言語及び同義語が、本明細書で論じられる用語のいずれか1以上のために使用され得る。また、用語が本明細書で詳細に説明されているか否かには特別な重要性はない。特定の用語についての同義語が提供される。1以上の同義語の詳説は、他の同義語の使用を排除しない。本明細書で論じられる任意の用語の例を含む本明細書のどこかでの例の使用は、単なる例示であり、本開示の又は任意の例示された用語の範囲及び意味をさらに限定することを意図するものではない。同様に、本開示は、本明細書に与えられる様々な実施形態に限定されるものではない。
本開示の範囲をさらに限定することを意図するものではないが、本開示の実施形態による器具、装置、方法及びそれらの関連する結果の例が、以下に与えられる。なお、本開示の範囲を決して限定すべきではないが、読み手の利便性のために、タイトル又はサブタイトルが例で用いられ得ることに留意されたい。特に限定されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本文書が優先する。
特に示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用する特徴、項目、量、パラメータ、特性、用語などを表す全ての番号は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されていると理解されるべきである。本明細書で使用する用語「約」は、そのように認定される特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は用語が、述べられている特徴、項目、量、パラメータ、特性、又は用語の値の±10%の範囲を上回る又は下回ることを包含することを意味する。したがって、逆のことが示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、変化し得る近似値である。例えば、質量分析器具は、所与の分析物の質量を決定する際にわずかに変化してよく、イオンの質量又はイオンの質量/電荷比の文脈における用語「約」は、±0.50原子質量単位を指す。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものでもなく、各数値表示は、少なくとも報告された重要な桁数によって、及び通常の丸め技術の適用によって解釈されるべきである。
一実施形態又は一実施形態の態様を参照して、用語「してよい(may)」又は「することができる(can)」の使用は、それと共に、「し得ない(may not)」又は「することはできない(can not)」の代替的な意味も保有する。このように、一実施形態又は一実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含まれる、又は含まれてよいことを本明細書が開示する場合には、負の制限又は排他的条件も明示的に意味され、一実施形態又は一実施形態の態様は本発明の主題の一部として含まれ得ないか、又は含めることができないことを意味する。同様に、一実施形態又は一実施形態の態様を参照して、用語「任意に」の使用は、そのような実施形態又は実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含まれてもよく、又は含まれなくてもよいことを意味する。そのような負の制限又は排他的な条件が適用されるかどうかは、負の制限又は排他的条件が請求される主題に記載されているかどうかに基づくであろう。
本開示の広範な範囲を記載する数値範囲及び値は近似であるにもかかわらず、特定の実施例に記載された数値範囲及び値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、任意の数値範囲又は値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差に必ず起因する特定の誤差を本質的に含む。本明細書で値の数値範囲の記載は、単に範囲内にある各別々の数値を個々に参照する短縮法としての役割を果たすことを意図するものである。特に本明細書に示されない限り、数値範囲の各個々の値は、本明細書に個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
本開示に記載の文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)使用する用語「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その」及び類似の言及は、特に本明細書で示さないか又は文脈によって明確に矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含するように解釈されるべきである。さらに、第1、第2、第3などの順序の指標は、要素間を識別するために用いられ、必要な又は限定された数のそのような要素を示さず又は意味せず、特に具体的に述べない限り、そのような要素の特定の位置又は順序を示さない。本明細書に記載の全ての方法は、特に本明細書で示さない限り、又は文脈によって明確に矛盾しない限り任意の適切な順序で実施できる。本明細書に提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「などの」)の使用は、単に本開示をより良好に理解することを意図するものであり、特に請求される本開示の範囲を制限するものではない。本明細書中の言語は、本開示の実施に不可欠な任意の請求されない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
特許請求の範囲で使用される場合、出願されたままか又は修正ごとに追加されようが、制限のない移行用語「含む」(及び含む(including)、含む(containing)、及び有する(having)のようなその対応する制限のない移行句)は、明確に記載される要素、制限、工程及び/又は特性を単独で、又は記載されていない主題と組み合わせて全て包含する;名前付き要素、制限及び/又は特性は、必須であるが、他の名前のない要素、制限及び/又は特性が追加されてよく、特許請求の範囲内に構成概念をさらに形成してよい。本明細書に開示される具体的な実施形態は、「含む(comprising)」の代わりに、又は「含む(comprising)」の修正としての制限のある移行句「からなる」又は「から本質的になる」を用いる特許請求の範囲でさらに限定され得る。特許請求の範囲で使用される場合、出願されたままか又は修正ごとに追加されようが、制限のある移行句「からなる」は、特許請求の範囲に明示的に記載されていない要素、制限、工程、又は特性を除外する。制限のある移行句「から本質的になる」は、明確に記載される要素、制限、工程及び/又は特性、並びに請求される主題の基本的で新規の特徴(複数可)に実質的に影響しない任意の他の要素、制限、工程及び/又は特性に特許請求の範囲を制限する。そのため、制限のない移行句「含む(comprising)」の意味は、具体的に記載される要素、制限、工程及び/又は特性並びにいずれの任意の追加の不特定のものを全て包含するものとして定義される。制限のある移行句「からなる」の意味は、特許請求の範囲に具体的に記載されるそれらの要素、制限、工程及び/又は特性のみを含むものとして定義されるが、制限のある移行句「から本質的になる」の意味は、特許請求の範囲に具体的に記載されるそれらの要素、制限、工程及び/又は特性並びに請求される主題の基本的で新規の特徴(複数可)に実質的に影響しないそれらの要素、制限、工程及び/又は特性のみを含むものとして定義されている。したがって、制限のない移行句「含む(comprising)」(及びその対応する制限のない移行句)は、限定的な場合として、制限のある移行句「からなる」又は「から本質的になる」によって特定される請求される主題をその意味の中に含む。本明細書に記載されるか、又は語句「含む(comprising)」と共にそのように請求されるそのような実施形態は、語句「から本質的になる」及び「からなる」について本明細書で明確に又は本質的に明らかに記載され、有効化され、かつ支持される。
該当する場合、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「約」又は「一般的に」は、特に示されない限り、±20%のマージンを意味する。また、該当する場合、本明細書及び特許請求の範囲で使用される用語「実質的に」は、特に示されない限り、±10%のマージンを意味する。上記用語の全ての使用が、参照された範囲が適用され得るように定量可能であるわけではないことを認識すべきである。
用語「活性剤」又は「有効成分」は、生物学的に活性であるか、又はそうでなければ、それが投与される対象に生物学的又は生理学的効果を誘導する物質、化合物、又は分子を指す。言い換えれば、「活性剤」又は「有効成分」は、組成物の効果の全体又は一部が帰属する組成物の成分又は複数の成分を指す。活性剤は、一次活性剤であり得るか、又は言い換えれば、組成物の効果の全部又は一部が帰属する組成物の成分(複数可)であり得る。活性剤は、二次薬剤であり得るか、又は言い換えれば、組成物の追加の部分及び/又他の効果が帰属する組成物の成分(複数可)であり得る。
用語「癌」は、アデノイド嚢胞癌、副腎癌、アミロイドーシス、肛門癌、毛細血管拡張性運動失調症、非定型ほくろ症候群、基底細胞癌、胆管癌、バート・ホッグ・デュベ症候群、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、男性の乳癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、結腸直腸癌、非浸潤性乳管癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、消化管間質腫瘍(GIST)、HER2陽性乳癌、膵島細胞腫瘍、若年性ポリポーシス症候群、腎臓癌、喉頭癌、白血病-急性リンパ芽球性白血病、白血病-急性リンパ性(ALL)、白血病-急性骨髄性AML、白血病-成人、白血病-小児期、白血病-慢性リンパ性白血病-CLL、白血病-慢性骨髄性-CML、肝臓癌、小葉癌、肺癌、肺癌-小細胞、リンパ腫-ホジキンリンパ腫、リンパ腫-非ホジキンリンパ腫、悪性神経膠腫、黒色腫、髄膜腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、神経内分泌腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、膵臓神経内分泌腫瘍、副甲状腺癌、陰茎癌、腹膜癌、ポイツ・ジェガーズ症候群、下垂体腫瘍、真性多血症、前立腺癌、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、唾液腺癌、肉腫、肉腫-カポジ肉腫、皮膚癌、小腸癌、胃癌、精巣癌、胸腺腫、甲状腺癌、子宮(子宮内膜)癌、膣癌及びウィルムス腫瘍の1以上を含み得る。用語「血液癌」は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性新生物の1以上を含み得る。
用語「誘導体」は、化合物に同じ又は類似のコア構造を有するが、1以上の原子若しくは官能基の置換、欠失、及び/又は付加を含む少なくとも1つの構造差を有する任意の化合物を指してよい。用語「誘導体」は、誘導体が出発物質又は中間体のいずれかとして親化合物から合成されることを意味しないが、これはその場合であってよい。用語「誘導体」は、親化合物のプロドラッグ又は代謝産物を含んでよい。誘導体は、親化合物中のカルボキシル基が誘導体化されてメチル及びエチルエステル、又は他の種類のエステル又はヒドラジドを形成する、化合物を含む。誘導体は、親化合物中のヒドロキシル基が誘導体化されてO-アシル又はO-アルキル誘導体を形成する、化合物を含む。誘導体は、親化合物中の水素結合供与基がOH、NH、又はSHなどの別の水素結合供与基で置換された、化合物を含む。誘導体は、親化合物中の水素結合受容体基をエステル、エーテル、ケトン、カーボネート、第三級アミン、イミン、チオン、スルホン、第三級アミド、及び硫化物などの別の水素結合受容体基と置換することを含む。誘導体は、親化合物又はその誘導体の医薬として許容される塩形態などの、塩形態も含んでよい。
用語「線維症」は、修復プロセス若しくは反応プロセスにおける器官又は組織における過剰な繊維状結合組織の形成を伴う状態を指す。これは、反応性で、良性の又は病理学的な状態であり得る。
本明細書で使用する「軽減」は、同じ量の時間の間であるが、未治療である症状若しくは状態を示す細胞、器官、組織、又は生物に対して、状態の1以上の負の症状を減らすことを意味する。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物を細胞、器官、組織、又は生物と接触させることは、治療有効量の化合物を対象に投与することを含み得る。本明細書で使用する「治療有効量」は、負の症状又は状態を軽減するのに十分な量である。
用語「対象」又は「患者」は、治療が所望される任意の単一の動物、より好ましくは哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ、動物園の動物、ウシ、ブタ、ヒツジ、及び非ヒト霊長類のような非ヒト動物を含む)を指す。最も好ましくは、本明細書で患者は、ヒトである。
本明細書で使用する用語「医薬として許容される担体」は、医薬投与に適合するあらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、等張剤及び吸収遅延剤などを指す。医薬として活性のある物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は、当技術分野で周知である。組成物は、補足的、追加の、又は増強された治療機能を提供する他の活性化合物も含有し得る。
本明細書で使用する用語「医薬として許容される組成物」は、1以上の医薬として許容される担体と共に配合された、本明細書で開示する少なくとも1つの化合物を含む組成物を指す。
本明細書で使用する用語「医薬として許容されるプロドラッグ」は、本開示の化合物のプロドラッグを表し、これは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応がなくヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/リスク比に見合い、それらの意図された使用に有効であり、ならびに可能な限り、本開示の化合物の双性イオン形態である。議論は、Higuchiら,「新規送達システムとしてのプロドラッグ(Prodrugs as Novel Delivery Systems)」、ACS Symposium Series,14巻,及びRoche,E.B.,(編).薬物設計におけるバイオリバーシブル担体(Bioreversible Carriers in Drug Design),American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供されており、両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
用語「医薬として許容される塩(複数可)」は、本発明の組成物に使用される化合物中に存在し得る酸性又は塩基性基の塩を指す。本質的に塩基性である本発明の組成物に含まれる化合物は、様々な無機酸及び有機酸と多種多様な塩を形成できる。そのような塩基性化合物の医薬として許容される酸付加塩を調製するために使用され得る酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち、硫酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩(matate)、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、サッカレート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))塩を含むが、これらに限定されない、薬理学的に許容される陰イオンを含む塩を形成する酸である。アミノ部分を含む本発明の組成物に含まれる化合物は、上述の酸に加えて、様々なアミノ酸と医薬として許容される塩を形成し得る。本発明の組成物に含まれる本来は酸性の化合物は、様々な薬理学的に許容されるカチオンを有する塩基性塩を形成できる。このような塩の例は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、リチウム、亜鉛、カリウム、及び鉄塩を含む。
用語「化学療法」は、1種以上の抗癌剤(すなわち、化学療法剤)を使用する癌治療の種類を指す。化学療法は、治療目的(典型的には、薬物の組み合わせ)で与えられ得るか、又はそれは、寿命を延長するため、又は症状を低減するため(すなわち、対症療法的化学療法)に使用され得る。従来の化学療法剤は、細胞分裂(有糸分裂)に干渉する手段により細胞傷害性である。化学療法の一般的な副作用は、骨髄抑制、粘膜炎(消化管の裏層の炎症)及び脱毛症を含む。
用語「KRAS」は、細胞シグナル伝達において「オン/オフ」スイッチとして作用する遺伝子を指す。それが正常に機能する場合、それは、細胞増殖を制御する。それはアロステリックに活性化され、c-Raf及びPI3-キナーゼなどの他の細胞シグナル伝達受容体と共に、成長因子の増殖に必要なタンパク質を動員し活性化できる。負のシグナル伝達は、それが変異し細胞を過剰増殖させ癌に発展させたときに破壊され得る。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書で互換的に使用される。これらの用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣物であるアミノ酸ポリマー、並びに天然に存在するアミノ酸ポリマー及び天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。ポリペプチドを取得する(例えば、生成する、単離する、精製する、合成する、及び組換え的に製造する)ための方法は、当業者によく知られている。
用語「RIGS」又は「放射線誘発性胃腸症候群」は、腸管陰窩細胞及び間質細胞に対する照射の直接的な細胞破壊的効果と、粘膜バリアの喪失並びに下痢、電解質不均衡、重量損失及び死に及ぶ症状との組み合わせから生じる。患者のかなりの割合が、照射野における正常組織への損傷が原因で放射線誘発毒性を経験する。放射線処理により誘発される正常組織毒性を低減又は予防することを目的とする、化学的又は生物学的アプローチの使用は、長年の目標である。
用語「放射線療法(radiation therapy)」又は「放射線療法(radio therapy)」は、一般的に悪性細胞を制御又は死滅させるための癌治療の一部として、電離放射線を用いる治療法を指す。放射線療法は通常、細胞増殖を制御するその能力のために癌性腫瘍に適用される。電離放射線は、細胞死に至る癌組織のDNAを損傷することによって作用する。主な副作用は、疲労及び皮膚刺激である。急性の副作用は、悪心及び嘔吐、上皮表面への損傷、口、喉及び胃の痛み、膨潤、腸管の不快感を含み得る。RIGS(放射線誘発胃腸症候群)は、胃腸系に関連する副作用を説明するために用いられる一般用語である。
用語「SFRP」又は「分泌されたfrizzled関連タンパク質」は、可溶性frizzled関連タンパク質の一部であるWntシグナル伝達経路阻害剤(sFRPS)を指す。sFRPSは、Wntsとの直接相互作用を介してWntシグナル伝達のモジュレーターとして機能する。5つの哺乳類sFRPsが同定されている(sFRP-1、sFRP-2、sFRP-3、sFRP-4及びsFRP-5)。これらのタンパク質は、シグナル配列、frizzled様システインリッチドメイン(CRD)、及び小さな親水性C末端ドメインを含む約300個のアミノ酸からなる。グループとして、sFRPsは、様々な胚及び成体組織において発現されるので、Wntシグナル伝達を阻害するための共通の機構を示唆する。しかし、個々のファミリーメンバーは、特定の空間的及び時間的な発現パターンを有する。
用語「Wntシグナル伝達経路」は、細胞表面受容体を介してシグナルを細胞内に通過させるタンパク質で始まる、シグナル伝達経路のグループを指す。標準的Wnt経路は、遺伝子転写の調節をもたらす。
用語「治療すること」又は「治療」は、(1)疾患の抑制;例えば、疾患、病態若しくは障害の病態又は総体症状を経験しているか又は示している個体における疾患、病態又は障害の抑制(すなわち、病態及び/又は総体症状のさらなる発展の阻止);及び(2)疾患の寛解;例えば、疾患の重症度の低下などの疾患、病態若しくは障害の病態又は総体症状を経験しているか又は示している個体における疾患、病態又は障害の寛解(すなわち、病態及び/又は総体症状の逆転)、の1以上を指す。治療は、予防的及び/又は治療的であり得る。用語「予防的又は治療的」処置は、当技術分野で認識されており、本発明の組成物の1以上の宿主への投与を含む。それが、望ましくない病態(例えば、宿主動物の疾患又は他の望ましくない状態)の臨床的発現の前に投与される場合、治療は予防的である(すなわち、それは望ましくない状態の発症から宿主を保護する)が、それが、望ましくない状態の発症後に投与される場合、処置は治療的である(すなわち、それは既存の望ましくない状態若しくはその副作用を減少、寛解又は安定化することを意図される)。
用語「TOPFLASH」又は「TCF/LEFレポーターキット」は、培養細胞におけるWnt/β-カテニンシグナル伝達経路の活性を監視するためのキットを指す。キットは典型的には、Wnt経路応答レポーターである、TCF/LEFルシフェラーゼレポーターベクターを含む。
本明細書で使用する用語「単位投与形態」又は「単位」は、ヒト及び動物対象のための単位用量として適する物理的に別々の単位を指し、各単位は医薬として許容される希釈剤、担体又はビヒクルと関連付けられる所望の効果を生じさせるのに十分な量で計算された所定量の化合物を含む。本開示の新規な単位剤形の仕様は、使用する特定の化合物及び達成されるべき効果、並びに対象における各化合物に関連付けられる薬力学に依存する。
本開示の化合物は、1以上のキラル中心及び/又は二重結合を含んでよく、したがって、幾何異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。本明細書で使用する用語「立体異性体」は、全ての幾何異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーからなる。これらの化合物は、不斉中心炭素原子の周囲の置換基の構成に依存して、記号「R」又は「S」によって指定され得る。本開示は、これらの化合物及びそれらの混合物の様々な立体異性体を包含する。立体異性体は、鏡像異性体及びジアステレオマーを含む。鏡像異性体又はジアステレオマーの混合物は、命名法において「(±)」と命名され得るが、当業者は、構造がキラル中心を暗示的に示し得ることを認識するであろう。
本開示の化合物の個々の立体異性体は、不斉(asymmetric)中心又は不斉(stereogenic)中心を含む商業的に入手可能な出発物質から、又はラセミ混合物の調製に続いて当業者に周知の分割方法によって、合成的に調製できる。これらの分割の方法は、(1)キラル助剤への鏡像異性体の混合物の付着、再結晶又はクロマトグラフィーによる得られたジアステレオマー混合物の分離、補助剤からの光学的に純粋な生成物の遊離、(2)光学活性分割剤を用いた塩形成、又は(3)キラルクロマトグラフィーカラム上での光学鏡像異性体の混合物の直接分離、によって例示される。立体異性体混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、化合物のキラル塩錯体としての結晶化、又はキラル溶媒中での化合物の結晶化などの、周知の方法により、それらの成分の立体異性体に分割することもできる。立体異性体は、周知の非対称合成法により立体的に純粋な中間体、試薬、及び触媒から得ることもできる。
幾何異性体も本開示の化合物中に存在してよい。本開示は、炭素-炭素二重結合の周りの置換基の配置又は炭素環の周りの置換基の配置から生じる、様々な幾何異性体及びそれらの混合物を包含する。炭素-炭素二重結合の周囲の置換基は、「Z」又は「E」配置にあるように指定され、用語「Z」及び「E」は、IUPAC基準にしたがって使用される。特に断らない限り、二重結合を示す構造は、E及びZ異性体の両方を包含する。
炭素-炭素二重結合の周囲の置換基はまた、「シス」又は「トランス」と呼ばれてよく、「シス」は、二重結合の同じ側の置換基を表し、「トランス」は、二重結合の反対側の置換基を表す。炭素環の周りの置換基の配置は、「シス」又は「トランス」として命名される。用語「シス」は、環の平面の同じ側の置換基を表し、用語「トランス」は、環の平面の反対側の置換基を表す。置換基が環の平面の同じ側と反対側の両方に配置される化合物の混合物は、「シス/トランス」と命名される。
本明細書に開示される化合物は、互変異性体として存在してよく、両方の互変異性形態は、1つの互変異性構造のみが示されていても、本開示の範囲に包含されることが意図される。
用語「アルコキシ」は、式-ORの化学的置換基を表し、Rは、特に断らない限り、任意に置換されるC~Cアルキル基である。いくつかの実施形態では、アルキル基は置換されてよく、例えば、アルコキシ基は、本明細書で定義される1、2、3、4、5又は6個の置換基を有してよい。
用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で定義されるように、アルコキシ基で置換されたアルキル基として記載される、ヘテロアルキル基を表す。例示的な置換されていないアルコキシアルキル基は、2~12個の炭素を含む。いくつかの実施形態では、アルキル及びアルコキシの各々は、それぞれのグループについて本明細書で定義される1、2、3、又は4個の置換基でさらに置換できる。
用語「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」は、非置換のときにはC及びHのみを含む直鎖、分岐鎖及び環状の1価の置換基、並びにこれらの組み合わせを含む。例は、メチル、エチル、イソブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2-プロペニル、3-ブチニルなどを含む。本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、特に断らない限り、3~9個の炭素を有する1価の飽和又は不飽和の非芳香族環状アルキル基(例えば、C3~C9シクロアルキル)を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルなどによって例示される。シクロアルキル基が1つの炭素-炭素二重結合を含む場合、シクロアルキル基は「シクロアルケニル」基と呼ぶことができる。例示的なシクロアルケニル基は、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを含む。典型的には、アルキル、アルケニル及びアルキニル基は、1~12個の炭素(例えば、C~C12アルキル)又は2~12個の炭素(例えば、C~C12アルケニル又はC~C12アルキニル)を含む。いくつかの実施形態では、アルキル基は、C~C、C~C、C~C、C~C、若しくはC~Cアルキル基;又はC~C、C~C、C~C、若しくはC~Cアルケニル又はアルキニル基である。さらに、これらの基の一方の任意の水素原子は、本明細書に記載の置換基で置き換えられてよい。
ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニルも同様に定義され、少なくとも1つの炭素原子を含むが、主鎖残基内に1以上のO、S若しくはNのヘテロ原子又はそれらの組み合わせを含み、それによってヘテロアルキル、ヘテロアルケニル又はヘテロアルキニル基中の各ヘテロ原子が、ヘテロ形態が対応するアルキル、アルケニル又はアルキニル基の1つの炭素原子と置き換わる。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニル基は、その基が他の基に付着される各末端にCを有し、存在するヘテロ原子(複数可)は、末端位置に位置しない。当技術分野で理解されるように、これらのヘテロ形態は、4以上の連続したヘテロ原子を含まない。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子は、O又はNである。本明細書で使用する用語「ヘテロシクリル」は、特に断らない限り、例えば、窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3、又は4つのヘテロ原子を含む、3、4、5、6又は7員環である環状ヘテロアルキル又はヘテロアルケニルを表す。5員環は、0~2つの二重結合を有し、6員環及び7員環は、0~3つの二重結合を有する。用語「ヘテロシクリル」はまた、1以上の炭素及び/又はヘテロ原子が単環式環の2つの非隣接メンバーを架橋する架橋多環構造、例えばキヌクリジニル基を有する複素環式化合物を表す。用語「ヘテロシクリル」は、上記複素環のいずれかが1、2、又は3つの炭素環式環、例えば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン(cyclopenlane)環、シクロペンテン環、又は、インドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどの別の単環複素環と縮合される、二環式、三環式、及び四環式基を含む。
本明細書で使用される用語「アルキルスルホニル」は、-S(O)-基を含む、本明細書に記載の任意に置換されるアルキル基として記載される、ヘテロアルキル基を表す。
本明細書で使用する用語「アミノ」は、-N(R)を表し、各Rは、独立して、H、OH、NO、N(R)、SOOR、SOR、SOR、SON(R)、SON(R)、N保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルカリル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヘテロシクリル(例えば、ヘテロアリール)、アルキルヘテロシクリル(例えば、アルキルヘテロアリール)であるか、又は2つのRが結合してヘテロシクリル又はN保護基を形成し、各RN2は、独立して、H、アルキル、又はアリールである。好ましい実施形態では、アミノは、-NH又は-NHRであり、Rは、独立して、OH、NO、NH、NR、SOOR、SOR、SOR、SON(R)、SON(R)、アルキル、又はアリールであり、各Rは、H、アルキル、又はアリールであり得る。本明細書で使用する用語「アミノアルキル」は、本明細書で定義されるアミノ基で置換された本明細書で定義されるアルキル基として記載される、本明細書で定義されるヘテロアルキル基を表す。アルキル及びアミノの各々は、それぞれの基について、本明細書に記載の1、2、3、又は4個の置換基でさらに置換できる。例えば、アルキル部分は、オキソ(=O)置換基を含んでよい。
「芳香族」部分又は「アリール」部分は、環系全体にわたって電子分布に関して芳香族性の特徴を有し、かつフェニル又はナフチルなどの単環式又は縮合二環式部分を含む、任意の単環式又は縮合環二環系を指す。「ヘテロ芳香族」又は「ヘテロアリール」はまた、O、S及びNから選択される1以上のヘテロ原子を含む、そのような単環式又は縮合二環式環系を指す。ヘテロ原子の包含は、芳香族と考えられる5員環及び6員環の包含も可能である。そのため、典型的な芳香族/ヘテロ芳香族系は、ピリジル、ピリミジル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、イミダゾリルなどを含む。互変異性体は理論的に可能であるため、フタルイミドも芳香族と考えられる。典型的には、環系は、5~12員の環原子又は6~10員の環原子を含む。いくつかの実施形態では、芳香族又はヘテロ芳香族部分は、任意に1~2個の窒素原子を含む6員の芳香族環系である。さらに特には、部分は、任意に置換されるフェニル、ピリジル、インドリル、ピリミジル、ピリダジニル、ベンゾチアゾリル又はベンズイミダゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリルである。さらにより特には、そのような部分は、フェニル、ピリジル、又はピリミジルであり、さらにより特には、フェニルである。「O-アリール」又は「O-ヘテロアリール」は、酸素原子を介して別の残基に結合される、芳香族又はヘテロ芳香族系を指す。O-アリールの典型的な例は、フェノキシである。同様に、「アリールアルキル」は、そのヘテロ形態を含む、典型的には、飽和の時はC~C、C~C、又はより特にはC~C又はC~C、不飽和の時はC~C、C~C、C~C、又はC~Cの飽和又は不飽和の炭素鎖を介して別の残基に結合される、芳香族系又はヘテロ芳香族系を指す。より高い確実性のために、アリールアルキルはしたがって、上で定義したアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル又はヘテロアルキニル部分に結合される、上で定義したアリール又はヘテロアリール基を含む。典型的なアリールアルキルは、アリール(C~C12)アルキル(C~C)、アリール(C~C12)アルケニル(C~C)、又はアリール(C~C12)アルキニル(C~C)、およびヘテロ形態である。典型的な例は、フェニルメチルであり、一般的にベンジルと呼ばれる。
ハロは、ハロゲン原子、特にF、Cl、Br又はIであり得、より特には、フルオロ又はクロロである。
本明細書で使用する用語「ハロアルキル」は、ハロゲン基(すなわち、F、Cl、Br、又はI)で置換された、本明細書で定義されるアルキルを表す。ハロアルキルは、1、2、3個のハロゲンで、又は2個以上の炭素のアルキルの場合には、4個のハロゲンで置換され得る。ハロアルキル基は、ペルフルオロアルキルを含む。いくつかの実施形態では、ハロアルキル基は、アルキル基について本明細書に記載される1、2、3、又は4個の置換基でさらに置換できる。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシ」は、-OH基を表す。
本明細書で使用する用語「ヒドロキシアルキル」は、1~3個のヒドロキシ基で置換された、本明細書で定義されるアルキルを表すが、但し、1個以下のヒドロキシ基がアルキル基の単一炭素原子に付着されてよく、ヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピルなどで例示される。
一般に、置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、又はアリール(上で定義される全てのヘテロ形態を含む)は、それ自体さらなる置換基によって置換されてよい。これらの置換基の性質は、上の基本構造上の置換基に関して記載されたものと同様である。そのため、置換基の実施形態がアルキルである場合、このアルキルは、化学的に意味がある置換基として列挙された残りの置換基によって任意に置換されてよく、これは、アルキル自体のサイズ限界を損なうことはない。例えば、アルキル又はアルケニルにより置換されたアルキルは、これらの実施形態のための炭素原子の上限を単に延長するだけであり、含まれない。例えば、基が置換される場合、その基は、1、2、3、4、5、又は6個の置換基で置換され得る。任意の置換基は、C~Cアルキル又はヘテロアリール、C~Cアルケニル又はヘテロアルケニル、C~Cアルキニル又はヘテロアルキニル、ハロゲン;アリール、ヘテロアリール、アジド(-N)、ニトロ(-NO)、シアノ(-CN)、アシルオキシ(-OC(=O)R’)、アシル(-C(=O)R’)、アルコキシ(-OR’)、アミド(-NR’C(=O)R”又は-C(=O)NR’R”)、アミノ(-NR’R”)、カルボン酸(-COH)、カルボン酸エステル(-COR’)、カルバモイル(-OC(=O)NR’R”又は-NRC(=O)OR’)、ヒドロキシ(-OH)、イソシアノ(-NC)、スルホネート(-S(=OHOR)、スルホンアミド(-S(=OHNRR')又は-NRS(=O)R')、又はスルホニル(-S(=O)R)を含むが、これらに限定されず、各R又はR'は、独立して、H、C1~C6アルキル又はヘテロアリール、C~Cアルケニル若しくはヘテロアルケニル、C~Cアルキニル若しくはヘテロアルキニル、アリール、又はヘテロアリールから選択される。置換基は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9個の置換基を有してよい。
典型的な任意の置換基は、独立してハロ、CN、NO、CF、OCF、COOR、CONR 、OR、SR、SOR、SOR、NR、NR(CO)R、NRC(O)OR、NRC(O)NR、NRSONR、又はNRSORを含み、各Rは、独立してHであるか、又はアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリール、及びアリール(全て上記で定義されるとおりである)から選択される任意に置換された基であるか;又は置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、O-アリール、O-ヘテロアリール及びアリールアルキルから選択される任意に置換された基であり得る。
本明細書で使用する他の技術用語は、様々な技術辞書によって例示されるように、それらが使用される技術分野における通常の意味を有する。これらの非限定的な例で論じられる特定の値及び構成は、変えることができ、少なくとも1つの実施形態を例示するために単に引用でき、その範囲を限定することを意図するものではない。
詳細な説明
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的で、説明的であり、特許請求の範囲に記載される本技術のさらなる説明を提供することを意図するものであることを理解されたい。本技術のさらなる特徴及び利点は、以下の説明に記載されており、一部は説明から明らかであるか、又は本技術を実施することによって学習され得る。本技術の利点は、本明細書の記載及びその特許請求の範囲で特に指摘された構造によって実現され、達成されるであろう。
BCN057及び類似体
BCN057は、YEL002としても知られ、下記構造式で表される:
Figure 2022545287000012

それは、(3-[(フラン-2-イルメチル)アミノ]-2-(7-メトキシ-2-オキソ-1,2-ジヒドロキノリン-3-イル)-6-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-1-イウム)としても記載され得る。本発明は、BCN057の化合物、その類似体及びそれらの塩を包含することが理解されるであろう。一実施形態では、本発明は、遊離塩基の形態のBCN057の化合物に関する。別の実施形態では、本発明は、BCN057の化合物又はその医薬として許容される塩に関する。
医薬におけるそれらの潜在的な使用のために、BCN057の化合物の塩は、医薬として許容される塩として好ましい場合がある。適切な医薬として許容される塩は、酸付加塩を含み得る。所望の酸又は塩基を適宜使用することにより、医薬として許容される塩を容易に調製できる。得られた塩は、溶液から沈殿させ、濾過により収集するか、又は溶媒の蒸発により回収できる。化合物は、立体異性体、互変異性体、医薬として許容される塩、又はそれらの水和物として存在できる。BCN057のいくつかの類似体を、以下に示す。
実施形態は、治療有効量の式B:
Figure 2022545287000013

(式中、
は、アルキル、アルキルアミン、又はエーテルであり;
は、H又はCHであり;かつ
は、H又はOHである)
の構造を有する化合物を投与することを含む、治療の方法を含む。
いくつかの実施形態では、化合物は、化合物H、化合物K、化合物BNB-1、化合物BNB-2、化合物BNB-3、化合物BNB-4及び化合物BNB-5を含む、式II~XIXから選択される類似体である。
Figure 2022545287000014
Figure 2022545287000015
Figure 2022545287000016
Figure 2022545287000017
Figure 2022545287000018
Figure 2022545287000019
BCN512及び類似体
化合物BCN512の構造は、以下に式XXIとして示されており、1-[(4-ニトロベンゼン)スルホニル]-4-フェニルピペラジンとしても知られている。
Figure 2022545287000020
いくつかの実施形態では、化合物は、式XXII~XXVIIから選択される類似体である。
Figure 2022545287000021
Figure 2022545287000022
Figure 2022545287000023
本明細書で開示される式I~XXVIIIの化合物又はその類似体は、有機合成の分野において確立された方法に従って調製できる。化合物を合成する一般的な方法は、例えば、Stuart Warren and Paul Wyatt,Workbook for Organic Synthesis:切断アプローチ(The Disconnection Approach),第2版,Wiley,2010に見出すことができる。化合物を製造する典型的な方法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/813,923号及び米国特許出願第14/889,719号に提供されている。本化合物はまた、その医薬として許容される塩、そのプロドラッグ、その水和物、それらの溶媒和物及びその多形結晶も含む。本化合物は、医薬組成物として投与できる。
有用性及び投与
本明細書に記載の化合物は、本発明の方法において有用であり、理論に拘束されないが、Wntβ-カテニンシグナル伝達を調節する能力を介して部分的に、それらの望ましい効果を発揮すると考えられる。Wnt経路は、胚における組織の発達及び成人における組織の維持に関与する。これは、細胞の成長、移動及び細胞生存を制御する遺伝子の特定のセットを制御する。これらの遺伝子の慢性活性化及びWnt経路の異常な活性化は、制御されない細胞増殖及び生存をもたらし、結果的に、結腸、皮膚、肝臓及び卵巣を含む組織の範囲で癌の形成を促進し得る。
Wntシグナル伝達経路は、細胞表面受容体を介してシグナルを細胞内に通過させるタンパク質で始まる、シグナル伝達経路のグループである。Wnt経路の異常な活性化は、ヒト癌、特に胃腸(GI)管の癌に関与している。癌細胞株における異常Wnt経路活性の阻害は、それらの増殖を阻止でき、新たな治療薬の可能性を提示する。
Wntリガンドは、上皮陰窩細胞上に存在するLRP5/6及びfrizzled共受容体に結合し、β-カテニン安定化及び核トランスロケーションをもたらし、そこでそれは核転写因子TCF4に結合して、幹細胞の維持、増殖及び分化を支持する遺伝子発現プログラムを促進する。Wnt/β-カテニンシグナル伝達の活性化はまた、損傷後の陰窩再生にとって重要である。研究は、レスポンディン1(RSPO1)、ISC成長因子及びLGR5受容体アゴニストが、Wnt/βカテニン経路を活性化して、化学放射誘導損傷後に腸を修復及び再生することを実証した。Wnt/β-カテニン経路の負の調節因子であるDKK1は、RSPO1誘導性腸管再生を損なう。
Wntシグナルが存在しない場合、転写活性化因子β-カテニンは、細胞内で活発に分解される。リン酸化されたβ-カテニンはその後、認識され、ユビキチン化され、そのプロテアソーム分解が生じる。その結果、遊離β-カテニンのレベルは低く保たれ、これは、DNA結合T細胞因子/リンパ系エンハンサー因子(Tcf/Lef)タンパク質が、転写共リプレッサーと相互作用して、核での標的遺伝子発現を阻止することを可能にする。
癌の治療に加えて、Wnt/β-カテニンシグナル伝達を制御する療法は、線維症、炎症状態、骨成長、創傷治癒、骨粗鬆症、脱毛症(すなわち、脱毛)、うつ病及びウイルス感染を含む、他の疾患の治療においても有望である。したがって、Wnt/β-カテニンシグナル伝達を阻害及び/又は調節できる化合物並びに方法が、必要とされている。
BCN057及び類似体-癌治療及び治療法
研究は、Wnt経路が、遺伝性家族性大腸ポリポーシス及び結腸癌の自発的形態の両方において恒久的に活性化されることを実証した。これらの細胞におけるWnt経路の慢性的な活性化は、良性アデノーマ(ポリープとも呼ばれる)へのそれらの拡大を促進し、これはしばしば侵襲性大腸癌に進行する。散発性結腸癌の約90%が、通常APCにおける変異の結果として、異常なWntシグナル伝達活性を示す。
BCN057は、癌、特に膵臓癌及び胃腸(GI)癌の治療において有効である、抗新生物小分子である。それは、二重の作用で機能できる。それは、癌細胞においてアポトーシスを誘導する。第2に、それは、上皮細胞の増殖及び生存を促進できる。BCN057は、膵臓及び胃腸(GI)癌に対し特に有効である。BCN057は、「KRAS」癌に対する抗腫瘍効果を実証した。
放射線/化学療法に関連する使用
BCN057は、癌、特に膵臓及び胃腸(GI)癌の治療に有効である。一態様では、それを必要とする対象において放射線誘発性胃腸症候群(RIGS)を治療する方法であって、対象に治療有効量のBCN057の化合物又はBCN057の類似体を投与する工程を含む、方法が、本明細書で開示される。類似体は、式II~XIXの化合物の1以上であり得る。BCN057は、RIGSを緩和し、腹部放射線療法のための治療比率を向上させることができる。さらに、BCN057は、口腔粘膜炎、GI粘膜炎、例えば、喉、胃及び腸、腸炎及び乳房炎を含む、放射線誘発粘膜炎を緩和する。さらに、それは、放射線及び化学療法からの上皮組織の損傷を防止及び治療できる。これらの化合物は、放射線治療と関連付けられるこれらの放射線症候群の治療又は予防にも有用である。
併用療法
併用療法は、異なる機構によって作用する薬物と共に特に有効であり、それによって抵抗性癌細胞が発生する可能性を減少させる。効果の異なる薬物が組み合わされる場合、各薬物は、許容できない副作用を生じることなく、最適な用量で使用され得る。BCN057と第2の薬剤を、治療効果のために組み合わせることができる。第2の薬剤は、異なる機構を有してよい。あるいは、それは、治療効果のためにBCN057と同じ機構を使用できる。この組み合わせは、相乗効果を介して作用できる。併用療法はまた、追加(例えば、第3、第4、第5など)の薬剤を含んでよい。BCN512は、同様に併用療法において使用できる。
BCN512及び類似体-SFRP媒介療法
多くの結腸癌は、分泌されるFzd関連タンパク質(SFRP)又はWnt阻害因子(WIF)ファミリーのメンバーをコードするサイレント遺伝子を担持し、それらはWnt経路の自然ブレーキとして作用する。それらは、Wntリガンドと結合して、細胞表面での経路活性化を阻止できる。この阻害なしに、癌細胞により生成されるWntリガンドは、膜における経路を活性化し、APC、β-カテニン又はAxin2の変異によって開始される異常なWntシグナル伝達活性を増幅できる。この異常Wnt経路活性化は、癌につながる可能性がある。
Wntシグナル伝達は、Wntタンパク質がFrizzled(Fzd)ファミリー受容体のN末端の細胞外のシステインに富むドメインに結合したときに始まる。sfrpが阻害されるか又は低レベルの時に、wntリガンドは、Fzd受容体に結合でき、wnt関連遺伝子発現を伝達できる。sfrpはまた、インビトロ及びインビボで、血管細胞に対する抗増殖効果を有する。血管細胞周期では、それらは、G1期を遅延させ、S期に入る。腎臓の発達において、sFRPSは、後腎における細管形成及び芽体の成長を阻害する。
BCN512は、SFRP活性を阻害でき、wntリガンドに結合する能力を破壊できる。SFRPは、標準的なwntシグナル伝達を自由に伝達するときにwntに結合するfzd受容体ドメインと同様のドメインにより、wntリガンドと結合することによって、wntシグナル伝達の負の調節因子として作用する。この機構は、いくつかの治療用途を提示する。BCN512及びその類似体は、SRFP1を含む阻害SFRPを介して組織線維症を抑制できる。BCN512及びその類似体は、SRFPの阻害により骨成長を活性化できる。BCN512及びその類似体は、SRFPの阻害により発毛を活性化できる。
BCN512及び関連する構造がSRFPの活性を阻害する場合、BCN512は、上皮細胞からのWntリガンドをより自由にすることができる。遊離Wntリガンドは、エクソソームを介して輸送および分泌される。肺上皮由来のWnt放出におけるBCN512の役割を決定するために、エクソソームを、オルガノイド馴化培地から精製した。精製されたエクソソームを、TOPFLASHアッセイによりWnt活性について試験した。エクソソームWnt活性は、照射された対照と比較して、BCN512で治療され照射されたオルガノイドから調製されたサンプルにおいて数倍高いことが観察された。これらの結果は、BCN512も内因性Wnt放出を誘導することを示唆する。
さらなる研究は、Wntβ-カテニンシグナル伝達が気管支上皮幹細胞プールの復元において重要な役割を果たすことを実証した。以前の研究は、Wntリガンドがエクソソームを通して分泌され、輸送されたことを実証した。マウスのエクソビボ肺オルガノイド由来のエクソソームがWntリガンドを含有し、BCN512治療に応答してWnt活性を示したことが実証された。Wnt活性はまた、ヒト肺オルガノイド由来のエクソソームにおいても調べられている。
ヒト肺上皮由来のWnt放出におけるBCN512の役割について、エクソソームを、オルガノイド馴化培地から精製した。精製されたエクソソームを、TOPFLASHアッセイによりWnt活性について試験した。エクソソームWnt活性は、照射された対照と比較して、BCN512で治療し照射されたオルガノイド(4~6Gy)から調製されたサンプルにおいて数倍高いことが観察された。これらの結果は、BCN512もヒト肺上皮からの内因性Wnt放出を誘導することを示唆する。
炎症性疾患
BCN512は、炎症性疾患又は状態を治療するために使用できる。炎症性皮膚疾患は、乾癬、湿疹及び皮膚炎などの細胞増殖に関連付けられる病態(例えば、湿疹性皮膚炎、局所及び脂漏性皮膚炎、アレルギー性又は刺激性接触皮膚炎、亀裂性湿疹、光アレルギー性皮膚炎、光毒性皮膚炎、植物性光線皮膚炎、放射性皮膚炎、及びうっ滞性皮膚炎)を含む。他の炎症性皮膚疾患は、皮膚又は粘膜の外傷、火傷、水疱性障害、又は虚血に起因する強皮症、潰瘍及び侵食、いくつかの形態の魚鱗癬、表皮水疱症、肥厚性瘢痕、ケロイド、内因性老化の皮膚の変化、光老化、皮膚の機械的せん断に起因する摩擦による水ぶくれ、及びコルチコステロイドの局所使用に起因する皮膚萎縮を含むが、これらに限定されない。さらなる炎症性皮膚状態は、口唇炎、唇の荒れ、鼻の炎症、粘膜炎及び外陰膣炎などの粘膜の炎症を含む。
内分泌系の炎症性障害は、自己免疫性甲状腺炎(橋本病)、I型糖尿病、及び副腎皮質の急性及び慢性炎症を含むが、これらに限定されない。心臓血管系の炎症状態は、冠状動脈梗塞損傷、末梢血管疾患、心筋炎、血管炎、狭窄の血管再生、アテローム性動脈硬化症、及びII型糖尿病に関連付けられる血管疾患を含むが、これらに限定されない。
腎臓の炎症状態は、糸球体腎炎、間質性腎炎、ループス腎炎、ウェゲナー病に続発する腎炎、急性腎炎に続発する急性腎不全、グッドパスチャー症候群、閉塞性後症候群、尿細管虚血、過敏性腸障害、又は炎症誘発結腸悪性疾患を含む。
肝臓の炎症状態は、肝炎(ウイルス感染、自己免疫応答、薬物治療、毒素、環境因子、又は一次障害の二次的な結果として生じる)、胆道閉鎖症、原発性胆汁性肝硬変及び原発性硬化性胆管炎を含む。
中枢神経系の炎症状態は、多発性硬化症及びアルツハイマー病、パーキンソン病、又はHIV感染に関連付けられる認知症などの神経変性疾患を含む。
他の炎症状態は、歯周病、慢性炎症における組織壊死、エンドトキシンショック、平滑筋増殖障害、移植片対宿主病、虚血再灌流傷害後の組織損傷、特発性肺線維症、及び移植手術後の組織拒絶反応を含む。
ウイルス感染の治療
さらなる実施形態は、ウイルス感染の治療のためのBCN057及びBCN057の類似体の使用を含む。ウイルス疾患感染症は、病原性ウイルスが身体に侵入した時に生じ、感染性ウイルス粒子は、感受性細胞に付着し侵入する。宿主免疫応答は、疾患及び過剰な炎症を媒介できる。ウイルス感染に応答した自然免疫系及び獲得免疫系の刺激は、感染細胞を破壊し、宿主にとって重篤な病理学的結果(すなわち、ウイルス誘発免疫病理)をもたらし得る。具体的には、免疫病理は、抗体、インターフェロン及び炎症性サイトカインの過剰な放出、補体系の活性化、又は細胞傷害性T細胞の過活動により引き起こされる。インターフェロン及び他のサイトカインの分泌は、細胞の損傷、発熱及びインフルエンザ様の症状を引き起こし得る。2005年のトリH5N1インフルエンザのように、特定のウイルス感染の重篤な症例において、宿主免疫応答の異常な誘導は、サイトカインストームとして知られるサイトカインのフレア放出を誘発できる。
Wntシグナル伝達は、ウイルスに対する自然免疫応答にとって重要である。病原性ウイルスは、免疫系における第1の防御ラインを回避するために、重要な遺伝子のβ-カテニン下流発現を抑制する。β-カテニンは、IFN-α/βの発現、及びその後のインターフェロン刺激遺伝子の転写活性化に必須である。IFN-βは、抗ウイルス作用遺伝子の自己分泌及びパラクリン発現を誘導する。そのため、BCN057及びBCN057の類似体は、ウイルス誘発免疫病理などの病理学的結果を防止できる。
うつ病の治療
さらなる実施形態は、うつ病の治療のためのBCN057及びBCN057の類似体の使用を含む。Wntシグナル伝達はまた、うつ病を治療するのに重要である。1950年代以降、炭酸リチウムと他の塩は、うつ病を治療するために同様に使用されてきた。リチウムは、wnt下流シグナル経路中のGSK3bを阻害すること、およびβ-カテニン下流遺伝子を転写することにより作用する。
最近の研究は、変更されたWntシグナル伝達が気分障害の病態生理において役割を果たし得ることを実証した。β-カテニンレベルは、海馬のCA3及びCA4領域で低下され、Wnt1レベルは、死後の統合失調症の脳の海馬CA4領域で増加される。リチウムは、標準的なWnt経路の構成要素であるグリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(GSK3β)を阻害するため、この経路は、双極性障害の治療において特異的な標的として提案されている。そのため、BCN057及びBCN057の類似体を、うつ病及び気分障害を治療するために用いてよい。
以下の非限定的な実施例は、ここで企図される代表的な実施形態のより完全な理解を容易にするために、例示的な目的でのみ提供される。これらの実施例は、化合物、医薬組成物、又は本明細書で開示される方法及び使用に関するものを含めて、本明細書に記載される実施形態のいずれも制限するものと解釈されるべきではない。
膵臓癌の治療のためのBCN057
図1は、膵臓癌細胞株の生存率に対する5-FU及びBCN057の効果を示す。膵臓癌細胞株の生存率に対する5-FU及びBCN057の効果を、ATP Liteアッセイ(Perkin Elmer)により評価した。50uMの5Fu(5Fu、n=5)、50uMの5Fu並びに2、5、10、及び20uMのBCN057(5Fu+BCN057、n=5)、又は2、5、10、20uMのCN057(CN057、n=5)。対照細胞(V、n=5)。リン酸化率を、各状態の平均値を各時点での対照細胞(V)の平均値で除することにより算出した。
図2A及び図2Bは、Panc-1細胞におけるアネキシンVアポトーシス及びネクローシスアッセイを示す。Panc-1細胞を、RealTime-Glo(商標)アネキシンVアポトーシス及びネクローシスアッセイ試薬の存在下又は非存在下で、057の連続希釈に暴露した。プレートを、37℃/5%COでインキュベートし、発光(アネキシンV結合)を、6時間にわたり測定した。蛍光の変化は、同じ期間に観察されなかった。アポトーシスは、BCN057の濃度が増加するにつれて増加するようであった。図2Aは、10分で観察されるアポトーシスを示す(用量依存的)。図2Bは、10分、30分、1時間及び6時間の時点で観察されるアポトーシスを示す。
図3は、膵臓癌細胞株の生存率に対する10μMのBCN057の効果を示す。画像は、時刻0(図3A)、15分(図3B)、30分(図3C)、60分(図3D)、120分(図3E)及び240分(図3F)での膵臓癌細胞株を示す。形態学的変化及びアポトーシスは特に、240分で明らかである。
図4A及び図4Bは、化合物H、化合物K、及び膵臓細胞に対する生存アッセイの結果を示す。グラフ(図4A)は、10μMのBCN057、化合物H又はKの存在下で24、48及び72時間にわたるPanc-1癌細胞の生存率に対する効果を示す。各反復(n=3)は、そのビヒクル対照の比率(対照のa%)として示される。数値データも含まれる(図4B)。図5Aは、化合物Hを示し、図5Bは、化合物Kを示す。
結果は、BCN057が強力な抗腫瘍活性を有し、腫瘍細胞株の増殖を阻害することを実証する。この活性は、5-フルオロウラシルなどの化学療法に相補的である。
この試験は、BCN057が膵臓癌細胞でのアポトーシスを回復することも実証する。逆に、BCN057は、幹細胞の生存を可能にし、したがって、消化管(alimentary canal)及び消化管(digestive tract)を裏打ちする上皮組織への化学療法誘発損傷からの損傷を防止する。
線維症の治療のためのBCN512
線維症は、結合組織が正常な実質組織をチェックされない程度に置き換え、かなりの組織リモデリング及び永久瘢痕組織の形成をもたらす、病理学的創傷治癒として一般的に定義される。肺線維症は、肺組織が損傷され瘢痕化されるときに生じる、肺疾患である。本明細書(par.095)で説明されるように、身体のあらゆる器官は、一般に線維化病変をもたらす修復応答を開始できる。肝炎感染による慢性閉塞性肺疾患及び肝線維症の結果としての肺線維症が、2つの例である。
発明者らは、II型肺胞細胞が、損傷した肺胞上皮を修復する前駆細胞として機能することを提案する。さらに、損傷した上皮細胞はまた、炎症性サイトカインの主な源となる。したがって、上皮の損傷及び前駆/幹関連再構築の軽減は、線維症を予防又は治療するために重要である。
図6は、肺切片(未治療及びBCN512で治療した)における線維化病変の数を示す。C57BLマウスにおける肺の最終剖検及び組織学的分析の際に、BCN512治療(20×512)対ビヒクル(20×V)で肺線維症における有意な低下があった。病変は、180日目に評価したグループあたり5匹のマウスで局所密度によって定義される。この効果は、LPS及び細胞毒性薬などの非放射性誘導刺激で観察される。
トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)は、線維形成の中心媒介物質である。TGF-βは、線維性疾患において上方制御及び活性化され、線維芽細胞の表現型及び機能を調節し、マトリックスの保存を促進しながら筋線維芽細胞の分化転換を誘導する。図7は、何も投与しない(A)、14Gyの胸部照射(B)、又は照射およびBCNB512(C)を受けるC57M雄マウスにおけるTGFβについて染色し、それぞれ90日目に評価した、肺切片の組織病理を示す。TGFβは、照射後最初の20日間、5mg/kgのBCN512で治療されると低下する。画像D~Fは、同じ動物からの同一パラメータの下での心筋染色である。発明者らは、TGFβについての染色での顕著な低下を認めた。これは、TGF-β染色が、BCN512で治療される場合に放射線損傷からの組織においてより低いことを示している。本発明者らは、LPS及び細胞障害性薬物を含む非放射性誘導刺激を用いて同じ結果を期待する。
これらの研究及び観察は、以前の観察、具体的には、WNT-カテニンシグナル伝達が、LGR5+上皮(肺、経口、腸)幹細胞の自己再生及び分化を促進すること、と一致している。標準的なWNT活性を、TCF/LEFルシフェラーゼレポーター構築物を有するHEK293細胞において測定した。ルシフェラーゼ活性を、24時間後に測定した。BCN512処理は、ビヒクル処理細胞と比較して、HEK293細胞におけるルシフェラーゼ活性を有意に増加させた。
マクロファージ機能の調節もまた調節される。線維芽細胞の低下と共に、長期照射の動物からの線維症の後期効果の不在(全身照射研究の長期間の研究からの観察)は、これらの薬物が照射又は化学的手段(LPS)の両方からの線維症及び炎症を防止するのに有効であることを示している。さらに、線維芽細胞増殖は、マクロファージ依存性であり、BCN512は、このマクロファージ機能を阻害する。まとめると、上記の結果は、化合物BCN512を投与して幹細胞及び前駆細胞を保存できることを実証する。これは、結合組織が正常な実質組織に置き換わるのを防止し、そのため、線維化を防止する。
薬学的担体及び投与
本発明の方法は、疾患若しくは病態、又は疾患若しくは病態の1以上の症状を防止し得る。本明細書で使用する場合、障害又は病態を「予防する」治療薬は、統計サンプルにおいて、未治療対照サンプルに対し治療済みサンプル中の障害又は病態の発生を低下させるか、又は未治療対照サンプルに対し障害又は病態の1以上の症状の発症を遅らせるか重症度を低下させる、化合物を指す。
本開示の組成物及び方法は、それを必要とする個体を治療するために利用できる。特定の実施形態では、個体は、ヒト又は非ヒト哺乳動物などの、哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、組成物又は化合物は、例えば、本開示の化合物と医薬として許容される担体を含む医薬組成物として投与又は使用されることが好ましい。
医薬として許容される担体は、当技術分野で周知であり、例えば、水若しくは生理食塩水などの水溶液、又はグリコール、グリセロール、オリーブオイルなどの油類、若しくは注射可能な有機エステルなどの他の溶媒又はビヒクルを含む。好ましい実施形態では、そのような医薬組成物が、ヒト投与用、特に侵襲的な投与経路(すなわち、上皮バリアを介した輸送又は拡散を回避する、注射又は移植などの経路)用の場合、水溶液は、発熱物質を含まない、又は実質的に発熱物質を含まない。賦形剤は、例えば、薬剤の放出を遅らせるために、又は1以上の細胞、組織、若しくは臓器を選択的に標的にするために選択され得る。医薬組成物は、錠剤、カプセル(スプリンクルカプセル及びゼラチンカプセルを含む)、顆粒、再構成用に凍結乾燥されたもの、粉末、溶液、シロップ、坐剤、注射などの投与単位形態であり得る。組成物は、経皮送達系、例えば、皮膚パッチに存在してもよい。
本明細書に開示される医薬組成物は、個人への通常の投与を可能にするのに十分な量で治療用化合物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも55mg、少なくとも60mg、少なくとも65mg、少なくとも70mg、少なくとも75mg、少なくとも80mg、少なくとも85mg、少なくとも90mg、少なくとも95mg、又は少なくとも100mgの治療用化合物を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、少なくとも600mg、少なくとも700mg、少なくとも800mg、少なくとも900mg、少なくとも1,000mg、少なくとも1,100mg、少なくとも1,200mg、少なくとも1,300mg、少なくとも1,400mg、又は少なくとも1,500mgの治療用化合物を含み得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、約5mg~約100mg、約10mg~約100mg、約50mg~約150mg、約100mg~約250mg、約150mg~約350mg、約250mg~約500mg、約350mg~約600mg、約500mg~約750mg、約600mg~約900mg、約750mg~約1,000mg、約850mg~約1,200mg、又は約1,000mg~約1,500mgの範囲で含み得る。さらに特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、約10mg~約250mg、約10mg~約500mg、約10mg~約750mg、約10mg~約1,000mg、約10mg~約1,500mg、約50mg~約250mg、約50mg~約500mg、約50mg~約750mg、約50mg~約1,000mg、約50mg~約1,500mg、約100mg~約250mg、約100mg~約500mg、約100mg~約750mg、約100mg~約1,000mg、約100mg~約1,500mg、約200mg~約500mg、約200mg~約750mg、約200mg~約1,000mg、約200mg~約1,500mg、約5mg~約1,500mg、約5mg~約1,000mg、又は約5mg~約250mgの範囲で含み得る。
本明細書に開示される医薬組成物は、本明細書に開示される治療用化合物を溶解するのに十分な量で溶媒、エマルジョン又は他の希釈剤を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、約90%(v/v)未満、約80%(v/v)未満、約70%(v/v)未満、約65%(v/v)未満、約60%(v/v)未満、約55%(v/v)未満、約50%(v/v)未満、約45%(v/v)未満、約40%(v/v)未満、約35%(v/v)未満、約30%(v/v)未満、約25%(v/v)未満、約20%(v/v)未満、約15%(v/v)未満、約10%(v/v)未満、約5%(v/v)未満、又は約1%(v/v)未満の量で溶媒、エマルジョン又は希釈剤を含み得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、例えば、約1%(v/v)~90%(v/v)、約1%(v/v)~70%(v/v)、約1%(v/v)~60%(v/v)、約1%(v/v)~50%(v/v)、約1%(v/v)~40%(v/v)、約1%(v/v)~30%(v/v)、約1%(v/v)~20%(v/v)、約1%(v/v)~10%(v/v)、約2%(v/v)~50%(v/v)、約2%(v/v)~40%(v/v)、約2%(v/v)~30%(v/v)、約2%(v/v)~20%(v/v)、約2%(v/v)~10%(v/v)、約4%(v/v)~50%(v/v)、約4%(v/v)~40%(v/v)、約4%(v/v)~30%(v/v)、約4%(v/v)~20%(v/v)、約4%(v/v)~10%(v/v)、約6%(v/v)~50%(v/v)、約6%(v/v)~40%(v/v)、約6%(v/v)~30%(v/v)、約6%(v/v)~20%(v/v)、約6%(v/v)~10%(v/v)、約8%(v/v)~50%(v/v)、約8%(v/v)~40%(v/v)、約8%(v/v)~30%(v/v)、約8%(v/v)~20%(v/v)、約8%(v/v)~15%(v/v)、又は約8%(v/v)~12%(v/v)の範囲の量で、溶媒、エマルジョン又は他の希釈剤を含み得る。
本明細書に開示される医薬組成物中の本明細書に開示される治療用化合物の最終濃度は、任意の適切な濃度のものであり得る。特定の実施形態では、医薬組成物中の治療用化合物の最終濃度は、治療有効量であり得る。特定の実施形態では、医薬組成物中の治療用化合物の最終濃度は、例えば、少なくとも0.00001mg/mL、少なくとも0.0001mg/mL、少なくとも0.001mg/mL、少なくとも0.01mg/mL、少なくとも0.1mg/mL、少なくとも1mg/mL、少なくとも10mg/mL、少なくとも25mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも100mg/mL、少なくとも200mg/mL、少なくとも500mg/mL、少なくとも700mg/mL、少なくとも1,000mg/mL、又は少なくとも1,200mg/mLであり得る。特定の実施形態では、溶液中の本明細書に開示される治療用化合物の濃度は、例えば、最大1,000mg/mL、最大1,100mg/mL、最大1,200mg/mL、最大1,300mg/mL、最大1,400mg/mL、最大1,500mg/mL、最大2,000mg/mL、最大2,000mg/mL、又は最大3,000mg/mLであり得る。特定の実施形態では、医薬組成物中の治療用化合物の最終濃度は、例えば、約0.00001mg/mL~約3、000mg/mL、約0.0001mg/mL~約3,000mg/mL、約0.01mg/mL~約3,000mg/mL、約0.1mg/mL~約3、000mg/mL、約1mg/mL~約3,000mg/mL、約250mg/mL~約3,000mg/mL、約500mg/mL~約3,000mg/mL、約750mg/mL~約3,000mg/mL、約1,000mg/mL~約3,000mg/mL、約100mg/mL~約2,000mg/mL、約250mg/mL~約2,000mg/mL、約500mg/mL~約2,000mg/mL、約750mg/mL~約2,000mg/mL、約1,000mg/mL~約2,000mg/mL、約100mg/mL~約1,500mg/mL、約250mg/mL~約1,500mg/mL、約500mg/mL~約1,500mg/mL、約750mg/mL~約1,500mg/mL、約1,000mg/mL~約1,500mg/mL、約100mg/mL~約1,200mg/mL、約250mg/mL~約1,200mg/mL、約500mg/mL~約1,200mg/mL、約750mg/mL~約1,200mg/mL、約1000mg/mL~約1,200mg/mL、約100mg/mL~約1,000mg/mL、約250mg/mL~約1,000mg/mL、約500mg/mL~約1,000mg/mL、約750mg/mL~約1,000mg/mL、約100mg/mL~約750mg/mL、約250mg/mL~約750mg/mL、約500mg/mL~約750mg/mL、約100mg/mL~約500mg/mL、約250mg/mL~約500mg/mL、約0.00.001mg/mL~約0.0001mg/mL、約0.00001mg/mL~約0.001mg/mL、約0.00001mg/mL~約0.01mg/mL、約0.00001mg/mL~約0.1mg/mL、約0.00001mg/mL~約1mg/mL、約0.001mg/mL~約0.01mg/mL、約0.001mg/mL~約0.1mg/mL、約0.001mg/mL~約1mg/mL、約0.001mg/mL~約10mg/mL、又は約0.001mg/mL~約100mg/mLの範囲であり得る。
特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の治療有効量は一般に、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲である。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、少なくとも0.001mg/kg/日、少なくとも0.01mg/kg/日、少なくとも0.1mg/kg/日、少なくとも1.0mg/kg/日、少なくとも5.0mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日、少なくとも15mg/kg/日、少なくとも20mg/kg/日、少なくとも25mg/kg/日、少なくとも30mg/kg/日、少なくとも35mg/kg/日、少なくとも40mg/kg/日、少なくとも45mg/kg/日、又は少なくとも50mg/kg/日であり得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約150mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約200mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約250mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約300mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約350mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約400mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約450mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約500mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約550mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約600mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約650mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約700mg/kg/日、約0.001mg/kg/日~約750mg/kg/日、又は約0.001mg/kg/日~約800mg/kg/日の範囲であり得る。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約150mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約200mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約250mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約300mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約350mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約400mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約450mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約500mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約550mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約600mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約650mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約700mg/kg/日、約0.01mg/kg/日~約750mg/kg/日、又は約0.01mg/kg/日~約800mg/kg/日の範囲であり得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約150mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約200mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約250mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約300mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約350mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約400mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約450mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約500mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約550mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約600mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約650mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約700mg/kg/日、約0.1mg/kg/日~約750mg/kg/日、又は約0.1mg/kg/日~約800mg/kg/日の範囲であり得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約10mg/kg/日~約15mg/kg/日、約10mg/kg/日~約20mg/kg/日、約10mg/kg/日~約25mg/kg/日、約10mg/kg/日~約30mg/kg/日、約10mg/kg/日~約35mg/kg/日、約10mg/kg/日~約40mg/kg/日、約10mg/kg/日~約45mg/kg/日、約10mg/kg/日~約50mg/kg/日、約10mg/kg/日~約75mg/kg/日、約10mg/kg/日~約100mg/kg/日、約10mg/kg/日~約150mg/kg/日、約10mg/kg/日~約200mg/kg/日、約10mg/kg/日~約250mg/kg/日、約10mg/kg/日~約300mg/kg/日、約10mg/kg/日~約350mg/kg/日、約10mg/kg/日~約400mg/kg/日、約10mg/kg/日~約450mg/kg/日、約10mg/kg/日~約500mg/kg/日、約10mg/kg/日~約550mg/kg/日、約10mg/kg/日~約600mg/kg/日、約10mg/kg/日~約650mg/kg/日、約10mg/kg/日~約700mg/kg/日、約10mg/kg/日~約750mg/kg/日、又は約10mg/kg/日~約800mg/kg/日の範囲であり得る。
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約1mg/kg/日~約10mg/kg/日、約1mg/kg/日~約15mg/kg/日、約1mg/kg/日~約20mg/kg/日、約1mg/kg/日~約25mg/kg/日、約1mg/kg/日~約30mg/kg/日、約1mg/kg/日~約35mg/kg/日、約1mg/kg/日~約40mg/kg/日、約1mg/kg/日~約45mg/kg/日、約1mg/kg/日~約50mg/kg/日、約1mg/kg/日~約75mg/kg/日、又は約1mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療用化合物の有効量は、例えば、約5mg/kg/日~約10mg/kg/日、約5mg/kg/日~約15mg/kg/日、約5mg/kg/日~約20mg/kg/日、約5mg/kg/日~約25mg/kg/日、約5mg/kg/日~約30mg/kg/日、約5mg/kg/日~約35mg/kg/日、約5mg/kg/日~約40mg/kg/日、約5mg/kg/日~約45mg/kg/日、約5mg/kg/日~約50mg/kg/日、約5mg/kg/日~約75mg/kg/日、又は約5mg/kg/日~約100mg/kg/日の範囲であり得る。
液体及び半固体製剤では、本明細書に開示される治療用化合物の濃度は典型的には、約50mg/mL~約1、000mg/mLであり得る。特定の実施形態では、本明細書に開示される治療剤の治療有効量は、例えば、約50mg/mL~約100mg/mL、約50mg/mL~約200mg/mL、約50mg/mL~約300mg/mL、約50mg/mL~約400mg/mL、約50mg/mL~約500mg/mL、約50mg/mL~約600mg/mL、約50mg/mL~約700mg/mL、約50mg/mL~約800mg/mL、約50mg/mL~約900mg/mL、約50mg/mL~約1,000mg/mL、約100mg/mL~約200mg/mL、約100mg/mL~約300mg/mL、約100mg/mL~約400mg/mL、約100mg/mL~約500mg/mL、約100mg/mL~約600mg/mL、約100mg/mL~約700mg/mL、約100mg/mL~約800mg/mL、約100mg/mL~約900mg/mL、約100mg/mL~約1,000mg/mL、約200mg/mL~約300mg/mL、約200mg/mL~約400mg/mL、約200mg/mL~約500mg/mL、約200mg/mL~約600mg/mL、約200mg/mL~約700mg/mL、約200mg/mL~約800mg/mL、約200mg/mL~約900mg/mL、約200mg/mL~約1,000mg/mL、約300mg/mL~約400mg/mL、約300mg/mL~約500mg/mL、約300mg/mL~約600mg/mL、約300mg/mL~約700mg/mL、約300mg/mL~約800mg/mL、約300mg/mL~約900mg/mL、約300mg/mL~約1,000mg/mL、約400mg/mL~約500mg/mL、約400mg/mL~約600mg/mL、約400mg/mL~約700mg/mL、約400mg/mL~約800mg/mL、約400mg/mL~約900mg/mL、約400mg/mL~約1,000mg/mL、約500mg/mL~約600mg/mL、約500mg/mL~約700mg/mL、約500mg/mL~約800mg/mL、約500mg/mL~約900mg/mL、約500mg/mL~約1,000mg/mL、約600mg/mL~約700mg/mL、約600mg/mL~約800mg/mL、約600mg/mL~約900mg/mL、又は約600mg/mL~約1,000mg/mLであり得る。
対象は、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、トリ、又は両生類であり得る。別の実施形態では、細胞は、インビボ又はインビトロである。本開示の化合物が投与され得る典型的な対象は、哺乳動物、特に霊長類、特にヒトである。獣医学的用途のために、広範囲の対象、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタなどの家畜;ニワトリ、アヒル、ガチョウ、七面鳥などの家禽類;及び飼いならされた動物、特にイヌ及びネコなどのペットが、適切であろう。診断又は研究用途については、広範囲の哺乳動物が、齧歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター)、ウサギ、霊長類、及び同系交配ブタなどのブタを含む適切な対象である。さらに、インビトロ診断及び研究用途などのインビトロ適用については、上記の対象の体液及び細胞サンプルは、哺乳動物、特にヒトなどの霊長類、血液、尿又は組織サンプル、又は獣医学的用途について言及された動物の血液、尿又は組織サンプルなどの使用に適している。
生物に投与する場合、化合物は、任意の適切な手段により投与され得る。いくつかの実施形態では、化合物又は製剤は、経口投与される。いくつかの実施形態では、化合物又は製剤は、注射、例えば、皮下、非経口、又は静脈内注射によって投与される。
いくつかの実施形態では、化合物は、他の潜在的な緩和剤と組み合わせて投与され得る。特定の実施形態では、組成物は、上記の病態の治療のために、成長因子、NSAID、化学療法剤、抗炎症剤、抗生物質、メトホルミン(グルコファージ、グルメツァなど)、スルホニルウレア、メグリチニド、チアゾリジンジオン、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、SGLT2阻害剤、及び/又はインスリン療法と共に投与され得る。一態様では、成長因子は、G-CSF(別名フィルグラスチム、NEUPOGEN(登録商標))又はエリスロポエチン(別名EPOGEN(登録商標))であり得る。
他の実施形態では、組成物は、生理学的に許容される担体中に有効量の調節因子及び/又は他の医薬活性剤を含み得る。担体は、特定の投与経路に望まれる調製形態に応じて、多種多様な形態をとってよい。適切な担体及びそれらの製剤は、例えば、E.W.Martinによるレミントンの薬学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)に記載されている。いくつかの実施形態では、化合物は、任意の適切な担体物質中に任意の適切な量で含有されてよく、一般に、組成物の全重量の1~95重量%の量で存在する。組成物は、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、若しくは腹腔内)又は経口投与経路に適する剤形で提供され得る。医薬組成物は、従来の製薬慣行に従って製剤化され得る(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第20版),A.R.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins(編),2000及び製薬技術百科事典(Encyclopedia of Pharmaceutical Technology),J.Swarbrick and J.C.Boylan(編),1988-1999,Marcel Dekker,New York参照)。
いくつかの実施形態では、組成物は、滅菌注入による投与に適する形態であってよい。一例では、このような組成物を調製するために、組成物(複数可)は、非経口的に許容される液体ビヒクルに溶解又は懸濁される。使用してよい許容されるビヒクル及び溶媒は、水、適切な量の塩酸、水酸化ナトリウム又は適切な緩衝液を添加することによって適切なpHに調整された水、1,3-ブタンジオール、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液及びデキストロース溶液である。水性製剤はまた、1種以上の防腐剤(例えば、メチル、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエート)を含有してもよい。非経口製剤の場合、担体は通常、滅菌水を含むが、他の成分、例えば、溶解性を助ける又は保存のための成分が、含まれ得る。適切な安定化剤を使用してよい場合には、注入可能な溶液も調製してよい。一実施形態では、製剤は、メタンスルホン酸、ポビドン、ベンジルアルコール、n-メチルピロリドン、エタノール、ポロキサマー188、乳酸、キャプチソール(Captisol)(SBE-ベータ-CD)、又はTPGS(d-αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)などのビタミンEの少なくとも1以上を含む。
非経口投与に適する製剤は通常、レシピエントの血液と等張であり得る化合物の滅菌水性調製物(例えば、生理食塩水)を含む。そのような製剤は、懸濁剤及び増粘剤及びリポソーム、又は血液成分若しくは1以上の器官に化合物を標的化するように設計された他の微小粒子系を含み得る。製剤は、単位用量形態又は複数回用量形態で提示され得る。
非経口投与は、全身送達又は局所送達の任意の適切な形態を含み得る。投与は例えば、静脈内、動脈内、髄腔内、筋肉内、皮下、筋肉内、腹腔内(intra-abdominal)(例えば、腹腔内(intraperitoneal)などであり得、注入ポンプ(外部若しくは移植可能)又は所望の投与様式に適する任意の他の適切な手段によって実施され得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、経口投与に適する形態であり得る。経口剤形の組成物では、通常の医薬媒体のいずれかを使用してよい。そのため、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液などの液体経口調製物については、適切な担体及び添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤などを含む。例えば、粉末、カプセル及び錠剤などの固形経口調製物については、適切な担体及び添加剤は、デンプン、糖類、希釈剤、造粒剤、滑剤、結合剤、崩壊剤などを含む。所望であれば、錠剤は、標準的な技術によって糖衣コーティング又は腸溶コーティングされてもよい。
経口投与に適する組成物は、各々が所定量の有効成分を粉末又は顆粒として含有する、カプセル、カシェ、錠剤、又はロゼンジなどの別々の単位として提示され得る。任意選択で、シロップ、エリキシル、エマルジョン、又はドラフトなどの、水性液又は非水性液体中の懸濁液を使用してよい。経口使用のための製剤は、医薬として許容される賦形剤との混合物中に有効成分(複数可)を含有する錠剤を含む。そのような製剤は、当業者に公知である。賦形剤は、例えば、不活性希釈剤又は充填剤(例えば、スクロース、ソルビトール、糖、マンニトール、微結晶セルロース、馬鈴薯デンプンを含むデンプン、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム);造粒剤及び崩壊剤(例えば、微結晶セルロースを含むセルロース誘導体、馬鈴薯デンプンを含むデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸塩、又はアルギン酸);結合剤(例えば、スクロース、グルコース、ソルビトール、アカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファー化デンプン、微結晶セルロース、マグネシウムアルミニウムケイ酸塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール);及び滑剤、流動促進剤、及び抗接着剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、水素化植物油、又はタルク)であり得る。他の医薬として許容される賦形剤は、着色剤、香味剤、可塑剤、湿潤剤、緩衝剤などであり得る。
シロップを、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液に化合物を添加することによって作製でき、これにまた付属成分(複数可)を添加してもよい。そのような付属成分(複数可)は、香味剤、適切な防腐剤、糖の結晶化を遅らせる薬剤、及びポリヒドロキシアルコールなどの任意の他の成分の溶解度を高めるための薬剤、例えばグリセロール又はソルビトールを含み得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、鼻又は他の粘膜スプレー製剤の形態(例えば、吸入可能な形態)であり得る。これらの製剤は、防腐剤及び等張剤を有する活性化合物の精製された水溶液を含み得る。そのような製剤は、鼻又は他の粘膜と適合するpH及び等張状態に調整できる。あるいは、それらは、ガス状担体に懸濁された微細分割固体粉末の形態であり得る。そのような製剤は、任意の適切な手段又は方法、例えば、ネブライザー、アトマイザー、定量吸入器などによって送達され得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、直腸投与に適する形態であり得る。これらの製剤は、ココアバター、水素化脂肪、又は水素化脂肪族カルボン酸などの適切な担体を有する坐剤として提示され得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、経皮投与に適する形態であり得る。これらの製剤は、例えば、セルロース媒体、例えばメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、などのチキソトロピー性又はゲル状担体に、活性化合物を組み込むことによって調製され得、得られた製剤はその後、着用者の皮膚に皮膚接触で固定されるように適合された経皮デバイスに充填される。
前述の成分に加えて、本開示の組成物は、カプセル剤、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、増粘剤、滑剤、防腐剤(酸化防止剤を含む)などから選択される1種以上の付属成分(複数可)をさらに含んでよい。
いくつかの実施形態では、組成物は、即時放出、持続放出、遅延開始放出、又は当業者に公知の任意の他の放出プロファイル用に製剤化され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、実質的に投与直後又は投与後の任意の所定の時間又は期間で活性化合物を放出するように製剤化され得る。後者のタイプの組成物は一般に、制御放出製剤として知られており、これは、(i)長期間にわたって実質的に一定の濃度の薬物を体内で生成する製剤;(ii)所定の遅延時間後に、長期間にわたって実質的に一定の濃度の薬物を体内で生成する製剤;(iii)有効物質の血漿レベルの変動(鋸歯状の動態パターン)に関連付けられる望ましくない副作用を同時に最小限にして、体内で比較的一定の有効レベルを維持することにより、所定の期間の間に作用を維持する製剤;(iv)例えば、中枢神経系若しくは脳脊髄液に隣接して又はその中に制御放出組成物を空間配置することによって作用を局在化させる製剤;(v)用量が、例えば1週間又は2週間毎に1回投与されるような、簡便な投与を可能にする製剤;並びに(vi)病理学的部位を標的とする製剤、を含む。いくつかの用途では、制御放出製剤は、医学的に有利なレベルで活性を維持するための頻繁な投与の必要性を排除する。
放出速度が問題の化合物の代謝速度を上回る制御放出を得るために、いくつかの戦略のいずれかを追求できる。一例では、制御放出は、例えば、様々な種類の制御放出組成物及びコーティング剤を含む、様々な製剤パラメータ及び成分を適切に選択することによって得られる。そのため、化合物は、投与時に化合物を制御された様式で放出する医薬組成物へと、適切な賦形剤と共に製剤化される。例は、単一若しくは複数の単位錠剤又はカプセル組成物、油溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロカプセル、微小球、分子複合体、ナノ粒子、パッチ、及びリポソームを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、リポソーム又は他のカプセル化媒体中の化合物のカプセル化により、又は、例えばタンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、及び多糖類から選択されるものなどの適切な生体分子上での、例えば、共有結合、キレート化、又は会合配位による、化合物の固定化によるなどの、「ベクトル化された」形態を含み得る。
いくつかの実施形態では、組成物は、制御放出のために微小球、マイクロカプセル、ナノ粒子、リポソームなどに組み込まれてよい。さらに、組成物は、懸濁剤、可溶化剤、安定化剤、pH調整剤、張度調整剤、及び/又は分散剤を含み得る。あるいは、化合物は、生体適合性担体、インプラント、又は注入装置に組み込まれてよい。
マイクロスフェア及び/又はマイクロカプセルの調製における使用のための材料は、例えば、ポリガラクチン、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチル-L-グルタミン)、及びポリ(乳酸)などの生分解性/生体侵食性ポリマーである。制御放出非経口製剤を製剤化する際に使用され得る生体適合性担体は、炭水化物(例えば、デキストラン)、タンパク質(例えば、アルブミン)、リポタンパク質、又は抗体である。インプラントにおける使用のための材料は、非生分解性(例えば、ポリジメチルシロキサン)又は生分解性(例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)又はポリ(オルトエステル)又はそれらの組み合わせ)であり得る。
全ての実施形態において、化合物又は他の活性化合物は、医薬として許容される塩又は活性化合物のエーテル誘導体、エステル誘導体、酸誘導体、及び水溶性変更誘導体などの他の誘導体として存在してよい。誘導体は、化合物の全ての個々の鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、及び他の異性体を含む。誘導体は、化合物の水和物及び有機溶媒で形成されたものなどの、全ての多形体及び溶媒和物も含む。このような異性体、多形体、及び溶媒和物は、位置特異的及び/又はエナンチオ選択的合成及び分割などの、当技術分野で公知の方法によって調製され得る。
塩を調製する能力は、化合物の酸性度又は塩基性度に依存する。化合物の適切な塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、炭酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、及び2-アセトキシ安息香酸で作られるものなどの酸付加塩;サッカリンで作られた塩;ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;並びに第四級アンモニウム塩などの有機又は無機配位子で形成された塩を含むが、これらに限定されない。
追加の適切な塩は、化合物の酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデテート、エジシレート、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イソチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液、ナプシレート、硝酸塩、N-メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、亜酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクレート、トシレート、トリエチオダイド及び吉草酸塩を含むが、これらに限定されない。
医薬として許容される酸付加塩は、水、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミドなどの様々な溶媒和物として存在してもよい。そのような溶媒和物の混合物も、調製できる。そのような溶媒和物の供給源は、調製又は結晶化の溶媒に固有の又はそのような溶媒に付随的な、結晶化の溶媒に由来し得る。
ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤及び滑剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び香料、防腐剤及び酸化防止剤も、組成物中に存在し得る。
医薬として許容される酸化防止剤の例は、(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤、を含む。
文脈が特に明確に示さない限り、全ての実施形態の組成物は、様々な医薬として許容される塩、又は上記の他の誘導体を含んでよい。
そのような組成物の製剤及び調製物は、製剤の技術分野の当業者に周知である。製剤は、レミントン:薬学と実践(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)で見出すことができる。
本開示で用いられる化合物の使用量は、病態、患者/対象、病態の程度に応じて変化する。
この出願を通して引用されている全ての引用参考文献(文献参照、発行された特許、公開された特許出願を含む)の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。本開示並びにそれを作製し、使用する方法及びプロセスは、それが属する当業者が作製及び使用することを可能にするように、そのような完全、明確、簡潔、及び正確な用語で記載される。
医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性を与えることなく、特定の患者、組成物、及び投与様式に対する所望の治療応答を達成するのに有効な有効成分の量を得るために様々であってよい。
選択された投与量レベルは、使用する特定の化合物若しくは化合物の組み合わせ、又はそのエステル、塩又はアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物(複数可)の排泄速度、治療期間、使用する特定の化合物(複数可)と組み合わせて使用する他の薬物、化合物及び/若しくは材料、治療されている患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康及び以前の病歴、並びに医療分野で周知の類似の因子に依存する。
当技術分野の一般的なスキルを有する医師又は獣医師は、必要とされる医薬組成物の治療有効量を容易に決定し、製剤化できる。例えば、医師又は獣医師は、所望の治療効果を達成するのに必要とされる量よりも低いレベルで医薬組成物又は化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。「治療有効量」は、所望の治療効果を誘発するのに十分な化合物の濃度を意味する。化合物の有効量は、対象の体重、性別、年齢、及び病歴に応じて変化することが、一般に理解される。有効量に影響する他の因子は、患者の病態の重症度、治療される障害、化合物の安定性、及び所望であれば、本開示の化合物と共に投与される別の種類の治療剤を含み得るが、これらに限定されない。薬剤を複数回投与することにより、より多い総用量を送達できる。有効性及び投与量を決定する方法は、当業者に公知である(Isselbacherら(1996) Harrison’s Principles of Internal Medicine 13版,1814-1882、参照により本明細書に組み込まれる)。
一般に、本開示の組成物及び方法で使用される活性化合物の適切な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量である、化合物の量であろう。そのような有効量は一般的に、上記の因子に依存する。
投与は、単一投与量又は累積的(連続投与)であり得、当業者によって容易に決定され得る。例えば、治療は、本明細書に開示される医薬組成物の有効用量の1回の投与を含み得る。あるいは、治療は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、数日毎に1回、又は週に1回などの期間の範囲にわたって実施される医薬組成物の有効用量の複数回投与を含み得る。投与のタイミングは、個体の症状の重篤度などの要因に依存して、個体ごとに変わり得る。例えば、本明細書に開示される医薬組成物の有効量は、不定期に1日1回、又は個体がもはや治療を必要としなくなるまで、個体に投与できる。当業者は、個体の病態が治療の過程を通じて監視できること、および投与される本明細書に開示される医薬組成物の有効量をそれに応じて調節できること、を認識するであろう。
所望であれば、活性化合物の有効な1日用量は、必要に応じて単位投与形態で、1日の間、適切な間隔で別々に投与される1、2、3、4、5、6以上のサブ用量として投与され得る。本開示の特定の実施形態では、活性化合物は、毎日2又は3回投与され得る。好ましい実施形態では、活性化合物は、1日1回投与される。
特定の実施形態では、治療用化合物の投与期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月の間、またはそれより長い間である。特定の実施形態では、治療レジメンは、投与が1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週、4週、5週、6週、7週、8週、9週、10週、11週、12週、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月の間、又はそれより長い間停止される期間を含み得る。
この治療を受ける患者は、霊長類、特にヒト、並びにウマ、ウシ、ブタ、及びヒツジなどの他の哺乳動物;一般的には家禽及びペットを含む、それを必要とする任意の動物である。
他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、例えば、本明細書に開示するコンジョイント療法において一緒に使用できる別々の医薬製剤として、単一の容器で又は別々の容器でのいずれかで、キット中で1以上の追加の治療薬と共に提供され得る。いくつかの特定のそのような実施形態では、キットは、例えば、上述の病態のいずれかを治療又は予防するために、医薬製剤のコンジョイント投与のための説明書をさらに含んでよい。
そのような組み合わせ生成物は、上記の投与量範囲内で、本開示の化合物、又はその医薬として許容される塩、及びその承認された投与量範囲内で他の医薬活性剤を使用してよい。
いくつかの実施形態では、化合物は、電離放射線への曝露後、又は偶発的又は治療的照射を含む放射線への暴露の開始後などの、属性事象の後に投与され得る。一実施形態では、化合物は、暴露の直後に投与される。別の実施形態では、化合物は、曝露後12時間以内に投与される。別の実施形態では、化合物は、曝露後24時間以内に投与される。別の実施形態では、化合物は、暴露後24時間で投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の24時間後に投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の36時間後に投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の48時間以内に投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の60時間以内に投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の72時間以内に投与される。別の実施形態では、化合物は暴露の48時間以内に投与される。
特定の実施形態又は特定の製剤では、Yel002/BCN057を、100mMのメタンスルホン酸(MSA)/10%ポビドン(PVP);100mMのMSA/2%ベンジルアルコール/2%N-メチルピロリドン(NMP);及び100mMのMSA/10%エタノール/1%ポロキサマー188を使用して、生理学的適合性pHで水溶液に可溶化した。さらなる態様では、100mMの乳酸を添加し、これらの混合物の溶解度も向上させた。さらに別の実施形態では、Yel002及び30重量%のキャプチソール(SBE-ベータ-CD)及び100mMのMSAを含む製剤は、pH4.1以上で優れた溶解性を示した。
別の実施形態では、治療レベルのYel002/BCN057の静脈内、皮下及び経口送達用の製剤を、pH4.1以上(1.0NのNaOHで調整)で30重量%のキャプチソール(SBE-β-CD)及び100mMのMSAを含んで開発した。
これから全体を説明する本開示は、本開示の特定の態様及び実施形態を例示するためにのみ含まれ、本開示を限定することを意図しない以下の実施例を参照することによって、より容易に理解できる。
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される分子は、疾患の重篤度を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%低減する。この実施形態のさらに他の態様では、本明細書に開示される融合タンパク質又はキメラ分子は、疾患の重篤度を例えば、約5%~約100%、約10%~約100%、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、又は約60%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、又は約50%~約70%低減する。
最後に、本明細書の態様は特定の実施形態を参照することによって強調されるが、当業者は、これらの開示された実施形態が本明細書に開示された主題の原理を例示するに過ぎないことを容易に認識することを理解されたい。したがって、開示された主題は、そのように明確に述べられない限り、本明細書に記載の特定の化合物、組成物、物品、装置、方法、プロトコル、及び/又は試薬などに限定されるものではないことを理解すべきである。加えて、当業者は、本明細書の趣旨から逸脱することなく、本明細書の教示にしたがって、その特定の変化、修正、置換、変更、追加、減算及びサブ組み合わせを行うことができることを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び以下の特許請求の範囲は、それらの真の趣旨及び範囲内にあるような全てのそのような変化、修正、置換、変更、追加、減算、及びサブ組み合わせを含むものと解釈されることを意図している。
本開示を実施するための、発明者らに知られている最良の形態を含む本開示の特定の実施形態が本明細書に記載される。もちろん、上の説明を読めば、これらの記載の実施形態の変形は当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者がこのようなバリエーションを適宜使用することを期待し、発明者らは、本明細書に具体的に記載した以外の方法で本開示を実施することを意図している。したがって、本開示は、適用可能な法則によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載の主題の全ての修正及び均等物を含む。さらに、上記の実施形態の全ての可能なバリエーションにおける任意の組み合わせは、特に本明細書に示さないか、又は文脈によって明確に矛盾しない限り本開示に包含される。
本開示の別の実施形態、要素、又は工程のグループ化は、制限として解釈されるべきではない。各グループのメンバーは、個別に又は本明細書に開示される他のグループのメンバーとの任意の組み合わせで参照され、請求されてもよい。利便性及び/又は特許性の理由から、グループの1以上のメンバーがグループに含まれるか、又はグループから除去されてもよいことが予想される。このような包含又は除去が生じた場合には、本明細書は、修正されたグループを含んでいるとみなされ、そのため、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュグループの記述を満たす。
本明細書において参照され、同定された全ての特許、特許刊行物、及び他の刊行物は、例えば、本開示と関連して使用され得るそのような刊行物に記載された組成物及び方法論を記載し、開示するために、それらの全体を参照することによって、本明細書に個別にかつ明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日前にそれらの開示についてのみ提供される。この点に関して何も、本発明者らは、従来の開示による、又は他の何らかの理由により、そのような開示を先行するものではないことを認めるものと解釈されるべきものはない。これらの文書の内容についての日付又は表現についての全てのステートメントは、出願人にとって利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付又は内容の正確さについての許可にはならない。
最後に、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本開示の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、本開示は、図示し、説明したような精度に限定されるものではない。

Claims (25)

  1. 式A:
    Figure 2022545287000024

    の化合物又はその類似体であって、式中、
    は、CH又はHであり、Rは、
    Figure 2022545287000025
    のうちの1つである、
    化合物又はその類似体。
  2. 対象における疾患を治療する方法であって、式B:
    Figure 2022545287000026

    の構造を有する化合物の治療有効量を前記対象に投与することを含み、式中、
    は、アルキル、アルキルアミン、又はエーテルであり;
    は、H又はCHであり;
    は、H又はOHである、
    方法。
  3. 対象における癌を治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
  4. 前記癌が、膀胱癌、脳癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、胃腸癌、泌尿生殖器癌、頭頸部癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌、直腸癌、皮膚癌、血液癌又は精巣癌のうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法が、前記対象に1種以上の追加の薬剤を投与することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記方法が、前記対象に化学療法又は放射線療法を施すことをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  7. 化学療法又は放射線療法の副作用を1つ以上有する対象を治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
  8. それを必要とする対象における上皮細胞への放射線誘発損傷を予防又は治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法。
  9. 上皮細胞への前記放射線誘発損傷が、放射線誘発性胃腸症候群(RIGS)、放射線誘発性粘膜炎、放射線誘発性口腔粘膜炎、放射線誘発性直腸炎又は放射線誘発性腸炎のうちの1つ以上として特定される、請求項8に記載の方法。
  10. 対象における線維症を治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
  11. 前記線維症が、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症又は癒着性関節包炎である、請求項10に記載の方法。
  12. それを必要とする対象におけるウイルス感染を治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法。
  13. それを必要とする対象におけるうつ病を治療する方法であって、式Bの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法。
  14. 式C:
    Figure 2022545287000027

    の化合物又はその類似体であって、前記類似体が、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び式XXVIIから選択される、化合物又はその類似体。
  15. 対象における炎症を治療する方法であって、式XXIの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与することを含み、
    前記類似体が、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び式XXVIIから選択される、
    方法。
  16. 対象における疾患を治療するためにWnt活性を調節する方法であって、式XXIの化合物又はその類似体の治療有効量を前記対象に投与することを含み、
    前記類似体が、式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI及び式XXVIIから選択される、方法。
  17. 前記疾患が、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び肥満のうちの少なくとも1つである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記線維症が、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症又は癒着性関節包炎である、請求項17に記載の方法。
  19. 対象における疾患を治療するためにWnt活性を調節する方法であって、式Ia:
    Figure 2022545287000028

    の構造を有する化合物の治療有効量を前記対象に投与することを含み、式中、
    は、2級又は3級のアミノ置換基であり、
    は、置換された若しくは非置換のアリール又はヘテロアリール基である、
    方法。
  20. 前記疾患が、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び肥満のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記疾患が、化学療法又は放射線療法の1以上の副作用である、請求項19に記載の方法。
  22. 対象における疾患を治療するためにWnt活性を調節する方法であって、式IIa:
    Figure 2022545287000029

    の構造を有する化合物の治療有効量を前記対象に投与することを含み、式中、
    及びYは、Xと共に、
    Figure 2022545287000030

    を形成し、ここで、
    Xは、N、C又はCHであり;
    Gは、N、C又はCHであり;
    Zは、存在しないか、又は置換された若しくは非置換のアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、又はアルキニルから選択され;
    は、存在しないか、又は置換された若しくは非置換のアリールから選択され;
    及びRは、それぞれ独立的に、存在しないか又は低級アルキルである、
    方法。
  23. 前記疾患が、放射線被爆、線維症、インスリン感受性、癌、骨粗鬆症、脱毛/発毛、創傷治癒、低骨密度及び肥満のうちの少なくとも1つである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記線維症が、肺線維症、特発性肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、非嚢胞性線維症気管支拡張症、肝硬変、肝線維症、心内膜心筋線維症、陳旧性心筋梗塞、心房線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性塊状線維症、腎性全身性線維症、クローン病、胃腸線維症、ケロイド状態、強皮症/全身性硬化症、関節線維症、ペイロニー病、デュピュイトラン拘縮、口腔粘膜下線維症、肝線維症、胃腸線維症、腎臓透析による腎線維症又は癒着性関節包炎である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疾患が、化学療法又は放射線療法の1以上の副作用である、請求項22に記載の方法。
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