JP2022544627A - アルファ-サルコグリカンのアデノ随伴ウイルスベクター送達、および筋ジストロフィーの治療 - Google Patents

アルファ-サルコグリカンのアデノ随伴ウイルスベクター送達、および筋ジストロフィーの治療 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載されるのは、対象における筋ジストロフィーを治療する方法であり、この方法は、全身投与経路を使用して、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量で組換えAAVベクターAAVrh74.tMCK.hSCGAを投与することを含む。さらに開示されるのは、細胞またはアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現を必要とする対象においてそれを行う方法、血清CKレベルを減少させる方法、および対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させる方法である。

Description

関連出願
本出願は、2019年8月21日に出願された米国仮出願第62/889,749号、2020年4月24日に提出された米国仮出願第No.63/014,934号、および2020年5月11日に提出された米国特許出願第63/022,843号の優先権を主張し、これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されているのは、アルファ-サルコグリカンを発現するAAVベクターなどの治療ベクター、およびこれらのベクターを使用して、LGMD2Dなどの肢帯型筋ジストロフィーを治療する方法である。
配列表の参照による組み込み
本出願は、開示の別個の部分として、コンピュータ可読形式の配列表(2020年8月17日に作成された、ファイル名:54652_SeqListing.txt、18,768バイト、ASCIIテキストファイル)を含有し、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
筋ジストロフィー(MD)は遺伝性疾患のグループである。このグループは、動作を制御する骨格筋の進行性の衰弱および変性を特徴とする。MDのいくつかの形態は乳児期または小児期に発症するが、他の形態は中年以降まで現れない場合がある。障害は、筋力低下の分布および程度(MDのいくつかの形態は心筋にも影響を及ぼす)、発病年齢、進行速度、ならびに遺伝形式の点で異なる。
MDのうちの1つのグループは、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)である。LGMDは、まれな状態であり、発症年齢、筋力低下の領域、心臓および呼吸器の関与、進行速度、ならびに重症度に関して、人によって症状が異なる。LGMDは、小児期、青年期、若年成人期、またはそれ以降に始まる可能性がある。両方の性別が等しく影響を受ける。LGMDは、肩および骨盤帯に衰弱を引き起こし、上肢および腕の近くの筋肉も時間とともに衰弱することがある。脚の脱力感は、腕の脱力感よりも前に現れることがよくある。顔の筋肉は、通常影響を受けない。状態が進行するにつれて、人々は、歩行に問題を抱えることがあり、時間の経過とともに車椅子を使用する必要があるかもしれない。肩および腕の筋肉が関与すると、腕を頭上に上げたり、物を持ち上げたりするのが困難になることがある。LGMDの種類によっては、心臓および呼吸筋が関与し得る。
LGMDのための専門の検査は、診断のための全国的な計画であるNational Commissioning Group(NCG)を通じて現在利用可能である。
LGMDサブタイプ2D(LGMD2D)は、しばしばα-サルコグリカノパチーと呼ばれ、アルファ-サルコグリカン遺伝子(SGCA;α-サルコグリカン)の変異によって引き起こされる常染色体劣性疾患であり、ジストロフィン関連タンパク質複合体の他の構造成分の喪失を伴う機能性タンパク質の完全または削減された喪失をもたらす。特に、アルファ-サルコグリカンタンパク質の喪失は、3~8歳で発症する、筋機能の低下を伴う進行性筋ジストロフィーを引き起こす。症状には、歩行の遅延、脂肪の置換および線維症によって引き起こされる近位筋の衰弱、クレアチンキナーゼの上昇、脊柱側弯症、ならびに関節拘縮が含まれる。衰弱させる病気は、しばしば車椅子依存および呼吸不全による死につながる。したがって、LGMD2Dの治療の必要性が残っている。
本明細書に記載されているのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための方法であり、rAAVは、全身投与経路を使用して、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量で投与される。一態様では、本開示は、アルファ-サルコグリカン遺伝子を発現するrAAV、かつ筋肉にアルファ-サルコグリカンを送達して、線維症を軽減および/もしくは予防する、ならびに/または筋力を増加させる、ならびに/または筋ジストロフィーに罹患している対象においてα-サルコグリカノパチーを治療する方法に関する。
一態様では、本明細書に記載されているのは、アルファ-サルコグリカンタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えAAV(rAAV)である。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、または89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%同一である配列を含み、アルファ-サルコグリカン活性を保持するタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、または89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%同一であるタンパク質をコードする。別の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする。
いくつかの実施形態では、rAAVは、tMCKプロモーターを含むヌクレオチド配列を含む。例えば、tMCKプロモーターは、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む。加えて、rAAVは、配列番号5の5’逆位末端反復配列および/または配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む。いくつかの実施形態では、rAAVは、配列番号7のポリA配列を含む。一実施形態では、開示されたrAAVは、血清型AAVrh.74のrAAVである。
一実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む。
本開示は、本明細書に開示されるrAAVのうちのいずれかを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法を提供し、rAAVは、全身経路によって投与される。特に、開示された方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、AAVrh74.tMCK.hSCGAであり、rAAVは、全身投与経路を使用して投与される。
開示された方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量で投与される。例えば、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、もしくは約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で投与されるか、またはrAAVは、約5×1013vg/kg、約6×1013vg/kg、約7×1013vg/kg、約8×1013vg/kg、約9×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、2×1014vg/kg、約3×1014vg/kg、約4×1014vg/kg、もしくは約5×1014vg/kgの用量で投与される。
別の実施形態では、開示された方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgの用量で投与される。例えば、rAAVは、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.5×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.6×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.2×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.4×1013vg/kg~約7.4×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、または約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kgの用量で投与される。
加えて、開示された方法のうちのいずれかにおいて、全身投与経路は、静脈内経路である。例えば、開示された方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、注射、注入、または移植によって投与される。いくつかの実施形態では、rAAVは、末梢四肢静脈を介した静脈内経路によって投与される。
開示された方法のうちのいずれかにおいて、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィーである。例えば、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)である。
例示的な実施形態では、筋ジストロフィーを治療する方法は、肢帯型筋ジストロフィーに罹患している対象にrAAVを投与することを含み、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与され、rAAVは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。
例示的な実施形態では、本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための方法を提供し、この方法は、対象にrAAVを投与するステップを含み、対象は、肢帯型筋ジストロフィーに罹患しており、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与され、rAAVは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。例えば、これらの方法では、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルは、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、rAAVの投与後に増加する。
開示された方法のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルは、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、rAAVの投与後に増加し、かつ/または対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後に減少し、かつ/または自発運動および比力の生成は増加し、線維症は軽減し、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性は増加し、かつ/または、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、rAAVの投与後に増加し、または線維症は、rAAVの投与前と比較して、rAAVの投与後の対象において軽減し、かつ/または、線維症は、rAAVの投与前と比較して、rAAVの投与後の対象において軽減し、かつ/または対象の筋肉における比力、線維直径サイズ、および/もしくは偏心収縮は、rAAVの投与前と比較して、rAAVの投与後に増加する。
いくつかの実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子発現は、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
別の態様では、本開示は、開示されたrAAVのうちのいずれかを対象に投与することを含む、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現する方法を提供する。例えば、本開示は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現する方法を提供する。加えて、方法のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、方法のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行う方法を提供し、この方法は、開示されたrAAVのうちのいずれかを対象に投与することを含む。例えば、本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行う方法を提供し、この方法は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む。
別の態様では、本開示は、開示されたrAAVのうちのいずれかを対象に投与することを含む、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させる方法を提供する。例えば、本開示は、アルファ-サルコグリカン陽性線維の増加を必要とする対象の筋肉組織においてそれを行う方法を提供し、この方法は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む。
本開示はまた、開示されたrAAVのうちのいずれかを対象に投与することを含む、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行う方法を提供する。例えば、本開示は、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行う方法を提供し、この方法は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む。加えて、開示された方法のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、方法のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、本明細書に開示されるrAAVのうちのいずれかを含み、組成物は、全身経路による投与用に製剤化される。特に、組成物のうちのいずれかにおいて、rAAVは、AAVrh74.tMCK.hSCGAである。
開示された組成物のうちのいずれかは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量のrAAVを含む。例えば、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、もしくは約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量、またはrAAVは、約5×1013vg/kg、約6×1013vg/kg、約7×1013vg/kg、約8×1013vg/kg、約9×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、約2×1014vg/kg、約3×1014vg/kg、約4×1014vg/kg、もしくは約5×1014vg/kgの用量にある。
別の実施形態では、開示された組成物のうちのいずれかにおいて、rAAVは、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは約7.41×1013vg/kgの用量で投与される。例えば、rAAVは、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.5×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.6×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.2×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.4×1013vg/kg~約7.4×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、または約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kgの用量で投与される。
加えて、開示された組成物のうちのいずかは、注射、注入、または移植による投与用に製剤化された組成物など、静脈内経路による投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、開示された組成物は、末梢四肢静脈を介した静脈内経路による投与用に製剤化される。
開示された組成物のうちのいずれかは、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)などの肢帯型筋ジストロフィーの治療用である。
例示的な実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーに罹患している対象を治療するための組成物を提供し、組成物は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgでrAAVの用量を含み、組成物は、静脈内注入による投与用に製剤化され、rAAVは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。
加えて、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーを治療すること必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgでrAAVの用量を含み、組成物は、静脈内注入による投与用に製剤化され、rAAVは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。例えば、組成物の投与は、組成物の投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルを増加させる。
加えて、開示された組成物のうちのいずれかの投与は、組成物の投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルを増加させ、かつ/または開示された組成物の投与は、組成物の投与前の血清CKレベルと比較して、対象における血清CKレベルを減少させ、かつ/または自発運動および比力の生成は増加し、線維症は軽減し、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性は増加し、かつ/または、組成物の投与は、組成物の投与前のアルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数を増加させ、かつ/または組成物の投与は、rAAVの投与前と比較して、対象における線維症を軽減し、かつ/または、組成物は、組成物の投与前と比較して、線維症を軽減し、または組成物の投与は、組成物の投与前と比較して、対象の筋肉における比力、線維直径サイズ、および/もしくは偏心収縮を増加させる。いくつかの実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子発現は、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
別の態様では、本開示は、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現するための組成物を提供し、組成物は、開示されたrAAVのうちのいずれかを含む。例えば、本開示は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現するための組成物を提供する。加えて、組成物のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、方法のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、開示されたrAAVのいずれかを含む。例えば、本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、本開示は、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための組成物を提供し、組成物は、開示されたrAAVのうちのいずれかを含む。例えば、本開示は、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための組成物を提供し、組成物は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。
本開示はまた、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、開示されたrAAVのうちのいずれかを含む。例えば、本開示は、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための組成物を提供し、組成物は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。加えて、開示された組成物のうちのいずれかの投与後、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、開示された組成物のうちのいずれかの投与後、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、開示された組成物のうちのいずれかの投与後、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって対象において測定される。
本開示は、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のための開示されたrAAVのうちのいずれかの使用を提供し、医薬は、全身経路による投与用に製剤化される。特に、本開示は、筋ジストロフィーを治療するための医薬の調製のためのAAVrh74.tMCK.hSCGAの使用を提供し、医薬は、全身投与経路による投与用に製剤化される。
開示された使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量のrAAVを含む。例えば、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、もしくは約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量、またはrAAVは、約5×1013vg/kg、約6×1013vg/kg、約7×1013vg/kg、約8×1013vg/kg、約9×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、約2×1014vg/kg、約3×1014vg/kg、約4×1014vg/kg、もしくは約5×1014vg/kgにある。
別の実施形態では、開示された使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgの用量のrAAVを含む。例えば、医薬は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.5×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.6×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.2×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.4×1013vg/kg~約7.4×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、または約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kgの用量のrAAVを含む。
加えて、開示された使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、静脈内経路による投与用に製剤化される。例えば、開示された使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、注射、注入、または移植による投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬は、末梢四肢静脈を介した静脈内経路による投与用に製剤化される。
開示された使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)などの肢帯型筋ジストロフィーの治療用である。
例示的な実施形態では、本開示は、肢帯型筋ジストロフィーを治療するための医薬の調製のためのrAAVの使用を提供し、医薬は、静脈内注入による投与用に製剤化され、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量にあり、rAAVは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。例えば、医薬の投与を必要とする対象への医薬の投与は、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現の増加をもたらす。
開示される使用のうちのいずれかにおいて、医薬の投与を必要とする対象への医薬の投与は、医薬の投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルの増加をもたらし、かつ/または対象への医薬の投与は、医薬の投与前の血清CKレベルと比較して、対象における血清CKレベルの減少をもたらし、かつ/または自発運動および比力の生成は増加し、線維症は軽減し、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性は増加し、かつ/または対象への薬剤の投与は、医薬の投与前のアルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数の増加をもたらし、かつ/または医薬の投与を必要とする対象への医薬の投与は、医薬の投与前と比較して、対象における線維症の軽減をもたらし、かつ/または医薬の投与は、医薬の投与前と比較して、対象の筋肉における比力、線維直径サイズ、および/もしくは偏心収縮の増加をもたらす。いくつかの実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子発現は、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
別の態様では、本開示は、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現を必要する対象においてそれを行うための医薬の調製のための開示されたrAAVのうちのいずれかの使用を提供する。例えば、本開示は、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現を必要する対象においてそれを行うための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用を提供し、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。加えて、使用のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、使用のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のための開示されたrAAVのうちのいずれかの使用を提供する。例えば、本開示は、血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用を提供し、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
別の態様では、本開示は、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための医薬の調製のための開示されたrAAVのうちのいずれかの使用を提供する。例えば、本開示は、対象の筋肉組織においてアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用を提供し、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
本開示はまた、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のための開示されたrAAVのうちのいずれかの使用を提供とする。例えば、本開示は、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用を提供し、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物は、配列番号4のヌクレオチド配列を含む。加えて、開示された使用のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。代替的に、開示された使用のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。他の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
開示された方法、組成物、または使用のうちのいずれかにおいて、対象は、4~15歳のヒト対象、または25~55歳のヒト対象、または50歳を超えるヒト対象である。
開示された方法、組成物、または使用のうちのいずれかにおいて、対象は、小児対象、青年対象、または若年成人対象である。代替的に、対象は、中年成人または高齢対象である。
例えば、開示された方法、組成物、または使用のうちのいずれかにおいて、対象は、4~15歳であり、両方の対立遺伝子において確認されたアルファ-サルコグリカン(SGCA)変異を有し、AAVrh74抗体に対して陰性であり、かつ/または40%超もしくは通常の100メートルの歩行試験を有した、ヒト対象である。
別の態様では、本開示は、開示された方法、組成物、または使用のうちのいずれかの方法で投与されたrAAVを生成する方法を提供し、この方法は、AAVベクタープラスミドを宿主細胞に移入することを含み、AAVベクタープラスミドは、配列番号8と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。例えば、AAVベクタープラスミドは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号8と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一であるヌクレオチド配列を含むか、またはベクタープラスミドは配列番号1、4、もしくは8のヌクレオチド配列を含む。
rAAVを生成する開示された方法のうちのいずれかにおいて、方法は、パッケージングプラスミドおよび/またはヘルパーウイルスを宿主細胞に移入することをさらに含む。加えて、rAAVを生成する開示された方法のうちのいずれかにおいて、パッケージング細胞は、安定に組み込まれたAAV cap遺伝子を含み、および/またはパッケージング細胞は、安定して組み込まれたAAV rep遺伝子を含む。
別の態様では、本開示は、配列番号1、4、または8に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む宿主細胞を提供する。例えば、宿主細胞は、配列番号1、4、または8のヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む。
scAAVrh74.tMCK.hSGCA遺伝子カセットを示す。 scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる全身処置後の用量漸増試験における導入遺伝子の発現を示す。(A)1×1012vg、3×1012vg、および6×1012vg(または20gのマウスに基づいて、それぞれ5×1013vg/kg、1×1014vg/kg、および2×1014vg/kg)で全身(静脈内)処置されたマウスの複数の筋肉のアルファ-サルコグリカン免疫蛍光染色(n=1群当たり6)。処置後12週間でのアルファ-サルコグリカンを発現する筋線維は、未処置の対照と比較して70%~93%の範囲であった。(B)処置されたsgca-/-マウスからの筋肉のウエスタンブロットにより、hSGCAタンパク質の発現が確認される。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;TRI、上腕三頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋;DIA、横隔膜;HRT、心臓;WT、野生型。 scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる全身処置後の用量漸増試験における導入遺伝子の発現を示す。(A)1×1012vg、3×1012vg、および6×1012vg(または20gのマウスに基づいて、それぞれ5×1013vg/kg、1×1014vg/kg、および2×1014vg/kg)で全身(静脈内)処置されたマウスの複数の筋肉のアルファ-サルコグリカン免疫蛍光染色(n=1群当たり6)。処置後12週間でのアルファ-サルコグリカンを発現する筋線維は、未処置の対照と比較して70%~93%の範囲であった。(B)処置されたsgca-/-マウスからの筋肉のウエスタンブロットにより、hSGCAタンパク質の発現が確認される。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;TRI、上腕三頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋;DIA、横隔膜;HRT、心臓;WT、野生型。 sgca-/-マウスにおける用量に依存しないscAAVrh74.tMCK.hSGCAによる筋肉形態の改善を示す。(A)1×1012vg、3×1012vg、および6×1012vg(または20gのマウスに基づいて、それぞれ5×1013vg/kg、1×1014vg/kg、および2×1014vg/kg)のscAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスからの様々な筋肉のヘマトキシリンおよびエオシン画像。代表的な20倍の画像は、処置用量に依存しない中心核の劇的な減少および線維サイズの全体的な正常化を示す。(B)ビヒクルで処置されたマウスおよび野生型対照と比較した、処置群における様々な筋肉の筋線維直径の正常化を確認する定量化(n=1群当たり6)。(C)未処置のマウスおよび野生型対照と比較した、処置されたマウスの筋肉の中心に位置する核の定量化(n=1群当たり6)。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋;TRI、上腕三頭筋;DIA、横隔膜;WT、野生型。 sgca-/-マウスにおける用量に依存しないscAAVrh74.tMCK.hSGCAによる筋肉形態の改善を示す。(A)1×1012vg、3×1012vg、および6×1012vg(または20gのマウスに基づいて、それぞれ5×1013vg/kg、1×1014vg/kg、および2×1014vg/kg)のscAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスからの様々な筋肉のヘマトキシリンおよびエオシン画像。代表的な20倍の画像は、処置用量に依存しない中心核の劇的な減少および線維サイズの全体的な正常化を示す。(B)ビヒクルで処置されたマウスおよび野生型対照と比較した、処置群における様々な筋肉の筋線維直径の正常化を確認する定量化(n=1群当たり6)。(C)未処置のマウスおよび野生型対照と比較した、処置されたマウスの筋肉の中心に位置する核の定量化(n=1群当たり6)。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋;TRI、上腕三頭筋;DIA、横隔膜;WT、野生型。 scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスの線維症の軽減を示す。(a)ピクロシリウスレッド染色は、示される代表的な20倍の画像の様々な筋肉における、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して、コラーゲン沈着の減少によって示される、scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたマウスにおける線維症の軽減を示す。(B)様々な筋肉におけるコラーゲンレベルの定量化により、未処置のマウスおよび野生型対照と比較して、3つの処置群すべてにおいてコラーゲンレベルの減少が確認される(n=1群当たり6)。略語:PSO、大腰筋;DIA、横隔膜;TRI、上腕三頭筋;GLUT、臀筋。 scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後の骨格筋の機能上の利点を示す。(A)3ヶ月の処置後、前脛骨筋(TA)を採取して(左右両方)、比力および収縮誘発性ダメージに対する抵抗性を測定した(TA重量に対しての標準化)。比力および偏心収縮の定量化は、未処置の対照と比較して、すべての処置群(用量間の差は最小限)で増加した(n=1群当たり6)。(B)横隔膜筋条片を採取して、比力を測定した。12週間の処置後、力は、未処置のsgca-/-マウスと比較して、処置されたマウスにおいて有意に増加した。(C)12週間の処置後、未処置のsgca-/-対照と比較して、処置されたマウスのオープンフィールド分析により、歩行および垂直活動に改善が見られた(n=1群当たり6)。(D)血清中のクレアチンキナーゼレベルは、未処置のsgca-/-対照と比較して、すべての処置群で減少した。データは、一元配置分散分析とそれに続く多重比較のためのテューキーの事後分析によって分析された。特に記載がない限り、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して、*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001、****=p<0.0001である。略語:TA、前脛骨筋;DIA、横隔膜;WT、野生型。 scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後の血液化学による毒性の証拠を示さない。肝酵素(ALT、AST、およびALP/K)および血糖(GLU)レベルの毒性を分析した(n=1群当たり6)。処置されたマウスのすべての化学的値は、点線によって示されるように、マウスの正常/健康限界内であった。 3×1012vgおよび6×1012vg(または20gのマウスに基づいて、それぞれ1×1014vg/kgおよび2×1014vg/kg)のscAAVrh74.tMCKの静脈内送達後のsgca-/-マウスからの様々な組織における定量的ポリメラーゼ連鎖反応に加えられた1マイクログラムのDNA当たりの転写物の平均vgコピーの全身のscAAVrh74.tMCK.hSGCA送達-分布ヒストグラムの生体分布分析を示す。 WT、およびビヒクル(sgca-/-LR(乳酸リンガー))または1.0×1012vg(左のウエスタンブロット)もしくは6×1012vg(右のウエスタンブロット)でのscAArh74.tMCK.hSGCAのいずれかで処置されたsgca-/-マウスの肝臓におけるアルファ-サルコグリカンタンパク質発現のウエスタンブロットを示す。各レーンは、独立したマウスを表す(M1:マウス1、M2:マウス2、M3:マウス3)。下のパネルは、装填対照として使用されたビンキュリンを表す。略語:DIA、横隔膜;TA、前脛骨筋;TRI、上腕三頭筋。 蛍光抗体法(図8A)およびウエスタンブロット(図8B)による12ヶ月齢のsgca-/-マウスの骨格筋におけるscAAVrh74.tMCK.hSGCAの発現を示す。図8Cのグラフは、scAAVrh74.tMCK.hSGCAのsgca-/-マウスの陽性筋線維の割合を提供する。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;GLUT、臀筋;TRI、上腕三頭筋;PSOAS、大腰筋、横隔膜;WT、野生型、LRS、乳酸リンガー溶液 12ヶ月齢のSGCA-/-マウスにおいてscAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与した組織学的結果を示す。図9aは、改善された筋肉の病理を示す。図9bは、腓腹筋(GAS)および上腕三頭筋(TRI)における中心核形成の減少および平均線維サイズの増加を示す。図9cは、未処置の対照と比較した、線維症のレベルの低下を示す。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋、TRI、上腕三頭筋;横隔膜;WT、野生型。 12ヶ月齢のSGCA-/-マウスにおいてscAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与した組織学的結果を示す。図9aは、改善された筋肉の病理を示す。図9bは、腓腹筋(GAS)および上腕三頭筋(TRI)における中心核形成の減少および平均線維サイズの増加を示す。図9cは、未処置の対照と比較した、線維症のレベルの低下を示す。略語:TA、前脛骨筋;GAS、腓腹筋;QD、大腿四頭筋;GLUT、臀筋;PSO、大腰筋、TRI、上腕三頭筋;横隔膜;WT、野生型。 scAAVrh74.tMCK.hSGCA投与後の老齢マウスの機能改善を示す。
本開示は、アルファ-サルコグリカンを発現するポリヌクレオチドを含むrAAVの投与が、肢帯型筋ジストロフィー動物モデルにおける筋線維症の軽減または完全な回復をもたらすという発見に基づいている。本明細書の実施例に実証されるように、本明細書に記載のrAAVの投与は、CKレベルの減少、筋力の増加、歩行および垂直活動の改善、ならびに他の運動機能を含むジストロフィー機能の逆転をもたらした。
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の技術の範囲内で、ウイルス学、微生物学、分子生物学、および組換えDNA技術の従来の方法を使用する。そのような技術は、文献で完全に説明されている。例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Current Edition)、DNA Cloning: A Practical Approach,Vol.I&II(D.Glover,ed.)、Oligonucleotide Synthesis(N.Gait,ed.,Current Edition)、Nucleic Acid Hybridization(B.Hames&S.Higgins,eds.,Current Edition)、Transcription and Translation(B.Hames&S.Higgins,eds.,Current Edition)、CRC Handbook of Parvoviruses,vol.I&II(P.Tijssen,ed.)、Fundamental Virology,2nd Edition,vol.I&II(B.N.Fields and D.M.Knipe,eds.)、Freshney Culture of Animal Cells,A Manual of Basic Technique(Wiley-Liss,Third Edition)、およびAusubel et al.(1991)Current Protocols in Molecular Biology(Wiley Interscience,N.Y.)を参照されたい。
本明細書で引用されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、上記または下記に関わらず、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
定義
単数形「a」、「an」、および「the」には、文脈上特に明記されていない限り、複数形の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「培養物」への言及は、1つ以上の培養物および当業者に周知されるその同等物への言及を含む、などである。「組換えAAV」への言及は、2つ以上のrAAVビリオンの混合物を含む、などである。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替案のみを指すように明示的に示されない限り、または代替案が相互に排他的である場合を除き、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代替案および「および/または」のみを指す定義を支持する。
本出願全体を通して、「約」という用語は、値が、値を決定するために使用されているデバイスまたは方法に対する統計的実験誤差(誤差の標準偏差)を含むことを示すために使用される。
「ベクター」または「発現ベクター」という用語は、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオンなどの、適切な制御要素と関連する場合に複製することができ、かつ細胞間で遺伝子配列を移入することができる、任意の遺伝子要素を意味する。一実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。発現ベクターは、様々な制御配列、構造遺伝子(例えば、目的の遺伝子)、および他の機能も果たす核酸配列を含有することができる。
本明細書で使用される場合、「AAV」という用語は、アデノ随伴ウイルスの一般的な略語である。アデノ随伴ウイルスは、ある特定の機能が同時感染ヘルパーウイルスによって提供される細胞内でのみ成長する一本鎖DNAパルボウイルスである。現在、特性評価されているAAVの血清型は13個存在する。AAVの一般的な情報および概説は、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228、およびBerns,1990,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York)で見つけることができる。しかしながら、様々な血清型が遺伝子レベルでさえも構造的および機能的の両方で非常に密接に関連していることがよく知られているため、これらの同じ原理が追加のAAV血清型に適用可能であることが十分に予想される。(例えば、Blacklowe,1988,pp.165-174 of Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison,ed.、およびRose,Comprehensive Virology 3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型は、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明らかに呈し、これらは全て、AAV2で発現されたもの等の3つの関連カプシドタンパク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った血清型間の広範な交差ハイブリダイゼーション、および「末端逆位配列」(ITR)に対応する末端における類似の自己アニーリングセグメントの存在を明らかにするヘテロ二本鎖分析によってさらに示唆される。類似の感染性パターンは、各血清型における複製機能が類似の調節制御下にあることも示唆する。
「AAVベクター」という用語は、AAV末端反復配列(ITR)に隣接している1つ以上の目的のポリヌクレオチド(またはトランス遺伝子)を指す。かかるAAVベクターは、repおよびcap遺伝子産物をコードおよび発現するベクターでトランスフェクトされた宿主細胞中に存在する場合に、感染性ウイルス粒子に複製およびパッケージングされ得る。一実施形態では、AAVベクターは、限定されないが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV rh10、およびAAV rh74を含む、アデノ随伴ウイルス血清型に由来するベクターである。AAVベクターは、好ましくはrepおよび/またはcap遺伝子で、AAV野生型遺伝子のうちの1つ以上が全部または一部分において欠失しているが、機能的な隣接ITR配列を保持することができる。機能的なITR配列は、AAVビリオンのレスキュー、複製、およびパッケージングに必要である。したがって、AAVベクターは、ウイルスの複製およびパッケージング(例えば、機能的ITR)のためにシスで必要とされる少なくともそれらの配列を含むように本明細書で定義される。ITRは、野生型ヌクレオチド配列である必要はなく、配列が機能的レスキュー、複製、およびパッケージングを提供する限り、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠失、または置換によって変更され得る。
「AAVヘルパー機能」という用語は、生産的なAAV複製のために次にトランスで機能するAAV遺伝子産物を提供するために発現され得るAAV由来コード配列を指す。したがって、AAVヘルパー機能は、主要なAAVオープンリーディングフレーム(ORF)、rep、およびcapを含む。Rep発現産物は、とりわけ、DNA複製のAAV起点の認識、結合、およびニッキング、DNAヘリカーゼ活性、ならびにAAV(または他の異種)プロモーターからの転写の調節を含む、多くの機能を所有することが示されている。Cap発現産物は、必要なパッケージング機能を供給する。AAVヘルパー機能は、本明細書では、AAVベクターから失われたトランスのAAV機能を補完するために使用される。
「組換えウイルス」とは、例えば、ウイルス粒子への異種核酸配列の付加または挿入によって遺伝的に変更されたウイルスを意味する。
「AAVビリオン」または「AAVウイルス粒子」または「AAVベクター粒子」とは、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質およびカプシドに包まれたポリヌクレオチドAAVベクターから成るウイルス粒子を指す。一実施形態では、AAVビリオンは、異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳動物細胞に送達される導入遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む。一実施形態では、AAVウイルス粒子の産生には、AAVベクターの産生が含まれ、例えば、ベクターは、AAVベクター粒子内に含有される。粒子が異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳類細胞に送達されるトランス遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む場合、それは、典型的には、「rAAVベクター」または単に「rAAV粒子」と称される。したがってAAVベクター粒子の産生には、rAAVの産生が必然的に含まれ、rAAVゲノムは、rAAVベクター粒子ないに含有される。
例えば、野生型(wt)AAVウイルス粒子は、AAVキャプシドタンパク質コートに関連する線形の一本鎖AAV核酸ゲノムを含む。AAVビリオンは、一本鎖(ss)AAVまたは自己相補的(SC)AAVのいずれかであり得る。一実施形態では、相補的センス、例えば「センス」または「アンチセンス」鎖のいずれかの一本鎖AAV核酸分子は、AAVビリオンにパッケージングされ得、両方の鎖は、等しく感染性である。
「組換えAAV」または「rAAV」という用語は、AAV ITRが両側に隣接する目的の異種ヌクレオチド配列をカプセル化する、AAVタンパク質シェルから成る感染性の複製欠損ウイルスとして本明細書で定義される。一実施形態では、rAAVは、好適な宿主細胞で産生され、これは、その中に導入されたAAVベクター、AAVヘルパー機能、およびアクセサリー機能を有する。このようにして、宿主細胞は、その後の遺伝子送達のために、AAVベクター(目的の組換えヌクレオチド配列を含有する)を感染性組換えビリオン粒子にパッケージングするために必要とされるAAVポリペプチドをコードすることができる。
「トランスフェクション」という用語は、細胞による外来DNAの取り込みを指し、細胞は、外因性DNAが細胞膜内に導入されたときに「トランスフェクト」される。多くのトランスフェクション技術が当該技術分野において一般的に知られている。例えば、Graham et al.(1973)Virology,52:456、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning,a laboratory manual,Cold Spring Harbor Laboratories,New York、Davis et al.(1986)Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier、およびChu et al.(1981)Gene 13:197を参照されたい。そのような技術を用いて、ヌクレオチド組込みベクターおよび他の核酸分子などの、1つ以上の外来性DNA部分を好適な宿主細胞に導入することができる。
「形質導入」という用語は、複製欠損ウイルスベクターを介した、例えば、組換えAAVビリオンを介したインビボまたはインビトロのいずれかでのレシピエント細胞へのDNA分子の送達を意味する。
「宿主細胞」という用語は、AAVヘルパー構築物、AAVベクタープラスミド、アクセサリー機能ベクター、またはその他のトランスファーDNAのレシピエントとして使用できるか、または使用されてきた、例えば、微生物、酵母細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を意味する。この用語には、トランスフェクトされた元の細胞の子孫が含まれる。したがって、本明細書で使用される「宿主細胞」は、一般に、外因性DNA配列でトランスフェクトされた細胞を指す。単一の親細胞の子孫は、自然、偶発的、または意図的な変異のために、形態またはゲノムまたは全DNA補体において必ずしも完全に同一でない場合があることが理解される。
「異種」という用語は、コード配列および制御配列などの核酸配列に関連するとき、通常は一緒に結合されていない、かつ/または通常は特定の細胞に関連していない配列を示す。したがって、核酸構築物またはベクターの「異種」領域は、自然界で他の分子と関連して見られない、別の核酸分子内または別の核酸分子に付着した核酸のセグメントである。例えば、核酸構築物の異種領域は、自然界のコード配列に関連して見られない配列が隣接するコード配列を含み得る。異種コード配列の別の例は、コード配列自体が自然界で見られない(例えば、天然の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列)構築物である。同様に、細胞内に通常は存在しない構築物で形質転換された細胞は、本発明の目的のために異種であると見なされるであろう。本明細書で使用される場合、対立遺伝子変異または自然に発生する変異事象は、異種DNAを生じさせない。
「コード配列」または特定のタンパク質を「コードする」配列は、適切な調節配列の制御下に配置されると、インビトロまたはインビボでポリペプチドに転写され(DNAの場合)、翻訳される(mRNAの場合)核酸配列である。コード配列の境界は、5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシ)末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列には、原核生物または真核生物のmRNAからのcDNA、原核生物または真核生物のDNAからのゲノムDNA配列、さらには合成DNA配列が含まれるが、これらに限定されない。転写終結配列は、通常、コード配列の3’側に位置するであろう。
「核酸」配列は、DNAまたはRNA配列を指す。核酸には、4-アセチルシトシン、8-ヒドロキシ-N6-メチルアデノシン、アジリジニルシトシン、シュードイソシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルアデニン、1-メチルシュードウラシル、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルケオシン、5’-メトキシカルボニルメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、オキシブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、-ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、シュードウラシル、クエオシン、2-チオシトシン、および2,6-ジアミノプリンを含むが、これらに限定されないDNAおよびRNAの塩基類似体が含まれる。
DNA「制御配列」という用語は、集合的に、プロモーター配列、ポリアデニル化シグナル、転写終結配列、上流調節ドメイン、複製の起点、内部リボソーム侵入部位(「IRES」)、エンハンサーなどを指し、これらは、レシピエント細胞におけるコード配列の複製、転写、および翻訳を集合的に提供する。選択されたコード配列が適切な宿主細胞で複製、転写、および翻訳されることができる限り、これらの制御配列のすべてが常に存在する必要はない。
「プロモーター」という用語は、DNA調節配列を含むヌクレオチド領域を指すために、その通常の意味で本明細書において使用され、調節配列は、RNAポリメラーゼに結合し、下流(3’-方向)コーディング配列の転写を開始させることができる遺伝子に由来する。転写プロモーターには、「誘導性プロモーター」(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって誘導される)、「抑制性プロモーター」(プロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現が分析物、補因子、調節タンパク質などによって誘導される)、および「構成的プロモーター」が含まれ得る。一実施形態では、プロモーターは、筋特異的プロモーターであり、これには、ヒト骨格アクチン遺伝子要素、心臓アクチン遺伝子要素、デスミンプロモーター、骨格アルファアクチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合要素、筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、短縮型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5~12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサー要素、骨格の速筋トロポニンc遺伝子要素、遅筋心臓トロポニンc遺伝子要素、遅筋トロポニンi遺伝子要素、低酸素誘導性核因子(HIF)応答要素(HRE)、ステロイド誘導性要素、およびグルココルチコイド応答要素(gre)が含まれるが、これらに限定されない。別の実施形態では、プロモーターは、MCKプロモーター、tMCKプロモーター、またはMHCK7プロモーターである。
「動作可能にリンクされた」という用語は、そのように記述された構成要素がそれらの通常の機能を実行するように構成される要素の配置を指す。したがって、コード配列に作動可能に連結された制御配列は、コード配列の発現に影響を与えることができる。制御配列は、それらがその発現を指示するように機能する限り、コード配列と隣接している必要はない。したがって、例えば、介在する未翻訳であるが転写された配列は、プロモーター配列とコード配列との間に存在することができ、プロモーター配列は、依然としてコード配列に「作動可能に連結されている」と見なされ得る。
RNAポリメラーゼがプロモーター配列に結合し、コード配列をmRNAに転写し、次にコード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳されるとき、プロモーターは、細胞内のコード配列の「転写を指示」する。
「発現カセット」または「発現構築物」は、目的の配列(複数可)または遺伝子(複数可)の発現を指示することができる集合体を指す。発現カセットは、上記のように、目的の配列(複数可)または遺伝子(複数可)に(転写を指示するように)作動可能に連結されるプロモーターなどの制御要素を含み、ポリアデニル化配列も含むことが多い。本発明のある特定の実施形態内で、本明細書に記載の発現カセットは、プラスミド構築物内に含まれ得る。発現カセットの構成要素に加えて、プラスミド構築物はまた、1つ以上の選択可能なマーカー、プラスミド構築物が一本鎖DNAとして存在することを可能にするシグナル、少なくとも1つのマルチクローニング部位、および「哺乳動物」の複製起点(例えば、SV40またはアデノウイルスの複製起点)を含み得る。
ヌクレオチド配列を指す場合の「単離された」とは、示された分子が、他のヌクレオチド配列、クロマチン材料などの他の生物学的高分子の実質的な不在下に存在することを意味する。したがって、「特定のポリペプチドをコードする単離された核酸分子」は、対象のポリペプチドをコードしない他の核酸分子を実質的に含まない核酸分子を指すが、しかしながら、分子は、組成物の基本的な特性に悪影響を及ぼさないいくつかの追加の塩基または部分を含み得る。
特定のヌクレオチド配列が別の配列に対して「上流」、「下流」、「3」、または「5」に位置すると記載されている場合など、本出願全体にわたって特定の核酸分子中のヌクレオチド配列の相対位置を記載する目的で、それは、当技術分野で慣習的であると称されるDNA分子の「センス」または「コーディング」鎖における配列の位置であることが理解されるべきである。
核酸配列またはアミノ酸配列の文脈における「配列同一性」、「配列同一性の割合」、または「同一の割合」という用語は、最大限対応するようにアラインメントさせたときに同じである2つの配列中の残基を指す。配列同一性の比較の長さは、ゲノムの全長、遺伝子コード配列の全長であり得るか、または少なくとも約500~5000個のヌクレオチドの断片が望ましい。しかしながら、少なくとも約9個のヌクレオチド、通常は少なくとも約20~24個のヌクレオチド、少なくとも約28~32個のヌクレオチド、少なくとも約36個以上のヌクレオチドなど、より小さい断片間の同一性もまた所望され得る。配列の同一性の割合は、当技術分野で知られている技術によって決定することができる。例えば、相同性は、配列情報を整列させ、ALIGN、ClustalW2、およびBLASTなどの容易に入手可能なコンピュータープログラムを使用することにより、2つのポリペプチド分子間の配列情報を直接比較することによって決定することができる。一実施形態では、BLASTがアラインメントツールとして使用される場合、次のデフォルトパラメータ、遺伝暗号=標準;filter=なし;鎖=両方;カットオフ=60;予測=10;マトリクッス=BLOSUM62;説明=50個の配列;並べ替え=高得点;データベース=非冗長、GenBank+EMBL+DDBJ+PDB+GenBank CDS翻訳+スイスプロテイン+Spupdate+PIR。
「対象」という用語は、動物界の任意のメンバーを指し、これには、ヒトならびにチンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などの非ヒト霊長類、牛、羊、豚、山羊、および馬などの家畜、犬および猫などの家畜哺乳類、マウス、ラット、およびモルモットなどの齧歯動物を含む実験動物などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象は、出生~2歳、1~10歳の範囲、または4~15歳の範囲、または10~19歳の範囲、または20~40歳、または15~29歳または25~55歳の範囲、または40~60歳の範囲、または50歳以上または60歳以上または65歳以上または70歳以上のヒトである。例えば、対象は、ヒトの子供(2~12歳)、ヒトの青年(10~19歳)である。いくつかの実施形態では、対象は、成人(18歳以上)である。特に、対象は、若年成人(15~29歳)、中年成人(25~55歳)、またはそれ以上の年齢の成人(50歳以上)、または高齢のヒト対象(65歳以上)、または老齢のヒト対象(70歳以上)である。
「治療効果」とは、本明細書に記載の処置によって与えられる任意の治療上の利益を意味する。例えば、そのような効果は、適切な標的組織において、目的の筋ジストロフィーで不完全であるか、または不足しているタンパク質または酵素の持続的な発現であり得る。さらに、治療効果は、目的の疾患または障害の1つ以上の臨床的または亜臨床的な兆候のいかなる軽減または排除であり得る。例えば、CKレベルの減少、線維症の軽減が軽減され、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性の増加、および/筋肉内の比力の増加、および運動機能の改善は、処置されたLGMD-2Dを有する対象に治療上の利益を提供する。
別の態様では、本明細書に記載の組換えAAVベクターは、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である、アルファ-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列を含むか、またはタンパク質は、アルファ-サルコグリカン活性を保持する。別の実施形態では、アルファ-サルコグリカンは、配列番号2に示されるポリペプチド配列を含む。
別の態様では、本明細書に記載されているのは、ストリンジェントな条件下で、配列番号1に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む機能性アルファ-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列、またはその補体を含む、組換えAAVベクターである。別の実施形態では、rAAVは、配列番号4に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、rAAVは、配列番号1または配列番号4のヌクレオチド配列を含む。
「ストリンジェントな」という用語は、ストリンジェントとして当該技術分野において一般に理解される条件を指すために使用される。ハイブリダイゼーションストリンジェシーは、主に、温度、イオン強度、およびホルムアミドなどの変性剤の濃度によって決定される。ハイブリダイゼーションおよび洗浄のためのストリンジェントな条件の例は、0.015Mの塩化ナトリウム、65~68℃の0.0015Mのクエン酸ナトリウムまたは0.015Mの塩化ナトリウム、0.0015Mのクエン酸ナトリウム、および42℃の50%ホルムアミドである。Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,(Cold Spring Harbor,N.Y.1989)を参照されたい。よりストリンジェントな条件(より高い温度、より低いイオン強度、より高いホルムアミド、または他の変性剤など)も使用できるが、ハイブリダイゼーションの速度が影響を受ける。デオキシオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが関係する場合、追加のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例には、37℃(14塩基オリゴの場合)、48℃(17塩基オリゴの場合)、55℃(20塩基オリゴの場合)、および60℃(23塩基オリゴの場合)での6×SSC、0.05%ピロリン酸ナトリウムでの洗浄が含まれる。
分子量、濃度、または投薬量等の物理的特性について本明細書で範囲が使用される場合、範囲およびその中の特定の実施形態の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせが含まれることが意図される。数値または数値範囲を指す場合の「約」という用語は、参照される数値または数値範囲が実験的変動内(または統計的実験誤差内)の近似値であることを意味し、したがって、数値または数値範囲は、例えば、記載された数値または数値範囲の1%~15%の間で変動し得る。
非特異的および/またはバックグラウンドハイブリダイゼーションを低減する目的で、ハイブリダイゼーションおよび洗浄緩衝液に他の薬剤を含めることができる。例としては、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%ポリビニル-ピロリドン、0.1%ピロリン酸ナトリウム、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、NaDodSO、(SDS)、フィコール、デンハルト溶液、超音波処理したサケ精子DNA(または他の非相補的DNA)、および硫酸デキストランがあるが、他の適切な薬剤も使用できる。これらの添加物の濃度および種類は、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに実質的に影響を与えることなく変更できる。ハイブリダイゼーション実験は通常、pH6.8~7.4で行われるが、典型的なイオン強度条件では、ハイブリダイゼーションの速度はpHにほとんど依存しない。Anderson et al.,Nucleic Acid Hybridisation:A Practical Approach,Ch.4,IRL Press Limited(Oxford,England)を参照されたい。ハイブリダイゼーション条件は、これらの変数を考慮して、異なる配列類似性のDNAがハイブリッドを形成することを可能にするために、当業者によって調整され得る。
肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)は、筋力低下、呼吸異常、まれに心筋症を伴う進行性筋ジストロフィーである。LGMD2Dは、アルファ-サルコグリカン遺伝子の変異によって引き起こされ、タンパク質の喪失、およびサルコグリカンおよびジストロフィン関連糖タンパク質複合体に付随して発生する喪失をもたらす。Sgca-null(sgca-/-)マウスは、筋壊死および線維症、血清クレアチンキナーゼ(CK)の上昇、絶対筋力および自発運動の低下などのジストロフィー機能を含む、LGMD2D患者の臨床表現型を再現する。したがって、sgca-/-マウスは、遺伝子置換の安全性および有効性を試験するための関連モデルを提供する。これにより、本開示は、筋特異的プロモーターである短縮型筋肉クレアチンキナーゼ(tMCK)によって駆動されるコドン最適化完全長ヒトSGCA(hSGCA)導入遺伝子を含有する自己相補的AAVrh74ベクターを提供する。sgca-/-マウスにおけるscAAVrh74.tMCK.hSGCAの有効性および安全性が、ビヒクルで処置されたマウスおよび野生型マウスと比較して、1×1012、3×1012、および6×1012vgの単回全身注射を評価するために、用量漸増設計を使用して試験された。sgca-/-マウスにおいて、scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置により、試験したすべての用量で、骨格筋の筋鞘膜においてα-SGの強力なタンパク質発現がもたらされた。さらに、scAAVrh74.tMCK.hSGCAは、線維症の軽減および中心核形成の減少、ならびに筋線維サイズの正常化によって示されるように、sgca-/-マウスの四肢および横隔膜筋の組織病理を改善するのに効果的であった。これらの分子変化は、横隔膜および前脛骨筋における比力の生成の有意な増加、偏心力の喪失に対する保護、および血清CKの減少に付随した。自発運動は、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して、ベクターで処置されたマウスのすべての用量で改善された。最後に、ベクター関連毒性の欠如が血清化学パネルおよび肉眼的剖検によって検出された。まとめると、この研究は、LGMD2Dの治療のための臨床設定におけるscAAVrh74.tMCK.hSGCAの全身送達の裏付けを提供する。
別の態様では、本明細書に記載の組換えAAVベクターは、筋特異的制御要素に作動可能に連結され得る。例えば、筋特異的プロモーターは、ヒト骨格アクチン遺伝子要素、心臓アクチン遺伝子要素、デスミンプロモーター、骨格アルファア-クチン(ASKA)プロモーター、トロポニンI(TNNI2)プロモーター、筋細胞特異的エンハンサー結合因子mef結合要素、筋クレアチンキナーゼ(MCK)プロモーター、短縮型MCK(tMCK)プロモーター、ミオシン重鎖(MHC)プロモーター、ハイブリッドa-ミオシン重鎖エンハンサー/MCKエンハンサープロモーター(MHCK7)プロモーター、C5~12プロモーター、マウスクレアチンキナーゼエンハンサー要素、骨格速筋トロポニンc遺伝子要素、遅筋心臓トロポニンc遺伝子要素、遅筋トロポニンi遺伝子要素、低酸素誘導性核因子(HIF)応答要素(HRE)、ステロイド誘導性要素、およびグルココルチコイド応答要素(gre)のうちの1つ以上を含む。
一実施形態では、筋特異的プロモーターは、配列番号3の配列を含むtMCKプロモーターである。本明細書に記載の例示的なrAAVは、配列番号4のヌクレオチド配列を含むAAVrh74.tMCK.hSCGAである。いくつかの実施形態では、AAVrh74.tMCK.hSCGAをコードするポリヌクレオチド配列は、配列番号4に示されるヌクレオチド配列に対してか、または配列番号1に対して少なくとも65%、約70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは少なくとも99%同一であるヌクレオチド配列に対して、少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも99%同一である配列を含む。
別の実施形態では、AAVrh74.tMCK.hSCGAをコードするポリヌクレオチドは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも99%同一であるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチド配列は、アルファ-サルコグリカン活性を保持するタンパク質をコードする。
一実施形態では、rAAVは、配列番号5の5’逆位末端反復配列を含む。別の実施形態では、rAAVは、配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む。いくつかの実施形態では、rAAVは、配列番号7のポリA配列を含む。
AAVは、任意の血清型、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV rh.10、AAV rh.74、または変異体、およびそれらの誘導体であり得る。一実施形態では、rAAVは、血清型AAVrh.74のrAAVである。偽型rAAVの産生は、例えば、WO2001/083692に開示され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。他のタイプのrAAV変異体、例えば、カプシド変異を有するrAAVも企図される。例えば、Marsic et al.,Molecular Therapy,22(11):1900-1909(2014)を参照されたい。
本明細書に記載のrAAVベクターのいずれかを含む組成物もまた企図される。
提供されているのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法であり、rAAVは、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量で使用して投与される。例えば、提供される方法のうちのいずれかにおいて、投与されるrAAVの用量は、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kg、または約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kgである。別の実施形態では、用量は、約5.0×1013vg/kg、1.0×1014vg/kg、または2.0×1014vg/kgである。一実施形態では、rAAVは、静脈内経路を含む全身経路によって投与される。別の実施形態では、rAAVは、約5.0×1013vg/kg、1.0×1014vg/kg、または2.0×1014vg/kgの用量で静脈内投与される。一実施形態では、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィーである。
加えて、投与されるrAAVの用量は、約1.5×1013vg~約3.5×1016vg、または約3×1013vg~約1.0×1016vg、または約1.5×1013vg~約2×1015vg、または約1.5×1013vg~約1×1014vgである。加えて、方法のうちのいずれかにおいて、rAAVの用量は、約10mL/kgの濃度で投与される。一実施形態では、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィーである。一実施形態では、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィー2D型である。本開示における用量は、vgまたはvg/kgのいずれかで表され、定量的PCR(qPCR)による滴定認定法に基づく。qPCRベースの滴定法は、当技術分野で知られている。
加えて、提供されているのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法であり、rAAVは、全身投与経路を使用して約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kgの用量で投与され、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルは、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、rAAVの投与後に増加し、対象における血清CKレベルは、rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、rAAVの投与後に減少し、かつ/または自発運動および比力の生成は増加し、線維症は軽減し、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性は増加し、かつ/対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、rAAVの投与前のアルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、rAAVの投与後に増加し、対象の筋肉組織における線維直径サイズは、rAAVの投与前の線維直径の数と比較して、rAAVの投与後に増加し、または対象の筋肉組織における中心核形成は、rAAVの投与前の中心核形成と比較して、rAAVの投与後に減少する。筋肉組織には、上腕三頭筋、前脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋、上腕二頭筋、僧帽筋、臀筋、大腰筋、三角筋、大腿四頭筋、および横隔膜が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、筋肉組織には、前脛骨筋、腓腹筋、臀筋、大腰筋、および上腕三頭筋が含まれる。アルファ-サルコグリカンの発現は、当業者に知られている方法によって決定される。一実施形態では、発現は、ウエスタンブロット、筋生検における免疫化学によって、および/またはゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって決定される。
いくつかの実施形態では、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法を含み、運動機能は、rAAVの投与前の該対象の運動機能と比較して、該対象において明らかに改善される。
提供されているのは、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を患者に投与することを含む、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行う方法である。
提供される筋ジストロフィーを治療する方法、使用、および組成物のうちのいずれかにおいて、対象は、4~15歳であり、両方の対立遺伝子において確認されたアルファ-サルコグリカン(SGCA)変異を有し、AAVrh74抗体に対して陰性であり、かつ/または40%超もしくは通常の100メートルの歩行試験を有した。提供される筋ジストロフィーを治療する方法、使用および組成物のうちのいずれかにおいて、対象は、小児対象である。いくつかの実施形態では、対象は、小児対象であり、例えば、1~21歳の範囲の対象である。いくつかの実施形態では、対象は、1~10歳、または2~12歳、4~15歳、または10~19歳である。一実施形態では、対象は、青年対象であり、例えば、12~21歳の範囲の対象である。加えて、対象は、一実施形態では、15~29歳または18~39歳の年齢の範囲の対象などの若年成人対象である。いくつかの実施形態では、対象は、中年成人または高齢対象であり、その結果、中年成人は、25~55歳の範囲であってもよく、それ以上の年齢の成人対象は、50歳を超える範囲であってもよく、高齢対象は、65歳を超える範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、rAAVは、注射、注入、または移植によって投与される。例えば、rAAVは、およそ1~2時間にわたる注入によって投与される。加えて、rAAVは、末梢四肢静脈を介した静脈内経路によって投与される。
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法では、rAAVは、全身投与経路を使用して、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1014vg/kgの用量で投与され、rAAVは、配列番号1に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、rAAVは、配列番号1に示されるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、rAAVは、配列番号2に対して少なくとも65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド配列を含むタンパク質をコードする。別の実施形態では、rAAVは、配列番号2に示されるポリペプチド配列を含むタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。加えてさらに、開示されたrAAVのうちのいずれかは、配列番号3のtMCKプロモーター配列などのプロモーターを含む。いくつかの実施形態では、rAAVは、血清型AAVrh.74のrAAVである。加えて、rAAVは、配列番号3のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、rAAVは、配列番号5の5’逆位末端反復配列を含む。別の実施形態では、rAAVは、配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む。別の実施形態では、rAAVは、配列番号7のポリA配列を含む。
AAV投薬量は、LISA、逆転写酵素活性の評価、FACS、形質導入アッセイノーザンブロッティング(例えば、半定量的ノーザン)、ドットブロット分析、またはPCR(例、qPCR)を含むがこれらに限定されない複数の方法によって決定することができる。定量的リアルタイムPCR(qPCR)でAAVベクターゲノムを測定することにより、AAVの用量を決定できることはよく知られている。そのようなqPCR法は、従来の形質導入アッセイからの矛盾または恣意的な結果を克服する。PCR投薬量決定の一実施形態では、プラスミドDNAが較正標準として使用される。プラスミドの形態は、qPCR法による投薬量の結果に影響を与える可能性がある。一実施形態では、環状または超らせんDNAまたはプラスミドが、定量標準として使用される。別の実施形態では、線形化されたDNAまたはプラスミドが定量標準として使用される。
「超らせんDNA」または「超らせんプラスミド」という用語は、遊離端を含まないDNAまたはプラスミドを指す。「線形化されたDNA」または「線形化されたプラスミド」という用語は、互いに連結されていない遊離の5’末端および遊離の3’末端を含むDNAまたはプラスミドを指す。一実施形態では、線形化されたDNAまたはプラスミドは、環状DNA(例えば、プラスミドDNA)の制限消化によってか、またはdbDNAの制限消化によって得られる。別の実施形態では、制限消化は、少なくとも1つの平滑末端を生成する酵素を使用して行われる。
例示的な実施形態では、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための方法は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)scAAVrh74.tMCK7.hSGCAを投与するステップを含み、rAAVは、全身投与経路を使用して、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1014vg/kgの用量で投与され、ヒト対象は、肢帯型筋ジストロフィーに罹患している。一実施形態では、rAAVは、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5.0×1013vg/kg、1.0×1014vg/kg、または2.0×1014vg/kgの用量で、約1~2時間にわたる静脈内注入によって投与され、rAAVは、配列番号3のscAAVrh74.tMCK7.hSGCA構築物ヌクレオチド配列含む。別の実施形態では、用量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgである。
本開示はまた、対象の筋肉組織におけるサルコグリカン発現を増加させる方法を提供し、この方法は、配列番号1および/または4に対して少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、または99%同一のヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物を対象に投与することを含む。
本開示はまた、対象の筋機能を改善する方法をさらに提供し、この方法は、配列番号1および/または4に対して少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、または99%同一のヌクレオチド配列を含む構築物を対象に投与することを含む。
いくつかの態様では、対象は、サルコグリカンタンパク質をコードする遺伝子における遺伝子変異、または筋ジストロフィーに苦しむ。いくつかの態様では、対象は、アルファ-サルコグリカンタンパク質をコードする遺伝子における遺伝子変異に苦しむ。
提供された方法のうちのいずれかにおいて、対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前のアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、scAAVrh74.tMCK7.hSGCA構築物の投与後に増加する。
加えて、提供された方法のうちのいずれかにおいて、細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後に生検された筋肉におけるウエスタンブロットまたは免疫組織化学でアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
提供された方法のうちのいずれかにおいて、アルファ-サルコグリカンタンパク質のレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与後に増加する。例えば、アルファ-サルコグリカンタンパク質のレベルのレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後に生検された筋肉におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出されるとき、少なくとも33%増加するか、または、アルファ-サルコグリカンタンパク質のレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後の筋生検における免疫組織化学および/またはゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノム数を検出することによって測定される。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかにおいて、対象における血清CKレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前の血清CKレベルと比較して、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与後に減少する。
本明細書に提供される方法のうちのいずれかにおいて、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、ofscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前のアルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与後に増加する。例えば、アルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後の筋生検でのウエスタンブロットまたは免疫組織化学によりアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。例えば、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与後に増加する。
本明細書に提供された方法のうちのいずれかにおいて、対象におけるアルファ-サルコグリカンのレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前のアルファ-サルコグリカンのレベルと比較して、rAAVの投与後に増加する。例えば、アルファ-サルコグリカンのレベルは、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後の筋生検での免疫組織化学またはウエスタンブロットによりアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
別の実施形態は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、患者の細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現する方法を提供する。提供された、患者の細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現する方法のうちのいずれかにおいて、患者の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の投与前後の筋生検におけるウエスタンブロットまたは免疫組織化学でアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。一実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子は、1つの核当たり1つを超えるrAAVベクターゲノムコピーを検出することによって、患者において測定される。別の実施形態では、アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって、対象において測定される。
配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、血清CKレベルの減少を必要とする患者においてそれを行う方法も提供される。
配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、患者の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させる方法が提供される。これらの方法のうちのいずれかにおいて、アルファ-サルコグリカン陽性線維の数は、rAAVの投与前後の筋生検でのウエスタンブロットまたは免疫組織化学によりアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
別の実施形態は、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を対象に投与することを含む、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行う方法を提供する。これらの方法のうちのいずれかにおいて、アルファ-サルコグリカンのレベルは、rAAVの投与前後の筋生検でのウエスタンブロットまたは免疫組織化学によりアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される。
本明細書に記載される任意の組換えAAVベクターでトランスフェクトされた細胞を培養することと、トランスフェクトされた細胞の上清から組換えAAV粒子を回収することと、を含む、組換えAAVベクター粒子を産生する方法も提供される。本明細書に記載の組換えAAVベクターのいずれかを含むウイルス粒子もまた企図される。一実施形態では、AAVベクタープラスミドを宿主細胞に移すことを含む、rAAVを生成する方法。別の実施形態では、組換えAAVベクター粒子および/またはAAVベクタープラスミドは、配列番号8に対して少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、または約89%、より典型的には約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約と95%、約96%、約97%、約98%、または約99%以上同一であるヌクレオチド配列を含む。別の態様では、本開示は、配列番号8のヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、AAVベクタープラスミドは、宿主細胞において安定して発現される。AAVベクタープラスミドを安定して保有する宿主細胞を使用して、rAAVを生成することができる。一実施形態では、AAVベクタープラスミドは、pAAV.tMCK.hSGCA.KANプラスミド(配列番号8)である。
それを必要とする哺乳動物の対象における線維症を軽減する方法も提供される。この点について、本方法は、治療有効量の本明細書に記載のAAVベクター(または本明細書に記載のAAVベクターを含む組成物)を、哺乳動物の対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の対象は、筋ジストロフィーに罹患している。一実施形態では、筋ジストロフィーは、LGMD2Dである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAAVベクター(または本明細書に記載のAAVベクターを含む組成物)の投与は、対象の筋肉組織おける線維症を軽減する。一実施形態では、筋肉組織は、大腰筋、横隔膜、上腕三頭筋、および/または臀筋を含む。
本明細書で使用される「筋ジストロフィー」という用語は、強度および筋肉量が徐々に低下する障害を指す。筋ジストロフィー疾患の非限定的な例としては、ベッカー型筋ジストロフィー、脛骨筋ジストロフィー、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、エメリー-ドレイフス型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、サルコグリカン異常症、部分的LAMA2欠損による先天性筋ジストロフィーのような先天性筋ジストロフィー、メロシン欠損型先天性筋ジストロフィー、1D型先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、肢帯型1A型筋ジストロフィー、肢帯型2A型筋ジストロフィー、肢帯型2B型筋ジストロフィー、肢帯型2C型筋ジストロフィー、肢帯型2D型筋ジストロフィー、肢帯型2E型筋ジストロフィー、肢帯型2F型筋ジストロフィー、肢帯型2G型筋ジストロフィー、肢帯型2H型筋ジストロフィー、肢帯型2I型筋ジストロフィー、肢帯型2I型筋ジストロフィー、肢帯型2J型筋ジストロフィー、肢帯型2K型筋ジストロフィー、肢帯型IC型筋ジストロフィー、単純型表皮水疱症を伴う強直性脊椎型筋ジストロフィー、眼咽頭型筋ジストロフィー、ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー、およびウルリッヒ型スクレロアトニック筋ジストロフィーを挙げることができる。いくつかの実施形態では、対象は、肢帯型筋ジストロフィーに罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)に罹患している。
本明細書で使用される「線維症」という用語は、細胞外マトリックス(ECM)成分の過剰または未制御の沈着ならびに骨格筋、心筋、肝臓、肺、腎臓、および膵臓を含む損傷後の組織における異常な修復プロセスを指す。沈着するECM成分には、コラーゲン(例えばコラーゲン1、コラーゲン2、またはコラーゲン3)およびフィブロネクチンが含まれる。
別の態様では、本明細書に記載されているのは、治療有効量の本明細書に記載のAAVベクター(または本明細書に記載のAAVベクターを含む組成物)を哺乳動物の対象に投与することを含む、哺乳動物において、筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維、線維直径サイズ、筋肉における偏心収縮、筋力、および/またはアルファ-サルコグリカンの発現を増加させる方法である。また、本明細書に記載されているのは、治療有効量の本明細書に記載のAAVベクター(または本明細書に記載のAAVベクターを含む組成物)を対象に投与することを含む、対象において、線維症、中心核形成、CKレベル、および/またはコラージュ沈着を減少させる方法である。
本発明の方法のいずれかにおいて、対象は、肢帯型筋ジストロフィーまたは任意の他のジストロフィン関連筋ジストロフィーのような筋ジストロフィーに罹患している可能性がある。一実施形態では、筋ジストロフィーは、LGMD-2Dである。
治療有効量の本明細書に記載のAAVベクター(または本明細書に記載のAAVベクターを含む組成物)を哺乳動物の対象に投与することを含む、哺乳動物の対象における筋ジストロフィーを治療する方法も提供される。いくつかの実施形態では、筋ジストロフィーは、肢帯型筋ジストロフィーである。
本発明の方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、筋肉内注射または静脈内注射により投与される。加えて、本発明の方法のうちのいずれかにおいて、rAAVは、注射、注入、または移植による非経口投与など、全身投与される。
本発明の組成物は、筋肉内注射または静脈内注射用に製剤化される。加えて、本発明の組成物は、注射、注入、または移植による非経口投与など、全身投与用に製剤化される。
加えて、組成物のうちのいずれかは、筋ジストロフィー(例えば、肢帯型筋ジストロフィーまたは任意の他のジストロフィン関連筋ジストロフィー)に罹患している対象への投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、アルファ-サルコグリカンを発現する第2の組換えAAVベクター、または配列番号1もしくは配列番号4に示されるポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えAAVベクターをさらに含み得る。
本発明の使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、筋肉内注射または静脈内注射用に製剤化される。加えて、本発明の使用のうちのいずれかにおいて、医薬は、注射、注入、または移植による非経口投与など、全身投与用に製剤化される。加えて、医薬のいずれかは、筋ジストロフィー(例えば、肢帯型筋ジストロフィーまたは任意の他のジストロフィン関連筋ジストロフィー)に罹患している対象への投与のために調製され得る。いくつかの実施形態では、医薬は、アルファ-サルコグリカンを発現する第2の組換えAAVベクター、または配列番号1もしくは配列番号4に示されるポリヌクレオチド配列を含む第2の組換えAAVベクターをさらに含み得る。
前述の段落は、本発明の全ての態様を定義することを意図するものではなく、追加の態様は、詳細な説明のような他のセクションに記載される。文書全体は、統一された開示として関連することが意図されており、特徴の組み合わせがこの文書と同じ文章、または段落、またはセクションで一緒に見られない場合でも、本明細書に記載される特徴のすべての組み合わせが考慮されることを理解されたい。本発明は、追加の態様として、上記の特定の段落で定義される変形よりもいくらか範囲が狭い本発明のすべての実施形態を含む。例えば、本発明の特定の態様が属として記載される場合、属の各メンバーが個々に本発明の態様であると理解されるべきである。
AAV
本発明の組換えAAVゲノムは、本発明の核酸分子および核酸分子に隣接する1つ以上のAAV ITRを含む。rAAVゲノム内のAAV DNAは、組換えウイルスが由来し得る任意のAAV血清型からであり得、AAV血清型AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、およびAAV rh.74が挙げられるが、これらに限定されない。偽型rAAVの生成は、例えば、WO01/83692に開示される。他のタイプのrAAV変異体、例えば、カプシド変異を有するrAAVも企図される。
本発明のDNAプラスミドは、rAAVゲノムを含む。DNAプラスミドは、rAAVゲノムの感染性ウイルス粒子への組込みのために、AAVのヘルパーウイルス(例えば、アデノウイルス、E1欠失アデノウイルス、またはヘルペスウイルス)の感染に許容される細胞に導入される。パッケージングされるAAVゲノム、repおよびcap遺伝子、ならびにヘルパーウイルス機能が細胞に提供される、rAAV粒子を産生する技術は、当該技術分野において標準的である。rAAVの産生は、以下の成分、rAAVゲノム、rAAVゲノムから分離した(すなわち、その中に存在しない)AAVrepおよびcap遺伝子、ならびにヘルパーウイルス機能が、単一細胞(本明細書でパッケージング細胞と表される)内に存在することを必要とする。AAV repおよびcap遺伝子は、組換えウイルスが由来し得る任意のAAV血清型からのものであり得、rAAVゲノムITRとは異なるAAV血清型からであり得、AAV血清型AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV rh10、およびAAV rh.74が挙げられるが、これらに限定されない。偽型rAAVの生成は、例えば、WO2001/083692に開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
パッケージング細胞を生成する方法は、AAV粒子の産生に必要な全ての成分を安定して発現する細胞株を作成することである。例えば、AAVrepおよびcap遺伝子を欠くrAAVゲノム、rAAVゲノムから分離したAAVrepおよびcap遺伝子、およびネオマイシン耐性遺伝子などの選択可能なマーカーを含むプラスミド(または複数のプラスミド)が、細胞のゲノムに組み込まれる。AAVゲノムは、GCテーリング(Samulski et al.,1982,Proc.Natl.Acad.S6.USA,79:2077-2081)、制限エンドヌクレアーゼ切断部位を含有する合成リンカーの付加(Laughlin et al.,1983,Gene,23:65-73)、または直接平滑末端ライゲーション(Senapathy&Carter,1984,J.Biol.Chem.,259:4661-4666)などの手順により細菌プラスミドに導入されている。次いで、パッケージング細胞株を、アデノウイルスなどのヘルパーウイルスに感染させる。この方法の利点は、細胞が選択可能であり、rAAVの大規模産生に好適であることである。適切な方法の他の例は、rAAVゲノムおよび/またはrep遺伝子およびcap遺伝子をパッケージング細胞に導入するためのプラスミドではなく、アデノウイルスまたはバキュロウイルスを使用する。
rAAV生産の一般原則は、例えば、Carter,1992,Current Opinions in Biotechnology,1533-539、およびMuzyczka,1992,Curr.Topics in Microbial.and Immunol.,158:97-129)に概説されている。様々なアプローチは、Ratschin et al.,Mol.Cell.Biol.4:2072(1984)、Hermonat et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6466(1984)、Tratschin et al.,Mo1.Cell.Biol.5:3251(1985)、McLaughlin et al.,J.Virol.,62:1963(1988)、およびLebkowski et al.,1988 Mol.Cell.Biol.,7:349(1988)に記載されている。Samulski et al.(1989,J.Virol.,63:3822-3828)、米国特許第5,173,414号、WO95/13365および対応する米国特許第5,658,776号、WO95/13392、WO96/17947、PCT/US98/18600、WO97/09441(PCT/US96/14423)、WO97/08298(PCT/US96/13872)、WO97/21825(PCT/US96/20777)、WO97/06243(PCT/FR96/01064)、WO99/11764、Perrin et al.(1995)Vaccine 13:1244-1250、Paul et al.(1993)Human Gene Therapy 4:609-615、Clark et al.(1996)Gene Therapy 3:1124-1132、米国特許第5,786,211号、米国特許第5,871,982号、および米国特許第6,258,595号に記載されている。前述の文書は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれ、rAAV産生に関する文書の部分を特に強調する。
したがって、本発明は、感染性rAAVを産生するパッケージング細胞を提供する。一実施形態では、パッケージング細胞は、HeLa細胞、293細胞、およびPerC.6細胞(同種293株)などの安定して形質転換された癌細胞であり得る。別の実施形態では、パッケージング細胞は、形質転換された癌細胞ではない細胞、例えば、低継代293細胞(アデノウイルスのE1で形質転換されたヒト胎児腎細胞)、MRC-5細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、WI-38細胞(ヒト胎児線維芽細胞)、Vero細胞(サル腎細胞)、およびFRhL-2細胞(アカゲザル胎児肺細胞)である。
本発明の組換えAAV(すなわち、感染性カプシド化rAAV粒子)は、rAAVゲノムを含む。実施形態には、配列番号3に示されるポリヌクレオチド配列を含む、pAAV.tMCK.hSCGAと名付けられたrAAVが含まれるが、これらに限定されない。
rAAVは、当該技術分野で標準的な方法によって、例えば、カラムクロマトグラフィーまたは塩化セシウム勾配によって精製され得る。ヘルパーウイルスからrAAVベクターを精製するための方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、Clark et al.,Hum. Gene Ther.,10(6):1031-1039(1999)、Schenpp and Clark,Methods Mol.Med.,69:427-443(2002)、米国特許第6,566,118号、およびWO98/09657に開示される方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、本発明のrAAVを含む組成物を企図する。本明細書に記載の組成物は、薬学的に許容される担体中にrAAVを含む。本組成物は、希釈剤およびアジュバント等の他の成分も含み得る。許容される担体、希釈剤、およびアジュバントは、レシピエントに非毒性であり、好ましくは、用いられる投薬量および濃度で不活性であり、リン酸、クエン酸、もしくは他の有機酸等の緩衝剤;アスコルビン酸等の抗酸化剤;低分子量ポリペプチド、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む、単糖、二糖、および他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトールもしくはソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;ならびに/またはTween、プルロニクス、もしくはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が含まれる。
本発明の方法で投与されるrAAVの力価は、例えば、特定のrAAV、投与方法、処置目標、個体、および標的とされる細胞型に応じて変化し、当該技術分野における標準の方法によって決定され得る。rAAVの力価は、1ml当たり約1×10、約1×10、約1×10、約1×10、約1×1010、約1×1011、約1×1012、約1×1013~約1×1014、またはそれ以上のDNase耐性粒子(DRP)の範囲であり得る。投薬量は、qPCRによって測定されるときのウイルスゲノム(vg)の単位で表されてもよい。
インビボまたはインビトロで、標的細胞にrAAVを形質導入する方法が、本発明によって企図される。インビボ方法は、本発明のrAAVを含む組成物の有効用量または有効な複数用量を、それを必要とする動物(ヒトを含む)に投与するステップを含む。用量が、障害/疾患の発症前に投与される場合、投与は予防的である。用量が、障害/疾患の発症後に投与される場合、投与は治療的である。本発明の実施形態では、有効用量は、治療すべき障害/疾患の状態に関連する少なくとも1つの症状を緩和(排除もしくは軽減)する用量であり、障害/疾患の状態への進行を緩徐化もしくは予防する用量であり、疾患の範囲を縮小する用量であり、疾患の寛解(部分的もしくは完全な)をもたらす用量であり、ならびに/または生存を延長させる用量である。本発明の方法による予防または治療のために企図される疾患の例は、筋ジストロフィー、例えば肢帯型筋ジストロフィーである。したがって、提供されるのは、配列番号4のヌクレオチド配列を含む、rAAV scAAVrh74.tMCK.hSGCAで標的細胞を形質導入する方法である。
別の実施形態では、本開示は、AAVベクタープラスミドを宿主細胞に移入することを含む、rAAV scAAVrh74.tMCK.hSGCAを生成する方法を提供する。DNAを宿主細胞に移入する方法は、当該技術分野で知られており、これには、トランスフェクション、感染、形質転換、エレクトロポレーション、および形質導入が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号8に対して少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、または約89%、より典型的には約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約と95%、約96%、約97%、約98%、または約99%以上同一であるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号8に対して少なくとも90%、95%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。別の態様では、本開示は、配列番号8のヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、AAVベクタープラスミドは、宿主細胞において安定して発現される。AAVベクタープラスミドを安定して保有する宿主細胞を使用して、rAAVを生成することができる。一実施形態では、AAVベクタープラスミドは、pAAV.tMCK.hSGCA.KANプラスミドである。
一実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号1、4、または8に対して少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、または約89%、より典型的には約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%以上同一であるヌクレオチド配列を含む。
一実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号1、4、または8に対して少なくとも90%、95%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、ベクタープラスミドは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。rAAVを生成する方法は、一実施形態では、パッケージングプラスミドおよび/またはヘルパーウイルスを宿主細胞に移入することをさらに含む。パッケージングプラスミドは、いくつかの実施形態では、プロモーターに作動可能に連結されるAAV repおよび/またはcap遺伝子を含む。一実施形態では、プロモーターは、AAV転写プロモーターである。一実施形態では、宿主細胞は、パッケージング細胞である。一実施形態では、パッケージング細胞は、安定に組み込まれたAAVcap遺伝子を含む。別の実施形態では、パッケージング細胞は、安定に組み込まれたAAVrep遺伝子を含む。
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、外因性DNA配列を発現するために使用され得る細胞を指す。宿主細胞の非限定的な例は、微生物、酵母細胞、昆虫細胞、および/または哺乳動物細胞を含む。宿主細胞は、AAVヘルパー構築物、パッケージングプラスミド、AAVベクタープラスミド、アクセサリー機能ベクター、または他のDNAのレシピエントとして使用することができる。ここで使用される用語は、元の宿主細胞で外因性DNA配列を発現した後の元の細胞の子孫を包含する。AAV産生のための宿主細胞の非限定的な例には、Sf9昆虫細胞およびHEK293T細胞が含まれる。AAVベクタープラスミドは、感染(ウイルスまたはバキュロウイルス)、試薬(例えば、リポソーム、リン酸カルシウム)を使用した一時的なトランスフェクション、または物理的手段(例えば、エレクトロポレーション)、または当該技術分野で知られている他の手段によって、宿主細胞(例えば、Sf9または293T)に導入することができる。別の実施形態では、宿主細胞株は、それらのゲノムにrAAVプラスミドとともに安定に組み込まれる。このような安定した細胞株は、選択マーカーをベクタープラスミドに組み込むことによって確立することができる。
一実施形態では、宿主細胞は、AAVウイルス粒子を産生するためのパッケージング細胞である。したがって、別の態様では、本開示は、配列番号8と少なくとも90%、95%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む宿主細胞を提供する。一実施形態では、AAVベクタープラスミドは、配列番号8のヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、宿主細胞は、配列番号1、4、または8のヌクレオチド配列を含む。
併用療法も本発明により企図される。本明細書で使用される併用療法は、同時治療または連続治療を含む。本発明の方法と標準的な医学的治療(例えば、ステロイド、コルチコステロイド、および/または限定されないがプレドニゾン、プレドニゾロン、およびデフラザコートのうちの1つ以上を含むグルココルチコイド)との組み合わせは、新規療法との組み合わせと同様に、具体的に企図される。この観点で、この組み合わせは、本発明の方法のrAAVを対象に投与する前に、rAAVを対象に投与すると同時に、またはrAAVを対象に投与した後に、1つ以上のステロイド、コルチコステロイド、および/または限定されないがプレドニゾン、プレドニゾロン、およびデフラザコートのうちの1つ以上を含むグルココルチコイドを対象に投与することを含む。
本発明によって企図される併用療法の関連する実施形態では、グルココルチコイドとしては、限定されないが、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、またはトリアムシノロンが挙げられる。
抗原特異的T細胞応答は、rAAVベクターを投与された対象で起こり得ることが認識されている。これは、遺伝子移入後2~4週間で予想される応答である。このような抗原特異的T細胞応答に対する1つの考えられる結果は、形質導入された細胞のクリアランスおよび導入遺伝子発現の喪失である。rAAVベースの治療に対する宿主の免疫応答を弱めるために、治療前、例えば治療手順の24時間前に、対象は、およそ1mg/kg/日の経口による予防的プレゾニゾンまたは同等のグルココルチコイドから始め、最大用量60mg/日で投与することができる。必要に応じて、同等のグルココルチコイドをおよそ1mg/kg/日の用量で静脈内投与することも可能である。治療は、およそ1ヶ月続く。プレゾニゾンまたは同等のグルココルチコイドの量を漸減させるプロトコルを、個々の対象の遺伝子移入に対する免疫応答に基づいて実施し、ELISpotアッセイによって、またGGTによる肝機能モニタリングによって評価することができる。
治療有効量のrAAVベクターは、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kg、または約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kgの範囲のrAAVの用量である。別の実施形態では、用量は、約5.0×1013vg/kg、約1.0×1014vg/kg、または約2.0×1014vg/kgである。別の実施形態では、用量は、5.0×1013vg/kg、1.0×1014vg/kg、または2.0×1014vg/kgである。本発明はまた、これらの範囲のrAAVベクターを含む組成物を含むように企図される。
投薬量は、ウイルスゲノム(vg)の単位で表されてもよい。rAAVの力価は、超らせんDNAもしくはプラスミド定量標準または線状化されたDNAもしくはプラスミド定量標準によって決定されてもよい。AAVベクターの力価または投薬量は、定量標準としてのプラスミドまたはDNAの物理的形態に基づいて変化する可能性がある。例えば、力価または投薬量の値は、超らせん標準qPCR力価測定法または線状化された標準qPCR力価測定法に基づいて変化し得る。一実施形態では、本開示における投薬量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づく。別の実施形態では、本開示における投薬量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づく。したがって、一実施形態では、rAAVベクターの治療有効量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kg、または約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kgの範囲のrAAVの用量である。別の実施形態では、用量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5.0×1013vg/kg、約1.0×1014vg/kg、または約2.0×1014vg/kgである。別の実施形態では、用量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、5.0×1013vg/kg、1.0×1014vg/kg、または2.0×1014vg/kgである。
別の実施形態では、rAAVベクターの治療有効量は、定量標準として線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.5×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.6×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kg、約1.2×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、約1.4×1013vg/kg~約7.4×1013vg/kg、約1.9×1013vg/kg~約7.5×1013vg/kg、または約1.8×1013vg/kg~約8.0×1013vg/kgの範囲のrAAVの用量である。例えば、rAAVベクターの治療有効量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgの用量である。
一実施形態では、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づく5.0×1013vg/kgの用量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づく1.85×1013vg/kgの用量と同等である。別の実施形態では、超らせんDNAまたはプラスミドに基づく2.0×1014vg/kgの用量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づく7.41×1013vg/kgと同等である。したがって、別の実施形態では、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づく約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgである。
組成物の有効用量の投与は、筋肉内、非経口、静脈内、経口、頬側、鼻、肺、頭蓋内、骨内、眼内、直腸、または膣を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で標準的な経路によるものであり得る。本発明のrAAVのAAV成分(具体的には、AAV ITRおよびカプシドタンパク質)の投与経路(複数可)および血清型(複数可)は、治療される感染症および/または疾患状態、ならびにα-サルコグリカンを発現する標的細胞/組織(複数可)を考慮して、当業者によって選択および/または適合され得る。
本発明は、本発明のrAAVおよび組成物の有効用量の局所投与および全身投与を提供する。例えば、全身投与とは、全身が影響を受けるように循環系に投与することである。全身投与には、胃腸管を通した吸収のような経腸投与および注射、注入、または移植による非経口投与が含まれる。
特に、本発明のrAAVの実際の投与は、rAAV組換えベクターを動物の標的組織に輸送する任意の物理的方法を使用することにより達成され得る。本発明による投与としては、筋肉内への注入、血流への注入、および/または肝臓への直接注入が挙げられるが、これらに限定されない。リン酸緩衝生理食塩水中にrAAVを単に再懸濁させることが、筋組織発現に有用なビヒクルを提供するのに十分であることが実証されており、rAAVと同時投与され得る担体または他の成分に対する既知の制限はない(が、DNAを分解する組成物がrAAVとの通常の方法で避けられるべきである)。rAAVのカプシドタンパク質は、rAAVが筋肉などの目的の特定の標的組織に標的化されるように修飾されてもよい。例えば、本開示が参照により本明細書に組み込まれるWO02/053703を参照されたい。
医薬組成物は、注射可能な製剤として、または経皮輸送により筋肉に送達される局所製剤として調製することができる。筋肉内注射と経皮輸送の両方のための多数の製剤がこれまでに開発されており、本発明の実施において使用することができる。rAAVは、投与および取り扱いを容易にするために、任意の薬学的に許容される担体とともに使用することができる。したがって、別の態様では、本出願は、AAVrh74由来のカプシドを含むrAAVと、緩衝剤と、イオン強度剤と、界面活性剤と、を含む製剤に関する。一実施形態では、rAAVは、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1014vg/kgの濃度にある。別の実施形態では、rAAVは、約5.0×1012vg/kg~1.0×1014vg/kgの濃度にある。別の実施形態では、rAAVは、約5×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、および/または約2×1014vg/kgの濃度にある。一実施形態では、投薬量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づく。一実施形態では、rAAVは、scAAVrh74.tMCK.hSGCAベクターである。一実施形態では、緩衝剤は、トリス、トリシン、ビス-トリシン、HEPES、MOPS、TES、TAPS、PIPES、およびCAPSのうちの1つ以上を含む。別の実施形態では、緩衝剤は、約5mM~約40mMの濃度でpH8.0のトリスを含む。一実施形態では、緩衝剤は、約20mMでpH8.0のトリスを含む。一実施形態では、イオン強度剤は、塩化カリウム(KCl)、酢酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム(NHCl)、酢酸アンモニウム、塩化マグネシウム(MgCl)、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン(MnCl)、酢酸マンガン、硫酸マンガン、塩化ナトリウム(NaCl)、酢酸ナトリウム、塩化リチウム(LiCl)、および酢酸リチウムのうちの1つ以上を含む。一実施形態では、イオン強度剤は、約0.2mM~約4mMの濃度でMgClを含む。別の実施形態では、イオン強度剤は、約50mM~約500mMの濃度でNaClを含む。別の実施形態では、イオン強度剤は、約0.2mM~約4mMの濃度でMgClを含み、約50mM~約500mMの濃度でNaClを含む。別の実施形態では、イオン強度剤は、約1mMの濃度でMgClを含み、約200mMの濃度でNaClを含む。一実施形態では、界面活性剤は、スルホネート、サルフェート、ホスホネート、ホスフェート、ポロキサマー、およびカチオン性界面活性剤のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、ポロキサマーは、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー184、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338、およびポロキサマー407のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、界面活性剤は、約0.00001%~約1%の濃度でポロキサマーを含む。別の実施形態では、界面活性剤は、約0.001%の濃度でポロキサマー188を含む。筋肉内注射を目的として、ゴマ油や落花生油などのアジュバント溶液、または水性プロピレングリコール溶液、および滅菌水溶液を使用することができる。そのような水溶液は、必要に応じて緩衝化することができ、液体希釈剤は最初に生理食塩水またはグルコースで等張にされる。遊離酸(DNAは酸性リン酸基を含む)または薬理学的に許容される塩としてのrAAVの溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水で調製することができる。rAAVの分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物中で、ならびに油中で調製することができる。通常の保存状態および使用下においては、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含む。これに関連して、用いられる滅菌水性媒体は全て、当業者に周知の標準的な技術により容易に入手可能である。
注射用途に適した薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。あらゆる場合において、この形態は、滅菌でなければならず、容易なシリンジ注射可能性(syringability)が存在する程度に流動性でなければならない。製造および保管の条件下で安定していなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの好適な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散剤の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらすことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射可能な組成物の長時間の吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらされ得る。
滅菌されている注射可能な溶液は、必要な量のrAAVを適切な溶媒に、必要に応じて上に列挙した他の様々な成分とともに組み込み、その後濾過滅菌することによって調製される。一般的に、分散液は滅菌した活性成分を、基礎的な分散媒および上に列挙されるものからの必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクルへと混合することによって調製される。滅菌されている注射可能な溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、それは、活性成分プラス予め滅菌濾過したそれらの溶液からの任意の追加の所望の成分の粉末をもたらす。
rAAVによる形質導入は、インビトロで行うこともできる。一実施形態では、所望の標的筋肉細胞を対象から取り出し、rAAVで形質導入し、対象に再導入する。代替的に、同系または異種の筋肉細胞は、それらの細胞が対象において不適切な免疫応答を生成しない場合に使用され得る。
対象への形質導入および形質導入細胞の再導入のための好適な方法は、当該技術分野で既知である。一実施形態では、細胞は、例えば適切な培地でrAAVを筋肉細胞と組み合わせ、サザンブロットおよび/またはPCRなどの従来の技術を使用して、または選択可能なマーカーを使用して目的のDNAを持つ細胞をスクリーニングすることにより、インビトロで形質導入することができる。次に、形質導入された細胞を医薬組成物に製剤化し、組成物を、筋肉内、静脈内、皮下、および腹腔内注射による、または例えばカテーテルを使用して平滑筋および心筋への注射によるなど、様々な技術により対象に導入することができる。
本発明のrAAVによる細胞の形質導入は、α-サルコグリカンの持続発現をもたらす。したがって、本発明は、アルファ-サルコグリカンを発現するrAAVを哺乳動物の対象、好ましくはヒトに投与/送達する方法を提供する。これらの方法は、本発明の1つ以上のrAAVでの形質導入組織(筋肉等の組織、肝臓および脳等の臓器、ならびに唾液腺等の腺を含むが、これらに限定されない)を含む。形質導入は、組織特異的制御要素を含む遺伝子カセットで行われ得る。例えば、本発明の一実施形態は、筋特異的制御要素によって指示される筋細胞および筋肉組織を形質導入する方法を提供し、これには、限定されないが、アクチンおよびミオシン遺伝子ファミリー、例えばmyoD遺伝子ファミリーに由来するもの[Weintraub et al.,Science,251:761-766(1991)を参照されたい]、筋細胞特異的エンハンサー結合因子MEF-2[Cserjesi and Olson,Mol.Cell.Biol.,11:4854-4862(1991)]、ヒト骨格筋アクチン遺伝子に由来する制御要素[Muscat et al.,Mol.Cell.Biol.,7:4089-4099(1987)]、心筋アクチン遺伝子、筋クレアチンキナーゼ配列要素[Johnson et al.,Mol.Cell.Biol.,9:3393-3399(1989)を参照されたい]、ならびにマウスクレアチンキナーゼエンハンサー(mCK)要素、骨格速筋トロポニンC遺伝子、遅筋心臓トロポニンC遺伝子、および遅筋トロポニンI遺伝子に由来する制御要素、低酸素誘発性核内因子(Semenza et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5680-5684(1991))、グルココルチコイド応答要素(GRE)を含む、ステロイド誘発性要素およびプロモーター(Mader and White,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:5603-5607(1993)を参照されたい)、ならびに他の制御要素が含まれる。
筋肉組織は生命維持に必須な臓器ではなく、アクセスしやすいため、インビボDNA送達の魅力的な標的である。本発明は、形質導入筋原線維由来のmiRNAの持続発現を企図する。
「筋肉細胞」または「筋肉組織」とは、あらゆる種類の筋肉(例えば、消化管、膀胱、血管、または心臓組織に由来する骨格筋および平滑筋)に由来する細胞または細胞群を意味する。そのような筋肉細胞は、筋芽細胞、筋細胞、筋管、心筋細胞、および心筋芽細胞など、分化または未分化であり得る。
「形質導入」という用語は、レシピエント細胞によるアルファ-サルコグリカンの発現をもたらす、記載される複製欠損rAAVを介するインビボまたはインビトロのいずれかでのレシピエント細胞への目的のポリヌクレオチド(例えば、α-サルコグリカンをコードするポリヌクレオチド配列)の投与/送達を指すために使用される。
したがって、本明細書では、有効用量(または本質的に同時に投与される用量もしくはある間隔で与えられる用量)の、アルファ-サルコグリカンをコードするrAAVを、それを必要とする哺乳動物の対象に投与する方法も記載される。
本明細書で言及される全ての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合には、本出願が、本明細書中のいかなる定義も含み、優先される。記載された数値範囲には、各範囲内の各整数値が含まれ、記述される最小および最大の整数が含まれる。
本発明は、以下の実施例においてさらに説明され、これは特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
AAVrh74.tMCK.hSCGAを使用した前臨床試験は、国際特許公開第WO2013/078316号、ならびに米国特許第9,434,928号および同第10,105,453号に記載されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例1
材料および方法
動物モデル
すべての手順は、Research Institute at Nationwide Children’s Hospital Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。ノックアウト(sgca-/-)マウスは、Research Institute at Nationwide Children’s HospitalのAnimal Resources Coreにおいて標準条件下でホモ接合型動物として繁殖させ、維持した。マウスを、12:12時間の暗所:明所サイクルで、Teklad Global Rodent Diet(3.8%食物線維、18.8%タンパク質、5%脂肪飼料)で維持した。すべての動物を、標準的なマウスケージに入れ、自由に摂食摂水させた。
遺伝子型
DNAジェノタイピングを使用して、sgca-/-マウスを特定した。テールクリッピングからのDNAを単離し、OneTaq DNAポリメラーゼ(New England Biolabs、Ipswich, MA)を使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって分析した。一連のプライマーをPCR分析で使用して、α-SGノックアウト状態を決定した。以下のプライマーおよび条件を使用した:Intron1(CAGGGCTGGGAGCTGGGTTCTG;配列番号9)、変異体プライマー-イントロン3(CCCAGGGCCTTGATGCCT;配列番号10)、およびNEOTR(GCTATCAGGACATAGCGTTGGCTA;配列番号11)。以下の条件下で、ゲノムDNAに対して30サイクルの反応を行った:94℃で5分、94℃で1分、64℃で1分、72℃で2.5分、72℃で7分。
α-SG遺伝子構築物
scAAVrh74.tMCK.hSGCA導入遺伝子カセットは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターDNAプラスミドpAAV.tMCK.aSG-neoを使用して、コドン最適化ヒトα-SGc DNA配列(ヒトcDNA、Genbankアクセッション番号U08895)を駆動するtMCK発現カセットを自己相補的ベクターバックボーンpHpa7に挿入することによって作製した。このベクターに含まれる唯一のウイルス配列は、ウイルスDNAの複製とrAAVベクターゲノムのパッケージングの両方に必要なAAV2の逆位末端反復である。逆位末端反復(ITR)のうちの1つは、このITRからの複製を制限するための末端分解部位(TRS)の標的欠失を有し、自己相補的ベクターパッケージング用の二量体複製型の生成を促進する。AAVrh74ウイルスは、マウス、非ヒト霊長類(NHP)、およびヒトにおいて、血管関門を越えて筋肉に形質導入するのに安全かつ非常に効率的であることが証明されている。
ベクター産生
組換えAAV、(sc)rAAVrh74.tMCK.hSGCAは、トリプルトランスフェクションによって作製した。qPCRベースの滴定法を使用して、Prism 7500 Fast Taqman検出器システム(PE Applied Biosystems)を利用してカプセル化されたvg力価を決定した。構築物は、高レベルの発現を促進するためのキメライントロンを含む。キメライントロンは、ヒトβ-グロビン遺伝子の最初のイントロンと分岐点からの5’ドナー部位、および免疫グロブリン遺伝子重鎖可変領域のリーダーと本体との間にあるイントロンからの3’スプライスアクセプター部位から成る。rAAVは、合成SV40ポリアデニル化シグナルも含み、効率的な転写終結に使用される。発現カセットの概略図を以下の図1に示す。ベクターは、AAV2 ITR配列に隣接し、AAVrh74ビリオンにキャプシド形成されたヒトアルファ-サクログリカン(α-SG)遺伝子を使用して産生した。構築物は、tMCK前初期プロモーター/エンハンサー(GenBankアクセッション番号M21390)を含有し、高レベルの発現のためにβ-グロビンイントロンを使用する。
遺伝子送達
全身送達は、sgca-/-マウスの尾静脈へのベクターの注射によって達成した。マウスに、30ゲージの超微細インスリン注射器を使用して200~250μLの容量の乳酸リンガー溶液で希釈したscAAVrh74.tMCK.hSGCAの1×1012vg、3×1012vg、または6×1012vgの総投与量(13~20gの範囲のマウス、それぞれ20gのマウスに基づいて、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づく投薬量、5×1013vg/kg、1×1014vg/kg、および2×1014vg/kg)を注射した。すべての処置されたマウスは、4~5週齢で注射し、注射の12週後に安楽死させた。別の実施形態では、用量は、定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgである。
血清クレアチンキナーゼ測定
クレアチンキナーゼのレベルは、野生型C57BL/6マウス(n=6)、ビヒクル(乳酸リンガー溶液)で処置されたsgca-/-マウス(n=6)、およびscAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウス(n=1回の用量当たり6)の血清において、クレアチンキナーゼSLアッセイおよび対応する製造業者のプロトコル(Sekisui Diagnostics、Charlottetown,PE,Canada)(カタログ番号326-10)を使用して測定した。簡単に説明すると、25μLの血清を1mLの作業試薬と混合し、キュベットに加えた。分光光度計に速度論的アッセイを設定して、340nmでの吸光度を30秒ごとに180秒間測定した。クレアチンキナーゼレベルを吸光度の読み取り値および以下にリストされる式を使用して計算した。
U/L=[ΔAbs./分)*1.025*1000]/[1*6.22*0.025]=(ΔAbs./分)*6592
機能評価のための横隔膜強縮
マウスを安楽死させ、横隔膜(DIA)を肋骨アタッチメントと中央腱を無傷で切開し、K-Hバッファーに入れた。DIAの2~4mm幅の切片を単離した。DIA条片を腱中心で編組外科用絹糸(6/0、Surgical Specialties、Reading,PA)を用いてしっかり結び、条片の遠位端に取り付けられた肋骨の一部分を通して縫合した。各筋肉を、37℃で維持した酸素化K-H溶液を充填した水浴に移した。筋肉を水平に整列させ、固定ピンとデュアルモード力変換器サーボモーター(305C、Aurora Scientific,Aurora,Ontario,Canada)との間で直接結んだ。2つの白金板電極を、筋肉の長さに隣接するように器官浴に位置付けた。筋肉を痙攣収縮の測定のために最適な長さに伸長させ、その後、10分間静置させた後に、強縮プロトコルを開始した。筋肉が安定した時点で、筋肉を1gの最適な長さに設定し、30秒毎に3回の1Hz攣縮、続いて、1分毎に3回の150Hz攣縮からなるウォームアップに供する。3分間の休止期間後、DIAを、各刺激間に2分間の休止期間を設けて、20、50、80、120、150、180Hzで各々250ミリ秒間刺激して、最大強縮力を決定した。筋肉の長さおよび重量を測定した。力を、筋肉の重量および長さに対して正規化した。
機能評価のための前脛骨筋(TA)強縮
TA評価手順は、Hakim et al.,Methods Mol Biol;709:75-89(2011)にリストされるプロトコルに従った。ケタミン/キシラジン混合物(それぞれ100mg/kgおよび10mg/kg)を使用して腹腔内を介してマウスを麻酔した。解剖スコープの下で、後肢の皮膚を取り除き、TA筋肉および膝蓋骨を露出させた。膝蓋腱の周りに4-0の縫合糸で二重正方形を結んだ。次に、TA遠位腱を切開し、二重正方形を腱の周りに4-0縫合糸で可能な限り筋肉に近づけて結び、次に腱を切断した。露出した筋肉は常に生理食塩水で湿らせた。次いで、マウスを熱制御プラットフォームに移し、37℃に維持した。膝は膝蓋腱縫合で金属ピンに固定し、遠位TA腱縫合で力変換器(Aurora Scientific、Aurora,Canada)のレベルアームに固定した。坐骨神経を刺激するために、電極を坐骨神経の近くに配置した。筋肉が安定したら、安静時の張力を、痙攣収縮が最大になる長さ(最適な長さ)に設定した。3分間の休止期間の後、TAを、各刺激間に1分間の休止期間を設けて、50、100、150、および200Hzで刺激した。5分間の休息の後、筋肉を、10%の伸長再延長手順により1分間隔で生じる、一連の10回の等尺性収縮に供した。遠心性収縮後、マウスを安楽死させ、TA筋肉を切開し、秤量し、分析のために凍結させた。
免疫蛍光
TA、腓腹筋(GAS)、大腿四頭筋(QD)、大腰筋(PSOAS)、臀筋(GLUT)、上腕三頭筋(TRI)、DIA、および心臓(HRT)の筋肉の凍結切片(厚さ12μm)をhSGCA導入遺伝子のために免疫蛍光染色に供した。切片を、1:100の希釈でウサギモノクローナルα-SG一次抗体(Abcam、Cambridge,UK、カタログ番号ab189254)とインキュベートした。Zeiss(ドイツ)AxioCam MRC5カメラを使用して、筋肉切片の4つの異なる象限をカバーする4つのランダムな20倍画像を撮影した。対照と比較したα-SG染色に対する陽性線維の割合を各画像について決定し、各筋肉について平均した。陽性のα-SG線維発現は、ビヒクルで処置されたsgca-/-対照よりも少なくとも30%線維染色が明るいと定義された。
ウエスタンブロット分析
野生型C57BL/6マウス、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウス、およびベクターを投与されたsgca-/-マウスからの試料を、各ウエスタンブロットに使用した。hSGCAブロットには、ウサギモノクローナルα-SG抗体(Abcam、カタログ番号ab189254)の1:10,000希釈液とマウスモノクローナルα-アクチニン抗体(Sigma-Aldrich、カタログ番号A7811)の1:5,000希釈液を使用した。ウサギモノクローナルマウスビンキュリン抗体(Invitrogen、カタログ番号70062)の1:1,000希釈液も使用した。抗マウス(Millipore、カタログ番号AP308P)および抗ウサギ(Life Technologies、カタログ番号656120)の二次西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体を使用して、化学発光免疫検出を強化した。ウエスタンブロットの定量化は、ImageQuantTL 1D 8.1.0(GE Healthcare Life Sciences)を使用したデンシトメトリーによって行った。
形態計測分析
ヘマトキシリン&エオシン(H&E)染色は、16~17週齢の野生型C57BL/6マウス(n=6)、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウス(n=6)、およびscAAVrh74.tMCK.hSGCAの16~17週齢の処置されたsgca-/-マウス(n=1回の用量当たり6)からの厚さ12μmの筋肉の凍結切片で分析のために行った。TA、GAS、QD、GLUT、PSOAS、およびTRI筋において、中心核を有する筋線維の割合を決定した。さらに、TA、GAS、QD、TRI、およびPSOAS筋において、筋線維直径を測定した。各動物の筋肉当たり4つのランダム20倍画像をZeiss AxioCam MRC5カメラで撮影した。National Institutes of Health’s ImageJソフトウェアを用いて中心核形成線維を定量化し、Zeiss Axiovision LE4ソフトウェアを用いて線維直径を測定した。
生体分布の定量的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析
Taqman定量的PCRを行って、前述のように、標的および非標的の対側筋、ならびに非標的器官に存在するベクターゲノムコピーの数を定量化した。ベクター特異的プライマープローブセットを使用して、scAAVrh.74.tMCK.hSGCA導入遺伝子カセット内に位置するユニークなtMCKプロモーターのすぐ下流のイントロン領域の配列を増幅した。この研究では、以下のプライマーおよびプローブを使用した:tMCKイントロンフォワードプライマー5’-ACC CGA GAT GCC TGG TTA TAA TT-3’、tMCKイントロンリバースプライマー5’-TCC ATG GTG TAC AGA GCC TAA GAC-3’、およびtMCKイントロンプローブ5’-FAM-CTG CTG CCT GAG CCT GAG CGG TTA C- IABkFQ-3’(Integrated DNA Technologies)。コピー数は、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムとして報告される。
ピクロシリウスレッド染色およびコラーゲン定量化
筋肉組織におけるコラーゲン沈着のレベルを決定するために、ピクロシリウスレッド染色を行った。染色は、16~17週齢の野生型C57BL/6(n=6)、ビヒクルで処置されたsgca-/-(n=6)、およびscAAVrh74.tMCK.hSGCAの16~17週齢の処置されたsgca-/-マウス(n=1回の用量当たり6)のGLUT、PSOAS、TRI、およびDIA筋からの厚さ12μmの凍結切片で行った。各マウスの筋肉当たり4つの20倍画像を撮影し、ImageJソフトウェアプログラムを使用してコラーゲン沈着量を測定した。各筋肉の平均コラーゲンパーセントを、すべての群について計算した。
オープンフィールドケージ活動のレーザー監視
オープンフィールド活動チャンバを使用して、実験マウスの全体的な活動を決定した。野生型C57BL/6(n=6)および未処置のsgca-/-(n=6)対照群からの16~17週齢のマウスを、scAAVrh74.tMCK.hSGCAの16~17週齢の処置されたsgca-/-マウス(n=1回の用量当たり6)とともに分析に供した。すべてのマウスを、マウスが最も活動的である早朝からその夜の終わり間近のサイクルで、毎日同じ時間に試験した。全てのマウスを、毎回薄暗い光下で、かつ同じ飼育係により、隔離室で試験した。また、不安を軽減し、マウスの通常の行動、ひいてはアッセイの結果に影響を与える可能性があり得る可変的行動を最小限に抑えるために、個別に収容されていなかったマウスを試験した。マウスの行動を、Photobeam Activity System(San Diego Instruments、San Diego,CA)を使用して監視した。このシステムは、動物チャンバの前後かつ左右を横断する不可視赤外光線のグリッドを使用して、x-y-z平面内のマウスの位置および動きを監視する。活動を、5分間間隔の1時間サイクルで記録した。マウスを、データ取得開始の数日前に1時間セッションで活動試験室に順応させた。マウスを、4匹1組で、個別のチャンバ内で試験した。試験機器を使用毎に掃除して、結果を変化させ得るマウスの反動的な可変的行動を低減した。データをMicrosoft Excelワークシートに変換し、すべての計算をExcelプログラム内で行った。各マウスのx平面およびy平面における動きの個々の光線中断を加算して、合計歩行を表し、z平面における光線中断を加算して、1時間間隔内での垂直活動を得た。
安全性試験
血液学
全血は、血液化学のために心臓穿刺から回収した。血液を血清分離チューブに収集し、15,000rpmで10分間遠心分離した。血清を収集し、凍結し、化学試験のためにCharles River Laboratoriesに送った。血液学分析では、肝酵素およびブドウ糖化学を優先した。
組織病理学
剖検では、筋肉は、液体窒素で冷却されたメチルブタンで新鮮に凍結し、他のすべての臓器は、採取し、ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。処理後、組織をH&Eで染色し、スライドおよびすべての組織は、獣医病理学者による正式なレビューのためにGEMPath,Incに送った。
統計解析
データは、平均±SEM(エラーバー)として表し、特に指定がない限り、GraphPad Prism 5(GraphPad Software、La Jolla, CA)を使用したテューキーの事後分析試験によって評価された群間の多重比較による一元配置分散分析を使用して分析した。
実施例2
scAAVrh74.tMCK.hSGCAの全身送達の効率
小規模パイロット研究を開始して、1×1012vgの用量(20gのマウスに基づいて5×1013vg/kg、n=4)でsgca-/-マウスの外側尾静脈への静脈内注射による遺伝子送達の有効性を観察した。免疫蛍光分析は、遺伝子移入の4週間後に採取された筋肉で行った。7つの異なる肢骨格筋におけるhSGCA導入遺伝子発現の量:TA、GAS、GLUT、QD、PSOAS、およびTRI、およびDIA。α-SGを欠損したマウスは、蛍光抗体法で分析した場合、タンパク質が完全に欠如していることを示した(図2A;TA、GAS、TRI、およびDIAの代表的な画像)。1×1012vgの総用量の治療用量は、遺伝子送達の4週間後のDIAを含むすべての骨格筋にわたる平均54±23.81%のベクター伝達をもたらした。
sgca-/-マウスに全身的に送達されたscAAVrh74.tMCK.hSGCAの用量漸増試験
最も安全で最も効果的な用量を決定するために、3つの別々の用量のベクターの送達を用量漸増試験で研究し、4週齢のsgca-/-マウスの外側尾静脈をscAAVrh74.tMCK.hSGCAの1×1012vg(5×1013vg/kg)の総用量、3×1012vgの総用量(1×1014vg/kg)、または6×1012vgの総用量(2×1014vg/kg)で処置した。免疫蛍光抗体法を使用して、TA、GAS、QD、GLUT、PSOAS、TRI、DIA、およびHRT筋におけるhSGCA導入遺伝子の発現を評価するために、遺伝子送達の12週間後にマウスを安楽死させた。最低用量の1×1012vgの総用量(5×1013vg/kg)で処置されたマウスにおける平均hSGCA発現は、DIAを含む骨格筋において70.07±3.71%の全体的な発現であった。3×1012vgの総用量(1×1014vg/kg)の中間用量で処置されたマウスの平均hSGCA発現は、すべての骨格筋において85.35±2.36%であった。最高用量の6×1012vgの総用量(2×1014vg/kg)で処置されたマウスの平均hSGCA発現は、すべての骨格筋において93.86±2.02%であった。明確にするために、用量は、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて計算した。HRT筋におけるhSGCAの発現は、用量に依存せず75%のままであった。組織の代表的な画像を図2Aに示す。強力なhSGCA発現は、3つの用量すべてで遺伝子送達の有効性を示す。遺伝子送達は、前肢と後肢の両方の複数の筋肉を標的とし、3つの用量すべてでマウスにおける例外的なα-SG発現を示した。最も重要なことは、横隔膜の重要な筋肉も送達後にα-SG遺伝子の発現を示したことである。図2Bに示されるウエスタンブロットにより、処置されたマウスの3つすべての投薬コホートのすべての筋肉におけるタンパク質発現が確認される。マウスの心筋も処置後にα-SG発現を示した。
α-SGタンパク質を欠くヒトとマウスの両方の組織病理学的特徴には、中心核形成、線維サイズ分布の不規則性、壊死、および線維症が含まれる。H&E染色を使用して、線維サイズおよび中心核形成を含む筋肉の形態を視覚化した(図3)。図3Aおよび3Bに示されるように、野生型対照で観察されたものと同様の線維サイズ分布の正規化が、ビヒクルで処置されたsgca-/-対照と比較して、scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスのTA、QD、およびTRIで観察された。線維の平均直径サイズは、ビヒクルで処置されたsgca-/-対照マウスと比較して、TA、QD、およびTRI筋肉のすべての用量で有意に増加した(表1)。
Figure 2022544627000001
scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスでは、中心核形成の減少も観察された。ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスの骨格筋は、68.72±3.01%の中心に位置する核を有する線維を有した。scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後、すべての筋肉組織にわたる中心核形成の全体的な値は、scAAVrh74.tMCK.hSGCAの最低用量で減少し、中心に位置する核を示す骨格筋線維の55.60±3.25%をもたらした(表2)。
Figure 2022544627000002
中間用量で処置されたマウスは、中心核を有する筋線維の61.85±4.00%を有したが、最高用量で処置された筋線維の核形成は、37.93±12.46%に減少した(図3C)。
組織がコラーゲンによって克服される線維症は、LGMD患者の筋肉でしばしば発生し、瘢痕組織の形成につながる。線維症は、線維症のマーカーとして、コラーゲンIおよびIIIの含有量を検出するためのピクロシリウスレッド染色を使用して評価した。図4に示されるように、scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後、sgca-/-マウスにおいて赤色染色の強い減少が観察された。定量化により、scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置されたsgca-/-マウスにおいて、ビヒクルで処置されたsgca-/-対照マウスと比較して、すべての筋肉にわたるコラーゲン含有量が著しく減少していることが明らかになった(図4B)。一緒に、これらのデータは、筋肉組織での強力な発現およびsgca-/-マウスにおけるα-SGタンパク質の欠如に関連する組織病理学的特質の改善によって示されるように、hSGCA導入遺伝子の全身送達の成功を実証する。
実施例3
scAAVrh74.tMCK.hSGCA rAAVは、横隔膜および前脛骨筋の機能を改善し、運動能力を高める
近位筋の衰弱および機能喪失は、LGMD2Dの主要な症状であり、呼吸不全は、LGMD2Dの主な死因であるため、TAおよびDIAの機能および強度を改善することは、LGMD2Dを有する対照の生活の長さおよび質を高めるために不可欠である。DIAの条片およびTA筋肉の全体を使用して、hSGCAの発現と筋力との相関関係を確認した。図5Aおよび5Bに示されるように、野生型マウスと比較して、sgca-/-未処置のマウスのTAおよびDIA筋肉の比力において、比力および収縮誘発性損傷に対する抵抗性の欠損が認識された。
sgca-/-マウスのTA筋は、野生型マウスと比較して、比力出力の減少において44%の著しい機能障害(それぞれ161.6±8.20mN/mm対291.7±6.17mN/mm;p<0.0001)、ならびに厳密な偏心収縮プロトコルに従って産生された力からのより大きな力の喪失(sgca-/-マウスにおいて44.0±6.0%の喪失、野生型マウスにおいて18.0±1.0%の喪失;p<0.0001)を呈した(図5A)。尾静脈送達の12週間後、出願者は、比力出力において、低、中間、高用量のscAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後の劇的な改善に気づき、これは、それぞれ218±11.94mN/mm、227±11.7mN/mm、および255±11.7mN/mmに増加した。偏心収縮プロトコル後の損傷に対する抵抗性も、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して改善し、低用量、中間用量、および高用量で処置されたマウスは、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して、それぞれ22.0±4.0%、22.0±3.0%、および12.0±1.0%(p<0.0001)のみ喪失した(図5A)。
ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスのDIAでは、生成された比力は、野生型マウスと比較して、強度において41%の減少を示した(131.5±12.07mN/mm対223.8±15.85mN/mm)。3回の投与すべてで、scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後に力の改善が観察され、低用量のマウスにおけるDIAの比力は、179.2±21.03mN/mmに増加し、中間用量のマウスでは201.2±22.94mN/mmに増加し、高用量のマウスでは、261.46±9.73mN/mmに増加した(図65B)。これらのデータは、sgca-/-マウスのTAおよびDIA筋は、力の欠損を有し、野生型マウスよりも消耗が速いことを示す。しかしながら、scAAVrh74.tMCK.hSGCAの送達後、機能回復が達成された。
LGMD2Dの追加の症状には、おそらく筋肉の損傷による運動不耐性ならびに活動および歩行の低下があり、痛みおよび筋肉の疲労を引き起こす。身体活動のレベルを評価するために、sgca-/-および野生型C57BL/6マウスを、以前の報告で使用されたものと同様のオープンフィールド活動プロトコルに供した。マウスの歩行関連活動を監視して、sgca-/-マウスにおけるα-SGの欠如が、野生型マウスと比較して、歩行の減少をもたらすかどうかを決定した。図5Cのグラフは、野生型対照と比較したsgca-/-マウスモデルにおける歩行および垂直立ちの減少を示す。sgca-/-マウスで記録された平均水平歩行光線中断は、2000±159光線中断/時間であり、野生型対照の8911±1193光線中断/時間と比較して、歩行が77.5%減少した。sgca-/-マウスで記録された平均垂直立ち光線中断は、24.75±11.47光線中断/時間であり、野生型マウスの803.3±55.03光線中断/時間と比較して、垂直立ちが97%減少した。scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置後、マウスの歩行および垂直立ち活動は、遺伝子送達の12週間後に増加した。平均水平歩行は、1×1012の総用量で処置されたマウスで3595±55.03光線中断/時間、3×1012vgの総用量で処置されたマウスで5238±861.9光線中断/時間、6×1012vgの総投与量で処置されたマウスで6487±467.9光線中断/時間に増加した。平均垂直立ち活動は、1×1012の総用量で処置されたマウスで377±146.1光線中断/時間、3×1012vgの総用量で処置されたマウスで321±126.1光線中断/時間、6×1012vgの総用量で処置されたマウスで448.8±53.43光線中断/時間に増加した(図5C)。処置されたマウスの身体活動は、ビヒクルで処置されたsgca-/-マウスと比較して、歩行において44%~69%および垂直立ちにおいて92%~94%の改善を示した。さらに、血清クレアチンキナーゼレベルは、未処置のマウスと比較して、すべての処置群で有意に減少した(図5D)。一緒に、これらのデータは、α-SGの送達が身体活動を回復させ、sgca-/-マウスの筋肉の破壊から保護することを示す。
scAAVrh74.tMCK.hSGCAの安全性および生体分布分析
安全対策として、血液化学および血液学の研究を、ベクターを投与されたsgca-/-および野生型マウスで行った。すべての値は、マウスの通常の基準範囲内であった(図6)。さらに、scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与されたsgca-/-および野生型マウスからのH&Eで染色されたすべての筋肉および臓器の組織切片を正式なレビューのために獣医病理学者に送った。scAAVrh74.tMCK.hSGCAを投与されたsgca-/-および野生型マウスのうちのいずれからの試料にも有害作用は認められなかった。有効性に加えて、これらのデータは、scAAVrh74.tMCK.hSGCAの3つの用量すべての全身送達が、忍容性が高く、安全で、sgca-/-および野生型マウスに対して無毒であることを実証した。
scAAVrh74.tMCK.hSGCAの送達による潜在的な毒性または安全性に対する懸念を試験するために、ベクター生体分布定量PCRを行って、ベクターゲノムの存在を定量化した(図7A)。ベクター特異的tMCK.hSGCAプライマープローブセットを使用して、scAAVrh74.tMCK/hSGCAを投与されたsgca-/-マウスから試験されたすべての筋肉および臓器のベクターゲノムを検出した。予想通り、ベクターゲノムは、試験した組織に存在し、肝臓で最も高いコピー数を示し、次に筋肉であった。ビヒクル(sgca-/-LR)またはscAArh74.tMCK.hSGCAのいずれかで処置されたWTおよびsgca-/-マウスの肝臓におけるアルファ-サルコグリカンタンパク質のウエスタンブロットを図7Bに示す。
α-SG発現の効率を改善するために、一実施形態では、hSGCA cDNA配列を自己相補的ベクターにパッケージ化する。自己相補的AAVベクターには、dsDNAの形成を促進する逆位反復ゲノムが含有されるため、これらのプロセスを促進するために複数のベクターゲノムを必要とせずに複製および転写を可能にする。このように、自己相補的ベクターの使用は、導入遺伝子のより迅速な発現を可能にする律速段階を排除する。出願者は、LGMD2D患者におけるscAAVrh74.tMCK.hSGCAの血管内送達が、1×1012および3×1012の用量での遺伝子移入の180日後のα-SG発現の増加と関連していることを示している。
scAAVrh74.tMCK.hSGCAの静脈内送達は、ビヒクルで処置された対照と比較して、3つのベクターで処置されたコホートすべてにおいて、強度、ならびに前脛骨筋および横隔膜筋の収縮誘発性損傷に対すると抵抗性の増加を筋肉に提供する。加えて、scAAVrh74.tMCK.hSGCAによる処置は、CKの有意な減少をもたらした。さらに、scAAVrh74.tMCK.hSGCAで処置した後、マウスは、ビヒクルで処置されたマウスよりも頻繁に歩行し、後肢で立つことができた。
中心に位置する核、線維サイズの広い変動、炎症、壊死、および線維症を含む顕著な組織病理学は、典型的には、LGMD2D患者の筋生検を通して観察される。hSGCA送達後、マウスは、CNの減少、筋線維サイズのより均一な分布、およびコラーゲン含有量の減少を有し、筋肉は、ビヒクルで処置されたマウスと比較して、全体的に健康な外観を有した。組織病理学および瘢痕組織の全体的な減少は、ベクターで処置されたマウスの筋肉の全体的な正常な機能および生理学の改善と付随して関連していた。
最後に、定量PCR、血清化学分析、および組織病理学を通じて実施された安全性研究では、毒性の兆候は確認されなかった。tMCKプロモーターは、標的組織(すべて筋肉)でのみ検出され、肝臓を除く他の(非筋肉)臓器には存在しなかった。肝臓でのtMCKの検出は、それが、クリアランス器官であるため、珍しいことでも懸念事項でもない。認定獣医病理学者によるすべての組織(肝臓を含む)の組織病理学的レビューは、scAAVrh74.tMCK.hSGCAの全身送達がすべての組織で安全であるということだけでなく、遺伝子送達がビヒクルで処置されたsgca-/-マウスの骨格筋に見られるジストロフィー病理の量を劇的に減少させると結論付けた。ベクターで処置されたマウスの血液試料で行った化学も、毒性の欠如を裏付ける。
本開示のように、用量漸増試験は、ここで全身的に試験された最低用量、すなわち合計1×1012vg(5×1013vg/kg)が、α-SGタンパク質の喪失に関連する徴候および症状を減少させるのに十分であることを裏付ける前臨床データを提供する。試験された最低用量で、強度および運動行動(歩行および後ろ脚で立つこと)の増加によって実証されるように、すべての筋肉の機能的改善が、ベクターで処置されたマウスで観察された。安全性試験では、合計6×1012vg(2×1014vg/kg)の最高送達用量でも、毒性の兆候は見られない。
実施例4
高齢患者および持続性
rAAVrh74.tMCK.hSGCAを介する遺伝子置換は、LGMD-2Dおよび他の関連疾患の治療において肯定的な結果を示している。この研究は、rAAVrh74.tMCK.hSGCAが、より重大な影響を受けた古い筋肉を治療する能力を試験し、AAVウイルスベクターの長期間持続性を決定するように設計された。
すべての手順は、Research Institute at the Nationwide Children’s Hospital Institutional Animal Care and Use Committeeによる承認に従って実施した。マウスを標準化された条件下で12:12時間の明暗サイクルで維持し、餌および水を自由に与えた。最初に、rAAVrh74.tMCK.hSGCAを、3回の用量(1.0×1012、3.0×1012、および6.0×1012vg)で重度の筋肉組織病理を呈する12ヶ月齢のsgca-/-マウス(n=5)に尾静脈注射によって全身投与した。対照には、乳酸リンガー溶液(LRS)を注射されたsgca-/-マウス(n=5)およびLRSを注射されたBL6野生型マウス(n=4)が含まれた。処置後6ヶ月のエンドポイントで、処置されたマウスからの筋肉を、SCGAタンパク質発現、組織学的救済、および機能改善について評価した。3つの用量すべてで、対照と比較して、筋鞘でのα-SGの強力なタンパク質発現、組織病理の改善、自発運動および比力の生成の増加、偏心力の喪失に対する保護、ならびに血清CKの減少が示された。ベクター毒性は、検出されなかった。老齢のマウスでは、処置により、分析された筋肉での広範囲にわたる高レベルのタンパク質発現、線維症の軽減、および前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性の増加がもたらされた。
特に、12ヶ月齢のsgca-/-マウスにrAAVrh74.tMCK.hSGCAをIV投与すると、横隔膜および心臓を含む、下肢、上肢、および胴体近位部の筋肉全体に高レベルのタンパク質発現が広まった(図8)。
scAAVrh74.tMCK.hSGCAの投与後、筋病変の全体的な改善(図9a)および中心核形成の減少が観察された。加えて、平均線維サイズは、投与後、腓腹筋(GAS)および上腕三頭筋(TRI)におけるWTの線維のレベルと同様のレベルに増加した(図9b)。
コラーゲン沈着のレベルは、線維症の尺度として定量化した。scAAVrh74.tMCK.hSGCAの投与は、未処置の対照と比較して、線維症のレベルの減少をもたらした(図9c)。scAAVrh74.tMCK.hSGCAの投与後の機能改善は、前脛骨筋(TA)および横隔膜(DIA)筋の力出力(比力)の改善、およびTA筋における収縮誘発性損傷に対する抵抗性の増加によって証明された(図10)。
遺伝子治療の長期的な持続性をさらに調査するために、4週齢のsgca-/-マウスにrAAVrh74.tMCK.hSGCAを全身投与する。処置後24ヶ月以上、ベクターゲノムのコピー数を、試験されたすべての形質導入された筋肉(TA、TRI、DIA、GLUT、PSOAS、GAS、およびQUAD)にわたってqPCRにより検出する。タンパク質の発現および局在を、処置された筋肉の免疫蛍光染色によって研究する。
本開示は特定の実施形態といった点で記載された一方、その変更および修正が生じることが当業者に理解されるだろう。したがって、特許請求の範囲内に見られるようなこのような制限のみが本開示に課せられるべきである。
本出願で参照されるすべての文書は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
配列番号1
SGCA cDNAコドン最適化配列:
ATGGCCGAGACACTGTTCTGGACTCCTCTGCTGGTGGTGCTGCTGGCTGGACTGGGAGATACCGAGGCTCAGCAGACCACACTGCACCCACTGGTGGGCCGGGTGTTCGTGCACACCCTGGACCATGAGACATTTCTGAGTCTGCCAGAACACGTGGCTGTGCCACCTGCTGTGCATATCACTTACCACGCCCATCTGCAGGGCCATCCTGATCTGCCACGGTGGCTGAGATACACCCAGAGATCACCCCACCATCCTGGATTCCTGTATGGAAGCGCTACCCCAGAGGACAGGGGACTGCAGGTGATCGAAGTGACAGCTTACAACCGCGACAGTTTTGATACTACCAGGCAGCGCCTGGTGCTGGAGATTGGGGATCCAGAAGGACCCCTGCTGCCTTATCAGGCCGAGTTCCTGGTGCGGTCACACGACGCTGAGGAAGTGCTGCCATCAACACCCGCCAGCAGATTTCTGTCCGCTCTGGGAGGACTGTGGGAGCCAGGAGAACTGCAGCTGCTGAATGTGACTAGCGCTCTGGATAGGGGAGGAAGGGTGCCACTGCCAATCGAGGGAAGGAAGGAAGGGGTGTACATTAAAGTGGGAAGCGCTTCCCCATTCTCCACCTGCCTGAAGATGGTGGCTTCTCCTGATAGTCACGCTAGGTGCGCTCAGGGACAGCCACCACTGCTGTCCTGTTATGACACACTGGCCCCCCATTTTCGCGTGGACTGGTGCAACGTGACTCTGGTGGATAAATCTGTGCCTGAGCCAGCTGACGAAGTGCCAACCCCTGGAGACGGAATCCTGGAGCACGATCCTTTCTTTTGTCCTCCAACAGAAGCCCCAGACAGGGATTTCCTGGTGGACGCTCTGGTGACTCTGCTGGTGCCTCTGCTGGTGGCTCTGCTGCTGACCCTGCTGCTGGCTTATGTGATGTGCTGTCGGAGAGAGGGACGGCTGAAGAGAGACCTGGCCACATCTGATATCCAGATGGTGCACCATTGTACTATTCACGGCAACACCGAGGAACTGCGCCAGATGGCTGCTTCTAGGGAGGTGCCAAGGCCACTGAGTACACTGCCTATGTTTAATGTGCACACTGGCGAACGGCTGCCCCCTAGAGTGGATAGCGCCCAGGTGCCACTGATTCTGGACCAGCATTGA
配列番号2
ヒトSGCAタンパク質配列:
MAETLFWTPLLVVLLAGLGDTEAQQTTLHPLVGRVFVHTLDHETFLSLPEHVAVPPAVHITYHAHLQGHPDLPRWLRYTQRSPHHPGFLYGSATPEDRGLQVIEVTAYNRDSFDTTRQRLVLEIGDPEGPLLPYQAEFLVRSHDAEEVLPSTPASRFLSALGGLWEPGELQLLNVTSALDRGGRVPLPIEGRKEGVYIKVGSASPFSTCLKMVASPDSHARCAQGQPPLLSCYDTLAPHFRVDWCNVTLVDKSVPEPADEVPTPGDGILEHDPFFCPPTEAPDRDFLVDALVTLLVPLLVALLLTLLLAYVMCCRREGRLKRDLATSDIQMVHHCTIHGNTEELRQMAASREVPRPLSTLPMFNVHTGERLPPRVDSAQVPLILDQH*
配列番号3
tMCKプロモーター配列:
CCACTACGGGTCTAGGCTGCCCATGTAAGGAGGCAAGGCCTGGGGACACCCGAGATGCCTGGTTATAATTAACCCCAACACCTGCTGCCCCCCCCCCCCCAACACCTGCTGCCTGAGCCTGAGCGGTTACCCCACCCCGGTGCCTGGGTCTTAGGCTCTGTACACCATGGAGGAGAAGCTCGCTCTAAAAATAACCCTGTCCCTGGTGGATCCACTACGGGTCTATGCTGCCCATGTAAGGAGGCAAGGCCTGGGGACACCCGAGATGCCTGGTTATAATTAACCCCAACACCTGCTGCCCCCCCCCCCCCAACACCTGCTGCCTGAGCCTGAGCGGTTACCCCACCCCGGTGCCTGGGTCTTAGGCTCTGTACACCATGGAGGAGAAGCTCGCTCTAAAAATAACCCTGTCCCTGGTGGACCACTACGGGTCTAGGCTGCCCATGTAAGGAGGCAAGGCCTGGGGACACCCGAGATGCCTGGTTATAATTAACCCCAACACCTGCTGCCCCCCCCCCCCAACACCTGCTGCCTGAGCCTGAGCGGTTACCCCACCCCGGTGCCTGGGTCTTAGGCTCTGTACACCATGGAGGAGAAGCTCGCTCTAAAAATAACCCTGTCCCTGGTCCTCCCTGGGGACAGCCCCTCCTGGCTAGTCACACCCTGTAGGCTCCTCTATATAACCCAGGGGCACAGGGGCTGCCCCCGGGTCAC
配列番号4
AAVrh74-tMCK-SGCA:
Figure 2022544627000003
Figure 2022544627000004
Figure 2022544627000005
配列番号5
5’ITR
Figure 2022544627000006
配列番号6
3’ITR
Figure 2022544627000007
配列番号7
ポリA
GGCCGCAAT AAAAGATCTT TATTTTCATT AGATCTGTGT GTTGGTTTTT TGTG
配列番号8
Figure 2022544627000008
Figure 2022544627000009
Figure 2022544627000010

Claims (126)

  1. 組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記rAAVが、全身投与経路を使用して、定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量で投与される、方法。
  2. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、または約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、または約2×1014vg/kgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGAを投与するステップを含む、筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記rAAVが、全身投与経路を使用して投与され、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kg~約7.41×1013vg/kgの用量で投与される、方法。
  6. 前記対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記rAAVの投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記rAAVの投与後に増加し、前記対象における血清CKレベルが、前記rAAVの投与前の血清CKレベルと比較して、前記rAAVの投与後に減少し、自発運動および比力の生成が、増加し、線維症が、軽減し、前脛骨筋の収縮誘発性損傷に対する抵抗性が、増加し、かつ/または、前記対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数が、前記rAAVの投与前の前記アルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、前記rAAVの投与後に増加する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記全身投与経路が、静脈内経路である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記rAAVが、注射、注入または移植によって投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記rAAVが、注入によって投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記rAAVが、末梢四肢静脈を介する静脈内経路によって投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記rAAVが、配列番号1に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記rAAVが、配列番号1のヌクレオチド配列を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記rAAVが、配列番号2に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記rAAVが、配列番号2に示されるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記rAAVが、配列番号4に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記rAAVが、前記配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記rAAVが、tMCKプロモーターを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記tMCKプロモーターが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記rAAVが、配列番号5の5’逆位末端反復配列を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記rAAVが、配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記rAAVが、配列番号7のポリA配列を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記rAAVが、血清型AAVrh.74のものである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象が、肢帯型筋ジストロフィーに罹患しており、前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量で静脈内注入によって投与され、前記rAAVが、前記配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記対象の細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記rAAVの投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記rAAVの投与後に増加する、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 線維症が、前記rAAVの投与前と比較して、前記rAAVの投与後の前記対象において軽減する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記対象における前記線維症、中心核形成、前記CKレベル、および/またはコラーゲン沈着が、前記rAAVの投与前と比較して、前記rAAVの投与後に減少する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記対象の前記筋肉における比力、線維直径サイズ、および/または偏心収縮が、前記rAAVの投与前と比較して、前記rAAVの投与後に増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現が、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項26に記載の方法。
  31. 配列番号4のヌクレオチド配列を含む前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物を対象に投与することを含む、細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現する、方法。
  32. 前記対象の前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって前記対象において測定される、請求項31に記載の方法。
  35. 血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行う方法であって、前記方法が、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を前記対象に投与することを含む、方法。
  36. 対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させる方法であって、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を前記対象に投与することを含む、方法。
  37. アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行う方法であって、有効量の配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を前記対象に投与することを含む、方法。
  38. 筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための組成物であって、前記組成物が、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGAを、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vgの用量で含み、前記組成物が、全身投与経路用に製剤化される、組成物。
  39. 筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための組成物であって、前記組成物が、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGAを、前記定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/の用量で含み、前記組成物が、全身投与経路用に製剤化される、組成物。
  40. 組成物は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)を含み、前記rAAVが、配列番号4に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む。
  41. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量にある、請求項38または40に記載の組成物。
  42. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、または約2×1014vg/kgの用量にある、請求項38または40に記載の組成物。
  43. 前記対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記組成物の投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記組成物の投与後に増加するか、または前記組成対象における血清CKレベルが、前記組成物の投与前の血清CKレベルと比較して、前記組成物の投与後に減少するか、または前記対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数が、前記組成物の投与前の前記アルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、前記組成物の投与後に増加する、請求項38~42のいずれか一項に記載の組成物。
  44. 前記全身投与経路が、静脈内経路である、請求項38~43のいずれか一項に記載の組成物。
  45. 前記組成物が、注射、注入、または移植によって投与される、請求項38~44のいずれか一項に記載の組成物。
  46. 前記組成物が、注入による投与用に製剤化される、請求項38~45のいずれか一項に記載の組成物。
  47. 前記組成物が、末梢四肢静脈を介する静脈内経路による投与用に製剤化される、請求項38~46のいずれか一項に記載の組成物。
  48. 前記rAAVが、配列番号1に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項38~47のいずれか一項に記載の組成物。
  49. 前記rAAVが、配列番号1のヌクレオチド配列を含む、請求項48に記載の組成物。
  50. 前記rAAVが、配列番号2に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項38~49のいずれか一項に記載の組成物。
  51. 前記rAAVが、配列番号2に示されるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項38~49のいずれか一項に記載の組成物。
  52. 前記rAAVが、配列番号4に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項38~49のいずれか一項に記載の組成物。
  53. 前記rAAVが、配列番号4の前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項52に記載の組成物。
  54. 前記rAAVが、tMCKプロモーターを含む、請求項38~53のいずれか一項に記載の組成物。
  55. 前記tMCKプロモーターが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項54に記載の組成物。
  56. 前記rAAVが、配列番号5の5’逆位末端反復配列を含む、請求項38~55のいずれか一項に記載の組成物。
  57. 前記rAAVが、配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む、請求項38~56のいずれか一項に記載の組成物。
  58. 前記rAAVが、配列番号7のポリA配列を含む、請求項38~57のいずれか一項に記載の組成物。
  59. 前記rAAVが、血清型AAVrh.74のものである、請求項38~58のいずれか一項に記載の組成物。
  60. 前記筋ジストロフィーが、肢帯筋ジストロフィーである、請求項38~59のいずれか一項に記載の組成物。
  61. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)である、請求項38~60のいずれか一項に記載の組成物。
  62. 前記対象が、肢帯型筋ジストロフィーに罹患しており、前記組成物が、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量での静脈内注入による投与用に製剤化され、前記rAAVが、配列番号4の前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項38~61のいずれか一項に記載の組成物。
  63. 前記対象の細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記組成物の投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記組成物の投与後に増加する、請求項38~62のいずれか一項に記載の組成物。
  64. 線維症が、前記組成物の投与前と比較して、前記組成物の投与後の前記対象において軽減する、請求項38~63のいずれか一項に記載の組成物。
  65. 前記対象における線維症、中心核形成、前記CKレベル、および/またはコラーゲン沈着が、前記組成物の投与前と比較して、前記組成物の投与後に減少する、請求項38~63のいずれか一項に記載の組成物。
  66. 前記対象の前記筋肉における比力、線維直径サイズ、および/または偏心収縮が、前記組成物の投与前と比較して、前記組成物の投与後に増加する、請求項38~65のいずれか一項に記載の組成物。
  67. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現が、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項63に記載の組成物。
  68. 細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現するための組成物であって、前記組成物が、配列番号4の前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、組成物。
  69. 前記対象の前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項68に記載の組成物。
  70. 前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項68に記載の組成物。
  71. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって前記対象において測定される、請求項68に記載の組成物。
  72. 血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための組成物であって、前記配列番号4のヌクレオチド配列を含む前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物を含む、組成物。
  73. 前記配列番号4のヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物を含む、対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための、組成物。
  74. 配列番号4のヌクレオチド配列を含むscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物を含む、アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための、組成物。
  75. 筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のための組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGA Aの使用であって、前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約5.0×1015vg/kgの用量にあり、前記医薬が、全身投与経路用に製剤化される、使用。
  76. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.0×1012vg/kg~約2.0×1015vg/kg、約5×1012vg/kg~約1.0×1015vg/kg、約1.0×1013vg/kg~約5.0×1014vg/kg、約2.0×1013vg/kg~約3.0×1014vg/kg、または約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量にある、請求項75に記載の使用。
  77. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量にある、請求項75に記載の使用。
  78. 前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg、約1×1014vg/kg、または約2×1014vg/kgの用量にある、請求項75に記載の使用。
  79. 筋ジストロフィーの治療を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のための組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)AAVrh74.tMCK.hSCGA Aの使用であって、前記rAAVが、前記定量標準としての線形化されたDNAまたはプラスミドに基づいて、約1.85×1013vg/kgまたは7.41×1013vg/kgの用量にあり、前記医薬が、全身投与経路用に製剤化される、使用。
  80. 前記対象の細胞におけるアルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記医薬の投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記医薬の投与後に増加するか、または前記対象における血清CKレベルが、前記医薬の投与前の血清CKレベルと比較して、前記医薬の投与後に減少するか、または前記対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維の数が、前記医薬の投与前の前記アルファ-サルコグリカン陽性線維の数と比較して、rAAVの投与後に増加する、請求項75~79のいずれか一項に記載の使用。
  81. 前記全身投与経路が、静脈内経路である、請求項75~80のいずれか一項に記載の使用。
  82. 前記医薬が、注射、注入、または移植による投与用に製剤化される、請求項75~81のいずれか一項に記載の使用。
  83. 前記医薬が、注入による投与用に製剤化される、請求項75~82のいずれか一項に記載の使用。
  84. 前記医薬が、末梢四肢静脈を介する静脈内経路による投与用に製剤化される、請求項75~83のいずれか一項に記載の使用。
  85. 前記rAAVが、配列番号1に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、請求項75~84のいずれか一項に記載の使用。
  86. 前記rAAVが、配列番号1のヌクレオチド配列を含む、請求項85に記載の使用。
  87. 前記rAAVが、配列番号2に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項75~86のいずれか一項に記載の使用。
  88. 前記rAAVが、配列番号2に示されるポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項75~86のいずれか一項に記載の使用。
  89. 前記rAAVが、配列番号4に対する少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項75~86のいずれか一項に記載の使用。
  90. 前記rAAVが、配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項89に記載の使用。
  91. 前記rAAVが、tMCKプロモーターを含む、請求項75~90のいずれか一項に記載の使用。
  92. 前記tMCKプロモーターが、配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項91に記載の使用。
  93. 前記rAAVが、配列番号5の5’逆位末端反復配列を含む、請求項75~92のいずれか一項に記載の使用。
  94. 前記rAAVが、配列番号6の3’逆位末端反復配列を含む、請求項75~93のいずれか一項に記載の使用。
  95. 前記rAAVが、配列番号7ポリA配列を含む、請求項73~94のいずれか一項に記載の使用。
  96. 前記rAAVが、血清型AAVrh.74のものである、請求項73~95のいずれか一項に記載の使用。
  97. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィーである、請求項73~96のいずれか一項に記載の使用。
  98. 前記筋ジストロフィーが、肢帯型筋ジストロフィー2D型(LGMD2D)である、請求項73~97のいずれか一項に記載の使用。
  99. 前記対象が、肢帯型筋ジストロフィーに罹患しており、前記医薬が、静脈内注入用に製剤化され、前記rAAVが、前記定量標準としての超らせんDNAまたはプラスミドに基づいて、約5×1013vg/kg~約2×1014vg/kgの用量にあり、前記rAAVが、前記配列番号4のscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物ヌクレオチド配列を含む、請求項73~98のいずれか一項に記載の使用。
  100. 前記対象の細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルが、前記医薬の投与前の前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現のレベルと比較して、前記医薬の投与後に増加する、請求項73~99のいずれか一項に記載の使用。
  101. 線維症が、前記医薬の投与前と比較して、前記医薬の投与後の前記対象において軽減する、請求項73~100のいずれか一項に記載の使用。
  102. 前記対象における線維症、中心核形成、CKレベル、および/またはコラーゲン沈着が、前記医薬の投与前の前記線維症と比較して、前記医薬の投与後に減少する、請求項73~100のいずれか一項に記載の使用。
  103. 前記対象の前記筋肉における比力、線維直径サイズ、および/または偏心収縮が、前記医薬の投与前と比較して、前記医薬の投与後に増加する、請求項72~102のいずれか一項に記載の使用。
  104. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子発現が、ウエスタンブロットおよび/または免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項100に記載の使用。
  105. 細胞においてアルファ-サルコグリカン遺伝子を発現するための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用であって、前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物が、配列番号4のヌクレオチド配列を含む、使用。
  106. 前記対象の前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検におけるウエスタンブロットでアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項105に記載の使用。
  107. 前記細胞における前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、筋生検における免疫組織化学によってアルファ-サルコグリカンタンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項105に記載の使用。
  108. 前記アルファ-サルコグリカン遺伝子の発現が、ゲノムDNAの1マイクログラム当たりのベクターゲノムの数を検出することによって前記対象において測定される、請求項105に記載の使用。
  109. 血清CKレベルの減少を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用であって、前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物が、配列番号4のヌクレオチド配列を含む、使用。
  110. 対象の筋肉組織におけるアルファ-サルコグリカン陽性線維を増加させるための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用であって、前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物が、配列番号4のヌクレオチド配列を含む、使用。
  111. アルファ-サルコグリカンの発現の増加を必要とする対象においてそれを行うための医薬の調製のためのscAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物の使用であって、前記scAAVrh74.tMCK.hSGCA構築物が、配列番号4のヌクレオチド配列を含む、使用。
  112. 前記対象が、4~15歳であるヒト対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  113. 前記対象が、小児対象、青年対象、または若年成人対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  114. 前記対象が、4~15歳であり、両方の対立遺伝子において確認されたアルファ-サルコグリカン(SGCA)変異を有し、AAVrh74抗体に対して陰性であり、かつ/または40%超もしくは通常の100メートルの歩行試験を有した、ヒト対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  115. 前記対象が、中年成人または高齢対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  116. 前記対象が、25~55歳であるヒト対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  117. 前記対象が、50歳以上であるヒト対象である、請求項1~111のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  118. AAVベクタープラスミドを宿主細胞に移入することを含む、請求項1~117のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用において投与された前記rAAVを生成する方法であって、前記AAVベクタープラスミドが、配列番号8に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む、方法。
  119. 前記AAVベクタープラスミドが、配列番号8のヌクレオチド配列を含む、請求項118に記載の方法。
  120. 前記ベクタープラスミドが、配列番号1、4、または8に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含む、請求項118または119に記載の方法。
  121. 前記ベクタープラスミドが、配列番号1、4、または8のヌクレオチド配列を含む、請求項118または119に記載の方法。
  122. パッケージングプラスミドおよび/またはヘルパーウイルスを前記宿主細胞に移入することをさらに含む、請求項118~121のいずれか一項に記載の方法。
  123. パッケージング細胞が、安定に組み込まれたAAVcap遺伝子を含む、請求項118~122のいずれか一項に記載の方法。
  124. 前記パッケージング細胞が、安定に組み込まれたAAVrep遺伝子を含む、請求項118~123のいずれか一項に記載の方法。
  125. 配列番号1、4、または8に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を含むAAVベクタープラスミドを含む、宿主細胞。
  126. 前記AAVベクタープラスミドが、配列番号1、4、または8のヌクレオチド配列を含む、請求項125に記載の宿主細胞。
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