JP2022544516A - キナーゼ阻害剤としてのヘテロ環化合物 - Google Patents
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Abstract
CDK4もしくはCDK6または他のCDK阻害剤としてのヘテロ環化合物が提供される。前記化合物は、疾患の治療のための治療剤として利用され、特定の腫瘍学に利用されうる。【選択図】なし
Description
関連出願への相互参照
本出願は、2019年8月14日に提出の米国仮出願第62/886,792号(この内容が参照により全体において本明細書に取り込まれる)に対する優先権を主張する。
本出願は、2019年8月14日に提出の米国仮出願第62/886,792号(この内容が参照により全体において本明細書に取り込まれる)に対する優先権を主張する。
技術分野
本開示は、一般に、細胞周期の制御に不可欠な役割を果たす治療剤、より具体的には、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害する化合物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬的に許容される組成物およびこれらの経路に関連する疾患の治療において前記組成物を使用する方法を提供する。
本開示は、一般に、細胞周期の制御に不可欠な役割を果たす治療剤、より具体的には、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害する化合物に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬的に許容される組成物およびこれらの経路に関連する疾患の治療において前記組成物を使用する方法を提供する。
細胞周期は、細胞の連続分裂中の期間である。この期間中に、細胞の内容物は正確に複製される必要がある。細胞の分裂を可能にする過程は、タンパク質キナーゼが引き金となるタンパク質のリン酸化が主な役割を担う多くの酵素反応によって非常に精密に制御されている。真核生物では、細胞周期の4つの主な段階/工程、すなわち、Gap-1(G1)期、合成(S)期、Gap-2(G2)、および有糸分裂(MM)期が存在する。Gap-1期が延長した段階は、Gap-0(G0)期または静止期として作り出される(Cancers 2014, 6, 2224-2242)。
異常な細胞増殖は、癌および他の増殖性疾患の顕著な特徴であり、それゆえ、異常な細胞周期調節はこれらの疾患で共通する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期および転写に関連するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼのヘテロ二量体ファミリーを構成する。それらには、2つの主なグループ:細胞周期CDKおよび転写CDKが含まれる。CDKの機能性は、それらのパートナーとヘテロ二量体複合体を形成するサイクリンと呼ばれる調節タンパク質との特異的な相互作用によるものである。これらの複合体は、細胞プロセス、特に、細胞周期の進行において重要な調節因子である。
ヒトプロテオームは、29個のサイクリンとともに20個のCDKを含む。CDK1、CDK2、CDK4、およびCDK6は、一般に、細胞周期CDKと考えられ、一方でCDK7、CDK8、CDK9、およびCDK11は、主に転写調節に関連する(Genome Biol 2014;15(6):122, Nat Cell Biol 2009;11(11):1275-6)。CDK5は、異型CDKの前駆型であり、非サイクリンタンパク質p35(またはCdk5R1)およびp39(またはCdk5R2)によって活性化され、神経生物学、血管形成、および細胞分化において独特の有糸分裂後の機能を有する。増殖シグナルは、構造上関連するCDK4およびCDK6の活性化により、G0またはG1期からS期への移行を誘導する[Development, 2013;140 (15):3079-93, Biochem Pharmacol 2012;84(8):985-93, Nature 2014;510(7505):393-6]。サイクリンDのCDK4およびCDK6への結合は、転写リプレッサーの網膜芽細胞腫タンパク質(RB1)のリン酸化を促進する。
CDKの過剰活性は、癌において頻繁に見られ、このことは、細胞周期および転写調節におけるそれらの顕著な役割を反映している。癌細胞では、細胞分裂過程が制御不能となっており、これにより腫瘍の発生を生じる異常な増殖となる。CDK4/6の増幅および過剰活性またはそれらのゲノム不安定性を含む多くのメカニズムが悪性細胞における細胞周期の異常調節の原因となり、CDK4/6を細胞複製の癌促進因子としうる。これらのメカニズムを侵略すると、癌細胞は、G1からS期への移行を引き起こすことによって複製し続けることができる。このプロセスは、G1期の短縮によって促進されるようである。癌細胞では、CDK4/6は、細胞老化およびアポトーシスを含む内在的な腫瘍抑制メカニズムに拮抗し、腫瘍の増殖をさらに増大する。癌細胞はまた、他のCDKおよびサイクリンを上方調節し、内在性のCDK阻害剤および腫瘍サプレッサータンパク質などの抑制メカニズムを低下させる。このタイプの細胞周期の異常調節の全体的な効果は、悪性細胞増殖および癌の進行である(Clinical Breast Cancer, 2016, 1526-8209)。
いくつかのCDK阻害剤が報告され(例えば、WO2011101409およびWO2011101417)、または臨床開発されている。フラボピリドールおよびR-ロスコビチン(セリシクリブ)は、CDK9介在抗アポトーシスタンパク質(特に、Mcl-1)の下方調節による抗腫瘍活性を有するpan-CDK阻害剤の第1世代であった。最近、新しい世代のCDK阻害剤が開発され、臨床試験に進み、特定の癌タイプを対象として承認された。CDK1、CDK2、CDK5、およびCDK9の選択的阻害剤であるディナシクリブは、難治性慢性リンパ性白血病に対するものであるが、パルボシクリブは、CDK4およびCDK6の選択的阻害剤として、進行性エストロゲン受容体(ER)陽性乳癌に対して試験された。特異的なCDK4/6阻害剤を含むより選択的な第2および第3世代のCDK阻害剤の開発は、癌治療においてサイクリンD1-CDK4/6軸をコントロールすることに対する新たな関心を生じた。現在、3つのFDA承認のCDK4/6阻害剤:パルボシクリブ、リボシクリブ、およびアベマシクリブが存在する。
それゆえ、CDKを一般的に標的とするか、またはCDK4およびCDK6の二重阻害を特異的に標的とする治療剤を用いる増殖性疾患の治療のための単剤治療を含む治療法の開発は、潜在的に高く切望されている。
新たなCDK4/6阻害剤の必要性がまだ存在している。過剰増殖性疾患の治療のための化合物は、選択性、有効性、安定性、薬力学的特性、および安全性プロファイルから選択される少なくとも1つの有益な特性を有することが望ましい。これに関して、CDK4/6阻害剤の新規クラスが本明細書で提供される。
別の態様において、治療を必要とする個体における癌を治療するための方法であって、治療上有効量の本明細書に記載の化合物、例えば、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)のいずれか1つの化合物またはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。個体におけるCDK4/6を調節するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記個体に投与することを含む方法もまた提供される。個体におけるCDK4/6、ならびにCDK1、CDK2およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を調節するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記個体に投与することを含む方法もまた提供される。細胞におけるCDK4/6を阻害するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記細胞に投与することを含む方法もまた提供される。細胞におけるCDK4/6、ならびにCDK1、CDK2およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を調節するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記細胞に投与することを含む方法もまた提供される。本明細書に記載の方法のある実態態様において、前記方法は、本明細書に記載の化合物またはその塩を単剤療法として投与することを含む。
別の態様において、本明細書に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物が提供される。本明細書に記載の化合物またはその塩を含むキットもまた提供される。キットは、必要に応じて、使用のための指示書、例えば、本明細書に記載の方法のいずれか、例えば、癌の治療における使用のための指示書を含んでいてもよい。本明細書に記載される化合物またはその塩もまた、癌の治療剤の製造のために提供される。
(発明の詳細な説明)
定義
「アルキル」は、表示される炭素原子数(すなわち、C1-C10は、1~10個の炭素を意味する)を有する飽和直鎖または分岐鎖一価炭化水素構造およびこれらの組み合わせを意味し、含む。具体的なアルキル基は、1~20個の炭素原子を有するもの(「C1-C20アルキル」)である。より具体的なアルキル基は、1~8個の炭素原子(「C1-C8アルキル」)、3~8個の炭素原子(「C3-C8アルキル」)、1~6個の炭素原子(「C1-C6アルキル」)、1~5個の炭素原子(「C1-C5アルキル」)、または1~4個の炭素原子(「C1-C4アルキル」)を有するものである。アルキルの例として、以下に限定されないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、これらの類似体および異性体、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの基が含まれる。
定義
「アルキル」は、表示される炭素原子数(すなわち、C1-C10は、1~10個の炭素を意味する)を有する飽和直鎖または分岐鎖一価炭化水素構造およびこれらの組み合わせを意味し、含む。具体的なアルキル基は、1~20個の炭素原子を有するもの(「C1-C20アルキル」)である。より具体的なアルキル基は、1~8個の炭素原子(「C1-C8アルキル」)、3~8個の炭素原子(「C3-C8アルキル」)、1~6個の炭素原子(「C1-C6アルキル」)、1~5個の炭素原子(「C1-C5アルキル」)、または1~4個の炭素原子(「C1-C4アルキル」)を有するものである。アルキルの例として、以下に限定されないが、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、これらの類似体および異性体、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの基が含まれる。
本明細書で用いられる「アルケニル」は、オレフィン不飽和の少なくとも1個の部位を有し(すなわち、少なくとも1つの式C=C部分を有する)、表示される炭素原子数(すなわち、C2-C10は、2~10個の炭素原子を意味する)を有する不飽和直状または分岐状一価炭化水素鎖またはこれらの組み合わせを意味する。アルケニル基は、「シス」または「トランス」立体配置、あるいは「E」または「Z」立体配置であってもよい。具体的なアルケニル基は、2~20個の炭素原子(「C2-C20アルケニル」)、2~8個の炭素原子(「C2-C8アルケニル」)、2~6個の炭素原子(「C2-C6アルケニル」)、または2~4個の炭素原子(「C2-C4アルケニル」)を有するものである。アルケニルの例として、以下に限定されないが、例えば、エテニル(またはビニル)、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル(またはアリル)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエニル、これらの類似体および異性体などの基が含まれる。
本明細書で用いられる「アルキレン」は、アルキルと同一の基であるが、二価である基を意味する。具体的なアルキレン基は、1~6個の炭素原子(「C1-C6アルキレン」)、1~5個の炭素原子(「C1-C5アルキレン」)、1~4個の炭素原子(「C1-C4アルキレン」)、または1~3個の炭素原子(「C1-C3アルキレン」)を有するものである。アルキレンの例として、以下に限定されないが、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)などの基が含まれる。
本明細書で用いられる「アルキニル」は、アセチレン不飽和の少なくとも1個の部位を有し(すなわち、少なくとも1つの式C≡C部分を有する)、表示される炭素原子数(すなわち、C2-C10は、2~10個の炭素原子を意味する)を有する不飽和直状または分岐状一価炭化水素鎖またはこれらの組み合わせを意味する。具体的なアルキニル基は、2~20個の炭素原子(「C2-C20アルキニル」)、2~8個の炭素原子(「C2-C8アルキニル」)、2~6個の炭素原子(「C2-C6アルキニル」)、または2~4個の炭素原子(「C2-C4アルキニル」)を有するものである。アルキニルの例として、以下に限定されないが、例えば、エチニル(またはアセチレニル)、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル(またはプロパルギル)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、これらの類似体および異性体などの基が含まれる。
「アリール」は、多価不飽和芳香族炭化水素基を意味し、含む。アリールは、さらに縮合されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、および/またはヘテロシクリル環を含む、さらなる縮合環(例えば、1~3個の環)を含有していてもよい。1のバリエーションにおいて、アリール基は、6~14個の環構成炭素原子を含む。アリール基の例として、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、ビフェニルなどが含まれる。
「カルボニル」は、基C=Oを意味する。
「シクロアルキル」は、表示される炭素原子数(例えば、C1-C10は、1~10個の炭素を意味する)を有する完全飽和、一不飽和または多価不飽和であってもよいが、非芳香族である環状炭化水素構造を意味し、含む。シクロアルキルは、1個の環(例えば、シクロヘキシルなど)または複数の環(例えば、アダマンチル)からなりうるが、アリール基を除く。1個より多い環を含むシクロアルキルは、縮合、スピロもしくは架橋がなされ、またはこれらの組み合わせであってもよい。好ましいシクロアルキルは、3~13個の環構成炭素原子を有する環状炭化水素である。より好ましいシクロアルキルは、3~8個の環構成炭素原子(「C3-C8シクロアルキル」)を有する環状炭化水素である。シクロアルキルの例として、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル、ノルボルニルなどが含まれる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、原子番号9~85を有する第17族元素を意味する。好ましいハロ基として、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。残基が1個以上のハロゲンによって置換されている場合、それは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を用いて称されてもよく、例えば、ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリールなどは、2個(「ジ」)または3個(「トリ」)のハロ基によって置換されたアリールおよびアルキルを意味するが、必ずしも同一のハロでなくてもよく、それゆえ、4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内である。各水素がハロ基で置換されたアルキル基は、「ペルハロアルキル」と称される。好ましいペルハロアルキル基は、トリフルオロアルキル(-CF3)である。同様に、「ペルハロアルコキシ」は、ハロゲンが、アルコキシ基のアルキル部分を構成する炭化水素における各Hと置換しているアルコキシ基を意味する。ペルハロアルコキシ基の一例は、トリフルオロメトキシ(-OCF3)である。
「ヘテロアリール」は、1~10個の環構成炭素原子および少なくとも1個の環構成ヘテロ原子を有する不飽和芳香族環状基を意味し、含み、以下に限定されないが、窒素および硫黄原子が適宜酸化され、窒素原子が適宜四級化されているヘテロ原子(例えば、窒素、酸素および硫黄など)を含む。ヘテロアリール基は、環構成炭素または環構成ヘテロ原子において分子の残りに結合することができる。ヘテロアリールは、さらに縮合されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、および/またはヘテロシクリル環を含む、さらなる縮合環(例えば、1~3個の環)を含有していてもよい。ヘテロアリール基の例として、以下に限定されないが、ピリジル、ピリミジル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドール、ベンゾチアジル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イミダゾピリジニルなどが含まれる。
「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」は、1~10個の環構成炭素原子および1~4個の環構成ヘテロ原子(例えば、窒素、硫黄または酸素などであって、窒素および硫黄原子が適宜酸化され、窒素原子が適宜四級化されている)を有する飽和または不飽和非芳香族基を意味する。ヘテロシクリル基は、単環または複数の縮合環を有しうるが、ヘテロアリール基を除く。2個以上の環を含むヘテロ環は、縮合、スピロもしくは架橋され、またはこれらのいずれかの組み合わせであってもよい。ヘテロシクリル基の例として、以下に限定されないが、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジオキソラニル、モルホリニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオフェニルなどが含まれる。
「オキソ」は、部分=Oを意味する。
「適宜置換されていてもよい」は、特に示されていない場合、基が、無置換であってもよいか、あるいはその基について記載の置換基の1個またはそれ以上(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個)で置換されていてもよいことを意味し、前記置換基は、その基の通常の原子価を超えていなければ、同一または異なっていてもよい。1の実施態様において、適宜置換されていてもよい基は、1個の置換基を有する。別の態様において、適宜置換されていてもよい基は、2個の置換基を有する。別の態様において、適宜置換されていてもよい基は、3個の置換基を有する。別の態様において、適宜置換されていてもよい基は、4個の置換基を有する。ある実態態様において、適宜置換されていてもよい基は、1~2個、2~5個、3~5個、2~3個、2~4個、3~4個、1~3個、1~4個、または1~5個の置換基を有する。
本明細書で用いられる「CDK」は、1個またはそれ以上のサイクリン依存性キナーゼを意味する。CDK4/6は、CDK4およびCDK6の両方を意味する。よって、CDK4/6阻害剤は、CDK4およびCDK6の両方を阻害する。
「医薬的に許容される担体」は、対象に非毒性である活性成分以外の医薬製剤中の成分を意味する。医薬的に許容される担体には、以下に限定されないが、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または保存剤が含まれる。
本明細書で用いられるように、「治療」または「治療する」は、利益的なまたは所望の結果(臨床的な結果を含む)を得るための方法である。例えば、利益的なまたは所望の結果には、以下に限定されないが、以下のうちの1つまたはそれ以上が含まれる:疾患から生じる症状を減少させること、疾患に罹っている患者の人生の質を高めること、疾患を治療するために必要な他の薬剤の用量を減少させること、疾患の進行を遅延させること、および/または個体の生存を延長させること。癌または他の望ましくない細胞増殖に関して、利益的なまたは所望の結果には、腫瘍を縮小させること(腫瘍サイズを減少させること);腫瘍の成長速度を減少させること(例えば、腫瘍成長を抑制するため);癌細胞の数を減少させること;癌細胞の末梢器官への浸潤をある程度まで阻害し、妨害し、または遅らせ、好ましくは、停止させること;腫瘍転移を阻害すること(ある程度まで遅延させ、好ましくは停止させること);腫瘍成長を阻害すること;腫瘍の発生および/または再発を予防し、または遅延させること;ならびに/あるいは癌に関連する症状の1つまたはそれ以上をある程度まで緩和させることが含まれる。ある実態態様において、利益的なまたは所望の結果には、望ましくない細胞増殖などの発生および/または再発を阻害し、または遅延させることが含まれる。
本明細書で用いられるように、「疾患の発症を遅延させること」は、疾患(例えば、癌)の発症を延期させ、妨害し、遅延させ、遅らせ、安定化し、および/または延長させることを意味する。この遅延は、治療される疾患および/または個体の過程に応じて様々な時間の期間でありうる。当業者に明らかなように、十分なまたは顕著な遅延は、実質的に、個体がその疾患を進行しないという点で予防を含みうる。例えば、末期の癌(例えば、転移の進行)が遅延されてもよい。
本明細書で用いられるように、化合物もしくはその塩または医薬組成物の「有効な用量」または「有効量」は、利益的なまたは所望の結果を生じるために十分な量である。予防上の使用において、利益的なまたは所望の結果には、疾患(疾患の生化学、組織学および/または行動学上の症状、その合併症および疾患の進行中に出現する中間的な病理学的表現を含む)のリスクを排除し、または減少すること、重症度を減少し、または発症を遅延すること等の結果が含まれる。治療上の使用については、利益的なまたは所望の結果には、疾患から生じる1つまたはそれ以上の症状を緩和し、軽減し、減少し、遅延し、または低下すること、疾患に罹っている患者の人生の質を高めること、疾患を治療するために必要な他の薬剤の用量を減少させること、標的化などにより別の薬剤の効果を高めること、疾患の進行を遅延させること、ならびに/あるいは生存を延長させることが含まれる。癌または他の望ましくない細胞増殖に関して、有効量は、腫瘍の縮小を生じ、および/または腫瘍の成長速度を減少させ(例えば、腫瘍成長を抑制する)、あるいは他の望ましくない細胞増殖を阻害し、または遅延させるために十分な量を含む。ある実態態様において、有効量は、進行を遅延させるために十分な量である。ある実態態様において、有効量は、発症および/または再発を予防し、または遅延させるために十分な量である。有効量は、1回またはそれ以上の投与で投与することができ、癌の場合、薬物または組成物の有効量は、(i)癌細胞の数を減少させ;(ii)腫瘍サイズを減少させ;(iii)癌細胞の末梢器官への浸潤をある程度まで阻害し、妨害し、遅延させ、好ましくは、停止させ;(iv)腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度まで遅延させ、好ましくは停止させる);(v)腫瘍成長を阻害し;(vi)腫瘍の発症および/または再発を阻害し、または遅延させ;ならびに/あるいは(vii)癌に関連する症状の1つまたはそれ以上をある程度まで緩和しうる。有効な用量は、1回またはそれ以上の投与で投与することができる。本開示のために、化合物もしくはその塩または医薬組成物の有効な用量は、直接または間接的に予防上または治療上の処置を行うために十分な量である。化合物もしくはその塩または医薬組成物の有効な用量は、別の薬物、化合物、または医薬組成物と組み合わせて行われてもよく、または行われなくてもよいことが意図され、理解される。よって、「有効な用量」は、1つまたはそれ以上の治療剤を投与する過程で考慮されてもよく、単一の薬剤が、有効量で付与されることが考慮されてもよく、1つまたはそれ以上の他の薬剤と組み合わせる場合、所望の結果が達成されうるか、または達成される。
本明細書で用いられるように、用語「個体」は、哺乳類(ヒトを含む)である。個体には、下記に限定されないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類、または霊長類が含まれる。ある実態態様において、前記個体は、ヒトである。前記個体(例えば、ヒト)は、進行した疾患または比較的程度の低い疾患(例えば、低い腫瘍負荷など)に罹っていてもよい。ある実態態様において、前記個体は、増殖性疾患(例えば、癌)の初期ステージにある。ある実態態様において、前記個体は、増殖性疾患の進行ステージ(例えば、進行性癌)にある。
本明細書における「約」数値またはパラメータとの記載は、数値またはパラメータ自体に関する態様を含む(記載する)。例えば、「約X」に関する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書に記載の実施態様、態様、およびバリエーションはまた、実施態様、態様、およびバリエーション「からなる」か、および/または「から必須としてなる」を含むものと理解される。
化合物
ある態様において、式(I):
(I)
[式中、
Zは、-NH-、-C(O)NH-、-NH(CO)-、-S(O)2NH-、または-NHS(O)2-であり;
Xは、NまたはCRaであって、Raは、水素または-CNであり;
Aは、C3-C6シクロアルキル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロアリール、またはC6アリールであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよく;
Lは、結合、-(CR11R12)r-、-CR11R12-O-、-O-、-S-、-S(O)2-、-C(O)-、-NR10-、-S(O)2NR10-、またはNR10S(O)2-であって、rは、1、2、または3であり;
Bは、水素、C3-C12シクロアルキル、または3~12員ヘテロシクリルであって、BのC3-C12シクロアルキルおよび3~12員ヘテロシクリルは、各々独立して、R6で適宜置換されていてもよく;
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよいが、但し、nが1であり、R2がオキソである場合、R1は、C2-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、または-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2個の異なる炭素に結合しており;
R4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHであり;
各R5は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、R5の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
各R6は、独立して、オキソ、ハロゲン、またはR7であり、
R7は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)であって、R7の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R10は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R10の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R11およびR12は、各々独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R11およびR12の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキシ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R13およびR14は、各々独立して、水素またはC1-C6アルキルであって、R13およびR14の前記C1-C6アルキルは、ハロゲン、-OR15、-NR15R16、またはオキソで適宜置換されていてもよく;
あるいはR13およびR14は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
R15およびR16は、各々独立して、水素、ハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキル、またはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルケニル、あるいはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルキニルであり;
あるいはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはオキソもしくはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
pおよびqは、各々独立して、0、1、2、または3であり;
mは、0または1であり;ならびに
nは、0、1、2、3、または4である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
ある態様において、式(I):
[式中、
Zは、-NH-、-C(O)NH-、-NH(CO)-、-S(O)2NH-、または-NHS(O)2-であり;
Xは、NまたはCRaであって、Raは、水素または-CNであり;
Aは、C3-C6シクロアルキル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロアリール、またはC6アリールであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよく;
Lは、結合、-(CR11R12)r-、-CR11R12-O-、-O-、-S-、-S(O)2-、-C(O)-、-NR10-、-S(O)2NR10-、またはNR10S(O)2-であって、rは、1、2、または3であり;
Bは、水素、C3-C12シクロアルキル、または3~12員ヘテロシクリルであって、BのC3-C12シクロアルキルおよび3~12員ヘテロシクリルは、各々独立して、R6で適宜置換されていてもよく;
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよいが、但し、nが1であり、R2がオキソである場合、R1は、C2-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、または-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2個の異なる炭素に結合しており;
R4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHであり;
各R5は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、R5の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
各R6は、独立して、オキソ、ハロゲン、またはR7であり、
R7は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)であって、R7の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R10は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R10の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R11およびR12は、各々独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R11およびR12の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキシ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく;
R13およびR14は、各々独立して、水素またはC1-C6アルキルであって、R13およびR14の前記C1-C6アルキルは、ハロゲン、-OR15、-NR15R16、またはオキソで適宜置換されていてもよく;
あるいはR13およびR14は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
R15およびR16は、各々独立して、水素、ハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキル、またはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルケニル、あるいはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルキニルであり;
あるいはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはオキソもしくはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し;
pおよびqは、各々独立して、0、1、2、または3であり;
mは、0または1であり;ならびに
nは、0、1、2、3、または4である]
で示される化合物またはその塩が提供される。
下記に記載の具体的な数値は、式(I)ならびに全ての関連する式(例えば、式(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、および(I-C1)~(I-C45))の化合物またはその塩に関する数値である。2つまたはそれ以上の数値が組み合わされてもよいことが理解されるべきである。よって、式(I)ならびに全ての関連する式の化合物についてのいずれの変数も、変数の各々全ての組み合わせが具体的に各々記載される場合と同一である式(I)ならびに全ての関連する式の化合物についてのいずれの他の変数と組み合わせてもよいことが理解されるべきである。例えば、式(I)ならびに全ての関連する式の化合物についての本明細書で詳細に記載のR1の具体的な数値のいずれもが、各々全ての組み合わせが具体的に各々記載される場合と同一である変数A、L、B、X、Z、R1、R2、R4、R5、R6、m、n、p、およびqのうちの1つまたはそれ以上についての他の具体的な数値のいずれかと組み合わされてもよいことが理解される。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、前記化合物は、下記特徴のうちの1つまたはそれ以上を有する:
(1)前記化合物が、式(X-1)
(X-1)
で示されるものであって、
nが、0、1、2、3、または4であり;
R1が、無置換C1-C4アルキル、無置換C3-C6シクロアルキル、またはシクロヘキシルアミンであり;
R2が、メチル、オキソ、またはフルオロであり;
R4が、メチル、フルオロ、クロロ、-OCH3、-CF3、-OCF3、またはシクロプロピルであり;
Xが、CHまたはNであり;ならびに
Aが、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、シクロヘキシリル、ピリジル、フルオロピリジル、またはピリミジニルである場合、
Bは、
からなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(2)前記化合物が、式(X-1)
(X-1)
で示されるものであって、Bが、
である場合、
Aは、フェニル、無置換ピリジル、ならびにフルオロ、メトキシ、メチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、またはイソプロポキシで置換されているピリジルからなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(3)前記化合物が、式(X-2)
(X-2)
で示されるものであって、Bが、
である場合、
R1は、
からなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(4)前記化合物が、式(X-3):
(X-3)
で示されるものであって、
R1が、無置換C3-C4アルキルであり;
R2が、メチルであり;
nが、0または2であり;
mが、0または1であり;
Lが、-CH2-、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(O)-、または-S(O)2-であり;ならびに
Bが、
である場合、
Aは、
[式中、
は、それぞれ、-NH-およびLとの結合点である]
からなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(5)前記化合物が、式(X-4)
(X-4)
で示されるものであって、
Aが、
[式中、
は、それぞれ、-NH-およびBとの結合点である]
であり、
Bが、
[式中、
は、それぞれ、AおよびR6との結合点である]
である場合、
R6は、
からなる群から選択される部分以外であること。
(1)前記化合物が、式(X-1)
で示されるものであって、
nが、0、1、2、3、または4であり;
R1が、無置換C1-C4アルキル、無置換C3-C6シクロアルキル、またはシクロヘキシルアミンであり;
R2が、メチル、オキソ、またはフルオロであり;
R4が、メチル、フルオロ、クロロ、-OCH3、-CF3、-OCF3、またはシクロプロピルであり;
Xが、CHまたはNであり;ならびに
Aが、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、シクロヘキシリル、ピリジル、フルオロピリジル、またはピリミジニルである場合、
Bは、
(2)前記化合物が、式(X-1)
で示されるものであって、Bが、
Aは、フェニル、無置換ピリジル、ならびにフルオロ、メトキシ、メチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、またはイソプロポキシで置換されているピリジルからなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(3)前記化合物が、式(X-2)
で示されるものであって、Bが、
R1は、
(4)前記化合物が、式(X-3):
で示されるものであって、
R1が、無置換C3-C4アルキルであり;
R2が、メチルであり;
nが、0または2であり;
mが、0または1であり;
Lが、-CH2-、-O-、-S-、-NH-、-N(CH3)-、-C(O)-、または-S(O)2-であり;ならびに
Bが、
Aは、
からなる群から選択される部分以外であること;ならびに/あるいは
(5)前記化合物が、式(X-4)
で示されるものであって、
Aが、
であり、
Bが、
である場合、
R6は、
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、(1)、(2)、(3)、(4)、および(5)が用いられる。ある実態態様において、(1)が用いられる。ある実態態様において、(2)が用いられる。ある実態態様において、(3)が用いられる。ある実態態様において、(4)が用いられる。ある実態態様において、(5)が用いられる。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Zは、-NH-である。ある実態態様において、Zは、-C(O)NH-である。ある実態態様において、Zは、-NH(CO)-である。ある実態態様において、Zは、-NHS(O)2-である。ある実態態様において、Zは、-S(O)2NH-である。ある実態態様において、Zは、-NH-、-NH(CO)-、または-C(O)NH-である。ある実態態様において、Zは、-NH-である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Aは、C3-C6シクロアルキル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロアリール、またはC6アリールであって、これらの各々は、無置換である。ある実態態様において、Aは、C3-C6シクロアルキル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロアリール、またはC6アリールであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいフェニルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい5~7員ヘテロアリールである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい5員ヘテロアリールである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい6員ヘテロアリールである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい7員ヘテロアリールである。ある実態態様において、Aは、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、またはイミダゾリルであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい4~7員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい5~7員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい4員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい5員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい6員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよい7員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Aは、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピリジン、またはピリドニルであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルである。ある実態態様において、Aは、シクロヘキシルまたはシクロペンチルであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピリドニル、シクロヘキシル、またはシクロペンチルであって、これらの各々は、無置換である。式(I)の化合物のある実態態様において、Aは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ジヒドロピリジニル、ピリドニル、シクロヘキシル、またはシクロペンチルであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはシクロヘキシルであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいフェニルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいピリジルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいピペリジニルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいピラゾリルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいシクロヘキシルである。ある実態態様において、Aは、R5で適宜置換されていてもよいピラジニルである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、mは、0である。ある実態態様において、mは、1である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Bは、水素、C3-C12シクロアルキル、または3~12員ヘテロシクリルであって、BのC3-C12シクロアルキルおよび3~12員ヘテロシクリルは、各々独立して、R6で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Bは、C3-C12シクロアルキルまたは3~12員ヘテロシクリルであって、これらの各々は、無置換である。ある実態態様において、Bは、水素である。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよい5~12員ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよい5~12員ヘテロシクリルであって、前記5~12員ヘテロシクリルは、スピロ、縮合、または架橋ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよい5~12員ヘテロシクリルであって、前記5~12員ヘテロシクリルは、スピロヘテロシクリルである。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよい5~12員ヘテロシクリルであって、前記5~12員ヘテロシクリルは、縮合ヘテロシクリルである。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよい5~12員ヘテロシクリルであって、前記5~12員ヘテロシクリルは、架橋ヘテロシクリルである。式(I)の化合物のある実態態様において、Bは、
であって、これらの各々は、R6で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルである。ある実態態様において、Bは、R6で適宜置換されていてもよいC3-C12シクロアルキルである。ある実態態様において、Bは、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルであって、これらの各々は、R6で適宜置換されていてもよい。
式(I)の化合物のある実態態様において、Lは、結合、-(CR11R12)r-、-CR11R12-O-、-O-、-S-、-S(O)2-、-C(O)-、-NR10-、-S(O)2NR10-、または-NR10S(O)2-である。式(I)の化合物のある実態態様において、Lは、結合、-CH2-、-NH-、-O-、-S-、-S(O)2-、-C(O)-、-NCH3-、-S(O)2NH-、または-NHS(O)2-である。式(I)の化合物のある実態態様において、Lは、結合、-CH2-、-NH-、-O-、または-S-である。ある実態態様において、Lは、結合である。ある実態態様において、Lは、-CH2-である。ある実態態様において、Lは、-NH-である。ある実態態様において、Lは、-S-である。ある実態態様において、Lは、-O-である。ある実態態様において、Lは、-S(O)2-である。ある実態態様において、Lは、-C(O)-である。ある実態態様において、Lは、-NCH3-である。ある実態態様において、Lは、-NHS(O)2-である。ある実態態様において、Lは、-CR11R12-である。ある実態態様において、Lは、-NR10-である。ある実施態様において、Lは、-NR10S(O)2-である。ある実態態様において、Lは、-NHS(O)2-である。ある実施態様において、Lは、-S(O)2NR10-である。ある実態態様において、Lは、-S(O)2NH-である。
各々全ての組み合わせが具体的にそれぞれ記載される場合と同様に、式(I)についてのAのいずれの記載も、式(I)についてのBおよびLのいずれの記載と組み合わされてもよいことが理解される。
ある実態態様において、式(I-A)
(I-A)
[式中、A、B、X、Z、R1、R2、R4、R5、R6、n、p、およびqは、式(I)について本明細書で記載されるとおりである]
で示される化合物またはその塩が提供される。
[式中、A、B、X、Z、R1、R2、R4、R5、R6、n、p、およびqは、式(I)について本明細書で記載されるとおりである]
で示される化合物またはその塩が提供される。
ある実態態様において、式(I-B1)~(I-B20):
(I-B1)、
(I-B2)、
(I-B3)、
(I-B4)、
(I-B5)、
(I-B6)、
(I-B7)、
(I-B8)、
(I-B9)、
(I-B10)、
(I-B11)、
(I-B12)、
(I-B13)、
(I-B14)、
(I-B15)、
(I-B16)、
(I-B17)、
(I-B18)、
(I-B19)、
(I-B20)、
[式中、X、Z、A、B、L、R1、R2、R4、R5、R6、R7、n、p、およびqは、式(I)について本明細書で記載されるとおりであり、ならびにtは、0、1、2、または3である]
で示される化合物またはその塩が提供される。ある実態態様において、tは、0である。ある実態態様において、tは、0または1である。ある実態態様において、tは、0、1、または2である。
[式中、X、Z、A、B、L、R1、R2、R4、R5、R6、R7、n、p、およびqは、式(I)について本明細書で記載されるとおりであり、ならびにtは、0、1、2、または3である]
で示される化合物またはその塩が提供される。ある実態態様において、tは、0である。ある実態態様において、tは、0または1である。ある実態態様において、tは、0、1、または2である。
ある実態態様において、式(I-C1)~(I-C45):
(I-C1)、
(I-C2)、
(I-C3)、
(I-C4)、
(I-C5)、
(I-C6)、
(I-C7)、
(I-C8)、
(I-C9)、
(I-C10)、
(I-C11)、
(I-C12)、
(I-C13)、
(I-C14)、
(I-C15)、
(I-C16)、
(I-C17)、
(I-C18)、
(I-C19)、
(I-C20)、
(I-C21)、
(I-C22)、
(I-C23)、
(I-C24)、
(I-C25)、
(I-C26)、
(I-C27)、
(I-C28)、
(I-C29)、
(I-C30)、
(I-C31)、
(I-C32)、
(I-C33)、
(I-C34)、
(I-C35)、
(I-C36)、
(I-C37)、
(I-C38)、
(I-C39)、
(I-C40)、
(I-C41)、
(I-C42)、
(I-C43)、
(I-C44)、および
(I-C45)、
[式中、L、R1、R2、R4、R5、R6、R7、n、p、およびqは、式(I)について本明細書に記載されるとおりであり、ならびにtは、0、1、2、または3である]
のいずれか1つで示される化合物が提供される。
[式中、L、R1、R2、R4、R5、R6、R7、n、p、およびqは、式(I)について本明細書に記載されるとおりであり、ならびにtは、0、1、2、または3である]
のいずれか1つで示される化合物が提供される。
ある実態態様において、tは、0である。ある実態態様において、tは、0または1である。ある実態態様において、tは、0、1、または2である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、pは、0である。ある実態態様において、pは、1である。ある実態態様において、pは、2である。ある実態態様において、pは、3である。式(I)の化合物のある実態態様において、pは、0または1である。ある実態態様において、pは、0、1、または2である。式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、各R5は、独立して、C1-C6アルキル、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、-C(O)NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、R5の前記C1-C6アルキル、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、-C(O)NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、各R5は、独立して、C1-C6アルキル、ハロゲン、-CN、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、または-C(O)NR11R12であって、R5の前記C1-C6アルキル、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、および-C(O)NR11R12は、各々独立して、ハロゲン、-OR13、または-NR13R14で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、各R5は、独立して、-CH3、-S(O)2CH3、-CH2CH2OHH3、-CH2CH2N(CH3)2、-NH2、-NHS(O)2CH3、-N(CH3)2、-NHC(O)CH2OH、-C(O)CH2OH、Cl、-CF3、-CN、-CH2OH、または-C(O)NH2である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、qは、0である。ある実態態様において、qは、1である。ある実態態様において、qは、2である。ある実態態様において、qは、3である。式(I)の化合物のある実態態様において、qは、0または1である。ある実態態様において、qは、0、1、または2である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、各R6は、独立して、C1-C6アルキル、ハロゲン、オキソ、-NR11R12、-C(O)R10、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)OR10、または-(C1-C3アルキレン)NR11R12であって、R6の前記C1-C6アルキル、-NR11R12、-C(O)R10、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)OR10、および-(C1-C3アルキレン)NR11R12は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、各R6は、独立して、C1-C6アルキル、-OR10、3~6員ヘテロシクリル、または-NR11R12であって、R6の前記C1-C6アルキル、-OR10、3~6員ヘテロシクリル、および-NR11R12は、各々独立して、-OR13で適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、各R6は、独立して、-CH3、-CH2CH3、-CH2OH、-OH、-NH2、オキセタニル、または-N(CH3)2である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、A、L、およびBは、R5およびR6と一緒になって:
[式中、波線は、親分子への結合点を示し、R7は、式(I)について本明細書で定義されるとおりである]
からなる群から選択される部分を形成する。
からなる群から選択される部分を形成する。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、R7は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、または-C(O)R10であって、R7の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、および-C(O)R10は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、R7は、水素またはC1-C6アルキルである。ある実態態様において、R7は、水素である。ある実態態様において、R7は、C1-C6アルキルである。ある実態態様において、R7は、メチルである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、Nである。ある実態態様において、Xは、CRaである。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素である。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、-CNである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、ハロゲン、-OR13、-C(O)NR13R14、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、無置換である。ある実態態様において、R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、または-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、R1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、R1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OH、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、R1は、ハロゲンまたは-OR13で適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルである。ある実態態様において、R1は、ハロゲン、-OR13、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよいC3-C6シクロアルキルである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、R1は、
[式中、波線は、親分子への結合点を示す]
からなる群から選択される。ある実態態様において、R1は、
である。ある実態態様において、R1は、
である。
からなる群から選択される。ある実態態様において、R1は、
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、nは、0である。ある実態態様において、nは、1である。ある実態態様において、nは、2である。ある実態態様において、nは、0または1である。ある実態態様において、nは、0、1、または2である。ある実態態様において、nは、0、1、2、または3である。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、またはハロゲンである。ある実態態様において、各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、またはハロゲンである。ある実態態様において、各R2は、独立して、C1-C6アルキルまたはハロゲンである。ある実態態様において、R2は、オキソである。ある実態態様において、各R2は、独立して、-NR11R12である。ある実態態様において、R2は、-CNである。ある実態態様において、各R2は、独立して、-C(O)R10である。ある実態態様において、各R2は、独立して、-C(O)NR11R12である。ある実態態様において、各R2は、独立して、ハロゲン、例えば、フルオロまたはクロロである。ある実態態様において、各R2は、独立して、C1-C6アルキル、例えば、同一炭素に結合したメチルまたはジメチルである。ある実態態様において、R2(例えば、1つ以上のR2が存在する場合)の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよびメチルである。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよびジメチルである。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよび-CNである。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよび-NR11R12である。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよび-C(O)R10である。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に独立して結合したオキソおよび-C(O)NR11R12である。ある実態態様において、R2の基は、同一炭素に結合したジフルオロである。ある実態態様において、R2の基は、同一炭素に結合したジクロロである。ある実態態様において、R2の基は、2つの異なる炭素に各々独立して結合したオキソおよびフルオロまたはジフルオロである。ある実態態様において、nは、0、1、または2であり;ならびに各R2は、独立して、C1-C6アルキルまたはハロゲンである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、R4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHである。ある実態態様において、R4は、水素である。ある実態態様において、R4は、C1-C6アルキルである。ある実態態様において、R4は、C3-C6シクロアルキルである。ある実態態様において、R4は、C1-C6ハロアルキルである。ある実態態様において、R4は、C1-C6アルコキシである。ある実態態様において、R4は、C1-C6ハロアルコキシである。ある実態態様において、R4は、ハロゲンである。ある実態態様において、R4は、-CNである。ある実態態様において、R4は、-OHである。ある実態態様において、R4は、独立して、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、またはハロゲンである。ある実態態様において、R4は、フルオロ、クロロ、メチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メトキシ、またはシクロプロピルである。ある実態態様において、R4は、ハロゲンである。ある実態態様において、R4は、フルオロである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素であり;ならびにR4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHである。ある実態態様において;Xは、Nであり;ならびにR4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHである。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、-CNであり;ならびにR4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHである。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素であり;ならびにR4は、ハロゲンである。ある実態態様において;Xは、Nであり;ならびにR4は、ハロゲンである。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、-CNであり;ならびにR4は、ハロゲンである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素であり;ならびにR4は、Fである。ある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、-CNであり;ならびにR4は、Fである。ある実態態様において、Xは、Nであり;ならびにR4は、Fである。ある実態態様において、Xは、Nであり;ならびにR4は、Clである。式(I)の化合物のある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素であり;ならびにR4は、Clである。式(I)の化合物のある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、-CNであり;ならびにR4は、Clである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、CRaであって、Raは、水素であり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、独立して、水素、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンである。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンである。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、Fであって、R2の各Fは、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合している。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、ハロゲンであって、各ハロゲンは、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合している。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、独立して、C1-C6アルキルである。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、2つの異なる炭素に結合したオキソまたはメチルである。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、オキソまたはFであって、2つの異なる炭素に結合している。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;R2は、オキソである。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびにnは、0である。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;ならびに各R2は、独立して、C1-C6アルキルまたはハロゲンである。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHであり;各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;ならびにR1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C1-C8アルコキシ、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、ハロゲン、-OR13、-C(O)NR13R14、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、CHであり;R4は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、または-OHであり;各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、ハロゲン、-OR13、-C(O)NR13R14、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;R1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、ハロゲン、-OR13、-C(O)NR13R14、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;各R2は、独立して、C1-C6アルキルまたはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;ならびにR1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OH、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;各R2は、独立して、C1-C6アルキルであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;ならびにR1は、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、ハロゲン、-OR13、-C(O)NR13R14、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;各R2は、C1-C6アルキルであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており;R1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OH、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。
式(I)の化合物またはそのバリエーションのある実態態様において、Xは、Nであり、R4は、Fであり;nは、0であり;ならびにR1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、R1は、独立して、ハロゲン、-OR13、-NR13R14、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;nは、0であり;ならびにR1は、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OH、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい。ある実態態様において、Xは、Nであり;R4は、Fであり;nは、0であり;R1は、
[式中、波線は、親分子への結合点を示す]
からなる群から選択される。式(I)の化合物のある実態態様において、Xは、Nであり、R4は、Fであり;nは、0であり;R1は、C1-C6アルキルである。
からなる群から選択される。式(I)の化合物のある実態態様において、Xは、Nであり、R4は、Fであり;nは、0であり;R1は、C1-C6アルキルである。
本明細書の記載において、部分の全ての記載、バリエーション、実施態様または態様は、記載の各々全ての組み合わせが具体的にそれぞれ記載されているのと同様に、他の部分の全ての記載、バリエーション、実施態様または態様と合わされてもよいことが理解される。例えば、式(I)のAに関する本明細書で供される全ての記載、バリエーション、実施態様または態様は、各々全ての組み合わせが具体的にそれぞれ記載されているのと同様に、B、X、Z、R2、R4、R5、R6、m、n、p、およびqの全ての記載、バリエーション、実施態様または態様と合わされてもよい。式(I)の全ての記載、バリエーション、実施態様または態様は、適用可能であれば、各々全ての記載、バリエーション、実施態様または態様が全ての式について具体的にそれぞれ記載されているのと同様に、本明細書に記載の他の式と同様に適用し、同様に記載されるものとも理解される。例えば、式(I)の全ての記載、バリエーション、実施態様または態様は、適用可能であれば、各々全ての記載、バリエーション、実施態様または態様が全ての式について具体的にそれぞれ記載されているのと同様に、式(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)などの本明細書に記載の関連する式のいずれと同様に適用し、同様に記載される。
医薬的に許容される塩などの本明細書に記載の化合物の塩もまた提供される。本発明にはまた、記載される化合物のいずれかのエナンチオマーまたはジアステレオマー形態、およびいずれかの互変異性体または他の形態を含むいずれかまたは全ての立体化学形態が含まれる。各エナンチオマーおよびジアステレオマーが本明細書で提供され、それらの対応する構造が容易に決定することができるものと理解される。
ある態様において、本明細書に記載の化合物は、精製された形態であってもよく、純粋な形態の化合物を含む組成物が本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物またはその塩を含む組成物、例えば、実質的に純粋な化合物の組成物が提供される。ある実態態様において、本明細書に記載される化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。特に断りがなければ、「実質的に純粋な」は、35%未満の不純物を含み、前記不純物がその組成物の大部分を含む化合物またはその塩以外の化合物であることを示す組成物を意味する。ある実態態様において、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供され、前記組成物は、25%、20%、15%、10%、または5%未満の不純物を含む。ある実態態様において、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供され、前記組成物は、3%、2%、1%、または0.5%未満の不純物を含む。
ある実態態様において、表1に記載の化合物またはこれらの互変異性体、あるいは前記のいずれかの塩、ならびにこれらの使用が本明細書で提供される。
本明細書に記載される実施態様およびバリエーションは、適用可能な場合、本明細書に記載される式のいずれの化合物にも適する。
本開示による中間体および最終化合物を含む本明細書に記載の化合物の代表的な例が本明細書に記載される。ある態様において、単離され、個体に投与されうる中間体化合物を含むいずれの化合物もが、本明細書に記載の方法で用いられてもよいことが理解される。
本明細書に記載の化合物は、塩として記載されていない場合でも塩として存在していてもよく、本開示は、当業者により十分に理解されるように、本明細書に記載の化合物の全ての塩および溶媒和物、ならびに前記化合物の塩または溶媒和物ではない形態も含まれることが理解される。ある実態態様において、本明細書で供される化合物の塩は、医薬的に許容される塩である。1つまたはそれ以上の第三級アミン部分が化合物に存在する場合、そのN-オキシド化合物もまた提供され、記載される。
互変異性体形態が本明細書に記載の化合物のいずれかに存在しうる場合、前記互変異性体形態の1つまたはいくつかのみが明確に示されていたとしても、各々全ての互変異性体形態が意図されている。具体的に示される互変異性体形態は、溶液中または本明細書に記載の方法に従って用いられる場合、優勢的な形態であってもよく、あるいはなくてもよい。
本開示にはまた、記載される化合物のエナンチオマーまたはジアステレオマー形態を含む立体化学形態のいずれかまたは全てが含まれる。前記構造または名称は、記載される化合物の全ての可能な立体異性体を含むものとされる。化合物の結晶形態または非結晶形態などの化合物の全ての形態もまた、本発明に含まれる。本発明の化合物を含む組成物、例えば、特定の立体化学形態を含む実質的に純粋な化合物の組成物、あるいは2つまたはそれ以上の立体化学形態をラセミまたは非ラセミ混合物などで含む、本発明の化合物の混合物をいずれかの割合で含む組成物もまた意図されている。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物の同位体標識および/または同位体含有された形態も意図されている。本明細書の化合物は、このような化合物を構成する原子の1個またはそれ以上において同位体原子を非天然の割合で含んでいてもよい。ある実態態様において、前記化合物は、同位体標識されており、例えば、1個またはそれ以上の原子の一部が同一構成の同位体によって置換されている同位体標識された本明細書に記載の式(I)の化合物またはそのバリエーションである。本発明の化合物に導入することができる典型的な同位体には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、塩素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、32P、35S、18F、36Clが含まれる。特定の同位体標識された化合物(例えば、3Hおよび14C)は、化合物または基質組織分布実験に有用である。より重い同位体、例えば、重水素(2H)の導入は、より高い代謝安定性から生じる治療上の一定の利点、例えば、インビボ半減期の増加または必要な用量の減少を有しエ、ある例においては好ましい可能性がある。
同位体標識された本発明の化合物は、一般に、標識されていない試薬に代えて適切な対応する同位体標識された試薬に置換して、当業者に公知の標準的な方法および技術または添付の実施例に記載の手順と同様の手順によって調製することができる。
本発明にはまた、記載される化合物のいずれかまたは全ての代謝物が含まれる。前記代謝物には、記載される化合物のいずれかの生体内変化によって生成された(例えば、ヒトへの投与後に生体内で生成された)化学種、例えば、化合物の代謝の中間体および生成物が含まれる。
本明細書に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を適する容器内に含む製品が提供される。前記容器は、バイアル、ビン、アンプル、予め充填されたシリンジ、静注用バッグなどであってもよい。
好ましくは、本明細書に記載の化合物は、経口で生体利用可能である。しかしながら、前記化合物はまた、非経口(例えば、静脈内)投与のために製剤化されてもよい。
1つまたはいくつかの本明細書に記載の化合物は、活性成分として1つまたはそれ以上の化合物を、当該技術分野で公知である医薬的に許容される担体と合わせることによって医薬の製造に用いることができる。医薬の治療形態に応じて、前記担体は、様々な形態であってもよい。あるバリエーションにおいて、医薬の製造は、本明細書に記載の方法のいずれかの用途、例えば、癌の治療のためである。
一般的な合成方法
本発明の化合物は、下記で一般的に記載される多くの方法、より具体的には、下記に記載の実施例(例えば、下記実施例で示されるスキーム)によって製造することができる。下記の方法の記載において、示される式で用いられる記号は、本明細書の式に関して上記に記載の基を表示するものと理解されるべきである。
本発明の化合物は、下記で一般的に記載される多くの方法、より具体的には、下記に記載の実施例(例えば、下記実施例で示されるスキーム)によって製造することができる。下記の方法の記載において、示される式で用いられる記号は、本明細書の式に関して上記に記載の基を表示するものと理解されるべきである。
化合物の特定のエナンチオマーを取得することが望ましい場合、これは、エナンチオマーの対応する混合物から、エナンチオマーを分離し、または分割するための適切な従来の方法を用いて行われてもよい。よって、例えば、ジアステレオマー誘導体は、エナンチオマーの混合物、例えば、ラセミ体、および適当なキラル化合物を反応させることによって生成されてもよい。次いで、前記ジアステレオマーは、従来の方法、例えば、結晶化によって分離し、所望のエナンチオマーが回収されうる。別の分割方法では、ラセミ体は、キラル高速液体クロマトグラフィーを用いて分離されうる。あるいは、必要であれば、特定のエナンチオマーは、記載される方法の1つにおいて適当なキラル中間体を用いて取得されてもよい。
化合物の特定の異性体を取得し、または反応の生成物を精製することが必要とされる場合、クロマトグラフィー、再結晶化、および他の従来の分離方法が中間体または最終生成物とともに用いられてもよい。
本明細書で供される化合物またはその塩の溶媒和物および/または多形もまた含まれる。溶媒和物は、溶媒を化学量論または非化学量論量で含有し、結晶化過程で生成されることが多い。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、あるいはアルコラートは、溶媒がアルコールである場合に形成される。
ある実態態様において、式(I)の化合物は、スキーム1~9に従って合成されうる。
医薬組成物および製剤
本明細書に記載の化合物のいずれの医薬組成物も本開示に含まれる。よって、本開示には、本明細書に記載の化合物またはその塩および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物が含まれる。ある態様において、前記医薬的に許容される塩は、酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸とともに形成された塩である。医薬組成物は、経口、バッカル、非経口、経鼻、局所、または直腸投与に適切な形態、あるいは吸入による投与に適切な形態であってもよい。
本明細書に記載の化合物のいずれの医薬組成物も本開示に含まれる。よって、本開示には、本明細書に記載の化合物またはその塩および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬組成物が含まれる。ある態様において、前記医薬的に許容される塩は、酸付加塩、例えば、無機酸または有機酸とともに形成された塩である。医薬組成物は、経口、バッカル、非経口、経鼻、局所、または直腸投与に適切な形態、あるいは吸入による投与に適切な形態であってもよい。
本明細書に記載の化合物は、ある態様において、精製された形態であってもよく、精製された形態の化合物を含む組成物が本明細書に記載される。本明細書に記載の化合物またはその塩を含む組成物、例えば、実質的に純粋な化合物の組成物が提供される。ある実態態様において、本明細書に記載の化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。
1のバリエーションにおいて、本明細書に記載の化合物は、個体への投与のために製造された合成化合物である。別のバリエーションにおいて、実質的に純粋な形態の化合物を含む組成物が提供される。別のバリエーションにおいて、本開示には、本明細書に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物が包含される。別のバリエーションにおいて、化合物を投与するための方法が提供される。前記化合物を投与するための精製された形態、医薬組成物、および方法は、本明細書に記載されるいずれの化合物またはその形態に適切である。
本明細書に記載の化合物またはその塩は、経口、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、頬側、または直腸)、非経口(例えば、筋肉内、皮下、または静脈内)、局所または経皮送達形態を含む、利用可能な送達経路のいずれかのために製剤化されてもよい。化合物またはその塩は、以下に限定されないが、錠剤、カプレット、カプセル剤(例えば、硬ゼラチンカプセル剤または軟ゼラチンカプセル剤)、カシュ剤、トローチ剤、喉飴(lozenge)、ガム、分散剤(dispersion)、座薬、軟膏剤、パップ剤(湿布)、ペースト、散剤、包帯、クリーム、溶液、パッチ、エアロゾル(例えば、経鼻スプレーまたは吸入薬)、ゲル、懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油型乳濁液、または油中水型液体乳濁液)、溶剤、およびエリキシル剤を含む送達形態を供するために適切な担体とともに製剤化されうる。
1つまたはいくつかの本明細書に記載の化合物またはその塩は、活性成分として1つまたはそれ以上の化合物またはその塩を医薬的に許容される担体(例えば、上記に記載のもの)と一緒に合わせることによって、製剤(例えば、医薬製剤)の製造に用いることができる。系の治療形態に応じて(例えば、経皮パッチと経口用タブレット剤)、前記担体は、様々な形態でありうる。さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤(rewetting agent)、乳化剤、甘味料、色素、調整剤、ならびに浸透圧の調整のための塩、緩衝液、コーティング剤、または抗酸化剤を含みうる。前記化合物を含む製剤はまた、有益な治療特性を有する他の物質を含んでいてもよい。医薬製剤は、公知の製剤方法によって製造されうる。適切な製剤は、例えば、参照により本明細書に取り込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 20th ed. (2000)中に見出すことができる。
本明細書に記載される化合物は、一般的に許容される経口組成物、例えば、錠剤、コーティングされた錠剤、および硬シェルまたは軟シェル中のゲルカプセル剤、乳濁液または懸濁液の形態で個体に投与されてもよい。このような組成物の製造に用いられてもよい担体の例は、乳糖、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などである。軟シェルを有するゲルカプセル剤のための許容可能な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固形および液体ポリオールなどである。さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、色素、調整剤、ならびに浸透圧の調整のための塩、緩衝剤、コーティング剤、または抗酸化剤を含んでいてもよい。
本明細書に記載の化合物のいずれもが、記載される製剤中のタブレット剤内で製剤化することができる。例えば、本明細書に記載の化合物またはその塩は、10mgの錠剤として製剤化することができる。
本明細書に記載の化合物を含む組成物もまた記載される。あるバリエーションにおいて、前記組成物は、化合物またはその塩および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む。別のバリエーションにおいて、実質的に純粋な化合物の組成物が提供される。
使用方法
本明細書に記載の化合物および組成物、例えば、本明細書で供される式の化合物またはその塩を含む医薬組成物、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤は、本明細書で供される投与方法および治療方法で用いられうる。前記化合物および組成物はまた、インビトロ方法、例えば、目的物をスクリーニングし、および/または品質管理アッセイを行うために、化合物または組成物を細胞に投与するインビトロ方法で用いられてもよい。本明細書に記載の方法のある実態態様において、前記方法は、本明細書に記載の化合物またはその塩を、単剤療法として投与することを含む。
本明細書に記載の化合物および組成物、例えば、本明細書で供される式の化合物またはその塩を含む医薬組成物、ならびに医薬的に許容される担体または賦形剤は、本明細書で供される投与方法および治療方法で用いられうる。前記化合物および組成物はまた、インビトロ方法、例えば、目的物をスクリーニングし、および/または品質管理アッセイを行うために、化合物または組成物を細胞に投与するインビトロ方法で用いられてもよい。本明細書に記載の方法のある実態態様において、前記方法は、本明細書に記載の化合物またはその塩を、単剤療法として投与することを含む。
個体における疾患を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、あるいは本化合物、または本明細書で詳細に記載され、もしくは記載される化合物)、あるいはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む方法が本明細書で提供される。個体における増殖性疾患を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む方法が本明細書でさらに提供される。個体における癌を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む方法もまた本明細書で提供される。ある実態態様において、前記化合物は、本明細書に記載される用量および/または方法に従って前記個体に投与される。
ある実態態様において、個体における癌は、サイクリンをコードする遺伝子またはCDKをコードする遺伝子の1個またはそれ以上の変異、増幅、または過剰発現、あるいは遺伝子欠損、変異、またはプロモーター過剰メチル化による内在性INK4阻害剤の喪失、あるいはCDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1個またはそれ以上の過剰活性を引き起こす他の遺伝学的事象を有する。ある実態態様において、個体における癌は、サイクリンをコードする遺伝子またはCDKをコードする遺伝子の1個またはそれ以上の変異、増幅、または過剰発現、あるいは遺伝子欠損、変異、またはプロモーター過剰メチル化による内在性INK4阻害剤の喪失、あるいはCDK4/6ならびにCDK1、CDK2、およびCDK9のうちの1個またはそれ以上の過剰活性を引き起こす他の遺伝学的事象を有する。
ある実態態様において、個体における癌を治療するための方法であって、(a)(i)前記癌における網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質のリン酸化の存在、あるいは(ii)前記癌におけるCDK4またはCDK6の変異、増幅または過剰発現の存在に基づいて治療のための前記個体を選択し、次いで有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、前記癌は、リン酸化Rbの発現について測定される。ある実態態様において、前記癌は、CDK4またはCDK6の発現について測定される。ある実態態様において、前記癌のCDK4またはCDK6遺伝子は、1個またはそれ以上の変異または増幅を検出するために配列決定される。ある実態態様において、前記CDK4またはCDK6遺伝子は、前記癌を生検し、生検された癌からのCDK4またはCDK6遺伝子を配列決定することによって配列決定される。ある実態態様において、前記CDK4またはCDK6遺伝子は、前記個体からの循環腫瘍DNA(ctDNA)を配列決定することによって配列決定される。ある実態態様において、疾患の治療のための薬剤の製造における式(I)の化合物、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはいずれかの実施態様の使用方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、癌の治療のための薬剤の製造における式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物の使用方法またはいずれかの実施態様が本明細書で提供される。
ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、増殖性疾患(例えば、本明細書に記載される癌)に罹っている個体を治療するために用いられる。ある実態態様において、前記個体は、増殖性疾患(例えば、癌)を発症するリスクを有する。これらの実施態様のいずれかにおいて、前記個体は、1つまたはそれ以上のリスク因子に基づいて癌を発症するリスクを有することが決定される。これらの実施態様のいずれかにおいて、前記リスク因子は、癌に関連する家族歴および/または遺伝子である。
本化合物またはその塩は、様々な疾患および障害を治療するのに有効であると考えられる。例えば、ある実施態様において、本組成物は、増殖性疾患(例えば、癌)を治療するために用いられうる。ある実態態様において、前記癌は、固形腫瘍である。ある実態態様において、前記癌は、成人および小児腫瘍、粘液性および円形細胞癌、局所進行性腫瘍、転移性癌、ヒト軟部組織肉腫(ユーイング肉腫を含む)、癌転移(リンパ性転移を含む)、扁平上皮癌(特に、頭頚部のもの)、食道扁平上皮癌、口腔癌、血液細胞癌(多発性骨髄腫を含む)、白血病(急性リンパ性白血病、急性非リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、およびヘアリー細胞白血病を含む)、滲出性リンパ腫(体腔に基づくリンパ腫(body cavity based lymphomas))、胸腺リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、副腎皮質の癌、ACTH産生腫瘍、肺癌(小細胞癌および非小細胞癌を含む)、乳癌(小細胞癌および腺管癌を含む)、胃腸癌(胃癌を含む)、大腸癌、結腸直腸癌、大腸腫瘍に関連するポリープ、膵臓癌、肝臓癌、 泌尿器の癌(膀胱癌、原発性表在性膀胱腫瘍、膀胱の浸潤性移行上皮癌、および筋肉浸潤性膀胱癌を含む)、前立腺癌、女性生殖器の悪性腫瘍(卵巣癌、原発性腹膜上皮腫瘍、子宮頚癌、子宮内膜癌、膣癌、外陰癌、子宮癌および卵胞の固形腫瘍を含む)、男性生殖器の悪性腫瘍(精巣癌および陰茎癌を含む)、腎臓癌(腎細胞癌を含む)、脳癌(内因性脳腫瘍を含む)、神経芽細胞腫、星状細胞脳腫瘍、神経膠腫、中枢神経系における転移性腫瘍細胞浸潤、骨癌(骨腫および骨肉腫を含む)、皮膚癌(メラノーマを含む)、ヒト皮膚ケラチノサイトの腫瘍進行、扁平上皮癌、甲状腺癌、網膜芽細胞腫、神経芽細胞腫、腹水、悪性胸水、中皮腫、ウィルムス腫瘍、胆嚢癌、絨毛性腫瘍、血管外皮腫、およびカポジ肉腫のいずれかである。
ある実態態様において、前記癌は、分子の性質によって定義される。ある実態態様において、前記癌は、エストロゲン受容体陽性乳癌である。ある実態態様において、前記乳癌は、三種陰性乳癌である。ある実態態様において、前記癌は、KRAS変異型非小細胞肺癌である。
ある実態態様において、前記癌は、サイクリンD1過剰発現を生じるCCND1に関する転座によって定義されるマントル細胞リンパ腫である。ある実態態様において、本明細書に記載の化合物および組成物は、細胞(例えば、癌細胞)におけるG1-S細胞周期の停止を引き起こす。ある実態態様において、前記癌細胞は、本明細書に記載の癌タイプのいずれかに由来する癌細胞である。ある実態態様において、停止した細胞は、アポトーシス段階に入る。ある実態態様において、停止した細胞は、老化段階に入る。ある実態態様において、細胞におけるG1-Sチェックポイント停止を引き起こすための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記細胞に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、前記G1-S細胞周期の停止は、細胞集団中の細胞の約40%またはそれ以上、約50%またはそれ以上、約60%またはそれ以上、約70%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、約85%またはそれ以上、約90%またはそれ以上、約95%またはそれ以上、約96%またはそれ以上、約97%またはそれ以上、約98%またはそれ以上、あるいは約99%またはそれ以上で生じる。ある実態態様において、前記G1-S細胞周期の停止は、細胞集団中の細胞の約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、または約80%以下で生じる。
ある実態態様において、細胞における老化を誘導するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記細胞に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、老化は、細胞集団中の細胞の約40%またはそれ以上、約50%またはそれ以上、約60%またはそれ以上、約70%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、約85%またはそれ以上、約90%またはそれ以上、約95%またはそれ以上、約96%またはそれ以上、約97%またはそれ以上、約98%またはそれ以上、あるいは約99%またはそれ以上で誘導される。ある実態態様において、老化は、細胞集団中の細胞の約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、または約80%以下で誘導される。
ある実態態様において、細胞におけるアポトーシスを誘導するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記細胞に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、アポトーシスは、細胞集団中の細胞の約40%またはそれ以上、約50%またはそれ以上、約60%またはそれ以上、約70%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、約85%またはそれ以上、約90%またはそれ以上、約95%またはそれ以上、約96%またはそれ以上、約97%またはそれ以上、約98%またはそれ以上、あるいは約99%またはそれ以上で誘導される。ある実態態様において、アポトーシスは、細胞集団中の細胞の約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、または約80%以下で誘導される。
ある実態態様において、細胞におけるCDK4またはCDK6を阻害するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記細胞に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、CDK4またはCDK6は、約10%またはそれ以上、約20%またはそれ以上、約30%またはそれ以上、約40%またはそれ以上、約50%またはそれ以上、約60%またはそれ以上、約70%またはそれ以上、約75%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、約90%またはそれ以上、約95%またはそれ以上、約96%またはそれ以上、約97%またはそれ以上、約98%またはそれ以上、あるいは約99%またはそれ以上まで阻害される。ある実態態様において、CDK4またはCDK6は、約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約70%以下、または約60%以下に阻害される。ある実態態様において、CDK4またはCDK6の活性は、キナーゼアッセイにより測定される。
ある実態態様において、細胞におけるCDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を阻害するための方法であてt、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記細胞に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上は、約10%またはそれ以上、約20%またはそれ以上、約30%またはそれ以上、約40%またはそれ以上、約50%またはそれ以上、約60%またはそれ以上、約70%またはそれ以上、約75%またはそれ以上、約80%またはそれ以上、約90%またはそれ以上、約95%またはそれ以上、約96%またはそれ以上、約97%またはそれ以上、約98%またはそれ以上、あるいは約99%またはそれ以上まで阻害される。ある実態態様において、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上は、約99%以下、約98%以下、約97%以下、約96%以下、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約70%以下、または約60%以下に阻害される。ある実態態様において、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上の活性は、キナーゼアッセイにより測定される。
ある実態態様において、CDK4またはCDK6を阻害するための方法であって、CDK4またはCDK6を有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK4またはCDK6に対して、1μM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、または0.5nM以下のIC50で結合する。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK4またはCDK6に対して、0.1nM~1nM、1nM~5nM、5nM~10nM、10nM~50nM、50nM~100nM、100nM~200nM、200nM~300nM、300nM~400nM、400nM~500nM、500nM~600nM、600nM~700nM、700nM~800nM、800nM~900nM、または900nM~1μMのIC50で結合する。ある実態態様において、IC50は、キナーゼアッセイにより測定される。ある実態態様において、IC50は、細胞増殖アッセイにより測定される。
ある実態態様において、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を阻害するための方法であって、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上に対して、1μM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、または0.5nM以下のIC50で結合する。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上に対して、0.1nM~1nM、1nM~5nM、5nM~10nM、10nM~50nM、50nM~100nM、100nM~200nM、200nM~300nM、300nM~400nM、400nM~500nM、500nM~600nM、600nM~700nM、700nM~800nM、800nM~900nM、または900nM~1μMのIC50で結合する。ある実態態様において、IC50は、キナーゼアッセイにより測定される。ある実態態様において、IC50は、細胞増殖アッセイにより測定される。
ある実態態様において、個体におけるCDK4/6を調節するための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩、あるいはその塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、個体におけるCDK4およびCDK6を調節するための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩あるいはその塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、個体におけるCDK4/6、ならびにCDK1、CDK2およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を調節するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、個体におけるCDK4およびCDK6、ならびにCDK1、CDK2、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上を調節するための方法であって、本明細書に記載の化合物またはその塩を前記個体に投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK4/6のうちの1つまたはそれ以上に対して、1μM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、または0.5nM以下のIC50で結合する。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK4およびCDK6のうちの1つまたはそれ以上に対して、1μM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、5nM以下、1nM以下、または0.5nM以下のIC50で結合する。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、CDK1、CDK2、CDK4、CDK6、およびCDK9のうちの1つまたはそれ以上に対して、0.1nM~1nM、1nM~5nM、5nM~10nM、10nM~50nM、50nM~100nM、100nM~200nM、200nM~300nM、300nM~400nM、400nM~500nM、500nM~600nM、600nM~700nM、700nM~800nM、800nM~900nM、または900nM~1μMのIC50で結合する。ある実態態様において、IC50は、キナーゼアッセイにより測定される。ある実態態様において、IC50は、細胞増殖アッセイにより測定される。
1の実施態様において、前記化合物またはその塩は、抗原を提示するための腫瘍細胞の機能的な能力を増加させるか、または免疫抑制TReg集団を、それらの細胞増殖を抑制することによって減少させることによって抗腫瘍免疫性を高めうる。
ある実態態様において、細胞の増殖を阻害するための方法であって、前記細胞を、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、式(I)、(IA)、(I-B20)~(I-B12)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、細胞の増殖を、5μM以下、2μM以下、1μM以下、900nM以下、800nM以下、700nM以下、600nM以下、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、または50nM以下のEC50で阻害するのに有効である。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、細胞の増殖を、10nM~20nM、20nM~50nM、50nM~100nM、100nM~500nM、500nM~1μM、1μM~2μM、または2μM~5μMのEC50で阻害するのに有効である。ある実態態様において、EC50は、細胞増殖アッセイにより測定される。
併用療法
本明細書で供されるように、本開示化合物またはその塩は、免疫系に影響を与えうる。よって、本化合物またはその塩は、他の抗癌剤または免疫療法と組み合わせて用いられてもよい。ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩、ならびにさらなる治療剤を前記個体に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、第2の治療剤は、癌免疫療法剤、内分泌治療剤、または化学療法剤である。ある実態態様において、前記疾患は、増殖性疾患、例えば、癌である。
本明細書で供されるように、本開示化合物またはその塩は、免疫系に影響を与えうる。よって、本化合物またはその塩は、他の抗癌剤または免疫療法と組み合わせて用いられてもよい。ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩、ならびにさらなる治療剤を前記個体に投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、第2の治療剤は、癌免疫療法剤、内分泌治療剤、または化学療法剤である。ある実態態様において、前記疾患は、増殖性疾患、例えば、癌である。
ある実態態様において、前記さらなる治療剤は、癌免疫療法剤である。ある実態態様において、前記さらなる治療剤は、免疫刺激薬である。ある実態態様において、前記さらなる治療剤は、チェックポイントタンパク質を標的とする(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)。ある実態態様において、前記さらなる治療剤は、腫瘍に対する免疫応答を活性化し、亢進し、または改善するために有効である。
別の態様において、疾患(例えば、癌)の治療のための併用療法が本明細書で提供される。ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を、放射線療法と組み合わせて投与することを含む方法が本明細書で提供される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量の内分泌治療剤を投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、内分泌治療剤は、抗エストロゲン治療剤である。ある実態態様において、前記内分泌治療剤は、選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD、例えば、フルベストラント)である。ある実態態様において、前記内分泌治療剤は、選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM、例えば、タモキシフェン)である。ある実態態様において、前記内分泌治療剤は、アロマターゼ阻害剤(例えば、レトロゾール)である。ある実態態様において、CDK4/6阻害剤および内分泌治療剤の組み合わせは、G1-S細胞周期の停止を亢進する。ある実態態様において、CDK4/6阻害剤および内分泌治療剤の組み合わせは、老化段階に入ることを亢進する。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、内分泌治療剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記内分泌治療剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量の第2の化学療法剤を投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、前記化学療法剤は、別のキナーゼ阻害剤である。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記第2の化学療法剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記第2の化学療法剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩と組み合わせて用いることができる化学療法剤の例には、DNA標的化薬剤、DNAアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロランブシル、メルファラン、ダカルバジン、またはニトロソ尿素)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカンまたはトポテカン)またはトポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシドまたはテニポシド))、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、またはバルルビシン)、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタットまたはロミデプシン)、ブロモドメイン阻害剤、他のエピジェネティック阻害剤、タキサン(例えば、パクリタキセルまたはドセタキセル)、キナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、イブルチニブ)、抗血管形成阻害剤、ヌクレオチド類似体または前駆類似体(例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキセート、またはチオグアニン)、白金を基にした化学療法剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチン)、ペメトレキセド、あるいはこれらの組み合わせが含まれる。ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物)、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のキナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、ビスモデギブ、またはイブルチニブ)を投与することを含む方法が本明細書で提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記キナーゼ阻害剤の前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩を、前記キナーゼ阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のDNA損傷剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DNA損傷剤の前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。 ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DNA損傷剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のDNAアルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロランブシル、メルファラン、ダカルバジン、またはニトロソ尿素)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DNAアルキル化剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DNAアルキル化剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のトポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカンまたはトポテカン)またはトポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシドまたはテニポシド)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記トポイソメラーゼ阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記トポイソメラーゼ阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のアントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、またはバルルビシン)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記アントラサイクリンの投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記アントラサイクリンの投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタットまたはロミデプシン)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式Iまたはその医薬的に許容される塩は、前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ヒストンデアセチラーゼ阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物)、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のタキサン(例えば、パクリタキセルまたはドセタキセル)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記タキサンの投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記タキサンの投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のヌクレオチド類似体または前駆類似体(例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、メルカプトプリン、メトトレキセート、またはチオグアニン)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ヌクレオチド類似体または前駆類似体の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ヌクレオチド類似体または前駆類似体の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量の白金を基にした化学療法剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチン)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記白金を基にした化学療法剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記白金を基にした化学療法剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のペメトレキセドを投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、ペメトレキセドの投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、ペメトレキセドの投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記BTK阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記BTK阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物)、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のPI3KまたはAkt阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記PI3KまたはAkt阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記PI3KまたはAkt阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のDNA損傷応答(DDR)経路阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DDR経路阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記DDR経路阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。DDR経路阻害剤の例として、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、またはタラゾパリブ)、血管拡張性失調症変異(ATM)タンパク質阻害剤、血管拡張性失調症およびRad3関連(ATR)タンパク質阻害剤、チェックポイントキナーゼ1(Chk1)阻害剤、またはこれらの組み合わせが含まれる。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のPARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、またはタラゾパリブ)を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記PARP阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記PARP阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のATMタンパク質阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ATMタンパク質阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ATMタンパク質阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物)、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のATRタンパク質阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ATRタンパク質阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記ATRタンパク質阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のChk1阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記Chk1阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記Chk1阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
ある実態態様において、個体における疾患を治療するための方法であって、(a)有効量の式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物、またはそのいずれかの実施態様、バリエーションもしくは態様(総じると、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45))、あるいはその医薬的に許容される塩を投与し、次いで(b)有効量のさらなるCDK4/6阻害剤を投与することを含む方法が提供される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記さらなるCDK4/6阻害剤の投与前もしくは後に投与され、または同時に共投与される。ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその医薬的に許容される塩は、前記さらなるCDK4/6阻害剤の投与の1時間またはそれ以上(例えば、2時間またはそれ以上、4時間またはそれ以上、8時間またはそれ以上、12時間またはそれ以上、24時間またはそれ以上、あるいは48時間またはそれ以上)前または後に投与される。
別の態様において、式(I)の化合物、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)、またはその塩が、免疫応答を活性化するために有効である1つまたはそれ以上のさらなる薬剤と共投与されて(別々または同時であってよい)、それゆえに対象における免疫応答がさらに高められ、活性化され、または上方調節される併用療法が本明細書で提供される。例えば、対象における免疫応答を活性化するための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および1つまたはそれ以上の免疫刺激抗体、例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、および/または抗CTLA-4抗体を前記対象に投与して、免疫応答が前記対象で活性化され、例えば、腫瘍成長が阻害されることを含む方法が本明細書で提供される。1の実施態様において、前記対象は、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および抗PD-1抗体が投与される。別の態様において、前記対象は、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および抗PD-L1抗体が投与される。さらに別の実施態様において、前記対象は、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および抗CTLA-4抗体が投与される。別の態様において、前記免疫刺激抗体(例えば、抗PD-1、抗PD-L1、および/または抗CTLA-4抗体)は、ヒト抗体である。あるいは、前記免疫刺激抗体は、例えば、キメラまたはヒト化抗体(例えば、マウス抗PD-1、抗PD-L1、および/または抗CTLA-4抗体から調製される)でありうる。
1の実施態様において、本開示は、増殖性疾患(例えば、癌)を治療するための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および抗PD-1抗体を対象に投与することを含む方法を提供する。さらなる実施態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、治療用量以下で投与され、前記抗PD-1抗体は、治療用量以下で投与され、または前記両方は、治療用量以下で投与される。別の態様において、本開示は、免疫刺激薬による過剰増殖性疾患の治療に関連する有害事象を変化させるための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および治療用量以下の抗PD-1抗体を対象に投与することを含む方法を提供する。ある実施態様において、前記対象は、ヒトである。ある実施態様において、前記抗PD-1抗体は、ヒト配列のモノクローナル抗体である。
1の実施態様において、本発明は、増殖性疾患(例えば、癌)を治療するための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および抗PD-L1抗体を対象に投与することを含む方法を提供する。さらなる実施態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、治療用量以下で投与され、前記抗PD-L1抗体は、治療用量以下で投与され、または前記両方は、治療用量以下で投与される。別の態様において、本発明は、免疫刺激薬による過剰増殖性疾患の治療に関連する有害事象を変化させるための方法であって、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩および治療用量以下の抗PD-L1抗体を対象に投与することを含む方法を提供する。ある実施態様において、前記対象は、ヒトである。ある実施態様において、前記抗PD-L1抗体は、ヒト配列のモノクローナル抗体である。
ある実施態様において、本明細書に記載の治療剤の組み合わせは、医薬的に許容される担体中の単一の組成物として同時に、または医薬的に許容される担体中の各々別個の組成物として同時に投与することができる。別の態様において、前記治療剤の組み合わせは、順次投与することができる。例えば、抗CTLA-4抗体および式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、順次投与することができ、例えば、抗CTLA-4抗体が最初に投与され、次に式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩が投与されるか、あるいは式(I)の化合物、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)またはその塩が最初に投与され、次に抗CTLA-4抗体が投与される。さらに、もしくはあるいは、抗PD-1抗体および式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、順次投与することができ、例えば、抗PD-1抗体が最初に投与され、次に式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩が投与されるか、あるいは式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩が最初に投与され、次に抗PD-1抗体が投与される。さらに、もしくはあるいは、抗PD-L1抗体および式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、順次投与することができ、例えば、抗PD-L1抗体が最初に投与され、次に式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩が投与されるか、あるいは式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩が最初に投与され、次に抗PD-L1抗体が投与される。
さらに、組み合わせ治療剤の1回より多くの用量が順次投与される場合、連続した投与の順序は、各投与時点と同一順序と逆またはそのままであってもよく、連続投与は、同時の投与と組み合わせることができ、あるいはこれらのいずれかの組み合わせでありうる。
必要に応じて、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩の組み合わせは、免疫原性薬剤、例えば、癌細胞、精製された腫瘍抗原(組換えタンパク質、ペプチド、および炭水化物分子を含む)、細胞、および免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞などとさらに組み合わせることができる。
式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩はまた、標準的な癌治療とさらに組み合わせることもできる。例えば、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、化学療法計画と効果的に組み合わせることができる。これらの例において、本開示の組み合わせと一緒に投与される他の化学療法剤の用量を減少させることができる。式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩との他の併用療法には、放射線療法、外科手術、またはホルモン除去療法が含まれる。血管形成阻害剤はまた、式(I)の化合物、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩と組み合わせることができる。血管形成の阻害は、宿主の抗原提示経路に送り込まれる腫瘍抗原の供給源となりうる腫瘍細胞の死を引き起こす。
別の例において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、抗悪性腫瘍抗体と組み合わせて用いることができる。一例として、理論に拘束されることを所望することなく、抗癌抗体または毒素に抱合された抗癌抗体による治療は、CTLA-4、PD-1、PD-L1、あるいは式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩によって介在される免疫応答を増強するであろう癌細胞の死(例えば、腫瘍細胞)を引き起こすことができる。例示の実施態様において、過剰増殖性疾患(例えば、癌腫瘍)の治療には、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩ならびに抗CTLA-4および/または抗PD-1および/または抗PD-L1抗体と同時もしくは順次またはこれらのいずれかの組み合わせで組み合わせた抗癌抗体が含まれ、宿主による抗腫瘍免疫応答を増強することができる。宿主の免疫応答性を活性化するために用いることができる他の抗体は、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩と組み合わせてさらに用いることができる。
ある実態態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、抗CD73療法剤、例えば、抗CD73抗体と組み合わせることができる。
なおさらなる実施態様において、式(I)、(I-A)、(I-B1)~(I-B20)、(I-C1)~(I-C45)の化合物またはその塩は、別のCDK4またはCDK6阻害剤または他のCDK阻害剤と組み合わせて投与される。
投与の用量および方法
個体(例えば、ヒト)に投与される化合物の用量は、具体的な化合物またはその塩、投与方法、および具体的な疾患、例えば、治療される癌のタイプおよびステージに応じて変動しうる。ある実態態様において、前記化合物またはその塩の量は、治療上有効量である。
個体(例えば、ヒト)に投与される化合物の用量は、具体的な化合物またはその塩、投与方法、および具体的な疾患、例えば、治療される癌のタイプおよびステージに応じて変動しうる。ある実態態様において、前記化合物またはその塩の量は、治療上有効量である。
前記化合物の有効量は、ある態様において、約0.01~約100mg/kgの用量であってもよい。本化合物の有効量または用量は、一定の因子、例えば、投与様式もしくは経路または薬物送達、薬剤の薬物動態、治療される疾患の重症度および過程、対象の健康状態、条件、および体重などを考慮して、通常の方法、例えば、モデリング、漸増試験、または臨床試験によって確認されうる。典型的な用量は、1日約0.7mg~7g、1日約7mg~350mg、1日約350mg~1.75g、または1日約1.75~7gの範囲内である。
本明細書で供される方法のいずれかは、ある態様において、有効量の本明細書で供される化合物またはその塩および医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を個体に投与することを含む。
本発明の化合物または組成物は、所望される時間または期間、例えば、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、または少なくとも約12ヶ月またはそれ以上、あるバリエーションにおいて、個体の一生の間であってもよい有効な投薬計画に従って個体に投与されうる。1のバリエーションにおいて、前記化合物は、毎日または断続したスケジュールで投与される。前記化合物は、ある期間継続(例えば、少なくとも1日1回)して個体に投与することができる。投薬頻度はまた、1日1回以下、例えば、約1週間に1回の投薬でありうる。前記投薬頻度は、1日1回以上、例えば、1日2回または3回でありうる。前記投薬頻度はまた、「休薬日」を含む断続的であってもよい(例えば、1日1回の7日間、続いて7日間投薬なしの14日間の繰り返し、例えば、約2ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月またはそれ以上の投薬)。前記投薬頻度のいずれもが、本明細書に記載の化合物のいずれかを本明細書に記載の用量のいずれかとともに適用することができる。
本明細書で供される化合物またはその塩は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、経口および経皮を含む様々な経路により個体に投与されてもよい。本明細書で供される化合物は、「メトロノミック療法」として公知であるか、あるいは化合物単独で、または1つまたはそれ以上のさらなる薬剤と組み合わせて用いる維持療法の一部として、低用量で頻繁に投与することができる。メトロノミック療法または維持療法は、本明細書で供される化合物の周期的な投与を含みうる。メトロノミック療法または維持療法は、本明細書で供される化合物の腫瘍内投与を含みうる。
ある態様において、本発明は、有効量の化合物またはその塩を個体(例えば、ヒト)に非経口で投与することによる個体における癌を治療するための方法を提供する。ある実態態様において、前記投与経路は、静脈内、動脈内、筋肉内、または皮下である。ある実態態様において、前記投与経路は、経口である。さらに他の実施態様において、前記投与経路は、経皮である。
本発明はまた、癌の発症および/または進行を治療し、予防し、遅延させるのに使用するための本明細書に記載される組成物(医薬組成物を含む)および本明細書に記載の他の方法を提供する。ある実施態様において、前記組成物は、単位製剤で存在する医薬製剤を含む。
本明細書に記載の方法の使用のための適切な包装中の本明細書に記載される本開示の化合物もしくはその塩、組成物、および単位製剤を含む製品もまた提供される。適切な包装は、当該技術分野で公知であり、例えば、バイアル、容器、アンプル、ボトル、ジャー、フレキシブル包装などが含まれる。製品は、さらに、滅菌され、および/または密封されていてもよい。
キット
本開示は、本発明の方法を実施するためのキットであって、1つまたはそれ以上の本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の化合物を含む組成物を含むキットをさらに提供する。前記キットは、本明細書で開示される化合物のいずれかを用いていてもよい。1のバリエーションにおいて、前記キットは、本明細書に記載の化合物またはその塩を用いていてもよい。前記キットは、本明細書に記載の使用のうちのいずれか1つまたはそれ以上のために用いられてもよく、それゆえ癌の治療のための指示書を含みうる。
本開示は、本発明の方法を実施するためのキットであって、1つまたはそれ以上の本明細書に記載の化合物または本明細書に記載の化合物を含む組成物を含むキットをさらに提供する。前記キットは、本明細書で開示される化合物のいずれかを用いていてもよい。1のバリエーションにおいて、前記キットは、本明細書に記載の化合物またはその塩を用いていてもよい。前記キットは、本明細書に記載の使用のうちのいずれか1つまたはそれ以上のために用いられてもよく、それゆえ癌の治療のための指示書を含みうる。
キットは、一般に、適切な包装を含む。前記キットは、本明細書に記載の化合物を含む1つまたはそれ以上の容器を含みうる。各構成要素(1つより多くの構成要素が存在する場合)は、別々の容器に包装することができ、またはある構成要素は、交差反応性と有効期間が許す場合にある容器内で組み合わせることができる。
前記キットは、単位製剤、バルク包装(例えば、複数用量包装)、または部分単位用量であってもよい。例えば、キットは、長期間、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間またはそれ以上のいずれかの個体の有効な治療を提供するために、十分な用量の本明細書に記載の化合物および/または本明細書に記載の疾患に有用な第2の医薬的に活性な化合物を含めて提供されてもよい。キットはまた、化合物の複数の単位用量および使用のための指示書を含んでいてもよく、薬局(例えば、病院薬局および調合薬局)における保存および使用のために十分な量で包装されうる。
前記キットには、必要に応じて、本発明の方法の構成要素の使用に関する一組の指示書、一般に、書面の指示書が含まれてもよいが、指示書を含む電子記録媒体(例えば、磁気ディスクまたは光学ディスク)もまた許容される。前記キットに含まれる指示書には、一般に、構成物およびそれらの個体への投与に関する情報が含まれる。
本発明は、例示であって、限定することを示すものではない下記の実施例を参照してさらに理解することができる。
合成例
実施例-1:N-(3-(1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物1)
ステップ-1:2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノールの合成:
エタノール(750mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェノール(15g,0.072mol,1.0当量)の溶液に、塩化スズ(II)水和物(68.25g,0.36mol,5.0当量)を一度に加えた。該混合物を80℃で2時間攪拌し、反応をTLCによりモニターした。反応混合物を周囲温度にし、氷に注ぎ入れた。該pHを、NaOH水溶液(5N)を用いて7~8に調整した。水層を酢酸エチルで抽出した(600mL×2)。有機層を合わせ、有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 206 [M+H] +, 208 [M+H] +
実施例-1:N-(3-(1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物1)
エタノール(750mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェノール(15g,0.072mol,1.0当量)の溶液に、塩化スズ(II)水和物(68.25g,0.36mol,5.0当量)を一度に加えた。該混合物を80℃で2時間攪拌し、反応をTLCによりモニターした。反応混合物を周囲温度にし、氷に注ぎ入れた。該pHを、NaOH水溶液(5N)を用いて7~8に調整した。水層を酢酸エチルで抽出した(600mL×2)。有機層を合わせ、有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 206 [M+H] +, 208 [M+H] +
ステップ-2:DCM(400mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノールの合成:
2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノール(19.5g,94.6mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でアセトン(8.24g,141.9mmol,1.5当量)、続いて酢酸(28.42g,473.3mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を同一温度で10分間攪拌した。これに、0℃で三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40.13g,189.3mmol,2.0当量)を加えた。反応混合物を同一温度で1時間攪拌した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を氷冷水(100mL)でクエンチし、有機層を抽出した。該有機層を水で洗浄し(3x100mL)、続いて食塩水(100mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 248 [M+H] +, 250 [M+H] +
2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノール(19.5g,94.6mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でアセトン(8.24g,141.9mmol,1.5当量)、続いて酢酸(28.42g,473.3mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を同一温度で10分間攪拌した。これに、0℃で三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(40.13g,189.3mmol,2.0当量)を加えた。反応混合物を同一温度で1時間攪拌した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を氷冷水(100mL)でクエンチし、有機層を抽出した。該有機層を水で洗浄し(3x100mL)、続いて食塩水(100mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 248 [M+H] +, 250 [M+H] +
ステップ-3:6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンの合成:
クロロホルム(500mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノール(24.5g,99.59mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でNaHCO3(41.5g,497.9mmol,5.0当量)を加え、続いて同一温度で塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(22.4g,99.9mmol,1.0当量)を加えた。該反応混合液を0℃で5分間攪拌した。これに、0℃で塩化クロロアセチル(11.2g,99.6mmol,1.0当量)を加えた。該反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を氷冷水(100mL)でクエンチし、有機層をDCMで抽出した(500mL×2)。該有機層を合わせ、水(3×100mL)および食塩水溶液(110mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ#23gおよび24.5g)からの粗生成物質を、酢酸エチル:ヘキサンの0~40%を溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(100~200メッシュ)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 288 [M+H]+, 290 [M+H]+
クロロホルム(500mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノール(24.5g,99.59mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でNaHCO3(41.5g,497.9mmol,5.0当量)を加え、続いて同一温度で塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(22.4g,99.9mmol,1.0当量)を加えた。該反応混合液を0℃で5分間攪拌した。これに、0℃で塩化クロロアセチル(11.2g,99.6mmol,1.0当量)を加えた。該反応混合物を周囲温度で1時間攪拌した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を氷冷水(100mL)でクエンチし、有機層をDCMで抽出した(500mL×2)。該有機層を合わせ、水(3×100mL)および食塩水溶液(110mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ#23gおよび24.5g)からの粗生成物質を、酢酸エチル:ヘキサンの0~40%を溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(100~200メッシュ)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 288 [M+H]+, 290 [M+H]+
ステップ-4:6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-3、4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成:
THF(600mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(30g,104.5mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、BH3・DMS(THF中で2M)(209mL,418.1mmol,4.0当量)を0℃で滴下して加えた。該反応混合液を80℃で1時間攪拌した。該反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。完了後、溶媒を減圧下で濃縮した。該反応混合物を、0℃にて飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(200mL×2)。該有機層を合わせ、水(200mL)および食塩水溶液(200mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、所望生成物を得た。該粗生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 274 [M+H] +, 276 [M+H] +
THF(600mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(30g,104.5mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、BH3・DMS(THF中で2M)(209mL,418.1mmol,4.0当量)を0℃で滴下して加えた。該反応混合液を80℃で1時間攪拌した。該反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。完了後、溶媒を減圧下で濃縮した。該反応混合物を、0℃にて飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(200mL×2)。該有機層を合わせ、水(200mL)および食塩水溶液(200mL)で洗浄した。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、所望生成物を得た。該粗生成物をさらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 274 [M+H] +, 276 [M+H] +
ステップ-5:8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成:
ジオキサン(170mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(17g,62.2mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、周囲温度で4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(20.5g,80.9mmol,1.1当量)および酢酸カリウム(18.3g,186.8mmol,3.0当量)を加えた。該反応混合物を窒素下で15分間パージし、続いてPdCl2(dppf)DCM(2.54g,3.11mmol,0.05当量)を加えた。該混合物を、再度窒素で5分間パージした。該反応混合液を80℃で16時間加熱し、TLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、ジオキサンを減圧下で留去した。該反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(1000mL×2)。有機層を合わせて、水で洗浄した(200mL×3)。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ-#17g)からの粗生成物質を、酢酸エチル:ヘキサンの0~20%を溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(#100~200メッシュ)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 323 [M+H] +
ジオキサン(170mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(17g,62.2mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、周囲温度で4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(20.5g,80.9mmol,1.1当量)および酢酸カリウム(18.3g,186.8mmol,3.0当量)を加えた。該反応混合物を窒素下で15分間パージし、続いてPdCl2(dppf)DCM(2.54g,3.11mmol,0.05当量)を加えた。該混合物を、再度窒素で5分間パージした。該反応混合液を80℃で16時間加熱し、TLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、ジオキサンを減圧下で留去した。該反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(1000mL×2)。有機層を合わせて、水で洗浄した(200mL×3)。該有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ-#17g)からの粗生成物質を、酢酸エチル:ヘキサンの0~20%を溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(#100~200メッシュ)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 323 [M+H] +
ステップ-6:6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成:
THF:水(240mL:160mL,20mL)中の2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(7.6g,46.7mmol,1当量)および8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(15g,46.7mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、周囲温度で炭酸カリウム(12.91g,93.4mmol,2.0当量)を加えた。反応混合物を窒素下で15分間パージし、Pd(PPh3)4(0.530g,0.46mmol,0.01当量)を加えた。反応混合物を再度窒素下で5分間パージした。反応混合液を80℃で6時間加熱した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、THFを減圧下で留去した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(1000mL×2)。有機層を合わせ、水で洗浄した(200mL×3)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ各々15g)からの粗生成物質を、0~30%の酢酸エチル:ヘキサンを溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(#100~200)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 326[M+H] +, 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.43 (d, J=3.5 Hz, 1 H) 7.42 (s, 1 H) 7.30 (s, 1 H) 4.28 - 4.42 (m, 2 H) 4.11 - 4.21 (m, 1 H) 3.23 - 3.37 (m, 2 H) 1.23 (d, J=6.6 Hz, 6 H).
THF:水(240mL:160mL,20mL)中の2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(7.6g,46.7mmol,1当量)および8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(15g,46.7mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、周囲温度で炭酸カリウム(12.91g,93.4mmol,2.0当量)を加えた。反応混合物を窒素下で15分間パージし、Pd(PPh3)4(0.530g,0.46mmol,0.01当量)を加えた。反応混合物を再度窒素下で5分間パージした。反応混合液を80℃で6時間加熱した。反応をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、THFを減圧下で留去した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(1000mL×2)。有機層を合わせ、水で洗浄した(200mL×3)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。2つのバッチ(バッチサイズ各々15g)からの粗生成物質を、0~30%の酢酸エチル:ヘキサンを溶出液として用いてカラムクロマトグラフィーシリカゲル(#100~200)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 326[M+H] +, 1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 8.43 (d, J=3.5 Hz, 1 H) 7.42 (s, 1 H) 7.30 (s, 1 H) 4.28 - 4.42 (m, 2 H) 4.11 - 4.21 (m, 1 H) 3.23 - 3.37 (m, 2 H) 1.23 (d, J=6.6 Hz, 6 H).
ステップ-7:tert-ブチル 4-(3-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(10mL)中の1-ブロモ-3-ニトロベンゼン(300mg,1.49mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(597mg,2.98mmol,2.0当量)および炭酸セシウム(972mg,2.98mmol,2当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いてPd2(dba)3(55mg,0.059mmol,0.04当量)およびキサントホス(52mg,0.089mmol,0.06当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 322 [M+H] +
ジオキサン(10mL)中の1-ブロモ-3-ニトロベンゼン(300mg,1.49mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(597mg,2.98mmol,2.0当量)および炭酸セシウム(972mg,2.98mmol,2当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いてPd2(dba)3(55mg,0.059mmol,0.04当量)およびキサントホス(52mg,0.089mmol,0.06当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 322 [M+H] +
ステップ-8:tert-ブチル 4-(3-アミノフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
メタノール(10mL)中のtert-ブチル 4-(3-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(200mg,0.62mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、H2下でPd/C(20w/w%)(40mg)を加えた。生じた反応混合物を室温で4時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該混合物をセライトベッドに通し、該濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 292 [M+H] +
メタノール(10mL)中のtert-ブチル 4-(3-ニトロフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(200mg,0.62mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、H2下でPd/C(20w/w%)(40mg)を加えた。生じた反応混合物を室温で4時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該混合物をセライトベッドに通し、該濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 292 [M+H] +
ステップ-9:tert-ブチル 4-(3-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(3-アミノフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(96mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 581 [M+H] +
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(3-アミノフェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(96mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 581 [M+H] +
ステップ-10:N-(3-(1,4-ジアゼパン-1-イル)フェニル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成:
tert-ブチル 4-(3-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(120mg,0.2mmol,1.0当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 481 [M+H] +, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 9.42 (s, 1 H), 8.54 (d, J=3.5 Hz, 1 H), 7.40 (br s, 1 H), 7.08 - 7.22 (m, 2 H), 7.03 (t, J=7.7 Hz, 1 H), 6.34 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 4.30 (br s, 2 H), 4.12 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 3.51 (br s, 2 H), 3.44 (br s, 2 H), 3.32 (br s, 2H), 2.85 (br s, 2 H), 2.64 (br s, 2 H), 1.90 (s, 1 H), 1.79 (br s, 2 H), 1.01 - 1.30 (m, 6 H).
tert-ブチル 4-(3-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)フェニル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(120mg,0.2mmol,1.0当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 481 [M+H] +, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 9.42 (s, 1 H), 8.54 (d, J=3.5 Hz, 1 H), 7.40 (br s, 1 H), 7.08 - 7.22 (m, 2 H), 7.03 (t, J=7.7 Hz, 1 H), 6.34 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 4.30 (br s, 2 H), 4.12 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 3.51 (br s, 2 H), 3.44 (br s, 2 H), 3.32 (br s, 2H), 2.85 (br s, 2 H), 2.64 (br s, 2 H), 1.90 (s, 1 H), 1.79 (br s, 2 H), 1.01 - 1.30 (m, 6 H).
実施例-2:N-(4-(1,4-ジアゼパン-1-イル)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物2)
ステップ-1:tert-ブチル 4-(2-ニトロピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(10mL)中の4-ブロモ-2-ニトロピリジン(300mg,1.89mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(456mg,2.27mmol,1.2当量)および炭酸セシウム(924mg,2.83mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いて酢酸パラジウム(17mg,0.075mmol,0.04当量)およびキサントホス(66mg,0.11mmol,0.06当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して所望生成物を得た。LCMS: 323 [M+H] +
ジオキサン(10mL)中の4-ブロモ-2-ニトロピリジン(300mg,1.89mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(456mg,2.27mmol,1.2当量)および炭酸セシウム(924mg,2.83mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いて酢酸パラジウム(17mg,0.075mmol,0.04当量)およびキサントホス(66mg,0.11mmol,0.06当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して所望生成物を得た。LCMS: 323 [M+H] +
ステップ-2:tert-ブチル 4-(2-アミノピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
メタノール(10mL)中のtert-ブチル 4-(2-ニトロピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(200mg,0.62mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、H2雰囲気下でPd/C(20w/w%)(40mg)を加えた。生じた反応混合物を室温で4時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該混合物をセライトベッドに通し、該濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 293 [M+H] +
メタノール(10mL)中のtert-ブチル 4-(2-ニトロピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(200mg,0.62mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、H2雰囲気下でPd/C(20w/w%)(40mg)を加えた。生じた反応混合物を室温で4時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該混合物をセライトベッドに通し、該濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 293 [M+H] +
ステップ-3:tert-ブチル 4-(2-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(2-アミノピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(96mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 582 [M+H] +
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(2-アミノピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(96mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 582 [M+H] +
ステップ-4:N-(4-(1,4-ジアゼパン-1-イル)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成:
tert-ブチル 4-(2-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(120mg,0.2mmol,1当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して所望生成物を得た。LCMS: 482 [M+H] +, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 10.21 (br s, 1 H), 8.65 (br s, 1 H), 7.94 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.71 (d, J=7.9 Hz, 2 H), 7.60 (br s, 1 H), 7.44 (br s, 1 H), 7.18 (d, J=12.3 Hz, 1 H), 4.31 (br s, 2 H), 4.16 (br s, 1 H), 3.39 (m, 2 H), 3.17 (br s, 1 H), 2.99 (br s, 2 H), 2.92 (br s, 2 H), 2.09 (br s, 1 H), 1.54 (br s, 2 H), 1.36 (br s, 2 H), 1.20 (d, J=6.1 Hz, 6 H).
tert-ブチル 4-(2-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-4-イル)-1,4-ジアゼパン-1-カルボキシレート(120mg,0.2mmol,1当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して所望生成物を得た。LCMS: 482 [M+H] +, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 10.21 (br s, 1 H), 8.65 (br s, 1 H), 7.94 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.71 (d, J=7.9 Hz, 2 H), 7.60 (br s, 1 H), 7.44 (br s, 1 H), 7.18 (d, J=12.3 Hz, 1 H), 4.31 (br s, 2 H), 4.16 (br s, 1 H), 3.39 (m, 2 H), 3.17 (br s, 1 H), 2.99 (br s, 2 H), 2.92 (br s, 2 H), 2.09 (br s, 1 H), 1.54 (br s, 2 H), 1.36 (br s, 2 H), 1.20 (d, J=6.1 Hz, 6 H).
実施例-3:N-(5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物3)
ステップ-1:tert-ブチル 4-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:
THF(50mL)中のtert-ブチル 4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(5000mg,23.2mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、TEA(6.5mL,46.4mmol,2.0当量)を加えた。該反応混合物を0℃に冷却し、続いて塩化メシル(2.2mL,27.9mmol,1.2当量)を加えた。温度を室温まで上げ、生じた反応混合物を1時間攪拌させた。該反応の進行をHNMRによりモニターした。該反応完了後、水(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ 4.15 (br s, 1 H), 4.06 (s, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.71 (t, J=12.5 Hz, 2 H), 1.80 - 2.00 (m, 1 H), 1.74 (d, J=12.3 Hz, 1 H), 1.50 - 1.61 (m, 2 H), 1.35 - 1.50 (m, 9 H), 1.07 - 1.31 (m, 2 H), 0.83 (br s, 1 H).
THF(50mL)中のtert-ブチル 4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(5000mg,23.2mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、TEA(6.5mL,46.4mmol,2.0当量)を加えた。該反応混合物を0℃に冷却し、続いて塩化メシル(2.2mL,27.9mmol,1.2当量)を加えた。温度を室温まで上げ、生じた反応混合物を1時間攪拌させた。該反応の進行をHNMRによりモニターした。該反応完了後、水(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL)で抽出した。有機層を水(100mL)および食塩水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。1H NMR (クロロホルム-d, 400 MHz): δ 4.15 (br s, 1 H), 4.06 (s, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.71 (t, J=12.5 Hz, 2 H), 1.80 - 2.00 (m, 1 H), 1.74 (d, J=12.3 Hz, 1 H), 1.50 - 1.61 (m, 2 H), 1.35 - 1.50 (m, 9 H), 1.07 - 1.31 (m, 2 H), 0.83 (br s, 1 H).
ステップ-2:tert-ブチル 4-(((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:
DMF(10mL)中のtert-ブチル 4-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1000mg,5.7mmol,1当量)の攪拌溶液に、K2CO3(1573mg,11.4mmol,2当量)および6-ブロモピリジン-3-オール(2032mg,6.9mmol,1.2当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、水(100mL)で希釈し、得られた固形物を濾過し、減圧下で乾燥させて、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 371 [M+H] +, 373 [M+H] +
DMF(10mL)中のtert-ブチル 4-(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(1000mg,5.7mmol,1当量)の攪拌溶液に、K2CO3(1573mg,11.4mmol,2当量)および6-ブロモピリジン-3-オール(2032mg,6.9mmol,1.2当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、水(100mL)で希釈し、得られた固形物を濾過し、減圧下で乾燥させて、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 371 [M+H] +, 373 [M+H] +
ステップ-3:2-ブロモ-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジンの合成:
tert-ブチル 4-(((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2000mg,5.4mmol,1.0当量)を、エタノール(10mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物をHCl塩として得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 271 [M+H]+, 273 [M+H] +
tert-ブチル 4-(((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(2000mg,5.4mmol,1.0当量)を、エタノール(10mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去して、粗生成物をHCl塩として得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 271 [M+H]+, 273 [M+H] +
ステップ-4:2-ブロモ-5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジンの合成:
DCE(5mL)中の2-ブロモ-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン(500mg,1.6mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、アセトアルデヒド(水中で40%)(0.3mL,4.9mmol,3.0当量)および酢酸(0.5mL,8.0mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。反応混合液を0℃に冷却した。NaCNBH3(309mg,4.9mmol,3.0当量)を上記混合物に加え、温度を室温に上げた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、DCM(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 299 [M+H]+, 301 [M+H] +
DCE(5mL)中の2-ブロモ-5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン(500mg,1.6mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、アセトアルデヒド(水中で40%)(0.3mL,4.9mmol,3.0当量)および酢酸(0.5mL,8.0mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。反応混合液を0℃に冷却した。NaCNBH3(309mg,4.9mmol,3.0当量)を上記混合物に加え、温度を室温に上げた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、DCM(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 299 [M+H]+, 301 [M+H] +
ステップ-5:5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-アミンの合成:
DMSO(5mL)中の2-ブロモ-5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン(200mg,0.67mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、Cu2O(10mg,0.067mmol,0.1当量)およびNH4OH(40%)(0.5mL)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、これをNaOH飽和溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 236 [M+H] +
DMSO(5mL)中の2-ブロモ-5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン(200mg,0.67mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、Cu2O(10mg,0.067mmol,0.1当量)およびNH4OH(40%)(0.5mL)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、これをNaOH飽和溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 236 [M+H] +
ステップ-6:N-(5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-アミンの合成:
ジオキサン(5mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-アミン(78mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで10分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.0012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、これを水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 525 [M+H] +, 1H NMR (MeOH-d4 ,400 MHz): δ 8.40 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 8.18 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 7.98 (d, J=2.6 Hz, 1 H), 7.50 (s, 1 H), 7.40 (dd, J=9.0, 2.9 Hz, 1 H), 7.24 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 4.60 (br s, 2 H), 4.27 - 4.37 (m, 2 H), 4.06 - 4.25 (m, 1 H), 3.94 (d, J=5.7 Hz, 2 H), 3.25 (br s, 2 H), 2.74 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 2.42 (br s, 2 H), 1.83 - 2.08 (m, 3 H), 1.56 (d, J=12.3 Hz, 2 H), 1.23 - 1.29 (m, 6 H), 1.19 (br s, 3 H).
ジオキサン(5mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-アミン(78mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで10分間パージし、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.0012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、これを水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 525 [M+H] +, 1H NMR (MeOH-d4 ,400 MHz): δ 8.40 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 8.18 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 7.98 (d, J=2.6 Hz, 1 H), 7.50 (s, 1 H), 7.40 (dd, J=9.0, 2.9 Hz, 1 H), 7.24 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 4.60 (br s, 2 H), 4.27 - 4.37 (m, 2 H), 4.06 - 4.25 (m, 1 H), 3.94 (d, J=5.7 Hz, 2 H), 3.25 (br s, 2 H), 2.74 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 2.42 (br s, 2 H), 1.83 - 2.08 (m, 3 H), 1.56 (d, J=12.3 Hz, 2 H), 1.23 - 1.29 (m, 6 H), 1.19 (br s, 3 H).
実施例-4:N-(5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリジン-2-アミンの合成(化合物4)
ステップ-1:6-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジンの合成:
THF:水(1:1,10mL)中の2-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン(600mg,2.33mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(749mg,2.33mmol,1.0当量)、炭酸カリウム(644mg,4.66mmol,2.0当量)およびPd(PPh3)4(135mg,0.11mmol,0.05当量)を加えた。反応混合液を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 325 [M+H]+
THF:水(1:1,10mL)中の2-クロロ-5-フルオロ-4-ヨードピリジン(600mg,2.33mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(749mg,2.33mmol,1.0当量)、炭酸カリウム(644mg,4.66mmol,2.0当量)およびPd(PPh3)4(135mg,0.11mmol,0.05当量)を加えた。反応混合液を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、順相CombiFlashにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 325 [M+H]+
ステップ-2:tert-ブチル 4-(((6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:
DMSO(5mL)中のtert-ブチル 4-(((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(300mg,0.81mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、Cu2O(12mg,0.08mmol,0.1当量)およびNH4OH(40%)(3mL)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、NaOH飽和溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 308 [M+H]+
DMSO(5mL)中のtert-ブチル 4-(((6-ブロモピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(300mg,0.81mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、Cu2O(12mg,0.08mmol,0.1当量)およびNH4OH(40%)(3mL)を加えた。生じた反応混合物を80℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、NaOH飽和溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 308 [M+H]+
ステップ-3:tert-ブチル 4-(((6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(5mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(50mg,0.15mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(((6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(52mg,0.17mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(73mg,0.23mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで10分間パージし、続いてPd2(dba)3(4mg,0.008mmol,0.05当量)およびキサントホス(9mg,0.015mmol,0.1当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 596 [M+H]+
ジオキサン(5mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(50mg,0.15mmol,1.0当量)の溶液に、tert-ブチル 4-(((6-アミノピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(52mg,0.17mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(73mg,0.23mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで10分間パージし、続いてPd2(dba)3(4mg,0.008mmol,0.05当量)およびキサントホス(9mg,0.015mmol,0.1当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成化合物を得て、カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 596 [M+H]+
ステップ-4:5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ピリジン-2-アミンの合成:
tert-ブチル 4-(((6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(70mg,0.12mmol,1.0当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去し、残渣を凍結乾燥器で乾燥させて、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 496 [M+H]+
tert-ブチル 4-(((6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)オキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(70mg,0.12mmol,1.0当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去し、残渣を凍結乾燥器で乾燥させて、粗生成物を得て、さらに精製することなく次のステップに使用した。LCMS: 496 [M+H]+
ステップ-5:N-(5-((1-エチルピペリジン-4-イル)メトキシ)ピリジン-2-イル)-5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリジン-2-アミンの合成:
DCE(5mL)中の5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ピリジン-2-アミン(50mg,0.1mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、アセトアルデヒド(水中で40%)(0.02mL,0.3mmol,3.0当量)、酢酸(0.03mL,0.5mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。反応混合液を0℃に冷却した。NaCNBH3(19mg,0.3mmol,3.0当量)を上記混合物に加え、温度を室温に上げた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 524 [M+H]+, 1H NMR (MeOH-d4, 400 MHz): δ 7.97 - 8.13 (m, 1 H), 7.91 (br s, 1 H), 7.62 (d, J=5.7 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.35 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 6.87 (s, 1 H), 6.70 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 4.23 - 4.35 (m, 2 H), 4.03 - 4.18 (m, 1 H), 3.94 (d, J=5.3 Hz, 2 H), 3.53 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 3.25 (br s, 2 H), 2.98 - 3.16 (m, 2 H), 2.78 - 2.96 (m, 2 H), 2.66 (br s, 1 H), 2.09 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 1.68 (d, J=12.3 Hz, 2 H), 1.26 - 1.40 (m, 3 H), 1.02 - 1.26 (m, 6 H).
DCE(5mL)中の5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(5-(ピペリジン-4-イルメトキシ)ピリジン-2-イル)ピリジン-2-アミン(50mg,0.1mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、アセトアルデヒド(水中で40%)(0.02mL,0.3mmol,3.0当量)、酢酸(0.03mL,0.5mmol,5.0当量)を加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。反応混合液を0℃に冷却した。NaCNBH3(19mg,0.3mmol,3.0当量)を上記混合物に加え、温度を室温に上げた。反応混合液を室温で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を水(25mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 524 [M+H]+, 1H NMR (MeOH-d4, 400 MHz): δ 7.97 - 8.13 (m, 1 H), 7.91 (br s, 1 H), 7.62 (d, J=5.7 Hz, 1 H), 7.53 (d, J=8.8 Hz, 1 H), 7.35 (d, J=6.6 Hz, 1 H), 6.87 (s, 1 H), 6.70 (d, J=11.0 Hz, 1 H), 4.23 - 4.35 (m, 2 H), 4.03 - 4.18 (m, 1 H), 3.94 (d, J=5.3 Hz, 2 H), 3.53 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 3.25 (br s, 2 H), 2.98 - 3.16 (m, 2 H), 2.78 - 2.96 (m, 2 H), 2.66 (br s, 1 H), 2.09 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 1.68 (d, J=12.3 Hz, 2 H), 1.26 - 1.40 (m, 3 H), 1.02 - 1.26 (m, 6 H).
実施例-5:5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3、4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物5)
ステップ-1:5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミンの合成:
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-アミン(59mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間脱気し、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 468 [M+H]+, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 8.37 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 7.33 (br s, 1 H), 7.27 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.10 (d, J=11.4 Hz, 1 H), 4.21 - 4.33 (m, 2 H), 4.00 - 4.17 (m, 1 H), 3.82 (d, J=7.0 Hz, 1 H), 3.55 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 3.15 - 3.31 (m, 2 H), 2.75 - 2.94 (m, 5 H), 2.00 (d, J=11.0 Hz, 2 H), 1.41 - 1.67 (m, 2 H), 1.17 (d, J=6.6 Hz, 6 H).
ジオキサン(10mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(100mg,0.3mmol,1.0当量)の溶液に、1-(メチルスルホニル)ピペリジン-4-アミン(59mg,0.33mmol,1.1当量)および炭酸セシウム(147mg,0.47mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで30分間脱気し、続いて酢酸パラジウム(2mg,0.006mmol,0.02当量)およびBINAP(8mg,0.012mmol,0.04当量)を加えた。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、水(30mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を水(50mL)および食塩水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 468 [M+H]+, 1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ 8.37 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 7.33 (br s, 1 H), 7.27 (d, J=7.5 Hz, 1 H), 7.10 (d, J=11.4 Hz, 1 H), 4.21 - 4.33 (m, 2 H), 4.00 - 4.17 (m, 1 H), 3.82 (d, J=7.0 Hz, 1 H), 3.55 (d, J=11.8 Hz, 2 H), 3.15 - 3.31 (m, 2 H), 2.75 - 2.94 (m, 5 H), 2.00 (d, J=11.0 Hz, 2 H), 1.41 - 1.67 (m, 2 H), 1.17 (d, J=6.6 Hz, 6 H).
実施例-6:5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(3-メチル-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-2-アミンの合成(化合物67)
ステップ-1:tert-ブチル 4-(4-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレートの合成:
ジオキサン(5mL)中のtert-ブチル 4-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg,0.714mmol,1.0当量)の溶液に、6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(230mg,0.714mmol,1.0当量)および炭酸セシウム(340mg,1.07mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いてPd(OAc)2(8mg,0.036mmol,0.05当量)およびBINAP(44mg,0.071mmol,0.1当量)を加え、再度窒素で15分間パージした。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。揮発物を減圧下で留去し、粗生成物をそのまま次の反応に使用した。LCMS: 570 [M+H]+
ジオキサン(5mL)中のtert-ブチル 4-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(200mg,0.714mmol,1.0当量)の溶液に、6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(230mg,0.714mmol,1.0当量)および炭酸セシウム(340mg,1.07mmol,1.5当量)を加えた。反応混合液を窒素ガスで15分間パージし、続いてPd(OAc)2(8mg,0.036mmol,0.05当量)およびBINAP(44mg,0.071mmol,0.1当量)を加え、再度窒素で15分間パージした。生じた反応混合物を100℃で終夜攪拌させた。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。揮発物を減圧下で留去し、粗生成物をそのまま次の反応に使用した。LCMS: 570 [M+H]+
ステップ-2:5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)-N-(3-メチル-1-(ピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-2-アミンの合成:
tert-ブチル 4-(4-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg,0.26mmol,1当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去し残渣を逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 470 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.42 - 8.66 (m, 1 H) 8.15 - 8.28 (m, 1 H) 7.69-7.89 (m, 1 H) 7.41 (d, J = 15.3 Hz, 1 H) 7.16 (d, J = 11.4 Hz, 1 H), 4.28 - 4.53 (m, 4 H) 4.12 (dt, J = 12.6, 6.2 Hz, 1 H) 3.43 - 3.63 (m, 2 H) 3.03 - 3.28 (m, 3 H) 2.27 (s, 4 H) 1.99 - 2.27 (m, 4 H) 1.21 (d, J = 6.6 Hz, 6 H).
tert-ブチル 4-(4-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)ピペリジン-1-カルボキシレート(150mg,0.26mmol,1当量)を、エタノール(5mL)中の1.25M HClに入れ、生じた反応混合物を50℃で1時間攪拌させた。該反応の進行をLCMSによりモニターした。該反応完了後、溶媒を減圧下で留去し残渣を逆相HPLCにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 470 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 8.42 - 8.66 (m, 1 H) 8.15 - 8.28 (m, 1 H) 7.69-7.89 (m, 1 H) 7.41 (d, J = 15.3 Hz, 1 H) 7.16 (d, J = 11.4 Hz, 1 H), 4.28 - 4.53 (m, 4 H) 4.12 (dt, J = 12.6, 6.2 Hz, 1 H) 3.43 - 3.63 (m, 2 H) 3.03 - 3.28 (m, 3 H) 2.27 (s, 4 H) 1.99 - 2.27 (m, 4 H) 1.21 (d, J = 6.6 Hz, 6 H).
実施例-7:4-(6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オンの合成(化合物85)
ステップ-1:4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オンの合成:
DMSO(36mL)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(6.0g,29.55mmol,1.0当量)およびピペラジン-2-オン(3.55g,35.46mmol,1.2当量)の攪拌溶液に、DIPEA(18.40mL,106.38mmol,3.6当量)を加えた。生じた反応混合物を120℃で12時間攪拌させた。該反応完了後、形成された沈殿物を濾過により収集して、所望生成物を得た。LCMS: 223.3 [M+H] +
DMSO(36mL)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(6.0g,29.55mmol,1.0当量)およびピペラジン-2-オン(3.55g,35.46mmol,1.2当量)の攪拌溶液に、DIPEA(18.40mL,106.38mmol,3.6当量)を加えた。生じた反応混合物を120℃で12時間攪拌させた。該反応完了後、形成された沈殿物を濾過により収集して、所望生成物を得た。LCMS: 223.3 [M+H] +
ステップ-2:4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オンの合成:
エタノール(60mL):水(60mL)中の4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(4.8g,21.60mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、鉄(9.65g,172.81mmol,8.0当量)およびNH4Cl(11.55g,216.0mmol,10.0当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で2時間攪拌させた。該反応完了後、該反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 193.5 [M+H] +
エタノール(60mL):水(60mL)中の4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(4.8g,21.60mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、鉄(9.65g,172.81mmol,8.0当量)およびNH4Cl(11.55g,216.0mmol,10.0当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で2時間攪拌させた。該反応完了後、該反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 193.5 [M+H] +
ステップ-3:4-(6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オンの合成:
ジオキサン(12mL)中の4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(389mg,2.02mmol,1.0当量)および6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(659mg,2.02mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、室温でCs2CO3(987mg,3.03mmol,1.5当量)を加えた。生じた混合物を窒素で10分間パージし、続いてPd(OAc)2(9mg,0.040mmol,0.02当量)およびBINAP(50mg,0.080mmol,0.04当量)を加え、再度窒素で10分間パージした。反応混合液をマイクロ波照射にて100℃で1時間加熱した。該反応の進行をLCMSによりモニターした。反応混合液をセライトに通して濾過し;残渣をEtOAc(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IPAで再結晶化して、所望化合物を得た。LCMS: 482.5 [M+H] +; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.71 (br s, 1H) 8.57 (br s, 1H) 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 2H) 7.33 - 7.58 (m, 2H) 7.17 (d, J = 13.1 Hz, 1H) 4.30 (br s, 2H) 4.15 (br s, 1 H) 3.71 (s, 2H), 3.33 (m, 6H) 1.19 (d, J = 6.1 Hz, 6H).
ジオキサン(12mL)中の4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(389mg,2.02mmol,1.0当量)および6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(659mg,2.02mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、室温でCs2CO3(987mg,3.03mmol,1.5当量)を加えた。生じた混合物を窒素で10分間パージし、続いてPd(OAc)2(9mg,0.040mmol,0.02当量)およびBINAP(50mg,0.080mmol,0.04当量)を加え、再度窒素で10分間パージした。反応混合液をマイクロ波照射にて100℃で1時間加熱した。該反応の進行をLCMSによりモニターした。反応混合液をセライトに通して濾過し;残渣をEtOAc(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、IPAで再結晶化して、所望化合物を得た。LCMS: 482.5 [M+H] +; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.71 (br s, 1H) 8.57 (br s, 1H) 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 2H) 7.33 - 7.58 (m, 2H) 7.17 (d, J = 13.1 Hz, 1H) 4.30 (br s, 2H) 4.15 (br s, 1 H) 3.71 (s, 2H), 3.33 (m, 6H) 1.19 (d, J = 6.1 Hz, 6H).
実施例-8:4-(6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オンの合成(化合物86)
ステップ-1:1-メチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オンの合成:
DMSO(9mL)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(1.48g,7.30mmol,1.0当量)および1-メチルピペラジン-2-オン(1.0g,8.76mmol,1.2当量)の攪拌溶液に、DIPEA(4.54mL,26.28mmol,3.6当量)を加えた。生じた反応混合物を120℃で12時間攪拌させた。該反応完了後、形成された沈殿物を濾過により収集して、所望生成物を得た。LCMS: 237.4 [M+H]+
DMSO(9mL)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(1.48g,7.30mmol,1.0当量)および1-メチルピペラジン-2-オン(1.0g,8.76mmol,1.2当量)の攪拌溶液に、DIPEA(4.54mL,26.28mmol,3.6当量)を加えた。生じた反応混合物を120℃で12時間攪拌させた。該反応完了後、形成された沈殿物を濾過により収集して、所望生成物を得た。LCMS: 237.4 [M+H]+
ステップ-2:4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オンの合成:
エタノール:水(24mL;1:1)中の1-メチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(1.0g,4.23mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、鉄(1.89g,33.86mmol,8.0当量)およびNH4Cl(2.26g,42.3mmol,10.0当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で2時間攪拌させた。該反応完了後、該反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。LCMS: 193.6 [M+H]+
エタノール:水(24mL;1:1)中の1-メチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-2-オン(1.0g,4.23mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、鉄(1.89g,33.86mmol,8.0当量)およびNH4Cl(2.26g,42.3mmol,10.0当量)を加えた。生じた反応混合物を80℃で2時間攪拌させた。該反応完了後、該反応混合物をセライトに通して濾過し、濃縮して、所望生成物を得た。LCMS: 193.6 [M+H]+
ステップ-3:4-(6-((5-フルオロ-4-(8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-6-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オンの合成:
ジオキサン(24mL)中の4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オン(1.0g,4.84mmol,1.0当量)および6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.57g,4.84mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、室温でCs2CO3(2.36mg,7.26mmol,1.5当量)を加えた。生じた混合物を窒素で10分間パージし、続いてPd(OAc)2(22mg,0.096mmol,0.02当量)およびBINAP(121mg,0.193mmol,0.04当量)を加え、再度窒素で10分間パージした。反応混合液を、マイクロ波照射にて100℃で1時間加熱した。該反応の進行をLCMSによりモニターした。反応混合液をセライトに通して濾過し;残渣をEtOAc(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、続いてIPAで再結晶化して、所望化合物を得た。LCMS: 496.6 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.72 (s, 1H) 8.57 (d, J = 3.9 Hz, 1H) 7.99 - 8.12 (m, 2H) 7.33 - 7.56 (m, 2H) 7.16 (s, 1H) 4.30 (t, J = 4.1 Hz, 2H) 4.06 - 4.18 (m, 1H) 3.76 (s, 2H) 3.45 (d, J = 3.9 Hz, 4H) 2.90 (s, 3H) 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
ジオキサン(24mL)中の4-(6-アミノピリジン-3-イル)-1-メチルピペラジン-2-オン(1.0g,4.84mmol,1.0当量)および6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.57g,4.84mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、室温でCs2CO3(2.36mg,7.26mmol,1.5当量)を加えた。生じた混合物を窒素で10分間パージし、続いてPd(OAc)2(22mg,0.096mmol,0.02当量)およびBINAP(121mg,0.193mmol,0.04当量)を加え、再度窒素で10分間パージした。反応混合液を、マイクロ波照射にて100℃で1時間加熱した。該反応の進行をLCMSによりモニターした。反応混合液をセライトに通して濾過し;残渣をEtOAc(10mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、続いてIPAで再結晶化して、所望化合物を得た。LCMS: 496.6 [M+H]+; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ ppm 9.72 (s, 1H) 8.57 (d, J = 3.9 Hz, 1H) 7.99 - 8.12 (m, 2H) 7.33 - 7.56 (m, 2H) 7.16 (s, 1H) 4.30 (t, J = 4.1 Hz, 2H) 4.06 - 4.18 (m, 1H) 3.76 (s, 2H) 3.45 (d, J = 3.9 Hz, 4H) 2.90 (s, 3H) 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
実施例-9:8-フルオロ-6-(5-フルオロ-2-{[5-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オンの合成(化合物87)
ステップ-1:2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノールの合成:
室温で攪拌させたEtOH中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェノール(25g,105.9mmol,1.0当量)およびZn(34.63g,529.5mmol,5.0当量)の溶液に、水中のNH4Cl(56.65g,1059mmol,10.0当量)の溶液を滴下して加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌した。反応混合液を濾過し、濾液を収集した。EtOHを減圧下で留去した。残渣をH2O(300mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(500mLx3)。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し(300mLx3)、無水Na2SO4で乾燥させた、濾過後、該溶液を減圧下で濃縮して、所望生成物を得た。LCMS: 206 [M+H] +
室温で攪拌させたEtOH中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロフェノール(25g,105.9mmol,1.0当量)およびZn(34.63g,529.5mmol,5.0当量)の溶液に、水中のNH4Cl(56.65g,1059mmol,10.0当量)の溶液を滴下して加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌した。反応混合液を濾過し、濾液を収集した。EtOHを減圧下で留去した。残渣をH2O(300mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(500mLx3)。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し(300mLx3)、無水Na2SO4で乾燥させた、濾過後、該溶液を減圧下で濃縮して、所望生成物を得た。LCMS: 206 [M+H] +
ステップ-2:4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノールの合成:
アセトン(100mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノール(10g,48.5mmol,1.0当量)、AcOH(3mL)の溶液を、室温で30分間攪拌し、次いで該溶液を減圧下で濃縮し、残渣をDCE(100mL)中に溶解し、三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30.84g,145.5mmol,3.0当量)を加え、続いて該反応混合物を室温で2時間攪拌させた。反応混合液をH2O(200mL)で希釈し、DCMで抽出した(300mLx3)。有機層を合わせて、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、該溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、所望生成物を得た。LCMS: 248 [M+H] +
アセトン(100mL)中の2-アミノ-4-ブロモ-6-フルオロフェノール(10g,48.5mmol,1.0当量)、AcOH(3mL)の溶液を、室温で30分間攪拌し、次いで該溶液を減圧下で濃縮し、残渣をDCE(100mL)中に溶解し、三アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30.84g,145.5mmol,3.0当量)を加え、続いて該反応混合物を室温で2時間攪拌させた。反応混合液をH2O(200mL)で希釈し、DCMで抽出した(300mLx3)。有機層を合わせて、無水Na2SO4で乾燥させた。濾過後、該溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製して、所望生成物を得た。LCMS: 248 [M+H] +
ステップ-3:6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オンの合成:
0℃でCHCl3(20mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノール(2.5g,10.1mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でNaHCO3(3388mg,40.3mmol,4.0当量)を加え、続いて塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(2296mg,10.1mmol,1.0当量)を加えた。反応混合液を0℃で5分間攪拌した。これに、0℃でCHCl3(5mL)中の2-クロロ塩化アセチル(1139mg,10.1mmol,1.0当量)を加えた。反応混合液を0℃で1時間攪拌し、60℃で16時間攪拌した。該反応が完了した後、該反応を飽和Na2CO3溶液(30mL)によりクエンチし、DCMで抽出した(3×40mL)。有機層を合わせて、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、該溶媒を減圧下で留去した。該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 288 [M+H] +
0℃でCHCl3(20mL)中の4-ブロモ-2-フルオロ-6-(イソプロピルアミノ)フェノール(2.5g,10.1mmol,1.0当量)の攪拌溶液に、0℃でNaHCO3(3388mg,40.3mmol,4.0当量)を加え、続いて塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(2296mg,10.1mmol,1.0当量)を加えた。反応混合液を0℃で5分間攪拌した。これに、0℃でCHCl3(5mL)中の2-クロロ塩化アセチル(1139mg,10.1mmol,1.0当量)を加えた。反応混合液を0℃で1時間攪拌し、60℃で16時間攪拌した。該反応が完了した後、該反応を飽和Na2CO3溶液(30mL)によりクエンチし、DCMで抽出した(3×40mL)。有機層を合わせて、水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、該溶媒を減圧下で留去した。該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 288 [M+H] +
ステップ-4:8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンの合成:
窒素下で攪拌したジオキサン(10mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(500.0mg,1.74mmol,1.0当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(663mg,2.61mmol,1.5当量)、および酢酸カリウム(513mg,5.22mmol,3.0当量)の溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(128mg,0.17mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を窒素下にて100℃で3時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を珪藻土に通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 336 [M+H] +
窒素下で攪拌したジオキサン(10mL)中の6-ブロモ-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(500.0mg,1.74mmol,1.0当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(663mg,2.61mmol,1.5当量)、および酢酸カリウム(513mg,5.22mmol,3.0当量)の溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(128mg,0.17mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を窒素下にて100℃で3時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物を珪藻土に通して濾過し、EtOAcで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 336 [M+H] +
ステップ-5:(6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-3(4H)-オンの合成:
室温にて窒素下で攪拌させたTHF/H2O(16mL;1:1)中の8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(560mg,1.67mmol,1.0当量)、2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(419mg,2.51mmol,1.5当量)および炭酸カリウム(693mg,5.01mmol,3.0当量)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(193mg,0.17mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を80℃で4時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 340 [M+H] +
室温にて窒素下で攪拌させたTHF/H2O(16mL;1:1)中の8-フルオロ-4-イソプロピル-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(560mg,1.67mmol,1.0当量)、2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(419mg,2.51mmol,1.5当量)および炭酸カリウム(693mg,5.01mmol,3.0当量)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(193mg,0.17mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を80℃で4時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 340 [M+H] +
ステップ-6:5-(1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-2-ニトロピリジンの合成:
窒素下で攪拌させたジオキサン/H2O(36mL;5:1)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(2.0g,9.9mmol,1.1当量)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(2.0g,8.96mmol,1.0当量)および炭酸ナトリウム(3.8g,35.84mmol,4.0当量)の溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(655mg,0.89mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を90℃で3時間攪拌した。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 220 [M+H] +
窒素下で攪拌させたジオキサン/H2O(36mL;5:1)中の5-ブロモ-2-ニトロピリジン(2.0g,9.9mmol,1.1当量)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン(2.0g,8.96mmol,1.0当量)および炭酸ナトリウム(3.8g,35.84mmol,4.0当量)の溶液に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(655mg,0.89mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を90℃で3時間攪拌した。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望生成物を得た。LCMS: 220 [M+H] +
ステップ-7:5-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミンの合成:
室温で攪拌させたMeOH/THF(30mL;1:1)中の5-(1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-2-ニトロピリジン(1.3g,0.91mmol,1.0当量)の溶液に、パラジウム活性炭素(10% Pd)(500mg)を加えた。該フラスコをH2でパージと再充填を3回行い、次いでH2雰囲気にて40℃で18時間攪拌した。続いて該混合物を濾過し、該濾液を濃縮して、粗生成物を得た。LCMS: 192 [M+H] +
室温で攪拌させたMeOH/THF(30mL;1:1)中の5-(1-メチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-4-イル)-2-ニトロピリジン(1.3g,0.91mmol,1.0当量)の溶液に、パラジウム活性炭素(10% Pd)(500mg)を加えた。該フラスコをH2でパージと再充填を3回行い、次いでH2雰囲気にて40℃で18時間攪拌した。続いて該混合物を濾過し、該濾液を濃縮して、粗生成物を得た。LCMS: 192 [M+H] +
ステップ-8:8-フルオロ-6-(5-フルオロ-2-{[5-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-イル]アミノ}ピリミジン-4-イル)-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オンの合成:
室温にて窒素下で攪拌させたジオキサン(8mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(180mg,0.53mmol,1.0当量)、5-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(122mg,0.64mmol,1.2当量)および炭酸セシウム(518mg,1.59mmol,3.0当量)の溶液に、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ジナフチル(33mg,0.053mmol,0.1当量)および酢酸パラジウム(II)(12mg,0.053mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を95℃で16時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をprep-HPLC(カラム:Gemini-C18 150x21.2mm,5um;流動項(Flow term):ACN-H2O(0.1% FA);グラジエント:25-50)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 495 [M+H] +; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.50 (s, 1H), 8.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.35 - 8.25 (m, 2H), 8.19 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.70 (dd, J = 10.9, 1.6 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 4.91 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.43 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 2.70 - 2.64 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.54 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 2.22 - 2.10 (m, 2H), 1.95 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H).
室温にて窒素下で攪拌させたジオキサン(8mL)中の6-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-8-フルオロ-4-イソプロピル-2H-1,4-ベンズオキサジン-3-オン(180mg,0.53mmol,1.0当量)、5-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(122mg,0.64mmol,1.2当量)および炭酸セシウム(518mg,1.59mmol,3.0当量)の溶液に、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ジナフチル(33mg,0.053mmol,0.1当量)および酢酸パラジウム(II)(12mg,0.053mmol,0.1当量)を一度に加えた。反応混合液を95℃で16時間攪拌した。該反応の進行をTLCおよびLCMSによりモニターした。該反応完了後、該反応混合物をセライトベッドに通して濾過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、該粗残渣をprep-HPLC(カラム:Gemini-C18 150x21.2mm,5um;流動項(Flow term):ACN-H2O(0.1% FA);グラジエント:25-50)により精製して、所望生成物を得た。LCMS: 495 [M+H] +; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.50 (s, 1H), 8.44 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 8.35 - 8.25 (m, 2H), 8.19 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.70 (dd, J = 10.9, 1.6 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.7, 2.3 Hz, 1H), 4.91 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.43 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 2.70 - 2.64 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.54 (t, J = 11.5 Hz, 2H), 2.22 - 2.10 (m, 2H), 1.95 (d, J = 13.5 Hz, 2H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H).
化合物6~66、68~84は、一般的な合成スキーム1~9を用いて、あるいは適当な出発物質および試薬を用いて実施例1~9で例示される実験の詳細に従って合成される。
生物学的実施例
実施例B1.インビトロキナーゼ阻害のIC50測定
CDK4およびCDK6に対する化合物のIC50値は、網膜芽細胞腫を基質として用いて発光により測定した。キナーゼアッセイは、キナーゼ緩衝液(#PV6135,Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド))中で行い、合計反応体積は、96ウェルハーフエリア白色プレート(#3693,Costar)内で30μL/ウェルであった。特定の濃度(例えば、最終濃度範囲:0.1nM~200nM)の25×試験化合物の1マイクロリットルを、10μLの2.5×キナーゼ(5nM,CDK4#PR8064AおよびCDK6#PR8422B,Invitrogen)溶液、ならびに網膜芽細胞腫(1μM,#12-439,EMD Millipore(カリフォルニア州のヘイワード))とATP(25μM,#V7038,Promega(ウィスコンシン州のマディソン))を含む14μLの4×混合溶液と混合した。該プレートに蓋をし、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション終了後、25μLの停止溶液-ADP Glo試薬(#V7002,Promega)を加えた。室温で45分間のインキュベーション後、50μLの検出試薬(##V7002,Promega)を加えた。検出試薬をSynergy Neoプレートリーダー(BioTek(バーモント州のウィヌースキー))に加えて15分および45分のインキュベーション後に、それぞれ340nmの単一励起および495nmおよび520nmの二重発光で読み取った。下記式を、CDK4およびCDK6アッセイデータ分析で使用した。阻害パーセント(100-活性%)を、IC50値の測定のためにXLfitの「4パラメータロジスティックモデル」に適用した。
式1:酵素の変換パーセント=100-{(RLU薬物なし-酵素なし*100)/RLU薬物なし+酵素}
式2:各データ点での変換パーセント=100-{(RLU平均(薬物+酵素)*100)/RLU薬物なし+酵素}
式3:阻害パーセント=100*(変換%各データ点/変換%酵素)
実施例B1.インビトロキナーゼ阻害のIC50測定
CDK4およびCDK6に対する化合物のIC50値は、網膜芽細胞腫を基質として用いて発光により測定した。キナーゼアッセイは、キナーゼ緩衝液(#PV6135,Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド))中で行い、合計反応体積は、96ウェルハーフエリア白色プレート(#3693,Costar)内で30μL/ウェルであった。特定の濃度(例えば、最終濃度範囲:0.1nM~200nM)の25×試験化合物の1マイクロリットルを、10μLの2.5×キナーゼ(5nM,CDK4#PR8064AおよびCDK6#PR8422B,Invitrogen)溶液、ならびに網膜芽細胞腫(1μM,#12-439,EMD Millipore(カリフォルニア州のヘイワード))とATP(25μM,#V7038,Promega(ウィスコンシン州のマディソン))を含む14μLの4×混合溶液と混合した。該プレートに蓋をし、室温で2時間インキュベートした。インキュベーション終了後、25μLの停止溶液-ADP Glo試薬(#V7002,Promega)を加えた。室温で45分間のインキュベーション後、50μLの検出試薬(##V7002,Promega)を加えた。検出試薬をSynergy Neoプレートリーダー(BioTek(バーモント州のウィヌースキー))に加えて15分および45分のインキュベーション後に、それぞれ340nmの単一励起および495nmおよび520nmの二重発光で読み取った。下記式を、CDK4およびCDK6アッセイデータ分析で使用した。阻害パーセント(100-活性%)を、IC50値の測定のためにXLfitの「4パラメータロジスティックモデル」に適用した。
式1:酵素の変換パーセント=100-{(RLU薬物なし-酵素なし*100)/RLU薬物なし+酵素}
式2:各データ点での変換パーセント=100-{(RLU平均(薬物+酵素)*100)/RLU薬物なし+酵素}
式3:阻害パーセント=100*(変換%各データ点/変換%酵素)
CDK1(サイクリンB)に対する化合物のIC50値は、Z’-LYTE(登録商標)により測定した。これらのスクリーニングアッセイは、黒色384ウェルプレートの小容量NBS(#4514,Corning)においてInvitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)で行った。100% DMSO(特定の溶液)中の0.1μLの100×試験化合物を、2.4μLのキナーゼ緩衝液(50mM HEPES,pH7.5,0.01% BRIJ-35,10mM MgCl2,1mM EGTA)、5μLの2×キナーゼ(3.5~46.4ngのCDK1/サイクリンB)/ペプチド(2μMのSer/Thr18)、および2.5μLの4×ATP溶液(34μM)と混合した。該プレートを30秒間振盪し、次いで室温で60分間インキュベートした。発色試薬溶液(5μLの1:1024希釈物)を該プレートに加え、さらにプレートを30秒間振盪し、次いで該プレートを室温で1時間さらにインキュベートした。該プレートを、蛍光プレートリーダーにて445nmおよび520nmの二重発光で読み取った。
CDK2(サイクリンA)に対する化合物のIC50値は、Z’-LYTE(登録商標)により測定した。これらのスクリーニングアッセイは、黒色384ウェルプレートの小容量NBS(#4514,Corning)においてInvitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)で行った。100% DMSO(特定の溶液)中の0.1μLの100×試験化合物を、2.4μLのキナーゼ緩衝液(50mM HEPES,pH7.5,0.01% BRIJ-35,10mM MgCl2,1mM EGTA)、5μLの2×キナーゼ(1.22-10.3ng CDK2/サイクリンA)/ペプチド(2μM Ser/Thr12)、および2.5μLの4×ATP溶液(31μM)と混合した。該プレートを30秒間振盪し、次いで室温で60分間インキュベートした。発色試薬溶液(5μLの1:1024希釈物)を該プレートに加え、さらにプレートを30秒間振盪し、次いで該プレートを室温で1時間さらにインキュベートした。該プレートを、蛍光プレートリーダーにて445nmおよび520nmの二重発光で読み取った。
CDK5(p25)に対する化合物のIC50値は、Z’-LYTE(登録商標)により測定する。これらのスクリーニングアッセイは、黒色384ウェルプレートの小容量NBS(#4514,Corning)においてInvitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)で行う。100% DMSO(特定の溶液)中の0.1μLの100×試験化合物を、2.4μLのキナーゼ緩衝液(50mM HEPES,pH7.5,0.01% BRIJ-35,10mM MgCl2,1mM EGTA)、5μLの2×キナーゼ(0.18-2ng CDK5/p25)/ペプチド(2μM Ser/Thr12)、および2.5μLの4×ATP溶液(17μM)と混合する。該プレートを30秒間振盪し、次いで室温で60分間インキュベートする。発色試薬溶液(5μLの1:4096希釈物)を該プレートに加え、さらにプレートを30秒間振盪し、次いで該プレートを室温で1時間さらにインキュベートする。該プレートを、蛍光プレートリーダーにて445nmおよび520nmの二重発光で読み取る。
下記の式を、Z’-LYTE(登録商標)スクリーニングアッセイデータ分析について用いた。阻害パーセント(100-活性%)を、IC50値の測定のためにXLfitの「4パラメータロジスティックモデル」に適用した。
CDK7(サイクリンH)に対する化合物のIC50値は、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)のAdapta(登録商標)アッセイにより調べ、前記アッセイにおいて、合計反応体積は、小容量の白色384ウェルプレート(#4512,Corning)内で10μL/ウェルである。100% DMSO(特定の溶液)中の0.100μLの100×試験化合物を、2.4μLのHEPES(30mM)、2.5μLの4×ATP溶液(153μM)、および5μLの2×基質/キナーゼ混合物(2×CDK7/サイクリンH/MNAT1/CDK7/9ペプチド混合物を50mM HEPES、pH7.5、0.01% BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA中で調製する)と混合する。キナーゼ反応の最終10μLは、32.5mM HEPES pH7.5、0.005% BRIJ-35、5mM MgCl2、0.5mM EGTA中の5~38.75ngのCDK7/サイクリンH/MNAT1および200μM CDK7/9ペプチドからなる。該プレートを30秒間振盪し、1000×gで1分間遠心分離し、次いで室温で60分間インキュベートする。5μLの検出混合物(TR-FRET希釈緩衝液で調製する;前記検出混合物は、EDTA(30mM)、Eu-抗ADP抗体(6nM)およびADPトレーサーからなり、5-150μM ATPについてのトレーサーのEC60濃度を含む)を、前記プレートに加え、さらに30秒間プレートを振盪し、続いて1000×gで1分間遠心分離し、次いで該プレートを室温で1時間さらにインキュベートする。該プレートを、蛍光プレートリーダーにおいて615nmおよび665nmの二重発光で読み取る。
下記の式は、Adapta(登録商標)アッセイデータ分析のために用いる。前記ATP/ADP標準曲線を、XLfitのモデル番号205(シグモイド用量応答モデル)に適用する。前記用量応答曲線もまた、モデル番号205に曲線適用する。
CDK2(サイクリンE1)に対する化合物のIC50値は、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)のLanthaScreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイによって調べ、前記アッセイにおいて、合計反応体積は、小容量の白色384ウェルプレート(#784207,Greiner)内で16μL/ウェルである。100% DMSO(特定の溶液)中の0.16μLの100×試験化合物を、3.84μLのキナーゼ緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、0.01% BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA)、8.0μLの2×キナーゼ(2.5nM)/抗体(Eu-抗GST、2nM)混合物、および4.0μLの4×トレーサー(Tracer 236,100nM)と混合する。該プレートを30秒間振盪し、次いで室温で60分間インキュベートする。該プレートを、蛍光プレートリーダーにおいて615nmおよび665nmの二重発光で読み取る。
CDK9(サイクリンK)に対する化合物のIC50値は、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)のLanthaScreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイによって調べ、前記アッセイにおいて、合計反応体積は、小容量の白色384ウェルプレート(#784207,Greiner)内で16μL/ウェルである。100% DMSO(特定の溶液)中の0.16μLの100×試験化合物を、3.84μLのキナーゼ緩衝液(50mM HEPES、pH7.5、0.01% BRIJ-35、10mM MgCl2、1mM EGTA)、8.0μLの2×キナーゼ(5nM)/抗体(Eu-抗His,2nM)混合物、および4.0μLの4×トレーサー(Tracer 236,100nM)と混合する。該プレートを30秒間振盪し、次いで室温で60分間インキュベートする。該プレートを、蛍光プレートリーダーにて615nmおよび665nmの二重発光で読み取る。
FMSキナーゼに対する化合物のIC50値は、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド)のLanthaScreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイによって測定し、前記アッセイにおいて、合計反応体積は、小容量の384ウェルプレート(#4511,Corning)内で10μLである。連続希釈した化合物(3倍)を、キナーゼ(1.25nM)と10分間インキュベートし、続いてATP(10μM)(#A1852、Sigma(ミズーリ州のセントルイス))および蛍光-PolyGT基質(200nM)(#PV3610、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド))の混合物を加え、暗い室温で1時間インキュベートする。1時間後、TR-FRET希釈緩衝液(#PV3574,Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド))中にテルビウム標識抗体(4nM)(#PV3529、Invitrogen,Life Technologies(ニューヨーク州のグランド・アイランド))およびEDTA(#E5134、Sigma(ミズーリ州のセントルイス))(20mM)を含む10μLの停止溶液を加える。Synergy Neoプレートリーダー(BioTek(バーモント州のウィヌースキー))内でそれぞれ340nmのシグナル励起および495nmおよび520nmの二重発光で読み取る。
下記の式を、LanthaScreen Euキナーゼ結合アッセイデータ分析のために用いる。阻害パーセント(100-活性%)を、IC50値の測定のためにXLfitの「4パラメータロジスティックモデルl」に適用する。
PI3Kδキナーゼに対する化合物のIC50値は、Reaction Biology Corporation(ペンシルベニア州のマルバーン)により行ったアッセイで調べた。簡単に説明すると、このアッセイは、緩衝液(Tris-HCl 40mM(pH7.5)、オルトバナジン酸 3mM、MgCl2 20mM、DTT 2mM、CHAPS 0.05%、DMSO 1%)中で行った。PI3Kδキナーゼを反応溶液に加え、やさしく混合した。100% DMSO(特定の溶液)中の試験化合物を、前記キナーゼ反応混合物と混合して、所定の濃度(例えば、範囲0.5nM~100μM)の最終化合物をAcoustic technology(Echo550;ナノリットル範囲)により調製した。室温で10分間インキュベートした後、ATPを該反応混合物に加えて反応を開始し、続いて30℃で30分間インキュベートした。ADP-Glo試薬との反応をクエンチした後、該プレートを40分間インキュベートした。検出混合物を加え、該プレートをさらに30分間インキュベートした。インキュベート終了後、発光を測定した。データ分析について、発光は、ADP標準曲線に基づいてμM ADP産生に変換した。標準曲線およびIC50値を取得するための非線形回帰分析を、GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.(カリフォルニア州のサンディエゴ))を用いて行った。
CDK12(サイクリンK)に対する化合物のIC50値は、Eurofins Pharma Discovery(英国のダンディー)のKinaseProfiler(登録商標)放射測定タンパク質キナーゼアッセイによって調べる。化合物は、100% DMSO中の50x最終アッセイ濃度で調製する。前記化合物のこのワーキング溶液を、各反応の最初の構成成分としてアッセイウェルに加える。CDK12/サイクリンKを、緩衝液(20mM TRIS、0.2mM EDTA、0.1% β-メルカプトエタノール、0.01% Brij-35、5% グリセロール、1mg/ml BSA)で希釈し、反応混合物を加える。CDK12/サイクリンKを、20mM Tris/HCl(pH8.5)、0.2mM EDTA、300μM RSRSRSRSRSRSRSR、10mM 酢酸マグネシウム、および[γ-33P-ATP](必要とされる特定の活性と濃度)とインキュベートする。該反応を、Mg/ATP混合物を加えることにより開始する。室温で120分間インキュベート後、該反応を、リン酸を0.5%の濃度で加えることにより停止する。10μlの停止させた反応物をP30フィルターマットにスポットし、0.425% リン酸で4分間4回、メタノールで1回洗浄し、乾燥させ、次いでシンチレーション測定する。結果を、ポジティブコントロール試料における平均キナーゼ活性の割合として算出する。データを、IC50値の測定のためにXLfitに適用する。
実施例B2.単剤としての癌細胞増殖アッセイにおける化合物の能力の測定
試験化合物の効果を、異なるサブタイプの2種類の乳癌細胞株で試験した。前記癌細胞(表3)を、対数増殖期に収集し、カウントした。細胞濃度を各培地で適当な数に調整し、90μLの細胞懸濁液を96ウェルプレートに加えた。細胞を撒種後、該プレートをやさしく攪拌して、細胞を均等に分布させ、1日目は、5% CO2にて37℃でインキュベートした。
表3:細胞培養条件
試験化合物の効果を、異なるサブタイプの2種類の乳癌細胞株で試験した。前記癌細胞(表3)を、対数増殖期に収集し、カウントした。細胞濃度を各培地で適当な数に調整し、90μLの細胞懸濁液を96ウェルプレートに加えた。細胞を撒種後、該プレートをやさしく攪拌して、細胞を均等に分布させ、1日目は、5% CO2にて37℃でインキュベートした。
表3:細胞培養条件
細胞は、試験化合物保存溶液(DMSO中で10mM)を培養培地で連続希釈することによる所望の濃度範囲(例えば、1.1nM-10μM)の7~9つの濃度の試験化合物で処理した。処理期間は、MCF-7およびDU4475細胞の両方とも144時間(72時間で培地交換)であった。細胞生存率は、処理後に、Promega(カタログ番号:G7572)により推奨されるCell Titer-Glo(登録商標)、あるいはレサズリンアッセイ(Sigma Aldrich,カタログ番号:R7017)によって測定した。
細胞生存率データを、GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc.(カリフォルニア州のサンディエゴ))を用いてプロットした。さらに、非線形回帰モデルをGraphPad Prism内のシグモイド用量応答と勾配変化とともに用いることにより、各試験化合物のIC50値を算出した。IC50値を表4に示す。
表4
表4
パルボシクリブ耐性細胞株および親の非耐性細胞株における試験化合物の効果を比較した。前記パルボシクリブ耐性細胞株(「MCF-7-PR」)は、親の非耐性細胞株(MCF-7乳腺癌細胞)を、パルボシクリブの濃度を、約350nMから、それらを培養中に維持した最終濃度の約850nMまで高めながら3ヶ月間にわたり細胞を培養することによって生じたものであった。前記MCF-7-PR細胞を、細胞生存アッセイを用いて調べて、細胞生存率のIC50値の増加を測定することにより、それらが親のMCF-7細胞と比較してパルボシクリブに対して少なくとも5倍の耐性を有することを確認した。パルボシクリブまたは試験化合物による処理後の細胞生存率の評価は、MCF-7細胞について上記に記載される方法に従って行った。結果を表5に示す。
表5
表5
試験化合物の効果を、様々な組織タイプのさらなる細胞株、例えば、A549肺腺癌、HCT-116結腸直腸癌、ZR-75-30乳管癌、Hs-578T乳上皮癌、およびBT-549乳管癌細胞で試験する。これらの癌細胞を対数増殖期に収集し、カウントする。細胞濃度を適切な培地で適当な数に調整し、90μLの細胞懸濁液を96ウェルプレートに加える。細胞を撒種後、該プレートをやさしく攪拌して、細胞を均等に分布させ、1日目は、5% CO2にて37℃でインキュベートする。細胞は、試験化合物保存溶液(DMSO中で10mM)を培養培地で連続希釈することによる所望の濃度範囲(例えば、1.5nM~10μM)の7~9つの濃度の試験化合物で処理する。細胞生存率は、細胞生存率は、典型的には、処理48~144時間後(必要に応じて培地交換と共に)に、Promega(カタログ番号:G7572)により推奨されるCell Titer-Glo(登録商標)によって測定する。細胞生存率データを、GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc.(カリフォルニア州のサンディエゴ))を用いてプロットする。さらに、非線形回帰モデルをGraphPad Prism内のシグモイド用量応答と勾配変化とともに用いることにより、各試験化合物のIC50値を算出する。
さらなる試験化合物を、細胞撒種の密度および/またはインキュベーション期間において変更可能な同様の細胞増殖方法を用いて、同一および/または他の癌細胞株で試験する。試験化合物による処理後の細胞周期の分布を、DAPI染色をよるフローサイトメトリーを用いて試験する。細胞の老化を、細胞を長期間(例えば、14日)継続的に処理し、次いでstaining 細胞株を老化関連β-ガラクトシダーゼ(SAβGAL)で染色した後で評価する。
実施例B3.pRbレベルの測定
サイクリンD:Cdk4/6複合体による網膜芽細胞腫タンパク質(pRb)の過剰リン酸化は、CDK4またはCDK6阻害に関連する臨床的に関連するバイオマーカーの活性pRbを生じる。CDK4/6の機能的な活性の確認のための測定として、RB1のSer780リン酸化状態を評価する。MCF-7細胞を6ウェル細胞培養プレート内に2.5×105~3.0×106細胞/ウェルでプレートし、MEM培地(10% FBSを添加)中で37℃にて24時間インキュベートする。細胞を、様々な濃度の試験化合物(例えば、0.01、0.1、1μM)を含む培地またはDMSO(≦1%)で24時間処理する(2回行う)。インキュベート後、該培地を除去し、次いで細胞を氷冷PBSで1回すすぎ、0.2mLの細胞溶解緩衝液(1mM PMSFおよびプロテアーゼ阻害剤を含有)で溶解する。タンパク質濃度をブラッドフォード法により評価する。溶解およびpRB測定を、製造業者のELISAキットプロトコールおよび緩衝液(Cell Signaling Technology,カタログ番号:13016C)により行う。試験化合物のpRb阻害を、ベヒクルコントロールの割合として算出する。
サイクリンD:Cdk4/6複合体による網膜芽細胞腫タンパク質(pRb)の過剰リン酸化は、CDK4またはCDK6阻害に関連する臨床的に関連するバイオマーカーの活性pRbを生じる。CDK4/6の機能的な活性の確認のための測定として、RB1のSer780リン酸化状態を評価する。MCF-7細胞を6ウェル細胞培養プレート内に2.5×105~3.0×106細胞/ウェルでプレートし、MEM培地(10% FBSを添加)中で37℃にて24時間インキュベートする。細胞を、様々な濃度の試験化合物(例えば、0.01、0.1、1μM)を含む培地またはDMSO(≦1%)で24時間処理する(2回行う)。インキュベート後、該培地を除去し、次いで細胞を氷冷PBSで1回すすぎ、0.2mLの細胞溶解緩衝液(1mM PMSFおよびプロテアーゼ阻害剤を含有)で溶解する。タンパク質濃度をブラッドフォード法により評価する。溶解およびpRB測定を、製造業者のELISAキットプロトコールおよび緩衝液(Cell Signaling Technology,カタログ番号:13016C)により行う。試験化合物のpRb阻害を、ベヒクルコントロールの割合として算出する。
CDK4またはCDK6阻害に関連する臨床的に関連するバイオマーカー(例えば、pRBおよびチミジンキナーゼ(TK))に関するさらなる癌細胞株における選択した試験化合物の効果を、選択的抗体によるELISAまたはウェスタンブロット法を用いて評価する。
実施例B4.併用療法を用いる癌細胞増殖アッセイにおける化合物の能力および組み合わせ効果の測定
細胞増殖に関する試験化合物の効果を、CTG、レサズリンおよび/またはBrduアッセイを用いて、別の抗癌療法(例えば、乳癌のためのアロマターゼ阻害剤および/または選択的エストロゲン受容体分解薬)と組み合わせてさらなる癌細胞株(例えば、エストロゲン受容体を過剰発現する癌細胞など)で試験する。96ウェルプレートに撒種した細胞を、各薬剤について、用量応答曲線を得るために単剤で処理する。細胞もまた、用量応答曲線で用いた用量の全ての異なる組み合わせで2つの薬剤を組み合わせることによって作成されたマトリックスに基づいて、薬物の組み合わせで処理する。併用マトリックス法(combination matrix method)の代わりに、薬物が5つまたはそれ以上の希釈の固定比で組み合わされる固定薬剤比希釈法(fixed drug ratio dilution method)もまた用いられうる。組み合わせた治療効果、例えば、相加効果、相乗効果、または拮抗作用は、薬物併用における相加効果(CI=1)、相乗効果(CI<1)、または拮抗作用(CI>1)を示す併用係数(CI)値を用いる中間影響原理(median effect principle)(Chou TC. Cancer Res 2010;70:440-6.)により測定する。
細胞増殖に関する試験化合物の効果を、CTG、レサズリンおよび/またはBrduアッセイを用いて、別の抗癌療法(例えば、乳癌のためのアロマターゼ阻害剤および/または選択的エストロゲン受容体分解薬)と組み合わせてさらなる癌細胞株(例えば、エストロゲン受容体を過剰発現する癌細胞など)で試験する。96ウェルプレートに撒種した細胞を、各薬剤について、用量応答曲線を得るために単剤で処理する。細胞もまた、用量応答曲線で用いた用量の全ての異なる組み合わせで2つの薬剤を組み合わせることによって作成されたマトリックスに基づいて、薬物の組み合わせで処理する。併用マトリックス法(combination matrix method)の代わりに、薬物が5つまたはそれ以上の希釈の固定比で組み合わされる固定薬剤比希釈法(fixed drug ratio dilution method)もまた用いられうる。組み合わせた治療効果、例えば、相加効果、相乗効果、または拮抗作用は、薬物併用における相加効果(CI=1)、相乗効果(CI<1)、または拮抗作用(CI>1)を示す併用係数(CI)値を用いる中間影響原理(median effect principle)(Chou TC. Cancer Res 2010;70:440-6.)により測定する。
実施例B5.異種移植または同系モデルにおけるインビボ薬理試験
試験化合物の抗腫瘍活性は、マウスにおえる様々なヒト腫瘍異種移植または同系モデル、例えば、乳癌腫瘍モデルに対して試験する。乳癌腫瘍モデルについて、Rb陽性腫瘍またはRb陰性腫瘍における試験化合物の単剤として、または別の抗癌療法と組み合わせた効果を、ベヒクルコントロール群に対する処理群間の腫瘍体積の相違を評価することによって決定する。Rbにおけるセリン-780のリン酸化状態を、腫瘍組織で評価し、Rb陽性異種移植モデルにおける抗腫瘍応答と比較する。さらなる薬力学的エンドポイント(例えば、FoxM1、E2F1、c-Myc、およびサイクリンD1)を、処理後の様々な時点で採取した腫瘍組織で試験する。老化の誘導を、SAβGALを測定することによって様々な処理群からの腫瘍試料を評価する。
試験化合物の抗腫瘍活性は、マウスにおえる様々なヒト腫瘍異種移植または同系モデル、例えば、乳癌腫瘍モデルに対して試験する。乳癌腫瘍モデルについて、Rb陽性腫瘍またはRb陰性腫瘍における試験化合物の単剤として、または別の抗癌療法と組み合わせた効果を、ベヒクルコントロール群に対する処理群間の腫瘍体積の相違を評価することによって決定する。Rbにおけるセリン-780のリン酸化状態を、腫瘍組織で評価し、Rb陽性異種移植モデルにおける抗腫瘍応答と比較する。さらなる薬力学的エンドポイント(例えば、FoxM1、E2F1、c-Myc、およびサイクリンD1)を、処理後の様々な時点で採取した腫瘍組織で試験する。老化の誘導を、SAβGALを測定することによって様々な処理群からの腫瘍試料を評価する。
実施例B6.MC-38マウスモデルにおけるインビボ薬理試験
MC-38マウス結腸直腸癌モデルの治療における試験化合物の治療有効性を、抗mPD-1抗体と組み合わせて評価する。培養したMC-38細胞を収集し、90%以上の生存率で基本培地中に1×107細胞/mLの密度で再懸濁させる。雌C57BL/6マウスを、腫瘍発生のために0.1mLの基本培地中の1x106個の細胞を右腹部に皮下接種する。該マウスを処理群に分類し、腫瘍接種後、腫瘍サイズが、例えば、45~72mm3(平均腫瘍サイズ56mm3)に達したら処理を開始する。腫瘍を、キャリパーを用いて測定し、腫瘍体積を、式:腫瘍体積=(axb2/2)(式中、「b」は、最も小さい半径であり、「a」は、最も大きい半径である)を用いて算出する。前記処理群は、例えば、1群あたり10匹のマウスにおいて、ベヒクルコントロール、試験化合物単独、抗mPD-1単独、および試験化合物+抗mPD-1である。適格な処理群、薬物用量、および投薬スケジュールは、標準的な手法に従って各試験について具体的に決定する。腫瘍増殖をモニターし、体積を一定間隔で記録する。各マウスの各腫瘍が適切なエンドポイントに達したら(例えば、腫瘍体積>2,000mm3)、マウスを屠殺する。腫瘍成長阻害(TGI)は、コントロール群で所定のエンドポイントに達したら、コントロール群の腫瘍測定を他の試験群と比較することにより算出する。
MC-38マウス結腸直腸癌モデルの治療における試験化合物の治療有効性を、抗mPD-1抗体と組み合わせて評価する。培養したMC-38細胞を収集し、90%以上の生存率で基本培地中に1×107細胞/mLの密度で再懸濁させる。雌C57BL/6マウスを、腫瘍発生のために0.1mLの基本培地中の1x106個の細胞を右腹部に皮下接種する。該マウスを処理群に分類し、腫瘍接種後、腫瘍サイズが、例えば、45~72mm3(平均腫瘍サイズ56mm3)に達したら処理を開始する。腫瘍を、キャリパーを用いて測定し、腫瘍体積を、式:腫瘍体積=(axb2/2)(式中、「b」は、最も小さい半径であり、「a」は、最も大きい半径である)を用いて算出する。前記処理群は、例えば、1群あたり10匹のマウスにおいて、ベヒクルコントロール、試験化合物単独、抗mPD-1単独、および試験化合物+抗mPD-1である。適格な処理群、薬物用量、および投薬スケジュールは、標準的な手法に従って各試験について具体的に決定する。腫瘍増殖をモニターし、体積を一定間隔で記録する。各マウスの各腫瘍が適切なエンドポイントに達したら(例えば、腫瘍体積>2,000mm3)、マウスを屠殺する。腫瘍成長阻害(TGI)は、コントロール群で所定のエンドポイントに達したら、コントロール群の腫瘍測定を他の試験群と比較することにより算出する。
本発明は、例示および理解の明確性のための例としてある程度詳細に記載されているが、一定のわずかな変更と改変が上記教示により行われることは当業者によって明らかである。それゆえ、本明細書と実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
Claims (52)
- 式(I):
[式中、
Zは、-NH-、-C(O)NH-、-NH(CO)-、-S(O)2NH-、または-NHS(O)2-であり、
Xは、NまたはCRaであって、Raは、水素または-CNであり、
Aは、C3-C6シクロアルキル、4~7員ヘテロシクリル、5~7員ヘテロアリール、またはC6アリールであって、これらの各々は、R5で適宜置換されていてもよく、
Lは、結合、-(CR11R12)r-、-CR11R12-O-、-O-、-S-、-S(O)2-、-C(O)-、-NR10-、-S(O)2NR10-、またはNR10S(O)2-であって、rは、1、2、または3であり、
Bは、水素、C3-C12シクロアルキル、または3~12員ヘテロシクリルであって、Bの前記C3-C12シクロアルキルおよび3~12員ヘテロシクリルは、各々独立して、R6で適宜置換されていてもよく、
R1は、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよいが、但し、nが、1であり、ならびにR2が、オキソである場合、R1は、C2-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~12員ヘテロシクリル、または-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)であって、これらの各々は、独立して、ハロゲン、-OR13、-C(O)R13、-CN、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく、
各R2は、独立して、C1-C6アルキル、オキソ、-NR11R12、-CN、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、またはハロゲンであって、いずれか2個のR2基は、独立して、同一の炭素または2つの異なる炭素に結合しており、
R4は、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、ハロゲン、-CN、または-OHであり、
各R5は、独立して、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)であって、R5の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、-OR10、-SR10、-NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-OC(O)NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)R10、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~12員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく、
各R6は、独立して、オキソ、ハロゲン、またはR7であり、
R7は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、または-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)であって、R7の前記C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、3~6員ヘテロシクリル、-OR10、-NR11R12、-NR10C(O)R11、-NR10C(O)NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-S(O)2NR11R12、-C(O)R10、-C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CN、-(C1-C3アルキレン)OR10、-(C1-C3アルキレン)SR10、-(C1-C3アルキレン)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)CF3、-(C1-C3アルキレン)C(O)R10、-(C1-C3アルキレン)C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)R11、-(C1-C3アルキレン)NR10C(O)NR11R12、-(C1-C3アルキレン)S(O)2R10、-(C1-C3アルキレン)NR10S(O)2R11、-(C1-C3アルキレン)S(O)2NR11R12、(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、および-(C1-C3アルキレン)(3~6員ヘテロシクリル)は、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-OR13、-NR13R14、-C(O)R13、-CN、-(C1-C3アルキレン)OR13、-(C1-C3アルキレン)NR13R14、-(C1-C3アルキレン)C(O)R13、C3-C8シクロアルキル、あるいはオキソ、-OHまたはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく、
R10は、独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R10の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく、
R11およびR12は、各々独立して、水素、C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、または3~6員ヘテロシクリルであって、R11およびR12の前記C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、-(C1-C3アルキレン)(C3-C6シクロアルキル)、C6-C14アリール、5~6員ヘテロアリール、および3~6員ヘテロシクリルは、各々独立して、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR15、-NR15R16、あるいはハロゲン、-OHまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよく、
R13およびR14は、各々独立して、水素またはC1-C6アルキルであって、R13およびR14の前記C1-C6アルキルは、ハロゲン、-OR15、-NR15R16、またはオキソで適宜置換されていてもよいか、
あるいはR13およびR14は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはハロゲンもしくはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し、ならびに
R15およびR16は、各々独立して、水素;ハロゲンまたはオキソで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキル;ハロゲンまたはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルケニル;あるいはハロゲンまたはオキソで適宜置換されていてもよいC2-C6アルキニルであるか、
あるいはR15およびR16は、それらが結合している原子と一緒になって、ハロゲン、オキソ、またはオキソもしくはハロゲンで適宜置換されていてもよいC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい3~6員ヘテロシクリルを形成し、
pおよびqは、各々独立して、0、1、2、または3であり、
mは、0または1であり、ならびに
nは、0、1、2、3、または4である]
で示される化合物またはその塩。 - mが、0である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
- mが、1である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
- Lが、結合である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-(CR11R12)r-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-CR11R12-O-である、請求項1または5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-O-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-S(O)2-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-C(O)-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-NR10-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-S(O)2NR10-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Lが、-NR10S(O)2-である、請求項1もしくは5に記載の化合物またはその塩。
- Aが、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピペリジニル、ピラゾリル、またはシクロヘキシルであって、これらの各々が、R5で適宜置換されていてもよい、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- Bが、3~12員ヘテロシクリルまたはC3-C12シクロアルキルであって、これらの各々が、R6で適宜置換されていてもよい、請求項1~15のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- 前記化合物が、式(I-C1)~(I-C45):
[式中、tは、0、1、2、または3である]
のいずれか1つで示されるものである、請求項1に記載の化合物またはその塩。 - pが、0または1である、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- 各R5が、独立して、C1-C6アルキル、ハロゲン、-CN、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、または-C(O)NR11R12であって、R5の前記C1-C6アルキル、-OR10、-NR11R12、-S(O)2R10、-NR10S(O)2R11、-C(O)R10、-NR10C(O)R11、および-C(O)NR11R12が、各々独立して、ハロゲン、-OR13、または-NR13R14で適宜置換されていてもよい、請求項1~18のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- qが、0または1である、請求項1~19のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- 各R6が、独立して、C1-C6アルキル、-OR10、3~6員ヘテロシクリル、または-NR11R12であって、R6の前記C1-C6アルキル、-OR10、3~6員ヘテロシクリル、および-NR11R12が、各々独立して、-OR13で適宜置換されていてもよい、請求項1~20のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- R7が、水素またはC1-C6アルキルである、請求項22に記載の化合物またはその塩。
- Zが、-NH-、-C(O)NH-、または-NH(CO)-である、請求項1~23のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- Zが、-NH-である、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- Xが、Nである、請求項1~25のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- Xが、CRaである、請求項1~25のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- R1が、C1-C6アルキルまたはC3-C6シクロアルキルであって、これらの各々が、独立して、ハロゲン、-OH、またはC1-C6アルキルで適宜置換されていてもよい、請求項1~27のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- nが、0、1、または2である、請求項1~29のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- 各R2が、独立して、C1-C6アルキルまたはハロゲンである、請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- R4が、ハロゲンである、請求項1~31のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- R4が、フルオロである、請求項1~32のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
- 請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
- 前記化合物が、表1の化合物またはその医薬的に許容される塩から選択される、請求項34に記載の医薬組成物。
- 治療を必要とする個体における癌を治療するための方法であって、治療上有効量の請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を前記個体に投与することを含む、方法。
- 前記癌が、乳癌、脳癌、結腸直腸癌、肺癌、胃癌、肝臓癌、白血病、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、メラノーマ、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、成人造血器腫瘍もしくは固形腫瘍、または小児腫瘍である、請求項36に記載の方法。
- 放射線療法を前記個体に投与することをさらに含む、請求項36または37に記載の方法。
- 治療上有効量の第2の治療剤を前記個体に投与することをさらに含む、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第2の治療剤が、癌免疫療法剤、内分泌治療剤、または化学療法剤である、請求項39に記載の方法。
- 前記第2の治療剤が、癌免疫療法剤である、請求項39または40に記載の方法。
- 前記第2の治療剤が、抗PD-1抗体である、請求項39または40に記載の方法。
- 前記内分泌治療剤が、抗エストロゲン療法剤、選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)、選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)、またはアロマターゼ阻害剤である、請求項40に記載の方法。
- 前記化学療法剤が、DNAアルキル化剤、白金を基にした化学療法剤、タキサン、BTK阻害剤、PI3K阻害剤、別のキナーゼ阻害剤、またはDNA損傷応答(DDR)経路阻害剤である、請求項40に記載の方法。
- 前記癌が、変異し、または過剰発現したCDK遺伝子を含む、請求項36~44のいずれか1項に記載の方法。
- (i)前記癌におけるCDK4もしくはCDK6または他のCDK遺伝子の1個またはそれ以上の変異または増幅の存在、(ii)前記癌におけるCDK4もしくはCDK6または他のCDKタンパク質の過剰発現、(iii)サイクリンをコードする遺伝子の増幅または過剰発現、(iv)遺伝子欠失、変異、またはプロモーター過剰メチル化による内在性INK4阻害剤の喪失、(v)CDK4もしくはCDK6または他のCDKの過剰活性を引き起こす他の遺伝学的事象、あるいは(vi)前記癌における網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質のリン酸化に基づいて治療のための前記個体を選択することを含む、請求項36~44のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞におけるG1-Sチェックポイントを停止するための方法であって、請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を前記細胞に投与することを含む、方法。
- 細胞におけるCDK4またはCDK6を阻害するための方法であって、請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を前記細胞に投与することを含む、方法。
- CDK4またはCDK6を阻害するための方法であって、CDK4またはCDK6を請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩と接触させることを含む、方法。
- 前記阻害剤が、CDK4またはCDK6に対して、キナーゼアッセイによると1μM以下のIC50で結合する、請求項48に記載の方法。
- 癌の治療のための薬剤の製造における、請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩の使用。
- 請求項1~33のいずれか1項に記載の化合物またはその塩を含む、キット。
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