JP2022544776A - ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの差次的モジュレーションのための化合物及び組成物 - Google Patents

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの差次的モジュレーションのための化合物及び組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022544776A
JP2022544776A JP2022508983A JP2022508983A JP2022544776A JP 2022544776 A JP2022544776 A JP 2022544776A JP 2022508983 A JP2022508983 A JP 2022508983A JP 2022508983 A JP2022508983 A JP 2022508983A JP 2022544776 A JP2022544776 A JP 2022544776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substituted
unsubstituted
compound
aromatic
tissue
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022508983A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021030551A5 (ja
Inventor
ベーヴスキー,マシュー
ラベリー,カレン
エヌ. クレムスキー,ジョナサン
エム. マッキーリン,ジェームズ
Original Assignee
メトロ インターナショナル バイオテック,エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メトロ インターナショナル バイオテック,エルエルシー filed Critical メトロ インターナショナル バイオテック,エルエルシー
Publication of JP2022544776A publication Critical patent/JP2022544776A/ja
Publication of JPWO2021030551A5 publication Critical patent/JPWO2021030551A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/02Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing nitrogen
    • C07H19/04Heterocyclic radicals containing only nitrogen atoms as ring hetero atom
    • C07H19/048Pyridine radicals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/7042Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings
    • A61K31/7052Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides
    • A61K31/706Compounds having saccharide radicals and heterocyclic rings having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. nucleosides, nucleotides containing six-membered rings with nitrogen as a ring hetero atom
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

本発明は、様々な組織又は細胞型におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の差次的モジュレーションのための化合物及び組成物に関する。さらに、本発明は、医薬品有効成分として1種以上のNADモジュレート性化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、こうした化合物及び組成物を作製する方法に関する。こうした化合物又は組成物を使用する方法は、こうした化合物及び組成物を投与して、健康な細胞及び組織におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の細胞内レベルの増加又は維持を促進し、したがって健康な細胞及び組織の生存を改善することを含む。また、選択された細胞又は組織におけるNADの細胞内レベルを増加させる又は維持すると同時に、不健康な組織又は細胞におけるNADレベルを低減し、したがって不健康な細胞及び組織の生存を低減する方法も含まれる。【選択図】なし

Description

この出願は、2019年8月14日に出願された米国仮特許出願第62/886,869号、及び2019年8月20日に出願された米国仮特許出願第62/889,376号に対する優先権を主張し、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)及び関連する自然発生化合物は、全ての生きている生物体における細胞酸化還元反応に必須な補酵素として公知である。いくつかの一連の証拠は、NADが、DNA修復におけるポリ(ADP-リボシル)化(Menissier de Murciaら、EMBO J.、(2003) 22、2255~2263)、免疫応答及びGタンパク質カップリングシグナル伝達におけるモノ-ADP-リボシル化(Cordaら、EMBO J.、(2003) 22、1953~8)、並びに細胞内カルシウムシグナル伝達における環式ADP-リボース及びニコチネートアデニンジヌクレオチドホスフェート(NAADP)の合成を含めて、哺乳動物細胞における多数の重要なシグナル伝達経路に関与することを示している(Lee、Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol.、(2001) 41、317~345)。NAD及びその代謝物は、転写調節における重要な役割を果たすことも示された(Linら、Curr. Opin. Cell. Biol.、(2003) 15、241~246)。特に、Sir2 NAD依存性デアセチラーゼ活性の発見は(例えば、Imaiら、Nature、(2000) 403、795~800; Landryら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、(2000) 278、685~690; Smithら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、(2000) 97、6658~6663)、NADのこの役割に注目を集めた。ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)は、NAD+合成のサルベージ経路において役割を果たし、化合物FK866は、NAMPTの小分子阻害剤である(Kangら、Mol. Cells、27、667~671、2009; Galliら、J. Med. Chem. 2013、56、16、6279~6296)。様々な他のNAMPT阻害剤が報告されている(例えば、Industry-Academic Cooperation Foundation、Yonsei University、EP3 431 472 A2)。
NADの生物学を理解することにおける進歩にもかかわらず、自然発生化合物では不可能なNAD経路のモジュレーションを含む、生細胞及び生組織におけるNAD経路の薬理学的介入及び/又は制御されたモジュレーションのための改善された組成物及びこうした組成物を使用する方法の必要が、依然としてある。
本発明は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD、その酸化形態ではNAD+、及びその還元形態ではNADHとも呼ばれる)のモジュレーションのための化合物及び組成物に関する。一部の実施形態において、本発明は、こうした化合物及び組成物を作製する方法に関する。一部の実施形態において、本発明は、1種以上のNADモジュレート性化合物を単独の医薬品有効成分として、又は1種以上の他の医薬品有効成分と組み合わせて含有する医薬組成物に関する。さらなる実施形態において、本発明は、こうした化合物又は組成物を使用して、疾患を処置する並びに/又は細胞及び組織生存を改善するために細胞及び組織におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の細胞内レベルの増加を促進する方法に関する。こうした化合物又は組成物を使用する方法は、こうした化合物及び組成物を投与して、健康な細胞及び組織におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の細胞内レベルの増加又は維持を促進し、したがって健康な細胞及び組織の生存を改善又は保護することを含む。また、選択された細胞又は組織におけるNADの細胞内レベルを増加させる又は維持すると同時に、不健康な組織又は細胞におけるNADレベルを低減し、したがって不健康な細胞及び組織の生存能力を低減する方法も含まれる。ある特定の実施形態において、本発明は、こうした化合物又は組成物を使用して、不健康な細胞及び組織の生存能力を、NADの細胞内レベルの差次的減少によって健康な細胞及び組織の生存能力の任意の低減よりも大幅に減少させる方法に関する。
対照又は式1による化合物での処置後の細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の正常細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の正常細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の正常細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞におけるNAD(H)を示す図である。 細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物での処置後の正常細胞(Hek293細胞/ヒト胎児腎臓細胞)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す図である。 細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物での処置後の正常細胞(Hek293細胞/ヒト胎児腎臓細胞)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す図である。 細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞(HepG2細胞/ヒト肝細胞癌)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す図である。 細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物での処置後のがん細胞(HepG2細胞/ヒト肝細胞癌)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の細胞におけるNAD(H)を示す図である。 対照又は式1による化合物での処置後の細胞におけるNAD(H)を示す図である。
定義
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者によって共通して理解される意味を有する。本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段に特定されていない限り、下の用語に帰する意味を有する。
この開示において、「含む」、「含むこと」、「含有すること」及び「有すること」などは、米国特許法における用語に帰する意味を有することができ、「含める」、「含めること」などを意味することができ、「から本質的になること」又は「本質的になる」は、同様に、米国特許法における用語に帰する意味を有し、該用語はオープンエンドであり、列挙されているものの基本的又は新規な特徴が、列挙されているもの以外の存在によって変化されない限り、列挙されているもの以外の存在を可能にするが、従来技術実施形態を除外する。
本明細書において提供されている範囲は、範囲内の値の全ての省略表現であると理解される。例えば、1から50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50からなる群からの任意の数、数の組合せ、又は下位範囲を含むと理解される。
「1つ(a)」又は「1つ(an)」の実体という成句は、本明細書で使用される場合、その実体の1つ以上を指し、例えば、化合物は、1種以上の化合物又は少なくとも1種の化合物を指す。したがって、「1つ(a)」(又は「1つ(an)」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において相互交換可能に使用することができる。
具体的に明記されていない又は文脈から明白でない限り、本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当技術分野における通常の許容差の範囲内、例えば、平均の2標準偏差内と理解される。約は、明記された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%又は0.01%内と理解することができる。別段に文脈から明確でない限り、本明細書において提供されている全ての数値は、約という用語によって修飾される。
「アシル」という用語は、当技術分野において認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)-、好ましくはアルキルC(O)-で表される基を指す。
「アシルアミノ」という用語は、当技術分野において認識されており、アシル基で置換されたアミノ基を指し、例えば式ヒドロカルビルC(O)NH-で表され得る。
「アシルオキシ」という用語は、当技術分野において認識されており、一般式ヒドロカルビルC(O)O-、好ましくはアルキルC(O)O-で表される基を指す。
「アルコキシ」という用語は、酸素が結合したアルキル基、好ましくは低級アルキル基を指す。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシなどを含む。
「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指し、一般式アルキル-O-アルキルで表され得る。
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの二重結合を含有する脂肪族基を指し、「非置換アルケニル」及び「置換アルケニル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、アルケニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルケニル部分を指す。こうした置換基は、1個以上の二重結合中に含まれるか又は含まれない1個以上の炭素上に存在し得る。さらに、こうした置換基には、安定性により使用が禁止されるような場合を除いて、後述の通り、アルキル基について企図されるもの全てが含まれる。例えば、1個以上のアルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリル又はヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が企図される。
「アルキル」基又は「アルカン」は、完全に飽和している、直鎖又は分岐状非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖又は分岐状アルキル基は、別段に定義されていない限り、1~約20個の炭素原子、好ましくは1~約10個の炭素原子を有する。直鎖及び分岐状アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペンチル及びオクチルが挙げられる。C1~C6直鎖又は分岐状アルキル基は、「低級アルキル」基とも呼ばれる。
さらに、「アルキル」(又は「低級アルキル」)という用語は、本明細書、実施例及び特許請求の範囲の全体にわたって使用される場合、「非置換アルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキル部分を指す。こうした置換基としては、別段の指定がない場合、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル若しくはアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート若しくはチオホルメート)、アルコキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分が挙げられる。適切な場合、炭化水素鎖上で置換された部分はそれ自体が置換され得ることは、当業者には理解されるであろう。例えば、置換アルキルの置換基としては、置換型及び非置換型の、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネート及びホスフィネートを含む)、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイル及びスルホネートを含む)、及びシリル基、並びにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート及びエステルを含む)、-CF3、-CNなどが挙げられる。例示的な置換アルキルは、以下に記載される。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル置換アルキル、-CF3、-CNなどでさらに置換され得る。
「Cx~y」という用語は、化学的部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと併用される場合、鎖中にx~y個の炭素を含有する基を含むことを意味する。例えば、「Cx~yアルキル」という用語は、ハロアルキル基、例えばトリフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロエチルなどを含む、鎖内にx~y個の炭素を含有する直鎖アルキル及び分岐鎖アルキル基を含む置換又は非置換飽和炭化水素基を指す。C0アルキルは、基が末端位置にある場合水素を、内部にある場合結合を示す。「C2~yアルケニル」及び「C2~yアルキニル」という用語は、長さ及び可能な置換が上述のアルキルに類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含有する置換又は非置換不飽和脂肪族基を指す。
「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアミノ基を指す。
「アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用される場合、アルキル基で置換されたチオール基を指し、一般式アルキルS-で表され得る。
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの三重結合を含有する脂肪族基を指し、「非置換アルキニル」及び「置換アルキニル」の両方を含むことが意図され、そのうちの後者は、アルキニル基の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有するアルキニル部分を指す。こうした置換基は、1つ以上の三重結合中に含まれるか又は含まれない1個以上の炭素上に存在し得る。さらに、こうした置換基には、安定性により使用が禁止されるような場合を除いて、上述の通り、アルキル基について企図されるもの全てが含まれる。例えば、1個以上のアルキル基、カルボシクリル基、アリール基、ヘテロシクリル基又はヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が企図される。
「アミド」という用語は、本明細書で使用される場合、基
Figure 2022544776000001
を指し、式中、各R30は独立して水素若しくはヒドロカルビル基を表し、又は2つのR30が、結合しているN原子と一緒になって、環構造内に4~8個の原子を有する複素環を完結している。
「アミン」及び「アミノ」という用語は、当技術分野において認識されており、非置換及び置換アミンの両方及びそれらの塩、例えば
Figure 2022544776000002
で表され得る部分を指し、式中、各R31は独立して水素若しくはヒドロカルビル基を表し、又は2つのR31が、結合しているN原子と一緒になって、環構造内に4~8個の原子を有する複素環を完結している。「アミノアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、アミノ基で置換されたアルキル基を指す。
「アラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、アリール基で置換されたアルキル基を指す。
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である、置換又は非置換単環芳香族基を含む。好ましくは、環は5~7員環、より好ましくは6員環である。「アリール」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通である2つ以上の環式環を有する多環式環系を含み、環の少なくとも1つは芳香族であり、例えば他の環式環はシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルであってもよい。アリール基は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどを含む。
「カルバメート」という用語は、当技術分野において認識されており、基
Figure 2022544776000003
を指し、式中R32及びR33は独立して、水素又はヒドロカルビル基、例えばアルキル基を表し、又はR32及びR33は、介在原子と一緒になって、環構造内に4~8個の原子を有する複素環を完結している。
「炭素環」及び「炭素環式」という用語は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である飽和又は不飽和環を指す。炭素環という用語は、芳香族炭素環と非芳香族炭素環との両方を含む。非芳香族炭素環は、全ての炭素原子が飽和したシクロアルカン環と、少なくとも1つの二重結合を含有するシクロアルケン環との両方を含む。
「炭素環」という用語は、5~7員単環式環及び8~12員二環式環を含む。二環式炭素環の各環は、飽和、不飽和及び芳香族環から選択することができる。炭素環には、1個、2個若しくは3個以上の原子が2個の環の間で共有されている、二環式分子が含まれる。「縮合炭素環」という用語は、環のそれぞれが2個の隣接原子を他の環と共有する二環式炭素環を指す。縮合炭素環の各環は、飽和、不飽和及び芳香族環から選択することができる。例示的実施形態において、芳香族環、例えばフェニルは、飽和又は不飽和環、例えばシクロヘキサン、シクロペンタン、又はシクロヘキセンに縮合していてもよい。飽和、不飽和及び芳香族の二環式環の任意の組合せは、原子価が許す場合、炭素環式の定義に含まれる。例示的「炭素環」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5-シクロオクタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタ-3-エン、ナフタレン及びアダマンタンが挙げられる。例示的縮合炭素環としては、デカリン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ビシクロ[4.2.0]オクタン、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン及びビシクロ[4.1.0]ヘプタ-3-エンが挙げられる。「炭素環」は、水素原子を保持することが可能な任意の1つ以上の位置において置換されていてもよい。
「シクロアルキル」基は完全に飽和している環式炭化水素である。「シクロアルキル」は、単環式及び二環式環を含む。典型的には、単環式シクロアルキル基は、別段に定義されていない限り、3~約10個の炭素原子、より典型的には3~8個の炭素原子を有する。二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和、不飽和及び芳香族環から選択することができる。シクロアルキルには、1個、2個若しくは3個以上の原子が2個の環の間で共有されている、二環式分子が含まれる。「縮合シクロアルキル」という用語は、環のそれぞれが2個の隣接原子を他の環と共有する二環式シクロアルキルを指す。縮合二環式シクロアルキルの第2の環は、飽和、不飽和及び芳香族環から選択することができる。「シクロアルケニル」基は、1つ以上の二重結合を含有する環式炭化水素である。
「カルボシクリルアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素環基で置換されたアルキル基を指す。
「カーボネート」という用語は、当技術分野において認識されており、基-OCO2-R34を指し、式中R34はヒドロカルビル基を表す。
「カルボキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、式-CO2Hで表される基を指す。
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、基-C(O)OR35を指し、式中R35はヒドロカルビル基を表す。
「エーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素を介して別のヒドロカルビル基に連結したヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル-O-であり得る。エーテルは、対称又は非対称であってもよい。エーテルの例としては、限定されないが、複素環-O-複素環及びアリール-O-複素環が挙げられる。エーテルには、一般式アルキル-O-アルキルで表され得る「アルコキシアルキル」基が含まれる。
「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、本明細書において使用される場合、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含む。
「ヘタラルキル(hetaralkyl)」及び「ヘテロアラルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、ヘタリール基で置換されたアルキル基を指す。
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子の飽和又は不飽和鎖を指し、2個のヘテロ原子は隣接していない。
「ヘテロアリール」及び「ヘタリール」という用語は、置換又は非置換芳香族単環構造(好ましくは5~7員環、より好ましくは5~6員環)であって、その環構造が、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個又は2個のヘテロ原子を含む構造を含む。「ヘテロアリール」及び「ヘタリール」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通である、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含み、ここで、環のうちの少なくとも1個はヘテロ芳香族であり、例えば、その他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルであり得る。ヘテロアリール基は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどを含む。
用語「ヘテロ原子」は、本明細書で使用される場合、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄である。
「ヘテロシクリル」、「複素環」、及び「複素環式」という用語は、置換又は非置換非芳香族環構造(好ましくは3~10員環、より好ましくは3~7員環)であって、その環構造が、少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、より好ましくは1個又は2個のヘテロ原子を含む構造を指す。「ヘテロシクリル」及び「複素環式」という用語はまた、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共通である、2つ以上の環式環を有する多環式環系も含み、ここで、環のうちの少なくとも1個が複素環式であり、例えば、その他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及び/又はヘテロシクリルであり得る。ヘテロシクリル基は、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどを含む。
「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、複素環基で置換されたアルキル基を指す。
「ヒドロカルビル」という用語は、本明細書で使用される場合、=O又は=S置換基を有さない炭素原子を介して結合した基を指し、典型的には、少なくとも1つの炭素-水素結合及び主に炭素骨格を有するが、任意選択によりヘテロ原子を含んでもよい。したがって、メチル、エトキシエチル、2-ピリジル及びトリフルオロメチルなどの基は、本出願の目的においてヒドロカルビルとみなされるが、アセチル(連結炭素上に=O置換基を有する)及びエトキシ(炭素ではなく酸素を介して連結している)などの置換基はヒドロカルビルとみなされない。ヒドロカルビル基は、限定されないが、アリール、ヘテロアリール、炭素環、ヘテロシクリル、アルキル、アルケニル、アルキニル及びそれらの組合せを含む。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。
「低級」という用語は、化学部分、例えばアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシと併せて使用される場合、置換基内に10個以下、好ましくは6個以下の非水素原子が存在する基を含むことを意味する。「低級アルキル」は、例えば、10個以下、好ましくは6個以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態において、本明細書において定義されるアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアルコキシ置換基は、それらが単独で、又は例えばヒドロキシアルキル及びアラルキルの列挙において他の置換基と組み合わせて出現するか(この場合、例えばアルキル置換基内の炭素原子をカウントする場合にはアリール基内の原子はカウントされない)を問わず、それぞれ低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル又は低級アルコキシである。
「ポリシクリル」、「多環」、及び「多環式」という用語は、2個以上の原子が2つの隣接する環に共通である、例えば環が「縮合環」である、2つ以上の環(例えば、シクロアルキル(複数可)、シクロアルケニル(複数可)、シクロアルキニル(複数可)、アリール(複数可)、ヘテロアリール(複数可)、及び/又はヘテロシクリル(複数可))を指す。多環の環のそれぞれは、置換又は非置換であってもよい。ある特定の実施形態において、多環の各環は、環内に3~10個、好ましくは5~7個の原子を含有する。
「シリル」という用語は、3つのヒドロカルビル部分が結合したケイ素部分を指す。
「置換された」という用語は、骨格の1個以上の炭素上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」又は「で置換された」は、こうした置換が、置換される原子及び置換基の許容される原子価に従うこと、並びに置換が、例えば、転位、環化、脱離などによる変換を自発的に起こさない安定な化合物をもたらすことという暗黙の条件を含むことが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことを企図する。広い態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式及び環式、分岐及び非分岐、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族置換基を含む。適切な有機化合物に関して、許容される置換基は、1つ以上であってもよく、また同じ又は異なってもよい。本発明の目的において、ヘテロ原子、例えば窒素は、水素置換基、及び/又はヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の許容される置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えばカルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル若しくはアシル)、チオカルボニル(例えばチオエステル、チオアセテート若しくはチオホルメート)、アルコキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分を含み得る。置換基は、適切な場合はそれ自体置換されていてもよいことが、当業者に理解される。「非置換」として具体的に述べられていない限り、本明細書における化学部分への参照は、置換変形例を含むことが理解される。例えば、「アリール」基又は部分への参照は、暗に置換及び非置換変形例の両方を含む。
「サルフェート」という用語は、当技術分野において認識されており、基-OSO3H又はその薬学的に許容される塩を指す。
「スルホンアミド」という用語は、当技術分野において認識されており、一般式
Figure 2022544776000004
で表される基を指し、式中R36及びR37は独立して、水素又はヒドロカルビル、例えばアルキルを表し、又はR36及びR37は、介在原子と一緒になって、環構造内に4個~8個の原子を有する複素環を完結している。
「スルホキシド」という用語は、当技術分野において認識されており、基-S(O)-R38を指し、式中R38はヒドロカルビルを表す。
「スルホネート」という用語は、当技術分野において認識されており、基SO3H又はその薬学的に許容される塩を指す。
「スルホン」という用語は、当技術分野において認識されており、基-S(O)2-R39を指し、式中R39はヒドロカルビルを表す。
「チオアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、チオール基で置換されたアルキル基を指す。
「チオエステル」という用語は、本明細書で使用される場合、基-C(O)SR40又は-SC(O)R40を指し、式中R10はヒドロカルビルを表す。
「チオエーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、酸素が硫黄で置き換えられたエーテルと同等である。
「保護基」という用語は、分子内の反応性官能基に結合した場合に、官能基の反応性を遮蔽、低減又は防止する原子の基を指す。典型的には、保護基は、合成の間所望通りに選択的に除去され得る。保護基の例は、Greene及びWuts、Protective Groups in Organic Chemistry、第3版、1999、John Wiley & Sons、NY及びHarrisonら、Compendium of Synthetic Organic Methods、第1~8巻、1971~1996、John Wiley & Sons、NYに見出すことができる。代表的な窒素保護基は、限定されないが、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、tert-ブトキシカルボニル (「Boc」)、トリメチルシリル(「TMS」)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル (「TES」)、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(「FMOC」)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(「NVOC」)などを含む。代表的なヒドロキシル保護基は、限定されないが、ヒドロキシル基がアシル化(エステル化)又はアルキル化されているもの、例えばベンジル及びトリチルエーテル、並びにアルキルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテル(例えばTMS又はTIPS基)、グリコールエーテル、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコール誘導体、並びにアリルエーテルを含む。
ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、ラセミ化合物であってもよい。ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、1つのエナンチオマーが濃縮されていてもよい。例えば、本発明の化合物は、約30%ee超、約40%ee超、約50%ee超、約60%ee超、約70%ee超、約80%ee超、約90%ee超、又はさらには約95%ee以上を有してもよい。ある特定の実施形態において、本発明の化合物は、2つ以上の立体中心を有してもよい。ある特定のこうした実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上のジアステレオマーが濃縮されていてもよい。例えば、本発明の化合物は、約30%de超、約40%de超、約50%de超、約60%de超、約70%de超、約80%de超、約90%de超、又はさらには約95%de以上を有してもよい。
ある特定の実施形態において、治療調製物は、(例えば式(1)の)化合物の主に1つのエナンチオマーを提供するように濃縮されてもよい。エナンチオマーに富む混合物は、例えば、少なくとも約60モルパーセント、又はより好ましくは少なくとも約75モルパーセント、約90モルパーセント、約95モルパーセント、又はさらには約99モルパーセントの1つのエナンチオマーを含んでもよい。ある特定の実施形態において、1つのエナンチオマーに富む化合物は、他のエナンチオマーを実質的に含まず、実質的に含まないとは、当該の物質が、他のエナンチオマーの量と比較して、例えば組成物又は化合物混合物中で約10%未満、又は約5%未満、又は約4%未満、又は約3%未満、又は約2%未満、又は約1%未満を構成することを意味する。例えば、組成物又は化合物混合物が約98グラムの第1のエナンチオマー及び約2グラムの第2のエナンチオマーを含有する場合、約98モルパーセントの第1のエナンチオマー及びわずか約2%の第2のエナンチオマーを含有すると言われる。
ある特定の実施形態において、治療調製物は、(例えば式(1)の)化合物の主に1つのジアステレオマーを提供するように濃縮されてもよい。ジアステレオマーに富む混合物は、例えば、少なくとも約60モルパーセント、又はより好ましくは少なくとも約75モルパーセント、約90モルパーセント、約95モルパーセント、又はさらには約99モルパーセントの1つのジアステレオマーを含んでもよい。
「任意選択の」又は「任意選択により」という用語は、本明細書で使用される場合、引き続いて記載されている事象又は状況は発生し得るが、起こる必要はないこと、並びに該記載は、事象又は状況が発生する場合及びそれが発生しない場合を含むことを意味する。例えば、「任意選択の結合」は、結合が存在し得る又は存在し得ないこと、及び該記載は、単、二重又は三重結合を含むことを意味する。
「精製されている」という用語は、本明細書に記載されている場合、所与の化合物の純度を指す。例えば、化合物は、所与の化合物が組成物の主要な構成成分である場合に「精製されている」、即ち、少なくとも約50%w/w純粋である。したがって、「精製されている」は、少なくとも約50%w/wの純度、少なくとも約60%w/wの純度、少なくとも約70%の純度、少なくとも約80%の純度、少なくとも約85%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約92%の純度、少なくとも約94%の純度、少なくとも約96%の純度、少なくとも約97%の純度、少なくとも約98%の純度、少なくとも約99%の純度、少なくとも約99.5%の純度、及び少なくとも約99.9%の純度を包含し、ここで、「実質的に純粋」は、少なくとも約97%の純度、少なくとも約98%の純度、少なくとも約99%の純度、少なくとも約99.5%の純度、及び少なくとも約99.9%の純度を包含する。
「塩」という用語は、本明細書に記載されている場合、カチオン及びアニオンを含む化合物を指し、これらは、プロトン受容部分のプロトン化及び/又はプロトン供与部分の脱プロトン化によって生成することができる。プロトン受容部分のプロトン化は、電荷が生理的アニオンの存在によってバランスのとれたカチオン種の形成をもたらし、一方、プロトン供与部分の脱プロトン化は、電荷が生理的カチオンの存在によってバランスのとれたアニオン種の形成をもたらすことに留意されるべきである。「塩」という用語は、その最も広い意味において、両性イオンを含む。一部の使用において、「塩」という用語は、共有結合的に連結していないアニオン及びカチオンの対に限定され得る。
「薬学的に許容される塩」という成句は、薬学的に許容される塩を意味する。薬学的に許容される塩の例としては、限定されないが、:(1)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで形成される、若しくは有機酸、例えば、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、サリチル酸、ムコン酸などで形成される酸付加塩、又は(2)上記にリストされている無機酸のいずれかの共役塩基で形成される塩基付加塩であり、共役塩基が、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、NHgR4-g +の中から選択されるカチオン性構成成分を含み、RはC1~3アルキルであり、gは、0、1、2、3若しくは4から選択される数である塩基付加塩、が挙げられる。薬学的に許容される塩に対する全ての参照は、同じ酸付加塩の、本明細書において定義されている通りの溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を含むと理解されるべきである。
本発明は、本発明の化合物の有用な形態、例えば、代謝物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、及び/又は共沈殿物も含む。
本発明の化合物は、水和物として又は溶媒和物として存在することができ、ここで、本発明の化合物は、極性溶媒、特に水、メタノール又はエタノールの分子を、例えば、化合物の結晶格子の構造要素として含有する結晶を形成する。極性溶媒、特に水の分子は、化合物の分子との化学量論比又は非化学量論比で存在することができる。化学量論的溶媒和物、例えば、水和物の場合において、ヘミ-、(セミ-)、モノ-、セスキ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-などの溶媒和物又は水和物が、それぞれ可能である。本発明は、全てのこうした水和物又は溶媒和物を含む。
さらに、本発明の化合物は、遊離形態で、例えば、遊離塩基として若しくは遊離酸として、又は両性イオンとして存在すること、或いは塩の形態で存在することが可能である。前記塩は、任意の塩、有機又は無機付加塩のいずれか、特に、薬学において通例使用される、又は例えば、本発明の化合物を単離若しくは精製するために使用される、任意の薬学的に許容される有機又は無機付加塩でもよい。
投与が企図される「対象」という用語は、以下に限定されないが、ヒト(即ち、任意の年齢群の男性又は女性、例えば、小児対象(例えば、幼児、小児、青年)又は成人対象(例えば、若年成人、中年成人又は老人))及び/若しくは他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、商業関連の哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ及び/若しくはイヌを含めた哺乳動物、並びに/又は、商業関連の鳥類、例えば、ニワトリ、アヒル、雌ガチョウ、ウズラ類及び/若しくはシチメンチョウを含めた鳥類を含む。
「処置」、「処置すること」、「緩和すること」及び「寛解させること」という用語は、本明細書において相互交換可能に使用される。これらの用語は、以下に限定されないが、治療的利益及び/又は予防利益を含めて、有益な又は所望の結果を得るための手法を指す。治療的利益によって、処置されている基礎障害の根絶又は寛解が意味される。その上、治療的利益は、患者がまだ基礎障害で苦しめられ得るにもかかわらず改善が患者において観察されるような基礎障害と関連する生理学的症状の1つ以上の根絶又は寛解で達成される。予防利益のため、該医薬化合物及び/又は組成物は、特別な疾患を発症するリスクがある患者又は疾患の生理学的症状の1つ以上を報告する患者に、この疾患の診断が行われていなくても、投与することができる。
本明細書で使用される場合、障害又は状態を「予防」する治療薬は、統計サンプルにおいて、処置されていない対照サンプルに比べて処置されたサンプルにおける障害若しくは状態の発生を低減する、又は、処置されていない対照サンプルに比べて障害若しくは状態の1つ以上の症状の発症を遅延させる、若しくはその重症度を低減する化合物を指す。
「処置する」という用語は、予防的及び/又は治療的処置を含む。「予防的又は治療的」処置という用語は、当技術分野において認識されており、開示された組成物の1つ以上の対象への投与を含む。望ましくない状態(例えば、対象の疾患又は他の望ましくない体調)の臨床兆候の前に投与される場合、処置は予防的であり(即ち、望ましくない状態の発症から対象を保護する)、一方、望ましくない状態の兆候の後に投与される場合、処置は治療的である(即ち、既存の望ましくない状態又はその副作用を減退、寛解又は安定化することが意図される)。
「調製物」又は「剤形」という用語は、活性化合物の固体及び液体製剤の両方を含むと意図され、当業者は、有効成分が、所望の用量及び薬物動態学的パラメータに依存して異なる調製物中に存在することができることを認められよう。
「賦形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、医薬組成物を調製するために使用されるとともに一般に安全で非毒性であり、生物学的にもそれ以外でも望ましくなくない化合物を指し、獣医学的使用、同様にヒト医薬的使用に許容される賦形剤を含む。
「ゼロよりも大きい」という用語は、当技術分野において公知の任意の定量的手段による検出の下限である量を指す。化学物質を定量化する方法の非限定的な例としては、クロマトグラフィー(液体LC、高速液体HPLC、ガスG)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、及び大気圧光イオン化(APPI)が挙げられる。これらの分離方法は、測定されている化合物を同定する質量分析器に連結される。質量分光分析技法としては、トリプル四重極(QQQ)、イオントラップ(IT)、トリプル四重極線形イオントラップ(QTrap)、飛行時間(TOF)、トリプル四重極飛行時間(Q-TOF)、オービトラップ、及びフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(FT-ICR)が挙げられる。例えば、Roskar、R.ら Analytical Methods for Quantification of Drug Metabolites in Biological Samples 2012、87~91ページを参照されたい。
「薬学的に許容される」という成句は、健全な医学的判断の範疇内で、対象の組織との接触における使用に適当な、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答又は他の問題若しくは合併症なく、妥当な利益/リスク比に相応するような化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指すために、本明細書において用いられる。
「薬学的に許容される担体」という成句は、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される材料、組成物又はビヒクル、例えば、液体若しくは固体の充填剤、希釈液、賦形剤、溶媒又はカプセル化材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があるとともに対象に対して傷害性でないという意味において「許容される」ものでなければならない。
本明細書における可変要素の任意の定義における要素の一覧の列挙は、その可変要素の定義を、一覧されている要素の任意の単一の要素又は組合せ(又は副次的組合せ)として含む。本明細書における実施形態の列挙は、その実施形態を、任意の単一の実施形態として又は任意の他の実施形態若しくはその一部との組合せで含む。
値及び範囲が本明細書において提供される場合は常に、これらの値及び範囲によって包含される全ての値及び範囲は、本発明の範疇内に包含されると意味されると理解されるべきである。さらに、これらの範囲内に入る全ての値、同様に、値の範囲の上限又は下限も、本出願によって企図される。
参照による組み込み
この明細書において記述されている全ての米国特許並びに米国及びPCT公開特許出願、並びに非特許文献は、各々の独立した特許及び公報が具体的に及び個々に参照により組み込まれると示されているかのように同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。
化合物
本明細書において、以下で示される式1~2c
式1:
Figure 2022544776000005
及び/又は1種以上のその塩で示される構造を有する化合物が提供され、式中、環Aは炭素環又は複素環であり、前記炭素環又は複素環は芳香族であり;
XはH又はリン酸基であり;
R1は、H、C1~C6アルキル基、R2と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR2と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
各R2は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及びR1と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
各R3は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
R4は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、シアノ基、置換又は非置換スルファモイル基、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環又は複素環、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択される。
様々な実施形態において、式1の化合物は、式2:
Figure 2022544776000006
及び/又は1種以上のその塩で表すことができ、式中、
XはH又はリン酸基であり;
R1はH又はC1~C6アルキル基であり;
各R2は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、及び置換又は非置換C1~C6アルコキシ基から選択され;
各R3は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
R4は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択される。
様々な実施形態において、式2の化合物は、式2a:
Figure 2022544776000007
及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
R3は独立して、H、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
R4は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
さらに、R3及びR4の少なくとも一方はHではない。
式2及び式2aの様々な実施形態において、R3はHであり;R4は、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択される。様々な実施形態において、XはHであり;R4はカルボキシメチルエステル基である。
様々な実施形態には、化合物1~5、11、12、14、15、18、19、21、23、24、26、27、29、32、及び35が含まれる。
Figure 2022544776000008
Figure 2022544776000009
様々な実施形態において、式2の化合物は、式2b:
Figure 2022544776000010
及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
R1はH又はC1~C6アルキル基であり;
R2は、H及び置換又は非置換C1~C6アルコキシ基から選択され;
R3はHであり;
さらに、R1及びR2の少なくとも一方はHではない。
式2及び式2bの様々な実施形態において、R1はメチル基である。式2及び式2bの様々な実施形態において、R2はメトキシ基である。
様々な実施形態には、化合物6及び7が含まれる。
Figure 2022544776000011
様々な実施形態において、式2の化合物は、式2c:
Figure 2022544776000012
及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
R2は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、及び置換又は非置換C1~C6アルキニル基から選択され;
R3は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択され;
R4は、H、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択され;
さらに、R2及びR3の少なくとも一方はHではない。
式2及び式2cの様々な実施形態において、R2はハロゲンである。式2及び式2cの様々な実施形態において、R3は、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択される。
様々な実施形態には、化合物8、9、16及び20が含まれる。
Figure 2022544776000013
式1の様々な実施形態には、化合物10、13、17、22、25、28、30、31、33、34、36、及び37が含まれる。
Figure 2022544776000014
Figure 2022544776000015
様々な実施形態において、式1の化合物は1種以上の塩であり、前記塩は、H+、Li+、Na+、K+、Mg2+、及びCa2+から選択されるカチオンと形成され、並びに/又は、前記塩は、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフレート)イオン、ハロゲン化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ギ酸イオン、H2PO4 -、HPO4 2-、OH-、HSO4 -、SO4 2-、NO3 -、HCO3 -、及びCO3 2-、及びそれらの混合物から選択されるアニオンと形成される。様々な実施形態において、化合物は両性イオンである。
本発明は、本発明の組成物及び方法における本発明の化合物の薬学的に許容される塩の使用を含む。ある特定の実施形態において、本発明の企図される塩としては、以下に限定されないが、アルキル塩、ジアルキル塩、トリアルキル塩又はテトラ-アルキルアンモニウム塩が挙げられる。ある特定の実施形態において、本発明の企図される塩としては、以下に限定されないが、L-アルギニン塩、ベネタミン塩、ベンザチン塩、ベタイン塩、水酸化カルシウム塩、コリン塩、デアノール塩、ジエタノールアミン塩、ジエチルアミン塩、2-(ジエチルアミノ)エタノール塩、エタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、ヒドラバミン塩、1H-イミダゾール塩、リチウム塩、L-リジン塩、マグネシウム塩、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン塩、ピペラジン塩、カリウム塩、1-(2-ヒドロキシエチル)ピロリジン塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、トロメタミン塩及び亜鉛塩が挙げられる。
ある特定の実施形態において、化合物は、酢酸イオン、トリフレートイオン、ハロゲン化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン又はギ酸イオンから選択されるアニオンとの塩である。他の実施形態において、開示されている化合物が、媒体、例えば、水性媒体と接触するならば、アニオンは、例えば、OH-、H2PO4 -、HPO4 2-、HSO4 -、SO4 2-、NO3 -、HCO3 -及びCO3 2-から選択することができる。
一部の実施形態において、開示されている化合物は、任意の適当なカチオンとの塩を形成することができる負荷電ホスフェートの形態である。カチオンは、該化合物が単離される又は異なるアニオン種を有する媒体中に移動されると、変化し得る。例えば、開示されている化合物は、本明細書に記載されている通りの薬学的に許容される塩であるホスフェート塩の形態であってよい。ある特定の実施形態において、カチオンは、Li+、Na+、K+、Mg2+及びCa2+から選択され得る。
合成
様々な実施形態において、本明細書で開示された化合物を合成する方法であって、アミン含有前駆体をニコチン酸リボシド前駆体と、前記前駆体を縮合させる条件下で反応させ、式1~2cによる化合物を生成することを含む方法が開示される。ある特定の実施形態において、本発明による化合物は、適切なニコチンアミド又は関連する前駆体を1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノースと縮合させることにより調製され得る。例えば、スキーム1を参照されたい。
様々な実施形態において、合成は、沈殿による生成物の精製を伴う粗トリオールのワンポット調製として行うことができる。様々な実施形態において、合成は、粗トリオールのワンポット調製及びクロマトグラフィーによる生成物の精製として行うことができる。
スキーム1:トリオールの調製
Figure 2022544776000016
ある特定の実施形態において、ニコチネート出発材料は、ニコチン酸とアニリド出発材料などとの縮合により調製され得る。例えば、ニコチネートの一般的調製におけるアミド結合形成の例としてのスキーム2を参照されたい。
スキーム2:ニコチネートの調製
Figure 2022544776000017
組成物及び医薬製剤
本明細書において、1種以上の薬学的に許容される賦形剤、並びに1種以上の化合物及び/又はその塩を含む組成物が提供され、化合物は、式1、2、2a、2b、及び/又は2cで表される構造を有する。
また、本明細書において、化合物1~31を含む式1~2cの化合物を含む組成物が提供される。組成物の一部の実施形態において、化合物は、非晶質固体形態である。他の実施形態において、化合物は、結晶性固体形態である。一部の実施形態において、化合物は、溶媒又は担体に溶解される。
一部の実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、抗付着剤、バインダー、コーティング、染料、崩壊剤、香味剤、滑剤、滑沢剤、保存料、収着剤、甘味料、シロップ、エリキシル、分散剤、希釈液、充填剤、顆粒化剤、コーティング剤、ワックス、懸濁化剤、湿潤剤、増稠剤及びビヒクル、並びにその組合せから選択される。一部の実施形態において、賦形剤は、固体賦形剤である。
一部の実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%の量で存在する。一部の実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、又は少なくとも約40重量%、好ましくは少なくとも約30重量%の量で存在する。他の実施形態において、薬学的に許容される賦形剤は、組成物の少なくとも約50重量%の量で存在する。
一部の実施形態において、組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、サッシェ剤、吸入粉末剤、チュアブル剤、芳香錠剤及びロゼンジ剤から選択される固体形態である。ある特定の実施形態において、組成物は、錠剤の形態である。他の実施形態において、組成物は、硬質又は軟質のゼラチンカプセル剤の形態である。
この発明の化合物は、通常の実践を踏まえて選択することができる従来の担体及び賦形剤で製剤化される。錠剤は、賦形剤、滑剤、充填剤、バインダーなどを含有し得る。全ての製剤は、任意選択により、賦形剤、例えば、「Handbook of Pharmaceutical Excipients」(1986)で説明されているものを含有する。適当な賦形剤は、米国食品医薬品局非活性成分データベースにもリストされている。賦形剤としては、アスコルビン酸及び他の抗酸化剤、キレート化剤、例えば、EDTA、炭水化物、例えば、デキストラン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などが挙げられる。
医薬品有効成分は単独で投与されることが可能である一方で、それらを医薬製剤として提供することが好ましくあり得る。本発明の、獣医学のための及びヒト使用のための両方の製剤は、上記で定義されている通りの少なくとも1種の有効成分を、そのための1種以上の許容される担体及び任意選択により他の治療的成分と一緒に含む。薬学的に許容される担体として働くことができる材料の一部の例としては、:(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース、(2)デンプン、例えば、コーンスターチ及びバレイショデンプン、(3)セルロース、及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース、(4)粉末化トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、カカオ脂及び坐剤ワックス、(9)油、例えば、落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)ピロゲンフリー水、(17)等張生理食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝溶液、並びに(21)医薬製剤中に用いられる他の非毒性の適合性がある物質、が挙げられる。
経口投与に適当な本発明の製剤は、個別の単位、例えば、カプセル剤、カシェ剤又は錠剤として提供することができ、各々は、所定量の有効成分を散剤又は顆粒剤として含有する。有効成分は、ボーラス、舐剤又はパスタ剤として投与することもできる。
錠剤は、任意選択により1種以上の副成分とともに、圧縮又は成形することによって作製される。圧縮錠剤は、任意選択によりバインダー、滑沢剤、不活性希釈剤、保存料、表面活性剤又は分散剤と混合された自由流動性形態、例えば、散剤又は顆粒剤の有効成分を、適当な機械中で圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化有効成分の混合物を、適当な機械中で成形することによって作製することができる。錠剤は、任意選択により、コーティングすること又は切れ目を入れることができ、任意選択により、それからの有効成分の緩徐又は制御放出を提供するように製剤化される。
本発明による医薬製剤は、本発明による化合物を、1種以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤及び任意選択により他の治療剤と一緒に含む。有効成分を含有する医薬製剤は、意図される投与方法に適当な任意の形態であってよい。例えば経口使用が意図される場合、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水若しくは油懸濁剤、分散性散剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬及び軟カプセル剤、シロップ剤又はエリキシル剤が調製され得る。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野で公知の任意の方法に従って調製することができ、こうした組成物は、美味な調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤を含めて1種以上の薬剤を含有することができる。錠剤の製造に適当である非毒性の薬学的に許容される賦形剤との添加混合物中に有効成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム又はナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はナトリウム、顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア、並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってよい。錠剤は、非コーティングであり得るか、又はマイクロカプセル化を含めた公知の技法によってコーティングすることで胃腸管中での崩解及び吸着を遅延させ、それによって、より長い期間にわたって持続作用を提供することができる。例えば、時間遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルが、単独で又はワックスとともに用いられ得る。
経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固体希釈剤、例えばリン酸カルシウム若しくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、或いは有効成分が水又は油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提供することもできる。
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適当な賦形剤との添加混合物中で活性材料を含有する。こうした賦形剤としては、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びガムアカシア、並びに分散剤又は湿潤剤、例えば、自然発生ホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、酸化エチレンと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。水性懸濁液は、1種以上の保存料、例えば、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシ-ベンゾエート、1種以上の着色剤、1種以上の香味剤、及び1種以上の甘味剤、例えば、スクロース又はサッカリンを含有することもできる。液体製剤は、点眼剤、又は眼の表面若しくは隣接位置、例えば涙管への他の送達形態を含むこともできる。液体製剤は、静注用製剤、賦形剤、及び担体、例えば生理食塩水、又は緩衝溶液を含むことができ、また注射又は点滴などのためのこうした製剤用の包装又は容器があってもよい。
水の添加による水性懸濁液の調製に適当な本発明の分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存料との添加混合物中で有効成分を提供する。適当な分散剤又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、上記で開示されているものによって例証される。追加の賦形剤、例えば甘味剤、香味剤及び着色剤も存在することができる。
単一剤形を生成するための担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、処置される対象及び特別な投与モードに依存して変動する。例えば、ヒトへの経口投与が意図される徐放性製剤は、総組成物の約5%から約95%(重量:重量)まで変動することができる適切及び好都合な量の担体材料と配合される、およそ1mgからおよそ1000mgの活性材料を含有することができる。医薬組成物は、投与のための容易に測定可能な量を提供するために調製することができる。
肺内又は経鼻投与に適当な製剤は、経鼻通過を介する急速吸入によって又は口を介する吸入によって投与されることで肺胞嚢に達する、例えば約0.1~約500ミクロン、例えば、約0.5、約1、約30又は約35ミクロンなどの範囲における粒子サイズを有する。適当な製剤は、有効成分の水性又は油性溶液を含む。エアロゾル又は乾燥粉末投与に適当な製剤は、従来の方法に従って調製することができ、他の治療剤とともに送達することができる。
該製剤は、単位用量又は多用量容器、例えば、密閉アンプル及びバイアル中にて提供され、注射のための滅菌液体担体、例えば、水の添加のみを、使用の直前に必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即時注射溶液及び懸濁液は、前に記載されている種類の滅菌散剤、顆粒剤及び錠剤から調製される。好ましい単位投与量製剤は、有効成分の、本明細書において上記に列挙されている通りの日用量若しくは単位サブ日用量、又はその適切な画分を含有するものである。
上で特に記述されている成分に加えて、この発明の製剤は、当該の製剤の型を考慮して、当技術分野において従来の他の薬剤を含むことができると理解されるべきであり、例えば、経口投与に適当なものは、香味剤を含むことができる。
一部の実施形態において、組成物における式1~2cの化合物の量は、約0.001重量%~100重量%である。
一部の実施形態において、式1~2cの化合物は、組成物における唯一の医薬品有効成分である。代替として、式1~2cの化合物は、1種以上の追加の医薬品有効成分で組成物中に製剤化される。唯一の医薬品有効成分として製剤化される場合、式1~2cの化合物は個々に、又は1種以上の別個に製剤化された医薬品有効成分を用いたレジメンの一部として投与され得る。
同じ製剤中で、又は1種以上の別個に製剤化された医薬品有効成分を用いたレジメンの一部として共投与される場合、追加の医薬品有効成分は、NAD+経路における化合物、例えばニコチン酸(NA)、ニコチンアミド(Nam)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸リボシド(NAR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+/NADH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADP)、及びニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)から選択され得る。一部の実施形態において、追加の医薬品有効成分は、非晶質固体である。一部の実施形態において、追加の医薬品有効成分は、結晶性固体である。一部の実施形態において、追加の医薬品有効成分は、非晶質NMNである。一部の実施形態において、追加の医薬品有効成分は、結晶性NMNである。
一部の実施形態において、追加の医薬品有効成分は、1-アミノ-4-フェニルアミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート(アシッドブルー25)、1-アミノ-4-[4-ヒドロキシフェニル-アミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[4-アミノフェニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[1-ナフチルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[4-フルオロ-2-カルボキシフェニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[2-アントラセニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、ABT-263、アファチニブジマレエート、アキシチニブ、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、APCP、アスパラギナーゼ、AZD5363、バチルスカルメット-ゲランワクチン(bcg)、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、β-メチレン-ADP(AOPCP)、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルフィルゾミブ、カルムスチン、セリチニブ、クロランブシル、クロロキン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コビメチニブ、コルヒチン、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デメトキシビリジン、デキサメタゾン、ジクロロアセテート、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エバロリムス、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、GSK1120212、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、イクサベピロン、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、レバミソール、ロムスチン、ロニダミン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メトトレキセート、ミルテホシン、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、MK-2206、ムタマイシン、N-(4-スルファモイルフェニルカルバモチオイル)ピバルアミド、NF279、NF449、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オラパリブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パゾパニブ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ペリホシン、PF-04691502、プリカマイシン、ポマリドミド、ポルフィマー、PPADS、プロカルバジン、ケルセチン、ラルチトレキセド、ラムシルマブ、リアクティブブルー2、リツキシマブ、ロロフィリン、ロミデプシン、ルカパリブ、セルメチニブ、シロリムス、ナトリウム2,4-ジニトロベンゼンスルホネート、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、スラミン、タラゾパリブ、タモキシフェン、テモゾロマイド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、二塩化チタノセン、トナポフィリン、トポテカン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ベリパリブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びボリノスタット(SAHA)から選択される化学療法剤である。
他の実施形態において、適当な化学療法剤としては、以下が挙げられる: FK866、ABT-263、デキサメタゾン、5-フルオロウラシル、PF-04691502、ロミデプシン及びボリノスタット(SAHA)。他の実施形態において、化学療法剤としては、以下が挙げられる: 1-アミノ-4-フェニルアミノ-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート(アシッドブルー25)、1-アミノ-4-[4-ヒドロキシフェニル-アミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[4-アミノフェニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[1-ナフチルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[4-フルオロ-2-カルボキシフェニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、1-アミノ-4-[2-アントラセニルアミノ]-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-スルホネート、APCP、β-メチレン-ADP(AOPCP)、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、フルダラビン、ドキソルビシン、ゲムシタビン、N-(4-スルファモイルフェニルカルバモチオイル)ピバルアミド、NF279、NF449、PPADS、ケルセチン、リアクティブブルー2、ロロフィリンナトリウム2,4-ジニトロベンゼンスルホネート、スマリン(sumarin)及びトナポフィリン。
化学療法剤の他の型としては、腫瘍免疫療法薬、例えば、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトックス、アポリズマブ、ブリナツモマブ、BMS-936559、カツマキソマブ、デュルバルマブ、エパカドスタット、エピラツズマブ、インドキシモド、イノツズマブオゾガマイシン、インテルツムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ、ランブロリズマブ、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オラタラツマブ(olatatumab)、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、サマリズマブ及びトレメリムマブが挙げられる。
一部の実施形態において、医薬品有効成分は、DNA損傷を修復することが公知のPARP阻害剤、例えば、オラパリブ、ベリパリブ、ニラパリブ、NMS-P118、タラゾパリブ及びルカパリブから選択される。
処置の方法、疾患、障害及び状態
本明細書において、本明細書で開示されているものである化合物又はその塩、及びその組成物を投与することを含む、NADレベルのモジュレーションを必要とする対象におけるNADレベルをモジュレートする方法が提供される。
本明細書において、本明細書で開示されているものである化合物又はその塩、及びその組成物を投与することを含む、NAD生合成に関連する疾患又は障害を処置する方法が提供される。
本明細書において、開示されている化合物及びその医薬組成物を使用する方法が提供される。開示されている化合物及びその医薬組成物は、老化又はストレスに関連した疾患若しくは障害、糖尿病、肥満、神経変性疾患、心血管疾患、血液凝固障害、炎症、がん及び/又は潮紅などを例えば含めた多種多様な疾患及び障害を処置及び/又は低減することを例えば含めて、様々な治療用途に有用であり得る。該方法は、開示されている化合物及び/又はその医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。開示されている化合物及びその医薬組成物は、ある特定の組織又は細胞におけるNADレベルを増加又は維持しながら、他の組織又は細胞におけるNADレベルを減少させるのに有用であり得る。様々な実施形態において、開示されている化合物及びその医薬組成物は、一部の組織又は細胞におけるNADレベルを選択的に減少させながら、他の組織又は細胞ではよりわずかにNADレベルを減少させるために使用され得る。
ある特定の実施形態において、本明細書において開示されている通りの化合物又は医薬組成物は、対象における細胞老化によって誘発又は悪化される疾患又は状態を処置又は予防すること、対象の老化の速度を例えば老化の開始後に減少させる方法、対象の寿命を伸ばす方法、寿命に関連する疾患又は状態を処置又は予防する方法、細胞の増殖能に関連する疾患又は状態を処置又は予防する方法、及び細胞傷害又は細胞死に起因する疾患又は状態を処置又は予防する方法のために使用することができる。ある特定の実施形態において、該方法は、対象の寿命を短くする疾患の発生率を減少させることによって作用するわけではない。ある特定の実施形態において、該方法は、疾患、例えば、がんによって引き起こされる死亡率を低減することによって作用するわけではない。
ある特定の実施形態において、本明細書において開示されている通りの化合物又は医薬組成物は、対象の細胞の寿命を一般に増加させるために、並びにストレスに対して及び/又はアポトーシスに対して対象の細胞を保護するために、対象に投与することができる。本明細書に記載されている化合物で対象を処置することは、ホルミシス、即ち、生物体に有益である軽度のストレスを対象にかけることと同様であり得、それらの寿命を延ばすことができる。
開示されている化合物及びその医薬組成物は、放射線又は毒素の用量を近年受容した又は受容する可能性が高い対象に投与することができる。一実施形態において、放射線又は毒素の用量は、作業関連の又は医療の手順、例えば、核発電所での作業、飛行機の操縦、X線、CATスキャン、又は医用画像化のための放射性染料の投与の一部として受容され、こうした実施形態において、化合物は、予防措置として投与される。他の実施形態において、放射線又は毒素曝露は、非意図的に、例えば、産業事故、自然放射の位置における居住、テロ行為、又は放射性若しくは毒性材料を伴う戦争行為の結果として受容される。こうした場合において、開示されている化合物及びその医薬組成物は、アポトーシス及び急性放射線症候群の後続発症を阻害するために、好ましくは曝露後できるだけ早く投与される。
他の実施形態において、開示されている化合物及びその医薬組成物は、年齢関連障害、例えば、がんを処置するのに有用であり得る。開示されている化合物及びその医薬組成物を使用して処置することができる例証的がんとしては、脳及び腎臓のがん、乳房、前立腺、精巣及び卵巣がんを含めたホルモン依存性がん、リンパ腫、並びに白血病が挙げられる。処置することができる他の疾患としては、自己免疫疾患、例えば、全身性ループスエリテマトーデス、強皮症及び関節炎が挙げられ、ここで、自己免疫細胞は除去されるべきである。ウイルス感染症、例えば、ヘルペス、HIV、アデノウイルス、並びにHTLV-1関連の悪性及び良性障害も、開示されている化合物及びその医薬組成物の投与によって処置することができる。
一部の実施形態において、開示されている化合物及びその医薬組成物は、神経変性疾患、及び中枢神経系(CNS)又は末梢神経系(PNS)に対する外傷性又は機械的損傷を患う患者を処置するために使用することができる。神経変性疾患の例としては、以下に限定されないが、運動失調、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS、ルー・ゲーリック病)、びまん性レビー小体疾患、有棘赤血球舞踏病、原発性側索硬化症、眼球疾患(眼球神経炎)、化学療法誘発性ニューロパシー(例えば、ビンクリスチン、パクリタキセル、ボルテゾミブから)、糖尿病誘発性ニューロパシー及びフリードライヒ運動失調症が挙げられる。
開示されている化合物及びその医薬組成物の投与は、対象においてインスリン感受性を増加させる及び/又はインスリンレベルを減少させることができる。こうした処置を必要とする対象は、II型糖尿病のインスリン抵抗性若しくは他の前駆症状を有する対象、II型糖尿病を有する対象、又はこれらの状態のいずれかを発症する可能性が高い対象であり得る。例えば、対象は、インスリン抵抗性を有する対象、例えば、高循環レベルのインスリン及び/又は関連の状態、例えば、高脂血症、脂質生成不全、高コレステロール血症、耐糖能障害、高血糖レベル、シンドロームXの他の顕在化、高血圧症、アテローム動脈硬化症並びにリポジストロフィーを有する対象であり得る。
様々な実施形態において、2つ以上の組織又は細胞型におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)レベルを差次的にモジュレートする方法が本明細書に開示される。こうした方法は、本明細書において開示されている通りの化合物又は組成物を投与することを含んでもよく、前記投与は、第2の組織又は細胞型と比較した第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの差次的応答を誘発する。様々な実施形態において、NADレベルの差次的応答は、NADレベルの少なくとも10%の差、NADレベルの少なくとも20%の差、NADレベルの少なくとも30%の差、NADレベルの少なくとも40%の差、NADレベルの少なくとも50%の差、NADレベルの少なくとも60%の差、NADレベルの少なくとも70%の差、NADレベルの少なくとも80%の差、NADレベルの少なくとも90%の差、NADレベルの少なくとも100%の差、NADレベルの少なくとも200%の差、NADレベルの少なくとも300%の差、NADレベルの少なくとも400%の差、NADレベルの少なくとも500%の差、NADレベルの少なくとも600%の差、NADレベルの少なくとも700%の差、NADレベルの少なくとも800%の差、NADレベルの少なくとも900%の差、及びNADレベルの少なくとも1000%の差から選択される。様々な実施形態において、NADレベルの差次的応答は、未処置NADレベル又は処置前のNADレベルと比較した第1の組織又は細胞型における少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%のNADレベルの増加、及び未処置NADレベル又は処置前のNADレベルと比較した第2の組織又は細胞型における少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%のNADレベルの同時の減少である。様々な実施形態において、NADレベルの差次的応答は、未処置NADレベルと比較した前記第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの10%以内の維持、及び未処置NADレベルと比較した第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%の同時の減少である。様々な実施形態において、NADレベルの差次的応答は、未処置NADレベルと比較した第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%の低減、及び未処置NADレベルと比較した第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの同時の減少であり、第2の組織又は細胞型における減少は、第1の組織又は細胞型における低減よりも少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、又は1000%大きい低減である。様々な実施形態において、第1の組織又は細胞型は、正常組織又は細胞であり、第2の組織又は細胞型は、腫瘍性又はがん性である。
本明細書で開示されているがんの処置の方法は、それを必要とする個体の処置を含む。開示されている化合物及びその医薬組成物を使用して処置することができる例証的がんとしては、脳及び腎臓のがん、乳房、前立腺、精巣及び卵巣がんを含めたホルモン依存性がん、リンパ腫、並びに白血病が挙げられる。様々な実施形態において、がんは、男性における一般的な種類のがん、例えば肺がん、前立腺がん、結腸直腸がん及び胃がんであってもよい。様々な実施形態において、がんは、女性における一般的な種類のがん、例えば乳がん、直腸結腸がん、肺がん及び子宮頚部がんであってもよい。様々な実施形態において、がんは、皮膚がん、例えば黒色腫、扁平上皮癌、又は基底細胞癌であってもよい。様々な実施形態において、がんは、子供における一般的な種類のがん、例えば急性リンパ芽球性白血病、脳腫瘍、又は非ホジキンリンパ腫であってもよい。様々な実施形態において、方法は、選択的細胞増殖抑制又は細胞毒性効果を示し、この効果は、未処置の腫瘍性又はがん性組織又は細胞と比較した、腫瘍性又はがん性組織又は細胞の生存能力の減少により示される。
方法は、第1の組織又は細胞型が正常組織又は細胞である状況を含み、方法は、第1の組織又は細胞型の健康の促進又は生物学的活性の増加のための処置を必要とする個体における、第1の組織又は細胞型の健康の促進又は生物学的活性の増加のための処置である。様々な実施形態において、処置は、処置される個体におけるがん診断のリスクの増加を誘発しない。好ましくは、処置は、処置を受ける個体におけるがん診断のリスクを低減する。
様々な方法は、がんの処置又は抑制を必要とする個体におけるがんを処置又は抑制することを含み、方法は、本明細書に記載されている通りの化合物又は組成物を投与することを含む。様々な実施形態において、腫瘍性又はがん性組織又は細胞の成長のリスクを増加させることなく、健康な組織又は細胞の増加又は維持を必要とする個体における健康な組織又は細胞を増加させる又は維持する方法が本明細書で開示され、こうした方法は、本明細書に記載されている通りの化合物又は組成物を投与することを含む。
様々な実施形態において、腫瘍性又はがん性組織又は細胞の成長を抑制しながら、健康な組織又は細胞の増加又は維持を必要とする個体における健康な組織又は細胞を増加させる又は維持する方法が本明細書に記載され、こうした方法は、本明細書に記載されている通りの化合物又は組成物を投与することを含む。様々な実施形態において、開示されている方法は、少なくとも1つの健康な組織又は細胞型におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)レベルを増加させる又は維持する方法を含み、こうした方法は、本明細書に記載されている化合物又は組成物を、健康な組織又は細胞型に投与することを含む。様々な実施形態において、少なくとも1つのがん性組織又は細胞型の生存能力を低減する方法が本明細書に記載され、こうした方法は、本明細書に記載されている通りの化合物又は組成物を、がん性組織又は細胞型に投与することを含む。
さらに、本明細書に記載されている通りの方法は、組織又は細胞型の混合物中の少なくとも1つの組織又は細胞型におけるNADのレベルをモジュレートする方法を含み、こうした方法は、本明細書に記載されている通りの化合物又は組成物の、所望の組織又は細胞型への標的化送達を含む。様々な実施形態において、標的化送達は非全身的である。
本発明の書面記載は、当業者が、目下その最良モードであると考えられるものを作製及び使用するのを可能にする一方で、通常の技能者は、本明細書における特定の実施形態、方法及び実施例の変動、組合せ及び同等物の存在を理解し、認められよう。本発明は、そのため、記載されている実施形態、方法及び実施例によってではなく、本発明の範疇及び趣旨内の全ての実施形態及び方法によって限定されるべきである。
[実施例]
合成例
一般手順A:沈殿による生成物の精製を伴う粗トリオールのワンポット調製(実施例1を参照されたい)
一般手順B:粗トリオールのワンポット調製及びクロマトグラフィーによる生成物の精製(実施例9を参照されたい)
[実施例1]
化合物1
メチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000018
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMS-トリフレート、4.8mL、26.5mmol、1.2当量)を、無水アセトニトリル(CH3CN、100mL)中のメチル4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(5.9g、23mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(8.1g、25.4mmol、1.1当量)の撹拌混合物に、Ar下で5分間にわたり滴下により添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後アリコートのHPLC分析により10%未満のニコチンアミドが存在することが示されたら、反応は完了したと決定された。反応混合物を無水MeOH(50mL)で希釈し、ロータリーエバポレータで濃縮してCH3CNのほとんどを除去した。混合物をMeOH(100mL)で希釈し、氷浴中で冷却した。塩化チオニル(SOCl2、5.8mL、80.5mmol、3.5当量)を滴下により添加し、反応混合物を冷蔵室内で5℃で16時間撹拌した。アリコートのHPLC分析により5%未満のモノ及びジアセテート中間体が存在することが示されたら、反応は完了したと決定された。2Lのエルレンマイヤーフラスコ中で1.3Lの十分に撹拌したMTBEに溶液を添加することにより、粗生成物を沈殿させた。沈殿固体を濾過し、大量のMTBEで洗浄した。吸引漏斗で乾燥させた後、固体を高真空下でさらに乾燥させ、生成物(7.7g、62%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.64 (s,1H), 9.28 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.29 (dd, 1H), 8.02 (d, 2H), 7.70 (d, 2H), 6.24 (d, 1H), 4.52 (見かけ上t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.04 (見かけ上dd, 1H), 3.87 (m, 4H又は5H). MS(ESI+) m/z = 389.1
[実施例2]
化合物2
N-(4-カルバモイルフェニル)-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000019
一般手順Aに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のN-(4-カルバモイルフェニル)ニコチンアミド(1.1g、4.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を除去した後、40mLのMeOH中の3当量のSOCl2で処理し、次いで5℃で24時間撹拌した。混合物を元の体積の半分まで濃縮し、MTBE(50mL)を徐々に添加して生成物を沈殿させた。固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、2×10mL分量のMeOH(-20℃まで事前に冷却)で洗浄し、続いていくつかの分量のMTBEで洗浄した。固体を高真空下で数時間乾燥させ、生成物(1.25g、49%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.87 (s, 1H), 9.47 (見かけ上d, 1H), 9.17 (見かけ上d, 1H), 8.36 (t, 1H), 7.94 (dd, 4H), 6.23 (d, 1H), 4.46 (m, 2H), 4.34 (m, 1H), 3.97 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 374.1
[実施例3]
化合物3
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(メチルカルバモイル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000020
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.7mL、0.55mmol、1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のN-(4(メチルカルバモイルフェニル)ニコチンアミド(1.1g、0.46mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の2時間の撹拌混合物に添加した。その後の後処理及びMeOH中の3当量のSOCl2での処理、続いて5℃で24時間の撹拌により、研和後に粗生成物を半固体物質として得た。材料をDCM中最低10%のMeOHに溶解し、40gのISCO自動クロマトグラフィーカートリッジに投入した。DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配溶出により、生成物(1.1g、62%)を白色固体として得た。
1NMR (D2O): δ 11.6 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.46 (d, 2H), 9.27 (d, 2H), 8.47 (m, 1H), 8.41 (t, 1H), 7.92 (dd, 4H), 6.25 (d, 1H), 4.40 (t, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.18 (t, 1H), 3.79 (ab q, 2H), 2.78 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 388.1
[実施例4]
化合物4
((2R,3S,4R,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(3-((4-(メトキシカルボニル)フェニル)カルバモイル)-1λ4-ピリジン-1-イル)テトラヒドロフラン-2-イル)メチル水素ホスフェート。
Figure 2022544776000021
乾燥100mLフラスコに、2g(4.1mmol)の化合物1を入れた。フラスコをアルゴンでフラッシュし、10mLのリン酸トリメチルを添加した。得られた溶液を0℃に冷却し、POCl3(1.25g、8.2mmol、2当量)で処理した。フラスコを密閉し、冷凍庫内で-10℃で静置した。2.5時間後、均質溶液をトリエチルアミン(206mg、2.0mmol)で数分間にわたり処理し、冷凍庫内で一晩静置した。反応混合物を氷浴中で冷却し、十分に撹拌した懸濁液を水(1.5g、82mmol)で数分間にわたり処理し、続いて固体NaHCO3(2.4g、28.7mmol)で処理し、撹拌を0℃で90分間継続した。反応混合物を、33mmolの90%ギ酸を含有する100mLのCH3CNで処理し、白色固体を生成した。固体を濾過により回収し、CH3CNで洗浄し、高真空下に置いて、粗生成物をオフホワイトの固体(3.7g)として得た。この材料を、50gのアミノプロピル官能化シリカを含有するカラムで、中圧クロマトグラフィーにより精製した。生成物を、100mMのギ酸を含有する25mLの60%/40% MeOH-CH3CNに溶解し、カラムを同じ溶媒混合物で平衡化した。生成物含有画分を合わせて濃縮し、水(3×25mL)から共蒸発させ、冷凍及び凍結乾燥させて、生成物(300mg、16%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.4 (s, 1H), 9.2 (m, 1H), 8.9 (d, 1H), 8.2 (m, 1H), 7.9 (d, 2H), 7.6 (d, 2H), 6.1 (d, 1H), 4.6 (m, 1H), 4.5 (m, 1H), 4.4 (q, 1H), 4.2 (dq, 1H), 4.1 (dq, 1H), 3.8 (s, 3H). 31P NMR (D2O): 0.24 ppm. MS(ESI+) m/z = 468.1
[実施例5]
化合物5
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000022
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のN-(1-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-イル)ニコチンアミド(1.2g、4.7mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の2時間の撹拌混合物に添加した。溶媒の蒸発及びMeOH(40mL)中のSOCl2(3当量)による処理、続いて5℃で24時間の撹拌及びその後の後処理により、粗生成物を半固体物質として得た。粗生成物をDCM中最低5%のMeOHに溶解し、24gのISCOカートリッジに投入した。DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配溶出により、生成物(1.75g、67%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.63 (s, 1H), 9.26 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.28 (t, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 6.23 (d, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.44 (m, 1H), 4.34 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 387.1
[実施例6]
化合物6
メチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-メチル-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000023
乾燥100mL RBに3.2gのメチル4-(N-メチルニコチンアミド)ベンゾエート(11.8mmol)を入れ、フラスコをアルゴンでフラッシュした。これをアルゴン流下で35mLの無水ジオキサンに溶解し、3.8gのリボーステトラアセテート(11.8mmol)で処理した。得られた溶液を氷水で短時間冷却し、3.2gのTMS-トリフレート(14.2mmol)で処理し、周囲温度まで温め、撹拌した。2.5時間後、反応を約90%完了まで進めた。ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去し、残渣を50mLのDCMに吸収させた。これを飽和NaHCO3及びブラインで洗浄した。水層をDCMで逆抽出し、有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、高真空下で蒸発させ、6.9gのオフホワイトの泡を得た。これを、120gのシリカカートリッジを使用して、DCM中0~15%のMeOHの勾配で中圧LCシステムで精製した。生成物画分を単離してプールし、ストリッピングし、高真空下に置いて、トリアセテート5.6g(70%)を得た。
1H NMR (CDCl3): δ 9.3 (bd s, 1H); 9.2 (d, 1H); 8.0 (d, 2H); 7.3 (d, 2H); 6.6 (d, 1H); 5.3 (m, 1H); 5.2 (m, 1H); 4.7 (m, 1H); 4.5 (dd, 1H); 4.4 (dd, 1H); 3.9 (s, 3H); 3.6 (s, 3H); 2.2 (s, 3H); 2.1 (s, 3H); 2.0 (s, 3H).
250mL RBに5.6gの上記トリアセテート(8.2mmol)を入れ、フラスコをアルゴンでフラッシュした。これを75mLの無水MeOHに溶解し、得られた溶液を氷上で冷却し、2.94gのSOCl2(24.7mmol)で滴下により処理した。密閉した反応槽を冷蔵庫内に10℃で静置した。18時間後、溶媒を真空中で除去し、残渣をMTBEで研和し、次いで高真空下に置いて、4.7gを白色固体として得た。これを、DCM中0~15%MeOHの勾配を使用して、40gのシリカISCOカートリッジで精製した。生成物画分をプールし、ストリッピングして、2.5gをオフホワイトの泡として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 9.0 (d, 1H); 8.1 (d, 1H); 7.8 (m, 3H); 7.2 (d, 2H); 5.8 (d, 1H); 4.2 (m, 2H); 4.1 (d, 2H); 3.8-3.6 (4H); 3.4 (s, 3H); 3.2 (s, 3H).
[実施例7]
化合物7
メチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)-3-メトキシ-ベンゾエート。
Figure 2022544776000024
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のメチル3-メトキシ-4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(1.6g、5.63mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加し、得られた混合物を2時間撹拌した。前述の通りの後処理及びその後のMeOH中3当量のSOCl2での処理、続いて5℃で24時間の撹拌により、研和後に粗生成物を半固体物質として得た。DCMからDCM中30%MeOHの勾配で溶出するISCO(40gのカートリッジ)を使用して粗生成物を精製して、生成物(715mg、23%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (CD3OD): δ 9.84 (s, 1H), 9.67 (d, 1H), 9.12 (d, 1H), 8.31-8.36 (m, 2H), 7.72-7.74 (m, 2H), 6.25 (d, 1H), 4.42-4.52 (m, 2H), 4.36 (m, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.96 (ab q, 2H), 3.91 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 419.1
[実施例8]
化合物8
メチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)-3-フルオロベンゾエート。
Figure 2022544776000025
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のメチル3-フルオロ-4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(610mg、2.31mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(800mg、2.5mmol、1.1当量)の撹拌混合物に添加し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をMeOH中3当量のSOCl2で処理し、続いて5℃で24時間撹拌した。前述の通りの後処理によって、DCMとの共蒸発による過剰のHClの除去後に粗生成物を半固体物質として得た。DCMからDCM中30%MeOHの勾配で溶出するISCO(24gのカートリッジ)で粗生成物を精製して、生成物(400mg、31%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR (CD3CN): δ 9.66 (S, 1H), 9.30 (br s, 1H), 9.26 (d, 1H), 8.98 (d, 1H), 8.26 (t, 2H), 7.93 (d, 1H), 7.87 (d, 1H), 6.14 (d, 1H), 4.47 (t, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.94 (ab q, 2H, 3.92 (s, 1H). MS(ESI+) m/z = 407.1
[実施例9]
化合物9
エチル3-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000026
TMS-トリフレート(2.9mL、15.7mmol、1.2当量)を、無水DCM(80mL)中のエチル3-(ニコチンアミド)ベンゾエート(3.85g、14.3mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(8.1g、25.4mmol、1.1当量)の撹拌混合物に、Ar下で滴下により添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後、ニコチンアミドの不溶性に起因して、HPLC分析により反応の10%のみが完了したことが判明した。反応混合物を無水ジオキサン(30mL)で希釈し、追加のTMS-トリフレート(3.0mL、1.1当量)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、その時点でHPLC分析により反応が完了したことが判明した。混合物をロータリーエバポレータで約20mLまで濃縮し、無水EtOH(50mL)で希釈し、氷浴中で冷却し、SOCl2(4.2mL、57.3mmol、4当量)で滴下により処理した。混合物を冷蔵室内で5℃で3日間撹拌し、次いでロータリーエバポレータで約30mLまで濃縮し、MTBEで研和して、粗生成物を半固体物質として沈殿させた。生成物をMTBEでさらに研和して、オフホワイトの固体(2g)を得た。1gのこの材料を、24gのシリカゲルカートリッジを使用し、DCM中最低5%のMeOHを添加して、ISCO Combi Flash(登録商標)自動クロマトグラフィーシステムで精製した。溶出は、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配を使用して行った。純粋な画分をプール及び濃縮し、次いでDCMと同時ストリッピングして、高真空下に数時間置いた後、純粋な生成物(700mg、全体的収率24%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.64 (s, 1H), 9.30 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.27 (見かけ上t, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.85 (d, 1H), 7.55 (t, 1H), 6.16 (d, 1H), 4.46 (見かけ上t, 1H), 4.33-4.43 (m, 2又は3H), 4.31 (見かけ上t, 1H), 3.92 (ab q, 2H), 1.97 (q, 2H). MS(ESI+) m/z = 403.1
[実施例10]
化合物10
エチル2-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000027
トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMS-トリフレート、3.3mL、17.8mmol、1.2当量)を、無水DCM(35mL)中のメチル2-(ニコチンアミド)ベンゾエート(3.8g、14.8mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(5.2g、16.3mmol、1.1当量)の撹拌混合物に、Ar下で5分間にわたり滴下により添加した。反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌し、HPLCにより反応が完了したことを決定した。混合物を氷浴中で冷却し、無水MeOH(50mL)で希釈し、塩化チオニル(SOCl2、3.22mL、44.4mmol、3当量)を滴下により添加した。溶液を冷蔵室内で5℃で24時間静置した。混合物をロータリーエバポレータで約20mLまで濃縮し、100mLのMTBEの添加により生成物を沈殿させた。溶液をデカンテーションした後、残渣をMTBEで2回研和して、淡褐色固体を得た。クロマトグラフィーにより2gの試料の精製を試みたが成功せず、カラム上で生成物が分解した。1.2gの固体を無水EtOH(10mL)に溶解し、40mLのMTBEの添加により生成物を沈殿させた。MTBEでの連続的研和後、濾過により固体を収集し、MTBEで洗浄した。高真空下で一晩乾燥させた後、生成物(780mg)を95%の純度のオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ 11.74 (s, 1H), 9.80 (s, 1H), 9.52 (d, 1H), 9.13 (d, 1H), 8.45 (t, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.74 (t, 1H), 7.38 (t, 1H), 6.29 (d, 1H), 4.38 (t, 1H), 4.23 (m, 1H), 3.88 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 389.1
[実施例11]
化合物11
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000028
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水CH3CN(20mL)中のN-(4-(メトキシメチル)フェニル)ニコチンアミド(0.50g、1.95mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却し、SOCl2(3.5当量)で処理した。5℃で16時間撹拌した後、HPLC分析では約20%のモノアセテート中間体がまだ存在することが示されたため、追加のSOCl2(1当量)を添加し、5℃で8時間撹拌を継続した。後処理及びISCOでの粗生成物の精製後、生成物(405mg、13%)が淡黄色固体として単離された。
1H NMR (D2O): δ 9.63 (s, 1H), 9.25 (d, 1H), 9.02 (d, 1H), 8.26 (見かけ上t, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.43 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 6.24 (d, 1H), 4.50 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.35 (s, 2H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 361.1
[実施例12]
化合物12
N-(4-(ジエチルカルバモイル)フェニル)-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000029
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、DCM(50mL)中のN-(4-(ジエチルカルバモイル)フェニル)ニコチンアミド(1.4g、4.7mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.15当量)の撹拌混合物に添加し、続いて3時間撹拌した。MeOH中のSOCl2(3当量)によるその後の処理及び5℃で16時間の撹拌により、前述の通りの後処理後に粗生成物を半固体物質として得た。残渣をDCM中最低15%のMeOHに吸収させ、DCM中10%MeOHからDCM中40%MeOHの勾配で溶出する40gのISCOカラムに投入して、生成物(1.15g、57%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.67 (s, 1H), 9.27 (d, 1H), 9.05 (d, 1H), 8.29 (t, 1H), 7.67 (d, 2H), 7.46 (d, 2H), 6.24 (d, 1H), 4.53 ( 見かけ上t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.36 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H), 3.53 (q, 2H), 3.29 (q, 2H), 1.23 (t, 3H), 1.09 (t, 3H). MS(ESI+) m/z = 430.2
[実施例13]
化合物13
N-(4-シアノフェニル)-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000030
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、DCM(40mL)中のN-(4-シアノフェニル)ニコチンアミド(1.5g、5.63mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加し、続いて周囲温度で3時間撹拌した。溶媒の蒸発に続くMeOH中のSOCl2(3当量)による処理及び5℃で16時間の撹拌により、前述の通りの後処理後に粗生成物を半固体物質として得た。残渣をDCM中最低20%のMeOHに吸収させ、DCM中10%MeOHからDCM中40%MeOHの勾配で溶出する40gのISCOカラムに投入して、1.15g(57%)の純粋な生成物をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.66 (s, 1H), 9.27 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.28 (t, 1H), 7.75 (m, 4H), 6.25 (d, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.34 (見かけ上t, 1H), 4.03 (dd, 1H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 356.1
[実施例14]
化合物14
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000031
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.5mL、8.04mmol、1.2当量)を、DCM(40mL)中のN-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ニコチンアミド(1.5g、6.7mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(2.4g、7.4mmol、1.1当量)の撹拌混合物に添加した。MeOH中のSOCl2(3当量)によるその後の処理及び5℃で16時間の撹拌、続いて前述の通りの後処理により、粗生成物をオフホワイトの固体として得た。この材料の半分を、ISCO(40gのカートリッジ、DCMからDCM中30%MeOHの勾配で溶出)でクロマトグラフィー処理して、生成物(300mg)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.66 (s, 1H), 9.27 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.28 (t, 1H), 7.75 (m, 4H), 6.25 (d, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.34 (見かけ上t, 1H), 4.03 (dd, 1H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 399.1
[実施例15]
化合物15
4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)安息香酸。
Figure 2022544776000032
無水ジオキサン(40mL)中の4-(ニコチンアミド)安息香酸(3.76g、9.59mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(3.20g、10.07mmol)の混合物に、トリエチルアミン(4.02mL、28.8mmol、3当量)を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。TMS-トリフレート(6.94mL、38.4mmol、3当量)を5分間にわたり添加し、反応物を20分間撹拌し、その後HPLC分析により反応が完了したことが示された。混合物を40mLのMTBEで希釈し、溶液を300mLのMTBEに注ぎ込み、得られた油を沈降させた。溶媒をデカンテーションした後、油を80mL分量のMTBEで2回研和した。残渣をEtOAc(50mL)に溶解し、2×30mL分量の水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒の濾過及び蒸発により、5.5gの粗トリアセテート中間体を得た。2.23gのこの材料を、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配で溶出する600gのシリカゲルでクロマトグラフィー処理して、精製されたトリアセテート(1.3g)を白色固体として得た。トリアセテート:1H NMR (CD3CN): δ 9.68 (br s, 1H), 9,48 (d, 1H), 9.14 (d, 1H), 9.09 (dd, 1H), 8.33 (dd, 1H), 8.10 (d, 2H), 7.92 (d, 2H), 6.45 (m, 1H), 5.53 (d, 1H), 5.43 (t, 1H), 4.81 (q, 1H), 4.53 (dd, 1H), 4.50 (dd, 1H), 2.19 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.11 (s, 3H).
トリアセテート(1.3g、2.0mmol)を4mLの無水MeOHに溶解し、Ar下でMeOH中1N NaOMe(6mL、6.0mmol、3当量)の十分に撹拌した氷冷溶液に添加した。混合物を20分間撹拌し、次いでMeOH中の1N HCl(6mL、6.0mmol、3当量)の低温溶液を全て一度に添加した。溶液の色は暗橙色から黄色に変化し、溶液から固体が沈殿した(溶液のpHは2であった)。生成物を濾過し、MTBEで十分に洗浄し、次いで高真空下で乾燥させて、生成物(369mg、49%)を薄ピンク色の固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.65 (s, 1H), 9.27 (d, 1H), 9.03 (d, 1H), 8.28 (t, 1H), 8.01 (q, 2H), 7.71 (br d, 2H), 6.25 (d, 1H), 4.52 (t, 1H), 4.47 (q, 1H), 4.35 (t, 1H), 4.03 (dd, 1H), 3.88 (dd, 1H). MS(ESI+) m/z = 375.1
[実施例16]
化合物16
メチル2-クロロ-4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000033
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、DCM(40mL)中のメチル2-クロロ-4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(610mg、2.31mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。2時間撹拌した後、20mLの無水CH3CNを添加して透明溶液を得、反応混合物を周囲温度でさらに1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をMeOHに溶解し、冷却し、MeOH中のSOCl2(3当量)で処理した。混合物を16時間撹拌し、前述の通りの後処理により粗生成物を得、これをISCOで精製して白色固体(600mg、26%)を得た。
1H NMR (D2O): δ 9.64 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.03 (d, 1H), 8.29 (見かけ上t, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.57 (dd, 1H), 6.24 (d, 1H), 4.52 (見かけ上t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.34 (見かけ上t, 1H), 4.03 (見かけ上dd, 1H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 423.1
[実施例17]
化合物17
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(オキサゾール-2-イル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000034
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水アセトニトリル(40mL)中のN-(4-(オキサゾール-2-イル)フェニル)ニコチンアミド(900mg、3.4mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.2g、3.73mmol、1.1当量)の2時間の撹拌混合物に添加した。減圧下で溶媒を除去した後、残渣をMeOHに溶解し、3当量のSOCl2で処理し、5℃で16時間撹拌した。前述の通りのその後の後処理により、粗生成物を淡褐色固体として得た。ISCO(40gのカートリッジ、DCMからDCM中30%MeOHの勾配溶出)での精製により、生成物を白色固体(650mg、48%)として得た。
1H NMR (D2O ): δ 11.74 (br s, 1H), 9.81(br s, 1H), 9.46 (d, 1H), 9.26 (d, 1H), 8.40 (t, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.03-8.12 (m, 5H), 7.37 (br s, 1H), 6.25 (d, 1H), 4.43 (t, 1H), 4.28 (m, 1H), 4.20 (t, 1H), 3.79 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 398.1
[実施例18]
化合物18
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(2-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000035
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.91mL、10.34mmol、1.2当量)を、CH3CN(80mL)中のN-(2-メチル-1,3-ジオキソイソインドリン-5-イル)ニコチンアミド(2.46g、8.75mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(3.04g、9.56mmol、1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で3時間撹拌し、続いて溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3当量)で処理し、16時間撹拌した後、MTBEで研和すると粗生成物を淡褐色固体として得た。精製をISCO(40gのカートリッジ、DCMからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)で達成した。純粋な画分を合わせ、減圧下で溶媒を蒸発させた後、生成物(1.05g、29%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O ): δ 9.69 (s, 1H), 9.31 (d, 1H), 9.07 (d, 1H), 8.34 (t, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.83 (dd, 2H), 6.26 (d, 1H), 4.53 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.36 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H), 3.07 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 414.1
[実施例19]
化合物19
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(2-メチル-3-オキソイソインドリン-5-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000036
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水CH3CN(50mL)中のN-(2-メチル-3-オキソイソインドリン-5-イル)ニコチンアミド(1.25g、4.7mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で3時間撹拌し、続いて溶媒を蒸発させてMeOH中のSOCl2(3当量)で5℃で24時間処理した後、研和すると粗生成物をオフホワイトの固体として得た。ISCO(40gのカートリッジ、DCMからDCM中40%MeOHの勾配で溶出)で精製して、純粋な生成物(650mg、35%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.65 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.30 (t, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.57 (d, 1H), 6.26 (d, 1H), 5.42 (s, 1H), 4.53 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 3.95 (ab q, 2H), 3.10 (s, 1H). MS(ESI+) m/z = 400.2
[実施例20]
化合物20
N-(3-カルバモイルフェニル)-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000037
TMS-トリフレート(1.3mL、7.1mmol、1.2当量)を、CH3CN(60mL)中のN-(3-カルバモイルフェニル)ニコチンアミド(1.42g、6.75mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(2.2g、6.8mmol、1.1当量)の撹拌混合物に室温で添加した。2時間撹拌した後、溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルに吸収させた。溶液を分液漏斗に移し、5% NaHCO3水溶液、水及びブラインで連続的に洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥した。溶液を濾過及び濃縮し、DCMからDCM中20%MeOHで溶出するISCO(40gのカートリッジ)で残渣を精製した。生成物を含有する画分をプールし、濃縮して、トリアセテート中間体(405mg)を泡として得た。この材料を無水MeOH(20mL)に溶解し、氷浴中で冷却し、3当量のSOCl2で処理した。溶液を5℃で24時間撹拌した。溶液をMTBEで研和して、生成物を白色固体として沈殿させ、これを濾過により収集した。生成物を吸引漏斗でいくつかの分量のMTBEで洗浄し、次いで高真空下に置いて微量のHClを除去した。生成物(140mg、6%)を白色固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.68 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.05 (d, 1H), 8.29 (t, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.56 (t, 1H), 6.25 (d, 1H), 4.51 (見かけ上t, 1H), 4.47 (m, 1H), 4.36 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 374.1
[実施例21]
化合物21
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000038
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(0.75mL、4.1mmol、1.2当量)を、CH3CN(25mL)中のN-(3-オキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-イル)ニコチンアミド(0.85g、3.4mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.2g、3.7mmol、1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で1.5時間撹拌し、続いて溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で24時間撹拌した。溶液にMTBEを徐々に添加して粗生成物を沈殿させ、これをMTBEで研和し、残渣をDCMと、続いてCH3CNと同時ストリッピングして、微量のHClを除去した。残渣をDCM中最低20%のMeOHに溶解し、24gのISCOカートリッジに投入した。DCM中5%から30%のMeOHで溶出し、続いて純粋な画分を蒸発させて、純粋な生成物(505mg、38%)を得た。
1H NMR (D2O): δ 9.68 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.06 (d, 1H), 8.32 (t, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 6.26 (d, 1H), 5.43 (s, 2H), 4.54 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.36 (t, 1H). MS(ESI+) m/z = 387.1
[実施例22]
化合物22
メチル1-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボニル)インドリン-5-カルボキシレート。
Figure 2022544776000039
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(16mL)中のメチル1-ニコチノイルインドリン-5-カルボキシレート(0.5g、1.78mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を除去し、残渣をMeOHに溶解し、冷却し、SOCl2(3当量)で処理した。5℃で16時間撹拌した後、MTBEで研和すると粗生成物をオフホワイトの固体として得た。精製をISCO(40gのカートリッジ、DCM中10%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)で標準の様式で達成して、生成物(330mg、45%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.45 (br s, 1H), 9.25 (d, 1H), 8.85 (d, 1H), 8.3 (t, 1H), 7.70-8.10 (m, 3H), 6.23 (br s, 1H), 4.47 (m, 2H), 4.35 (m, 1H), 3.92 -4.20 (m, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.16 (m, 2H). MS(ESI+) m/z = 415.2
[実施例23]
化合物23
メチル(4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-カルボキサミド)ベンゾイル)グリシネート。
Figure 2022544776000040
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(15mL)中のメチル(4-(ニコチンアミド)ベンゾイル)グリシネート(0.5g、1.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で16時間撹拌した。その時点でのHPLCでは10%のモノ-アセテートの残留が示されたため、追加のSOCl2(0.1mL)を添加し、撹拌を6時間継続した。MTBEで研和した後、粗生成物をオフホワイトの固体として得た。ISCO(12gのカートリッジ、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)での精製により、生成物(155mg、22%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.65 (br s, 1H), 9.26 (d, 1H), 9.03 (m, 1H), 8.27 (t, 1H), 7.65-7.88 (m, 4H), 6.24 (d, 1H), 4.50 (t, 1H), 4.45 (t, 1H), 4.35 (m, 1H), 4.15 (br s, 1H), 3.95 (ab q), 3.75 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 446.2
[実施例24]
化合物24
エチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000041
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(20mL)中のエチル4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(0.5g、1.85mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で3時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水EtOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却した。SOCl2(3.5当量)を滴下により添加し、溶液を5℃で72時間静置した。前述の通りの後処理により、粗生成物を半固体物質として得た。粗生成物を、15分間にわたりDCM中5~30%MeOHの勾配で溶出するISCO(24gのカートリッジ、DCM中10%MeOHを添加)で精製した。純粋な画分をプールし、ストリッピングし、微量の溶媒を高真空下で除去した。生成物(145mg、19%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (DMSOd6): δ 11.75 (s, 1H), 9.79 (s, 1H), 9.46 (d, 1H), 8.38 (t, 1H), 8.04 (m, 4H), 6.24 (d, 1H), 4.42 (t, 1H), 4.22-4.35 (m, 3H), 4.18 (t, 1H), 3.80 (ab q, 2H), 1.33 (t, 3H). MS(ESI+) m/z = 403.2
[実施例25]
化合物25
メチル5-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ピコリネート。
Figure 2022544776000042
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(50mL)中のメチル5-(ニコチンアミド)ピコリネート(1.21g、4.8mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で3時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(40mL)に吸収させ、氷浴中で冷却し、SOCl2(3.5当量)で処理した。5℃で24時間撹拌した後、溶液を10mLまで濃縮し、生成物をMTBEで沈殿させた。生成物を焼結ガラス漏斗を通して濾過し、2×5mL分量の氷冷MeOHで、次いで過剰のMTBEで連続的に洗浄した。高真空下で微量の溶媒を除去した後、生成物(650mg、35%)が白色固体として単離された。
1H NMR (D2O): δ 9.63 (s, 1H), 9.26 (d, 1H), 9.03 (d, 1H), 8.26 (見かけ上t, 1H), 7.84 (br s, 1H), 7.70 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 6.23 (d, 1H), 4.47 (t, 1H), 4.42 (s, 3H), 4.33 (見かけ上t, 1H), 3.94 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 390.1
[実施例26]
化合物26
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(1-オキソイソインドリン-5-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000043
一般手順Aに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(20mL)中のN-(1-オキソイソインドリン-5-イル)ニコチンアミド(0.56g、2.2mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で1.5時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却した。SOCl2(3.5当量)を滴下により添加し、溶液を5℃で18時間撹拌した。生成物をMTBEで沈殿させ、溶媒をデカンテーションし、固体をMeOHに再溶解し、MTBEで沈殿させた。MTBEで研和した後、固体(吸湿性)をCH3CNと共蒸発させて、微量の水及びHClを除去した。純粋な生成物(600mg、71%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ 11.9 (br s, 1H), 9.81 (d, 1H), 9.27 (見かけ上d, 1H), 9.16 (見かけ上d, 1H), 8.48 (m, 1H), 8.43 (見かけ上t, 1H), 8.18 (d, 1H), 6.24 (d, 1H), 4.40 (見かけ上t, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.19 (見かけ上t, 1H), 3.87 (s, 2H), 3.81 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 386.1
[実施例27]
化合物27
2-(ジメチルアミノ)エチル4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ベンゾエート。
Figure 2022544776000044
TMS-トリフレート(3.0g、13.7mmol)を、40mLのDCM中の2-(ジメチルアミノ)エチル4-(ニコチンアミド)ベンゾエート(1.8g、5.7mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.8g、5.7mmol)の撹拌溶液に、氷浴中で5分間にわたり添加した。反応混合物を周囲温度まで温め、一晩撹拌した。溶媒をストリッピングし、残渣をEtOAcに溶解した。これを水、飽和NaHCO3及びブラインで洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、真空下で蒸発乾固して、2.5gのトリアセテートを固体として得た。この化合物を25mLの無水MeOHに溶解し、氷浴中で冷却した後、1.63g(20.8mmol、3.65当量)の塩化アセチルで滴下により処理した。混合物をアルゴン下に置き、10℃で一晩静置し、次いで周囲温度まで温め、3時間撹拌した。溶媒をほぼ乾燥するまでストリッピングし、残渣をヘキサン(2×150mL)で、続いてMTBE(3×100mL)で研和した。残渣をMeOH(10mL)に吸収させ、高真空下で蒸発させて、2.1gの固体を得た。固体を250mLのアセトンに懸濁させ、5% NaHCO3水溶液で中性となるまで処理した。冷凍庫内で数時間静置した後、混合物を濾過し、濾液を蒸発させて油状とし、冷凍及び凍結乾燥させて、生成物(650mg、43%)を褐色固体として得た。
1H NMR (D2O/CD3CN): δ 10.0 (s, 1H), 9.6 (s, 1H), 9.4 (dd, 1H), 8.7 (s, 1H), 8.5 (d, 2H), 8.2 (d, 2H), 6.5 (d, 1H), 4.75 (m, 4H), 4.3 (m, 1H), 4.2 (m, 1H), 3.4 (m, 2H), 2.9 (s, 6H). MS(ESI+) m/z= 446.2
[実施例28]
化合物28
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000045
一般手順Aに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(20mL)中のN-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)ニコチンアミド(0.55g、1.8mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却した。SOCl2(3.5当量)を滴下により添加し、溶液を冷凍庫内で-5℃で72時間静置した。溶液を室温にし、生成物をMTBEで沈殿させた。生成物から溶媒をデカンテーションし、固体を5mLのMeOHに溶解し、周囲温度で1時間撹拌した。微細な白色沈殿物が形成し、これを焼結ガラス漏斗で濾過し、氷冷MeOH(5mL)で、続いてMTBEで洗浄した。純粋な生成物(220mg、28%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.68 (br s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.05 (d, 1H), 8.29 (t, 1H), 7.83 (m, 4H), 6.25, (d, 1H), 4.43-4.57 (m, 2H), 4.36 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H), 2.65 (s, 6H). MS(ESI+) m/z= 438.1
[実施例29]
化合物29
メチル2-(4-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)フェニル)アセテート。
Figure 2022544776000046
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、DCM(20mL)中のメチル2-(4-(ニコチンアミド)フェニル)アセテート(0.50g、1.85mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。30分間撹拌した後、アリコートのHPLC分析では約20%のみの変換が示されたため、追加のTMS-トリフレート(1.2当量)を添加した。反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させた。SOCl2(3.5当量)を0℃で溶液に滴下により添加し、反応混合物を5℃で16時間撹拌した。その時点でのHPLC分析では約25%のモノ及びジアセテート中間体の存在が示されたため、追加のSOCl2(1当量)を添加し、撹拌をさらに5時間継続した。前述の通りの後処理、及び通常の様式でのISCOでの精製により、生成物(340mg、46%)を得た。
1H NMR (D2O): δ 9.65 (s, 1H), 9.26 (d, 1H), 9.04 (d, 1H), 8.27 (t, 1H), 7.45 (d, 2H), 7.35 (d, 2H), 6.24 (d, 1H), 4.52 (見かけ上t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.35 (t, 1H), 3.94 (ab q, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.68 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 403.2
[実施例30]
化合物30
1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-N-(4-(オキサゾール-5-イル)フェニル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド。
Figure 2022544776000047
一般手順Aに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(40mL)中のN-(4-(オキサゾール-5-イル)フェニル)ニコチンアミド(1.1g、4.2mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却した。塩化チオニル(3.5当量)で処理し、続いて5℃で一晩撹拌した後、生成物が溶液から沈殿した。固体を濾過により収集し、2×5mL分量の氷冷MeOHで、続いて大量のMTBEで洗浄した。固体を高真空下で数時間乾燥させて、0.54g(32%)の生成物を淡黄色固体として得た。
1H NMR (DMSO-d6): δ 9.56 (s, 1H), 9.23 (d, 1H), 8.94 (d, 1H), 8.22 (m, 2H), 7.62 (q, 4H), 7.39 (s, 1H), 6.19 (d, 1H), 4.46 (m, 2H), 4.34 (t, 1H), 3.94 (ab q, 2H). MS(ESI+) m/z = 398.1
[実施例31]
化合物31
メチル6-(1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)-1λ4-ピリジン-3-カルボキサミド)ニコチネート。
Figure 2022544776000048
一般手順Aに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、無水CH3CN(20mL)中のメチル6-(ニコチンアミド)ニコチネート(0.50g、1.95mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、残渣を無水MeOH(20mL)に吸収させ、氷浴中で冷却した。混合物をSOCl2(3.5当量)で処理し、5℃で16時間撹拌した。その時点でのHPLCではまだ約10%のモノ及びジ-アセテート中間体の混合物が示されたため、追加のSOCl2(1当量)を添加し、撹拌を5時間継続した。生成物をMTBEの添加により沈殿させて白色固体を得、これをMTBEで数回研和した。粗生成物を10mLの無水MeOHに再溶解し、前述のようにMTBEで沈殿させた。生成物を濾過し、2×5mL分量の氷冷MeOHで、続いて大量のMTBEで洗浄した。高真空下で数時間乾燥させた後、生成物を白色固体(100mg、13%)として得た。
1H NMR (D2O): δ 9.72 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 9.08 (d, 1H), 8.93 (見かけ上d, 1H), 8.44 (dd, 1H), 8.32 (t, 1H), 8.10 (見かけ上d, 4H), 6.25 (d, 1H), 4.53 (t, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.34 (t, 1H), 3.95 (ab q, 2H), 3.92 (s, 3H). MS(ESI+) m/z = 390.1
[実施例32]
化合物32
Figure 2022544776000049
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(15mL)中の対応するニコチンアミド化合物(1.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加する。周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で16時間撹拌する。HPLCで10%のモノ-アセテートの残留が示された場合、追加のSOCl2(0.1mL)を添加し、撹拌を6時間継続する。MTBEで研和した後、粗生成物を固体として得る。ISCO(12gのカートリッジ、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)での精製により、生成物を固体として得る。
[実施例33]
化合物33
Figure 2022544776000050
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(15mL)中の対応するニコチンアミド化合物(1.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加する。周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で16時間撹拌する。HPLCで10%のモノ-アセテートの残留が示された場合、追加のSOCl2(0.1mL)を添加し、撹拌を6時間継続する。MTBEで研和した後、粗生成物を固体として得る。ISCO(12gのカートリッジ、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)での精製により、生成物を固体として得る。
[実施例34]
化合物34
Figure 2022544776000051
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(15mL)中の対応するニコチンアミド化合物(1.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加する。周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で16時間撹拌する。HPLCで10%のモノ-アセテートの残留が示された場合、追加のSOCl2(0.1mL)を添加し、撹拌を6時間継続する。MTBEで研和した後、粗生成物を固体として得る。ISCO(12gのカートリッジ、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)での精製により、生成物を固体として得る。
[実施例35]
化合物35
Figure 2022544776000052
一般手順Bに従う:TMS-トリフレート(1.2当量)を、CH3CN(15mL)中の対応するニコチンアミド化合物(1.6mmol)及び1,2,3,5-テトラアセチル-β-D-リボフラノース(1.1当量)の撹拌混合物に添加する。周囲温度で2時間撹拌し、溶媒を除去してMeOH中のSOCl2(3.5当量)で処理した後、溶液を5℃で16時間撹拌する。HPLCで10%のモノ-アセテートの残留が示された場合、追加のSOCl2(0.1mL)を添加し、撹拌を6時間継続する。MTBEで研和した後、粗生成物を固体として得る。ISCO(12gのカートリッジ、DCM中5%MeOHからDCM中30%MeOHの勾配での溶出)での精製により、生成物を固体として得る。
[実施例36]
化合物36
Figure 2022544776000053
乾燥100mLフラスコに、4.1mmolの化合物17を入れる。フラスコをアルゴンでフラッシュし、10mLのリン酸トリメチルを添加する。得られた溶液を0℃に冷却し、POCl3(8.2mmol、2当量)で処理する。フラスコを密閉し、冷凍庫内で-10℃で静置する。2.5時間後、均質溶液をトリエチルアミン(2.0mmol)で数分間にわたり処理し、冷凍庫内で一晩静置する。反応混合物を氷浴中で冷却し、十分に撹拌した懸濁液を水(82mmol)で数分間にわたり、続いて固体NaHCO3(28.7mmol)で処理し、撹拌を0℃で90分間継続する。反応混合物を、33mmolの90%ギ酸を含有する100mLのCH3CNで処理し、固体を生成する。固体を濾過により回収し、CH3CNで洗浄し、高真空下に置いて、粗生成物を得る。この材料を、50gのアミノプロピル官能化シリカを含有するカラムで、中圧クロマトグラフィーにより精製する。生成物を、100mMのギ酸を含有する25mLの60%/40% MeOH-CH3CNに溶解し、カラムを同じ溶媒混合物で平衡化する。生成物含有画分を合わせて濃縮し、水(3×25mL)から共蒸発させ、冷凍及び凍結乾燥させて、生成物を得る。
[実施例37]
化合物37
Figure 2022544776000054
乾燥100mLフラスコに、4.1mmolの化合物13を入れる。フラスコをアルゴンでフラッシュし、10mLのリン酸トリメチルを添加する。得られた溶液を0℃に冷却し、POCl3(8.2mmol、2当量)で処理する。フラスコを密閉し、冷凍庫内で-10℃で静置する。2.5時間後、均質溶液をトリエチルアミン(2.0mmol)で数分間にわたり処理し、冷凍庫内で一晩静置する。反応混合物を氷浴中で冷却し、十分に撹拌した懸濁液を水(82mmol)で数分間にわたり、続いて固体NaHCO3(28.7mmol)で処理し、撹拌を0℃で90分間継続する。反応混合物を、33mmolの90%ギ酸を含有する100mLのCH3CNで処理し、固体を生成する。固体を濾過により回収し、CH3CNで洗浄し、高真空下に置いて、粗生成物を得る。この材料を、50gのアミノプロピル官能化シリカを含有するカラムで、中圧クロマトグラフィーにより精製する。生成物を、100mMのギ酸を含有する25mLの60%/40% MeOH-CH3CNに溶解し、カラムを同じ溶媒混合物で平衡化する。生成物含有画分を合わせて濃縮し、水(3×25mL)から共蒸発させ、冷凍及び凍結乾燥させて、生成物を得る。
生物学的アッセイ
[実施例B1]
一般的アッセイ - 96ウェル透明底部黒色プレートにおいて、ウェル当たり播種された2×103のHek293(ヒト胎児腎臓)及びHepG2(ヒト肝細胞癌)細胞をO/N付着させた。翌日、細胞を2mMのNMN又は500μMの他の化合物で処置し、24時間の処置後、細胞をCellTiter-Fluor及びNADアッセイで分析した。
図1A及び図1Bは、対照又は式1による化合物での処置後の細胞におけるNAD(H)を示す。図1AはHek293細胞(ヒト胎児腎臓細胞)からのものであり、一方図1BはHepG2細胞(ヒト肝細胞癌細胞)からのものである。図1A及び図1Bの両方において、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数であり、X軸は以下の通りである:
1:(対照) - 処置なし
2:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置
3:(対照) - PABA-メチルによる処置
4:化合物1による処置
5:(対照) - 化合物Aによる処置
6:化合物9による処置
7:化合物7による処置
8:化合物8による処置
9:化合物6による処置
10:化合物2による処置
11:化合物4による処置
12:化合物3による処置
13:化合物5による処置
[実施例B2]
図2A、図2B及び図2Cは、対照又は式2aによる化合物1での処置後の正常細胞におけるNAD(H)を示す。図2AはAML12(2K/ウェル)細胞(マウス正常肝細胞)からのものであり、図2BはHek293細胞(ヒト胎児腎臓細胞)からのものであり、図2Cは初代hPBMC細胞(ヒト末梢血単核細胞)からのものである。図2A及び図2Bにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数である。図2Cにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)のpg/全タンパク質のマイクログラムを示す。
図2Aにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照) - 処置なし
2:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置、2mM
3:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置、0.5mM
4:(対照) - エタノールによる処置
5:化合物1による処置、0.5mM
6:化合物1による処置、0.25mM
図2Bにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照) - 処置なし
2:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置、800μM
3:(対照) - 処置なし(調製1)
4:化合物1による処置、800μM(調製1)
5:(対照) - 処置なし(調製2)
6:化合物1による処置、800μM(調製2)
図2Cにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照) - 処置なし
2:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置、1mM
3:化合物1による処置、1mM
[実施例B3]
図3A、図3B、図3C及び図3Dは、対照又は式1による化合物1での処置後のがん細胞におけるNAD(H)を示す。図3AはB16-F10細胞(マウス黒色腫)からのものであり、図3BはRAW264.7細胞(マウス腫瘍由来マクロファージ)からのものであり、図3CはJurkat細胞(ヒト急性T細胞白血病)からのものであり、図3DはHepG2細胞(ヒト肝細胞癌)からのものである。図3B及び図3Dにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数である。図3A及び図3Cにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)のpg/全タンパク質のμgである。
図3Aにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照)処置なし
2:(対照)NMN 1mM
3:(対照)NMN 250μM
4:化合物1、250μM
5:化合物1、500μM
6:(対照)PABA、250μM
7:(対照)PABA、500μM
8:(対照)PABAメチルエステル、250μM
9:(対照)PABAメチルエステル、500μM
図3Bにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照)処置なし
2:(対照)NMN、2mM
3:(対照)NMN、500μM
4:化合物1、500μM
5:化合物1、250μM
図3Cにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照)処置なし
2:(対照)NMN、2mM
3:(対照)NMN、1mM
4:(対照)NMN、500μM
5:(対照)NMN、250μM
6:化合物1、500μM
7:化合物1、250μM
図3Dにおいて、X軸は以下の通りである:
1:(対照)処置なし
2:(対照)NMN 800μM
3:(対照)処置なし(調製1)
4:化合物1、800μM(調製1)
5:(対照)処置なし(調製2)
6:化合物1、800μM(調製2)
[実施例B4]
図4A及び図4Bは、細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物1での処置後の正常細胞(Hek293細胞/ヒト胎児腎臓細胞)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す。図4Aにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数を示し、X軸は処置日数を反映している。図4Bにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、生存能力の指標としての細胞数を示し、X軸は日数を反映している。
[実施例B5]
図5A及び図5Bは、細胞毒性/細胞増殖抑制の指標としての、対照又は式1による化合物1での処置後のがん細胞(HepG2細胞/ヒト肝細胞癌)におけるNAD(H)レベル及び生存能力を示す。図5Aにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数を示し、X軸は処置日数を反映している。図5Bにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、生存能力の指標としての細胞数を示し、X軸は日数を反映している。
図4A、図4B、図5A、及び図5Bにおいて、以下の凡例が適用される:
i.(対照)未処置
ii.(対照)ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)
iii.化合物1
iv.化合物1+NMN
v.(対照)FK866
vi.(対照)FK866+NMN
[実施例B6]
図6A及び図6Bの一般的アッセイ:96ウェル透明底部黒色プレートにおいて、ウェル当たり播種された2×103のHek293(ヒト胎児腎臓)及びHepG2(ヒト肝細胞癌)細胞をO/N付着させた。翌日、細胞を2mMのNMN又は250μMの他の化合物で処置し、24時間の処置後、細胞をCellTiter-Fluor及びNADアッセイで分析した。
図6Aは、対照又は様々な化合物での処置後の正常細胞(Hek293細胞/ヒト胎児腎臓細胞)におけるNAD(H)レベルを示す。図6Aにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数を示す。
図6Bは、対照又は様々な化合物での処置後のがん細胞(HepG2細胞/ヒト肝細胞癌)におけるNAD(H)レベルを示す。図6Bにおいて、Y軸は、処置なしに対して1.0に正規化された、NAD(H)の量/生存細胞の数を示す。
図6A及び図6Bの両方において、X軸は以下の通りである:
1:(対照) - 処置なし
2:(対照) - ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)による処置
3:(対照) - PABA-ニコチンアミド(PABAニコチネートメチルエステル) による処置
4:(対照) - DMSOビヒクルによる処置
5:化合物1による処置
6:化合物12による処置
7:化合物13による処置
8: 化合物14による処置
9:化合物15による処置
10:化合物16による処置
11:化合物17による処置
12:化合物18による処置
13:化合物19による処置
14:化合物20による処置
15:化合物21による処置
16:化合物22による処置
17:化合物23による処置
18:化合物24による処置

Claims (41)

  1. 式1:
    Figure 2022544776000055
    及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有する化合物であって、式中、
    環Aは炭素環又は複素環であり、前記炭素環又は複素環は芳香族であり;
    XはH又はリン酸基であり;
    R1は、H、C1~C6アルキル基、R2と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR2と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    各R2は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及びR1と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    各R3は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    R4は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、シアノ基、置換又は非置換スルファモイル基、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環又は複素環、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択される
    化合物。
  2. 式2:
    Figure 2022544776000056
    及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有する化合物であって、式中、
    XはH又はリン酸基であり;
    R1はH又はC1~C6アルキル基であり;
    各R2は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、及び置換又は非置換C1~C6アルコキシ基から選択され;
    各R3は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    R4は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択される
    化合物。
  3. 式2a:
    Figure 2022544776000057
    及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
    R3は独立して、H、R4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR4と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    R4は独立して、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、置換又は非置換カルボキサミド、R3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換炭素環、及びR3と一緒になった場合、芳香族又は非芳香族でもよい置換又は非置換複素環から選択され;
    さらに、R3及びR4の少なくとも一方はHではない
    請求項2に記載の化合物。
  4. R3がHであり;R4が、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択される、請求項2又は3に記載の化合物。
  5. XがHであり;R4がカルボキシメチルエステル基である、請求項2から4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 化合物1~5、11、12、14、15、18、19、21、23、24、26、27、29、32、及び35から選択される、請求項2から5のいずれか一項に記載の化合物:
    Figure 2022544776000058
    Figure 2022544776000059
  7. 式2b:
    Figure 2022544776000060
    及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
    R1はH又はC1~C6アルキル基であり;
    R2は、H及び置換又は非置換C1~C6アルコキシ基から選択され;
    R3はHであり;
    さらに、R1及びR2の少なくとも一方はHではない
    請求項2に記載の化合物。
  8. R1がメチル基である、請求項7に記載の化合物。
  9. R2がメトキシ基である、請求項7に記載の化合物。
  10. 化合物6及び7:
    Figure 2022544776000061
    から選択される、請求項7に記載の化合物。
  11. 式2c:
    Figure 2022544776000062
    及び/又は1種以上のその塩で表される構造を有し、式中、
    R2は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、及び置換又は非置換C1~C6アルキニル基から選択され;
    R3は、H、ハロゲン、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択され;
    R4は、H、置換又は非置換C1~C6アルキル基、置換又は非置換C1~C6アルケニル基、置換又は非置換C1~C6アルキニル基、置換又は非置換C1~C6アルコキシ基、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択され;
    さらに、R2及びR3の少なくとも一方はHではない
    請求項2に記載の化合物。
  12. R2がハロゲンである、請求項11に記載の化合物。
  13. R3が、カルボン酸、置換又は非置換C1~C6カルボキシエステル、及び置換又は非置換カルボキサミドから選択される、請求項11に記載の化合物。
  14. 化合物8、9、16、及び20:
    Figure 2022544776000063
    Figure 2022544776000064
    から選択される、請求項11に記載の化合物。
  15. 化合物10、13、17、22、25、28、30、31、33、34、36、及び37:
    Figure 2022544776000065
    Figure 2022544776000066
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  16. 前記塩が、H+、Li+、Na+、K+、Mg2+、及びCa2+から選択されるカチオンと形成され、並びに/又は、前記塩が、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸(トリフレート)イオン、ハロゲン化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ギ酸イオン、H2PO4 -、HPO4 2-、OH-、HSO4 -、SO4 2-、NO3 -、HCO3 -、及びCO3 2-から選択されるアニオンと形成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 両性イオンである、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物、及び薬学的に許容される賦形剤又は担体を含む組成物。
  19. 前記薬学的に許容される賦形剤又は担体が、抗付着剤、バインダー、コーティング、染料、崩壊剤、香味剤、滑剤、滑沢剤、保存料、収着剤、甘味料、分散剤、希釈液、充填剤、顆粒化剤、コーティング剤、ワックス、懸濁化剤、湿潤剤及びビヒクル、並びにその組合せから選択される、請求項18に記載の組成物。
  20. 錠剤、丸剤、カプセル剤、カプレット剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、サッシェ剤、吸入粉末剤、チュアブル剤、芳香錠剤、ロゼンジ剤、静脈注射用溶液、及び注入又は注射に適当な液体形態から選択される形態である、請求項18又は19に記載の組成物。
  21. 前記化合物が、薬学的に有効な量の医薬品有効成分として存在する、請求項18から20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 薬学的に有効な量の追加の医薬品有効成分をさらに含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を投与することを含む、2つ以上の組織又は細胞型におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)レベルを差次的にモジュレートする方法であって、前記投与は、第1の組織又は細胞型及び第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの差次的応答を誘発する、方法。
  24. NADレベルの前記差次的応答が、NADレベルの少なくとも10%の差、NADレベルの少なくとも20%の差、NADレベルの少なくとも30%の差、NADレベルの少なくとも40%の差、及びNADレベルの少なくとも50%の差から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. NADレベルの前記差次的応答が、未処置NADレベルと比較した前記第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%の増加、及び未処置NADレベルと比較した前記第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%の同時の減少である、請求項23に記載の方法。
  26. NADレベルの前記差次的応答が、未処置NADレベルと比較した前記第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの10%以内の維持、及び未処置NADレベルと比較した前記第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%の同時の減少である、請求項23に記載の方法。
  27. NADレベルの前記差次的応答が、未処置NADレベルと比較した前記第1の組織又は細胞型におけるNADレベルの少なくとも10%の低減、及び未処置NADレベルと比較した前記第2の組織又は細胞型におけるNADレベルの同時の減少であり、前記第2の組織又は細胞型における前記減少は、前記第1の組織又は細胞型における前記低減よりも少なくとも10パーセントポイント、少なくとも20パーセントポイント、少なくとも30パーセントポイント、少なくとも40パーセントポイント、又は少なくとも50パーセントポイント大きい低減から選択される、請求項23に記載の方法。
  28. 前記第1の組織又は細胞型が、正常組織又は細胞であり、前記第2の組織又は細胞型が、腫瘍性又はがん性である、請求項23から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. がんの処置を必要とする個体におけるがんの処置である、請求項23から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記方法が、選択的細胞増殖抑制又は細胞毒性効果を示し、前記効果が、未処置の腫瘍性又はがん性組織又は細胞と比較した、腫瘍性又はがん性組織又は細胞の生存能力の減少により示される、請求項23から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第1の組織又は細胞型が、正常組織又は細胞であり、前記方法が、前記第1の組織又は細胞型の健康の促進又は生物学的活性の増加のための処置を必要とする個体における、前記第1の組織又は細胞型の健康の促進又は生物学的活性の増加のための処置である、請求項23から26のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記処置が、前記個体におけるがん診断のリスクの増加を誘発しない、請求項31に記載の方法。
  33. 前記処置が、前記個体におけるがん診断のリスクを低減する、請求項31に記載の方法。
  34. 請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を投与することを含む、がんの処置又は抑制を必要とする個体におけるがんを処置又は抑制する方法。
  35. 腫瘍性又はがん性組織又は細胞の成長のリスクを増加させることなく、健康な組織又は細胞の増加又は維持を必要とする個体における健康な組織又は細胞を増加させる又は維持する方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を投与することを含む方法。
  36. 腫瘍性又はがん性組織又は細胞の成長を抑制しながら、健康な組織又は細胞の増加又は維持を必要とする個体における健康な組織又は細胞を増加させる又は維持する方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を投与することを含む方法。
  37. 少なくとも1つの健康な組織又は細胞型におけるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)レベルを増加させる又は維持する方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を、前記健康な組織又は細胞型に投与することを含む方法。
  38. 少なくとも1つのがん性組織又は細胞型の生存能力を低減する方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物を、前記がん性組織又は細胞型に投与することを含む方法。
  39. 組織又は細胞型の混合物中の少なくとも1つの組織又は細胞型におけるNADのレベルをモジュレートする方法であって、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の、前記少なくとも1つの組織又は細胞型への標的化送達を含む方法。
  40. 前記標的化送達が非全身的である、請求項39に記載の方法。
  41. 請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物を合成する方法であって、アミン含有前駆体をニコチン酸リボシド前駆体と、前記前駆体を縮合させる条件下で反応させ、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物を生成することを含む方法。
JP2022508983A 2019-08-14 2020-08-13 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの差次的モジュレーションのための化合物及び組成物 Pending JP2022544776A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201962886869P 2019-08-14 2019-08-14
US62/886,869 2019-08-14
US201962889376P 2019-08-20 2019-08-20
US62/889,376 2019-08-20
PCT/US2020/046110 WO2021030551A1 (en) 2019-08-14 2020-08-13 Compounds and compositions for differential modulation of nicotinamide adenine dinucleotide

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022544776A true JP2022544776A (ja) 2022-10-21
JPWO2021030551A5 JPWO2021030551A5 (ja) 2023-08-16

Family

ID=74569623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022508983A Pending JP2022544776A (ja) 2019-08-14 2020-08-13 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの差次的モジュレーションのための化合物及び組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20220324899A1 (ja)
EP (1) EP4013766A4 (ja)
JP (1) JP2022544776A (ja)
CN (1) CN114555619A (ja)
WO (1) WO2021030551A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4361572A (en) * 1981-12-21 1982-11-30 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Tetrahydronicotinamide derivative, pharmaceutical compositions and use
US7977049B2 (en) * 2002-08-09 2011-07-12 President And Fellows Of Harvard College Methods and compositions for extending the life span and increasing the stress resistance of cells and organisms
US8106184B2 (en) * 2005-11-18 2012-01-31 Cornell University Nicotinoyl riboside compositions and methods of use
GB201313465D0 (en) * 2013-07-29 2013-09-11 Queens University Of The Belfast Methods of preparing nicotinamide riboside and derivatives thereof
CA2951287A1 (en) * 2014-06-06 2015-12-10 Glaxosmithkline Intellectual Property (No. 2) Limited Nicotinamide riboside analogs and pharmaceutical compositions and uses thereof
EP3227283A1 (de) * 2014-12-02 2017-10-11 Bayer CropScience AG Bicyclische verbindungen als schädlingsbekämpfungsmittel
NZ738187A (en) * 2015-06-09 2019-03-29 Je Il Pharmaceutical Co Ltd Tricyclic derivative compound, method for preparing same, and pharmaceutical composition comprising same
KR102382188B1 (ko) 2016-03-17 2022-04-05 주식회사 체크메이트테라퓨틱스 NamPT 억제용 신규 화합물 및 이를 포함하는 조성물
AU2019360206A1 (en) * 2018-10-16 2021-05-27 President And Fellows Of Harvard College SIRT1 activating compounds

Also Published As

Publication number Publication date
CN114555619A (zh) 2022-05-27
EP4013766A4 (en) 2023-09-13
WO2021030551A1 (en) 2021-02-18
US20220324899A1 (en) 2022-10-13
EP4013766A1 (en) 2022-06-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10618927B1 (en) Compositions and methods for modulation of nicotinamide adenine dinucleotide
CN113811310B (zh) 包括烟酰胺核苷的磷衍生物的组合物以及用于调节烟酰胺腺嘌呤二核苷酸的方法
AU2017259887B2 (en) Arginase inhibitors and their therapeutic applications
ES2729243T3 (es) Compuestos y composiciones como inhibidores de quinasa
UA125289C2 (uk) Композиції і способи для інгібування активності аргінази
JP2021120401A (ja) 水溶性プロドラッグ
KR20150132146A (ko) 헤모글로빈 조정을 위한 화합물 및 이의 용도
SG175045A1 (en) Novel compounds of reverse-turn mimetics, method for manufacturing the same and use thereof
CA3105506A1 (en) Dimeric immuno-modulatory compounds against cereblon-based mechanisms
US11939348B2 (en) Compositions comprising a phosphorus derivative of nicotinamide riboside and methods for modulation of nicotinamide adenine dinucleotide
JP2024515140A (ja) ヌクレオシド系化合物及び猫伝染性腹膜炎の治療におけるその使用
UA67725C2 (en) K-252a derivatives and a method for improvement of functioning and cell survival enhancement
JP2010514772A (ja) シクリトールおよびその誘導体ならびにその治療用途
RU2597265C2 (ru) Многофункциональные производные нитроксида и их применение
WO2019139869A1 (en) Pharmaceutical compositions comprising phenylsulfonamides, and their therapeutic applications
JP2022544776A (ja) ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの差次的モジュレーションのための化合物及び組成物
AU2021250904B2 (en) Pyridinethiones, pharmaceutical compositions thereof, and their therapeutic use for treating a proliferative, inflammatory, neurodegenerative, or immune-mediated disease
TW201922690A (zh) 環-amp反應元素結合蛋白的抑制劑
CA3146157A1 (en) Sulfone compounds and pharmaceutical compositions thereof, and their therapeutic applications for the treatment of neurodegenerative diseases
EP3747866A1 (en) Benzamide compound and preparation method, use, and pharmaceutical composition thereof
KR20240051194A (ko) 자기 분해형 cdk9 저해제 프로드러그 및 그것을 내봉하는 리포솜

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220425

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20220425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230807